JP7113421B2 - 切屑除去具 - Google Patents

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Description

本発明は、切屑除去具に関する。
従来より、工作機械によるワーク(被加工物)の切削加工(以下、単に「加工」とも称する)等においては、一般的に工作機械の回転主軸に工具ホルダを介して取り付けられた切削工具(以下、単に「工具」とも称する)を用いて行われている。この切削加工においては、加工中に発生する切屑がワークに付着してしまい、高精度な加工が困難になるという問題があった。
上記問題を解決するために、特許文献1には、工具主軸の回転によりプロペラ羽根を回転させてワークに向けて風を発生させ、その風によりワークに付着した切屑を除去する清掃装置(本発明の切屑除去具に相当)が開示されている。特許文献1記載の清掃装置は、工具主軸又は機械主軸に接続される円筒軸と円筒軸の端部に設けられた円板状部分と該円板状部分に対して円筒軸の反対側に設けられた取付部とを有する樹脂製の保持基台と、取付部に取り付けられた開閉可能な樹脂製のプロペラ羽根(本発明の羽根に相当)と、保持基台とプロペラ羽根との間に架け渡された引張ばねとを備える。清掃装置が回転していないときは、引張ばねの引張力によりプロペラ羽根はその長手方向が円筒軸と略平行な方向に延びた閉じ状態となっている。清掃装置が回転すると、回転による遠心力やプロペラ羽根の裏面に作用する空気の力により、引張ばねの引張力に抗してプロペラ羽根が円板状部分に当接するまで開いた開き状態になって回転する。これにより、プロペラ羽根はワークに向かう風を発生させ、この風によりワークの切屑を除去する。清掃装置は、例えば工具交換用マガジンに収容され、適時に切削工具と交換され、ワークの切屑を除去する。
特表2001-519727号公報
しかし、特許文献1の清掃装置においては、回転の遠心力やプロペラ羽根の裏面に作用する空気の力によってプロペラ羽根が閉じ状態から開き状態になる開き動作のとき、プロペラ羽根の短手方向の中央部分が保持基台の円板状部分の外周の角部に衝突する。プロペラ羽根の中央部分のみが衝突するのは、プロペラ羽根は短手方向で湾曲しているからである。プロペラ羽根の中央部分が円板状部分に当接することにより、プロペラ羽根の開き動作は終了しプロペラ羽根は開き状態になる。そして、清掃装置が回転している間はプロペラ羽根は常に開き状態にあり、プロペラ羽根の短手方向の中央部分は、常に円板状部分の外周の角部に押し付けられた状態で円板状部分に対して微摺動している。このように、プロペラ羽根の短手方向の中央部分は、開き動作時には円板状部分から衝撃力を受けると共に、開き状態では円板状部分との間で常に微摺動による摩擦力が作用している。
プロペラ羽根が閉じ状態と開き状態(以下、開閉とも称する)とを繰り返すことにより、プロペラ羽根の短手方向の中央部分には衝撃力と摩擦力が繰り返し作用する。その結果、プロペラ羽根の短手方向の中央部分が摩耗すると共に亀裂が発生し、亀裂が短手方向の両方に成長し、最終的にプロペラ羽根は破断に至る。
上記問題に鑑み、羽根の開閉を繰り返したとしても羽根の破断が発生し難い切屑除去具が求められている。
上記課題を解決するために、本発明に係る切屑除去具の特徴構成は、工作機械の工具ホルダに把持され、前記工具ホルダと共に回転する切屑除去具であって、基部と、前記基部に取り付けられ、前記基部の回転により閉じ状態から開き状態になり、該開き状態で風を発生させる複数の羽根と、前記基部と複数の前記羽根の夫々とに架け渡され、複数の前記羽根の夫々を前記閉じ状態になる方向に付勢する付勢部材と、を備え、前記基部は、前記工具ホルダに把持される円筒軸と、開き状態となった複数の前記羽根の夫々が当接する当接面を有する複数のストッパとを有し、前記羽根の当接部と前記ストッパの前記当接面とが当接した状態で、前記羽根の長手方向に沿って見たときに、前記当接部の両方の端部分と前記当接面の両方の端部分とが当接し、前記当接部の中央部分と前記当接面の中央部分との間に間隙を有する点にある。
上記の構成によれば、羽根の当接部とストッパの当接面とが当接した状態で、羽根の長手方向に沿って見たときに、羽根の当接部の中央部分とストッパの当接面の中央部分との間に間隙を有するので、羽根の当接部の中央部分には開閉の繰り返しによる衝撃力と摩擦力が作用せず、羽根の中央部分には摩耗も亀裂も発生しない。
この結果、羽根の開閉を繰り返しても、羽根の破断が発生し難い切屑除去具を実現することができた。これにより、開閉の繰り返しによる羽根の破断に至るまでの寿命を飛躍的に向上させることができる。
また、上記の構成によれば、羽根の当接部とストッパの当接面とは端部分のみで当接し、当接部の中央部分と当接面の中央部分との間には間隙を有するので、開閉を繰り返しても、羽根の当接部の中央部分には亀裂も摩耗も発生しない。よって、開閉の繰り返しによる羽根の破断に至るまでの寿命を飛躍的に向上させることができる。
本発明に係る切屑除去具においては、前記羽根の長手方向に沿って見たときに、前記羽根の前記当接部の曲率半径よりも前記ストッパの前記当接面の曲率半径が小さいと好適である。
上記より、羽根の当接部の曲率半径よりもストッパの当接面の曲率半径を小さくするという簡易な構成により、羽根の当接部とストッパの当接面とが当接した状態で、羽根の当接部の中央部分とストッパの当接面の中央部分との間に間隙を設けることができる。これにより、羽根の開閉を繰り返しても、羽根の当接部の中央部分には亀裂も摩耗も発生せず、羽根の破断に至るまでの寿命を飛躍的に向上させることができる。
本発明に係る切屑除去具においては、前記羽根が前記閉じ状態から前記開き状態になる過程において、前記羽根の長手方向に沿って見たときに、前記羽根の前記当接部の両方の端部分の何れか一方が前記ストッパの前記当接面に最初に当接し、その後前記当接部が前記当接面上を滑りつつ回動し、前記当接部の両方の端部分が前記当接面に当接して前記開き状態になると好適である。
上記の構成によれば、当接部が当接面上を滑ったり、羽根が回動したりすることにより、羽根の当接部が最初に当接した端部分に作用する衝撃力を逃がして軽減することができる。これにより、羽根の当接部が最初に当接した端部分に亀裂が発生することを抑制することができ、開閉を繰り返しても端部分に亀裂が発生するまでの開閉回数を増加させることができる。
第1実施形態に係る切屑除去具の閉じ状態を表す正面図である。 第1実施形態に係る切屑除去具の開き状態を表す正面図である。 第1実施形態に係る切屑除去具の開き状態を表す平面図である。 第1実施形態に係る切屑除去具の基部の斜視図である。 第1実施形態に係る切屑除去具の羽根を裏面側から見たときの斜視図である。 第1実施形態に係る切屑除去具の横断面図である。 第1実施形態に係る切屑除去具の縦断面図である。 第1実施形態に係る切屑除去具の羽根の当接部とストッパの当接面の当接状態を表す断面図である。 第1実施形態に係る切屑除去具の羽根の当接部とストッパの当接面の当接状態を表す断面図である。 別実施形態に係る切屑除去具の羽根の当接部とストッパの当接面の当接状態を表す断面図である。 第1実施形態に係る切屑除去具の使用状態を表す概略図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に記載される実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこれらの実施形態にのみ限定するものではない。したがって、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、様々な形態で実施することができる。
1.第1実施形態〔全体構成〕
図1~図3に本実施形態に係る切屑除去具1の全体構造を示す。切屑除去具1は基部2と、基部2に取り付けられた複数(本実施形態では4枚)の羽根3と、基部2と複数の羽根3の夫々とに架け渡された引張ばね4(付勢部材の一例)を備えている。図11に示すように、切屑除去具1は工作機械5に取り付けられ、ワーク7を切削加工することにより生じた切屑71を、風力により除去する。切屑除去具1は、不使用時には不図示の工具交換用マガジンに工具ホルダ6に把持された状態で収容されており、使用時には工作機械5の回転主軸51に取り付けられる。ワーク7の切削加工量が多い場合には、ワーク7の切削加工と切屑除去具1による切屑71の除去が交互に実行される。ワーク7の切削加工量が少ない場合には、ワーク7の加工終了後に切屑71の除去が実行される。
〔基部〕
図4に示すように、基部2は、軸心Xを有する円板状の基板21と、基板21の外周縁から基板21に垂直な方向に立設された複数(本実施形態では4個)のストッパ22と、基板21においてストッパ22よりも径方向内側且つストッパ22と同じ側に形成された支持部分23と、支持部分23の中心から更に軸心Xの方向に沿って延出して形成された突出部分24と、基板21に対して突出部分24と反対側に延出したシャンク(円筒軸の一例)25とを備える。支持部分23と突出部分24とシャンク25の夫々の軸心は何れも軸心Xと同軸心である。基部2は、例えば、カーボンファイバーやグラスファイバー等を含む高強度の樹脂材料からなり、基板21と、ストッパ22と、支持部分23と、突出部分24と、シャンク25とは一体的に形成されている。以下、基板21の平行な二面のうち、シャンク25が形成された側を上面21a、ストッパ22、支持部分23、突出部分24が形成された側を下面21bと称する。基部2は金属製であってもよい。
4個のストッパ22は、基板21の外周縁に沿って等間隔且つ外周縁から垂直な方向に立設されている。図1、図4に示すように、夫々のストッパ22は、正面視においては略台形状であり、底面視においては基板21の外周縁に沿うように湾曲して形成されている。正面視において、ストッパ22の平行な二辺のうち、基板21の下面21bに当接している辺(上辺)よりも、基板21から離間している辺(下辺)の方が短い。ストッパ22の一組の脚のうち、一方は凹状に湾曲している。この湾曲している脚に沿って基板21の径方向内側に向けて形成されているストッパ22の面が、羽根3の当接部32a(詳細は後述)が当接する当接面22aとなる。当接面22aは図8に示すように、曲率半径R1で湾曲している。
図4、図6に示すように、支持部分23は、断面が略円筒形状で基板21の下面21bから延出した中央部分23aと、中央部分23aから底面視で略扇形であり周方向に等間隔で径方向外側に向けて突出した4個の扇状部分23bを有している。隣接する扇状部分23b,23bの間の空間は、後述する羽根3の根元部分31が収容される収容空間23fとなっている。すなわち、収容空間23fも4個ある。隣接する扇状部分23b,23bの対向する側壁23c,23cは、互いに平行且つ軸心Xから径方向外側に延在する直線に平行になっているので、夫々の側壁23cを径方向内側に延長しても軸心Xとは交差しない。また、側壁23cの径方向外側の端部には、収容空間23fの容積が広がるように、テーパ部分23dが形成されている。テーパ部分23dにより、羽根3がストッパ22の当接面22a上を滑っても、羽根3は扇状部分23bに接触しない(詳細は後述)。
4個のストッパ22の夫々と4個の扇状部分23bの夫々は、底面視で対向する側壁23c,23cを径方向外側に延長したときに、側壁23c,23cが何れもストッパ22と交差するような位置関係にある。
各扇状部分23bの外周壁23eと両方の側壁23c,23cの間には断面が円形状の第一ピン貫通孔23g,23gが形成されている。隣接する扇状部分23b,23bの対向する側壁23c,23cに夫々開口を有する2つの第一ピン貫通孔23g,23gの中心軸は一致している。これら2つの第一ピン貫通孔23g,23gに亘って金属製のピン26が挿入されている。すなわち、ピン26は4本あり、夫々が4個の収容空間23fの各々を横切っている。また、夫々のピン26は後述する羽根3の係止部分31dを貫通しているので、羽根3は基部2に保持されると共に、ピン26は羽根3の回動軸となる。ピン26の両側には基板21の上面21aから螺合されたボルト27の軸があり、ピン26が第一ピン貫通孔23gから脱落しないように構成されている(図1、図7参照)。ボルト27の頭は上面21aよりも内側に位置しており、上面21aから突出していない。
図2、図4、図7に示すように、突出部分24は、支持部分23の中央部分23aから軸心Xに平行且つ基板21から離間する方向に延出している。突出部分24は略円筒形状の中央部分24aを有する。中央部分24aの基端側(中央部分23a側)の端部はテーパ24dにより拡径している。中央部分24aの外周には、周方向で等間隔に配置され、中央部分24aから径方向外側に向けて形成された4個のリブ24bを有する。リブ24bは支持部分23の収容空間23fに対向する位置に形成されている。中央部分24aの先端近傍からは軸方向視で十字形状になるように径方向外側に突出した4個の凸部を有し、該凸部の夫々から、引張ばね4の両端に形成された引掛け部分41,41のうちの一方を引掛けるための断面円形状のフック24cが形成されている。フック24cとリブ24bとは中央部分24aの周方向で同じ位置に形成されている。フック24cは中央部分24aよりも軸心Xに沿う方向に突出している。フック24cはリブ24bと同様、支持部分23の収容空間23fに対向する位置に形成されている。
図1、図7に示すように、シャンク25は基板21の上面21aから軸心Xに沿う方向に延出している。シャンク25は断面が円筒形状を有しており、断面が円筒形状の樹脂筒25aの内周面に密着するように鉄製の金属筒25bが内嵌されている。金属筒25bは断面が円筒形状であり、金属筒25bの内部の貫通孔は突出部分24の中央部分23aに軸心Xに沿う方向に形成された孔に連通している。すなわち、シャンク25の先端から突出部分24の先端まで、基部2の内部を貫通する貫通孔25cが形成されている。
〔羽根〕
図1、図5に示すように、羽根3は略矩形状を有しており、支持部分23の収容空間23fに収容される部分である根元部分31と、根元部分31に繋がり根元部分31から幅方向に拡がっていく拡幅部分32と、拡幅部分32に繋がり回転により風を発生させる羽根本体33とを有する。羽根3は、例えば、カーボンファイバーやグラスファイバー等を含む高強度の樹脂材料からなる。
羽根3の根元部分31は、湾曲面31aと湾曲面31aに垂直で互いに平行な側面31b,31bを有している。側面31b,31bの幅は隣接する扇状部分23b,23bの対向する側壁23c,23cの幅長よりも少し狭くなっている(図6参照)。そして、側面31b,31bの間はピン26が貫通する断面が円形状の第二ピン貫通孔31cが開けられている。この第二ピン貫通孔31cをピン26が貫通しており、第二ピン貫通孔31cの内径はピン26の外径より少し大きい(図6参照)。これにより羽根3は基部2に保持されると共に、ピン26を回動軸として羽根3は基部2に対して回動可能になる。このように、構成される部品間の隙間(ガタ)により、羽根3は、側面31b,31bと対向する側壁23c,23cの間にできる隙間の分だけピン26の軸心方向に沿って移動させることが可能であり、第二ピン貫通孔31cの内周面とピン26外周面との間にできる隙間の分だけピン26に対して回動する(捻る)ことが可能である。
羽根3の裏面3a側であって、羽根3の根元部分31と拡幅部分32との境界近傍には、湾曲面31aから突出した凸部分に第二ピン貫通孔31cと平行な貫通孔が開けられた係止部分31dを有する。係止部分31dの貫通孔には、引張ばね4の両端に形成された引掛け部分41,41のうちの他方が引掛けられ、一方は上述したように突出部分24のフック24cに引掛けられる。これにより、羽根3には常に引張ばね4の付勢力(以下、引張力とも称する)が作用するので、切屑除去具1が回転していないときは、羽根3は4枚ともピン26を中心に回動して突出部分24に近接する方向に引き付けられ、図1に示すような、羽根3の長手方向が軸心Xと略平行な状態になる。以後、この状態を「閉じ状態」と称する。なお、係止部分31dは、根元部分31に形成されていてもよいし、拡幅部分32に形成されていてもよい。係止部分31dは、羽根3の裏面3aの任意の場所に形成することができる。
羽根3の拡幅部分32は、根元部分31の側面31b,31b間の幅を羽根本体33の短手方向の幅まで拡幅する部分であり、根元部分31と羽根本体33とを滑らかに繋ぐ部分である。本実施形態において、拡幅部分32は、羽根3が回転により引張ばね4の引張力に抗して、閉じ状態から羽根3の長手方向が基板21の上面21aと略平行になるまで開いた状態(以後この状態を「開き状態」と称する、図2参照)になったときに、ストッパ22の当接面22aに当接する部分である当接部32aを有する(図1、図8、図9参照)。羽根3の長手方向に沿って見たときに、拡幅部分32と羽根本体33は幅方向(羽根本体33では短手方向)において当接面22aの湾曲方向と同じ方向に湾曲しており、湾曲した部分のうち少なくとも当接部32aの曲率半径をR2とする。ストッパ22の当接面22aの曲率半径R1は、羽根3の当接部32aの曲率半径R2よりもやや小さくなっている。
当接部32a以外の拡幅部分32と羽根本体33の曲率半径は特に規定しない。例えば、拡幅部分32と羽根本体33の曲率半径が同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、拡幅部分32と羽根本体33の夫々において曲率半径は一定である必要はなく、曲率半径が変化してもよい。
拡幅部分32の厚みは、羽根3の短手方向においては、根元部分31から離れるにつれて薄くなる。また、羽根3の長手方向においては、根元部分31から離れ羽根本体33に近づくにつれて薄くなる。羽根本体33の厚みは略均一である。
羽根3の長手方向に沿って見たときに、拡幅部分32と羽根本体33の幅方向は、根元部分31の第二ピン貫通孔31cの軸心に対して0度から90度の間の角度で傾斜している。また、開き状態で、羽根3の当接部32aが幅方向でストッパ22の当接面22aにほぼ沿うように構成されている。羽根本体33の第二ピン貫通孔31cの軸心に対する傾斜角度は、切屑除去具1の回転数、発生させる風量、引張ばね4の引張力の仕様等に基づいて決定される。
本実施形態においては、当接部32aは拡幅部分32に設けられたがこれに限られない。当接部32aが拡幅部分32と羽根本体33との境界や羽根本体33に設けられていてもよい。
〔切屑除去具の動作〕
図11に示すように、切屑除去具1は、工具ホルダ6の挿入孔(不図示)にシャンク25を挿入することにより工具ホルダ6に把持されており、当該工具ホルダ6を工作機械5の回転主軸51に取り付けて使用される。切屑除去具1は、回転主軸51が回転すると、工具ホルダ6と共に回転する。上述のように、回転主軸51が回転していないときは切屑除去具1も回転しないので、切屑除去具1の4枚の羽根3は閉じ状態になっている(図1参照)。
工作機械5を作動させて、回転主軸51を回転させると、切屑除去具1も回転する。この回転による遠心力や羽根3の裏面3aに作用する空気の力により、羽根3は引張ばね4の引張力に抗して軸心Xに対して傾きつつ開いていく。そして、羽根3の当接部32aがストッパ22の当接面22aに当接する。回転主軸51を回転開始させるとき、回転主軸51の回転数を急激に上昇させると、羽根3がストッパ22に当接したときに、羽根3(特に当接部32a)がストッパ22から受ける衝撃力が大きくなるので、回転主軸51の回転数は低回転数から徐々に大きくするとよい。例えば、最終的に6000rpmで回転させるときは、500rpm、1000rpm、2000rpm、6000rpmのように回転数を段階的に大きくしていく。このとき、最初の回転数(本実施形態では500rpm)は、羽根3の当接部32aがストッパ22の当接面22aに当接するものの、当接部32aが当接面22aから受ける衝撃力ができるだけ小さくなるように設定するとよい。切屑除去具1が回転して羽根3が開くと、ワーク7に向けて風が発生し、ワーク7の切削加工により発生した切屑71を風力により除去する。
切屑除去具1が回転して、羽根3が閉じ状態から開いていくとき、羽根3の長手方向に沿って見たときに、羽根3の当接部32aがストッパ22の当接面22aに最初に当接するのは、当接部32aの一方の端部分32b(図1、図8参照)と当接面22aの一方の端部分22b(図4、図8参照)である。当接部32aと当接面22aのそれ以外の箇所は離間している。
その後、回転数の上昇により、遠心力が増加し、羽根3の裏面3aに作用する空気の力が増加する。そしてこれらの力の合計は引張ばね4の引張力を上回るので、羽根3の当接部32aは更に当接面22aに押し付けられる。上述したように、羽根3は、側面31b,31bと対向する側壁23c,23cの間に隙間を有し、且つ、第二ピン貫通孔31cの内周面とピン26外周面との間に隙間を有するので、当接部32aが当接面22aに更に押し付けられる過程において、羽根3の長手方向に沿って見たときに、羽根3の当接部32aが当接面22a上を滑りつつ、羽根3が当接面22a(基部2)に対して回動する。そして、最終的には、図9に示すように、当接部32aの一方の端部分32bが当接面22aの一方の端部分22bに当接した状態で、当接部32aの他方の端部分32cが当接面22aの他方の端部分22cから基板21の下面21bに亘る範囲に当接した状態になる。これが、上述した「開き状態」である。このとき羽根3の当接部32aが基板21の下面21bに当接しているので、開き状態において、当接面22aに対して羽根3はそれ以上大きく移動することはない。ただし、開き状態でも羽根3は当接面22a(基部2)に対して微摺動を繰り返しており、当接部32a(端部分32b,32c)には摩擦力が作用する。
本実施形態においては、上述した羽根3の当接部32aとストッパ22の当接面22aとの最初の当接から開き状態に至るまでの間、すなわち、羽根3の当接部32aとストッパ22の当接面22aとが当接した状態で、羽根3の長手方向に沿って見たときに、羽根3の当接部32aのうち端部分32b,32cの間にある中央部分32dは、ストッパ22の当接面22aのうち端部分22b,22cの間にある中央部分22dと当接せず、常に離間して間隙Sを有する状態を維持する。これは、ストッパ22の当接面22aの曲率半径R1は、羽根3の当接部32aの曲率半径R2よりも小さいからである。
本実施形態に係る切屑除去具1は、使用すると回転して羽根3が閉じ状態から開き状態になり、使用が終わると回転が止まり閉じ状態に戻る。そして、使用の度にこの開閉を繰り返す。このため、羽根3が閉じ状態から開き状態になるとき、羽根3の当接部32aはストッパ22の当接面22aに常に衝突し、当接部32aは当接面22aから衝撃力を受ける。そして、開き状態においては当接面22aに対して当接部32aは常に微摺動する。つまり、切屑除去具1の使用を継続する限り、当接部32aには羽根3の開閉の繰り返しによる衝撃力と微摺動による摩擦力が加わる。
ただし、衝撃力と摩擦力が作用するのは、羽根3の当接部32aの両方の端部分32b,32cであり、中央部分32dは当接面22aの中央部分22dとの間に間隙Sを有するので、中央部分32dには衝撃力も摩擦力も作用せず、中央部分32dには摩耗も亀裂も発生しない。この結果、羽根3の開閉を繰り返しても、羽根3の破断が発生し難い切屑除去具1を実現することができた。したがって、切屑除去具1を使用すると、羽根の中央部分に衝撃力と摩擦力が作用する構成を有する従来の切屑除去具と比較して、開閉の繰り返しによる羽根3の破断に至るまでの寿命を飛躍的に向上させることができる。例えば、従来の切屑除去具は2万回の開閉により羽根が破断していたが、本実施形態に係る切屑除去具1では12万回の開閉によっても羽根3が破断しないことが確認されており、羽根3の当接部32aの曲率半径R2よりもストッパ22の当接面22aの曲率半径R1を小さくするという簡易な構成により、6倍以上の長寿命化を実現することができた。
また、図6に示すように、羽根3は、側面31b,31bと対向する側壁23c,23cの間に隙間を有し、且つ、第二ピン貫通孔31cの内周面とピン26外周面との間に隙間を有するので、羽根3の当接部32aの端部分32bがストッパ22の当接面22aの端部分22bに最初に当接し、その後当接部32aが当接面22aに更に押し付けられる過程において、羽根3の長手方向に沿って見たときに、羽根3の当接部32aが当接面22a上を滑りつつ、羽根3が当接面22a(基部2)に対して回動する。これにより、端部分32bが端部分22bに当接したときに端部分32bに作用する衝撃力を逃がして軽減することができる。したがって、羽根3の当接部32aの端部分32bに亀裂が発生することを抑制することができ、羽根3の開閉を繰り返しても端部分32bに亀裂が発生するまでの開閉回数を増加させることができる。この点からも、開閉の繰り返しによる羽根3の破断に至るまでの寿命を向上させることができる。
なお、羽根3の当接部32aに作用する衝撃力と摩擦力の反力はストッパ22の当接面22aに作用するが、当接部32aに垂直な方向の厚みと当接面22aに垂直な方向の厚みを比較すると、当接部32aに垂直な方向の厚みより当接面22aに垂直な方向の厚みの方が十分に厚い。したがって、ストッパ22の当接面22aに作用する衝撃力と摩擦力によるストッパ22の破断は考慮する必要がない。
2.別実施形態
以下、本発明の別実施形態に係る切屑除去具10について図面に基づいて説明する。本実施形態の説明においては、第1実施形態と同じ構成の箇所には同じ符号を付し、同様の構成に関する説明は省略する。
本実施形態に係る切屑除去具10においては、図10に示すように、ストッパ22の当接面22aの曲率半径R1と、羽根3の当接部32aの曲率半径R2は同じである。そして、当接面22aの中央部分22dに切欠き22eが形成されている。切欠き22eが形成されているので、当接部32aの中央部分32dは当接面22aの中央部分22dとの間に間隙Sを有する。したがって、羽根3が開閉を繰り返しても、羽根3の当接部32aに作用する衝撃力と摩擦力は、羽根3の当接部32aの両方の端部分32b,32cにのみ作用し、中央部分32dには衝撃力も摩擦力も作用しないので、羽根3の破断が発生し難く、羽根3の破断に至るまでの寿命を向上させることができる。
本発明は、切屑除去具に利用することが可能である。
1 切屑除去具
2 基部
3 羽根
4 引張ばね(付勢部材)
5 工作機械
6 工具ホルダ
22 ストッパ
22a 当接面
22b 端部分
22c 端部分
22d 中央部分
25 シャンク(円筒軸)
32a 当接部
32b 端部分
32c 端部分
32d 中央部分
R1 曲率半径
R2 曲率半径
S 間隙

Claims (3)

  1. 工作機械の工具ホルダに把持され、前記工具ホルダと共に回転する切屑除去具であって、
    基部と、
    前記基部に取り付けられ、前記基部の回転により閉じ状態から開き状態になり、該開き状態で風を発生させる複数の羽根と、
    前記基部と複数の前記羽根の夫々とに架け渡され、複数の前記羽根の夫々を前記閉じ状態になる方向に付勢する付勢部材と、を備え、
    前記基部は、前記工具ホルダに把持される円筒軸と、開き状態となった複数の前記羽根の夫々が当接する当接面を有する複数のストッパとを有し、
    前記羽根の当接部と前記ストッパの前記当接面とが当接した状態で、前記羽根の長手方向に沿って見たときに、前記当接部の両方の端部分と前記当接面の両方の端部分とが当接し、前記当接部の中央部分と前記当接面の中央部分との間に間隙を有する切屑除去具。
  2. 前記羽根の長手方向に沿って見たときに、前記羽根の前記当接部の曲率半径よりも前記
    ストッパの前記当接面の曲率半径が小さい請求項に記載の切屑除去具。
  3. 前記羽根が前記閉じ状態から前記開き状態になる過程において、前記羽根の長手方向に沿って見たときに、前記羽根の前記当接部の両方の端部分の何れか一方が前記ストッパの前記当接面に最初に当接し、その後前記当接部が前記当接面上を滑りつつ回動し、前記当接部の両方の端部分が前記当接面に当接して前記開き状態になる請求項1又は2に記載の切屑除去具。
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