JP7112974B2 - 車載用バッテリの温調装置 - Google Patents

車載用バッテリの温調装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7112974B2
JP7112974B2 JP2019029573A JP2019029573A JP7112974B2 JP 7112974 B2 JP7112974 B2 JP 7112974B2 JP 2019029573 A JP2019029573 A JP 2019029573A JP 2019029573 A JP2019029573 A JP 2019029573A JP 7112974 B2 JP7112974 B2 JP 7112974B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
opening
vehicle
battery
closing door
space
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019029573A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020136133A (ja
Inventor
農 丹羽
俊昭 成毛
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Subaru Corp
Original Assignee
Subaru Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Subaru Corp filed Critical Subaru Corp
Priority to JP2019029573A priority Critical patent/JP7112974B2/ja
Publication of JP2020136133A publication Critical patent/JP2020136133A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7112974B2 publication Critical patent/JP7112974B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/7072Electromobility specific charging systems or methods for batteries, ultracapacitors, supercapacitors or double-layer capacitors
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T90/00Enabling technologies or technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02T90/10Technologies relating to charging of electric vehicles
    • Y02T90/14Plug-in electric vehicles

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)
  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
  • Cooling, Air Intake And Gas Exhaust, And Fuel Tank Arrangements In Propulsion Units (AREA)
  • Arrangement Or Mounting Of Propulsion Units For Vehicles (AREA)

Description

本発明は、車載用バッテリの温調装置に関し、特に、車載用バッテリの長手方向の側面の空間部への冷却風の流れを調整する開閉扉を配設し、効率的に電池セルを冷却し、あるいは昇温することで、電池特性を向上させる車載用バッテリの温調装置に関する。
従来のバッテリ100として、図9及び図10に示す構造が知られている。図9(A)は、従来のバッテリ100を説明する斜視図である。図9(B)は、従来のバッテリを説明する断面図であり、図9(A)に示すE-E線方向の断面図である。図10(A)は、従来のバッテリ100のセルスタック101を説明する斜視図である。図10(B)は、従来のバッテリ100のセルスタック101を説明する断面図であり、図10(A)に示すセルスタック101のF-F線方向の断面図である。
図9(A)に示す如く、バッテリ100は、主に、箱型の筐体102と、筐体102の内部に配設される複数のセルスタック101(図9(B)参照)と、筐体102の内部と連通するダクト103と、ダクト103と連結するブロワ104と、を有している。
筐体102の内部には、例えば、5個のセルスタック101が配設され、バッテリ100は、車両に搭載されたPCU(図示せず)にて制御され、車両内に配設されたモータ等に電力を供給する。
図9(B)に示す如く、ブロワ104は、バッテリシステムのBCU(図示せず)にて制御され、セルスタック101を構成するセル105を冷却する際に稼働し、筐体102(図9参照)内へと外部の空気を送風する。そして、実線109は空気の流れを示すが、筐体102内へと送風された空気は、送風路110を流れた後、各セル105間の間隙を流れることで、各セル105を冷却する。
図10(A)に示す如く、個々のセルスタック101は、複数のセル105を含んで構成されている。セル105は、例えば、リチウムイオン電池等の2次電池にて構成されている。そして、各セル105の側面105Aには、長手方向(紙面前後方向)に沿って凹部106が形成されている。凹部106には、空気を整流する複数の凸部107と、伝熱ヒータとしての配線108が形成されている。
配線108は、例えば、銅等の金属線にて形成され、配線108は、電力供給部(図示せず)と接続し、電力が供給されることで発熱し、セル105を外部から昇温させる。図示したように、配線108は、セル105を均等に昇温させるために、側面105Aに対して出来る限り均一に配設されている。
図10(B)に示す如く、セルスタック101では、複数のセル105が隣接して配設され、凹部106は、隣接するセル105間の間隙となり、セルスタック101の長手方向(紙面前後方向)に貫通した冷却風路として用いられる(例えば、特許文献1参照。)。
特開2017-184522号公報
図9(A)及び図9(B)に示す如く、バッテリ100では、箱型の筐体102内の各セル105を冷却する際には、ブロワ104が稼働し、筐体102内へと外部の空気を送風する。そして、実線109にて示すように、空気が、各セル105間の間隙を流れることで、各セル105を冷却する。
しかしながら、図10(B)に示す如く、各セル105間の凹部106を用いた間隙は、常時開放した構造である。そして、図9(B)に示す如く、筐体102内へと送風される空気は、ダクト103の近傍領域では、空気が、各セル105間の間隙へと誘導され易い。その結果、セル105は効率的に冷却されるが、筐体102の端部、特に、ダクト103に対して遠方に位置する右側のセル105では、空気が流れ込み難く、その領域のセル105は、効率的に冷却され難い。この構造により、筐体102内の全てのセル105が、均一に冷却され難く、電池特性にばらつきが発生し易いという課題がある。
また、図10(A)に示すように、配線108は、セルスタック101を構成する各セル105の側面105Aに対してそれぞれ配設されている。一方、図10(B)に示すように、各セル105間には、凹部106を利用して間隙が形成され、その間隙は、セルスタック101の長手方向(紙面前後方向)に貫通している。
この構造により、上記間隙は密閉空間でないため、配線108の発熱により、間隙に存在する空気を温めた状態に維持することは難しい。そして、上記間隙内の温められた空気を熱伝導経路として介在させて、セル105を昇温させることは困難である。その結果、図10(A)に示すように、配線108は、側面105Aに対して出来る限り均一に配設され、セル105を昇温させる期間中、配線108に電力を供給し続ける必要があり、消費電力を低減し難いという課題がある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、車載用バッテリの長手方向の側面の空間部への冷却風の流れを調整する開閉扉を配設し、効率的に電池セルを冷却し、あるいは昇温することで、電池特性を向上させる車載用バッテリの温調装置を提供することにある。
本発明の車載用バッテリの温調装置では、複数の電池セルが収納される車載用バッテリの長手方向の側面に沿って配設される昇温ヒータを備えた車載用バッテリの温調装置において、前記昇温ヒータは、筐体部と、前記筐体部内に配設される発熱素子と、を有し、前記車載用バッテリの前記側面と前記筐体部の側面との間には、前記車載用バッテリの長手方向に沿って空間部が設けられ、前記空間部の上流側には、前記筐体部に対して回転自在に軸支される第1の開閉扉が配設されると共に、前記空間部の下流側には、前記筐体部に対して回転自在に軸支される第2の開閉扉が配設され、前記第1の開閉扉は、前記空間部の外側に向けて突出していると共に、前記空間部の上流側の端部に位置している前記電池セルよりも外側に軸支されていることを特徴とする。
また、本発明の車載用バッテリの温調装置では、前記第1の開閉扉は、前記筐体部の前記側面側にて軸支されると共に、前記車載用バッテリの前記側面側の前記第1の開閉扉が、前記空間部内へと回動し、前記第1の開閉扉は、前記空間部の外側に向けて、曲面状に突出した形状、角状に突出した形状またはそれらを組み合わせた形状であることを特徴とする。
また、本発明の車載用バッテリの温調装置では、前記第1の開閉扉及び前記第2の開閉扉が閉状態時には、前記空間部は、前記第1の開閉扉、前記第2の開閉扉、前記車載用バッテリの前記側面及び前記筐体部に囲まれてなる略密閉空間となることを特徴とする。
また、本発明の車載用バッテリの温調装置では、前記第1の開閉扉及び前記第2の開閉扉が閉状態時には、前記空間部は、前記第1の開閉扉、前記第2の開閉扉、前記車載用バッテリの前記側面及び前記筐体部にて囲まれると共に、前記第1の開閉扉には、前記空間部と連通するスリットが形成されていることを特徴とする。
また、本発明の車載用バッテリの温調装置では、前記第1の開閉扉及び前記第2の開閉扉が閉状態時には、前記空間部内の空気は、前記発熱素子を介して温められると共に、前記第1の開閉扉及び前記第2の開閉扉が開状態時には、前記空間部は、前記筐体部の外部の空気が流通する冷却風通路となることを特徴とする。
また、本発明の車載用バッテリの温調装置では、前記第2の開閉扉は、前記空間部の上流側に向けて突出していると共に、前記空間部の中央から下流側の端部の間の前記筐体部に軸支されていることを特徴とする。
また、本発明の車載用バッテリの温調装置では、前記第2の開閉扉は、前記空間部の上流側に向けて、曲面状に突出した形状、角状に突出した形状またはそれらを組み合わせた形状であることを特徴とする。
また、本発明の車載用バッテリの温調装置では、前記第2の開閉扉は、前記空間部の下流側の端部に位置している前記電池セルよりも外側に軸支されていることを特徴とする。
本発明の車載用バッテリの温調装置では、複数の電池セルが収納される車載用バッテリの長手方向の側面に沿って配設される昇温ヒータを備え、昇温ヒータは、筐体部と、筐体部内に配設される発熱素子と、を有し、車載用バッテリの側面と筐体部の側面との間には、車載用バッテリの長手方向に沿って空間部が設けられている。そして、空間部の上流側には、筐体部に対して回転自在に軸支される第1の開閉扉が配設されると共に、空間部の下流側には、筐体部に対して回転自在に軸支される第2の開閉扉が配設されている。第1の開閉扉は、空間部の外側に向けて突出していると共に、空間部の上流側の端部に位置している電池セルよりも外側に軸支されている。この構造により、車載用バッテリの電池セルを冷却する際には、第1及び第2の開閉扉が開状態となり、車載用バッテリと昇温ヒータとの間の空間部は、冷却風通路として用いられる。そして、第1の開閉扉が、空間部の上流側の端部の電池セルよりも外側に軸支されることで、空間部内に送り込まれる空気が、車載用バッテリの端部に位置する電池セルに対しても積極的に冷却することができる。その結果、車載用バッテリ内の複数の電池セルが、出来る限り均一に冷却され、車載用バッテリ内での電池特性のばらつきの発生を防止することができる。
また、本発明の車載用バッテリの温調装置では、第1の開閉扉は、筐体部の側面側にて軸支されると共に、車載用バッテリの側面側の第1の開閉扉が、空間部内へと可動する。そして、第1の開閉扉は、空間部の外側に向けて、曲面状に突出した形状、角状に突出した形状またはそれらを組み合わせた形状である。この構造により、車載用バッテリの電池セルを冷却する際には、第1及び第2の開閉扉を開状態とし、上記空間部内に外部の空気を送り込む。そして、第1の開閉扉が、整流効果の役割を果たすことで、外部の空気が、スムーズに空間部内へ送り込まれ、車載用バッテリの冷却効率を向上させることができる。
また、本発明の車載用バッテリの温調装置では、第1及び第2の開閉扉が閉状態時には、上記空間部は、第1の開閉扉、第2の開閉扉、車載用バッテリの側面及び筐体部に囲まれてなる略密閉空間となる。この構造により、車載用バッテリの電池セルを昇温する際には、第1及び第2の開閉扉を閉状態とすることで、上記空間部内の空気は昇温ヒータを介して温められる。そして、上記空間部内の温められた空気が、熱伝導経路として介在し、車載用バッテリ内の複数の電池セルを昇温することができる。
また、本発明の車載用バッテリの温調装置では、第1及び第2の開閉扉が閉状態時には、上記空間部は、第1の開閉扉、第2の開閉扉、車載用バッテリの側面及び筐体部にて囲まれると共に、第1の開閉扉には、空間部と連通するスリットが形成されている。この構造により、車載用バッテリの電池セルを冷却する際には、第1の開閉扉に形成されたスリットを介して、第1の開閉扉の裏側にも空気を送り込むことができる。そして、外部の空気が、上記空間部内へとスムーズに送り込まれることで、車載用バッテリの冷却効率を向上させることができる。
また、本発明の車載用バッテリの温調装置では、第1及び第2の開閉扉が閉状態時には、空間部内の空気は、発熱素子を介して温められると共に、第1及び第2の開閉扉が開状態時には、上記空間部は、筐体部の外部の空気が流通する冷却風通路となることを特徴とする。この構造により、第1及び第2の開閉扉の閉状態時には、車載用バッテリの電池セルを昇温することができ、第1及び第2の開閉扉の開状態時には、車載用バッテリの電池セルを冷却することができる。
また、本発明の車載用バッテリの温調装置では、第2の開閉扉は、上記空間部の上流側に向けて突出していると共に、空間部の中央から下流側の端部の間の筐体部に軸支されている。この構造により、上記空間部の下流側の出口においても、第2の開閉扉の整流効果を用いて、車載用バッテリ内の複数の電池セルが、出来る限り均一に冷却される。
また、本発明の車載用バッテリの温調装置では、第2の開閉扉は、上記空間部の上流側に向けて、曲面状に突出した形状、角状に突出した形状またはそれらを組み合わせた形状である。この構造により、第2の開閉扉も整流効果の役割を果たすことができる。
また、本発明の車載用バッテリの温調装置では、第2の開閉扉は、上記空間部の下流側の端部に位置している電池セルよりも外側に軸支されている。この構造により、車載用バッテリの電池セルを冷却する際には、車載用バッテリ内の電池セルを出来る限り均一に冷却すると共に、車載用バッテリの電池セルを昇温する際には、車載用バッテリ内の電池セルを出来る限り均一に昇温することができる。
本発明の一実施形態である車載用バッテリの温調装置を備えた車両を説明する(A)斜視図、(B)平面図である。 本発明の一実施形態である車載用バッテリの温調装置を説明するブロック図である。 本発明の一実施形態である車載用バッテリの温調装置を説明する(A)上面図、(B)側面図、(C)上面図である。 本発明の一実施形態である車載用バッテリの温調装置を説明する(A)側面図、(B)断面図、(C)断面図である。 本発明の一実施形態である車載用バッテリを説明する(A)斜視図、(B)分解斜視図である。 本発明の一実施形態である車載用バッテリの温調装置を説明する(A)斜視図、(B)断面図である。 本発明の一実施形態である車載用バッテリの温調装置を説明する(A)断面図、(B)断面図である。 本発明の一実施形態である車載用バッテリの温調装置を説明する(A)断面図、(B)断面図、(C)断面図、(D)断面図である。 従来の従来のバッテリを説明する(A)斜視図、(B)断面図である。 従来のバッテリのセルスタックを説明する(A)斜視図、(B)断面図である。
以下、本発明の一実施形態に係る車載用バッテリの温調装置10(以下、「温調装置10」と呼ぶ。)を図面に基づき詳細に説明する。尚、本実施形態の説明の際には、同一の部材には原則として同一の符番を用い、繰り返しの説明は省略する。
図1(A)は、本実施形態の温調装置10(図2参照)及び車載用バッテリ11を搭載した車両12を説明する斜視図である。図1(B)は、本実施形態の温調装置10及び車載用バッテリ11の配設状態を説明する平面図である。図2は、本実施形態の温調装置10を説明するブロック図である。図3(A)及び図3(C)は、本実施形態の温調装置10の第1及び第2の開閉扉31,32を説明する上面図である。図3(B)は、本実施形態の第1及び第2の開閉扉31,32を説明する側面図である。図4(A)は、本実施形態の温調装置10の昇温ヒータ16を説明する側面図である。図4(B)は、本実施形態の温調装置10の昇温ヒータ16を説明する断面図であり、図4(A)に示す昇温ヒータ16のA-A線方向の断面図である。図4(C)は、本実施形態の温調装置10の昇温ヒータ16を説明する断面図であり、図4(A)に示す昇温ヒータ16のB-B線方向の断面図である。
図1(A)に示す如く、自動車や電車等の車両12には、モータや様々の電装部品に電力を供給するための車載用バッテリ11(図1(B)参照)が搭載されている。車両12が自動車の場合には、近年、EV(Electrical Vehicle)車、HEV(Hybrid Electrical Vehicle)車やPHEV(Plug-in Hybrid Electrical Vehicle)車等が普及している。そして、これらの車両12にも、高い蓄電機能を有した複数の車載用バッテリ11が搭載されている。
図1(A)は、車載用バッテリ11を備えた車両12を下方から見た状態を示している。車両12は、主に、車体13と、車両12の底面14近傍のバッテリ配置領域15に配設された複数の車載用バッテリ11と、車載用バッテリ11から供給される電力により駆動される駆動モータ25(図2参照)と、駆動モータ25の駆動力で回転するタイヤ(図示せず)と、を有している。
図1(B)に示す如く、車両12のバッテリ配置領域15には、行列状に複数の車載用バッテリ11が配設されている。車載用バッテリ11は、例えば、直方体形状であり、車両12の前後方向に沿ってその長手方向が配置されている。そして、複数の車載用バッテリ11が、バッテリ配置領域15に効率良く配置され、多くの車載用バッテリ11が搭載されることで、車両12の連続走行距離を伸ばすことができる。
図示したように、温調装置10(図2参照)の昇温ヒータ16が車載用バッテリ11の長手方向の側面11A,11Bに沿って配設されている。昇温ヒータ16は、車載用バッテリ11を挟むように配設され、車載用バッテリ11の両側面11A,11B側から車載用バッテリ11を昇温する。そして、寒冷地等、車両12が低温環境下にて走行する際に、昇温ヒータ16は、車載用バッテリ11を使用可能な温度範囲まで昇温させることで、出力特性や放充電特性等のバッテリ特性が劣化することが防止される。
具体的には、車両12のバッテリ配置領域15では、最前列には、2個の車載用バッテリ11が配設されると共に、それらの車載用バッテリ11と隣接して3個の昇温ヒータ16が配設されている。一方、2列目から4列目には、各列4個の車載用バッテリ11が配設されると共に、それらの車載用バッテリ11と隣接して5個の昇温ヒータ16が配設されている。
一方、詳細は後述するが、昇温ヒータ16の長手方向(車両12の前後方向)の両端部近傍には、第1の開閉扉31(図3(A)参照)と、第2の開閉扉32(図3(A)参照)とが、回転自在に配設されている。そして、車載用バッテリ11と昇温ヒータ16との間には空間部35(図3(A)参照)が形成され、その空間部35は、第1及び第2の開閉扉31,32により塞がれ、あるいは開放される。
そして、車載用バッテリ11を空冷する際には、第1及び第2の開閉扉31,32は開状態となり、空間部35は、冷却風通路として開放された状態となる。一方、車載用バッテリ11を昇温する際には、第1及び第2の開閉扉31,32は閉状態となり、空間部35は塞がれ、密閉空間または密閉空間に近い状態となる。
図2に示す如く、温調装置10は、主に、電子制御ユニット21と、車載用バッテリ11を温める昇温ヒータ16と、車載用バッテリ11の温度を測定する温度センサ22と、車載用バッテリ11を昇温あるいは空冷する際に回動する第1及び第2の開閉扉31,32と、昇温ヒータ16や第1及び第2の開閉扉31,32を回動させるモータ(図示せず)に電力を供給するサブバッテリ23と、を有している。
車載用バッテリ11は、例えば、350Vの高電圧の電力供給源である。車載用バッテリ11は、インバータ24を介して駆動モータ25と接続し、駆動モータ25へと電力を供給する。尚、駆動モータ25は、車両12(図1(A)参照)の駆動輪(図示せず)を駆動するための動力を出力する。
電子制御ユニット21は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を有して構成され、車両制御のための各種の演算等を実行する。そして、電子制御ユニット21は、例えば、運転手がブレーキ(図示せず)を踏んだ状態にて、車両12のイグニッションスイッチ26を押下することで始動する。
電子制御ユニット21は、例えば、温度センサ22からの測定値を記憶すると共に、その測定値と車載用バッテリ11の使用可能温度範囲値とを対比する。そして、車載用バッテリ11を昇温する際には、電子制御ユニット21は、第1及び第2の開閉扉31,32を閉状態へと回動させると共に、昇温ヒータ16をオン動作させる。一方、車載用バッテリ11を冷却する際には、第1及び第2の開閉扉31,32を開状態へと回動させると共に、昇温ヒータ16が稼働していた場合には、昇温ヒータ16をオフ動作させる。
具体的には、車両12の走行時等、車載用バッテリ11が、一定温度以上に高温な状態となった場合には、車載用バッテリ11を冷却する。この場合には、電子制御ユニット21は、温度センサ22からの測定値を記憶すると共に、その測定値と車載用バッテリ11の使用可能温度範囲の上限値とを比較する。そして、上記測定値が、上記使用可能温度範囲の上限値以上の場合には、電子制御ユニット21は、サブバッテリ23からモータ(図示せず)に電力を供給させ、第1及び第2の開閉扉31,32を開状態へと回動する。その結果、空間部35は、冷却風通路として用いられ、車載用バッテリ11が空冷により冷却される。
一方、車両12が、寒冷地等、低温環境下にて駐車し、一定温度以下に冷却されている場合には、車載用バッテリ11を昇温する。この場合には、電子制御ユニット21は、温度センサ22からの測定値を記憶すると共に、その測定値と車載用バッテリ11の使用可能温度範囲の下限値とを比較する。そして、上記測定値が、上記使用可能温度範囲の下限値以下の場合には、電子制御ユニット21は、サブバッテリ23からモータ(図示せず)に電力を供給させ、第1及び第2の開閉扉31,32を閉状態へと回動させ、空間部35を略密閉空間とする。更に、電子制御ユニット21は、サブバッテリ23から昇温ヒータ16に電力を供給させ、昇温ヒータ16がオン動作し、空間部35内の空気を介して車載用バッテリ11は昇温される。
図3(A)に示す如く、昇温ヒータ16の筐体部33は、車両12の前後方向に長手方向を有し、その断面形状は、例えば、略H字形状である。筐体部33の主柱部33Aは、その短手方向(車両12の左右方向)の中央部に上下方向延在して形成されると共に、筐体部33の長手方向に延在して形成されている。また、主柱部33Aの上端側には、筐体部33の上面部33Bが主柱部33Aと一体に形成され、主柱部33Aの下端側には、筐体部33の底面部33C(図3(B)参照)が主柱部33Aと一体に形成されている。上面部33B及び底面部33Cは、筐体部33の長手方向に延在して形成されている。
また、筐体部33には、その長手方向の両端部の近傍に第1の開閉扉31及び第2の開閉扉32が配設されている。矢印34は、走行風等、昇温ヒータ16の周囲に発生する空気の流れを示し、第1及び第2の開閉扉31,32の開状態時には、空気は、第1の開閉扉31側から第2の開閉扉32側へと向けて流れる。つまり、第1の開閉扉31は、筐体部33の空間部35(図3(B)参照)の上流側に配設され、第2の開閉扉32は、筐体部33の空間部35の下流側に配設されている。
また、第1及び第2の開閉扉31,32は、筐体部33の空間部35内に流れ込む空気の整流効果の役割を成す。そのため、図示したように、少なくとも第1及び第2の開閉扉31,32の側面31A,32Aは、空間部35の上流側(車両12の前方側)に向けて突出した形状となる。例えば、第1及び第2の開閉扉31,32の側面31A,32Aは、空間部35の上流側が凸となる曲面形状である。そして、第1及び第2の開閉扉31,32が、整流効果の役割を成すことで、空間部35へと空気をスムーズに送り込むことが可能となる。
図3(B)に示す如く、第1の開閉扉31は、主柱部33Aを挟むように一対設けられ、主柱部33A近傍の筐体部33の上面部33B及び底面部33Cに対して回転自在に軸支されている。一方、第2の開閉扉32も主柱部33Aを挟むように一対設けられ、主柱部33A近傍の筐体部33の上面部33B及び底面部33Cに対して回転自在に軸支されている。
また、筐体部33では、第1及び第2の開閉扉31,32の内側には、主柱部33Aの側面36,37に沿って空間部35が形成されている。詳細は後述するが、昇温ヒータ16が車載用バッテリ11の側面11A,11B(図5(B)参照)に隣接して配設された状態において、空間部35は、車載用バッテリ11の側面11A,11Bと筐体部33の側面36,37との間に位置する。そして、第1及び第2の開閉扉31,32の閉状態時には、空間部35は略密閉空間となり、略密閉空間内の空気が熱伝導経路として用いられ、車載用バッテリ11を昇温する。一方、第1及び第2の開閉扉31,32の開状態時には、空間部35は冷却風通路となり、車載用バッテリ11を空冷する。
図3(C)では、第1及び第2の開閉扉31,32の開状態時を示している。上述したように、第1及び第2の開閉扉31,32は、電子制御ユニット21(図2参照)により制御され、車載用バッテリ11(図1(B)参照)の温度の測定値に応じて自動開閉する。矢印38にて示すように、第1及び第2の開閉扉31,32は、主柱部33A側が筐体部33に軸支され、その軸支された箇所を支点として空間部35の下流側(車両12の後方側)へと向けて回動する。そして、矢印34にて示すように、昇温ヒータ16の外部の空気は、第1の開閉扉31側から空間部35内へ送り込まれ、その後、空間部35内の空気は、第2の開閉扉32から昇温ヒータ16の外部へと送り出される。尚、図3(A)では、第1及び第2の開閉扉31,32の閉状態時を示している。
図4(A)に示す如く、昇温ヒータ16の筐体部33には、主に、発熱素子としての電熱線41と、電熱線41を支持する不織布42と、が内蔵されている。電熱線41は、不織布42の表面に縫い付けられた状態にて支持され、サブバッテリ23(図2参照)から電力が供給されることで発熱する。そして、不織布42は、例えば、熱伝導率の優れたガラス繊維から形成され、筐体部33の側面36,37の略全面に対して配設されている。不織布42は、電熱線41を支持すると共に、電熱線41から発生した熱を周囲の空気層へと効率的に伝熱することができる。
図示したように、筐体部33は、例えば、略板状体であり、その側方に位置する側面36,37では、車両12の前後方向に沿って長手方向を有し、車両12の上下方向に沿って短手方向を有している。図1(B)を用いて上述したように、筐体部33は、車載用バッテリ11の側面11A,11Bに沿って配設される。そして、筐体部33の長手方向の幅W1は、車載用バッテリ11の長手方向の幅W3(図4(A)参照)と略同一であり、筐体部33の短手方向の幅W2は、車載用バッテリ11の短手方向の幅W4(図4(A)参照)と略同一である。
この構造により、昇温ヒータ16が、車両12の前後方向において、車載用バッテリ11の外側まではみ出して配設されることがない。そして、図1(B)に示すように、車両12のバッテリ配置領域15に対して、出来る限り多くの車載用バッテリ11が、効率良く配置される。同様に、昇温ヒータ16が、車両12の上下方向において、車載用バッテリ11の外側まではみ出して配設されることがない。そして、車載用バッテリ11が、積層して配設される構造においても、出来る限り多くの車載用バッテリ11が、効率良く配置される。
特に、車両12が、EV車やHEV車やPHEV車の場合には、連続走行距離を伸ばすために、車両12の限られたバッテリ配置領域15(図1(B)参照)に多くの車載用バッテリ11を搭載することが望まれる。その際に、上述した昇温ヒータ16の形状を実現することで、車両12には、出来る限り多くの車載用バッテリ11が搭載される。
図4(B)に示す如く、筐体部33の主柱部33Aの上端側には、筐体部33の上面部33Bが形成されている。筐体部33の長手方向の両端部の近傍には、第1の開閉扉31及び第2の開閉扉32が配設されている。そして、筐体部33には、主柱部33Aの長手方向(車両12の前後方向)に沿って空間部35が形成されている。
図4(C)に示す如く、筐体部33の長手方向の端部近傍には、第2の開閉扉32が配設されている。第2の開閉扉32は、主柱部33A、上面部33B及び底面部33Cに対して、回動自在に可動できる程度のクリアランスを有して配設されている。つまり、第2の開閉扉32は、筐体部33に対してほとんど隙間を有していない状態にて軸支されている。尚、図示していないが、第1の開閉扉31も上述した第2の開閉扉32と同様な構造である。
そして、詳細は後述するが、昇温ヒータ16が車載用バッテリ11の側面11A,11B(図5(B)参照)に隣接して配設された状態において、第1及び第2の開閉扉31,32が閉状態では、空間部35は、車載用バッテリ11の側面11A,11Bと筐体部33の側面36,37との間にて略密閉空間となる。
上述したように、筐体部33の主柱部33Aには、電熱線41及び不織布42が内蔵されている。そして、電熱線41は、サブバッテリ23(図2参照)から電力が供給されることで発熱すると共に、熱伝導率の優れた不織布42も利用して、空間部35内の空気を加熱する。尚、電熱線41は、不織布42の両面に縫い付けられている場合でも良い。
このとき、図4(A)に一点鎖線にて示すように、電熱線41は、筐体部33の側面36,37の上下方向(車両12の上下方向)に対して、その上側よりも下側が密な状態となるように配線されている。具体的には、電熱線41は、側面36,37の下側では、側面36,37の長手方向(車両12の前後方向)に延在して配線されている。そして、電熱線41は、その短手方向(車両12の上下方向)に角形状に折れ曲がりながら配線されている。
一方、電熱線41は、側面36,37の上側では、側面36,37の長手方向(車両12の前後方向)に延在して配線されている。そして、電熱線41は、その長手方向の両端側にて側面36,37の上端側近傍まで配線されると共に、その間の領域では、下方に位置する電熱線41の近傍まで折れ曲がりながら配線されている。
この構造により、昇温ヒータ16では、筐体部33の中央から下端側までの領域にて、電熱線41による発熱密度が高くなる。一方、筐体部33の中央から上端側までの領域では、電熱線41が配線されていない領域も多くあり、発熱密度が低くなる。そして、空間部35が略密閉空間となり、その空間部35内の空気が上昇気流により上下方向へと対流することで、空間部35内の空気全体が温められる。その結果、昇温ヒータ16の上側の電熱線41の配線長さを低減することができ、昇温ヒータ16での消費電力が低減される。
尚、電熱線41の配線パターンは、図4(A)に示す形状に限定するものではない。電熱線41が、側面36,37に対して、その上側よりも下側が密な状態に配線されていれば良く、例えば、図4(A)に示す角形状が、湾曲形状となる場合でも良い。また、側面36,37の上側の電熱線41が、下側の電熱線41へと近づくことなく、一直線状に上端側近傍に配線される場合でも良い。
次に、図5(A)及び図5(B)を用いて、本実施形態の車載用バッテリ11を説明する。図5(A)は、本実施形態の車載用バッテリ11を説明する斜視図である。図5(B)は、本実施形態の車載用バッテリ11を説明する分解斜視図である。
図5(A)に示す如く、車載用バッテリ11は、主に、収納ケース51と、収納ケース51内に収納される複数の電池セル52(図5(B)参照)と、収納ケース51の上面を塞ぐカバー53と、収納ケース51の下方に配設される温調プレート54(図5(B)参照)と、温調プレート54の下方に配設される断熱部材55(図5(B)参照)と、を有している。
車載用バッテリ11は、例えば、略直方体形状であり、車載用バッテリ11の側方の側面11A,11Bでは、車両12(図1(A)参照)の前後方向にその長手方向が配設され、車両12の上下方向にその短手方向が配設されている。上述したように、側面11A,11Bの長手方向の幅W3は、筐体部33の側面36,37の長手方向の幅W1(図4(A)参照)と略同一であり、側面11A,11Bの短手方向の幅W4は、筐体部33の側面36,37の短手方向の幅W2(図4(A)参照)と略同一である。
図5(B)に示す如く、収納ケース51は、主に、一対のエンドプレート56と、一対のバインドバー57とから構成され、複数の電池セル52を前方、後方、左方および右方から囲み、支持している。そして、エンドプレート56は、例えば、板状に成形された樹脂または鋼板等から成り、両端部に位置する電池セル52の前側面および後側面を覆う部材である。また、バインドバー57は、例えば、板状に成形された樹脂または鋼板等から成り、複数の電池セル52の右側面および左側面を覆う部材である。また、カバー53は、例えば、板状に成形された樹脂または鋼板等から成り、電池セル52を上方から覆う部材である。
電池セル52は、例えば、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池等の2次電池である。個々の電池セル52は、例えば、角型平板形状であり、車両12の前後方向に沿って、その前後に小さな隙間を有した状態にて等間隔に配列されている。そして、複数の電池セル52が、導電性の接続板(図示せず)を介して直列接続されることで、高出力の車載用バッテリ11が構成されている。尚、図示していないが、電池セル52の上面には、それぞれ上方に突出した正極側端子と負極側端子とが配設されている。
温調プレート54は、複数の電池セル52の下面の近傍に配設された温調手段である。温調プレート54の内部には、水などの媒体が流通するパイプ(図示せず)が配設されている。温調プレート54が複数の電池セル52の下方に配設されることで、電池セル52の充放電特性等の電池特性が向上される。
具体的には、電池セル52の温度が使用可能温度範囲よりも高い場合には、温調プレート54に冷却媒体が流通することで電池セル52を冷却し、電池セル52の温度を調整する。一方、電池セル52の温度が使用可能温度範囲よりも低い場合には、温調プレート54に加熱媒体が流通することで電池セル52を昇温し、電池セル52の温度を調整する。
図1(B)を用いて説明したように、昇温ヒータ16が、車載用バッテリ11の側面11A,11Bに沿って配設されることで、温調プレート54は、車載用バッテリ11の下面に沿って配設することができる。
断熱部材55は、温調プレート54の下方に配置された板状の部材であり、例えば、発泡ポリエチレン等の発泡合成樹脂から成る。断熱部材55が、温調プレート54の下方に配置されることで、温調プレート54と外部とを断熱することができ、温調プレート54の温調効果を増大させることができる。
次に、図6(A)及び図6(B)を用いて、本実施形態の温調装置10により車載用バッテリ11を昇温する状態を説明する。図6(A)は、本実施形態の温調装置10の配設状態を説明する斜視図である。図6(B)は、本実施形態の温調装置10により車載用バッテリ11を昇温する状態を説明する断面図であり、図6(A)に示す配設状態のC-C線方向の断面図である。
図6(A)では、図1(B)に示す車両12のバッテリ配置領域15の最前列に配設された2個の車載用バッテリ11及び3個の温調装置10を示している。そして、温調装置10の昇温ヒータ16は、車載用バッテリ11の側方の側面11A,11Bに対して配設され、車載用バッテリ11を挟み込むように配設されている。また、2個の車載用バッテリ11間には、1個の昇温ヒータ16が配設され、同時に2個の車載用バッテリ11を昇温することができる。
図6(B)に示す如く、筐体部33の上面部33B及び底面部33Cの先端面が、それぞれ車載用バッテリ11の側面11A,11Bの外周端部周辺に対して密接した状態となるように、昇温ヒータ16が、車載用バッテリ11に対して配設されている。
一方、図4(C)を用いて上述したように、第1及び第2の開閉扉31,32は、その閉状態では、筐体部33の主柱部33A、上面部33B及び底面部33Cに対して、可動するためのクリアランスを有するのみであり、ほぼ隙間を有していない状態にて配設されている。つまり、車載用バッテリ11の側面11A,11Bと筐体部33の側面36,37との間には、空間部35を利用して略密閉空間が形成されている。そして、図4(A)に示すように、電熱線41が、筐体部33の上側よりも下側が密な状態となるように配線されている。
この構造により、空間部35内の空気は下側から温められ、空間部35内に上昇気流が発生し、温められた空気が空間部35内を上下方向へと対流することで、空間部35内の空気の温度が、出来る限り均一に上昇する。その結果、空間部35内の温められた空気が熱伝導経路として介在し、車載用バッテリ11の収納ケース51が温められることで、収納ケース51の内部の温度が昇温し、車載用バッテリ11の複数の電池セル52が温められる。そして、車載用バッテリ11では、出力特性や放充電特性等のバッテリ特性が劣化することが防止される。
その一方、第1及び第2の開閉扉31,32が、閉状態を維持することで、熱伝導経路として介在する空気は、空間部35内に留まる。そして、空間部35内の空気が、一定の温度まで上昇した後には、その温度を維持し易くなる。その結果、サブバッテリ23(図2参照)から電熱線41に供給される電力量を調整することで、昇温ヒータ16の消費電力の低減を実現することもできる。
次に、図7(A)及び図7(B)を用いて、本実施形態の温調装置10により車載用バッテリ11を冷却する状態を説明する。図7(A)は、図6(A)に示す本実施形態の温調装置10のD-D線方向の断面図であり、第1及び第2の開閉扉31,32が開状態時を示している。図7(B)は、図7(A)に示す断面図に対応し、第2の開閉扉32の配設位置を変更した変形例を示している。
図7(A)に示す如く、車載用バッテリ11を冷却する際には、第1及び第2の開閉扉31,32は開状態となり、空間部35は冷却風通路として用いられる。図3(A)から図3(C)を用いて上述したように、第1及び第2の開閉扉31,32の側面31A,32Aは、空間部35の上流側(車両12の前方側)が凸となる曲面形状となる。そして、第1及び第2の開閉扉31,32は、開状態時には、空間部35の下流側(車両12の後方側)へと向けて回動する。
図示したように、温調装置10の昇温ヒータ16は、車載用バッテリ11間や車載用バッテリ11の側面に隣接して配設されている。そして、第1及び第2の開閉扉31,32は、昇温ヒータ16の筐体部33に対して回転自在に軸支されるが、第1の開閉扉31は、空間部35の上流側のエンドプレート56の間に軸支され、第2の開閉扉32は、空間部35の下流側のエンドプレート56の間に軸支されている。
矢印34は、車載用バッテリ11の外部から空間部35内へと送り込まれる空気の流れを示している。丸印61にて示す領域では、第1の開閉扉31が開状態となることで、空間部35へと送り込まれる空気の流路が狭くなっている。しかしながら、第1の開閉扉31の側面31Aが、曲面形状となり整流効果の役割を果たすことで、丸印61にて示す領域に空気が滞留することが防止され、空間部35内へとスムーズに空気を送り込むことができる。
更には、丸印61にて示す空気の流路が狭まる領域には、車載用バッテリ11の端部に位置する電池セル52が配設されている。そして、車載用バッテリ11の外部の空気が、空間部35内に送り込まれる際に、矢印34にて示すように、上記端部の電池セル52の配設領域に対して空気を積極的に接触させる。この構造により、車載用バッテリ11内の全ての電池セル52が出来る限り均一に冷却され、車載用バッテリ11内での電池特性のばらつきの発生を防止することができる。
尚、丸印62にて示す領域においても、第2の開閉扉32が開状態となることで、空間部35内の空気を車載用バッテリ11の外部へと送り出す流路が狭まる。この場合においても、第1の開閉扉31の効果と同様に、第2の開閉扉32の側面32Aの整流効果により空気が滞留することを防止し、空間部35内の空気をスムーズに車載用バッテリ11の外部へと送り出すことができる。更には、車載用バッテリ11の端部に位置する電池セル52も積極的に冷却され、車載用バッテリ11内での電池特性のばらつきの発生を防止することができる。
図7(B)に示す構造は、図7(A)に示す構造とは、第2の開閉扉32の配設箇所が相違する以外は、同一の構造であり、第2の開閉扉32の配設箇所を中心に説明し、その他の構造の説明は、図7(A)の説明を参照する。
第2の開閉扉32は、少なくとも車載用バッテリ11の長手方向の中心CLよりも空間部35の下流側(車両12の後方側)のエンドプレート56の間に配設されていれば良い。例えば、図示したように、第2の開閉扉32は、エンドプレート56よりも空間部35の内側の電池セル52の配設領域に配設されている。そして、第2の開閉扉32が開状態となることで、丸印63にて示すように、エンドプレート56から2、3個上流側に配設された電池セル52の領域に、空気の狭まる流路が形成されている。
図7(B)に示す構造では、下流側のエンドプレート56の近傍において、図7(A)に示す構造よりも、積極的に空気が当てられる電池セル52の数が増え、車載用バッテリ11内での電池特性のばらつきの発生を防止することができる。その一方、車載用バッテリ11を昇温する際には、第2の開閉扉32よりも下流側に位置する電池セル52を昇温し難くなる。そのため、第2の開閉扉32の配設箇所は、車載用バッテリ11を昇温する場合も考慮しながら、任意の設計変更が可能である。尚、図7(B)に示す構造において、第2の開閉扉32の下流側であり、車載用バッテリ11のエンドプレート56の間に、更に、開閉扉(図示せず)を配設し、第1及び第2の開閉扉31,32と連動して回動動作させる場合でも良い。
次に、図8(A)から図8(D)を用いて、本実施形態の温調装置10の変形例である第1の開閉扉71,72について説明する。図8(A)から図8(D)は、本実施形態の温調装置10の第1の開閉扉71,72を説明する断面図である。尚、図8(A)から図8(D)では、図6(A)に示す本実施形態の温調装置10のD-D線方向の断面図の一部を示している。
図8(A)及び図8(B)では、第1の開閉扉71の側面71Aが、空間部35の上流側(車両12の前方側)に向けて突出した形状となる。例えば、第1の開閉扉71の側面71Aは、空間部35の上流側が凸となる角形状である。そして、第1の開閉扉71は、第1の開閉扉31と同様に、主柱部33Aを挟むように一対設けられ、主柱部33A近傍の筐体部33の上面部33B(図3(B)参照)及び底面部33C(図3(B)参照)に対して回転自在に軸支されている。
図8(A)では、第1の開閉扉71が閉状態を示し、空間部35が略密閉状態となるように、空間部35の上流側を塞いでいる。一方、図8(B)では、第1の開閉扉71が開状態を示し、丸印73にて示すように、第1の開閉扉71は、車載用バッテリ11の外部の空気を整流しながら、空間部35内へと送り込む。そして、第1の開閉扉71においても、上述したように、空間部35へと空気をスムーズに送り込む効果及び車載用バッテリ11の端部に位置する電池セル52も積極的に冷却する効果が得られる。尚、第1の開閉扉71について説明したが、第2の開閉扉32についても、第1の開閉扉71と同じ構造にする場合でも良い。
図8(C)及び図8(D)では、第1の開閉扉72の側面72Aは、第1の開閉扉31の側面31A(図3(A)参照)と同様に曲面形状であるが、第1の開閉扉72には、車両12の上下方向に延在した複数のスリット74が形成されている。尚、第1の開閉扉72の構造は、上記複数のスリット74が形成される構造以外は、第1の開閉扉31と同様であり、上述した説明を参照する。
図8(C)では、第1の開閉扉72が閉状態を示し、空間部35の上流側を塞いでいる。矢印75にて示すように、車載用バッテリ11の昇温時においても、車載用バッテリ11の外部の空気が、スリット74を介して空間部35内に送風されるが、空間部35の上流側端部の大部分は、第1の開閉扉72により塞がれており、車載用バッテリ11の昇温効率は妨げられ難くなっている。また、図6(B)を用いて上述したように、車載用バッテリ11の昇温時には、空間部35には、上下方向へと循環する対流が発生するため、空間部35内の温められた空気が、スリット74を介して車載用バッテリ11の外部へと流れ出し難くなっている。
一方、図8(D)では、第1の開閉扉72が開状態を示し、丸印76にて示すように、第1の開閉扉72は、車載用バッテリ11の外部の空気を整流しながら、空間部35内へと送り込む。そして、第1の開閉扉72においても、上述したように、空間部35へと空気をスムーズに送り込む効果及び車載用バッテリ11の端部に位置する電池セル52も積極的に冷却する効果が得られる。また、矢印75にて示すように、スリット74を介して第1の開閉扉72の裏側にも空気が流れ込み、空間部35内の空気の流れをスムーズにすることもできる。尚、第1の開閉扉72について説明したが、第2の開閉扉32についても、第1の開閉扉72と同じ構造にする場合でも良い。
尚、本実施形態では、第1及び第2の開閉扉31,32の側面31A,32Aが、曲面形状または角形状となり、第1及び第2の開閉扉31,32の開状態において、整流効果の役割を果たす場合について説明したが、この場合に限定するものではない。第1及び第2の開閉扉31,32の側面31A,32Aは、例えば、曲面形状と角形状とを組み合わせた形状等、整流効果の役割を果たす構造であれば良い。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲にて種々の変更が可能である。
10 温調装置
11 車載用バッテリ
11A,11B 側面
12 車両
15 バッテリ配置領域
16 昇温ヒータ
21 電子制御ユニット
22 温度センサ
23 サブバッテリ
25 駆動モータ
31,71,72 第1の開閉扉
31A,71A,72A 側面
32 第2の開閉扉
32A 側面
33 筐体部
33A 主柱部
33B 上面部
33C 底面部
35 空間部
36,37 側面
41 電熱線
42 不織布
51 収納ケース
52 電池セル
54 温調プレート
56 エンドプレート
74 スリット

Claims (8)

  1. 複数の電池セルが収納される車載用バッテリの長手方向の側面に沿って配設される昇温ヒータを備えた車載用バッテリの温調装置において、
    前記昇温ヒータは、
    筐体部と、
    前記筐体部内に配設される発熱素子と、を有し、
    前記車載用バッテリの前記側面と前記筐体部の側面との間には、前記車載用バッテリの長手方向に沿って空間部が設けられ、
    前記空間部の上流側には、前記筐体部に対して回転自在に軸支される第1の開閉扉が配設されると共に、前記空間部の下流側には、前記筐体部に対して回転自在に軸支される第2の開閉扉が配設され、
    前記第1の開閉扉は、前記空間部の外側に向けて突出していると共に、前記空間部の上流側の端部に位置している前記電池セルよりも外側に軸支されていることを特徴とする車載用バッテリの温調装置。
  2. 前記第1の開閉扉は、前記筐体部の前記側面側にて軸支されると共に、前記車載用バッテリの前記側面側の前記第1の開閉扉が、前記空間部内へと回動し、
    前記第1の開閉扉は、前記空間部の外側に向けて、曲面状に突出した形状、角状に突出した形状またはそれらを組み合わせた形状であることを特徴とする請求項1に記載の車載用バッテリの温調装置。
  3. 前記第1の開閉扉及び前記第2の開閉扉が閉状態時には、前記空間部は、前記第1の開閉扉、前記第2の開閉扉、前記車載用バッテリの前記側面及び前記筐体部に囲まれてなる略密閉空間となることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車載用バッテリの温調装置。
  4. 前記第1の開閉扉及び前記第2の開閉扉が閉状態時には、前記空間部は、前記第1の開閉扉、前記第2の開閉扉、前記車載用バッテリの前記側面及び前記筐体部にて囲まれると共に、
    前記第1の開閉扉には、前記空間部と連通するスリットが形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車載用バッテリの温調装置。
  5. 前記第1の開閉扉及び前記第2の開閉扉が閉状態時には、前記空間部内の空気は、前記発熱素子を介して温められると共に、前記第1の開閉扉及び前記第2の開閉扉が開状態時には、前記空間部は、前記筐体部の外部の空気が流通する冷却風通路となることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の車載用バッテリの温調装置。
  6. 前記第2の開閉扉は、前記空間部の上流側に向けて突出していると共に、前記空間部の中央から下流側の端部の間の前記筐体部に軸支されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の車載用バッテリの温調装置。
  7. 前記第2の開閉扉は、前記空間部の上流側に向けて、曲面状に突出した形状、角状に突出した形状またはそれらを組み合わせた形状であることを特徴とする請求項6に記載の車載用バッテリの温調装置。
  8. 前記第2の開閉扉は、前記空間部の下流側の端部に位置している前記電池セルよりも外側に軸支されていることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の車載用バッテリの温調装置。
JP2019029573A 2019-02-21 2019-02-21 車載用バッテリの温調装置 Active JP7112974B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019029573A JP7112974B2 (ja) 2019-02-21 2019-02-21 車載用バッテリの温調装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019029573A JP7112974B2 (ja) 2019-02-21 2019-02-21 車載用バッテリの温調装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020136133A JP2020136133A (ja) 2020-08-31
JP7112974B2 true JP7112974B2 (ja) 2022-08-04

Family

ID=72278913

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019029573A Active JP7112974B2 (ja) 2019-02-21 2019-02-21 車載用バッテリの温調装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7112974B2 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001167803A (ja) 1999-12-09 2001-06-22 Toyota Motor Corp 電池パック
JP2014026734A (ja) 2012-07-24 2014-02-06 Toyota Industries Corp 電池モジュール及び車両
JP2017184522A (ja) 2016-03-31 2017-10-05 株式会社Subaru バッテリシステム
JP2018005983A (ja) 2016-06-27 2018-01-11 株式会社Subaru 温度制御装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001167803A (ja) 1999-12-09 2001-06-22 Toyota Motor Corp 電池パック
JP2014026734A (ja) 2012-07-24 2014-02-06 Toyota Industries Corp 電池モジュール及び車両
JP2017184522A (ja) 2016-03-31 2017-10-05 株式会社Subaru バッテリシステム
JP2018005983A (ja) 2016-06-27 2018-01-11 株式会社Subaru 温度制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020136133A (ja) 2020-08-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4325721B2 (ja) 温度調節機構
US20060210868A1 (en) Secondary battery module
JP5175203B2 (ja) 熱電素子を使用するバッテリーパックの熱交換装置
JP4020650B2 (ja) 車両用のバッテリー装置
US9614197B2 (en) Onboard battery
US20180108958A1 (en) Battery thermal management system including bimetallic member
JP5861484B2 (ja) 車載用バッテリ
JP2010015955A (ja) 蓄電装置
RU2539351C1 (ru) Аккумуляторный блок
WO2012124568A1 (ja) 車載用バッテリ
JP2012028228A (ja) 電池冷却装置
WO2013111529A1 (ja) 電池温調装置
JP7155032B2 (ja) 車載用バッテリの昇温装置
JP7306849B2 (ja) 車載用バッテリ調温装置
JP2019192381A (ja) 車両用蓄電装置
JP2013145689A (ja) 車両用電池パック及び車両
JP2007329047A (ja) 電池パック
JP7112974B2 (ja) 車載用バッテリの温調装置
JP2009289610A (ja) 温度調節機構
JP7064703B2 (ja) 車両用蓄電装置
JP2020181632A (ja) 蓄電装置
JP2016091604A (ja) 車両用バッテリパック
JP7306850B2 (ja) 車載用バッテリ調温装置
JP2022023620A (ja) 車両用電池温調装置
JP7085555B2 (ja) 電池パック

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210923

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220628

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220629

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220725

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7112974

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150