JP7112827B2 - 感光性樹脂組成物、感光性樹脂積層体、樹脂パターン製造方法、硬化膜パターン製造方法及び表示装置 - Google Patents

感光性樹脂組成物、感光性樹脂積層体、樹脂パターン製造方法、硬化膜パターン製造方法及び表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、感光性樹脂組成物、感光性樹脂積層体、感光性樹脂積層体を用いた樹脂パターン製造方法、硬化膜パターン製造方法及び表示装置等に関する。
近年、電子機器の高性能化、多様化及び小型軽量化が進むに伴い、液晶等の表示素子の全面に透明タッチパネル(タッチセンサー)を装着した機器が増えてきた。透明タッチパネルを通して表示素子に表示された文字、記号、絵柄等の視認及び選択を行い、透明タッチパネルの操作によって機器の各機能の切り替えを行うことも増えている。タッチパネルは、パソコン、テレビ等の大型電子機器だけでなく、カーナビゲーション、携帯電話、電子辞書等の小型電子機器及びOA・FA機器等の表示機器にも使用されており、タッチパネルには透明導電電極材から成る電極が設けられている。透明導電電極材としては、ITO(Indium-Tin-Oxide)、酸化インジウム及び酸化スズが知られており、これらの材料は、高い可視光透過率を有することから液晶表示素子用基板等の電極材として主に使用されている。
既存のタッチパネルの方式としては、抵抗膜方式、光学方式、圧力方式、静電容量方式、電磁波誘導方式、画像認識方式、振動検出方式、超音波方式等が挙げられ、各種の方式が実用化されているが、近年、静電容量方式タッチパネルの利用が最も進んでいた。静電容量方式タッチパネルでは、導電体である指先がタッチ入力面に接触すると、指先と導電膜との間で静電容量結合が起こり、コンデンサを形成する。このため、静電容量方式タッチパネルは、指先の接触位置における電荷の変化を捉えることによって、接触位置の座標を検出する。特に、投影型静電容量方式のタッチパネルは、指先の多点検出が可能なため、複雑な指示を行うことができるという良好な操作性を備えるので、携帯電話、携帯型音楽プレーヤ等の小型表示装置を有する機器における表示面上の入力装置として利用が進んでいる。一般に、投影型静電容量方式のタッチパネルでは、X軸とY軸による2次元座標を表現するために、複数のX電極と、複数のX電極に直交する複数のY電極とが、2層構造を形成しており、かつ電極材としてはITOが用いられる。
ところで、タッチパネルの額縁領域はタッチ位置を検出できない領域であるから、その額縁領域の面積を狭くすることが製品価値を向上させるための重要な要素である。額縁領域には、タッチ位置の検出信号を伝えるために、金属配線が必要となるが、額縁面積の狭小化を図るためには、金属配線の幅を狭くする必要がある。ITOの導電性は充分に高くないので、一般的には金属配線には銅が使用される。
しかしながら、上述のようなタッチパネルは、指先に接触される際に、水分、塩分等の腐食成分がセンシング領域から内部に侵入することがある。タッチパネルの内部に腐食成分が侵入すると、金属配線が腐食し、電極と駆動用回路間の電気抵抗の増加、又は断線の恐れがあり、これらを防ぐために金属配線上に防錆効果のある保護膜が必要である。
また、検出信号を伝えるための金属配線は、端子部分にて他の部材へと接続するため、導通を確保する必要があり、端子部分は保護膜を除去しなければならない。そのため保護膜には良好な現像性又は円孔等の各種パターンでの良好な抜け性が必要とされる。
また、タッチパネルの製造工程においては、生産性を向上させるために短時間で露光可能な高感度保護膜が望まれている。更に、保護膜がフレキシブルディスプレイ基板に設けられる場合には、基板の湾曲に伴い保護膜への負荷も大きくなり、亀裂が生じ易くなるため、基板との高い密着性及び基板の湾曲に耐え得る屈曲性が求められる。
保護膜の形状、透明性、透湿性、防錆性又はアルカリ現像性の観点から、硬化膜付きタッチパネル用基材の製造方法が提案されている(特許文献1,2)。
なお、カラーフィルタ及び有機EL液晶表示装置を形成するための感光性着色樹脂組成物又は感光性樹脂組成物の分野では、感光性樹脂層の耐溶剤性又は解像性の観点から、樹脂組成物に含まれる開始剤の吸光係数が検討されている(特許文献3,4)。
特開2015-121929号公報 特開2015-108881号公報 国際公開第2015/025689号 国際公開第2015/060240号
特許文献1に記載の硬化膜付きタッチパネル用基材の製造方法は、タッチ位置の検出信号を伝えるために使用されている銅配線の腐食を抑制するために用いられているが、屈曲性に関連する記載はなされていない。特許文献2においても、腐食の抑制又は現像性については言及されているが、やはり屈曲性に関する記載はない。また、特許文献3、4においては、所定の吸光係数の開始剤を使用することで耐溶剤性又は解像性が良好な組成物が得られることは記載されているが、防錆性又は屈曲性については述べられていない。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、防錆性、屈曲性、円孔等の各種パターンの抜け性(以下、「解像性」と呼ぶ。)及び感度のバランスに優れ、かつ配線、電極等の導体部の保護に好適な感光性樹脂組成物を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、感光性樹脂組成物に、(A)アルカリ可溶性樹脂、(B)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物、(C)光重合開始剤及び(D)防錆剤を含有させ、かつ(C)成分として、特定の吸光係数を有するオキシム化合物を含有させることによって、防錆性、屈曲性、解像性及び感度のバランスに優れ、かつ配線、電極等の導体部の保護に好適な感光性樹脂組成物を得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]
以下の成分:
(A)アルカリ可溶性樹脂;
(B)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物;
(C)光重合開始剤;及び
(D)防錆剤;
を含み、かつ(C)成分として、エタノール溶液中にて波長365nmの吸光係数が17mL/(mg・cm)~60mL/(mg・cm)であるオキシム化合物を含む、導体部の保護膜形成用感光性樹脂組成物。
[2]
前記導体部の保護膜形成用感光性樹脂組成物が、(D)成分として、炭素(C)原子と窒素(N)原子及び/又は硫黄(S)原子とで構成される複素環を有し、かつ同一複素環中、N原子数が3以下であるか、S原子数が3以下であるか、又はN原子とS原子の合計数が3以下である化合物を含む、[1]に記載の感光性樹脂組成物。
[3]
前記導体部の保護膜形成用感光性樹脂組成物が、(D)成分として、ベンゾトリアゾール、ベンゾトリアゾール誘導体、イミダゾール及びイミダゾール誘導体から成る群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含む、[1]又は[2]に記載の感光性樹脂組成物。
[4]
前記導体部の保護膜形成用感光性樹脂組成物が、(D)成分として、ベンゾトリアゾール又はベンゾトリアゾール誘導体を含む[3]に記載の感光性樹脂組成物。
[5]
前記導体部の保護膜形成用感光性樹脂組成物が、(D)成分として、トリアゾール、トリアゾール誘導体、テトラゾール、テトラゾール誘導体、チアジアゾール、チアジアゾール誘導体、インダゾール及びインダゾール誘導体から成る群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含む、[1]又は[2]に記載の感光性樹脂組成物。
[6]
前記導体部の保護膜形成用感光性樹脂組成物が、(D)成分として、トリアゾール又はトリアゾール誘導体を含む、[5]に記載の感光性樹脂組成物。
[7]
前記導体部の保護膜形成用感光性樹脂組成物が、(D)成分として、テトラゾール又はテトラゾール誘導体を含む、[5]に記載の感光性樹脂組成物。
[8]
前記導体部の保護膜形成用感光性樹脂組成物が、(D)成分として、チアジアゾール又はチアジアゾール誘導体を含む、[5]に記載の感光性樹脂組成物。
[9]
前記導体部の保護膜形成用感光性樹脂組成物が、(D)成分として、インダゾール又はインダゾール誘導体を含む、[5]に記載の感光性樹脂組成物。
[10]
前記導体部の保護膜形成用感光性樹脂組成物が、(C)成分として、下記式(4):
Figure 0007112827000001
{式中、X及びXは、それぞれ独立に、一価の有機基を表し、少なくとも一方に下記式(5):
Figure 0007112827000002
で表される構造を含み、かつYはH又は1価の有機基を表す。}
で表される化合物を含む、[1]~[9]のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
[11]
前記導体部の保護膜形成用感光性樹脂組成物が、(C)成分として、下記式(6):
Figure 0007112827000003
{式中、Yは、H、-CH、炭素数2以上の脂肪族炭化水素基、又は炭素数3以上のヘテロ原子又は/及びハロゲン原子で置換してもよい脂環式炭化水素基であり、nは0または1の整数で表され、YがH又は-CHの時にはn=0であり、Yが炭素数2以上の脂肪族炭化水素基又は炭素数3以上のヘテロ原子又は/及びハロゲン原子を有してもよい脂環式炭化水素基の時にはn=1であり、かつYはH又は1価の有機基を表す。}
で表される化合物を含む、[10]に記載の感光性樹脂組成物。
[12]
前記導体部の保護膜形成用感光性樹脂組成物が、(C)成分として、下記式(1):
Figure 0007112827000004
{式中、Xは、置換基を有してもよい複素環を含む1価の基を表し、Yは、枝分かれ又は環構造を形成してもよい炭素数1~8のアルキル基、及び置換基を有してもよいフェニル基から成る群から選ばれる置換基を表し、かつZは、1価の有機基を表す。}で表される化合物、及び/又は下記式(2):
Figure 0007112827000005
{式中、X及びXは、同一であるか、又は異なる電子吸引基を表し、Y及びYは、同一であるか、又は異なり、Y及びYは、枝分かれ又は環構造を形成してもよい炭素数1~10のアルキル基、及び置換基を有してもよいフェニル基から成る群から選ばれる置換基を表し、かつZは、炭素数1~16のアルキレン基、及び置換基を有してもよいフェニレン基から成る群から選ばれる2価の基を表す。}
で表される化合物を含む、[1]~[9]のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
[13]
前記導体部の保護膜形成用感光性樹脂組成物が、(C)成分として、前記式(1)において、Xが、下記式(3):
Figure 0007112827000006
{式中、Aは、酸素(O)原子又はS原子を表す。}
で表される1価の基である化合物を含む、[12]に記載の感光性樹脂組成物。
[14]
前記導体部の保護膜形成用感光性樹脂組成物が、(A)成分として、側鎖に芳香族基を有するアルカリ可溶性樹脂を含む、[1]~[13]のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
[15]
前記導体部の保護膜形成用感光性樹脂組成物が、(E)シランカップリング剤を含む、[1]~[14]のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
[16]
前記導体部の保護膜形成用感光性樹脂組成物が、(F)アミン化合物を含む、[1]~[15]のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
[17]
支持フィルムと、該支持フィルム上に設けられた[1]~[16]のいずれか1項に記載の導体部の保護膜用感光性樹脂組成物から成る感光性樹脂層と、を備える感光性樹脂積層体。
[18]
前記感光性樹脂層の厚みが、15μm以下であり、かつ前記感光性樹脂層の波長365nmの吸光度が、厚み1μm当たり0.01~0.05である、[17]に記載の感光性樹脂積層体。
[19]
基材上に、[17]又は[18]に記載の感光性樹脂積層体をラミネートし、露光し、そして現像することによりパターンを作製する工程を含むパターン製造方法。
[20]
基材上に、[17]又は[18]に記載の感光性樹脂積層体をラミネートし、露光し、そして現像することによりパターンを作製する工程;及び
該パターンを後露光処理及び/又は加熱処理に供して硬化させる工程;
を含む硬化膜パターン製造方法。
[21]
[20]に記載の硬化膜パターン製造方法により製造された硬化膜。
[22]
[20]に記載の硬化膜パターン製造方法により製造された硬化膜を備える、タッチパネル表示装置、タッチセンサー有する装置又はフォースセンサーを有する装置。
本発明によれば、防錆性、屈曲性、解像性及び感度のバランスに優れ、かつ配線、電極等の導体部の保護に好適な感光性樹脂組成物及び感光性樹脂積層体を提供することができる。
図1は、実施例における耐屈曲性試験の方法を説明するための図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」と略記する。)について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
[感光性樹脂組成物及び感光性樹脂積層体]
本発明の実施の形態では、感光性樹脂積層体は、支持フィルムと、以下の成分:
(A)アルカリ可溶性樹脂、
(B)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物、
(C)光重合開始剤、及び
(D)防錆剤
を含む感光性樹脂組成物から形成される感光性樹脂層とを含む。感光性樹脂組成物は、所望により、(E)シランカップリング剤、(F)アミン化合物、及びその他の成分を含んでよい。感光性樹脂組成物を構成する各成分について、以下に具体的に説明する。
<(A)アルカリ可溶性樹脂>
本実施の形態に係るアルカリ可溶性樹脂は、カルボキシル基を含有する高分子体のことであり、後述される通り、分子中にカルボキシル基を含有する第一の単量体の少なくとも1種を重合することにより得られることが好ましい。アルカリ可溶性樹脂は、第一の単量体の少なくとも1種と後述される第二の単量体の少なくとも1種とを共重合することにより得られることがより好ましい。
第一の単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、フマル酸、ケイ皮酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸エステル等が挙げられる。ここで、(メタ)アクリルとは、アクリル及び/又はメタクリルを示し、(メタ)アクリレートを含めて以下同様である。
第二の単量体は、非酸性であり、かつ分子中に重合性不飽和基を少なくとも1個有する単量体である。第二の単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル等のビニルアルコールのエステル類;ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸芳香族エステル;スチレン及びその重合可能な誘導体等が挙げられる。
これらの共重合体の中でも、基材上に作製された配線又は電極の防錆性の観点から、(メタ)アクリル酸に由来する構成単位と(メタ)アクリル酸芳香族エステル又はスチレンに由来する構成単位とを含有する共重合体が好ましい。更に、屈曲性の観点から、(メタ)アクリル酸に由来する構成単位と(メタ)アクリル酸芳香族エステルに由来する構成単位とを含有する共重合体がより好ましい。
芳香族基を有するユニットを他のユニットと共重合することにより、アルカリ可溶性樹脂の疎水性及び感光性樹脂積層体の硬化後の膜密度が高くなり、防錆性が向上し、一方で、疎水性が高すぎると、現像性が悪化する。したがって、アルカリ可溶性樹脂中の芳香族基を有するユニットの含有率は、アルカリ可溶性樹脂の質量に対して、好ましくは20質量%~90質量%、より好ましくは50質量%~85質量%である。なお、芳香族基は、例えば、置換基を有してもよいフェニル基等でよい。
アルカリ可溶性樹脂の酸当量(g/mol)は、430~860であることが好ましい。酸当量は、防錆性向上の観点から、430以上であることが好ましく、現像性向上の観点から860以下であることが好ましい。酸当量は、防錆性と現像性のバランスの観点から、430~570であることがより好ましく、430~510であることが更に好ましい。
酸当量の測定は、平沼産業(株)製の平沼自動滴定装置(COM-555)を使用し、0.1mol/Lの水酸化ナトリウムを用いて電位差滴定法により行われる。組成物中に複数種の(A)アルカリ可溶性樹脂を含む場合、その酸当量は、アルカリ可溶性樹脂全体の酸当量を指す。
アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量は限定されるものではないが、塗布性、塗膜強度及び現像性の観点から、通常、5,000以上500,000以下であることが好ましい。アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量は、現像凝集物の性状、及び感光性樹脂積層体のエッジフューズ性、カットチップ性等の未露光膜の性状の観点から5,000以上であることが好ましく、現像性が向上する観点から500,000以下が好ましい。ここで、エッジフューズ性とは、感光性樹脂積層体としてロール状に巻き取った場合にロールの端面から感光性樹脂組成物層がはみ出す現象である。カットチップ性とは、未露光膜をカッターで切断した場合にチップが飛ぶ現象のことである。飛散したチップが感光性樹脂積層体の上面等に付着すると、後の露光行程等でマスクに転写して不良の原因となる。アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量は、より好ましくは、5,000以上300,000以下であり、更に好ましくは10,000以上200,000以下である。重量平均分子量の測定は、以下の条件に設定された日本分光(株)製ゲルパーミエ-ションクロマトグラフィー(GPC)を用いて行う。得られた重量平均分子量はポリスチレン換算値となる。
ポンプ:Gulliver、PU-1580型
カラム:昭和電工(株)製Shodex(登録商標)(KF-807、KF-806M、KF-806M、KF-802.5)4本直列、
移動層溶媒:テトラヒドロフラン
検量線:ポリスチレン標準サンプルを用いて規定された検量線{ポリスチレン標準サンプル(昭和電工(株)製Shodex STANDARD SM-105)による検量線使用}
感光樹脂組成物中のアルカリ可溶性樹脂の含有量は、感光性樹脂組成物の質量を基準として、30質量%~70質量%であり、防錆性及び屈曲性の観点から、40質量%~65質量%であることが好ましく、50質量%~65質量%であることが更に好ましい。
<(B)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物>
本実施の形態に係るエチレン性不飽和二重結合を有する化合物は、その構造中にエチレン性不飽和基を有することによって重合性を有する化合物である。
エチレン性不飽和二重結合を有する化合物としては、例えば、ポリアルキレンオキシドの片方の末端に(メタ)アクリル酸を付加した化合物、片方の末端に(メタ)アクリル酸を付加し、かつ他方の末端をアルキルエーテル又はアリルエーテル化した化合物、等が挙げられる。
また、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物としては、例えば、ポリアルキレンオキシド鎖の両末端に(メタ)アクリロイル基を有する化合物、又はポリエチレンオキシド鎖とポリプロピレンオキシド鎖とがランダム若しくはブロックで結合したアルキレンオキシド鎖の両末端に(メタ)アクリロイル基を有する化合物、ビスフェノールAをアルキレンオキシド変性し、かつ両末端に(メタ)アクリロイル基を有している化合物等も挙げられる。
その他にも、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物としては、ジイソシアネート化合物と、一分子中にヒドロキシル基及び(メタ)アクリル基を有する化合物との反応生成物であるウレタン化合物等が挙げられる。
更に、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物としては、一分子中に2個を超える(メタ)アクリロイル基を有する化合物を用いることもできる。このような化合物は、中心骨格として分子内にアルキレンオキシド基を付加させることができる基を3モル以上有し、この基にエチレンオキシド基、プロピレンオキシド基又はブチレンオキシド基等のアルキレンオキシド基を付加させて得られたアルコールを(メタ)アクリレートに変換することで得られる。また、中心骨格をアルキレンオキシド基で変性せず、中心骨格に直接(メタ)アクリル酸を反応させても良い。中心骨格になることができる化合物としては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール、イソシアヌレート環等が挙げられる。防錆性の観点から、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物は、一分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を含むことが好ましく、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、又はジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートを含むことがより好ましい。
エチレン性不飽和二重結合を有する化合物の感光樹脂組成物中の含有量は、解像性、密着性及び防錆性の観点から、感光性樹脂組成物の質量を基準として、20質量%~60質量%であることが好ましく、35質量%~50質量%であることがより好ましい。
<(C)光重合開始剤>
本実施の形態に係る光重合開始剤は、オキシム化合物であり、かつエタノール溶液中での波長365nmの吸光係数が17mL/(mg・cm)~60mL/(mg・cm)であることを特徴とする。オキシム化合物のエタノール溶液中での波長365nmの吸光係数は、保護膜の表面硬化性及び感度の観点から、17mL/(mg・cm)以上が好ましく、26mL/(mg・cm)以上が特に好ましい。また、保護膜底部の硬化性の観点から60mL/(mg・cm)以下が好ましい。同様の理由から、上記吸光係数は、35mL/(mg・cm)~55mL/(mg・cm)がより好ましい。
波長365nmにて高い吸光係数を有するオキシム開始剤を用いることで、i線露光にて高感度な保護膜を得ることが出来る。また、炭酸ナトリウム水溶液での現像工程において、硬化した保護膜表面にナトリウムイオンが浸透し、アルカリ可溶性樹脂のカルボン酸とナトリウム塩を形成すると、保護膜に水が浸透し易くなり、防錆性が悪化すると考えられる。ここで、高い吸光係数を有するオキシム開始剤を使用すると、露光時に保護膜表面での吸収が大きくなるため、高い表面硬化性が得られ、現像時のナトリウムイオンの侵入を抑制でき、その結果として高い防錆性が得られると推察される。その場合、更に、表面硬化が促進されるため、保護膜の底部の硬化が過度に進まず、良好な屈曲性が得られる。逆に、吸光係数が高すぎると、反応が保護膜の表面のみで進み、保護膜の底部が十分に硬化されず、基材との密着性又は屈曲性が悪化する。これらのバランスが良好である範囲として、オキシム化合物のエタノール溶液中での波長365nmの吸光係数は、17mL/(mg・cm)~60mL/(mg・cm)である。オキシム化合物としては、例えば、カルバゾール及びその誘導体、フルオレン構造を有するオキシム系化合物等が挙げられ、本実施の形態では好ましい。
エタノール中での波長365nmの吸光係数が17mL/(mg・cm)~60mL/(mg・cm)であるオキシム開始剤の具体例としては、特許第5682094号明細書に記載の化合物2、D-1、D-3、D-4、D-9、D-12、D-14、D-15、D-20、C-2等が挙げられ、また市販品としては、(7-ニトロ-9,9-ジプロピル-9H-フルオレン-2-イル)(オルトトリル)メタノン O-アセチルオキシム(ダイトーケミックス(株)製DFI-020)、1,2-プロパンジオン,3-シクロヘキシル-1-[9-エチル-6-(2-フラニルカルボニル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,2-(O-アセチルオキシム)(日興ケムテック(株)製TR-PBG-326、製品名)、1,8-オクタンジオン,1,8-ビス[9-(2-エチルヘキシル)-6ニトロ-9H-カルバゾール-3-イル]-,1,8-ビス(O-アセチルオキシム)((株)ADEKA社製アデカアークルズNCI-831、製品名)、3-シクロヘキシル-1-(6-(2-(ベンゾイルオキシイミノ)オクタノイル)-9-エチル-9H-カルバゾール-3-イル)-プロパン-1,2-ジオン-2-(O-ベンゾイルオキシム)(日興ケムテック(株)製TR-PBG-371、製品名)等が挙げられ、いずれも容易に入手可能である。防錆性、屈曲性及び解像性の観点から、TR-PBG-326、NCI-831及びTR-PBG-371がより好ましく、防錆性、屈曲性、解像性及び保存安定性の観点からTR-PBG-371が特に好ましい。
また、光重合開始剤としては、下記一般式(1):
Figure 0007112827000007
{式中、Xは、置換基を有してもよい複素環を含む1価の基を表し、Yは、枝分かれ又は環構造を形成してもよい炭素数1~8のアルキル基、及び置換基を有してもよいフェニル基から成る群から選ばれる置換基を表し、かつZは、1価の有機基を表す。}
で表される化合物、及び/又は下記一般式(2):
Figure 0007112827000008
{式中、X及びXは、同一であるか、又は異なる電子吸引基を表し、Y及びYは、同一であるか、又は異なり、Y及びYは、枝分かれ又は環構造を形成してもよい炭素数1~10のアルキル基、及び置換基を有してもよいフェニル基から成る群から選ばれる置換基を表し、かつZは、炭素数1~16のアルキレン基、及び置換基を有してもよいフェニレン基から成る群から選ばれる2価の基を表す。}
で表される化合物が、表面硬化性が高く、感度、防錆性及び屈曲性の観点で優れている。1価の有機基とは、炭化水素基(飽和でも不飽和でも良く、直鎖型でも分岐型でも良く、構造中に環状構造を含んでも良い)であり、ヘテロ原子やハロゲン原子を含んでいてもよい。
式(1)で表される化合物としては、感度、防錆性及び屈曲性の観点から、式(1)中のXが下記一般式(3):
Figure 0007112827000009
{式中、Aは、酸素(O)原子又はS原子を表す。}
で表される1価の基である化合物がより好ましい。
式(1)で表される化合物としては、例えば、1,2-プロパンジオン,3-シクロヘキシル-1-[9-エチル-6-(2-フラニルカルボニル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,2-(O-アセチルオキシム)(日興ケムテック(株)製TR-PBG-326、製品名)が挙げられる。
式(2)で表される化合物については、X又はXと対応する電子吸引基としては、例えば、ハロゲン基、ニトロ基、カルボニル基、シアノ基等が挙げられるが、ニトロ基が好ましい。
式(2)で表される化合物の具体例としては、1,7-ヘプタンジオン,1,7-ビス[9-エチル-6ニトロ-9H-カルバゾール-3-イル]-,1,7-ビス(O-アセチルオキシム)、1,7-ヘプタンジオン,1,7-ビス[9-(2-エチルヘキシル)-6ニトロ-9H-カルバゾール-3-イル]-,1,7-ビス(O-アセチルオキシム)、及び1,8-オクタンジオン,1,8-ビス[9-(2-エチルヘキシル)-6ニトロ-9H-カルバゾール-3-イル]-,1,8-ビス(O-アセチルオキシム)((株)ADEKA社製アデカアークルズNCI-831、製品名)等が挙げられる。
更に、光重合開始剤としては、下記式(4):
Figure 0007112827000010
{式中、X及びXは、それぞれ独立に、一価の有機基を表し、少なくとも一方に下記式(5):
Figure 0007112827000011
で表される構造を含み、かつYはH又は1価の有機基を表す。}
で表される化合物が、感度、防錆性、屈曲性、解像性及び保存安定性の観点から特に好ましい。保存安定性とは、感光性樹脂積層体が長期経過により感度を初めとする諸性能が変化せず、安定であるかどうかという性能である。保存安定性の悪化は、感光性樹脂積層体を産業上で利用する場合、使用期限の短縮、及び管理の手間又は管理コストの増加に繋がるため、保存安定性は感光性樹脂積層体の性能として重要である。
更に、光重合開始剤としては、下記式(6):
Figure 0007112827000012
{式中、Yは、H、-CH、炭素数2以上の脂肪族炭化水素基、又は炭素数3以上のヘテロ原子又は/及びハロゲン原子で置換してもよい脂環式炭化水素基であり、nは0または1の整数で表され、YがH又は-CHの時にはn=0であり、Yが炭素数2以上の脂肪族炭化水素基又は炭素数3以上のヘテロ原子又は/及びハロゲン原子を有してもよい脂環式炭化水素基の時にはn=1であり、かつYはH又は1価の有機基を表す。}
で表される化合物が、感度、防錆性、屈曲性、解像性及び保存安定性の観点から特に好ましい。
光重合開始剤としてのオキシム化合物は、酸共存下ではオキシム基が加水分解し、開始剤の機能を失活し易い。そのため、カルボキシル基を持つアルカリ可溶性樹脂を含む感光性樹脂組成物又は感光性樹脂積層体では、長期保管により開始剤が失活する事による感度低下又は諸性能の悪化が問題となる。式(4)及び(6)で表される光重合開始剤は、ベンゾイルオキシム基を有するため、酸性化合物の存在下で加水分解した場合、フェニルラジカルが発生するが、フェニルラジカルはメチルラジカル等と比較してモビリティが小さいため、失活し辛いと考えられる。更に、式(4)及び(6)で表される光重合開始剤は、高い吸光係数を持つため、高い反応性を示し、感度、防錆性、屈曲性、解像性、及び保存安定性を実用上好ましいレベルでバランスよく得られる。
また、カルバゾール骨格に電子吸引性の強い基が結合すると、カルバゾール骨格の共役に繋がるオキシム基の-C=N-の電荷がC側に偏るため、オキシム基のN-O結合が切れ易くなると推測され、保存安定性が悪化すると考えられる。そのため、カルバゾール骨格に結合する基は、電子吸引性の弱い基であることが好ましい。したがって、保存安定性の観点から、式(4)の基Yは、電子吸引性の弱い基であることが好ましく、より好ましくは、式(6)の-Y-(Yが示す基である。電子吸引性の弱い基としては、アルキル基、ヒドロキシル基、アミノ基等が挙げられる。式(4)又は(6)で表される化合物の具体例としては、3-シクロヘキシル-1-(6-(2-(ベンゾイルオキシイミノ)オクタノイル)-9-エチル-9H-カルバゾール-3-イル)-プロパン-1,2-ジオン-2-(O-ベンゾイルオキシム)(日興ケムテック(株)製TR-PBG-371、製品名)等が挙げられる。
エタノール溶液中での波長365nmの吸光係数が17mL/(mg・cm)~60mL/(mg・cm)であるオキシム化合物の感光樹脂組成物中の含有量は、感光性樹脂組成物の質量を基準として、防錆性、屈曲性、解像性及び感度のバランスの観点から、好ましくは0.05質量%~5質量%、より好ましくは0.1質量%~3質量%、さらに好ましくは0.1質量%~1質量%である。
本実施の形態では、感光性樹脂組成物は、所望により、エタノール溶液中での波長365nmの吸光係数が17mL/(mg・cm)~60mL/(mg・cm)であるオキシム化合物に加えて、エタノール溶液中での波長365nmの吸光係数が17mL/(mg・cm)未満又は60mL/(mg・cm)超であるオキシム化合物、又はオキシム化合物以外の光重合開始剤を含んでもよい。
感光樹脂組成物中の全ての光重合開始剤の合計含有量は、感光性樹脂組成物の質量を基準として、好ましくは0.1質量%~10質量%であり、感度と解像性の観点から、0.3質量%~5質量%であることがより好ましい。光重合開始剤の含有量が0.1質量%~10質量%の範囲内であれば、光感度が充分となるとともに、活性光線を照射する際に組成物の表面での吸収が増大するので、内部の光硬化が不充分となること等の不具合を抑制することができる。
<(D)防錆剤>
本実施の形態に係る防錆剤とは、防錆効果を有する化合物をいい、例えば、金属表面に被膜を形成して金属の腐食又は錆を防止する物質等である。
防錆剤としては、本実施の形態に係る感光性樹脂組成物への相溶性及び感度の観点から、N、S、O等を含む複素環化合物が好ましく、例えば、テトラゾール及びその誘導体、トリアゾール及びその誘導体、イミダゾール及びその誘導体、インダゾール及びその誘導体、ピラゾール及びその誘導体、イミダゾリン及びその誘導体、オキサゾール及びその誘導体、イソオキサゾール及びその誘導体、オキサジアゾール及びその誘導体、チアゾール及びその誘導体、イソチアゾール及びその誘導体、チアジアゾール及びその誘導体、チオフェン及びその誘導体等が挙げられる。ここで記載した誘導体には、母体となる構造に置換基を導入した化合物が含まれる。例えば、テトラゾール誘導体であれば、テトラゾールに置換基を導入した化合物が含まれる。置換基としては、特に制限はないが、例えば、炭化水素基(飽和でも不飽和でも良く、直鎖型でも分岐型でも良く、構造中に環状構造を含んでも良い)、又はヒドロキシル基、カルボニル基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、ニトロ基、シアノ基、チオール基及びハロゲン(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)基等のヘテロ原子を有する官能基を一つ以上含む置換基が挙げられる。
さらに、防錆性の観点から、複素環化合物としては、CとN及び/又はSとで構成される複素環を有し、かつ同一複素環中、N原子数が3以下であるか、S原子数が3以下であるか、又はN原子とS原子の合計数が3以下である化合物が好ましく、トリアゾール及びその誘導体、イミダゾール及びその誘導体、イミダゾリン及びその誘導体、チアゾール及びその誘導体、イソチアゾール及びその誘導体、チアジアゾール及びその誘導体、チオフェン及びその誘導体等がより好ましく、防錆性及び現像性の観点から、ベンゾトリアゾール及びその誘導体、並びにイミダゾール及びその誘導体がさらに好ましい。現像性の良好な(D)成分を用いることで、形成したパターンの裾が小さくなり、本発明の保護膜を端子部分へ適用した場合、導通確保の面でより好ましい。
CとN及び/又はSとで構成される複素環を有し、かつ同一複素環中、N原子数が3以下であるか、S原子数が3以下であるか、又はN原子とS原子の合計数が3以下である化合物の具体例を以下に示す:
トリアゾール、例えば、1,2,3-トリアゾール、1,2,4-トリアゾール等;
トリアゾール誘導体、例えば、3-メルカプトトリアゾール、3-アミノ-5-メルカプトトリアゾール、ベンゾトリアゾール、1H-ベンゾトリアゾール-1-アセトニトリル、1-[N,N-ビス(2-エチルヘキシル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール、1-(2-ジ-n-ブチルアミノメチル)-5-カルボキシベンゾトリアゾール、1-(2-ジ-n-ブチルアミノメチル)-6-カルボキシベンゾトリアゾール、1H-ベンゾトリアゾール-1-メタノール、5-メチル-1H-ベンゾトリアゾール、5-カルボキシベンゾトリアゾール、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール、5-クロロベンゾトリアゾール、5-ニトロベンゾトリアゾール等;
イミダゾール;
イミダゾール誘導体、例えば、ウンデシルイミダゾール、ベンゾイミダゾール、5-カルボキシベンゾイミダゾール、6-ブロモベンゾイミダゾール、5-クロロベンゾイミダゾール、2-ヒドロキシベンゾイミダゾール、2-(1-ヒドロキシメチル)ベンゾイミダゾール、2-メチルベンゾイミダゾール、5-ニトロベンゾイミダゾール、2-フェニルベンゾイミダゾール、2-アミノベンゾイミダゾール、5-アミノベンゾイミダゾール、5-アミノ-2-メルカプトベンゾイミダゾール等;
イミダゾリン;
イミダゾリン誘導体、例えば、2-ウンデシルイミダゾリン、2-プロピル-2-イミダゾリン、2-フェニルイミダゾリン等;
チアゾール;
チアゾール誘導体、例えば、2-アミノ-4-メチルチアゾール、5-(2-ヒドロキシエチル)-4-メチルチアゾール、ベンゾチアゾール、2-メルカプトベンゾチアゾール、2-アミノベンゾチアゾール、2-アミノ-6-メチルベンゾチアゾール、(2-ベンゾチアゾリルチオ)酢酸、3-(2-ベンゾチアゾリルチオ)プロピオン酸等;
イソチアゾール;
イソチアゾール誘導体、例えば、3-クロロ-1,2-ベンゾイソチアゾール等;
チアジアゾール、例えば、1,2,3-チアジアゾール、1,2,5-チアジアゾール、1,3,4-チアジアゾール等;
チアジアゾール誘導体、例えば、4-アミノ-2,1,3-ベンゾチアジアゾール、2-アミノ-5-メルカプト-1,3,4-チアジアゾール、2-アミノ-5-メチル-1,3,4-チアジアゾール、2-アミノ-1,3,4-チアジアゾール、5-アミノ-1,2,3-チアジアゾール、2-メルカプト-5-メチル-1,3,4-チアジアゾール等;
チオフェン;
チオフェン誘導体、例えば、2-チオフェンカルボン酸、3-アミノ-2-チオフェンカルボン酸メチル、3-メチルベンゾチオフェン等。
上記防錆剤の中でも、防錆性及び現像性の観点から、ベンゾトリアゾール、5-カルボキシベンゾトリアゾール、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール、及び5-クロロベンゾトリアゾールが特に好ましい。
一方で、(D)成分として防錆性と密着性の観点から、テトラゾール及びその誘導体、トリアゾール及びその誘導体、インダゾール及びその誘導体並びにチアジアゾール及びその誘導体が好ましい。
テトラゾールの具体例としては、1H-テトラゾールが挙げられる。
テトラゾール誘導体の具体例としては、5-アミノ-1H-テトラゾール、5-メチル-1H-テトラゾール、1-メチル-5-エチル-1H-テトラゾール、1-メチル-5-メルカプト-1H-テトラゾール、1-フェニル-5-メルカプト-1H-テトラゾール、1-(ジメチルアミノエチル)-5-メルカプト-1H-テトラゾール及び5-フェニル-1H-テトラゾール等が挙げられる。
インダゾールの具体例としては、1H-インダゾールが挙げられる。
インダゾール誘導体としては、5-アミノインダゾール、6-アミノインダゾール、1-ベンジル-3-ヒドロキシ-1H-インダゾール、5-ブロモインダゾール、6-ブロモインダゾール、6-ヒドロキシインダゾール、3-カルボキシインダゾール及び5-ニトロインダゾール等が挙げられる。
トリアゾール及びその誘導体並びにチアジアゾール及びその誘導体の具体例は、上記で既に説明したとおりである。
それらの中でも、防錆性と密着性の観点から、5-アミノ-1H-テトラゾール、5-カルボキシベンゾトリアゾール、5-アミノインダゾール及び5-アミノ-1,2,3-チアジアゾールが特に好ましい。
本発明のような反応性の高い光重合開始剤を用いた場合、露光又は加熱処理により感光性樹脂組成物の硬化収縮が生じ、硬化膜に基材との応力が発生することで、硬化膜と基材の密着性の悪化が問題となる。しかし、本実施の形態に係る(C)成分と上記防錆性及び密着性の観点で好ましい(D)成分とを組み合わせて用いることで、感度、防錆性、屈曲性、解像性、保存安定性及び密着性を実用上好ましいレベルでバランスよく発現できる。
本実施の形態では、上記で説明された防錆剤の1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
感光性樹脂組成物中の防錆剤の含有量は、防錆性又は現像性の観点から、感光性樹脂組成物の質量を基準として、好ましくは0.05質量%~10質量%、より好ましくは0.1質量%~5質量%、さらに好ましくは0.2質量%~3質量%である。
<(E)シランカップリング剤>
本実施の形態において、感光性樹脂組成物は、基材との密着性、防錆性、及び現像性の観点から、シランカップリング剤を含むことが好ましい。シランカップリング剤としては、例えば、3-グリシドキシプロピルメチルジメト(又はエト)キシシラン(信越化学(株)製KBM-402、KBE-402、製品名)、3-グリシドキシプロピルトリメト(又はエト)キシシラン(信越化学(株)製KBM-403、KBE-403、製品名)、3-メタクリロキシプロピルメチルジメト(又はエト)キシシラン(信越化学(株)製KBM-502、KBE-502、製品名)、3-メタクリロキシプロピルトリメト(又はエト)キシシラン(信越化学(株)製KBM-503、KBE-503、製品名)、3-アミノプロピルトリメト(又はエト)キシシラン(信越化学(株)製KBM-903、KBE-903、製品名)、トリス-(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート(信越化学(株)製KBM-9659、製品名)、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン(信越化学(株)製KBM-802、製品名)、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越化学(株)製KBM-803、製品名)、2-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]コハク酸無水物、3-トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物(信越化学(株)製X-12-967C、製品名)等が挙げられる。
感光性樹脂組成物中のシランカップリング剤の含有量は、基材との密着性、防錆性及び現像性の観点から、感光性樹脂組成物の質量を基準として、好ましくは0.1質量%~5質量%、より好ましくは0.5質量%~3質量%である。
<(F)アミン化合物>
本実施の形態において、感光性樹脂組成物は、(D)防錆剤の効果を更に向上させるために、アミン化合物を含むことが好ましい。アミン化合物としては、例えば、アンモニア、エチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジエチレントリアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ヘキサヒドロアニリン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、アリルアミン、2-アミノプロパノール、3-アミノプロパノール、4-アミノブタノール、4-メチルアミノブタノール、エチルアミノエチルアミン、2-エチルヘキシルアミン、ジ-2-エチルヘキシルアミン、トリス(2-エチルヘキシル)アミン、オレイルアミン、ドデシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、オクチルアミン、オクタデシルアミン、ヘキシルアミン等が挙げられる。これらのアミン化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのアミン化合物の中でも、ジブチルアミンが特に好ましい。
感光性樹脂組成物中のアミン化合物の含有量は、防錆性の観点から、感光性樹脂組成物の質量を基準として、好ましくは0.05質量%~3質量%、より好ましくは0.1質量%~2質量%である。
<その他の成分>
本実施の形態において、成分(A)~(F)に加えて、ニトロソフェニルヒドロキシルアミンが3モル付加したアルミニウム塩等の重合禁止剤、レベリング剤、可塑剤、充填剤、消泡剤、難燃剤等も感光性樹脂組成物に含有させることが出来、これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用できる。
<感光性樹脂層>
本実施の形態に係る感光性樹脂層は、厚みが15μm以下であり、かつ感光性樹脂層の波長365nmでの吸光度が、感光性樹脂層の厚み1μm当たり0.01~0.05であることが好ましい。感光性樹脂層の膜厚が大き過ぎると柔軟性が悪化するため、感光性樹脂層の厚みは15μm以下が好ましく、配線の凹凸に追従するという観点、及び防錆性を確保するという観点から、3μm以上が好ましい。感光性樹脂層の吸光度が高いと、表面での硬化が促進され、前述したように防錆性が向上し、底部の硬化が進み過ぎず、屈曲性を維持できるため、感光性樹脂層の吸光度は、0.01以上が好ましく、一方で感光層の吸光度が高過ぎると、底部の硬化が甘くなり、基材との密着性が悪化するため、0.05以下であることが好ましい。
<感光性樹脂積層体の詳細>
感光性樹脂積層体は、感光性樹脂組成物より成る感光性樹脂層と、支持フィルムとを含む。具体的には、支持フィルム上に、上述の感光性樹脂組成物より成る層が積層されている。感光性樹脂積層体は、必要により、感光性樹脂層の支持フィルム側とは反対側の表面に保護層を有してもよい。
本実施の形態に用いられる支持フィルムとしては、露光光源から放射される光を透過する透明なものが望ましい。このような支持フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、塩化ビニリデン共重合フィルム、ポリメタクリル酸メチル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、スチレン共重合体フィルム、ポリアミドフィルム、セルロース及びその誘導体から成るフィルム等が挙げられる。これらのフィルムは、必要に応じて、延伸されたものも使用可能である。支持フィルムのヘーズは、5以下であることが好ましい。支持フィルムの厚みは、小さいほど解像性及び経済性の面で有利であるが、強度を維持するために10μm~30μmであることが好ましい。
感光性樹脂積層体のために用いられる保護層の重要な特性は、感光性樹脂層との密着力について、支持フィルムよりも保護層の方が充分小さく、容易に剥離できることである。保護層としては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等が好ましく使用できる。また、保護層として、特開昭59-202457号公報に示された剥離性の優れたフィルムを用いることもできる。保護層の膜厚は10μm~100μmが好ましく、10μm~50μmがより好ましい。
感光性樹脂積層体の作製方法は、支持体(例えば、支持フィルム)上に塗布液を塗布して、乾燥する工程を含み、更に必要に応じて感光性樹脂層上に保護層をラミネートする工程を含む。塗布液は、上記で説明された感光性樹脂組成物を溶媒に均一に溶解することにより得られることができる。
感光性樹脂組成物を溶解する溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン(MEK)に代表されるケトン類;メタノール、エタノール又はイソプロパノールに代表されるアルコール類等が挙げられる。溶剤は、支持体上に塗布する感光性樹脂組成物の溶液の粘度が25℃で10mPa・s~800mPa・sとなるように、感光性樹脂組成物に添加することが好ましい。塗布方法としては、例えば、ドクターブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、ロールコーティング法、スクリーンコーティング法、スピナーコーティング法、インクジェットコーティング法、スプレーコーティング法、ディップコーティング法、グラビアコーティング法、カーテンコーティング法、ダイコーティング法等が挙げられる。塗布液の乾燥条件に特に制限はないが、乾燥温度は、50℃~130℃であることが好ましく、乾燥時間は、30秒~30分であることが好ましい。
本実施の形態では、感光性樹脂積層体は、導体部の保護膜を形成するために使用されることが好ましく、その場合には、導体部は、銅電極、銅とニッケルの合金電極又は透明電極であることがより好ましい。より詳細には、感光性樹脂積層体は、タッチパネル(タッチセンサー又はフォースセンサー)の額縁領域における引き出し配線のための保護膜、又はセンシング領域における銅電極のための保護膜として、使用されることができる。
[樹脂パターン及び硬化膜パターン並びにそれらの製造方法]
感光性樹脂積層体を用いた樹脂パターンの形成は、以下の工程:
基材上に前記の感光性樹脂積層体をラミネートするラミネート工程;
該ラミネートされた感光性樹脂積積層体に露光する露光工程;及び
該露光された感光性樹脂積層体を現像する現像工程;
を含む樹脂パターンの製造方法によって行うことができる。更に、樹脂パターンを導体部の保護膜として用いるために、現像工程後に、樹脂パターンを後露光処理及び/又は加熱処理に供して、硬化膜パターンを形成する工程を樹脂パターンの製造方法に含むことが好ましい。
以下、具体的な方法の一例を示す。基材としては、フレキシブル銅張積層板に銅配線が形成された基材、ガラス基材、透明樹脂基材に透明電極(例えば、ITO、Agナノワイヤー基材等)又は金属電極(例えば、Cu、Al、Ag、Ni、Mo及びこれらの少なくとも2種の合金等)が形成されたタッチパネル基材又はタッチセンサー基材(例えばフォースセンサー等)等を使用することができる。フレキシブル銅張積層板、タッチパネル電極形成用基材又はタッチセンサー電極形成用基材は、フレキシブルなフィルム上に、銅層若しくは透明電極、又は金属電極の原料となる金属層が形成されて成る基材である。上記フィルムとしては、例えば、ポリイミド、ポリエステル(PET、PEN)、シクロオレフィンポリマー(COP)等のフィルム原料から成るフィルムが挙げられる。上記フィルムの厚みは、10μm~100μmであることが好ましい。また、上記の銅としては、純銅の他に、銅を主成分として含有する合金を使用することができる。ここで「主成分」とは、合金の少なくとも50質量%が銅であることをいう。合金金属としては、例えばニッケル、パラジウム、銀、チタン、モリブデン等と銅との合金を挙げることができる。銅層の厚みは50nm~2μmであることが好ましい。銅層の均一性の観点から銅層の厚みは100nm以上であることがより好ましい。
上記のような基材に対して感光性樹脂積層体をラミネートする工程を行うことにより、基材の銅層上に感光性樹脂層を形成する。感光性樹脂積層体が保護層を有する場合には、好ましくは該保護層を剥離した後、ラミネーターで感光性樹脂積層体を基材表面に加熱圧着して積層する。この場合、感光性樹脂積層体を基材表面の片面だけに積層してもよいし、両面に積層してもよい。加熱温度は、一般に約40℃~160℃である。加熱圧着は、二連のロールを備えた二段式ラミネーターを使用して行われてもよいし、感光性樹脂積層体と基材を複数回に亘って繰り返してロールに通すことにより行われてもよい。また、真空ラミネーターを用いると、基材上の配線等による凹凸への保護膜の追従性が良好であり、感光性樹脂積層体と基材の間にエアーが混入する欠点を防ぐことが出来る。
次に、露光機を用いて露光工程を行う。必要ならば感光性樹脂積層体から支持フィルムを剥離し、フォトマスクを通して活性光により感光性樹脂層を露光する。露光量は、光源照度及び露光時間により決定される。露光量は、光量計を用いて測定してもよい。露光機としては、超高圧水銀灯を光源とした散乱光露光機、平行度を調整した平行光露光機、マスクとワークの間にギャップを設けるプロキシミティ露光機等を挙げることができる。更に、露光機としては、マスクと画像のサイズ比が1:1の投影型露光機、高照度のステッパー(登録商標)といわれる縮小投影露光機、又はミラープロジェクションアライナ(登録商標)と呼ばれる凹面鏡を利用した露光機を挙げることができる。
また、露光工程においては、直接描画露光方法を用いてもよい。直接描画露光とは、フォトマスクを使用せず、基板上に直接描画して露光する方式である。光源としては、例えば、波長350nm~410nmの固体レーザー、半導体レーザー又は超高圧水銀灯が用いられる。描画パターンはコンピューターによって制御される。この場合の露光量は、光源照度と基板の移動速度によって決定される。
次に、現像装置を用いて現像工程を行う。露光後、感光性樹脂層上に支持フィルムがある場合には、必要に応じて支持フィルムを除き、続いてアルカリ水溶液の現像液を用いて未露光部を現像除去して、樹脂パターンを得る。アルカリ水溶液としては、NaCO又はKCOの水溶液(アルカリ水溶液)を用いることが好ましい。アルカリ水溶液は、感光性樹脂層の特性に合わせて適宜選択されるが、約0.2質量%~2質量%の濃度、約20℃~40℃のNaCO水溶液が一般的である。アルカリ水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、現像を促進させるための少量の有機溶剤等を混入させてもよい。基材への影響を考慮して、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液等のアミン系アルカリ水溶液を用いることもできる。現像速度に応じて、水溶液中のアルカリ化合物の濃度を適宜選択することができる。臭気が少なく、取扱い性に優れ、かつ管理及び後処理が簡便であるという観点から、特に1質量%、30℃~35℃のNaCO水溶液が好ましい。現像方法としては、アルカリ水スプレー、シャワー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッピング等の既知の方法が挙げられる。
現像後、樹脂パターンに残存したアルカリ水溶液の塩基を、有機酸、無機酸又はこれらの酸水溶液を用いて、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッピング等の既知の方法により酸処理(中和処理)することができる。更に、酸処理(中和処理)の後、水洗する工程を行うこともできる。
上記の各工程を経て樹脂パターンを得ることができるが、更に後露光工程及び/又は加熱工程を実施してもよい。後露光工程及び/又は加熱工程を実施することにより、更に防錆性が向上する。後露光処理での露光量としては、200mJ/cm~1000mJ/cmが好ましく、加熱工程では40℃~200℃での処理を行うことが好ましく、製造プロセスの観点から、加熱処理時間は60分以下が好ましい。加熱処理の方式としては、熱風、赤外線、遠赤外線等の適宜の方式の加熱炉を用いることができ、加熱処理の雰囲気としては、N雰囲気下、又はN/O雰囲気下が挙げられる。
本実施の形態によれば、防錆性、柔軟性、解像性及び感度のバランスに優れ、配線、電極等の導体部の保護に好適な感光性樹脂組成物及び感光性樹脂積層体を提供し得る。このような感光性樹脂積層体は、例えば、タッチパネル、タッチセンサー又はフォースセンサー用途の配線、電極等の保護膜として好適である。
[タッチパネル表示装置、タッチセンサー又はフォースセンサーを有する装置]
本実施の形態に係る感光性樹脂積層体の硬化膜をタッチパネル用基材に形成することで、感光性樹脂積層体の硬化膜を有するタッチパネル表示装置、及び感光性樹脂積層体の硬化膜とタッチセンサー及び/又はフォースセンサーとを有する装置を提供することができる。
タッチパネル用基材としては、一般に、タッチパネル、タッチセンサー又はフォースセンサーのために用いられる基材、例えば、ガラス板、プラスチック板、プラスチックフィルム、セラミック板等が挙げられる。この基材上には、保護膜を形成する対象となるITO、Cu、Al、Ag、Ni、Mo及びこれらの少なくとも2種を含む合金等のタッチパネル用電極又は金属配線が設けられ、基材と電極との間に絶縁層が設けられていてもよい。
タッチパネル用電極を有するタッチパネル用基材は、例えば、以下の手順で得ることができる。ポリエステル、COPフィルム等のタッチパネル用基材上に、ITO、Cuの順にスパッタ法により金属膜を形成した後、金属膜上にエッチング用感光性フィルムを貼り付け、所望のレジストパターンを形成し、不要なCuを塩化鉄水溶液等のエッチング液で除去し、更にレジストパターンを剥離・除去する。
タッチパネル用基材上に保護膜としての硬化膜を形成する方法は、本実施の形態に係る感光性樹脂積層体をタッチパネル用基材上にラミネートする第一工程、保護膜の所定部分を活性光線の照射により硬化させる第二工程、保護膜の所定部分以外(保護膜の活性光線が照射されていない部分)を除去して、パターニングされた保護膜の硬化物を形成する第3工程、及びパターンニングされた保護膜を露光及び/又は熱処理する第4工程を、この順に含むことが好ましい。
上述のように感光性樹脂積層体の硬化膜パターンを有するタッチパネル用基材を作製することによって、感光性樹脂積層体の硬化膜を有するタッチパネル表示装置、又は感光性樹脂積層体の硬化膜とタッチセンサー及び/若しくはフォースセンサーとを有する装置を好適に提供することができる。
以下の実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
最初に開始剤の吸光係数の測定方法について示す。次いで、実施例1~38及び比較例1~6の評価用フィルムの作製方法を説明し、得られたフィルムについての評価方法及びその評価結果を示す。
1.開始剤の吸光係数の測定方法
下記表1記載の各開始剤を、精密天秤にて100mg秤量し、それぞれ100mLのエタノールに溶解した。開始剤を完全に溶解した後、溶液を10mL採取し、100mLのメスフラスコを用いてエタノールにて10倍希釈した。希釈液を、再度同様に10倍希釈し、1mg/100mL溶液を得た。1mg/100mL溶液をサンプルの光路長1cmの石英セルに入れて測定側に置き、リファレンス側にはエタノールを入れた石英セルを置いて、(株)日立ハイテクノロジーズ製分光光度計(U-3010)により測定し、測定値より吸光係数を算出した。結果を表1に示す。
2.評価用フィルムの作製
実施例及び比較例における評価用フィルムは次の様にして作製した。
<感光性樹脂積層体の作製>
下記表2~6に示す組成(但し、各成分の数字は固形分としての配合量(質量部)を示す。)の感光性樹脂組成物及び溶媒を十分に攪拌及び混合して感光性樹脂組成物調合液を得た。支持フィルムである16μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂(株)製、R310-16B)の表面に、ブレードコーターを用いて感光性樹脂組成物調合液を均一に塗布し、95℃の乾燥機中で3分間乾燥して、支持フィルム上に均一な感光性樹脂層を形成した。明産(株)製卓上厚さ計(RC-1W-200/1000)を用いて、支持フィルム及び支持フィルム上に均一な感光性樹脂層を形成したサンプルの膜厚をそれぞれ測定し、支持フィルム上に均一な感光性樹脂層を形成したサンプルの膜厚から支持フィルムの膜厚を差し引き、感光性樹脂層の厚みを算出したところ、感光性樹脂層の厚みは10μmであった。次いで、感光性樹脂層の表面上に、保護フィルムとして33μm厚のポリエチレンフィルム(タマポリ(株)製、GF-858)を貼り合わせて感光性樹脂積層体を得た。表2~6において略語で表した感光性樹脂組成物調合液中の材料成分の名称を表7に示す。
3.感光性樹脂層の吸光度測定
(株)日立ハイテクノロジーズ製分光光度計(U-3010)を用いて、得られた感光性樹脂積層体のポリエチレンフィルムを剥がし、支持体と感光性樹脂層を積層した状態で測定側に置き、リファレンス側に支持フィルムを置いて、感光性樹脂積層体の吸光度(365nm)を測定した。測定値を膜厚で割り、膜厚1μm当たりの吸光度を表2~4に示した。
4.感度及び解像性評価
<サンプル作製法>
感光性樹脂積層体の保護フィルムを剥がしながら、樹脂、ITO及びスパッタ銅が、この順に積層された基板の銅表面に、ホットロールラミネーター(大成ラミネーター(株)製、VA-400III)により、ロール温度100℃でラミネートした。エアー圧力は0.4MPa、ラミネート速度は1.0m/分に設定した。15分静置後、支持フィルムの上にPETマスクとストゥーファー21段ステップタブレット(光学密度0.00を1段目とし、1段毎に光学密度が0.15ずつ増加するステップタブレット)を並べて置き、PETマスク及びステップタブレット側から各組成の最適露光量を、平行光露光機((株)オーク製作所社製、HMW―801)により露光した。PETマスクとしては、未露光部分が円孔となるパターンを有するものを使用した。15分以上の静置後、感光性樹脂積層体の支持フィルムを剥離し、(株)フジ機工製現像装置を用い、フルコーンタイプのノズルにて現像スプレー圧0.07MPaで、35℃の1質量%NaCO水溶液を60秒間スプレーして現像し、感光性樹脂層の未露光部分を溶解除去した。その際、水洗工程は、フラットタイプのノズルにて水洗スプレー圧0.07MPaで、現像工程と同時間に亘って行い、水洗されたサンプルをエアーブローにより乾燥させて、評価用のパターンを形成した。
上記最適露光量とは、上記処理によりストゥーファー21段ステップタブレットを介して露光した場合に残膜する段数が8~9段となるような露光量を意味する。
<評価方法>
・感度
上記サンプル作製法により得られた最適露光量を下記のようにランク付けし、表2~4にまとめた。ランクC以上であることが、保護膜として好ましい。
A:最適露光量が30mJ以下
B:最適露光量が30mJより高く、60mJ以下
C:最適露光量が60mJより高く、90mJ以下
D:最適露光量が90mJより高い
・解像性 上記サンプル作製法により、円孔パターンが正常に形成されている最小の円孔マスクの直径を解像性の値とし、解像性を下記のようにランク分けし、結果を表2~4にまとめた。ランクB以上が、保護膜として好ましい。
A:解像性の値が70μmを超え、80μm以下
B:解像性の値が80μmを超え、100μm以下
C:解像性の値が100μmを超える
5.耐屈曲性評価
<サンプル作製法>
感光性樹脂積層体を2cm×20cmにカットし、散乱光露光機((株)オーク製作所社製、HMW-201KB)により、支持フィルム側から各組成の露光量で露光した。15分静置後、感光性樹脂積層体から保護フィルムを剥離し、感度・解像性評価サンプルの作製法と同様の手法で現像・水洗・乾燥工程を行なった。その後、散乱光露光機にて感光層側から350mJ/cmの露光量で露光し、続いて、熱風循環式オーブンにて150℃で30分間処理した。作製したサンプルは、23℃、50%RHにて1日調湿した後、試験を行った。
<評価方法>
図1に示されるように、固定した所定の直径φの円筒形マンドレル(2)を支点に、作製したサンプル(1)の感光性樹脂層を外側にして1秒~2秒掛けて90℃折り曲げ、元に戻す操作を1回とし、同様の操作を所定の回数で繰り返した。その後、サンプル(1)について、顕微鏡を用いて、剥がれ及び感光性樹脂層の割れの有無を観察し、以下のようにランク分けした。その結果を表2~4に示した。ランクC以上が保護膜として好ましい。
A:0.5mmφのマンドレルにて10回折り曲げ、割れ及び剥がれ無し
B:0.5mmφのマンドレルにて1回折り曲げ、割れ及び剥がれ無し
C:1mmφのマンドレルにて10回折り曲げ、割れ及び剥がれ無し
D:2mmφのマンドレルにて10回折り曲げ、割れ及び剥がれ無し
6.防錆性評価
<試験用基材の作製>
特許第4515123号明細書の実施例2に記載の通りに感光性樹脂積層体を作製して、感光性樹脂積層体を、保護フィルムを剥がしながら、樹脂、ITO、及びスパッタ銅がこの順に積層された大きさ5cm×10cmのフレキシブル基材の銅表面に、ホットロールラミネーターにてラミネートした。その際、ロール温度は100℃、エアー圧力は0.4MPa、ラミネート速度は1.5m/分に設定した。15分静置後、支持フィルムの上にPETマスク置き、PETマスク側から平行光露光機により120mJ/cmで露光した。PETマスクは、ライン/スペース=80μm/80μmのパターンのものを使用した。15分以上の静置後、感光性樹脂積層体から支持フィルムを剥離し、(株)フジ機工製現像装置を用い、フルコーンタイプのノズルにて現像スプレー圧0.15MPaで、30℃の1質量%NaCO水溶液を最小現像時間の2倍の時間スプレーして、感光性樹脂層の未露光部分を溶解除去した。ここで、最小現像時間とは、感光性樹脂組成物層の未露光部分が完全に溶解除去されるまでに要する最小の時間をいう。その際、水洗工程は、フラットタイプのノズルにて水洗スプレー圧0.15MPaで、現像工程と同時間に亘って行い、さらに水洗されたサンプルをエアーブローにより乾燥させて、銅表面上にレジストパターンを形成した。
次いで、レジストパターンを形成した基板を、液温30℃の塩酸濃度2質量%、塩化第二鉄2質量%の水溶液に最少エッチング時間の1.5倍の時間に亘って浸漬するディップ方式にてエッチングした。その後、水洗及び風乾処理を行った。ここで、最小エッチング時間とは、上記の条件下で基板上の銅箔が完全に溶解除去されるのに要する最小の時間をいう。
上記エッチング後、液温50℃の3質量%のNaOH水溶液へ基板を浸漬し、ディップ方式にてレジストの除去を行い、水洗及び風乾処理を行った。これにより、樹脂上にITOが積層され、さらにITO層の上に銅配線パターンが形成された試験用基材を得た。銅配線パターンをより詳細に述べると、長さ8cm、幅80μmの銅ラインが、ライン:スペース=1:1で10本形成されていた。
<サンプル作製法>
前記手法にて作成した、銅配線が形成された基材の、銅配線が存在する面へ、実施例1~38及び比較例1~3の各感光性樹脂積層体の保護フィルムを剥がしながら、ホットロールラミネーター(大成ラミネーター(株)製、VA-400III )を用いてラミネートした。その際、ロール温度は100℃、エアー圧力は0.4MPa、ラミネート速度は1.0m/分に設定した。15分静置後、保護膜の支持フィルム側から散乱光露光機によって各組成の最適露光量を全面露光した。15分静置後、感光性樹脂積層体から支持フィルムを剥離し、(株)フジ機工製現像装置を用い、フルコーンタイプのノズルにて現像スプレー圧0.07MPaで、35℃の1質量%NaCO水溶液を60秒間スプレーして現像し、感光性樹脂層の未露光部分を溶解除去した。その際、水洗工程は、フラットタイプのノズルにて水洗スプレー圧0.07MPaで、現像工程と同時間に亘って行い、水洗されたサンプルをエアーブローにより乾燥させた。その後、散乱光露光機にて感光層側から350mJ/cmの露光量で露光し、続いて、熱風循環式オーブンにて150℃で30分間処理して、評価用サンプルを作製した。
<評価方法>
JIS L0848に記載の酸性人工汗液を、作製した評価用サンプルの銅配線上に滴下した後、85℃、85%RHの恒温恒湿オーブン(アドバンテック東洋(株)製、THN050FA)に保管した。所定時間が経過したところで、オーブンからサンプルを取り出し、保護膜面及び保護膜とは逆の面から顕微鏡にて観察し、銅配線の変色又は腐食の有無を確認し、下記のようにランク付けした。その結果を表2~4に示した。ランクD以上が保護膜として好ましい。
A:85℃、85%RHの環境下で144時間以上経過後に変色又は腐食が発生
B:85℃、85%RHの環境下で120時間以上144時間未満に変色又は腐食が発生
C:85℃、85%RHの環境下で96時間以上120時間未満に変色又は腐食が発生
D:85℃、85%RHの環境下で72時間以上96時間未満に変色または腐食が発生
E:85℃、85%RHの環境下で72時間未満に変色又は腐食が発生
7.保存安定性評価
<サンプル作製法>
実施例29~32及び比較例4について、20cm×30cmの感光性樹脂積層体を2枚用意し、その内1枚を50℃、60%RHの恒温恒湿オーブン(ナガノサイエンス(株)製、LH21-11M)に3日間保管し、もう一枚は室温で3日間保管し、2種類のサンプルを得た。その後、それらの感光性樹脂積層体をそれぞれ、樹脂、ITO及びスパッタ銅が、この順に積層された基板の銅表面に、感光性樹脂積層体の保護フィルムを剥がしながら、ホットロールラミネーター(大成ラミネーター(株)製、VA-400III)を用いてラミネートした。その際、ロール温度は100℃、エアー圧力は0.4MPa、ラミネート速度は1.0m/分に設定した。15分静置後、保護膜の支持フィルム側から散乱光露光機によって、ストゥーファー21段ステップタブレットを介して露光した。この時、室温で3日間保管した感光性樹脂積層体の最適露光量で、2種類のサンプルとも露光した。15分静置後、感光性樹脂積層体から支持フィルムを剥離し、(株)フジ機工製現像装置を用い、フルコーンタイプのノズルにて現像スプレー圧0.07MPaで、35℃の1質量%NaCO水溶液を60秒間スプレーして現像し、感光性樹脂層の未露光部分を溶解除去した。その際、水洗工程は、フラットタイプのノズルにて水洗スプレー圧0.07MPaで、現像工程と同時間に亘って行い、水洗されたサンプルをエアーブローにより乾燥させた。
<評価方法>
上記サンプル作製法により得られた、各サンプルのストゥーファー21段ステップタブレットの残膜段数を読み取り、室温で3日間保管したサンプルと50℃及び60%RHで保管したサンプルの残膜段数の差を以下のようにランク付けし、その結果を表5に示した。Aランクであれば、サンプルを長期に亘り常温で保管しても、実用上性能が変化せず、問題ない。Bランクの場合は、長期保管のためには冷蔵保管でなければ、感度変化が発生し、実用上問題が生じる。感光性樹脂積層体を産業上で利用する際、Bランクでも冷蔵保管を行えば、安定して使用可能であるが、管理コスト及び手間の観点から、Aランクがより好ましい。
A:残膜段数の差が3段以下
B:残膜段数の差が3段より大きい
8.円孔パターンスソ長さ
<評価方法>
PETマスクとして未露光部分が円孔となる、直径が100μmの円孔マスクを用いて、「4.感度及び解像性評価」の項目で記載したサンプル作製法に従い、円孔パターンを得た。その円孔パターンを、走査電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジーズ製、S-3400N)にて5000倍に拡大し、円孔パターンのフット部に発生したスソを観察した。観察結果を以下のようにランク分けした。ランクを表5に示した。スソの長さは、円孔側壁面からスソ端部までの、基板表面に沿った距離として測定した。ランクA又はBであることが、保護膜として好ましい。
A:円孔のスソ長さが2.0μm以下
B:円孔のスソ長さが2.0μmより大きく3.0μm以下 C:円孔のスソ長さが3.0μmより大きい
9.密着性評価
<サンプル作製法>
基板を、樹脂、ITO及びスパッタ銅が、この順に積層された基板に変え、かつ銅表面に、実施例33~38並びに比較例5及び6で得られた感光性樹脂積層体の保護フィルムを剥がしながらラミネートした他は、「6.防錆性評価」の<サンプル作製法>と同様の手法でサンプルを作製した。
<評価法>
作製したサンプルを用いて、特に言及しない評価プロセスについてはJIS K-5600-5-6に準ずる方法で、以下のようにクロスカット試験を行った。ガイドを用いて1mm間隔にカッターで10本平行にサンプルに切れ込みを入れ、更に格子パターンが形成できるように、それらに対して直角に10本切込みを入れた。格子状の切れ込み部分に、15mm幅の粘着テープ(ニチバン(株)製セロテープ(登録商標)、製品名)を圧着させた後、粘着テープを0.5秒~1秒に亘って圧着面に対して60°の角度で剥がした。粘着テープを剥がしたサンプル表面を光学顕微鏡で観察し、以下のようにランク分けした。その結果を表6に示した。ランクA又はBであることが、保護膜として好ましい。
A:基材の銅表面から保護膜が剥がれた面積が10%未満。
B:基材の銅表面から保護膜が剥がれた面積が10%以上20%未満。
C:基材の銅表面から保護膜が剥がれた面積が20%以上。
10.評価結果
実施例1~38及び比較例1~6の評価結果は表2~6に示した通りであるが、実施例1~38については、本実施の形態に係る開始剤及び防錆剤を使用することで、保護膜として必要な防錆性、屈曲性、感度及び解像性に優れていることが分かる。一方で、本実施の形態に係る開始剤又は防錆剤を含まない比較例1~3については、防錆性、屈曲性、感度及び解像性のいずれかの性能が劣る結果となっており、比較例4は円孔パターンのスソ長さが、比較例5、6では密着性が劣る結果となっている。
より詳細に述べると、比較例1は、実施例17と比較すると、感光性樹脂組成物が、エタノール溶液中にて波長365nmの吸光係数が17mL/(mg・cm)~60mL/(mg・cm)であるオキシム開始剤を含まないため、防錆性、屈曲性、感度及び解像性の全ての性能の面で比較例1が劣っていることが明確である。また、比較例2と実施例13を比較すると、同様の理由で、防錆性、屈曲性及び感度の点で比較例2が劣っていることが分かる。更に、比較例3と実施例21を比較すると、比較例3は、感光性樹脂組成物が防錆剤を含有していないため、防錆性の点で劣っていることが明らかである。
実施例2と実施例3の対比から、感光性樹脂組成物がアミン化合物を含有することで、防錆性が向上することが分かる。次に、実施例6と実施例7の対比から、感光性樹脂組成物がシランカップリング剤を添加することで、防錆性が向上することが分かる。また、実施例17と実施例18を比較することで、側鎖に芳香族基を有するアルカリ可溶性樹脂を用いることで防錆性及び屈曲性が向上することが分かる。一方、実施例1と実施例4の対比から、3つ以下のN及び/又はSを同一複素環中に有する(D)成分を感光性樹脂組成物に含有させることで、防錆性が向上することが分かる。更に、実施例22、実施例23及び実施例24を比較すると、3つ以下のN及び/又はSを同一複素環中に有する(D)成分の中でも、ベンゾトリアゾール及びその誘導体が防錆性の観点で良好であることが分かる。また、実施例17と実施例19を比較すると、好ましい防錆剤として上記で列挙されたベンゾトリアゾール及びその誘導体並びにイミダゾール及びその誘導体の中でも、特に好ましい例の一つである、5-カルボキシベンゾトリアゾールを含有する感光性樹脂組成物が、防錆性の観点でより優れていることが分かる。なお、実施例20と実施例21の対比から、感光性樹脂層について、365nmの吸光度を膜厚1μm当たり0.01~0.05に調整することで、より優れた防錆性が得られることが確認できる。
更に、実施例29と実施例30を比較すると、式(4)で表される(C)成分を感光性樹脂組成物に含有させることで、防錆性と耐屈曲性の性能バランスが向上し、更に保存安定性が向上することが分かる。また、比較例4と実施例32を比較すると、(D)成分を感光性樹脂組成物に添加することで、円孔パターンのスソが小さくなることが確認できる。また、実施例32に対し、実施例30及び31を比較すると、現像性の観点で好ましい(D)成分として上記で挙げた、ベンゾトリアゾール又はその誘導体を用いることで、現像性が向上し、円孔パターンのスソがより小さくなることが確認できる。
更に、比較例5及び6と実施例33~38とを比較すると、(D)成分を感光性樹脂組成物に添加したことで、密着性が向上していることが分かる。また、実施例36と実施例33~35の対比、又は実施例38と37の対比から、(D)成分として、テトラゾール及びその誘導体、トリアゾール及びその誘導体、インダゾール及びその誘導体並びにチアジアゾール及びその誘導体を感光性樹脂組成物に添加することで、密着性がより向上することが確認できる。
Figure 0007112827000013
Figure 0007112827000014
Figure 0007112827000015
Figure 0007112827000016
Figure 0007112827000017
Figure 0007112827000018
Figure 0007112827000019
1 サンプル
2 任意の直径φを有する円筒形マンドレル

Claims (19)

  1. 以下の成分:
    (A)アルカリ可溶性樹脂;
    (B)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物;
    (C)光重合開始剤;及び
    (D)防錆剤;
    を含み、かつ(C)成分として、エタノール溶液中にて波長365nmの吸光係数が17mL/(mg・cm)~60mL/(mg・cm)であるオキシム化合物を含む、導体部の保護膜形成用感光性樹脂組成物であって
    前記導体部の保護膜形成用感光性樹脂組成物が、(D)成分として、ベンゾトリアゾール、ベンゾトリアゾール誘導体、イミダゾール及びイミダゾール誘導体から成る群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含み、かつ
    前記(A)アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量は、5,000以上500,000以下であり、かつ前記(A)アルカリ可溶性樹脂は、(メタ)アクリル系である、導体部の保護膜形成用感光性樹脂組成物。
  2. 以下の成分:
    (A)アルカリ可溶性樹脂;
    (B)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物;
    (C)光重合開始剤;及び
    (D)防錆剤;
    を含み、かつ(C)成分として、エタノール溶液中にて波長365nmの吸光係数が17mL/(mg・cm)~60mL/(mg・cm)であるオキシム化合物を含む、導体部の保護膜形成用感光性樹脂組成物であって
    前記導体部の保護膜形成用感光性樹脂組成物が、(D)成分として、ベンゾトリアゾール、ベンゾトリアゾール誘導体、イミダゾール及びイミダゾール誘導体から成る群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含み、かつ
    前記(B)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物として、(メタ)アクリレート基を1官能有する化合物、(メタ)アクリレート基を3官能有する化合物、及び(メタ)アクリレート基を4官能有する化合物から成る群から選択される少なくとも1種を含む、導体部の保護膜形成用感光性樹脂組成物。
  3. 前記導体部の保護膜形成用感光性樹脂組成物が、(D)成分として、炭素(C)原子と窒素(N)原子及び/又は硫黄(S)原子とで構成される複素環を有し、かつ同一複素環中、N原子数が3以下であるか、S原子数が3以下であるか、又はN原子とS原子の合計数が3以下である化合物を含む、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 前記導体部の保護膜形成用感光性樹脂組成物が、(D)成分として、ベンゾトリアゾール又はベンゾトリアゾール誘導体を含む、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
  5. 前記導体部の保護膜形成用感光性樹脂組成物が、(D)成分として、チアジアゾール又はチアジアゾール誘導体をさらに含む、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
  6. 前記導体部の保護膜形成用感光性樹脂組成物が、(D)成分として、インダゾール又はインダゾール誘導体をさらに含む、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
  7. 前記導体部の保護膜形成用感光性樹脂組成物が、(C)成分として、下記式(4):
    Figure 0007112827000020
    {式中、X及びXは、それぞれ独立に、一価の有機基を表し、少なくとも一方に下記式(5):
    Figure 0007112827000021
    で表される構造を含み、かつYはH又は1価の有機基を表す。}
    で表される化合物を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  8. 前記導体部の保護膜形成用感光性樹脂組成物が、(C)成分として、下記式(6):
    Figure 0007112827000022
    {式中、Yは、H、-CH、炭素数2以上の脂肪族炭化水素基、又は炭素数3以上のヘテロ原子又は/及びハロゲン原子で置換してもよい脂環式炭化水素基であり、nは0または1の整数で表され、YがH又は-CHの時にはn=0であり、Yが炭素数2以上の脂肪族炭化水素基又は炭素数3以上のヘテロ原子又は/及びハロゲン原子を有してもよい脂環式炭化水素基の時にはn=1であり、かつYはH又は1価の有機基を表す。}
    で表される化合物を含む、請求項7に記載の感光性樹脂組成物。
  9. 前記導体部の保護膜形成用感光性樹脂組成物が、(C)成分として、下記式(1):
    Figure 0007112827000023
    {式中、Xは、置換基を有してもよい複素環を含む1価の基を表し、Yは、枝分かれ又は環構造を形成してもよい炭素数1~8のアルキル基、及び置換基を有してもよいフェニル基から成る群から選ばれる置換基を表し、かつZは、1価の有機基を表す。}で表される化合物、及び/又は下記式(2):
    Figure 0007112827000024
    {式中、X及びXは、同一であるか、又は異なる電子吸引基を表し、Y及びYは、同一であるか、又は異なり、Y及びYは、枝分かれ又は環構造を形成してもよい炭素数1~10のアルキル基、及び置換基を有してもよいフェニル基から成る群から選ばれる置換基を表し、かつZは、炭素数1~16のアルキレン基、及び置換基を有してもよいフェニレン基から成る群から選ばれる2価の基を表す。}
    で表される化合物を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  10. 前記導体部の保護膜形成用感光性樹脂組成物が、(C)成分として、前記式(1)において、Xが、下記式(3):
    Figure 0007112827000025
    {式中、Aは、酸素(O)原子又はS原子を表す。}
    で表される1価の基である化合物を含む、請求項9に記載の感光性樹脂組成物。
  11. 前記導体部の保護膜形成用感光性樹脂組成物が、(A)成分として、側鎖に芳香族基を有するアルカリ可溶性樹脂を含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  12. 前記導体部の保護膜形成用感光性樹脂組成物が、(E)シランカップリング剤を含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  13. 前記導体部の保護膜形成用感光性樹脂組成物が、(F)アミン化合物を含む、請求項1~12のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  14. 支持フィルムと、該支持フィルム上に設けられた請求項1~13のいずれか1項に記載の導体部の保護膜用感光性樹脂組成物から成る感光性樹脂層と、を備える感光性樹脂積層体。
  15. 前記感光性樹脂層の厚みが、15μm以下であり、かつ前記感光性樹脂層の波長365nmの吸光度が、厚み1μm当たり0.01~0.05である、請求項14に記載の感光性樹脂積層体。
  16. 基材上に、請求項14又は15に記載の感光性樹脂積層体をラミネートし、露光し、そして現像することによりパターンを作製する工程を含むパターン製造方法。
  17. 基材上に、請求項14又は15に記載の感光性樹脂積層体をラミネートし、露光し、そして現像することによりパターンを作製する工程;及び
    該パターンを後露光処理及び/又は加熱処理に供して硬化させる工程;
    を含む硬化膜パターン製造方法。
  18. 請求項17に記載の硬化膜パターン製造方法により製造された硬化膜。
  19. 請求項17に記載の硬化膜パターン製造方法により製造された硬化膜を備える、タッチパネル表示装置、タッチセンサー有する装置又はフォースセンサーを有する装置。
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