以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
先ず、図1~4には、本発明の1実施形態としての弁付き針組立体10が示されている。この弁付き針組立体10は、先端側に中空針としてのカニューラ12を備えているとともに、当該カニューラ12の基端側において、弾性弁体としてのディスク弁14と、当該ディスク弁14を押し開く筒状の押し子16とが、針ハブ18の内部に収容配置されている。そして、これらカニューラ12と針ハブ18の内部を含んで内部流路20が構成されている。かかるカニューラ12が患者の血管に経皮的に挿し入れられて留置される一方、針ハブ18へ外部流路が接続されることで、押し子16によりディスク弁14が押し開かれると共に内部流路20が連通状態とされて、当該内部流路20を通じて輸液や採血が行われるようになっている。なお、以下の説明において、軸方向とは、各部材の中心軸方向であって、中空針であるカニューラ12の針軸方向に略相当し、長さ方向である図2中の左右方向をいう。また、先端側とは、カニューラ12の穿刺される側である図2中の左側をいう一方、基端側とは、使用者が操作する側である図2中の右側をいう。
より詳細には、カニューラ12は、本実施形態では、軟質の合成樹脂により形成されており、先端部分の外周面は、先端側に向かって次第に外径寸法が小さくなるテーパ状外周面22とされている。また、カニューラ12の先端部分の周壁には、複数の貫通孔24が形成されており、当該貫通孔24を通じて血液などがカニューラ12内へ流入し易くされている。なお、カニューラ12の材質は、軟質の合成樹脂に限定されるものではなく、例えば金属製であってもよい。
かかるカニューラ12の基端部分は、針ハブ18により固定支持されている。本実施形態の針ハブ18は、カニューラ12の基端部分が直接固定される針ハブ本体26と、当該針ハブ本体26の基端側に接続される弾性チューブ28と、当該弾性チューブ28の基端側に接続される接続コネクタ30とを含んで構成されている。即ち、本実施形態の針ハブ18は、針ハブ本体26と弾性チューブ28と接続コネクタ30とが、軸方向で直列的に連結されている。
針ハブ本体26は略筒状の周壁32を備えており、例えば硬質の合成樹脂により形成される。そして、かかる針ハブ本体26にカニューラ12が挿通されて、カニューラ12の基端部分が針ハブ本体26に接着や溶着などにより固着されることで、針ハブ本体26から先端側にカニューラ12が延び出している。
この針ハブ本体26の基端側には弾性チューブ28が接続されている。当該弾性チューブ28は、例えば軟質の合成樹脂により形成されて、弾性チューブ28の先端部分が、針ハブ本体26の基端側開口部において針ハブ本体26の周壁32とカニューラ12とにより挟まれて、必要に応じて接着や溶着が施されることにより、針ハブ本体26の基端側に弾性チューブ28が接続されている。これにより、針ハブ本体26に対してカニューラ12や弾性チューブ28が強固に固定されている。
かかる弾性チューブ28の基端部分が、接続コネクタ30の先端部分に固着されている。この接続コネクタ30は、全体として略筒形状とされており、接続コネクタ30の先端側開口部から弾性チューブ28の基端部分が挿入されて、必要に応じて接着や溶着の処理が施されることにより、弾性チューブ28と接続コネクタ30とが相互に接続されている。すなわち、かかる接続コネクタ30の先端部分が、弾性チューブ28が接続されるチューブ接続部34とされている。
そして、これらカニューラ12、弾性チューブ28、接続コネクタ30(特に接続コネクタ30の内部に設けられる押し子16)のそれぞれの内孔を含んで、カニューラ12から接続コネクタ30に至る内部流路20が構成されている。
本実施形態の接続コネクタ30は、何れも略円筒形状とされた外周側コネクタ36と内周側コネクタ38とが相互に内外挿されて固定された形状とされている。すなわち、外周側コネクタ36の基端側に内周側コネクタ38の先端側が挿し入れられて組み付けられることで、内周側コネクタ38の外周側に外周側コネクタ36が外挿された状態で固定されて、接続コネクタ30が構成されている。したがって、接続コネクタ30の周壁が、外周側コネクタ36の周壁40と内周側コネクタ38の周壁42とから構成されている。また、内周側コネクタ38の周壁42において、外周側コネクタ36に挿し入れられる先端側の部分が、略円筒状の挿入部44とされている一方、外周側コネクタ36の周壁40において、内周側コネクタ38の挿入部44が挿し入れられる基端側の部分が、略円筒状の被挿入部46とされている。なお、これら挿入部44と被挿入部46は相互に逆に設けられてもよく、基端側に位置する外周側コネクタ36に、内周側コネクタ38の基端部分が挿入されてもよい。
そして、かかる内周側コネクタ38の基端が、外周側コネクタ36よりも、所定の軸方向寸法をもって基端側に延び出している。それ故、接続コネクタ30の周壁は、外周側コネクタ36と内周側コネクタ38との連結部分である挿入部44と被挿入部46との内外挿部分で二重壁構造とされている一方、接続コネクタ30の先端側の周壁が外周側コネクタ36の周壁40で構成されているとともに、接続コネクタ30の基端側の周壁が内周側コネクタ38の周壁42で構成されている。すなわち、外周側コネクタ36の内周面48における基端部分(被挿入部46における内周面)48aと内周側コネクタ38の外周面50における先端部分(挿入部44における外周面)50aとが相互に重ね合わされることで、上記外周側コネクタ36と内周側コネクタ38とが内外挿されて二重壁構造とされている部分が構成されている。
外周側コネクタ36は、硬質の合成樹脂により形成されており、略筒状の周壁40を備えている。かかる周壁40の軸方向中間部分における内周面48には、環状壁部52が内周側に突出して形成されている。そして、外周側コネクタ36の先端側開口部から挿入された弾性チューブ28の基端が、軸直角方向に広がる環状壁部52の先端側端面に当接しており、外周側コネクタ36における環状壁部52よりも先端側の部分により、弾性チューブ28が接続されるチューブ接続部34が構成されている。また、環状壁部52の基端側端面が軸直角方向に広がっており、これにより、外周側コネクタ36の内周面48には、環状の段差面54が形成されている。
かかる外周側コネクタ36において、先端側であるチューブ接続部34では、内径寸法が、軸方向の略全長に亘って略一定とされている。また、基端側である被挿入部46では、内径寸法が、チューブ接続部34よりも僅かに大きくされており、軸方向の略全長に亘って略一定とされている。なお、本実施形態では、外周側コネクタ36の内周面48において、被挿入部46の先端部分、即ち環状壁部52に対して基端側に隣接する部分には、内周側に突出する押圧リブ56が、周方向の全長に亘って、または周上で部分的に形成されている。
さらに、外周側コネクタ36の周壁40における被挿入部46において、径方向1方向の両側(図2中の上下方向両側)には、周壁40を厚さ方向(径方向)で貫通する一対の係合孔58,58が形成されている。これらの係合孔58,58は、それぞれ平面視における形状が略矩形状とされており、1/2周に満たない周方向寸法をもって形成されている。また、外周側コネクタ36の周壁40において、これら一対の係合孔58,58を周方向で外れた位置には、基端側開口部60の開口縁から軸方向内方(先端側)に向かって延びる切欠き62が形成されている。本実施形態では、一対の係合孔58,58の対向方向と直交する方向の両側(図2中の紙面手前奥方向両側)に一対の切欠き62,62が、所定の幅寸法をもって形成されている。なお、かかる切欠き62の個数は2つ(一対)に限定されるものではなく、周上で1つまたは3つ以上設けられてもよい。
更にまた、外周側コネクタ36の被挿入部46における内周面48aにおいて、基端側開口部60には、一対の傾斜面64,64が形成されている。これら傾斜面64,64は、係合孔58,58の対向する方向と同方向(図2中の上下方向両側)に形成されており、基端側開口部60に向かって周壁40の厚さ寸法が次第に小さくなっている。そして、かかる傾斜面64,64と、当該傾斜面64,64の周方向両側の壁部により、外周側コネクタ36の基端側開口部60には、内周側に開口する一対の傾斜溝66,66が形成されている。なお、傾斜面64,64の幅方向寸法は、係合孔58,58の幅方向寸法と略等しくされており、係合孔58,58と傾斜溝66,66とが、外周側コネクタ36の周壁40において、周上の対応する位置で周上部分的に形成されている。すなわち、傾斜溝66,66の先端側に係合孔58,58が形成されている。
一方、内周側コネクタ38は、硬質の合成樹脂により形成されており、外周側コネクタ36の周壁40よりも小径の周壁42を備えている。この周壁42は、内径寸法および外径寸法が軸方向の略全長に亘って略一定とされている。
すなわち、内周側コネクタ38(周壁42)の内周面68において、軸方向中間部分には、環状の係合突部70が内周側に突出して形成されている。そして、かかる内周側コネクタ38の内周面68において、係合突部70よりも先端側は、押し子16の軸方向移動をガイドする案内面72とされており、内径寸法が略一定とされている。一方、係合突部70よりも基端側は、内径寸法が基端側へ向かって次第に大きくなるテーパ状面74とされている。
また、内周側コネクタ38の外周面50における先端部分50a、即ち挿入部44における外周面50aは、先端側に向かって段階的に外径寸法が小さくされている。これにより、内周側コネクタ38の挿入部44において、先端側には、基端側の部分に比べて外径寸法の小さくされた略筒状の支持筒部76が形成されているとともに、当該支持筒部76の更に先端側には、支持筒部76よりも更に外径寸法の小さくされた略筒状の先端突出部78が形成されている。すなわち、支持筒部76の内周面が上述の案内面72とされて内径寸法が略一定とされているとともに、本実施形態では、先端突出部78の内周面が、先端側に向かって次第に拡開するテーパ面80とされている。
更にまた、挿入部44の外周面50aには、外周側に突出する係合突起82が設けられている。本実施形態では、径方向1方向の両側(図2中の上下方向両側)に、一対の係合突起82,82が形成されている。これら係合突起82,82の平面視における形状は、外周側コネクタ36における係合孔58,58と略対応する略矩形状とされている。そして、係合突起82,82の先端側端面が、先端側に向かって係合突起82,82の突出高さが次第に小さくなる傾斜面84,84とされている一方、基端側端面が、略軸直角方向に広がる垂直面86,86とされている。なお、係合突起82,82における傾斜面84,84の軸方向に対する傾斜方向は、傾斜溝66,66における傾斜面64,64の軸方向に対する傾斜方向と等しくされている。本実施形態では、これら両傾斜面64,84の軸方向に対する傾斜角度も略等しくされており、傾斜面64と傾斜面84とが軸方向で相互に略平行とされている。かかる係合突起82や係合孔58の個数は、2つ(一対)に限定されるものではなく、周上で1つまたは3つ以上設けられてもよい。
さらに、挿入部44の外周面50aにおいて、一対の係合突起82,82の対向する方向と直交する方向の両側(図2中の紙面手前奥方向の両側)には、外周側コネクタ36における切欠き62,62と略対応する形状とされた一対の位置決め突起88,88が突出形成されている。
なお、内周側コネクタ38において、挿入部44よりも基端側は、挿入部44と略等しいか僅かに小さい外径寸法をもって略ストレートに延びているとともに、基端側開口部90には、外周側に突出する略環状のフランジ部92が形成されている。当該フランジ部92の外周面には雄ねじが形成されており、後述する外部流路(シリンジ130)の接続時において、ルアーロックタイプの外部流路を接続することが可能とされている。また、本実施形態では、かかるフランジ部92の周上の一部(図2中の上方)において、軸方向に延びる位置決め凹溝94が形成されている。これにより、例えば本実施形態の弁付き針組立体10を外針ユニットとして、図示しない内針ユニットと組み合わせて留置針組立体として使用する際に、内針ユニットを構成する内針ハブから先端側に突出する位置決め凸部が位置決め凹溝94に差し入れられることで、内針ユニットと外針ユニット(弁付き針組立体10)との相対回転が防止されるようになっている。
ここで、接続コネクタ30の内部において、外周側コネクタ36と内周側コネクタ38との間には、ディスク弁14が収容配置されている。このディスク弁14は、略円板形状とされており、ゴムやエラストマーなどの弾性を有する材質により形成されている。そして、当該ディスク弁14の中央部分96には、軸方向で貫通するスリット98が形成されている。このスリット98の形状は限定されるものではないが、本実施形態では、周方向の三方に略均等(略120°毎)に延びる放射状とされている。すなわち、ディスク弁14の中央部分96において、スリット98を挟んだ両側部分(スリット98の周方向間)が自由端部96aとされており、各自由端部96aが略ゼロタッチで相互に当接している。
なお、接続コネクタ30に組み付けられる以前のディスク弁14の単品状態では、ディスク弁14の外径寸法が外周側コネクタ36の、特に押圧リブ56の形成位置における内径寸法より大きくされており、接続コネクタ30に組み付けられることで、押圧リブ56によりディスク弁14に対して外周側から内周側に向かって径方向の押圧力が及ぼされて、スリット98が安定して閉塞状態とされるようになっている。すなわち、外周側コネクタ36の内周面48(48a)に設けられた押圧リブ56により、ディスク弁14の外周面が内周側に圧縮されるようになっている。
かかるディスク弁14の外周部分には、基端側に延びる筒状支持部100が設けられている。また、ディスク弁14の基端側面102における外周部分において、筒状支持部100よりも内周側には、周方向の全周に亘って連続して延びるとともに基端側に開口する環状の周溝104が形成されている。尤も、かかる筒状支持部100は必須なものではない。また、周溝104はディスク弁14の成形時に形成される必要はなく、ディスク弁14を接続コネクタ30に組み付ける際に、ディスク弁14の基端側面102に支持筒部76の先端(先端突出部78)を押し込むことで周溝104が形成されるようになっていてもよい。
ここで、内周側コネクタ38の内周側において、ディスク弁14よりも基端側には、筒状の押し子16が収容されており、当該押し子16の中央には、軸方向に貫通する内孔108が形成されている。すなわち、本実施形態では、弁付き針組立体10の内部流路20を構成する内孔108を備える筒状部が、押し子16の略全体をもって構成されている。また、本実施形態の押し子16は、軸方向に延びており、基端側から先端側に突出していると考えることもできる。すなわち、本実施形態では、筒状部(押し子16)の突出先端側が、軸方向先端側(図2中の左側)となっている。
かかる押し子16の外周面110には、軸方向中間部分において、軸直角方向に広がる環状の段差面112が形成されている。そして、押し子16の外径寸法は、当該段差面112に対して先端側に隣接する部分が、基端側に隣接する部分よりも大径とされており、段差面112よりも基端側が、略一定の外径寸法とされたストレート状外周面114とされている。一方、段差面112よりも先端側は、当該段差面112に対して先端側に隣接する部分を最大外径部分として、先端側に向かって次第に小径となるテーパ状外周面116とされている。したがって、押し子16の外周面110が、段差面112とストレート状外周面114とテーパ状外周面116とを含んで構成されている。すなわち、本実施形態では、押し子16の突出先端側の外周面(テーパ状外周面116)が、突出先端側に向かって次第に外径寸法が小さくなる縮径形状(先細形状)とされている。
特に、本実施形態では、テーパ状外周面116の傾斜角度が軸方向で異ならされており、それぞれ先細形状とされた先端側傾斜面118と基端側傾斜面120と、これら両傾斜面118,120を接続する先細形状の急傾斜面122とを含んで構成されている。要するに、テーパ状外周面116において、急傾斜面122よりも先端側には相対的に小径とされた先細形状の先端側傾斜面118が設けられているとともに、急傾斜面122よりも基端側には相対的に大径とされた先細形状の基端側傾斜面120が設けられている。これら先端側傾斜面118、基端側傾斜面120、急傾斜面122は、それぞれ周方向の全周に亘って延びる環状テーパ面とされている。なお、基端側傾斜面120が先端側傾斜面118よりも外周側に突出していることから、例えばテーパ状外周面116が先端側傾斜面118の傾斜角度と等しい単一の傾斜角度を有する場合に比して、ディスク弁14への押し子16の挿入時(後述する図5,6参照)におけるシール性の向上も図られ得る。
これら先端側傾斜面118、基端側傾斜面120、急傾斜面122の軸方向に対する傾斜角度α,β,γ(図4参照)は、何れも何等限定されるものではないが、本実施形態では、各傾斜角度α,β,γが、それぞれ0度~90度の範囲内に設定されている。特に、急傾斜面122における軸方向に対する傾斜角度γが、先端側傾斜面118および基端側傾斜面120における軸方向に対する傾斜角度α,βよりも大きくされている(α<γ,β<γ)。また、先端側傾斜面118における軸方向に対する傾斜角度αが、基端側傾斜面120における軸方向に対する傾斜角度βよりも大きくされている(β<α)。本実施形態では、これら先端側傾斜面118、基端側傾斜面120、急傾斜面122が、軸方向でそれぞれ略一定の傾斜角度を有する直線状とされているが、例えばこれらのうち少なくとも1つは、傾斜角度が軸方向で次第に変化する湾曲面であってもよい。
なお、かかるテーパ状外周面116において、水平方向(軸方向)に対する傾斜角度θ1 (図4参照)は、1~75度の範囲内に設定されることが好適である。テーパ状外周面116の傾斜角度θ1 が上記範囲内に設定されることにより、後述するシリンジ130の抜去時において、押し子16に対して基端側への移動力を有効に及ぼすことができる。ここで、テーパ状外周面116の傾斜角度θ1 とは、先細状とされている部分の先端と基端とを仮想的に結ぶ直線の傾斜角度であって、例えば先端側傾斜面118や基端側傾斜面120、急傾斜面122の傾斜角度α,β,γの何れか1つまたは複数が部分的に上記範囲内から外れていてもよい。
特に、本実施形態のように、テーパ状外周面116に比較的傾斜角度の大きい急傾斜面122が設けられることで、シリンジ130の抜去時において、急傾斜面122に及ぼされるディスク弁14の弾性的な復元力における軸方向成分を増大させることができることから、押し子16をより安定して基端側に移動させることができる。
尤も、テーパ状外周面116は、本実施形態のように軸方向で傾斜角度を異ならせる必要はなく、軸方向の略全長に亘って略一定の傾斜角度を有していてもよい。また、本実施形態では、先端側傾斜面118と急傾斜面122、および急傾斜面122と基端側傾斜面120とが、それぞれ滑らかな湾曲面で接続されており、これにより、テーパ状外周面116の略全体が、滑らかに連続している。なお、先端側傾斜面118と急傾斜面122、および/または急傾斜面122と基端側傾斜面120とは、屈曲して接続されていてもよい。
ここにおいて、押し子16の内周面124における先端側(突出先端側)は、基端側(突出基端側)に向かって内径寸法が大きくなる拡開形状とされている。本実施形態では、押し子16の外周面110において段差面112が設けられている軸方向位置から先端までの領域における内周面124が、基端側に向かって内径寸法が連続的に次第に大きくなるテーパ形状とされており、即ち当該領域における内周面124がテーパ状内周面126とされている。要するに、押し子16の先端部分では、外周面(テーパ状外周面116)と内周面(テーパ状内周面126)における軸方向に対する傾斜方向が同じとされており、所定の径寸法を有する環状の突出先端面127が軸直角方向に広がっている。特に、本実施形態では、テーパ状内周面126の傾斜角度が軸方向で略一定の直線状とされているが、例えば傾斜角度は軸方向で変化していてもよく、テーパ状内周面126は、傾斜角度が軸方向で次第に変化する湾曲面とされてもよい。
すなわち、テーパ状内周面126の先端における内径寸法φA(図4参照)が、テーパ状内周面126の基端における内径寸法φB(図4参照)よりも小さくされており、先端から基端に向かって内径寸法がφAからφBまで連続して大きくなっている。なお、これら先端における内径寸法φAおよび基端における内径寸法φBの大きさは何等限定されるものではないが、φBは、φA<φB≦(2×φA)の範囲内に設定されることが好適であり、本実施形態では、φB=(1.25×φA)とされている。すなわち、(2×φA)<φBとされる場合には、押し子16における先端の内径寸法φAが小さくなり過ぎて、内部流路20内を流動する薬液や血液などの流体の流動抵抗が大きくなってしまうからである。
また、テーパ状内周面126の軸方向に対する傾斜角度θ2 (図4参照)の大きさは何等限定されるものではないが、θ2 は、0.5度<θ2 <20度の範囲内に設定されることが好適であり、本実施形態では、θ2 =2.2度とされている。すなわち、θ2 が20度より大きくされる場合には、押し子16における先端の内径寸法φAが小さくなり過ぎて、内部流路20内を流動する薬液や血液などの流体の流動抵抗が大きくなってしまうからである。また、θ2 が0.5度より小さくされる場合には、本発明の効果が十分に得られないおそれがあるからである。なお、筒状部(押し子)の突出先端側の内周面において、軸方向に対する傾斜角度が軸方向で変化する場合には、当該内周面における軸方向に対する傾斜角度θ2 は、内周面における先端と基端とを仮想的に結ぶ直線の傾斜角度とされる。また、傾斜角度θ2 が軸方向で変化する場合には、内周面の傾斜角度は、部分的に上記範囲から外れていてもよい。
ここにおいて、本実施形態では、押し子16の先端側の外周面(テーパ状外周面116)における軸方向に対する傾斜角度θ1 は、押し子16の先端側の内周面(テーパ状内周面126)における軸方向に対する傾斜角度θ2 よりも大きくされている。これにより、押し子16の先端側部分において、押し子16の肉厚寸法(径方向幅寸法)が先端側(突出方向)に向かって次第に薄肉となるようにされている。
そして、押し子16の内周面124において、テーパ状内周面126より基端側は、テーパ状内周面126における基端の内径寸法φBをもって軸方向にストレートに延びるストレート状内周面128とされている。
以上の如き構造とされた外周側コネクタ36と内周側コネクタ38とを含んで接続コネクタ30が構成されており、当該接続コネクタ30の内部に、ディスク弁14および押し子16が収容配置されている。
すなわち、内周側コネクタ38の先端側開口部から押し子16が挿入されて配設される。その際、押し子16の基端位置は、内周側コネクタ38の内周面68に設けられた係合突部70と、押し子16の外周面110に設けられた段差面112とが相互に当接することで規定される。また、かかる押し子16の収容状態では、押し子16のストレート状外周面114と係合突部70の内周面とが当接しているか僅かに離隔しているとともに、押し子16のテーパ状外周面116の基端部分(基端側傾斜面120の基端部分、即ちテーパ状外周面116の最大外径部分)における外周面と内周側コネクタ38の案内面72とが当接しているか僅かに離隔している。これにより、押し子16が、内周側コネクタ38の内周面68に案内されつつ、軸方向に対して略傾くことなく移動可能とされている。
そして、かかる内周側コネクタ38の先端部分において、ディスク弁14の筒状支持部100が被せられて支持されている。すなわち、ディスク弁14の基端側面102に設けられた周溝104内に、内周側コネクタ38の先端となる先端突出部78が挿入されている。本実施形態では、先端突出部78の外周面が、周溝104の内面を構成する外周面に当接している一方、先端突出部78の内周面(テーパ面80)が、周溝104の内面を構成する内周面に当接するか、僅かに離隔している。なお、先端突出部78の先端面と周溝104の溝底面との軸方向間には隙間が設けられてもよい。
また、ディスク弁14の筒状支持部100における内周面が支持筒部76および先端突出部78の外周面に当接しており、ディスク弁14の基端側に対して内周側コネクタ38の先端部分が嵌め入れられている。そして、本実施形態では、かかるディスク弁14の支持状態において、ディスク弁14の基端側面102に対して押し子16の突出先端面127が当接しており、押し子16が、ディスク弁14と係合突部70との軸方向間で位置決めされている。なお、押し子16の突出先端面127は、必ずしもディスク弁14の基端側面102と当接する必要はなく、押し子16の突出先端面127とディスク弁14の基端側面102とが軸方向で相互に離隔していてもよい。
かかるディスク弁14の先端側から外周側コネクタ36が組み付けられている。すなわち、先端にディスク弁14を被せて支持した状態で内周側コネクタ38の先端部分を外周側コネクタ36の基端側開口部60から挿入して、内周側コネクタ38の係合突起82,82を外周側コネクタ36の係合孔58,58に係合させることにより、外周側コネクタ36と内周側コネクタ38とが内外挿状態で、且つ軸方向で直列して略同一中心軸上で連結固定される。
本実施形態では、係合突起82,82の先端側端面が傾斜面84,84とされていることから、係合孔58,58内への係合突起82,82の嵌まり込みが容易とされている。また、係合突起82,82の基端側端面が垂直面86,86とされていることから、係合孔58,58からの係合突起82,82の抜出し、即ち外周側コネクタ36からの内周側コネクタ38の抜出しが防止されている。
また、本実施形態では、外周側コネクタ36の基端側開口部60には、傾斜面64,64を含んで構成される傾斜溝66,66が形成されていることから、外周側コネクタ36への内周側コネクタ38の挿入に際して、傾斜溝66,66に係合突起82,82が差し入れられることで、外周側コネクタ36と内周側コネクタ38との周方向の相対回転が防止され得る。また、傾斜面64,64の案内作用によって係合突起82,82が安定して係合孔58,58まで案内されることから、係合突起82,82がより確実に係合孔58,58に係合され得る。
更にまた、内周側コネクタ38を外周側コネクタ36に挿入する際、外周側コネクタ36の基端側開口部60に設けられた切欠き62,62に内周側コネクタ38の位置決め突起88,88を挿入することにより、外周側コネクタ36と内周側コネクタ38とが周方向で容易に位置決めされて、係合突起82,82が一層確実に係合孔58,58に係合され得る。
そして、かかる外周側コネクタ36と内周側コネクタ38との組付状態では、ディスク弁14の外周部分が、相互に組み付けられた外周側コネクタ36と内周側コネクタ38との間で軸方向および軸直角方向に位置決めされて保持されることにより、ディスク弁14が、外周側コネクタ36と内周側コネクタ38とに嵌め合わされた嵌合状態で固定的に組み付けられている。すなわち、ディスク弁14の外周部分が、外周側コネクタ36に設けられた環状壁部52の基端側端面である段差面54と内周側コネクタ38の先端部分である先端突出部78との軸方向間で挟持されている。また、ディスク弁14において基端側に突出する筒状支持部100が、外周側コネクタ36の周壁40と支持筒部76および先端突出部78との径方向間において、好適には圧縮状態で挟持されている。さらに、ディスク弁14が、外周側コネクタ36の周壁40の、特に押圧リブ56により、径方向内方に圧縮されて組み付けられている。
なお、これら外周側コネクタ36、内周側コネクタ38、ディスク弁14および押し子16の組付けを、例えば先端側を上方にして組み付けることにより、組付時における内周側コネクタ38からのディスク弁14の脱落などが効果的に防止されて、組付効率の向上が図られ得るが、これらの部材を組み付ける際の方向などは何等限定されるものではない。
以上の如きカニューラ12と針ハブ本体26と弾性チューブ28と内部にディスク弁14および押し子16を備える接続コネクタ30とを軸方向で連結することにより、本実施形態の弁付き針組立体10が構成されている。かかる弁付き針組立体10は、例えば弁付き針組立体10を外針ユニットとして、針先を備える内針を含んで構成される図示しない内針ユニットが挿通されることで止血弁付きの留置針組立体として使用される。すなわち、外針ユニット(弁付き針組立体)10に内針ユニットが挿通された状態で患者の皮膚に穿刺された後、外針ユニット10から内針ユニットを基端側に引き抜くことにより、患者の血管に外針ユニット10が経皮的に挿し入れられた状態で留置される。または、カニューラ12が、針先を有する金属製などの中空針とされることで、弁付き針組立体10を患者の血管に直接穿刺して留置することも可能である。なお、かかる血管への留置状態では、弁付き針組立体10の内部流路20がディスク弁14により遮断されている。
そして、かかる弁付き針組立体10における接続コネクタ30の基端側開口部(内周側コネクタ38の基端側開口部)90に、外部流路として、例えばシリンジ130が挿入接続される。これにより、図5,6に示されるように、シリンジ130などの雄ルアー132が、押し子16を針ハブ18(接続コネクタ30)における先端側へ押し込んで、当該押し子16の先端部分がディスク弁14に挿入されることで、押し子16の突出先端面127によりディスク弁14の中央部分96における特に自由端部96aが優先的に先端側に押し広げられつつディスク弁14のスリット98が開放されて、内部流路20が連通状態とされるようになっている。これにより、カニューラ12の内孔、弾性チューブ28の内孔および押し子16の内孔108を含んで構成される内部流路20を通じて、輸液や採血、血液透析などが実施され得る。なお、かかるディスク弁14の弾性変形に伴う復元作用により、押し子16には、ディスク弁14(および接続コネクタ30)に対して基端側に向かう方向の付勢力が及ぼされている。
また、本実施形態では、かかるディスク弁14の押し開き状態において、弾性変形せしめられたディスク弁14が、押し子16の先端部分のテーパ状外周面116における急傾斜面122に当接するようになっている。さらに、本実施形態では、ディスク弁14の押し開き状態において、押し子16の先端部分がディスク弁14を貫通して当該ディスク弁14から先端側(前方)に突出するようになっており、押し子16の先端部分においてディスク弁14を貫通する貫通先端部134が設けられている。すなわち、かかる貫通先端部134の外周面が、先端側傾斜面118の先端部分により構成されている。
一方、輸液や採血、血液透析の終了時または中断時において、接続コネクタ30からシリンジ130を抜去することで、ディスク弁14により及ぼされる付勢力に従い、押し子16が基端側に移動せしめられるようになっている。すなわち、ディスク弁14の弾性的な復元作用によりディスク弁14が初期形状に復元変形せしめられるとともに、復元変形したディスク弁14に押し戻されて、押し子16が前記図1~4に示される初期位置まで基端側に移動させられるようになっている。これにより、ディスク弁14のスリット98が閉塞せしめられて、内部流路20が遮断状態とされるようになっている。なお、本実施形態では、かかる押し子16の基端側への移動端が、押し子16の外周面110に設けられた段差面112と、接続コネクタ30(内周側コネクタ38)の内周面68に設けられた係合突部70との当接によって規定されるようになっている。
本実施形態では、押し子16の先端部分における外周面が先細のテーパ状外周面116とされていることから、ディスク弁14の弾性的な復元力が押し子16の基端側への移動力として効率的に及ぼされ得る。特に、本実施形態では、テーパ状外周面116において軸方向に対する傾斜角度が大きくされた急傾斜面122が設けられていることから、ディスク弁14の弾性的な復元力が押し子16の基端側への移動力として一層効率的に及ぼされ得る。
以上の如き構造とされた本実施形態の弁付き針組立体10では、押し子16の先端部分における内周面124が先端側に向かって次第に小径となるテーパ状内周面126とされていることから、例えば押し子がφBの内径寸法をもってストレートに延びる場合(図4中、一点鎖線で図示)に比べて、突出先端の内周端部の位置をP’からPまで内周側(スリット98側)に近づけることができる。これにより、接続コネクタ30に外部流路(シリンジ130)を接続して押し子16を先端側に移動させた際に、押し子16の突出先端面127により、一層確実にディスク弁14の中央部分96における自由端部96aが先端側に弾性変形せしめられることから、ディスク弁14の押し開き易さが向上され得る。
また、かかるテーパ状内周面126により、押し子16の先端部分における内周面124が基端側に向かって次第に拡開されることから、例えば押し子がφAの内径寸法をもってストレートに延びる場合(図4中、二点鎖線で図示)に比べて、押し子16の内孔108の容積を大きくすることができる。これにより、押し子16の内孔108(内部流路20)内を流動する薬液や血液などの流体の流量を確保することができて、安定して輸液や採血などが実施され得る。
さらに、本実施形態では、押し子16の先端部分における外周面も先端側に向かって次第に小径となるテーパ状外周面116とされていることから、押し子の先端部分における外周面が軸方向に直線状に延びる場合に比べて、突出先端の外周端部の位置も内周側に近づけることができる。これにより、ディスク弁14を先端側に弾性変形せしめる押込力が、ディスク弁14の広い範囲に及ぼされることなく、弾性変形が優先的に生ぜしめられる自由端部96aに一層確実に及ぼされることから、ディスク弁14の押し開き易さが更に向上され得る。
更にまた、かかるテーパ状外周面116が設けられることで、押し子16のディスク弁14への挿入抵抗が軽減されるだけでなく、外部流路(シリンジ130)の抜去時には、ディスク弁14の弾性的な復元力が押し子16の基端側への移動力として有効に及ぼされて、押し子16を安定して基端側へ移動させることができる。また、このように押し子16の外周面を先細状とする場合であっても、内周面も先細状とすることで、押し子16の突出先端面127における径方向寸法をある程度確保することができて、ディスク弁14に挿入される際に押し子16の先端が破損するなどのおそれが低減され得る。
さらに、本実施形態では、接続コネクタ30に対してディスク弁14が固定的に組み付けられているとともに、接続コネクタ30に対して押し子16が軸方向に対して略傾くことなく移動し得ることから、ディスク弁14に対して押し子16が略傾くことなく挿入される。これにより、押し子16の先端によって、ディスク弁14の中央部分96がより安定して先端側に押し込まれることから、ディスク弁14の押し開き易さが更に一層向上され得る。
また、本実施形態では、テーパ状外周面116における軸方向に対する傾斜角度θ1 が、テーパ状内周面126における軸方向に対する傾斜角度θ2 よりも大きくされていることから、押し子16の先端における外径寸法をより確実に小さくすることができて、ディスク弁14に押し当てられる突出先端面127の最外周縁をより安定して内周側に位置させることができる。これにより、ディスク弁14に及ぼされる押し開き力が、ディスク弁14の中央側に集中的に及ぼされることから、ディスク弁14の押し開き易さが向上される。また、ディスク弁14への押し子16の挿入抵抗の低減も図られる。
さらに、本実施形態では、押し子16の先端側部分は、先端側(突出方向)に向かって肉厚寸法が次第に小さくされる、即ち基端側に向かって肉厚寸法が次第に大きくなるようにされている。これにより、上記ディスク弁14の押し開き易さの向上効果や挿入抵抗の低減効果に加えて、部材強度の向上効果などが発揮され得る。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はかかる実施形態における具体的な記載によって限定的に解釈されるものでなく、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良などを加えた態様で実施可能である。
たとえば、前記実施形態では、押し子16の先端部分における内周面124は、基端側に向かって内径寸法が連続して次第に大きくなるテーパ状内周面126とされていたが、かかる態様に限定されるものではなく、基端側に向かって内径寸法が大きくなる拡開形状とされていればよい。すなわち、押し子16の先端部分における内周面124は、基端側に向かって内径寸法が段階的に大きくなっていてもよく、要するに、例えば階段状となっていてもよい。尤も、押し子16の先端部分における内周面124は、前記実施形態のようにテーパ形状とされることが好ましく、これにより、内部流路20を流動する流体が、押し子16の内周面124に打ち当たることなくスムーズに流動することができる。
また、前記実施形態のようにテーパ状内周面126が設けられる場合であっても、押し子16の先端部に設けられる必要はなく、先端側(突出先端側)に設けられればよい。すなわち、テーパ状内周面126は、押し子16の先端部から軸方向で所定距離だけ離隔した位置に設けられて、先端部は、小さい内径寸法(例えば前記実施形態中のφA)をもって軸方向でストレートに延びていてもよい。さらに、前記実施形態では、テーパ状内周面126が1つ設けられていたが、かかるテーパ状内周面126が複数設けられて、軸方向で相互に離隔していてもよい。なお、かかるテーパ状内周面126は、少なくとも筒状部(押し子16)の突出先端側に設けられればよく、例えば筒状部の軸方向略全長に亘って設けられてもよい。すなわち、本発明に係る筒状部(押し子16)において、ストレート状内周面128は必須なものではない。
更にまた、前記実施形態では、押し子16の先端部分における外周面110がテーパ状外周面116(外周面側傾斜部)とされて、外径寸法が先端側(突出先端側)に向かって次第に縮径する形状とされていたが、例えば段階的に縮径する階段状の如き形状であってもよい。尤も、弾性弁体(ディスク弁14)への挿入抵抗が低減できることから、押し子16の先端部分における外周面110は、テーパ形状であることが好ましい。なお、押し子16の外周面110にテーパ形状が設けられる場合であっても、先端部に設けられる必要はなく、先端部から軸方向で所定距離だけ離隔した位置に設けられて、先端部は軸方向でストレートに延びていてもよい。また、複数のテーパ状外周面116が、軸方向で相互に離隔して設けられてもよい。尤も、押し子16の先端側における外周面110は、縮径形状とされる必要はなく、例えば軸方向に直線状に延びていてもよい。
さらに、前記実施形態では、テーパ状外周面116が、軸方向に対する傾斜角度のそれぞれ異なる先端側傾斜面118と基端側傾斜面120と急傾斜面122とを含んで構成されていたが、かかる態様に限定されるものではない。すなわち、例えば先端側傾斜面118と基端側傾斜面120と急傾斜面122のうち何れか1つの傾斜角度が異ならされるのみでもよいし、それぞれ同じ傾斜角度とされて、テーパ状外周面116が単一の傾斜角度を有する傾斜面により構成されてもよい。
また、前記実施形態では、シリンジ130の抜去に伴いディスク弁14が初期形状まで弾性的に復元変形して内部流路20が遮断される、即ち外部流路が複数回接続可能な弁付き針組立体10とされていたが、外部流路の抜去に際して弾性弁体は初期形状まで復元変形する必要はなく、即ち単回使用の弁付き針組立体であってもよい。
更にまた、前記実施形態では、筒状部が押し子16に設けられて、押し子16が先端側に移動することで押し子16の先端側に位置するディスク弁14が押し開かれるようになっていたが、特開2012-130523号に記載されている留置針組立体のように、筒状部が針ハブ18(接続コネクタ30)において基端側に突出するように設けられて、筒状部の基端側に位置する弾性弁体が先端側に移動することで弾性弁体が押し開かれるようになっていてもよい。かかる形状とされた筒状部においても、突出先端側の内周面が、突出基端側に向かって内径寸法が大きくなる拡開形状とされることで、前記実施形態と同様の効果が発揮され得る。すなわち、弾性弁体の形状は何等限定されるものではなく、前記実施形態の如きディスク形状でもよいし、上記特開2012-130523号に記載の如き形状であってもよい。なお、弾性弁体がディスク形状とされる場合であっても、前記実施形態に記載の筒状支持部100は必須なものではない。
さらに、前記実施形態では、針ハブ18が、針ハブ本体26と弾性チューブ28と接続コネクタ30とを含んで構成されていたが、弾性チューブ28は必須なものではない。すなわち、針ハブ本体26と接続コネクタ30とは一体的に形成されてもよく、接続コネクタ30の先端からカニューラ12が突出していてもよい。
また、前記実施形態では、接続コネクタ30が、別部材とされた外周側コネクタ36と内周側コネクタ38とを相互に内外挿して固定することで構成されていたが、接続コネクタ30は、1つの部材により構成されてもよい。さらに、複数の部材により構成される場合であっても、前記実施形態の如き凹凸係合の他、溶着や接着により固定されてもよい。更にまた、複数の部材を固定する場合でも、前記実施形態の如き内外挿状態で連結される態様の他、軸方向で直列的に連結する態様も採用され得る。