オーバーザニードルカテーテル組立体及び安全静脈内カテーテル(IVC)組立体を含む針組立体が開示されている。針組立体とその構成要素の使用及び製造方法は、本開示の一部を形成する。
針装置は、様々な実施形態に記載されるような構成を有することができ、記載された実施形態から特徴を組み込むことにより変更することができる。
本開示の一態様は、カテーテル組立体を含むことができる。このカテーテル組立体は、より広義には、針組立体、安全針組立体、又は針装置と呼ばれることがある。
カテーテル組立体は、実装された血液制御システムを有することができる。
カテーテル組立体は、ハブ本体にカテーテルチューブが取り付けられたカテーテルハブと、本体及び針を有し、針がカテーテルハブとカテーテルチューブを貫通して延びる針軸を有し、針先がカテーテルチューブの遠位端又は遠位開口から延び、使用準備位置又は準備位置の針ハブと、を備えることができる。
準備位置では、カテーテル組立体を、静脈穿刺又は静脈内投与を行うために使用することができる。
使用前に、保護キャップをカテーテル組立体又は針組立体から取り外し、静脈穿刺又は静脈内投与のために針をカテーテルチューブに露出させることが必要とされる場合がある。
フラッシュバックプラグを針ハブの近位端に設けることで、空気の排出を可能にするが、一次フラッシュバック中に血液がフラッシュバックチャンバに入ったときには、血液が針ハブの近位開口から漏出するのを防止することができる。
また針ハブの近位端には、注射器などの雄型医療器具を取り付けることができる。
針ハブは、カテーテルチューブの遠位開口から突出する針先の長さを設定してカテーテルと針ハブを軸方向に合わせるために、カテーテルハブの近位端面など、カテーテルハブと物理的に接触する肩部、タブ、又は表面特徴部をさらに備えることができる。
いくつかの例では、針ハブをカテーテルハブに物理的に接触させるのではなく、第3ハブを針ハブとカテーテルハブの間に配置し、針ハブを第3ハブに接触させることができる。使用時に、第3ハブをハウジングとすることができる。第3ハブのハウジングは、不慮の針刺しから針先を保護するために、針ガード、針装置、付勢要素、又はバネ要素を収容することができる。
カテーテルハブは、近位開口と、近位端面で近位開口を画定する周辺部とを有することができる。
カテーテルハブの近位端の開口は、雄型ルアーチップを受け入れる大きさとすることができる。カテーテルハブは、外部ねじを有することができ、雄型ルアーチップは、カテーテルハブをルアーロックで係合するためのねじ付きカラーを有することができる。
カテーテルハブのハブ本体は、内部キャビティを画定する内表面を有し、近位端面とは反対側の遠位端面に遠位開口を有することができる。
カテーテルハブは、標準的なカテーテルハブ、ポート付きカテーテルハブ、又は側面のチューブポートから延びるチューブを備えた一体型カテーテルハブとすることができる。
カテーテルハブは、一対のウィングを含むことができる。一対のウィングは、カテーテルハブを患者に固定するのを容易にするために、粘着性ドレッシング又は医療用ドレッシングを組み込むことができる。
カテーテルハブの内部キャビティには、チッププロテクター又は針ガードを設けることができる。
カテーテルハブの内部キャビティには、バルブアクチュエータ又はバルブオープナーを設けることができる。
いくつかの例では、バルブ及びバルブオープナーはカテーテルハブの内部に配置され、針ガードは、カテーテルハブと針ハブの間に設けた針ガードハウジング内に配置されるなど、カテーテルハブの外部に配置することができる。
針組立体又はカテーテル組立体が使用準備位置にあるとき、バルブオープナー又はバルブアクチュエータは第1バルブオープナー位置にある。第1バルブオープナー位置は、バルブオープナーがバルブに近接して配置されているが、流体投与を可能にするためにバルブの1以上のフラップが開放しない位置とすることができる。第2バルブオープナー位置は、バルブオープナーが、流体投与を可能にするためにバルブの1又は複数のフラップを開放する位置とすることができる。
流体の流れを遮断するためのバルブは、カテーテルハブの内部キャビティに設けることができる。
ブッシュは、カテーテルハブの内部キャビティに設けることができる。
針ガードは、使用準備位置で作動前の針の引込み中に、カテーテルハブの内面に形成されたガード係合部に係合させることができる。
また針ガードは、1以上のスタビライザ要素の1以上の遠位端又はバルブオープナーのブリッジによりカテーテルハブ内に保持することができる。遠位端又はブリッジにより保持される場合、ガード係合部は内向きの突起とし、カテーテルハブの内部から省略することができる。
ガード係合部は、ゲージサイズG18からG24までの針軸の直径の範囲に亘ってほぼ一定の内径とすることができる。
バルブオープナーは、各バルブオープナーアームの外側にそれぞれ1つずつ設けた一対のガイドタブを備えることができる。
ガイドタブは、カテーテルハブの内部キャビティに形成された対応するスロットに配置することができる。
ブリッジは、2つのバルブオープナーアームに接続することができる。ブリッジは、遠位端及び近位端を有することができる。ブリッジは、2つの部分ブリッジによって形成することができる。2つの部分ブリッジは、その間に合わせ目を有することができる。
バルブオープナーは、各ブリッジが合わせ目を有する2つのブリッジを形成する4つの部分ブリッジを有することができる。
バルブアクチュエータ又はバルブオープナーの2つのバルブオープナーアームは、第1細長端、第1細長端の反対側の第2細長端、及び終端を有することができる。終端は、一方又は両方の細長端に直交させることができる。
第1ブリッジ又はスタビライザ要素は、2つのバルブオープナーアームの2つの第1細長端に沿って接続することができる。
第2ブリッジ又はスタビライザ要素は、2つのバルブオープナーアームの2つの第2細長端に沿って接続することができる。
第1ブリッジは、2つの部分ブリッジ又は単一の連続ブリッジから形成することができる。
第2ブリッジは、2つの部分ブリッジ又は単一の連続ブリッジから形成することができる。
バルブオープナーのアクチュエータヘッドは、円錐台状の遠位端を備えることができる。
本発明のさらに別の態様は、貫通開口を有する本体と、本体の近位側に延びる2つのバルブオープナーアームと、2つのバルブオープナーアームに接続された少なくとも1つのブリッジとを含むアクチュエータヘッドを有し、少なくとも1つのブリッジが遠位端と近位端とを含むバルブアクチュエータと、近位開口を画定する周辺部を有する近位壁と、近位壁の遠位側に延びる2つのアームと、2つのアームのそれぞれに設けたエルボとを含む針ガードと、針ハブに取り付けられ、前記針ガード及び前記バルブアクチュエータを貫通して延び、針先の近位に位置する輪郭の変化を含む針と、を備え、前記ブリッジは、合わせ目を含んでいるか、又は合わせ目なしで連続的に形成されており、前記2つのアームのうちの1つのエルボは、前記針をカテーテルハブに配置する前に、前記遠位端の遠位に配置されている、針組立体のためのサブ組立体である。
サブ組立体は、2つのバルブオープナーアームのそれぞれにガイドタブをさらに備えることができる。
サブ組立体のブリッジは合わせ目を含むことができる。2つのバルブオープナーアームのそれぞれは近位端を備えることができる。2つの近位端は、第1位置で第1距離だけ間隔を空け、第2距離だけ間隔を空けている。
第1距離は、第2距離よりも大きくすることができる。
第1距離は、第2距離よりも小さくすることができる。
サブ組立体は、2つのバルブオープナーアームに接続され、合わせ目を備えるか、又は合わせ目なしで連続的に形成された第2ブリッジをさらに備えることができる。
サブ組立体は、カテーテルチューブを有するカテーテルハブに組み付けることができる。バルブは、サブ組立体をカテーテルハブに組み付ける前にカターテルハブの内部に配置することができる。
サブ組立体に使用されるバルブアクチュエータは、1又は2のブリッジを有することができる。1又は2のブリッジは、合わせ目なしで連続的に形成することができるし、合わせ目を含むこともできる。
バルブは、バルブオープナー及び針ガードと共に、カテーテルハブの内部に配置することができる。バルブは、バルブ座に挟むことができる。バルブは、バルブディスクを有することができる。スカート部は、バルブディスクから延在させることができる。バルブディスクは、2以上のフラップを形成する1以上のスリットを有することができる。
本発明のさらなる態様は、カテーテル組立体である。このカテーテル組立体は、内部キャビティを有するハブ本体、及びハブ本体に取り付けたカテーテルチューブを有するカテーテルハブと、カテーテルハブに接続されたサブ組立体と、を備えることができる。前記サブ組立体は、貫通開口を有する本体、本体の近位側に延びる2つのバルブオープナーアーム、及び2つのバルブオープナーアームに接続された少なくとも1つのブリッジを有するアクチュエータヘッドを備えたバルブアクチュエータである。少なくとも1つのブリッジは、遠位側端と近位側端とを有するバルブアクチュエータと、近位開口を画定する周辺部を有する近位側壁と、該近位側壁の遠位側に延びる2つのアーム、及び2つのアームのそれぞれに設けたエルボを有する針ガードと、を備えている。針ハブに取り付けた針は、前記針ガード、前記バルブアクチュエータ、及び前記カテーテルチューブを通って延び、前記カテーテルチューブの遠位開口の遠位側に延在する針先を有する。前記針は、前記針先の近位側に位置する輪郭の変化を含み、前記ブリッジは、合わせ目を含むか、又は合わせ目なしで連続的に形成され、前記2つのアームのうちの少なくとも1つのエルボは、前記遠位端の遠位側に配置されている。
バルブは、カテーテルハブの内部キャビティに配置することができる。バルブは、針ガードの遠位に位置することができる。バルブは、バルブオープナーの遠位に位置することができる。バルブは、スカート付き又はスカートなしのバルブディスクを有することができる。
スロットは、ガード係合部の遠位にあるカテーテルハブの内部キャビティに形成することができる。スロットは、バルブオープナーに形成された構造と協働することができる。
カテーテルハブの内部キャビティに突起を形成し、ブリッジの合わせ目が突起を通過するか、又は突起をブリッジの合わせ目に配置することができる。
バルブは、円形のキャビティを画定するフランジを含むことができる。
バルブは、複数のスリット及び複数のフラップを含むことができる。バルブディスクは、表面に亘って変化する厚さを有することができる。
本発明のさらなる態様は、カテーテル組立体を製造する方法である。この方法は、内部キャビティを有するハブ本体、及びハブ本体に取り付けたカテーテルチューブを有するカテーテルハブを提供するステップと、サブ組立体とカテーテルハブを接続するステップと、を備え、前記サブ組立体は、貫通開口を有する本体を含むアクチュエータヘッド、本体の近位側に延びる2つのバルブオープナーアーム、及び2つのバルブオープナーアームに接続され、遠位側端と近位側端とを有する少なくとも1つのブリッジを備えるバルブアクチュエータと、近位開口を画定する周辺部を有する近位側壁、近位側壁の遠位側に延びる2つのアーム、及び2つのアームの各々に設けられたエルボを有する針ガードと、針ハブに取り付けられ、前記針ガード、前記バルブアクチュエータ、及び前記カテーテルチューブを貫通して延び、前記カテーテルチューブの遠位開口の遠位側に延びる針チップを有し、前記針チップの近位側に位置する輪郭の変化を含む針と、を備え、前記ブリッジは、合わせ目を含むか、又は合わせ目なしで連続的に形成され、前記2つのアームのうちの少なくとも1つのエルボは、前記遠位端の遠位側に配置されている。
2つのバルブオープナーアームのそれぞれの一部は、ブリッジ又はスタビライザ要素の近位端を超えて近位に延在させることができる。例えば、2つのバルブオープナーアームのそれぞれは、ブリッジの近位、及びブリッジの近位端の近傍に配置される近位端を有することができる。
針ガードは、針ガード及びバルブオープナーを針に装着する前に、バルブオープナーと組み立てることができる。
他の例では、針ガードは、バルブオープナーを針又は針ガードの周りに配置する前に、針又は針ガードに配置することができる。
サブ組立体を形成するために針ガード又はその周りにバルブオープナーを配置するステップは、針がバルブオープナーのアクチュエータヘッドを通過する間に、バルブオープナーを左右及び/又は上下に移動させ、傾斜させ、揺動させ、又は変位させるステップを含むことができる。
サブ組立体を形成するために針ガード又はその周りにバルブオープナーを配置するステップは、針がバルブオープナーのアクチュエータヘッドを通過し、針が針ガードを通過する間に、バルブオープナーを左右及び/又は上下に移動させ、傾斜させ、揺動させ、又は変位させるステップを含むことができる。
バルブアクチュエータ又はオープナーの2つのバルブオープナーアームに接続するブリッジは、バルブオープナーの長軸から径方向に離間して延在する略平面状又は円弧状の表面の輪郭を有することができる。
バルブオープナーは、雄型ルアーチップによって前進するとき、バルブをスライドし、押圧して開放するように構成することができる。注射針の針軸は、使用準備位置で、針ガード、バルブオープナー、バルブの1以上のスリットによって画定されるバルブ開口、ブッシュ、及びカテーテルチューブ内を延在させることができる。
バルブは、針軸がバルブ開口を通過できるように弾性的に開放させることができる。バルブは、Woehr等の米国特許第9114231号に開示されるタイプとすることができ、その内容はここに参照として明示的に組み込まれる。
カテーテルハブには、内部キャビティに形成された所望深さの一対のスロットが含まれ、バルブオープナーが作動したとき、例えば、シリンジチップやIV投与セット又は延長セットの雄型ルアーチップによって前進するとき、バルブオープナーの軸方向の変位をガイドすることができる。一例として、バルブオープナーは、一対のスロット内を移動する突起を有することができる。
スロットは、カテーテルハブの内周に沿って等間隔に配置するか、又は不等間隔に配置するなど、互いに間隔を空けることができる。スロットはそれぞれ、長方形の開口とし、カテーテルハブの長軸に平行に配置された開口長さとすることができる。他の例では、スロットは、他の形状の開口とすることができる。他の例では、1つのスロットのみとすることもできるし、2以上のスロットとすることもできる。スロットの数は、バルブオープナーに組み込まれた構造又は特徴部に依存させることができる。これらの構造又は特徴部は、スロットと相互作用してバルブオープナーをカテーテルハブ内に整列又は保持することを可能とする。
カテーテルハブの内部キャビティには、カテーテルハブ内のバルブの外周を取り囲んで固定するなど、バルブを装着するためのシートとして機能する溝が形成されていてもよい。溝は、円周状又はリング状とすることができ、スロットの遠位に配置することができる。
ガード係合部は、スロットの近傍に位置させることができ、後述するように、針ガードを使用準備位置で針ガードの作動前の針の引込み中に、針ガードを固定するために設けることができる。ガード係合部は、第2内径部に隣接して配置される第1内径部などの内部突起を備えることができる。第2内径部は第1内径部よりも大きい。
内部突起は、連続していてもよいし、間隔を空けた複数の部分から形成されるような非連続的なものでもよい。溝、スロット、及びガード係合部の順序又は位置は、異なるバルブ、バルブオープナー、及び/又は針ガードに対応するために、記載された順序とは異ならせることができる。カテーテルハブの近位端は、雄型ルアーチップを受け入れるための雌型ルアーテーパを有する大きさとすることができる。ブッシュは、カテーテルチューブをカテーテルハブに保持するように構成することができる。一例では、ブッシュは、カテーテルチューブの近位端をカテーテルハブの内壁面にくさびで固定して、カテーテルチューブをカテーテルハブに保持することができる。
針ガードは、針先を遮蔽すなわち被覆するように構成した、任意の数の先行技術のガード、先端プロテクター、又は安全クリップを具現化してもよい。図示の例示的な実施形態では、針ガードは、米国特許第6616630号に示されるガードの1つを具現化することができる。米国特許第6616630号に示されるガードの1つを具現化することができ、その内容は参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
一例では、針ガードは、開口を画定する周辺部を有する近位に対向する壁面及び遠位に対向する壁面を有する近位壁と、2つの弾力アームとを備えることができる。2つの弾力アームは、近位壁から直接的又は間接的に延在させることができる。
針は、以下でさらに説明するように、静脈穿刺成功後、針ガードをカテーテルハブから近位方向に引き込むため、針ガードの近位壁の周辺部と係合するアタッチメントすなわちスリーブ、クリンプ、又はバルジとなるように輪郭を変化させることができる。
使用準備位置で、針ガードの近位壁は、針ハブの遠位端にあるノーズ部、タブ、又はフィンなどに接触させることができる。ガードの2つのアームは、米国特許第6616630号に記載されるように、側面図に沿って交差させることができる。またそれらは、針の異なる側面、又は近位壁の異なる側面に沿って延在し、側面図に沿って交差しないようにすることができる。一例では、一方のアームは他方のアームよりも長くすることができる。
また、針ガードの各アームは、第1幅の第1アーム部と、第1幅よりも小さい第2幅の第2アーム部とを含む、アーム幅の異なる部分を含むことができる。2つのアームは、近位壁の異なる端部を起点とすることができ、各第2アーム部で互いに交差させることができる。したがって、針ガードの長手方向に沿った側面から見ると、2つのアームは互いに交差する。針と一緒に使用されるとき、2つのアームは、使用準備位置にあるときと、保護位置にあるときとで互いに交差する。
別の実施形態では、2つのアームは、近位壁の異なる端部から、互いに交差することなく遠位方向に延在する。したがって、2つのアームは、各アームの長手方向に沿ってほぼ同じアーム幅を有することもできる。
針ガードは、プレス加工された金属シートを折り畳んで、本明細書に示すようなガードを形成してもよい。構造的な剛性を高めるために、アーム、近位壁、及び/又は遠位壁にリブを形成してもよい。いくつかの例では、針ガードは、異なる構成要素又は部品から組み立てることができ、金属部品及び非金属部品の両方を含むことができる。
遠位壁は、針ガードの各アームの端部に設けることができる。2つのアームの遠位壁は、異なるアームの長さを利用することによって、及び/又は、針の長手方向に沿って連続的に配置されるように、弾力アームとの交差部分で壁の1つに角度を付けることによって、アームが針の先端を閉鎖するとき、針ガードの軸方向に沿って互いに重ならせることができる。また、遠位壁とアームの細長部との間の交点は、2つのアームの2つのエルボを参照するとき、エルボ又は針ガードの対角線上の直径と呼ばれることもある。
一例では、遠位壁と弾性アームとの間の交差部又はエルボが、使用準備位置で、図3に示すように、カテーテルハブ内部のガード係合部と係合させ、カテーテルハブから針を取り外す過程において、図4に示すように、針ガードをカテーテルハブに固定することができる。
ガード係合部は、保護位置で針の先端をカバー又はブロックするため、針ガードを、作動前に、近位方向に移動するのを防止することができる。いくつかの例では、針ガードの2つの遠位壁は、2つのアームと呼んだり、2つのアームの一部とみなしたりすることができる。
一例では、針ガードは、2つの遠位壁の端部にあるアームの自由端のいかなる部分も、バルブオープナーに接触したり、バルブオープナーによって付勢されたりしないように、バルブオープナーの内部又はバルブオープナーの2つの間隔を空けた構造の間に配置することができる。他の例では、バルブオープナーは、針の2つの自由端を外側に付勢させるようなサイズ及び形状にすることができる。バルブオープナーがアームを外側に偏位させる場合、針軸は2つのアームを外側に付勢する必要はない。
本開示のバルブオープナーは、アクチュエータヘッドと、一対のバルブオープナーアームとを含むことができる。バルブオープナーアームは、間隔を空けて配置することができ、バルブを開放するためにバルブに押し込むための作動端とも呼ばれるアクチュエータヘッドから近位方向に延在させることができる。
バルブオープナーの2つのバルブオープナーアームは、幅によって互いに分離することができる。この幅は、針軸の直径よりも大きいが、針ガードの2つの自由端の幅よりも小さくすることができる。その結果、針ガードの2つの自由端すなわちリップは、シートクリップ又はアームシートと呼ばれる2つのバルブオープナーアームの一部に押し付けられ、2つのバルブオープナーアームによって外側に付勢させことができる。したがって、静脈内投与後に針軸がカテーテルハブから引き戻されるとき、針ガードの2つの自由端と針軸の外側などの間に薬剤はなく、摩擦もない。
静脈穿刺が成功した後に針を引き抜く際、針の先端付近の輪郭の変化は、最終的に針ガードの近位壁の開口を画定する周辺部に対して近位に移動する。別の言い方をすれば、静脈穿刺が成功した後、針と針ガードが相対的に移動し、輪郭の変化により針ガードの近位開口で近位壁に接触させることができる。このとき、近位壁の輪郭の変化による近位側への追加の引っ張り力が、針ガードの2つのアームの交点とカテーテルハブのガード係合部との間の係合に打ち勝って、針ガードをカテーテルハブから近位側に後退させることができる。
一例では、針ガードの近位壁に対する針の追加の引っ張り力は、交差部がカテーテルハブのガード係合部によって画定されるクリアランスをスライドして係合から離脱まで、針ガードの一方又は両方のアームを弾性的に曲げることができる。ガード係合部のクリアランスは、カテーテルハブの最小内寸と理解することもできる。すなわち、追加の引っ張り力は、交差部での針ガードの径方向の輪郭がガード係合部の最小直径以下へと減少するように、針ガードの一方又は両方のアームを弾性的に撓むように付与することができる。
いくつかの例では、ガード係合部は、バルブオープナーに組み込まれており、2つのエルボ間の寸法は、バルブオープナーのガード係合部の近傍に引き込んで小さくなるように構成されている。一例では、バルブオープナーのガード係合部は、端又はブリッジ、若しくはブリッジの端である。他の例では、バルブオープナーのガード係合部は、2つの間隔を空けた端、2つの間隔を空けたブリッジ、又は2つの間隔を空けたブリッジの2つの端である。
両アームのリップがシートクリップ又はバルブオープナーのガード係合部から離れた後、針ガードを作動させて針チップを被覆することができる。一例では、2つの遠位壁は、針先を閉塞するように動作させることができる。
いくつかの例では、ガード係合部を省略することができ、及び/又は、準備位置及び血管アクセス後の針の引込み時に、自由端がバルブオープナーによって外側に付勢されているとき、交差部はガード係合部に係合しない。
ガード係合部は、針ガードのアームが針軸によって外側に付勢されているときなど、使用準備位置で針の引込み中に針ガードを保持するために、カテーテルハブの内部キャビティに形成することができる。ガード係合部は、カテーテルハブの内部キャビティで径方向内側に延ばすことができ、カテーテルハブの内部に最小直径を形成する。
ガード係合部は、2つのアームの2つの交差部など、針ガードの対角径と干渉する重なりを持つことができ、使用準備位置で針の引込み中に、針ガードをカテーテルハブ内の所定位置に固定することを確実にする。また、2つの交差部にテーパ面や傾斜面を設けることで、針ガードをカテーテルハブやバルブオープナーのガード係合部から取り外すのに必要な引っ張り力を減少させることができるが、これは広い発明概念の異なる実施形態を表す。
針ガードは、針付きの針ハブがカテーテルハブに挿入される際、針ガードの近位壁を針ハブの遠位端で押すことにより、カテーテルハブの内部キャビティに組み付けることができる。使用準備位置で、針ガードは、近位壁などの針ガードの近位部がバルブオープナーの外側又は近位に位置する状態で、バルブオープナーの間隙に少なくとも部分的に延在させることができる。
針ガードの近位壁は、バルブオープナーの近位端面の近傍に位置させることができる。別の例では、針ガードの近位壁は、バルブオープナーの近位端面と同一平面とすることができる。さらに別の例では、針ガードの近位壁は、バルブオープナーの近位最表面の遠位に位置させることができる。バルブオープナーが2つのアームを外側に付勢させる実施形態では、2つのアームの遠位壁は、バルブオープナーの間隙内に収まらないか、又は、バルブオープナーに、以下でさらに議論されるように、2つの遠位壁を支持するためのシートクリップ又はアームシートが設けられる。
針ハブと針がカテーテルハブから引き出され、針ガードによって針チップが固定された後、バルブのバルブ開口はそれ自身で再シールされ、血液や他の流体がバルブ開口を通過するのを防止又は制限することができる。すなわち、針軸がバルブ開口から引き込まれた後、針軸がバルブ開口を囲むバルブのフラップを撓ませることにより動作するバルブに蓄積された潜在的な弾性エネルギーが解放され、フラップの撓みが少ない位置すなわち閉鎖位置に戻り、バルブ開口を再シールすることができる。
カテーテルハブは、カテーテルハブの近位端とバルブオープナーの近位端面との間の係合距離「A」が、シリンジチップや雄型ルアー金具などの雄型医療器具のカテーテルハブへの係合の最小長さ以下になるように設計することができる。これにより、雄型ロック金具が接続された場合、雄型ロック金具がバルブオープナーに長手方向の力を付与し、バルブオープナーをバルブの近位端に向かって長手方向に変位させ、バルブを開放できるようにする。一例では、係合距離は、現在制定されている、又は将来制定されるISO規格によるものである。
また、カテーテルハブは、カテーテルハブの近位端からのカテーテルハブの内部キャビティの最小深さ「B」が、雄型ロック金具の最小長さ以上となるように設計し、雄型ロック金具を接続した場合、雄型ロック金具がカテーテルハブの近位開口の雌型ルアーテーパと十分な表面接触面積を有するようにすることができる。
雄型ルアーロック又はシリンジチップを、カテーテルハブの近位端にある近位開口からカテーテルハブの内部キャビティに挿入し、バルブオープナーを遠位方向に変位させてバルブに押し付け、バルブを開放することができる。一例では、カテーテルハブの近位端から雄型ルアーロック継手を取り付けると、雄型ルアーロック継手をバルブオープナーのアームに接触させることができる。ロック金具がカテーテルハブの近位端の外側のねじ山に螺合されると、雄型金具は、バルブオープナーのヘッドがバルブを押圧して開放するまで、バルブオープナーアームの近位端面を遠位方向に押圧する。
バルブが開放すると、流体はバルブのバルブ開口を通過することができる。その後、ロック金具が取り外されると、バルブは弾性復帰してバルブ開口を再シールすることができる。バルブが再シールされると、バルブは、開口を通る流れを停止又は制限すると同時に、バルブオープナーを近位に押し戻して使用準備位置又は近位位置に復帰させることにより、血液制御システムの複数の使用が可能となる。
一例では、バルブオープナーのアクチュエータヘッドは、バルブを開放するためにフラップを遠位方向に容易に撓ませて円錐形状とすることができる。バルブのフラップは、雄型ルアーチップが取り外され、軸方向の負荷がバルブアクチュエータに作用しなくなった後、閉鎖位置に復帰するように、厚くするなどにより十分な弾性を持たせることができる。別の例では、バルブのフラップを閉鎖するのを補助するために、弾性ガスケットやバネなどの弾性要素を組み込んでもよい。アクチュエータヘッドの円錐台形状により、円錐表面に対するフラップの近位に向けた力ベクトルを保持することができ、フラップが再び閉鎖されて流れが停止するまで、アクチュエータをその開始位置に押し戻すことができる。血液制御システムに実装することができるバルブオープナー及びバルブの様々な実施形態については、以下でさらに説明する。
別の例では、バルブオープナーは、アクチュエータヘッドと、脚部要素又は細長延長部などの少なくとも1つのバルブオープナーアームとを備えることができる。例示的な実施形態では、2つのバルブオープナーアームをヘッドから近位方向に延在させることができ、カテーテル組立体の長手方向に測定される長さと、長手方向に対して直交して測定される幅とを有することができる。図示されるように、2つのバルブオープナーアームは、間隔を空けて、ヘッドの反対側の点又は部位から延在させることができる。2つのバルブオープナーアームは、雄型ルアーが接触するようにサイズと形状を設定して、雄型ルアーからヘッドに遠位方向の力を伝達し、バルブを押圧して開放することを可能とする。
2つのバルブオープナーアームに接続されたブリッジ又はスタビライザ要素は、2つのバルブオープナーアームに剛性を与え、雄型ルアーと接触するための追加の表面積を提供することができる。ブリッジは、一方のバルブオープナーアームの外縁から他方のバルブオープナーアームの隣接する外縁まで延び、使用準備位置で、バルブオープナーを通る流体の流れを妨げたり、針や針ガードに干渉したりすることなく、2つのバルブオープナーアームを連結することができる。
2つのバルブオープナーアーム及びブリッジの外面は、バルブオープナーの幅方向又は径方向に沿って半円形又は部分円形の断面を形成するように、円弧状で断片的に連続させることができる。一例では、バルブオープナーアームの近位表面及びブリッジの近位表面は同一平面とすることができる。他の例では、ブリッジの近位表面は、2つのバルブオープナーアームの近位表面の遠位に位置させることができる。
いくつかの例では、2つのバルブオープナーアームの外面は、カテーテルハブの内部キャビティのテーパに合わせて、長手方向にテーパを付けることもできる。一例では、2つのバルブオープナーアームは、カテーテルハブの近位端での雌型ルアーのテーパに合わせて、バルブオープナーアームの近位面から内側に向かってテーパを付けることができる。ブリッジは、遠位方向に短い距離で延在させることでき、ブリッジ、2つのバルブオープナーアーム、及びヘッドの間に協働して画定される貫通開口又は貫通穴を設ける。
貫通開口は、針ガードのアームの1つの交差部をカテーテルハブのガード係合部に係合させるために、そこから突出するように設けることができる。これに代えて又は追加で、交差部がブリッジの遠位端に係合して、ガードを使用準備位置で針の引込み中に保持することができる。いくつかの例では、ブリッジはヘッドまで延在させることができる。2つのバルブオープナーアームとブリッジとの間には、貫通口又は貫通穴は設けられていない。ブリッジの厚さは、組立中、針ガードのアームの少なくとも1つを弾性変形させ、長軸に沿ってブリッジを通過させることができ、組立中及び針ガードの作動中に針ガードに永久的な変形又は損傷を与えることがないように、十分に薄くすることができる。
2つのバルブオープナーアームのそれぞれの厚さは、針ガード及び2つのバルブオープナーアームが、カテーテルハブに対して物理的に拘束されて移動不能となったり、固定されたりすることなく、カテーテルハブの内部断面空間内に適合するための十分なクリアランスを有するように、十分に小さく又は薄くすることができる。一例として、2つのバルブオープナーアームのそれぞれの厚さと針ガードの幅は、それらを収容するためにカテーテルハブの内壁面にアンダーカットやチャネルを形成する必要がないようなものである。バルブオープナーアームが円弧状の断面を有する場合、ヘッドをバルブに押し付けるために雄型端によって押圧されるとき、より大きな負荷に対応するために構造的に強くなることがある。これにより、輸液デバイスを薄くコンパクトに設計することができ、雌型ルアーテーパの標準化されたスペースに余裕を持たせることができる。
バルブオープナーは、金属材料又はポリマー材料から形成することができる。金属材料から形成する場合、バルブオープナーは、深絞り法、又はシートメタルからパターンを打ち抜き又は切断し、プレス成形又は切断されたパターンを曲げることにより形成することができ、ヘッド及び少なくとも1つのバルブオープナーアームを含むバルブオープナーの特徴が得られる。個々の部品を結合するために溶接も考慮することができる。少なくとも1つのバルブオープナーアームは、さらに曲げて円弧状の断面を形成することにより、雄型ルアーで押圧されたときの剛性を高めることができる。一例として、バルブオープナーは、プレス成形されて所望の形状に加工されたステンレス鋼から形成されている。また、ポリマー材料を用いる場合、一体成形することができる。いくつかの例では、バルブオープナーは、表面特徴部を形成するため、及び/又は異なる材料を組み込むため、共成形又はインサート成形することができる。一例では、ポリマー材料は、高強度の半剛性又は剛性の材料とすることができる。
アンダーカットは、バルブオープナーの外周に形成したり、バルブオープナーアームの外側に配置したりすることができる。アンダーカットは、ガード係合部の遠位をシールするように、又はガード係合部がカテーテルハブの内部でバルブオープナーをカテーテルハブから近位にずれずに固定されるように、バルブオープナーの大きさ、形状、及び位置を決めることができる。アンダーカットの構成(曲線、寸法、幅、高さなど)は、バルブオープナーがバルブに向かって容易に軸方向に変位し、かつガード係合部によって保持されるように選択することができる。
バルブオープナーのアンダーカットは、凹みや溝のように、底面で区切られた2つの側壁を有することができる。2つの側壁は、底面に対して垂直であるか、又は底面の幅よりも広い開口を形成するために外側に向かってテーパを付けることができる。アンダーカットの深さにより、バルブオープナーを自由にスライドさせることができる。軸方向の変位量は、底面の幅又はガード係合部と相互作用する側壁によって制限することができる。また、アンダーカットの形状及びガード係合部との相対的な位置により、バルブオープナーが軸方向に荷重を受けていない、あるいは雄型ルアーチップによって押圧されていない状態でも、アクチュエータヘッドがバルブの近位側表面に接触し、及び/又は軸方向にわずかな荷重を与えることができる。
バルブオープナーのアクチュエータヘッドは、外周部を有する本体を備えることができる。一例では、外周部は、間隙の開口と整列する2つの対向する平坦面を有する略長方形とすることができる。外周部はさらに、バルブオープナーアームの円弧状の表面と連続する2つの対向する円弧状の側面を備える。他の例では、外周部は、くさびを形成するために遠位端から近位端まで外側に延在するテーパを有することができる。内部では、本体は、流体がバルブオープナーを通過できるように、ヘッドを通って形成され、間隙と流体連通する貫通開口を備えることができる。
代替の実施形態では、バルブオープナーのアクチュエータヘッドの遠位側又は表面は、バルブのフラップを撓ませるなど、バルブの開放を容易にするために、テーパ又は円錐台状のノーズ部を含むことができる。
別の例では、バルブオープナーは、ヘッドと、ヘッドから直接的又は間接的に近位方向に延びる、脚部要素又は細長延長部とも呼ばれる一対のバルブオープナーアームとを備えることができる。バルブオープナーは、バルブを開放するためにバルブに異なる撓みを発生させ、雄型医療器具が取り外されたときにバルブオープナーを近位方向に後退させてバルブを閉鎖するのを補助するために、異なる形状のヘッド部又はノーズ部を有することができる。
バルブオープナーからは、ブリッジをなくすことができる。さらに、一対のガイドタブが、バルブオープナーの反対側から、例えば2つのバルブオープナーアームの径方向から延在して、バルブオープナーの動きを軸方向の限定範囲に制限することができる。例えば、ガイドタブは、カテーテルハブの内部キャビティのスロットと協働して、ガイドタブの動きを閉じ込め、バルブオープナーの動きを制限することができる。
バルブオープナーの取付け時にカテーテルハブにバルブオープナーが挿入されると、ガイドタブは、クリックなどの音を発生させ、聴覚的なフィードバックを提供することができる。また、ガイドタブの形状及びスロットに対する相対的な位置により、バルブオープナーが軸方向に荷重を受けていない、あるいは雄型ルアーチップによって押圧されていない場合であっても、アクチュエータヘッドがバルブの近位面に接触し、及び/又は軸方向にわずかな荷重を与えることができる。
2つのバルブオープナーアームは、それぞれの遠位端で、アクチュエータヘッドのベース部材に取り付けることができる。各ベース部材は、内部に位置する間隙に対して、内部に沿ったテーパ面と、外部に位置するテーパ面とを有することができる。図示されるように、ガイドタブは、外側のテーパ状の表面から延びている。特定の例では、ガイドタブは、2つの外部テーパ面の近位端に位置させることができる。
円錐台形状のヘッドは、ヘッドの遠位端にある針軸に直交する平坦円形前面と、平坦円形前面から近位方向及び外側に延びて円錐形のくさびを形成する円錐形テーパ面とを有することができる。ヘッドの円錐台形状により、バルブオープナーがバルブを押し開き、バルブが閉鎖したときに近位方向に後退するのを補助することができる。
ガイド構造は、円錐形テーパ面のすぐ近傍の各バルブオープナーアームの外側に形成することができる。ガイド構造は、ヘッドの円錐形テーパ面と、各アームの外側に肩部を区画するための鋭い移行部すなわちくぼみと、を延長して形成することができる。別の言い方をすれば、ヘッダの円錐形のテーパの近位端は、第1寸法の外径を有することができ、2つのバルブオープナーアームは、2つのガイド構造を画定するために、第1寸法よりも小さい第2寸法の外径を画定することができる。第1寸法は、カテーテルハブの内部キャビティ内の突起の円周よりも大きくすることができる。ガイド構造は、各アームの2つの異なる寸法の間に設けることができる。また、ガイド構造は、バルブオープナーの反対側からバルブオープナーの長手方向に沿う任意の場所へと外側に延在させることができる。
ヘッドの円錐テーパ面の近位端での第1寸法は、バルブの外径よりも約10%から40%小さくすることができ、雄型ルアー継手がバルブオープナーを前進させたとき、バルブオープナーのヘッドが開放するバルブのスリットを完全に通過しないようにすることができる。これにより、雄型ルアーを外してバルブが閉鎖したときに、バルブオープナーを近位に戻すか、又は後退させることができ、複数の血液制御システムの使用を可能にすることが可能となる。またバルブオープナーは、ガイド構造体が開放したバルブを通過し、バルブの遠位側で停止することができるようなサイズ及び形状にすることができ、バルブ及びバルブオープナーを1回限りの使用の血液制御装置とすることが可能となる。ガイド構造体とヘッドは、先端が切り落とされた矢印のような構造を協働して形成することができる。
ガード係合部の遠位にあるカテーテルハブの内部キャビティ内に水平スロットを設け、内部キャビティ内でバルブオープナーを軸方向に案内することができる。すなわち、ガイド構造体は、カテーテルハブの内部キャビティに形成された水平スロット内で軸方向の前後にスライドするように構成することができる。また、ガイド構造の形状及びスロットに対する相対的な位置により、バルブオープナーが軸方向に荷重を受けていない、又は雄型ルアーチップによって押されていない場合であっても、アクチュエータヘッドがバルブの近位面に接触し、及び/又は軸方向にわずかな荷重を付与することができる。
指状突起がヘッドの中央部分から遠位方向に延びており、これらの指状突起が一体となって、その間に貫通路を有する遠位突起を形成することができる。ヘッドの表面を切断してからタブを屈曲することにより、遠位突起を画定する指状突起を形成することができる。一例では、概ね正方形又は長方形の突起を形成する4つの指状突起を設けることができる。指状突起は、バルブオープナーが雄型ルアー金具によってバルブの遠位部に押し込まれたとき、バルブを押圧して開放するための開放部材として機能させることができる。指状突起の形状や数は様々である。
サイドウィングは、バルブオープナーアームの外側表面から外向きかつ横方向に延在させることができる。サイドウィングは、バルブオープナーアームから横方向に延び、バルブオープナーがカテーテルハブの水平スロットにスナップフィットするように、0度から90度の間の大きな角度を形成することができる。このように、サイドウィングは、他で説明されている他のバルブオープナーのガイド構造と同様であり、本実施形態のバルブオープナーの長さに沿って、バルブオープナーの反対側からどこにでも外側へと延在させることができる。
近位フランジは、各バルブオープナーアームの近位端面から横軸に沿って外側に延在させることができ、バルブを開放するためにバルブオープナーを遠位方向に押圧するために、雄型ルアー円錐継手が押し付ける追加の表面領域を提供する。アームフランジは、バルブオープナーアームの構造的な剛性を高めるために、バルブオープナーアームの対向する長手方向の端上で外側へと横方向に延在させることができる。いくつかの例では、雄型ルアーチップによる軸方向の負荷に対するアームの強度を高めるために、オープナーアームの表面を円弧状などの曲線形状に加工することができる。
本明細書の他の箇所に記載されている雌型ルアー付きのカテーテル組立体及びハブでは、バルブが使用可能である。バルブは、ディスクバルブと呼ばれるか、又はディスクバルブと見なされる。ディスクバルブは、以下でさらに説明するように、そこから延びる1以上のフランジを任意に含むことができる。バルブは、バルブ体の外周又は外径の一方の縁から他方の縁まで測定される幅を有するバルブ体を備えることができる。バルブ体は、第1表面から第2表面まで幅に直交して延びる寸法である厚さを有することができる。バルブ体は、カテーテルハブの内部キャビティに設けたバルブ座領域又はバルブ溝をシールすることができる。バルブは、バルブオープナーの遠位に位置して内部キャビティにシールを形成し、バルブオープナーによって開放されるように構成することができる。
バルブ溝は、カテーテルハブの内部キャビティに形成された径方向のアンダーカットで、適切な装着を可能にするために、約0mmから約1mmの範囲の深さ、又は凹みを持つことができる。深さの範囲は、約0mmから約0.3mmのより厳しい公差とすることができる。カテーテルハブの内部と、外周部などのバルブの外面との間にシールを設けることができる。
一例では、カテーテルハブによってバルブの外周部に対してわずかな圧縮力を付与してシールを確保することができる。これに代えて又は追加的に、バルブ体の第1及び第2表面の外周は、バルブの溝表面をシールしてカテーテルハブをシールすることができる。一例として、バルブ溝の輪郭、及びスロットや突起などのカテーテルハブの内部の輪郭は、カテーテルハブの成形プロセス中の材料の不鮮明さを最小限に抑えるために、放射状に描くことができる。
バルブ開口は、第1表面から反対側の第2表面まで、バルブボディの厚さ方向に延在させることができる。バルブ体の厚さは、均一であってもよいし、異なっていてもよい。バルブが薄ければ薄いほど、バルブを開放させるときの抵抗が少なくなり、必要な力が小さくなる。バルブが厚いほど、より多くの弾性エネルギーを蓄えることができ、弾性変形時にバルブが元の開放前の形状に戻ることができ、バルブの開閉の複数のアクセスを可能にする。一例では、バルブの厚さは、約0.3mmから約1.5mmの範囲である。しかし、厚さは様々であり、他の範囲を含むことができる。
第1フランジは、バルブ本体の外周部又は外径部から軸方向に延び、カテーテルハブ内でのバルブのより良好な装着を可能とする。第1フランジは、カテーテルハブ内で近位又は遠位に延びるように配向することができる。第1フランジ及びバルブ本体は協働して、バルブ本体と同心の第1円形キャビティを画定し、第1円形キャビティではバルブの厚さを局所的に減少させることができる。
バルブ開口は、バルブの中心から径方向に延在し、何度か離れて形成された3つのスリットを備えることができ、第1フラップ、第2フラップ、及び第3フラップを形成する。すなわち、3つのスリットは、バルブの軸と一致する1つの中心点で交差させることができる。他の例では、スリットは不均等な間隔で配置される。スリットの長さは様々である。ある例では、スリットは、第1フランジまで延在する。第1フラップ、第2フラップ、及び第3フラップは、バルブ体を通る流路を開放させるように撓ませることができる。流体流路は、3つのフラップがバルブオープナーによって撓ませたときに提供される。一例では、中心点付近のフラップは、バルブオープナーによって撓ませたときに、周囲に向かって径方向及び遠位方向に拡張させることができる。すなわち、第1フラップ、第2フラップ、及び第3フラップは、本明細書に記載されたバルブオープナーの1つを用いてバルブの近位側でバルブを押圧することによって撓ませることができる。
またバルブ開口は、バルブ本体の厚さ方向に貫通して形成され、第1フラップと第2フラップを画定する単一のスリットとすることもできる。このスリットは、バルブの片側に設けたバルブオープナーでバルブを押圧することにより、バルブ本体を通る流路を開放するように撓ませることもできる。
一例では、バルブの開口は、V字型のレリーフを形成するスリットの各端部に2つの短い貫通カットを具現化したレリーフを含むようにしてもよい。このレリーフは、バルブオープナーによって押圧して開放されたときにフラップがより簡単に撓むように、フラップにクリアランスを提供することができる。あまり好ましくはないが、スリットの両端に1つの短いスリットを形成するようにしてもよい。
第2フランジは、第1フランジに対向するバルブの外周部から軸方向に延在させることにより、バルブ本体と同心の第2円形キャビティと協働して形成し、第1及び第2円形キャビティでのバルブの厚さをさらに減少させることができる。
本明細書の他の箇所に記載されている他のバルブと同様の代替バルブは、バルブの中心点からバルブの外周部に向かって増大する厚さを有する円形バルブ本体を備えることができる。厚さは、一定の傾斜で直線的に変化させることができ、複雑な傾斜とすることもできる。バルブは、3つのフラップを形成するためにバルブ本体を厚さ方向に貫通して設けた3つのスリットを有する開口を備えることができる。3つのスリットは、バルブの軸と一致する1つの中心点で交差させることができる。フラップは、バルブ体を通過する流路を開放するために偏位させることができる。第1、第2、第3フラップは、バルブオープナーでバルブを押圧して、フラップを径方向及び軸方向に撓ませることができる。3つのフラップを撓ませたときに流体の流路を設けることができる。一例を挙げると、中心点付近のフラップは、バルブの近位面に押し付けたバルブオープナーによって撓ませると、外周に向かって径方向及び遠位方向に広がることができる。
バルブは、バルブオープナーのヘッドの遠位にあるカテーテルハブの内部に配置することができる。バルブは、バルブオープナーとブッシュとの間で固定するために、バルブ溝にシールすることができる外周部を含むことができる。また、バルブの外周部は、バルブオープナーとブッシュとの間のカテーテルハブの内部キャビティに、干渉嵌め、接着剤、又は他の固定手段によって固定することができる。
針ガードが針先を保護位置で被覆した状態で針をカテーテルハブから取り外すために、針装置は、最初に使い捨ての保護キャップの取り外しを必要とする図3の位置から始まり、針がカテーテルチューブ及びカテーテルハブに対して近位にスライドする図4の移行位置に移動した後、針先が針ガードの弾力アームの両端に1つずつある2つの遠位壁の近位に移動するまで針の移動を続ける。遠位壁は、針ガードのアームの一部と考えることができ、他の構成要素との関係における構造及び機能と、開示された針組立体がどのように動作するかを識別するために、特に言及されている。
針ガードが1つの遠位壁及び/又は1つのアームのみを有する場合、プロセスは同様であるが、針先が1つの遠位壁の近位側に移動するだけで針ガードが作動する。2つの遠位壁及び2つの弾力アームは、針又はバルブオープナーによって外側に付勢されなくなると、2つのアームは径方向に移動してガードの径方向の輪郭を減少させ、カテーテルハブのガード係合部から外れる。また、1つのアームと1つの遠位壁が、1つのガード係合部から外れることもある。
針が近位方向に移動し続け、輪郭の変化が針ガードの近位壁上の周縁部に係合すると、針ガードは針とともに近位方向に移動する。また、針ガードは、針の圧着(crimp)を利用せずに、針の軸にクランプして、カテーテルハブからユニットとして取り外すこともできる。なお、針ガードが針先を被覆している保護位置では、バルブとバルブオープナーはカテーテルハブの内部キャビティに留まっている。このように、バルブとバルブオープナーは、針の準備位置と保護位置の両方でカテーテルハブの内部に位置させることができる。また、別の観点から見ると、針先がカテーテルチューブの遠位開口から突出しているカテーテル組立体の使用準備位置と、針がカテーテルハブから取り外され、針の先端が針ガードで覆われるカテーテル組立体の保護位置の両方において、バルブとバルブオープナーはカテーテルハブの内部に位置させることができる。
雄型医療器具は、雄型ルアー、シリンジチップ、IVセットコネクタ、又はルアーテーパを有する他の雄型チップとすることができる。雄型医療器具は、カテーテルハブの近位開口に配置することができる。例えば、雄型医療器具は、IVチューブに接続することができ、IVチューブは、雄型医療器具、カテーテルハブ、及びカテーテルチューブを介して流体を供給し、患者に流体療法を提供するためにIV流体源に接続される。
カテーテルハブの近位開口に雄型医療器具、例えば雄型チップを最初に挿入すると、雄型チップは、バルブオープナーの2つのバルブオープナーアームに最初に接触して、2つのバルブオープナーアームに遠位方向の力を加えてバルブを開放することができる。バルブオープナーアームの近位端面は、先に述べたように、雄型医療器具の遠位端のための接触面を提供することができる。
また、バルブオープナーアームは、カテーテルハブの内壁に接線部で接触するように設計することもできる。このようにして、バルブオープナーアームは安定し、外側への撓みに対して抵抗することができる。この配置により、比較的薄いバルブオープナーアームが雄型医療器具とカテーテルハブの内壁との間に挟まることを回避することができる。遠位方向に向けられた力は、雄型先端部及びカテーテルハブの近位開口の形状が雄型先端部のさらなる遠位方向への前進を停止するまで、バルブオープナーを遠位方向に移動させる。一例として、カテーテルハブの雌型ルアーテーパと雄型チップの雄型ルアーテーパは、ルアー係合を形成し、雄型チップがカテーテルハブの開口に向かってさらに遠位方向に進むのを阻止することができる。ルアー係合によってシールされ、カテーテルハブの近位開口から流体が漏れるのを防ぐことができる。
雄型チップの遠位方向への前進によってバルブオープナーが遠位方向に移動すると、バルブオープナーのヘッドが遠位方向に促され、バルブの近位側に対向する表面に押し付けられる。特に、バルブオープナーの遠位端は、最初にバルブの近位に対向する表面に押し付けられる。バルブがカテーテルハブ内に固定されると、バルブのフラップはバルブオープナーによって遠位方向に促され、このバルブオープナーは雄の先端部によって遠位方向に促される。例えば、ヘッドがバルブに接触して遠位方向に押圧することにより、バルブのバルブ開口を通る流路が開放する。雄型先端部からの流体は、その後、カテーテルハブ、バルブ、及びカテーテルチューブの内腔を通って流動することが可能となる。また、注射器や真空採血管などの雄型医療器具によって吸引を行い、患者から血液を吸引することもできる。これは、輸液療法を開始する前の検査用サンプルとして行われることが多い。また一般的には、輸液療法を開始する前に、まずカテーテルハブの内部に残留する血液を洗浄する。
バルブオープナーのヘッドの形状又は様々なバルブオープナーのヘッドの特徴は、バルブ上のフラップを径方向外側及び遠位方向に撓ませることを容易にし、バルブを閉鎖又はシールするためにバルブオープナーを近位方向に後退させることを容易にすることができる。ヘッドは、1回限りの使用として設計することができる。すなわち、様々なバルブオープナーのヘッドは、雄型ルアーチップを取り外した後、バルブオープナーに軸方向の負荷がかからない状態でも、フラップが解けないように、バルブに密着するか、バルブに接触するように設計することができる。
雄型チップを交換したり、バルブを開放状態から単純に閉鎖したりするには、雄型チップをカテーテルハブから離れる近位方向に取り外すことで、バルブオープナーにかかる軸方向の負荷を取り除くことができる。エラストマーで形成されたバルブの付勢性又は弾力性により、バルブはよりリラックスした状態に反動で戻ることができる。したがって、バルブのフラップは近位方向に移動することで反動を受け、バルブオープナーはカテーテルハブの内部キャビティ内で近位方向に押し出される。したがって、バルブオープナーは、雄型チップをカテーテルハブから取り外した後、元の位置に戻ることができる。いくつかの例では、バルブの遠位にあるカテーテルハブの内部遠位チャンバに、弾性ガスケット又はらせん状のバネを使用して、雄型ルアーチップの取り外し時にフラップを押圧して閉鎖することができる。
本明細書の他の箇所に記載されたカテーテル組立体及びその構成要素の製造方法及び使用方法は、本開示の範囲内である。
針ガードは、使用準備位置で、針ガードの作動に先立って針を引き抜く際に、カテーテルハブの内面に形成されたガード係合部と係合することができる。
ガード係合部は、内径を有することができ、その内径は、G18からF24の針径を有する任意の数で使用されてもほぼ一定とすることができる。
バルブオープナーは、それぞれのバルブオープナーアームの外側にそれぞれ1つずつ設けた一対のガイドタブを備えることができる。
ガイドタブは、カテーテルハブの内部キャビティに形成された対応するスロットに配置することができる。
ガイドタブは、スロットとの係合時に音を出すことができる。それは「クリック音」である。クリック音は、一方のガイドタブから出る場合と、両方のガイドタブから出る場合がある。
ブリッジは、2つのバルブオープナーアームを一緒に接続することができる。ブリッジは、弧状の形状を有することができ、弧状の形状は、カテーテルハブの内面に接触させるか、あるいは内面から間隔を空けることができる。ブリッジは、2つのバルブオープナーアームの強度を高めて、過度の撓みや座屈を防止することができる。いくつかの例では、バルブオープナーに2つのブリッジを組み込むことができる。
いくつかの例では、ブリッジは、2つの部分ブリッジによって形成することができ、2つの部分ブリッジの間には合わせ目又は間隙がある。いくつかの例では、ブリッジは、合わせ目のない連続した構造体として形成することができる。
バルブオープナーのヘッドは、円錐台形状の遠位端を備えることができる。
本方法は、G18の針径を有する針軸を使用することができる。
同じ最小内径のカテーテルハブと同じバルブオープナーを使用して、前記方法では、G20、G22又はG24の針径を有する針を使用することができる。
前記方法では、針組立体が第1針組立体であり、第1針組立体と同一の第2針組立体を形成するステップを備えることができ、第2針組立体の針軸はG20、G22又はG24の針径を有する。
本開示の態様は、針ハブの遠位端から延びる針を有する針ハブと、内部キャビティを有するカテーテルハブと、カテーテルハブに取り付けられ、使用準備位置で内部を通って延びる針を有するカテーテルチューブと、カテーテルハブの内部キャビティに配置されたバルブと、近位壁から延びる少なくとも1つのアームを有する針ガードと、カテーテルハブの内部キャビティに配置され、第1位置でバルブの近位に位置し、針ガードの遠位にあるヘッドと、針ガードとカテーテルハブの内部キャビティとの間でヘッドの近位方向に延びる1以上のバルブオープナーアームと、を備え、バルブオープナーのヘッドは、第2の位置でバルブの開口を介して移動可能である針組立体を含むことができる。
針ガードは、その作動前に、使用準備位置で針の引出し中にガード係合部に係合することができる。
ガード係合部は、カテーテルハブの内部キャビティから延在させることができる。
少なくとも1つのアームは、使用準備位置で針ガードの作動前の針の引込み中に、針軸と係合することができる。
少なくとも1つのアームは、使用準備位置で針ガードの作動前の針の引込み中に、バルブオープナーの1以上のバルブオープナーアームに係合することができる。
ガード係合部は、1又は複数のバルブオープナーアームから延在させることができる。
1つ以上のバルブオープナーアームは、バルブオープナーの反対側にある一対のバルブオープナーアームとすることができる。
1以上のバルブオープナーアームは、バルブオープナーの反対側にある一対のバルブオープナーアームとすることができる。
バルブオープナーは、ヘッドと各バルブオープナーアームとの間に形成された肩部をさらに備えることができる。
肩部は、カテーテルハブの内部キャビティの対向する側面に区画された水平スロットに受け入れられる。水平スロットは、バルブオープナーの軸方向の動作範囲を制限することができる。
バルブオープナーは、バルブによって第2位置から第1位置へと近位方向に付勢することができる。
本開示の別の態様は、内部キャビティに向かって遠位に延びる近位開口を有するカテーテルハブと、カテーテルハブの遠位端に取り付けられたカテーテルチューブと、カテーテルハブの内部キャビティ内に装着したバルブと、カテーテルハブの内部キャビティ内でバルブの近位に配置されたバルブオープナーと、を備え、バルブオープナーは、ヘッドと、ヘッドの近位に延びる一対のバルブオープナーアームと、バルブオープナーアームの間の間隙に延び、針ガードの近位壁から延びる少なくとも1つのアームとを備え、バルブオープナーは、バルブの開口を通って延伸可能である、カテーテル組立体を含むことができる。
ガード係合部は、針ガードを使用準備位置に固定するために、カテーテルハブの内部キャビティから延在させることができる。
ガード係合部は、カテーテルハブの内部キャビティの最小径を形成することができる。
針ガードは、使用準備位置で針の引込み中に針軸に対して付勢することができる。
ガード係合部は、針ガードを使用準備位置に固定するために、一対のバルブオープナーアームから延在させることができる。
針ガードは、使用準備位置で、一対のバルブオープナーアームを付勢することができる。
ヘッドと一対のバルブオープナーアームのそれぞれとの間に肩部を形成することができる。
肩部は、カテーテルハブの内部キャビティの対向する側面に区画された水平スロットに受け入れることができる。水平スロットは、バルブオープナーの軸方向の動作範囲を制限することができる。
バルブオープナーのヘッドは、テーパ状に形成することができる。
バルブオープナーは、貫通開口と、ヘッドから直接的又は間接的に近位方向に延びる一対のバルブオープナーアーム(脚部要素又は細長延長部とも呼ばれる)とを有するアクチュエータヘッド(ヘッドと略記されることもある)を備えることができる。アクチュエータヘッドの貫通開口は、完全に取り囲むように形成された固体構造によって構成ことができ、アクチュエータヘッドの本体を貫通するスリット又は溝を含むように、開口を部分的に取り囲むことができる。
貫通開口は、組立て時には針を使用準備位置で通過させ、静脈穿刺又は静脈内投与が成功した後の流体投与時に流体を通過させる。
アクチュエータヘッドは、任意の放射状の遠位端と2つのバルブオープナーアームを有する略円筒形の本体を有することができる。アクチュエータヘッドの本体は、略円筒形状であるか、あるいは一端断面を見たとき、多角形のような部分又は端面を有することができる。
各オープナーアームは、近位端を有することができる。2つのアームの2つの近位端は、2つのオープナーアームの第1位置において、第1距離で離間させることができ、2つのオープナーアームの第2位置において、第2距離を互いに近づけるように押し付けるか、又は一緒に移動させることができる。第2距離は、第1距離よりも小さくすることができる。いくつかの例では、2つのバルブオープナーアームは、さらに離れて移動させることができる。第2距離は、第1距離よりも大きくすることができる。
本実施形態のバルブオープナーは、針ガードとの結合又は取付けを容易にするために、それぞれの近位端で広げた後、一体的に移動して針ガードの上方を閉鎖するバルブオープナーアームを用いて製造することができる。バルブオープナーの構成は、針組立体又はカテーテル組立体を組み立てる際の針ガードの圧縮又は歪みを最小限に抑えることができる。特に、間隔を空けて配置したバルブオープナーアームは、組立て時に針ガードとバルブオープナーを結合するために拡張された入口すなわち開口として機能させることができる。
アクチュエータヘッドは、バルブを開放するための静脈穿刺に成功した後、雄型ルアーチップで前進したときに1回だけ作動するような形状にすることができる。例えば、アクチュエータヘッドの本体は、バルブの1又は複数のスリットから突出し、雄型ルアーチップが取り外された後もバルブに取り付けられたままとすることができる。
いくつかの例では、バルブは、十分な弾性力を有するように構成することができ、及び/又は、アクチュエータヘッドの本体は、多目的バルブシステムのために、雄型ルアーチップの除去後にバルブアクチュエータを近位方向に移動させる分力を付与するために、バルブフラップ用により大きなテーパを有するようなサイズに決定することができる。
必要に応じて又は追加で、引張コイルバネ又は弾性ガスケットを、バルブとバルブオープナー又はアクチュエータの組み合わせと共に使用して、カテーテルハブの近位端から雄型ルアーチップを取り外した後にバルブアクチュエータがバルブから離れて近位方向に移動するのを補助するための外部軸力を提供するようにしてもよい。
バルブオープナーは、2つのバルブオープナーアームをそれぞれの近位端を見たときに、径方向に間隔を空けて製造することができる。この間隙を空けた構成では、図10Aから図10Cに示すように、アームの第1位置において、2つの離間したアクチュエータアーム又はバルブオープナーアームによって拡張された間隙が形成され、すなわちその間に間隙を設けることができる。しかしながら、図10Dに示すように、2つのアームが第2位置で一体的に移動すると、2つのアームの間隙を減少させることができる。
バルブアクチュエータは、2つのアームがそれぞれの第1位置にある第1寸法を有する2つのバルブオープナーアームの間隙と、2つのアームがそれぞれの第2位置にある第2寸法を有する2つのバルブオープナーアームの間隙とを有することができる。第2寸法を有する第2位置の間隙は、第1寸法よりも小さくすることができる。
2つのバルブオープナーアームがそれぞれの近位端で間隔を空けて配置されているため、間隙のより大きな第1寸法は、以下でさらに議論されるように、バルブオープナーを針ガードと結合するための十分なスペースを提供することができる。このように、バルブオープナーは、第1構成で拡大された間隙(開口)を提供することにより、組立てを容易にするように構成することができ、バルブオープナーを針ガードと組み合わせた後、第2構成で縮小することができる。
可動式のバルブオープナーアームを備えた配置により、2つのアクチュエータアーム及びバルブアクチュエータの2つのブリッジによって形成される開口から針ガードを損傷する可能のある、針ガードのアームを得るための針ガードと遠位壁の屈曲及び/又は圧縮を最小限に抑制しつつ、バルブアクチュエータ及び針ガードの組立てを行うことが可能となる。
2つのバルブオープナーアームに接続する2つのブリッジ又はスタビライザ要素を組み込むことができる。バルブオープナーは、遠位キャビティ開口又はチャンバ386、及び近位キャビティ開口又はチャンバを有することができる。2つのブリッジは、部分的なブリッジ又は部分的なスタビライザ要素、又はこれに代えて、ブリッジを形成する連続的に形成された構造から形成することができる。
一例では、2つのアクチュエータアームのそれぞれは、一対の部分ブリッジ又はスタビライザ要素を備えることができる。2つのバルブオープナーアームがそれぞれの第2位置で接近するように移動すると、4つの部分ブリッジ又は部分スタビライザ要素により、それぞれ合わせ目を有する2つのブリッジ又はスタビライザ要素を形成することができる。一例では、2つの隣接する部分ブリッジは、接着、糊付け、又は溶接などによって、開放可能な合わせ目のないブリッジを形成するために、接触した後に互いに固定することができる。
さらに他の例では、部分ブリッジには、機械的係合で一体的に留めるために、内側縁に沿って回り止めを設けることができる。
別の例では、隣接する部分ブリッジは、開閉可能な合わせ目のないブリッジを形成するために接触させた後、バルブオープナーがカテーテルハブ内に配置されると、固定はされないが、カテーテルハブの内面に拘束される。
1又は2のブリッジを形成するためにバルブオープナーアームを移動させると、開閉可能な合わせ目の有無に拘わらず、2つのブリッジと2つのアクチュエータアームとによって開口が区画される。図10Dに示す構成では、2つのブリッジの間で近位キャビティの開口又はチャンバから遠位キャビティの開口又はチャンバに物体を移動させるために、物体は、2つのブリッジ及び2つのバルブオープナーアームによって区画される開口を通過する必要がある。その結果、開口の最大寸法よりも大きい輪郭を有する物体は、その中を通過するために、開口よりも小さくなるように圧縮又は変形されなければならない。
各ブリッジ又はスタビライザ要素は、遠位端と近位端を備えることができる。一例では、それぞれのブリッジの遠位端と近位端は互いに平行である。バルブアクチュエータの長軸に対して、遠位端及び近位端を直交又は傾斜させることができる。さらに、前記端は、対向する端又は他のブリッジの端と比較して、異なる角度を成すか、又は平行にすることができる。
2つのスタビライザ要素の遠位端には、2つのアームのそれぞれの遠位壁と弾性アームとの間の交差部又はエルボのための表面構造を設けることができ、針ガードが使用準備位置で、近位方向に移動するのを防ぐために、静脈穿刺が成功した後の針の引込み時に係合又は隣接する。
2つのスタビライザ要素又はブリッジは、準備位置と静脈穿刺成功後の針の引込み時の両方で、針ガードをバルブアクチュエータに保持することができる。針ガードを2つのブリッジに係合させるか、又は針ガードに障壁を設け、さらに2つのブリッジの2つの遠位端を利用するか、又は2つのブリッジを配置して針ガードの近位方向の動きを阻止することにより、針ガードを、他で説明されているようにカテーテルハブの内部に形成されたガード係合部に係合する必要がなくなる。
しかしながら、針ガードの2つのアームがもはや針によって外側に付勢されていないか、又は針によって離間されていない場合、針ガードの2つのエルボに於ける対角線寸法は、2つのブリッジに於ける開口サイズよりも小さい寸法に減少し、2つのブリッジの遠位端によって妨げられることなく、針ガードを2つのブリッジの近位方向に移動させることができる。
バルブアクチュエータは、2つのアクチュエータアームと、最初の離間した位置に形成されたバルブアクチュエータの部分ブリッジとを備えたプラスチック射出成形で形成してもよく、2つのバルブオープナーアームからの部分ブリッジは接触しない。バルブオープナーアームが元々の離間した位置に形成されている場合、バルブオープナーアームを一緒に移動させる際、アームは歪み、緩和された状態に弾性復帰して開放することができる。一例として、2つのアームは、一緒に移動した後、2組の部分ブリッジを接着して固定することができる。
また、バルブアクチュエータをカテーテルハブ内に配置し、カテーテルハブの内面で2つのアームを拘束することにより、2つのアームを接近させることもできる。カテーテルハブの内部とバルブアクチュエータの間のクリアランスに応じて、バルブアクチュエータの2つのアームは、カテーテルハブの内部で互いに自然に離れることができる。その結果、カテーテルハブによってのみ拘束される場合、2つのブリッジの合わせ目は線以上に広がる可能性がある。
外側には、2つのアクチュエータアームのそれぞれにガイドタブを設けることができる。このガイドタブは、位置合わせのためにカテーテルハブ内の表面特徴部と協働し、バルブアクチュエータをカテーテルハブ内に保持することができる。例えば、2つのタブは、カテーテルハブの内部に設けた一対のスロットと協働して、バルブアクチュエータがカテーテルハブの長軸を中心に回転するのを防止することができる。また一対のスロットは、バルブアクチュエータがカテーテルハブの近位開口から近位に変位するのを防止することができる。
必要に応じて又は代替として、バルブアクチュエータがカテーテルハブの近位開口から近位方向に変位するのを防止するために、カテーテルハブの内部に、一対のスロットとは異なる表面構造を実装することができる。例えば、バルブアクチュエータの近位方向の動きを制限するために、カテーテルハブの内部に異なる一組の突起、リップ、又は肩部を組み込むことができる。
バルブオープナーと針ガードは針に取り付けられ、針は針ハブに取り付けられる。針ガードが針に取り付けられると、針は針ガードの2つのアームを外側に付勢する。針ガードが単一のアームを内蔵している場合、それは針によって外側に付勢される。
サブ組立体は、まず針を針ハブに固定し、次に針の針先付近に輪郭の変化を加える前に針ガードを配置し、例えば圧着により形成することができる。また、針ガードをまず針に配置した後、輪郭を変化させる前に針を針ハブに取り付けることができる。
針ガードは、針先を有する端部とは反対側の針の近位端を針ガードの遠位端を介して方向付け、針の近位端が針ガードの近位壁の開口から突出するまで継続することにより、針に配置することができる。
次に、バルブオープナーの間隔を空けた2つのアクチュエータアームを針ガード上に直接移動させ、アームをそれぞれの第2位置に近づけたとき、2つのアームのエルボが部分ブリッジの遠位位置することを保証して、バルブオープナーを、針ガードを有する針にスライドさせることができる。
アクチュエータヘッド本体の貫通開口は、針が容易にスライドして、干渉することなく輪郭の変化を通過するのに十分な幅又は大きさである。部分的に組み立てられた構成要素は、針、ガード、及びアクチュエータのサブ組立体、又はNGAサブ組立体と呼ぶことがあり、略称を単にサブ組立体と呼ぶこともある。サブ組立体は、カテーテルチューブを有するカテーテルハブと組み立てる前、及びバルブオープナーをカテーテルハブの内部に配置する前にそのように形成される。
NGAサブ組立体は、カテーテルチューブを有するカテーテルハブに部分的に挿入してカテーテル組立体を形成し続けることができる。NGAサブ組立体の挿入中、2つのアクチュエータアームをそれぞれの第2位置で一緒に保持して、バルブアクチュエータをカテーテルハブの近位開口に挿入するためのクリアランスを提供することができる。前述したように、2つのアクチュエータアームは、部分的なスタビライザ要素を接着又は結合することによって一緒に保持することができる。他の例では、組立て中にアームを密着させるために、部分的なスタビライザ要素を係合するために留め具を使用することができる。
針ガードをカテーテル組立体に組み立てるために2つのアームを圧縮又は変形させることなく、カテーテルハブ内に固定されたバルブアクチュエータ及び針ガードを有するカテーテル組立体は、本開示のバルブオープナーを利用して実装又は形成することができる。一例では、バルブアクチュエータは、バルブの近傍に配置することができる。バルブは、キャビティを画定するスカートを有することができ、バルブオープナーのアクチュエータヘッドは、スカートのキャビティ内に位置させることができる。
別の実施形態では、バルブは、スカートをなくすことができる。針ハブのノーズ部は、カテーテルハブの近位開口の近位端に位置させることができる。一例では、針ハブのノーズ部を使用して、バルブオープナーの近位端をカテーテルハブ内の所定位置に押し込むことができる。
別の実施形態では、2つのアクチュエータアームを、アクチュエータヘッドから通常の拡張位置で製作し、それぞれの近位端で外側に間隔を空けることなく、互いに近づけることができる。さらに、バルブアクチュエータに組み込まれた部分スタビライザ要素は、他の実施形態で開示された部分スタビライザ要素と比較して、径方向に短くすることができる。このように、アクチュエータアームは、バルブアクチュエータの長軸に対して径方向外側又は径方向内側に撓むことを意図していないが、部分スタビライザ要素がそれらの内縁に沿って接触するように構成されておらず、径方向内側への移動を可能にするために拡大された合わせ目が設けられているので、アームを撓ませることができる。その結果、拡大された合わせ目により、内縁部が径方向内側への撓みを制限することなく、アームがバルブアクチュエータの長軸に対して径方向外側又は内側に撓ませるためのクリアランスが提供される。
一例として、二対の部分ブリッジの2つの拡大された合わせ目のそれぞれは幅又は間隙を空けられている。幅又は間隙は、2つの隣接する部分ブリッジの隣接する内縁の間で測定することができる。一例では、各拡大合わせ目の幅又は間隙の寸法は、針ガードの遠位壁の幅よりも小さく又は狭く、又は少なくとも、エルボにおける針ガードのアームの寸法よりも小さい。この配置により、本発明のバルブアクチュエータ又はオープナーの2つのブリッジは、拡大された合わせ目があっても、静脈穿刺が成功した後の準備位置で針の引込み中に、針ガードの近位方向の動きを阻止することができる。
針ガードを圧縮したり曲げたりすることなく、バルブアクチュエータの遠位キャビティ又はチャンバで、針ガードの2つのエルボが部分スタビライザの遠位縁の遠位に配置されるように針ガードをバルブアクチュエータに結合するため、2つのアクチュエータアームをバルブアクチュエータの長軸に対して第1位置から近位端がさらに離れた第2位置まで外側に撓ませ、二対の部分ブリッジの拡大合わせ目を広げることができる。この拡大された合わせ目により、針ガードが針に取り付けられた状態で、2つのアクチュエータアームと4つの部分ブリッジによって画定される開口を通るように針ガードを撓ませたり圧縮したりすることなく、バルブアクチュエータを針ガード上に配置することができる。
カテーテルハブの内面には、いくつかのバンプ又は突起を設けることができ、これらのバンプ又は突起は、組立て中にバルブアクチュエータがカテーテルハブの内部に配置されたとき、カテーテルハブの内部に配置して方向付けして、2つの拡大された合わせ目のスペースに位置合わせして占有することができる。
2つの突起は、カテーテルハブの内部に等間隔で配置することができる。この2つの突起は、カテーテルハブの長軸を中心としたバルブアクチュエータの回転を防止するために設けることができる。また2つの突起は、2つの拡大された合わせ目によって区画された空間の全てではないが大部分を占有することにより、2つのアームが互いに内側に撓むのを制限するために設けることができる。例えば、カテーテルハブに挿入された雄型ルアーチップがバルブアクチュエータを遠位方向に前進させてバルブを開放すると、突起がない場合でも、2つのアクチュエータアームを互いに内側に撓ませることができる。したがって、突起を、2つのバルブオープナーアームの内側へ撓むことを制限するように動作させることができる。別の実施形態では、カテーテルハブの内部に1つの突起のみが組み込まれ、その1つの突起により、2つのバルブオープナーアームの径方向内側への撓みを制限することができる。
組立ての際、サブ組立体をカテーテルハブに取り付ける前に、まずNGAサブ組立体(略してサブ組立体)を形成することができる。NGAサブ組立体は、針、ガード、及びアクチュエータを含むことができる。針は、針ハブに取り付けることができる。バルブオープナー及び針ガードを備えたNGAサブ組立体は、カテーテルハブに組み付ける前、例えば、バルブオープナー及び針ガードを備えた針をカテーテルハブ及びカテーテルチューブにスライドさせる前に形成することができる。
NGAサブ組立体は、カテーテルチューブを有するカテーテルハブに設置又は組み立てることができる。バルブアクチュエータは、バルブの近傍に位置させることができ、アクチュエータヘッドは、バルブの囲い板によって区画される空間内に配置することができる。他の例では、バルブは囲い板なしとすることができる。設置された構成では、2つの突起部が、針ガードの2つのエルボの近傍に位置させることができる。針ガードは、2つのアクチュエータアームの間に位置させることができる。2つの突起部は、4つの部分ブリッジの遠位端とほぼ一致させることができる。
2つの突起は、カテーテルハブの内側に最小内径を画定することができる。したがって、組立時にNGAサブ組立体がカテーテルハブに挿入されると、2つの突起の最小内径に収まるように、針ガードの2つのアームをエルボでいくらか撓ませることができる。しかし、NGAサブ組立体を形成する際の針ガードのバルブオープナーへの組付けは、ブリッジとバルブオープナーのアームによって区画された開口を通過するために、2つのアームを同程度に圧縮することなく、あるいは全く圧縮することなく実行することができる。
別の例では、バルブアクチュエータの2つのアクチュエータアームは、アクチュエータヘッドから通常の拡張位置で製作し、1つのブリッジ又はスタビライザ要素で互いに接続することができる。ブリッジには合わせ目がなく、2つのアームがバルブアクチュエータの長軸に対して内側又は外側に撓むことを容易には許容しない。
スタビライザ要素が1つしかない場合、バルブアクチュエータは、2つのアクチュエータ脚部と2つのスタビライザ要素によって区画された、制限又は区画された開口は有していない。別の言い方をすれば、本実施形態のバルブアクチュエータは、単一のブリッジにおいて、径方向に沿って完全に囲まれた構造は有していない。したがって、本実施形態のバルブアクチュエータが針ガードに結合されてNGAサブ組立体を形成する場合、少なくともバルブアクチュエータの開放された底部が第2ブリッジ又はスタビライザ要素を組み込まれていないため、針ガードを圧縮又は歪ませることなく、又は最小量だけ、バルブアクチュエータを前後及び上下に操作して針ガード上を移動させることができる。
サブ組立体に単一のブリッジのみを有するバルブオープナーが組み込まれている場合、単一の突起を有するカテーテルをサブ組立体と共に使用することができる。ブリッジのあるカテーテルハブの内部には突起は必要ない。設置された構成では、カテーテルハブ内の単一の突起は、スタビライザ要素又はブリッジのない側で、針ガードの2つのエルボのうちの1つの近傍に位置する。この突起は、ブリッジの遠位端とほぼ一致しており、針ガードのエルボの近傍に位置している。スタビライザ要素又はブリッジ及び突起は、準備位置で、静脈穿刺成功後の針の引込み時に、針ガードが近位方向に変位することを防止する。
また、単一の突起と単一のブリッジにより、カテーテルハブの最小内径が定められる。したがって、NGAサブ組立体がカテーテルハブに挿入されると、針ガードの2つのアームは、突起とブリッジの最小内径に収まるように、エルボで多少の変形を受ける可能性がある。
さらに別の例では、バルブオープナーは、2つのアクチュエータアームを接続する2つのスタビライザ要素を含むことができる。この2つのスタビライザ要素は、合わせ目がなくてもよい。さらに、2つのスタビライザ要素の輪郭は、ほぼ平坦又は平面とすることができる。別の言い方をすれば、各スタビライザ要素は、円弧状の輪郭ではなく、平面で構成することができる。さらに、各スタビライザ要素の遠位縁及び近位縁は、互いに、他のスタビライザ要素又は第2スタビライザ要素の遠位縁及び近位縁に対してほぼ平行とすることができる。
いくつかの例では、バルブオープナーのブリッジは、遠位端及び近位端を有することができ、遠位端は、バルブオープナーの長軸に直交するか、又はバルブオープナーの長軸に対して角度を付けられている。いくつかの例では、遠位端全体が、バルブアクチュエータの長軸に直交するか、又はバルブアクチュエータの長軸に対して角度を付けられている。
いくつかの例では、遠位端と近位端が互いに平行になっている。さらに他の例では、遠位端と近位端は、収束又は発散などで互いに角度を付けることができる。
使用時には、バルブアクチュエータを針ガードと組み立て又は結合した後、輪郭の変化が針で形成される前に、組み合わせを針に装着することができる。したがって、カテーテルハブ内にバルブアクチュエータを配置する前に、本発明のバルブアクチュエータでNGAサブ組立体を形成することができる。また、本発明のバルブアクチュエータは、針ガード付きの針をカテーテルハブ内に配置し、針ハブのノーズ部を用いて、2つのスタビライザ要素と2つのバルブオープナーアームによって画定される開口から針ガードを押し込む前に、カテーテルハブ内に配置することができる。
さらに別の例では、バルブオープナーは、2つのアクチュエータアームを一緒に接続する2つのスタビライザ要素を含むことができ、2つのスタビライザ要素は合わせ目を組み込まれていない。さらに、2つのスタビライザ要素の輪郭は、平面ではなくほぼ円弧状とすることができる。別の言い方をすれば、本実施形態の各スタビライザ要素は、バルブオープナーの長軸から離れるように湾曲する円弧状又は湾曲した表面を備える。
本明細書の他の箇所に記載されたカテーテル組立体及びその構成要素の製造方法及び使用方法は、本開示の範囲内である。
本明細書の他の箇所に記載されているNGAサブ組立体及びその構成要素の製造方法及び使用方法は、本開示の範囲内である。
添付図面に関連して以下に示す詳細な説明は、本発明の装置、システム、及び方法の側面に従って提供される制御バルブを備えたカテーテル組立体の現在好ましい実施形態の説明を意図したものであり、本発明の装置、システム、及び方法を構築又は利用することができる唯一の形態を表すことを意図したものではない。本明細書では、図示された実施形態に関連して、本発明の装置、システム、及び方法の実施形態を構築及び使用するための特徴及び手順を示している。しかしながら、同一又は同等の機能及び構造が、本開示の精神及び範囲内に包含されることも意図されている異なる実施形態によって達成されることを理解されたい。本明細書の他の場所で示されているように、同様な参照番号は、同様又は類似の要素又は機能を示すことを意図している。
ここで図1を参照すると、より広義には針組立体、安全針組立体、又は針装置と呼ばれることもあるカテーテル組立体100が示されている。カテーテル組立体100は、ハブ本体103に取り付けたカテーテルチューブ104を有するカテーテルハブ102と、使用位置又は準備位置にあるカテーテルチューブ104の遠位端又は遠位開口112から延びる針先110を有し、カテーテルハブ102及びカテーテルチューブ104内を延在する針軸109(図2)を有する針108を含む針ハブ106とを備える。針組立体は、静脈内投与又は末梢投与のためのサイズ及び形状である。カテーテル組立体100は、準備位置では、静脈穿刺又は静脈内投与を行うなど、使用準備が整っている。準備位置ではまず、カテーテル組立体又は針組立体100から保護キャップ(図示せず)を取り外す必要がある。
図2及び図3は、図1のカテーテル組立体100の分解図及び概略断面図をそれぞれ示す。フラッシュバックプラグ114を針ハブ106の近位端118に設けることで、空気の通過を可能にするが、一次フラッシュバック中に血液がフラッシュバックチャンバ116に入ったとき、血液が針ハブの近位開口から漏出するのを防止することができる。また針ハブ106の近位端118には、注射器などの雄型医療器具を取り付けることができる。
針ハブ106は、カテーテルハブ102と針ハブ106を軸方向に位置合わせし、カテーテルチューブ104の遠位開口112から突出する針先110の長さを設定するために、近位端面122など、カテーテルハブ102に物理的に接触する肩部、タブ、又は表面特徴部120をさらに備えることができる。
図7に飛ぶと、図1のカテーテルハブ102の概略断面側面図が、カテーテルチューブなしで示されている。カテーテルハブ102は、近位開口121と、近位端面122で近位開口を画定する周辺部とを有する。ハブ本体103は、内部キャビティ130を画定する内面288を有し、近位端面122とは反対側の遠位端面124に遠位開口123を有する。カテーテルハブ102は、標準的なカテーテルハブ、一対のウィングを含むポート付きカテーテルハブ、又は側部チューブポートから延びるチューブを有する一体型カテーテルハブとすることができる。針レスバルブは、チューブの反対側の端部に取り付けることができる。
図2をさらに参照し、引き続き図7を参照すると、チッププロテクター又は針ガード132、バルブアクチュエータ又はバルブオープナー134、流体の流れを閉塞するためのバルブ136、及びブッシュ138は、カテーテルハブ102の内部キャビティ130(図6)に設けることができる。後述するように、バルブオープナー134は、静脈穿刺が成功した後、カテーテルハブ(102)の近位開口121に挿入した雄型ルアーチップによって前進すると、バルブ136内にスライドして押し開くように構成されている。使用準備位置で、針108の針軸109を、針ガード132、バルブオープナー134、バルブ136の1又は複数のスリットによって画定されるバルブ開口325、ブッシュ138、及びカテーテルチューブ104を介して延在させることができる。バルブ136の1又は複数のフラップは、図8Aから図8Cと、図9A及び図9Bとを参照してさらに後述するように、針軸109がバルブ開口325を通過できるように弾性的に開放するようにしてもよい。
再び図7を参照すると、カテーテルハブ102は、静脈内投与セット又は延長セットのシリンジチップ又は雄型ルアーチップによって前進したときなど、バルブオープナーが作動したときにバルブオープナー134の軸方向の変位をガイドするために、内部キャビティ130の内面288に形成された所望の深さ、幅、及び長さの1又は一対のスロット又は溝135を含むことができる。例えば、バルブオープナー134は、カテーテルハブ内で整列させるため、1以上の溝135に配置されるタブを有することができる。溝135は、カテーテルハブ102の内周に沿って等間隔に配置するなど、互いに間隔を空けることができる。スロット135は長方形の開口をそれぞれ有し、カテーテルハブの長軸に平行に配置された開口長さとすることができる。他の例では、スロットは、他の形状の開口を有することができる。他の例では、1つのみのスロット135、又は2つ以上のスロット135とすることができる。スロットの数は、バルブオープナー134に組み込まれた構造又は特徴部に依存させることができ、これらの構造又は特徴部は、対応する数のスロットと相互作用又は協働して、バルブオープナーをカテーテルハブ内に整列又は保持することができる。
溝137は、カテーテルハブの内部キャビティ130に形成され、カテーテルハブの内部でバルブ136の外周を取り囲んで固定するなど、バルブ座として機能させることができる。溝137は、円周状又はリング状とすることができ、1又は複数のスロット135の遠位に配置することができる。溝及びスロットは、カテーテルハブの選択された内部位置を間引くなどして、選択された位置でカテーテルハブ102の内面289を凹ませることにより形成することができる。他の例では、スロット及び溝は、バルブオープナーの対応する構造と協働させるために、選択された位置でカテーテルハブの内面を隆起させることにより形成することができる。
ガード係合部210は、スロット135の近傍に位置させることができ、以下でさらに議論するように、針ガード132の作動前、使用準備位置で、針の引込み中に、エルボなどの針ガード132が、それらの間で耐え、静止し、又は接触することができるように設けることができる。ガード係合部210は、第2内径部に隣接して位置する第1内径部などの内部突起を備えることができ、第2内径部は第1内径部よりも大きい。内部突起は、間隔を空けた複数の部分から形成するなど、連続的又は非連続的とすることができる。溝137、スロット135、及びガード係合部210の順序又は位置は、異なる形状のバルブ、バルブオープナー、及び針ガードに対応するために変更することができる。カテーテルハブ102の近位端122は、雄型ルアーチップを受け入れるための雌型ルアーテーパを有するサイズとすることができる。ブッシュ138は、カテーテルチューブ104をカテーテルハブ102に保持するように構成することができる。一例では、ブッシュ138は、カテーテルチューブ104をカテーテルハブ102に保持するために、カテーテルチューブ104の近位端をカテーテルハブ102の内壁面に対してくさびで締めることができる。
針ガード132は、針108の針先110を遮蔽又は被覆するように構成された、任意の数の先行技術のガード、先端プロテクター、又は安全クリップを組み入れてもよい。示された例示的な実施形態では、針ガード132は、米国特許第6616630号に示されるガードの1つを組み入れることができ、その内容は参照により明示的に本明細書に組み込まれる。一例では、図2及び図4に示すように、針ガード132は、開口を画定する周辺部を含む近位対向壁面及び遠位対向壁面を有する近位壁280と、2つの弾性アーム288、290とを備えることができる。針108は、以下でさらに議論されるように、静脈穿刺の成功後に針ガード132をカテーテルハブ102から近位方向に引っ込めるために、針ガード132の近位壁の周縁部に係合するためのアタッチメントすなわちスリーブ、クリンプ、又はバルジとすることができる輪郭変化部144を備えることが可能である。
使用準備位置で、近位壁280は、針ハブ106の遠位端119に、例えば、針ハブの遠位端のノーズ部、タブ、又はフィンに接触させてもよい。ガードの2つのアーム288、290は、米国特許第6616630号に記載されるように、側面図に沿って交差させることができる。米国特許第6616630号に記載され、図2及び図4に示すように、ガードの2つのアーム288、290は、側面図に沿って交差させることができ、又、針の異なる側面に沿って延び、側面図に沿って交差させないようにすることができる。一例では、一方のアームは他方のアームよりも長くすることができる。各アーム288、290はまた、第1幅の第1アーム部と、第1幅よりも小さい第2幅の第2アーム部とを有する、アーム幅の異なる部分を含むことができる。2つのアーム288、290は、近位壁280の異なる端部から突出させることができ、それぞれの第2アーム部で互いに交差させることができる。したがって、針ガード132の長手方向に沿った側面から見ると、2つのアームは互いに交差する。針108と一緒に使用する場合、2つのアーム288、290は、使用準備位置にあるときと、保護位置にあるときとで、互いに交差する。
別の実施形態では、2つのアーム288、290は、近位壁の異なる端部から発生し、互いに交差することなく遠位方向に延在する。したがって、2つのアーム288、290は、それぞれのアーム長さに沿って、ほぼ同じアーム幅を有することもできる。針ガード132は、図示のように打ち抜かれた金属シートから折り畳んで形成してもよい。構造的な剛性を高めるために、アーム、アームの近位壁、及び/又は遠位壁にリブ296を形成してもよい。いくつかの例では、針ガードは、異なる構成要素又は部品から組み立てることができ、金属部品及び非金属部品の両方を含むことができる。
遠位壁300、302は、各アーム288、290の端部に設けることができる。2つのアームの遠位壁300、302は、異なるアーム長さを利用することによって、及び/又は、針の長さに沿って連続的に配置されるように弾性アーム288、290との交差部で壁の1つを角度付けすることによって、アームが針先を覆い隠すときに、針ガード132の軸方向に沿って互いに重ね合わせることができる。アームの遠位壁と細長部の間の交差部は、2つのアームの2つのエルボに言及するとき、エルボ又は針ガードの対角径304と呼ばれることがある。一例では、遠位壁300と弾性アーム288の細長部との間の交差部又はエルボ304は、図3に示すように、使用準備位置で、又、図4に示すように、カテーテルハブ102から針108を取り外す過程で、針ガード132をカテーテルハブ102に固定するために、カテーテルハブ102の内部でガード係合部210と係合させることができる。このように、ガード係合部210は、針ガード132が作動する前に、1又は2のエルボ304に物的障壁を提供することで、針ガード132が近傍に移動するのを防止することができる。すなわち、使用準備位置では、2つのエルボの断面寸法又は対角径の輪郭は、ガード係合部210の内径よりも大きい。針ガードが保護位置で針先110をカバー又はブロックするために作動すると、2つのエルボが互いに接近して対角径の輪郭を減少させ、次いで、2つのエルボがカテーテルハブのガード係合部210によって区画される内径を通って近位方向に移動することが可能になる。いくつかの例では、針ガードの2つの遠位壁は、2つのアームと呼んだり、2つのアームの一部とみなしたりすることができる。
針ガードアーム288、290は、図4に示すように、準備位置にある針軸109によって外方に付勢することができる。アームを外側に付勢すると、針ガードの径方向の輪郭が増加する。例えば、2つのアームの2つのエルボの間で測定された断面寸法は、針が2つのアームの間に位置し、2つのアームを外側に付勢すると、互いに離れて輪郭を増加させることができる。針が2つのアームの2つの遠位壁の間に位置しなくなったときなど、アームが外側に付勢されていないときは、アームが外側に付勢されているときに比べて、針ガードの径方向の輪郭が減少する。
アームは、2つのアームの交差部304がカテーテルハブ102のガード係合部210に係合して、使用準備位置で、静脈穿刺成功後の針の引込み時にガードをカテーテルハブ内に保持するように、外側に付勢することができる。別の言い方をすれば、針軸109は、2つの遠位壁300、302の自由端に形成されたリップ又は端面306に外径方向の力を付与し、遠位壁300、302及びアームを外側に押し出し、カテーテルハブのガード係合部210と交点304を係合させるか、又は少なくとも交点304を係合部210の遠位に維持させることができる。いくつかの例では、後述するように、係合部210を省略したり、カテーテルハブの係合部210と係合することなく、交差部304をカテーテルハブの内部に位置させたりすることができる。さらに他の例では、一方のアームの交点のみが、カテーテルハブの係合部210との係合で外側に付勢されている。さらに他の例では、バルブオープナーがカテーテルハブの内部に配置され、針ガードがバルブオープナーと相互作用して、針の後退中に使用準備位置では、針の先端が1又は2の遠位壁の近位方向に移動するまで、針ガードが近位方向に移動するのを防止する。
ここで図4を参照すると、遠位壁300、302の自由端に形成されたリップ306は、針軸109に接触し、針軸109によって外側に付勢されている。遠位壁300、302の自由端に形成されたリップ306は、針の引出し中に針軸109上の薬剤を減少させるために、丸みを帯びさせたり、湾曲させたりすることができる。またリップ306は、直線状であってもよいし、針ガード132を備えていなくてもよい。他の例では、遠位壁はバルブオープナーによって外側に付勢されており、リップ306は針軸から間隔を空けられている。これらの例では、針軸と針ガードの遠位壁との間に抗力は発生しない。
一例では、針ガード132は、以下でさらに議論されるように、2つの遠位壁300、302の端部にあるアームの自由端のいかなる部分も、バルブオープナーに接触したり、バルブオープナーによって付勢されたりしないように、バルブオープナー134の内部又はバルブオープナーの2つの間隔を空けた構造の間に配置することができる。他の例では、以下でさらに議論するように、針ガードは針によって外側に付勢されることにより、針ガードの2つのエルボ間の距離が増加し、2つのエルボが、バルブオープナーの1又は複数のブリッジ又はブリッジによる準備位置で、針の後退中に近位方向に移動するのを防止される。
図3及び図7に戻って説明すると、針ガード132のアームが針軸109によって外側に付勢されているときなど、使用準備位置で針の引込み時、針ガード132を保持するため、ガード係合部210をカテーテルハブ102の内部キャビティ130に形成することができる。ガード係合部210は、カテーテルハブ102の内部キャビティを径方向内側に延在し、カテーテルハブ内に最小直径を形成することができる。ガード係合部210は、2つのアームの2つの交点304など、針ガード132の対角径と重複し、針ガード132が使用準備位置で針の後退時にカテーテルハブの内部の所定位置に固定することができる。2つの交差部304にテーパ面又は傾斜面を設けると、針ガード132をカテーテルハブ102のガード係合部210から離脱させるのに必要な引っ張り力を減少させることができる。
針ガード132は、針108を有する針ハブ102がカテーテルハブ102に挿入されるときに、針ガード132の近位壁280を針ハブ102の遠位端で押圧することにより、カテーテルハブ102の内部キャビティ130内に組み付けることができる。使用準備位置で、針ガード132は、近位壁280などの針ガード132の近位部がバルブオープナー134の外側又は近傍に位置する状態で、バルブオープナーの間隙に少なくとも一部を延在させることができる。すなわち、針ガード132の近位壁280は、バルブオープナー134の近位端面又は表面151の近傍に位置させることができる。
別の例では、針ガード132の近位壁280は、バルブオープナー134の近位端面151と同一平面とすることができる。さらに別の例では、針ガード132の近位壁280は、バルブオープナー134の近位最表面の遠位に位置させることができる。バルブオープナー134が2つのアームを外側に付勢する実施形態では、2つのアームの遠位壁がバルブオープナーの間隙154内に収まらないか、又は、バルブオープナーが、以下でさらに議論されるように、2つの遠位壁を支持するためのシートクリップ又はアームシートを備える。
静脈穿刺が成功した後、針先110が針ガード132内に向かって近位方向に引っ張られると、針108の輪郭変化部144は、前述のように、針ガード132の近位壁280の開口284(図2)を画定する周縁部282に係合する。針が近位方向に移動し続けると、針ガード132のアーム288、290は、針軸109又はバルブオープナー134のクリップシートから離れているときに、針先110との偶発的な接触を阻止するために、同時に又はその後すぐに、その保護位置に倒れてもよい。同様の作業は、米国特許第6616630号に記載されている一方のアームの針ガードの1つによっても達成することができる。この針ガードは、同特許のいくつかの実施形態に示されるように針を横切るのではなく、針軸の側面に沿って延びている。
次に図5を参照すると、針ハブ106及び針108がカテーテルハブ102から引き出され、針先110が針ガード132によって固定された後、バルブ136の開口325、すなわちバルブ開口は、血液又は他の流体がバルブ開口325を通過するのを防止又は制限するために、それ自体に再シールすることができる。すなわち、針軸109をバルブ開口325から引き抜いた後、針軸109がバルブ開口325を囲むバルブ136のフラップを偏位させることにより発生するバルブ136に蓄えられた潜在的な弾性エネルギーが解放され、フラップがより偏位されていない位置又は閉じた位置に戻り、バルブ開口325を再シールすることができる。したがって、図5は、針108がカテーテルハブ102から完全に取り外され、バルブオープナー134が、カテーテルハブの近位開口に挿入された雄型ルアーチップによって近位端面151を遠位方向に押圧され、バルブ136に対して前進し、バルブ136を開放する準備ができている状態を示す。
カテーテルハブ102は、カテーテルハブ102の近位端122とバルブオープナー134の近位端面151との間の係合距離「A」が、シリンジチップや雄型ルアー金具などの雄型医療器具のカテーテルハブ102への係合の最小長さ「B」以下となるように設計することができる。これにより、雄型ロック金具とカテーテルハブとが接続された場合、雄型ロック金具がカテーテルハブの長軸に沿った長手方向すなわち軸方向の力をバルブオープナー134に付与し、バルブオープナー134をバルブ136の近位端に向かって長手方向に変位させ、バルブ136を開放することができる。一例では、係合距離は、現在制定されている、又は将来制定されるISO規格によるものである。
また、カテーテルハブ102は、雄型ロック金具の接続の際に、雄型ロック金具がカテーテルハブ102の近位開口121の雌型ルアーテーパとの十分な表面接触面積を保証するために、カテーテルハブ102の近位端122からのカテーテルハブ102の内部キャビティの最小深さ「B」が、雄型ロック金具の最小長さ以上となるように設計することができる。
図6は、雄型ルアーロック又はシリンジチップなどの雄型医療器具220が、カテーテルハブ102の近位端122の近位開口121を介してカテーテルハブ102の内部キャビティ130に挿入され、チップの遠位端125でバルブオープナー134を遠位方向に変位させてバルブ136に押し付け、バルブ136を開放する様子を示す。一例では、カテーテルハブ102の近位端122から雄型ルアーロック継手が取り付けられると、雄型ルアーロック継手はバルブオープナーアーム152に接触する。ロック金具がカテーテルハブ102の近位端122で外側のねじ山に螺合すると、バルブオープナーのヘッド150がバルブ136を押圧して開放するまで、雄型金具はバルブオープナーアーム152の近位端面151を遠位方向へと押圧する。
バルブ136が開放すると、流体はバルブのバルブ開口325を通過することが可能となる。続いて雄型医療器具220のロック金具が取り外されると、バルブ136は弾性回復してバルブ開口325を再シールすることができる(図8A、図8B)。バルブ136自体を再シールすると、バルブ136は、開口での流れを停止又は制限することができ、同時にバルブオープナー134を使用準備位置又は図5の近位位置へと押し戻し、複数の血液制御システムを使用可能とする。他の例では、バルブ及びバルブオープナーは、単一の使用バルブとして構成することができる。すなわち、バルブオープナーをバルブ内に押し込むと、雄型ルアーチップを取り外した後も、両者が係合したままとなる。
一例では、バルブオープナーのアクチュエータヘッド又はノーズエンド150は、バルブを開放するため、バルブのフラップを遠位方向に容易に撓ませるように円錐台形状をしている。バルブ136のバルブフラップは、雄型ルアーチップ50が取り外され、軸方向の負荷がバルブアクチュエータに付与されなくなった後に閉鎖位置に復帰するように、フラップを厚くするなどして、十分な弾力性を持たせるようにしてもよい。別の例では、バルブフラップが閉鎖されるのを補助するために、弾性ガスケットやバネなどの弾性要素を組み込んでもよい。円錐台形状のアクチュエータヘッド150が組み込まれると、円錐面に対してフラップの近傍に向けられた力ベクトルを保持することができる。これにより、フラップが再び閉鎖されて流れが停止するまで、アクチュエータを開始位置に押し戻すことができる。血液制御システムに実装されるバルブオープナー134の様々な実施形態及びバルブ136の様々な実施形態は、以下でさらに議論される。
ここで、図8A及び図8Bを参照すると、本開示の態様に係る、提供される例示的なバルブ136の断面側面図及び斜視図が図示されている。バルブ136は、本明細書の他の箇所に記載された雌型ルアーを有するカテーテル組立体及びハブと共に使用可能である。バルブ136は、ディスクバルブと呼ばれるか、又はディスクバルブと見なされる。ディスクバルブは、以下でさらに説明するように、そこから延びる1又は複数のフランジを任意に含むことができる。バルブ136は、バルブ体320の外周又は外径322の一方の縁から他方の縁まで測定された幅を有するバルブ体320と共に示されている。バルブ体320は、第1表面327aから第2表面327bまで幅に直交して延在する寸法の厚さを有する。第1及び第2表面327a、327bは、バルブの使用方向に応じて、近位及び遠位に面した表面とすることができる。バルブ136は、カテーテルハブ102の内部キャビティに設けたバルブ装着領域又はバルブ溝137(図7)に装着することができる。バルブは、バルブオープナー134の遠位に位置して内部キャビティ内にシールを形成し、バルブオープナーによって開放されるように構成されている。いくつかの例では、バルブは、カテーテルハブの2つの異なるハブセクションの間に配置されて保持される。
バルブ溝137は、カテーテルハブ102の内部キャビティに形成された径方向のアンダーカットであって、適切な着座を可能にするために、約0mmから約1mmの範囲の深さ、すなわち凹んだ深さを有することができる。深さの範囲は、約0mmから約0.3mmのより厳しい公差を持つことができる。カテーテルハブ102の内部とバルブ136の外面との間、例えば外周322にはシールが設けられている。一例では、確実にシールするために、カテーテルハブの内部によってバルブの外周に対してわずかな圧縮力を加えることができる。これに代えて又は追加として、第1及び第2表面327a、327bの外縁はバルブの溝137の表面をシールすることができ、カテーテルハブにシールが提供される。一例では、バルブ溝137の輪郭、及びスロットや突起などのカテーテルハブの内部の輪郭は、カテーテルハブの成形プロセス中の材料の不鮮明さを最小限にするために、放射状に輪郭を描くことができる。バルブを形成するために異なる熱可塑性材料又はエラストマー材料を使用する場合などの他の例では、前記公差は変更することができる。
バルブ開口325は、第1表面327aから反対側の第2表面327bまで、バルブ本体320の厚さ方向に延在させることができる。バルブ本体320の厚さは、均一であってもよいし、変化していてもよい。例えば、第1及び第2表面327a、327bの間の厚さを変化させ、バルブディスク及びバルブフラップの厚さを変化させることができる。バルブフラップのようにバルブ136が薄ければ薄いほど、バルブ136が開放するときの抵抗が小さくなり、バルブ136を開放するために必要な力が少なくなる。バルブが厚いほど、弾性変形時にバルブが元の開封前の形状に戻ることができるように、より多くの弾性エネルギーを蓄えることができ、バルブ開閉の多重アクセスを可能にする。一例では、バルブの厚さは、約0.3mmから約1.5mmの範囲である。しかし、厚さは様々で、フラップの態様を制御するため、他の範囲や様々な厚さを含むことができる。
第1フランジ323aは、カテーテルハブ102内でのバルブのより良い装着を可能にするために、バルブ本体320の外周又は外径322から軸方向に延在させることができる。第1フランジ323aは、カテーテルハブ内で、図1に示すように近位に延びるか、又は遠位に延びるように方向付けることができ、これは、カテーテルハブ内に位置するときのバルブの方向に依存する。第1フランジ323a及びバルブ本体320は、バルブ本体320と同心の第1円形キャビティ328aと協働して画定することができ、第1円形キャビティ328aではバルブ136の厚さを局所的に減少させることができる。
バルブ開口325は、バルブ136の中心から径方向に延在し、約120度離れて形成された3つのスリット324で示され、すなわち画定され、第1フラップ326a、第2フラップ236b、及び第3フラップ326cを含む複数のフラップ326が形成される。すなわち、3つのスリット324は、バルブ136の軸に一致する単一の中心点329で交差し、3つのフラップを形成することができる。スリットの長さは様々である。一例では、スリットは、第1フランジ323aまで延びているが、利用可能な長さの変化によって示されるように、より短い長さで延在させることができる。第1フラップ326a、第2フラップ326b及び第3フラップ326cは、バルブ体320を通る流路226を開放するように撓ませることができる。流体流路226は、3つのフラップがバルブオープナーによって撓んだときに提供される。一例では、中心点329付近のフラップ326a、326b、326cがバルブオープナー134によって撓むと、周囲322に向かって径方向及び遠位方向に膨張する。すなわち、第1フラップ326a、第2フラップ326b及び第3フラップ326cは、以下にさらに説明するように、本明細書に記載されたバルブオープナー134の1つを用いてバルブ136の近位側を押圧することによって撓ませることができる。
またバルブ開口325は、バルブ本体320の厚さ方向に貫通して形成され、第1フラップ及び第2フラップを画定する、少なくとも1つのスリットを有するなど、単一のスリット324によって形成することができる。第1フラップ及び第2フラップは、バルブの一方側でバルブオープナー134を用いてバルブ136を押圧することによって、バルブ本体320を通る流路を開放するように撓ませることができる。
一例では、バルブ開口325は、スリットの各端部に2つの短い貫通カットを組み入れたV字型のレリーフも含むようにしてもよい。バルブオープナー134によって押圧されて開放するとき、フラップがより容易に撓むことができるように、レリーフにはクリアランスを設けることができる。あまり好ましくないのは、スリットの各端部に単一の短くて貫通した切れ目を設けることである。
図8Bを参照すると、第2フランジ323bは、第1フランジ323aとは反対側のバルブ136の外周から軸方向に延在させることにより、バルブ本体320と同心の第2円形キャビティ328bを共同して形成し、第1及び第2円形キャビティ328a、328bでのバルブ136の厚さをさらに低減することができる。
図9A及び図9Bはそれぞれ、本開示のさらなる態様に係る例示的なバルブ136の断面側面図及び斜視図であり、本明細書の他の場所で説明される雌型ルアーを有するカテーテル組立体及びハブと共に使用可能である。本発明のバルブ136は、いくつかの例外を除いて図8Aから図8Cのバルブと同様である。本実施形態では、バルブ136は、ほぼ中心点329から外周322に向かって厚さが増加する円形のバルブ体を有する。厚さは、一定の傾斜で直線的に変化させたり、複雑な傾斜としたりすることができる。バルブ136は、3つのフラップ326a、326b、326cを形成するためにバルブ体320に厚さ方向に貫通して設けた3つのスリット324を有する開口325を備える。3つのスリット324は、バルブ136の軸線と一致する単一の中心点329で交差させることができる。フラップは、バルブ体320を通る流路226を開放するように撓ませることができる。第1、第2及び第3フラップ326a、326b、3326cは、バルブオープナーでバルブ136を押圧して、フラップを径方向及び軸方向に撓ませることができる。流路226は、3つのフラップが撓んだときに提供することができる。一例では、中心点329付近のフラップ326a、326b、326cは、バルブ136の近位方向の表面に押し付けられるバルブオープナー134によって撓むと、外周322に向かって径方向及び遠位方向に広がる。
再び図3を参照すると、バルブ136は、バルブオープナー134のヘッド150のすぐ遠位にあるカテーテルハブ102の内部に配置することができる。バルブ136は、バルブオープナー134とブッシュとの間に固定するため、バルブ溝137(図7)に装着できる外周を備える。またバルブ136の外周は、バルブオープナー134とブッシュ138との間のカテーテルハブ102の内部キャビティに、干渉嵌め、接着剤、又は他の固定手段によって固定することができる。
図5は、針108がカテーテルハブ102から完全に取り外され、針ガード132(図3)が、図示しないが関連技術で理解される保護位置で針先110を被覆している状態を示す。この位置に到達するために、針装置100は、まず使い捨ての保護キャップの取り外しを必要とする図3の位置から始まり、針がカテーテルチューブ及びカテーテルハブに対して近位にスライドする図4の移行位置に移動した後、針先110が針ガード132の弾性アーム288、290の両端に1つずつある2つの遠位壁300、302の近位に移動するまで、針の移動を継続する。遠位壁は、針ガードのアームの一部とみなすことができ、他の構成要素との関係で構造と機能を明らかにすると共に、開示された針組立体がどのように動作するかを明らかにするために、特に言及されている。
針ガード132が1つの遠位壁及び/又は1つのアームのみを有する場合、プロセスは同様であるが、針の先端は、針ガードを作動させるために1つの遠位壁の近傍に移動させるだけでよい。2つの遠位壁、ひいては2つの弾性アーム288、290が針10又はバルブオープナー134によって外側に付勢されなくなると、2つのアーム288、290が径方向に移動してガードの径方向の輪郭を減少させ、カテーテルハブ102のガード係合部210から外れる。一例では、針先が2つの遠位壁の近位に移動すると、2つのエルボがカテーテルハブのガード係合部210から外れる。また、1つのアームと1つの遠位壁は、1つのガード係合部210から離脱させることができる。
針ガードのアームが、針の代わりにバルブオープナーのクリップシートによって外側に付勢され、針先が2つの遠位壁の近位に移動する場合、アームは、針の輪郭変化部が針ガードの近位壁の周縁に接触するまで付勢されたままとなる。輪郭変化部が周辺部に接触した時点から針をさらに動かすと、アームの遠壁がバルブオープナーのクリップシート又はバルブオープナーのアームから離れるまで、近位壁、ひいては針ガード全体が近位方向に移動する。その際、針ガードの遠位壁は径方向内側に移動し、針の遠位先端を保護位置でブロックする。
針が近位方向に移動し続け、針の輪郭変化部144が針ガード132の近位壁の周辺部282に係合すると(図4)、針ガード132は針108と共に近位方向に移動する。また針ガード132は、針軸109をクランプして、針クリンプを利用することなく、針と一体的にカテーテルハブ102から取り外すことができる。なお、針ガード132が針先110を覆う保護位置では、バルブ136及びバルブオープナー134は、カテーテルハブ102の内部キャビティに残る。このように、バルブ136及びバルブオープナー134は、針の準備位置及び保護位置の両方で、カテーテルハブ102の内部に位置する。別の観点から見ると、バルブ136及びバルブオープナー134は、針の先端がカテーテルチューブ104の遠位開口112(図1)から突出しているカテーテル組立体100の使用準備位置と、針108がカテーテルハブ102から取り外され、針の先端110が針ガード132によって覆われているカテーテル組立体100の保護位置との両方で、カテーテルハブ102の内部に位置する。
次に図6を参照すると、カテーテルハブ102は、その近位開口に配置した雄型医療器具220と共に示されている。雄型医療器具又は器具220は、雄型ルアー、シリンジチップ、IVセットコネクタ、又はルアーテーパを有する他の雄型チップとすることができる。議論の目的のため、雄型医療器具は、雄型先端部50を有する。例えば、雄型医療器具は、IVチューブに接続することができ、このIVチューブは、雄型医療器具220、カテーテルハブ102、及びカテーテルチューブ104を介して流体を供給し、患者に流体療法を提供するために、IV流体源に接続される。
まず、雄型医療器具220、本明細書の雄型先端部50をカテーテルハブ102の近位開口に挿入するとき、雄型先端部は最初に、バルブオープナー134の2つのバルブオープナーアーム152に接触し、バルブ136を開放するために2つのバルブオープナーアーム152に遠位方向の力を付与する。バルブオープナーアーム152の近位端面151は、先に述べたように、雄型医療器具220の遠位端面125のための接触面を提供することができる。バルブオープナーアームは、接線方向の点でカテーテルハブの内壁に接触するように設計することもできる。このように、バルブオープナーアーム152は安定しており、外側への撓みに抵抗することができる。この配置により、比較的薄いバルブオープナーアームが雄型医療器具220とカテーテルハブ102の内壁との間に挟まるのを回避することができる。遠位方向に向けられた力は、雄型先端部220及びカテーテルハブ102の近位開口121の幾何学的形状が雄型先端部50のさらなる遠位方向への前進を停止するまで、バルブオープナー134を遠位方向に移動させる。一例では、カテーテルハブ102の雌型ルアーテーパと雄型先端部220の雄型ルアーテーパがルアー係合を形成し、雄型先端部のカテーテルハブの開口へのさらなる遠位への前進を阻止する。ルアー係合によってシールが提供され、カテーテルハブ102の近位開口121から流体が漏洩するのを防止することができる。
雄型チップ220の遠位前進によってバルブオープナー134が遠位に移動すると、バルブオープナー134のヘッド150、すなわちノーズ端が遠位に押し付けられ、バルブ136の近位に面した表面を押圧する。特に、バルブオープナー134の遠位端は、まずバルブ136の近位に面した表面を押圧する。バルブ136がカテーテルハブ102内に固定されると、バルブ136のフラップは、雄型チップ220によって遠位方向に押し付けられるバルブオープナー134によって遠位方向及び径方向に押し出される。例えば、ヘッド150は、バルブ136に接触して遠位方向に押し、それによってバルブ136のバルブ開口325を通る流路226を開放する。その後、雄型先端部220からの流体は、カテーテルハブ102、バルブ136及びカテーテルチューブ104を流動することができる。また、注射器や真空採血管などの雄型医療器具によって吸引を行い、患者から血液を吸い込むことができる。これは、輸液療法が開始される前のテストサンプルのために行われることが多い。また一般には、輸液療法が開始される前に、残存する血液がまずカテーテルハブ102の内部から洗い流される。
次に、図10Aから図10Dを参照すると、カテーテルハブ102内に配置される前の、本開示の追加的な態様に係るバルブアクチュエータ又はバルブオープナー134の端面図、斜視図、上面開放図、及び上面閉鎖図がそれぞれ示されている。本実施形態のバルブオープナー134は、貫通開口164と、ヘッド150から直接的又は間接的に近位方向に延びる、脚要素又は細長延長部とも呼ばれる一対のバルブオープナーアーム152とを備える、ヘッド、ノーズ部又はノーズチップと略されることもあるアクチュエータヘッド150を備えることができる。ヘッド部又はノーズ部は、バルブオープナーの遠位端に配置され、バルブを開放するためにバルブ内に押し込まれるように構成されている。貫通開口164は、使用準備位置で組立て中に針が通過し、成功した静脈穿刺後又は静脈アクセス後に、流体投与中に流体が流れることを可能にする。
本実施形態のバルブオープナー134は、いくつかの例外を除いて、本明細書の他の箇所に記載されたバルブオープナー134と同様の態様を共有する。本実施形態では、アクチュエータヘッド150は、任意の放射状の遠位端270を有する略円筒形状の本体158と、2つのバルブオープナーアーム152とを有する。各オープナーアーム152は、近位端151を有し、2つの近位端151は、2つのオープナーアームの第1位置では、互いに第1距離だけ間隔を空けられ、2つのオープナーアームの第2位置では、互いに第2距離だけ接近して押圧又は移動される。以下でさらに説明するように、第2距離は第1距離よりも小さい。第1、第2などの用語は、単なる代用語又は識別子であり、文脈がそうでないことを示さない限り、単に2つの異なる位置を区別するのに役立つ。異なる言い方をすれば、本実施形態のバルブオープナー134は、針ガードとの結合又は取付けを容易にするために、それぞれの近位端151で離間するよう拡大された後、針ガードを閉鎖するために一緒に移動させることができるバルブオープナーアーム152を用いて製造することができる。バルブオープナー134のこの構成は、間隔を空けたバルブオープナーアーム152が、組立て中に針ガードとバルブオープナーを一緒に結合するために拡大された入口又は開口として機能するので、組立て中の針ガードの圧縮又は歪みを最小限に抑えることができる。
本実施形態では、アクチュエータヘッド150は、バルブ136を開放するための静脈穿刺が成功した後に、雄型ルアーチップによって前進させられたときの1回限りの作動のために形成されている。例えば、アクチュエータヘッド150の本体158は、バルブ136の1以上のスリットを通って突出させることができ、雄型ルアーチップが取り外された後でもバルブに取り付けられたままである。他の例では、バルブ136は、十分な弾性力を有するように構成することができ、及び/又は、アクチュエータヘッド150の本体158は、多目的バルブシステムのために、雄型ルアーチップの除去後にバルブアクチュエータを近位方向に移動させる構成力を付与するために、バルブフラップのためのより大きなテーパを有するサイズとされる。必要に応じて又は追加で、螺旋状延伸ばね又は弾性ガスケットを使用して、カテーテルハブの近位端から雄型ルアーチップを取り外した後に、バルブアクチュエータ134がバルブから離れて近位方向に移動するのを補助するための外部軸力を提供してもよい。
本バルブオープナー134は、アームのそれぞれの近位端151を見たときに、2つのバルブオープナーアーム152が互いに径方向に間隔を空けて製作されている。この間隔を空けた構成では、図10Aから図10Cに示すように、拡大された間隙154は、アームの第1位置において、2つの離間したアクチュエータアーム又はバルブオープナーアーム152によって区画されるか、又はその間に設けられる。しかし、図10Dに示すように、2つのアーム152が第2位置で一緒に移動されると、2つのアーム152の間隙154は減少する。このように、本バルブアクチュエータ134は、2つのアーム152がそれぞれの第1位置にある第1寸法を有する2つのバルブオープナーアーム152の間隙154と、2つのアームがそれぞれの第2位置にある第2寸法を有する2つのバルブオープナーアームの間隙とを有する。第2寸法を有する第2位置にある間隙154は、第1寸法よりも小さく、ほぼゼロまで小さくすることができる。2つのバルブオープナーアーム152がそれぞれの近位端151で互いに間隔を空けていることに起因する、間隙154のより大きな第1寸法は、以下でさらに議論されるように、バルブオープナー134を針ガードと結合するため、又は針ガードをバルブオープナーに取り付けるための十分なスペースを提供する。このように、バルブオープナー134は、バルブオープナーの第1構成において拡大された間隙154、すなわち開口を設けることにより、組立てを容易にするように構成されており、この開口は、バルブオープナー134を針ガード132(図4)と対にした後、バルブオープナーの第2構成で縮小させることができる。この配置により、針ガードのアーム288、290、及び針ガードの遠位壁300、302(図4)を、バルブオープナー134の2つのアクチュエータアーム152及び2つのブリッジ155によって画定される開口278をから取得するために、針ガードを曲げる及び/又は圧縮することを最小限に抑えながら、バルブオープナー及び針ガードの組付けを行うことができ、針ガードを損傷させることが可能となる。
図10Dに示すように、2つのバルブオープナーアーム152に接続する2つのブリッジ又はスタビライザ要素155が組み込まれている。図示された構成であるとき、バルブオープナー134は、遠位キャビティ開口すなわちチャンバ386と、近位キャビティ開口すなわちチャンバ387とを有する。図10Aから図10Cに示すように、2つのブリッジ155のそれぞれは、部分ブリッジすなわち部分スタビライザ要素155a、155bから形成されている。特に、2つのオープナーアーム152は、一対の部分ブリッジ又はスタビライザ要素155a、155bをそれぞれ備える。2つのバルブオープナーアーム152がそれぞれの第2位置で接近すると、4つの部分ブリッジ又は部分スタビライザ要素155a、155bは、合わせ目272を有する2つのブリッジ又はスタビライザ要素155をそれぞれ形成される。一例では、2つの隣接する部分ブリッジ155a、155bは、ブリッジ155を形成するために接触した後、接着、糊付け、又は溶接などによって、互いに固定することができる。さらに他の例では、部分ブリッジは、機械的係合でスナップするために、内縁155cに沿う留め具を備えることができ、任意で接着又は溶接を行うことができる。別の例では、隣接する部分ブリッジ155a、155bは、ブリッジ155を形成するために接触した後、互いに固定はされていないが、以下でさらに説明するように、バルブアクチュエータ134がカテーテルハブ内に配置されたときに、カテーテルハブの内面289によって拘束される。図10Dに示すように、アーム152を一緒に動かすと、2つのブリッジ155と2つのアクチュエータアーム152によって開口278が画定される。図10Dに示す構成において、2つのブリッジ155の間で、近位キャビティ開口又はチャンバ387から遠位キャビティ開口又はチャンバ386に物体を移動させるためには、物体は開口278を通って移動させる必要がある。その結果、2つのブリッジ155及び2つのアクチュエータアーム152によって画定される開口278の最大寸法よりも大きい輪郭を有する物体は、その中を通過するために、開口278よりも小さくなるように圧縮されるか、又は歪められる必要がある。したがって、第1位置及び第2位置を有するスタビライザ要素155を備えたバルブオープナーを提供することによって、物体は、いかなる又は過度の歪みもなくバルブオープナーに結合することができる。
引き続き図10Dを参照すると、各ブリッジ又はスタビライザ要素155は、遠位端394a及び近位端394bを備える。一例では、ブリッジ155の遠位端394a及び近位端394bはそれぞれ互いに平行である。バルブアクチュエータ134の長軸に対して、遠位及び近位端394a、394bは、直交しているか、又は長軸に対して角度を付けることができる。さらにまた、対向するブリッジ又は他のブリッジの端と比較して、端は、図10Dに示すように、互いに異なる角度を有することができ、又図13Aから図14Bに示すように、互いに平行にすることができる。
2つのスタビライザ要素155の遠位縁394aは、遠位壁300と2つのアーム288、290のうちの弾性アーム288との間の交差部又はエルボ304が、針ガードが使用準備位置で近位方向に移動するのを防止し、又、静脈穿刺が成功した後の針の後退中に係合又は隣接するための表面構造を提供する。このように、2つのスタビライザ要素又はブリッジ155は、使用準備位置で、静脈穿刺成功後の針の引込み時、針ガードをバルブアクチュエータ134に保持する。針ガードを2つのブリッジ155に係合させ、より具体的には2つのブリッジの2つの遠位縁394aに隣接させるか、あるいは2つのブリッジ155を配置して針ガードの近位移動を阻止することにより、針ガード132は、図7などを参照して前述したように、カテーテルハブ102内部のガード係合部210に係合させる必要はない。しかしながら、針ガード132の2つのアーム288、290がもはや針によって外側に付勢されていない場合、針ガードの2つのエルボ304での対角線寸法は、2つのブリッジ155での開口サイズよりも小さい寸法に減少した後、針ガードが2つのブリッジ155の近位方向に移動することを可能にし、2つのブリッジの遠位端によって妨げられないようにすることができる。
バルブアクチュエータ134は、プラスチック射出成形で形成してもよく、2つのアクチュエータアーム152及び部分ブリッジ155a、155bは、図10Aから図10Cに示すように、第1離間位置に形成してもよい。したがって、図10Dに示すように、アームを一緒に移動させる際に、アーム152は歪んだ状態で保持され、図10Aから図10Cに示す弛緩した状態に戻って開放する傾向がある。一例として、2つのアームは、2組の部分ブリッジ155a、155bを一緒に結合又は接着することによって、図10Dに示す位置に固定することができる。また、バルブアクチュエータをカテーテルハブの内部に配置し、カテーテルハブの内面が2つのアームを拘束することによって、2つのアームを接近させて保持することができる。カテーテルハブの内部とバルブアクチュエータ134との間のクリアランスに応じて、バルブアクチュエータ134の2つのアーム152は、カテーテルハブの制約まで、カテーテルハブの内部で自然に離間させることができる。その結果、カテーテルハブによってのみ制約される場合、2つのブリッジ155の合わせ目272は、線以上に広げることができる。
外側には、2つのアクチュエータアーム152のそれぞれにガイドタブ159を設けることができる。ガイドタブ159は、位置合わせの目的で、カテーテルハブの内部の表面特徴部と協働して、バルブアクチュエータをカテーテルハブの内部に保持することができる。例えば、2つのタブ159は、カテーテルハブの内部に設けられた一対のスロット135(図7)と協働して、バルブアクチュエータがカテーテルハブの長軸を中心に回転するのを防止することができる。また、一対のスロットは、バルブアクチュエータがカテーテルハブの近位開口から近位方向に変位しないように保持することができ、あるいは、任意に、バルブアクチュエータがカテーテルハブの近位開口から近位方向に変位しないように保持するために、カテーテルハブの内部に異なる表面構造を実装することができる。
次に図10Eを参照すると、バルブオープナー134及び針ガード132が針108に取り付けられ、針が針ハブ106に取り付けられた状態が示されている。針ガード132が針に取り付けられると、針は針ガードの2つのアームを外側に付勢する。針ガードが単一のアームを組み込んでいる場合、単一のアームは針によって付勢される。バルブオープナー134は、図10Aから図10Cに示したものと同じものを使用することができる。針ガードは、図2から図4などの他の場所で示され、説明されたものと同じものとすることができる。図10Eに示す構成は、最初に針を針ハブに固定した後、針の針先110の近傍に輪郭の変化部144を追加する前に、針に針ガードを配置することによって、例えば圧着して形成することによって実装することができる。また、針ガードをまず針に配置した後、クリンプを形成するなどして輪郭を変化させる前に針を針ハブに取り付けることができる。
次に、バルブオープナー134は、間隔を空けて配置された2つのアクチュエータアーム152を針ガードに直接移動させ、アーム152をそれぞれの第2位置に接近させたとき、2つのアームのエルボ304が部分ブリッジ155a、155bの遠位にあるようにして、針へとスライドさせることができる。アクチュエータヘッド150の本体158の貫通開口164は、針108及び輪郭の変化部144と干渉することなく容易にスライドさせるのに十分な幅又は大きさを有している。図10Eに示されている部分的に組み立てられた構成要素は、針、ガード、及びアクチュエータのサブ組立体380、又はNGAサブ組立体380と呼ばれることがあり、これは、その略称を単にサブ組立体と呼ぶこともできる。このサブ組立体は、カテーテルチューブを有するカテーテルハブと組み立てる前に、又はバルブオープナーをカテーテルハブの内部に配置する前に、そのように形成される。
ここで、図10F(a)及び(b)を参照すると、NGAサブ組立体380は、カテーテルチューブ104を有するカテーテルハブ102に部分的に挿入された状態で示されている(図10F(a)の状態)。NGAサブ組立体380の挿入中、2つのアクチュエータアーム152は、バルブアクチュエータ134をカテーテルハブの近位開口に挿入するためのクリアランスを提供するために、それぞれの第2位置で一緒に保持される。前述したように、2つのアクチュエータアームは、部分スタビライザ要素を接着又は結合することによって一緒に保持することができる。他の例では、部分スタビライザ要素を係合するために留め具を使用することができる。
図10F(b)は、NGAサブ組立体380がカテーテルハブ102に完全に挿入されて、本実施形態のバルブアクチュエータ134を有するカテーテル組立体100を形成し、針ガードをバルブアクチュエータに組み立てるために針ガードの2つのアームを圧縮又は変形させることなく、カテーテルハブ102の内部に固定された針ガード132を示す。バルブアクチュエータ134は、バルブ136の近傍に位置するように図示されている。図示の例では、バルブは、図8Aに示すフランジに類似しているが、長さを延長され、キャビティを画定するスカートを有することができ、バルブオープナーのアクチュエータヘッドは、スカートのキャビティ内に位置している。別の実施形態では、バルブは、図8Aから図9Bに示されるバルブディスクと同様に、スカートなしとすることができる。針ハブのノーズ部は、カテーテルハブの近位開口に位置していることが示されている。一例では、ノーズ部は、バルブオープナーの近位端152をカテーテルハブ内の所定位置に押し込むために使用することができる。本発明のバルブオープナーは、注入のために、本明細書の他の箇所に記載されたカテーテルハブと共に、図面を参照して説明したバルブオープナーと同様の方法で使用することができる。
図11Aから図11Cは、本開示のさらなる態様に係るバルブアクチュエータ又はバルブオープナー134の端面図、斜視図、及び平面図をそれぞれ示し、バルブアクチュエータ又はバルブオープナーは、本明細書の他の箇所に記載されたカテーテル組立体と共に、図5から図6を参照して説明したバルブオープナーと同様の方法で使用することができる。バルブオープナー134は、いくつかの例外を除いて図10Aから図10Dのバルブオープナー134と同様の態様を共有する。本実施形態では、2つのアクチュエータアーム152は、アクチュエータヘッド150から通常の拡張位置で作製され、図示するように離間していない。さらに、部分スタビライザ要素155a、155bは、図10Aから図10Dの部分スタビライザ要素と比較して、径方向に短くなっている。したがって、アクチュエータアーム152は、部分スタビライザ要素155a、155bがそれらの内縁155cに沿って隣接又は接触するように構成されず、拡大された合わせ目272a及び間隙を備えるので、アーム152は撓むことができるが、バルブアクチュエータの長軸に対して径方向外方又は径方向内方に撓むことは意図されていない。その結果、拡大された合わせ目272aのために、内縁155cが径方向内側の撓みを制限することなく、アーム152がバルブアクチュエータ134の長軸に対して径方向外側又は内側に撓ませるための間隙が提供される。
一例では、二対の部分ブリッジ155a、155bの2つの拡大合わせ目272aのそれぞれは、幅又は間隙154を有する。幅又は間隙は、2つの隣接する部分ブリッジ155a、155bの隣接する内縁155cの間で測定することができる。一例では、各拡大合わせ目272aの幅又は間隙154の寸法は、針ガード132の遠位壁300、302の幅よりも小さく又は狭く、少なくとも、エルボ304(図4)における針ガードのアーム288、290の寸法よりも小さい。この配置により、本発明のバルブアクチュエータ又はオープナー134の2つのブリッジ155は、拡大合わせ目272aがあっても、準備位置での針ガード132の近位移動及び静脈穿刺成功後の針の引き込み中の移動を防止することができる。
針ガードの2つのエルボ304が、バルブアクチュエータ134の遠位キャビティ開口又はチャンバ386において、部分スタビライザ155a、155bの遠位縁の遠位に位置するように、針ガード132を、圧縮したり、屈曲したりすることなく、本実施形態のバルブアクチュエータ134に結合するために、バルブアクチュエータ134の長軸に対して図示されるよりも外側に撓ませ、2つのアクチュエータアーム152を、図11Aから図11cに示す第1位置から、近位端151が図示されているよりもさらに離間している第2位置まで、二対の部分ブリッジの拡大合わせ目272aを広げることができる。ここで、さらに広げられた拡大合わせ目272aにより、針ガードが針に装着される間、2つのアクチュエータアーム152及び4つの部分ブリッジ155a、155bによって画定される開口278を通過するように針ガードを撓ませたり圧縮したりすることなく、バルブアクチュエータ134を針ガード132に配置することを可能とする。その後、2つのアクチュエータアーム152は、弛緩して一緒に接近することができる。
図11D及び図11Eは、図11Aから図11Cのバルブアクチュエータ134と共に使用するための本発明の態様に関して提供されるカテーテルハブ102の端面図及び側断面図を示す。図示されるように、カテーテルハブの内面288には、2つのバンプすなわち突起390が設けられ、これらのバンプすなわち突起390は、組立て中にバルブアクチュエータがカテーテルハブの内部に配置されたときに、2つの拡大合わせ目272aのスペースに整合して占有するように、カテーテルハブの内部に配置されて方向付けられる。
図示されるように、2つの突起390は、カテーテルハブの内部で等間隔に配置されている。2つの突起390は、合わせ目272aの間又は内部に位置するとき、カテーテルハブの長軸を中心としたバルブアクチュエータの回転を防止するために設けられている。また、2つの突起390は、2つの拡大合わせ目272aによって画定される空間の全てではないが大部分を占有することによって、2つのアーム152の内側への撓みを制限するために設けられている。例えば、バルブを開放するためにバルブアクチュエータ134を遠位方向に前進させるためにカテーテルハブに挿入された雄型ルアーチップは、突起がなければ、2つのアクチュエータアーム152が内側に撓む。つまり、突起は、内側への撓みを制限するように動作する。別の実施形態では、カテーテルハブの内部には1つの突起のみが組み込まれている。
組立ての際、まず、本実施形態に係るNGAサブ組立体を形成することができる。NGAサブ組立体は、図10Eで示されたものと同様に、針、ガード、及びアクチュエータを含むことができる。針は、針ハブに取り付けることができる。図11Aから図11Cのバルブオープナーを有するNGAサブ組立体と、図4の針ガード132などの針ガードを備えたNGAサブ組立体とは、サブ組立体をカテーテルハブに組み付ける前、例えば、バルブオープナーと針ガードとを備えた針をカテーテルハブとカテーテルチューブとにスライドさせる前に形成することができる。
ここで図11Fを参照すると、バルブの囲い板又はスカートによって画定された空間にバルブ136及びアクチュエータヘッドの近傍に位置するバルブアクチュエータ134が図示されており、NGAサブ組立体は、カテーテルハブ及びカテーテルチューブに設置又は組み付けることができる。他の例では、バルブは、囲い板又はスカートなしとすることができる。設置された構成では、2つの突起390は、2つのアクチュエータアーム152の間に位置する針ガードの2つのエルボ304の近傍に配置されて図示されている。2つの突起390は、大略、4つの部分ブリッジ155a、155bの遠位端と整列し、部分ブリッジの間に位置する。
図11Fに示すように、2つの突起390は最小内径を画定する。したがって、NGAサブ組立体がカテーテルハブに挿入されると、針ガードの2つのアーム288、290は、2つの突起390の最小内径に収まるように、エルボ304で多少撓ませることができる。しかしながら、NGAサブ組立体を形成する際のバルブオープナーへの針ガードの組付けは、ブリッジ及びバルブオープナーのアームによって画定される開口を通過するために、2つのアームを同程度に圧縮することなく、あるいは全く圧縮することなく行うことができる。
図12Aから図12Cは端面図である。本開示のさらなる態様に係るバルブアクチュエータ又はバルブオープナー134の端面図、斜視図、及び平面図をそれぞれ示しており、このバルブアクチュエータ又はバルブオープナーは、本明細書の他の箇所に記載されたカテーテル組立体と共に、図面を参照して説明したバルブオープナーと同様の方法で使用することができる。本実施形態のバルブオープナー134は、いくつかの例外を除いて、図10Aから図10Dと図11Aから図11Cのバルブオープナー134と同様の態様を共有する。本実施形態では、2つのアクチュエータアーム152は、アクチュエータヘッド150から通常の拡張位置で作製され、単一のブリッジ又はスタビライザ要素155で互いに接続されている。単一のブリッジ155は合わせ目を有しておらず、2つのアーム152がバルブアクチュエータ134の長軸に対して内側又は外側に撓むことを容易には許容しない。
図12Aを具体的に参照すると、本発明のバルブアクチュエータ134は、単一のスタビライザ要素155しか組み込まれていないので、本発明のバルブアクチュエータは、2つのアクチュエータ脚部152及び2つのスタビライザ要素155によって画定される制限又は画定された開口を有していない。別の言い方をすれば、図12Aに明確に示されるように、本実施形態のバルブアクチュエータ134は、径方向に沿って完全に囲まれた構造を有しておらず、ほぼU字型と表現することができる。したがって、本実施形態のバルブアクチュエータ134が針ガード132(図4)に結合されてNGAサブ組立体を形成するとき、バルブアクチュエータは、少なくともバルブアクチュエータ134の開放された底部が第2ブリッジ又はスタビライザ要素を組み込まれていないため、針ガードを圧縮又は歪ませることなく、又は最小量だけ、前後及び上下に操作して針ガード上を移動させることができる。
図12Dを参照すると、針、ガード、及びアクチュエータを備えたNGAサブ組立体380が示されている。針は、針ハブに取り付けられた状態で示されている。図12Aから図12Cのバルブアクチュエータ134は針ガード132上に配置されて図示されている。この針ガードは、第2スタビライザ要素がなくても、バルブアクチュエータの開放された底部の少なくとも一部のため、針ガードを歪ませたり圧縮したりすることなく、又はそうするために最小量だけ組み立てることができる。本実施形態のNGAサブ組立体380は、針をカテーテルハブ及び針ハブに挿入する前に、又はバルブオープナーをカテーテルハブに配置する前に形成することができる。
図12Eは、図12DのNGAサブ組立体380がカテーテルハブ102及びカテーテルチューブ104に挿入されて組み立てられた状態を示し、バルブ136の近傍に位置するバルブアクチュエータ134を示す。図11Dから図11Fのカテーテルハブとは異なり、本発明のカテーテルハブ102には、単一の突起390が組み込まれている。図12Eの設置構成では、単一の突起390は、スタビライザ要素又はブリッジ155のない側で、針ガードの2つのエルボ304のうちの1つの近傍に配置されて図示されている。遠位端及び近位端を有する単一のブリッジ155の位置と、単一の突起390の位置とは、カテーテルハブの長軸の反対側とすることができる。突起390は、ブリッジ155の遠位縁とほぼ一致しており、針ガードのエルボ304の近傍にある。図示の構成では、スタビライザ要素又はブリッジ155及び突起390の両方が、針ガード132が準備位置で近位方向に変位し、静脈穿刺が成功した後の針の引込み中に変位することを防止する。
図12Eに示すように、単一の突起390及び単一のブリッジ155は、カテーテルハブでの最小内径を画定する。したがって、NGAサブ組立体がカテーテルハブに挿入されると、針ガードの2つのアーム288、290は、突起390及びブリッジ155で最小内径に収まるように、エルボ304である程度撓ませることができる。
図13Aから図13Bは、本開示のさらなる態様に係るバルブアクチュエータ又はバルブオープナー134の斜視図及び端面図をそれぞれ示す。このバルブアクチュエータ又はバルブオープナーは、本明細書の他の箇所に記載されたカテーテル組立体と共に、図面を参照して説明したバルブオープナーと同様の方法で使用することができる。本実施形態のバルブオープナー134は、いくつかの例外を除いて、図10Aから図10Dと、図11Aから図11Cのバルブオープナー134と同様の態様を共有する。本実施形態では、2つのスタビライザ要素155は、2つのアクチュエータアーム152が接続され、合わせ目はない。さらに、2つのスタビライザ要素155の輪郭は、ほぼ平坦又は平面である。別の言い方をすると、各スタビライザ要素は、円弧状の輪郭ではなく、平面398で構成されている。さらに、各スタビライザ要素155の遠位端394a及び近位端394bはほぼ平行であり、他のスタビライザ要素又は第2スタビライザ要素の遠位端394a及び近位端394bにほぼ平行である。使用時には、本実施形態のバルブアクチュエータ134を針ガードと組み立て又は結合した後、針で輪郭が変化する前に、組立体を針に取り付けることができる。したがって、NGAサブ組立体は、バルブアクチュエータをカテーテルハブに配置する前に、本発明のバルブアクチュエータで形成することができる。また、本発明のバルブアクチュエータは、針ガード付きの針をカテーテルハブ内に配置し、針ハブのノーズ部を用いて、2つのスタビライザ要素と2つのバルブオープナーアームによって画定される開口から針ガードを押し込む前に、カテーテルハブ内に配置することができる。
図14A及び図14Bは、本開示のさらに別の態様に係るバルブアクチュエータ又はバルブオープナー134の斜視図及び端面図をそれぞれ示し、このバルブアクチュエータ又はバルブオープナーは、本明細書の他の箇所に記載されたカテーテル組立体と共に、図5及び図6を参照して説明したバルブオープナーと同様の方法で使用することができる。本実施形態のバルブオープナー134は、いくつかの例外を除いて、図13A及び図13Bのバルブオープナー134と同様の態様を共有する。本実施形態では、2つのスタビライザ要素155は、2つのアクチュエータアーム152を接続しており、合わせ目はない。さらに、2つのスタビライザ要素155の輪郭は、図13A及び図13Bに示すように、平面ではなく、ほぼ円弧状である。別の言い方をすれば、本実施形態の各スタビライザ要素155は、バルブオープナーの長軸から離れるように湾曲する円弧状又は湾曲した表面400からなる。さらに、各スタビライザ要素155の遠位端394a及び近位端394bはほぼ平行であり、他のスタビライザ要素の遠位端394a及び近位端394bに対してほぼ平行である。使用時には、本実施形態のバルブアクチュエータ134を針ガードと組み立て又は結合した後、針で輪郭が変化する前に、組立体を針に取り付けることができる。したがって、NGAサブ組立体は、バルブアクチュエータをカテーテルハブ内に配置する前に、本発明のバルブアクチュエータで形成することができる。また、本発明のバルブアクチュエータは、針ガード付きの針をカテーテルハブ内に配置し、針ハブのノーズ部を利用して、2つのスタビライザ要素と2つのバルブオープナーアームによって画定される開口から針ガードを押し込む前に、カテーテルハブ内に配置することができる。
本明細書の他の箇所に記載されたカテーテル組立体及びその構成要素の製造方法及び使用方法は、本開示の範囲内である。
本明細書では、カテーテル組立体及びその構成要素の限定的な実施形態を具体的に説明及び図示してきたが、多くの修正及び変形が当業者には明らかである。例えば、針ガードは、1つのピースであってもよいし、全て金属であってもよいし、金属とプラスチックなどのポリマー材料との組み合わせであってもよく、複数のピースから統合することもできる。さらに、1つのカテーテル組立体又は1つの構成要素について具体的に論じられた機能は、互換性のあるものであれば、別のカテーテル組立体又は別の構成要素に含めるために採用することができることが理解され、企図されている。したがって、開示された装置、システム、及び方法の原理に従って構築されたカテーテル組立体及びその構成要素は、本明細書に具体的に記載されたもの以外にも具現化できることが理解される。本明細書に記載のバルブ及びバルブオープナーは、針ハブの雌型ルアーテーパ内に配置することで、針ハブと共に使用することもできる。また、バルブ及びバルブオープナーは、輸液針、採血デバイス、中心静脈カテーテル又は末梢挿入型中心カテーテル(PICC)の雌型コネクタに使用することもできる。言い換えれば、バルブ及びバルブオープナーは、雌型ルアーハウジング又はハブを有する輸液又は体液収集を目的としたあらゆる医療機器に使用することができる。また、本開示は以下の特許請求の範囲に定義されている。