JP6617397B2 - 隔壁部材付きハブ組立体 - Google Patents

隔壁部材付きハブ組立体 Download PDF

Info

Publication number
JP6617397B2
JP6617397B2 JP2014137804A JP2014137804A JP6617397B2 JP 6617397 B2 JP6617397 B2 JP 6617397B2 JP 2014137804 A JP2014137804 A JP 2014137804A JP 2014137804 A JP2014137804 A JP 2014137804A JP 6617397 B2 JP6617397 B2 JP 6617397B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
partition member
hub
pusher
protrusion
peripheral surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014137804A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016013359A (ja
Inventor
裕之 中神
裕之 中神
慎吾 阪本
慎吾 阪本
良介 宮崎
良介 宮崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nipro Corp
Original Assignee
Nipro Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nipro Corp filed Critical Nipro Corp
Priority to JP2014137804A priority Critical patent/JP6617397B2/ja
Publication of JP2016013359A publication Critical patent/JP2016013359A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6617397B2 publication Critical patent/JP6617397B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、医療分野での輸液や輸血、人工透析等に際して血管等への穿刺状態に留置されて用いられる、隔壁部材付きのハブ組立体に関するものである。
従来から、輸液や採血、血液透析等を行うための医療器具の一種として、隔壁部材付きハブ組立体が知られている。例えば特許第4964592号公報(特許文献1)に記載されたニードルアッセンブリ(100)もその一つである。
ところで、かかる特許文献1に記載のニードルアッセンブリ(100)では、ニードルハブ(120)内にシール(142)が組み込まれていると共に、プランジャ(146)の移動でシール(142)が開閉されるようになっている。そして、シール(142)の開閉操作でハブ内の流体通路を連通/遮断できることから、ハブ内の流体通路の開放を阻止して血液等の外部への漏れ出しを防止することができる。
ところが、このような従来構造のニードルアッセンブリ(100)では、シール(142)の開操作に際して、プランジャ(146)からシール(142)へ大きな押込力が及ぼされやすい。そのために、ニードルハブ(120)内でシール(142)が押込方向へ位置ずれしたり組付位置から脱落してしまって、目的とする流体通路における連通/遮断の制御が不安定になるおそれがあった。なお、上記説明文中の()内符号は、特許文献1に記載のものである。
特許第4964592号公報
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、ハブ内に装着されたシール等からなる隔壁部材の位置ずれや脱落が防止されて、隔壁部材による流体通路の連通/遮断が安定してなされ得る、新規な構造の隔壁部材付きハブ組立体を提供することにある。
本発明の第1の態様は、医療分野において人体に接続された流体通路を構成するハブの内部には円板形状の中央部分にスリットを設けたディスク弁が隔壁部材として装着されていると共に、該隔壁部材に対して一方の側に筒状の押し子が配されて、該ハブの内周に組み付けられた押し子ガイドにより該押し子が該流体通路の長さ方向で所定距離移動可能とされており、該押し子が該隔壁部材の該スリットに押し入れられることで該隔壁部材が連通されるようになっている隔壁部材付きハブ組立体において、前記隔壁部材の外周部分において前記流体通路の長さ方向で前記押し子側に向かって突出する環状突部が形成されている一方、前記押し子ガイドにおける該隔壁部材側の軸方向先端部において該環状突部内に入り込む保持部が形成されていると共に、該保持部の外周面と前記ハブの内周面との少なくとも一方には他方に向かって突出する押え突部が形成されて、該環状突部における該押え突部との接触部分該押え突部が食い込んで圧縮された挟圧部とされており、該挟圧部において、該保持部と前記ハブとの間で該隔壁部材の該環状突部が圧縮状態で保持されていることを、特徴とする。
本態様に従う構造とされた隔壁部材付きハブ組立体では、隔壁部材の外周部分に環状突部を設けたことで、押し子ガイドの保持部とハブとの間での隔壁部材に及ぼされる保持力を、かかる環状突部に対して大きな面積をもって及ぼし易くなり、隔壁部材への保持力の向上が容易に図られ得る。
更に、本態様に従う構造とされた隔壁部材付きハブ組立体によれば、環状突部を押え突部で部分的に圧縮することで、押え突部による圧縮部位では大きな挟持力を作用させると共に、それを外れた部分では圧縮部位から押し出された容積相当分で環状突部に厚さ方向への弾性変形作用を及ぼして保持部とハブとの間での保持力を向上させ、全体として環状突部に対して大きな保持力を及ぼすことが可能になる。
このように単に押え突部による挟圧作用で及ぼされる保持力だけでなく、環状突部の全体に対して大きな抜出阻止力が発揮されるのであり、その結果、ハブ組立体における隔壁部材の位置ずれや脱落が効果的に防止されるのである。しかも、環状突部において大きな挟圧力が及ぼされる部位が、押え突部によって局所的とされることから、ハブに対する隔壁部材や押し子ガイド等の組付けも容易に行うことができる。
そのうえで、以下の第の態様に従う構造とされた隔壁部材付きハブ組立体のように、環状突部の特定部位に対して、保持部の外周面またはハブの内周面に形成された押え突部により局所的に大きな圧縮力を及ぼしたことで、ハブに対する隔壁部材や押し子ガイド等の組付けを容易としつつ、ハブ内での隔壁部材の位置ずれや脱落を効果的に防止することを可能となし得た。
本発明の第の態様は、前記第の態様に係る隔壁部材付きハブ組立体において、前記保持部の外周面に押え突部が形成されて、該押え突部と前記ハブの内周面との間で前記隔壁部材の前記環状突部が圧縮状態で保持されているものである。
本発明の第の態様は、前記第又は第の態様に係る隔壁部材付きハブ組立体において、前記ハブの内周面に押え突部が形成されて、該押え突部と前記保持部との間で前記隔壁部材の前記環状突部が圧縮状態で保持されているものである。
なお、これら第の態様は、2つの態様に係る押え突部を相互に組み合わせることも可能であり、例えば、保持部の外周面に押え突部が形成されると共に、ハブの内周面に押え突部が形成されて、かかる保持部の外周面とハブの内周面とで隔壁部材の環状突部が圧縮状態で保持されてもよい。
本発明の第の態様は、前記第又は第の態様に係る隔壁部材付きハブ組立体であって、前記環状突部において前記挟圧部より前記押し子の移動方向の後方側が該挟圧部に比べて厚肉とされているものである。
本態様に従う構造とされた隔壁部材付きハブ組立体によれば、保持部とハブとの間で保持された環状突部が抜け出すには、押え突部で径方向の対向面間距離が狭められた領域を通らなければならない。換言すれば、環状突部は、押え突部で最も圧縮されて薄肉とされた挟圧部よりも抜け出し方向の後方側が厚肉とされているから、かかる厚肉の部分がそれより薄肉の挟圧部を経て抜け出すに際しては、一層大きな抵抗力が及ぼされる。なお、環状突部における後方側は、ハブ内に隔壁部材が組み付けられて挟圧部に圧縮力が及ぼされた状態で該挟圧部より厚肉とされていれば良く、ハブに組み付けられる前の隔壁部材の単品状態での寸法形状は限定されない。
本発明の第の態様は、前記第〜第の何れかの態様に係る隔壁部材付きハブ組立体において、前記押え突部により、前記隔壁部材の前記環状突部における突出方向の基端部が圧縮状態で保持されているものである。
本態様に従う構造とされた隔壁部材付きハブ組立体では、隔壁部材が、環状突部の突出方向の基端部において、押え突部により圧縮されて保持されていることから、環状突部における圧縮部分よりも突出方向先端側の領域が十分な長さや体積をもって確保される。従って、雄コネクタなどが挿入されて、隔壁部材が流体通路の長さ方向に引っ張られる際に、ハブの内周面と押え突部とにより狭幅とされる部分を通過する領域が長くなることから、ハブ組立体への雄コネクタなどの挿入時において、ハブ組立体からの隔壁部材の脱落がより効果的に防止され得る。
本発明の第6の態様は、医療分野において人体に接続された流体通路を構成するハブの内部には円板形状の中央部分にスリットを設けたディスク弁が隔壁部材として装着されていると共に、該隔壁部材に対して一方の側に筒状の押し子が配されて、該ハブの内周に組み付けられた押し子ガイドにより該押し子が該流体通路の長さ方向で所定距離移動可能とされており、該押し子が該隔壁部材の該スリットに押し入れられることで該隔壁部材が連通されるようになっている隔壁部材付きハブ組立体において、前記ハブの内周面に段差状部が設けられていると共に、該ハブの該段差状部において前記押し子側に向かって突出する押え突部が形成されており、前記隔壁部材が前記スリットの形成された中央部分よりも外周側において、該押え突部により前記押し子ガイドとの間で圧縮されて保持されていることを、特徴とする。
本発明の第7の態様は、医療分野において人体に接続された流体通路を構成するハブの内部には円板形状の中央部分にスリットを設けたディスク弁が隔壁部材として装着されていると共に、該隔壁部材に対して一方の側に筒状の押し子が配されて該流体通路の長さ方向で所定距離移動可能とされており、該押し子が該隔壁部材の該スリットに押し入れられることで該隔壁部材が連通されるようになっている隔壁部材付きハブ組立体において、前記隔壁部材の外周部分には前記流体通路の長さ方向で前記押し子側に向かって突出する環状突部が形成されていると共に、前記ハブの内部に組み付けられた部材には該押し子を移動方向へ案内するガイド部と該環状突部に入り込む保持部が設けられており、該保持部の外周面と前記ハブの内周面との少なくとも一方には他方に向かって突出して該環状突部に対して圧縮力を及ぼす押え突部が形成されて、該環状突部における該押え突部との接触部分は該押え突部が食い込んで圧縮された挟圧部とされていることを、特徴とする。
本発明の第の態様は、前記第1〜第の何れかの態様に係る隔壁部材付きハブ組立体において、前記隔壁部材には、前記環状突部の内周に沿って周方向に延びる環状凹溝が形成されており、該環状凹溝に対して前記押し子ガイドの前記保持部が入り込んでいると共に、該隔壁部材において該環状凹溝よりも内周に位置する中央部分に対して前記スリットが形成されているものである。
本態様に従う構造とされた隔壁部材付きハブ組立体では、隔壁部材において、押し子ガイド側に開口する環状凹溝が形成されていると共に、当該環状凹溝内に押し子ガイドの先端が入り込んでいる。これにより、例えば使用時に血圧等の圧力で隔壁部材が押し子側に膨らむように弾性変形させられる際にも、環状凹溝の内周側壁面と押し子ガイドの内周面とが当接することで、隔壁部材の逆流側への弾性変形に対して抵抗力が発揮される。それ故、隔壁部材のスリットを安定して閉鎖状態に保つことができて、隔壁部材からの血液等の逆流方向への漏出が効果的に防止され得る。
本発明の第の態様は、前記第の態様に係る隔壁部材付きハブ組立体において、前記流体通路の長さ方向において、前記中央部分よりも前記環状突部のほうが大きく突出しているものである。
本態様に従う構造とされた隔壁部材付きハブ組立体では、流体通路の長さ方向における寸法が、中央部分よりも環状突部の方が大きくされている。これにより、環状突部の長さ寸法を十分に確保することができて、押え突部とハブの内周面との圧縮作用などによる隔壁部材の保持効果が安定して発揮される。また、中央部分の長さ寸法の増大が抑えられることから、雄コネクタなどの挿入に伴う隔壁部材の中央部分における弾性変形が容易に実現されて、雄コネクタなどが良好に挿入され得る。
本発明の第10の態様は、前記第又は第の態様に係る隔壁部材付きハブ組立体において、前記環状凹溝に挿し入れられた前記押し子ガイドの前記保持部と、該環状凹溝の内周側の壁面との間に、隙間があるものである。
本態様に従う構造とされた隔壁部材付きハブ組立体では、環状凹溝の内周側壁面と押し子ガイドの保持部との間に隙間が設けられていることにより、例えば押し子が隔壁部材の中央部分に押し付けられた初期段階において、隔壁部材が拡径変形させられる場合でも、かかる拡径変形が隙間で吸収されることで、隔壁部材の保持部への押し付けに起因する隔壁部材の開放操作時の変形抵抗が軽減されて、作動の安定性と容易化が図られる。加えて、隔壁部材や押し子ガイドなどの各部材の要求精度を隙間によって軽減することができて、各部材の製造も容易となる。
本発明に従う構造とされた隔壁部材付きハブ組立体では、ハブ内での隔壁部材の位置ずれや脱落が効果的に防止され得る。
本発明の1実施形態としての隔壁部材付きハブ組立体を備える外針ユニットの全体を示す斜視図。 図1に示された外針ユニットの正面図。 図1に示された外針ユニットを拡大して示す右側面図。 図3におけるIV−IV断面図。 図1に示された外針ユニットの要部を拡大して示す縦断面図。 図5におけるVI−VI断面図。 図1に示された外針ユニットの隔壁部材付きハブ組立体を構成する押し子ガイドを拡大して示す平面方向からの斜視図。 図7に示された押し子ガイドの底面方向からの斜視図。 図7に示された押し子ガイドの正面図。 図7に示された押し子ガイドの平面図。 図7に示された押し子ガイドの底面図。 図1に示された外針ユニットの隔壁部材付きハブ組立体を構成する隔壁部材を拡大して示す平面図。 図12に示された隔壁部材を示す底面図。 図12におけるXIV−XIV断面図。 図1に示された外針ユニットの基端側から雄コネクタを挿入して流体通路を連通させた状態を説明するための縦断面説明図。 本発明の別の実施形態としての隔壁部材付きハブ組立体を備える外針ユニットの要部を拡大して示す縦断面図。 本発明の更に別の実施形態としての隔壁部材付きハブ組立体を備える外針ユニットの要部を拡大して示す縦断面図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
先ず、図1〜6には、本発明の1実施形態としての隔壁部材付きハブ組立体10を備えた留置針組立体における外針ユニット12が示されている。本実施形態の外針ユニット12は、隔壁部材付きハブ組立体10の先端に対して中空の外針13の基端が固着された構造とされており、かかる外針ユニット12に対して、図示しない内針を備える公知の内針ユニットが挿通されることにより、留置針組立体が構成される。
また、本実施形態の隔壁部材付きハブ組立体10では、ハブとしての外針ハブ14の内部に、スリット16が形成された隔壁部材としてのディスク弁18が装着されている。そして、外針ハブ14の内部において、ディスク弁18の基端側には筒状の押し子20と筒状の押し子ガイド22が設けられている。この押し子ガイド22により、押し子20が、外針ハブ14の軸方向で所定距離移動可能とされており、押し子20がディスク弁18のスリット16に押し入れられることで、ディスク弁18の先端側と基端側が連通されるようにされている。
なお、以下の説明において、軸方向とは外針ユニット12が構成する流体通路の長さ方向のことであって、図2中の左右方向を言う。また、先端側とは、図2中の左方を言い、基端側とは、図2中の右方を言う。
より詳細には、外針ハブ14は全体として略円筒形状とされており、先端側の口径よりも基端側の口径の方が大きくされている。特に基端側の内周面は、所定長さに亘って開口部に向かって次第に拡径するテーパ形状とされている。外針ハブ14の先端部分には、外針13の基端が流体密に固着されている。これら外針ハブ14と外針13は、何れも合成樹脂材料で形成されており、特に外針ハブ14は硬質とされている。
なお、外針ハブ14の基端側開口部24の外周面には、ねじ山が設けられたロック部28が形成されており、外針ハブ14の基端側開口部24に対してルアーロック式の雄コネクタ等を接続できるようになっている。また、外針ハブ14の外周面には、使用者が把持し易いように複数の凹部30が形成されている。
また、外針ハブ14の内周面には、長さ方向の中間部分に環状の段差32が段差状部として形成されており、段差32よりも先端側の内径寸法が基端側の内径寸法よりも小さくされている。更に、段差32よりも基端側の外針ハブ14の内周面には、係合凸部33が、周上で複数形成されている。なお、かかる係合凸部33は、後述する押し子ガイド22の係合凹部48と対応する軸方向長さと突出高さを有している。
そして、このような外針ハブ14の内部には、段差32に接してディスク弁18が配されていると共に、ディスク弁18の外周部分に対して基端側から重ね合わされるようにして押し子ガイド22が配されており、かかる押し子ガイド22内に先端部分が挿入された状態で押し子20が組み付けられている。そして、外針ハブ14の内部において、押し子20の先端がディスク弁18に対して軸方向で対向配置されている。
かかる押し子20は、軸方向両端が開口する略円筒形状とされており、軸方向略全長に亘って直線的にのびる通孔を形成する内周面34を備えている。また、押し子20の先端部分36の外周面は、先端側に向かって次第に小径となるテーパ面形状とされている。一方、基端部分38は、外周面が段差状に拡径されていると共に、内周面は基端側に向かって次第に拡径するテーパ形状とされている。
また、押し子20の軸方向中間部分の外周面は、先端部分36の最大外径寸法と基端部分の外径寸法との何れよりも小径とされている。これにより、押し子20の軸方向中間部分の外周面が、周方向の全周に亘って連続して延びる凹溝40とされている。そして、凹溝40の先端側の壁面が、外針ハブ14内での押し子20の初期位置において押し子ガイド22に係止されて軸方向に位置決めされる係止面42とされている。
この押し子20の先端部分36が内挿されて組み付けられた押し子ガイド22は、図7〜11に示されているように、全体として略円筒形状とされており、軸方向略全長に亘って直線状に延びる挿通孔を形成する円形の内周面43を備えている。押し子ガイド22の外周面は、外針ハブ14の内周面に嵌め入れられる嵌着面とされている。
また、押し子ガイド22の内周面43における基端部分には、内周側に突出する突出部44が、周方向に連続した環状に形成されている。そして、この突出部44が、押し子ガイド22に差し入れられた押し子20の外周面の凹溝40内に入り込んでいる。また、押し子20の初期位置において、押し子20の係止面42が突出部44の軸方向先端の係止面46に当接することにより、押し子20の押し子ガイド22からの基端側への抜け出しが阻止されて位置決めされるようになっている。
なお、突出部44の内径寸法は、押し子20の凹溝40の底部外周面の径寸法と略同じか僅かに大きくされており、突出部44の突出先端面により、凹溝40の底壁面を保持させると共に、押し子ガイド22内で押し子20を略同軸的に支持して案内するようになっている。また、押し子ガイド22の内径寸法は、押し子20における先端部分36の最大外径寸法と略等しいか僅かに大きくされている。
また、押し子ガイド22の外周面は、外針ハブ14の段差32よりも基端側の内周面と略等しくされており、押し子ガイド22の外周面の略全面が、外針ハブ14の段差32よりも基端側の内周面に対して当接状態で同軸的に保持されるようになっている。なお、押し子ガイド22の外周面における軸方向中間部分には、周方向の全周に亘って連続して延びる係合凹部48が設けられている。そして、外針ハブ14の係合凸部33と押し子ガイド22の係合凹部48との凹凸係合により、押し子ガイド22が外針ハブ14に対して軸方向で位置決めされて組み付けられている。
さらに、押し子ガイド22の先端側端面50には、内周縁部から先端側に向かって軸方向に突出する保持部52が一体形成されている。この保持部52は、周方向の全周に亘って連続した円筒形状とされており、後述するディスク弁18の環状突部60内に入り込むことで、外針ハブ14の内周面と保持部52の外周面とで環状突部60を径方向で挟み込み、ディスク弁18を保持するようになっている。
また、かかる保持部52の先端部分における外周面には、外周側に突出する押え突部54が形成されている。この押え突部54は、周方向の全周に亘って連続して延びており、矩形断面を有する円環形状の突条とされている。
本実施形態では、保持部52は、押し子ガイド22に内挿されて係止面46で後端側に位置決めされた押し子20の先端よりも、更に軸方向先端側にまで突出して形成されている。そして、この保持部52が、後述するディスク弁18の環状凹溝58に入り込んで、保持部52および押え突部54の先端面が環状凹溝58の底壁面に当接させられることで、ディスク弁18の外周部分を外針ハブ14に対して保持させるようになっている。押え突部54の外径寸法は、ディスク弁18の組付状態において、後述するディスク弁18の環状突部60の内径寸法より大きくされて、環状突部60の内周面に密着状態で重ね合わされるようになっている。
なお、上述の外針ハブ14や押し子20、押し子ガイド22は、作用する外力に対して実質的に変形することなく初期形状を保ち得る程度の剛性を備えている。好適には、硬質の合成樹脂材料で形成されたものが採用され得る。
一方、かかる押し子ガイド22により、外周縁部を外針ハブ14に対して固定的に保持されて組み付けられたディスク弁18は、図12〜14に単品状態で示されている。このディスク弁18はゴムやエラストマー等の弾性材により形成されることで弾性変形可能な弁体とされており、厚さ寸法(図14中の上下方向寸法)が略一定とされた厚肉円形の中央部分56には、三又形状のスリット16が貫通して形成されている。なお、かかるスリットは、直線状や十文字形状、中心から4方向以上に延び出す放射形状であってもよい。
また、ディスク弁18の基端側端面(図14中の下端面)には、外周縁近くを所定の径方向幅寸法で周方向の全周に亘って連続して延びる溝状の環状凹溝58が形成されている。なお、本実施形態では、ディスク弁18の単品状態での中央部分56の外径寸法が、押し子ガイド22の保持部52の内径寸法と略同じか僅かに小さくされていると共に、環状凹溝58の径方向幅寸法は、押し子ガイド22における保持部52および押え突部54の先端面の径方向幅寸法と略同じかそれよりも大きくされている。
さらに、ディスク弁18の外周縁部からは、基端側に向かって突出する環状突部60が一体形成されている。この環状突部60は、周方向の全周に亘って連続して形成されて略円筒形状とされており、環状凹溝58の外周側の壁部がそのまま基端側に延長されるようにして環状突部60が設けられている。
この環状突部60の基端側端面は、中央部分56の基端側端面よりも軸方向で基端側に大きく突出している。換言すれば、ディスク弁18の軸方向厚さ寸法が、中央部分56よりも外周部分の環状突部60において大きくされている。
かかるディスク弁18の単品状態での外径寸法は、外針ハブ14における段差32の外径寸法よりも僅かに大きくされている。これにより、ディスク弁18が外針ハブ14に組み付けられた状態では、ディスク弁18に対して径方向の圧縮力が及ぼされて、スリット16を閉鎖状態に保持する応力が与えられるようになっている。
上記の如き構造とされた外針ハブ14に対して、ディスク弁18と押し子20と押し子ガイド22とが組み付けられることにより、本実施形態の隔壁部材付きハブ組立体10が構成されている。これらの組み付けは、例えば予めディスク弁18と押し子20と押し子ガイド22とを組み付けておき、これらの組付体を、外針ハブ14の基端側開口部24から、係合凸部33と係合凹部48が係合するまで圧入することにより実現され得る。
組付状態における隔壁部材付きハブ組立体10では、ディスク弁18の先端面における外周端部が、外針ハブ14における内周面の段差32に当接している。一方、ディスク弁18の基端面に設けられた環状突部60の基端側端面が押し子ガイド22の先端側端面50に当接していると共に、環状凹溝58の底壁面が押し子ガイド22の保持部52および押え突部54の先端面に当接している。これにより、ディスク弁18の外周端部が、外針ハブ14における内周面の段差32と押し子ガイド22の先端側端面50、保持部52および押え突部54とにより軸方向で挟持固定されている。なお、これらはゼロタッチで当接していてもよいが、本実施形態では、軸方向で押し付けられて、ディスク弁18の外周端部が径方向だけでなく軸方向でも圧縮されている。或いは、保持部52および押え突部54が環状凹溝58に入り込んだ状態で、環状凹溝58の底壁面と保持部52および押え突部54の先端面とは離隔していてもよい。
かかる組付状態では、ディスク弁18が外針ハブ14の内周面により径方向で圧縮されることから、環状突部60の内外周面が保持部52の外周面および外針ハブ14の内周面に押し付けられて圧縮されると共に、保持部52から外周側に突出する押え突部54が、ディスク弁18の環状突部60の突出基端部分に対して、内周側から外周側に食い込むようにして圧縮する。これにより、ディスク弁18の環状突部60における押え突部54と接触する部分が、当該押え突部54により径方向で更に圧縮される挟圧部62とされている。かかる挟圧部62が環状突部60の突出基端部分に形成されることにより、挟圧部62よりも基端側が、挟圧部62に対して厚肉となるようにされている。また、ディスク弁18が外針ハブ14の外周面により径方向で圧縮されることから、ディスク弁18の環状凹溝58の内周側の壁面と押し子ガイド22の保持部52の内周面との径方向間には、径方向に広がって周方向の全周に亘って連続する円環形状の隙間64が形成される。
さらに、上記の如き組付状態では、ディスク弁18の中央部分56の基端面と押し子20の先端面とが当接していることが好適である。これにより、押し子20の先端側の位置を規定することができて、押し子20がディスク弁18と押し子ガイド22との間で軸方向で位置決めされ得ると共に、押し子20が軸方向に対して傾くおそれが低減され得る。
上記の如き構造とされた隔壁部材付きハブ組立体10の先端に対して、外針13の基端が固着されることにより、本実施形態の外針ユニット12が構成されている。外針13としては、従来公知のものが採用され得て、例えば特許文献1に示されるようにステンレス鋼などにより形成された金属製の中空針とされてもよいが、適度な可撓性を有する材料、例えば各種の軟質樹脂により形成されてもよい。また、外針13の先端部には、先細となるテーパ状外周面66が形成されて、生体への穿刺抵抗が軽減されていると共に、外針13の先端部の周壁には、複数の貫通孔68が設けられて、外針13に対する流体の流通効率の向上が図られている。
さらに、かかる外針ユニット12に対して、内針を備える内針ユニットを挿通することにより、留置針組立体が構成される。この内針ユニットとしては、例えば特開2012−130523号公報に記載の内針ハブ(12)から内針(10)が延び出している構造などが挙げられる。尤も、上記公報に記載の内針ハブ(12)には針先保護用プロテクタ(78)が設けられているが、このような針先保護のための構造は必須ではない。また、内針は中実針であってもよい。なお、外針ユニット12に対して内針ユニットを挿通することにより、内針がディスク弁18の中央部分56のスリット16に挿通されるが、押し子20の位置は図4等に示される初期位置に位置しており、ディスク弁18が大きく弾性変形させられることはない。
上記の如き構造とされた留置針組立体を使用するに際しては、先ず、留置針組立体を患者の血管に穿刺した後、内針ユニットを外針ユニット12から基端側に引き抜くことにより、外針ユニット12を患者の血管に穿刺された状態で留置する。その際、ディスク弁18から内針が抜去されることにより、ディスク弁18が初期形状に復元されて、スリット16が閉鎖される。これにより、患者の血液が、外針ユニット12内において、ディスク弁18より基端側へ逆流して漏れ出すことが防止され得る。
そして、図15に示されているように、外側ユニット12の基端側から雄コネクタであるシリンジ70の先端部分を挿入して、外側ユニット12の基端側開口部24に対して解除可能にテーパ係合して接続させる。または、雄コネクタとしてルアーロックコネクタが採用される場合には、ロック部28に対してねじ固定して接続させる。これに伴い、押し子20がシリンジ70の先端部分により軸方向先端側に押し込まれると共に、押し子20の先端部分36がディスク弁18のスリット16に押し入れられる。この結果、ディスク弁18の中央部分56が軸方向先端側に弾性変形し、スリット16が開放されて、ディスク弁18の基端側と先端側が連通する。これにより、シリンジ70の内部領域から外針ユニット12の内部を経て、患者の血管内へと至る流体通路72が構成される。かかる流体通路72を通じて、輸液や輸血、採血等が実施される。
なお、押し子20が軸方向先端側に押し込まれる際には、押し子20の外周面が、押し子ガイド22、および押し子ガイド22に設けられた突出部44の内周面にゼロタッチで当接、または僅かな離隔距離を隔てて離隔していることから、押し子20は、押し子ガイド22の内周面に沿って移動して軸方向先端側のディスク弁18に押し込まれる。或いは、軸方向に対して傾斜したとしても、僅かな傾斜角度をもって、押し子20がディスク弁18に押し込まれる。
そして、治療後または治療中断時には、シリンジ70を外針ユニット12の基端側開口部24から引き抜くことにより、ディスク弁18が初期形状に復元変形すると共に、この弾性復元力によって押し子20が基端側に押し戻される。かかる押し子20の基端側への移動は、ディスク弁18が初期形状に復元するか、押し子20と押し子ガイド22のそれぞれの係止面42,46が当接することによって制限される。かかる操作は片手で行うことができて医療従事者の労力を軽減させ得るだけでなく、他の治療も同時に行うことができることから、治療の効率も向上させることができる。
上記の如き構造とされた本実施形態の隔壁部材付きハブ組立体10では、ディスク弁18の外周端部が、外針ハブ14の内周面に設けられた段差32と押し子ガイド22との軸方向間で挟持されるだけでなく、ディスク弁18に設けられた環状突部60が、押し子ガイド22の先端に設けられた保持部52と外針ハブ14との径方向間でも挟持される。これにより、ディスク弁18が外針ハブ14に対して安定して支持されて、シリンジ70の挿入時において、ディスク弁18に対して軸方向先端側への押込力が及ぼされても、外針ハブ14からのディスク弁18の位置ずれや脱落のおそれが低減され得る。
また、本実施形態では、保持部52における先端の外周面に押え突部54が設けられており、この押え突部54が環状突部60の突出基端部分に位置して、外針ハブ14との径方向間で、当該部分を特に圧縮して挟圧部62を形成している。これにより、シリンジ70の挿入時において、ディスク弁18に対して軸方向先端側への押込力が及ぼされて、ディスク弁18が軸方向先端側へ引っ張られても、挟圧部62において、ディスク弁18の外針ハブ14に対する固定力が大きくされていることから、外針ハブ14からのディスク弁18の位置ずれや脱落のおそれが一層低減され得る。
すなわち、外針ハブ14と保持部52との間で保持された押え突部54では、かかる保持部52からの抜け出し方向の先端側が最も圧縮されて薄肉とされた挟圧部62とされていることから、かかる挟圧部62よりも抜け出し方向の後方側が厚肉とされることで、当該厚肉の領域が押え突部54と外針ハブ14との間で首を締めるように狭められた狭窄対向面間を通って抜け出し難くなっており、機械的なアンカー効果による抜け出しの阻止力も有効に発揮され得る。
さらに、ディスク弁18における押え突部54の外周部分は、押え突部54が食い込んで圧縮された体積相当分が押え突部54から軸方向に逃げることから、環状突部60に対する外針ハブ14および保持部52の押し付け面圧を増大させることができる。この結果、環状突部60と外針ハブ14および保持部52との摩擦を大きくすることができて、外針ハブ14からのディスク弁18の位置ずれや脱落が効果的に防止され得る。
更にまた、本実施形態では、保持部52および押え突部54の先端がディスク弁18の環状凹溝58内に入り込むことから、例えば血圧によりディスク弁18が軸方向基端側に膨らんで弾性変形する場合にも、かかる弾性変形が効果的に制限される。即ち、ディスク弁18が軸方向基端側に弾性変形する際には、環状凹溝58の内周側壁面と保持部52の内周面とが当接して、それ以上の弾性変形が制限される。これにより、ディスク弁18が軸方向基端側へ弾性変形してスリット16が開放されることによる血液の漏出が、効果的に防止され得る。
また、本実施形態のディスク弁18では、中央部分56の軸方向厚さ寸法に比べて、環状突部60の形成部位における軸方向厚さ寸法が大きくされており、即ち、中央部分56の厚さ寸法を小さく抑えつつ環状突部60の厚さ寸法を大きくしている。これにより、環状突部60によるディスク弁18の支持力が十分に確保されると共に、シリンジ70挿入時における中央部分56の弾性変形の容易性も十分に確保される。
特に、本実施形態では、保持部52と環状凹溝58の内周側壁面との間には隙間64が設けられていることから、押し子20がディスク弁18の中央部分56に押し付けられて弾性変形し始める際において、中央部分56の拡径変形が容易に許容される。これにより、中央部分56の弾性変形の容易性、即ちシリンジ70の挿入容易性が向上され得る。また、かかる隙間64により、ディスク弁18や押し子ガイド22などの各部材において、要求される寸法精度を軽減することができて、これら各部材の製造が容易とされ得る。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、本発明はその具体的な記載によって限定されることなく、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良などを加えた態様で実施され得るものであり、また、そのような実施態様も、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも本発明の範囲内に含まれる。
例えば、前記実施形態では、隔壁部材付きハブ組立体10の先端に外針13が固着されており、かかる外針ユニット12に対して内針ユニットが挿通されて留置針組立体が構成されていたが、隔壁部材付きハブ組立体10の先端にはカテーテルやチューブが固着されることにより、外針ユニットに対して内針ユニットが挿通されて留置用カテーテル組立体などが構成されてもよい。このような留置用カテーテル組立体などにおいても、ハブの内部に装着された隔壁部材の位置ずれや脱落が効果的に防止され得る。
また、前記実施形態では、環状突部60の内周面に対して保持部52の外周面が押し付けられていたが、ゼロタッチで当接していたり、隙間をもって対向位置していてもよい。更に、環状突部60の基端側端面と押し子ガイド22の先端側端面50との対向面間にも隙間が形成されていてもよい。
更にまた、前記実施形態では、保持部52が環状凹溝58に入り込むと共に、保持部52の先端部分における外周面に押え突部54が形成されて、環状突部60の突出基端部分を圧縮するようにされていたが、かかる態様に限定されない。即ち、押え突部が、保持部の軸方向中間部分に形成されて、環状突部の突出方向中間部分が圧縮されていてもよいし、保持部が環状突部の突出方向中間部分までの長さとされて、かかる保持部の先端部分に押え突部が設けられることで、環状突部の突出方向中間部分が圧縮されてもよい。また、本発明において、環状凹溝58は必須でなく、所定厚さの円板形状を有するディスク弁の外周縁部から環状突部60だけを基端側に向かって軸方向に突出形成しても良い。
さらに、本発明において、保持部52の内周面とディスク弁18の環状凹溝58における内周側の壁面との隙間64は必須なものではない。即ち、隔壁部材付きハブ組立体10の組立状態において、保持部52の内周面とディスク弁18の中央部分56における外周面は当接していてもよく、これにより、ディスク弁18が基端側に弾性変形させられることが一層有利に制限されて、血液の漏出防止作用が更に効果的に発揮され得る。
また、前記実施形態では、環状突部60、保持部52、環状凹溝58、押え突部54、段差32などが何れも周方向の全周に亘って連続して形成されていたが、それらの少なくとも一つを周方向で断続的に形成することも可能である。
更にまた、前記実施形態では、環状突部60の基端側端面が中央部分56の基端側端面よりも軸方向に突出して形成されていたが、それら環状突部60と中央部分56の軸方向端面の位置は特に限定されない。
また、前記実施形態では、環状突部60が軸方向に延びる略円筒形状とされていたが、例えば環状突部の内周面や外周面から径方向に突出する突起などを設けてもよい。
さらに、前記実施形態では、保持部52の外周面に押え突部54が形成されていたが、かかる態様に限定されない。即ち、図16に示されるように、押え突部74は、例えば外針ハブ14の内周面から内周側に向かって突出して形成されて、かかる押え突部74と保持部52との間でディスク弁18の環状突部60が圧縮状態で保持されてもよい。従って、図16に示される態様では、環状突部60において、押え突部74と保持部52との径方向間で挟まれて圧縮されている部分が挟圧部62とされており、環状突部60における挟圧部62よりも基端側は、挟圧部62よりも厚肉とされている。或いは、図17に示されるように、押え突部76は、例えば外針ハブ14における内周面の段差32から基端側に向かって略軸方向に突出して形成されてもよい。このような押え突部76により、保持部52と外針ハブ14との間において径方向等で環状突部60が圧縮状態で保持されたり、押え突部76と押し子ガイド22との間において軸方向等でディスク弁18における環状突部60の基端側部分とされるディスク弁18の外周部分等が圧縮状態で保持されてもよい。従って、図17に示される態様では、ディスク弁18において、押え突部76と押し子ガイド22との軸方向間で挟まれて圧縮されている部分が挟圧部62とされている。なお、上述の押え突部54,74,76は適宜に組み合わせて採用されてもよく、例えば保持部の外周面と外針ハブの内周面に押え突部が形成されて、かかる保持部の外周面と外針ハブの内周面との間で隔壁部材の環状突部が組付け前に比べて薄肉化されるように圧縮状態で保持されてもよい。また、環状突部は、押え突部により圧縮された挟圧部よりも押し子の移動方向の後方側(基端側)が厚肉とされていることが好ましいが、この場合、当該厚肉部分は挟圧部同様圧縮状態であってもよいし、非圧縮状態であってもよい。尤も、本発明において、押え突部は必須でなく、単に保持部の外周面と外針ハブの内周面との間で隔壁部材の環状突部が組付け前に比べて薄肉化されるように圧縮状態で保持されてもよい。
そして、図16に示された押え突部74では、環状突部60に対して、特に環状凹溝58の外周壁を構成する環状突部60の立ち上がりの基端部分である挟圧部62に対して、径方向で大きな圧縮力が及ぼされて、環状突部60が保持部52と外針ハブ14との間で圧縮状態で強固に保持され得る。また、図17に示された押え突部76では、環状突部60に対して、特に環状凹溝58の底部から外周側を構成する環状突部60の立ち上がっていないベース部分に対して、保持部52と外針ハブ14との対向面間で圧縮力が有効に及ぼされて、圧縮状態で保持され得る。なお、圧縮力を及ぼす対向面は、保持部52の先端面および外周面と押し子ガイド22の先端側端面50を含んで構成されると共に、外針ハブ14の筒状の周壁内面と段差面32を含んで構成される。また、これらの対向面で圧縮力を及ぼされる挟圧部62としての領域は、環状凹溝58の外周側で立ち上がった環状突部60だけでなく、立ち上がっていないベース部分(環状凹溝58の底壁とその外周側への延長部分)にまで及ばせることが可能である。
すなわち、図17に示された構造によれば、保持部52の外周面と外針ハブ14の周壁内面との径方向対向面間で、環状突部60を圧縮状態で保持させることが可能であると共に、押し子ガイド22における保持部52の軸方向先端面および先端側端面50と外針ハブ14における段差面32および押え突部76の突出先端面との軸方向対向面間で、ベース部分を含む環状突部60を圧縮状態で保持させることが可能となる。しかも、環状突部60のベース部分が押え突部76で軸方向に強く圧縮されることに伴って、環状突部60が保持部52と外針ハブ14との間へ押し込まれるように弾性変形することから、それら保持部52と外針ハブ14との径方向対向面間での環状突部60に対する圧縮保持力も向上され得る。
従って、これら図16,図17の何れに記載の構造でも、前述の実施形態の押え突部54を備えた実施形態と同様に環状突部60ひいてはディスク弁18に対して効果的な保持作用などが発揮され得る。
なお、図16および図17に示された態様においても、ディスク弁18の外針ハブ14への組付前で外力が及ぼされていない単体状態では、環状突部60の径方向厚さ寸法や軸方向長さ寸法が、押し子ガイド22の保持部52と外針ハブ14との間に形成される領域の内法寸法よりも小さくされていても良く、ディスク弁18の外針ハブ14への組付状態で、環状突部60を含むディスク弁18の外周部分が押し子ガイド22と押え突部74、76や外針ハブ14などで圧縮されることにより弾性変形して、保持部52や外針ハブ14等による圧縮状態で保持されるようになっていればよい。
尤も、図17に示される態様では、保持部52や環状突部60は必須ではない。即ち、かかる態様では、外針ハブの内周面に設けられた段差状部と押し子ガイドとの軸方向間で隔壁部材が圧縮状態で保持されていればよく、更に、段差状部から押し子側に向かって突出する押え突部が形成されて、当該押え突部と段差状部との間で隔壁部材が圧縮状態で保持されていることが好ましい。これにより、隔壁部材が、段差状部と押し子ガイドとの軸方向間でより強い保持力をもって装着されるだけでなく、押え突部が雄コネクタ等の挿入方向と反対の方向に突出していることから、隔壁部材が挿入方向に引っ張られる際には押え突部が引っ掛かりとなる。それ故、雄コネクタ等の挿入時において、外針ハブからの隔壁部材の位置ずれや脱落防止の効果が一層効果的に発揮され得る。
また、押え突部54,74,76の形状は限定されるものではなく、実施形態の如き矩形断面を有する円環形状の他、半円等の弦月状の断面形状や三角の断面形状をもって形成したり、周方向で突出高さ等の断面形状が異なる形状も採用可能である。尤も、押え突部の形状を円環形状にすることで、全周に亘り等しく隔壁部材保持力が向上する、また、部品に偏った力が掛からないという効果を奏する。
さらに、前記実施形態において、隔壁部材はディスク弁を採用しているが、隔壁部材は液体が通過しないようにハブ内に取り付けられて、且つ、押し子により連通するスリットを有するようであれば形状は問わない。例えば、隔壁部材は、スリットの長さ寸法が隔壁部材の幅寸法より長い円柱形状の弁であってもよいし、二枚の柔軟な弾性片等が先端で当接してスリットを形成するように重ね合わされて逆流を防止するアヒルのくちばし形状の弁、所謂ダックビル弁であってもよく、隔壁部材の外周部分において流体通路の長さ方向で押し子側に向かって突出する環状突部が形成されてさえいればよい。
なお、本発明に採用される、隔壁部材に設けられるスリットは、先端側の開口寸法(前記各実施形態におけるスリットの径方向長さ)よりも基端側の開口寸法が大きくされることが好ましい。これにより、血液が逆流する際においてもスリットを開放されにくくすることができて、血圧に対する耐圧性を向上させることができる。
10:隔壁部材付きハブ組立体、14:外針ハブ(ハブ)、16:スリット、18:ディスク弁(隔壁部材)、20:押し子、22:押し子ガイド、32:段差(段差状部)、52:保持部、54,74,76:押え突部、56:中央部分、58:環状凹溝、60:環状突部、64:隙間、72:流体通路

Claims (7)

  1. 医療分野において人体に接続された流体通路を構成するハブの内部には円板形状の中央部分にスリットを設けたディスク弁が隔壁部材として装着されていると共に、該隔壁部材に対して一方の側に筒状の押し子が配されて、該ハブの内周に組み付けられた押し子ガイドにより該押し子が該流体通路の長さ方向で所定距離移動可能とされており、該押し子が該隔壁部材の該スリットに押し入れられることで該隔壁部材が連通されるようになっている隔壁部材付きハブ組立体において、
    前記隔壁部材の外周部分において前記流体通路の長さ方向で前記押し子側に向かって突出する環状突部が形成されている一方、前記押し子ガイドにおける該隔壁部材側の軸方向先端部において該環状突部内に入り込む保持部が形成されていると共に、該保持部の外周面と前記ハブの内周面との少なくとも一方には他方に向かって突出する押え突部が形成されて、該環状突部における該押え突部との接触部分該押え突部が食い込んで圧縮された挟圧部とされており、該挟圧部において、該保持部と前記ハブとの間で該隔壁部材の該環状突部が圧縮状態で保持されていることを特徴とする隔壁部材付きハブ組立体。
  2. 前記保持部の外周面に前記押え突部が形成されて、該押え突部と前記ハブの内周面との間で前記隔壁部材の前記環状突部が圧縮状態で保持されている請求項1に記載の隔壁部材付きハブ組立体。
  3. 前記ハブの内周面に前記押え突部が形成されて、該押え突部と前記保持部との間で前記隔壁部材の前記環状突部が圧縮状態で保持されている請求項1又は2に記載の隔壁部材付きハブ組立体。
  4. 前記環状突部において前記挟圧部より前記押し子の移動方向の後方側が該挟圧部に比べて厚肉とされている請求項2又は3に記載の隔壁部材付きハブ組立体。
  5. 前記押え突部により、前記隔壁部材の前記環状突部における突出方向の基端部が圧縮状態で保持されている請求項1〜4の何れか1項に記載の隔壁部材付きハブ組立体。
  6. 医療分野において人体に接続された流体通路を構成するハブの内部には円板形状の中央部分にスリットを設けたディスク弁が隔壁部材として装着されていると共に、該隔壁部材に対して一方の側に筒状の押し子が配されて、該ハブの内周に組み付けられた押し子ガイドにより該押し子が該流体通路の長さ方向で所定距離移動可能とされており、該押し子が該隔壁部材の該スリットに押し入れられることで該隔壁部材が連通されるようになっている隔壁部材付きハブ組立体において、
    前記ハブの内周面に段差状部が設けられていると共に、該ハブの該段差状部において前記押し子側に向かって突出する押え突部が形成されており、前記隔壁部材が前記スリットの形成された中央部分よりも外周側において、該押え突部により前記押し子ガイドとの間で圧縮されて保持されていることを特徴とする隔壁部材付きハブ組立体。
  7. 医療分野において人体に接続された流体通路を構成するハブの内部には円板形状の中央部分にスリットを設けたディスク弁が隔壁部材として装着されていると共に、該隔壁部材に対して一方の側に筒状の押し子が配されて該流体通路の長さ方向で所定距離移動可能とされており、該押し子が該隔壁部材の該スリットに押し入れられることで該隔壁部材が連通されるようになっている隔壁部材付きハブ組立体において、
    前記隔壁部材の外周部分には前記流体通路の長さ方向で前記押し子側に向かって突出する環状突部が形成されていると共に、前記ハブの内部に組み付けられた部材には該押し子を移動方向へ案内するガイド部と該環状突部に入り込む保持部が設けられており、該保持部の外周面と前記ハブの内周面との少なくとも一方には他方に向かって突出して該環状突部に対して圧縮力を及ぼす押え突部が形成されて、該環状突部における該押え突部との接触部分は該押え突部が食い込んで圧縮された挟圧部とされていることを特徴とする隔壁部材付きハブ組立体。
JP2014137804A 2014-07-03 2014-07-03 隔壁部材付きハブ組立体 Active JP6617397B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014137804A JP6617397B2 (ja) 2014-07-03 2014-07-03 隔壁部材付きハブ組立体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014137804A JP6617397B2 (ja) 2014-07-03 2014-07-03 隔壁部材付きハブ組立体

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019152309A Division JP2019195721A (ja) 2019-08-22 2019-08-22 隔壁部材付きハブ組立体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016013359A JP2016013359A (ja) 2016-01-28
JP6617397B2 true JP6617397B2 (ja) 2019-12-11

Family

ID=55230086

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014137804A Active JP6617397B2 (ja) 2014-07-03 2014-07-03 隔壁部材付きハブ組立体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6617397B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6921056B2 (ja) 2015-08-18 2021-08-18 ベー・ブラウン・メルズンゲン・アクチエンゲゼルシャフトB.Braun Melsungen Aktiengesellschaft バルブを備えたカテーテル装置および関連方法
CA3032639A1 (en) * 2016-08-04 2018-02-08 Nipro Corporation Valved needle assembly and indwelling needle assembly
CN111356496B (zh) * 2017-08-02 2023-07-04 尼普洛株式会社 带有止血阀的留置针以及留置针组件
JP7112019B2 (ja) * 2018-05-02 2022-08-03 ニプロ株式会社 弁付き針組立体
US11850377B2 (en) 2018-12-17 2023-12-26 B. Braun Melsungen Ag Catheter assemblies and related methods
JP2019195721A (ja) * 2019-08-22 2019-11-14 ニプロ株式会社 隔壁部材付きハブ組立体
WO2021201014A1 (ja) * 2020-03-30 2021-10-07 ニプロ株式会社 留置針

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10306878A (ja) * 1997-05-06 1998-11-17 Nippon Walbro:Kk 逆止弁の構造
DE10316903A1 (de) * 2003-04-12 2004-10-28 Neoperl Gmbh Rückflussverhinderer
US7470254B2 (en) * 2003-08-18 2008-12-30 Medical Components, Inc. Needle with sealing valve

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016013359A (ja) 2016-01-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6617397B2 (ja) 隔壁部材付きハブ組立体
US11452858B2 (en) Intravenous catheter with pressure activated valve
JP6278335B2 (ja) 留置用カテーテル
US11839752B2 (en) Hemostasis valve-equipped indwelling needle and indwelling needle assembly
JP2018529408A (ja) バルブを備えたカテーテル装置および関連方法
JP2016509916A (ja) バルブ付カテーテルアセンブリおよび関連した方法
JP7404583B2 (ja) 血液制御システムを有するカテーテル装置及びその関連方法
JP6959139B2 (ja) 封を備えるカテーテル装置と関連する方法
JP2024026705A (ja) 静脈内カテーテルデバイス
JP2019528115A (ja) ニードルアセンブリ及びその関連方法
JP7134410B2 (ja) 留置針および留置針組立体
JP5578488B2 (ja) 留置針組立体
JP6678379B2 (ja) 隔壁付きハブ組立体
JP6670437B2 (ja) ニードルレスコネクター
JP2019195721A (ja) 隔壁部材付きハブ組立体
JP6858942B2 (ja) 隔壁付きハブ組立体
JP7112019B2 (ja) 弁付き針組立体
TW202208015A (zh) 留置針組裝體
JP2021101771A (ja) 弁付き針組立体

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140930

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20140930

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170606

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180302

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180313

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180511

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180828

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20181024

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181220

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20190522

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190822

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20190830

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191015

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191028

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6617397

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250