[第1実施形態]
<パチンコ遊技機の基本的構成について>
図1に示されるように、本実施形態のパチンコ遊技機10は、前面枠10Zを前面に備え、その前面枠10Zに形成されたガラス窓10Wを通して、遊技盤11の前面に形成された遊技領域R1が視認可能になっている。
前面枠10Zのうちガラス窓10Wの上方の両側には、スピーカ25S,25Sが備えられている。また、前面枠10Zのうちガラス窓10Wより下方には、上皿26と下皿27が上下2段にして設けられ、下皿27の右側には、発射ハンドル28が備えられている。そして、発射ハンドル28が回動操作されると、上皿26に収容された遊技球が遊技領域R1に向けて弾き出される。上皿26の上部には、遊技者が押圧操作可能な操作ボタン29が備えられている。操作ボタン29は、遊技者に体感可能な態様で振動可能になっている。
同図に示されるように、遊技領域R1は全体が略円形状となっていて、ガイドレール12により囲まれている。遊技盤11のうち遊技領域R1の中央には、表示開口11Hが貫通形成され、この表示開口11Hを通して、表示装置13の表示画面13Gが前方に臨んでいる。なお、表示装置13の表示画面13Gには、遊技に関する種々の演出が表示される。
表示開口11Hの開口縁には、表示装飾枠23が取り付けられている。詳細には、表示装飾枠23は、遊技盤11の前面側から表示開口11Hに嵌め込まれて遊技盤11の前面から突出し、遊技領域R1を流下する遊技球が表示装飾枠23の内側に進入することを規制している。
遊技領域R1のうち表示装飾枠23の下方における左右方向の中央部には、第1と第2の始動入賞口14A,14B、大入賞口15が、上から順に間隔を開けて並べて設けられている。第1の始動入賞口14Aの左側には、ガイドレール12に沿って一般入賞口20が複数設けられている。各入賞口14A,14B,15,20の何れにも入賞しなかった遊技球は、遊技領域R1の下端に配置されたアウト口16に全て取り込まれる。また、表示装飾枠23の左側には、始動ゲート18が設けられている。始動ゲート18は、遊技球が潜って通過可能な門形構造をなしている。なお、図示しないが、遊技領域R1には多数の障害釘が植設されている。
一般入賞口20は、所謂、ポケット構造をなして、遊技盤11の前面から突出した部材上面に開放しており、遊技球が丁度1つ入球可能な大きさで上方に開口している。そして、一般入賞口20に遊技球が入ると、例えば、10個の遊技球が賞球として上皿26に払い出される。
第1と第2の始動入賞口14A,14Bは、共に遊技盤11から突出した部材の上面に開口を備えた、所謂、ポケット構造をなしている。上側に配置された第1の始動入賞口14Aは、遊技球が1つだけ入る開口幅を有している。一方、下側に配置された第2の始動入賞口14Bは、第1の始動入賞口14Aの真下に配置され、その開口の左右両側には可動翼片14C,14Cが備えられている。これら両可動翼片14C,14Cは、常には起立状態になっており、両可動翼片14C,14Cに挟まれた第2の始動入賞口14Bの開口幅は、遊技球が1つだけ入る大きさとなっている。また、第2の始動入賞口14Bの上方空間は、常には、第1の始動入賞口14Aを構成する部材と可動翼片14C,14Cとで囲まれて、遊技球が入らないようになっている。そして、後述する普図判定が当りであった場合に、可動翼片14C,14Cが所定期間に亘って横に倒される。すると、第2の始動入賞口14Bの上方空間が側方に開放し、第1の始動入賞口14Aの両脇を通過した遊技球が可動翼片14Cに受け止められて第2の始動入賞口14Bに案内されるようになる(図1には、横倒しにされた可動翼片14Cが示されている)。各始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞(入球)すると、例えば、4個の遊技球が賞球として上皿26に払い出される。
大入賞口15は、横長矩形に形成されて、常には、可動扉15Tにて閉塞されている。そして、可動扉15Tが前側に倒されて大入賞口15が開放すると、可動扉15Tを案内にして、大入賞口15に多くの遊技球が入賞可能となる。大入賞口15に遊技球が入賞すると、例えば、1個の入賞につき15個の遊技球が賞球として上皿26に払い出される。
<可動役物について>
図1に示される遊技盤11の裏側には、表示画面13Gよりも前方に、可動役物ユニット40が配されている。可動役物ユニット40は、図示しない固定ベースに、上下方向に並んだ可動役物40A,40Bをそれぞれ上下動可能に取り付けてなる。
図2に示すように、上側の可動役物40Aは帽子を模した形状をなす一方、下側の可動役物40Bは顔を模した形状をなしていて、2つの可動役物40A,40Bが上下に並ぶと、後述する魔女Z1の顔に見えるようになっている。
これら可動役物40A,40Bは、常には、上側の可動役物40Aが表示装飾枠23の開口23Hの上方に配されると共に、下側の可動役物40Bが表示装飾枠23の開口23Hの下方に配され、前方から視認不可能になっている(図1参照)。そして、可動役物ユニット40が信号を受け、図示しないモータが駆動されると、上下の可動役物40A,40Bが近づくように移動し、表示画面13Gを隠すようにして魔女Z1の顔が表示装飾枠23の開口23Hの内側に現れる(図2参照)。
<電気的構成について>
パチンコ遊技機10は、図示しないROM、RAM、CPUを有し、ROMに記憶されている複数の制御プログラムをCPUがマルチタスク処理にて所定周期で実行することで、ROM、RAM、CPUが、図3のブロック図に一部抜粋して示した乱数生成部81,91、乱数取得部82,92、データ格納部83,93、特図判定部84、演出制御部94等の制御上の構成部として機能する。
乱数生成部81,91は、所定周期で複数の乱数を生成している。乱数取得部82は、始動ゲート18を遊技球が通過する度に1つずつ普図判定用の乱数を取得してデータ格納部83に格納すると共に、始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞する度に乱数生成部81から複数ずつの特図判定用の乱数セットを取得してデータ格納部83に格納する。乱数取得部92は、始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞する度に乱数生成部91から複数ずつの報知演出(特図判定を報知するための演出)用の乱数セットを取得してデータ格納部93に格納する。
普図判定部(図示せず)は、データ格納部83から普図判定用の乱数を取得してそれが奇数か否かによって当否を判定する(これを「普図判定」という)。すると、その判定結果を受けた普図制御部が、表示画面13Gに、例えば、0~9の範囲で変化する1桁の数字である普通図柄を、予め定められた通常普図変動期間に亘って変動表示した後、停止表示する。また、後述する確変状態では、通常普図変動期間の代わりにそれより短い時短変動期間に亘って普通図柄を変動表示した後、停止表示する。そして、その停止表示された図柄が奇数か否かによって普図判定の結果を報知する。また、普通図柄が変動開始から停止表示されるまでの間、つまり、判定報知中に、始動ゲート18を遊技球が通過した場合には、最大4球分の普図判定用の乱数がデータ格納部83に格納されて、普図判定が保留される。そして、普図判定で当りになると、前述したように所定期間に亘って可動翼片14Cが横に倒れて遊技球を始動入賞口14Bへと案内する。また、確変状態では普図判定で当りになったときには、前記所定期間より長い特別開放期間に亘って可動翼片14Cが横に倒れる。
特図判定部84は、データ格納部83から特図判定用の乱数セットを取得し、乱数セットに含まれる当否判定用の乱数が、予め設定された当り乱数と一致するか否かによって当否を判定する(これを「特図判定」という)。特図判定で大当りになると、大入賞口15が所定時間に亘って開放するラウンド遊技が複数ラウンド繰り返される大当り遊技が実行される。また、当り乱数には、特典付き当り乱数と、特典無し当り乱数とがあり、特図判定部84は、取得した乱数が特典付き当り乱数であるか、特典無し当り乱数であるかによって、当りが特典付き当りか、特典無し当りかの判定も行う。本実施形態では、特典付き当りになると、大当り遊技の実行後に、特図判定で当りになる確率が高い確変状態になるという特典が付与される。また、確変状態は、例えば、予め定められた上限回数の特図判定が行われたことをもって終了する。
演出制御部94は、特図判定部84から判定結果を受け、表示画面13Gに、例えば、0~9の範囲でそれぞれが変化する3桁の数字である特別図柄13A,13B,13Cを、予め定められた通常普図変動期間に亘って変動表示した後、例えば、左の特別図柄13A、右の特別図柄13C、中央の特別図柄13Bの順番に仮停止(揺れた状態で停止)していく。そして、3つの全ての特別図柄13A,13B,13Cが仮停止してから、それら3つの全てを確定停止(静止)させ、その確定停止した特別図柄13A,13B,13Cの図柄組み合わせによって、特図判定の判定結果を報知する。
具体的には、確変付き当りの場合には、特別図柄13A,13B,13Cを「777」のぞろ目にして確定停止表示し、確変無し当りの場合には、特別図柄13A,13B,13Cを「777」以外のぞろ目にして確定停止表示し、外れの場合には、特別図柄13A,13B,13Cをぞろ目以外にして確定停止表示する。
また、特別図柄13A,13B,13Cが変動開始から確定停止表示されるまでの間、つまり判定報知中に、前述の大当り遊技の実行中とに始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞した場合は、最大4球分の特図判定用の乱数セットがデータ格納部83に、報知演出用の乱数セットがデータ格納部93に格納されて特図判定が保留される。
特図判定用の乱数セットには、特別図柄13A,13B,13Cの判定報知の途中でリーチ状態にするか否かを決定するための乱数も含まれている。そして、特図判定部84(図3参照)がリーチ状態にするか否かも含めて判定報知の内容を決定して演出制御部94に付与する。ここで、リーチ状態とは、左右の特別図柄13A,13Cが同一図柄で仮停止された状態で中央の特別図柄13Bを変動表示されている状態をいう。リーチ状態とした場合も、そうでない場合と同様に、中央の特別図柄13Bを仮停止し、3つの特別図柄13A,13B,13Cの全てを一度、仮停止してから確定停止する。また、特図判定が当りであるか否か、及び、リーチ状態にするか否かは、特図判定用の乱数セットがデータ格納部83に格納された時点で、直ちに判定報知されるか保留されるかに拘わらず、先読み判定されるようになっている。
演出制御部94は、再判定報知を行うこともある。その再判定報知とは、リーチ状態から中央の特別図柄13Bを仮停止し、3つの特別図柄13A,13B,13Cの全てを仮停止してから確定停止せずに、仮停止の図柄組み合わせをキャンセルし、再度、3つの特別図柄13A,13B,13Cの全てを変動表示して仮停止表示後、確定停止表示して、判定報知を行うものである。また、再判定報知を連続して繰り返すこともある。さらに、外れ図柄組み合わせの仮停止表示から再判定報知が開始されることもあれば、当り図柄組み合わせの仮停止表示から再判定報知が開始されることもある。また、再判定報知の結果は、当りと外れの何れもあり得るが、当り図柄組み合わせの仮停止表示後から再判定報知が行われる場合には、外れ図柄組み合わせで確定停止表示されて終わる場合が多くなるように設定されている。
演出制御部94は、特別図柄13A,13B,13Cを使用した判定報知の制御以外にその報知を演出するための報知演出も制御する。本実施形態のパチンコ遊技機10の報知演出では、例えば前述の可動役物ユニット40にもなっている魔女Z1がメインキャラクターをなし、様々な登場人物の状況や気持ちを変化させる内容になっていて、各登場人物の運命がよい結果になるか、悪い結果になるかによって特図判定の結果の示唆等を行う。そして、様々な報知演出をランダムに行うために、制御データ記憶部95には、報知演出のデータテーブルが複数記憶されている。
具体的には、特図判定部84が先読み判定を実行し判定報知の内容を決定して、演出制御部94に付与する。すると、演出制御部94はまず、連続示唆演出を実行するか否かを決定する。ここで、連続示唆演出とは複数の判定報知を跨いで実行される、全体で関連性を持った報知演出のことで、この連続示唆演出を実行するかどうかは、演出制御部94がデータ格納部93に格納されている連続示唆演出実行用の乱数を読み取り、その乱数が定められた範囲のものであるかどうかによって決定する。演出制御部94が連続示唆演出を実行しないと決定した場合には、1つの判定報知に対して単独の報知演出を実行する。そして、例えば3つ目の保留において連続示唆演出を実行すると決定した場合には、3つの判定報知に跨って連続示唆演出を実行する。なお、この連続示唆演出は、保留の数が多い時ほど実行されやすく設定されていて、かつ大当りである時の方が実行されやすく設定されている。
そして報知演出のデータテーブルには大きく分けて、単独の報知演出用と連続示唆演出用のデータテーブルが存在し、それぞれリーチ状態から外れになるリーチ外れ用のデータテーブルと、リーチ状態から当りになるリーチ当り用のデータテーブルとを含んでいる。どのデータテーブルを使用するかについては、特図判定部84から受け取る先読みの判定報知の情報と、連続示唆演出を実行するかどうかの情報から決定する。リーチ外れ用のデータテーブルと、リーチ当り用のデータテーブルには、それぞれ複数種類の報知演出が設定されると共に、両データテーブルの間で一部の報知演出の内容は、終盤部分を除く全体が重複している。また、各データテーブルごとに選ばれやすい報知演出とそうでない報知演出とが設定されている。そして、演出制御部94は、データ格納部93から報知演出用の乱数を取得し、その乱数と一致する報知演出をデータテーブルから選択する。
詳細には、演出制御部94は、取得した乱数と一致する報知演出を実行するための「演出実行コマンド群」を決定して、駆動制御部88に付与する。すると、駆動制御部88が、付与された「演出実行コマンド群」に対応する画像データ、音声データ、動作パターンデータ等を演出データ記憶部89から取得して、それぞれ表示装置13、スピーカ25S、可動役物ユニット40等に出力をさせる。これにより、種々の報知演出が実行される。
以下、報知演出の具体例について説明する。図4に例示した報知演出は、最も多く行われる「通常判定報知演出」の1つのであって、この報知演出(以下、「車走行演出」という)で、リーチ当り用のデータテーブルとリーチ外れ用のデータテーブルとにそれぞれ設定されている。リーチ当り用の車走行演出では、図4(A)に示すように魔女Z1から暗示をかけられた登場人物Z2が運転する自動車の走行シーンが表示された後に、報知演出の終盤で、図4(C)に示すように、自動車が目的地に到着して当否判定結果が当りであることを意味する結末になる。一方、リーチ外れ用の車走行演出では、当りの場合と同じ自動車の走行シーン(図4(A)参照)が表示された後に、報知演出の終盤で、図4(B)に示すように自動車が目的地に到着せずに崖から転落して当否判定結果が外れであることを意味する結末になる。
演出制御部94は、乱数に基づいて上述の「リーチ当り用の車走行演出」を選択したときには、例えば、図4(A)に示されたシーンを含む前半の演出内容を実行するための演出実行コマンドと、図4(C)に示されたシーンを含む後半の演出内容を実行するための演出実行コマンドとをセットにして「リーチ当り用の車走行演出の演出実行コマンド群」として決定する。また、「リーチ外れ用の車走行演出」を選択したときには、例えば、図4(A)に示されたシーンを含む前半の演出内容を実行するための演出実行コマンドと、図4(B)に示されたシーンを含む後半の演出内容を実行するための演出実行コマンドとをセットにして「リーチ外れ用の車走行演出の演出実行コマンド群」として決定する。
また、車走行演出は、リーチ当り用のデータテーブルでは選ばれ難く設定される一方、リーチ外れ用のデータテーブルでは選ばれ易く設定されている。よって、車走行演出が実行されたときには、当否判定結果が当りになる信頼度が極めて低くなり、例えば当りの確率は約5%、外れの確率は約95%になる。そして、外れの場合には、前述の転落シーンと共に特別図柄13A,13B,13Cの外れの図柄組み合わせが確定停止表示され、当りの場合には、前述の到着シーンと共に特別図柄13A,13B,13Cの当りの図柄組み合わせが確定停止表示される。特図判定では、当りより外れになる場合の方が圧倒的に多いので、上述した車走行演出のような「通常判定報知演出」の出現頻度が高い。つまり、「通常判定報知演出」は、レアではなくかつ当りの信頼度が低い報知演出ということができる。
次ぎに、出現し難くかつ当りの信頼度が高い「レア判定報知演出」の一例として図5に示した報知演出(以下、「レース演出」という)を一例に挙げて簡単に説明する。このレース演出は、「連続示唆演出」の1つであって、特図判定が例えば複数保留されている場合に、複数回連続する判定報知演出に跨がって当りを示唆する示唆演出が進行していくものであり、複数回連続する判定報知演出の数が多いほど、当りになる信頼度が上昇するというものである。特に、4つ目の特図判定が大当りになる場合には、高い確率で連続示唆演出が選択される。
具体的には、4つ目の特図判定で大当りになるレース演出では、図5(A)に示すように、カーレースでデットヒートを繰り広げる状況が表示されると共に、特別図柄13A,13B,13Cが変動表示されてやがて両端が「7」のリーチ状態になる。そして、図5(B)に示すように主人公のレーシングカーが4着でゴールしたところで、特別図柄13A,13B,13Cが外れの図柄組み合わせで確定停止表示されて、1つ目の特図判定の判定報知が終了する。そして、次ぎのレースが即座に始まり、「7」のリーチ状態になってから、主人公のレーシングカーが3着でゴールしたところで、特別図柄13A,13B,13Cが外れの図柄組み合わせで確定停止表示されて、2つ目の特図判定の判定報知が終了し、同様にして図5(C)に示すように2着でゴールして3つ目の特図判定の判定報知が終了し、図5(D)に示すように最後に1着でゴールしたときに、特別図柄13A,13B,13Cが「777」の大当りの図柄組み合わせで確定停止表示されて、4つ目の特図判定の判定報知が終了する。このように、当りのレース演出のような「連続示唆演出」では、複数回連続する判定報知演出に跨がって大当たりに近づいて行く示唆演出が行われる。なお、外れのレース演出では、主人公のレーシングカーが最後にクラッシュして、主人公が病院のベッドに寝ているシーンが表示される。
次ぎに、「レア判定報知演出」の別の一例として図6に示した報知演出(以下、蝶々演出という)を一例に挙げて簡単に説明する。この蝶々演出は、「連続示唆演出」に含まれる「連続予告演出」ある。
具体的には、4つ目の特図判定で大当りになる蝶々演出では、図6(A)に示すように、カーレースでデットヒートを繰り広げる状況が表示されると共に特別図柄13A,13B,13Cが変動表示され、主人公のレーシングカーが3着でゴールし、リーチにならずに外れの図柄組み合わせで確定停止表示され、図6(B)に示すように表彰式において1匹の蝶々が主人公の近くを飛び交うシーンが表示される。そして、次ぎのレースが即座に始まり、「7」以外のリーチ状態になってから、主人公のレーシングカーが再度3着でゴールし、外れの図柄組み合わせで確定停止表示され、表彰式において2匹の蝶々が主人公の近くを飛び交うシーンが表示される。そして、次ぎのレースでは、図6(C)に示すように「7」のリーチ状態になってから再度3着でゴールし、外れの図柄組み合わせで確定停止表示され、表彰式では今度は3匹の蝶々が主人公の近くを飛び交うシーンが表示される。ここで、表示画面13Gにはボタンのアイコンと「連打!!」というメッセージが表示される。そして、遊技者が操作ボタン29を連打して操作をするとそれらのうちの1匹の蝶々が、金色に変化するシーンが表示される。この時に、遊技者が操作ボタン29を連打せずに規定時間が経過した場合には、蝶々は金色に変化せずに次ぎのシーンへ進む。なお、遊技者が操作ボタン29を操作してもしなくても当否判定の結果は同じで、あくまでも演出を盛り上げるための要素である。
そして、次ぎのレースでは、主人公のレーシングカーが1着でゴールし、図6(D)に示すように大当りの「777」の図柄組み合わせで確定停止表示され、多くの蝶々が主人公の近くを飛び交うシーンが表示される。即ち、「連続予告演出」の1つである蝶々演出では、表彰式で主人公の近くを飛び交う蝶々の数が増えていくことが、大当たりに近づいていることを示唆する予告になっている。なお、外れの蝶々演出では、外れのレース演出と同様に、主人公のレーシングカーが最後にクラッシュして、主人公が病院のベッドに寝ているシーンが表示される。
次ぎに、出現し難くかつ当りの信頼度が高い「プレミア判定報知演出」について、図7に示した報知演出(以下、「魔女有りデッドヒート演出」という)を一例に挙げて簡単に説明する。この魔女有りデッドヒート演出は、前述の再判定報知を演出する「疑似連続判定報知演出」の1つである。前述したように通常の再判定報知では、外れ図柄組み合わせで確定停止表示されて終わる場合が多く、それは魔女無しデッドヒート演出として実行される。魔女有りデッドヒート演出と魔女無しデッドヒート演出(以下、これらを合わせて「デッドヒート演出」という)とは、魔女の登場前までは同じである。
具体的には、デッドヒート演出が開始されると、図7(A)に示すように、カーレースでデットヒートを繰り広げる状況が表示されると共に、特別図柄13A,13B,13Cが変動表示されてやがてリーチ状態になる。そして、主人公のレーシングカーがトップに立ったところで、特別図柄13A,13B,13Cが当りの図柄組み合わせで仮停止表示される。しかしながら、主人公のレーシングカーが他のレーシングカーに抜かれて、特別図柄13A,13B,13Cが再び変動表示される。これが複数回繰り返された後に、主人公のレーシングカーがトップに立ってから他の全てのレーシングカーに抜かれて最下位になり、図7(B)に示すように、特別図柄13A,13B,13Cが外れの図柄組み合わせで仮停止表示され、それと併せてレースを諦めた主人公の表情が表示される。
ここで、魔女無しデッドヒート演出で外れる場合は、図7(B)に示した状態から図示しないが、前述の外れの図柄組み合わせが確定停止表示に移行して外れであることが報知され、魔女無しデッドヒート演出で当たる場合は、特別図柄13A,13B,13Cが再度変動表示され、先方を走る他のレーシングカーが全てクラッシュし、結果的に、主人公のレーシングカーが1位でゴールを切ったところで、特別図柄13A,13B,13Cが、例えば、「333」で確定停止表示され、当否判定結果が当り(確変無しの当り)であることが報知される。
一方、魔女有りデッドヒート演出では、レースを諦めた主人公の表情が表示された後に図7(C)に示すように魔女Z1が登場し、主人公に自信を持たせる暗示をかける。すると、主人公のレーシングカーが怒濤の追い上げを行い、全ての他のレーシングカーを順次抜き去り、徐々に順位を上げていく。この間、特別図柄13A,13B,13Cは、両端が「7」のリーチ状態になり、主人公のレーシングカーの順位が上がるに従って、中央の特別図柄13Bが「7」に近づいていく。そして、図7(D)に示すように主人公のレーシングカーの1位でゴールを切ったところで、特別図柄13A,13B,13Cは、「777」の図柄組み合わせで確定停止表示され、当否判定結果が大当り(確変有りの当り)であることが報知される。
ここで、魔女無しデッドヒート演出は、車走行演出より選ばれ難く、レース演出や蝶々演出より選ばれ易い。また、魔女無しデッドヒート演出が選ばれた場合には高い確率で外れになる。これに対し、魔女有りデッドヒート演出は、レース演出や蝶々演出より更に選ばれる確率が低く、選ばれた場合には100%の確率で当りになるように設定されている。つまり、「疑似連続判定報知演出」の1つである「魔女有りデッドヒート演出」は、極めて出現し難くかつ当りの信頼度が高い「プレミア判定報知演出」の一つになっている。
さて、図3に示された試し遊技実行手段100は、「遊技者がパチンコ遊技を行っているか否か」を判断し、「遊技者がパチンコ遊技を行っていない」と判断した場合に、パチンコ遊技機10を遊技実行モードから待機モードに切り替える。本実施形態の試し遊技実行手段100は、例えば特図判定及び普図判定の何れの保留も無くかつ、発射ハンドル28が操作されていない状態が予め設定された基準経過時間を超えて連続したことに起因して「遊技者がパチンコ遊技を行っていない」と判断して遊技実行モードから待機モードに切り替える。また、試し遊技実行手段100は、発射ハンドル28が操作されたことを以て、「遊技者がパチンコ遊技を開始した」と判断して、待機モードから遊技実行モードに切り替える。なお、遊技実行モードから待機モードに切り替わる条件としては、前述したものは一例であって、例えば特図判定及び普図判定の何れの保留も無い状態が予め設定された基準経過時間を超えて連続したことであってもよく、適宜変更可能である。そして、待機モードから遊技実行モードに切り替わる条件としては、前述したものは一例であって、例えば特図判定、または普図判定の何れかが実行されることであってもよく、適宜変更可能である。
それと共に、試し遊技実行手段100は、駆動制御部88に試し遊技専用第1コマンドを送信する。それを受けて駆動制御部88は、演出データ記憶部89から試し遊技専用第1コマンドに対応する画像データを取得し、表示装置13に図8に示すような映像を表示させる。これは、操作ボタン29を4回操作するとお試し抽選ができることを遊技者に知らせる内容である。
そして、遊技者が操作ボタン29を4回操作すると、特別図柄13A,13B,13Cが変動を開始すると共に、報知演出が表示画面13Gに表示される。具体的には、操作ボタン29が操作される度に、乱数取得部92が乱数生成部91から報知演出用の乱数セットを取得し、データ格納部93に格納する。それと共に、試し遊技実行手段100は、試し遊技データ記憶部101に予め記憶されている4回分の判定報知の情報を読み取って演出制御部94に付与する。つまり、保留が4つ存在しているのと同じ状態になる。また、その判定報知の内容は、例えば1~3回目では「リーチ外れ」となっていて、4回目では「リーチ当り」となっている。
次ぎに、演出制御部94は、データ格納部93に格納されている報知演出用の乱数セットと、試し遊技実行手段100から付与される判定報知の情報を基に、遊技実行モード中の時と同様に「演出実行コマンド群」を決定し、この「演出実行コマンド群」の決定を4回分実行する。そして、演出制御部94は、決定した「演出実行コマンド群」を駆動制御部88に付与して、報知演出を実行させる。
ここで、例えば4回とも単独の報知演出の実行が決定された場合には、3回続けて「リーチ外れ」となる単独の報知演出が表示され、4回目には「リーチ当り」となる単独の報知演出が表示される。そして、報知演出の内容としては、単独の報知演出に対応するリーチ外れ用のデータテーブル、又はリーチ当り用のデータテーブルの中から、演出制御部94がデータ格納部93から読み取った乱数と一致するものが決定され、「演出実行コマンド群」が決定される。
また、4回目の判定報知に対して連続示唆演出の実行が決定された場合には、4回の判定報知に跨って連続示唆演出が表示され、3回の外れの判定報知が行われた後に、当りの判定報知が行われる。そして、報知演出の内容としては、連続示唆演出に対応するリーチ当り用のデータテーブルの中から、演出制御部94がデータ格納部93から読み取った乱数と一致するものが決定され、「演出実行コマンド群」が決定される。
また、お試し抽選において報知演出を表示する時には、この報知演出がお試し抽選のものであると分かるように、駆動制御部88は、試し遊技実行手段100から付与された試し遊技専用第2コマンドによって、表示装置13に例えば「お試し抽選中」というメッセージを表示させる。
また、このお試し抽選は待機モード中に1回(1回のお試し抽選で4回分の判定報知が実行される)だけ実行できるようになっていて、お試し抽選が1回実行された後には、例えば一般的なデモ映像が表示画面13Gに表示されるようになっている。そして、遊技実行モード中に遊技球が1個でも始動入賞口14A,14Bに入賞したことを起因に、試し遊技実行手段100は、お試し抽選の実行回数を0回にリセットし、再び待機モード中にお試し抽選を実行可能にする。
このように本実施形態のパチンコ遊技機10によれば、お試し抽選を通して、報知演出の内容を容易に理解することができる。これにより、従来、報知演出の内容を理解していないために敬遠していた遊技者を遊技に誘うことができると共に、新しく遊技を開始した遊技者が遊技を楽しめるようになるまでの時間を短くすることができる。
また、待機モード中のお試し抽選では、試し遊技実行手段100から判定報知の情報を受け取った後の、演出制御部94が「演出実行コマンド群」を決定してから、表示画面13Gに報知演出が表示されるまでの制御のプロセスは、遊技実行モード中の抽選(以下、適宜「本番抽選」という)の時と同じなので、お試し抽選と本番抽選との間で、演出制御部94が使用するデータ(例えば、報知演出のデータテーブル、演出実行コマンド群等)と駆動制御部88が使用するデータ(例えば、画像データ、音声データ、動作パターンデータ等)を共有することができる。
そして、お試し抽選の場合において演出制御部94は、本番抽選の場合と同様に「演出実行コマンド群」を決定する、つまり、報知演出の内容をランダムに決定するので、本番抽選と同様にお試し抽選が行われる度に、報知演出の内容がランダムに変化し、本番抽選に近いお試し抽選も楽しむことができる。さらに、お試し抽選では、試し遊技実行手段100が演出制御部94に付与する判定報知の情報の中に、大当りであるものが含まれているので、容易に大当りになる報知演出を見ることができ、遊技者を楽しませて本番抽選に誘うことができる。そして、お試し抽選を実行する際には、表示画面13Gに例えば、「お試し抽選中」というメッセージが表示されるので、お試し抽選中であるか本番抽選中であるかを確実に判別することができる。
また、お試し抽選の実行回数には上限が設けられていて、お試し抽選の実行回数が上限回数に達した場合には、本番抽選を行わなければお試し抽選を行うことができないので、お試し遊技を契機にして本番抽選を行わせることができると共に、お試し抽選だけを行い続けるような事態を防ぐことができる。
このお試し抽選では、操作ボタン29の操作に起因して表示される予告(例えば、「蝶々演出」における金色の蝶々)を含む報知演出が実行される場合もあり、お試し抽選において操作ボタン29を操作して予告を表示する練習をすることができ、本番抽選中の操作ボタン29の操作し忘れを減らして、新しく遊技を開始した遊技者が遊技を楽しめるようになるまでの時間を短くすることができる。
[第2実施形態]
本実施形態のパチンコ遊技機10は、第1実施形態のパチンコ遊技機10の変形例であって、待機モード用の画像データにて表示装置13に表示される画像が、例えば、遊技実行モードで表示される画像(図9(A)参照)が、それより小さいサイズに縮小されてウィンドウW内に表示されるようになっている。また、前述した「お試し抽選中」というメッセージがウィンドウW外に重ねて表示されると共に、本パチンコ遊技機10の主要なキャラクターである魔女Z1がウィンドウW外に重ねて表示され、その魔女Z1がウィンドウWの画像の示唆内容や予告内容を解説するメッセージが表示されるように構成されている。
そのために、図3に示された前述の演出データ記憶部89には、待機モード中に演出制御部94から付与され得る「演出実行コマンド群」に対して、遊技実行モード用の従来通りの画像データと、音声データとは別に、解説用の画像データと、音声データとが記憶されている。
具体的には、お試し抽選にて前述の蝶々演出が決定された場合には、連続予告を構成する4回の報知演出に対応して、それら4回分の紐付けされた演出実行コマンド群が駆動制御部88に付与される。
すると、先ず、1回目の報知演出の演出実行コマンド群用に用意されている待機モード用の画像データが使用されて、例えば、図9(A)に示すように、1匹の蝶々が主人公の近くを飛び交うシーンがウィンドウW内に表示されると共に、ウィンドウW外の魔女Z1が、この蝶々が当りに対する予告であることを解説するメッセージが表示される。
そして、2回目の報知演出の演出実行コマンド群用に用意されている待機モード用の画像データが使用されて、2匹の蝶々が主人公の近くを飛び交うシーンがウィンドウW内に表示されると共に、ウィンドウW外の魔女Z1が、この蝶々が2匹になると当りの予告である信頼度が高くなることを解説するメッセージが表示される。
そして、3回目の報知演出の演出実行コマンド群用に用意されている待機モード用の画像データが使用されて、例えば、図9(B)に示すように、3匹の蝶々が主人公の近くを飛び交うシーンがウィンドウW内に表示されると共に、ウィンドウW外の魔女Z1が、この蝶々が3匹なると当りの予告である信頼度が高くなり、その中に金色の蝶々がいる場合には、当りの予告である信頼度が極めて高くなるという解説を行う。
そして、4回目の報知演出の演出実行コマンド群用に用意されている待機モード用の画像データが使用されて、例えば、図9(C)に示すように主人公が優勝しているシーンがウィンドウW内に表示され、ウィンドウW外の魔女Z1が、大当りを称える解説を行う。
このように、1~4回目の報知演出の演出実行コマンド群用に用意されている待機モード用の画像データが順次使用されて、4回分の解説が1つの繋がった解説のようにされて視聴者に提供される。これにより、演出実行コマンド群の組合わせが変われば、待機モード用の画像データに含まれる解説が一部別の解説を構成して視聴者に提供される。
このように本実施形態のパチンコ遊技機10では、お試し遊技中の報知演出に解説を付加するので、遊技者は報知演出の内容をより容易に理解することができ、新しく遊技を開始した遊技者が遊技を楽しめるようになるまでの時間を短くすることができる。
[他の実施形態]
(1)前記第1実施形態では、お試し抽選を実行する際に試し遊技実行手段100が演出制御部94に、予め用意されていた判定報知の情報を付与する構成となっていたが、操作ボタン29が操作された時に取得される乱数を試し遊技実行手段100が読み取って、判定報知の内容を決定しその情報を演出制御部94に付与する構成であってもよい。もしくは、本番抽選の時と同じように特図判定部84が、判定報知の内容を決定してその情報を演出制御部94に付与する構成であってもよい。つまり、当りか否か、リーチの有無等についても抽選を行う構成であってもよい。
(2)前記第1実施形態では、お試し抽選を実行する際に演出制御部94は、試し遊技実行手段100から付与される判定報知の情報と、データ格納部93から読み取った乱数とから報知演出のデータテーブルを選択し、さらにそのデータテーブルの中から乱数と一致する「演出実行コマンド群」を決定する構成であったが、お試し抽選用の報知演出のデータテーブルから乱数と一致する「演出実行コマンド群」を決定する構成であってもよい。この時、お試し抽選用の報知演出のデータテーブルには、判定報知の情報も紐づけられている構成であってもよいし、単独の報知演出と連続示唆演出の両方が含まれている構成であってもよい。そして、操作ボタン29の操作回数を1回にして、取得する乱数を1つにする、つまりお試し抽選用の報知演出のデータテーブルから決定した1つの報知演出を表示画面13Gに表示する構成であってもよい。
(3)前記第1実施形態では、お試し抽選において、4回の判定報知を行う構成であったが、1回の判定報知を行う構成であってもよい。この時、操作ボタン29の操作回数を1回にして、試し遊技実行手段100は演出制御部94に1つの「リーチ当り」の判定報知の情報を付与する構成であってもよい。また、操作ボタン29が操作された時に取得される乱数を試し遊技実行手段100が読み取って、判定報知の内容を決定しその情報を演出制御部94に付与する構成であってもよい。もしくは、本番抽選の時と同じように特図判定部84が、判定報知の内容を決定してその情報を演出制御部94に付与する構成であってもよい。つまり、当りか否か、リーチの有無等についても抽選を行う構成であってもよい。
(4)前記第1実施形態では、お試し抽選の実行回数が上限回数に達したら、それ以上のお試し抽選を実行しないようにする構成であったが、お試し抽選を実行するために操作ボタン29が操作された回数が上限回数に達したら、それ以上のお試し抽選を実行しないようにする構成であってもよい。また、お試し抽選の実行回数の上限回数を複数回にしてもよいし、上限回数を設けなくてもよい。
(5)前記第1実施形態において、お試し抽選が実行される際に、操作ボタン29の操作に起因して表示される予告(例えば、「蝶々演出」における金色の蝶々)を含む報知演出が実行された時に、操作ボタン29を操作しても予告が表示されないようにして、例えば「実際にプレイしてみて確認して下さい」というようなメッセージを表示する構成であってもよい。また、操作ボタン29の操作を途中まで受け付ける構成であってもよい。
(6)前記第1実施形態では、試し遊技実行手段100は演出制御部94に「リーチ当り」の判定報知を含む情報を付与する構成であったが、「リーチ当り」の判定報知を含まない情報を付与する構成であってもよい。また、「リーチ無し外れ」の判定報知を含む情報を付与する構成であってもよい。
(7)前記第1実施形態では、お試し抽選において、表示画面13Gに「お試し抽選中」というメッセージを表示する構成であったが、例えば表示画面13G全体に黄色味を帯びさせて本番抽選と区別可能にする構成であってもよい。
<付記1>
前記実施形態で例示したパチンコ遊技機(遊技機)には、以下の発明群が含まれていると考えることができる。なお、本付記の末尾には、以下の発明群の構成要素に対応する実施形態上の各部位が示されている。
(第1の発明群)
[発明1]
第1操作部の操作に起因して当否判定を行う遊技が進行すると共に、前記遊技を演出する表示演出が表示部に表示される遊技機において、
待機中に、前記第1操作部と異なる第2操作部の操作に起因して前記表示演出を前記表示部に表示する試し遊技を実行する試し遊技実行手段を有する遊技機。
本発明の遊技機によれば、試し遊技を通して表示演出内容を容易に理解することができる。これにより、従来、表示演出内容を理解していないために敬遠していた遊技者を遊技に誘うことができると共に、新しく遊技を開始した遊技者が遊技を楽しめるようになるまでの時間を短くすることができる。
[発明2]
前記当否判定を行う第1制御手段と、
前記第1制御手段から付与される前記当否判定に係る当否判定情報に起因して前記表示演出の内容を決定し、前記表示演出を前記表示部に表示する第2制御手段とを備え、
前記試し遊技実行手段は、前記第2操作部の操作に起因して生成した又は予め設定された前記当否判定情報を前記第2制御手段に付与して前記第2制御手段に前記表示演出の内容を決定させる発明1に記載の遊技機。
本発明の遊技機では、試し遊技と、第1操作部の操作に起因して当否判定を行う遊技(以下、「試し遊技」と対比して「本番遊技」という)との違いは、第2制御手段が表示演出を制御するための元となる当否判定情報の情報送信源が、第1操作部の操作に起因して当否判定を行う第1制御手段であるか、第2操作部の操作に起因して当否判定情報を生成等する試し遊技実行手段の相違なので、試し遊技と本番遊技との間で、第2制御手段が使用するデータを共有することができる。
[発明3]
前記第2制御手段は、付与される前記当否判定情報に起因して前記表示演出の内容をランダムに決定する発明2に記載の遊技機。
本発明の遊技機では、当否判定情報の情報送信源が、第1制御手段であろうが試し遊技実行手段であろうが、第2制御手段は、付与される当否判定情報に起因して表示演出の内容をランダムに決定するので、本番遊技と同様に試し遊技が行われる度に、表示演出の内容がランダムに変化し、本番遊技と同じかそれに近い試し遊技も楽しむことができる。
[発明4]
前記試し遊技実行手段は、前記当否判定の結果が当りとなる前記当否判定情報を前記第2制御手段に付与する発明2又は3に記載の遊技機。
本発明の遊技機では、試し遊技では、当否判定の結果が当りとなる当否判定情報が第2制御手段に付与されるので、この点においては本番遊技と異なり、当りになる表示演出を容易に見ることができ、遊技者を楽しませて遊技に誘うことができる。
[発明5]
前記試し遊技実行手段は、前記試し遊技中の前記表示演出と前記試し遊技中ではない前記表示演出とを区別可能に前記表示部に表示する発明1乃至4の何れか1の発明に記載の遊技機。
本発明の遊技機では、試し遊技を本番遊技と勘違いされる事態の発生を防ぐことできる。
[発明6]
前記試し遊技実行手段は、前記試し遊技中の前記表示演出に重ねて前記試し遊技中であることを意味する待機判別図柄を前記表示部に表示する発明5に記載の遊技機。
本発明の遊技機では、待機判別図柄の有無により、試し遊技中であるか本番遊技中であるかを確実に判別することができる。
[発明7]
前記試し遊技実行手段は、前記試し遊技の実行回数が予め定められた上限回数となった場合にそれ以上の前記試し遊技の実行を止め、前記第1操作部の操作に起因する予め定められた遊技が行われたことを条件の1つにして、前記試し遊技の前記実行回数をリセットする発明1乃至6の何れか1の発明に記載の遊技機。
本発明の遊技機では、試し遊技の実行回数が上限回数に達した場合に本番遊技を行わなければ試し遊技を行うことができないので、試し遊技を契機にして本番遊技を行わせることができると共に、試し遊技だけを行い続けるような事態を防ぐ事ができる。
[発明8]
前記試し遊技実行手段は、前記試し遊技を実行するための前記第2操作部の操作回数が予め定められた上限回数となった場合には、それ以上の前記第2操作部の操作に応じた前記試し遊技の実行を止め、前記第1操作部の操作に起因する予め定められた遊技が行われたことを条件の1つにして、前記第2操作部の前記操作回数をリセットする発明1乃至7の何れか1の発明に記載の遊技機。
本発明の遊技機では、試し遊技を行うための第2操作部の操作回数が上限回数に達した場合に本番遊技を行わなければ試し遊技を行うことができなので、試し遊技を契機にして本番遊技を行わせることができると共に、試し遊技だけを行い続けるような事態を防ぐ事ができる。
[発明9]
前記表示演出には、複数の特別図柄が変動表示後に確定停止表示されたときの図柄組み合わせで前記当否判定の判定結果を報知し、前記特別図柄の前記変動表示の開始から前記確定停止表までを1回とする判定報知演出と、前記判定結果の当否を示唆する示唆演出とが含まれ、前記試し遊技実行手段は、前記第2制御手段に前記示唆演出の内容を決定させる発明2乃至8の何れか1の発明に記載の遊技機。
本発明の遊技機では、判定報知演出に伴う示唆演出の内容を試し遊技内で確認することができる。
[発明10]
前記示唆演出には、当りの前記判定報知演出が近づいていることを示唆する予告が含まれる発明9に記載の遊技機。
本発明の遊技機では、判定報知演出に伴う示唆演出に含まれる予告の内容を試し遊技内で確認することができる。
[発明11]
前記予告は、前記第2操作部の操作に起因して前記表示部に表示される発明10に記載の遊技機。
本発明の遊技機では、予告を得るために必要な第2操作部の操作を試し遊技内で練習することができ、本番遊技中の第2操作部の操作し忘れを減らして、新しく遊技を開始した遊技者が遊技を楽しめるようになるまでの時間を短くすることができる。
[発明12]
前記試し遊技実行手段は、前記試し遊技中の前記表示演出に解説を付加する発明1乃至11の何れか1の発明に記載の遊技機。
本発明の遊技機では、試し遊技中の表示演出に解説を付加するので、遊技者は表示演出の内容をより容易に理解することができ、新しく遊技を開始した遊技者が遊技を楽しめるようになるまでの時間を短くすることができる。
[第1の発明群の発明の構成要素と実施形態上の各部位との対応関係]
遊技機:パチンコ遊技機10 第1操作部:発射ハンドル28
表示部:表示装置13 第2操作部:操作ボタン29
試し遊技実行手段:試し遊技実行手段100 第1制御手段:特図判定部84
第2制御手段:演出制御部94 特別図柄:特別図柄13A,13B,13C