JP2010158428A - 遊技機の演出方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】つぎの大当たりに対する期待感を高めること。
【解決手段】遊技機は、演出モードの切り替えによって、潜伏確変遊技状態に対する期待度を示す。具体的には、遊技機は、所定のタイミングで、表示画面上における各演出モードへの移行確率を定めた抽選テーブルを用いて、演出モードを切り替えるための移行先抽選をおこない、この移行先抽選の抽選結果に基づき、演出モードを切り替える。この抽選テーブルでは、潜伏確変遊技状態などの高確率状態では特定の演出モード(期待度が高いとされる演出モード)への移行確率が高くなっており、通常遊技状態などの低確率状態では他の演出モード(期待度が低いとされる演出モード)への移行確率が高くなっている。また、遊技機は、時短遊技状態時には、移行先抽選の抽選結果にかかわらず(もしくは移行先抽選をおこなわずに)、現在の演出モードよりも期待度の高い演出モードへ切り替える。
【選択図】図7

Description

この発明は、ぱちんこ遊技機などの演出方法に関し、特に、表示画面上でおこなう演出の演出モードが複数設けられ、これらの演出モードを用いて演出をおこなう遊技機の演出方法に関する。
従来、遊技盤の遊技領域に打ち出した遊技球が特定の始動入賞口に入ると、表示部に表示される3列の図柄(たとえば、1〜12の数字の図柄など)が上から下に移動するように表示され、あるライン(有効ライン)上に同一あるいは関連性のある図柄が揃うと大当たりとなって大入賞口が開き、大当たり遊技ができる遊技機が広く使用されている。
このような遊技機においては、たとえば通常遊技状態と、通常遊技状態よりも大当たりに当選する確率を高めた高確率状態(確変遊技状態)と、の2つの遊技状態を取り得るようにしたものがある。近年では、確変遊技状態であっても、確変遊技状態時の退屈感をなくすために、敢えて確変遊技状態であることを遊技者に報知せずに潜伏させた遊技機が広く使用されている(たとえば下記特許文献1を参照。)。
特開2004−65388号公報
しかしながら、上記の従来技術においては、確変遊技状態であってもそれが報知されないために、折角の確変遊技状態となっていても、確変遊技状態となっていることを遊技者が判断できない場合があった。このような場合、確変遊技状態であるにもかかわらず大当たりに対する遊技者の期待感を持続させることができず、演出の代わり映えのなさに退屈した遊技者が遊技をやめてしまう場合もあった。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、確変遊技状態であることを明示せずに潜伏させつつも遊技者の期待感を高め、つぎの大当たりに対する期待感を高めることができる遊技機の演出方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。括弧内の参照符号は、本発明の理解を容易にするために実施形態との対応関係を示したものであって、本発明の範囲を何ら限定するものではない。この発明にかかる遊技機の演出方法は、演出モードの切り替えにより、潜伏確変遊技状態に対する期待度を示す遊技機の演出方法であって、任意のタイミングで、表示画面上における演出モードの切り替えをおこなうか否かの抽選をおこなう第1の抽選処理工程と、前記第1の抽選処理工程において演出モードを切り替えるとされた場合に、各演出モードへの移行確率を定めた抽選テーブル(810,820,830,840,850,860)を用いて、切り替え先の演出モードを決めるための抽選をおこなう第2の抽選処理工程と、前記第2の抽選処理工程の抽選結果に基づく演出モードに切り替える演出モード切替工程と、を含み、前記演出モード切替工程は、前記第1の抽選処理において演出モードを切り替えるとされた場合に時短遊技状態であれば、前記第2の抽選処理工程の抽選結果にかかわらず、現在の演出モードよりも前記期待度が高いとされる所定の演出モードへ切り替えることを特徴とする。
また、上記の発明において、前記第2の抽選処理工程は、潜伏確変遊技状態である場合と、通常遊技状態である場合とで、それぞれ各演出モードへの移行確率が異なる抽選テーブル(810,820,830,840,850,860)を用いて抽選をおこなうことを特徴とする。
また、上記の発明において、前記演出モードは少なくとも3種類の演出モードから構成され、前記演出モード切替工程は、前記第2の抽選処理工程の抽選結果に基づき、第1の演出モードからは第2の演出モードへ切り替え、前記第2の演出モードからは前記第1の演出モードおよび第3の演出モードへ切り替え、前記第3の演出モードからは前記第2の演出モードへ切り替え、前記第1の抽選処理において演出モードを切り替えるとされた場合に時短遊技状態であれば、前記第2の抽選処理工程の抽選結果にかかわらず、第1の演出モードからは第2の演出モードへ切り替え、前記第2の演出モードからは第3の演出モードへ切り替えることを特徴とする。
また、上記の発明において、前記抽選テーブル(810,820,830,840,850,860)において、潜伏確変遊技状態である場合は、前記第2の演出モードから前記第1の演出モードへ移行するよりも、前記第2の演出モードから前記第3の演出モードへ移行する確率を上げるとともに、通常遊技状態である場合は、前記第2の演出モードから前記第3の演出モードへ移行するよりも、前記第2の演出モードから前記第1の演出モードへ移行する確率を上げることを特徴とする。
また、上記の発明において、前記抽選テーブル(810,820,830,840,850,860)において、前記第2の演出モードから前記第1の演出モードへ移行の確率は、潜伏確変遊技状態の場合よりも通常遊技状態の場合の方が高くなるように設定するとともに、前記第2の演出モードから前記第3の演出モードへ移行の確率は、通常遊技状態よりも潜伏確変遊技状態の方が高くなるように設定することを特徴とする。
また、上記の発明において、前記抽選テーブル(810,820,830,840,850,860)において、前記第1の演出モードから前記第2の演出モードへ移行の確率は、通常遊技状態よりも潜伏確変遊技状態の方が高くなるように設定することを特徴とする。
また、上記の発明において、前記抽選テーブル(810,820,830,840,850,860)において、前記第3の演出モードから前記第2の演出モードへ移行の確率は、潜伏確変遊技状態よりも通常遊技状態の方が高くなるように設定することを特徴とする。
また、上記の発明において、前記第1の演出モードまたは前記第2の演出モードにおける演出中に大当たりが発生した場合に、前記抽選処理をおこなうことなく、前記第3の演出モードへ移行することを特徴とする。
上記構成によれば、所定の抽選をおこなって当該抽選結果に基づく演出モードに切り替えて潜伏確変遊技状態に対する期待度を示すとともに、時短遊技状態であれば期待度が高いとされる所定の演出モードへ切り替えるので、遊技者のつぎの大当たりに対する期待感を高めることができる。
この発明によれば、遊技者のつぎの大当たりに対する期待感を高めるとともにこの期待感を持続させることができるので、長時間遊技する遊技者を退屈させることなく遊技を楽しませることができるという効果を奏する。
また、この発明によれば、確変遊技状態であっても、確変遊技状態であることを報知しない(潜伏させる)ので、遊技者に対し、「確変遊技状態であるかもしれない」といった期待感を継続的に持たせることができるので、高確率状態時の遊技において遊技者に退屈感を持たせることを防止でき、長時間遊技する遊技者を退屈させることなく遊技を楽しませることができるという効果を奏する。
この発明にかかる実施の形態の遊技機の基本構成を示す説明図(その1)である。 この発明にかかる実施の形態の遊技機の基本構成を示す説明図(その2)である。 遊技機の制御部の内部構成を示すブロック図である。 本実施の形態の遊技機が取り得る遊技状態を示す説明図である。 この発明にかかる実施の形態の遊技機の機能的構成を示すブロック図である。 本実施の形態の遊技機の演出モードの概要を示す説明図である。 この発明にかかる実施の形態の遊技機の処理手順を示すフローチャートである。 移行先抽選テーブルの内容を示す説明図(その1)である。 移行先抽選テーブルの内容を示す説明図(その2)である。 移行先抽選テーブルの内容を示す説明図(その3)である。 ステージ移行演出の具体的な演出例を示す説明図(その1)である。 ステージ移行演出の具体的な演出例を示す説明図(その2)である。 ステージ移行演出の具体的な演出例を示す説明図(その3)である。 ステージ移行演出の具体的な演出例を示す説明図(その4)である。 ステージ移行演出の具体的な演出例を示す説明図(その5)である。 ステージ移行演出の具体的な演出例を示す説明図(その6)である。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる遊技機の演出方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。
(遊技機の基本構成)
図1および図2は、この発明にかかる実施の形態の遊技機の基本構成を示す説明図である。図1においては、この発明にかかる実施の形態の遊技機の一例を正面から見た状態を示している。図2においては、この発明にかかる実施の形態の遊技機の一部を分解して斜め方向から見た状態を示している。
図1および図2において、この発明にかかる実施の形態の遊技機は、遊技盤101を備えている。遊技盤101の下部位置には、遊技領域103内に遊技球を発射する発射部(図3における符号392を参照)が配置されている。発射部の駆動によって発射された遊技球は、レール102a、102b間を上昇して遊技盤101の上部位置に達した後、自重によって遊技領域103内を落下する。遊技領域103には、複数の釘や風車などが設けられており、遊技領域103内に打ち出された遊技球は、複数の釘や風車などに衝突することで落下方向を各種方向に変化させながら落下する。
遊技領域103には、始動入賞口105、入賞ゲート106、複数の普通入賞口107などが配設されている。始動入賞口105、入賞ゲート106、複数の普通入賞口107には、各入賞口105〜107における遊技球の入賞の有無に応じて出力が変化する各検出部(図3における符号321〜324を参照)が設けられている。始動入賞口105には、電動で開閉するチューリップ型の役物である、図示を省略する電動チューリップ(以下「電チュー」という)が設けられている。電チューは、入賞ゲート106に入賞があった場合に、所定のタイミングで、始動入賞口105を一定時間だけ通常より大きく開放するように動作する。
遊技領域103の下方には、大入賞口109が設けられている。大入賞口109には、大入賞口109を開放可能に閉塞する大入賞扉109aが設けられている。大入賞口109は、大当たり状態以外の状態では大入賞扉109aによって閉塞されている。大入賞扉109aによる大入賞口109の開閉は、大入賞口開閉部(図3における符号331を参照)によっておこなわれる。遊技領域103の最下部には、どの入賞口にも入賞しなかった遊技球を回収する回収口108が設けられている。
遊技盤101の遊技領域103の外周部分には、枠部材110が設けられている。枠部材110は、遊技盤101の上下左右の4辺において遊技領域103の周囲を囲む形状からなる。枠部材110には、遊技機に向かって右下部分に、操作ハンドル113が設けられている。操作ハンドル113は、上記の発射部を駆動させて遊技球を発射させる発射指示部材114を備えている。
発射指示部材114は、操作ハンドル113の外周部において、遊技者から見て右回りに回転可能に設けられている。発射部は、発射指示部材114が遊技者によって直接操作され、所定方向(たとえば右回り)に回転した状態において、遊技球を発射させる。操作ハンドル113には、遊技者が発射指示部材114を直接操作していることを検出するセンサなどが設けられている。遊技者が発射指示部材114を直接操作していることを検出するセンサについては、公知の技術であるため説明を省略する。
枠部材110において、遊技領域103の下側となる辺には、遊技者による操作を受け付けるチャンスボタン117が設けられている。この実施の形態において、チャンスボタン117は、凸状ボタン形状を有している。チャンスボタン117は、凸状ボタンの他、タッチパネル方式を採用した入力パッドなどであってもよい。
また、枠部材110において、チャンスボタン117の隣には、十字キー118が設けられている。十字キー118は、操作内容などの選択などをおこなうカーソルキーと、カーソルキーの操作によって選択された操作内容などを確定する「ENTER」キー(図示を省略する)と、を備えている。
遊技盤101において、遊技領域103の中央部分には、表示部104が配置されている。表示部104は、たとえば液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)によって実現することができる。液晶ディスプレイによって実現される表示部104は、各種画像をカラー表示可能な液晶表示パネル201と、液晶表示パネル201の背面に設けられる液晶シャッター202とを備えている。
表示部104の背面側には、表示部104を照明する、図示を省略する光源が設けられている。液晶シャッター202は、印加された電圧に基づいて、表示領域全域にわたってあるいは一部表示領域において、光源から照射された照明光を遊技機の前面側に透過あるいは遮断するように動作する。
表示部104の背面側には、リール203が配置されている。リール203は、縦3個×横3個の合計9個(9コマ)の小リール203a〜203iをマトリクス状に配置することによって構成されている。小リール203a〜203iは、表示部104の背面側において、表示部104がなす表示画面に平行な面をなすように配置されている。
各小リール203a〜203iは、それぞれ、円筒形をなし、外周面には複数種類の図柄が表記されている。具体的には、小リール203a〜203iの外周面には、それぞれ、大当たり用の図柄(たとえば「7」)、およびハズレ用の図柄(たとえば星印)が表記されている。各小リール203a〜203iは、それぞれ、円筒の軸心を中心として回転可能に設けられている。
各小リール203a〜203iには、それぞれ、各リールを独立して回転させるモータが接続されている。各モータを駆動して各小リール203a〜203iを個々に回転させることによって、各小リール203a〜203iが表示部104側に向ける図柄をそれぞれ変化させることができる。各小リール203a〜203iは、それぞれが1つの図柄を表示部104側に向けて停止した状態において、所定の出目を示す。リール203は、各小リール203a〜203iが、すべて停止した状態において、所定の出目を示す。
上記の光源は、表示部104とリール203との間に設けられている。光源は、たとえば複数のLEDによって構成することができる。光源は、表示部104のバックライトとして機能するとともに、リール203における各小リール203a〜203iが示す図柄を照らす照明として機能する。
(制御部の内部構成)
図3は、遊技機の制御部の内部構成を示すブロック図である。制御部300は、主制御部301、演出制御部302および賞球制御部303を含む、複数の制御部によって構成されている。各制御部301〜303は、それぞれ独立した基板に設けられている。各制御部301〜303は、たとえば主制御部301と賞球制御部303とを同一のプリント基板上に設けるなど、一部あるいは全部が同じ基板に設けられていてもよい。
主制御部301は、遊技機の遊技にかかる基本動作を制御する。主制御部301は、CPU311、ROM312、RAM313などによって構成されている。CPU311は、ROM312に記憶されたプログラムに基づき、遊技内容の進行にともなう基本処理を実行する。ROM312は、遊技内容の進行にともなう基本処理を実行するための各種プログラムや、大当たり判定に用いる大当たり値などを記憶している。RAM313は、CPU311の演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
CPU311は、遊技内容の進行にともなう基本処理として、たとえば大当たり判定用乱数のカウントをおこなう。具体的には、たとえば大当たり確率が1/280に設定されている遊技機の場合、CPU311は、遊技機が起動している間中、1ループが0〜279までの数値で+1ずつカウントアップする。CPU311は、このカウントアップを、主制御部301への電源供給時から開始し、1ループ分のカウント後は、つぎの1ループ分のカウントをおこなう、というようにループ状のカウントをおこなう。RAM313は、このような大当たり判定用乱数のカウントに際してのカウンタとして機能する。
そして、CPU311は、発射部392によって発射された遊技球が始動入賞口105に入賞(以下「始動入賞」という)すると、始動入賞した時点のカウント値を大当たり判定用乱数として取得する。取得する大当たり判定用乱数は、始動入賞したタイミングによって異なる。具体的には、たとえば上記の大当たり確率1/280が設定されている遊技機であれば、CPU311は、0〜279までの整数を含む数値群から、始動入賞した時点でカウントされた数値を、大当たり判定用乱数として取得する。上記の例であれば、0〜279までの整数によって構成される数値群の中の数値を大当たり判定用乱数として取得する。
CPU311は、大当たり判定用乱数を取得するごとに、取得した大当たり判定用乱数とROM312に記憶されている大当たり値とを比較して、大当たり判定をおこなう。CPU311は、具体的には、たとえば大当たり判定用乱数と大当たり値とが一致するか否かを判定し、一致する場合を大当たりと判定する。大当たり判定は、当該大当たり判定をおこなうための大当たり判定用乱数を取得した時点、すなわち始動入賞があった時点において先の始動入賞に対応した演出の実行中である場合、当該実行中の演出が終了してからおこなう。
また、詳細は後述するが、上記の大当たり値は実行中の遊技状態に応じて異なる。たとえば上記の大当たり確率1/280の遊技状態(以下「低確率状態」という)では、大当たり値を「0」とする。大当たり確率1/28の遊技状態(以下「高確率状態」という)では、大当たり値を「0」〜「9」とする。したがって、高確率状態では、大当たり確率が低確率状態の10倍となっており、低確率状態に比べて、遊技者が大当たりを期待できる遊技状態となっている。
また、CPU311は、遊技内容の進行にともなう基本処理として、たとえばリーチ乱数のカウント、変動パターン乱数のカウント、図柄乱数のカウント、などをおこなう。リーチ乱数は、始動入賞があった場合に取得され、当該始動入賞にしたがっておこなう演出においてリーチ演出をおこなうか否かを決定する。リーチ乱数は大当たり判定の結果がハズレであった場合に有効となり、遊技機においては大当たり判定の結果がハズレであってCPU311が特定のリーチ乱数を取得した場合にリーチ演出つきのハズレ演出をおこなう。
変動パターン乱数は、始動入賞にしたがって演出をおこなうごとに、当該演出を開始する直前に取得され、演出に際してリール203あるいは表示部104が表示する図柄の変動パターン(たとえば変動時間)を決定する。図柄乱数は、大当たり判定にて大当たりであると判定された場合に取得され、大当たりの種別(大当たりの種別については後述する)を決定する。リーチ乱数のカウント、変動パターン乱数のカウント、および図柄乱数のカウントは、それぞれ別々のカウンタを用いておこなう。各乱数のカウントについては、上記の大当たり判定用乱数のカウントと同様であるため説明を省略する。
主制御部301の入力側には、始動入賞口検出部321、ゲート検出部322、普通入賞口検出部323および大入賞口検出部324などが接続されている。始動入賞口検出部321は、始動入賞口105に入賞した入賞球を検出する。ゲート検出部322は、入賞ゲート106を通過した遊技球を検出する。普通入賞口検出部323は、普通入賞口107に入賞した遊技球を検出する。大入賞口検出部324は、大入賞口109に入賞した入賞球を検出する。各検出部321〜324は、たとえば近接センサなどによって実現することができる。この場合、検出部321〜324を実現する各センサは、それぞれ、遊技球が各センサに接近したタイミングでオン状態を示す信号を出力する。
CPU311は、一定時間(たとえば4msec)ごとに各検出部321〜324からの出力を監視している。始動入賞口105、入賞ゲート106、普通入賞口107あるいは大入賞口109に遊技球が入賞した場合、該当する検出部321〜324からの出力は2回以上連続してオン状態となる。CPU311は、各検出部321〜324からの出力に基づいて、2回以上連続してオン状態となった検出部321〜324に対応する箇所において入賞があったものとして判断する。
主制御部301の出力側には大入賞口開閉部331が接続されており、CPU311は、遊技球が大入賞口109に入賞したことを検出すると、大入賞口開閉部331に対して、大入賞扉109aの開閉信号を出力する。大入賞口開閉部331は、主制御部301から出力された開閉信号に基づいて、大入賞扉109aによる大入賞口109の開閉を制御する。大入賞口開閉部331は、たとえば大入賞扉109aに連結されたソレノイドによって実現することができる。
CPU311は、大当たりが発生した場合に、大入賞口109を一定期間だけ開放するように大入賞口開閉部331を制御する。大入賞口109は、たとえば大当たり判定により大当たりが確定してから所定時間後に開放される。また、CPU311は、大当たりが発生した場合に、大入賞口109を開放した後ふたたび閉塞する開閉動作を、所定ラウンド(たとえば15ラウンド)繰り返すように大入賞口開閉部331を制御する。1ラウンドの期間は、たとえば大入賞口109に遊技球が10個入賞する間、あるいは、所定期間(たとえば30秒間)とされている。大当たりは、生成した乱数に基づき所定の確率(たとえば1/280)で発生するようあらかじめプログラムされている。
また、CPU311は、始動入賞口105、普通入賞口107、大入賞口109など、払い出しがある箇所に遊技球が入賞したことを検出すると、主制御部301の出力側に接続された賞球制御部303に対して、賞球制御信号を出力する。賞球制御部303は、主制御部301からの出力信号に基づいて、遊技機が入賞した箇所に応じた賞球数を払い出すように、賞球制御部303の出力側に接続された払出部391を駆動制御する。
賞球制御部303は、CPU381、ROM382、RAM383などによって構成されている。CPU381は、主制御部301からの制御信号およびROM382に記憶されたプログラムに基づいて、賞球制御部303の出力側に接続された払出部391を駆動制御し、入賞した箇所に対応した数の賞球を払い出させる。
賞球制御部303は、大入賞口109の開閉動作中、たとえば大入賞口109に対して遊技球が1個入賞するごとに、15個の賞球数を払い出させる。RAM383は、CPU381の演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。払出部391は、遊技球の貯留部につながっており、遊技球を払い出すためのモータや、払い出した遊技球の個数をカウントするためのセンサなどを備えている。払出部391は、賞球制御部303からの出力信号にしたがって、入賞した箇所に対応した数の賞球を払い出す。
また、賞球制御部303は、発射部392に対する遊技球の発射の操作を検出し、遊技球の発射を制御する。発射部392は、遊技のための遊技球を発射するものであり、遊技者による遊技操作を検出するセンサと、遊技球を発射させるソレノイドなどを備える(いずれも図示を省略する)。賞球制御部303は、発射部392のセンサにより遊技操作を検出すると、検出された遊技操作に対応してソレノイド等を駆動させて遊技球を間欠的に発射させ、遊技盤101の遊技領域103に遊技球を送り出す。
演出制御部302は、遊技中の各種演出の制御をおこなう。演出制御部302の出力側には表示部104およびリール203が接続されており、演出制御部302は表示部104およびリール203の動作を制御することによって遊技中の演出動作を制御する。演出制御部302は、CPU341、ROM342、RAM343などによって構成されている。
CPU341は、主制御部301からの制御信号およびROM342に記憶されたプログラムに基づいて、遊技内容を演出する演出処理を実行する。ROM342は、演出処理の実行にかかる各種プログラム、表示部104に表示する各種画像データ(背景画像、図柄画像、キャラクタ画像など)、リール203に対する回転制御データを記憶する。RAM343は、CPU341の演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
CPU341は、ROM342に記憶されたプログラムや各種画像データを読み込んで、背景画像表示処理、図柄画像表示/変動処理、キャラクタ画像表示処理など各種画像処理をおこなう。各種画像処理の実行に際し、CPU341は、適宜必要な画像データをROM342から読み出し、読み出した画像データを、演出制御部302が備えるVRAM344などに書き込む。CPU341は、演出制御部302が備えるVRAM344への画像データの書き込みに際して、図柄画像やキャラクタ画像が背景画像よりも手前に見えるように、画像データの加工をおこなう。
具体的には、たとえば表示部104が表示する背景画像と図柄画像の表示位置が表示画面内の同一位置に重なる場合、Zバッファ法など周知の陰面消去法により各画像データのZバッファのZ値を参照することで、VRAM344などに図柄画像を優先して記憶させる。表示部104は、VRAM344に書き込まれた画像データに基づいて、図柄画像やキャラクタ画像が背景画像よりも手前に見える画像を表示する。表示部104は、具体的には、たとえば入賞するまでの間遊技内容を演出する図柄や、リーチ(3つの図柄のうち2つが揃った状態)図柄、大当たり時の遊技内容を演出する図柄などをあらわす画像データを出力する。
また、CPU341は、ROM342に記憶されたプログラムや回転制御データを読み込んで、リール203の回転制御処理をおこなう。リール203の回転制御処理に際し、CPU341は、適宜必要な回転制御データをROM342から読み出し、読み出した回転制御データに基づいて各小リール203a〜203iに接続されたモータの回転方向、回転速度、回転数などを制御する。
この実施の形態における「回転」は、各小リール203a〜203iにおける任意の基準位置が、各々の軸心を中心とする円周上を360度移動する動作状態を示す。また、この実施の形態における「回転」は、各小リール203a〜203iにおける任意の基準位置が、各々の軸心を中心とする円周上を360度未満あるいは360度より大きな回転角度で移動する、いわゆる「回動」する動作状態を含む。
CPU341は、リール203を回転制御することにより、具体的には、たとえば所定数(たとえば3つ)の図柄が1ライン上に揃った状態を示す。また、CPU341は、リール203を回転制御することにより、具体的には、たとえばリーチを示す数(3つの図柄のうち2つ)の図柄が1ライン上に揃った状態を示す。
CPU341は、表示部104が表示する演出画像とリール203がなす図柄の状態とが互いに連動するように、複数の小リール203a〜203iがなす図柄の状態にあわせて、リール203の図柄を補助する各種画像データを生成して出力する。具体的には、CPU341は、たとえばリール203がなす図柄がリーチ状態や大当たり状態を示す場合には、リール203の図柄を補助し、遊技者の期待感や興奮を高めるような演出画像の画像データを生成して出力する。
さらに、CPU341は、実行中の演出モードをあらわす演出画像の画像データを生成して出力する。たとえばCPU341は、実行中の演出モードに対応づけられた背景画像の画像データを読み込んでVRAM344に書き込む。上述したように、CPU341は、このとき図柄画像やキャラクタ画像も表示するようであれば、これらが背景画像よりも手前に見えるように、画像データの加工をおこなう。
また、CPU341は、演出ボタンの操作にしたがって、表示部104が表示する演出画像が変化するように、演出ボタンの操作の有無あるいは演出ボタンの操作タイミングにしたがって異なる画像データを生成して出力する。また、CPU341は、演出ボタンの操作にしたがって、リール203がなす図柄が変化するように、演出ボタンの操作の有無あるいは演出ボタンの操作タイミングにしたがってリール203の回転制御を異ならせる。
演出制御部302の出力側には、音声制御部355が接続されている。CPU341は、音声制御部355に対して、スピーカ377が備えるコイルに対する通電状態を制御するためのデータ(音声出力制御データ)を出力する。音声制御部355は、演出制御部302から出力された音声出力制御データに基づいて、コイルに対する通電状態を変化させることによって、BGM、演出の効果音、キャラクタの台詞などの各種の音声をスピーカ377から出力させる。
(遊技機の基本動作)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の遊技機の基本動作の一例を説明する。遊技機は、遊技者の操作を検出した場合に、発射部392によって遊技球の発射をおこなう。発射された遊技球は、遊技領域103内を、釘や風車に衝突しながら自重によって下方へ落下する。発射された遊技球の一部は、始動入賞口105、普通入賞口107、大入賞口109などに入賞する。
主制御部301は、始動入賞口105、普通入賞口107、大入賞口109など、払い出しがある箇所における遊技球の入賞状況を賞球制御部303に出力する。賞球制御部303は、主制御部301からの出力信号にしたがって、入賞状況に対応した賞球数の払い出しをおこなう。また、主制御部301は、遊技球が入賞ゲート106に入賞した場合、始動入賞口105を一定時間だけ通常より大きく開放させる。
また、主制御部301は、遊技球が始動入賞口105に入賞(始動入賞)した場合、上記の大当たり判定をおこない、大当たり判定結果にしたがってハズレ演出あるいは大当たり演出をおこなう。具体的には、遊技機は、取得した大当たり判定用乱数と大当たり値とが一致しないと判定した場合に、演出制御部302によってハズレ演出を実行する。また、主制御部301は、取得した大当たり判定用乱数と大当たり値とが一致すると判定した場合に、演出制御部302によって大当たり演出を実行する。また、主制御部301は、取得した大当たり判定用乱数と大当たり値とが一致すると判定した場合に、大入賞口109を所定ラウンド数分開放する。
また、主制御部301は入賞があった箇所に応じた信号を賞球制御部303に出力し、賞球制御部303は主制御部301からの出力信号にしたがって払出部391を駆動制御して、入賞があった箇所に応じた賞球数の払い出しをおこなわせる。そして、主制御部301は、大当たり演出終了後は、大当たり状態を終了し、その他の遊技状態に復帰する。大当たり状態後に移行する遊技状態については図4を用いて後述する。
主制御部301は、先の始動入賞に対応する演出実行中に別の始動入賞があった場合、当該始動入賞があった時点の大当たり判定用乱数を取得するとともに取得した大当たり判定用乱数を保留する。そして、実行中の演出が終了した後に、保留した大当たり判定用乱数を用いた大当たり判定をおこない、当該大当たり判定結果を示す信号を演出制御部302に出力する。演出制御部302は、主制御部301からの出力信号に応じた各種演出をおこなう。
また、主制御部301は、大当たり判定用乱数を取得して保留した際に、この保留された大当たり判定用乱数が大当たり値と一致するものであるかを判定してもよい(いわゆる「先読み」。以下「先読み」という)。そして、この先読み結果を示す信号を演出制御部302に出力する。これにより、演出制御部302は、大当たりとなる変動開始前から徐々に遊技者の期待感を高めていく演出などをおこなうことができる。
演出制御部302は、表示部104およびリール203を用いて、ハズレ演出および大当たり演出などの各種演出をおこなう。演出制御部302は、具体的には、たとえばすべての小リール203a〜203iを回転させたのち、当該小リール203a〜203iを順次停止させることでリール203を用いて所定の出目を示すとともに、リール203の回転および停止動作にあわせた画像を表示部104に表示する。
表示部104は、リール203の動作およびリール203がなす出目に連動した画像を表示する。このように、表示部104における画像の表示動作とリール203の動作とを連動することによって、遊技機がなす演出の演出効果を高めることができる。また、表示部104は、実行中の演出モードに対応した画像を表示する。
表示部104およびリール203が遊技機の奥行き方向に重ねて配置されているため、遊技者は、表示部104に表示する画像に応じて、リール203全体あるいは一部の小リール203a〜203iを視認することができる。遊技者は、表示部104を通して、当該表示部104のうしろ側(背面側)にあるリール203を見ることになり、表示部104による演出とリール203による演出とを、視線をずらすことなく同時に見ることができる。
また、表示部104およびリール203が遊技機の奥行き方向に重ねて配置されているため、表示部104とリール203とが重なる領域において、表示部104による光の透過具合を調整することにより、遊技者にリール203全体を見せたり、リール203の一部(たとえば小リール203a〜203iの中の1つのみ遮断)だけを遊技者に見せたりする演出をおこなうことができる。具体的には、たとえば液晶ディスプレイによって表示部104を実現する場合、シャッターの開閉度合いを調整することによって、遊技者にリール203全体を見せたり、リール203の一部だけを遊技者に見せたりする演出をおこなうことができる。
(本実施の形態の遊技機が取り得る遊技状態)
つぎに、本実施の形態の遊技機が取り得る遊技状態について説明する。図4は、本実施の形態の遊技機が取り得る遊技状態を示す説明図である。図4に示すように、本実施の形態の遊技機は、「大当たり状態」と、「確変遊技状態」と、「潜伏確変遊技状態」と、「通常遊技状態」と、「時短遊技状態」とのいずれかの遊技状態を取り得る。以下にそれぞれの遊技状態の内容について説明する。
大当たり状態を除く他の遊技状態において、大当たりに当選すると、遊技機は、大当たり状態へと移行する。大当たり状態は、所定の大当たり終了条件を満たすまで継続される。大当たり終了条件は、たとえば規定ラウンド数分の大入賞口109の開放となっている。大当たり終了条件を満たした場合には、当選した大当たりの種別ごとに設定された遊技状態へ移行する。
たとえば、当選した大当たりの種別が、確変大当たりである場合、遊技機は、確変遊技状態へと移行する。通常大当たりである場合、遊技機は、時短遊技状態へと移行する。潜伏確変大当たり(以下「潜確大当たり」という)である場合、遊技機は、潜伏確変遊技状態へと移行する。
この実施の形態の遊技機においては、上記のそれぞれの大当たりにおける大入賞口109の開閉回数、すなわちラウンド数は、同一のラウンド数(たとえば8ラウンド)となっており、1ラウンド当たりに大入賞口109が開放される開放時間がそれぞれ異なるように設定されている。たとえば、上記の確変大当たりや通常大当たりは1ラウンド当たりの開放時間は30秒とされる。一方、潜確大当たりは1ラウンド当たりの開放時間は0.1秒とされる。
一般に、ぱちんこ遊技機では、ラウンド数の異なる大当たりが複数種類ある場合、大当たり当選時に、たとえば所定のランプ(以下「ラウンド数報知ランプ」という)を点灯させて、当選した大当たりのラウンド数を遊技者に対して報知しなければならない。この実施の形態の遊技機は、上記のようにすべての大当たりが同一のラウンド数となっているため、当選した大当たりのラウンド数を遊技者に対して報知する必要がない。このため、この実施の形態の遊技機は、ラウンド数報知ランプを設ける必要性をなくすことができ、遊技機の製造における低コスト化を図ることができる。
また、近年のぱちんこ遊技機では、「小当たり」と呼ばれる特定のハズレを設けたものがある。この小当たりに当選すると、ぱちんこ遊技機は、大当たり状態には移行しないものの、たとえば上記の潜確大当たり当選時と同じ内容の演出をおこなう。しかしながら、小当たりは、ハズレであるためラウンド数報知ランプは点灯されない。したがって、遊技者は、潜確大当たりに当選したのか、小当たりに当選したのかを、ラウンド数報知ランプの点灯の有無により容易に判断することが可能になる。
具体的には、遊技者は、ラウンド数報知ランプが点灯された場合には潜確大当たりに当選したと判断することができ、ラウンド数報知ランプが点灯されなかった場合には小当たりに当選したと判断できた。このため、遊技者は遊技状態が容易に判断でき、潜伏確変遊技状態を設けても、「潜伏確変遊技状態かもしれない」といった継続的な期待感を遊技者に対して与えることができていなかった。
そこで、この実施の形態の遊技機は、ラウンド数報知ランプを設けないことで、潜確大当たりに当選したのか、小当たりに当選したのかを遊技者が判別できない状態とすることで、たとえば小当たり当選後であっても遊技者に対して「潜伏確変遊技状態になったかもしれない」といった期待感を与えることができ、その後も「潜伏確変遊技状態かもしれない」といった遊技者の期待感を持続させることができる。
また、この実施の形態の遊技機は、潜確大当たりに当選したのか、小当たりに当選したのかを遊技者が判別できない状態とすることで、遊技者に現在の遊技状態を容易に特定させず、遊技者に「現在の遊技状態を推測しながら遊技させる」といった遊び方を提供することができる。この実施の形態の遊技機は、各種演出により、遊技者に現在の遊技状態を特定させない一方で、遊技状態を示唆して遊技者の遊技状態の推測を補助する。
確変遊技状態は、上記の高確率状態(大当たり確率1/28)に、始動入賞口105が備えるチューリップによる遊技サポート(以下「電チューサポート」という)が付与された遊技状態である。ここで、電チューサポートとは、たとえば始動入賞口105を一定時間だけ通常より大きく開放させたり、始動入賞口105を開放させる頻度を増加させたりすることで、電チューサポートなしのときよりも、始動入賞口105へ入賞する機会を増加させる機能である。確変遊技状態は、所定の確変終了条件を満たすまで継続される。たとえば本実施の形態では、大当たりへの当選(すなわち大当たり状態への移行)が確変終了条件となっている。
潜伏確変遊技状態は、上記の高確率状態(大当たり確率1/28)に、電チューサポートが付与されない遊技状態である。潜伏確変遊技状態は、所定の潜伏確変終了条件を満たすまで継続される。たとえば本実施の形態では、大当たりへの当選(すなわち大当たり状態への移行)が潜伏確変終了条件となっている。
時短遊技状態は、上記の低確率状態(大当たり確率1/280)に、電チューサポートが付与された遊技状態である。時短遊技状態は、所定の時短終了条件を満たすまで継続される。たとえば本実施の形態では、規定回数(たとえば100回)の図柄の変動、または、大当たりへの当選が時短終了条件となっている。時短終了条件を満たした場合には、遊技機は、通常遊技状態、もしくは大当り状態へ移行する。
通常遊技状態は、上記の低確率状態(大当たり確率1/280)に、電チューサポートが付与されない遊技状態である。すなわち、通常遊技状態は、潜伏確変遊技状態と同様に電チューサポートが付与されず、異なるのは大当たり確率のみとなっている。この大当たり確率は遊技機の内部確率であるため遊技者は視認することができない。したがって、本実施の形態の遊技機は、通常遊技状態と潜伏確変遊技状態とで同様の演出をおこなう(見た目上の演出を揃える)ことで、遊技者は遊技状態がそのどちらであるか判断できないようになっている。
(遊技機の機能的構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の遊技機の機能的構成について説明する。図5は、この発明にかかる実施の形態の遊技機の機能的構成を示すブロック図である。図5において、この発明にかかる実施の形態の遊技機は、受信部501、検出部502、連動制御部503、表示制御部504、およびリール制御部505を備えている。各部501〜505の機能は、演出制御部302によって実現することができる。
受信部501は、主制御部(主制御基板)301から送信されたコマンドを受信する。受信部501は、たとえば、大当たりコマンド、リーチコマンド、遊技状態コマンドなど、主制御部(主制御基板)301から送信される各種コマンドを受信する。大当たりコマンドは、大当たりかハズレかを示すコマンドとすることができ、その指示内容は始動入賞時に取得した大当たり判定用乱数によって決定することができる。リーチコマンドは、リーチ演出の有無を示すコマンドとすることができ、その指示内容は始動入賞時に取得したリーチ乱数によって決定することができる。遊技状態コマンドは、遊技状態を示すコマンドとすることができ、その指示内容は実行中の遊技状態によって決定することができる。
検出部502は、受信部501におけるコマンドの受信の有無を検出し、検出結果を連動制御部503に出力する。検出部502は、受信部501においてコマンドを受信したことを検出すると、検出したコマンドの種類を判別し、判別したコマンドの種類に応じた信号を、連動制御部503に出力する。
検出部502は、具体的には、たとえば受信部501において受信した大当たりコマンドが大当たりを示すコマンドであると判別した場合、大当たり演出の実行を指示するコマンドを連動制御部503に出力する。また、検出部502は、具体的には、たとえば受信部501において受信したリーチコマンドがリーチ演出有りを示すリーチコマンドであると判別した場合、リーチ演出を含む演出の実行を指示するコマンドを連動制御部503に出力する。
連動制御部503は、検出部502による検出結果すなわち検出部502から出力されたコマンドを受信し、受信したコマンドにしたがった駆動制御信号を、表示制御部504およびリール制御部505にそれぞれ出力する。連動制御部503は、たとえば大当たり演出の実行を指示するコマンドを受信した場合、リール203の位置および各小リール203a〜203iの停止タイミングにあわせた演出画像の表示を指示する信号を表示制御部504に対して出力するとともに、大当たりを示す出目でのリール203の停止を指示する信号をリール制御部505に対して出力する。
また、連動制御部503は、たとえばハズレ演出(すなわちリーチ演出なしのハズレ)の実行を指示するコマンドを受信した場合、表示画面上における演出モードの切り替えをおこなうか否かの抽選をおこなう(第1の抽選処理工程)。連動制御部503は、この第1の抽選処理工程により、所定の確率(たとえば1/10)で演出モードの切り替えをおこなうことができる。
その後、連動制御部503は、第1の抽選処理工程において演出モードを切り替えるとされた場合に、各演出モードへの移行確率を定めた抽選テーブル(図8−1、図8−2、図8−3を参照)を用いて、切り替え先の演出モードを決めるための抽選をおこなう(第2の抽選処理工程)。この第2の抽選処理において、連動制御部503は、遊技状態コマンドに基づき、潜伏確変遊技状態などの高確率状態である場合と、通常遊技状態などの低確率状態である場合とで、それぞれ各演出モードへの移行確率が異なる抽選テーブルを用いて抽選をおこなう。
この第2の抽選処理において、連動制御部503は、現在の演出モードの情報も用いてもよい。この場合、連動制御部503は、現在の演出モードによって切り替え先の演出モードが限定されるような抽選をおこなう。たとえば、3種類の演出モードの場合、連動制御部503は、現在の演出モードが第1の演出モード(たとえば後述する「小人ステージ」)であれば、切り替え先が第2の演出モード(たとえば後述する「ゲートステージ」)となるような抽選をおこなう。
また、連動制御部503は、たとえば現在の演出モードが第2の演出モードであれば、切り替え先が第1の演出モードまたは第3の演出モード(たとえば後述する「ドラゴンステージ」)のいずれかとなるような抽選をおこなう。連動制御部503は、たとえば現在の演出モードが第3の演出モードであれば、切り替え先が第2の演出モードとなるような抽選をおこなう。
また、連動制御部503は、切り替え先の演出モードに現在の演出モードを含むような抽選をおこなってもよい。たとえば、この場合、現在の演出モードが第1の演出モードであれば、切り替え先が第1の演出モードまたは第2の演出モードのいずれかとなるような抽選をおこなう。
つづいて、連動制御部503は、上記の第2の抽選処理工程の抽選結果に基づき、演出モードを切り替える演出モード切替処理をおこなう(演出モード切替工程)。演出モード切替処理(演出モード切替工程)に際して、連動制御部503は、上記の第2の抽選処理工程の抽選結果に基づく演出モードに対応する演出画像の表示を指示する信号を表示制御部504に対して出力する。
また、演出モード切替処理では、第1の抽選処理工程において演出モードを切り替えるとされた場合に時短遊技状態であれば、第2の抽選処理工程の抽選結果にかかわらず(もしくは第2の抽選処理をおこなうことなく)、現在の演出モードよりも期待度が高いとされる所定の演出モードへ切り替え、当該所定の演出モードに対応する演出画像の表示を指示する信号を表示制御部504に対して出力する。
この場合、演出モード切替処理では、たとえば現在の演出モードが第1の演出モード(「小人ステージ」)であれば、第2の演出モード(「ゲートステージ」)へ切り替え、第2の演出モードに対応する演出画像の表示を指示する信号を表示制御部504に対して出力する。また、たとえば現在の演出モードが第2の演出モードであれば、第3の演出モード(「ゲートステージ」)へ切り替え、第3の演出モードに対応する演出画像の表示を指示する信号を表示制御部504に対して出力する。
このように、遊技機は、遊技状態が時短遊技状態である場合には、現在の演出モードよりも期待度が高いとされる所定の演出モードへ切り替えるので、遊技者のつぎの大当たりに対する期待感を高めることができるようになっている。
表示制御部504は、連動制御部503から出力された信号を受信し、受信した信号にしたがった演出画像が表示部104に表示されるように、表示部104を制御する。表示制御部504は、各小リール203a〜203iの回転状態や停止タイミングにあわせた演出画像が表示部104に表示されるように、表示部104を制御する。表示部104は、表示制御部504の制御にしたがって動作する。
この実施の形態の表示制御部504は、リール203のすべてあるいは一部が表示部104を介して視認できるように当該表示部104の透過率を制御するとともに、透過して視認できるリール203のすべてあるいは一部の回転を停止または抑制するように見える画像を表示部104においてリール203に重ねて表示する。あるいは、表示制御部504は、透過して視認できるリール203のすべてあるいは一部の回転を停止または抑制するように見える画像を、当該リール203の近傍に表示してもよい。
リール制御部505は、連動制御部503から出力された信号を受信し、受信した信号にしたがってリール203における各小リール203a〜203iの回転動作を制御する。リール制御部505は、具体的には、たとえば小リール203a〜203iごとに設けられたモータにパルス信号を与えることによって、各小リール203a〜203iの回転動作を制御する。
リール制御部505は、すべての小リール203a〜203iを一斉に回転させた後、それぞれの小リール203a〜203iが所定の順序で停止するように、各小リール203a〜203iの回転動作を制御する。すべての小リール203a〜203iが停止した時点でリール203が示す図柄は、上記の変動パターン乱数によって決定された図柄とされる。また、リール制御部505は、小リール203a〜203iがそれぞれの所定の回転方向に所定の回転速度で回転するように、各小リール203a〜203iの回転動作を制御する。リール203は、リール制御部505の制御にしたがって動作する。
表示制御部504およびリール制御部505の制御は、連動制御部503を介しておこなうものに限らない。たとえば表示のみの演出をおこなう場合は、表示制御部504が単独で表示部104を制御してもよい。また、たとえばリール203の変動によってのみ演出をおこなう場合は、リール制御部505が単独でリール203の回転動作を制御してもよい。
また、本実施の形態では、大当たり判定の判定結果を示す図柄を物理的なリール203を用いてあらわすこととしたがこれに限らない。たとえば表示制御部504が、3列の図柄画像を表示部104の上から下へと移動するように表示し、その後、大当たり判定の判定結果を示す組み合わせにて、これらの図柄画像を停止表示してもよい。この場合、上記のリール制御部505およびリール203はなくともよい。
(遊技機の演出内容)
つぎに、遊技機の演出内容について説明する。本実施の形態の遊技機の演出は、たとえば主人公(遊技者)が邪悪な魔王を討伐するストーリーを題材としたものとなっている。この遊技機は、主人公が小人の国(小人ステージ)から魔王を倒す旅に出発する。その後、魔王の住む魔界へと入るために、主人公は魔界の門(ゲートステージ)を通過する。魔界へと入った主人公は、魔王の重臣ドラゴン(ドラゴンステージ)を倒して、魔王(魔王ステージ)の居城への到達を目指すストーリーに沿って遊技を進行する。そして、長い旅の終わりに魔王との対決を迎え、魔王の討伐に成功すると大当たりとなる。
図6は、本実施の形態の遊技機の演出モードの概要を示す説明図である。図6に示すように、本実施の形態の遊技機は、具体的には、上記のストーリーに即して、小人の国を想定した「小人ステージ」、魔界の門を想定した「ゲートステージ」、魔王の重臣ドラゴンとの対決の場を想定した「ドラゴンステージ」、魔王との対決を想定した「魔王ステージ」、の複数の演出モード(ステージ)を用いて演出をおこなう。
これらの演出モードは、たとえば階層構造をなし、図6において「魔王ステージ」に近い演出モードほど期待度が段階的に高くなっている。ここで、期待度とは、遊技者が、高確率状態(確変遊技状態もしくは潜伏確変遊技状態)であることを期待できる度合いをいう。
具体的には、「魔王ステージ」は高確率状態(確変遊技状態もしくは潜伏確変遊技状態)であることが確定する(高確率状態時のみ移行する)演出モードであり、以下、期待度の高い順に「ドラゴンステージ」>「ゲートステージ」>「小人ステージ」となる。遊技機は、これらの複数の演出モードの中から一つの演出モードを選択して、その演出モードに応じた演出をおこなう。遊技機は、たとえば選択された演出モードに応じた背景画像(たとえばドラゴンステージであればドラゴンの背景画像)を含む演出画像を表示部104に表示する。
遊技機は、現在の演出モードと隣接する演出モードへ切り替えることができる。遊技機は、現在の演出モードが、たとえば「小人ステージ」であるときに「ゲートステージ」へ切り替える(図6中符号601の矢印)。また、遊技機は、現在の演出モードが、たとえば「ゲートステージ」であるときに「小人ステージ」(図6中符号602の矢印)、または「ドラゴンステージ」へ切り替える(図6中符号603の矢印)。さらに、遊技機は、現在の演出モードが、たとえば「ドラゴンステージ」であるときに「ゲートステージ」(図6中符号604の矢印)、または「魔王ステージ」へ切り替える(図6中符号605の矢印)。「魔王ステージ」へ切り替えた場合には、遊技機は、つぎに大当たりとなるまで演出モードの切り替えをおこなわない。このように、演出モードを切り替える演出を以下「ステージ移行演出」という。
遊技機は、上記のステージ移行演出(すなわち演出モードの切り替え)を任意のタイミングでおこなう。ここで、任意のタイミングとは、たとえば図柄を1回変動させるごとにステージ移行演出をおこなうか否かのステージ移行演出実行抽選をおこなって、この抽選に当選したときとすることができる。また、遊技機は、たとえば前回のステージ移行演出より規定回数の図柄が変動されたときなどにもステージ移行演出をおこなってよい。
また、遊技機は、たとえば大当りとなる変動の開始時に、現在の演出モードから所定の演出モードへ切り替えることができる。遊技機は、現在の演出モードが、たとえば「小人ステージ」であるときに「ドラゴンステージ」へ切り替える(図6中符号606の矢印)。また、たとえば、遊技機は、先読みをおこなって、保留内に大当りがあるときに現在の演出モードから「ドラゴンステージ」へ切り替えてもよい。
(遊技機の処理手順)
つぎに、上記内容の演出に際しての遊技機の処理手順について説明する。図7は、この発明にかかる実施の形態の遊技機の処理手順を示すフローチャートである。図7に示す処理は、遊技機の電源が投入され、所定の起動処理などが終了し、通常の遊技をおこなうことができる状態において演出制御部(演出制御基板)302が実行する。また、図7に示す処理は、始動入賞が一回あり、当該始動入賞に対して図柄を一回変動させるごとに演出制御部(演出制御基板)302が実行する。
図7に示すフローチャートにおいて、まず、演出制御部302は、主制御部301からの出力信号に基づいて、始動入賞があるまで待機する(ステップS701:No)。始動入賞があった場合(ステップS701:Yes)は、演出制御部302は、リーチ演出を実行するかを判断する(ステップS702)。ステップS702において、演出制御部302は、たとえば始動入賞時に取得した大当たり判定用乱数が大当たり値に一致する場合や、リーチ演出ありを示すリーチ乱数を取得した場合に、リーチ演出を実行すると判断する。
ステップS702にてリーチ演出を実行しないと判断された場合には(ステップS702:No)、演出制御部302は、ステージ移行演出を実行するか否かを決定するステージ移行演出実行抽選をおこなう(ステップS703)。ステップS703において、演出制御部302は、たとえばステージ移行演出実行抽選直前に取得された所定の実行抽選用乱数と、実行抽選用テーブルとに基づき、ステージ移行演出実行抽選をおこなう。このとき、実行抽選用乱数の値が所定の値であればステージ移行演出を実行するものとする。
その後、ステージ移行演出実行抽選の抽選結果に基づき、ステージ移行演出を実行するか(ステージ移行演出実行抽選に当選したか)を判断する(ステップS704)。ステップS704にてステージ移行演出を実行すると判断された場合には(ステップS704:Yes)、演出制御部302は、遊技状態コマンドに基づき、現在の遊技状態が時短遊技状態であるかを判断する(ステップS705)。
ステップS704にて時短遊技状態である場合(ステップS705:Yes)、演出制御部302は、現在の演出モードが「ドラゴンステージ」であるかを判断する(ステップS706)。現在の演出モードが「ドラゴンステージ」である場合には(ステップS706:Yes)、演出制御部302は、後述するステップS709へ移行する。
現在の演出モードが「ドラゴンステージ」でない場合には(ステップS706:No)、演出制御部302は、現在の演出モードに応じた切り替え先の演出モードを決定する(ステップS707)。ここでは、図6において現在の演出モードの一つ上の演出モード(現在「小人ステージ」であれば「ゲートステージ」、現在「ゲートステージ」であれば「ドラゴンステージ」)が切り替え先の演出モードとして決定される。
そして、演出制御部302は、切り替え先として決定された演出モードへ切り替えるステージ移行演出を実行し(ステップS708)、一連の処理を終了する。ステージ移行演出実行時には、演出制御部302は、ステージ移行演出をあらわす演出画像を表示部104に表示させるとともにリール203を回転させ、所定のハズレ目で停止させる(図9−4参照)。
一方、ステップS705において時短遊技状態でない場合(ステップS705:No)、またはステップS706において現在の演出モードが「ドラゴンステージ」である場合には(ステップS706:Yes)、演出制御部302は、各演出モードへの移行確率を定めた移行先抽選テーブルを用いて、演出モードを切り替えるための抽選処理(以下「移行先抽選」という)をおこなう(ステップS709)。
ステップS709において、演出制御部302は、たとえば主制御部301からの遊技状態コマンドにより遊技状態(たとえば潜伏確変遊技状態)を判断し、この遊技状態と現在の演出モード(たとえば「小人ステージ」)とに基づき、遊技状態と演出モードとの組み合わせごとに設定された抽選テーブルを用いて、移行先抽選をおこなう。
移行先抽選テーブルについては、図8−1、図8−2、図8−3を用いて後述するが、たとえば潜伏確変遊技状態などの高確率状態で現在の演出モードが「ゲートステージ」である場合に用いる抽選テーブルは、通常遊技状態などの低確率状態で現在の演出モードが「ゲートステージ」である場合に用いる抽選テーブルよりも、「ドラゴンステージ」への移行確率が高く設定されている。
また、たとえば高確率状態で現在の演出モードが「ゲートステージ」である場合に用いる抽選テーブルは、通常遊技状態などの低確率状態で現在の演出モードが「ゲートステージ」である場合に用いる抽選テーブルよりも、「小人ステージ」への移行確率が低く設定されている。これらにより、現在の演出モードが「ゲートステージ」である場合には、高確率状態であれば「ドラゴンステージ」へ移行し易く、低確率状態であれば「小人ステージ」へ移行し易くなっている。
そして、移行先抽選の抽選結果に基づき、演出制御部302は、切り替え先の演出モードを決定して(ステップS710)、ステップS708へ移行して、この移行先の演出モードへ切り替えるステージ移行演出を実行し、一連の処理を終了する。
ステップS704にてステージ移行演出を実行しないと判断された場合(ステップS704:No)、演出制御部302は、所定のハズレ演出を実行し(ステップS711)、一連の処理を終了する。
一方、ステップS702にてリーチ演出を実行すると判断された場合には(ステップS702:Yes)、演出制御部302は、所定のリーチ演出を実行し(ステップS712)、図7の処理開始時に受信したコマンド(大当たりコマンド、リーチコマンド)に基づく出目でリール203を停止させて、大当たりとなったかを判断する(ステップS713)。
そして、大当たりであれば(ステップS713:Yes)、演出制御部302は、大当たりラウンド演出を実行して(ステップS714)、一連の処理を終了する。また、大当たりでない場合、すなわちリーチ演出つきハズレである場合には(ステップS713:No)、演出制御部302は、そのまま一連の処理を終了する。
このように、遊技機は、演出モードを切り替えるとされた場合(ステージ移行演出実行抽選に当選した場合)に、現在の遊技状態が時短遊技状態であれば、現在の演出モードよりも期待度が高いとされる演出モードへ切り替えるステージ移行演出を実行する。また、遊技機は、演出モードを切り替えるとされた場合に、現在の遊技状態が時短遊技状態でなければ、遊技状態と演出モードとの組み合わせごとに設定された抽選テーブルを用いて移行先抽選をおこなって、演出モードへ切り替えるステージ移行演出を実行する。
したがって、遊技機は、演出モードの切り替えにより潜伏確変遊技状態などの高確率状態に対する期待度を示すとともに、時短遊技状態であれば期待度が高いとされる所定の演出モードへ切り替えるので、遊技者のつぎの大当たりに対する期待感を高めることができる。
(移行先抽選の抽選結果の振り分けの一例)
つぎに、上記の移行先抽選テーブルの内容について説明する。図8−1は、移行先抽選テーブルの内容を示す説明図(その1)である。図8−2は、移行先抽選テーブルの内容を示す説明図(その2)である。図8−3は、移行先抽選テーブルの内容を示す説明図(その3)である。
移行先抽選テーブルは複数設けられており、演出制御部302は、遊技状態と、現在の演出モードとに応じた移行先抽選テーブルを選択し、この移行先抽選テーブルを用いて、移行先抽選をおこなう。たとえば、本実施の形態では、(1)高確率状態「小人ステージ」用テーブル、(2)低確率状態「小人ステージ」用テーブル、(3)高確率状態「ゲートステージ」用テーブル、(4)低確率状態「ゲートステージ」用テーブル、(5)高確率状態「ドラゴンステージ」用テーブル、(6)低確率状態「ドラゴンステージ」用テーブル、の6つの移行先抽選テーブルが設けられている。
図8−1は、現在の演出モードが「小人ステージ」である場合の移行先抽選テーブルの内容を示す。図8−1中符号810で示す列は、(1)高確率状態「小人ステージ」用テーブルの内容を示し、図8−1中符号820で示す列は、(2)低確率状態「小人ステージ」用テーブルの内容を示す。
符号810の列に示すように、「小人ステージ」において、高確率状態である場合の移行先の振り分けは、「ゲートステージ」が60%、「小人ステージ」が40%となっている。一方、符号820の列に示すように、低確率状態である場合の移行先の振り分けは、「ゲートステージ」が40%、「小人ステージ」が60%となっている。すなわち、「小人ステージ」にて移行先抽選がおこなわれた場合、「ゲートステージ」へ移行する確率が、高確率状態のときの方が低確率状態のときに比べて高く設定されている。
図8−2は、現在の演出モードが「ゲートステージ」である場合の移行先抽選テーブルの内容を示す。図8−2中符号830で示す列は、(3)高確率状態「ゲートステージ」用テーブルの内容を示し、図8−2中符号840で示す列は、(4)低確率状態「ゲートステージ」用テーブルの内容を示す。
符号830の列に示すように、「ゲートステージ」において、高確率状態である場合の移行先の振り分けは、「ドラゴンステージ」が30%、「ゲートステージ」が50%、「小人ステージ」が20%となっている。一方、符号840の列に示すように、低確率状態である場合の移行先の振り分けは、「ドラゴンステージ」が10%、「ゲートステージ」が40%、「小人ステージ」が50%となっている。すなわち、「ゲートステージ」にて移行先抽選がおこなわれた場合、「ドラゴンステージ」へ移行する確率が、高確率状態のときの方が低確率状態のときに比べて高く設定されている。
図8−3は、現在の演出モードが「ドラゴンステージ」である場合の移行先抽選テーブルの内容を示す。図8−3中符号850で示す列は、(5)高確率状態「ドラゴンステージ」用テーブルの内容を示し、図8−3中符号860で示す列は、(6)低確率状態「ドラゴンステージ」用テーブルの内容を示す。
符号850の列に示すように、「ドラゴンステージ」において、高確率状態である場合の移行先の振り分けは、「魔王ステージ」が20%、「ドラゴンステージ」が60%、「ゲートステージ」が20%となっている。一方、符号860の列に示すように、低確率状態である場合の移行先の振り分けは、「魔王ステージ」が0%、「ドラゴンステージ」が20%、「ゲートステージ」が80%となっている。すなわち、「ドラゴンステージ」にて移行先抽選がおこなわれた場合、「ドラゴンステージ」へ移行する確率(すなわち「ドラゴンステージ」に滞在する確率)が、高確率状態のときの方が低確率状態のときに比べて高く設定されている。また、「魔王ステージ」へは高確率状態のときのみ移行するようになっている。
このように、本実施の形態の遊技機において、移行先抽選がおこなわれると、遊技状態が高確率状態であれば、低確率状態のときよりも、「ドラゴンステージ」や「ゲートステージ」に移行し易くなっている。また、移行後も、それらのステージにて滞在し易くなっている。そのため、これらのステージは高確率状態に対する遊技者の期待度が高くなっており、これらのステージに移行もしくは滞在すると、遊技者は「高確率状態かもしれない」といった期待感を持つことができる。
また、遊技機において「ゲートステージ」にて移行先抽選がおこなわれた場合、高確率状態のときであれば、「ゲートステージ」から「小人ステージ」(期待度の低い演出モード)へ移行するよりも、「ゲートステージ」から「ドラゴンステージ」(期待度の高い演出モード)へ移行する確率が高い。一方、通常遊技状態などの低確率状態のときであれば、「ゲートステージ」から「ドラゴンステージ」(期待度の高い演出モード)へ移行するよりも、「ゲートステージ」から「小人ステージ」(期待度の低い演出モード)へ移行する確率が高い。
このため、「ゲートステージ」は期待度の高い演出モードへ移行するための、いわば登竜門的な演出モードとなっている。これにより、遊技機は、「ゲートステージ」を抜けて「ドラゴンステージ」へ移行できた遊技者に対して、達成感と期待感を与えることができるようになっている。
(ステージ移行演出の具体的な演出例)
つぎに、ステージ移行演出の具体的な演出例について説明する。図9−1は、ステージ移行演出の具体的な演出例を示す説明図(その1)である。図9−2は、ステージ移行演出の具体的な演出例を示す説明図(その2)である。図9−3は、ステージ移行演出の具体的な演出例を示す説明図(その3)である。図9−4は、ステージ移行演出の具体的な演出例を示す説明図(その4)である。上記の図9−1、図9−2、図9−3、図9−4は、ステージ移行演出に際しての表示部104を示している。なお、以下に示す図9−1〜9−4において、図中の白抜き下矢印は、各小リール203a〜203iが回転していることをあらわす。
図9−1において、ステージ移行演出に際して、遊技機は、まず、リール203におけるすべての小リール203a〜203iを回転させるとともに、表示部104において各小リール203a〜203iを区分けするようなフレーム状の画像(背景画像)を表示する。このフレーム状の画像は、実行中の演出モードに対応した画像となっている。図9−1に示す例では、実行中の演出モードが「小人ステージ」となっているため、「小人」の画像が表示されている。
つづいて、遊技機は、表示部104全体の明度を下げ(透過率を低くし)、リール203(すべての小リール203a〜203i)を遮蔽するとともに、ステージ移行がおこなわれることをあらわす画像を表示部104全体に表示する(図9−2)。図9−2では、ステージ移行がおこなわれることをあらわす画像として、扉によって閉じる画像が表示されている。これによって、ステージ移行演出がおこなわれることを遊技者に案内する。
その後、上記の扉が徐々に開いていくような画像が表示される。このとき、この扉の動き(開き)にあわせて徐々にリール203と切り替え先の演出モードに対応したフレーム状の画像とが表出していく。図9−3に示す例では、実行中の演出モードが「ゲートステージ」へ移行したため、「ゲート」の画像が表示されている。これによって、切り替え先の演出モード(移行先のステージ)を遊技者に案内し、ステージ移行演出が完了する。
そして、ステージ移行演出が完了すると、リール203(小リール203a〜203i)が所定の順序で、順次停止する(図9−4)。また、このときには、たとえば停止した(あるいは停止する)小リール203a〜203iと重なる部分の明度を上げる(透過率を高くする)などして、停止した小リール203a〜203iを目立たせるような画像を表示してもよい。
また、たとえば既にハズレ図柄が確定したリール203(小リール203a〜203i)と重なる部分の明度を下げる(透過率を低くする)などして、ハズレ図柄が確定した小リール203a〜203iを目立たせないような画像を表示してもよい。
さらに、遊技機は、ステージ移行演出にてどのような演出モードの切り替え(ステージの移行)があったのかを遊技者にわかり易くするための画像を表示部104に表示してもよい。図10は、ステージ移行演出の具体的な演出例を示す説明図(その5)である。図10に示すように、本実施の形態では、どのような演出モードの切り替え(ステージの移行)があったのかを遊技者にわかり易くするために、地図画像を表示部104に表示している。
この地図画像があらわす地図上には、各演出モードに対応した地点(または領域)がプロットされている。これらの地点(または領域)は、道を模した線画像(たとえば符号1001、符号1002)にて結ばれている。この線画像にて結ばれている演出モード同士は、互いに移行可能(隣接した演出モード)であることを示す。
たとえば、図10において、「小人ステージ」と「ゲートステージ」とは、線画像1101にて結ばれている。このため、「小人ステージ」・「ゲートステージ」間は移行が可能であることを示す。一方、「小人ステージ」と、「魔王ステージ」とは、線画像にて結ばれていない。このため、「小人ステージ」・「魔王ステージ」間の移行はできないことを示す。
そして、演出モードを切り替えた際には、切り替え前の演出モード(たとえば「小人ステージ」)と、切り替え後の演出モード(たとえば「ゲートステージ」)とを結ぶ線画像を、他の線画像と比べて、強調表示する。たとえば図10では、「小人ステージ」と「ゲートステージ」とを結ぶ線画像1001が、「ドラゴンステージ」と「魔王ステージ」とを結ぶ他の線画像1002よりも太く表示されている。これは、「小人ステージ」から「ゲートステージ」への移行、または「ゲートステージ」から「小人ステージ」への移行があったことを示す。
遊技者は、図10の地図画像を参照することにより、どのような演出モードの切り替えがあったのか、他にどのような演出モードがあるのか、などを知ることができる。
また、上記の例では、階層構造をなす各階層を1つの演出モードにて構成したが、各階層に複数の演出モード(期待度が同じ複数の演出モード)を設けてもよい。図11は、ステージ移行演出の具体的な演出例を示す説明図(その6)である。
図11において、最下層の演出モードには、上記の「小人ステージ」の他、「人魚ステージ」、「巨人ステージ」が設けられている。また、最下層の演出モードの一つ上の演出モードには、上記の「ゲートステージ」に代わり、「第1ゲートステージ」と「第2ゲートステージ」とが設けられている。これら、「小人ステージ」と「人魚ステージ」と「巨人ステージ」とは同程度の期待度を有し、「第1ゲートステージ」、「第2ゲートステージ」と同程度の期待度を有する。
このように、各階層に複数の演出モードを設け、各階層内の演出モードの切り替えも加えることができる。これにより、期待度をあらわす演出モードの切り替え(縦方向)と、遊技機の趣向性を向上させるための階層内の演出モードの切り替え(横方向)とを組み合わせることができるので、演出モードの切り替えパターンが多彩になり、一層と遊技機の面白みを向上させることができる。
以上説明したように、この実施の形態の遊技機は、演出モードを切り替える際に、遊技状態が時短遊技状態であれば、現在の演出モードよりも期待度が高いとされる演出モードへ切り替えるので、遊技者のつぎの大当たりに対する期待感を高めることができ、長時間遊技する遊技者を退屈させることなく遊技を楽しませることができる。
また、この実施の形態の遊技機は、演出モードの切り替えにより潜伏確変遊技状態などの高確率状態に対する期待度を示すので、遊技者のつぎの大当たりに対する期待感を高めることができ、長時間遊技する遊技者を退屈させることなく遊技を楽しませることができる。
具体的には、この実施の形態の遊技機は、遊技状態に応じた抽選テーブルを用いた移行先抽選をおこない、この抽選結果に基づく演出モードへ切り替えるステージ移行演出を実行する。ここで、高確率状態のときに移行し易い演出モードを期待度の高い演出モード、低確率状態のときに移行し易い演出モードを期待度の低い演出モードとすることができ、期待度の高い演出モードに切り替えた際には遊技者の期待感を高め、長時間遊技する遊技者を退屈させることなく遊技を楽しませることができる。
さらに、この実施の形態の遊技機は、高確率状態(確変遊技状態、潜伏確変遊技状態)であっても「魔王ステージ」以外の演出モードを取り得るようにした。これにより、高確率状態時の遊技において遊技者に退屈感を持たせることを防止することができる。具体的には、遊技者は高確率状態へ移行したことを確信すると、この移行に喜びは感じつつも、その後の遊技が大当たりに当選するまでのいわば消化ゲーム的な意味合いのものになってしまう。このため、遊技機は、高確率状態であっても「魔王ステージ」以外の演出モードを取り得るようにすることで遊技者に高確率状態であることを確信させず、「高確率状態かもしれない(低確率状態の可能性もある)」といった推測の範囲内に留めておくことで、遊技者の高揚感を維持して、高確率状態時の遊技において遊技者に退屈感を持たせることを防止でき、長時間遊技する遊技者を退屈させることなく遊技を楽しませることができる。
また、この実施の形態の遊技機は、複数の演出モードが階層構造をなし、隣接する演出モード間にて、演出モードの切り替えをおこなうこととした。これにより、段階的に期待度の高い演出モードへ切り替えることができるので、遊技者の期待感を段階的に高めていくことができ、遊技者を退屈させることなく遊技を楽しませることができる。
以上説明したように、この発明にかかる遊技機の演出方法によれば、遊技者の大当たりに対する期待感を高めるとともにこの期待感を持続させることができるので、長時間遊技する遊技者を退屈させることなく遊技を楽しませることができるという効果を奏する。
また、この発明によれば、確変遊技状態であっても、確変遊技状態であることを報知しない(潜伏させる)ので、遊技者に対し、「確変遊技状態であるかもしれない」といった期待感を継続的に持たせることができるので、高確率状態時の遊技において遊技者に退屈感を持たせることを防止でき、長時間遊技する遊技者を退屈させることなく遊技を楽しませることができるという効果を奏する。
なお、本実施の形態で説明した遊技機の演出方法は、あらかじめ用意されたプログラムを演出制御基板などのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な媒体であってもよい。
104 表示部
201 液晶表示パネル
202 液晶シャッター
203 リール
301 主制御部
302 演出制御部
303 賞球制御部
501 受信部
502 検出部
503 連動制御部
504 表示制御部
505 リール制御部

Claims (8)

  1. 演出モードの切り替えにより、潜伏確変遊技状態に対する期待度を示す遊技機の演出方法であって、
    任意のタイミングで、表示画面上における演出モードの切り替えをおこなうか否かの抽選をおこなう第1の抽選処理工程と、
    前記第1の抽選処理工程において演出モードを切り替えるとされた場合に、各演出モードへの移行確率を定めた抽選テーブルを用いて、切り替え先の演出モードを決めるための抽選をおこなう第2の抽選処理工程と、
    前記第2の抽選処理工程の抽選結果に基づく演出モードに切り替える演出モード切替工程と、を含み、
    前記演出モード切替工程は、前記第1の抽選処理工程において演出モードを切り替えるとされた場合に時短遊技状態であれば、前記第2の抽選処理工程の抽選結果にかかわらず、現在の演出モードよりも前記期待度が高いとされる所定の演出モードへ切り替えることを特徴とする遊技機の演出方法。
  2. 前記第2の抽選処理工程は、潜伏確変遊技状態である場合と、通常遊技状態である場合とで、それぞれ各演出モードへの移行確率が異なる抽選テーブルを用いて抽選をおこなうことを特徴とする請求項1に記載の遊技機の演出方法。
  3. 前記演出モードは少なくとも3種類の演出モードから構成され、
    前記演出モード切替工程は、
    前記第2の抽選処理工程の抽選結果に基づき、第1の演出モードからは第2の演出モードへ切り替え、前記第2の演出モードからは前記第1の演出モードおよび第3の演出モードへ切り替え、前記第3の演出モードからは前記第2の演出モードへ切り替え、
    前記第1の抽選処理工程において演出モードを切り替えるとされた場合に時短遊技状態であれば、前記第2の抽選処理工程の抽選結果にかかわらず、第1の演出モードからは第2の演出モードへ切り替え、前記第2の演出モードからは第3の演出モードへ切り替えることを特徴とする請求項1または2に記載の遊技機の演出方法。
  4. 前記抽選テーブルにおいて、潜伏確変遊技状態である場合は、前記第2の演出モードから前記第1の演出モードへ移行するよりも、前記第2の演出モードから前記第3の演出モードへ移行する確率を上げるとともに、通常遊技状態である場合は、前記第2の演出モードから前記第3の演出モードへ移行するよりも、前記第2の演出モードから前記第1の演出モードへ移行する確率を上げることを特徴とする請求項3に記載の遊技機の演出方法。
  5. 前記抽選テーブルにおいて、前記第2の演出モードから前記第1の演出モードへ移行の確率は、潜伏確変遊技状態の場合よりも通常遊技状態の場合の方が高くなるように設定するとともに、前記第2の演出モードから前記第3の演出モードへ移行の確率は、通常遊技状態よりも潜伏確変遊技状態の方が高くなるように設定することを特徴とする請求項3または4に記載の遊技機の演出方法。
  6. 前記抽選テーブルにおいて、前記第1の演出モードから前記第2の演出モードへ移行の確率は、通常遊技状態よりも潜伏確変遊技状態の方が高くなるように設定することを特徴とする請求項3〜5のいずれか一つに記載の遊技機の演出方法。
  7. 前記抽選テーブルにおいて、前記第3の演出モードから前記第2の演出モードへ移行の確率は、潜伏確変遊技状態よりも通常遊技状態の方が高くなるように設定することを特徴とする請求項3〜6のいずれか一つに記載の遊技機の演出方法。
  8. 前記第1の演出モードまたは前記第2の演出モードにおける演出中に大当たりが発生した場合に、前記第2の抽選処理工程をおこなうことなく、前記第3の演出モードへ移行することを特徴とする請求項3〜7のいずれか一つに記載の遊技機の演出方法。
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