JP7108691B2 - 輻射熱反射フィルム及び自動車用内装材 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車用天井材などの自動車用内装材に用いる輻射熱反射フィルムおよびそれを用いた自動車用内装材に関するものである。
自動車用内装材は、プラスチック板、プラスチックフォーム、熱硬化性樹脂製のレジンフェルト、段ボール、あるいは熱硬化性樹脂材料に木粉や古紙を添加したハードボードやペーパーボードなどの基材に表皮材を積層接着し、装着する箇所に応じた形状に成型することによって製造される。炎天下に自動車を放置すると車内温度が上昇するが、これを抑制するために消費するエネルギー量は膨大なものである。そこで、エネルギーを消費することなく温度上昇を防ぐ一手段として遮熱性を備える種々の自動車内装材が提案されている。
自動車等の塗膜最表面の意匠に影響を与えない熱遮蔽効果を有する内装材を提供することを目的として、樹脂発泡体からなる芯材と該芯材の室内側に積層したクッション材及び表装材から構成される基体と、赤外線反射機能を有する層とからなり、赤外線反射機能を有する層が、アルミニウム箔または塗膜表面にアルミニウム粉末が浮いて完全なアルミ層を形成するリーフィングアルミニウム含有塗膜からなる自動車用内装材が提案されている(特許文献1)。
また、基材を構成する繊維の配向にかかわらず、剛性、高温環境における形状維持特性及び断熱性に優れた自動車用内装材及びその基材を提供することを目的として、表皮材と、繊維層と、遮熱層とを備えた自動車用内装材及びその基材が提案され、遮熱層は、金属箔、金属を蒸着したシート、遮熱塗料を塗布したシート、遮熱性粉体が練り込まれたシート、又は、遮熱性粉体を練り込んだ繊維を用いて製造した繊維シートとすることができると説明されている(特許文献2)。
赤外線の反射機能、耐摩耗性、および耐油性を損なうことなく、いわゆる成形サイクルを短くでき、製造コストの増大を回避できる車両用内装材を提供することを目的として、少なくとも、基材と、この基材の表面側に形成される表皮層と、基材の裏面側に形成される通気止め層と、を備える車両用内装材であって、通気止め層は、樹脂フィルムAの表面に金属蒸着膜Bが被着されて形成され、基材は、金属蒸着膜Bに接着剤を介して接着されていることを特徴とする車両用内装材が提案されている(特許文献3)。
また、生産性に優れ、且つ、付加価値を有する車両用内装材を提供することを目的として、合成樹脂製の基材と、表皮層と、ベース層と電磁波反射層からなる裏面層と、を有するラミネートシートを、前記表皮層用の長尺シートと前記裏面層用の長尺シートのベース層との間に前記基材用の樹脂を押し出しラミネートすることにより製造する車両用内装材の製造方法が提案されている。電磁波反射層は、例えば、ベース層の裏面に蒸着される金属膜(例えば、アルミニウム蒸着膜)で構成することができると説明されている(特許文献4)。特許文献4には、この構成によれば、裏面層を構成する電磁波反射層は、無機質材料からなるため、紫外線、可視光線、赤外線に至る広い波長域において、電磁波を反射する機能を備える。このような電磁波反射層を有する車両用内装材を用いることで、車体パネルが太陽等で温められても、車体パネルから放射される輻射熱を電磁波反射層が効果的に反射する。結果、車両用内装材の表皮層側(内側空間側)に熱が伝わりにくくなる。これに対し、電磁波反射層の無い従来の車両用内装材では、全ての要素が有機物である(例えば、樹脂のみで構成されていた)ため、紫外線、可視光線、赤外線に至る広い波長域において電磁波を吸収してしまい、遮熱性能は期待できない。この点、広い波長域において電磁波を反射する機能を裏面層が備えるため、車体パネルの内側空間の温度上昇を効果的に抑えることができると説明されている。
さらにまた、特許文献5には、金属蒸着フィルムを構成する車両用内装材において、金属蒸着フィルムの赤外線反射機能を損なうことなく、金属蒸着面の保護と通気防止の両立を図りつつ量産性に適したものにすることに解決しようとする課題があるとし、芯材と、第1、第2繊維補強材と、表皮材と、赤外線反射材と、が一体的に構成されており、赤外線反射材は、通気防止機能と赤外線の透過性を有する合成樹脂フィルムの一方の面のみに赤外線反射機能を有する金属が蒸着される金属蒸着フィルムと、金属蒸着フィルムの金属蒸着面側の面に繊維系面状シートと、が一体的に積層されており、金属蒸着フィルムにおける合成樹脂フィルムの面側がルーフパネルに対向するように積層配置される構成が提案されている。
特開2001-158306号公報 特開2009-119711号公報 特開2013-151245号公報 特開2014-121948号公報 特開2014-218052号公報
上記のとおり、遮熱性を備える自動車内装材、特に成型天井の裏面側に輻射熱の反射率を高くするために金属蒸着層(アルミ蒸着層)が設けられる事例が提案されているところ、金属蒸着層のような表面抵抗率の低い層があると、自動車内に張り巡らされているワイヤーハーネスと金属蒸着層との短絡のリスクがあり、特にワイヤーハーネスの絶縁部分の劣化が進んだ場合、短絡のリスクは高まる。そこで、金属蒸着層を、輻射熱の反射率が高いが、絶縁性も良好である層に代えることが求められる。
本発明は、輻射熱の反射率が高い層であるばかりではなく、絶縁性も良好な層であることで、該層に、輻射熱反射機能とワイヤーハーネスとの短絡抑制機能とを併せもたせること、そのような層を含む輻射熱反射フィルム、および該輻射熱反射フィルムを含む自動車内装材を提供することを目的とする。
本発明は以下の(1)ないし()の自動車内装材に用いるための輻射熱反射フィルムを要旨とする。
(1)輻射熱反射層を含むことを特徴とするワイヤーハーネスとの短絡抑制機能を有する自動車内装材に用いるための輻射熱反射フィルムであって、
前記輻射熱反射層が、互いに略並行に位置する鱗片状金属フレークと、該鱗片状金属フレーク同士の接触を妨げる樹脂とを有する、0.5~5μmの膜厚である、輻射熱反射フィルム。
)前記鱗片状金属フレークと前記樹脂との配合割合が調整されて、輻射熱反射機能とワイヤーハーネスとの短絡抑制機能とを併せ持つ、()に記載の輻射熱反射フィルム。
)前記鱗片状金属フレーク同士の接触を妨げる樹脂が架橋構造を有する、(1)または(2)に記載の輻射熱反射フィルム。
)前記輻射熱反射層が、表面抵抗率1×1010Ω/□以上を有する、(1)ないし()のいずれかに記載の輻射熱反射フィルム。
)前記輻射熱反射フィルムが熱可塑性樹脂層と輻射熱反射層とからなる、(1)ないし()のいずれかに記載の輻射熱反射フィルム。
)前記輻射熱反射層側から測定した赤外線(2μm~20μm)の平均反射率が55%以上である、()に記載の輻射熱反射フィルム。
)少なくとも表皮材、基材、輻射熱反射フィルムを順に備える自動車内装材に用いるための、(1)ないし()のいずれかに記載の輻射熱反射フィルム。
また、本発明は以下の()の自動車内装材を要旨とする。
)少なくとも表皮材、基材、輻射熱反射フィルムを順に備える自動車内装材であって、前記輻射熱反射フィルムが熱可塑性樹脂層と輻射熱反射層とからなり、一方の表面が前記表皮材、他方の表面が前記輻射熱反射層となるように配置され、前記輻射熱反射フィルムが(1)ないし()のいずれかに記載の輻射熱反射フィルムである、自動車内装材。
(1)本発明の自動車内装材用輻射熱反射フィルムおよびそれを用いた自動車内装材は、赤外線(2μm~20μm)の平均反射率が高く、輻射熱の反射性能に優れる。
(2)本発明の自動車内装材用輻射熱反射フィルムおよびそれを用いた自動車内装材は、ワイヤーハーネスとの短絡を抑制することができる。
(3)本発明の自動車内装材用輻射熱反射フィルムおよびそれを用いた自動車内装材は、輻射熱反射層を有するにもかかわらず、加熱による耐熱性が良好であり、自動車用内装材の広い用途に適用することができる。
本発明の輻射熱反射フィルムを積層した自動車用内装材の説明図である。 本発明の輻射熱反射フィルムの説明図である。
本発明の輻射熱反射フィルム20は、輻射熱反射機能とワイヤーハーネスとの短絡抑制機能とを併せもつ輻射熱反射層22を含むことを特徴とする、自動車内装材に用いるためのものである。自動車用内装材はプレス成型され、鋼板からなる自動車ボディへ取り付けて使用されるもので、輻射熱反射フィルム20は、自動車ボディ(例、ルーフパネル)と相対する面に配置される。これにより、自動車ボディに太陽からの熱が伝わっても、該自動車ボディから自動車用内装材に輻射される熱を前記輻射熱反射層22で反射して遮蔽し、輻射熱反射フィルム20の熱可塑性樹脂層21側への伝熱を抑制するものである。
図1に示すように、本発明の自動車内装材30は、少なくとも表皮材31、基材32、輻射熱反射フィルム20を順に備える積層材から構成される。該積層体は、各層を重ね合わせ熱板で加熱して基材化することによって一体に形成される。該自動車内装材30は、冷間プレス成型により装着する箇所に応じた形状に成型される。自動車内装材30を自動車ボディに取り付ける際は、表皮材31が車室内側となり、輻射熱反射フィルム20が自動車ボディ側(車外側)となるように、自動車内装材30を自動車ボディに取り付け、金属やプラスチック製の取り付け部材、例えばボルトやビス等で、自動車内装材30を自動車ボディに固定する。
輻射熱反射フィルム20は、熱可塑性樹脂層21と輻射熱反射層22で構成され、輻射熱反射層22は輻射熱反射の機能を担う。熱可塑性樹脂層21は、輻射熱反射層22の塗膜を保持させるためのベースフィルムであり、自動車内装材の厚さ方向への通気を遮断する機能を担う。自動車ボディと相対する対向面に輻射熱反射層22が配置され、かかる層に互いに略並行に位置する鱗片状金属フレークと該金属フレーク同士の接触を妨げる樹脂(乾燥後塗膜として残る塗膜成分)とからなる層が形成されている。
これにより、自動車ボディからの輻射熱を輻射熱反射フィルム20で反射して車室内温度の抑制をはかることができる。より具体的には、輻射熱反射フィルム20により輻射熱の大部分を占める赤外線領域の反射率を高め、更には赤外線の2μm~20μmの広範囲の波長領域において反射率を高めることで、車室内温度上昇の抑制をはかることができる。
そして、本発明における輻射熱反射機能は、後述する実施例に記載の測定方法により測定した、2μm~20μmの波長領域における赤外線反射率が55%以上、望ましくは60%以上であることが好ましい。
本発明の輻射熱反射フィルムの輻射熱反射層はワイヤーハーネスとの短絡抑制機能を有する。
通常、自動車内装材を自動車ボディに固定するために、取り付け部品が基材の周縁等に配設される。ここで、自動車内装材を配設する際に、取り付け部品により、自動車ボディに敷設された電気配線の被覆部が破損し、金属配線が露出してしまうことがある。そして、従来においては、このような露出に気づかずに、自動車内装材を配設して、金属配線露出部と、輻射熱反射層とを接触状態にさせてしまうと、自動車の駆動時にショート等の不具合を生じる場合があった。そのため、自動車内装材においては、このようなショート等の不具合を回避することができる材料が求められている。
そこで、本発明においては、輻射熱反射層22が、鱗片状金属フレーク同士の接触を妨げる樹脂を含むことで、表面抵抗率1×1010Ω/□(Ωスクウェア)以上となり、短絡のリスクを低減することができる。本発明においては、表面抵抗率が1×1011Ω/□以上であることが更に好ましく、特に1×1012Ω/□以上であることが好ましい。
尚、上述した鱗片状金属フレーク同士の接触を妨げる樹脂とは、全ての鱗片状金属フレークが接触していないことを意味するものではなく、鱗片状金属フレーク同士の接触を抑制して、輻射熱反射層の表面抵抗率(Ω/□)を1×1010Ω/□(Ωスクウェア)以上とすることを意味する。表面抵抗率を調整するには、例えば、鱗片状金属フレークと樹脂の配合割合を調整すれば良い。たとえば、鱗片状金属フレークの配合割合を低くし、樹脂の配合割合を高くすることで、表面抵抗率(Ω/□)を高くすることができる。すなわち当該配合割合は、目的とする表面抵抗率(Ω/□)や自動車内装材の使用用途に応じて適宜調整して設定すればよい。
以上のように、本発明に係る輻射熱反射フィルム20は、輻射熱反射層22の輻射熱反射機能を損なうことなく、輻射熱反射層22にワイヤーハーネスとの短絡抑制機能をもたせるという両立を図りつつ量産性に適したものにすることにある。
本発明に使用する自動車内装材30は、少なくとも表皮材31、基材32、輻射熱反射フィルム20を順に備える積層材で構成される。
基材32は、自動車内装材において支持層となる層で、従来の自動車内装材において用いられているものと同様のものを特に限定なく採用することができる。例えば、繊維質多孔材、硬質発泡材、硬質発泡材と不織布との複合材等を用いることができる。尚、これらの基材は、1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
上述した、上記繊維質多孔材としては、ガラス繊維、PET繊維、植物性繊維等の硬質繊維を熱可塑性樹脂により結着して得られた材料を例示することができる。該繊維質多孔材には、加熱によって硬質繊維間で発泡・膨張することができる熱膨張性カプセル等の発泡材を配合することができる。
また、上記硬質発泡材としては、ポリウレタン(硬質ポリウレタン及び半硬質ポリウレタンを含む)、ポリオレフィン及びその他の樹脂を発泡させた材料が挙げられる。これらのなかでは、ポリウレタンのフォーム材が好ましく、半硬質ポリウレタンのフォーム材が特に好ましい。
更に、上記硬質発泡材と不織布との複合材としては、上述の硬質発泡材の表裏のうちの少なくとも一方の面に、ガラス繊維等の硬質繊維等を用いて形成された不織布を接合した複合材が挙げられる。
表皮材31としては、従来、自動車内装材の表皮材として用いられていたものを特に限定なく用いることができる。具体的には、シボ模様、レザー加工等を施した合成樹脂シート、織布(ニット)、不織布等が挙げられる。織布(ニット)や不織布は、厚さを薄く形成しながら伸び易い形態を容易に得ることができる。そのため、複雑な形状をなした自動車内装材の表面であっても追従させて外観を損ねることなく張り付けることができる。
輻射熱反射層22は、熱可塑性樹脂層に鱗片状金属フレーク含有塗料を塗布して形成される。鱗片状金属フレーク含有塗料は、例えばアルミニウム、金、銀、インジウム、銅などの鱗片状金属フレーク顔料と樹脂とを含むものである。鱗片状金属フレーク顔料としては、リーフィングアルミニウムフレーク顔料が好ましい。
リーフィングアルミニウムフレーク顔料とは、長径1~150μmの大きさの鱗片状アルミニウム粉末表面をステアリン酸等の処理剤で覆ったものであり、この顔料を含有する塗料を熱可塑性樹脂層(未延伸ナイロンフィルムなどの熱可塑性樹脂フィルム)に塗工すると、塗膜表面に鱗片状アルミニウム粉末が塗膜表面に浮いて平行配列し、互いに略並行に位置する鱗片状金属フレークと該金属フレーク同士の接触を妨げる樹脂とからなる層を形成する。本実施形態に係る輻射熱反射フィルム20では、当該層を輻射熱反射層22として備える。なお、本発明では、塗膜表面に略並行に配列するリーフィングタイプの鱗片状金属フレームを用いることが好ましいが、塗膜中に分散して散在するタイプの鱗片状金属フレームを用いる構成とすることもできる。
鱗片状金属フレーク含有塗料中に含まれる樹脂(塗膜における鱗片状金属フレーク同士の接触を妨げる樹脂)としては、従来公知のアルキド系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、オレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、およびこれら樹脂の変性体等を用いることができる。このなかでもポリウレタン系樹脂が好ましい。
また、上記塗料には硬化剤を添加することが好ましい。硬化剤としては、イソシアネート化合物が挙げられ、具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンイソシアネート、1,6,11-ウンデカントリイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート、1,8-ジイソシアネート-4-イソシアネートメチルオクタン、1,3,6-ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネートなどが挙げられる。本発明においては、ポリウレタン樹脂にイソシアネート化合物の硬化剤を添加する組み合わせが特に好ましい。
樹脂に硬化剤を添加することで、形成される塗膜の樹脂は架橋構造を有することとなる。架橋構造を有することで塗膜の耐熱性が向上し、自動車内装材の基材化の際に、輻射熱反射層の塗膜が熱板にはりついて剥がれることない。
特に、本発明にかかる鱗片状金属フレークを含む塗膜は、鱗片状金属フレークが塗膜表面に浮いて配列していることから、金属粒子が分散した塗膜に比べて、加熱やプレスにより塗膜が剥がれ易い。本発明において、この塗膜の剥がれを抑制する為に、上述のように、硬化剤を添加して架橋構造とすることで、塗膜の剥がれを抑制することができる。硬化剤の添加量は、塗料の種類にもよるが、塗料100重量部に対して2重量部以上、好ましくは3重量部以上であることが好ましい。
また、本発明に係る自動車内装材を天井材として用いる場合、天井材の輻射熱反射フィルム側にはハーネスが取り付けられ自動車に組み込まれる。自動車の過酷な使用環境において、ハーネスが天井材から外れることが無いように取り付けには耐久性が求められ、輻射熱反射層にはより塗膜の剥がれ難さが求められる。この為には、硬化剤の添加量を、塗料100重量部に対して5重量部以上、好ましくは8重量部以上、更に好ましくは10重量部以上とすることが良い。また、市販塗料の適量の硬化剤よりも、2倍以上、好ましくは3倍以上の硬化剤を添加することが好ましい。
塗料に使用される溶剤としては、通常の塗料溶剤として知られている溶剤を挙げることができる。例えばトルエン、キシレン等の芳香族系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-プロパノール等のアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコール類が上げられ、これらを単独または2種以上の混合物で用いることができる。
なお、塗工方法についてはスプレー塗工、刷毛塗り塗工、浸漬塗工、グラビアコーターやロールコーター等のロール塗工、流し塗工等どのような方法も使用できる。特にグラビアコーターによる塗工が好ましい。
輻射熱反射層22の乾燥膜厚は、0.1~10μmであることが好ましく、さらに好ましくは0.5~5μmである。塗膜厚が0.1μm未満では輻射熱反射機能が不十分となり、一方10μmを超えても輻射熱反射効果、すなわち熱遮蔽効果は飽和して経済上不利になることがある。
また、輻射熱反射層22の鱗片状金属フレークの含有量は、0.1g/m以上、特に0.3g/m以上、更に0.5g/m以上であることが好ましい。また5.0g/m以下、特に3.0g/m以下、更に1.0g/m以下であることが好ましい。鱗片状金属フレークの含有量が0.1g/m未満では輻射熱反射機能が不十分となり、一方、5.0g/mを超えても輻射熱反射効果、すなわち熱遮蔽効果は飽和して経済上不利になることがある。
輻射熱反射層22の樹脂の含有量は、0.1g/m以上、特に0.3g/m以上、更に0.5g/m以上であることが好ましい。また5.0g/m以下、特に3.0g/m以下、更に1.0g/m以下であることが好ましい。樹脂の含有量が0.1g/m未満ではワイヤーハーネスとの短絡抑制が不十分となり、一方、5.0g/mを超えると輻射熱反射効果を低下させるおそれがある。
熱可塑性樹脂層に用いられる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン6とナイロン66の共重合体、ナイロン12、ナイロン6とナイロン66とナイロン12の三元共重合体などのポリアミド樹脂;ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂;環状ポリオレフィン系樹脂;トリアセチルセルロールなどのセルロール系樹脂;ポリイミド系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;アクリル系樹脂;ポリビニルアルコール系樹脂;エチレン-ビニルアルコール共重合体などが挙げられる。
このうち、ポリエステル系樹脂やポリアミド樹脂などの融点が200℃以上の樹脂が、自動車内装材を加熱して基材化する際に耐熱性を有することで特に好ましい。
また、熱可塑性樹脂層は、多層フィルムを用いることが好ましい。具体的には、耐熱性樹脂層と接着性樹脂層の2層フィルム、または、耐熱性樹脂層を芯層とし接着性樹脂層を両外層とする3層フィルムなどである。
耐熱性樹脂層としては、加熱時に融解するおそれのない樹脂層であることが好ましく、後述する接着性樹脂層を形成する樹脂よりも、融点の高い樹脂を主成分とすることが望ましい。また、接着樹脂層としては、輻射熱反射フィルムと基材とを熱融着させる際に融着する樹脂層であり、加熱温度において融解する樹脂であることが好ましい。
接着性樹脂層としては、例えばプロピレン-エチレンランダム共重合体、プロピレン-エチレンブロック共重合体、ホモポリプロピレン等のプロピレン系樹脂;低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、エチレンとα-オレフィン(C~C)の共重合体等のエチレン系樹脂を用いることができる。該樹脂を含むフィルムは、延伸フィルムであっても未延伸フィルムであっても良いが、熱融着性の観点から未延伸フィルムの方が好ましい。
耐熱性樹脂層としては、融点が180℃を超える樹脂を主成分とすることが好ましい。このような樹脂として、本発明ではナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6,10、ナイロン11、ナイロン12等のアミド系樹脂やこれらの樹脂の共重合体、またはポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂を例示することができる。該樹脂を含むフィルムは、延伸フィルムであっても未延伸フィルムであっても良いが、柔軟性を備える未延伸フィルムの方が、冷間成型時にフィルムの裂けが無く成型できることから好ましい。この中でも未延伸ナイロン特にナイロン6とナイロン6,6の共重合体からなる未延伸ナイロンフィルムは、耐熱性と柔軟性を兼ね備え、冷間成型時においてもフィルムの裂け等もなく本発明の耐熱性樹脂層に適する。
更に具体的には、延伸または未延伸のポリエチレンテレフタレートフィルムと未延伸ポリプロピレンフィルムをドライラミネートした積層フィルムや、ポリアミド樹脂とポリエチレン樹脂を共押出ラミした積層フィルム、ポリエチレン樹脂とポリアミド樹脂とポリエチレン樹脂の三層を共押出ラミした積層フィルムなどが挙げられる。
また、ポリエチレン樹脂とポリアミド樹脂を用いた共押出ラミによって二層や三層の積層フィルムとする場合、ポリエチレン樹脂とポリアミド樹脂の間に接着性樹脂として酸変性ポリエチレン樹脂などを介在させることでも良い。
尚、ポリアミド樹脂は吸湿等によりフィルムが収縮しカールするおそれがあるが、ポリアミド樹脂の両側を同厚みのポリエチレン樹脂とする三層のフィルムとすることでカールを抑制することができる。
これらの積層フィルムのうち、輻射熱反射層の塗膜が剥がれ難く、冷間成型時のフィルムの裂けがし難い点から、(輻射熱反射層側)ナイロン6とナイロン6,6の共重合体/直鎖状低密度ポリエチレンを共押出ラミした二層の積層フィルム、直鎖状低密度ポリエチレン/ナイロン6とナイロン6,6の共重合体/直鎖状低密度ポリエチレンの三層を共押出ラミした積層フィルムが好ましい。
これらの積層フィルムは、基材の材質により適宜選定すれば良く、例えば、ガラス繊維の基材に対しては、ナイロン6とナイロン6,6の共重合体/直鎖状低密度ポリエチレンを共押出ラミした二層の積層フィルムが好ましい。また、発泡ウレタンからなる基材に対しては、未延伸ポリプロピレンフィルム(単層フィルム)が好ましい。
上記の通り、熱可塑性樹脂層21に輻射熱反射層22を設けた輻射熱反射フィルム20は、図1に示されるように、少なくとも表皮材31、基材32、輻射熱反射フィルム20を順に備える自動車内装材30に用いられる。自動車内装材30は、輻射熱反射層22側から測定した赤外線(2μm~20μm)の平均反射率が55%以上であり、受光した輻射熱反射フィルムをほぼ透過させることなく、輻射熱の反射性能に優れる。自動車ボディに輻射熱反射層22を外側に向けて取り付ける。ルーフパネルへの取り付けと同様に、その他ピラーやドアー等へも取り付け可能である。
次に本発明を実施例および比較例により更に詳細に説明する。
<実験1>
下記表1に示すように、輻射熱反射フィルムについて各種物性を測定した。測定方法は以下のとおりである。
尚、本輻射熱反射フィルムは自動車天井材として用いられることとし、自動車天井材は、車内側から、表皮材/基材/輻射熱反射フィルムの順で積層される。
輻射熱反射フィルムはルーフパネル(車外)側からの輻射熱を反射する役割を担うものである為、下記の(1)~(3)の評価は、全て、輻射熱反射フィルムのルーフパネル側から測定を行った。
(1)赤外線反射率
赤外線反射率(%)は、分光光度計680IR(アジレント・テクノロジー社製)を用い、金コーティング積分球を装着して測定を行った。測定波長は2μm~20μmとし、0.016μm毎のデータを測定し、測定データから最大値、最小値、平均値を算出した。尚、赤外線反射率は、金コーティング表面鏡の反射率を100%としたときの相対反射率として算出した。
また、測定結果から、以下の基準で評価を行った。
◎:平均反射率が90%以上
○:平均反射率が55%以上
△:平均反射率が50%以上
×:平均反射率が50%未満
(2)表面抵抗率
表面抵抗率(Ω/□)の測定は、23℃、50%RHの条件下で、デジタル超高抵抗計R8340A(アドバンテスト社製)を用い、電圧100Vを印加して行った。
また、測定結果から、以下の基準で評価を行った。
○:1×1010Ω/□以上
×:1×1010Ω/□未満
(3)耐熱性
耐熱性を評価する理由を説明する。自動車用内装材は基材化する際に加熱による加工がされる。このとき、熱板と接触する輻射反射フィルムの表面(ルーフパネル側)は加熱されることから耐熱性が必要になる。二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、OPETフィルムと記す。)(輻射熱反射フィルムの熱可塑性樹脂層)が表面である場合、OPETフィルムが耐熱性を有していることにより問題なく加工できるが、輻射熱反射層が表面(ルーフパネル側)となる場合は、熱による塗膜の剥がれの問題を考慮する必要がある。
そこで、加熱による基材化の工程を模して以下の耐熱性の評価を行った。耐熱性の評価は、ヒートシールバーにより輻射熱反射フィルムを加熱し、加熱後における輻射熱反射層の剥がれ度合いにて評価した。ヒートシールバーによる加熱は、アルミ箔を介し輻射熱反射層にヒートシールバーを押しあて200℃で1分間加熱した。
尚、後述する比較例2は、輻射熱反射フィルムの熱可塑性樹脂層(OPETフィルム)がルーフパネル側となる為、評価を行っていない。
評価は、加熱後の輻射熱反射層を目視で確認し、以下の基準で評価を行った。
○:剥がれが確認されなかった
△:若干の剥がれが確認された。
-:測定を行っていない。
以下に、下記表1における、実施例1~2および比較例1~3のフィルム構成およびその製造方法について説明する。
〔実施例1〕
溶剤中に鱗片状アルミフレークと樹脂を含む金属フレーク含有塗料(ベルカラー高輝度銀CN サカタインクス社製)100重量部と、イソシアネート化合物(ラミオールR硬化剤 サカタインクス社製)3重量部を混ぜた塗工液を、OPETフィルム(輻射熱反射フィルムの熱可塑性樹脂層)上にグラビア塗工し、乾燥して厚み約1μmの輻射熱反射層を形成した。乾燥後の輻射熱反射層は、鱗片状アルミフレークが塗膜の表面に浮いて偏在し平行配列している(リーフィング)と共に、樹脂とイソシアネート化合物が架橋反応して架橋構造を有する。
このようにして得られた輻射熱反射フィルムを、輻射熱反射層が自動車内装材のルーフパネル側(車外側)に配置されるものとして、赤外線反射率(%)、表面抵抗率(Ω/□)および耐熱性の測定を行った。その測定結果を実施例1として下記表1に示す。
〔実施例2〕
金属フレーク含有塗料にイソシアネート化合物を混ぜないで、架橋構造を有しない熱輻射熱反射層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして輻射熱反射層を形成し、輻射熱反射フィルムを形成した。
得られた輻射熱反射フィルムを、輻射熱反射層が自動車内装材のルーフパネル側(車外側)に配置されるものとして、赤外線反射率(%)、表面抵抗率(Ω/□)および耐熱性の測定を行った。その測定結果を実施例2として下記表1に示す。
〔比較例1〕
OPETフィルム(輻射熱反射フィルムの熱可塑性樹脂層)上にグラビア塗工する塗工液として、金属フレーク含有塗料ではなく、溶剤中にアルミ粒子と樹脂を含む一般的なシルバー塗料(ベルカラーS銀C サカタインクス社製)を用いたこと以外は、実施例2と同様にして輻射熱反射層を形成し、輻射熱反射フィルムを形成した。
得られた輻射熱反射フィルムを、輻射熱反射層が自動車内装材のルーフパネル側(車外側)に配置されるものとして、赤外線反射率(%)、表面抵抗率(Ω/□)および耐熱性の測定を行った。その測定結果を比較例1として下記表1に示す。
〔比較例2〕
比較例1で得られた輻射熱反射フィルムにおいて、OPETフィルム(輻射熱反射フィルムの熱可塑性樹脂)が自動車内装材のルーフパネル側(車外側)に配置されるものとして、赤外線反射率(%)、表面抵抗率(Ω/□)および耐熱性の測定を行った。その測定結果を比較例2として下記表1に示す。
〔比較例3〕
アルミ蒸着OPETフィルム(厚み12μm 東レフィルム加工社製)を用意し、アルミ蒸着層を輻射熱反射層とし、輻射熱反射層が自動車内装材のルーフパネル側(車外側)に配置されるものとして、赤外線反射率(%)、表面抵抗率(Ω/□)および耐熱性の測定を行った。その測定結果を比較例3として下記表1に示す。
Figure 0007108691000001
赤外線反射率の評価項目に関して、比較例3の自動車外層側に蒸着膜を有するOPETフィルムが最も高い値を示し、実施例2のOPETフィルム/金属フレーク含有塗料(架橋構造なし)が次に高い値を示した。また、それらに続いて実施例1、比較例1の順に赤外線反射率が高くなった。一方で、比較例2は、赤外線反射率の最小値が1.7%と低くなった。これは、OPETフィルムの吸収波長領域にて光が吸収されてしまうことから、特定波長で急激に赤外線反射率が低下したためと考えられる。
表面抵抗率の評価項目に関して、実施例1、2および比較例1、2は、いずれも表面抵抗率が1×1010Ω/□以上であったが、比較例3は表面抵抗率が1×1010Ω/□未満であった。また、耐熱性の評価項目に関して、実施例1は硬化剤による架橋構造を有することから良好であった。一方、実施例2や比較例1の架橋構造のない塗膜では、若干の塗膜の剥がれが見受けられた。
以上のように、上記実施例1~2および比較例1~3の赤外線反射率および表面抵抗率の評価から、本発明に係る輻射熱反射フィルム20は、赤外線反射率の赤外線反射機能とワイヤーハーネスとの短絡抑制機能とを併せもつことが分かった。
<実験2>
下記表2に示すように、輻射熱反射フィルムについて評価を行った。評価方法は以下のとおりである。
(4)成型性
表2に示す輻射熱反射フィルム(輻射熱反射層/熱可塑性樹脂層の順)と基材(多孔質繊維)、表皮(不織布)の順で重ね合わせ熱板で加熱し、冷間プレスにより一体化して天井に設置する所定の形状に成型した。得られた成型体の輻射熱反射フィルムの状態を目視で確認し、以下の基準で評価した。
○:問題なし
△:使用可能であるが、熱可塑性樹脂層の一部に裂けが発生
×:使用できない
以下に、下記表2における、実施例3~4のフィルム構成およびその製造方法について説明する。
〔実施例3〕
未延伸ナイロンフィルム(以下、CNYフィルムと記す)と未延伸ポリエチレンフィルム(以下、PEフィルムと記す)を溶融状態のポリエチレン樹脂(以下、PE樹脂)によりサンドラミネートして熱可塑性樹脂層とし、CNYフィルム面に実施例1と同様にして輻射熱反射層を形成した。
得られた輻射熱反射フィルムを上記(4)成型性の方法で評価を行った。結果を下記表2に記す。
〔実施例4〕
OPETフィルムとPEフィルムを接着剤によりドライラミネートして熱可塑性樹脂層とし、OPETフィルム面に実施例1と同様にして輻射熱反射層を形成した。
得られた輻射熱反射フィルムを上記(4)成型性の方法で評価を行った。結果を下記表2に記す。
Figure 0007108691000002
熱可塑性樹脂層にCNYフィルムを用いた実施例3は、金型により所定形状に冷間プレスした場合に熱可塑性樹脂層に裂けは発生せず、問題なく成形できた。一方、熱可塑性樹脂層にOPETフィルムを用いた実施例4は、熱可塑性樹脂に一部裂けがあった。
<実験3>
下記表3に示すように、輻射熱反射フィルムについて評価を行った。評価方法は以下のとおりである。
(5)耐久性
表3に示す輻射熱反射フィルムの輻射熱反射層表面をプラスチック消しゴムで往復10回擦り(1回擦りの長さ:50mm)、輻射熱反射層の剥がれを以下の基準で評価した。
◎:輻射熱反射層に全く剥がれが無かった
○:輻射熱反射層に微小な剥がれがあった
尚、この評価は、天井の製造過程における取り回しにおいて輻射熱反射層が剥がれずに維持されるか、又、天井材の表面に設置されるハーネス等の部品が、自動車の過酷な使用環境においても設置状態が維持されるかの耐久性を疑似的に評価するものであり、ハーネス等の部品が設置される輻射熱反射層の剥がれを評価するものである。
以下に、下記表3における、実施例5~7のフィルム構成およびその製造方法について説明する。
〔実施例5〕
CNYフィルムとPEフィルムを溶融状態のPE樹脂によりサンドラミネートした熱可塑性樹脂層熱可塑性樹脂層を用意した。
溶剤中に鱗片状アルミフレークと樹脂を含む金属フレーク含有塗料(ベルカラーS高輝度銀CN サカタインクス社製)100重量部と、イソシアネート化合物(ラミオールR硬化剤 サカタインクス社製)3重量部を混ぜた塗工液を、鱗片状アルミフレークの含有量が0.6g/mとなるようにCNYフィルム上にグラビア塗工して輻射熱反射層を形成した。得られた輻射熱反射フィルムを上記耐久性評価した結果を表3に記す。
〔実施例6〕
塗工液を、鱗片状アルミフレークと樹脂を含む金属フレーク含有塗料(ベルカラーS高輝度銀CN サカタインクス社製)100重量部に対し、混合するイソシアネート化合物(ラミオールR硬化剤 サカタインクス社製)を10重量部とした以外は、実施例10と同様に行った。得られた輻射熱反射フィルムの耐久性評価結果を表3に記す。
Figure 0007108691000003
一般的に適量とされるイソシアネート化合物の添加量(3重量部)である実施例5においては、微小な塗膜(輻射熱反射層)の剥がれがあったが、イソシアネート化合物の添加量を10重量部とした実施例6においては、全く塗膜の剥がれが無く耐久性を有するものであった。
20…輻射熱反射フィルム
21…熱可塑性樹脂層
22…輻射熱反射層
30…自動車内装材
31…表皮材
32…基材

Claims (8)

  1. 輻射熱反射層を含むことを特徴とするワイヤーハーネスとの短絡抑制機能を有する自動車内装材に用いるための輻射熱反射フィルムであって、
    前記輻射熱反射層が、互いに略並行に位置する鱗片状金属フレークと、該鱗片状金属フレーク同士の接触を妨げる樹脂とを有する、0.5~5μmの膜厚である、輻射熱反射フィルム。
  2. 前記鱗片状金属フレークと前記樹脂との配合割合が調整されて、輻射熱反射機能とワイヤーハーネスとの短絡抑制機能とを併せ持つ、請求項に記載の輻射熱反射フィルム。
  3. 前記鱗片状金属フレーク同士の接触を妨げる樹脂が架橋構造を有する、請求項1または2に記載の輻射熱反射フィルム。
  4. 前記輻射熱反射層が、表面抵抗率1×1010Ω/□以上を有する、請求項1ないしのいずれかに記載の輻射熱反射フィルム。
  5. 前記輻射熱反射フィルムが熱可塑性樹脂層と輻射熱反射層とからなる、請求項1ないしのいずれかに記載の輻射熱反射フィルム。
  6. 前記輻射熱反射層側から測定した赤外線(2μm~20μm)の平均反射率が55%以上である、請求項に記載の輻射熱反射フィルム。
  7. 少なくとも表皮材、基材、輻射熱反射フィルムを順に備える自動車内装材に用いるための、請求項1ないしのいずれかに記載の輻射熱反射フィルム。
  8. 少なくとも表皮材、基材、輻射熱反射フィルムを順に備える自動車内装材であって、
    前記輻射熱反射フィルムが熱可塑性樹脂層と輻射熱反射層とからなり、
    一方の表面が前記表皮材、他方の表面が前記輻射熱反射層となるように配置され、
    前記輻射熱反射フィルムが請求項1ないしのいずれかに記載の輻射熱反射フィルムである、自動車内装材。
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