JP7108670B2 - カラーフィルター用感光性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、カラーフィルター用感光性樹脂組成物に関する。
現在、液晶表示デバイスや白色有機ELデバイス、あるいは固体撮像素子等のカラー化のため、カラーフィルターが広く用いられている。カラーフィルターの画素を形成する材料としては、有機顔料を分散させた感光性樹脂組成物が主流であるが、液晶表示デバイスで要求される偏光コントラストの改善やカラーフィルター全般の画素サイズの小型化(高画素密度化)のトレンドを受けて、微粒化された有機顔料を高濃度で感光性樹脂組成物中に微分散させたうえで高精細なフォトリソグラフィーを行うことが必要となっている。
さらには、色再現領域の拡大に対する要求もあり、顔料と染料を組合せた技術も多々開示されている。(例えば特許文献1、2)
特開2011-165464号公報 特開2014-152256号公報
本発明はかかる従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、微粒化された有機顔料を高濃度で微分散させたうえでも高精細なフォトリソグラフィーが可能であり、かつ、色再現領域の拡大に伴う色度調整にも対応できるカラーフィルター用感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために検討した結果、本発明者等は特定の構造を有する化合物を用
いた感光性樹脂組成物が本目的に適していることを見出し、本発明を完成した。本発明の要旨は次のとおりである。
本発明は、(A)ビスフェノール類から誘導される2個のグリシジルエーテル基を有するエポキシ化合物と不飽和基含有モノカルボン酸との反応物に対して、(a)ジカルボン酸若しくはトリカルボン酸又はその酸無水物、及び(b)テトラカルボン酸又はその酸二無水物を反応させて得られたアルカリ可溶性樹脂、(B)少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を有する光重合性モノマー、(C)光重合開始剤、及び(D)有機顔料を含有するカラーフィルター用感光性樹脂組成物であり、(A)アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して、(B)光重合性モノマーが10~60質量部であり、(A)アルカリ可溶性樹脂と(B)光重合性モノマーの合計量100質量部に対して、(C)光重合開始剤が2~40質量部であり、光硬化後に固形分となる成分の全質量に対して、(D)有機顔料が30~55質量%であることを特徴とするカラーフィルター用感光性樹脂組成物である。
本発明のカラーフィルター用感光性樹脂組成物を用いれば、高精細なフォトリソグラフィーが可能であり、かつ、色再現領域の拡大にも対応できるため、高品質なカラーフィルターを形成することが可能となる。
本発明のカラーフィルター用感光性樹脂組成物によれば、有機顔料を用いて高色純度の赤色、緑色、青色、黄色等の画素を作製するために、有機顔料を高濃度で含有させた時にも、微細なパターン形成が可能である。また、本発明のカラーフィルター用感光性樹脂組成物によれば、形成されたパターンと基板との密着性も優れている。
以下、本発明を詳細に説明するが、以下の記載は本発明の実施態様の一例であり、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。
本発明に係るカラーフィルター用感光性樹脂組成物は、(A)アルカリ可溶性樹脂、(B)光重合性モノマー、(C)光重合開始剤、及び(D)有機顔料を含有する。本発明に係るカラーフィルター用感光性樹脂組成物は、(E)1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物、及び(F)染料のいずれか又は双方をさらに含有してもよい。
上記(A)成分は、ビスフェノール類から誘導される2個のグリシジルエーテル基を有するエポキシ化合物と不飽和基含有モノカルボン酸との反応物に対して、(a)ジカルボン酸若しくはトリカルボン酸又はその酸無水物、及び(b)テトラカルボン酸又はその酸二無水物を反応させて得られたアルカリ可溶性樹脂である。
上記ビスフェノール類としては、ビス(4-ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)ケトン、ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジクロロフェニル)ケトン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)スルホン、ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジクロロフェニル)スルホン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジクロロフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)ジメチルシラン、ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)ジメチルシラン、ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジクロロフェニル)ジメチルシラン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジクロロフェニル)メタン、ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジブロモフェニル)メタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジクロロフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-クロロフェニル)プロパン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)エーテル、ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジクロロフェニル)エーテル、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-クロロフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-ブロモフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-フルオロフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジクロロフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジブロモフェニル)フルオレン、4,4'-ビフェノール、3,3'-ビフェノール等およびこれらの誘導体が挙げられる。これらの中では、フルオレン-9,9-ジイル基を有するものが特に好適に利用される。
上記ビスフェノール類とエピクロルヒドリンを反応させて2個のグリシジルエーテル基を有するエポキシ化合物を得ることができる。この反応は、一般にジグリシジルエーテル化合物のオリゴマー化を伴う。この反応により、たとえば、下記一般式(I)のエポキシ化合物が得られる。
Figure 0007108670000001
一般式(I)中、R、R、R及びRは、それぞれ独立して水素原子、炭素数1~5のアルキル基、ハロゲン原子又はフェニル基を表し、Aは、-CO-、-SO-、-C(CF-、-Si(CH-、-CH-、-C(CH-、-O-、フルオレン-9,9-ジイル基又は直結合を表す。lは0~10の整数である。好ましいR、R、R、Rは水素原子であり、好ましいAはフルオレン-9,9-ジイル基である。また、lは通常複数の値が混在するため平均値0~10(整数とは限らない)となるが、好ましいlの平均値は0~3である。lの値が上限値を超えると、当該エポキシ化合物使用して合成したアルカリ可溶性樹脂を用いて感光性樹脂組成物としたときに組成物の粘度が大きくなりすぎて塗工がうまく行かなくなったり、アルカリ可溶性を十分に付与できずアルカリ現像性が非常に悪くなったりする。
上記2個のグリシジルエーテル基を有するエポキシ化合物と、不飽和基含有モノカルボン酸としてアクリル酸若しくはメタクリル酸又はこれらの両方と、を反応させ、得られたヒドロキシ基を有する反応物に、(a)ジカルボン酸若しくはトリカルボン酸又はその酸無水物、及び(b)テトラカルボン酸又はその酸二無水物を反応させて、エポキシ(メタ)アクリレート酸付加物の構造を有する(A)アルカリ可溶性樹脂を得る。たとえば、上記エポキシ化合物が一般式(I)で表される化合物である場合、下記一般式(II)で表される化合物が得られる。
Figure 0007108670000002
一般式(II)中、R、R、R及びRは、それぞれ独立して水素原子、炭素数1~5のアルキル基、ハロゲン原子又はフェニル基を表し、Rは、水素原子又はメチル基を表し、Aは、-CO-、-SO-、-C(CF-、-Si(CH-、-CH-、-C(CH-、-O-、フルオレン-9,9-ジイル基又は直結合を表し、Xは4価のカルボン酸残基を表し、Y及びYは、それぞれ独立して水素原子又は-OC-Z-(COOH)m(但し、Zは2価又は3価カルボン酸残基を表し、mは1又は2の数を表す)を表し、nは1~20の整数を表す。
上記(a)ジカルボン酸若しくはトリカルボン酸又はその酸無水物としては、鎖式炭化水素ジカルボン酸若しくはトリカルボン酸又はその酸無水物や脂環式ジカルボン酸若しくはトリカルボン酸又はその酸無水物、芳香族ジカルボン酸若しくはトリカルボン酸又はその酸無水物を使用することができる。ここで、鎖式炭化水素ジカルボン酸若しくはトリカルボン酸又はその酸無水物としては、例えば、コハク酸、アセチルコハク酸、マレイン酸、アジピン酸、イタコン酸、アゼライン酸、シトラリンゴ酸、マロン酸、グルタル酸、クエン酸、酒石酸、オキソグルタル酸、ピメリン酸、セバシン酸、スベリン酸、ジグリコール酸等の化合物があり、更には任意の置換基の導入されたジカルボン酸若しくはトリカルボン酸又はその酸無水物でもよい。また、脂環式ジカルボン酸若しくはトリカルボン酸又はその酸無水物としては、例えば、シクロブタンジカルボン酸、シクロペンタンジカルボン酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ノルボルナンジカルボン酸等の化合物があり、更には任意の置換基の導入されたジカルボン酸若しくはトリカルボン酸又はその酸無水物でもよい。更に、芳香族ジカルボン酸若しくはトリカルボン酸又はその酸無水物としては、例えばフタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸等の化合物があり、更には任意の置換基の導入されたジカルボン酸若しくはトリカルボン酸又はその酸無水物でもよい。
上記(b)テトラカルボン酸又はその酸二無水物としては、鎖式炭化水素テトラカルボン酸又はその酸二無水物や脂環式テトラカルボン酸又はその酸二無水物、又は、芳香族多価カルボン酸又はその酸二無水物を使用することができる。ここで、鎖式炭化水素テトラカルボン酸又はその酸二無水物としては、例えば、ブタンテトラカルボン酸、ペンタンテトラカルボン酸、ヘキサンテトラカルボン酸等があり、更には置換基の導入されたテトラカルボン酸又はその酸二無水物でもよい。また、脂環式テトラカルボン酸又はその酸二無水物としては、例えば、シクロブタンテトラカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、シクロヘキサンテトラカルボン酸、シクロへプタンテトラカルボン酸、ノルボルナンテトラカルボン酸等があり、更には置換基の導入されたテトラカルボン酸又はその酸二無水物でもよい。更に、芳香族テトラカルボン酸やその酸二無水物としては、例えば、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビフェニルテトラカルボン酸、ビフェニルエーテルテトラカルボン酸又はその酸二無水物が挙げられ、更には置換基の導入されたテトラカルボン酸又はその酸二無水物でもよい。
上記(a)ジカルボン酸若しくはトリカルボン酸又はその酸無水物と(b)テトラカルボン酸又はその酸二無水物とのモル比(a)/(b)は、0.01~10、好ましくは0.1~3.0となる範囲である。モル比(a)/(b)が上記範囲を逸脱すると最適分子量が得られず、(A)成分を使用した感光性樹脂組成物において、アルカリ現像性、耐熱性、耐溶剤性、パターン形状等が劣化するので好ましくない。なお、モル比(a)/(b)が小さいほどアルカリ溶解性が大となり、分子量が大となる傾向がある。
また、本発明の(A)成分は、重量平均分子量(Mw)が2000~10000の間であることが好ましく、3000~7000の間であることが特に好ましい。重量平均分子量(Mw)が2000に満たないと(A)成分を使用した黒色感光性樹脂組成物の現像時のパターンの密着性が維持できず、パターン剥がれが生じ、また、重量平均分子量(Mw)が10000を超えると現像残渣や未露光部の残膜が残り易くなる。更に、(A)成分は、その酸価が30~200mgKOH/gの範囲にあることが望ましい。この値が30mgKOH/gより小さいと(A)成分を使用した感光性樹脂組成物のアルカリ現像がうまくできないか、強アルカリ等の特殊な現像条件が必要となり、200mgKOH/gを超えると(A)成分を使用した感光性樹脂組成物へのアルカリ現像液の浸透が早くなり過ぎ、剥離現像が起きるので、何れも好ましくない。
一般式(II)のエポキシ(メタ)アクリレート酸付加物を含む(A)成分は、上述の工程により、既知の方法、例えば特開平8-278629号公報や特開2008-9401号公報等に記載の方法により製造することができる。先ず、一般式(I)のエポキシ化合物に不飽和基含有モノカルボン酸を反応させる方法としては、例えば、エポキシ化合物のエポキシ基と当モルの不飽和基含有モノカルボン酸を溶剤中に添加し、触媒(テトラエチルアンモニウムブロマイド、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド、2,6-ジイソブチルフェノール等)の存在下、空気を吹き込みながら90~120℃に加熱・攪拌して反応させるという方法がある。次に、反応生成物であるエポキシアクリレート化合物の水酸基に酸無水物を反応させる方法としては、エポキシアクリレート化合物と酸二無水物および酸一無水物の所定量を溶剤中に添加し、触媒(臭化テトラエチルアンモニウム、トリフェニルホスフィン等)の存在下、90~130℃で加熱・攪拌して反応させるという方法がある。上記溶剤としては、後述する(D)成分の分散時の溶剤と同様のものを用いることができる。
上記(B)成分は少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を有する重合性モノマーであり、従来感光性材料に用いられている公知の化合物を特に制限なく使用することができる。具体的には、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル誘導体や、ビスフェノールA型エポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールF型エポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールフルオレン型エポキシジ(メタ)アクリレート、フェノールノボラック型エポキシポリ(メタ)アクリレート、クレゾールノボラック型エポキシポリ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エポキシエステル誘導体等を例示できる。また、上記(メタ)アクリル酸誘導体と、構造中に(好ましくは複数の)イソシアネート基や酸無水物基等を有する化合物との反応生成物等も適している(ただしA成分に該当する化合物は除く)。なお、(メタ)アクリル酸誘導体以外にも、マレイン酸誘導体、マレイミド誘導体、クロトン酸誘導体、イタコン酸誘導体、ケイヒ酸誘導体、ビニル誘導体、ビニルアルコール誘導体、ビニルケトン誘導体、ビニル芳香族誘導体等も挙げることができる。これらのエチレン性不飽和結合を有する化合物は、更にエポキシ基等の熱反応性の官能基やカルボキシ基等のアルカリ溶解性の官能基等を有して、複合機能化されたものであってもよい。(B)成分は、1種類の化合物のみを用いてもよく、複数を組み合わせて用いてもよい。
(B)成分の含有量は、(A)100質量部に対して、10~60質量部である。(B)成分の含有量を上記範囲とすることで、感光性樹脂組成物としたときの感度、現像性を所望の範囲にすることが可能である。(B)成分が10質量部未満であると必要な感度が得ることが困難になり、60質量部を超えると硬化物としたとき(A)成分の樹脂物性が十分に発現しないおそれがあり、本発明においては好ましくない。
上記(C)成分は光重合開始剤であり、従来感光性材料に用いられている公知の化合物を特に制限なく使用することができる。具体的には、アセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、ベンジルジメチルケタール等のアセトフェノン化合物、ベンゾフェノン、2,4,6-トリメチルベンゾフェノン、4,4′-ビス(N,N-ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン化合物、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾイン-tert-ブチルエーテル等のベンゾインエーテル化合物、2-メチル-1-[4-(メチルスルファニル)フェニル]-2-モルホリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-(N,N-ジメチルアミノ)-1-(4-モルホリノフェニル)ブタン-1-オン等のα-アミノアルキルフェノン化合物、チオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン等のチオキサントン化合物、3,3′,4,4′-テトラキス(tert-ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン等の有機過酸化物、2,2′-ビス(2-クロロフェニル)-4,4′,5,5′-テトラフェニル-1,2-ビイミダゾール等のビイミダゾール化合物、ビス(η-シクロペンタジエニル)ビス[2,6-ジフルオロ-3-(1-ピロリル)フェニル]チタン等のチタノセン化合物、2,4,6-トリス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-[3,4-(メチレンジオキシ)フェニル]-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン等のトリアジン化合物、(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド等のアシルホスフィンオキシド化合物、カンファーキノン等のキノン化合物、1-[4-(フェニルスルファニル)フェニル]オクタン-1,2-ジオン 2-O-ベンゾイルオキシム、1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)カルバゾール-3-イル]エタノン O-アセチルオキシム、(9-エチル-6-ニトロカルバゾール-3-イル)[4-(2-メトキシ-1-メチルエトキシ)-2-メチルフェニル]メタノン O-アセチルオキシム等のオキシムエステル化合物等を挙げることができる。(C)成分は、1種類の化合物のみを用いてもよく、複数を組み合わせて用いてもよい。
(C)成分の含有量は、(A)成分の含有量と(B)成分の含有量との合計量を100質量部としたときに、2~40質量部である。(C)成分の含有量を上記範囲とすることで、感光性樹脂組成物としたときに適正な感度にすることが可能である。(C)成分が2質量部未満であると感度が低くなり、所望の感度に設計することが困難になり、40質量部を超えると硬化物物性に対する影響が強くなり、所望の硬化物物性に設計するのが困難になる。
上記(D)成分は顔料であり、カラーフィルター用の着色剤として知られている公知の化合物(有機顔料、無機顔料、カーボンブラック、チタンブラック等)を特に制限なく使用することができるが、有機顔料が好ましく、中でも平均粒径50nm以下の微分散を達成するために微粒化の加工がされたもの(BET法による比表面積が50m/g以上であるもの)が特に好ましい。具体的にはアゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾメチン顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリノン顔料、イソインドリン顔料、ジオキサジン顔料、スレン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、キノフタロン顔料、ジケトピロロピロール顔料、チオインジゴ顔料等が挙げられ、具体的には、以下のようなC.I.名の化合物が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
C.I.ピグメント・レッド2、3、4、5、9、12、14、22、23、31、38、112、122、144、146、147、149、166、168、170、175、176、177、178、179、184、185、187、188、202、207、208、209、210、213、214、220、221、242、247、253、254、255、256、257、262、264、266、272、279等;
C.I.ピグメント・オレンジ5、13、16、34、36、38、43、61、62、64、67、68、71、72、73、74、81等;
C.I.ピグメント・イエロー1、3、12、13、14、16、17、55、73、74、81、83、93、95、97、109、110、111、117、120、126、127、128、129、130、136、138、139、150、151、153、154、155、173、174、175、176、180、181、183、185、191、194、199、213、214等;
C.I.ピグメント・グリーン7、36、58等;
C.I.ピグメント・ブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、60、80等;
C.I.ピグメント・バイオレット19、23、37等。
(D)成分は1種類の化合物のみを用いてもよく、複数を組み合わせて用いてもよい。カラーフィルターの色特性の制御のために複数の有機顔料を所定の比率で選定して用いることは広く行われている。
有機顔料の微粒化の方法としては公知の方法が利用でき、例えばドライミリング法、ソルベントミリング法、ソルトミリング法、ソルベントソルトミリング法、アシッドペースティング法、アシッドスラリー法等を挙げることができる。微粒化においては粒径を小さくすると同時に、粒径を均一に揃えることが重要である。
(D)成分の含有量は、光硬化後に固形分となる成分の全質量に対して、30~55質量%である。本発明に係る感光性樹脂組成物によれば、顔料濃度がこのように高い場合でも、高精細なフォトリソグラフィーが可能であり、かつ、色再現領域の拡大に伴う色度調整にも対応できる。なお、光硬化後に固形分となる成分は、具体的には、本発明に係る感光性樹脂組成物が含有する成分のうち、溶剤以外のものをいう。本発明に係る感光性樹脂組成物によれば、顔料濃度がこのように高い場合でも、高明度であり、かつ、コントラスト比が高いカラーフィルターを製造することができる。(D)成分の含有量は、光硬化後に固形分となる成分の全質量に対して、40~55質量%であることがより好ましい。高精細なフォトリソグラフィーが可能であるとは、フォトリソグラフィーによって、15~30μmの微細なパターンを形成することが可能であることを意味し、好ましくは、5~15μmのさらに微細なパターンを形成することが可能であることを意味する。
(D)成分は分散剤とともに、予め溶剤中に分散した後、感光性樹脂組成物を調製する。(D)成分の分散方法は、一般にはボールミル、アトライター、サンドミル、ビーズミル、ディスパーザー、ホモジナイザー、ペイントシェーカー、三本ロール、ニーダー、超音波分散機、超高圧分散機等の公知の分散機を用いて、分散媒に顔料を分散させることが行われる。分散機は顔料の微分散が達成されるものであれば特に限定されないが、微小なビーズ(直径0.01~0.5mmのジルコニアビーズ等)を用いたビーズミルによる分散加工は好適である。液晶表示デバイスで要求される偏光コントラストの改善やカラーフィルター全般の画素サイズの小型化(高画素密度化)に対応させる観点からは、分散された顔料の平均粒径は50nm以下となることが好ましい。
本発明において、分散された顔料の平均粒径は、サンプリングした分散液を顔料濃度が1質量%となるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈して大塚電子社製FPAR-1000(「FPAR」は同社の登録商標)で動的光散乱測定を行い、キュムラント法による平均粒径を算出した値を用いる。
(D)成分を溶剤中に分散させるときに用いる分散剤としては、従来顔料等の分散に用いられている公知の化合物、例えば分散剤、分散安定剤、分散湿潤剤、分散促進剤等の名称で市販されている化合物等を特に制限なく使用することができる。顔料の分散安定化に有効な分散剤としては、カチオン性高分子分散剤、アニオン性高分子分散剤、ノニオン性高分子分散剤、顔料誘導体型分散剤(分散助剤)等を例示することができるが、特に顔料への吸着点としてイミダゾリル基、ピロリル基、ピリジル基、一級、二級又は三級のアミノ基等のカチオン性の官能基を有し、アミン価が1~100mgKOH/g、数平均分子量が1千~10万の範囲にあるカチオン性高分子分散剤は好適である。このようなカチオン性高分子分散剤の例は、特開平9-169821号公報に開示されている。分散剤は1種類の化合物のみを用いてもよく、複数を組み合わせて用いてもよい。(B)成分の市販品の例としては、ビックケミー社製「BYK」シリーズ(「BYK」は同社の登録商標)、BASF社製「efka」シリーズ(「efka」は同社の登録商標)、ルーブリゾール社製「ソルスパース」シリーズ(「ソルスパース」は同社の登録商標)、味の素ファインテクノ社製「アジスパー」シリーズ(「アジスパー」は味の素社の登録商標)が挙げられる。なお、樹脂類のような高粘度物質は一般に分散を安定させる作用をも有するが、分散促進能を有しないものは分散剤とは扱わない。しかし、本発明は、分散を安定させる目的で樹脂類のような高粘度物質を使用することを制限するものではない。
(D)を分散させる場合、(A)成分の一部を共分散させておくことも可能である。特に、高顔料濃度となり、感光性樹脂組成物中の感光性樹脂成分であるA成分の比率が低下してくると、パターニングがうまくできなくなる場合があり、そうした場合、感光性樹脂組成物中の(A)成分の比率を一定以上にするために、(D)を分散させる際の(A)成分共分散は有効である。
(D)成分の分散時の溶剤は、感光性樹脂組成物を均一に溶解又は分散させるのに使用する溶剤と共通であり、例えばエステル系溶剤(ブチルアセテート、シクロヘキシルアセテート等)、ケトン系溶剤(メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、エーテル系溶剤(ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル等)、アルコール系溶剤(3-メトキシブタノール、エチレングリコールモノ-t-ブチルエーテル等)、芳香族系溶剤(トルエン、キシレン等)、脂肪族系溶剤、アミン系溶剤、アミド系溶剤等の公知の溶剤を特に制限なく使用することができる。安全性の点からはプロピレングリコール骨格を有するエステル系やエーテル系の溶剤、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート等が好ましく用いられる。また、類似の構造の3-メトキシブチルアセテート、3-メトキシ-3-メチルブチルアセテート、1,3-ブチレングリコールジアセテート等も好ましい。溶剤は1種類の化合物のみを用いてもよく、複数を組み合わせて用いてもよい。これら溶剤の中でも、有機顔料の分散安定性、溶剤の表面張力や乾燥性等の点から、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが好適に用いられ、これを主成分として使用する塗工条件等を考慮して、幾つかの溶剤を混合して使用することが好ましい。
上記(E)成分としては、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、ビスフェノールフルオレン型エポキシ化合物、テトラメチルビフェニル型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、多価アルコールのグリシジルエーテル、多価カルボン酸のグリシジルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジルをユニットとして含む重合体、3,4-エポキシシクロヘキサンカルボン酸(3,4-エポキシシクロヘキシル)メチルに代表される脂環式エポキシ化合物、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)-1-ブタノールの1,2-エポキシ-4-(2-オキシラニル)シクロヘキサン付加物(例えばダイセル社製「EHPE3150」)、エポキシ化ポリブタジエン(例えば日本曹達社製「NISSO-PB・JP-100」)、シリコーン骨格を有するエポキシ化合物等を用いることができる。
本発明のカラーフィルター用感光性樹脂組成物が(E)成分を含有するとき、(E)成分の含有量は、(A)100質量部に対して、5~80質量部である。(E)成分の含有量を上記範囲とすることで、所望の硬化物物性に設計することが可能である。
上記(F)成分としては、具体的には、以下のようなC.I.名の化合物が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
C.I.ダイレクトレッド20,28,37,39,44,83、C.I.アシッドレッド6,8,9,13,14,18,26,27,37,51,52,87,88,89,92,94,97,111,114,115,122,134,145,154,180,183,184,186,198,486、C.I.ベイシックレッド12,13,18,27、C.I.ディスパースレッド5,7,13,17,58,60,72,88,206、C.I.ソルベントレッド1,3,8,23,24,25,27,30,49,83,100,109,125,132、C.I.リアクティブレッド17,120、C.I.モルダントレッド7等;
C.I.ソルベントグリーン3,28,32,33、C.I.アシッドグリーン3,9,16,18,25、C.I.ベイシックグリーン1,4、C.I.ダイレクトグリーン28,59等;
C.I.ソルベントブルー25,35,36,38,45,55,64,67,70,129、C.I.ダイレクトブルー25,86,90,108、C.I.アシッドブルー1,7,9,15,29,40,83,103,104,129,158,161,249、C.I.ベイシックブルー1,3,7,9,25,26,41,77、C.I.ディスパースブルー56,60,81,87,149,165,197,211,214、C.I.パッドブルー4,5、C.I.リアクティブブルー19,49等;
C.I.ソルベントイエロー2,14,15,16,21,25,33,56,82,88,89,146、C.I.ディスパースイエロー3,4,7,31,42,54,60,61,64,87,198、C.I.アシッドイエロー1,3,11,17、23,38,40,42,76,98,99、C.I.ダイレクトイエロー1,11,12,28、C.I.ベイシックイエロー1,21、C.I.リアクティブイエロー2、C.I.モルダントイエロー5等;
C.I.ソルベントオレンジ6,45,56、C.I.アシッドオレンジ1,3,7,8,10,20,24,28,33,56,74、C.I.ダイレクトオレンジ1,26、C.I.ディスパースオレンジ5等;
C.I.ソルベントバイオレット2,8,9,11,13,14、C.I.ダイレクトバイオレット22、C.I.アシッドバイオレット49、C.I.ベイシックバイオレット7,10、C.I.ディスパーバイオレット24等;
C.I.ダイレクトブラウン6,58,95,101,173、C.I.アシッドブラウン14等。
本発明のカラーフィルター用感光性樹脂組成物が(F)成分を含有するとき、(D)成分の含有量と(E)成分の含有量との合計量は、光硬化後に固形分となる成分の全質量に対して、30~60質量部である。本発明に係る感光性樹脂組成物によれば、顔料および染料の濃度がこのように高い場合でも、高精細なフォトリソグラフィーが可能であり、かつ、色再現領域の拡大に伴う色度調整にも対応できる。
本発明のカラーフィルター用感光性樹脂組成物には、(A)~(F)成分と溶剤以外にもその他の必要な成分を添加することができ、例えば、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテル樹脂、メラミン樹脂等の樹脂類(溶剤可溶性または樹脂ビーズ)、架橋剤、界面活性剤、シランカップリング剤、熱重合禁止剤、可塑剤、充填剤、粘度調整剤、湿潤剤、消泡剤、レベリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、連鎖移動剤等の添加剤類等、カラーフィルター用感光性樹脂組成物に適用される公知の化合物を特に制限なく使用することができる。添加剤類の具体的な例としては、界面活性剤としてはフッ素系界面活性剤(例えばDIC社製「メガファック」シリーズ等)、シリコーン系界面活性剤(例えば東レ・ダウコーニング社製「FZ」シリーズ)等)等を挙げることができ、シランカップリング剤としては3-(グリシジルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、3-ウレイドプロピルトリエトキシシラン等を挙げることができ、熱重合禁止剤としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ピロガロール、tert-ブチルカテコール、フェノチアジン等を挙げることができ、可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、リン酸トリクレジル等を挙げることができ、充填剤としては、ガラスファイバー、シリカ、マイカ、アルミナ等を挙げることができ、消泡剤やレベリング剤としては、シリコーン系、フッ素系、アクリル系の化合物を挙げることができ、酸化防止剤としてはヒンダードフェノール類の化合物を挙げることができる。その添加量としては(A)~(F)成分の合計に対して10質量%以内で用いることが好ましい。
本発明のカラーフィルター用感光性樹脂組成物は、上記(A)~(D)成分を混合して製造することができる。このとき、任意に、上記(E)成分および(F)成分のいずれか又は双方を混合して、これらの成分を含有するカラーフィルター用感光性樹脂組成物としてもよい。(A)成分~(F)成分の混合量は、各成分について上記した量とすることができる。
本発明のカラーフィルター用感光性樹脂組成物は、(D)有機顔料を(A)アルカリ可溶性樹脂と分散剤とともに溶剤中に分散させた顔料分散体を調製した後、この顔料分散体に(A)アルカリ可溶性樹脂、(B)光重合性モノマー、(C)光重合開始剤、及び溶剤をさらに添加して混合して製造してもよい。このとき、最終的に混合して得られたカラーフィルター用感光性樹脂組成物が含有する各成分の量が、各成分について上記した量となるように、顔料分散体の調製に用いる(A)アルカリ可溶性樹脂及び分散剤の量と、後からさらに添加する(A)アルカリ可溶性樹脂及び分散剤の量とを、調整する。
本発明のカラーフィルター用感光性樹脂組成物は、基板等に塗布し、光照射、加熱焼成等で硬化させることによって硬化膜を作製することができる。感光性樹脂組成物を塗布する方法としては公知の方法が利用でき、例えばスピンコーター、バーコーター、スリットコーター等による塗布を挙げることができる。また、塗布後はホットプレートや減圧乾燥機等を用いて、感光性樹脂組成物の乾燥を行うことが好ましい。ただし、塗布及び乾燥の方法は特に制限されない。
光照射による硬化の方法も公知の方法が利用でき、例えばキセノンランプ、ハロゲンランプ、タングステンランプ、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ等を光源とする紫外光照射を挙げることができる。かかる光照射を行う際、フォトマスク等を用いて画像露光を行い、更に現像液で処理することにより基板上に画像を形成することができる。現像液としては、未露光部分を溶解し露光部分を溶解しない現像液であれば特に制限はないが、種々の添加剤を含むアルカリ水溶液であることが好ましい。ここで、現像液のアルカリ成分としては、例えばアルカリ金属の炭酸塩、アルカリ金属の水酸化物、四級アンモニウムの水酸化物等を、添加剤としては、例えば有機溶剤、界面活性剤、消泡剤、防カビ剤等を挙げることができる。現像方法についても公知の方法が利用でき、例えば浸漬現像、スプレー現像、ブラシ現像、超音波現像等を挙げることができる。光照射及び現像の方法も特に制限されるものではない。
更に、硬化膜の強度を高めるため、光照射後に加熱焼成を行うことが好ましい。加熱焼成の方法も公知の方法が利用でき、例えばホットプレート、熱風オーブン等による処理を挙げることができるが、特に制限されない。硬化膜の硬化条件については特に制限されないが、光硬化については10~1000mJ/cmの紫外光照射、熱硬化については200~250℃で20~60分の加熱焼成を行うことが好ましい。なお、かかる硬化膜を使用してカラーフィルターを作製する方法としては、公知の方法が利用できる。
このようにして製造した硬化膜は、15~30μmの微細なパターンで形成するが可能であり、更には、5~15μmのさらに微細なパターンで形成することが可能である。
また、このようにして製造した硬化膜は、カラーフィルターに用いることができる。この硬化膜を含むカラーフィルターは、色再現領域が従来のカラーフィルターよりも拡大され、より広い範囲での色度調整にも対応できる。このようなカラーフィルターは、たとえば、液晶表示装置等に用いることができ、明度、コントラスト比、または色再現領域を高めることにより、液晶表示装置等の品質向上に寄与することができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。なお、部数及び百分率(%)は特に断りのない限り質量部及び質量百分率(質量%)を表す。
分析は次のように行った。
酸価:サンプリングした溶液をテトラヒドロフランと水の混合液に溶解させて0.1規定の水酸化カリウム水溶液で中和滴定し、当量点からサンプル溶液の固形分換算の酸価を算出した。
重量平均分子量(Mw):サンプリングした溶液をテトラヒドロフランに溶解させて東ソー社製HLC-8220GPCで分子量分布測定を行い、標準ポリスチレン換算の重量平均分子量を算出した。
平均粒径:サンプリングした分散液を顔料濃度が1%となるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈して大塚電子社製FPAR-1000で動的光散乱測定を行い、キュムラント法による平均粒径を算出した。
実施例及び比較例で使用した成分を以下に示す。
A:不飽和基含有アルカリ可溶性樹脂;
A-1:合成例1の樹脂溶液(一般式(II)においてR~Rが水素原子、Aがフルオレン-9,9-ジイル基、Xがテトラカルボキシルビフェニルのカルボン酸残基、Yがテトラヒドロフタル酸のカルボン酸残基である樹脂の溶液)
A-2:合成例2の樹脂溶液
B:光重合性モノマー;ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬社製 商品名DPHA)
C:光重合開始剤;1-[4-(フェニルスルファニル)フェニル]オクタン-1,2-ジオン 2-O-ベンゾイルオキシム(BASF社製OXE01)
D:顔料分散体
D-1:微粒化されたピグメント・グリーン7(BET法による比表面積75m/g、キュムラント法による平均粒径32nm)15%、高分子分散剤10%のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)溶液
D-2:微粒化されたピグメント・グリーン36(BET法による比表面積65m/g、キュムラント法による平均粒径38nm)15%、高分子分散剤10%のPGMEA溶液
D-3:微粒化されたピグメント・ブルー15:6(BET法による比表面積90m/g、キュムラント法による平均粒径57nm))15質量%、高分子分散剤10質量%のPGMEA溶液
D-4:微粒化されたピグメント・レッド254(BET法による比表面積85m/g、キュムラント法による平均粒径72nm))15%、高分子分散剤10%のPGMEA溶液
E:テトラメチルビフェニル系エポキシ樹脂(日本化薬社製「YX-4000」)
G:界面活性剤;東レ・ダウコーニング社製「FZ-2122」(1%PGMEA溶液)
H:シランカップリング剤;3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
溶剤-1:PGMEA
溶剤-2:ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)
[合成例1]
還留冷却器付き500ml四つ口フラスコ中にビスフェノールフルオレン型エポキシ化合物(エポキシ当量255) 0.23mol、アクリル酸 0.46mol、PGMEA 161.0g及びテトラエチルアンモニウムブロマイド 0.48gを仕込み、100~105℃で加熱下に20hr撹拌して反応させた。次いで、フラスコ内に3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物 0.12mol、1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸無水物 0.12molを仕込み、120~125℃で加熱下に6hr撹拌し、アルカリ可溶性樹脂溶液A-1を得た。得られた樹脂溶液の固形分濃度は55.6%、酸価(固形分換算)は103mgKOH/g、GPC分析によるMwは3600であった。
[合成例2]
窒素導入管及び還流管付き1000ml四つ口フラスコ中にメタクリル酸 51.65g(0.60mol)、メタクリル酸メチル 38.44g(0.38mol)、メタクリル酸シクロヘキシル 36.33g(0.22mol)、アゾビスイソブチロニトリル 5.91g、及びDMDG 368gを仕込み、80~85℃で窒素気流下、8hr撹拌して重合させた。更に、フラスコ内にグリシジルメタクリレート 39.23g(0.28mol)、トリフェニルメタン 1.44g、2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール 0.055gを仕込み、80~85℃で16hr撹拌し、重合性不飽和基含有(メタ)アクリレート樹脂溶液A-2を得た。得られた樹脂溶液の固形分濃度は32%、酸価(固形分換算)は110mgKOH/g、GPC分析によるMwは18080であった。
(カラーフィルター用感光性樹脂組成物の作製)
[実施例1~4]及び[比較例1~4]
表1の配合組成で、感光性樹脂組成物溶液を調製した。なお、表中の各成分の数値は、質量部を表す。
Figure 0007108670000003
(カラーフィルター用感光性樹脂組成物の評価:現像性)
実施例1~4および比較例1~4の感光性樹脂組成物溶液を、脱脂洗浄した厚さ1.2mmのガラス板上にスピンコーターを用いて2.6μmの乾燥膜厚になる条件で塗布・乾燥した後、フォトマスクを密着させ、500Wの高圧水銀灯ランプを用いて波長365nmの照度10mW/cmの紫外線を10秒間照射した。露光後、0.4%炭酸ナトリウム水溶液を用いて23℃で60秒間0.1MPaの圧力で現像し、塗膜の未露光部を除去し、その後、熱風乾燥機を用いて230℃で30分間加熱硬化処理を行って、着色硬化膜パターン(硬化物)を得た。そして、ガラス板上に形成された着色硬化膜パターンを顕微鏡で確認し、以下に従ってパターン形成、残渣に関する評価を行った。結果を表2に示す。
・パターン形成
○:パターン形成可能(5μm~15μmのライン&スペースパターンが残る)
△:パターン形成可能(16μm~30μmのライン&スペースパターンが残る)
×:現像液に溶解せずもしくはパターン剥離
・残渣
○:現像により感光性樹脂組成物が除去されたガラス基板上に異物が0(ゼロ)
×:現像により感光性樹脂組成物が除去されたガラス基板上に異物を観察
Figure 0007108670000004
表2から明らかなように、本発明の一般式(II)のアルカリ可溶性樹脂を用いた着色感光性樹脂組成物を用いれば、固形分中着色成分((D)成分)が35~50%と高濃度であっても、5~15μmといった微細なライン&スペースの形成が可能であることがわかる。一方、アクリル系モノマーの共重合体の誘導体である合成例2のようなアルカリ可溶性樹脂を使用した着色感光性樹脂組成物では、固形分中35%以上の着色剤を含むと、5~30μmといったライン&スペースの形成ができないことがわかる。
本発明のカラーフィルター用感光性樹脂組成物では、高顔料濃度の硬化膜パターンを形成することが可能になるため、色鮮やかな高色純度のカラーフィルターの作製が可能である。

Claims (2)

  1. (A)下記一般式(II)で表されるアルカリ可溶性樹脂、(B)少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を有する光重合性モノマー、(C)光重合開始剤、及び(D)有機顔料を含有するカラーフィルター用感光性樹脂組成物であり、(A)アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して、(B)光重合性モノマーが10~60質量部であり、(A)アルカリ可溶性樹脂と(B)光重合性モノマーの合計量100質量部に対して、(C)光重合開始剤が2~40質量部であり、光硬化後に固形分となる成分の全質量に対して、(D)有機顔料が40~55質量%であることを特徴とするカラーフィルター用感光性樹脂組成物。
    Figure 0007108670000005
    (一般式(II)中、R、R、R及びRは、それぞれ独立して水素原子、炭素数1~5のアルキル基、ハロゲン原子又はフェニル基を表し、Rは、水素原子又はメチル基を表し、Aは、フルオレン-9,9-ジイル基を表し、Xは4価のカルボン酸残基を表し、Y及びYは、それぞれ独立して水素原子又は-OC-Z-(COOH)m(但し、Zは2価又は3価カルボン酸残基を表し、mは1又は2の数を表す)を表し、nは1~20の整数を表す。)
  2. 前記(C)光重合開始剤は、オキシムエステル化合物であることを特徴とする、請求項1に記載のカラーフィルター用感光性樹脂組成物。
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