JP7106067B2 - 片面研磨装置 - Google Patents
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Description
特許文献2には、ラップ定盤に研磨パッドを固定してその表面にワークを載置し、この研磨基板の上面に保護シートを介して球状の加圧部材を複数配置すると共に、これらの加圧部材を加圧用錘によって加圧することにより、ワークに対する加圧力を均一化する研磨装置が記載されている。
特許文献3には、加工台の表面にワークを吸着・載置させ、その上方に配置された研磨パッドを、弾性体を介して複数の加圧棒にて加圧することにより、ワークに対する加圧力を均一化する研磨装置が記載されている。
図9は、この研磨装置の主要部を示す側面図であり、1は定盤、2は研磨パッド、3は荷重保持器、4は荷重保持部材、5は多数のウェイト(荷重)、6は研磨液を供給するノズル、Wはワークである。図9では、ウェイト5を全て同じ高さで示しているが、後述するように、ワークWの研磨ムラ形状に応じた荷重分布を得るために、高さ(重さ)が異なる複数種類のウェイトを使用可能となっている。
特許文献4では、上記の領域a~dに応じて重さが異なる4種類のウェイト5a~5dをワークW上に配置して不均一な荷重分布を構成し、この状態でワークWを研磨することにより、研磨ムラ形状W’を相殺している。
図10の研磨ムラ形状W’を相殺するためにウェイト5a~5dをワークW上に移載する場合には、ハンドリング部7aが移載済みのウェイトと機械的に干渉するのを防止するため、最も高さの低い(最も軽い)ウェイト5aから5b→5c→5dの順に、ハンドリング部7aの下面の吸着部が吸着、解除を繰り返してウェイト5a~5dをワークW上に移載していく。これにより、最終的には、図11(d)に示すごとく図10の研磨ムラ形状W’に対応させたウェイト5a~5dの分布が構成されることになる。
また、特許文献2に記載の研磨装置では、複数の加圧部材として全て同じ重量の球状部材を用いている。しかし、例えば矩形のワークを研磨する場合には、ワークの四隅部分が過剰研磨される傾向にあるため、この四隅部分については加圧力を小さくする等、ワークの平面的な位置に応じて加圧力を調整できることが望ましいが、特許文献2の研磨装置ではこれが困難である。
特許文献3に記載の研磨装置では、加圧棒を加圧するためのリニアアクチュエータやシリンダブロック、ばね等を加圧棒の数だけ設けなくてはならず、装置の構造が複雑化するという問題がある。
更に、複数のワークを連続的に研磨する場合を想定すると、1枚のワークの研磨が終了してから多数のウェイトを重いものから順に除去し、研磨済みワークを搬出してから次のワークを研磨パッド上に搬入し、その後、多数のウェイトを軽量のものから順にワーク上へ移載する、といった作業を順次行う必要がある。
つまり、特許文献4の研磨装置では、荷重ハンドリング装置7の構造が複雑であると共に、ウェイトの移載や除去等の作業が煩雑で長時間を要するため、一連の研磨加工の作業性が悪いという問題があった。
前記ウェイトとして重さが異なる複数の分割ウェイトを保持棒によりそれぞれ保持して複数のウェイトユニットを構成し、これらのウェイトユニットを前記定盤の外部において所定の荷重分布に従って予め配置しておき、
吊り下げプレートを貫通した前記保持棒の上端部を抜け止めプレートにより支持し、かつ、前記吊り下げプレートの両端部に位置決め部材がそれぞれ配置されたウェイト搬送用保持部を設け、
ウェイト搬送装置が、前記ウェイト搬送用保持部により保持された前記複数のウェイトユニットを前記ワークの上方に搬送し、前記位置決め部材により前記吊り下げプレート及び前記抜け止めプレートを前記ワークホルダに位置決めしながら、前記複数のウェイトユニットを構成する前記複数の分割ウェイトを前記吊り下げプレート、前記抜け止めプレート及び前記保持棒により保持しつつ一括して前記ワークホルダ内の前記ワークの上面にそれぞれ移載して前記研磨パッドにより前記ワークの下面を研磨することを特徴とする。
更に、特許文献4に記載された研磨装置と比較すると、ワークに対してウェイトを移載し、除去するためのハンドリング作業を短時間で行うことができ、研磨加工の作業性を大幅に向上させることができる。
加えて、研磨時の放熱効率が良く、研磨熱によってワークや定盤が変形する恐れもない等の効果を有する。
図1は、本発明の実施形態に係る片面研磨装置の主要部を示す平面図(図1(a))及び側面断面図(図1(b))である。これらの図において、筐体101の上方には定盤104が配置され、この定盤104は駆動モータ102により回転軸103を中心として回転可能となっている。なお、定盤104の表面には研磨パッドが貼り付けられているが、便宜的に図示を省略してある。
上記の構成により、定盤104と、ワークホルダ105及びワークWとは、相対的に回転、揺動可能である。
なお、分割ウェイト110の下方には、後述の図4に示すようにベースウェイト110xが配置されているが、図1(b)では、便宜的にベースウェイト110xの図示を省略する。
これらの分割ウェイト110は、その高さを変える方法の他に、一定の高さ(重さ)の単位ウェイトを保持棒109の上部から挿入する枚数を変えて重さを任意に設定することにより、複数種類の重さを持たせることができる。
吊り下げプレート106の周囲4か所に配置された位置決め部材107は、ピン-ホゾ構造によって吊り下げプレート106を上下方向に移動可能に支持すると共に、この吊り下げプレート106をワークホルダ105に対して位置決めする機能を有する。
なお、図2及び後述の図3においても、分割ウェイト110の下方に配置されるベースウェイト110xの図示を省略してある。
また、図3は、図2に示した各部材と定盤104及びワークホルダ揺動用フレーム111との位置関係を示した斜視図である。
矩形のワークWを研磨する場合、一般にワークWの四隅付近が過剰研磨となり、中央部付近が研磨不足になる傾向がある。このため、前述した方法により重さを異ならせた複数種類の分割ウェイト110a,110b,110c(重さは110a>110b>110c)を用意しておき、ワークWの中心部から四隅方向に向かって重さが徐々に軽くなるように多数の分割ウェイト110a~110cを配置する。これにより、ワークWの厚さが全体的に均一になるように研磨することができる。
なお、ベースウェイト110xは保持棒109の下端部にそれぞれ固定されており、分割ウェイト110a~110cの中心部の通孔を上方から保持棒109に通して分割ウェイト110a~110cをベースウェイト110xに積層するように構成されている。
図4(a),(b)に示すように、ワークWの中央部から四隅に向かって重さが軽くなるように分割ウェイト110a,110b,110cを順次配置すれば、図5のように重さが均一な均一ウェイト110’を使用する場合に比べて、研磨後のワークWの厚さは全体的にほぼ均一になる。なお、図5において、105’はワークホルダ、 113’は緩衝材である。
ちなみに、図6(a)は大型のワークWを対象としてその全面を加圧するべく3種類の分割ウェイト110a~110cを配置した例であり、図6(b)は大型のワークWに対してその四隅に分割ウェイトを配置しない(分割ウェイトのない部分を白抜きで示す)例である。また、図6(c),(d),(e)は小型のワークWの外形に適合するように3種類の分割ウェイト110a~110cを配置した例である。
図7において、201は段取り台車であり、その上面にはワークWとほぼ同じ大きさのウェイト載置用平板202が載置されている。分割ウェイトの配置用鳥瞰図等を参照して、分割ウェイト110a~110d(ここでは、分割ウェイト110aよりも重いものとして分割ウェイト110dを追加している)の何れかの通孔に保持棒109を貫通させたウェイトユニット117を多数、構成し、これら多数のウェイトユニット117をウェイト載置用平板202の上面に配置する。なお、分割ウェイト110a~110dの交換(配置換え)すなわち荷重分布の変更は、例えば保持棒109に挿入する単位ウェイトの枚数を変更して行えば良い。
上記のように、ウェイト搬送用保持部118及び多数のウェイトユニット117を段取り台車201の上で予め一体化させておき、その後に、段取り台車201ごと後述のウェイト搬送装置301の直下に移動させてから、ワークW上へのウェイトユニット117の移載工程に移る。
図8(a)は、段取り台車201を含めた片面研磨装置全体の平面図、図8(b)は同じく側面図である。
なお、ウェイト搬送用保持部118を、ワークWの研磨中も図8(b)に示すごとくワークホルダ105の上方に配置しておけば、ウェイトユニット117が振動によってずれるのを防ぐことができる。ウェイト搬送用保持部118は位置決め部材107を介してワークホルダ105に支持されているので、ウェイト搬送用保持部118の自重がワークWに加わる恐れはない。
また、荷重分布の異なる条件での研磨加工を円滑に行うため、予め複数の段取り台車201の上に異なった荷重分布のウェイトを配置しておき、必要な段取り台車201をウェイト搬送装置301の直下に移動させて図8(b)の矢印d方向に昇降させ、段取り台車201ごと交換可能にすれば、段取り変えを短時間で行うことができる。
このように、本発明においては、特に矩形のワークWに対してその四隅付近が過剰に研磨されるのを防止して、ワークWの全体をほぼ均一の厚さに研磨することが可能である。また、多数の分割ウェイト110a~110d及びベースウェイト110xを用いているので、放熱効率が良く、研磨熱によってワークWや定盤104が変形する恐れもない。
更に、研磨終了後には、多数のウェイトユニット117を一括してワークW上から除去すれば研磨済みのワークWを搬出することができ、多数のワークWの連続的な研磨加工も容易である。
102:駆動モータ
103:回転軸
104:定盤
104a:研磨パッド
105:ワークホルダ
105a:位置決め凹部
106:吊り下げプレート
107:位置決め部材
107a:姿勢調整部
108:抜け止めプレート
108a:係止孔
109:保持棒
110,110a,110b,110c,110d:分割ウェイト
110x:ベースウェイト
111:ワークホルダ揺動用フレーム
112:吊り下げ片
113:緩衝材
114:搬送用保持棒
115:ワークホルダ駆動用モータ
117:ウェイトユニット
118:ウェイト搬送用保持部
201:段取り用台車
202:ウェイト載置用平板
203:位置決め受け部
301:ウェイト搬送装置
302:搬送用回転軸
303:搬送用把持部
304:昇降機構
W:ワーク
Claims (2)
- 定盤上に研磨パッドを介して配置されたワークホルダ内のワークを複数のウェイトにより加圧すると共に、前記定盤と前記ワークとを相対的に回転させて前記ワークの一面を前記研磨パッドにより研磨する片面研磨装置であって、
前記ウェイトとして重さが異なる複数の分割ウェイトを保持棒によりそれぞれ保持して複数のウェイトユニットを構成し、これらのウェイトユニットを前記定盤の外部において所定の荷重分布に従って予め配置しておき、
吊り下げプレートを貫通した前記保持棒の上端部を抜け止めプレートにより支持し、かつ、前記吊り下げプレートの両端部に位置決め部材がそれぞれ配置されたウェイト搬送用保持部を設け、
ウェイト搬送装置が、前記ウェイト搬送用保持部により保持された前記複数のウェイトユニットを前記ワークの上方に搬送し、前記位置決め部材により前記吊り下げプレート及び前記抜け止めプレートを前記ワークホルダに位置決めしながら、前記複数のウェイトユニットを構成する前記複数の分割ウェイトを前記吊り下げプレート、前記抜け止めプレート及び前記保持棒により保持しつつ一括して前記ワークホルダ内の前記ワークの上面にそれぞれ移載して前記研磨パッドにより前記ワークの下面を研磨することを特徴とする片面研磨装置。 - 請求項1に記載した片面研磨装置において、
前記抜け止めプレートを前記吊り下げプレートに対して相対的にスライドさせることにより、前記吊り下げプレートを貫通した前記保持棒の上端部を前記抜け止めプレートの係止孔に係止可能であることを特徴とする片面研磨装置。
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