JPH08187652A - 自動車車体塗装方法並びにこれに用いられる自動研磨装置および湿式研磨方法 - Google Patents

自動車車体塗装方法並びにこれに用いられる自動研磨装置および湿式研磨方法

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JPH08187652A
JPH08187652A JP32847094A JP32847094A JPH08187652A JP H08187652 A JPH08187652 A JP H08187652A JP 32847094 A JP32847094 A JP 32847094A JP 32847094 A JP32847094 A JP 32847094A JP H08187652 A JPH08187652 A JP H08187652A
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JP
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polishing
coating
automobile body
wet
wet polishing
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Application number
JP32847094A
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English (en)
Inventor
Koji Oyama
浩治 大山
Hideya Kinoshita
英也 木下
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
  • Grinding-Machine Dressing And Accessory Apparatuses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 操作性よく、ED塗面上の異物を良好に研磨
除去すると共に、余剰に付着したED塗料を回収再利用
できる自動車車体塗装方法を得る。 【構成】 自動車車体(B) に電着塗装により下塗り塗膜
を形成し、洗浄の後、車体表面に付着した異物を湿式研
磨により除去し、その後前記下塗り塗膜を乾燥・焼付す
ることを特徴とする自動車車体塗装方法である。前記湿
式研磨には、揺動方式の自動研磨装置(31)等を用い、研
ぎにより発生した塗料粉は、洗浄水に搬送させて回収タ
ンク内に集め、ここで溶解してED本槽へと戻す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車車体塗装方法並
びにこれに用いられる研磨装置および湿式研磨方法に関
し、詳しくは、電着(以下、「ED」と記する。)塗装
により下塗り塗膜を形成した際、車体表面に付着したゴ
ミブツ等の異物を研磨除去する技術、さらに異物の研磨
除去と併せて自動車車体に余剰に付着したED塗料を研
磨してED塗膜膜厚の均一化を図ると共に、当該研磨に
よって発生するED塗膜粉の有効利用を図る技術に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】自動車製造においては、防錆と美観の付
与等を目的として車体表面に塗装を施すが、一般に、塗
料は一つの材料で、要求されるすべての性能を満足する
ことはできず、いくつかの材料を使い分け、何回か塗り
重ねることにより、総合塗膜として諸性能を満足するよ
うになっている。例えば、自動車車体外板部の塗装は、
一般的に、鋼板素地上に(前処理、)下塗り、中塗りお
よび上塗りという塗膜を順に重ねたものであり、前処
理、下塗りで防錆を、中塗りは仕上り外観向上のための
表面調整を、上塗りは仕上り外観と耐久性を主体に塗膜
性能を分担している。
【0003】従来、下塗り塗装は、電気化学反応で析出
させることにより、自動車車体という複雑な形状物のす
みずみまで均一に塗装を行なうことができることから、
ED塗装が広く使用されている。このED塗装は、従
来、図8に示すように自動車車体Bを、まずED塗料を
収容してなるED本槽101に浸漬し、ED塗料を自動
車車体B内外板の表面に電気化学的に析出させ、次いで
水洗ブース102において自動車車体Bに物理的に付着
している余剰のED塗料を除去した後、自動車車体Bを
ED本槽101および水洗ブース102において搬送し
てきたハンガーから台車上へと載せ替え、EDオーブン
103内へと導き焼付・乾燥を行なうことによりなされ
ている。ところで、このED塗装工程において、ED本
槽101および水洗ブース102にて自動車車体Bの表
面に付着したゴミ・ブツ等は、次工程である中塗り工程
で初期品質不良の要因となり、最終的な塗装品質に影響
を及ぼすこととなる。このため従来、図8に示すよう
に、ED塗膜のEDオーブン103での焼付・乾燥後に
ED研ぎ工程104を設けて、図9に示すように自動車
車体B全面を手作業によりサンドペーパーなどを用いて
軽くこする(ラフサンド)することが行なわれていた。
【0004】なお、「研ぎ工程」については、自動車工
学全書 第19巻 自動車の製造法(昭和55年4月2
0日 株式会社山海堂発行)の第196頁の項目8.
2.4下塗り研ぎ(サンディング)なる記載にて紹介さ
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、手作業
による研磨は、人の工数を2人/シフト程度要するため
効率的ではなく、作業者に多大な労働負荷をかけること
となるのみならず、研磨において発生し自動車車体に付
着した研ぎ粉が、次工程(中塗り工程)での持ち込みゴ
ミとなってしまい、初期品質不良を増加させる要因にも
なっている。また、研磨時に塗面に発生した線キズが、
二次的に次工程(中塗り工程)での不具合を発生させる
要因となっていた。
【0006】また、一般に自動車車体の外板部における
ED塗膜の膜厚は、防錆上の観点からは15μm以上程
度であれば十分であるが、連続搬送方式のED塗装装置
を用いる通常の生産においては、その設備上の問題か
ら、自動車車体表面にED塗料が均一付着せず、最も膜
厚が付きにくいルーフ部などにおける膜厚を15μm以
上に確保しようとした場合、自動車車体外板の他の部
位、すなわち、略垂直面部およびルーフ部を除く略水平
面部には20〜30μm程度の膜厚がついてしまうこと
が多い。このように自動車車体に余剰に付着したED塗
料は無駄であり、自動車1台当りに要する塗装コストを
上昇させることとなっていた。
【0007】さらに、自動車車体の外板のブレージング
部、例えば、図10に示すようなリアクォータパネルと
ルーフパネルとの接合部105においては、部分的に電
気伝導度が異なるためED塗装を行なうと、図11に示
すようにED塗膜の局部的な凸状部106が生じてしま
う。前記したように、ED塗装の焼付・乾燥後に設けら
れたED研ぎ工程において、このような凸状部の研ぎを
行なった場合には、塗膜が硬く平滑に研ぐことが困難
で、中塗り塗装後に再度この部位の研ぎを行なう必要性
が生じていた。また、この凸状部をED研ぎ工程におい
て、十分に落そうとすると、ED塗膜を削り取ってしま
い鋼板を露出させてしまうことが多く、露出部位を再度
タッチアップによって埋める必要が生じ、また露出させ
ないまでも必要以上に研いでしまい、防錆能力を低下さ
せてしまう虞れが高いものであった。
【0008】従って本発明は、上述したような問題を解
決し、操作性よく、ED塗面上の異物を良好に研磨除去
でき、さらに異物の研磨除去と併せて自動車車体に余剰
に付着したED塗料を研磨してED塗膜膜厚の均一化を
図ると共に、当該研磨によって発生するED塗膜粉を再
利用を可能とする自動車車体塗装方法並びにこれに用い
られる研磨の自動化を前提とする研磨装置およびこれを
用いた湿式研磨方法を提供することを目的とするもので
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する第1
の発明の自動車車体塗装方法は、自動車車体にED塗装
により下塗り塗膜を形成し、洗浄の後、湿式研磨を行
い、その後前記下塗り塗膜を乾燥・焼付することを特徴
とするものである。
【0010】本発明の上記自動車車体塗装方法の一実施
態様においては、前記湿式研磨により、車体表面に付着
した異物を除去することができる。また別の実施態様に
おいては、前記湿式研磨により、車体表面に付着した異
物を除去すると共に余剰に付着したED塗料を除去する
ことができる。
【0011】また、本発明の上記自動車車体の塗装方法
においては、前記湿式研磨を、自動車車体の略水平面に
対して行なうことができる。この場合、自動車車体の略
水平面に対する湿式研磨は、電着塗装の水洗ブース内に
おいて行なうことが望ましい。
【0012】あるいはまた、本発明の上記自動車車体の
塗装方法においては、前記湿式研磨を自動車車体の略全
面に対して行なうことができる。この場合、自動車車体
の略全面に対する湿式研磨を、電着塗装の水洗ブースと
電着塗装の乾燥・焼付ブースとの間に別途設けた湿式研
磨ブースにおいて行なうことが望ましい。
【0013】さらに、本発明の上記自動車車体の塗装方
法においては、前記湿式研磨が、自動車車体のブレージ
ング部位を含んで行なうものであることが望ましい。
【0014】さらに、本発明の上記自動車車体の塗装方
法のより望ましい実施態様は、前記湿式研磨により自動
車車体から削り取られた塗膜粉を回収溶解して電着塗装
に再利用するものである。この塗膜粉の回収・再利用
は、例えば、前記湿式研磨の際に研磨部位に洗浄水をか
け、自動車車体から削り取られた塗膜粉を前記洗浄水に
搬送させて回収タンクへと集め、この回収タンク内にお
ける液条件を、pH4.0〜4.5、溶剤濃度4.0〜
5.0容量%に調整して塗膜粉を溶解することにより好
適に行なわれ得る。
【0015】上記課題を解決する第2の発明に係る自動
研磨装置は、ワーク表面に略平行に配置された揺動板
と、前記ワーク表面に略垂直な軸線をそれぞれ有して、
相互に離間して配置された複数のロッドであって、ワー
ク表面に略垂直な方向において変動自在ないし弾性的
に、一方ワーク表面に略平行な方向においては変動を規
制されて前記揺動板に接続されたロッドと、前記ロッド
の揺動板との接続側とは反対側の先端部に取付けられ
た、ワーク表面に対向して相互に離間して配置された複
数の押圧ヘッドと、前記ワーク表面と前記押圧ヘッドの
間に帯状研磨部材を保持する保持手段と、前記揺動板を
前記ワーク表面に略平行な方向において揺動させる揺動
機構と、前記揺動板を前記ワーク表面に対して略垂直な
方向に変位させる変位機構とを有することを特徴とする
ものである。
【0016】さらに上記課題を解決する第3の発明は、
ワーク表面に形成した電着塗膜を、焼付・乾燥に先立
ち、前記第2の発明の自動研磨装置を用いて湿式にて研
磨することを特徴とする電着塗装の湿式研磨方法であ
る。第4の発明において、自動研磨装置における帯状研
磨部材のワーク表面に対する研磨時の押圧力は、15〜
30g/cm2 程度であることが望ましい。また第4の
発明において、帯状研磨部材が600〜1000番手の
粗さを有する研磨ペーパーであることが望ましい。
【0017】
【作用】このように本発明の自動車車体塗装方法におい
ては、ED塗装を焼付・乾燥前に研磨するものであるた
めに、車体表面に付着したゴミ・ブツ等の異物を比較的
目の細かい研磨ペーパー、研磨ブラシ等を用いても容易
に除去することができる。また、研磨時に発生する研ぎ
粉についても自動車車体表面から洗い流せるので従来発
生していた研ぎ粉による二次的な不具合の発生も防止で
きる。さらに、この研磨時にED塗膜に線キズが発生し
ても、その後の焼付・乾燥工程においてED塗料が溶融
流動することによってこのような線キズ等は消失してし
まうため、線キズに起因する二次的な不具合の発生も防
止できる。また、ED塗装を焼付・乾燥前に研磨するも
のであるために、上記したように車体表面に付着した異
物を除去すると共に余剰に付着したED塗料を容易に除
去することができ、塗膜の均一化を図ることができる。
さらに、前記湿式研磨が、自動車車体のブレージング部
位に対して行なわれた場合、ED塗膜が未硬化で今だ比
較的柔らかい状態にあるため、ブレージング部に生じた
ED塗膜の凸状部も容易に平滑に研ぐことができ、中塗
り塗装後に再度この部位の研ぎ工程を設ける必要性ある
いは、鋼板の露出によるタッチアップ工程の必要性がな
くなり、工数の削減と製造時間の短縮化が図れ、かつ防
錆能力を低下させてしまう虞れもなくなる。
【0018】さらに、本発明の上記自動車車体の塗装方
法のより望ましい実施態様は、前記湿式研磨により自動
車車体から削り取られた塗膜粉を回収溶解してED塗装
に再利用するものであり、従来ED塗膜焼付乾燥後に研
ぎ工程を付していた場合と比較して、最大で約2%程度
の塗料の無駄を削減できることとなる。この塗膜粉の回
収・再利用を、前記湿式研磨の際に研磨部位に洗浄水を
かけ、自動車車体から削り取られた塗膜粉を前記洗浄水
に搬送させて回収タンクへと集め、この回収タンク内に
おける液条件を、pH4.0〜4.5、溶剤濃度4.0
〜5.0容量%に調整して塗膜粉を溶解することにより
行なえば、容易にかつ既存のED塗装の水洗ラインを利
用して大きな設備投資なしに塗料の有効利用を図ること
ができる。
【0019】また本発明の自動車車体塗装方法の一実施
態様においては、前記湿式研磨を自動車車体の略水平面
に対して行なうものであるが、ED塗装におけるゴミ・
ブツ等の異物は主として自動車車体の略水平面のみに生
じるものであるので、このように略水平面のみを研ぐも
のであっても十分な塗膜品質の向上が期待でき、さら
に、ED塗装の水洗ブース内においてこのような略水平
面の湿式研磨を行なう場合、新たに湿式研磨用のブース
を設ける必要がなく、既存の設備に若干の変更を加える
のみで、すなわち新たな設備投資をほとんど行なうこと
なく、本発明を実施可能である。さらに、前記湿式研磨
により自動車車体から削り取られた塗膜粉が水洗ブース
における水洗水中に集められるので、水洗ブースに従来
設備されている限外瀘過(UF)装置等を利用して、こ
れを回収し再利用することが容易となる。
【0020】また本発明の自動車塗装方法の別の実施態
様においては、前記湿式研磨を自動車車体の略全面(略
水平面および略垂直面)に対して行なうものであるが、
この場合、より良好な塗膜性状を得ることができ、また
研ぎ工程の完全自動化も可能である。またこの場合、上
記のごとく湿式研磨により自動車車体から削り取られた
塗膜粉を回収溶解してED塗装に再利用すると、塗料原
料コストの低減のより大きな効果が期待できる。
【0021】さらに、前記湿式研磨を、ED塗装の水洗
ブースとED塗装の乾燥・焼付ブースとの間に湿式研磨
ブースを別途設けて行なえば、上記のごとき自動車車体
の略全面に対する処理も行なえることとなり、また研磨
処理の完全自動化も可能となる。
【0022】また上記のごとき構成を有する第2発明の
自動研磨装置は、揺動方式により研磨を行なうため、E
D塗装後未硬化の比較的軟質な状態にED塗膜を必要以
上に削り取ることなく、研ぎ工程の自動化を可能とする
ものである。さらに、この自動研磨装置において研磨ペ
ーパーなどの研磨部材をワーク(自動車車体)表面に押
圧する押圧ヘッドは、ワーク表面に略垂直な方向(押圧
方向)において変動自在ないし弾性的に支持されている
ために、自動車車体におけるように表面形状が完全に平
面ではなく若干曲面状となるものであっても、形状追従
性がよく自動操作にて全体を均一に研磨でき、加えて複
数の押圧ヘッドを有するために小さな揺動を付与するの
みで全面を研磨でき、線キズ等の不具合の発生の虞れも
ないものである。
【0023】さらに第3発明のED塗装の湿式研磨方法
は、ワーク表面に形成したED塗膜を、焼付・乾燥に先
立ち、前記第2の発明の自動研磨装置を用いて湿式にて
研磨するものであるため、研ぎ工程の自動化が容易であ
り、安価な設備投資で省人(工数低減)が可能である。
また、比較的目の細かい研磨ペーパーを用いてゴミ・ブ
ツ等の異物、さらには余剰に付着した塗料分のみを容易
に除去することができ、従来二次的な不具合の原因とな
っていた線キズ等の発生がなくなり、また研ぎ粉につい
ても自動車車体表面から洗い流せるので研ぎ粉による二
次的な不具合の発生も防止できる。
【0024】さらに、第3の発明において、自動研磨装
置における帯状研磨部材のワーク表面に対する研磨時の
押圧力が15〜30g/cm2 程度、帯状研磨部材が6
00〜1000番手の粗さを有する研磨ペーパーである
と、ED塗膜の削り過ぎ、線キズ等の発生の虞れもな
く、より一段と良好な研磨が行なえるものとなる。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明する。
【0026】図1は、第1の発明に係わる自動車塗装方
法のED塗装工程における工程順を示すチャート、図2
(a)〜(b)は本発明の一実施例における湿式研磨工
程を示す模式図、図3(a)〜(b)は本発明の別の実
施例における湿式研磨工程を示す模式図、図4は同実施
例における湿式研磨ブースの構成を示す模式図、図5は
第2の発明に係る自動研磨装置の一実施例の構成を使用
状態において示す模式図、図6は同実施例の要部構成を
示す模式図、図7は研磨前後におけるED塗装面の状態
を模式的に示す断面図である。
【0027】本発明の自動車塗装方法は、自動車車体に
ED塗装により下塗り塗膜(ED塗膜)を形成し、洗浄
の後、車体表面に付着した異物を湿式研磨により除去
し、その後前記下塗り塗膜を乾燥・焼付することを特徴
とするものであり、ED塗装以前の前処理、あるいはE
D塗装後の中塗り塗装、上塗り塗装といった工程は特に
限定されるものではなく、これらの工程については、従
来知られる種々の方法を用いることができる。例えば、
ED塗装後に、中塗り、上塗り塗膜をそれぞれ塗装(コ
ート)・焼付け(ベーク)という工程を踏んで順に積層
してなる最も一般的なものから、上記中塗りを省略する
もの、上記中塗りを2コート行なうもの、また上記上塗
り塗膜としてベースコートとその上部に設けられるクリ
アコートからなる二層とし、2コート1ベークで、ある
いは2コート2ベークで行なうもの、さらに上塗り塗膜
を三層としたものなど各種の態様を取り得る。
【0028】本発明に係る自動車車体塗装方法における
ED塗装工程は、概略図1に示すような順序にて行なわ
れる。すなわち、脱脂、化成処理等の前処理を付した自
動車車体を、カチオン電着塗料(CED)もしくはア
ニオン電着塗料(AED)を収容してなるED本槽に浸
漬し、通電して自動車車体内外板部に電着塗膜を析出さ
せ、ED本槽より引上げられた自動車車体を水洗して
車体内板部等に物理的に付着している塗装の回収ないし
洗浄を行なった後、車体外板部を湿式研ぎ(ウェット
サンディング)を行ない、その後EDオーブンにてE
D塗膜の焼付乾燥を行なうものであって、原則として焼
付乾燥後の研ぎは行なわず、次工程である中塗り塗装へ
と自動車車体を搬送するものである。
【0029】ここで前記湿式研ぎは、図2に示すよう
に、従来用いられている水洗ブースの途中に湿式研磨装
置を組み込み、水洗ブース内で行なうことが可能であ
る。
【0030】一般に、ED塗装工程においては、自動車
車体がED本槽、ならびに水洗ブースにおける1ないし
複数の水洗槽へと浸漬されることから、自動車車体は各
ブース上部に軌設されたレール上を例えばチェイン駆動
などにより移動するハンガー上に載置されて、ED本槽
および水洗ブースを通過し、EDオーブン前でハンガー
から台車(ドーリー)に載せ替えられてEDオーブン内
へと運ばれるが、図2(a)に示すようにこのハンガー
21がC型(一側面が解放された形状のもの)である場
合、自動車車体Bをハンガー21に載せたままの状態で
も、自動車車体Bの略水平面(フード、ルーフ、トラン
クリッド)を後述するような第2発明に係る揺動式自動
研磨装置等の自動研磨装置を用いて湿式研磨できるため
に、このように水洗ブース内において研磨を行なうこと
が望ましい。この実施例においては、図2(b)に示す
ように水洗ブース2において、ED本槽(図示せず)側
から順に、限外瀘液槽(UF槽)11、UFスプレー1
2a、水平部自動研磨装置31、UFスプレー12b、
工水槽13、工水高圧スプレー14a、14b、14c
を配しており、ED塗装されて水洗ブース2内に搬送さ
れてきた自動車車体Bは、まずUF槽11およびUFス
プレー12aにより車体内外板部に物理的に付着されて
いる濃厚塗料が除去され、次いで自動研磨装置31にお
いて略水平面を湿式研磨され、ED塗膜表面上のゴミ・
ブツを研磨されたのち、UFスプレー12bにより車体
表面に付着している車体から削り取られた塗膜粉の大半
を洗浄除去し、さらに工水槽13および工水高圧スプレ
ー14a、14b、14cによる多段洗浄によって、E
D塗膜表面上の異物、ならびに物理的に付着している余
剰の塗料を完全に除去し、ED塗料の二次タレを防止し
て、EDオーブンへと送るものである。
【0031】なお、自動研磨装置31による湿式研磨
は、自動車車体Bの略水平面のすべて、すなわち、フー
ド部、ルーフ部およびトランクリッド部に対して、ほぼ
同程度の研磨を行ない、上記したようにこれらの部位に
おけるED塗膜表面上のゴミ・ブツの研磨除去を行なう
態様としても、あるいは、ED塗装工程においてルーフ
部よりも厚膜にED塗料が付着してしまうフード部およ
びトランクリッド部に対しては、ルーフ部よりも研ぎ量
を多くしてこれらの部位においては、ゴミ・ブツの除去
と共に余剰に付着した電着塗料を回収する態様としても
よい。なお、このようにルーフ部とフード部およびトラ
ンクリッド部とに対する研ぎ量を変えることは、例え
ば、この自動研磨装置31が後述する第2発明に係る揺
動式のものである場合、これら被研磨面に対する自動研
磨装置31の研磨部の揺動速度の調節等により行なうこ
とが可能である。
【0032】また、この実施例においては、自動研磨装
置31が限外瀘液(UF瀘液)水洗区画に配置されてい
るために、湿式研磨により削り取られた塗膜粉は、洗浄
に用いられたUF瀘液に搬送されてUF槽11へ回収さ
れる。UF槽において、塗膜粉はUF瀘液に分散し溶解
する。このため、この溶解した塗料分は、同様に回収さ
れた濃厚塗料と共に、UF槽11に接続された既存の限
外瀘過装置(図示せず)によって瀘液と分離されED本
槽(図示せず)へと送られて再利用が図られることとな
る。
【0033】なお、水洗ブースにおける各水洗槽、スプ
レー等の配置および数は、この実施例におけるものに何
ら限定されるものではなく、各種の態様を取り得、例え
ば、自動研磨装置31の前後に複数のUF槽を配置する
ことも、また工水に替えて市水を用いる洗浄槽およびス
プレーを採用することも可能である。
【0034】また、前記湿式研ぎは、図3に示す別の
実施例におけるように、水洗ブース2とEDオーブン3
との間に別途湿式研ぎブース4を設けて行なうことも可
能である。この実施例によれば、図3(a)に示すよう
にED本槽および水洗ブースにおいて自動車車体Bを搬
送するハンガー21が両抱え型の形態のものであって
も、水洗ブース2通過後に自動車車体Bをハンガーから
台車22へと載せ替えることにより、自動車車体の略水
平面のみならず、略垂直面に対しても湿式研ぎが行なえ
るものである。
【0035】この湿式研磨は、自動車車体Bの略水平面
および略垂直面のすべてに対してほぼ同程度の研磨を行
ない、ED塗膜表面上のゴミ・ブツの研磨除去を行なう
態様としても、あるいは、ED塗装工程においてルーフ
部よりも厚膜にED塗料が付着してしまう略水平面の各
部位(フード部およびトランクリッド部)および略垂直
面に対しては、ルーフ部よりも研ぎ量を多くしてこれら
の部位においては、ゴミ・ブツの除去と共に余剰に付着
した電着塗料を回収する態様としてもよい。さらに、自
動車車体の外板のブレージング部、例えば、図10およ
び図11に示すようなリアクォータパネルとルーフパネ
ルとの接合部105に生じるED塗膜の局部的な凸状部
106の研ぎを、上記ゴミ・ブツの除去ないしは余剰付
着塗料の除去・回収操作と併せて行なう、あるいはこの
ブレージング部の研ぎのみを行なう態様としてもよい。
【0036】この実施例における湿式研ぎブース4は、
図3(b)および図4に示すように水洗ブース2側から
順に、UF瀘液スプレー装置15、垂直部自動研磨装置
52a、52bおよび水平部自動研磨装置51a、51
bを備えた湿式研磨および塗料粉回収区間L1 、純水ス
プレー装置16を備えた高圧水洗区間L2 、並びにエア
ブロー装置17を備えた水切りエアブロー区間L3 を有
している。
【0037】ED塗装後、水洗ブース2内で例えば限外
瀘過液および工水による所定の水洗処理を受けた自動車
車体Bは、載替え部(D/L部)5において、ハンガー
から台車へと載せ替えられて、湿式研ぎブース4へと搬
送される。
【0038】湿式研ぎブース4において、自動車車体B
はまず、区間L1 におけるUF瀘液スプレー装置15の
第1ノズル群N1 により予備洗浄を受けた後、順次配し
てある垂直部自動研磨装置52a、水平部自動研磨装置
51a、垂直部自動研磨装置52bおよび水平部自動研
磨装置51bによる研ぎ作業を受ける。この実施例にお
いては、これら自動研磨装置群52a、51a、52
b、51bの近傍には、それぞれUF瀘液スプレー装置
15の第2〜5ノズル群N2 〜N5 が配置してあり、研
磨部位にUF瀘液を供給して湿式研ぎを実行せしめると
同時に、研磨により発生する塗料粉、遊離研ぎ粉などと
いったものを研磨部位から洗浄除去する。
【0039】そして、UF瀘液スプレー装置15の各ノ
ズル群N1 〜N5 から自動車車体Bに向って噴出された
UF瀘液は、前記したように塗料粉、遊離研ぎ粉等を搬
送して、この区間L1 の床下に備えられた回収槽23へ
と回収される。回収槽23において、塗料粉はUF瀘液
に分散・溶解され、この塗料成分を含むUF瀘液は、U
Fフィルター24において濃縮された後、水洗ブース2
内のUF槽(図示せず)へ戻され、最終的にED本槽
(図示せず)へと送られて再利用が図られる。
【0040】ここで塗料粉は、通常のUF瀘液のpH
6.0〜6.5および溶剤濃度3.0〜3.5容量%と
いった性状の下においても溶解可能であるが、回収され
た塗料粉の溶解をより促進させるためには、回収槽23
内における液条件を、例えばpH4.0〜4.5、溶剤
濃度4.0〜5.0容量%に調整しておくことが望まし
い。
【0041】なお、前記したように回収槽23より水洗
ブース2のUF槽へ溶解塗料分を含むUF瀘液が戻され
るが、これに伴ない回収槽23へは、これと同量のUF
瀘液がライン25を通じて補給されると共に、上記回収
槽23内におけるpHおよび溶剤濃度条件を維持するた
めに、回収槽内のpHおよび溶剤濃度をモニタリング
し、持ち出される酸および溶剤の量を回収槽23へライ
ン26,27を通じて自動的に補給する構成とすること
が望ましい。また、この回収槽23からは、UFフィル
ター24を通過することにより、前記回収槽23内にお
けるpHおよび溶剤濃度条件から、洗浄水として適当な
pHおよび溶剤濃度へと低減されたUF瀘液が、ライン
28を通じてスプレー装置15の各ノズル群N1 〜N5
へと送られることとなる。
【0042】その後、自動車車体Bは、高圧水洗区間L
2 へと搬入され、純水スプレー装置16の各ノズル群N
6 〜N8 から、高圧、例えば0.5〜1.5kg/m2
程度の圧力をかけた純水を噴霧して、前記区間L1 で除
去しきれなかった塗料粉等を洗い流すとともに、車体表
面に付着するUF瀘液を純水と置換して表面の清浄化を
図る。なお、この実施例においては、搬送方向最後方の
ノズル群N8 に対して新鮮な純水をライン29より供給
し、これより搬送方向前方のノズル群N6 およびN7
は、一旦使用して純水タンク30へ回収された純水を供
給している。純水タンク30からオーバーフローした分
は排水して純水の純度を維持している。
【0043】最後に水切りエアブロー区間L3 を通過す
る間に、エアブロー装置7において車体に付着する水分
を除去されたのち、EDオーブン3へと送るものであ
る。
【0044】この実施例においては、略水平部および略
垂直部の双方の研ぎを行なう自動研磨装置を設け、自動
車車体Bの全面を研磨する構成としているが、略水平部
のみを研磨する構成とすることももちろん可能である。
また、この湿式研ぎブース4における洗浄用スプレー等
の配置および数は、この実施例におけるものに何ら限定
されるものではなく、各種の態様を取り得る。
【0045】次に、本発明の自動車塗装方法における
湿式研ぎ工程に使用される装置等について説明する。
【0046】この湿式研磨は、前述したように自動研磨
装置を使用するものに限られず、各種の装置あるいは人
手による作業としてもよく、またこれらを適宜組合せる
ことも可能である。特に、上記したような自動車車体B
のブレージング部に生じたED塗膜の凸状部の研ぎとい
った細部作業、あるいは高度の曲面性を有している部位
の研ぎといった車体形状への高度の追従性が要求される
作業などにおいては、図3(a)中に示されるように予
め入力された制御プログラムに基づき駆動するアーム5
3を有する作業ロボット54のアーム先端に研磨ブラ
シ、研磨布などといった研磨部材を取付けて作業を行な
うことが望ましい。このような作業ロボットと自動研磨
装置とを組合せることにより、効率的にかつ高精度な研
ぎ作業を実施できることとなる。
【0047】さらに、自動研磨装置としても、後述する
第2発明に係る揺動式のものに限られず、各種のものを
用いることができる。例えば、この自動研磨装置として
は、図3(a)に図示するような回転ブラシ方式のもの
が用いられ得る。この構成を略述すれば、ワーク表面
(自動車車体)に略平行に配置された回転軸55と、前
記回転軸の外周部回りに取付けられた研磨ブラシ56
と、前記回転軸を回転させる駆動機構(図示せず)と、
前記回転軸を前記ワーク表面に対して略垂直な方向に変
位させる変位機構(図示せず)とを有するものである。
前記研磨ブラシ56は、例えばナイロン等の合成繊維か
らなる植毛に研磨粉を付着ないし担持させたものであ
り、研磨ペーパーの1000〜1500番手に相当する
表面粗さを有するものが適当である。
【0048】このような回転ブラシ式の自動研磨装置
は、変位可能な回転軸の外周部回りに取付けられた研磨
ブラシにより研磨を行なうため、対略水平面および対略
垂直面の研磨用のいずれの態様をも容易に構成すること
が可能であり、また、研磨の度合をブラシの回転数によ
って容易に制御できるものであるため、ED塗装後未硬
化の比較的軟質な状態にED塗膜を必要以上に削り取る
ことなく良好な、研ぎ工程の自動化を可能とするもので
ある。さらに前記したように、ルーフ部よりも厚膜にE
D塗料が付着してしまうフード部およびトランクリッド
部に対して、ルーフ部よりも研ぎ量を多くして、ゴミ・
ブツの除去と共に余剰に付着した電着塗料を回収する態
様においても、ルーフ部を研磨する際のブラシの回転数
とフード部およびトランクリッド部を研磨する際のブラ
シの回転数を変えることで、搬送速度一定のまま容易に
対応できる。
【0049】なお、図3(a)および図4中に示すよう
に、略水平面の研磨を行なう同方式の水平部自動研磨装
置51a、51bにおいて、前記研磨ブラシ56は、自
動車車体の略水平面の中心部より左側あるいは右側のい
ずれか一方側のみに配置されており、かつ中心部より側
面側へ向うほど拡径された構成とされている。一般に、
自動車車体の略水平面は、横方向各断面においてその中
心部より左右側面方向が若干低くなる形状を有すること
から、このような構成とすることは、略水平面の全体に
ほぼ均等な研磨を行なう上で望ましい態様である。
【0050】また、図3(a)中に示すように、略垂直
面の研磨を行なう同方式の垂直部自動研磨装置52a
(52b)においては、前記研磨ブラシ56の幅は、自
動車車体の略垂直面の幅よりも十分に小さいものであ
り、かつこの研磨ブラシ56を支持する前記回転軸55
を前記ワーク表面に対して略垂直な方向に変位させる機
構のみならず、略平行な方向に変位させる機構を有する
ものとすることが望ましい。すなわち、自動車車体の略
垂直面は、略水平面と比べて曲率が大きく、その全幅に
対応する研磨ブラシを用いると均質な研磨が行なえない
虞れがあるためである。
【0051】次に、第2発明に係る自動研磨装置につい
て説明する。図5に示す実施例の自動研磨装置31は、
自動車ボディBの略水平面(フード、ルーフ、トランク
リッド)のED塗装研ぎを行なう装置であって、左右の
支柱部32に対し、昇降機構33を介して昇降自在に取
り付けられた水平アーム部34を有し、さらに、この水
平アーム部34には、例えばレールと嵌合ローラなどと
いった接続手段を介して、その軸方向に往復動自在に取
付けられた揺動板部35を有する。なお、支柱部を一方
のみとし、前記図2に示すような態様に使用できるよう
にすることも当然可能である。
【0052】この揺動板部35は、例えば、連接棒およ
びクランク等からなる接続手段(図示せず)によって支
柱部32に固定された駆動装置(図示せず)の回転軸に
連結固定されており、このような揺動機構の駆動装置の
駆動により回転軸が回転すると、クランクおよび連接棒
等によって回転運動が水平運動に変換されて揺動板部3
5へと伝えられ、揺動板部35が前記接続手段に規制さ
れて揺動(図4においては左右方向)することとなる。
【0053】そして、この揺動板部35には、下端部に
押圧ヘッド36を有する複数のロッド37が、揺動板部
35の長手方向に略垂直な方向にそれぞれ軸線を有し、
相互に離間されて係止されている。
【0054】この実施例における揺動板部35とロッド
37との係止構造について詳述すると、図5に示すよう
に、揺動板部35には、その厚さ方向に貫通するロッド
取付用穴部38が形成されており、スプライン軸とされ
た前記ロッド37がこのロッド取付用穴部38に摺動自
在に挿通されており、前記穴部38の周面には前記スプ
ラインと嵌合するベアリング39が配してあり、ロッド
37との摺動性を高めている。さらにこの穴部38の周
囲には、前記揺動板部35と前記ロッド37との間に係
合する、前記ロッド37の自重と釣合うバネ力を付勢す
る圧縮コイルバネ40が配置してある。
【0055】従って、各ロッド37は、自動車車体Bの
略水平面(ワーク表面)に略垂直な方向においては変動
自在であり、一方ワーク表面に略平行な方向において
は、揺動板部35に動きを規制された状態で係止されて
いる。揺動板部35が図示しない駆動機構により揺動さ
れると、この動きに追従して各ロッド37ないし押圧ヘ
ッド36が揺動することとなるが、この揺動運動の際、
各ロッド37ないし押圧ヘッド36は自動車車体Bの略
水平面における曲面形状に追従して上下動することがで
きる。なお、前記コイルバネ40の働きにより、荷重を
かけた状態で押圧ヘッド36が上下しても、自動車車体
Bないし研磨部材47に対してロッド37の自重がかか
らないものとされるため、常に同じ荷重をもって研磨が
行なえるものとなる。
【0056】また、前記各ロッド37の上端部には、荷
重取付け部41が設けられており、ここに取り付けられ
る錘42を調整することで、所定の荷重を押圧ヘッド3
6に負荷することができるようになっている。
【0057】なお、本発明の自動研磨装置において、前
記のごとき押圧ヘッドを支持するロッドと揺動板との係
止構造は、ワーク表面に略垂直な方向において変動自在
ないし弾性的に、一方ワーク表面に略平行な方向におい
ては変動を規制されて前記揺動板に接続されているもの
である限り、この実施例におけるような構成に何ら限定
されるものではなく、例えば、軸線方向途中ないし端部
に弾性部材、例えば、エアシリンダ、オイルシリンダ、
コイルバネ、あるいはゴムないし弾性プラスチックなど
を配してなるロッドを揺動板部に固定してなるような態
様であってもよい。なお、この場合には、弾性部材の伸
縮により押圧ヘッドに加わる荷重が実質的に変動しない
ように、ロッド下端部ないし押圧ヘッド自体に実質的な
荷重部を設ける、弾性係数を適度に調節するなどといっ
た考慮が必要である。
【0058】さらに、本実施例の自動研磨装置におい
て、前記揺動板部35の長手方向の両端部位には、それ
ぞれ、揺動板部より下方に延長されたアーム43a、b
が設けられ、このアーム下端には、研磨部材架渡用ロー
ル44a、bが配置してあり、また揺動板部35の長手
方向両端部位上部には、研磨部材供給装置45および研
磨部材巻取り装置46が設置してある。そして、研磨ペ
ーパーあるいは研磨粉を付した研磨ネットといった幅1
00〜120mm程度の帯状研磨部材47は、研磨部材
供給装置45から送り出され、研磨部材架渡用ロール4
4a、b間に架け渡された後、研磨部材巻取り装置46
へと至っている。このように、研磨部材架渡用ロール4
4a、bは、研磨部材47を前記自動車ボディB表面と
前記押圧ヘッド36の間に保持する保持手段として機能
している。また、架渡用ロール44a、bは前記押圧ヘ
ッド36の取付けられた揺動板部35に取付けられてい
るために、前記押圧ヘッドの揺動と同期して揺動するこ
ととなる。また、本実施例においては、研磨部材47と
して、一巻にされた長尺なものを使用し、使用により性
能劣化した部位を逐次巻き取り、新たな部位を研磨領域
(架渡用ロール44a,b間)に供給することができ、
操業性を高めている。しかしながら、もちろん、研磨部
材供給装置および研磨部材巻取り装置によるこのような
連続供給形式とせず、単に揺動板部35の両端部に例え
ばクランプなどの緊張固定手段を配し、短尺の研磨部材
を使用し、劣化時には逐次これを取替えるような構成と
することももちろん可能である。さらに、実施例におい
ては、研磨布供給装置および研磨布巻取り装置を揺動板
部に設置しているが、これらの配置位置にも限定はな
く、例えば、これらを左右の支柱部に設けることも可能
である。なお、この場合、昇降機構による揺動板部35
の上下動により研磨布供給装置および研磨布巻取り装置
と架渡用ロールとの位置関係に変動が生じるため、例え
ば可変ロールを有する段差ロール群を研磨布供給装置お
よび研磨布巻取り装置にそれぞれ配し、段差ロール群に
おけるローラ間のピッチを変更して、前記揺動板部の上
下動に起因する研磨布供給装置および研磨布巻取り装置
と架渡用ロールとの距離変動を吸収するといった構成を
付すことが適当である。
【0059】また、本実施例において、前記押圧ヘッド
36の少なくとも下端部位表層部は、合成ゴムないし弾
性プラスチックといったエラストマーにより構成され、
さらにその下端周縁部は曲面加工を施されている。この
ため、当該押圧ヘッド36の存在によって前記研磨部材
47が自動車車体B表面に対し、局部的に過度に当たり
が生じ線キズが発生するといった虞れがより少なくな
る。さらに本発明の自動研磨装置において、押圧ヘッド
36の研磨部材47と接する部位の面積は、同一加重で
の単位面積当りの加圧力が大きくなり、研磨力が向上す
ること、また自動車車体Bの形状に対する追従性が向上
するという観点から、比較的小さなものであることが望
ましく、より具体的には、例えば、600〜1000m
2 程度であることが望ましい。すなわち、その面積が
2000mm2 を越えるものであると、自動車車体B表
面の形状に十分に追従できず、押圧する研磨部材を自動
車車体B表面に十分に密着させることができずに揺動・
研磨時にガタツキを生じてしまう虞れがあり、一方、そ
の面積が250mm2 より著しく小さなものであると、
接触効率が悪くなり、非常に多数の押圧ヘッドを配する
必要が生じることになるためである。さらに押圧ヘッド
36とロッド37との接続は、例えば玉継手、ピン継手
等により遊嵌し、回動可能に支持することが形状追従性
を向上させる上から望まれる。また押圧ヘッド36の配
置間隔としては、50〜100mm程度のピッチである
ことが、自動車車体Bの表面全体をムラなく均一に研磨
する上から望まれる。
【0060】さらに本実施例の自動研磨装置において
は、揺動板部35のロッド36取付け部位とは前後する
位置(ロッド取付け部位とは干渉しない位置)に複数の
シャワーノズル48が取付けられている。このノズルは
いずれも図示しない配管系により吸水ポンプを備えた吸
水源へと接続されており、揺動研磨時に必要に応じて、
自動車車体Bに限外瀘液、工水、あるいは市水といった
洗浄水を噴霧できるような構成とされている。しかしな
がら、本発明の自動研磨装置において、このような洗浄
水噴霧機構は必ずしも必要ではなく、自動研磨装置を設
置した部位に近接して別途このようなシャワー機構を設
ければ十分である。
【0061】次に第3発明に係る電着塗装の湿式研磨方
法の一例として、上記図5および6に示す構成の第2発
明に係る自動研磨装置31を用いて、自動車車体Bの略
水平面において、ED塗膜を、焼付・乾燥に先立ち、湿
式にて研磨する際の操作方法について説明する。
【0062】(1) まず上記図2または図3に示した
ように水洗ブース2ないし湿式研ぎブース4内の所定位
置に設置された自動研磨装置31へと、ハンガー、台車
等の搬送装置によって自動車車体Bを一定速度で搬送す
る。なお、この時の自動車車体Bの表面状態は図7
(a)に模式するように、ED塗膜6表層部にゴミ・ブ
ツ7が付着しており、表面に凹凸が生じている。
【0063】(2) 自動研磨装置31内へと自動車車
体Bが侵入してきたら、前記昇降機構33を作動させ、
架渡用ロール44a,b間に架け渡された研磨部材47
が、自動車車体Bのフードに接触するまで、水平アーム
部34ないし揺動板部35を下降させる。揺動板部35
に係止されたロッド37は上下方向に変動自在とされて
いるために、フードの形状に応じて各ロッド37は上下
動し、ロッド37に取付けられた押圧ヘッド36はそれ
ぞれ一定の荷重をもって、研磨部材47を自動車車体B
のフードに密着させる。
【0064】なお、帯状研磨部材のワーク表面に対する
押圧力は、押圧ヘッドの押圧有効面積と荷重から算出し
て、15〜30g/cm2 程度とすることが望ましい。
すなわち、15g/cm2 未満では相当な時間をかけて
も十分なED塗装研ぎが行なえない虞れがあり、一方3
0g/cm2 を越えると過剰に塗装を剥離したり線キズ
等の不具合が発生する虞れが高くなるためである。
【0065】また帯状研磨部材としては、未硬化状態E
D塗膜に対する研ぎであるため、1000〜1500番
手程度といった比較的目の細かい研磨ペーパーを使用す
ることが望ましい。
【0066】(3) この状態で、揺動機構における駆
動装置を作動し、揺動板部35を揺動させ、揺動板部3
5に係止されたロッド37および押圧ヘッド36を介し
て帯状研磨部材47にこの揺動を伝え、フード部の研磨
を行なう。なお、この際、必要に応じてシャワーノズル
48より研磨完了直後の領域に洗浄水を噴霧し、研磨に
より発生した塗膜粉、研磨粉等を車体表面から除去す
る。ここで揺動は、その振幅が50〜100mm、振動
数が1〜3回/秒程度のものであることが望ましい。
【0067】(4) このようにして、フードの研磨が
終了したら、昇降機構3を作動させ、架渡用ロール44
a,b間に架け渡された研磨部材47が、自動車車体B
のルーフに接触しない高さまでまで水平アーム部34な
いし揺動板部35を上昇させる。なお、研磨完了後の自
動車車体Bの表面状態は図6(b)に模式するように、
ED塗膜6表層部に突出していたゴミ・ブツ7は、除去
ないし削り取られ、表面は平滑とされている。
【0068】(5) 自動車車体Bのルーフが研磨装置
下の定位置まで搬送されてきたら、上記(2)〜(3)
と同様の手順でルーフを研磨する。
【0069】(6) ルーフ研磨停止位置まで自動車車
体Bが搬送されたら、上記(4)と同様に揺動板部35
を一端上昇させ研磨を停止する。
【0070】(7) トランク下降位置まで自動車車体
Bが搬送されたら、上記(2)〜(3)と同様の手順で
トランクを研磨する。
【0071】(8) 以上のようにして1台の自動車車
体Bの研磨作業が終了したら、揺動板部35を安全な高
さまで上昇させて、次の自動車車体Bの研磨に備える。
【0072】(9) なお、以上のような研磨操作にお
いて、研磨領域(架渡用ロール44a,b間)における
研磨部材47の研磨力が低下した場合には、研磨部材4
7が自動車車体Bに接触していない状態にある際(上記
(4)、(6)、(8)時)に研磨部材巻き取り装置4
6を作動させ、研磨部材47を必要量巻き取り研磨領域
に新たな研磨布部分を供給する。
【0073】以上本発明の自動研磨装置およびこれを用
いた湿式研磨方法について、自動車車体Bの略水平面部
を研磨するための装置の実施例により説明したが、自動
車車体Bの略垂直面部を研磨するための装置も、概略、
前記水平面部研磨用の装置を倒置したような構成とする
ことで形成できる。但し、押圧ヘッドないしロッドが自
動車車体B形状に追従して水平方向に変動しても自重に
より返戻することはできないため、ロッドは揺動板部
に、自動車車体Bの略垂直面に略垂直な方向において弾
性的に接続する必要がある。また、このような垂直面部
研磨用の装置を用いての自動車車体Bの略垂直面部の湿
式研ぎも、略水平面部の湿式研ぎの場合と異なり昇降機
構(変位機構)によって段階的に揺動板部35を変位さ
せるといったことをせず、車体全長にわたり連続的に研
磨する以外は、上記とほぼ同様の操作により実施するこ
とができる。
【0074】
【発明の効果】以上述べたように本発明の自動車車体塗
装法によれば、ED塗装を焼付・乾燥前に研磨するもの
であるために、車体表面に付着したゴミ・ブツ等の異物
を比較的目の細かい研磨ペーパーを用いても容易に除去
することができ、また、研磨時に発生する研ぎ粉につい
ても自動車車体表面から洗い流せるので従来発生してい
た研ぎ粉による二次的な不具合の発生も防止でき、さら
に、この研磨時にED塗膜に線キズが発生しても、その
後の焼付・乾燥工程においてED塗料が溶融流動するこ
とによってこのような線キズ等は消失してしまうため、
線キズに起因する二次的な不具合の発生も防止でき、塗
膜品質の向上が期待できるものである。また、ED塗装
を焼付・乾燥前に研磨するものであるために、上記した
ように車体表面に付着した異物を除去すると共に余剰に
付着したED塗料を容易に除去することができ、塗膜の
均一化を図ることができる。さらに、前記湿式研磨が、
自動車車体のブレージング部位に対して行なわれた場
合、ED塗膜が未硬化で今だ比較的柔らかい状態にある
ため、ブレージング部に生じたED塗膜の凸状部も容易
に平滑に研ぐことができ、中塗り塗装後に再度この部位
の研ぎ工程を設ける必要性あるいは、鋼板の露出による
タッチアップ工程の必要性がなくなり、工数の削減と製
造時間の短縮化が図れ、かつ防錆能力を低下させてしま
う虞れもなくなる。
【0075】さらに、本発明の上記自動車車体の塗装方
法において、前記湿式研磨により自動車車体から削り取
られた塗膜粉を回収溶解してED塗装に再利用するもの
でると、従来ED塗膜焼付乾燥後に研ぎ工程を付してい
た場合と比較して、最大で約2%程度の塗料の無駄を削
減できることとなる。この塗膜粉の回収・再利用を、前
記湿式研磨の際に研磨部位に洗浄水をかけ、自動車車体
から削り取られた塗膜粉を前記洗浄水に搬送させて回収
タンクへと集め、この回収タンク内における液条件を、
pH4.0〜4.5、溶剤濃度4.0〜5.0容量%に
調整して塗膜粉を溶解することにより行なえば、容易に
かつ既存のED塗装の水洗ラインを利用して大きな設備
投資なしに塗料の有効利用を図ることができる。
【0076】また本発明の自動車車体塗装方法において
は、前記湿式研磨を自動車車体の略水平面に対してのみ
行なうものでと、比較的簡易な操作で十分な研ぎ効果に
よる塗膜品質の向上が期待でき、さらに、この場合、既
存の設備に若干の変更を加えるのみで、新たな設備投資
をほとんど行なう必要ないというように経済的にも有利
である。さらに、前記湿式研磨により自動車車体から削
り取られた塗膜粉が水洗ブースにおける水洗水中に集め
られるので、水洗ブースに従来設備されているUF装置
等を利用して、これを回収し再利用することが容易とな
る。
【0077】また本発明の自動車塗装方法においては、
前記湿式研磨を、ED塗装の水洗ブースとED塗装の乾
燥・焼付ブースとの間に別途設けた湿式研磨ブースにお
いて行なうこともでき、この場合、自動車車体のほぼ全
面(略水平面および略垂直面)の研磨が可能であって、
より良好な塗膜性状を得ることができ、また研ぎ工程の
完全自動化も容易である。またこの場合、上記のごとく
湿式研磨により自動車車体から削り取られた塗膜粉を回
収溶解してED塗装に再利用すると、塗料原料コストの
低減のより大きな効果が期待できる。
【0078】また本第2発明の自動研磨装置は、揺動方
式により研磨を行なうため、ED塗装後未硬化の比較的
軟質な状態にあるED塗膜を必要以上に削り取ることな
く、研ぎ工程の自動化を可能とするものである。さら
に、この自動研磨装置において研磨ペーパーなどの研磨
部材をワーク表面に押圧する押圧ヘッドは、ワーク表面
に略垂直な方向において変動自在ないし弾性的に支持さ
れているために、自動車車体におけるように表面形状が
完全に平面ではなく若干曲面状となるものであっても、
形状追従性がよく自動操作にて全体を均一に研磨でき、
加えて複数の押圧ヘッドを有するために小さな揺動を付
与するのみで全面を研磨でき、線キズ等の不具合の発生
の虞れもないものである。
【0079】さらに本第3発明のED塗装の湿式研磨方
法は、ワーク表面に形成したED塗膜を、焼付・乾燥に
先立ち、前記第2の発明の自動研磨装置を用いて湿式に
て研磨するものであるため、研ぎ工程の自動化が容易で
あり、安価な設備投資で省人(工数低減)が可能であ
る。また、比較的目の細かい研磨ペーパーを用いてゴミ
・ブツ等の異物を容易に除去するができ、従来二次的な
不具合の原因となっていた線キズ等の発生がなくなり、
また研ぎ粉についても自動車車体表面から洗い流せるの
で研ぎ粉による二次的な不具合の発生も防止できる。
【0080】さらに、第3の発明において、自動研磨装
置における帯状研磨部材のワーク表面に対する研磨時の
押圧力が15〜30g/cm2 程度、帯状研磨部材が6
00〜1000番手の粗さを有する研磨ペーパーである
と、ED塗膜の削り過ぎ、線キズ等の発生の虞れもな
く、より一段と良好な研磨が行なえるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わる自動車塗装方法のED塗装工
程における工程順を示す図、
【図2】 本発明の一実施例における湿式研磨工程を示
す模式図であり、(a)は同実施例における湿式研ぎの
状態図、(b)は同実施例における研磨装置の配置図、
【図3】 本発明の別の実施例における湿式研磨工程を
示す模式図であり、(a)は同実施例における自動車車
体の搬送状態および湿式研ぎの状態を示す図、(b)は
同実施例における研磨装置の配置図、
【図4】 同実施例における湿式研ぎブースの構成の詳
細を示す模式図、
【図5】 本発明に係る自動研磨装置の一実施例の構成
を使用状態において示す模式図、
【図6】 同実施例の要部構成を示す模式図、
【図7】 (a)は研磨前、(b)は研磨後におけるE
D塗装面の状態をそれぞれ模式的に示す断面図、
【図8】 従来の自動車車体塗装におけるED塗装工程
を模式的に示す図、
【図9】 従来のED塗装研ぎ工程の作業状態を模式的
に示す図、
【図10】 自動車車体の外板のブレージング部の一例
を示す図、
【図11】 前記ブレージング部のED塗膜状態を示す
断面図。
【符号の説明】
2…水洗ブース、 3…EDオーブン、 4…湿式研ぎブース、 5…載せ替え部、 6…ED塗膜、 7…ゴミ・ブツ 21…ハンガー、 22…台車、 23…回収タンク、 30…純水タンク、 31…水平部自動研磨装置、 32…支柱部、 33…昇降機構、 34…水平アーム部、 35…揺動板部、 36…押圧ヘッド、 37…ロッド、 38…ロッド取付用穴部、 39…ベアリング、 40…コイルバネ、 41…荷重取付け部、 42…錘、 43a、b…アーム、 44a,b…研磨部材架渡用ロール、 45…研磨部材供給装置、 46…研磨部材巻取り装置、 47…帯状研磨部材、 48…シャワーノズル、 51a、51b…水平部自動研磨装置、 52a、52b…垂直部自動研磨装置、 53…アーム、 54…作業ロボット、 55…回転軸、 56…研磨ブラシ、 B…自動車車体、 M…作業者。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動車車体に電着塗装により下塗り塗膜
    を形成し、洗浄の後、湿式研磨を行い、その後前記下塗
    り塗膜を乾燥・焼付することを特徴とする自動車車体塗
    装方法。
  2. 【請求項2】 前記湿式研磨により、車体表面に付着し
    た異物を除去するものである請求項1に記載の自動車車
    体塗装方法。
  3. 【請求項3】 前記湿式研磨により、車体表面に付着し
    た異物を除去すると共に余剰に付着した電着塗料を除去
    するものである請求項1に記載の自動車車体塗装方法。
  4. 【請求項4】 前記湿式研磨が、自動車車体の略水平面
    に対して行なうものである請求項1〜3のいずれか1つ
    に記載の自動車車体塗装方法。
  5. 【請求項5】 前記湿式研磨が、電着塗装の水洗ブース
    内において自動車車体の略水平面に対して行なうもので
    ある請求項1〜3のいずれか1つに記載の自動車車体塗
    装方法。
  6. 【請求項6】 前記湿式研磨が、自動車車体の略全面に
    対して行なうものである請求項1〜3のいずれか1つに
    記載の自動車車体塗装方法。
  7. 【請求項7】 前記湿式研磨を、電着塗装の水洗ブース
    と電着塗装の乾燥・焼付ブースとの間に別途設けた湿式
    研磨ブースにおいて自動車車体の略全面に対して行なう
    ものである請求項1〜3のいずれか1つに記載の自動車
    車体塗装方法。
  8. 【請求項8】 前記湿式研磨が、自動車車体のブレージ
    ング部位を含んで行なうものである請求項1〜7のいず
    れか1つに記載の自動車車体塗装方法。
  9. 【請求項9】 前記湿式研磨により自動車車体から削り
    取られた塗膜粉を回収溶解して電着塗装に再利用するこ
    とを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに2に記載
    の自動車車体塗装方法。
  10. 【請求項10】 前記湿式研磨の際に研磨部位に洗浄水
    をかけ、自動車車体から削り取られた塗膜粉を前記洗浄
    水に搬送させて回収タンクへと集め、この回収タンク内
    における液条件を、pH4.0〜4.5、溶剤濃度4.
    0〜5.0容量%に調整して塗膜粉を溶解するものであ
    る請求項9に記載の自動車車体塗装方法。
  11. 【請求項11】 ワーク表面に略平行に配置された揺動
    板と、 前記ワーク表面に略垂直な軸線をそれぞれ有して、相互
    に離間して配置された複数のロッドであって、ワーク表
    面に略垂直な方向において変動自在ないし弾性的に、一
    方ワーク表面に略平行な方向においては変動を規制され
    て前記揺動板に接続されたロッドと、 前記ロッドの揺動板との接続側とは反対側の先端部に取
    付けられた、ワーク表面に対向して相互に離間して配置
    された複数の押圧ヘッドと、 前記ワーク表面と前記押圧ヘッドの間に帯状研磨部材を
    保持する保持手段と、 前記揺動板を前記ワーク表面に略平行な方向において揺
    動させる揺動機構と、 前記揺動板を前記ワーク表面に対して略垂直な方向に変
    位させる変位機構とを有することを特徴とする自動研磨
    装置。
  12. 【請求項12】 ワーク表面に形成した電着塗膜を、焼
    付・乾燥に先立ち、請求項11に記載の自動研磨装置を
    用いて湿式にて研磨することを特徴とする電着塗装の湿
    式研磨方法。
  13. 【請求項13】 帯状研磨部材のワーク表面に対する研
    磨時の押圧力が、15〜30g/cm2 である請求項1
    2に記載の湿式研磨方法。
  14. 【請求項14】 帯状研磨部材が600〜1000番手
    の粗さを有する研磨ペーパーである請求項12または1
    3に記載の湿式研磨方法。
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