JP7105136B2 - 有機性廃棄物の処理方法及び有機性廃棄物の処理システム - Google Patents

有機性廃棄物の処理方法及び有機性廃棄物の処理システム Download PDF

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Description

本発明は、有機性廃棄物の処理方法及び有機性廃棄物の処理システムに関する。
下水汚泥、し尿・浄化槽汚泥、家畜糞尿、食品製造残渣、農業残渣、バイオマスエネルギー回収残渣等の有機性廃棄物や有機性廃液を生物処理により減容化し安定化する方法として、界面活性剤を添加する方法が知られている。
例えば、特開平9-117800号公報には、生物処理槽内の混合液又は濃縮汚泥を引抜き、この引抜汚泥を界面活性剤の存在下に加熱して可溶化処理した後、生物反応槽に移送することが記載されている。
特開平9-117800号公報
しかしながら、特許文献1に記載された発明では、生物処理槽内の混合液又は濃縮汚泥を引き抜いて可溶化処理するために専用の可溶化処理槽を用いるため装置が大型化する。更に、特許文献1に記載された発明では、加熱器を用いて可溶化処理槽を加温するための熱源も必要となるため、経済面においても改善の余地がある。
汚泥に添加剤を添加する別の方法として、例えば添加剤を直接、嫌気性消化槽に添加する方法が考えられる。しかしながら、消化槽内で処理される汚泥の濃度が高くなるほど汚泥の粘性が高くなるため、消化槽内で添加剤が速やか且つ十分に混合されなくなる場合がある。また、添加剤の不完全な混合により消化槽内で発泡が起こりやすくなるという問題もある。その結果、消化槽内での汚泥性状や消化ガスの発生が安定せず、消化率も十分に向上しない場合がある。
上記課題を鑑み、本発明は、装置を小型化でき、消化槽内の汚泥性状や消化ガスの発生を安定化し、消化槽の消化率を向上可能な有機性廃棄物の処理方法及び有機性廃棄物の処理システムを提供する。
上記目的を達成するために本発明者らが鋭意検討した結果、消化槽に供給するための有機性廃棄物を濃縮処理時に、消化槽の消化反応を促進するための発酵促進剤を添加することが有効であるとの知見を得た。
以上の知見を基礎として完成した本発明の実施の形態に係る有機性廃棄物の処理方法は一側面において、有機性廃棄物を嫌気性消化する消化槽の前段に設けられ、有機性廃棄物を濃縮処理するための濃縮手段において、有機性廃棄物に消化槽の消化反応を促進させるための発酵促進剤を添加し、濃縮汚泥と濃縮分離水を得ることと、発酵促進剤が添加された濃縮汚泥を消化槽に供給することとを含む有機性廃棄物の処理方法が提供される。
本発明の実施の形態に係る有機性廃棄物の処理方法は一実施態様において、発酵促進剤がノニオン系界面活性剤を含む。
本発明の実施の形態に係る有機性廃棄物の処理方法は別の一実施態様において、発酵促進剤を凝集剤とともに濃縮手段へ添加することを含む。
本発明の実施の形態に係る有機性廃棄物の処理方法は別の一実施態様において、濃縮分離水を消化槽で処理された消化汚泥を処理する反応槽へ供給することを更に含む。
本発明の実施の形態に係る有機性廃棄物の処理方法は別の一実施態様において、濃縮手段が、消化槽へ供給される有機性廃棄物をTS濃度3質量%以上に濃縮することを含む。
本発明の実施の形態に係る有機性廃棄物の処理システムは別の一側面において、有機性廃棄物を濃縮処理し、濃縮汚泥と濃縮分離水とを得る濃縮手段と、濃縮汚泥を嫌気性消化する消化槽と、濃縮手段に供給された有機性廃棄物に、消化槽の消化反応を促進させるための発酵促進剤を添加する発酵促進剤添加手段とを備える有機性廃棄物の処理システムが提供される。
本発明の実施の形態に係る有機性廃棄物の処理システムは更に別の一側面において、有機性廃棄物を濃縮処理した濃縮汚泥を貯留する濃縮汚泥貯槽と、濃縮汚泥を嫌気性消化する消化槽と、有機性廃棄物に消化槽の消化反応を促進させるための発酵促進剤を添加する発酵促進剤添加手段と、濃縮汚泥貯槽の汚泥濃度に応じて有機性廃棄物に供給する発酵促進剤の供給率を調整する制御装置と、を備える有機性廃棄物の処理システムが提供される。
本発明によれば、装置を小型化でき、消化槽内の汚泥性状や消化ガスの発生を安定化させ、消化槽の消化率を向上可能な有機性廃棄物の処理方法及び有機性廃棄物の処理システムが提供できる。
本発明の実施の形態に係る有機性廃棄物の処理システムの一例を示す概略図である。 本発明の実施の形態の変形例に係る有機性廃棄物の処理システムの一例を示す概略図である。 従来の嫌気性処理方法を行う処理システムを表す概略図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。以下の図面の記載においては、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。なお、以下に示す実施の形態はこの発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の技術的思想は、構成部品の構造、配置等を下記のものに特定するものではない。また、以下の実施の形態において「%」は、特に記載の無い場合は質量%を意味するものとする。
図1に示すように、本発明の実施の形態に係る有機性廃棄物の処理システムは、有機性廃棄物を濃縮処理し、濃縮汚泥と濃縮分離水とを得る濃縮手段20と、濃縮汚泥を嫌気性消化する消化槽30と、濃縮手段20に供給された有機性廃棄物に、消化槽30の消化反応を促進させるための発酵促進剤を添加する発酵促進剤添加手段10とを備える。
処理対象とする有機性廃棄物としては、例えば、下水汚泥、し尿・浄化槽汚泥、家畜糞尿、食品製造残渣、農業残渣、バイオマスエネルギー回収残渣などの有機性廃棄物や有機性廃液などが利用でき、これらを単一で又は複数種類混合させることができる。これらの中でも、有機性廃棄物の収集・運搬に適した管路網が構築されている点から、下水汚泥を利用することが好ましい。以下、本発明の実施の形態に係る有機性廃棄物を下水汚泥又は汚泥とも称する。
使用される汚泥は、下水試験方法(公益社団法人日本下水道協会、2012年版)で示される蒸発残留物(TS)濃度が1質量%~25質量%であることが好ましく、2質量%~20質量%であることがより好ましく、3質量%~15質量%であることがさらに好ましい。TS濃度が1質量%以上であれば、消化槽30を大きくし過ぎる必要がない。TS濃度が25質量%以下、更には15質量%以下であれば、発酵阻害が生じ難い。
濃縮手段20は、原料となる汚泥を消化槽30の処理に適したTS濃度に濃縮するための装置である。濃縮手段20は、重力濃縮、遠心濃縮、浮上濃縮、ベルトろ過濃縮、スクリーン濃縮等を行って、汚泥を濃縮処理する。図1の例では、汚泥濃縮槽21において濃縮処理が行われ、濃縮処理により得られた濃縮汚泥を濃縮汚泥貯槽22に貯留する例が示されているが、この構成に限定されないことは勿論である。
例えば、消化槽30にウィッジワイヤースクリーン、バースクリーン等の機械濃縮を行う濃縮手段20が併設され、濃縮手段20で得られた濃縮汚泥をそのまま消化槽30へ投入可能な場合は、濃縮汚泥を貯留するための濃縮汚泥貯槽22を省略することもできる。消化槽30に併設された濃縮手段(図示せず)を用いることで、処理システム全体を小型化することができる。
濃縮手段20では、投入される汚泥に対し、ポリ硫酸第二鉄、PAC、硫酸バンドなどの無機系凝集剤または有機高分子凝集剤等を単独又は組み合わせて添加してもよい。この際、消化槽30の消化(メタン発酵)反応を促進するための発酵促進剤を凝集剤とともに供給することが好ましい。発酵促進剤を凝集剤とともに供給することで、発酵促進剤を供給するための専用の装置を設ける必要がなく、装置を小型化及び簡略化することができる。凝集剤の薬注率は、消化槽30へ供給される有機性廃棄物の蒸発残留物量(TS)に対する薬剤純分の添加率が0.05~10質量%となるように添加されることが好ましく、より好ましくは0.1~5.0質量%、更には0.15~0.5質量%となるように添加することができる。
発酵促進剤添加手段10は、例えば、貯留槽と配管及びポンプ等から構成されている。発酵促進剤としては、有機性廃棄物を減容化するとともに消化槽30における嫌気性消化反応を促進して消化ガスをより多く発生させるための添加剤が用いられる。発酵促進剤添加手段10は、濃縮汚泥貯槽22に発酵促進剤を添加してもよい。
発酵促進剤としては、バイオガスの生成を促進させる効果を有する組成物であれば特に制限されないが、可溶化剤、乳化剤、界面活性剤、酵素剤、発酵生産代謝物などが挙げられる。界面活性剤としては、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤などの種々の界面活性剤を用いることができる。中でも、ノニオン系界面活性剤は、微生物に対して影響が少なく、有機性廃棄物内の浮遊物質(SS)の界面に吸着しやすく、低起泡性で安定性や刺激性が低いという性質を有する。そのため、本実施形態に用いられる発酵促進剤としては、ノニオン系界面活性剤を用いることが好ましい。また、ノニオン系界面活性剤は、安価な製造手法で大量に提供されており、かつ少量の添加量でバイオガス生成の促進作用を発揮でき、また、メタン発酵微生物への発酵阻害を及ぼし難い性質でもあることから、発酵促進剤として好ましい。
ノニオン系界面活性剤が濃縮手段20へ投入されることにより、ノニオン系界面活性剤が濃縮汚泥側へ吸着され、消化槽30へ投入されるため、消化槽30へ直接、発酵促進剤を添加する場合に比べて、消化槽30内の汚泥状態を消化槽30内全体で均一化することができる。これにより、消化槽30内の汚泥の状態や消化ガスの発生が安定化し、消化槽30内の汚泥性状の変動による消化率の低下を抑制できる。また、ノニオン系界面活性剤は濃縮汚泥側へ吸着する性質を有するため、消化槽30の前段の濃縮手段20においてノニオン系界面活性剤を添加したとしても、濃縮分離水側へ排出されるノニオン系界面活性剤の量は極微量であり、添加剤のロスも少ない。
ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、脂肪酸メチルエステルアルコキシレート、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグリコシド等が利用できる。これらは可溶化力、乳化力、及び分散性に優れ、一部は食品添加物としても許可されており、分解可能であることから安全性の高い発酵促進剤として本実施形態に適用できる。
また、生物が生産する天然系界面活性剤であるバイオサーファクタントは、微生物作用によって分解されることから地球環境に優しく、安全性に優れ、メタン発酵微生物への発酵阻害も及ぼし難いことから、発酵促進剤として適用することが可能である。例えば、植物系のサポニンやレシチン、動物系のキチン・キトサン、酵母によって生産されるマンノシルエリスリトールリピッドやソホロリピッドを適用できる。発酵促進剤としてバイオサーファクタントを用いる場合、その生産品は高純度に精製する必要はなく、粗精製品で促進剤として使用できる点が大きな特長である。
発酵促進剤の溶液濃度は、10~100質量%であることが好ましく、20~100質量%であることがより好ましく、30~90質量%がさらに好ましい。発酵促進剤の溶液濃度が低いと運搬費が高くなり、注入設備も大きくなり、微生物汚染も受け易くなる場合がある。一方、発酵促進剤の溶液濃度が高すぎると、粘度も高くなりハンドリングが煩雑になりポンプ供給が難しくなる場合もある。
発酵促進剤としての成分添加量(薬注率)は、消化槽30へ供給される有機性廃棄物の蒸発残留物量(TS)に対する薬剤純分の添加率が0.05質量%~5質量%となるように調整されることが好ましく、0.1質量%~3質量%であることがより好ましく、0.1質量%~2質量%、更には0.1質量%~1.5質量%であることが好ましい。発酵促進剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。これらの添加条件は、対象の有機性廃棄物や処理目標に応じて、発酵促進剤の種類とおよその添加率を予め回分試験などで把握しておくのが好ましい。
発酵促進剤に用いられる界面活性剤としては、ノニオン系界面活性剤以外の炭化水素系界面活性剤でも適用が可能である。アニオン系界面活性剤としては、例えば、脂肪酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、N-アシルアミノ酸塩、アルカンスルホン酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩を適用できる。カチオン系界面活性剤としては、例えば、脂肪酸アミドアミン塩、ジアルキル型4級アンモニウム塩が適用可能である。また、両性界面活性剤としては、例えば、アルキルアミノ酸塩、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルジメチルアミノスルホベタインを適用できる。これらの炭化水素系界面活性剤は、1種類を単独使用する場合の他に、2種類以上の成分を混ぜ合わせて用いることも可能である。また、工水、有機溶剤、キレート剤、pH調整剤、栄養剤、発酵抽出物、消泡剤等の任意の物質を含有する方法でも使用できる。
消化槽30は、濃縮汚泥を嫌気性消化処理することにより、メタンガスを含むバイオガスと消化汚泥(又は発酵液)とを発生させる反応槽である。消化槽30としては、特に限定されないが、完全混合型消化槽を用いることが好ましい。消化槽30の消化温度は、20~70℃、好ましくは30~60℃である。消化槽30は、槽内液の均質化や温度分布の均一化とともに、槽内汚泥中から発生するバイオガスを回収し、スカムの発生を防止して安定処理を確保するために撹拌が必須である。
撹拌方法としては、機械撹拌方式を用いることが最も効果的であるが、設備環境や処理条件に応じて、ポンプ撹拌方式又はガス撹拌方式を付属させることも効果的である。これらの要件を備えた水密かつ気密な構造の消化槽30であれば、鉄筋コンクリート造または鋼板製のいずれで製造されてもよく、既設の嫌気性消化槽を処理条件に合わせて改造等することによっても適用可能である。
消化槽30内には、好ましくはTS濃度が1~12質量%(10~120g/L)、より好ましくは3質量%以上(30g/L以上)、典型的には3~12質量%(30~120g/L)、更に典型的には3~10質量%(30~100g/L)、より更に典型的には3.5~9質量%(35~90g/L)の濃縮汚泥が投入される。
特に、消化槽30にTS濃度3質量%以上(30g/L以上)の濃縮汚泥が投入されることで、高濃度の汚泥を小容量で処理することができ、小容量の消化槽30から多量のバイオガスを発生させることができる。また、高濃度の有機性廃棄物を処理する際において、発酵促進剤が添加された濃縮汚泥が供給されることで、消化槽30内で処理される汚泥の粘性を下げることができるため、撹拌動力が少なくてすみ、経済的且つ安定的な処理が行える。
消化槽30で生成した消化汚泥(又は発酵液)は、汚泥貯留槽40で貯留され、貯留された消化汚泥は、排液処理装置50において好気性処理が行われた後、脱水装置60へ供給して脱水処理することにより、脱水汚泥と脱水ろ液が得られる。脱水ろ液は濃縮手段20で得られた濃縮分離水と混合され、処理水として外部へ排出される。
濃縮手段20で得られた濃縮分離水は、消化槽で処理された消化汚泥を処理する反応槽(汚泥貯留槽40、排液処理装置50及び脱水装置60)へ添加される。これにより、消化汚泥のMアルカリ度が低減されるため、汚泥脱水時に使用する高分子凝集剤の薬剤添加率軽減或いは脱水ケーキの低含水率化という効果が得られる。
一方、消化槽30で発生したバイオガスは脱硫塔70において脱硫処理が行われた後、バイオガスタンク80で貯留される。バイオガスタンク80で貯留されたバイオガスは、発電手段100へ送られて発電に利用される。発電手段100で発生した熱を消化槽30の加熱又は加温に利用することで、エネルギーを有効利用することができる。バイオガスタンク80に貯留されるバイオガス量が貯留可能な範囲を超えた場合は、バイオガスタンク80から余剰ガス燃焼装置90へ余剰のバイオガスが送られ、バイオガスタンク80の貯留範囲を超えないようにする。
本発明の実施の形態に係る有機性廃棄物の処理システム及び処理方法によれば、消化槽30へ投入する有機性廃棄物に消化槽30の消化反応を促進させる発酵促進剤が添加されることで、バイオガス発生量を増大させることができる。これにより、発電手段100における発電量を増加させることができ、電気売却費を増大させることができる。
更に、消化槽30内で高濃度(例えばTS濃度が3質量%(30g/L)以上)の濃縮汚泥を処理する場合において、ノニオン系界面活性剤を含む発酵促進剤の添加により、汚泥の粘性が高くなることを抑制できるため、撹拌に必要な動力が少なくて済む。
更に、消化槽30内で高濃度(例えばTS濃度が3質量%(30g/L)以上)の濃縮汚泥を処理する場合においては、濃縮汚泥の粘度が高いため、消化槽30内に発酵促進剤を直接添加することにより、発酵促進剤が消化槽30内で速やか且つ均一に分散しない場合がある。本発明の実施の形態に係る有機性廃棄物の処理システム及び処理方法によれば、消化槽30の前段にある濃縮手段20において発酵促進剤が添加されることで、発酵促進剤の汚泥への混合をより均一に行うことができ、消化槽30内での発泡リスクも回避できる。更に、発酵促進剤を添加して可溶化などの前処理を行うための特別な装置を用いる必要がないため、装置全体が小型化できる。
更に、本発明の実施の形態に係る有機性廃棄物の処理システム及び処理方法によれば、消化槽30へ投入する有機性廃棄物に消化槽30の消化反応を促進させる発酵促進剤が添加されることで、バイオガス発生量を増大させることができる。これにより、発電手段100における発電量を増加させることができ、電気売却費を増大させることができる。
(変形例)
本発明の実施の形態に係る有機性廃棄物の処理システムは、図2に示すように、原水槽11から供給された有機性廃棄物を濃縮処理した濃縮汚泥を貯留する濃縮汚泥貯槽22の汚泥濃度に応じて、発酵促進剤添加手段10から濃縮手段20へ供給する発酵促進剤の供給率を調整するための制御装置12を更に備える。
濃縮汚泥貯槽22の汚泥濃度は、例えば濃縮汚泥貯槽22内に配置された検知手段22aなどによって、濃縮汚泥貯槽22内の濃縮汚泥の汚泥濃度を連続的に検知するようにしてもよい。或いは、濃縮汚泥貯槽22内の濃縮汚泥の一部を図示しないサンプリング手段を介してサンプリングすることにより測定してもよい。制御装置12は、濃縮汚泥貯槽22内の濃縮汚泥の汚泥濃度に応じて、制御装置12が、消化槽30において消化ガスをより多く得られるようにし、且つ消化槽30での発泡を抑制することができる程度の発酵促進剤の供給率を決定する。
発酵促進剤の供給率は、例えば、濃縮汚泥の汚泥濃度、消化汚泥の汚泥濃度、消化汚泥中の粗浮遊物比率、投入汚泥量に対する消化ガス発生率などに対する発酵促進剤の最適な供給率が予め規定されており、濃縮汚泥の汚泥濃度、消化汚泥の汚泥濃度、消化汚泥中の粗浮遊物比率、投入汚泥量に対する消化ガス発生率などの変動に応じて、制御装置12が、その発酵促進剤の最適な供給率を比例計算すること等によって決定することができる。制御装置12の決定結果に基づいて、発酵促進剤添加手段10により発酵促進剤の供給率を制御することができる。
このように、制御装置12が濃縮汚泥貯槽22内の汚泥濃度、消化汚泥の汚泥濃度、消化汚泥中の粗浮遊物比率、投入汚泥量に対する消化ガス発生率に基づいて発酵促進剤の最適な供給率を制御することで、供給される有機性廃棄物の濃度変動に関わらず、常に適切な量の発酵促進剤を添加することができるため、濃縮汚泥の濃度変動が生じる場合においても、消化槽内の汚泥性状を安定化して、消化ガスを安定して発生させることができる。
また、発酵促進剤として例えば界面活性剤等を使用する場合、界面活性剤を含有する濃縮汚泥から多量の泡が発生し、安定した処理が困難になる場合がある。本発明の実施の形態の変形例に係る有機性廃棄物の処理システム及び処理方法によれば、制御装置12が、発酵促進剤の供給率を自動的に調整することにより、消化槽30、及び消化槽30よりも後段の各処理設備における泡の発生を抑制することができるため、装置内における発泡が懸念される界面活性剤等を添加した場合においても、長期間より安定した処理を行うことができるようになる。
また、図2に示すように、濃縮汚泥貯槽22の他にも、濃縮汚泥貯槽22の前段に接続された汚泥濃縮槽21に対しても、汚泥濃縮槽21の内部の状態(汚泥濃度、温度、気泡発生量、粘度、粗浮遊物比率の少なくともいずれか)を検知する検知手段21aを設け、その状態に応じて発酵促進剤の添加率を制御装置12が制御することもできる。
消化槽30で得られた消化汚泥は、凝集槽45へ供給されることができる。凝集槽45では、凝集剤が添加されて凝集処理が行われ、凝集汚泥が得られる。凝集汚泥は、濃縮槽55へ供給されて濃縮汚泥と濃縮分離水が得られる。濃縮汚泥は脱水装置へ供給されて脱水汚泥と脱水分離水が得られる。脱水汚泥はコンベアなどを介して外部へと搬出される。脱水分離水は脱窒槽111と硝化槽112とを備える硝化・脱窒装置110へ供給されて、硝化・脱窒処理が行われる。
硝化槽112内には分離膜モジュール113が配置されており、分離膜モジュール113から処理水が分離される。処理水の一部は分離膜モジュール113の処理水排出管に接続された希釈液供給配管114を介して凝集槽45へ供給できるようになっている。また、脱水装置60で得られた脱水分離水の一部も、脱水分離水の硝化・脱窒装置110への供給管に接続された希釈液供給配管115を介して凝集槽45へ供給できるようになっている。
消化槽30及び凝集槽45には、それぞれ検知手段30a、45aとして水位計等が設けられており、消化槽30及び凝集槽45内の泡立ちをモニタできるようになっている。制御装置12は、消化槽30及び凝集槽45の検知手段30a、45aの泡立ちのモニタ結果に応じて、気泡の発生が見られた場合、或いは気泡の発生量が基準値よりも多いと検出された場合に、脱水装置60からの脱水分離水及び硝化・脱窒装置110からの処理水の少なくともいずれかを、希釈水として供給するとともにその供給流量を調整することができる。
発酵促進剤として界面活性剤を用いた場合、特に、界面活性剤を混合した濃縮汚泥は、汚泥の混合撹拌不足等によって発泡しやすくなるため、消化槽30及びそれ以降の各設備において気泡が生じやすくなる。多量の泡が生じた場合には、その泡を取り除く為の処理を行わなければならない場合がある。本発明の実施の形態の変形例に係る有機性廃棄物の処理システム及び処理方法によれば、消化槽30及び凝集槽45内に発泡を検知するための水位計などからなる検知手段30a、45aを設ける。そして、消化槽30及び凝集槽45内に発泡が生じた場合には、希釈液供給配管114、115を介して凝集槽45へ希釈水を供給する。これにより、凝集槽45以降の各処理設備に混入する発酵促進剤の濃度を希釈水により低くして、各処理設備内における発泡を抑制することができる。更に、制御装置12が濃縮汚泥貯槽22内の汚泥濃度、温度、気泡発生量、粘度、粗浮遊物比率などに基づいて、発酵促進剤の最適な供給率を制御することで、消化槽30内での発泡を抑制することができる。
このように、本実施形態は本開示から妥当な特許請求の範囲の発明特定事項によって表されるものであり、実施段階においては、その要旨を逸脱しない範囲において変形し具体化し得るものである。
以下に本発明の実施例を示すが、これらの実施例は本実施形態及びその利点をよりよく理解するために提供するものであり、発明が限定されることを意図するものではない。
本実施例に係る汚泥濃縮と嫌気性消化について、2ヶ所の下水処理場で採取した汚泥について室内試験を行った。A下水処理場で採取した混合生汚泥、B下水処理場で採取した初沈濃縮汚泥と余剰汚泥とを混合した混合生汚泥の2つを使用した。
凝集剤として、水ing株式会社製のカチオン系高分子凝集剤エバグロースC-104Gを、0.2w/v%の濃度に溶解調整して試験に用いた。発酵促進剤として、水ing株式会社製の発酵促進剤ユーサワーM-1000(脂肪酸ポリオキシエチレン類のノニオン系界面活性剤)を、30w/v%の濃度に溶解調整して試験に用いた。
(汚泥濃縮試験方法)
汚泥濃縮試験では、バケツに採取した各混合生汚泥に凝集剤を加え、その後に発酵促進剤を添加して混合及び撹拌し、汚泥凝集状態を目視確認後、呼び寸法1mm、直径30cmのふるいに移して濃縮汚泥と濃縮分離水とを得た。凝集剤のみを用いた場合の汚泥濃縮を比較例とした。薬剤の添加率(薬注率)は、凝集剤、発酵促進剤共に、TS(Total Solids、蒸発残留物)あたりの薬剤純分の添加率%として表現した。例えば、TS濃度10g/Lの汚泥1リットルに、純分として0.2gの薬剤を添加した場合、薬注率は2.0%(対TS)となる。
(汚泥性状分析方法)
汚泥濃縮処理の性能解析は下記の条件で行った。
・TS(Total Solids、蒸発残留物);105℃蒸発残留物質量(下水試験方法)
・VS(Volatile Solids、強熱減量);600℃強熱減量(下水試験方法)
・SS(Suspended Solids、懸濁物質);遠心分離機による回転数3000rpm、10分間での沈殿物質量(下水試験方法)
・VSS(Volatile Suspended Solids、揮発性懸濁物質);懸濁物質の600℃強熱減量(下水試験方法)
・粗浮遊物;呼び寸法74μmふるいでの残留物の強熱減量分析(下水試験方法)
・Mアルカリ度;遠心分離機による回転数3,000rpm、3分間での上澄液を0.1mol/Lの塩酸溶液でpH4.8まで滴定(下水試験方法)
・CODCr(化学的酸素消費量);重クロム酸カリウム法
・CODMn(化学的酸素消費量);過マンガン酸カリウム法(下水試験方法)
・BOD(生物化学的酸素消費量);BOD用電極法(下水試験方法)
・溶解性画分;GF/B(1μm)でのろ液
A下水処理場の混合生汚泥を処理した場合を表1に示す。A下水処理場の混合生汚泥の場合、従来の凝集剤のみによる汚泥濃縮方法では、凝集剤の薬注率が0.44%toTSで、濃縮汚泥TS濃度68.0g/L、SS回収率96.5%であった(比較例1)。これに対して、実施例1の凝集剤の薬注率が0.33%toTS、発酵促進剤の薬注率が0.13%toTSとした場合の汚泥濃縮は、汚泥状態良好であり、濃縮汚泥TS濃度67.6g/L、SS回収率97.2%であり、汚泥濃縮性能としては比較例1とほぼ同等であった。これより、凝集剤に加えて発酵促進剤を添加しても、汚泥濃縮処理には悪影響を及ぼさないことが分かる。
Figure 0007105136000001
B下水処理場の混合生汚泥を処理した場合を表2に示す。B下水処理場の混合生汚泥の場合、従来の凝集剤のみによる汚泥濃縮方法では、凝集剤の薬注率が0.45%toTSで、濃縮汚泥TS濃度75.0g/L、SS回収率98.3%であった(比較例2)。これに対して、実施例2の凝集剤の薬注率が0.35%toTS、発酵促進剤の薬注率が0.12%toTSで汚泥濃縮した場合は、汚泥状態良好であり、濃縮汚泥TS濃度75.6g/L、SS回収率98.6%であり、B下水処理場汚泥の場合も汚泥濃縮性能は比較例2とほぼ同等であった。これより、凝集剤に加えて発酵促進剤を添加しても、汚泥濃縮処理に悪影響を及ぼさないことが分かる。
Figure 0007105136000002
次に、実施例1及び2、比較例1及び2で得られた濃縮汚泥について、嫌気性消化試験を行い、濃縮汚泥からの消化ガスの発生率を解析した。
(嫌気性消化試験方法)
容量720mLのバイアル瓶に、B下水処理場から採取した嫌気性消化汚泥300mLに実施例1及び2、比較例1及び2で得られた濃縮汚泥10gをそれぞれ投入し、バイアル瓶の気相部を窒素ガスで置換後、ゴム栓とアルミシールで密封した。密封したバイアル瓶は、35℃で1時間振とう培養し、膨張したガスをガラスシリンジで採取、排出した。その後、温度35℃、振とう速度120rpmで3週間消化試験を行なった。この間、2日~5日毎に消化ガスの発生量をガラスシリンジを用いて計測するとともに、その消化ガスのCH4/CO2組成をガスクロマトグラフで定量分析した(ジーエルサイエンス社製GC-323型、検出器:TCD、TCD電流値:50A、分離カラム:Unibeads C60/80、カラム温度:150℃、キャリアガス:アルゴン)。表3に各濃縮汚泥の嫌気性消化試験結果を示す。
Figure 0007105136000003
実施例1のA下水処理場の濃縮汚泥の嫌気性消化では、消化ガスの発生率が0.427L/濃縮汚泥gVSで、比較例1の従来の高分子凝集剤のみによる濃縮汚泥での消化ガスの発生率が11.2%増加した。
実施例2のB下水処理場の濃縮汚泥の嫌気性消化では、消化ガス発生率が0.401L/濃縮汚泥gVSで、比較例2の従来の高分子凝集剤のみによる濃縮汚泥での消化ガス発生率が11.7%増加した。表3に示すように、発酵促進剤を凝集剤とともに添加することで、従来と同等性能以上に汚泥濃縮することができるとともに、濃縮汚泥からの消化ガス発生率を11%程度増加させることができ、従来に比べて消化槽の消化率を向上できることが分かる。
(有機性廃棄物の処理システムにおける処理)
図1に基づいて、下水処理場において下水汚泥35m3/日の嫌気性消化処理を行った。下水汚泥は重力濃縮した初沈濃縮汚泥と余剰汚泥に対して以下の処理条件で汚泥濃縮を実施したところ、有効容積200m3程度の小型の嫌気性消化装置で約190m3/日もの消化ガスを発生させることができ、従来の方法よりも15%の消化ガス量増加となった。
なお、下水汚泥濃縮を行わない嫌気性消化方法の場合、通常のHRT(水理学的滞留時間)20~30日の嫌気性消化処理で容量700~1,050m3規模の消化装置を要する。
-処理条件-
下水汚泥量(初沈汚泥と余剰汚泥の混合汚泥) 35m3/日
(初沈汚泥:TS濃度38.8g/L、余剰汚泥:TS濃度9.3g/L(0.93質量%)、混合汚泥:TS濃度14.7g/L)
汚泥貯槽 5m3×1槽
固液分離装置
スリット型濃縮機 スクリーンスリット幅1.0mm、背圧板付帯
カチオン性高分子凝集剤(平均分子量300万、溶液濃度2.0g/L)注入量0.88m3/日
発酵促進剤(ノニオン界面活性剤ユーサワーM-1000、溶液濃度30g/L)注入量0.022m3/日)
高分子凝集剤注入率 0.34%(対TS比)
発酵促進剤注入率 0.13%(対TS比)
汚泥濃縮物量 7.6t/日(TS濃度68g/L(6.8質量%)、VS85%)
分離液量 28.3m3/日(SS濃度260mg/L)
SS回収率 98%
嫌気性消化装置(縦型機械式攪拌機)
嫌気性消化装置への投入量 7.6m3/日
HRT 26日
VS容積負荷 2.2kgVS/m3・日
有効容積 200m3
水温 35℃
嫌気性消化汚泥の凝集処理
スリット型濃縮機(スクリーンスリット幅1.0mm)
汚泥分離液の混合量 4.0m3/日(Mアルカリ度180mgCaCO3/L)
カチオン性高分子凝集剤(平均分子量300万)注入率1.9%(対SS比)
脱水機 スクリュープレス型脱水機
-従来法の処理結果-
図3の従来方法に従い、上記と同じ下水汚泥について同じカチオン性高分子凝集剤を用い、高分子凝集剤注入率0.41%(対TS比)、同じスリット型濃縮機で濃縮し(濃縮汚泥TS濃度68g/L、分離液SS濃度220mg/L)、濃縮汚泥処理量7.6t/日で嫌気性消化した場合、消化ガス発生量165m3/日(NTP)、メタンガス濃度62%で、消化ガス発生率は0.38m3/濃縮汚泥kgVS(NTP)であった。嫌気性消化汚泥性状は、pH7.4、TS濃度32g/L、VS70%、SS濃度27g/L、Mアルカリ度4,180mgCaCO3/L、粗浮遊物含有率9.8%(対SS比)、汚泥粘度730mPa・sであった。
-本実施例の処理結果-
嫌気性消化汚泥性状(pH7.4、TS濃度31g/L、VS68%、SS濃度26g/L、Mアルカリ度4,370mgCaCO3/L、粗浮遊物含有率8.6%(対SS比)、汚泥粘度620mPa・s)
消化ガス発生量 190m3/日(NTP)
メタンガス発生量 117m3/日(NTP)
メタンガス濃度 62%
消化ガス発生率 0.43m3/濃縮汚泥kgVS(NTP)
脱水ケーキ発生量 0.9t/日(含水率79%)
廃水量 12.5m3/日
Figure 0007105136000004
本実施例によれば、従来の処理システムよりも消化ガス量が15%増加しており(本実施例の消化ガス発生量190m3/日÷従来法の消化ガス発生量165m3/日=1.15)、消化汚泥性状の比較からも発酵促進剤により嫌気性消化が促進されているといえる。また、消化汚泥中の溶解性CODCr、溶解性CODMn濃度が、従来法よりも本実施例の方が低くなっており、発酵促進剤による消化反応の促進が認められ、溶解性成分として残留していないことも示唆される。
更に、図2の処理システムに従い、濃度変動の大きい下水汚泥の嫌気性消化処理を行った場合も、濃縮汚泥貯槽内の汚泥濃度と消化槽内の汚泥濃度と粘度データを基に発酵促進剤の供給率を適正に保持、制御することが可能で、消化槽30内の発泡も一切認められなかった。
なお、上記の本発明の実施例と比較例より、本発明に掲げた発酵促進剤は、有機性廃棄物中の懸濁成分や粗浮遊物の発酵を促進する作用に主要に働いているものと推測される。
10…発酵促進剤添加手段
11…原水槽
12…制御装置
20…濃縮手段
21…汚泥濃縮槽
21a…検知手段
22…濃縮汚泥貯槽
22a…検知手段
30…消化槽
30a…検知手段
40…汚泥貯留槽
45…凝集槽
45a…検知手段
50…排液処理装置
55…濃縮槽
60…脱水装置
70…脱硫塔
80…バイオガスタンク
90…余剰ガス燃焼装置
100…発電手段
110…硝化・脱窒装置
111…脱窒槽
112…硝化槽
113…分離膜モジュール
114…希釈液供給配管
115…希釈液供給配管

Claims (6)

  1. 有機性廃棄物を嫌気性消化する消化槽の前段に設けられ、前記有機性廃棄物を濃縮処理するための濃縮手段において、濃縮処理時に前記有機性廃棄物に前記消化槽の消化反応を促進させるための発酵促進剤を添加し、TS濃度3質量%以上の濃縮汚泥と濃縮分離水を得ることと、
    前記発酵促進剤が添加された前記濃縮汚泥を前記消化槽に供給することと
    を含む有機性廃棄物の処理方法。
  2. 前記発酵促進剤がノニオン系界面活性剤を含む請求項1に記載の有機性廃棄物の処理方法。
  3. 有機性廃棄物を嫌気性消化する消化槽の前段に設けられ、前記有機性廃棄物を濃縮処理するための濃縮手段において、前記有機性廃棄物に前記消化槽の消化反応を促進させるための発酵促進剤を添加し、濃縮汚泥と濃縮分離水を得ることと、
    前記発酵促進剤が添加された前記濃縮汚泥を前記消化槽に供給することと
    を含み、
    前記発酵促進剤を凝集剤とともに前記濃縮手段へ添加することを含む有機性廃棄物の処理方法。
  4. 前記濃縮分離水を前記消化槽で処理された消化汚泥を処理する反応槽へ供給することを更に含む請求項1~3のいずれか1項に記載の有機性廃棄物の処理方法。
  5. 有機性廃棄物に消化反応を促進させるための界面活性剤を含む発酵促進剤を添加するとともに濃縮処理し、TS濃度3質量%以上の濃縮汚泥と濃縮分離水とを得る濃縮手段と、
    前記濃縮汚泥を嫌気性消化する消化槽
    備えることを特徴とする有機性廃棄物の処理システム。
  6. 有機性廃棄物に消化反応を促進させるための界面活性剤を含む発酵促進剤を添加してTS濃度3質量%以上に濃縮処理した濃縮汚泥を貯留する濃縮汚泥貯槽と、
    前記濃縮汚泥を嫌気性消化する消化槽と
    記濃縮汚泥貯槽の汚泥濃度に応じて前記有機性廃棄物に供給する発酵促進剤の供給率を調整する制御装置と、
    を備えることを特徴とする有機性廃棄物の処理システム。
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