JP7102729B2 - 粘着剤組成物、粘着シート及び積層体 - Google Patents

粘着剤組成物、粘着シート及び積層体 Download PDF

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Description

本発明は粘着剤組成物、粘着シート及び積層体に関する。
近年、様々な分野で、液晶ディスプレイ(LCD)などの表示装置や、タッチパネルなどの表示装置及び入力装置を組み合わせた装置が広く用いられている。中でも、静電容量方式のタッチパネルはその機能性から急速に普及してきている。これらの表示装置や入力装置の製造等においては、光学部材を貼り合せる用途に粘着シートが使用されており、表示装置と入力装置との貼合にも粘着シートが使用されている。
静電容量タッチパネルにおいては、表面に指を近づけると複数の電極間の静電容量が同時に変化し、電流量の比率を測定することで高精度に位置検出することを可能にしている。ただし、この方式を大型化するとタッチパネルの誤作動が多くなる。このような問題に対応するためには、比誘電率を制御した粘着シートを用いることが検討されている。その中でも画像表示装置とタッチパネルを有する静電容量タッチパネルにおいては、画像表示装置からの電気的なノイズによりタッチパネルの誤作動が生じやすいため、画像表示装置とタッチパネルの貼り合わせに用いる粘着シートとして、比誘電率の低い粘着シートを使用することが検討されている。
例えば、特許文献1には、比誘電率の低い粘着剤層を形成し得る粘着剤組成物が開示されている。特許文献1には、炭素数が5~9の分岐鎖アルキル基を有するアルキルメタクリレートに由来する構成単位(A)を全構成単位に対して40質量%以上、及び水酸基を有する単量体に由来する構成単位(B)を全構成単位に対して5質量%以上15質量%以下含む(メタ)アクリル系重合体と、スチレン系重合体と、を含有する粘着剤組成物が開示されている。なお、特許文献1の粘着剤組成物は溶剤を含むものである。
特開2016-172865号公報
しかしながら、本発明者らが特許文献1における粘着剤層を、高温高湿条件下に置いた場合、粘着剤層が白化する場合があり、耐湿熱白化性が不十分であることがわかった。また、特許文献1の粘着剤層は粘着力にも課題が残るものであった。
そこで本発明者らは、このような従来技術の課題を解決するために、比誘電率の低い粘着剤層であって、耐湿熱白化性と粘着力に優れた粘着剤層を形成し得る粘着剤組成物を提供することを目的として検討を進めた。
上記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、本発明者らは、炭素数が5~9の分岐アルキル基を有するメタクリル酸エステルに由来する単位(A)及び窒素含有単量体に由来する単位(B)を含む(メタ)アクリル系重合体を用いることにより、比誘電率が低く、かつ耐湿熱白化性と粘着力に優れた粘着剤層を形成し得る粘着剤組成物が得られることを見出した。
具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
[1] 炭素数が5~9の分岐アルキル基を有するメタクリル酸エステルに由来する単位(A)及び窒素含有単量体に由来する単位(B)を含む(メタ)アクリル系重合体と、
光重合開始剤と、を含む粘着剤組成物であって、
粘着剤組成物の硬化物である粘着剤層を形成した場合に粘着剤層の周波数100kHzでの比誘電率が3.5以下である粘着剤組成物。
[2] (メタ)アクリル系重合体の全質量に対する単位(B)の含有量は、5~20質量%である[1]に記載の粘着剤組成物。
[3] (メタ)アクリル系重合体の全質量に対する単位(A)の含有量は、50~90質量%である[1]又は[2]に記載の粘着剤組成物。
[4] 単位(B)は、アクリルアミド誘導体に由来する単位である[1]~[3]のいずれかに記載の粘着剤組成物。
[5] 単位(B)は、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド及びアクリロイルモルホリンから選択される少なくとも1種に由来する単位である[1]~[4]のいずれかに記載の粘着剤組成物。
[6] さらに多官能単量体を含む[1]~[5]のいずれかに記載の粘着剤組成物。
[7] 粘着剤層を有し、
粘着剤層が[1]~[6]のいずれかに記載の粘着剤組成物の硬化物である粘着シート。
[8] [1]~[6]のいずれかに記載の粘着剤組成物の硬化物である粘着剤層と、粘着剤層の少なくとも一方の面側に被着体と、を有し、
被着体が光学部材である積層体。
本発明によれば、比誘電率が低く、かつ耐湿熱白化性と粘着力に優れた粘着剤層を形成し得る粘着剤組成物を提供することができる。
図1は、本発明の粘着シートの構成の一例を表す断面図である。
以下において、本発明について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において「~」を用いて表される数値範囲は「~」前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において、“(メタ)アクリル酸”はアクリル酸及びメタクリル酸の双方、又は、いずれかを表す。また、本明細書において、“単量体”と“モノマー”とは同義であり、“重合体”と“ポリマー”とは同義である。
(粘着剤組成物)
本発明は、炭素数が5~9の分岐アルキル基を有するメタクリル酸エステルに由来する単位(A)及び窒素含有単量体に由来する単位(B)を含む(メタ)アクリル系重合体と、光重合開始剤と、を含む粘着剤組成物に関する。ここで、粘着剤組成物の硬化物である粘着剤層を形成した場合に粘着剤層の周波数100kHzでの比誘電率は3.5以下である。
本発明の粘着剤組成物は、上記構成を有することにより、粘着剤層を形成した場合の比誘電率を低くすることができ、かつ耐湿熱白化性と粘着力に優れた粘着剤層を形成することができる。また、本発明の粘着剤組成物は、上記構成を有することにより、耐久性に優れた粘着剤層を形成し得る。
通常、光学用途に用いられる粘着シートにおいては、粘着剤層の凝集力や耐久性を高めるために、例えば、水酸基等の架橋性基を有するアクリル系重合体が用いられている。しかし、このような粘着剤層を有する粘着シートを高温高湿条件下に置いた場合、粘着剤層が白化する場合があり、問題となっていた。すなわち、従来の粘着シートにおいては、粘着剤層の凝集力や耐久性を高めることと、耐湿熱白化性を高めることは相反する課題であり、両立が困難であった。しかし、本発明者らは、鋭意検討の末、アクリル系重合体として、炭素数が5~9の分岐アルキル基を有するメタクリル酸エステルに由来する単位(A)及び窒素含有単量体に由来する単位(B)を含む(メタ)アクリル系重合体を用いることを見出した。これにより、本発明者らは粘着剤層の凝集力や耐久性を高めつつも、粘着剤層の耐湿熱白化性を高めることに成功した。
本発明の粘着剤組成物は、光重合開始剤を含む。このことは、粘着剤組成物が光硬化型であることを意味している。本発明の粘着剤組成物は、例えば、紫外線を照射することで硬化し、粘着剤層を形成するものである。
また、本発明の粘着剤組成物は、無溶剤系の粘着剤組成物であることが好ましい。本明細書において、無溶剤系の粘着剤組成物とは、粘着剤組成物中に含まれる溶剤の含有量が1質量%以下であるものをいい、このような場合に、実質的に溶剤が含まれないということができる。
<(メタ)アクリル系重合体>
本発明の粘着剤組成物は、(メタ)アクリル系重合体を含む。(メタ)アクリル系重合体は、炭素数が5~9の分岐アルキル基を有するメタクリル酸エステルに由来する単位(A)及び窒素含有単量体に由来する単位(B)を含むものである。なお、本明細書において、「単位」は重合体を構成する繰り返し単位(単量体単位)である。
(メタ)アクリル系重合体の重量平均分子量は、10万以上200万以下が好ましく、10万以上100万以下がより好ましい。重量平均分子量を上記範囲内とすることにより、十分な粘着力と耐湿熱白化性を確保することができる。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定し、ポリスチレン基準で求めた値である。(メタ)アクリル系重合体としては、市販のものを用いてもよく、公知の方法により合成したものを用いてもよい。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)の測定条件は以下のとおりである。
溶媒:テトラヒドロフラン
カラム:Shodex KF801、KF803L、KF806L(昭和電工(株)製を3本接続して使用した)
カラム温度:40℃
試料濃度:0.5質量%
検出器:RI-2031plus(JASCO製)
ポンプ:RI-2080plus(JASCO製)
流量(流速):0.8ml/min
注入量:10μl
校正曲線:標準ポリスチレンShodex standard ポリスチレン(昭和電工(株)製)Mw=1320~2,500,000迄の10サンプルによる校正曲線を使用した。
(メタ)アクリル系重合体のガラス転移温度(Tg)は、-80℃以上であることが好ましく、-75℃以上であることがより好ましく、-70℃以上であることがさらに好ましい。また、(メタ)アクリル系重合体のガラス転移温度(Tg)は、-10℃以下であることが好ましく、-15℃以下であることがより好ましい。(メタ)アクリル系重合体のガラス転移温度(Tg)を上記範囲内とすることにより、粘着剤層の耐湿熱白化性を高めることができる。また、(メタ)アクリル系重合体のガラス転移温度(Tg)を上記範囲内とすることにより、粘着剤層としたときの凝集力をより高めることができ、これにより、耐久性に優れ、かつ粘着力に優れた粘着剤層が得られる。
(メタ)アクリル系重合体は、後述するような(メタ)アクリル酸エステルや窒素含有単量体を光重合により重合させることで得られるものであることが好ましい。すなわち、(メタ)アクリル系重合体は(メタ)アクリル系光重合体であることが好ましい。また、(メタ)アクリル系重合体は、表示装置の視認性を低下させない程度の透明性を有するものが好ましい。
本発明の粘着剤組成物は、(メタ)アクリル系重合体の重合に用いられたモノマーを含むものであってもよい。本発明の粘着剤組成物は、(メタ)アクリル系重合体とその重合体と同じモノマー組成の混合液を含むものであることが好ましい。
<単位(A)>
単位(A)は炭素数が5~9の分岐アルキル基を有するメタクリル酸エステルに由来する単位である。ここで、単位(A)は、炭素数が5~9のアルキル基を有し、かつこのようなアルキル基は分岐した構造であるため、モル体積が大きく、密度が小さい。このため、(メタ)アクリル系重合体が、単位(A)を含む場合、(メタ)アクリル系重合体のモル体積を大きくし、密度を小さくすることができる。また、単位(A)が炭素数が5~9のアルキル基を有することにより、ポリマーとしたときの体積収縮率を抑えることができ、(メタ)アクリル系重合体のモル体積を大きく維持することができるものと考えられる。これらの結果、比誘電率の低い粘着剤層を形成しやすくなる。
炭素数が5~9の分岐アルキル基を有するメタクリル酸エステルとしては、例えば、メタクリル酸イソペンチル、メタクリル酸イソヘキシル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸イソヘプチル、メタクリル酸イソオクチル、メタクリル酸イソノニル等が挙げられる。これらは1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。中でも、炭素数が5~9の分岐アルキル基を有するメタクリル酸エステルは、メタクリル酸2-エチルヘキシルであることが好ましい。
単位(A)が有する分岐アルキル基の炭素数は5~9であればよいが、7~9であることがより好ましい。分岐アルキル基の炭素数を上記範囲内とすることにより、比誘電率が十分に低い粘着剤層を形成しやすくなる。また、分岐アルキル基の炭素数を上記範囲内とすることにより、(メタ)アクリル系重合体の重合度を制御しやすく、加工性に優れた粘着剤組成物を得ることができる。
(メタ)アクリル系重合体における単位(A)の含有量は、(メタ)アクリル系重合体の全質量に対して、50質量%以上であることが好ましく、55質量%以上であることがより好ましく、60質量%以上であることがさらに好ましい。また、(メタ)アクリル系重合体における単位(A)の含有量は、(メタ)アクリル系重合体の全質量に対して、99質量%以下であることが好ましく、95質量%以下であることがより好ましく、90質量%以下であることがさらに好ましい。単位(A)の含有量を上記範囲内とすることにより、粘着剤層の比誘電率を十分に低下させることができ、さらに粘着剤層の耐久性を高めることができる。
<単位(B)>
単位(B)は、窒素含有単量体に由来する単位である。本発明においては、(メタ)アクリル系重合体が単位(B)を含むことにより、粘着剤層の白化を効果的に抑止することができる。
窒素含有単量体は、1分子内に窒素元素を含有する単量体である。窒素含有単量体としては、例えば、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、ヒドロキシエチルアクリルアミド、メチロールアクリルアミド、メトキシメチルアクリルアミド、エトキシメチルアクリルアミド、ジメチルアミノエチルアクリルアミド、N-ビニルカプロラクタム、N-ビニル-2-ピロリドン、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N-ビニルホルムアミド等を挙げることができる。中でも、窒素含有単量体は、アクリルアミド誘導体、アミノ基含有モノマー及び含窒素複素環含有モノマーから選択される少なくとも1種であることが好ましく、アクリルアミド誘導体であることがより好ましい。アクリルアミド誘導体は、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド及びアクリロイルモルホリンから選択される少なくとも1種であることがさらに好ましく、ジメチルアクリルアミドであることが特に好ましい。すなわち、単位(B)は、アクリルアミド誘導体に由来する単位であることが好ましく、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド及びアクリロイルモルホリンから選択される少なくとも1種に由来する単位であることがより好ましく、ジメチルアクリルアミドに由来する単位であることがさらに好ましい。
(メタ)アクリル系重合体における単位(B)の含有量は、(メタ)アクリル系重合体の全質量に対して、1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましく、5質量%以上であることがさらに好ましい。また、(メタ)アクリル系重合体における単位(B)の含有量は、(メタ)アクリル系重合体の全質量に対して、50質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましく、30質量%以下であることがさらに好ましく、20質量%以下であることが特に好ましい。単位(B)の含有量を上記範囲内とすることにより、粘着剤層の粘着強度を高め耐久性を高めることができる。
<他の単量体単位>
<単位(C)>
(メタ)アクリル系重合体は、単位(A)及び単位(B)に加えて、更に、アクリル酸エステルに由来する単位(以下、「単位(C)」とする。)を含んでもよい。(メタ)アクリル系重合体は、単位(A)及び単位(B)に加えて、更に単位(C)を含むことで、粘着剤層としたときに凝集力がより高く、加工性及び耐久性により優れたものとなる。アクリル酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n-オクチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸n-ノニル、アクリル酸イソノニル、アクリル酸n-デシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル等が挙げられる。これらの中でも、比誘電率及び耐湿熱白化性の特性から、アクリル酸エステルはアクリル酸2-エチルヘキシルであることが好ましい。(メタ)アクリル系重合体における単位(C)の含有量は、(メタ)アクリル系重合体の全質量に対して、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましい。また、比誘電率と耐湿熱白化性とのバランスの点から、(メタ)アクリル系重合体における単位(C)の含有量は、(メタ)アクリル系重合体の全質量に対して、50質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましい。
なお、(メタ)アクリル系重合体は、架橋性官能基を有する(メタ)アクリル酸エステルに由来する単位を実質的に含まないものであることが好ましい。具体的には、架橋性官能基を有する(メタ)アクリル酸エステルに由来する単位の含有量は、(メタ)アクリル系重合体の全質量に対して、1質量%以下であることが好ましく、0質量%であることがより好ましい。なお、架橋性官能基としては、例えば、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、アミド基、エポキシ基、イソシアネート基等を挙げることができる。
<光重合開始剤>
本発明の粘着剤組成物は、光重合開始剤を含有する。光重合開始剤は、例えば、紫外線により(メタ)アクリル系重合体と反応する重合開始剤であることが好ましい。
光重合開始剤としては、例えばアセトフェノン系開始剤、ベンゾインエーテル系開始剤、ベンゾフェノン系開始剤、ヒドロキシアルキルフェノン系開始剤、チオキサントン系開始剤、アミン系開始剤等が挙げられる。
アセトフェノン系開始剤として具体的には、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。
ベンゾインエーテル系開始剤として具体的には、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等が挙げられる。
ベンゾフェノン系開始剤として具体的には、ベンゾフェノン、o-ベンゾイル安息香酸メチル等が挙げられる。
ヒドロキシアルキルフェノン系開始剤として具体的には、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン等が挙げられる。
チオキサントン系開始剤として具体的には、2-イソプロピルチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン等が挙げられる。
アミン系開始剤として具体的には、トリエタノールアミン、4-ジメチル安息香酸エチル等が挙げられる。
なお、光重合開始剤としては1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
光重合開始剤として、市販品を使用できる。市販品の例としては、BASF社製、イルガキュアー1173、イルガキュアー184等が挙げられる。
粘着剤組成物中の光重合開始剤の含有量は、所望とする接着物性等に応じて適宜選択され、特に限定されないが、(メタ)アクリル系重合体100質量部に対し、0.01質量部以上5質量部以下であることが好ましく、0.03質量部以上3質量部以下であることがより好ましい。
(多官能単量体)
本発明の粘着剤組成物は、さらに多官能単量体を含有することが好ましい。ここで、多官能単量体とは、分子内に反応性二重結合を2つ以上有する単量体である。
多官能単量体としては、例えば、ジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸トリエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸1,3-ブチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸1,4-ブチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸1,9-ノナンジオール、ジアクリル酸1,6-ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸ポリブチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ネオペンチルグリコール、ジ(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸トリプロピレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール、ビスフェノールAジグリシジルエーテルのジアクレート、トリ(メタ)アクリル酸トリメチロールプロパン、トリ(メタ)アクリル酸ペンタエリスリトール、テトラ(メタ)アクリル酸ペンタエリスリトール等の多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル類、メタクリル酸ビニル等が挙げられる。
多官能単量体は反応性二重結合を2つ以上有するものであり、中でも、多官能単量体は反応性二重結合を2つ以上5つ以下有するものであることが好ましく、2つ以上4つ以下有するものであることがより好ましい。なお、多官能単量体としては1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
多官能単量体として、市販品を使用できる。市販品の例としては、新中村化学工業株式会社製、NKエステルA-TMM-3L、東亜合成株式会社製、アロニックスM-270等が挙げられる。
粘着剤組成物中の多官能単量体の含有量は、(メタ)アクリル系重合体100質量部に対し、0.01質量部以上5質量部以下であることが好ましく、0.03質量部以上3質量部以下であることがより好ましい。
<任意成分>
本発明の粘着剤組成物は、上述した成分以外の任意成分を含んでいてもよく、任意成分としては、例えば可塑剤を挙げることができる。粘着剤組成物に可塑剤が含まれる場合は、可塑剤の含有量は、(メタ)アクリル系重合体100質量部に対し、50質量部以下とすることが好ましく、30質量部以下とすることがより好ましく、10質量部以下とすることがさらに好ましい。
可塑剤としては、例えば、無官能性アクリル重合体を用いることができる。無官能性アクリル重合体とは、アクリレート基以外の官能基を有しないアクリル単量体単位のみからなる重合体、又はアクリレート基以外の官能基を有しないアクリル単量体単位と官能基を有しない非アクリル単量体単位とからなる重合体を意味する。官能基を有しない非アクリル単量体単位としては、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニル、安息香酸ビニルのようなカルボン酸ビニルエステル類やスチレン等が挙げられる。
また、任意成分としては、粘着剤用の添加剤として公知の成分、例えば酸化防止剤、金属腐食防止剤、粘着付与剤、シランカップリング剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系化合物等の光安定剤を挙げることができる。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、ラクトン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等が挙げられる。これら酸化防止剤は1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
金属腐食防止剤としては、ベンゾリアゾール系樹脂を挙げることができる。
粘着付与剤として、例えば、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、クマロンインデン系樹脂、スチレン系樹脂、キシレン系樹脂、フェノール系樹脂、石油樹脂などが挙げられる。
シランカップリング剤としては、例えば、メルカプトアルコキシシラン化合物(例えば、メルカプト基置換アルコキシオリゴマー等)などが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物などが挙げられる。
(粘着シート)
本発明の粘着シートは、粘着剤層を有し、粘着剤層が上述した粘着剤組成物の硬化物である。本発明の粘着シートは、比誘電率が低く、耐湿熱白化性及び粘着力に優れる粘着剤層を有するため、タッチパネルを搭載した表示装置を構成する光学部材の接着に好ましく用いられる。
本発明の粘着シートは、粘着剤層のみから構成される単層の粘着シートであってもよい。また、本発明の粘着シートは、片面粘着シートでも両面粘着シートでもよい。
片面粘着シートとしては、支持体上に粘着剤層が積層した多層シートが挙げられる。また、支持体と粘着剤層との間には他の層が設けられていてもよい。
両面粘着シートとしては、粘着剤層からなる単層の粘着シート、粘着剤層を複数積層した多層の粘着シート、粘着剤層と粘着剤層の間に他の粘着剤層を積層した多層の粘着シート、粘着剤層と粘着剤層の間に支持体を積層した多層の粘着シートが挙げられる。両面粘着シートが支持体を有する場合、支持体として透明な支持体を用いたものが好ましい。このような両面粘着シートは、粘着シート全体としての透明性にも優れることから、光学部材同士の接着に好適に用いることができる。
本発明の粘着シートは上述した中でも、支持体を有さないノンキャリアタイプが好ましく、粘着剤層からなる単層の粘着シート、又は粘着剤層を複数積層した多層の粘着シートが好ましく、粘着剤層からなる単層の両面粘着シートが特に好ましい。
本発明の粘着シートが支持体を有している場合、支持体としては、例えば、ポリスチレン、スチレン-アクリル共重合体、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルエーテルケトン、トリアセチルセルロース等のプラスチックフィルム;反射防止フィルム、電磁波遮蔽フィルム等の光学フィルム等が挙げられる。
粘着剤層の表面は剥離シートによって覆われていることが好ましい。すなわち、粘着シートは、剥離シート付き粘着シートであってもよい。
図1は、剥離シート付き粘着シートの構成の一例を表す断面図である。図1に示された粘着シート11は剥離シート(12a、12b)を有している。なお、図1の粘着シート11は、ノンキャリアタイプの単層の粘着シートであり、両面粘着シートである。
剥離シートとしては、剥離シート用基材とこの剥離シート用基材の片面に設けられた剥離剤層とを有する剥離性積層シート、あるいは、低極性基材としてポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルム等のポリオレフィンフィルムが挙げられる。
剥離性積層シートにおける剥離シート用基材には、紙類、高分子フィルムが使用される。剥離剤層を構成する剥離剤としては、例えば、汎用の付加型もしくは縮合型のシリコーン系剥離剤や長鎖アルキル基含有化合物が用いられる。特に、反応性が高い付加型シリコーン系剥離剤が好ましく用いられる。
シリコーン系剥離剤としては、具体的には、東レ・ダウコーニングシリコーン社製のBY24-4527、SD-7220等や、信越化学工業(株)製のKS-3600、KS-774、X62-2600などが挙げられる。また、シリコーン系剥離剤中にSiO2単位と(CH33SiO1/2単位あるいはCH2=CH(CH3)SiO1/2単位を有する有機珪素化合物であるシリコーンレジンを含有することが好ましい。シリコーンレジンの具体例としては、東レ・ダウコーニングシリコーン社製のBY24-843、SD-7292、SHR-1404等や、信越化学工業(株)製のKS-3800、X92-183等が挙げられる。
本発明では、粘着剤層の一方の表面に第1の剥離シートを備え、粘着剤層の他方の表面に第2の剥離シートを備え、第1の剥離シート及び第2の剥離シートの剥離力が異なることが好ましい。図1の例では、剥離シート12においては、剥離しやすくするために、剥離シート12aと剥離シート12bとの剥離性を異なるものとすることが好ましい。つまり、一方からの剥離性と他方からの剥離性とが異なると、剥離性が高い方の剥離シート12だけを先に剥離することが容易となる。その場合、貼合方法や貼合順序に応じて剥離シート12aと剥離シート12bの剥離シート12の剥離性を調整すればよい。
粘着剤層の周波数100kHzでの比誘電率は3.5以下であればよく、3.3以下であることが好ましく、3.1以下であることがより好ましく、3.0以下であることがさらに好ましい。本発明の粘着剤組成物から形成される粘着剤層は上記のとおり低い比誘電率を有している。このような粘着剤層を有する粘着シートはタッチパネルを搭載した表示装置を構成する光学部材の接着に好ましく用いられる。
なお、粘着剤層の比誘電率は、100kHzの周波数における比誘電率であって、JIS C 2138に規定される方法で算出される値を用いる。
粘着剤層の対ガラスの粘着力は、20N/25mm以上であることが好ましく、25N/25mm以上であることがより好ましく、30N/25mm以上であることがさらに好ましい。また、粘着剤層の対ガラスの粘着力の上限値は特に限定されるものではないが、例えば、40N/25mmとすることが好ましい。本発明の粘着剤組成物から形成される粘着剤層は、このように高い粘着力を発揮し得るものである。なお、粘着剤層の対ガラスの粘着力は、JIS Z 0237の「粘着テープ・粘着シート試験方法」に準じて測定した値である。具体的には粘着剤層を、23℃、相対湿度50%の環境下で、被着体であるソーダガラス板に貼合し、2kgロールを1往復させて圧着する。その後、23℃、相対湿度50%の環境下で24時間静置し、その環境下で180°方向に300mm/minの速度で粘着剤層をソーダガラス板から剥離することで測定する。
粘着剤層は、耐湿熱白化性にも優れている。具体的には、粘着剤層に厚み38μmポリエチレンテレフタレートフィルムを貼り合わせ、もう一方面にガラス板に貼り合わせて試験片を作製した場合、該試験片の湿熱試験前後の下記式で算出されるヘイズ差は、3以下であることが好ましく、1以下であることがより好ましい。なお、湿熱試験では試験片を85℃、相対湿度90%の環境下に500時間置く。また、ヘイズは、例えば、ヘイズメーターHM‐150((株)村上色彩技術研究所製)を用いて測定する。
ヘイズ差=湿熱試験後のヘイズ-湿熱試験前のヘイズ
粘着剤層のゲル分率は、50%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましく、70%以上であることがさらに好ましい。
粘着剤層のゲル分率は、以下の方法で算定できる。まず、粘着剤層約0.1gをサンプル瓶に採取し、酢酸エチル30mlを加えて40℃環境下で24時間振とうする。その後、このサンプル瓶の内容物を150メッシュのステンレス製金網でろ別し、金網上の残留物を100℃で1時間乾燥して乾燥重量W(g)を測定する。得られた乾燥重量から下記式1によりゲル分率を求める。
ゲル分率(%)=(乾燥重量/粘着剤層の採取重量)×100・・・式1
粘着剤層の厚みは、用途に応じて適宜設定でき、特に限定されないが、通常、10μm以上500μm以下の範囲内であることが好ましく、20μm以上450μm以下であることがより好ましく、30μm以上450μm以下であることがさらに好ましく、40μm以上400μm以下であることが一層好ましく、40μm以上350μm以下であることがより一層好ましく、40μm以上300μm以下であることが特に好ましい。粘着剤層の厚みを上記範囲内とすることにより、より耐久性を高めることができる。また、粘着剤層の厚さを上記範囲内とすることにより、粘着シートの製造が容易となる。
(粘着シートの製造方法)
粘着シートの製造工程は、剥離シート上に粘着剤組成物を塗工して塗膜を形成する工程と、この塗膜の上にもう一枚の剥離シートを貼りあわせたものに光照射することで硬化させる工程を含むことが好ましい。
粘着シートを形成する粘着剤組成物の塗工は、公知の塗工装置を用いて実施できる。塗工装置としては、例えば、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、ロッドブレードコーター、リップコーター、ダイコーター、カーテンコーター等が挙げられる。
光照射の際に用いる光としては紫外線、可視光線等が挙げられる。中でも、波長が250~400nmの紫外線を用いることが好ましい。紫外線照射条件は、波長365nmを中心とした分光感度を持つ紫外線照度計で計測した場合の放射照度が0.1mW/cm2以上、光量は500mJ/cm2以上が望ましい。このような紫外線照射条件を採用することで、ゲル分率が高く、耐久性に優れた粘着剤層が得られる。光源としては、ケミカルランプやブラックランプ等の紫外線蛍光ランプ、高圧水銀灯、低圧水銀灯、超高圧水銀灯、水銀キセノンランプ、メタルハライドランプ、LEDランプ、カーボンアーク、キセノンアーク等が用いられる。
(粘着シートの使用方法)
本発明の粘着シートを使用する場合、粘着シートの粘着剤層を露出させた状態で被着体表面に接触させる。
(積層体)
本発明の積層体は、上述した粘着剤組成物の硬化物である粘着剤層と、粘着剤層の少なくとも一方の面側に被着体と、を有する。ここで、被着体は光学部材であることが好ましい。中でも、被着体は液晶モジュールを有する画像表示装置を構成する光学部材又はタッチパネルを構成する光学部材であることが好ましい。
光学部材としては、タッチパネルや画像表示装置等の光学製品における各構成部材を挙げることができる。
タッチパネルの構成部材としては、例えば透明樹脂フィルムにITO膜が設けられたITOフィルム、ガラス板の表面にITO膜が設けられたITOガラス、透明樹脂フィルムに導電性ポリマーをコーティングした透明導電性フィルム、ハードコートフィルム、耐指紋性フィルムなどが挙げられる。本発明の粘着シートは、タッチパネルと画像表示装置の積層用であることが好ましく、タッチペンを用いるタッチパネルと画像表示装置の積層用であることがより好ましい。この観点から、本発明の粘着シートの被着体としては、透明樹脂フィルムにITO膜が設けられたITOフィルム、ガラス板の表面にITO膜が設けられたITOガラス、透明樹脂フィルムに導電性ポリマーをコーティングした透明導電性フィルムが好ましく、これらガラスやフィルムの裏面(導電層が無い面)に粘着シートを貼着することが好ましい。
画像表示装置の構成部材としては、例えば液晶表示装置に用いられる反射防止フィルム、配向フィルム、偏光フィルム、位相差フィルム、輝度向上フィルムなどが挙げられる。
これらの部材に用いられる材料としては、ガラス、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンナフタレート、シクロオレフィンポリマー、トリアセチルセルロース、ポリイミド、セルロースアシレートなどが挙げられる。なお、これらのフィルムの粘着剤層に接する側にはハードコート層などの機能層を設けていても良い。
本発明の粘着シートが両面粘着シートである場合は、2つの被着体の貼合に用いることができる。この場合、本発明の粘着シートは、タッチパネルの内部におけるITOフィルム同士の貼合、ITOフィルムとITOガラスとの貼合、タッチパネルのITOフィルムと液晶パネルとの貼合、カバーガラスとITOフィルムとの貼合、カバーガラスと加飾フィルムとの貼合などに用いられる。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
<(メタ)アクリル系重合体A-1の作製>
窒素ガス導入管と攪拌装置を備えた反応容器に2-エチルヘキシルメタクリレート(2-EHMA)、2-エチルヘキシルアクリレート(2-EHA)、ジメチルアクリルアミド(KJケミカルズ株式会社、DMAA)を質量比で70:20:10となるように配合し、光重合開始剤(BASF社製、Irg.1173)3質量部を溶液へ溶解した。容器内の空気を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら波長365nmに出力ピークを有する紫外線を照射して(メタ)アクリル系重合体を得た。(メタ)アクリル系重合体の重量平均分子量は20万であった。
なお、(メタ)アクリル系重合体の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定し、ポリスチレン基準で求めた。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)の測定条件は以下のとおりである。
溶媒:テトラヒドロフラン
カラム:Shodex KF801、KF803L、KF806L(昭和電工(株)製を3本接続して使用した)
カラム温度:40℃
試料濃度:0.5質量%
検出器:RI-2031plus(JASCO製)
ポンプ:RI-2080plus(JASCO製)
流量(流速):0.8ml/分
注入量:10μl
校正曲線:標準ポリスチレンShodex standard ポリスチレン(昭和電工(株)製)Mw=1320~2,500,000迄の10サンプルによる校正曲線を使用した。
<(メタ)アクリル系重合体A-2の作製>
2-エチルヘキシルメタクリレート(2-EHMA)、2-エチルヘキシルアクリレート(2-EHA)、ジエチルアクリルアミド(DEAA)を質量比で65:20:15となるように配合した以外は、<(メタ)アクリル系重合体A-1の作製>と同様にして(メタ)アクリル系重合体を得た。(メタ)アクリル系重合体の重量平均分子量は30万であった。
<(メタ)アクリル系重合体A-3の作製>
2-エチルヘキシルメタクリレート(2-EHMA)、2-エチルヘキシルアクリレート(2-EHA)、アクリロイルモルホリン(ACMO)を質量比で75:20:5となるように配合した以外は、<(メタ)アクリル系重合体A-1の作製>と同様にして(メタ)アクリル系重合体を得た。(メタ)アクリル系重合体の重量平均分子量は40万であった。
<(メタ)アクリル系重合体A-4の作製>
2-エチルヘキシルメタクリレート(2-EHMA)、2-エチルヘキシルアクリレート(2-EHA)、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(2-HEMA)を質量比で70:20:10となるように配合した以外は、<(メタ)アクリル系重合体A-1の作製>と同様にして(メタ)アクリル系重合体を得た。(メタ)アクリル系重合体の重量平均分子量は20万であった。
Figure 0007102729000001
(実施例1)
上記で得られた(メタ)アクリル系重合体A-1に固形分含有量が30質量%となるようにA-1と同じ組成比の単量体組成液を加えた。得られた混合液a-1 100質量部に対して、多官能単量体(新中村化学工業株式会社製、A-TMM-3L)を0.5質量部、光重合開始剤(BASF社製、Irg.1173)を1.5質量部加えて、粘着剤組成物を得た。
(実施例2)
(メタ)アクリル系重合体をA-2に変更しA-2と同じ組成比の単量体組成液を加えて混合液a-2を得た以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物を得た。
(実施例3)
(メタ)アクリル系重合体をA-3に変更しA-3と同じ組成比の単量体組成液を加えて混合液a-3を得た以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物を得た。
(比較例1)
(メタ)アクリル系重合体をA-4に変更しA-4と同じ組成比の単量体組成液を加えて混合液a-4を得た以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物を得た。
<粘着シートの作製>
実施例及び比較例で作製した粘着剤組成物を、シリコーン系剥離剤で処理された剥離剤層を備えた厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(第1の剥離シート)(王子エフテックス社製:38RL-07(2))の表面に、乾燥後の塗工厚みが150μm2になるようにアプリケーターで均一に塗工し、第1の剥離シートの表面に粘着剤層を形成した。次いで、この粘着剤層の表面に厚さ38μmの第2の剥離シート(王子エフテックス社製:38RL-07(L))に貼合して、積算光量が3000mJ/cm2となるように波長365nmの紫外線を照射して粘着剤層が剥離力差のある1対の剥離シートに挟まれた第1の剥離シート/粘着剤層/第2の剥離シートの構成を備える粘着シートを得た。
[評価]
<ゲル分率>
粘着剤層約0.1gをサンプル瓶に採取し、酢酸エチル30mlを加えて40℃環境下で24時間振とうした。その後、このサンプル瓶の内容物を150メッシュのステンレス製金網でろ別し、金網上の残留物を100℃で1時間乾燥して乾燥重量W(g)を測定した。得られた乾燥重量から下記式1によりゲル分率を求めた。
ゲル分率(%)=(乾燥重量/粘着剤層の採取重量)×100・・・式1
<比誘電率>
粘着剤層の比誘電率の評価は以下の手順で実施した。粘着剤層(粘着シートから第1の剥離シート及び第2の剥離シートを剥離したもの)を2枚の銅箔の間に挟み、オートクレーブ処理(40℃、0.5MPa、30分間)を実施した。その後、誘電体測定システム((株)東陽テクニカ製、1260型)によりJIS C 2138に基づいて比誘電率を測定した。周波数、測定環境は下記条件で測定した。
周波数:100kHz
測定環境:23℃、相対湿度50%
<耐湿熱白化性及び耐久性>
得られた粘着シートの片側の剥離シートを剥がして、粘着剤層に厚み38μmポリエチレンテレフタレートフィルムを貼り合わせ、50mm×50mmのサイズに裁断した。次いで、もう一方の剥離シートを剥がして、粘着剤層をガラス板に貼り合わせて試験片を作製した。作製した試験片の湿熱試験前のヘイズをヘイズメーターHM‐150((株)村上色彩技術研究所製)を用いて測定した後、85℃、相対湿度90%の環境下に静置した。500時間後に試験片を取り出し、23℃、相対湿度50%環境下で10分間静置した後、試験片のヘイズを測定した。湿熱試験前後のヘイズ差を下記式により算出し、下記基準で耐湿熱白化性を評価した。
ヘイズ差=湿熱試験後のヘイズ-湿熱試験前のヘイズ
○:湿熱試験前後のヘイズ差が1以下
△:湿熱試験前後のヘイズ差が1を超え3以下
×:湿熱試験前後のヘイズ差が3を超える
また、湿熱試験後の粘着剤層の密着状況を10倍ルーペで観察して剥離、気泡の有無を調べ、下記基準で耐久性を評価した。
○:剥離および気泡の発生なし。
×:剥離および/または気泡の発生有。
<粘着力>
得られた粘着シートの片側の剥離シートを剥がして、粘着剤層に厚み38μmポリエチレンテレフタレートフィルムを貼り合わせ、幅25mm、長さ50mmに裁断して試験片を作製した。次いで、試験片のもう一方の剥離シートを剥がし、粘着剤層をガラス板に貼り合わせた。試験片を180°方向に300mm/minの速度で剥離し、その剥離強度を測定し、粘着力とした。
そして、以下の基準で粘着力を評価した。
◎:30N/25mmを超える
○:25N/25mmを超え30N/25mm以下
△:20N/25mmを超え25N/25mm以下
×:20N/25mm以下
Figure 0007102729000002
上記表から、実施例で得られた粘着剤組成物は、比誘電率の低い粘着剤層であって、耐湿熱白化性と粘着力に優れた粘着剤層を形成し得るものであることがわかった。また、実施例で得られた粘着剤組成物は、耐久性にも優れた粘着剤層を形成し得るものであることがわかった。
1 剥離シート付き粘着シート
11 粘着シート(粘着剤層)
12a、12b 剥離シート

Claims (6)

  1. 炭素数が5~9の分岐アルキル基を有するメタクリル酸エステルに由来する単位(A)及び窒素含有単量体に由来する単位(B)を含む(メタ)アクリル系重合体と、
    光重合開始剤と、を含む粘着剤組成物であって、
    前記(メタ)アクリル系重合体の全質量に対する前記単位(B)の含有量は、5~20質量%であり、
    前記(メタ)アクリル系重合体の全質量に対する前記単位(A)の含有量は、50~90質量%であり、
    前記(メタ)アクリル系重合体は、架橋性官能基を有する(メタ)アクリル酸エステルに由来する単位を含まず、
    前記粘着剤組成物の硬化物である粘着剤層を形成した場合に前記粘着剤層の周波数100kHzでの比誘電率が3.5以下である粘着剤組成物。
  2. 前記単位(B)は、アクリルアミド誘導体に由来する単位である請求項1に記載の粘着剤組成物。
  3. 前記単位(B)は、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド及びアクリロイルモルホリンから選択される少なくとも1種に由来する単位である請求項1又は2に記載の粘着剤組成物。
  4. さらに多官能単量体を含む請求項1~3のいずれか1項に記載の粘着剤組成物。
  5. 粘着剤層を有し、
    前記粘着剤層が請求項1~4のいずれか1項に記載の粘着剤組成物の硬化物である粘着シート。
  6. 請求項1~4のいずれか1項に記載の粘着剤組成物の硬化物である粘着剤層と、前記粘着剤層の少なくとも一方の面側に被着体と、を有し、
    前記被着体が光学部材である積層体。
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