JP7102729B2 - 粘着剤組成物、粘着シート及び積層体 - Google Patents
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Description
具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
光重合開始剤と、を含む粘着剤組成物であって、
粘着剤組成物の硬化物である粘着剤層を形成した場合に粘着剤層の周波数100kHzでの比誘電率が3.5以下である粘着剤組成物。
[2] (メタ)アクリル系重合体の全質量に対する単位(B)の含有量は、5~20質量%である[1]に記載の粘着剤組成物。
[3] (メタ)アクリル系重合体の全質量に対する単位(A)の含有量は、50~90質量%である[1]又は[2]に記載の粘着剤組成物。
[4] 単位(B)は、アクリルアミド誘導体に由来する単位である[1]~[3]のいずれかに記載の粘着剤組成物。
[5] 単位(B)は、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド及びアクリロイルモルホリンから選択される少なくとも1種に由来する単位である[1]~[4]のいずれかに記載の粘着剤組成物。
[6] さらに多官能単量体を含む[1]~[5]のいずれかに記載の粘着剤組成物。
[7] 粘着剤層を有し、
粘着剤層が[1]~[6]のいずれかに記載の粘着剤組成物の硬化物である粘着シート。
[8] [1]~[6]のいずれかに記載の粘着剤組成物の硬化物である粘着剤層と、粘着剤層の少なくとも一方の面側に被着体と、を有し、
被着体が光学部材である積層体。
本発明は、炭素数が5~9の分岐アルキル基を有するメタクリル酸エステルに由来する単位(A)及び窒素含有単量体に由来する単位(B)を含む(メタ)アクリル系重合体と、光重合開始剤と、を含む粘着剤組成物に関する。ここで、粘着剤組成物の硬化物である粘着剤層を形成した場合に粘着剤層の周波数100kHzでの比誘電率は3.5以下である。
本発明の粘着剤組成物は、(メタ)アクリル系重合体を含む。(メタ)アクリル系重合体は、炭素数が5~9の分岐アルキル基を有するメタクリル酸エステルに由来する単位(A)及び窒素含有単量体に由来する単位(B)を含むものである。なお、本明細書において、「単位」は重合体を構成する繰り返し単位(単量体単位)である。
溶媒:テトラヒドロフラン
カラム:Shodex KF801、KF803L、KF806L(昭和電工(株)製を3本接続して使用した)
カラム温度:40℃
試料濃度:0.5質量%
検出器:RI-2031plus(JASCO製)
ポンプ:RI-2080plus(JASCO製)
流量(流速):0.8ml/min
注入量:10μl
校正曲線:標準ポリスチレンShodex standard ポリスチレン(昭和電工(株)製)Mw=1320~2,500,000迄の10サンプルによる校正曲線を使用した。
単位(A)は炭素数が5~9の分岐アルキル基を有するメタクリル酸エステルに由来する単位である。ここで、単位(A)は、炭素数が5~9のアルキル基を有し、かつこのようなアルキル基は分岐した構造であるため、モル体積が大きく、密度が小さい。このため、(メタ)アクリル系重合体が、単位(A)を含む場合、(メタ)アクリル系重合体のモル体積を大きくし、密度を小さくすることができる。また、単位(A)が炭素数が5~9のアルキル基を有することにより、ポリマーとしたときの体積収縮率を抑えることができ、(メタ)アクリル系重合体のモル体積を大きく維持することができるものと考えられる。これらの結果、比誘電率の低い粘着剤層を形成しやすくなる。
単位(B)は、窒素含有単量体に由来する単位である。本発明においては、(メタ)アクリル系重合体が単位(B)を含むことにより、粘着剤層の白化を効果的に抑止することができる。
<単位(C)>
(メタ)アクリル系重合体は、単位(A)及び単位(B)に加えて、更に、アクリル酸エステルに由来する単位(以下、「単位(C)」とする。)を含んでもよい。(メタ)アクリル系重合体は、単位(A)及び単位(B)に加えて、更に単位(C)を含むことで、粘着剤層としたときに凝集力がより高く、加工性及び耐久性により優れたものとなる。アクリル酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n-オクチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸n-ノニル、アクリル酸イソノニル、アクリル酸n-デシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル等が挙げられる。これらの中でも、比誘電率及び耐湿熱白化性の特性から、アクリル酸エステルはアクリル酸2-エチルヘキシルであることが好ましい。(メタ)アクリル系重合体における単位(C)の含有量は、(メタ)アクリル系重合体の全質量に対して、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましい。また、比誘電率と耐湿熱白化性とのバランスの点から、(メタ)アクリル系重合体における単位(C)の含有量は、(メタ)アクリル系重合体の全質量に対して、50質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましい。
本発明の粘着剤組成物は、光重合開始剤を含有する。光重合開始剤は、例えば、紫外線により(メタ)アクリル系重合体と反応する重合開始剤であることが好ましい。
アセトフェノン系開始剤として具体的には、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。
ベンゾインエーテル系開始剤として具体的には、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等が挙げられる。
ベンゾフェノン系開始剤として具体的には、ベンゾフェノン、o-ベンゾイル安息香酸メチル等が挙げられる。
ヒドロキシアルキルフェノン系開始剤として具体的には、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン等が挙げられる。
チオキサントン系開始剤として具体的には、2-イソプロピルチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン等が挙げられる。
アミン系開始剤として具体的には、トリエタノールアミン、4-ジメチル安息香酸エチル等が挙げられる。
なお、光重合開始剤としては1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本発明の粘着剤組成物は、さらに多官能単量体を含有することが好ましい。ここで、多官能単量体とは、分子内に反応性二重結合を2つ以上有する単量体である。
本発明の粘着剤組成物は、上述した成分以外の任意成分を含んでいてもよく、任意成分としては、例えば可塑剤を挙げることができる。粘着剤組成物に可塑剤が含まれる場合は、可塑剤の含有量は、(メタ)アクリル系重合体100質量部に対し、50質量部以下とすることが好ましく、30質量部以下とすることがより好ましく、10質量部以下とすることがさらに好ましい。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、ラクトン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等が挙げられる。これら酸化防止剤は1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
金属腐食防止剤としては、ベンゾリアゾール系樹脂を挙げることができる。
粘着付与剤として、例えば、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、クマロンインデン系樹脂、スチレン系樹脂、キシレン系樹脂、フェノール系樹脂、石油樹脂などが挙げられる。
シランカップリング剤としては、例えば、メルカプトアルコキシシラン化合物(例えば、メルカプト基置換アルコキシオリゴマー等)などが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物などが挙げられる。
本発明の粘着シートは、粘着剤層を有し、粘着剤層が上述した粘着剤組成物の硬化物である。本発明の粘着シートは、比誘電率が低く、耐湿熱白化性及び粘着力に優れる粘着剤層を有するため、タッチパネルを搭載した表示装置を構成する光学部材の接着に好ましく用いられる。
片面粘着シートとしては、支持体上に粘着剤層が積層した多層シートが挙げられる。また、支持体と粘着剤層との間には他の層が設けられていてもよい。
両面粘着シートとしては、粘着剤層からなる単層の粘着シート、粘着剤層を複数積層した多層の粘着シート、粘着剤層と粘着剤層の間に他の粘着剤層を積層した多層の粘着シート、粘着剤層と粘着剤層の間に支持体を積層した多層の粘着シートが挙げられる。両面粘着シートが支持体を有する場合、支持体として透明な支持体を用いたものが好ましい。このような両面粘着シートは、粘着シート全体としての透明性にも優れることから、光学部材同士の接着に好適に用いることができる。
本発明の粘着シートは上述した中でも、支持体を有さないノンキャリアタイプが好ましく、粘着剤層からなる単層の粘着シート、又は粘着剤層を複数積層した多層の粘着シートが好ましく、粘着剤層からなる単層の両面粘着シートが特に好ましい。
図1は、剥離シート付き粘着シートの構成の一例を表す断面図である。図1に示された粘着シート11は剥離シート(12a、12b)を有している。なお、図1の粘着シート11は、ノンキャリアタイプの単層の粘着シートであり、両面粘着シートである。
剥離性積層シートにおける剥離シート用基材には、紙類、高分子フィルムが使用される。剥離剤層を構成する剥離剤としては、例えば、汎用の付加型もしくは縮合型のシリコーン系剥離剤や長鎖アルキル基含有化合物が用いられる。特に、反応性が高い付加型シリコーン系剥離剤が好ましく用いられる。
シリコーン系剥離剤としては、具体的には、東レ・ダウコーニングシリコーン社製のBY24-4527、SD-7220等や、信越化学工業(株)製のKS-3600、KS-774、X62-2600などが挙げられる。また、シリコーン系剥離剤中にSiO2単位と(CH3)3SiO1/2単位あるいはCH2=CH(CH3)SiO1/2単位を有する有機珪素化合物であるシリコーンレジンを含有することが好ましい。シリコーンレジンの具体例としては、東レ・ダウコーニングシリコーン社製のBY24-843、SD-7292、SHR-1404等や、信越化学工業(株)製のKS-3800、X92-183等が挙げられる。
なお、粘着剤層の比誘電率は、100kHzの周波数における比誘電率であって、JIS C 2138に規定される方法で算出される値を用いる。
ヘイズ差=湿熱試験後のヘイズ-湿熱試験前のヘイズ
粘着剤層のゲル分率は、以下の方法で算定できる。まず、粘着剤層約0.1gをサンプル瓶に採取し、酢酸エチル30mlを加えて40℃環境下で24時間振とうする。その後、このサンプル瓶の内容物を150メッシュのステンレス製金網でろ別し、金網上の残留物を100℃で1時間乾燥して乾燥重量W(g)を測定する。得られた乾燥重量から下記式1によりゲル分率を求める。
ゲル分率(%)=(乾燥重量/粘着剤層の採取重量)×100・・・式1
粘着シートの製造工程は、剥離シート上に粘着剤組成物を塗工して塗膜を形成する工程と、この塗膜の上にもう一枚の剥離シートを貼りあわせたものに光照射することで硬化させる工程を含むことが好ましい。
本発明の粘着シートを使用する場合、粘着シートの粘着剤層を露出させた状態で被着体表面に接触させる。
本発明の積層体は、上述した粘着剤組成物の硬化物である粘着剤層と、粘着剤層の少なくとも一方の面側に被着体と、を有する。ここで、被着体は光学部材であることが好ましい。中でも、被着体は液晶モジュールを有する画像表示装置を構成する光学部材又はタッチパネルを構成する光学部材であることが好ましい。
タッチパネルの構成部材としては、例えば透明樹脂フィルムにITO膜が設けられたITOフィルム、ガラス板の表面にITO膜が設けられたITOガラス、透明樹脂フィルムに導電性ポリマーをコーティングした透明導電性フィルム、ハードコートフィルム、耐指紋性フィルムなどが挙げられる。本発明の粘着シートは、タッチパネルと画像表示装置の積層用であることが好ましく、タッチペンを用いるタッチパネルと画像表示装置の積層用であることがより好ましい。この観点から、本発明の粘着シートの被着体としては、透明樹脂フィルムにITO膜が設けられたITOフィルム、ガラス板の表面にITO膜が設けられたITOガラス、透明樹脂フィルムに導電性ポリマーをコーティングした透明導電性フィルムが好ましく、これらガラスやフィルムの裏面(導電層が無い面)に粘着シートを貼着することが好ましい。
画像表示装置の構成部材としては、例えば液晶表示装置に用いられる反射防止フィルム、配向フィルム、偏光フィルム、位相差フィルム、輝度向上フィルムなどが挙げられる。
これらの部材に用いられる材料としては、ガラス、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンナフタレート、シクロオレフィンポリマー、トリアセチルセルロース、ポリイミド、セルロースアシレートなどが挙げられる。なお、これらのフィルムの粘着剤層に接する側にはハードコート層などの機能層を設けていても良い。
窒素ガス導入管と攪拌装置を備えた反応容器に2-エチルヘキシルメタクリレート(2-EHMA)、2-エチルヘキシルアクリレート(2-EHA)、ジメチルアクリルアミド(KJケミカルズ株式会社、DMAA)を質量比で70:20:10となるように配合し、光重合開始剤(BASF社製、Irg.1173)3質量部を溶液へ溶解した。容器内の空気を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら波長365nmに出力ピークを有する紫外線を照射して(メタ)アクリル系重合体を得た。(メタ)アクリル系重合体の重量平均分子量は20万であった。
なお、(メタ)アクリル系重合体の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定し、ポリスチレン基準で求めた。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)の測定条件は以下のとおりである。
溶媒:テトラヒドロフラン
カラム:Shodex KF801、KF803L、KF806L(昭和電工(株)製を3本接続して使用した)
カラム温度:40℃
試料濃度:0.5質量%
検出器:RI-2031plus(JASCO製)
ポンプ:RI-2080plus(JASCO製)
流量(流速):0.8ml/分
注入量:10μl
校正曲線:標準ポリスチレンShodex standard ポリスチレン(昭和電工(株)製)Mw=1320~2,500,000迄の10サンプルによる校正曲線を使用した。
2-エチルヘキシルメタクリレート(2-EHMA)、2-エチルヘキシルアクリレート(2-EHA)、ジエチルアクリルアミド(DEAA)を質量比で65:20:15となるように配合した以外は、<(メタ)アクリル系重合体A-1の作製>と同様にして(メタ)アクリル系重合体を得た。(メタ)アクリル系重合体の重量平均分子量は30万であった。
2-エチルヘキシルメタクリレート(2-EHMA)、2-エチルヘキシルアクリレート(2-EHA)、アクリロイルモルホリン(ACMO)を質量比で75:20:5となるように配合した以外は、<(メタ)アクリル系重合体A-1の作製>と同様にして(メタ)アクリル系重合体を得た。(メタ)アクリル系重合体の重量平均分子量は40万であった。
2-エチルヘキシルメタクリレート(2-EHMA)、2-エチルヘキシルアクリレート(2-EHA)、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(2-HEMA)を質量比で70:20:10となるように配合した以外は、<(メタ)アクリル系重合体A-1の作製>と同様にして(メタ)アクリル系重合体を得た。(メタ)アクリル系重合体の重量平均分子量は20万であった。
上記で得られた(メタ)アクリル系重合体A-1に固形分含有量が30質量%となるようにA-1と同じ組成比の単量体組成液を加えた。得られた混合液a-1 100質量部に対して、多官能単量体(新中村化学工業株式会社製、A-TMM-3L)を0.5質量部、光重合開始剤(BASF社製、Irg.1173)を1.5質量部加えて、粘着剤組成物を得た。
(メタ)アクリル系重合体をA-2に変更しA-2と同じ組成比の単量体組成液を加えて混合液a-2を得た以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物を得た。
(メタ)アクリル系重合体をA-3に変更しA-3と同じ組成比の単量体組成液を加えて混合液a-3を得た以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物を得た。
(メタ)アクリル系重合体をA-4に変更しA-4と同じ組成比の単量体組成液を加えて混合液a-4を得た以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物を得た。
実施例及び比較例で作製した粘着剤組成物を、シリコーン系剥離剤で処理された剥離剤層を備えた厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(第1の剥離シート)(王子エフテックス社製:38RL-07(2))の表面に、乾燥後の塗工厚みが150μm2になるようにアプリケーターで均一に塗工し、第1の剥離シートの表面に粘着剤層を形成した。次いで、この粘着剤層の表面に厚さ38μmの第2の剥離シート(王子エフテックス社製:38RL-07(L))に貼合して、積算光量が3000mJ/cm2となるように波長365nmの紫外線を照射して粘着剤層が剥離力差のある1対の剥離シートに挟まれた第1の剥離シート/粘着剤層/第2の剥離シートの構成を備える粘着シートを得た。
<ゲル分率>
粘着剤層約0.1gをサンプル瓶に採取し、酢酸エチル30mlを加えて40℃環境下で24時間振とうした。その後、このサンプル瓶の内容物を150メッシュのステンレス製金網でろ別し、金網上の残留物を100℃で1時間乾燥して乾燥重量W(g)を測定した。得られた乾燥重量から下記式1によりゲル分率を求めた。
ゲル分率(%)=(乾燥重量/粘着剤層の採取重量)×100・・・式1
粘着剤層の比誘電率の評価は以下の手順で実施した。粘着剤層(粘着シートから第1の剥離シート及び第2の剥離シートを剥離したもの)を2枚の銅箔の間に挟み、オートクレーブ処理(40℃、0.5MPa、30分間)を実施した。その後、誘電体測定システム((株)東陽テクニカ製、1260型)によりJIS C 2138に基づいて比誘電率を測定した。周波数、測定環境は下記条件で測定した。
周波数:100kHz
測定環境:23℃、相対湿度50%
得られた粘着シートの片側の剥離シートを剥がして、粘着剤層に厚み38μmポリエチレンテレフタレートフィルムを貼り合わせ、50mm×50mmのサイズに裁断した。次いで、もう一方の剥離シートを剥がして、粘着剤層をガラス板に貼り合わせて試験片を作製した。作製した試験片の湿熱試験前のヘイズをヘイズメーターHM‐150((株)村上色彩技術研究所製)を用いて測定した後、85℃、相対湿度90%の環境下に静置した。500時間後に試験片を取り出し、23℃、相対湿度50%環境下で10分間静置した後、試験片のヘイズを測定した。湿熱試験前後のヘイズ差を下記式により算出し、下記基準で耐湿熱白化性を評価した。
ヘイズ差=湿熱試験後のヘイズ-湿熱試験前のヘイズ
○:湿熱試験前後のヘイズ差が1以下
△:湿熱試験前後のヘイズ差が1を超え3以下
×:湿熱試験前後のヘイズ差が3を超える
また、湿熱試験後の粘着剤層の密着状況を10倍ルーペで観察して剥離、気泡の有無を調べ、下記基準で耐久性を評価した。
○:剥離および気泡の発生なし。
×:剥離および/または気泡の発生有。
得られた粘着シートの片側の剥離シートを剥がして、粘着剤層に厚み38μmポリエチレンテレフタレートフィルムを貼り合わせ、幅25mm、長さ50mmに裁断して試験片を作製した。次いで、試験片のもう一方の剥離シートを剥がし、粘着剤層をガラス板に貼り合わせた。試験片を180°方向に300mm/minの速度で剥離し、その剥離強度を測定し、粘着力とした。
そして、以下の基準で粘着力を評価した。
◎:30N/25mmを超える
○:25N/25mmを超え30N/25mm以下
△:20N/25mmを超え25N/25mm以下
×:20N/25mm以下
11 粘着シート(粘着剤層)
12a、12b 剥離シート
Claims (6)
- 炭素数が5~9の分岐アルキル基を有するメタクリル酸エステルに由来する単位(A)及び窒素含有単量体に由来する単位(B)を含む(メタ)アクリル系重合体と、
光重合開始剤と、を含む粘着剤組成物であって、
前記(メタ)アクリル系重合体の全質量に対する前記単位(B)の含有量は、5~20質量%であり、
前記(メタ)アクリル系重合体の全質量に対する前記単位(A)の含有量は、50~90質量%であり、
前記(メタ)アクリル系重合体は、架橋性官能基を有する(メタ)アクリル酸エステルに由来する単位を含まず、
前記粘着剤組成物の硬化物である粘着剤層を形成した場合に前記粘着剤層の周波数100kHzでの比誘電率が3.5以下である粘着剤組成物。 - 前記単位(B)は、アクリルアミド誘導体に由来する単位である請求項1に記載の粘着剤組成物。
- 前記単位(B)は、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド及びアクリロイルモルホリンから選択される少なくとも1種に由来する単位である請求項1又は2に記載の粘着剤組成物。
- さらに多官能単量体を含む請求項1~3のいずれか1項に記載の粘着剤組成物。
- 粘着剤層を有し、
前記粘着剤層が請求項1~4のいずれか1項に記載の粘着剤組成物の硬化物である粘着シート。 - 請求項1~4のいずれか1項に記載の粘着剤組成物の硬化物である粘着剤層と、前記粘着剤層の少なくとも一方の面側に被着体と、を有し、
前記被着体が光学部材である積層体。
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