JP7279339B2 - 粘着シート、積層体及び積層体の製造方法 - Google Patents
粘着シート、積層体及び積層体の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7279339B2 JP7279339B2 JP2018207144A JP2018207144A JP7279339B2 JP 7279339 B2 JP7279339 B2 JP 7279339B2 JP 2018207144 A JP2018207144 A JP 2018207144A JP 2018207144 A JP2018207144 A JP 2018207144A JP 7279339 B2 JP7279339 B2 JP 7279339B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pressure
- meth
- sensitive adhesive
- adhesive sheet
- adhesive layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Description
そこで本発明者らは、このような従来技術の課題を解決するために、耐湿熱白化性に優れた粘着シートであって、かつ段差追従性と偏光板耐久性にも優れた粘着シートを提供することを目的として検討を進めた。
具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
(メタ)アクリル系共重合体は、第1の(メタ)アクリルモノマーに由来する単位及び第2の(メタ)アクリルモノマーに由来する単位を含み、
第1の(メタ)アクリルモノマーのSP値と、溶剤のSP値の差は、1.50以下であり、
第2の(メタ)アクリルモノマーのSP値と、溶剤のSP値の差は、1.70よりも大きく、
(メタ)アクリル系共重合体における水酸基を有するモノマーに由来する単位の含有量は、(メタ)アクリル系共重合体の全質量に対して、5質量%以下であり、
粘着剤組成物における熱硬化型架橋剤の含有量が0.1質量%未満である粘着シート。
[2] 第1の(メタ)アクリルモノマーのSP値が7.5以上10.5以下である[1]に記載の粘着シート。
[3] 第2の(メタ)アクリルモノマーのSP値が10.5以上20.0以下である[1]又は[2]に記載の粘着シート。
[4] 第2の(メタ)アクリルモノマーをホモポリマーとした時のガラス転移温度(Tg)が、50℃以上である[1]~[3]のいずれかに記載の粘着シート。
[5] 粘着剤層は、さらに光重合開始剤と多官能モノマーを含み、活性エネルギー線硬化能を有する[1]~[4]のいずれかに記載の粘着シート。
[6] 粘着剤層の周波数1MHzでの比誘電率が4.0以下である[1]~[5]のいずれかに記載の粘着シート。
[7] 粘着剤層は後硬化能を有する粘着剤層であって、
後硬化前の粘着剤層のゲル分率が5%以下である[1]~[6]のいずれかに記載の粘着シート。
[8] 粘着剤層を85℃、相対湿度85%の環境下に240時間静置後、23℃、相対湿度50%の環境下に1時間静置した後に測定したヘーズが1.0%未満である[1]~[7]のいずれかに記載の粘着シート。
[9] [5]~[8]のいずれかに記載の粘着シートの粘着剤層に活性エネルギー線を照射して後硬化させた後硬化後の粘着剤層と、後硬化後の粘着剤層の少なくとも一方の面側に光学部材を備える積層体。
[10] [5]~[8]のいずれかに記載の粘着シートの粘着剤層を光学部材に対して貼合した後、活性エネルギー線を照射して粘着剤層を後硬化させる工程を含む積層体の製造方法。
本発明は、溶剤と、(メタ)アクリル系共重合体とを含む粘着剤組成物から形成される粘着剤層を有する粘着シートに関する。ここで、(メタ)アクリル系共重合体は、第1の(メタ)アクリルモノマーに由来する単位及び第2の(メタ)アクリルモノマーに由来する単位を含み、第1の(メタ)アクリルモノマーのSP値と、溶剤のSP値の差は、1.50以下であり、第2の(メタ)アクリルモノマーのSP値と、溶剤のSP値の差は、1.70よりも大きい。そして、(メタ)アクリル系共重合体における水酸基を有するモノマーに由来する単位の含有量は、(メタ)アクリル系共重合体の全質量に対して、5質量%以下であり、粘着剤組成物における熱硬化型架橋剤の含有量が0.1質量%未満である。
本発明の粘着シートは、粘着剤層を有する。粘着シートは、粘着剤層のみから構成される単層の粘着シートであってもよい。また、粘着シートは、片面に基材(好ましくは透明基材)を備えた片面粘着シートでも、両面粘着シートでもよい。両面粘着シートとしては、粘着剤層からなる単層の粘着シート、粘着剤層を複数積層した多層の粘着シート、粘着剤層と粘着剤層の間に他の粘着剤層を積層した多層の粘着シート、粘着剤層と粘着剤層の間に支持体を積層した多層の粘着シート、支持体の片面に粘着剤層が積層し、他方の面に他の粘着剤層が積層した多層の粘着シートが挙げられる。両面粘着シートが支持体を有する場合、支持体として透明な支持体を用いたものが好ましい。支持体としては、透明基材と同様に光学分野に用いられる一般的なフィルムを用いることができる。このような両面粘着シートは、粘着シート全体としての透明性にも優れることから、光学部材同士の接着に好適に用いることができる。
剥離性積層シートにおける剥離シート用基材には、紙類、高分子フィルムが使用される。剥離剤層を構成する剥離剤としては、例えば、汎用の付加型もしくは縮合型のシリコーン系剥離剤や長鎖アルキル基含有化合物が用いられる。特に、反応性が高い付加型シリコーン系剥離剤が好ましく用いられる。
シリコーン系剥離剤としては、具体的には、東レ・ダウコーニングシリコーン社製のBY24-4527、SD-7220等や、信越化学工業(株)製のKS-3600、KS-774、X62-2600などが挙げられる。また、シリコーン系剥離剤中にSiO2単位と(CH3)3SiO1/2単位あるいはCH2=CH(CH3)SiO1/2単位を有する有機珪素化合物であるシリコーンレジンを含有することが好ましい。シリコーンレジンの具体例としては、東レ・ダウコーニングシリコーン社製のBY24-843、SD-7292、SHR-1404等や、信越化学工業(株)製のKS-3800、X92-183等が挙げられる。
剥離性積層シートとして、市販品を用いてもよい。例えば、帝人デュポンフィルム(株)製の離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルムである重セパレータフィルムや、帝人デュポンフィルム(株)製の離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルムである軽セパレータフィルムを挙げることができる。
本発明の粘着シートは粘着剤層を有し、この粘着剤層の周波数1MHzでの比誘電率は、4.0以下であることが好ましく、3.7以下であることがより好ましい。なお、粘着シートの比誘電率の下限値は特に限定されるものではないが、2以上であることが好ましい。粘着シートの比誘電率を上記範囲内とすることにより、粘着シートを静電容量タッチパネルの貼合に用いた場合であっても、タッチパネルの誤作動を抑制しやすくなる。なお、粘着シートの比誘電率は、(メタ)アクリル系共重合体における水酸基を有するモノマーに由来する単位の含有量を5質量%以下とすることで達成される。
ゲル分率(%)=(乾燥質量/粘着剤層の採取質量)×100・・・式1
(メタ)アクリル系共重合体は、第1の(メタ)アクリルモノマーに由来する単位及び第2の(メタ)アクリルモノマーに由来する単位を含む。なお、本明細書において、「単位」は重合体を構成する繰り返し単位(単量体単位)である。ここで、第1の(メタ)アクリルモノマーのSP値と、溶剤のSP値の差は、1.50以下である。すなわち、第1の(メタ)アクリルモノマーのSP値と、溶剤のSP値の差は、0~1.50である。また、第2の(メタ)アクリルモノマーのSP値と、溶剤のSP値の差は、1.70よりも大きい。
第1の(メタ)アクリルモノマーのSP値は、7.5以上であることが好ましく、8.0以上であることがより好ましい。また、第1の(メタ)アクリルモノマーのSP値は、10.5以下であることが好ましく、10.0以下であることがより好ましく、9.5以下であることがさらに好ましい。なお、この場合に粘着剤組成物に用いる溶剤としては、例えば、酢酸エチル、トルエン、メチルエチルケトン等を挙げることができる。
第2の(メタ)アクリルモノマーのSP値は、10.5以上であることが好ましい。また、第2の(メタ)アクリルモノマーのSP値は、20.0以下であることが好ましく、18.0以下であることがより好ましく、16.0以下であることがさらに好ましい。
(メタ)アクリル系共重合体は、第1の(メタ)アクリルモノマーと第2の(メタ)アクリルモノマーに加えてさらに、水酸基含有(メタ)アクリレートを含んでいてもよい。水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロシキブチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート及び8-ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。中でも、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及び4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートから選択される少なくとも1種は好ましく用いられる。
(メタ)アクリル系共重合体は、上述した(メタ)アクリレートモノマーに由来する単位の他に、さらに他の単量体由来単位を含んでいてもよい。他の単量体としては、架橋性官能基を有する(メタ)アクリル酸エステルを挙げることができる。この場合、(メタ)アクリル酸エステルが有する架橋性官能基としては、カルボキシ基、アミノ基、アミド基、グリシジル基、イソシアネート基等を挙げることができる。
粘着剤層を形成する粘着剤組成物は、溶剤を含む。この場合、溶剤は、粘着剤組成物の塗工適性の向上のために用いられる。溶剤としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の炭化水素類;ジクロロメタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ジクロロプロパン等のハロゲン化炭化水素類;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルアルコール、ジアセトンアルコール等のアルコール類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、酪酸エチル等のエステル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセタート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート等のポリオール及びその誘導体が挙げられる。第1の(メタ)アクリルモノマーや第2の(メタ)アクリルモノマーとのSP値との関係性を考慮し、溶剤を選択することが好ましく、特に酢酸エチル、トルエンが好ましく用いられる。
粘着剤層を形成する粘着剤組成物は、光重合開始剤を含有することが好ましい。光重合開始剤は、活性エネルギー線照射により後述する(メタ)アクリル系共重合体や多官能単量体の重合を開始させるものであることが好ましい。ここで、「活性エネルギー線」とは電磁波または荷電粒子線の中でエネルギー量子を有するものを意味し、紫外線、電子線、可視光線、X線、イオン線等が挙げられる。中でも、汎用性の点から、紫外線または電子線が好ましく、紫外線が特に好ましい。
アセトフェノン系開始剤として具体的には、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。
ベンゾインエーテル系開始剤として具体的には、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等が挙げられる。
ベンゾフェノン系開始剤として具体的には、2、4、6ートリメチルベンゾフェノン、4-メチルベンゾフェノン、o-ベンゾイル安息香酸メチル等が挙げられる。
ヒドロキシアルキルフェノン系開始剤として具体的には、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン(BASFジャパン(株)製、IRGACURE184として市販)等が挙げられる。
チオキサントン系開始剤として具体的には、2-イソプロピルチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン等が挙げられる。
アミン系開始剤として具体的には、トリエタノールアミン、4-ジメチル安息香酸エチル等が挙げられる。
アシルフォスフィンオキシド系開始剤として具体的には、フェニルビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド(BASFジャパン(株)製、IRGACURE819として市販)等が挙げられる。
粘着剤層を形成する粘着剤組成物は、分子内に反応性二重結合を2つ以上有する多官能モノマーを含有することが好ましい。
粘着剤層を形成する粘着剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記以外の他の成分を含有してもよい。他の成分としては、粘着剤用の添加剤として公知の成分を挙げることができる。例えば可塑剤、酸化防止剤、金属腐食防止剤、粘着付与剤、シランカップリング剤、ヒンダードアミン系化合物等の光安定剤等の中から必要に応じて選択できる。また、着色を目的に染料や顔料を添加してもよい。
可塑剤としては、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニル、安息香酸ビニルのようなカルボン酸ビニルエステル類やスチレン等が挙げられる。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、ラクトン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等が挙げられる。これら酸化防止剤は1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
金属腐食防止剤としては、粘着剤の相溶性や効果の高さから、ベンゾトリアゾール系樹脂を好ましい例として挙げることができる。
粘着付与剤として、例えば、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、クマロンインデン系樹脂、スチレン系樹脂、キシレン系樹脂、フェノール系樹脂、石油樹脂などが挙げられる。
シランカップリング剤としては、例えば、メルカプトアルコキシシラン化合物(例えば、メルカプト基置換アルコキシオリゴマー等)などが挙げられる。
本発明の粘着シートの製造方法は、剥離シート上に粘着剤組成物を塗工して塗膜を形成する工程を含むことが好ましい。粘着剤組成物の塗工は、公知の塗工装置を用いて実施できる。塗工装置としては、例えば、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、ロッドブレードコーター、リップコーター、ダイコーター、カーテンコーター等が挙げられる。
本発明の粘着シートは、光学部材貼合用であることが好ましい。特に、本発明の粘着シートは、高温高湿条件下においても耐久性が必要とされる光学部材の貼合用として好ましく用いられる。また、本発明の粘着シートは、形状が複雑で積層体になってからの打抜き加工や切削加工が必要な用途にも好ましく用いられる。
本発明は、上述した粘着シートと被着体を有する積層体に関するものでもある。粘着剤層が、例えば、多官能モノマー及び光重合開始剤を含む粘着シートである場合、積層体は、粘着シートの粘着剤層に活性エネルギー線を照射して後硬化させた後硬化後の粘着剤層と、後硬化後の粘着剤層の少なくとも一方の面側に光学部材を備える積層体であることが好ましい。ここで、被着体は、基材および光学部材であることがより好ましく、ポリカーボネート基材、偏光板、透明フィルム、透明樹脂またはガラスであることが特に好ましい。
これらの部材に用いられる材料としては、ガラス、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンナフタレート、シクロオレフィンポリマー、トリアセチルセルロース、ポリイミド、セルロースアシレートなどが挙げられる。
粘着剤層が、例えば、多官能モノマー及び光重合開始剤を含むものである場合、積層体の製造方法は、上述した粘着シートの粘着剤層を被着体に対して未硬化状態で貼合した後、活性エネルギー線を照射して粘着剤層を後硬化させる工程を含むことが好ましい。活性エネルギー線を照射する前は、粘着シートの粘着剤層は未硬化状態であることから、被着体への初期密着性が良好であり、段差追従性が良好である。このように、粘着シートを被着体に貼合した後、粘着剤層を活性エネルギー線で硬化させることで、粘着剤層の凝集力が高まり、被着体への粘着性が向上する。また、硬化した粘着剤層は被着体が変形したり、歪んだりすることを防止できる。
紫外線の光源としては、例えば、高圧水銀灯、低圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク、キセノンアーク、無電極紫外線ランプ等を使用できる。
電子線としては、例えば、コックロフトワルト型、バンデクラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種類の電子線加速器から放出される電子線を使用できる。
紫外線の照射出力は、積算光量が100~10000mJ/cm2となるようにすることが好ましく、500~5000mJ/cm2となるようにすることがより好ましい。
((メタ)アクリル系共重合体の合成)
撹拌機、還流冷却機を備えたセパラブルフラスコに単量体(a1)として2-エチルヘキシルアクリレート(2-EHA)83質量部、単量体(a2)としてアクリルアミド(AAm)15質量部、単量体(a3)として4-ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA)2質量部、重合開始剤として2,2'-アゾビス-2,4-ジメチルバレロニトリル0.1質量部、溶剤として酢酸エチル77質量部を添加して、30分以上窒素ガスを導入し、重合系内の酸素を除去した。70℃まで1℃/1minの速度で昇温し、70±1℃に保ったまま4時間攪拌後、2,2'-アゾビス-2,4-ジメチルバレロニトリル0.07質量部を加えて反応温度を78℃に昇温し、78±1℃にて2時間保ち熟成した。反応終了後、酢酸エチルを加えて冷却することで、アクリル系共重合体Aを含む主剤A(固形分濃度40質量%)を得た。得られたアクリル系共重合体AのGPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量Mwは33万であった。
得られた主剤Aのアクリル系共重合体A100質量部に対し、水素引抜型光重合開始剤(Lanberti社製:エザキュアTZT)1.5質量部と、アクリルモノマー(新中村化学社製:ATM-4PL)3質量部を加え、均一になるまで撹拌し、粘着剤組成物を得た。
第1のセパレーターの離型面上に、乾燥後の塗膜厚が100μmとなるように粘着剤組成物をアプリケーターにて塗布し、100℃で5分間乾燥後、剥離力が異なる第2のセパレーターの離型面を貼り合わせることにより粘着シートを得た。
((メタ)アクリル系共重合体の合成)において、単量体(a2)をメチルメタクリレート(MMA)に変更した以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物と粘着シートを得た。
((メタ)アクリル系共重合体の合成)において、単量体(a1)をブチルアクリレート(BA)に変更した以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物と粘着シートを得た。
((メタ)アクリル系共重合体の合成)において、単量体(a2)をメチルメタクリレート(MMA)に変更した以外は、実施例3と同様にして粘着剤組成物と粘着シートを得た。
(アクリル系共重合体の合成)において、単量体(a2)を2-ヒドロキシエチルアクリレート(2HEA)に変更した以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物と粘着シートを得た。
((メタ)アクリル系共重合体の合成)において、単量体(a1)をブチルアクリレート(BA)に変更し、単量体(a2)をアクリル酸2-メトキシエチル(2MTA)に変更した以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物を得た。次いで、(粘着剤組成物の作製)において、架橋剤として東ソー(株)製コロネートL-55Eをアクリル系共重合体100質量部に対して0.1質量部添加し、光重合開始剤を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物と粘着シートを得た。
((メタ)アクリル系共重合体の合成)において、単量体(a2)をメチルメタクリレート(MMA)とした他は実施例1と同様にして粘着剤組成物と粘着シートを得た。
(粘着剤組成物の作製)において、架橋剤として東ソー(株)製コロネートL-55Eをアクリル系共重合体100質量部に対して0.1質量部添加した以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物と粘着シートを得た。
<SP値>
粘着シートに含まれる(メタ)アクリル系共重合体を構成するモノマーについて、J.Smallが提唱しているSmall式(P.A.J.Small:J.Appl.Chem.,3,71(1953))による計算値を参考にしてSP値を決定した。なお、(メタ)アクリル系共重合体を構成するモノマー種が不明である場合には、粘着シートに含まれるアクリル系共重合体を構成するモノマー種をGC-MS及びFT-IR分析により同定し、その後に、上記と同様にしてSP値を決定した。
アクリル系共重合体中の水酸基含有モノマー単位の含有量は、IR分析とGC-MS分析により算出した。
<耐湿熱白化性>
粘着シートの第1のセパレーター(軽剥離セパレーター)を剥がし、透明ガラス板に貼合した後、第2のセパレーター(重剥離セパレーター)を剥がし、もう1枚の透明ガラス板と貼合した。その後、高圧水銀ランプを積算光量が2000mJ/cm2となるように照射し、粘着シートをUV硬化した。その後85℃、相対湿度85%の環境に240時間静置後、23℃、相対湿度50%の環境下に1時間静置後にヘーズメーターにてヘーズ(%)を測定し、以下の評価基準で評価した。
○:ヘーズ<1%
×:ヘーズ≧1%
粘着シート(粘着剤層)約0.1gをサンプル瓶に採取し、粘着剤組成物に含有されていた主溶剤30mlを加えて24時間振とうした。その後、このサンプル瓶の内容物を150メッシュのステンレス製金網でろ別し、金網上の残留物を100℃で1時間乾燥して乾燥質量(g)を測定した。得られた乾燥質量から下記式1によりゲル分率を求めた。
ゲル分率(%)=(乾燥質量/粘着シートの採取質量)×100・・・式1
第1のセパレーター(軽剥離セパレーター)を剥離した粘着シートを、一方の面に額縁印刷を施したガラスの額縁印刷面上に、ロール貼合した。その後、第2のセパレーター(重剥離セパレーター)を剥がし、透明ガラス板と真空貼合した。次いで、40℃、0.5MPaの条件で30分間オートクレーブ処理を行った。その後、額縁印刷付ガラス側より高圧水銀ランプを積算光量が2000mJ/cm2となるように照射し、85℃の環境下に24時間置き、気泡の発生有無を確認した。
○:気泡なし
×:気泡有
第1のセパレーター(軽剥離セパレーター)を剥離した粘着シートを、一方の面に額縁印刷を施したガラスの額縁印刷面上に、ロール貼合した。その後、第2のセパレーター(重剥離セパレーター)を剥がし、偏光板を貼合したガラスの偏光板面と真空貼合した。次いで、40℃、0.5MPaの条件で30分間オートクレーブ処理を行った。その後、額縁印刷付ガラス側より高圧水銀ランプを積算光量が2000mJ/cm2となるように照射し、85℃の環境下に24時間置き、気泡の発生有無を確認した。
○:気泡なし
×:気泡有
作製した粘着シートを幅50mm、長さ50mmの寸法に切り出し、該粘着シートの第1のセパレーターを剥離し、100mm×100mm×18μmの寸法の銅箔(日本電解株式会社製、商品名「SLP-18」)の光沢面側を粘着シートがはみ出さないように貼り合わせた。次いで、第2のセパレーターを剥離し、20mm×20mm×18μmの寸法の銅箔(日本電解株式会社製、商品名「SLP-18」)の光沢面側を粘着シートがはみ出さないように貼り合わせた。100mm×100mmの寸法の銅箔及び20mm×20mmの寸法の銅箔のそれぞれのほぼ中央部に端子を接触させて、誘電率測定装置(Solartoron製、商品名「SI1260」)により、23℃、相対湿度50%、周波数1MHzの条件で静電容量(C)を測定し、以下の式により誘電率εrを算出した。
C=ε0×εr×(20mm×20mm)/d
なお、ε0は真空の誘電率、dは粘着シートの厚さである。
剥離シート付き粘着シート(厚み100μm)から長さ30mm×幅30mmのサイズでシート片を切り出した。シート片の剥離シートの片側を剥離し、剥き出しにした粘着シート(粘着剤層)を、予め50mm角に切り出しておいた剥離シート(A71 100μm:帝人デュポンフィルム)のシリコーン処理面に貼り付けた。その後、シート片上に残っている他方の剥離シートの上に、別途50mm角に切り出しておいた剥離シート(A38#50:帝人デュポンフィルム)のシリコーン処理面を被せた。その後、プレス試験機(東洋精機社製:MP-WNL)を用いて、プレス部の温度を25℃に設定し、0.2MPaの圧力で5分間加圧した。その後、粘着剤層が剥離シートの各辺から外側に広がった距離を測定した。具体的には、剥離シートの各辺における粘着剤層が最も広がっている点との距離(最大距離)を測定し、四辺の平均値をウーズ値とし、以下の評価基準で評価した。
○:ウーズ値が1.5mm以下
×:ウーズ値が1.5mm超え
一方、(メタ)アクリル系共重合体における水酸基を有するモノマーに由来する単位の含有量が多い比較例1では、偏光板耐久性が劣っていた。また、第2の(メタ)アクリルモノマーのSP値と、溶剤のSP値の差は、1.70以下である、比較例2と3では耐湿熱白化性が劣っていた。熱架橋剤を含む比較例2や比較例4では、段差追従性が劣っていた。
11 粘着剤層
12a 剥離シート
12b 剥離シート
20 積層体
21 粘着シート
22 基材
24 光学部材
27a、27b、27c、27d 段差部
Claims (10)
- 溶剤と、(メタ)アクリル系共重合体と、多官能モノマーとを含む粘着剤組成物から形成される粘着剤層を有する粘着シートであって、
前記(メタ)アクリル系共重合体は、第1の(メタ)アクリルモノマーに由来する単位、第2の(メタ)アクリルモノマーに由来する単位及び水酸基を有するモノマーに由来する単位を含み、
前記第1の(メタ)アクリルモノマーが(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル又は(メタ)アクリル酸-ブチルであり、
前記第2の(メタ)アクリルモノマーが非架橋性(メタ)アクリル酸エステル又は窒素含有単量体であり、
前記第1の(メタ)アクリルモノマーのSP値と、前記溶剤のSP値の差は、1.50以下であり、
前記第2の(メタ)アクリルモノマーのSP値と、前記溶剤のSP値の差は、1.70よりも大きく、
前記(メタ)アクリル系共重合体における前記第2の(メタ)アクリルモノマーに由来する単位の含有量は、前記(メタ)アクリル系共重合体の全質量に対して、15質量%以上であり、
前記(メタ)アクリル系共重合体における水酸基を有するモノマーに由来する単位の含有量は、前記(メタ)アクリル系共重合体の全質量に対して、5質量%以下であり、
前記粘着剤組成物における多官能モノマーの含有量が前記(メタ)アクリル系共重合体100質量部に対して1質量部以上10質量部以下であり、
前記粘着剤組成物は実質的に熱硬化型架橋剤を含有しない、粘着シート。 - 前記第1の(メタ)アクリルモノマーのSP値が7.5以上10.5以下である請求項1に記載の粘着シート。
- 前記第2の(メタ)アクリルモノマーのSP値が10.5以上20.0以下である請求項1又は2に記載の粘着シート。
- 前記第2の(メタ)アクリルモノマーをホモポリマーとした時のガラス転移温度(Tg)が、50℃以上である請求項1~3のいずれか1項に記載の粘着シート。
- 前記粘着剤層は、さらに光重合開始剤を含み、活性エネルギー線硬化能を有する請求項1~4のいずれか1項に記載の粘着シート。
- 前記粘着剤層の周波数1MHzでの比誘電率が4.0以下である請求項1~5のいずれか1項に記載の粘着シート。
- 前記粘着剤層は後硬化能を有する粘着剤層であって、
後硬化前の前記粘着剤層のゲル分率が5%以下である請求項1~6のいずれか1項に記載の粘着シート。 - 前記粘着剤層を85℃、相対湿度85%の環境下に240時間静置後、23℃、相対湿度50%の環境下に1時間静置した後に測定したヘーズが1.0%未満である請求項1~7のいずれか1項に記載の粘着シート。
- 請求項5~8のいずれか1項に記載の粘着シートの粘着剤層に活性エネルギー線を照射して後硬化させた後硬化後の粘着剤層と、前記後硬化後の粘着剤層の少なくとも一方の面側に光学部材を備える積層体。
- 請求項5~8のいずれか1項に記載の粘着シートの粘着剤層を光学部材に対して貼合した後、活性エネルギー線を照射して前記粘着剤層を後硬化させる工程を含む積層体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018207144A JP7279339B2 (ja) | 2018-11-02 | 2018-11-02 | 粘着シート、積層体及び積層体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018207144A JP7279339B2 (ja) | 2018-11-02 | 2018-11-02 | 粘着シート、積層体及び積層体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020070398A JP2020070398A (ja) | 2020-05-07 |
JP7279339B2 true JP7279339B2 (ja) | 2023-05-23 |
Family
ID=70547103
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018207144A Active JP7279339B2 (ja) | 2018-11-02 | 2018-11-02 | 粘着シート、積層体及び積層体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7279339B2 (ja) |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015078278A (ja) | 2013-10-16 | 2015-04-23 | アイカ工業株式会社 | 粘着剤組成物 |
WO2016167133A1 (ja) | 2015-04-13 | 2016-10-20 | 日東電工株式会社 | 粘着シートおよび接合体製造方法 |
JP2017179193A (ja) | 2016-03-31 | 2017-10-05 | アイカ工業株式会社 | 多層型粘着剤 |
JP2018131623A (ja) | 2018-02-16 | 2018-08-23 | リンテック株式会社 | 活性エネルギー線硬化性粘着シートおよび積層体 |
-
2018
- 2018-11-02 JP JP2018207144A patent/JP7279339B2/ja active Active
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015078278A (ja) | 2013-10-16 | 2015-04-23 | アイカ工業株式会社 | 粘着剤組成物 |
WO2016167133A1 (ja) | 2015-04-13 | 2016-10-20 | 日東電工株式会社 | 粘着シートおよび接合体製造方法 |
JP2017179193A (ja) | 2016-03-31 | 2017-10-05 | アイカ工業株式会社 | 多層型粘着剤 |
JP2018131623A (ja) | 2018-02-16 | 2018-08-23 | リンテック株式会社 | 活性エネルギー線硬化性粘着シートおよび積層体 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2020070398A (ja) | 2020-05-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6274206B2 (ja) | 粘着シート及び積層体とその製造方法 | |
JP5610085B2 (ja) | 粘着シート及びその使用方法並びに積層体 | |
JP2014214198A (ja) | 粘着シート及びその使用方法並びに積層体 | |
JP6693490B2 (ja) | 粘着シート、積層体の製造方法および積層体 | |
JP2020007407A (ja) | 粘着シート、剥離シート付き粘着シート、透明フィルム付き粘着シート、積層体および積層体の製造方法 | |
JP6673313B2 (ja) | 粘着シート、積層体の製造方法および積層体 | |
WO2020054745A1 (ja) | 粘着シート、積層体及び積層体の製造方法 | |
JP6693491B2 (ja) | 粘着シート、積層体の製造方法および積層体 | |
JP7279339B2 (ja) | 粘着シート、積層体及び積層体の製造方法 | |
JP7095713B2 (ja) | 粘着シート、積層体の製造方法および積層体 | |
JP7251073B2 (ja) | 粘着シート、剥離シート付き粘着シート、積層体及び積層体の製造方法 | |
JP6724956B2 (ja) | 粘着シート、剥離シート付き粘着シート、積層体及び積層体の製造方法 | |
WO2020017556A1 (ja) | 粘着シート、剥離シート付き粘着シート、透明フィルム付き粘着シート、積層体及び積層体の製造方法 | |
WO2019124332A1 (ja) | 粘着剤組成物、両面粘着シート及び積層体の製造方法 | |
JP7207379B2 (ja) | 粘着シート、剥離シート付き粘着シート、積層体及び積層体の製造方法 | |
JP7247623B2 (ja) | 粘着シート、剥離シート付き粘着シート、積層体及び積層体の製造方法 | |
JP7247622B2 (ja) | 粘着シート、剥離シート付き粘着シート、積層体及び積層体の製造方法 | |
JP6747475B2 (ja) | 粘着シート、剥離シート付き粘着シート、積層体及び積層体の製造方法 | |
WO2022034885A1 (ja) | 粘着シート、剥離シート付き粘着シート、積層体及び積層体の製造方法 | |
JP7127260B2 (ja) | 両面粘着シート、積層体の製造方法及び両面粘着シートの使用方法 | |
WO2020017554A1 (ja) | 粘着シート、剥離シート付き粘着シート、積層体及び積層体の製造方法 | |
JP2022032291A (ja) | 粘着シート、剥離シート付き粘着シート、積層体及び積層体の製造方法 | |
JP2022170567A (ja) | 活性エネルギー線硬化型粘着シート及び表示装置 | |
JP2022170566A (ja) | 活性エネルギー線硬化型粘着シート及び表示装置 | |
JP2022170568A (ja) | 活性エネルギー線硬化型粘着シート及び表示装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20210927 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20220819 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220823 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20221014 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20221215 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20230411 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20230424 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7279339 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |