JP2020111628A - 粘着シート、剥離シート付き粘着シート、積層体及び積層体の製造方法 - Google Patents

粘着シート、剥離シート付き粘着シート、積層体及び積層体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、比誘電率の低い粘着シートであって、耐湿熱白化性に優れた粘着シートを提供することを課題とする。【解決手段】本発明は、アクリルシロップ(A)と、炭素数が10〜24の分岐アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル(B)と、アルキレングリコール基を有する(メタ)アクリル酸エステル(C)と、光重合開始剤(D)とを含有する粘着剤組成物から形成される粘着シートに関する。【選択図】図1

Description

本発明は、粘着シート、剥離シート付き粘着シート、積層体及び積層体の製造方法に関する。
近年、様々な分野で、液晶ディスプレイ(LCD)などの表示装置や、タッチパネルなどの表示装置及び入力装置を組み合わせた装置が広く用いられている。中でも、静電容量方式のタッチパネルはその機能性から急速に普及してきている。これらの表示装置や入力装置の製造等においては、光学部材を貼り合せる用途に粘着シートが使用されており、表示装置と入力装置との貼合にも粘着シートが使用されている。
静電容量タッチパネルにおいては、表面に指を近づけると複数の電極間の静電容量が同時に変化し、電流量の比率を測定することで高精度に位置検出することを可能にしている。ただし、この方式を大型化するとタッチパネルの誤作動が多くなる。このような問題に対応するためには、比誘電率を制御した粘着シートを用いることが検討されている。その中でも画像表示装置とタッチパネルを有する静電容量タッチパネルにおいては、画像表示装置からの電気的なノイズによりタッチパネルの誤作動が生じやすいため、画像表示装置とタッチパネルの貼り合わせに用いる粘着シートとして、比誘電率の低い粘着シートを使用することが検討されている。
例えば、特許文献1には、比誘電率の低い粘着剤層を形成し得る粘着剤組成物が開示されている。特許文献1には、炭素数が5〜9の分岐鎖アルキル基を有するアルキルメタクリレートに由来する構成単位(A)を全構成単位に対して40質量%以上、及び水酸基を有する単量体に由来する構成単位(B)を全構成単位に対して5質量%以上15質量%以下含む(メタ)アクリル系重合体と、スチレン系重合体と、を含有する粘着剤組成物が開示されている。なお、特許文献1の粘着剤組成物は溶剤を含むものである。また、特許文献2には、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)と、シクロデキストリン類(B)とを含有する粘着性組成物が開示されている。ここでは、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)は、該重合体を構成するモノマー単位として水酸基を有するモノマーおよび/またはカルボキシ基を有するモノマーを有しており、耐湿熱白化性を抑制することが検討されている。
特開2016−172865号公報 国際公開第2015/151224号
しかしながら、本発明者らが特許文献1における粘着剤層を、高温高湿条件下に置いた場合、粘着剤層が白化する場合があり、耐湿熱白化性が不十分であることがわかった。また、特許文献2の粘着性組成物から粘着シートを形成した場合、耐湿熱白化性が不十分であったり、誘電率を十分に低くできない場合があることがわかった。
そこで本発明者らは、このような従来技術の課題を解決するために、比誘電率の低い粘着シートであって、耐湿熱白化性に優れた粘着シートを提供することを目的として検討を進めた。
上記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、本発明者らは、アクリルシロップ(A)と、炭素数が10〜24の分岐アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル(B)と、アルキレングリコール基を有する(メタ)アクリル酸エステル(C)と、光重合開始剤(D)とを含有する粘着剤組成物から粘着シートを形成することにより、比誘電率の低い粘着シートであって、耐湿熱白化性に優れた粘着シートが得られることを見出した。
具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
[1] アクリルシロップ(A)と、炭素数が10〜24の分岐アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル(B)と、アルキレングリコール基を有する(メタ)アクリル酸エステル(C)と、光重合開始剤(D)とを含有する粘着剤組成物から形成される粘着シートであって、
アクリルシロップ(A)は、重量平均分子量が5万〜50万の(メタ)アクリル系ポリマーと、(メタ)アクリル系モノマーとを含み、アクリルシロップ(A)の全質量に対する(メタ)アクリル系ポリマーの含有量は20質量%以上であり、(メタ)アクリル系モノマーの含有量は25質量%以上であり、
アクリルシロップ(A)100質量部に対して、炭素数が10〜24の分岐アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル(B)の含有量は10〜40質量部であり、アルキレングリコール基を有する(メタ)アクリル酸エステル(C)の含有量は0.05〜6質量部である、粘着シート。
[2] 周波数1MHzでの比誘電率が3.0未満である、[1]に記載の粘着シート。
[3] 粘着シートを介してガラス板及びPETフィルムを貼合して積層体とした場合、積層体を60℃、相対湿度95%の条件下に240時間置き、23℃、相対湿度50%の環境下に1時間静置した後のヘーズが2%以下である、[1]又は[2]に記載の粘着シート。
[4] アクリルシロップ(A)に含まれる(メタ)アクリル系モノマーは、炭素数が5〜9の分岐アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルであり、
アクリルシロップ(A)に含まれる(メタ)アクリル系ポリマーは、炭素数が5〜9の分岐アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルに由来する単位を含む、[1]〜[3]のいずれかに記載の粘着シート。
[5] アクリルシロップ(A)に含まれる(メタ)アクリル系モノマーは、アクリル酸エステルとメタクリル酸エステルを含み、アクリル酸エステルとメタクリル酸エステルのエステル構造は同一であり、
アクリルシロップ(A)に含まれる(メタ)アクリル系ポリマーは、アクリル酸エステルに由来する単位と、メタクリル酸エステルに由来する単位を含み、アクリル酸エステルに由来する単位とメタクリル酸エステルに由来する単位のエステル構造は同一である、[1]〜[4]のいずれかに記載の粘着シート。
[6] アクリルシロップ(A)に含まれるアクリル酸エステルとメタクリル酸エステルの質量比が25:75〜50:50である、[5]に記載の粘着シート。
[7] [1]〜[6]のいずれかに記載の粘着シートの両表面に剥離力が互いに異なる1対の剥離シートを備える剥離シート付き粘着シート。
[8] [1]〜[6]のいずれかに記載の粘着シートと、粘着シートの少なくとも一方の面側に被着体と、を備える積層体。
本発明によれば、比誘電率が低く、かつ耐湿熱白化性に優れた粘着シートを提供することができる。
図1は、本発明の剥離シート付き粘着シートの構成の一例を表す断面図である。
以下において、本発明について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は「〜」前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において、“(メタ)アクリル”はアクリル及びメタクリルの双方、又は、いずれかを表す。また、本明細書において、“単量体”と“モノマー”とは同義であり、“重合体”と“ポリマー”とは同義である。
(粘着シート)
本発明は、アクリルシロップ(A)と、炭素数が10〜24の分岐アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル(B)と、アルキレングリコール基を有する(メタ)アクリル酸エステル(C)と、光重合開始剤(D)とを含有する粘着剤組成物から形成される粘着シートに関する。ここで、アクリルシロップ(A)は、重量平均分子量が5万〜50万の(メタ)アクリル系ポリマーと、(メタ)アクリル系モノマーとを含み、アクリルシロップ(A)の全質量に対する(メタ)アクリル系ポリマーの含有量は20質量%以上であり、(メタ)アクリル系モノマーの含有量は25質量%以上である。また、アクリルシロップ(A)100質量部に対して、炭素数が10〜24の分岐アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル(B)の含有量は10〜40質量部であり、アルキレングリコール基を有する(メタ)アクリル酸エステル(C)の含有量は0.05〜6質量部である。
本発明の粘着シートは、上述した粘着剤組成物の硬化物である粘着剤層からなるシートである。本発明の粘着シートは、上記構成を有する粘着剤組成物から形成されるものであるため、比誘電率が低く、かつ耐湿熱白化性にも優れている。このため、本発明の粘着シートは、タッチパネルを搭載した表示装置を構成する光学部材等の接着に好ましく用いられる。
粘着シートの周波数1MHzでの比誘電率は3.0未満であることが好ましく、2.9以下であることがより好ましい。なお、粘着シートの周波数1MHzでの比誘電率の下限値は特に限定されるものではないが、2.0であることが好ましい。このように、本発明の粘着シートは、低い比誘電率を有している。なお、粘着シートの比誘電率は、1MHzの周波数における比誘電率であって、JIS C 2138に規定される方法で算出される値を用いる。
粘着シートの耐湿熱白化性は、粘着シートを介してガラス板及びPETフィルムを貼合して積層体として、積層体を60℃、相対湿度95%の条件下に240時間置き、23℃、相対湿度50%の環境下に1時間静置した後のヘーズ値が低い場合に良好であると判定できる。具体的には、粘着シートの一方の面を厚さ1.2mmのガラス板(松浪硝子工業社製、S9112)に貼合し、他方の面をPETフィルム(東洋紡株式会社製、コスモシャインA4300)に貼合し、積層体とし、該積層体を60℃、相対湿度95%の環境下で240時間放置し、取り出した後、23℃、相対湿度50%にて1時間冷却した後にヘーズを測定する。なお、ヘーズの測定装置としては、例えば、日本電色株式会社製のNDH 4000を用いることができる。上記条件で測定したヘーズは、2%以下であることが好ましく、1.8%以下であることがより好ましく、1.6%以下であることがさらに好ましく、1.4%以下であることが特に好ましい。
本発明の粘着シートは、両面粘着シートであることが好ましいが、粘着シートの片面に基材等を備えた片面粘着シートであってもよい。本発明の粘着シートは、さらに他の粘着剤層を備えるものであってもよく、粘着剤層と粘着剤層の間に支持体を積層したものであってもよい。この場合、支持体として透明な支持体を用いたものが好ましい。このような両面粘着シートは、粘着シート全体としての透明性にも優れることから、光学部材同士の接着に好適に用いることができる。本発明の粘着シートは上述した中でも、支持体を有さない基材レスタイプが好ましく、粘着剤層からなる単層の両面粘着シートであることが好ましい。
粘着シートの表面は剥離シートによって覆われていることが好ましい。すなわち、本発明は、剥離シート付き粘着シートに関するものであってもよい。図1は、剥離シート付き粘着シートの構成の一例を表す断面図である。図1に示された粘着シート11は剥離シート(12a、12b)を有している。なお、図1の粘着シート11は、基材レスタイプの単層の粘着シートであり、両面粘着シートである。
剥離シートとしては、剥離シート用基材とこの剥離シート用基材の片面に設けられた剥離剤層とを有する剥離性積層シート、あるいは、低極性基材としてポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルム等のポリオレフィンフィルムが挙げられる。
剥離性積層シートにおける剥離シート用基材には、紙類、高分子フィルムが使用される。剥離剤層を構成する剥離剤としては、例えば、汎用の付加型もしくは縮合型のシリコーン系剥離剤や長鎖アルキル基含有化合物が用いられる。特に、反応性が高い付加型シリコーン系剥離剤が好ましく用いられる。
シリコーン系剥離剤としては、具体的には、東レ・ダウコーニングシリコーン社製のBY24−4527、SD−7220等や、信越化学工業(株)製のKS−3600、KS−774、X62−2600などが挙げられる。また、シリコーン系剥離剤中にSiO単位と(CHSiO1/2単位あるいはCH=CH(CH)SiO1/2単位を有する有機珪素化合物であるシリコーンレジンを含有することが好ましい。シリコーンレジンの具体例としては、東レ・ダウコーニングシリコーン社製のBY24−843、SD−7292、SHR−1404等や、信越化学工業(株)製のKS−3800、X92−183等が挙げられる。
剥離シート付き粘着シートは、粘着シートの両表面に剥離力が互いに異なる1対の剥離シートを備えることが好ましい。すなわち、粘着シートの一方の表面に第1の剥離シートを備え、粘着シートの他方の表面に第2の剥離シートを備え、第1の剥離シート及び第2の剥離シートの剥離力が互いに異なることが好ましい。図1の例では、剥離シートを剥離しやすくするために、剥離シート12aと剥離シート12bとの剥離性を異なるものとすることが好ましい。つまり、一方からの剥離性と他方からの剥離性とが異なると、剥離性が高い方の剥離シート12だけを先に剥離することが容易となる。その場合、貼合方法や貼合順序に応じて剥離シート12aと剥離シート12bの剥離シート12の剥離性を調整すればよい。
なお、本発明の粘着シートは、耐ジッピング性にも優れている。ここで、耐ジッピング性は、剥離シート付き粘着シートから剥離シートを剥離する際の剥離音の発生の有無や剥離面に生じるスジの有無で評価することができ、剥離音が発生せず、かつ剥離面にスジが生じなかった場合に、耐ジッピング性が優れていると判定できる。これにより、剥離シートをよりスムーズに粘着シートから剥離することができる。また、剥離シートを剥離することにより粘着シートが変質することも抑制される。
通常、光学用途に用いられる粘着シートにおいては、粘着シートの凝集力や耐久性を高めるために、例えば、水酸基等の架橋性官能基をアクリル系重合体の全質量に対して1〜20質量%配合した粘着シートが用いられている。しかし、このような粘着シートを高温高湿条件下に置いた場合、粘着シートが白化する場合があり、問題となっていた。また、粘着シートの白化を抑制するために水酸基等の架橋性基を20質量%以上有するアクリル系重合体を用いた場合には、低誘電化が十分に達成されなかった。さらに、このような粘着シートは凝集力が高いがゆえにジッピング(剥離シートを剥離した際に、剥離音が生じたり、剥離面にスジなどの跡が生じる現象)が生じることがあった。しかし、本発明者らは、鋭意検討の末、所定のアクリルシロップ(A)と、炭素数が10〜24の分岐アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル(B)と、アルキレングリコール基を有する(メタ)アクリル酸エステル(C)と、光重合開始剤(D)とを含有する粘着剤組成物から粘着シートを形成することにより、粘着シートの凝集力や耐久性を高めつつも、粘着シートの比誘電率を低下させ、さらに耐湿熱白化性や耐ジッピング性を高めることに成功した。
粘着シートの対ガラスの粘着力は、15N/25mm以上であることが好ましく、20N/25mm以上であることがより好ましく、25N/25mm以上であることがさらに好ましい。また、粘着シートの対ガラスの粘着力の上限値は特に限定されるものではないが、例えば、40N/25mmとすることが好ましい。本発明の粘着剤組成物から形成される粘着シートは、このように高い粘着力を発揮し得るものである。なお、粘着シートの対ガラスの粘着力は、JIS Z 0237の「粘着テープ・粘着シート試験方法」に準じて測定した値である。具体的には粘着シートを、23℃、相対湿度50%の環境下で、被着体であるソーダガラス板に貼合し、2kgロールを1往復させて圧着する。その後、23℃、相対湿度50%の環境下で24時間静置し、その環境下で180°方向に300mm/minの速度で粘着シートをソーダガラス板から剥離することで測定する。
粘着シートのゲル分率は、40%以上であることが好ましく、45%以上であることがより好ましく、50%以上であることがさらに好ましい。
粘着シートのゲル分率は、以下の方法で算定できる。まず、粘着シート約0.1gをサンプル瓶に採取し、酢酸エチル30mlを加えて40℃環境下で24時間振とうする。その後、このサンプル瓶の内容物を150メッシュのステンレス製金網でろ別し、金網上の残留物を100℃で1時間乾燥して乾燥重量W(g)を測定する。得られた乾燥重量から下記式1によりゲル分率を求める。
ゲル分率(%)=(乾燥重量/粘着シートの採取重量)×100・・・式1
粘着シートの厚みは、用途に応じて適宜設定でき、特に限定されないが、通常、10μm以上500μm以下の範囲内であることが好ましく、20μm以上450μm以下であることがより好ましく、30μm以上450μm以下であることがさらに好ましく、40μm以上400μm以下であることが一層好ましく、40μm以上350μm以下であることがより一層好ましく、40μm以上300μm以下であることが特に好ましい。粘着シートの厚みを上記範囲内とすることにより、段差追従性を十分に確保することができ、さらに耐久性を高めることができる。また、粘着シートの厚さを上記範囲内とすることにより、粘着シートの製造が容易となる。
(粘着剤組成物)
本発明の粘着シートは、アクリルシロップ(A)と、炭素数が10〜24の分岐アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル(B)と、アルキレングリコール基を有する(メタ)アクリル酸エステル(C)と、光重合開始剤(D)とを含有する粘着剤組成物から形成される。粘着剤組成物は、光重合開始剤(D)を含むものであるから、粘着剤組成物は光硬化型である。本発明の粘着剤組成物は、例えば、紫外線を照射することで硬化し、粘着シートを形成するものである。
また、本発明の粘着剤組成物は、無溶剤系の粘着剤組成物であることが好ましい。本明細書において、無溶剤系の粘着剤組成物とは、粘着剤組成物中に含まれる溶剤の含有量が1質量%以下であるものをいい、このような場合に、実質的に溶剤が含まれないということができる。
<アクリルシロップ(A)>
粘着剤組成物は、アクリルシロップ(A)を含む。アクリルシロップ(A)は、重量平均分子量が5万〜50万の(メタ)アクリル系ポリマーと、(メタ)アクリル系モノマーとを含む。このように、本明細書において、アクリルシロップとは、アクリルポリマーとアクリルモノマーを含む液状組成物である。
粘着剤組成物は、アクリルシロップ(A)を主成分として含む。粘着剤組成物中におけるアクリルシロップ(A)の含有量は、粘着剤組成物の全質量に対して、50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上あることがさらに好ましい。なお、粘着剤組成物中におけるアクリルシロップ(A)の含有量は、粘着剤組成物の全質量に対して、95質量%以下であることが好ましい。
アクリルシロップ(A)の全質量に対する(メタ)アクリル系ポリマーの含有量は20質量%以上であればよく、25質量%以上であることがより好ましい。また、アクリルシロップ(A)の全質量に対する(メタ)アクリル系ポリマーの含有量は75質量%以下であることが好ましく、70質量%以下であることがより好ましく、60質量%以下であることがさらに好ましく、50質量%以下であることが特に好ましい。
一方、アクリルシロップ(A)の全質量に対する(メタ)アクリル系モノマーの含有量は25質量%以上であればよく、30質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましく、50質量%以上であることが特に好ましい。また、アクリルシロップ(A)の全質量に対する(メタ)アクリル系モノマーの含有量は80質量%以下であることが好ましく、75質量%以下であることがさらに好ましい。
アクリルシロップ(A)に含まれる(メタ)アクリル系モノマーは、炭素数が5〜9の分岐アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルであることが好ましく、同様に、アクリルシロップ(A)に含まれる(メタ)アクリル系ポリマーは、炭素数が5〜9の分岐アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルに由来する単位を含むことが好ましい。ここで、本明細書において、「単位」は重合体を構成する繰り返し単位(単量体単位)である。なお、(メタ)アクリル酸エステルが有する分岐アルキル基の炭素数は5〜9であればよいが、7〜9であることが好ましい。
炭素数が5〜9のアルキル基は分岐した構造であるため、モル体積が大きく、密度が小さい。このため、アクリルシロップ(A)が、炭素数が5〜9の分岐アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルや、それに由来する単位を含む場合、アクリルシロップ(A)のモル体積を大きくし、密度を小さくすることができる。また、アクリルシロップ(A)が炭素数5〜9の分岐アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルや、それに由来する単位を含むことにより、ポリマーとしたときの体積収縮率を抑えることができ、アクリルシロップ(A)のモル体積を大きく維持することができるものと考えられる。これらの結果、比誘電率の低い粘着シートを形成しやすくなる。
炭素数が5〜9の分岐アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸イソヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソヘプチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸イソノニル等が挙げられる。これらは1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。中でも、炭素数が5〜9の分岐アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルは、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルであることが好ましい。
アクリルシロップ(A)に含まれる(メタ)アクリル系モノマーは、アクリル酸エステルとメタクリル酸エステルを含み、アクリル酸エステルとメタクリル酸エステルのエステル構造は同一であることが好ましい。同様に、アクリルシロップ(A)に含まれる(メタ)アクリル系ポリマーは、アクリル酸エステルに由来する単位と、メタクリル酸エステルに由来する単位を含み、アクリル酸エステルに由来する単位とメタクリル酸エステルに由来する単位のエステル構造は同一であることが好ましい。ここで、エステル構造が同一であるとは、エステル結合を含む側鎖(この場合の側鎖とは重合体にした時の側鎖になる部分をさす)を構成する部分の構造が同一であることをいう。
エステル構造が同一であるアクリル酸エステルとメタクリル酸エステルのうち、いずれか一方をホモポリマーとした時のガラス転移温度は−60℃以下であることが好ましく、他方をホモポリマーとした時のガラス転移温度は−15℃以上であることが好ましい。エステル構造が同一であるアクリル酸エステルとメタクリル酸エステルとしては、例えば、2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)と2−エチルヘキシルメタクリレート(2EHMA)との組み合わせが挙げられる。このように2種のアクリル酸エステルを用い、かつ2種のアクリル酸エステルにおいてエステル構造を同一とすることにより、粘着剤組成物の均一混合性が高まるため、粘着シートの白化が抑制され、また、粘着物性のばらつきが少ない粘着シートを得ることができる。
さらに、アクリルシロップ(A)に含まれるアクリル酸エステルとメタクリル酸エステルの質量比は、25:75〜50:50であることが好ましく、25:75〜40:60であることがより好ましい。同様に、アクリルシロップ(A)に含まれる(メタ)アクリル系ポリマーにおけるアクリル酸エステルに由来する単位と、メタクリル酸エステルに由来する単位の構成質量比も、25:75〜50:50であることが好ましく、25:75〜40:60であることがより好ましい。アクリル酸エステルとメタクリル酸エステルの質量比を上記範囲内とすることにより、粘着シートの耐湿熱白化性をより効果的に高めることができる。
アクリルシロップ(A)に含まれる(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量は、5万以上であればよく、10万以上であることが好ましい。また、アクリルシロップ(A)に含まれる(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量は、50万以下であればよく、40万以下であることがより好ましい。(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量を上記範囲内とすることにより、十分な粘着力と耐湿熱白化性を確保することができる。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定し、ポリスチレン基準で求めた値である。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)の測定条件は以下のとおりである。
溶媒:テトラヒドロフラン
カラム:Shodex KF801、KF803L、KF806L、(昭和電工(株)製を3本接続して使用した)
カラム温度:40℃
試料濃度:0.5質量%
検出器:RI−2031plus(JASCO製)
ポンプ:RI−2080plus(JASCO製)
流量(流速):0.8ml/min
注入量:10μl
較正曲線:標準ポリスチレンShodex standard ポリスチレン(昭和電工(株)製)Mw=1320〜2,500,000迄の10サンプルによる較正曲線を使用した。
アクリルシロップ(A)は、上述した(メタ)アクリル酸エステルを光重合により重合させることで得られるものであることが好ましい。すなわち、アクリルシロップ(A)は(メタ)アクリル系光重合体を含むものであることが好ましい。また、アクリルシロップ(A)は、(メタ)アクリル系光重合体の重合に用いられたモノマーを(メタ)アクリル系モノマーとして含むものであることが好ましい。このように、アクリルシロップ(A)は、(メタ)アクリル系ポリマーと同じ組成の(メタ)アクリル系モノマーを含む混合液であることが好ましい。
アクリルシロップ(A)を合成する際には、上述したアクリル系モノマーに加えて、更に、他のアクリル単量体を用いてもよい。このようなアクリル単量体としては、例えば、架橋性官能基を有する(メタ)アクリル単量体等を挙げることができる。架橋性官能基を有する(メタ)アクリル単量体は、カルボキシ基含有(メタ)単量体、ヒドロキシ基含有(メタ)単量体、アミノ基含有(メタ)単量体、グリシジル基含有(メタ)単量体であることが好ましい。
カルボキシ基含有単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸が挙げられる。
ヒドロキシ基含有単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、(メタ)アクリル酸モノ(ジエチレングリコール)などの(メタ)アクリル酸[(モノ、ジ又はポリ)アルキレングリコール]、(メタ)アクリル酸モノカプロラクトンなどの(メタ)アクリル酸ラクトンが挙げられる。
アミノ基含有単量体としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、アリルアミン等が挙げられる。
グリシジル基含有単量体としては、(メタ)アクリル酸グリシジル等が挙げられる。
中でも、架橋性官能基を有する(メタ)アクリル単量体は、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリル単量体であることが好ましく、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルであることがより好ましい。
架橋性官能基を有する(メタ)アクリル単量体の含有量は、アクリルシロップ(A)における(メタ)アクリル系モノマーの全質量に対して、0.01質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましく、1質量%以上であることが特に好ましい。また、架橋性官能基を有する(メタ)アクリル単量体の含有量は、アクリルシロップ(A)における(メタ)アクリル系モノマーの全質量に対して、40質量%以下であることが好ましく、20質量%以下がより好ましく、15質量%以下が特に好ましい。なお、架橋性官能基を有する(メタ)アクリル単量体に由来する単位の含有量は、アクリルシロップ(A)における(メタ)アクリル系ポリマーの全質量に対して、0.01質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましく、1質量%以上であることが特に好ましい。また、架橋性官能基を有する(メタ)アクリル単量体に由来する単位の含有量は、アクリルシロップ(A)における(メタ)アクリル系ポリマーの全質量に対して、40質量%以下であることが好ましく、20質量%以下がより好ましく、15質量%以下が特に好ましい。
アクリルシロップ(A)の粘度は、1000mPa・s以上であることが好ましく、1500mPa・s以上であることがより好ましく、2000mPa・s以上であることがさらに好ましい。また、アクリルシロップ(A)の粘度は、10000mPa・s以下であることが好ましく、8000mPa・s以下であることがより好ましく、6000mPa・s以下であることがさらに好ましい。なお、アクリルシロップ(A)の粘度は、23℃、相対湿度50%の環境下で、B型粘度計を用いて60回転/分で測定される値である。
<炭素数が10〜24の分岐アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル(B)>
粘着剤組成物は、炭素数が10〜24の分岐アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル(B)を含む。(メタ)アクリル酸エステル(B)が有する分岐アルキル基の炭素数は10以上であればよく、12以上であることが好ましく、15以上であることがより好ましい。また、アクリル酸エステル(B)が有する分岐アルキル基の炭素数は24以下であればよく、22以下であることが好ましく、20以下であることがより好ましい。
炭素数が10〜24の分岐アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル(B)としては、例えば、イソステアリル(メタ)アクリレート、イソエイコシル(メタ)アクリレート、ステアリルアクリレート(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。中でも、炭素数が10〜24の分岐アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル(B)は、イソステアリル(メタ)アクリレートであることが好ましい。
炭素数が10〜24の分岐アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル(B)としては、市販品を用いることもできる。市販品としては、例えば、大阪有機化学工業社製のISTA、STA、LA等を挙げることができる。
炭素数が10〜24の分岐アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル(B)の含有量は、アクリルシロップ(A)100質量部に対して、10質量部以上であることが好ましく、15質量部以上であることがより好ましく、20質量部以上であることがさらに好ましい。また、炭素数が10〜24の分岐アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル(B)の含有量は、アクリルシロップ(A)100質量部に対して、40質量部以下であることが好ましい。炭素数が10〜24の分岐アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル(B)の含有量を上記範囲内とすることにより、粘着シートの比誘電率を低くすることが容易となる。
<アルキレングリコール基を有する(メタ)アクリル酸エステル(C)>
粘着剤組成物は、アルキレングリコール基を有する(メタ)アクリル酸エステル(C)を含む。本発明においては、粘着剤組成物が、親水性を有するアルキレングリコール基を有する(メタ)アクリル酸エステル(C)を所定量含有することにより、余分な水分を取り込むことができ、その結果耐湿熱白化性が高められる。
(メタ)アクリル酸エステル(C)が有するアルキレングリコール基としては、エチレングリコール基、プロピレングリコール基、ブチレングリコール基等を挙げることができる。中でも、(メタ)アクリル酸エステル(C)が有するアルキレングリコール基は、プロピレングリコール基であることが好ましい。
プロピレングリコール基とは、−CHCHCHO−で表される基である。プロピレングリコール基を有する(メタ)アクリル酸エステル(C)は、1分子中にプロピレングリコール基を1つ有するものであってもよく、2つ以上有するものであってもよい。中でも、プロピレングリコール基を有する(メタ)アクリル酸エステル(C)1分子中におけるプロピレングリコール基の数は1〜50であることが好ましく、1〜40であることがより好ましく、1〜30であることがさらに好ましく、1〜23であることが特に好ましい。
プロピレングリコール基を有する(メタ)アクリル酸エステル(C)としては、例えば、(メタ)アクリル酸アルコキシプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸アルコキシポリプロピレングリコールを挙げることができる。中でも、プロピレングリコール基を有する(メタ)アクリル酸エステル(C)は、(メタ)アクリル酸アルコキシエプロピレングリコール及び(メタ)アクリル酸アルコキシポリプロピレングリコールから選択される少なくとも1種であることが好ましい。すなわち、アルキレングリコール基を有する(メタ)アクリル酸エステル(C)は、(メタ)アクリル酸アルコキシプロピレングリコール及び(メタ)アクリル酸アルコキシポリプロピレングリコールから選択される少なくとも1種に由来する単位であることが好ましい。
(メタ)アクリル酸アルコキシプロピレングリコール及び(メタ)アクリル酸アルコキシポリプロピレングリコールが有するアルコキシ基の炭素数は20以下であることが好ましく、15以下であることがより好ましく、5以下であることがさらに好ましい。中でも、アルキレングリコール基を有する(メタ)アクリル酸エステルは、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシポリプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル及び(メタ)アクリル酸エトキシポリプロピレングリコールから選択される少なくとも1種に由来する単位であることがより好ましく、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル及び(メタ)アクリル酸メトキシポリプロピレングリコールから選択される少なくとも1種に由来する単位であることがさらに好ましい。
アルキレングリコール基を有する(メタ)アクリル酸エステル(C)としては、市販品を用いることもできる。市販品としては、例えば、東亞合成社製のアロニックスM−220、M−225、M−270、M−240、大阪有機化学工業株式会社製の2−MTA、NKエステルAM−130G、NKエステルAM−230G、共栄社化学株式会社製のライトアクリレートEC−A等を挙げることができる。
アルキレングリコール基を有する(メタ)アクリル酸エステル(C)の含有量は、アクリルシロップ(A)100質量部に対して、0.05質量部以上であることが好ましく、0.1質量部以上であることがより好ましく、0.2質量部以上であることがさらに好ましい。また、アルキレングリコール基を有する(メタ)アクリル酸エステル(C)の含有量は、アクリルシロップ(A)100質量部に対して、6質量部以下であることが好ましく、5質量部以下であることがより好ましく、4質量部以下であることがさらに好ましく、3質量部以下であることが特に好ましい。アルキレングリコール基を有する(メタ)アクリル酸エステル(C)の含有量を上記範囲内とすることにより、粘着シートの比誘電率を低く抑えつつも、粘着シートが湿熱白化することをより効果的に抑制することができる。
<光重合開始剤(D)>
粘着剤組成物は、光重合開始剤(D)を含有する。光重合開始剤は、例えば、紫外線によりアクリルシロップ(A)と反応する重合開始剤であることが好ましい。また、粘着剤組成物は、光重合開始剤(D)として、水素引抜型の光重合開始剤を用いてもよい。水素引抜型の光重合開始剤を用いることで、得られる粘着シートにアフターキュア性を付与することもできる。
光重合開始剤としては、例えばアセトフェノン系開始剤、ベンゾインエーテル系開始剤、ベンゾフェノン系開始剤、ヒドロキシアルキルフェノン系開始剤、チオキサントン系開始剤、アミン系開始剤等が挙げられる。
アセトフェノン系開始剤として具体的には、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。
ベンゾインエーテル系開始剤として具体的には、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等が挙げられる。
ベンゾフェノン系開始剤として具体的には、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル等が挙げられる。
ヒドロキシアルキルフェノン系開始剤として具体的には、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン等が挙げられる。
チオキサントン系開始剤として具体的には、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン等が挙げられる。
アミン系開始剤として具体的には、トリエタノールアミン、4−ジメチル安息香酸エチル等が挙げられる。
なお、光重合開始剤としては1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
光重合開始剤として、市販品を使用できる。市販品の例としては、BASF社製、イルガキュアー1173、イルガキュアー184等が挙げられる。
粘着剤組成物中の光重合開始剤の含有量は、所望とする接着物性等に応じて適宜選択され、特に限定されないが、アクリルシロップ(A)100質量部に対し、0.01質量部以上5質量部以下であることが好ましく、0.03質量部以上3質量部以下であることがより好ましい。
<任意成分>
粘着剤組成物は、上述した成分以外の任意成分を含んでいてもよく、任意成分としては、例えば可塑剤を挙げることができる。粘着剤組成物に可塑剤が含まれる場合は、可塑剤の含有量は、アクリルシロップ(A)100質量部に対し、50質量部以下とすることが好ましく、30質量部以下とすることがより好ましく、10質量部以下とすることがさらに好ましい。
可塑剤としては、例えば、無官能性アクリル重合体を用いることができる。無官能性アクリル重合体とは、アクリレート基以外の官能基を有しないアクリル単量体単位のみからなる重合体、又はアクリレート基以外の官能基を有しないアクリル単量体単位と官能基を有しない非アクリル単量体単位とからなる重合体を意味する。官能基を有しない非アクリル単量体単位としては、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニル、安息香酸ビニルのようなカルボン酸ビニルエステル類やスチレン等が挙げられる。
また、任意成分としては、粘着剤用の添加剤として公知の成分、例えば酸化防止剤、金属腐食防止剤、粘着付与剤、シランカップリング剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系化合物等の光安定剤を挙げることができる。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、ラクトン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等が挙げられる。これら酸化防止剤は1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
金属腐食防止剤としては、ベンゾリアゾール系樹脂を挙げることができる。
粘着付与剤として、例えば、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、クマロンインデン系樹脂、スチレン系樹脂、キシレン系樹脂、フェノール系樹脂、石油樹脂などが挙げられる。
シランカップリング剤としては、例えば、メルカプトアルコキシシラン化合物(例えば、メルカプト基置換アルコキシオリゴマー等)などが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物などが挙げられる。
粘着剤組成物中における熱硬化型架橋剤の含有量は、粘着剤組成物の全質量に対して、0.1質量%未満であることが好ましい。これは、粘着剤組成物が実質的に熱硬化型架橋剤を含有しないことを意味する。なお、熱硬化型架橋剤としては、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、アジリジン化合物、金属キレート化合物、ブチル化メラミン化合物などの公知の架橋剤が挙げられる。
(粘着シートの製造方法)
粘着シートの製造工程は、剥離シート上に粘着剤組成物を塗工して塗膜を形成する工程と、この塗膜の上にもう一枚の剥離シートを貼りあわせたものに光照射することで硬化させる工程を含むことが好ましい。
粘着シートを形成する粘着剤組成物の塗工は、公知の塗工装置を用いて実施できる。塗工装置としては、例えば、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、ロッドブレードコーター、リップコーター、ダイコーター、カーテンコーター等が挙げられる。
光照射の際に用いる光としては紫外線、可視光線等が挙げられる。中でも、波長が250〜400nmの紫外線を用いることが好ましい。紫外線照射条件は、波長365nmを中心とした分光感度を持つ紫外線照度計で計測した場合の放射照度が0.1mW/cm以上、光量は500mJ/cm以上が望ましい。このような紫外線照射条件を採用することで、ゲル分率が高く、耐久性に優れた粘着シートが得られる。光源としては、ケミカルランプやブラックランプ等の紫外線蛍光ランプ、高圧水銀灯、低圧水銀灯、超高圧水銀灯、水銀キセノンランプ、メタルハライドランプ、LEDランプ、カーボンアーク、キセノンアーク等が用いられる。
(積層体)
本発明は、上述した粘着シートと、粘着シートの少なくとも一方の面側に被着体と、を備える積層体に関するものであってもよい。ここで、被着体は光学部材であることが好ましい。また、被着体は、段差部または段差に由来する凹凸を有していてもよい。中でも、被着体は液晶モジュールを有する画像表示装置を構成する光学部材又はタッチパネルを構成する光学部材であることが好ましい。積層体は、粘着シートを被着体表面に接触させる工程を経て得られることが好ましい。
光学部材としては、タッチパネルや画像表示装置等の光学製品における各構成部材を挙げることができる。
タッチパネルの構成部材としては、例えば透明樹脂フィルムにITO膜が設けられたITOフィルム、ガラス板の表面にITO膜が設けられたITOガラス、透明樹脂フィルムに導電性ポリマーをコーティングした透明導電性フィルム、ハードコートフィルム、耐指紋性フィルムなどが挙げられる。本発明の粘着シートは、タッチパネルと画像表示装置の積層用であることが好ましく、タッチペンを用いるタッチパネルと画像表示装置の積層用であることがより好ましい。この観点から、本発明の粘着シートの被着体としては、透明樹脂フィルムにITO膜が設けられたITOフィルム、ガラス板の表面にITO膜が設けられたITOガラス、透明樹脂フィルムに導電性ポリマーをコーティングした透明導電性フィルムが好ましく、これらガラスやフィルムの裏面(導電層が無い面)に粘着シートを貼着することが好ましい。
画像表示装置の構成部材としては、例えば液晶表示装置に用いられる反射防止フィルム、配向フィルム、偏光フィルム、位相差フィルム、輝度向上フィルムなどが挙げられる。
これらの部材に用いられる材料としては、ガラス、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンナフタレート、シクロオレフィンポリマー、トリアセチルセルロース、ポリイミド、セルロースアシレートなどが挙げられる。なお、これらのフィルムの粘着シートに接する側にはハードコート層などの機能層を設けていても良い。
本発明の粘着シートが両面粘着シートである場合は、2つの被着体の貼合に用いることができる。この場合、本発明の粘着シートは、タッチパネルの内部におけるITOフィルム同士の貼合、ITOフィルムとITOガラスとの貼合、タッチパネルのITOフィルムと液晶パネルとの貼合、カバーガラスとITOフィルムとの貼合、カバーガラスと加飾フィルムとの貼合などに用いられる。
(積層体の製造方法)
積層体を製造する際には、上述した粘着シートと被着体を貼合する工程を含む。なお、積層体を製造する際には、上述した粘着シートを被着体に貼合した後、活性エネルギー線を照射して粘着シートを硬化させてもよい。この場合は、活性エネルギー線を照射する前は、粘着シートは半硬化状態であってもよい。粘着シートが半硬化状態である場合は、基材への初期密着性がより良好となる。
活性エネルギー線としては、紫外線、電子線、可視光線、X線、イオン線等が挙げられ、粘着シートに含まれる重合開始剤に応じて適宜選択できる。中でも、汎用性の点から、紫外線または電子線が好ましく、紫外線が特に好ましい。
紫外線の光源としては、例えば、高圧水銀灯、低圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク、キセノンアーク、無電極紫外線ランプ等を使用できる。
電子線としては、例えば、コックロフトワルト型、バンデクラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種類の電子線加速器から放出される電子線を使用できる。
紫外線の照射出力は、積算光量が100〜10000mJ/cmとなるようにすることが好ましく、500〜5000mJ/cmとなるようにすることがより好ましい。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
(アクリルシロップA−1の合成)
2−エチルヘキシルアクリレート(2−EHA)、2−エチルヘキシルメタクリレート(2−EHMA)及び2−ヒドロキシエチルアクリレート(2−HEA)を質量比で25:65:10となるように配合し、光重合開始剤(BASF社製、Irg.1173)3質量部を溶液へ溶解した。容器内の空気を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら波長365nmに出力ピークを有する紫外線を照射して(メタ)アクリル系ポリマーを得た。(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量は40万であった。次いで、上記で得られた(メタ)アクリル系ポリマーに、固形分含有量が30質量%となるように(メタ)アクリル系ポリマーと同じ組成比の単量体組成液を加えて、アクリルシロップA−1とした。
なお、(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定し、ポリスチレン基準で求めた。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)の測定条件は以下のとおりとした。
溶媒:テトラヒドロフラン
カラム:Shodex KF801、KF803L、KF806L、(昭和電工(株)製を3本接続して使用した)
カラム温度:40℃
試料濃度:0.5質量%
検出器:RI−2031plus(JASCO製)
ポンプ:RI−2080plus(JASCO製)
流量(流速):0.8ml/分
注入量:10μl
校正曲線:標準ポリスチレンShodex standard ポリスチレン(昭和電工(株)製)Mw=1320〜2,500,000迄の10サンプルによる校正曲線を使用した。
(アクリルシロップA−2の合成)
2−エチルヘキシルアクリレート(2−EHA)、2−エチルヘキシルメタクリレート(2−EHMA)及び2−ヒドロキシエチルアクリレート(2−HEA)を質量比で30:60:10となるように配合した以外は、実施例1と同様にしてアクリルシロップA−2を調製した。(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量は40万であった。
(実施例1)
<粘着剤組成物の作製>
得られたアクリルシロップA−1 100質量部に対して、イソステアリルアクリレート(大阪有機化学工業社製、ISTA)を30質量部、多官能単量体(東亞合成株式会社製、M−240)を0.3質量部、光重合開始剤(BASF社製、Irg.819)を1.0質量部加えて、粘着剤組成物を得た。
(実施例2)
<粘着剤組成物の作製>
多官能単量体をM−270に変更した以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物を得た。
(実施例3)
<粘着剤組成物の作製>
多官能単量体をM−220に変更し、添加量を1.0質量部に変更した以外は実施例1と同様にして粘着剤組成物を得た。
(実施例4)
<粘着剤組成物の作製>
多官能単量体を2−MTAに変更し、添加量を1.5質量部に変更した以外は実施例1と同様にして粘着剤組成物を得た。
(実施例5)
<粘着剤組成物の作製>
多官能単量体をAM−130Gに変更し、添加量を1.5質量部に変更した以外は実施例1と同様にして粘着剤組成物を得た。
(実施例6)
<粘着剤組成物の作製>
得られたアクリルシロップA−2 100質量部に対して、イソステアリルアクリレート(大阪有機化学工業社製、ISTA)を30質量部、多官能単量体(東亞合成株式会社製、M−220)を1.0質量部、光重合開始剤(BASF社製、Irg.819)を1.0質量部加えて、粘着剤組成物を得た。
(実施例7)
<粘着剤組成物の作製>
多官能単量体を2−MTAに変更し、添加量を1.5質量部に変更した以外は実施例6と同様にして粘着剤組成物を得た。
(比較例1)
<粘着剤組成物の作製>
多官能単量体をM−211Bに変更した以外は実施例1と同様にして粘着剤組成物を得た。
(比較例2)
<粘着剤組成物の作製>
多官能単量体を添加しなかった以外は実施例1と同様にして粘着剤組成物を得た。
(比較例3)
<粘着剤組成物の作製>
2−エチルヘキシルアクリレート(2−EHA)、2−エチルヘキシルメタクリレート(2−EHMA)、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート(2−HEMA)を質量比で25:65:10となるように配合し、ラジカル重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を溶液へ溶解した。溶液を60℃に加熱してランダム共重合させ、(メタ)アクリル系ポリマー(A−3)を得た。(メタ)アクリル系ポリマー(A−3)の重量平均分子量は50万であった。
(メタ)アクリル系ポリマー(A−3)100質量部に対して、イソステアリルアクリレート(大阪有機化学社製、ISTA)、光重合開始剤Irgacure819、熱架橋剤コロネートL−55Eを100:15:1.0:0.5となるように配合して、粘着剤組成物を得た。
<粘着シートの作製(実施例並びに比較例1及び2)>
実施例並びに比較例1及び2で作製した粘着剤組成物を、シリコーン系剥離剤で処理された剥離剤層を備えた厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(第1の剥離シート)(王子エフテックス社製:100RL−07(2))の表面に、乾燥後の塗工厚みが150μmになるようにアプリケーターで均一に塗工し、第1の剥離シートの表面に粘着剤層を形成した。次いで、この粘着剤層の表面に厚さ75μmの第2の剥離シート(王子エフテックス社製:75RL−07(L))を貼合して、積算光量が500mJ/cmとなるように波長365nmの紫外線を照射して粘着剤層が剥離力差のある1対の剥離シートに挟まれた第1の剥離シート/粘着シート/第2の剥離シートの構成の剥離シート付き粘着シートを得た。
<粘着シートの作製(比較例3)>
比較例3で作製した粘着剤組成物をシリコーン系剥離剤で処理された剥離剤層を備えた厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(第1の剥離シート)(王子エフテックス社製:100RL−07(2))の表面に、乾燥後の塗工厚みが150μmになるようにアプリケーターで均一に塗工し、第1の剥離シートの表面に粘着剤層を形成した。次いで、この粘着剤層を100℃3分間乾燥して、乾燥後の粘着シートの表面に厚さ75μmの第2の剥離シート(王子エフテックス社製:75RL−07(L))を貼合して、23℃、相対湿度50%の環境下で7日間放置し、粘着剤層が剥離力差のある1対の剥離シートに挟まれた第1の剥離シート/粘着シート/第2の剥離シートの構成の剥離シート付き粘着シートを得た。
[評価]
<比誘電率>
粘着シートの比誘電率の評価は以下の手順で実施した。粘着シート(粘着シートから第1の剥離シート及び第2の剥離シートを剥離したもの)を2枚の銅箔の間に挟み、オートクレーブ処理(40℃、0.5MPa、30分間)を実施した。その後、誘電体測定システム((株)東陽テクニカ製、1260型)によりJIS C 2138に基づいて比誘電率を測定した。周波数、測定環境は下記条件で測定した。
周波数:1MHz
測定環境:23℃、相対湿度50%
<耐湿熱白化性>
幅50mm×長さ50mmのサイズに切り取った粘着シートから、第1の剥離シート(軽剥離フィルム)を剥がして、厚さ1.2mmのガラス板(松浪硝子工業社製、S9112)に貼合した。その後、第2の剥離シート(重剥離フィルム)を剥がして、粘着シートにPETフィルム(東洋紡株式会社製、コスモシャインA4300)を貼合し、試験用試料を作製した。試験用試料を60℃、相対湿度95%の環境下で240時間放置し、取り出した後、23℃、相対湿度50%にて1時間冷却した後にヘーズを測定した。なお、ヘーズは日本電色株式会社製のNDH 4000を用いて測定した。そして、以下の基準で耐湿熱白化性を評価した。
○:ヘーズ≦2.0%
×:ヘーズ>2.0%
<耐ジッピング性>
第1または第2の剥離シートを粘着シートから手で剥がす時の剥離音の有無を調べた。また、粘着シートの剥離面に生じたスジなどの跡の有無を目視によって観察した。そして、以下の基準で耐ジッピング性を評価した。
○:剥離音が発生しない、かつ剥離シートの剥離面にスジが見られなかった。
×:剥離音が発生した、または剥離シートの剥離面にスジが見られた。
Figure 2020111628
2EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
2EHMA:2−エチルヘキシルメタクリレート
2HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート
2HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
ISTA:イソステアリル(メタ)アクリレート
M−240:テトラポリエチレングリコールジアクリレート
M−270:ポリプロピレングリコールジアクリレート
M−220:トリポリプロピレングリコールジアクリレート
2−MTA:2−メトキシエチルアクリレート
AM−130G:メトキシポリエチレングリコール#550アクリレート
M−211B:ビスフェノールA EO変性(n≒2)ジアクリレート
実施例で得られた粘着剤組成物は、比誘電率の低い粘着シートであって、耐湿熱白化性に優れた粘着シートを形成していた。また、実施例で得られた粘着剤組成物は、光硬化型粘着剤であり、熱硬化型粘着剤よりも均一なネットワーク構造を構築できるため、高凝集力を有しているにも関わらず耐ジッピング性にも優れた粘着シートを形成していた。
1 剥離シート付き粘着シート
11 粘着シート(粘着剤層)
12a、12b 剥離シート

Claims (8)

  1. アクリルシロップ(A)と、炭素数が10〜24の分岐アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル(B)と、アルキレングリコール基を有する(メタ)アクリル酸エステル(C)と、光重合開始剤(D)とを含有する粘着剤組成物から形成される粘着シートであって、
    前記アクリルシロップ(A)は、重量平均分子量が5万〜50万の(メタ)アクリル系ポリマーと、(メタ)アクリル系モノマーとを含み、前記アクリルシロップ(A)の全質量に対する前記(メタ)アクリル系ポリマーの含有量は20質量%以上であり、前記(メタ)アクリル系モノマーの含有量は25質量%以上であり、
    前記アクリルシロップ(A)100質量部に対して、前記炭素数が10〜24の分岐アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル(B)の含有量は10〜40質量部であり、前記アルキレングリコール基を有する(メタ)アクリル酸エステル(C)の含有量は0.05〜6質量部である、粘着シート。
  2. 周波数1MHzでの比誘電率が3.0未満である、請求項1に記載の粘着シート。
  3. 前記粘着シートを介してガラス板及びPETフィルムを貼合して積層体とした場合、前記積層体を60℃、相対湿度95%の条件下に240時間置き、23℃、相対湿度50%の環境下に1時間静置した後のヘーズが2%以下である、請求項1又は2に記載の粘着シート。
  4. 前記アクリルシロップ(A)に含まれる(メタ)アクリル系モノマーは、炭素数が5〜9の分岐アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルであり、
    前記アクリルシロップ(A)に含まれる(メタ)アクリル系ポリマーは、炭素数が5〜9の分岐アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルに由来する単位を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の粘着シート。
  5. 前記アクリルシロップ(A)に含まれる(メタ)アクリル系モノマーは、アクリル酸エステルとメタクリル酸エステルを含み、前記アクリル酸エステルと前記メタクリル酸エステルのエステル構造は同一であり、
    前記アクリルシロップ(A)に含まれる(メタ)アクリル系ポリマーは、アクリル酸エステルに由来する単位と、メタクリル酸エステルに由来する単位を含み、前記アクリル酸エステルに由来する単位と前記メタクリル酸エステルに由来する単位のエステル構造は同一である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の粘着シート。
  6. 前記アクリルシロップ(A)に含まれる前記アクリル酸エステルと前記メタクリル酸エステルの質量比が25:75〜50:50である、請求項5に記載の粘着シート。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の粘着シートの両表面に剥離力が互いに異なる1対の剥離シートを備える剥離シート付き粘着シート。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の粘着シートと、前記粘着シートの少なくとも一方の面側に被着体と、を備える積層体。
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