JP7102728B2 - レーザ駆動制御装置、乾燥装置、画像形成装置、レーザ駆動制御プログラム及び乾燥プログラム - Google Patents

レーザ駆動制御装置、乾燥装置、画像形成装置、レーザ駆動制御プログラム及び乾燥プログラム Download PDF

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Description

本発明は、レーザ駆動制御装置、乾燥装置、画像形成装置、レーザ駆動制御プログラム及び乾燥プログラムに関する。
特許文献1には、プロジェクションテレビの光源として半導体レーザ等のレーザ光源を用いた場合に、定電流駆動されるレーザ光源の駆動電流をパルス幅を制御して画像の諧調を表現する技術が開示されている。この特許文献1の技術では、発光量が一定となるように定電流駆動すると共に、レーザ光源をオンオフする1周期のオン時間のパルス幅を設定する諧調制御を行っている。
国際公開第2011/052418号パンフレット
定電流回路により供給される電流をパルス幅制御してレーザ光源を駆動する場合、短時間で安定した光量となるように制御するためには、定電流回路に負帰還制御するための複雑な構成になる。また、定電流回路のトランジスタの冷却も必要になる。一方、レーザ光源を定電圧駆動し、1周期のオン時間のパルス幅によるデューティで駆動する場合、素子のばらつき及び素子の温度変化により、目標光量に対応するデューティで駆動してもレーザ光源から射出される光量が目標光量に達しない場合がある。
本発明は、定電圧で駆動されるレーザ光源を、パルス幅制御により目標光量に比例したデューティで駆動する場合と比べて、目標光量に対する照射光量の誤差を抑制することを目的とする。
本開示の第1態様に係るレーザ駆動制御装置は、
レーザ光を射出するレーザ光源を、各々パルス幅が変更可能な複数のパルスが予め定めた周期で発生するパルス信号を供給して定電圧駆動する駆動部と、
現在のパルス幅から安定して目標光量が得られるパルス幅に到達する前の到達前パルス幅へ変更する際のパルス幅の第1の変更量を、前記現在のパルス幅から、前記目標光量が安定して得られる定常状態での前記レーザ光源のオン時の駆動電流に対応する目標パルス幅へ変更する際のパルス幅の第2の変更量より大きくなるように、前記パルス信号の複数のパルス各々のパルス幅を変更する制御を行う制御部と、
を備え
前記制御部は、前記目標パルス幅になるまで徐々に、前記パルス信号の複数のパルス各々のパルス幅を変更する制御を行う。
本開示の第2態様では、前記レーザ駆動制御装置において、
前記制御部は、前記第1の変更量で変更されるパルス幅に応じて生じる前記レーザ光源の光量が、前記第2の変更量で変更されたパルス幅に応じて生じる前記レーザ光の光量より大きくなるように前記パルス信号の複数のパルス各々のパルス幅を変更する制御を行う。
本開示の第3態様では、前記レーザ駆動制御装置において、
前記制御部は、パルス幅を増減する変更を行うことで、前記第1の変更量を、前記第2の変更量より大きくなるように、前記パルス信号の複数のパルス各々のパルス幅を変更する制御を行う。
本開示の第4態様では、前記レーザ駆動制御装置において、
前記制御部は、前記目標光量が得られるまで、前記パルス信号の複数のパルス各々のパルス幅を変更する制御を行う。
なお、前記レーザ駆動制御装置において、
前記制御部は、
前記現在の前記レーザ光源のオン時の第1駆動電流と、現在のパルス幅により駆動された熱時定数で定まる時間より短い所定時間後の前記レーザ光源のオン時の第2駆動電流とを導出する導出部と、を備え、
前記導出部で導出された前記第1駆動電流と、前記第2駆動電流と、に基づいて、前記レーザ光源から射出される光量が前記目標光量となるように、所定時間後の前記パルス信号のパルス幅を変更する制御を行ってもよい
本開示の第5態様では、前記レーザ駆動制御装置において、
前記制御部は、
前記レーザ光源の光量が前記目標光量に収束するように、前記第2の変更量より大きくされた前記第1の変更量から前記第2の変更量になるまで徐々にパルス幅を変更する制御を行う。
本開示の第6態様では、前記レーザ駆動制御装置において、
前記レーザ光源は、照射されたレーザ光の一部が互いに重複する複数のレーザ素子を有し、
前記制御部は、前記複数のレーザ素子各々から照射されたレーザ光の光量分布における前記レーザ光源をオンオフする1周期での平均光量と前記目標光量との誤差が抑制されるように、前記予め定めた周期を設定する制御を行う。
本開示の第7態様では、前記レーザ駆動制御装置において、
前記予め定めた周期は、前記平均光量と前記目標光量との誤差が予め定めた閾値以下となる周波数である。
本開示の第8態様に係る乾燥装置は、
前記レーザ駆動制御装置と、
画像情報に応じて吐出された液滴により形成された画像領域の少なくとも一部が、前記レーザ光源から照射されたレーザ光の照射領域内に含まれる場合、前記液滴を乾燥させる光量として設定された乾燥光量に対応する光量になる、前記レーザ光源をオンオフするデューティに制御されるように前記制御部の制御を行う乾燥制御部と、
を備える。
本開示の第9態様では、前記乾燥装置において、
前記乾燥制御部は、前記レーザ光の照射領域内に含まれる前記画像領域の端部の液滴を乾燥させる光量として設定された乾燥光量に対応する光量以上の光量になるように前記デューティを制御する。
本開示の第10態様では、前記乾燥装置において、
前記乾燥制御部は、前記画像領域と前記レーザ光源とを相対的に移動させながら前記液滴を乾燥させるように制御する。
本開示の第11態様では、前記乾燥装置において、
前記乾燥制御部は、前記画像領域に含まれる液滴を乾燥させる光量として複数の乾燥光量が設定された場合に、前記複数の乾燥光量に基づいて導出された共通の乾燥光量に対応する光量になるように、前記画像領域の前記複数の乾燥光量が設定された各液滴を照射するレーザ光の前記デューティを制御する。
本開示の第12態様に係る画像形成装置は、
画像情報に応じて液滴を記録媒体に吐出する吐出手段と、
前記記録媒体を搬送する搬送手段と、
前記乾燥装置と、
前記吐出手段、前記搬送手段、及び前記乾燥装置を制御する制御手段と、
を備える。
本開示の第13態様に係るレーザ駆動制御プログラムは、
コンピュータを、前記レーザ駆動制御装置の各部として機能させる。
本開示の第14態様に係る乾燥プログラムは、
コンピュータを、前記乾燥装置の各部として機能させる。
本開示の第1態様から第7態様によれば、定電圧で駆動されるレーザ光源を、パルス幅制御により目標光量に比例するデューティで駆動する場合と比べて、目標光量に対する照射光量の誤差を抑制することができる、という効果を奏する。
本開示の第8態様、第12態様、第13態様、第14態様によれば、液滴にレーザ光を照射して液滴を乾燥させる際、レーザ光の広がりを考慮せずに設定した照射光量でレーザ光を照射した場合と比較して、液滴に照射されるレーザ光の照射光量のばらつきにより生じる乾燥ムラを抑制することができる、という効果を奏する。
本開示の第9態様によれば、画像領域の端部を照射するレーザ素子のレーザ光の照射光量を設定する場合と比較して、画像領域の端部に生じる乾燥ムラを抑制することができる、という効果を奏する。
本開示の第10態様によれば、画像領域及び複数のレーザ素子を移動させずに液滴を乾燥させる場合と比較して、より大きな画像領域を乾燥することができる、という効果を奏する。
本開示の第11態様によれば、複数の乾燥光量に対応して各々レーザ光の照射光量を設定してレーザ光を照射した場合と比較して、複数の乾燥光量により生じる乾燥ムラを抑制することができる、という効果を奏する。
インクジェット記録装置の主要構成部の一例を示す概略構成図である。 複数のレーザ光を照射する場合におけるPWM信号と、照射光量との関係の一例を示すイメージ図であり、(A)はPWM信号を示し、(B)はレーザ光の光量を示す。 目標光量に満たない光量を補うPWM信号と、照射光量との関係の一例を示すイメージ図であり、(A)はPWM信号を示し、(B)はレーザ光の光量を示す。 デューティを徐々に変化させる場合の一例を示すイメージ図であり、(A)は目標光量を照射することが想定されるデューティによる光量変化を示し、(B)はデューティを徐々に変化させた場合を示す。 光量を減少させるデューティに変化させる場合のPWM信号と、照射光量との関係の一例を示すイメージ図であり、(A)はPWM信号を示し、(B)は、レーザ光の光量を示す。 目標光量とデューティとの関係の一例を示すイメージ図であり、(A)は目標光量を示し、(B)はデューティを示す。 レーザ光源の駆動電流とデューティとの関係を定電流駆動の場合と、定電圧駆動の場合の一例を示すイメージ図である。 デューティに対する光量、及び、電流とデューティに対する光量を示すイメージ図である。 デューティに対するレーザ光源のオン時の電流の関係を示すイメージ図である。 連続紙の搬送速度に対してオンオフする周波数が充分高い場合を示し、レーザ光のビームプロファイルと、オンオフするデューティと、照射光量との関係を示すイメージ図であり、(A)は予め定めた周波数でレーザ光源をオンオフした場合のビームプロファイルを示し、(B)はレーザ光の光量の累積エネルギプロファイルを示す。 図10に比べて連続紙の搬送速度に対してオンオフする周波数が低い場合を示し、レーザ光源に関係する物理量の一例を示すイメージ図であり、(A)は図10に示す周波数より低い周波数でレーザ光源を駆動した場合のビームプロファイルを示し、(B)は累積エネルギプロファイルを示す。 レーザ光と、累積光量の変動との関係を示すイメージ図である。 レーザ駆動部の一例を示すイメージ図である。 デューティに関係する電気系の主要な構成の一例を示すブロック図である。 図14の電気系の主要な構成の回路例を示すイメージ図である。 デューティを導出するために用いるパラメータを導出する処理の流れの一例を示すフローチャートである。 デューティを導出する処理の流れの一例を示すフローチャートである。 レーザ乾燥装置のレーザ照射面の一例を示す図である。 用紙幅方向の画像形成領域とレーザ素子ブロックとの位置関係の一例を示す図である。 複数のレーザ素子によるレーザ照射領域の一例を示す図である。 インクジェット記録装置における電気系の要部構成の一例を示す図である。 実施形態における乾燥処理の流れの一例を示すフローチャートである。 目標値として導出した画像形成領域におけるエネルギの一例を示す図である。 累積エネルギを導出する対象となる領域の一例を示す図である。 レーザ素子の照射光量を求める過程の一例を示す模式図である。 累積エネルギの最大値を用いて照射光量プロファイルを導出する過程の一例を示す模式図である。 用紙幅方向の画像形成領域とレーザ素子ブロックとの位置関係の一例を示す図である。
以下、開示の技術に係る実施形態について説明する。なお、作用機能が同じ働きを担う構成要素及び処理には、全図面を通して同じ符合を付与し、重複する説明を適宜省略する場合がある。
図1に、本実施形態に係るインクジェット記録装置10の主要構成部を示した概略構成図の一例を示す。
インクジェット記録装置10は、例えば、制御部20、記憶部30、ヘッド駆動部40、印字ヘッド50、レーザ駆動部60、レーザ乾燥装置70、給紙ロール80、排出ロール90、搬送ローラ100、及び用紙速度検出センサ110等を含む。
制御部20は、図示しない用紙搬送モータを駆動することで、用紙搬送モータと例えばギヤ等の機構を介して接続された搬送ローラ100の回転を制御する。給紙ロール80には、記録媒体として用紙搬送方向に長尺状の連続紙Pが巻きつけられており、搬送ローラ100の回転に伴って連続紙Pが用紙搬送方向に搬送される。
また、制御部20は、例えば記憶部30に記憶される、ユーザが連続紙Pに描画させたい画像の情報、すなわち画像情報を取得し、画像情報に含まれる画像の画素毎の色情報に基づいてヘッド駆動部40を制御する。そして、ヘッド駆動部40は、制御部20から指示されたインク滴の吐出タイミングに従って、ヘッド駆動部40に接続された印字ヘッド50を駆動して、印字ヘッド50からインク滴を吐出させ、搬送される連続紙P上に画像情報に対応した画像を形成する。
なお、画像情報の画素毎の色情報には、画素の色を一意に示す情報が含まれる。本実施形態の例では、例えば、画像の画素毎の色情報がイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各々の濃度によって表されているものとするが、画像の色を一意に示す他の表現方法を用いても構わない。
印字ヘッド50は、Y色、M色、C色、及びK色の4色それぞれに対応した4つの印字ヘッド50Y、50M、50C、及び50Kを含み、各色の印字ヘッド50に設けられたインク吐出口から対応する色のインク滴を吐出する。図1に示す例では、搬送方向に沿ってK色、Y色、C色、及びM色の順に各色の印字ヘッド50が設けられた場合を一例として示す。なお、印字ヘッド50においてインク滴を吐出するための駆動方法は特に限定されず、いわゆるサーマル方式や圧電方式等、公知のものが適用される。
レーザ乾燥装置70は、連続紙Pへ向けて各々レーザ光を照射する複数のレーザ素子を備えたレーザ光源71を含んでいる。レーザ駆動部60にはレーザ乾燥装置70に含まれるレーザ光源71のレーザ素子各々のオンオフを制御するFET(Field Effect Transistor)等のスイッチング素子が含まれる。レーザ駆動部60は、制御部20からの指示に基づいて所定周波数でスイッチング素子を駆動し、またレーザ素子のオンオフ1周期のデューティを制御することでレーザ素子から照射されるレーザ光の照射光量を調整する。本実施形態に係るレーザ駆動部60は、定電圧駆動によりレーザ素子を駆動させ、かつレーザ素子のオンオフ制御として、PWM(Puise Width Modulation)制御を用いている。具体的には、レーザ素子のオン時の信号のパルス幅が短く(デューティが小さく)なるに従ってレーザ光の照射光量が小さくなり、パルス幅が長く(デューティが大きく)なるに従ってレーザ光の照射光量が大きくなる(詳細は後述)。
そして、制御部20は、レーザ駆動部60を制御することで、レーザ乾燥装置70から連続紙Pの画像形成面に向けてレーザ光を照射させ、連続紙Pに形成された画像のインク滴を乾燥させて、連続紙Pへの画像の定着を図る。なお、レーザ駆動部60及びレーザ乾燥装置70を含んだものを乾燥装置という。また、画像形成面とは、連続紙Pに画像を形成する側の面をいう。また、連続紙P(画像形成面)上に画像形成可能な領域を画像形成領域という。すなわち、画像形成領域とは、連続紙P上に画像に応じたインク滴が吐出されてインク画像を形成可能な領域をいう。
また、レーザ乾燥装置70のレーザ素子から連続紙Pまでの距離は、レーザ素子の放射角度及び放射領域の広さに基づいて設定される。
その後、連続紙Pは搬送ローラ100の回転に伴って排出ロール90まで搬送され、排出ロール90に巻き取られる。
用紙速度検出センサ110は、例えば連続紙Pの画像形成面と対向する位置に配置され、連続紙Pの搬送方向における搬送速度を検出する。制御部20は、用紙速度検出センサ110から通知される搬送速度、及び印字ヘッド50からレーザ乾燥装置70までの距離を用いて、印字ヘッド50から連続紙Pに吐出したインク滴がレーザ乾燥装置70のレーザ照射領域内に搬送されるタイミングを算出する。そして、制御部20は、連続紙P上のインク滴がレーザ乾燥装置70のレーザ照射領域内に搬送されるタイミングで、レーザ乾燥装置70からインク滴にレーザ光が照射されるよう、レーザ駆動部60を制御する。
なお、用紙速度検出センサ110において連続紙Pの搬送速度を検出するための検出方法は特に限定されず、公知のものが適用される。また、用紙速度検出センサ110は、本実施形態に係るインクジェット記録装置10に必須のものではない。例えば、連続紙Pの搬送速度が予め定められている場合には、用紙速度検出センサ110が不要となる場合がある。
また、インクとしては水性インク、溶媒が蒸発するインクである油性インク、紫外線硬化型インク等が存在するが、本実施の形態では水性インクを使用するものとする。以下、単に「インク」又は「インク滴」とある場合は、「水性インク」又は「水性インク滴」を意味しているものとする。また、本実施形態に係るYMCK各色のインクには、K色を除いてIR(infrared)吸収剤が添加され、インクがレーザ光を吸収する度合いが調整されるが、必ずしもYMCK各色のインクにIR吸収剤を添加しなくてもよい。
このように、インクジェット記録装置10は、連続紙Pに吐出されたインク滴を乾燥するレーザ乾燥装置70を含む。
ところで、インク滴を吐出する印字ヘッド50を用いて画像を形成する場合、印字領域を効率的に乾燥させるため、印字領域に乾燥エネルギを投入する。この印字領域に乾燥エネルギを投入する素子として赤外線の半導体発光素子が注目されている。特に、赤外線の半導体発光素子の一例である赤外線レーザは、発光効率が高く、またオンオフ速度を高速にできる。このため、省エネを目的として、要求に応じた時間だけ照射させる、所謂オンデマンドの照射を可能とする素子として期待される。
半導体発光素子等のレーザ光源の駆動には一般的に定電流駆動が用いられる。半導体発光素子の一例であるLED(Light Emitting Diode)を照明用に用いる場合、予め定めた照明光量を得るために複数のLEDを駆動する。この場合、共通の駆動条件で複数のLEDを駆動するので、LEDにばらつきがあっても、共通の駆動電流による駆動のため、LED各々の駆動電圧は近くなり、定電流回路における損失は抑制され、省エネが期待できる。ところが、インク滴の乾燥にレーザ光源を用いてインク滴の量に応じてレーザ光をオンデマンド制御する場合には照射光量はインク滴の分布に応じたものとなる。このため、複数のレーザ素子によりレーザ光源を形成し、複数のレーザ素子各々によるレーザ光からの照射光でインク滴を乾燥させる場合、駆動電流はレーザ素子間のばらつきに加えて駆動電流自体もばらつくため、定電流回路を共通の電位で駆動しようとすると、駆動電圧は最大駆動電流に合わせて設定される。このため、駆動電流が最大駆動電流より小さく設定された定電流回路では損失が発生する。従って、オンデマンド制御により過度のエネルギをインク滴に照射することによる画質劣化が回避可能であるが、省エネの効果は減じられる。
これに対して、定電流駆動によるレーザ光源をPWM制御することで、照射光量を高精度に制御可能になる。すなわち、PWM制御では、オン時の駆動電流は一定にでき、駆動電圧の相違による定電流回路の損失を抑えることができ、またPWM1周期での平均光量(以下の説明では単に光量と言った場合は、この平均光量をいう。)はPWMのデューティ(Duty)で定まるので、照射光量を高精度に制御することが可能になる。しかし、定電流回路は個別に負帰還制御するため部品点数が多くなりコスト高になる。また、共通する電流であっても多数の直列接続したレーザ素子を大電流で駆動すると、駆動電圧のばらつきが小さくなっても電流が大きいためにばらつきを考慮したとしても定電流回路の損失は無視できない。この場合にはヒートシンク及び強制空冷による定電流回路の冷却が要求される。これらの事項を解消する簡単かつ損失抑制、すなわち、部品点数を減少させ、かつ損失をも減少させる定電圧駆動によるレーザ光源をPWM制御することが期待される。ところが、定電圧駆動ではレーザ素子のばらつき、素子温度でオン時の電流が変動するので、定電流回路のように目標光量に対応するデューティに変化させても照射光量が目標光量に到達しない場合がある。このため、印字領域の効率的な乾燥に利用することは困難である。
そこで、本実施形態では、簡単かつ損失抑制可能にレーザ光源71を制御する。
図2に、複数のレーザ素子LDによるレーザ光源によりレーザ光を照射する場合におけるPWM制御における信号と、照射される光量との関係の一例を示す。図2(A)は、PWM制御における信号を示し、図2(B)は、図2(A)の信号により照射されたレーザ光の光量を示している。
図2に示す例では、現在の光量Iaから目標光量Ibへ光量を変更する場合を示している。図2(A)に示すように、光量Iaの光量を射出するためのPWM制御における信号のデューティが予め定められている。すなわち、パルス幅taの時間レーザ光源がオンされる。また、目標光量Ibの光量を射出するためのPWM制御における信号のデューティも予め定められている。すなわち、パルス幅tbの時間レーザ光源がオンされる。
ところが、図2(B)に示すように、現在の光量Iaから目標光量Ibへ光量に変更された時間tpの時点では、レーザ光源から射出されるレーザ光の光量は目標光量Ibに到達していない。すなわち、目標光量Ibを照射するようにパルス幅tbにデューティを変化させても、レーザ光の光量は目標光量Ibに到達しない。これは、単純に目標光量Ibに比例してデューティを変化させただけでは、変化させた時点ではレーザ光源の温度がデューティ変化前と同じであり、結果として、レーザ光源をオンした際の電流に変化がなく、レーザ光源から照射される光量が目標光量より低くなると考えられる。そして、所定の時定数で温度が上昇し、結果として光量も増加し、目標光量Ibに収束する。この目標光量に収束する状態は定常状態とすることができる。従って、例えば、インク滴の量に応じて用紙上に目標光量Ibに比例してデューティを変化させながらレーザ光を照射しても、デューティの変化時点では目標光量Ibに到達せず、目標光量Ibに収束するまでは目標光量に満たない光量が照射される。
そこで、本実施形態では、デューティを変化させる場合に、目標光量に満たない光量を補うように、PWM制御における信号のデューティを変化、すなわち所定時間のパルス幅を増減させる。
図3に、デューティを変化させる場合に目標光量に満たない光量を補うPWM制御における信号と、照射される光量との関係の一例を示す。図3(A)は、PWM制御における信号を示し、図3(B)は、図3(A)の信号により照射されたレーザ光の光量を示している。
図3(A)に示すように、目標光量に満たない光量を補うべく、目標光量Ibを照射することが想定されるパルス幅tbより時間txだけ長いパルス幅tcにデューティを変化させることで、図2(B)に示すように、現在の光量Iaから目標光量Ibへ光量に変更された時間tpの時点において、レーザ光源から射出されるレーザ光の光量が目標光量Ibに到達する。
図3に示す例では、現在の光量Iaから目標光量Ibへ光量に変更された時間tpの時点に、デューティを変化させる場合を説明した。しかし、上述のように、所定の時定数でレーザ光源の温度が上昇し、結果として光量も増加し、目標光量Ibに収束する。従って、目標光量Ibに収束するまで徐々にデューティを変化させてもよい。
図4に、デューティを徐々に変化させる場合の一例を示す。図4(A)は、目標光量Ibを照射することが想定されるパルス幅tbにデューティを変化させた場合の光量変化を示し、図4(B)は、PWM制御における信号のデューティを徐々に変化させた場合を示している。
図4(A)に示す目標光量Ibに収束するまでの時間twの間で、図4(B)に示すように、パルス幅tbより時間txだけ長いパルス幅tcのデューティからパルス幅tbに徐々にパルス幅を短くする。このようにすることで、デューティを変更した時間tpの時点から照射される光量が目標光量Ibに収束するまでの間における光量が補われ、時間tpから目標光量Ibとなる光量がレーザ光源から照射される。
上記では、現在の光量Iaから目標光量Ibへ光量を増加させる場合を説明したが、開示の技術は光量を減少させる場合にも同様に機能する。
図5に、光量を減少させるデューティを変化する場合におけるPWM制御における信号と、照射される光量との関係の一例を示す。図5(A)は、PWM制御における信号を示し、図5(B)は、図5(A)の信号により照射されたレーザ光の光量を示している。
図5(A)に示すように、目標光量Ibを照射することが想定されるパルス幅tbより時間tyだけ短いパルス幅tcにデューティを変化させることで、図5(B)に示すように、現在の光量Iaから目標光量Ibへ光量に変更された時間tpの時点において、レーザ光源から射出されるレーザ光の光量が目標光量Ibに到達する。
図6に、目標光量と、目標光量に到達させるデューティとの関係の一例を示す。図6(A)は、目標光量を示し、図6(B)は、目標光量に到達させるデューティを示している。
図6(A)に示すように、目標光量Ib1、Ib2、Ib3、Ib4に順に変化させる場合、図6(B)に示すように、各目標光量Ib1~Ib4が照射されることが予測されるデューティDt1,Dt2,Dt3,Dt4の各々より、変化させるデューティを大きくすることで、レーザ光源71から射出されるレーザ光の光量が目標光量Ib1~Ib4の各々に到達する。なお、図6では、変化させるデューティを、実際に変化させるデューティより大きく表示している。実際に変化させるデューティは、変化量に比例するので、変化量に応じた大きさに変化させることになる。
なお、目標光量に満たない光量を補うべくデューティを変化させる場合に、レーザ光源及びレーザ駆動部60の温度特性に基づいてデューティを変化(パルス幅を増減)させることが好ましい。これは、レーザ光源及びレーザ駆動部60の温度特性(温度時定数)に応じて目標光量Ibに収束するまでの時間が変化することが予測されるためである。
次に、目標光量Ibに高精度で制御する方法の一例をさらに説明する。
まず、レーザ光源71の駆動電流とPWM制御によるデューティとの関係を説明する。
図7に、レーザ光源71の駆動電流とPWM制御によるデューティとの関係の一例を示す。図7は、デューティを変化させた場合におけるレーザ光源71のオン時の電流と照射される光量との関係を示している。
図7に示すように、レーザ光源71は定電圧駆動のため、デューティを増加させるとオン時の電流も増加する。しかし、光量はデューティと比例しない。
図8に、レーザ光源71の駆動電流-レーザ発振閾値電流Ithとデューティを乗算した結果に対する光量を示す。
図8では、図7に示すように、定電圧駆動でPWM制御するデューティに対して光量は比例でなく非直線である。これは定電流でPWM制御する場合と異なり、デューティの増大によりレーザ光源71におけるレーザ素子の活性層温度が上昇して電圧特性及び電流特性が変化し、電流が増大するためであり、比例よりも増加の割合が大きくなる。一方、図8の電流とデューティとの乗算結果に対する光量では、デューティの途中までは略一致する。従って、光量を高精度に制御するにはPWM制御におけるレーザ光源71のオン時の電流を把握することが重要であることが理解される。
このように、デューティと光量とが比例しない原因は、駆動電圧が一定であってもレーザ素子の活性層温度によって電流が変化するためと考えられる。従って、デューティを増大させると、活性層温度が上昇し、それに伴って電流が増加して、電流増加による光量増加が比例以上に増大する。さらに、デューティを増加させると、レーザ素子のロールオーバー領域に入り発光効率が低下して比例以下になる。ただし、ロールオーバー領域は効率が低下する領域であるため本来使用すべきではない領域であり、ロールオーバーまで含めた補正を想定すると演算が複雑になるため、本実施形態ではロールオーバー領域を補正対象から除外する。すなわち、本実施形態では、定電流回路を用いた場合よりも損失が少なく、単純な回路で、定電流回路同等の制御を行うことが可能であることを目的にしている。従って、本実施形態では、光量が駆動電流(電流・レーザー発振閾値)に比例することを前提にした範囲Dtw内で制御する。
レーザ光源71のオン電流は、次に示す式から算出することができる。
動作点近傍でオン時の電流が温度と比例すると考えると、
In=Io+ΔI/ΔT×(Tn-To)
ただし、Toは室温、Tnはレーザ光源の駆動時のレーザ活性層温度である。
上記に示した式では、レーザ光源71のオン時の電流を算出するため、レーザ活性層温度を式に含めている。このレーザ活性層温度は、レーザ光源71を稼動した状態で測定することは困難なため、事前に熱等価回路などを用いたキャリブレーション等によってばらつき含めたパラメータを求めておき、求めたパラメータを用いて活性層温度を推定して、その温度からオン電流を算出し、その電流と目標とする光量とからデューティを算出する。
また、レーザ光源71を駆動する場合、レーザ光源71に含まれる複数のレーザ素子の駆動数に応じて電流が異なる。
図9に、デューティに対するレーザ光源71のオン時の電流の関係を示す。図9では、レーザ光源に含まれる複数のレーザ素子の一部を駆動した場合の特性を実線で示し、複数駆動した場合を点線で示した。
図9に示すように、レーザ光源71に含まれるレーザ素子を複数駆動すると、各々ケーブル及び共通配線における電圧降下が大きくなり、結果としてレーザ光源71への印加電圧が低下してオン時の電流が減少する。従って、駆動するレーザ素子の総駆動電流と共通配線による電圧降下を考慮することが好ましい。
ここで、過渡応答でのレーザ光源71の電流は、次に示す漸化式である(1)式で表すことができる。
In=In-1 + ((Io-In-1)×(ΔT/ΔI)/Rth
+(In×(Vps-IcRc)-η×(In-Ith))×Duty)×Δt/Cth×ΔI/ΔT ・・・(1)
なお、ηは、微分効率である。
上記(1)式の第1項は、
In-1+((Io-In-1)×(ΔT/ΔI)/Rth
であり、レーザ素子からの放熱を示す。
上記(1)式の第2項は、
(In×(Vps-IcRc)-η×(In-Ith))×Duty
であり、レーザ素子の発熱を示す。
この(1)式を用いて、放熱と発熱の差し引き差から次の電流を予測できる。
IoはDuty=0での電流のため、室温でのレーザ素子を流れる電流であり、電流の変動ΔIと温度の変動ΔTとは比例関係にあり、その比例係数が動作点付近で一定値であると仮定すると、室温からのレーザ素子温度上層は、(Io-In-1)×ΔT/ΔIで表される。上記の(1)式からInを求めると、次の(2)式となる。
In=(In-1+((Io-In-1)/Rth×Δt/Cth+η×Ith×ΔT/Cth×ΔI/ΔT×Duty)/((1-(Vd-IcRc-η)×Duty×Δt/Cth×(ΔI/ΔT))+Δt/Rth/Cth)
・・・(2)
さらに、上記(2)式では、Ioと、Rth×ΔI/ΔTは、レーザ素子への印加電圧Vdにより変動する。その変動を直線近似し、その切片と傾きを、Ioはα1、β1、Rth×ΔI/ΔTはα2、β2とすると、Vd=(Vps-IcRc)、Io=Vd×α1+β1=(Vps-IcRc)×α1+β1、ΔI/ΔT×Rth=(Vps-IcRc)×α2+β2
また、ΔI/ΔTは、使用領域における電流と温度の比、Vpsは電源電圧、Rcはケーブル含めた電源からレーザ光源71までの配線抵抗、Icは電源ケーブルを流れる電流、DutyはPWM制御のデューティを示す0~1であり、Δtは差分の時間を示す。
上記(2)式によりPWM制御のオン時の電流が求められると、レーザ素子温度が一定と見なせるΔtの時間であれば、Inは変わらないとして、以下のように目標光量に対するデューティを算出することができる。
ここで、目標光量をPd、発光効率をη(ΔP/ΔI)とすると、デューティは、
Pd=(In-Ith)×η×Duty
Duty=Pd/(In-Ith)/η
として補正されたデューティとして算出することができる。
次に、パラメータの算出について説明する。
熱平衡状態ではIn=In-1であるため、(1)式は次の(3)式で表される。
((Io-In)/(ΔI/ΔT/Rth)×((Vps-IcRc)×In-η×(In-Ith)×Duty)×Δt/(Cth×ΔT/ΔI)=0
・・・(3)
(3)式の両辺に(Cth×ΔT/ΔI)/Δtを乗算し整理すると、デューティと電流の関係を表す次の(4)式となる。
In=(Io+Duty×η×Ith×Rth×ΔI/ΔT)/(1-(ΔI/ΔT×Rth)×(Vps-IcRc-η)×Duty) ・・・(4)
このデューティDutyに対するレーザ素子電流Inの直線では、Duty=0としてIoが切片となる。また、Rth×ΔT/ΔIについて求めると、
Rth×ΔT/ΔI=(In-Io)/(Duty×(In×(Vps-IcRc-η)+η×Ith))))
として算出することができる。
ここでRth×ΔT/ΔIはDutyで変化するが、式を簡単にするためDuty=1近傍の値で代表して算出することでデューティDuty0~1までで式を簡略化しつつ誤差を抑えるようにする。
さらに、Ioは駆動電圧で変化するので、これを線形近似すると、
Io=Vd×α1+β1
と表すことができる。
また、Rthは一定であり、ΔI/ΔTは駆動電圧で変化するので、
ΔI/ΔT×RthをVd×α2+β2として(4)式に代入すると、次の(5)式に簡略化できる。
In=(((Vps-IcRc)×α1+β1)+Duty×η×Ith×((Vps-IcRc)×α2+β2)))/(1-((Vps-IcRc)×α2+β2)×(Vps-IcRc-η)×Duty)
・・・(5)
次に、各パラメータの算出について説明する。
まず、上記の(4)式におけるパラメータIoの算出について説明する。
ここで、Ioを算出する際はレーザ光源71の接続ケーブルでの電圧降下を無視できる程度に短く、また1個のレーザ素子のみを駆動して電圧降下を無視できるようにする。また、印加電圧を直接モニターできるように各レーザ素子のアノード、カソード間を測定しても良い。
デューティを変化させて、PWM制御におけるレーザ素子のオン時の電流をプロットし、デューティゼロまで外挿した点がIoとなる。この場合、デューティを変化させても印加電圧の変動が無視できる状態で測定する。
次に、パラメータ(Rth×ΔI/ΔT)の算出について説明する。
上記の(4)式を変形すると、パラメータ(Rth×ΔI/ΔT)は、次の式で表すことができる。
Rth×ΔI/ΔT
=(In-Io)/((In×(Vps-IcRc―η)+η×Ith)×Duty)
ここでケーブルのRcが無視できるとすると、
Rth×ΔI/ΔT
=(In-Io)/((In ×(Vps-η)+η×Ith)×Duty)
となる。
次に、上記求めたIoを代入して、パラメータ(Rth×ΔI/ΔT)を算出する。なお、算出するデューティは発光効率ηが一定である領域における予め定めた値、例えば最大値を用いる。この処理を複数のVpsに対して算出して、Rth×ΔI/ΔTをVdの関数として近似し、
Rth×ΔI/ΔT= α2×Vd+β2
のα2、β2を算出する。
次に、過渡応答含めた(1)式を用いて、熱に関係する時定数を求める。
過渡応答含めた(1)式の第1項を用いて、時定数を求める。すなわち、第1項は、次に示すように、変数分離型で表すことができる。
In-In-1=((Io-In-1)/Rth×Δt/Cth
ΔI/((Io-In-1)=Δt/(Rth×Cth)
I=A×exp(t/(Rth×Cth)+B であり、
時定数τ=Rth×Cthを求めることができる。
時定数τはデューティDutyを変化させたときのレーザ駆動電流Inを観察すると初期のInから熱平衡状態でのInへと収束する様子が観察されるので容易に求めることができる。このため、実際に求めることが難しいRthを求めずとも熱的時定数情報Rth×ΔI/ΔTとRth×Cthが以上の説明により求めることができるので、もう一つの熱的時定数情報Cth×ΔT/ΔIも求めることができる。この結果過渡的な状態を表す式(2)が算出できるため、実際の温度Tを明示的に求めることなしにレーザ素子の電流が求められ、さらに目標光量が設定されると、デューティDutyの算出ができる。
なお、実測により求める場合、デューティの値を時間で矩形波状に変化させたときのPWM制御でのレーザ光源71のオン時の電流変化の時定数を求める。求めた時定数を用いて、
Cth×ΔT/ΔI=τ/(Rth×ΔI/ΔT)
から時定数Cth×ΔT/ΔIを算出する。なお所定時間Δtはこの時定数よりも十分短く設定する。時定数近くに設定すると繰り返し演算した場合の誤差が大きくなる。
次に、PWM制御する周波数について説明する。
搬送される連続紙P上に画像情報に対応して形成されたインク滴による画像を、レーザ光源71のオンオフ1周期のデューティを制御して乾燥させる場合、PWM制御によりレーザ光源71のオンオフする周波数が連続氏の搬送速度に対して低い周波数である場合、光量制御の精度に影響する場合がある。
図10に、レーザ光源71から照射されるレーザ光のビームプロファイルと、レーザ光源71をオンオフするデューティと、連続紙Pに照射される光量との関係を示す。
図10(A)は予め定めた周波数でレーザ光源71をオンオフした場合のレーザ光のビームプロファイルとPWM制御のオンオフ信号を示している。また、図10(B)は図10(A)による周波数でレーザ光源71をオンオフした場合の連続紙Pに照射されたレーザ光の光量の累積エネルギプロファイルを示している。図11(A)は図10(A)の周波数より低い周波数でレーザ光源71をオンオフした場合のレーザ光のビームプロファイルを示している。また、図11(B)は、図11(A)による周波数でレーザ光源71をオンオフした場合の連続紙Pに照射されたレーザ光の光量の累積エネルギプロファイルを示している。
図10(A)に示すように、レーザ光源71のオンオフ1周期のデューティを制御するPWM制御で、PWM周波数が連続紙Pの移動量に対して十分高いと、1周期あたりの連続紙Pの移動量に対してレーザ光源71のビームプロファイルが十分広がっている場合、累積エネルギプロファイルの変動は小さい。すなわち、1周期あたりの連続紙Pの移動量に対して照射されるレーザ光の変動量が小さい場合、レーザ光源71のオンオフ1周期のデューティを変化させても、図10(B)に示すように、連続紙Pに照射されたレーザ光による累積エネルギプロファイルの誤差は小さい。
一方、 図11(A)に示すように、デューティを制御するPWM周波数が連続紙Pの移動量に対して低いと、1周期あたりの連続紙Pの移動量に対してレーザ光源71のビームプロファイルが大きく変動する場合、PWMの信号の位相により累積エネルギプロファイルが変動する。すなわち、1周期あたりの連続紙Pの移動量に対して照射されるレーザ光の変動量が大きい場合、デューティを変化させると、図11(B)に示すように、PWM制御でオンする位相で想定した累積エネルギプロファイルと異なる累積エネルギプロファイルになる。
従って、想定した累積エネルギプロファイルを得るためには、連続紙Pの移動速度と、レーザ光源71のオンオフ1周期、すなわちPWM制御の周波数とが関係する。
図12に、レーザ光源71から照射されるレーザ光と、連続紙Pに照射される累積光量の変動との関係を示す。
図12では、レーザ光の拡散角度の半値角度が15度、レーザ光源71と連続紙Pとの距離が10mm、連続紙Pの搬送速度が200m/min、周波数が50kHz、連続紙Pをレーザ光源71によりレーザ光を照射した場合を一例として示している。なお、レーザ光源のエネルギ分布はガウシアン分布であり、ガウシアン半径が4.4mmである場合を示す。また、図12では、レーザ光のエネルギ分布を2点鎖線で示し、光量変動の分布を実線で示した。
図12に示すように、連続紙Pが200m/minの相対速度で移動した場合、周波数を50kHzでデューティ制御すると、1周期の20μsec(連続紙Pの移動距離では0.066mm)で連続紙P上のレーザ光の光量変動はビーム中心から3.3mmの位置で1.3%変動する。レーザ光の光量変動を6.5%まで許容すると周波数は10kHzまで低下できる。例えば、デューティを1%として、レーザ光源71をオンする位置が0.066mmの領域の先端と後端とで1.3%ビーム光量が異なる。また連続紙の相対速度がたとえば40m/minになれば、10kHzでも1.3%の変動に抑えられるので目標精度に加え連続紙の搬送速度も考慮してPWM周波数を決めることでロスを減らすことができる、このように、周波数でトランジスタの発熱量と、レーザ光の光量の精度が定まるので、要求される累積エネルギの制御精度からPWM制御する場合の周波数を定めることができる。
図13に、レーザ駆動部60の一例を示す。
図13では、所定周波数でレーザ素子をオンオフするスイッチング素子としてFET等のトランジスタTrを用いている。
図13に示すレーザ駆動部60の一例では、制御部20からの指示に基づくPWM制御の周波数が1MHz、そしてデュ-ティが100%で駆動した場合、トランジスタTrにおける消費電力が60mWであった。
この場合に、デューティを50%にすると、消費電力が180mWになった。この消費電力180mWのうち、150mWはスイッチング時の消費電力であり、スイッチング周波数に比例する。そして、30mWがデューティに比例する直流的な損失である。トランジスタTrはオン状態のときの抵抗が略0(=60mW/電流/電流)であり、オフ状態のときの抵抗が無限大になって直流的には損失がない。一方、トランジスタTrがオン状態からオフ状態、としてオン状態に遷移する過渡状態では、遷移期間を短くしてもスイッチングトランジスタのゲート容量を充電する時間が必要であり、ゼロにはできないため、等価抵抗が略0と無限大の間の抵抗値となり損失が発生する。従って、スイッチング時の消費電力を150mWを30mW以下にすれば損失が抑制される。すなわち、1/5の200kHz以下で駆動すると、デューティ100%により消費する消費電力60mW以上には発熱しない。従って、冷却を不要とする周波数の上限値をデューティ100%の状態で定めることができる。
一方、周波数の下限値は、連続紙Pの移動速度と、レーザ光源の光量分布と、光量変動とから定まる。上述の例では、50kHz以上の周波数で駆動することが好ましい。従って、PWM制御の周波数は、50kHz以上でかつ200kHz以下に設定することが好ましい。
なお、連続紙Pの移動速度が変動可能に構成された場合、連続紙Pの移動速度に応じてPWM制御の周波数を設定してもよい。
次に、目標光量を得るためのデューティを導出する方法を具体的に説明する。
図14に、目標光量を得るためのデューティを導出する電気系の主要な構成の一例を示す。
図14に示すように、制御部20は、駆動電源制御部21及び光量設定部22を含んでいる。レーザ駆動部60は、デューティ演算部61、PWM信号発生部62、バッファ63、及びスイッチング回路64を含んでいる。スイッチング回路64は電流検出部65を介してデューティ演算部61に接続されている。レーザ乾燥装置70は、駆動電源部72及びレーザ光源71を含んでおり、レーザ光源71は電圧検出部73を介してデューティ演算部61に接続されている。駆動電源部72は電圧検出部74を介してデューティ演算部61に接続されている。また、駆動電源部72は駆動電源制御部21にも接続されている。
レーザ光源71とスイッチング回路64は直列に接続され、レーザ素子のアノードに駆動電源部72の正側、スイッチング回路64には負側が接続される。スイッチング回路64にはPWM信号がバッファ63を介して入力されるように接続され、レーザ光源71がPWM駆動される。スイッチング回路64にはPWM制御によるオン時の電流を検出する電流検出部65が接続され、レーザ光源71の正側と負側の間の電圧を検出する電圧検出部73が接続される。測定された電圧と電流は定期的または乾燥ムラが起きた場合に用いるためのものであり、レーザ素子を切り替えながら、例えば、AD変換に必要なサンプリング時間を確保できるようにデューティを設定してレーザ光源71の電圧、電流、及び光量特性を測定し、劣化の有無を判断し、劣化ありと判断した場合には発光効率などのパラメータの再測定を行う。一方、通常の駆動時には、電圧と電流のモニターは行わず、演算によって目標光量に基づいて設定するデューティを定め、定めたデューティでレーザ光源71を駆動する。このようにすることで、オンデマンド制御においても、例えば、印字領域が終了したのちに再び印字領域に進入レーザ照射を開始する場合に、電流を測定してその値でフィードバックして光量を制御しようとすると、どうしても事前点灯してそのときのレーザ素子電流を把握する必要があり、無駄になるだけでなく、不要な照射を行うことで画質への影響も懸念される、Dutyが短い場合も同様で、最小のDutyでも測定できるようにすると高価なADコンバータを使う必要があり、精度優先で変換速度が長いADコンバータを使用すると、Dutyが短い場合オン電流が測定できなくなる。一方演算により常時PWM制御によりレーザ光源71をオンしたときの電流がデューティ演算部61で演算されるとこれにより、事前点灯せずに目標となる平均光量が制御部20から入力されると、対応するデューティが演算されて、レーザ光源71が適切なデューティで駆動される。
図15に、図14に示した電気系の主要な構成の回路例を示す。
図15に示すように、スイッチング回路64は、例えばNMOSで構成され、ソース側に電流測定用の抵抗が接続されドレイン側には、スイッチング回路64を構成するトランジスタTrの破壊を防止するためのスナバー回路と、電源との間のケーブルに含まれる寄生インダクターで生じるトランジスタがオフした際に発生する高電圧をコンデンサ側に放電させるダイオードとコンデンサが含まれている。ここでコンデンサはレーザのアノード電位で事前に充電されている。したがってカソードに発生した電圧がアノード電位以下ではダイオードがオンせず、超えた場合だけダイオードがオンしてコンデンサで発生した電圧(電荷)を吸収する。
例えば、PWM信号は周波数10kHz、1MHzのクロック信号を用いてデューティを1%刻みで変化可能に構成される。レーザ光源71には例えば20個のレーザ素子が直列に接続され、例えば42Vで駆動される。レーザ光源71は例えば電流が2Aで駆動される。トランジスタTrのソース、ドレイン間の抵抗はゲートに6Vを印加したときの20mΩであり、デューティ100%でのトランジスタTrでの損失は80mWとなる。
スイッチング回路64には、キャリブレーション用に電圧検出と電流検出が行われる。電圧検出はグラウンドGNDとレーザアノードとの間を分圧して、両端電圧がADコンバータの予め定めた入力電圧範囲内となるようにするために用いられる。単純にレーザ光源71のアノードとカソード間を分圧して入力すると、スイッチング回路64がオフ時のカソード電位はアノード電位に向かって上昇するので、ADコンバータの入力電圧範囲を超えて壊れるためである。また、電流検出はスイッチング回路64を構成するトランジスタTrのソース側に接続された抵抗の電圧降下として測定する。電流測定抵抗は10mΩ程度として、電流測定による損失を抑えながら精度を確保する。10mΩであれば2Aで駆動しても損失は40mWであり、2Aの電流を印加したときに20mV出力するので、例えは、12ビットのADコンバータでフルスケール500mV程度あれば1%以内の分解能を得ることができる。また駆動電流が大きいとグラウンドGNDの電位変動が測定精度に影響するため、電圧及び電流共に抵抗両端電圧を差動でADコンバータに入力してグラウンドGNDの変動が精度に影響しないようにすることが好ましい。
また、キャリブレーションは電圧検出をレーザ素子ごとに検出するのではなく、レーザ素子に共通に接続された電源端子とグラウンドGND間で分圧して測定する場合には、上述のように、複数のレーザ素子を同時に駆動すると共通の配線の電圧降下がパラメータ算出に影響するため、1個のレーザ素子毎にオンして測定することで、複数のレーザ素子を同時駆動した場合の電圧降下による誤差を排除できる。1個のレーザ素子毎にオンして測定する場合には、ADコンバータは1個あればよく、複数のレーザ素子各々の電圧及び電流測定の抵抗両端電圧を各々アナログMPXで切り替えて1系統の差動信号にしてAD変換すればよい。
次に、目標光量を得るためのデューティを導出する処理をさらに説明する。
図16に、目標光量を得るためのデューティを導出するために用いるパラメータを導出する処理の流れの一例を示す。
ステップS10では、デューティを増加させながら、電圧、電流、及び光量を測定する。次のステップS12では、デューティを100%に設定し、電圧を増加させつつ電流及び光量を測定する。次に、ステップS14において異なる2種類のデューティを交互に切替ながら電流を測定する。そして、ステップS16では測定結果を用いてパラメータを導出する。
次に、パラメータを用いて目標光量を得るためのデューティを導出する処理の流れをさらに説明する。
図17に、目標光量を得るためのデューティを導出する処理の流れの一例を示す。
ステップS20では、画像データに基づいて、照射領域の目標光量を設定する。次のステップS21では、照射領域の区画単位の光量(P1,P2,・・・,Pn)を設定する。次に、ステップS22において電流In=Ioを設定する。ステップS23において目標光量Pk(1<k<n)を選択し、ステップS24で式(2)でInを算出する。ステップS25で目標光量PkとInとからDutyを算出する。ステップS26で対象となる画像領域が照射領域に到達するのに合わせて求めたDutyを更新する。ステップS27で印刷機が停止するか確認し、停止しない場合には再びステップS23に戻ってDuty更新を繰り返す。
なお、上述のデューティを導出する演算、及びPWM信号の発生を行い構成は、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイス(PLD)を用いた集積回路により構成することができる。例えば、デューティを導出する演算回路、及びPWM信号を発生させる発生回路を、FPGAで構成した場合、FPGAは制御部20に接続される。この場合、制御部20は、画像濃度データを照射光量に変換して目標光量としてFPGAへ出力する。FPGAは目標光量が入力されると上記処理による演算によってデューティを導出して、連続紙Pの移動速度に応じたクロックに同期してPWM制御の信号を発生させる。すなわち、FPGAを駆動する内部クロックを基準にして所定のPWM周期に発生したトリガー信号によるデューティに対応したレーザ光源をオンさせるパルス幅の信号とオフさせる信号とを生成して出力する。
レーザ光源71の個別ばらつきに対応した演算に用いるパラメータは、スイッチング回路64における電圧及び電流が例えばアナログMPXを経由してAD変換されて、FPGAで用いられた値が制御部20へ送信される。制御部20では、測定結果から個別パラメータを導出し、その結果をFPGAへ出力する。FPGAでは、入力された個別パラメータを記憶しておき、次回の演算の際に用いられる。
以上説明したように、レーザ光源71を定電圧駆動する際にPWM制御によるデューティを補正して制御することで、連続紙Pに照射する光量を目標光量に制御することができる。そして、連続紙Pに照射する光量を目標光量に制御し、さらに累積エネルギ制御を行う。
次に、連続紙P上のインク滴を乾燥させるために行うレーザ光源71から照射したレーザ光の累積エネルギ制御について説明する。なお光量とは特に説明が無い場合にはPWM1周期の平均光量を指す。
図18に、レーザ乾燥装置70のレーザ照射面の一例を示す。ここで、レーザ照射面とは、連続紙Pの画像形成面と対向するように設けられた複数のレーザ素子LDがレーザ光を照射する面をいう。
図18に示すように、レーザ乾燥装置70のレーザ照射面には、複数のレーザ素子LDが、用紙搬送方向及び用紙幅方向に沿って配置される。複数のレーザ素子LDは、レーザ駆動部60によってレーザ照射のタイミング及びレーザ光の照射光量が制御される。また、複数のレーザ素子LDは、用紙搬送方向に沿って予め定めた個数毎にレーザ素子ブロックLBとしてまとめられ、レーザ駆動部60により、レーザ素子ブロックLB毎に一括して駆動される。従って、レーザ素子ブロックLBは、同時に点灯または消灯するレーザ素子群として機能する。
図18に示す例では、複数のレーザ素子LDの一例として、用紙搬送方向に20個のレーザ素子LD01~LD20を含むレーザ素子群をレーザ素子ブロックLBとして、用紙幅方向に16ブロック(レーザ素子ブロックLB01~LB16)配設した320個のレーザ素子でレーザ乾燥装置70を構成した場合を示した。なお、図18に示すレーザ素子ブロックLBに含まれるレーザ素子LDの個数及びレーザ素子ブロックLBのブロック数に制限がないことは勿論である。また、本実施形態では、複数のレーザ素子LDとして、用紙幅方向の間隔、すなわちレーザ素子ブロックLBの間隔が1.27mmに設定されたレーザユニットを用いた場合を説明する。
レーザ素子LDは、レーザ光を面発光する面発光レーザ素子を用いることが好ましい。例えば、面発光レーザ素子として、複数のレーザ素子を用紙搬送方向及び用紙幅方向に格子状に配置した垂直共振器型のレーザ素子を含む、VCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser)とも称されるレーザ素子を用いることができる。
ところで、レーザ素子ブロックLBを、連続紙Pの画像形成面上における各レーザ素子ブロックLBのレーザ照射領域が用紙幅方向に隙間なく隣接するように配置した場合、連続紙Pの画像形成面上には、各レーザ素子ブロックLBのレーザ照射領域単位のレーザ光が照射される。ところが、レーザ光は、中心から徐々に光量が小さくなる光量分布のレーザ光を照射する。このため、画像形成面上では、レーザ光の光量がばらつき、インク滴の乾燥ムラを引き起こす場合がある。
そこで、本実施形態では、少なくとも用紙幅方向の画像形成領域に、より多くのレーザ光が照射されるように、少なくとも用紙幅方向に複数のレーザ光が互いに重複するように、レーザ素子ブロックLBを位置させる。すなわち、レーザ素子LDから照射されるレーザ光が広がりを有する、すなわち、レーザ素子LDの放射角度及び(連続紙Pにおける)放射領域の広さに着目し、用紙幅方向の画像形成領域内に、少なくとも用紙幅方向の複数のレーザ素子のレーザ光が重複して照射されるようにレーザ素子LDを配設する。
図19に、用紙幅方向の画像形成領域とレーザ素子ブロックLBとの位置関係の一例を示す。
図19に示す例では、用紙幅方向の画像形成領域Rxに対して、複数のレーザ素子ブロックLBからのレーザ光が重複して照射されるようにレーザ素子ブロックLBを設けている。すなわち、レーザ素子LDのレーザ光の広がり(放射角度)を考慮して、連続紙Pに対してレーザ光が重複して照射されるようにレーザ素子LDと連続紙Pとの距離を定める。このようにすることで、連続紙Pに照射されるレーザ光を、レーザ素子ブロックLB単位のレーザ光から複数のレーザ素子ブロックLBによるレーザ光に分散させることができる。これにより、インク滴の乾燥ムラを抑制することができる。
また、レーザ乾燥装置70を用いてインク滴を乾燥させる場合、レーザ乾燥装置70のレーザ照射領域に含まれるインク滴が乾燥される。従って、インク滴をレーザ照射によって乾燥させる場合、レーザ乾燥装置70におけるレーザ照射領域をどのように設定すればよいか、レーザ照射領域におけるレーザ光の光量をどのように設定すればよいのかを検討する必要がある。
図20に、複数のレーザ素子LDによるレーザ照射領域Rの一例を示す。
本実施形態では、各レーザ素子LDから照射される各レーザ光は広がりを有する。この広がりを有する各レーザ光を考慮するため、複数のレーザ素子LDによるレーザ照射面に対応する領域Roと、領域Roの周囲に広がりを有するレーザ光を考慮するために定めた領域Rmとを含むレーザ照射領域Rを設定する。なお、領域Roは、画像形成領域に対応する。
領域Roは、連続紙P上で、複数のレーザ素子LDがレーザ光を照射するレーザ照射面に対応する大きさの領域である。すなわち、領域Roは、連続紙P上で、用紙幅方向に配列されたレーザ素子LDの距離に対応する幅Ho、用紙搬送方向に配列されたレーザ素子LDの距離について連続紙Pの搬送速度に応じて伸縮した長さVoの大きさを設定する。連続紙Pは、搬送されながら複数のレーザ素子LDによりレーザ光が照射される。従って、連続紙Pには複数のレーザ素子LDにより照射されたレーザ光のエネルギが累積される。すなわち、インク滴を乾燥するためには、レーザ光の光量(照射光量)及びそのレーザ光の照射時間により与えられる累積エネルギ(照射光量と照射時間の積)を検討することが重要である。また、この領域Roは、複数のレーザ素子LDの各々から照射されたレーザ光が支配的な領域が存在する。
そこで、本実施形態では、領域Roをレーザ素子LD単位で分割し、分割した区画単位で照射されるレーザ光による累積エネルギを検討する。すなわち、本実施形態では、領域Roを、用紙幅方向に16分割(Ho/16)し、用紙搬送方向に20分割(Vo/20)した大きさの区画SP単位でレーザ光による累積エネルギを検討する。区画SPの用紙幅方向の大きさは、レーザ素子LDの用紙幅方向の間隔として、例えば0.635mmに設定される。また、区画SPの用紙搬送方向の大きさは、用紙搬送方向に並べられたレーザ素子LD01~LD20の配置間隔1.89mmに設定される。
なお、領域Roにおける累積エネルギを詳細に検討する場合、用紙幅方向のレーザ素子LD間におけるレーザ光の照射光量による累積エネルギを考慮する場合がある。この場合は、用紙幅方向に配列されたレーザ素子LDの数を所定倍した数で、分割すればよい。例えば、レーザ素子LDの数の2倍で分割することにより、用紙幅方向のレーザ素子LD間のレーザ光の光量が谷間となる部分の累積エネルギを考慮することで乾燥ムラを抑制することができる。また区画SPの用紙搬送方向の長さをレーザ素子LDの配置間隔とすることで、配置間隔の間の領域についての演算を不要にしている。
一方、領域Rmは、領域Roの周囲に広がるレーザ光を考慮するために、所定区画を有する領域を定める。本実施形態では、用紙搬送方向に所定数(例えば5)の区画SPを有する領域を有し、用紙幅方向にレーザ素子LDの用紙幅方向の間隔の1/2の区画、すなわち、用紙搬送方向に区画SPを1/2に分割した区画を、所定数(例えば5)有する領域を定める。すなわち、領域Rmは、連続紙P上で、区画SPの1/2の区画を5つ並べた用紙幅方向の距離に対応する幅Hmを両側に設定し、用紙搬送方向の上流側、下流側に区画SPを5つ並べた距離について連続紙Pの搬送速度に応じて伸縮した長さVmの大きさが設定される。
なお、本実施形態では、累積エネルギ算出時の誤差を避けるために用紙搬送方向の上流側、下流側に所定数の区画SPを有する領域Rmを検討対象として設定して用紙上の検討対象位置が領域Voを外れて領域Rmから漏れこんだレーザ光の影響を考慮できるようにしたが、用紙搬送方向の上流側、下流側に設けた少なくとも一方の領域Rmは無視してもよい。これは、図18に示したように用紙搬送方向にレーザ素子が20個1.89mmピッチで配置された状態の場合、領域Vo外の漏れ光の寄与が小さいため、領域Rmを無視したとしても、累積エネルギの算出結果に影響が少ないという結果を得たためである。このように、領域Rmを無視することで、演算負荷を抑制することができる。
次に、レーザ乾燥装置70の駆動方法について説明する。
前記したように、本実施の形態に係るレーザ駆動部60は、レーザ素子ブロックLB毎にレーザ素子ブロックLBをオンオフ駆動する。従って、レーザ乾燥装置70に含まれる全てのレーザ素子ブロックLBをまとめて一括してオンオフ駆動する場合と比較して、インク滴が存在しない領域への無駄なレーザ照射を抑制することができる。これにより、インク滴を乾燥する際に要する消費エネルギーが抑制され、インク滴が効率よく乾燥される。
また、本実施の形態に係るレーザ駆動部60は、画像情報を用いて、画像上の位置におけるインク滴の量を算出する。すなわち、連続紙Pに形成される画像の濃度に応じてインク滴の量は変動する。そこで、連続紙Pの予め定めた領域に、画像情報に応じて吐出されたインク滴の量を算出する。この場合、予め定めた領域を区画SPとする。
レーザ駆動部60は、画像のインク滴の量に応じたレーザ照射光量となるように該当するレーザ素子ブロックLBをオンオフ駆動する。また、レーザ駆動部60は、各レーザ素子ブロックLBをオンオフ駆動するデューティをインク滴の量と連続紙Pの搬送速度に基づいて算出する。すなわち、レーザ駆動部60は、レーザ照射領域Rを連続紙P(の画像形成領域)が用紙搬送方向に通過するのに要する時間を累積時間として、画像のインク滴の量に応じて必要となる累積エネルギとなるように、レーザ照射光量をレーザ素子ブロックLBをオンオフ駆動し制御する。
なお、レーザ駆動部60は、画像のインク滴の量に応じてレーザ素子ブロックLBをオンオフ駆動するのに代えて、画像の表面印字率を算出し、算出した画像の表面印字率に応じて、レーザ素子ブロックLBをオンオフ駆動してもよい。例えば、レーザ駆動部60は、画像情報に基づいて、画像の表面印字率を予め算出する。ここで、印字率とは、連続紙Pの予め定めた領域に、インク滴を打滴することができる箇所の総数に対して、実際にインク滴が打滴された箇所の割合をいう。この場合、予め定めた領域を区画SPとする。すなわち、画像の表面印字率とは、画像が連続紙Pの画像形成領域に形成された際、レーザ素子LDの各々に対応して定めた区画SPに含まれる連続紙P(の画像形成領域)の印字率をいう。
レーザ駆動部60は、画像の表面印字率に応じ、乾燥に必要な累積エネルギとなるよう、該当するレーザ素子ブロックLBをオンオフ駆動する。また、レーザ駆動部60は、各レーザ素子ブロックLBをオンオフ駆動するデューティについて、連続紙Pの搬送速度によって用紙がレーザ照射領域を通過する累積時間が変化するため、さらに搬送速度も考慮してレーザ照射光量を決定する。すなわち、レーザ駆動部60は、レーザ照射領域Rを連続紙P(の画像形成領域)が用紙搬送方向に通過するのに要する時間と、画像の表面印字率に応じて、レーザ素子ブロックLBをオンオフ駆動する。
次に、インクジェット記録装置10における電気系の要部構成を説明する。
図21は、インクジェット記録装置10における電気系の要部構成の一例を示す図である。制御部20は、例えば、コンピュータで実現可能である。以下、制御部20として実現可能なコンピュータを、コンピュータ20と表記して説明する。
図21に示すように、コンピュータ20は、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、不揮発性メモリ204、及び入出力インターフェース(I/O)205が、バス206を介して各々接続される。そして、I/O205には、ヘッド駆動部40、レーザ駆動部60、用紙速度検出センサ110、通信回線I/F(Interface)120、操作表示部130、及び用紙搬送モータ140が接続されている。更に、ヘッド駆動部40には印字ヘッド50、レーザ駆動部60にはレーザ乾燥装置70が接続されている。また、搬送ローラ100は、用紙搬送モータ140と例えばギヤ等の駆動機構を介して接続され、用紙搬送モータ140の駆動に伴い搬送ローラ100が回転する。
コンピュータ20は、例えばROM202に予めインストールされている制御プログラム202PをCPU201で実行し、制御プログラム202Pに従ってI/O205に接続される各要素とデータ通信を行うことで、インクジェット記録装置10を制御する。
ヘッド駆動部40は、例えば印字ヘッド50をオンオフ駆動するFET等のスイッチング素子を含み、コンピュータ20からの指示を受け付けてスイッチング素子を駆動する。
印字ヘッド50は、例えば、電圧の変化を力に変換する圧電素子等を含み、ヘッド駆動部40からの駆動指示に従って圧電素子等を動作させ、図示しないインクタンクから供給されたインク滴を、印字ヘッド50のノズル吐出口から連続紙Pに向かって吐出する。
レーザ駆動部60は、例えば、レーザ乾燥装置70に含まれるレーザ素子ブロックLB毎にレーザ素子ブロックLBをオンオフ駆動するFET等のスイッチング素子を含み、コンピュータ20からの指示を受け付けてスイッチング素子を駆動する。
レーザ乾燥装置70は、例えば、レーザ素子ブロックLBを含み、レーザ駆動部60からの駆動指示に従って、レーザ素子ブロックLBから連続紙Pに向かってレーザ光を照射する。
通信回線I/F120は、図示しない通信回線に接続され、通信回線に接続されている図示しないパーソナルコンピュータ等の情報機器と、データ通信を行うためのインターフェースである。この図示しない通信回線は、有線、無線、及び有線と無線の混在の何れの形態であってもよく、例えば、図示しない情報機器から画像情報を受け付けるようにしてもよい。
操作表示部130はインクジェット記録装置10のユーザからの指示を受け付けると共に、ユーザに対してインクジェット記録装置10の動作状況等に関する各種情報を通知する。操作表示部130は、例えば、プログラムによって操作指示の受け付けを実現する表示ボタンや各種情報が表示されるタッチパネル式のディスプレイ、及び、テンキーやスタートボタンなどのハードウェアキー等を含む。
以上の要素を含むインクジェット記録装置10の処理は、制御プログラム202Pを実行することにより、コンピュータ20を利用してソフトウエアにより実現することができる。
なお、制御プログラム202Pは、ROM202に予めインストールされて提供される形態に限られず、CD-ROMやメモリカード等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納された状態で提供される形態であってもよい。また、通信回線I/F120を経由して配信される形態等であってもよい。
次に、本実施形態に係るインクジェット記録装置10の作用を説明する。
図22に、例えば、ユーザから連続紙Pに形成する画像情報を受け付けた際に、コンピュータ20のCPU201によって実行される制御プログラム202Pの一例としての乾燥プログラムの処理の流れを示す。
なお、ここでは説明を簡略化するため、レーザ乾燥装置70の直前に形成されたM色のインク画像を乾燥処理する場合を説明する。
まず、ステップS100では、例えばRAM203の予め定めた領域に予め記憶されたM色の画像情報を取得する。例えば、M色の画像情報は、乾燥領域を示す情報及びインク滴の量を示す各情報が含まれる。乾燥領域とは、画像形成領域にインク滴が吐出されてインク画像が形成された領域の位置及び大きさをいう。また、画像の濃度に応じてインク滴の量が変動するため、乾燥領域内の位置(例えば画素)に対応してインク滴の量が定まる。このため、インク滴の量を示す各情報は、乾燥領域内の位置(例えば画素)に関連付けられている。
次のステップS110では、ステップS100で取得したM色の画像情報を用いて、連続紙P上(画像形成領域上)に形成されるM色のインク画像を乾燥するための累積エネルギを導出し、導出した累積エネルギの値を目標値としてRAM203に格納する。M色のインク滴を乾燥するためには、M色の画像情報に応じたM色のインク滴の量が乾燥されるエネルギを与えることが必要であり、本実施形態では、レーザ光の光量(照射光量)及びそのレーザ光の照射時間による累積エネルギを与えることを想定する。
そこで、ステップS110では、まず、M色の画像情報によって表される画像の各画素のM色のインク滴の量及び配置が、連続紙P上(画像形成領域上)に形成される画像の位置と一致するように、RAM203の予め定めた領域に画像情報を展開する。なお、RAM203に展開された画像情報を画像データという。
そして、RAM203に展開された画像データを、レーザ乾燥装置70で用いられるレーザ素子LDに対応した区画SPの大きさに分割する。分割した区画SPの大きさに対応する領域毎に画像データのM色のインク滴の量を算出して、算出したM色のインク滴の量を画像形成領域(レーザ照射領域Rの領域Ro)における区画SPの各位置に対応付けてRAM203に記憶する。
次に、インク滴の量を乾燥する乾燥エネルギを、区画SP毎に導出する。すなわち、区画SPの各位置に対応するインク滴の量を乾燥する、例えばレーザ光の光量及びそのレーザ光の照射時間から設定されるエネルギを、乾燥エネルギとして区画SP毎に導出する。導出した乾燥エネルギを、区画SPに含まれるインク滴の量を乾燥する累積エネルギの目標値として、区画SPの各位置に対応付けてRAM203に記憶する。
図23に、目標値として導出した画像形成領域におけるエネルギの一例を示す。
次に、ステップS120、S130で用紙搬送方向の特定位置での累積エネルギ目標値からレーザ照射光量を繰り返し演算によって算出する。まずステップS120では、レーザ乾燥装置70で照射するレーザ光の照射光量を導出するために、レーザ素子ブロックLBから照射する例えばデューティ最大時のレーザ光の最大照射光量と、連続紙Pを用紙搬送方向に搬送する搬送速度を基に繰り返し演算の累積エネルギの初期値を設定する。ここで搬送速度は、インクジェット記録装置10内で連続紙Pを搬送させる予め定めた搬送速度が記憶されているものとする。
次のステップS130では、用紙幅方向のエネルギプロファイルを、レーザ素子LDの照射光量を繰り返し演算により、目標累積エネルギ未満とならないようレーザ光の照射光量を徐々に低下させながら目標値に至るまで導出する。本実施形態では、M色のインク画像を乾燥させるための累積エネルギを導出するのに、2次元で算出するのではなく、レーザ素子が用紙搬送方向に20個並び、それらが一括で制御されることから、用紙搬送方向には同一値とみなし用紙幅方向だけの1次元で算出することで、大幅に演算を簡略化している。M色のインク画像に対して用紙幅方向に1次元方向の累積エネルギを導出し、そして用紙搬送方向に展開する。
そこで、ステップS130では、用紙幅方向に1次元方向の累積エネルギを用紙搬送方向に亘って導出する。詳細には、まず、連続紙Pの画像形成領域における用紙幅方向に1区画SPが連続する区画SP群について、連続紙Pを搬送しながらレーザ素子ブロックLBから初期値の照射光量によるレーザ光を照射した場合の累積エネルギプロファイルを導出する。そして1次元方向の累積エネルギを用紙搬送方向に亘って導出する。次に、レーザ光の照射光量を予め定めた照射光量だけ低下させて1次元方向の累積エネルギを用紙搬送方向に亘って導出することを繰り返す。この場合には、導出した1次元方向(用紙幅方向)の累積エネルギが目標値未満になった区画に対応するレーザ素子ブロックLBの照射光量を低下させることを停止する。そして求める照射光量として累積エネルギが目標値未満となるひとつ手前の目標値以上の値を採用する。
図24に、連続紙Pの画像形成領域において累積エネルギを導出する対象となる領域の一例を示す。図24には用紙幅方向に1次元方向の累積エネルギを用紙搬送方向に亘って導出する場合に、連続紙Pの画像形成領域における用紙幅方向に1区画SPが連続する区画SP群SPG-Hの一例が示されている。
図25に、区画SP群SPG-Hについて、繰り返し演算によって、目標値となる累積エネルギから各レーザ素子LDの照射光量を求める過程の一例を示す。
図25(A)に示すように、全てのレーザ素子ブロックLB01~LB16から、例えば、繰り返し演算の初期値として各レーザ素子LDを最大照射光量に設定して連続紙Pを搬送させながらレーザ光を照射した場合、区画SP群SPG-Hには、全てのレーザ素子ブロックLBに含まれる用紙幅方向の各レーザ素子LDからレーザ素子ブロックLBの長さ方向に順次、最大照射光量のレーザ光が照射される。これにより、幅Hoに対応する区画SP群、すなわち用紙幅方向の画像形成領域についての累積エネルギは最大照射光量のレーザ光によるエネルギが累積された累積エネルギE0となる。この場合、画像形成面における用紙幅方向に対する累積エネルギの分布として用紙幅方向のエネルギプロファイルEP0が得られる。
そして、エネルギプロファイルEP0と目標値とを比較して、用紙幅方向の累積エネルギが目標値以上の場合には照射光量を低下させる。
すなわち、図25(B)に示すように、エネルギプロファイルEP0が目標値によるプロファイルの何れかの位置で接するまで、全てのレーザ素子ブロックLB01~LB16について各レーザ素子LDの照射光量を予め定めた照射光量だけ徐々に低下させる。図25(B)に示す例では、最大照射光量から予め定めた照射光量だけ低下された照射光量のレーザ光によるエネルギが累積された累積エネルギE1による用紙幅方向のエネルギプロファイルEP1で、目標値によるプロファイルと接している。
次に、目標値によるプロファイルと接したエネルギプロファイルEP1の位置に該当する区画SPに関係する複数のレーザ素子ブロックLBについて照射光量の低下を停止し、他のレーザ素子ブロックLBについて各レーザ素子LDの照射光量を予め定めた照射光量だけ低下させることを順次繰り返す。
すなわち、図25(C)に示すように、目標値によるプロファイルに接したエネルギプロファイルEP1による累積エネルギE1を維持しつつ、照射光量が低下された他のレーザ素子ブロックLBによる累積エネルギが目標値によるプロファイルに接するまで繰り返し、累積エネルギE2が導出される。さらにその他のレーザ素子ブロックLBによる累積エネルギが目標値によるプロファイルに接するまで繰り返す。図25(C)に示す例では、照射光量を低下させている途中の累積エネルギE3が示されている。この場合には、用紙幅方向のエネルギプロファイルEP2が得られる。
そして、図25(D)に示すように、目標値によるプロファイルによる網羅した用紙幅方向のエネルギプロファイルEP3が導出される。このようにして導出された用紙幅方向のエネルギプロファイルEP3から、用紙幅方向の区画SP群SPG-Hに対して照射されたレーザ光による累積エネルギ、すなわちレーザ素子ブロックLB01~LB16に含まれる各レーザ素子LDの照射光量を導出できる。
以上の処理を、連続紙Pの画像形成領域において用紙搬送方向に亘って、すなわち用紙搬送方向の区画SP毎に行って、連続紙Pの画像形成領域に対する累積エネルギを、用紙幅方向の単位で導出する。このようにして導出した累積エネルギを、区画SPの各位置に対応付けてRAM203に記憶する。なお、導出した累積エネルギから、予め定められた連続紙Pの搬送速度を用いて、レーザ素子ブロックLB01~LB16に含まれる各レーザ素子LDの照射光量を導出することができる。従って、累積エネルギに代えて、導出したレーザ素子LDの照射光量を区画SPの各位置に対応付けてRAM203に記憶してもよい。
なお、本実施形態では、最大照射光量からレーザ光の照射光量を徐々に低下させながら目標値に至るまで用紙幅方向のエネルギプロファイルを導出した場合を説明したが、エネルギプロファイルの導出方法はこれに限定されない。例えば最小照射光量を含む予め定めた照射光量からレーザ光の照射光量を徐々に増減させながら目標値以上になるまで用紙幅方向のエネルギプロファイルを導出してもよい。
次に、ステップS140では、用紙搬送方向における累積エネルギの最大値を導出し、レーザ光の照射光量プロファイルを導出する。本実施形態では、前記のようにして導出された用紙幅方向に1次元方向の累積エネルギを用いて、用紙搬送方向に展開する。
すなわち、ステップS140では、用紙搬送方向の各位置における累積エネルギからレーザ光の照射光量の分布を示す照射光量プロファイルを用紙幅方向に亘って導出する。詳細には、まず、連続紙Pの画像形成領域における用紙搬送方向に1区画SPが連続する区画SP群について、累積エネルギの最大値を導出して照射光量プロファイルを導出する。そして照射光量プロファイルを用紙幅方向に亘って導出することを繰り返す。
図24に、連続紙Pの画像形成領域において照射光量プロファイルを導出する対象となる領域の一例が示されている。すなわち図24には用紙搬送方向に照射光量プロファイルを用紙幅方向に亘って導出する場合に、連続紙Pの画像形成領域における用紙搬送方向に1区画SPが連続する区画SP群SPG-Vの一例が示されている。
図26に、区画SP群SPG-Vについて、累積エネルギの最大値を用いて照射光量プロファイルを導出する過程の一例を示す。
図26(A)には、レーザ素子ブロックLB03に対応する区画SP群SPG-Vにおける累積エネルギの分布の一例が示されている。図26(A)に示す例では、用紙搬送方向の上流側から区画SPv1、SPv2、SPv3に対応した累積エネルギEv1,Ev2、Ev3の順に、累積エネルギが分布している。例えば、累積エネルギを得るためには、レーザ素子ブロックLB03に含まれるレーザ素子LD全てから照射されたレーザ光の照射光量が累積されるので、実際の累積エネルギは、2点鎖線で示す特性EPvになる。この場合、累積エネルギEv1,Ev2、Ev3の各々を得るためにレーザ素子ブロックLB03に含まれるレーザ素子LDを用紙搬送方向の区画SP単位で制御しなければならず、レーザ素子ブロックLBの制御が煩雑になる。
そこで、本実施形態では、レーザ素子ブロックLBごとに制御することを前提に用紙搬送方向における累積エネルギの最大値を用いて照射光量プロファイルを導出する。すなわち、図26(B)に示すように、累積エネルギEv1を得るためには、レーザ素子ブロックLB03が区画SPv1を通過する時間T、すなわちレーザ素子ブロックLB03に含まれる20個のレーザ素子LDによるレーザ光が照射される間の時間(搬送時間)Tの間、所定の照射光量によるレーザ光を照射する。この所定の照射光量は、累積エネルギEv1をレーザ素子ブロックLB03において平均化、すなわちレーザ素子LDの個数(20個)で除算した累積エネルギによる照射光量を求めればよい。具体的には、累積エネルギEv1を時間Tで除算し、さらにレーザ素子LDの個数(20個)で除算することで照射光量Pw1を求めることができる。
また、累積エネルギEv2を得るための照射光量Pw2、及び累積エネルギEv3を得るための照射光量Pw3も同様にして求めることができる。
図26(B)に示すように、累積エネルギEv1,Ev2、Ev3の各々を得るためには、時間経過と共にレーザ素子ブロックLB03における照射光量Pw1、Pw2,Pw3となるようにレーザ素子LDを駆動する。ところが、レーザ素子ブロックLB03に含まれる20個のレーザ素子LDを同時に駆動するので、累積エネルギEv1,Ev2、Ev3の各々になるようにレーザ素子ブロックLB03を駆動することは困難である。そこで、本実施形態では、用紙搬送方向における累積エネルギの最大値を用いてレーザ光の照射光量の分布を示す照射光量プロファイルを導出する。
すなわち、図26(C)に示すように、累積エネルギEv1,Ev2、Ev3の最大値に対応する照射光量の最大値である、照射光量Pw1、Pw2,Pw3の何れかになるように照射光量を設定し、レーザ光の照射光量の分布を示す照射光量プロファイルPwPを導出する。
以上の処理を、連続紙Pの画像形成領域において用紙幅方向に亘って、すなわち用紙幅方向の区画SP毎に行って、レーザ素子ブロックLBの各々に対する照射光量プロファイルPwPを導出する。このようにして導出した照射光量プロファイルPwPを、区画SPの各位置に対応付けてRAM203に記憶する。
なお、本実施形態では、累積エネルギをレーザ素子ブロックLBにおいて平均化し最大電流を抑制してレーザ素子の劣化を考慮した場合を説明したが、これに限定されない。例えば照射光量を変化させてもよい。
次に、ステップS150では、前記のようにして導出した照射光量プロファイルPwPの各々に従ってレーザ素子ブロックLBの各々を駆動する。すなわち、ステップS150では、まずステップS140で導出した、レーザ素子ブロックLB毎の照射光量プロファイルをRAM203から読み出す。そして、レーザ素子ブロックLB毎に、照射光量プロファイルにより定められたタイミングでレーザ素子ブロックLBを駆動するスイッチング素子を制御して、照射光量プロファイルにより定められた照射光量を有するレーザ光をレーザ素子ブロックLBから照射させる。以上により、本プログラムを終了する。
ところで、用紙幅方向では、印字ヘッド50によって連続紙Pに吐出されたインク滴で形成される画像形成領域のうちの用紙幅方向におけるインク滴の吐出限界位置付近を担当するレーザ素子ブロックLBを、側縁部のレーザ素子ブロックLB、すなわち、レーザ素子ブロックLB01及びLB16で担当させた場合、レーザ光の重なりが少ないため、インク滴を乾燥させる光量として設定される乾燥光量は、側縁部のレーザ素子ブロックLBによるレーザ光の光量が支配的となる。このため、インク滴の乾燥光量を得るための側縁部のレーザ素子ブロックLBによるレーザ光の光量は、大きくなる。従って、側縁部のレーザ素子ブロックLBの消費電力が増大したり、他のレーザ素子ブロックLBに比べて側縁部のレーザ素子ブロックLBの劣化が大きくなったりする。また、インク滴の乾燥光量を得る電力が側縁部のレーザ素子ブロックLBのレーザ素子を駆動可能な電力の上限値を越えた場合、インク滴の乾燥光量を得ることができず、インク滴の乾燥ムラが生じてしまう。
そこで、本実施形態では、用紙幅方向の画像形成領域により多くのレーザ光が互いに重複して照射されるように、用紙幅方向の画像形成領域を超えた領域に側縁部のレーザ素子ブロックLBを位置させることができる。すなわち、レーザ素子LDから照射されるレーザ光が広がりを有する、すなわち、レーザ素子LDの放射角度及び(連続紙Pにおける)放射領域の広さに着目し、用紙幅方向の画像形成領域内には、少なくとも用紙幅方向の複数のレーザ素子のレーザ光が重複するようにレーザ素子LDを配設することができる。
図27に、用紙幅方向の画像形成領域とレーザ素子ブロックLBとの位置関係の一例を示す。図27に示す例では、用紙幅方向の画像形成領域Rxから用紙幅方向に距離Dsを離した位置に側縁部のレーザ素子ブロックLB(LB01及びLB16)を設けている。このようにすることで、インク滴の吐出限界位置付近を担当するレーザ素子ブロックLBを分散できる。これにより、側縁部のレーザ素子ブロックLBの消費電力が増大したり、側縁部のレーザ素子ブロックLBの劣化が大きくなったりすることはない。また、インク滴の乾燥ムラも抑制することができる。
このように本実施の形態によれば、少なくとも用紙幅方向について、レーザ光の広がりを考慮して累積エネルギを算出するので、インク画像の端部領域であっても、累積エネルギの不足を抑制することができる。これによって、乾燥ムラを抑制することができる。
また、本実施形態では、用紙幅方向にレーザ光の広がりを考慮した累積エネルギを求め、用紙搬送方向にはレーザ光の広がりを考慮した照射エネルギプロファイルを求めて、用紙幅方向のレーザ素子の配置間隔、用紙搬送方向のレーザ素子の配置間隔を単位として、連続紙P上のインク画像に対する累積エネルギと、その累積エネルギを得るためのレーザ光の照射光量を導出して、同一時刻におけるレーザ光の照射光量の最大値を制御値とする。これによって、インキ滴の乾燥に用いる累積エネルギを抑制しつつ供給することで、レーザ光の照射光量を余剰を含む余分な照射光量に設定することを抑制することができる。
さらに、本実施形態では、用紙幅方向にレーザ素子を配置する場合に、連続紙P上における乾燥領域よりも外側までレーザ配置領域を広げることができる。このようにすることによって、用紙幅方向でレーザ光の照射光量の上限値を抑制してレーザ素子の劣化を防止することができる。
また、本実施形態では、インク画像に対して用紙幅方向に1次元方向の累積エネルギを導出し、そして用紙搬送方向に展開する。これによって、目標とする累積エネルギを得るためのレーザ光の照射光量プロファイルを導出する処理を単純化することができる。
また、本実施形態では、レーザ光の照射エネルギを用紙搬送方向に累積する場合に、レーザユニット外に広がったレーザ光は累積に含めないようにすることができる。これによって、累積エネルギを導出する際における目標値に対する誤差分の影響を抑制することができる。
以上、実施の形態を用いて説明したが、開示の技術の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、当該変更または改良を加えた形態も開示の技術の技術的範囲に含まれる。
また、上記実施形態では、乾燥処理をソフトウエア構成によって実現した場合について説明したが、開示の技術はこれに限定されるものではなく、例えば当該乾燥処理をハードウェア構成により実現する形態としてもよい。
この場合の形態例としては、例えば、制御部20と同一の処理を実行する機能デバイスを作成して用いる形態がある。この場合は、上記の実施形態に比較して、処理の高速化が期待される。
また、上記実施形態では、記録媒体として連続紙Pを用いたが、記録媒体の種類はこれに限られない。例えば、A4及びA3等のカット紙を用いてもよく、また、記録媒体の材質も紙に限られず、レーザ光を照射することでインク滴が定着する種類の素材を用いてもよい。また、本実施形態では、乾燥を目的にしているが、完全に乾燥しないレーザ照射光量であっても画質改善に寄与するため、目標として設定する累積エネルギは、改善する目的に応じて変えることができる。
なお、上記実施形態におけるレーザ光の種類は特に限定されない。例えば、赤外線領域の波長を有する赤外レーザ光を照射するレーザ素子の他、紫外線領域の波長を有するUV(ultra violet)レーザ光を照射するレーザ素子を用いてもよい。
10 インクジェット記録装置
20 コンピュータ
30 記憶部
40 ヘッド駆動部
50 印字ヘッド
60 レーザ駆動部
70 レーザ乾燥装置
201 CPU
202 ROM
203 RAM
LB レーザ素子ブロック
LD レーザ素子
P 連続紙

Claims (14)

  1. レーザ光を射出するレーザ光源を、各々パルス幅が変更可能な複数のパルスが予め定めた周期で発生するパルス信号を供給して定電圧駆動する駆動部と、
    現在のパルス幅から安定して目標光量が得られるパルス幅に到達する前の到達前パルス幅へ変更する際のパルス幅の第1の変更量を、前記現在のパルス幅から、前記目標光量が安定して得られる定常状態での前記レーザ光源のオン時の駆動電流に対応する目標パルス幅へ変更する際のパルス幅の第2の変更量より大きくなるように、前記パルス信号の複数のパルス各々のパルス幅を変更する制御を行う制御部と、
    を備え
    前記制御部は、前記現在のパルス幅から前記目標パルス幅になるまで徐々に、前記パルス信号の複数のパルス各々のパルス幅を変更する制御を行う
    レーザ駆動制御装置。
  2. 前記制御部は、前記第1の変更量で変更されるパルス幅に応じて生じる前記レーザ光源の光量が、前記第2の変更量で変更されたパルス幅に応じて生じる前記レーザ光の光量より大きくなるように前記パルス信号の複数のパルス各々のパルス幅を変更する制御を行う
    請求項1記載のレーザ駆動制御装置。
  3. 前記制御部は、パルス幅を増減する変更を行うことで、前記第1の変更量を、前記第2の変更量より大きくなるように、前記パルス信号の複数のパルス各々のパルス幅を変更する制御を行う
    請求項1又は請求項2に記載のレーザ駆動制御装置。
  4. 前記制御部は、前記目標光量が得られるまで、前記パルス信号の複数のパルス各々のパルス幅を変更する制御を行う
    請求項1から請求項3の何れか1項に記載のレーザ駆動制御装置。
  5. 前記制御部は、
    前記レーザ光源の光量が前記目標光量に収束するように、前記第2の変更量より大きくされた前記第1の変更量から前記第2の変更量になるまで徐々にパルス幅を変更する制御を行う
    請求項1に記載のレーザ駆動制御装置。
  6. 前記レーザ光源は、照射されたレーザ光の一部が互いに重複する複数のレーザ素子を有し、
    前記制御部は、前記複数のレーザ素子各々から照射されたレーザ光の光量分布における前記レーザ光源をオンオフする1周期での平均光量と前記目標光量との誤差が抑制されるように、前記予め定めた周期を設定する制御を行う
    請求項1記載のレーザ駆動制御装置。
  7. 前記予め定めた周期は、前記平均光量と前記目標光量との誤差が予め定めた閾値以下となる周波数である
    請求項記載のレーザ駆動制御装置。
  8. 請求項1から請求項の何れか1項に記載のレーザ駆動制御装置と、
    画像情報に応じて吐出された液滴により形成された画像領域の少なくとも一部が、前記レーザ光源から照射されたレーザ光の照射領域内に含まれる場合、前記液滴を乾燥させる光量として設定された乾燥光量に対応する光量になる、前記レーザ光源をオンオフするデューティに制御されるように前記制御部の制御を行う乾燥制御部と、
    を備えた乾燥装置。
  9. 前記乾燥制御部は、前記レーザ光の照射領域内に含まれる前記画像領域の端部の液滴を乾燥させる光量として設定された乾燥光量に対応する光量以上の光量になるように前記デューティを制御する
    請求項記載の乾燥装置。
  10. 前記乾燥制御部は、前記画像領域と前記レーザ光源とを相対的に移動させながら前記液滴を乾燥させるように制御する
    請求項又は請求項に記載の乾燥装置。
  11. 前記乾燥制御部は、前記画像領域に含まれる液滴を乾燥させる光量として複数の乾燥光量が設定された場合に、前記複数の乾燥光量に基づいて導出された共通の乾燥光量に対応する光量になるように、前記画像領域の前記複数の乾燥光量が設定された各液滴を照射するレーザ光の前記デューティを制御する
    請求項から請求項10の何れか1項に記載の乾燥装置。
  12. 画像情報に応じて液滴を記録媒体に吐出する吐出手段と、
    前記記録媒体を搬送する搬送手段と、
    請求項から請求項11の何れか1項に記載の乾燥装置と、
    前記吐出手段、前記搬送手段、及び前記乾燥装置を制御する制御手段と、
    を備えた画像形成装置。
  13. コンピュータを、請求項1から請求項の何れか1項に記載のレーザ駆動制御装置の各部として機能させるためのレーザ駆動制御プログラム。
  14. コンピュータを、請求項から請求項11の何れか1項に記載の乾燥装置の各部として機能させるための乾燥プログラム。
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