JP7101476B2 - 熱処理部材 - Google Patents

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本開示の実施形態は、熱処理部材に関する。
焼成などの熱処理を行う場合、熱処理される対象物が周囲の部材と反応することがあるため、対象物と反応し難い熱処理部材を用いることが知られている。例えば、チタン酸ジルコン酸鉛の焼成時の熱処理部材としてジルコニアを主成分とするものが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
特開2007-84357号公報
本開示の熱処理部は、立方晶ジルコニアを主結晶相とし、CaOおよびLaを含んでいる熱処理部材であって、ZrO、CaOおよびLaの合計を100モル%としたときに、CaOの含有量が3モル%以上20モル%以下であり、Laの含有量が3モル%以上24モル%以下である。
また、本開示の熱処理部材は、立方晶ジルコニアを主結晶相とした本体と、該本体の少なくとも一部を覆っている被覆結晶相とを含んでいる熱処理部材であって、該被覆結晶相は、(CaLa)PbO、(CaLa)BiOおよび(CaLa)(PbBi)Oのうちの少なくとも一つを含んでいる。
本開示の熱処理部材の組成範囲示す3元組成図である。
本開示の、熱処理に用いられる第1熱処理部材は、立方晶ジルコニアを主結晶相とし、CaOおよびLaを含んでおり、ZrO、CaOおよびLaの合計を100モル%としたときに、CaOの含有量が3モル%以上20モル%以下であり、Laの含有量が3モル%以上24モル%以下である。
また、本開示の、熱処理に用いられる第2熱処理部材は、立方晶ジルコニアを主結晶相とした本体と、該本体の少なくとも一部を覆っている被覆結晶相とを含んでいる熱処理部材であって、該被覆結晶相は、(CaLa)PbO、(CaLa)BiOおよび(CaLa)(PbBi)Oのうちの少なくとも一つを含んでいる。なお、MをPb、Biあるいはそれらを合わせたものとし、(CaLa)PbO、(CaLa)BiOおよび(CaLa)(PbBi)Oを合わせて、(CaLa)MOと呼ぶことがある。
ここで、熱処理とは、概ね600℃以上の温度に晒される処理であり、さらに700℃以上、特に800℃以上の温度に晒される処理である。また。熱処理において、熱処理部材は、処理対象物(以下でワークと呼ぶことがある)とともに熱処置される。熱処理において、ワークは、例えば、熱処理部材の上に載置される。
第1熱処理部材は、熱を加えた場合の反応性が低く、様々なワークの熱処理に用いることができる。詳細は後述するが、第1熱処理部材は、表面がPbあるいはBiに晒された
状態で高温に晒されることで、表面に(CaLa)MOが生成されて、第2熱処理部材と同様な状態になる。すなわち、第1熱処理部材は、第2熱処理部材に加工して、その後、ワークの熱処理に使用することができる。また、ワークがPbあるいはBiを含んでいれば、第1熱処理部材は、ワークを熱処理するうちに、第2熱処理部材に変わり、その後、第2熱処理部材として、ワークの熱処理に使用できる。
第2熱処理部材は、熱を加えた場合の反応性が低く、様々なワークの熱処理に用いることができる。また、第2熱処理部材は、ワークにPbやBiが含まれていても、熱処理による状態変化が起き難い。
熱処置は、より具体的には、ワークの乾燥、ワークへの電極の焼き付け、ワークの焼成などである。また、熱処理部材には、ワークが載置されるとは限らない。第2熱処理部材は、気相のPbあるいはBiに対する反応性も低いので、気相となったPbあるいはBiに晒されるような熱処理にも用いることができる。
続いて、ワークとしてジルコン酸チタン酸鉛(以下、PZTと言う)を焼成するための熱処理部材として用いる場合について説明する。PZTは、鉛の反応性が高いために、熱処理部材との間の起きる反応が特性等に与える影響が大きい。特に、焼成温度を低くするために、焼成時に液相成分が生じるような組成では顕著である。
そのようなPZTとして、成分としてZnおよびBiを含有したPZTがある。そのような原料を焼成すると、熱処理部材として反応性の低いものを用いることで、熱処理部材との反応はなくとも、熱処理部材表面に焼成時に生じた液相成分が付着することがある。そのような場合、次のワークは、一旦付着した付着物の上で焼成されることになる。そのため、付着した液相成分の上で焼成されるワークは、液相成分の影響で特性変動等が起きるおそれがある。
この付着物は低温焼成化のための材料組成が含まれているので、熱安定性が低く、焼成時に分解・蒸散し、再付着する。同じ組成のワークを繰り返し焼成する場合、飛散量と再付着量が同程度になることで、付着物の付着状態が、一見安定した状態になることがある。しかし、そのような安定に見える状態であっても、ワークの載置位置がずれることで、問題が生じることがある。すなわち、ワークの載置位置がずれると、ワークの一部は、付着物量の多い場所の上で焼成され、他の一部は、付着物量の比較的少ない場所の上で焼成されることになる。このような場合、特性の変動だけでなく、ワーク内で焼結挙動に差が生じて、ワークが変形するおそれがある。
立方晶ジルコニアを主結晶相とした本体の表面の一部に(CaLa)MOを含んだ被覆結晶相を設けると、(CaLa)MOは、熱安定性が高いため、被覆結晶相は、焼成を繰り替えしても、分解・蒸散することなく安定して存在する。上述の付着物組成がワークから供給されても、(CaLa)MOの被覆結晶相に取り込まれて、被覆結晶相は安定した状態を維持できる。
また、被覆結晶相が存在しない第1熱処理部材が、ZrO、CaOおよびLaを所定割足で含んでいる場合、Pb、Biあるいはそれらの混合物に晒された状態で高温になることで、第1熱処理部材の表面に(CaLa)MOを含んだ被覆結晶相を形成することができる。
第2熱処理部材は、例えば、第1熱処理部材で、ワークと同様の組成のダミーワークを熱処理することで得られる。すなわち、第1熱処理部材に含まれるLaとCaが、ダミーワーク中のMと反応して、表面に(CaLa)MOを含んだ被覆結晶相が形成された第
2熱処理部材を作製することができる。なお、(CaLa)MOを含んだ被覆結晶相は、第1熱処理部材に、Pb、Biあるいはそれら両方を含んだペロブスカイト結晶を含むダミーワークを接触させた状態で、高温に晒すと、より生成されやすい。
そのように形成された被覆結晶相の厚さは5~30μm程度になる。被覆結晶相は、熱処理を繰り返すことでより密に形成されるが、厚さは3回程度の焼成で飽和し、上記程度の厚みで一定となる。被覆結晶相は、基本的にダミーワークが接触していた部分に形成される。
Laを含まないCaMOは、PbおよびBiに対する反応性は低いものの、熱安定性が低いため、繰り返して焼成に使用すると、CaMOの被覆結晶相は分解、蒸散してしまうので、ワークの特性安定化、変形の抑制はできない。Laが加わることで熱安定性が向上し、上述のような効果を奏することができる。
また、La以外の希土類を含んだ、同様の熱処理部材に対して同様の処理をしても、La以外の希土類はM(Pb、Biあるいはそれらを合わせたもの)を含む物質との反応性が極めて低くなるので被覆結晶相は生成されない。La以外の希土類の含有量が多い場合、ジルコニアの安定性が高くなり、Laが存在しても、表面に(CaLa)MOを含んだ被覆結晶相が生成され難くなる、La以外の希土類の含有量は、ZrO、CaOおよびLaの合計を100モル%とした場合、合計で1.5モル%以下、さらに1モル%以下がよい。
第1熱処部材および第2熱処理部材の被覆結晶相を除いた本体は、立方晶ジルコニアを主結晶相とし、ジルコニア以外の粒界結晶相を実質的に含まないジルコニア焼結体からなる。立方晶ジルコニアは、後述する、ジルコニア焼結体の立方晶比率Xcが0.97以上であると、立方晶ジルコニアの反応が進みすぎないのでよい。
ZrO-CaO-Laの3元組成図における下記の点A-点B-点C-点D-点Eを結ぶ線分で囲まれる範囲内(組成割合をモルで表した図1参照)であれば、(CaLa)MOを含んだ被覆結晶相がより安定になる。
点A:CaO 15モル%、La 3モル%
点B:CaO 20モル%、La 3モル%
点C:CaO 20モル%、La 8モル%
点D:CaO 3モル%、La 24モル%
点E:CaO 3モル%、La 9モル%
一方、イットリア(Y)やマグネシア(MgO)などの他の安定化剤を用いた立方晶ジルコニアは、ワークであるPZTとの反応は少ないものの、熱処理部材中へPbやBiが浸透していくことが分かっている。特にイットリアで安定化したジルコニアは、繰り返し焼成しているうちにジルコニア中に鉛が浸透し、鉛を含有する成形体との反応性が焼成回数と共に変化し、焼結体表面のPb量がその面内で顕著にばらつくため、圧電特性のばらつきが生じていた。また鉛量のバラつきは焼結挙動のバラつきを生み、ワークの変形を引き起こしていた。
例えば、Yなどの周期律表第3a族元素で安定化したジルコニア焼結体では、結晶粒界に析出した周期律表第3a族元素の化合物を介して鉛が内部まで容易に拡散し、結果的に反応性が高くなる。
また、第1熱処理部材およぶ第2熱処理部材の本体は、上記の組成からなり、立方晶ジルコニアを主結晶相とするジルコニア焼結体からなり、ジルコニアは結晶構造として、立
方晶、単斜晶、正方晶を取り得る。このうち、単斜晶はPbOと反応しやすく、PbZrOを生成する原因となるため反応防止部材としては含まれない方が良い。また、正方晶もジルコニア内に物質を固溶させる余裕が多く、Pbとの反応の原因となるため、結晶相は立方晶のみの方が良い。立方晶ジルコニアを主結晶とすることで、ジルコニア内への添加物、不純物の固溶を抑制してPbとの反応を抑制するという効果を奏することができる。
一方、立方晶は高温安定相であるため、PbOとの反応性も低く、鉛含有化合物に対する反応防止部材中に含まれることが重要であり、主結晶相として含まれることが必要である。特に、X線回折による回折強度で表される下記の立方晶比率Xcが0.97以上のジルコニア焼結体は、鉛との反応性をより一段と低下させることができ、鉛含有化合物に対する反応防止部材として好適であり、焼成治具として用いた場合には、圧電特性等の特性ばらつきの小さい焼結体を得ることが可能となる。
特に、ジルコニア焼結体の立方晶比率Xcが0.98以上、さらには0.99以上であることが鉛との反応性をより低減するためによい。なお、ジルコニアは単斜晶、正方晶及び立方晶の順に高温安定相となる。
立方晶比率XcはX線回折分析によるスペクトル解析から、下記式1及び式2を用いて算出することができる。
Figure 0007101476000001
Figure 0007101476000002
なお、単斜晶のピークは実質的にないことがよい。また、ここでいうX線回折強度が実質的にないというのは、XRDのメインピーク強度を100とした際に0.1以下の強度であることを示す。
結晶粒界にジルコニア以外からなる粒界結晶相を実質的に含まないジルコニア焼結体であるのがよい。結晶粒界にジルコニア以外からなる粒界結晶相を実質的に含まないジルコニア焼結体とは、X線回折スペクトルにおいてジルコニア以外の結晶相が検出されないものを示す。つまり、ジルコニア焼結体は、立方晶ジルコニア結晶を主結晶とし、正方晶ジ
ルコニア結晶および斜方晶ジルコニア結晶を含んでもよい。
例えば、ジルコニア主結晶相の粒界に、Alを実質的に含まないことがよい。アルミナは粒界に析出するCaと反応し、Caに対するAlの比Al/Caが6の化合物(ヘキサアルミネート)が形成され、これが鉛と反応してジルコニア結晶表面の鉛含有率が不均一になり、この表面と接する鉛含有化合物の表面の鉛量が不均一となる。
Alを実質的に含まないとは、Alをアルミナ(Al)換算で約300ppm以下であることを意味するものである。
また、Siも実質的に含まないことがよい。その理由は、SiOはPbOと反応しやすく1000℃以下のごく低温で液相を生成するためである。
Siを実質的に含まないとは、Siをシリカ(SiO)換算で200ppm以下であることを意味するものである。
以上のような第1および第2熱処理部材は、PbもしくはBi含有化合物に対する熱処理部材として好適に使用することができ、特に、Pbおよび、またBi雰囲気や600℃以上の高温などの条件下で熱処理を行う場合に、鉛および、またBi含有化合物との反応で形成される結晶相を、(CaLa)PbO及び、また(CaLa)BiO及び、また(CaLa)(PbBi)Oとすることができるため、鉛もしくはBi含有化合物を載置するための載置面を具備する熱処理用治具として使用することができる。このような焼成治具を用いれば、均質な焼き上げのPZT磁器等を容易に作製することが可能である。
特に、圧電磁器を作製するためのPbもしくはBiを含み、厚みが数百μm以下の薄い成形体を焼成する場合には、上記の焼成治具の載置面に載置して熱処理を行っても成形体と焼成治具との反応により生成する反応物の熱安定性が高いため、焼成によって得られた圧電磁器は反りやうねりの極めて少ない焼結体を作製することができる。
第1および第2熱処理部材は、焼成治具のみではなく、600℃以上、特に700℃以上、さらには800℃以上の熱処理に用いる熱処理用治具に好適に使用できることは言うまでもない。例えば、PbおよびBi含有化合物のアニール処理、酸化や還元等の反応処理、接合処理等の熱処理において、PbもしくはBi含有化合物を含むワークに接触するように、例えばワークをセッターに載置して熱処理する場合においても、また一対の平板状熱処理部材でワークを挟むように配置する場合等においても、熱処理時にワークからの揮発性元素である鉛もしくはBiの影響を低減でき、ワークは熱処理後に表面の組成変動を抑制することができる。
特に、振動板の上に共通電極及び圧電体層をこの順に積層し、該圧電体層の上に複数の表面電極を形成して、表面電極と該表面電極に対向する共通電極とこれらの電極間に挟まれた圧電体層で構成される圧電変位素子が複数形成されてなるインクジェットプリンタの印刷ヘッド用アクチュエータの熱処理を行っても、複数の圧電素子間の変位ばらつきを容易に制御でき、また、熱処理ロット間の変位ばらつきを抑制できる。
第1および第2熱処理部材の作製方法を以下に説明する。まず、原料粉末を準備する。ジルコニア粉末としては、立方晶ジルコニアからなるジルコニア粉末を用いることがよい。単斜晶ジルコニアや正方晶ジルコニアはその一部が焼結時に立方晶ジルコニアに相転移するが、ジルコニア焼結体のXc値を0.97以上とするためには原料のジルコニア粉末の立方晶比率Xcを少なくとも0.95とすることがよい。
ジルコニア粉末の平均粒径が0.1~1μm程度のものを使用するのがよい。
CaO成分の供給は、CaO粉末を直接用いても良いが、Caの水酸化物、炭酸塩または硝酸塩などを熱処理してCaOを形成しても良い。CaO粉末は0.3~1μm程度のものがよい。また、La粉末は平均粒径が0.1~1μm程度のものを使用するのがよい。
上記のジルコニア粉末と添加物粉末と、IPA等の有機溶媒、ジルコニア製ボールとを樹脂製ポットに投入し、混合・粉砕する。得られた混合粉末を熱処理して第1成分と第2成分と第3成分とを含む合成粉末を作製する。例えば、混合粉末を1000~1400℃で熱処理することができる。
得られた合成粉末を、ジルコニアボールを用いて平均粒径が0.3~0.8μm程度になるまで粉砕する。この粉砕原料粉末に対して、有機バインダ、溶媒を混合してスラリーを作製し、得られたスラリーをテープ成形、鋳込み成形または射出成形などの周知の成形方法によってグリーンシートを作製する。得られたグリーンシートは所望の大きさに切断し、所望により切断した複数のグリーンシートを積層して成形体を作製する。なお、スラリーを乾燥して乾燥原料を作製し、この乾燥原料をプレス成形等の方法で所望の形状の成形体を作製しても良い。
得られた成形体は、所望の温度、例えば300~500℃で脱脂を行い、その後所望の温度、例えば1200~1700℃、特に1300~1600℃の温度で焼成して第1熱処理部材を得ることができる。
第2熱処理部材は、第1熱処理部材の表面の、PbあるいはBiを含むダミーワーク、PTZやBiを含んだニオブ酸アルカリなどの成形体を800℃以上で熱処理することで得られる。ダミーワークはペロブスカイト構造をもつものがよい。第2熱処理部材を用いて行う熱処理の条件が分かっていれば、その熱処理を行う対象であるワークと同様の組成のダミーワークを、その熱処理と同様の条件で熱処理して第2熱処理部材を作製してもよい。
以下のようにして、熱処理部材を作製した。まず、出発原料として立方晶化率が0.95以上のZrOと表1に記載の添加物を樹脂製ポットにIPA、φ2mmジルコニア製ボールと共に投入し、16Hr混合・粉砕した。その後、粉末を純度99.9%のアルミナ坩堝に入れ、1200℃×2Hr熱処理して合成粉末を作製した。合成粉末は、φ2mmジルコニアボールにて20Hr粉砕し、得られた粉末にパラフィンワックスを5wt%混合した後#40のナイロンメッシュを通して造粒した。造粒後、板状に成形し、成形体は、400℃×2Hrで脱バインダを行い、その後、1550℃×2Hr、大気中で焼成し、ジルコニア焼結体からなる熱処理部材(第1熱処理部材)を得た。さらに、表面粗さRaが0.01~0.05となるように表面加工を行った。
得られた熱処理部材は、蛍光X線分析によって組成分析を行い、各成分が調合比率と同じであることを確認した。定量分析には、予めZrO、CaOおよびLa等について検量線を作成しておき、その検量線を用いて実施した。
熱処理部材表面のX線回折スペクトルを評価し、上記式1及び式2を用いてXcを算出した。
熱処理の試験に用いるワーク、および上述のように作製した第1熱処理部材を、第2熱処理部材に加工する前処理に用いるダミーワークを作製した。ダミーワークは、ワークと同じものを用いた。
ワークである、PbもしくはBi含有化合物の原料として、特に焼成温度が1000℃以下で緻密化する低温焼成用材料であるZnO、Biを含み、純度99%以上のチタン酸ジルコン酸鉛を含有する圧電セラミックス粉末を準備した。
グリーンシートは、ジルコン酸チタン酸鉛を主成分とする圧電用のセラミック材の粉末(Pb0.93Ba0.07Ti0.42(Zn1/3Sb2/30.1(Cu1/3Nb2/30.05Zr0.43100質量%に対して0.5質量%のZnBiO)を、水系バインダとしてブチルメタクリレート、分散剤にポリカルポン酸アンモニウム塩、溶剤にイソプロビルアルコールと純水を各々添加して混合し、このスラリーをドクタープレード法によりキャリアフィルム上に、厚さ30μm程度のシート形状にて作製した。このように作製したワークは、表1にはPTZ1と記載した。
上述の組成からZnBiOを除いた粉末で、表1にPTZ2と記載したワークを作製した。また、ニオブ酸アルカリにBiFeOを加え粉末で、表1にKNNと記載したワークを作製した。
上述のように作製した熱処理部材は、表1に記載されたワークを用いて前処理をした。具体的には、板状の熱処理部材に、同じ形状の、ダミーワークであるワークを載置し、表1に記載の温度の熱を加えた。
前処理後の熱処理部材表面に形成された被覆結晶相をX線回折で評価した結果を、表1
に示す。一部の熱処理部材には(CaLa)PbO、(CaLa)BiOあるいは(CaLa)(PbBi)Oを含んだ被覆結晶相が生成されており、第2熱処理部材となっていた。
続いて、前処理した熱処理部材に熱処理部材よりも小さなワークを載置して、焼成し、焼成1回、5回、20回行った後でそれぞれワーク下とワーク周辺の反応層をX線回折で確認した。焼成は、PZT1およびBNNは1000℃、PZTは1100℃で行った。結果を表1に示す。ワークは、焼成毎に載置位置を変えた起き、載置位置の違いにより焼成後のワークが変形していた場合を×とし、変形が見られなかった場合を〇とした。
Figure 0007101476000003
表に記載した、検出された結晶相は、立方晶ジルコニア以外のものである。立方晶ジルコニアは、全ての場合に検出されている。検出されて結晶相の「不明」との記載は、表に記載されている他の結晶相とは異なる結晶が存在するのは確認できたが、その結晶が何か同定できなかったことを表す。

Claims (4)

  1. 立方晶ジルコニアを主結晶相とし、CaOおよびLaを含んでいる熱処理部材であって、
    ZrO、CaOおよびLaの合計を100モル%としたときに、CaOの含有量が3モル%以上20モル%以下であり、Laの含有量が3モル%以上24モル%以下である熱処理部材。
  2. 立方晶ジルコニアを主結晶相とした本体と、該本体の少なくとも一部を覆っている被覆結晶相とを含んでいる熱処理部材であって、
    該被覆結晶相は、(CaLa)PbO、(CaLa)BiOおよび(CaLa)(PbBi)Oのうちの少なくとも一つを含んでおり、
    前記本体がZrO 、CaOおよびLa を含んでおり、ZrO 、CaOおよびLa の合計を100モル%としたときに、CaOの含有量が3モル%以上20モル%以下であり、La の含有量が3モル%以上24モル%以下である熱処理部材。
  3. 前記主結晶相の立方晶比率Xcが0.97以上である請求項1または2に記載の熱処理部材。
  4. ZrO、CaOおよびLaの組成比が、ZrO-CaO-Laの3元組成図における下記の点A-点B-点C-点D-点Eを結ぶ線分で囲まれる範囲内である請求項1~のいずれかに記載の熱処理部材。
    点A:CaO 15モル%、La 3モル%
    点B:CaO 20モル%、La 3モル%
    点C:CaO 20モル%、La 8モル%
    点D:CaO 3モル%、La 24モル%
    点E:CaO 3モル%、La 9モル%
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