JP7100381B2 - 超仕上方法および超仕上装置 - Google Patents

超仕上方法および超仕上装置 Download PDF

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本発明は、ころ軸受けに使用されるころの外面を超仕上する超仕上装置に関する。
製造業における生産用機械および自動車等の運搬用機械等における回転機器の動力伝達部分では、回転する軸を支持するベアリング(軸受け)が使用される。ベアリングは、その軌道輪(内輪、外輪)の内面と転動体との摩擦抵抗を極力減少させるために、これらの表面が滑らかに研磨される。
近年、回転機器における回転の振れ、回転音についてより高度な要求がなされるようになっている。そのため、転動体等の表面研磨に超仕上処理(以下「超仕上」という)が採用されることも多く、その結果、表面粗度が低下し、軸受けにおける動力ロスの低下、機械の長寿命化等が実現される。
ところで、転動体が円すいころまたは円筒ころであるローラーベアリングでは、回転時に底面に近い端部が軌道輪に接触することで応力集中が生じて接触面圧が過大(エッジロード)となり、ベアリングの寿命が低下することが知られている。また、エッジロードを避けるために、転動体の底面に近い端部に、クラウニングが施されることも知られている(非特許文献1)。クラウニングは、その形状として直線、単一の円弧または複数の円弧の組み合わせがあり(非特許文献1)、転動体の周面における底面に近い端部に設けられる。
しかし、円すいころおよび円筒ころにおけるクラウニングが施された周面は、他の周面と曲率が異なるため、他の周面と全く同じ要領で超仕上してもその仕上がり(研磨程度)が不十分になるという問題があった。
このクラウニング部分の超仕上が不十分との問題に対し、例えばクラウニングを有する円すいころ(以下単に「円すいころ」という)の周面の超仕上では、それぞれが特殊な形状の長い一対の回転するフィードドラムを用いる方法が提案されている(特許文献1)。
この一対の回転するフィードドラムは、回転軸を平行にして水平に並び、一方の表面にはねじ状の案内ねじ面が、他方の表面には同様のねじ状の案内ねじ面に加え鍔部が設けられる。円すいころは、一対のフィードドラム間でそれぞれの案内ねじ面上で回転しながら砥石で研削され、同時にフィードドラムの長手方向の一方から他方に移動する。フィードドラムの案内ねじ面は、そのねじ底角度がフィードドラムの軸方向の位置により変化しており、移動に伴い円すいころの姿勢が変わることにより軸心と砥石の研削面との角度がクラウニング形状に適応して、クラウニング形状周面とその他の周面とが同じように超仕上される。
特開2017-94404号公報
円筒ころ軸受における部分円弧クラウニングと対数クラウニングの実験的比較、藤原宏樹、山内和人、日本機械学会論文集(C編)74巻745号(2008-9)、216-222
特許文献1に提案されたクラウニングを有する円すいころ周面の超仕上方法は、フィードドラムの形状を一部変更することで、円筒ころ周面の超仕上にも適用できそうである。
一方、特許文献1に提案された方法は、フィードドラムにおける各案内ねじ面の幅、ねじ底角度が、超仕上する円すいころの形状、大きさに対応するよう決定される。つまり、一対のフィードドラムは、超仕上する円すいころの大きさがそれほど変わらなくとも、周面の母線の傾斜程度、長さが異なればその円すいころには使用できず、超仕上対象の円すいころを変更するたびに、それ用のフィードドラムに取り替えなければならない。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたもので、クラウニングを有する円すいころおよび円筒ころについて、その形状、寸法が異なってもこれらの周面を同じように超仕上できる超仕上方法および超仕上装置を提供することを目的とする。
本発明に係る超仕上方法は、センタレス研磨装置にて断面円形のワーク周面を研磨する際に適用される。その方法は、回転するワークにおける周面の母線方向に、砥石をオシレーションユニットにより高速微振動させながら母線方向の一方から他方に移動させて円柱状または円錐台状の周面を研磨する。そして、砥石がワークの端面から一定の距離にまで近づいた後、オシレーションユニットを徐々に端面側に傾けることにより、砥石高速微振動の方向を変化させながら砥石の移動を伴う研磨を継続する。
「周面の母線方向」とは、ワークの周面の大部分を占める円柱状または円錐台状の部分における砥石に接した周面の母線をいう。
この方法では、オシレーションユニットの端面側への傾斜を鉛直方向およびワーク周面の母線方向のいずれにも直交する特定の軸回りに行わせ、オシレーションユニットを徐々に端面側に傾けると同時に特定の軸を降下させる。
「特定の軸」とは、砥石の傾斜が不規則に行われるのではなく、決められた1つの軸回りに行われることの意である。
本発明に係る超仕上装置は、一対のローラ上において断面円形のワーク周面を研磨するものである。
超仕上装置は、オシレーションユニット、トラバース装置、チルト装置および昇降装置を有する。オシレーションユニットは砥石を保持し、これを一方向に高速微振動させる。トラバース装置は、オシレーションユニットを前記一方向に往復移動させる。チルト装置は、トラバース装置を前記一方向および鉛直方向に直交する水平な揺動軸回りに傾斜させる。昇降装置は、オシレーションユニット、トラバース装置およびチルト装置を一体として昇降させる。
ここで「一方向」とは、オシレーションユニットを基準とした特定の一方向であり、砥石がワークの円柱、円錐台部分の周面を研磨しているときは母線方向に一致する。しかし、トラバース装置が傾斜しこれに伴いオシレーションユニットも傾斜して、オシレーションユニットを基準とした特定の一方向はオシレーションユニットの傾斜とともに変化する。したがって「一方向」とは砥石が高速微振動する方向そのものである。
チルト装置および昇降装置は、トラバース装置によりオシレーションユニットが移動する位置に連動してそれぞれが動作するように構成される。
通常は、トラバース装置の往復移動、チルト装置におけるトラバース装置の傾斜、ならびに昇降装置によるオシレーションユニット、トラバース装置およびチルト装置を一体とした昇降が、それぞれ異なるサーボモータにより行われる。
本発明によると、クラウニングを有する円すいころおよび円筒ころについて、その形状、寸法が異なってもこれらの周面を同じように超仕上できる超仕上方法および超仕上装置を提供することができる。
図1は超仕上装置の主要部分の正面図である。 図2はオシレーションユニット及び基台の裏面(背面)図である。 図3はオシレーションユニットの正面図である。 図4はオシレーションユニットの平面図である。 図5はオシレーションユニットの斜視図である。 図6はオシレーションユニットの動きを説明する図である。 図7は円筒ころの周面を超仕上するときのオシレーションユニットの動作を示す図である。図8は円弧補間によるクラウニング部分周面の超仕上における揺動軸の座標を示す図である。 図8はクラウニング部分周面の超仕上における揺動軸の座標を示す図である。
図1は超仕上装置1の主要部分の正面図、図2はオシレーションユニット2および基台12の裏面(背面)図、図3はオシレーションユニット2の正面図、図4はオシレーションユニット2の平面図、図5はオシレーションユニット2の斜視図、図6はオシレーションユニット2の動きを説明する図である。
超仕上装置1は、大きくはベッド部3および超仕上ユニット4に分けられる。
ベッド部3は、超仕上に関する一連の作業を行う超仕上ユニット4を支える台である。
超仕上ユニット4は、ワーク搬送装置(ワークキャリア)、ローラ装置11、基台12および装置本体6からなる。
ワーク搬送装置は、円すいころまたは円筒ころ(これらを「ワーク」という)を超仕上する場所(一対のローラR上)に搬送する搬送装置および超仕上後のワークをここから搬出する搬送装置からなる。
ローラ装置11は、一対のローラRを備える。ローラRは、いずれも円錐台の形状を有し、回転軸を平行にして水平に並ぶ。ローラRは、一方がモータに連結されて回転し他方が他からの働きかけにより回転自在である。ローラRは、どちらもモータに連結して同方向に回転させても良い。
超仕上装置1は、この一対のローラR上で円すいころまたは円筒ころを回転させながらその周面を超仕上する、センタレス研磨装置である。
基台12は、ベッド部3上で装置本体6を支える。基台12は、昇降装置13を備える。
昇降装置13は、主昇降装置14および一対のシリンダ装置15,15からなる。
主昇降装置14は、一対のリニアガイド、ボールねじおよびサーボモータ16で構成される。一対のリニアガイドは、それらのガイドレールが鉛直かつ互いに平行に基台12に固定されている。ガイドレールをスライドするブロックは、装置本体6(の基部21)に一体化されている。
ボールねじは、そのナットが装置本体6(の基部21)に、その軸受けが基台12に固定され、ねじ軸は、その上端でサーボモータ16に連結されている。サーボモータ16は、基台12に固定されている。主昇降装置14は、サーボモータ16が回転することにより、基台12に対して装置本体6を上下方向に移動させる(図6(a))。
シリンダ装置15,15は、そのシリンダが基台12に一体化され、そのロッド端部が装置本体6に一体化されている。シリンダ装置15,15は、重量物である装置本体6の上下の移動の際に、主昇降装置14(サーボモータ16)の円滑な回転を補助する。つまり、シリンダ装置15,15は、重量物である装置本体6を実質的に保持し、サーボモータ16による位置決め動作を正確に行わせる働きをする。
装置本体6は、基部21、トラバーサ22およびオシレーションユニット2からなる。
基部21は、シリンダ装置15,15のロッドに連結され、一対のリニアガイド等により基台12に対して上下動可能に連結されている。基部21は、上下に厚板状に拡がる部分を有し、この部分に水平に貫通する揺動支持孔23を有する。基部21は、厚板状に水平(図2では横方向)に拡がる先の端縁が上下伸びた円弧を形成し、一方の円弧状端縁に揺動支持孔23を円弧の中心とする円ラック24が一体化されている。円ラック24は、後述するチルト装置26を構成する。
トラバーサ22(図5の網掛け部分)は、全体として正面視(図3)において横方向に長い略矩形の形状を有する。
トラバーサ22は、フレーム、トラバース装置25およびチルト装置26を備える。
フレームは、トラバース装置25、チルト装置26およびその他のトラバーサ22を構成する部品を一体に保持するものである。フレームは、背面側(図4の上側)に、揺動支持孔23にピッタリと嵌り込む揺動軸27を有する。トラバーサ22は、揺動軸27が揺動支持孔23に嵌め入れられて、基部21に対して揺動可能であり、基部21と一緒に基台12に対して上下動する。
トラバース装置25は、一対のリニアガイド31,31、ボールねじ32およびサーボモータ33を有する。リニアガイド31は、ガイドレール34およびこれに嵌め入れられて移動可能なブロックからなる。2本のガイドレール34,34は、トラバーサ22において、その略矩形の形状のそれぞれの長辺近傍に互いに平行に配されてフレームに一体化されている。ブロックは、1本のガイドレール34に複数が嵌め入れられ、フレームではなくオシレーションユニット2に固定されている。リニアガイド31,31により、オシレーションユニット2は、トラバーサ22に対してその矩形形状長手方向に滑らかに往復移動可能である。
ボールねじ32は、ねじ軸35が軸受け36を介して回転可能にフレームに一体化され、そのナット37がオシレーションユニット2に一体化されている。ねじ軸35はプーリ38、タイミングベルト39を介してサーボモータ33に連結されている。
サーボモータ33は、ボールねじ32のねじ軸35を回転させることにより、オシレーションユニット2をフレームに対して横移動させる(図6(b))。サーボモータ33は、その回転が制御されることにより、オシレーションユニット2のガイドレール34,34に沿った往復動の各距離、速さがワークに応じて適正化される。
チルト装置26は、円ラック24、ピニオン41、ギヤボックスおよびサーボモータ42からなる。円ラック24は、装置本体6の基部21に一体化されている。ピニオン41は、円ラック24の歯に噛み合う歯を有する歯車であり、その回転軸は、2本のガイドレール34,34の並び方向および伸びた方向のいずれにも直交する。(したがって、ピニオン41の回転軸は、略水平である。)
ピニオン41は、ギヤボックスを介してサーボモータ42に連結されている。サーボモータ42は、ギヤボックスとともにフレームに固定されている。サーボモータ42は、その回転によりピニオン41に円ラック24を上下させ、その結果、(オシレーションユニット2が一体化された)トラバーサ22を揺動させる(図6(c))。
オシレーションユニット2は、ベース部43、一対のストンヘッド保持部44,45およびオシレーション装置47を有する。
ベース部43は、ストンヘッド保持部44,45およびオシレーション装置等を支持し、リニアガイド31,31のブロックが固定された、オシレーションユニット2の基礎となるものである。
ストンヘッド保持部44,45は、正面視(図3)において略矩形であって互いに間隔を有して横方向に並び、その細部のそれぞれの形状は面対称である。ストンヘッド保持部44,45は、やや奥行きがあり、これらが並ぶ方向に伸びた円柱状の2本のオシレーションシャフト48,48が、距離を隔てて平行にこれらを貫通する。
オシレーションシャフト48,48の両端はベース部43に固定され、ストンヘッド保持部44,45は、貫通させたオシレーションシャフト48,48に沿って移動可能である。
オシレーション装置47は、偏心カム51、一対のバネ52,52、サーボモータ53等で構成される。
偏心カム51は正面視が円形であるが、その回転軸は円の中心から偏っている。偏心カム51は、その回転軸がオシレーションシャフト48,48に直交し(図3の)背面に向けて水平に伸びる。偏心カム51は、横方向に間隔を有するストンヘッド保持部44,45の間かつ2本のオシレーションシャフト48,48の間に配される。偏心カム51は、プーリおよびタイミングベルトを介してサーボモータ53に連結されている。
偏心カム51の回転軸とトラバーサ22の揺動軸27とは、平行である。
一対のバネ52,52は、それぞれが、ストンヘッド保持部44,45における偏心カム51とは反対側の端面とこれに対向するベース部43との間に設けられる。バネ52,52は、いずれもストンヘッド保持部44,45をベース部43から遠ざける方向に、すなわち、いずれも偏心カム51に向けて付勢する。ストンヘッド保持部44,45は、バネ52,52によって偏心カム51に接している。
サーボモータ53は、高速で偏心カム51を回転させ、ストンヘッド保持部44,45
を高速微振動(オシレーション)させる。超仕上装置1により円筒ころ等を超仕上するときは、超仕上用砥石を備えたストンヘッド7がストンヘッド保持部44,45に取り付けられ、ストンヘッド7およびストンヘッド保持部44,45が一体となって高速微振動する。
なお、ストンヘッド7は、砥石をワークに押圧するためのエアシリンダを備える。偏心カム51の回転軸とトラバーサ22の揺動軸27とは、図3における鉛直な同一平面上に存在する。
図7は標準部分円弧クラウニングが施された円筒ころの周面を超仕上するときのオシレーションユニット2の動作を示す図であり、図8は円弧補間によるクラウニング部分周面の超仕上における揺動軸27の座標を示す図である。
図7において、(a)は標準部分円弧クラウニングが施された円筒ころ(ワークW)の円柱部分周面を超仕上するときの、および(c)はクラウニング部分周面を超仕上するときの、それぞれの装置本体6の姿勢を示す図であり、(b)は(a)における円ラック24とピニオン41との位置関係を、(d),(e)は(c)(装置本体6が傾いたとき)のにおける円ラック24とピニオン41との位置関係を示す図である。
図8において、(b)は揺動軸27Bが砥石Stの直上に存在すると仮定したときの原点位置P0(0,0)を基準に求めた超仕上時の揺動軸27Bの移動に伴う座標を示す図、(c)は揺動軸27が偏心カム51と同一の鉛直平面上に存在する図1,3のオシレーションユニット2における超仕上時の揺動軸27の移動に伴う座標を示す図である。
先ず、揺動軸27Bが砥石Stの直上に存在すると仮定したとき(図8(b))の超仕上における揺動軸27Bの移動を説明する。
ワークWの超仕上時、オシレーションユニット2はワークWの軸心方向にゆっくり往復移動しながら同方向(軸心方向)に高速微振動する。オシレーションユニット2をワークWの軸心方向にゆっくり往復移動させるのは、トラバース装置25が行う。オシレーションユニット2を高速微振動させるのは、オシレーション装置47が行う。
オシレーションユニット2は、砥石StがワークWの円柱部分を超仕上するとき水平であり(形態は図7(a),(b)と同じ)、砥石Stがクラウニング部分周面を超仕上するときは、その稜線の接線の傾きに応じて揺動軸27Bを中心に傾斜する(形態は図7(c)と同じ)。オシレーションユニット2の傾斜は、チルト装置26が行う。「稜線」とは、ワークWをその軸心を含む面で二分割したときの周面が示す線である。
さて、ワークWの円柱部分の周面の超仕上は、砥石Stを水平にゆっくり移動させながら高速微振動させる。この動作は、図8(b)において揺動軸27BがP1,P4間に位置するとき行われる。揺動軸27Bは、例えばP4からP1に向かうときはさらにP1を過ぎてP2まで水平に移動する。この間砥石Stは高速微振動する。ここでP2は、図8(b)を参照して、クラウニング部分における稜線の曲率中心Pcと稜線におけるクラウニング部分および円柱部分の境Pbとを結ぶ線の延長が、P0とP1とを結ぶ線(水平線)の延長に交わる位置である。
揺動軸27BがP1からP2に移動(オシレーションユニット2が移動)するとき、チルト装置26は、オシレーションユニット2を角度0からθ1まで徐々に傾斜させる。オシレーションユニット2の水平移動は制御された(トラバース用)サーボモータ33が行い、オシレーションユニット2の傾斜は制御された(チルト用)サーボモータ42が行う。「角度θ1」とは、図8(b)において、クラウニング部分における稜線の曲率中心Pcと稜線におけるクラウニング部分および円柱部分の境Pbとを結ぶ線が、曲率中心Pcと原点P0とを結ぶ線となす角度である。
オシレーションユニット2は傾斜するのみで高さが変わらず位置P1から遠ざかると、揺動軸27BとワークWとの距離が増加する(P2,Pb間>P1,Pb間)。この増加分は、ストンヘッド7が備えるエアシリンダが伸張して吸収する。
図8(b)に示すような、揺動軸27Bが位置P1からP2(,P3)に移動することによる揺動軸27BとワークWとの距離の増加を防ぐために、位置P1からの移動により生ずる距離の増加分だけ揺動軸27Bを降下させるようにサーボモータ16動作させるこ
とも、制御上可能である。
揺動軸27B(オシレーションユニット2)が水平に移動しP2を超えると、傾斜するオシレーションユニット2は、その水平移動および傾斜を続けながら降下を始める。オシレーションユニット2の降下は、主昇降装置14におけるサーボモータ16が行う。
位置P2から位置P3までのオシレーションユニット2(揺動軸27B)の移動は、NC工作機械における円弧補間と同様に、円弧P2-P3間を複数の点(位置)の集まりとして(トラバース用)サーボモータ33および(昇降用)サーボモータ16を制御して行われる。図8(b)には、揺動軸27Bを原点(0,0)としたときの、位置P1,P2,P3の各座標が表示されている。
これらの座標(位置)は、既知である「ワークWの円筒部分長さS」、「ワークWのクラウニング部分の曲率半径R1」、「揺動軸27Bから砥石面までの距離L1」「ワークWのクラウニング部分の始まり位置Pb、その曲率中心Pcおよびその法線を含む平面とワークW底面とがなす角度θ1」、ならびに「クラウニング部分の終わり位置、その曲率中心およびその法線の3つを含む平面とワークW底面とがなす角度θ2」、によって求められる(図8(b))。
昇降装置13のサーボモータ16およびトラバーサ22のサーボモータ33による揺動軸27Bの移動は、移動先の座標が決まれば2次元(xy座標系)における公知の位置制御である。
ところで、図1に示される超仕上装置1は、ストンヘッド7に荒削り用砥石Stと仕上げ用砥石の2つの砥石備え、揺動軸27はこれらの間に位置する。したがって、超仕上装置1において、超仕上時の揺動軸27の位置制御は、揺動軸27Bの仮想位置で求めたその境界位置P1,P2,P3の各座標を実際の揺動軸27の位置に修正して(図8(c))、(トラバース用)サーボモータ33および(昇降用)サーボモータ16の制御が行われる。
これまで荒削り用砥石StによりワークWの(図8における主に)左半分の超仕上を説明したが、ワークの右半分の超仕上における揺動軸27の水平移動、鉛直移動およびオシレーションユニット2の傾斜についての各境界位置(座標)も、上記と同様にして求めることができる。このときの(トラバース用)サーボモータ33、(昇降用)サーボモータ16および(チルト用)サーボモータ42の動作制御もワークW左半分の超仕上と同じである。
上述した(トラバース用)サーボモータ33、(昇降用)サーボモータ16および(チルト用)サーボモータ42の動作を制御してクラウニング部分を超仕上する方法は、標準部分円弧クラウニングを備えた円すいころおよび対数クラウニング形状を有する円筒ころ、円すいころ周面の超仕上に適用できる。
つまり、円筒ころ、円すいころの形状に係る各寸法が明確であれば、それに基づいてオシレーションユニット2の水平移動位置、鉛直移動位置の詳細およびオシレーションユニット2の水平位置に関連づけたオシレーションユニット2の傾きが求められる。そして、これらの関係を用いてサーボモータ16,33,42の動作を制御することにより、超仕上装置1は、どのような形状、大きさの円筒ころ、円すいころであってもその周面の超仕上を行うことができる。超仕上装置1は、制御プログラムにおける境界位置の数値を変更するのみで、部品等を取り替えることなく種々のころの周面の超仕上に対応できる。
その他、超仕上装置1、および超仕上装置1の各構成または全体の構造、形状、寸法、個数、材質などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。
本発明は、センタレス研磨装置により。クラウニングが施された円筒ころおよび円すいころの周面を研磨する場合に利用することができる。
1 超仕上装置
2 オシレーションユニット
13 昇降装置
16 サーボモータ(昇降用)
25 トラバース装置
26 チルト装置
33 サーボモータ(トラバース用)
42 サーボモータ(チルト用)
R ローラ
St 砥石
W ワーク

Claims (5)

  1. センタレス研磨装置にて断面円形のワーク周面を研磨する超仕上方法であって、
    回転する前記ワークにおける周面の母線方向に砥石をオシレーションユニットにより高速微振動させながら前記母線方向の一方から他方に移動させて研磨し、
    前記砥石が前記ワークの端面から一定の距離に近づいた後、
    前記オシレーションユニットを徐々に前記端面側に傾けることにより前記砥石前記高速微振動の方向を変化させながら前記砥石の移動を伴う研磨を継続する
    ことを特徴とする超仕上方法。
  2. 前記オシレーションユニットの前記端面側への傾斜を鉛直方向および前記母線方向のいずれにも直交する特定の軸回りに行わせ、
    前記オシレーションユニットを徐々に前記端面側に傾けると同時に前記特定の軸を降下させる
    請求項1に記載の超仕上方法。
  3. 一対のローラ上において断面円形のワーク周面を研磨する超仕上装置であって、
    砥石を保持し一方向に前記砥石を高速微振動させるオシレーションユニットと、
    前記オシレーションユニットを前記一方向に往復移動させるトラバース装置と、
    前記トラバース装置を、前記一方向および鉛直方向に直交する水平な揺動軸回りに傾斜させるチルト装置と、
    前記オシレーションユニット、前記トラバース装置および前記チルト装置を一体として昇降させる昇降装置と、
    を有する
    ことを特徴とする超仕上装置。
  4. 前記チルト装置および前記昇降装置が、前記トラバース装置により前記オシレーションユニットが移動する位置に連動してそれぞれ動作するように構成された
    請求項3に記載の超仕上装置。
  5. 前記トラバース装置の往復移動がサーボモータにより行われ、
    前記チルト装置における前記トラバース装置の傾斜が別個のサーボモータにより行われ、
    前記昇降装置による前記オシレーションユニット、前記トラバース装置および前記チルト装置を一体とした昇降が更に別個のサーボモータにより行われる
    請求項3または請求項4に記載の超仕上装置。
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JP2017094404A (ja) 2015-11-18 2017-06-01 Ntn株式会社 軸受用ころの超仕上げ加工方法および超仕上げ加工装置
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