JP7100094B2 - 歯間清掃具 - Google Patents

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Description

本発明は、歯と歯の隙間を清掃する樹脂製の歯間清掃具に関する。
歯と歯の隙間を清掃するための道具として歯間清掃具が知られている。
この歯間清掃具には、熱可塑性樹脂にて成形した把持部、ネック部及びその先端の軸部分(以下、背景技術の説明において「硬質軸部」という)と、硬質軸部の外表面にエラストマを成形した清掃部分(以下、背景技術に説明において「軟質清掃部」という)とを有する、樹脂製の歯間清掃具がある。
また、樹脂製の歯間清掃具の軟質清掃部は、先端から基端に向かうに従って徐々に径を大きくしたものがあり、異なる径を有する構成により1本の歯間清掃具にて複数の歯間サイズに対応することができる。
すなわち、歯間が狭い箇所(例えば前歯間)であれば軟質清掃部の先端に位置する小径部分を使用し、歯間が広い箇所(例えば奥歯間)であれば軟質清掃部の基端に位置する大径部分をそれぞれ使用して効率的に歯間の清掃を行うことができる(特許文献1、特許文献2、特許文献3)。
特開2017-319号公報 特表2017-506963号公報 特開2013-192866号公報
通常、歯間清掃具を挿入する歯間部の大きさには個人差があり、また一個人でも部位によりその大きさは一定ではないため、歯間が広い箇所に歯間清掃具を使用した場合、軟質清掃部の基端を超えてネック部側まで歯間部に挿入されることがある。
特許文献1の歯間清掃具では、軟質清掃部は全体が一定の錐状に形成されており挿入規制がない。このため、軟質清掃部を歯間に挿入した場合に、その基端を超えてネック部まで歯間に挿入されやすく、また必要以上に歯間に挿入された軟質清掃部を引抜こうとすると、ネック部よりも大径になっている軟質清掃部の基端が歯間に引っかかって軟質清掃部が硬質軸部から剥離しやすい。
一方、特許文献2の歯間清掃具では、先端の硬質軸部をエラストマの肉厚分だけ小径としてネック部と軟質清掃部とが略面一となるよう構成されている。しかし、ネック部と硬質軸部との間に段差が形成されるため、使用時に軟質清掃部に曲げ荷重が作用した場合などこの段差に応力集中が生じて硬質軸部が折損しやすくなる。
特許文献3の歯間清掃具では、軟質清掃部の基端にエラストマにより円柱状の大径部を設けて、これを軟質清掃部の挿入時のストッパーとしている。しかし、大径部はエラストマにて形成されているため、大径部に挿入方向への過度な荷重が作用した場合に大径部と軟質清掃部の境目に応力集中が生じ、大径部が軟質清掃部から千切れやすい。また、大径部を超えてネック部側まで軟質清掃部が歯間に挿入された場合には、引き抜き時に大径部が障害となって軟質清掃部が硬質軸部から剥離したり、大径部が千切れて歯間に残ることもある。さらには、大径部が軟質清掃部に連続して急激に隆起しているため、通常徐々に狭くなっていく歯間に軟質清掃部を挿入した際に軟質清掃部基端側まで歯間に届かず、十分な清掃が行えないこともある。
そこで、本発明の目的は、これらの事情に鑑み、軟質清掃部の基端を超えてネック部側まで歯間部に挿入されることを防ぎつつ、エラストマの剥離や熱可塑性樹脂にて形成された軸の破断が生じにくい歯間清掃具を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、把持部とネック部と清掃部とを有する樹脂製の歯間清掃具であって、前記清掃部は、熱可塑性樹脂からなる清掃軸部と、同清掃軸部上にエラストマにて成形した清掃被覆部とからなり、前記清掃軸部は、先端に向かうほど細くなる錐状部を有し、同錐状部は、前記清掃軸部の中心線に対する傾斜角度がそれぞれ異なる基端錐部と先端錐部とを有し、前記基端錐部の前記傾斜角度が前記先端錐部の前記傾斜角度よりも大きいことを特徴とする。
請求項2の発明は、前記清掃被覆部の基端は、前記基端錐部の基端よりも基端側に位置することを特徴とする。
請求項3の発明は、前記清掃被覆部は複数の清掃突起を有し、前記複数の清掃突起のうち少なくとも1つの清掃突起は、歯間清掃具の長さ方向において基端錐部が位置する部分に位置していることを特徴とする。
請求項4の発明は、前記基端錐部は円錐状であり、その基端と先端との直径の差が0.2から0.8mmであることを特徴とする。
請求項5の発明は、前記基端錐部の前記傾斜角度が10゜から20°であることを特徴とする。
請求項6の発明は、前記清掃被覆部は、基端側から順に、立ち上がり部、基端被覆部、先端に向かうほど細くなる中央被覆部、同中央被覆部と傾斜角度が異なり先端に向かうほど細くなる先端被覆部から構成されており、前記基端被覆部の基端の肉厚が0.1から0.5mmであり、前記基端被覆部の基端の肉厚に対する前記先端被覆部の基端の肉厚の比率は0.75から1.5の範囲であることを特徴とする。
本発明によれば、軟質清掃部の基端を超えてネック部側まで歯間部に挿入されることを防ぎつつ、エラストマの剥離や熱可塑性樹脂にて形成された軸の破断が生じにくい歯間清掃具を提供することができる。
図1(a)は歯間清掃具の平面図、図1(b)は同側面図。 図2(a)は清掃部の1次成形部のみ、図2(b)は清掃部の2次成形部を含む部分平面図。 図3(a)は基端円錐部を中心とする1次成形部の断面図、図3(b)は同部分の2次成形部を含む断面図。
以下、本発明を具体化した歯間清掃具1の一実施形態を図1~図3にしたがって説明する。なお、図1(a)及び図1(b)における上下(方向)を歯間清掃具1及び各構成の長さ(方向)といい、同図中上(方向)を先端(方向)、図中下(方向)を基端(方向)ともいう。同様に図1(a)の左右(方向)を幅(方向)、図1(b)の左右(方向)を厚み(方向)という。
図1(a)に歯間清掃具1の平面図を、また図1(b)に同側面図を示す。歯間清掃具1は、図中基端側から順に、把持部10、ネック部20、清掃部30にて構成されている。
また、歯間清掃具1を成形材料から区別すると、歯間清掃具1は熱可塑性樹脂にて成形された1次成形部と、エラストマで成形された2次成形部とからなる。そして、歯間清掃具1のうち把持部10とネック部20は1次成形部から構成されており、清掃部30は把持部10及びネック部20とともに一体成形された1次成形部と、この上に成形された2次成形部とから構成されている(図3(b)参照)。
ここで、1次成形部に使用する熱可塑性樹脂は、歯間清掃具1の分野で一般に使用することのできるものであれば特に限定はない。例えば、オレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、飽和ポリエステル系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、プロピオン酸セルロース、熱可塑性ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアセタール、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂などがある。オレフィン系樹脂としては、例えば、プロピレン系重合体(ホモポリマー、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー)、エチレン系重合体(ホモポリマー、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー)などがある。また、飽和ポリエステル樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートなどがある。1次部に使用する熱可塑性樹脂は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらの中でも、成形加工性や機械特性の観点から、オレフィン系樹脂、飽和ポリエステル系樹脂やポリアミド系樹脂が好ましく、さらに、歯間清掃具1の耐折れ性、経済性などを考慮すると、オレフィン系樹脂、特に、ポリプロピレンがより好ましい。また、1次成形部に使用する熱可塑性樹脂には、添加材としてガラス繊維や炭素繊維やアラミド繊維などの繊維材を採用することができる。特にポリプロピレンを用いる場合にはガラス繊維が添加材としてより好ましい。
2次成形部に使用することができるエラストマは特に限定されず、例えば、スチレン系、オレフィン系、塩化ビニル系、ポリアミド系などの熱可塑性エラストマ(TPE)がある。また、シリコーン系、ウレタン系、フッ素系などの熱硬化性の樹脂からなる熱硬化性エラストマも使用することができる。さらに、熱硬化性エラストマとしては合成ゴムや、天然ゴムなどのゴムも使用することができる。合成ゴムとしては、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、プチルゴム、エチレンプロピレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、シリコーンゴム、ふっ素ゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、多硫化ゴム、塩素化ブチルゴム、エビクロルヒドリンゴムなどがある。特に成形の容易性から熱可塑性エラストマが好ましい。エラストマは、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
以下、歯間清掃具1の各構成について具体的に説明する。なお、以下に示す数値はいずれも一例である。
図1(a)、図1(b)に示すように、把持部10は厚み(1.7mm)に対して幅(8.0mm)が広い平板状に形成されており、平面視(図1(a))で略矩形状をなす。なお、把持部10の厚みは手で把持して歯間を清掃し易い寸法として0.8から5.0mmが好ましい。また、把持部10の幅も同様の理由から3.0から12.0mmが好ましい。
把持部10の先端は平面視で先端に向かうほど幅が狭くなる錐状に形成されてネック部20へと繋がっている。また、把持部10は1次成形部から構成されており、使用者が歯間清掃具1を指で把持する部分である。
また、ネック部20は直径1.7mmの円柱状であり、直線棒状をなす。なお、ネック部20の直径は軸強度と使用時の曲げやすさの観点から1.0から2.2mmが好ましい。ネック部20は基端が把持部10に繋がっており、また、先端が清掃部30に繋がっている。ネック部20は1次成形部から構成されており、把持部10と清掃部30との間に位置して両者を適度に離間した位置とし、把持部10を把持しても清掃部30の基端まで歯間の清掃に使用できるようにする部分である。また、把持部10に対して清掃部30の方向を変更する際には、使用者は把持部10を把持した状態でネック部20を指で押さえることにより把持部10に対してネック部20及び清掃部30の延びる方向を変更することができる。
清掃部30は歯間に挿入されて歯間の清掃を行う部分である。清掃部30は上記したとおり1次成形部と2次成形部とから形成されている。
清掃部30は、図2(a)に示すように1次成形部にて形成された清掃軸部40と、図2(b)に示すようにこの清掃軸部40上に成形された2次成形部からなる清掃被覆部50とから構成される。
清掃軸部40は、基端から先端に向かうほど細くなる円錐状に形成された部分を有する。特に、本実施形態の清掃軸部40は、傾斜角度(中心線60に対する円錐部分の角度、以下同様)が異なる2つの円錐を連続させた構成を有する。なお、中心線60とは図3(a)に図示するように、歯間清掃具1を構成する1次成形部(把持部10、ネック部20、清掃軸部40)の断面の重心を長さ方向に繋いだ線であり、本実施形態にあっては直線となっている。
具体的には、図2(a)に示すように、清掃軸部40の基端はネック部20から続きネック部20と同径である直径1.7mmの円柱部41となっている。また、その先端には先端に向かうほど細くなる基端円錐部42が形成され、さらに基端円錐部42の先端には基端円錐部42と傾斜角度が異なり、先端に向かうほど細くなる先端円錐部43が形成されている。基端円錐部42が基端錐部を、また先端円錐部43が先端錐部を構成し、基端円錐部42と先端円錐部43とにより錐状部を構成する。先端円錐部43の最先端(図2(a)の上端)は球状に形成されている。
図3(a)に清掃軸部40の中心線60が通る面の断面図を示すように、基端円錐部42の傾斜角度は15°である。また、先端円錐部43の同傾斜角度は1°である。図3(a)及び図3(b)では断面図を示すハッチングは図示を略している。なお、基端円錐部42の傾斜角度は10から20゜が好ましく、先端円錐部43の傾斜角度は歯間に挿入しやすい0.2から1.8゜が好ましい。
つまり、清掃軸部40は、基端から順に、同一直径の円柱部41、傾斜角度が相対的に大きな基端円錐部42、及び傾斜角度が相対的に小さな先端円錐部43とが連続して形成されている構成をなす。
基端円錐部42の基端42aの直径αは円柱部41と同径の1.7mmであり、基端円錐部42の先端42bの直径βは1.0mmとなっており、基端円錐部42の基端42aと先端42bとの直径には0.7mmの差がある。基端円錐部42の先端42bの直径βは挿入規制としても機能しかつ基端42aまで使えることを考慮すると0.2から1.8mmが好ましい。
なお、基端円錐部42や先端円錐部43の開始ないし終了となる長さ方向の位置が周方向において異なる場合は、最も基端側の位置を基端といい、最も先端側の位置を先端という。これは他の錐状についても同様である。
一方、清掃被覆部50は2次成形部から構成されており、清掃軸部40の外表面を被覆している。
図2(b)に示すように、清掃被覆部50は、1次成形部である清掃軸部40(被覆により図示されない。図2(a)参照)の上に成形した2次成形部からなり、清掃軸部40を被覆する軸被覆部51と、この軸被覆部51上に多数形成されている清掃突起52とからなる。
図3(b)に示すように、軸被覆部51は清掃軸部40の外表面を被覆する部分であり、軸被覆部51の基端は清掃軸部40から一定肉厚まで急に厚肉となる立ち上がり部53となっている。
そして、軸被覆部51は、基端側から順に、立ち上がり部53に続けて円柱状をなす基端被覆部54と、先端に向かうほど細くなる中央被覆部55と、さらに中央被覆部55と傾斜角度が異なり、先端に向かうほど細くなる先端被覆部56とから構成される。
清掃被覆部50の各構成と清掃軸部40の各構成との関係を説明すると、長さ方向において立ち上がり部53の基端53aは基端円錐部42の基端42a(円柱部41の先端41b)よりも基端側に位置する。
また、基端被覆部54の先端54b(中央被覆部55の基端55a)は基端円錐部42の基端42aよりも先端側であって、基端円錐部42の先端42b(先端円錐部43の基端43a)よりも基端側に位置する。
さらに、中央被覆部55の先端55b(先端被覆部56の基端56a)は、基端円錐部42の先端42bよりも先端側に位置する。
中央被覆部55における円錐部分の傾斜角度は15°となっている。また、先端被覆部56の同傾斜角度は1.4°となっている。先端被覆部56の最先端(図2(b)の上端)は球状に形成されている。なお、中央被覆部55における円錐部分の傾斜角度は10から20゜が好ましく、先端被覆部56の傾斜角度は0.2から1.8°が好ましい。
一方、図3(b)に示す清掃被覆部50の肉厚として、基端被覆部54の基端54a(立ち上がり部53の先端53b)の肉厚は0.25mm、基端被覆部54の先端54b(中央被覆部55の基端55a)の肉厚は0.33mmである。また、中央被覆部55の先端55b(先端被覆部56の基端56a)の肉厚は0.20mmであり、基端被覆部54の基端54a(立ち上がり部53の先端53b)の肉厚に対する中央被覆部55の先端55b(先端被覆部56の基端56a)の肉厚の比率は0.8となる。
なお、基端被覆部54の基端54a(立ち上がり部53の先端53b)の肉厚、基端被覆部54の先端54b(中央被覆部55の基端55a)の肉厚、中央被覆部55の先端55b(先端被覆部56の基端56a)の肉厚は、それぞれ0.10から0.50mmが好ましい。また、基端被覆部54の基端54a(立ち上がり部53の先端53b)の肉厚に対する中央被覆部55の先端55b(先端被覆部56の基端56a)の肉厚の比率は0.75から1.5の範囲が好ましい。肉厚の比率がこの範囲内であれば、基端54aが薄くなりすぎず剥離しにくく、また厚くなりすぎず引っかかりにくい。
これらの肉厚や径の寸法は、歯間清掃具1の該当(清掃被覆部50にあっては清掃突起52を含まない)箇所を中心線60に直交する方向に切断しマイクロスコープで測定する。
また、傾斜角度は中心線60に対して垂直な方向からマイクロスコープを用いて測定する。清掃被覆部50により被覆された清掃軸部40の測定は清掃被覆部50を溶剤もしくは物理的に除去し該当箇所を測定する。なお、断面が円形状でない場合には断面の重心を通る最長の直線を直径とみなし、肉厚について均一ではない場合には最も厚い部分を測定対象とする。
清掃突起52は、それぞれが円錐状をなし、軸被覆部51上から中心線60に直交する方向に突出する突起である。清掃突起52は、清掃被覆部50上に一定間隔を置いて長さ方向に複数形成された列をなし、かつこの列が長さ方向に少し位置をずらせた状態で周方向に複数列形成されている。
また清掃突起52のうち一部、図3(b)を例にすれば左右それぞれの最も基端側に位置する清掃突起52は、長さ方向において基端円錐部42が位置する部分に位置している。
上記実施形態の歯間清掃具1によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、清掃軸部40は、傾斜角度が大きい基端円錐部42とこれよりも傾斜角度が緩い先端円錐部43を有している。清掃軸部40が全体として先端が細い円錐形状を有するため、歯間清掃具1として歯間が狭い箇所にも歯間が広い箇所にも使用することができる。
(2).また清掃軸部40は、傾斜角度が相対的に大きい基端円錐部42を有している。このため、歯間清掃具1を歯間が広い箇所に使用する場合でも、基端円錐部42が挿入抵抗となり、歯間清掃具1のそれ以上の挿入を防止しやすくなる。
(3).基端円錐部42を含む清掃軸部40は熱可塑性樹脂で形成されている。このため歯間に挿入しても弾性変形しにくく、基端円錐部42が挿入抵抗となる。
(4).エラストマからなる清掃被覆部50は、基端円錐部42と先端円錐部43を被覆しており、基端円錐部42が歯間の挿入抵抗となっている状態では歯間は清掃被覆部50の基端である立ち上がり部53の基端53aには到達していない。このため、歯間清掃具1の引き抜き時に清掃被覆部50に引っかかることがなく剥離しにくくなる。
(5).さらに、清掃被覆部50の基端である立ち上がり部53の基端53aは、基端円錐部42の基端42aよりも基端側にあるため、歯間清掃具1の引き抜き時に清掃被覆部50がより剥がれにくい。
(6).清掃軸部40は、円柱部41、基端円錐部42及び先端円錐部43を有しておりこれらの間には段差がない。このため、清掃軸部40に曲げ応力が作用したときでも応力集中による清掃軸部40の破断が生じにくい。
(7).清掃突起52のうち一部の清掃突起52は、長さ方向において基端円錐部42が位置する部分に位置している。このため、基端円錐部42が歯間に挿入された場合でも清掃突起52による清掃が可能である。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ ネック部20や清掃軸部40を断面円状に形成したが、円であれ真円に限らず、楕円、断面長円(半円同士を直線で繋いだ形状)、卵形状等でもよい。また、断面円形状以外の形状、例えば断面多角形状としてもよい。さらに、長さ方向においてある部分では断面円状、別の部分では断面多角形状にするなど、複数の形状を組み合わせてもよい。清掃軸部40は先端に向かうほど細くなる錐状を有すればよい。
○ ネック部20を円柱状としたが錐状等の直径が変化する形状でもよい。
○ 把持部10とネック部20とは1次成形部のみによって構成したが、2次成形部を含めて構成してもよい。例えば、把持部10に把持時のクッション性のため2次成形部を成形し、把持部10と清掃部30との2次成形部を成形時につなぐブリッジとしての2次成形部がネック部に成形されていてもよい。
○ 把持部10、ネック部20、清掃部30がそれぞれ直線状に限らず、円弧状に曲がっていてもよい。
1・・・歯間清掃具
10・・・把持部
20・・・ネック部
30・・・清掃部
40・・・清掃軸部
42・・・基端円錐部(基端錐部、錐状部)
43・・・先端円錐部(先端錐部、錐状部)
50・・・清掃被覆部
51・・・軸被覆部
52・・・清掃突起
54・・・基端被覆部
55・・・中央被覆部
56・・・先端被覆部

Claims (6)

  1. 把持部とネック部と清掃部とを有する樹脂製の歯間清掃具であって、
    前記清掃部は、熱可塑性樹脂からなる清掃軸部と、同清掃軸部上にエラストマにて成形した清掃被覆部とからなり、
    前記清掃軸部は、円柱部とその先端には先端に向かうほど細くなる錐状部を有し、
    同錐状部は、前記清掃軸部の中心線に対する傾斜角度がそれぞれ異なる基端錐部と先端錐部とを有し、
    前記基端錐部の前記傾斜角度が前記先端錐部の前記傾斜角度よりも大きく、
    前記清掃被覆部は、基端側から順に、立ち上がり部、円柱状をなす基端被覆部、先端に向かうほど細くなる中央被覆部、同中央被覆部と傾斜角度が異なり先端に向かうほど細くなる先端被覆部を有し、
    前記中央被覆部の基端は前記基端錐部の基端より先端側であって、前記基端錐部の先端よりも基端側に位置することを特徴とする歯間清掃具。
  2. 前記清掃被覆部の基端は、前記基端錐部の基端よりも基端側に位置することを特徴とする請求項1に記載の歯間清掃具。
  3. 前記清掃被覆部は複数の清掃突起を有し、
    前記複数の清掃突起のうち少なくとも1つの清掃突起は、歯間清掃具の長さ方向において基端錐部が位置する部分に位置していることを特徴とする請求項1又は2に記載の歯間清掃具。
  4. 前記基端錐部は円錐状であり、その基端と先端との直径の差が0.2から0.8mmであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の歯間清掃具。
  5. 前記基端錐部の前記傾斜角度が10゜から20°であることを特徴とする請求項1ないし4のうちいずれか1項に記載の歯間清掃具。
  6. 記基端被覆部の基端の肉厚が0.1から0.5mmであり、前記基端被覆部の基端の肉厚に対する前記先端被覆部の基端の肉厚の比率は0.75から1.5の範囲であることを特徴とする請求項1ないし5のうちいずれか1項に記載の歯間清掃具。
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