JP7099623B2 - 情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム - Google Patents

情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP7099623B2
JP7099623B2 JP2021511713A JP2021511713A JP7099623B2 JP 7099623 B2 JP7099623 B2 JP 7099623B2 JP 2021511713 A JP2021511713 A JP 2021511713A JP 2021511713 A JP2021511713 A JP 2021511713A JP 7099623 B2 JP7099623 B2 JP 7099623B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
functional film
transfer function
functional
feature amount
information processing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2021511713A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2020202338A1 (ja
Inventor
力 江藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEC Corp filed Critical NEC Corp
Publication of JPWO2020202338A1 publication Critical patent/JPWO2020202338A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7099623B2 publication Critical patent/JP7099623B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G05CONTROLLING; REGULATING
    • G05BCONTROL OR REGULATING SYSTEMS IN GENERAL; FUNCTIONAL ELEMENTS OF SUCH SYSTEMS; MONITORING OR TESTING ARRANGEMENTS FOR SUCH SYSTEMS OR ELEMENTS
    • G05B19/00Programme-control systems
    • G05B19/02Programme-control systems electric
    • G05B19/18Numerical control [NC], i.e. automatically operating machines, in particular machine tools, e.g. in a manufacturing environment, so as to execute positioning, movement or co-ordinated operations by means of programme data in numerical form
    • G05B19/416Numerical control [NC], i.e. automatically operating machines, in particular machine tools, e.g. in a manufacturing environment, so as to execute positioning, movement or co-ordinated operations by means of programme data in numerical form characterised by control of velocity, acceleration or deceleration
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/0004Gaseous mixtures, e.g. polluted air
    • G01N33/0009General constructional details of gas analysers, e.g. portable test equipment
    • G01N33/0073Control unit therefor
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N5/00Analysing materials by weighing, e.g. weighing small particles separated from a gas or liquid
    • G01N5/02Analysing materials by weighing, e.g. weighing small particles separated from a gas or liquid by absorbing or adsorbing components of a material and determining change of weight of the adsorbent, e.g. determining moisture content
    • GPHYSICS
    • G05CONTROLLING; REGULATING
    • G05BCONTROL OR REGULATING SYSTEMS IN GENERAL; FUNCTIONAL ELEMENTS OF SUCH SYSTEMS; MONITORING OR TESTING ARRANGEMENTS FOR SUCH SYSTEMS OR ELEMENTS
    • G05B2219/00Program-control systems
    • G05B2219/30Nc systems
    • G05B2219/40Robotics, robotics mapping to robotics vision
    • G05B2219/40573Isee integrated sensor, end effector, camera, proximity, gas, temperature, force

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Automation & Control Theory (AREA)
  • Human Computer Interaction (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Fluid Adsorption Or Reactions (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Electric Means (AREA)

Description

本発明はにおいセンサを用いた分析技術に関する。
ガスをセンサで測定することにより、ガスに関する情報を得る技術が開発されている。下記特許文献1は、ナノメカニカルセンサで試料ガスを測定することで得られるシグナル(検出値の時系列データ)を利用して、試料ガスの種類を判別する技術を開示している。具体的には、センサの受容体に対する試料ガスの拡散時定数が、受容体の種類と試料ガスの種類の組み合わせによって決まるため、信号から得られる拡散時定数と、受容体の種類とに基づいて、試料ガスの種類を判別できることが開示されている。
特開2017-156254号公報
特許文献1の技術では、センサの出力データから得られる特徴量を用いてガスの種類の分析が行われている。しかしながら、においを検知するセンサの出力データ(出力波形)は本質的に高次元な特徴量であり、分析を高精度に行うことは難しい。低次元化された特徴量としてにおいセンサの動特性をうまく抽出できれば、においセンサを用いた分析を高精度に行うことが容易となる。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものである。本発明の目的の一つは、においセンサを用いた分析の精度を向上させる技術を提供することである。
本発明の情報処理装置は、
測定対象のにおい成分を含むガスの入力動作を制御する入力データと、前記ガスを前記入力データに基づいてにおいセンサに入力することによって得られる出力データと、を用いて、前記においセンサのARX(Auto-Regressive with eXogenous input)モデルを生成するモデル生成手段と、
前記ARXモデルをZ変換することによって、前記におい成分に関する前記においセンサの伝達関数を算出し、さらに、前記伝達関数を部分分数分解することによって、前記におい成分に関する前記においセンサの1次遅れ伝達関数特徴量を算出する特徴量算出手段と、
を備える。
本発明の情報処理方法は、
コンピュータが、
測定対象のにおい成分を含むガスの入力動作を制御する入力データと、前記ガスを前記入力データに基づいてにおいセンサに入力することによって得られる出力データと、を用いて、前記においセンサのARX(Auto-Regressive with eXogenous input)モデルを生成し、
前記ARXモデルをZ変換することによって、前記におい成分に関する前記においセンサの伝達関数を算出し、さらに、前記伝達関数を部分分数分解することによって、前記におい成分に関する前記においセンサの1次遅れ伝達関数特徴量を算出する、
ことを含む。
本発明のプログラムは、コンピュータに、上述の情報処理方法を実行させる。
本発明によれば、においセンサを用いた分析で扱いやすい特徴量を生成する技術が提供される。
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
第1実施形態の情報処理装置の機能構成を例示する図である。 においデータを得るためのセンサを例示する図である。 情報処理装置を実現するための計算機を例示する図である。 第1実施形態の情報処理装置により実行される処理の流れを例示する図である。 複数の窓を用いて、複数の部分入力データおよび複数の部分出力データを抽出する例を示す図である。 第2実施形態の情報処理装置により実行される処理の流れを例示する図である。 におい成分を含むサンプルガスを異なる環境下で複数回測定して得られた「biK/biL」の結果を例示する図である。 第3実施形態における情報処理装置の機能構成を例示する図である。 第3実施形態で構築されるデータベースの一例を示す図である。 出力部が表示装置に情報を出力する流れを例示する図である。 出力部が表示装置に情報を出力する流れを例示する図である。 出力部が表示装置に情報を出力する流れを例示する図である。 出力部が表示装置に情報を出力する流れを例示する図である。 出力部が表示装置に情報を出力する流れを例示する図である。 出力部が表示装置に情報を出力する流れを例示する図である。 出力部が表示装置に情報を出力する流れを例示する図である。 第4実施形態における情報処理装置の機能構成を例示する図である。 第4実施形態の情報処理装置により実行される処理の流れを例示する図である。 第5実施形態における情報処理装置の機能構成を例示する図である。 第5実施形態の情報処理装置により実行される処理の流れを例示する図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。また、特に説明する場合を除き、各ブロック図において、各ブロックは、ハードウエア単位の構成ではなく、機能単位の構成を表している。また、図中の矢印の向きは、情報の流れを分かり易くするためのものであり、特に説明のない限り通信の方向(一方向通信/双方向通信)を限定しない。
[第1実施形態]
<機能構成>
図1は、第1実施形態の情報処理装置20の機能構成を例示する図である。情報処理装置20は、センサ10に対する入力信号12と当該入力信号12に対応してセンサ10から出力される出力信号14とを用いて、当該センサ10の動特性を示す情報を算出する。
ここで、センサ10は、図2に示すように、測定対象のガスに含まれる分子(におい成分)が付着する受容体を有し、その受容体における分子の付着と離脱に応じて検出値(出力)が変化するセンサである。図2は、においデータを得るためのセンサ10を例示する図である。センサ10は、例えば、膜型表面応力センサ(Membrane-type Surface stress Sensor; MSS)である。MSSは、受容体として、分子が付着する官能膜を有している。そして、官能膜に対する分子の付着と離脱によって、その官能膜の支持部材に生じる応力が変化する。MSSは、この応力の変化に基づく検出値を出力する。なお、センサ10は、MSSには限定されない。センサ10は、受容体に対する分子の付着と離脱に応じて生じる、センサ10の部材の粘弾性や動力学特性(質量や慣性モーメントなど)に関連する物理量の変化に基づいて検出値を出力するものであればよい。例えば、カンチレバー式、膜型、光学式、ピエゾ、振動応答などの様々なタイプのセンサをセンサ10として採用することができる。
センサ10の検出値(出力信号14)は、測定対象のガスをセンサ10に曝す動作(以下、これを「サンプリング動作」とも表記)および測定対象のガスをセンサ10から取り除く動作(以下、これを「パージ動作」とも表記)によって変化する。例えば、入力信号12の立ち上り期間(信号レベルがHighである期間)に、図示しないポンプ機構が測定対象のガスを吸引する(サンプリング動作)。また、入力信号12の立ち下り期間(信号レベルがLowである期間)に、図示しないポンプ機構が夾雑ガス(空気等)などを用いて測定対象のガスをセンサ10から取り除く(パージ動作)。入力信号12の値に応じてサンプリング動作またはパージ動作が制御されることで、センサ10の検出値(出力信号14)が変動する。すなわち、センサ10という系において、サンプリング動作とパージ動作とを制御するための入力信号が、センサ10に対する入力に相当すると言える。以下の説明において、必要に応じ、入力信号12および出力信号14を、それぞれ、UおよびYとも表記する。また、入力信号12の時刻tの値および出力信号14の時刻tの値を、それぞれ、u(t)およびy(t)とも表記する。Uは、u(t)が列挙された行列となる。Yは、y(t)が列挙された行列となる。
図1に戻り、情報処理装置20の機能構成について説明する。図示されるように、本実施形態の情報処理装置20は、モデル生成部210および特徴量算出部220を備える。
モデル生成部210は、センサ10の入力データおよびセンサ10の出力データを用いてセンサ10の入出力関係を学習し、当該センサ10の入出力関係を示すARX(Auto-Regressive with eXogenous input)モデルを生成する。ここで、センサ10の入力データは、測定対象のにおい成分を含むガスの入力動作(サンプリング動作/パージ動作)を制御するデータである。図2の例で言えば、入力信号12が入力データに相当する。また、センサ10の出力データは、入力データに基づいてセンサ10にガスを入力して得られるデータである。図2の例で言えば、出力信号14が出力データに相当する。
ここで、センサ10のARXモデルは、以下の式(1)で表される。式(1)において、y(t)は時刻tにおけるセンサ10の出力、u(t)は時刻tにおけるセンサ10に対する入力、a(下線付き)は自己回帰係数、b(下線付き)は外生入力係数である。モデル生成部210は、例えば図2に示されるような入力データ12および出力データ14から、下記式(1)で示されるARXモデルとしてセンサ10の入出力関係を学習(生成)することができる。
Figure 0007099623000001
次に、特徴量算出部220は、モデル生成部210により生成されたARXモデルを用いて、センサの特性を示す特徴量を生成する。まず、特徴量算出部220は、モデル生成部210により生成されたARXモデルに対してZ変換を行う。さらに、特徴量算出部220は、ARXモデルをZ変換した結果を部分分数分解することによって、1次遅れ系の伝達関数を算出する。
特徴量算出部220は、まず、式(1)で示されるARXモデルをz変換することによって、以下の式(2)を得る。以下の式(2)において、Y(z)/U(z)は、センサの入力Uに対する出力YのZ変換の比(すなわち、Z領域における伝達関数)である。
Figure 0007099623000002
さらに、特徴量算出部220は、式(2)の右辺を部分分数分解することによって、以下の式を得る。
Figure 0007099623000003
式(3)において、aはにおい成分iの脱離率に関する特徴量を示し、b(チルダ付)はにおい成分iの吸着率に関する特徴量を示す。なお、以下の説明において、このチルダ付きのbを、単に「b」とも表記する。特徴量算出部220は、以下の式(4)に示すように、このaおよびbの組を、1次遅れ伝達関数特徴量として得る。
Figure 0007099623000004
なお、上記の式(4)において、αはにおい成分iの吸着率を、βはにおい成分iの脱離率を、γはにおい成分iに関する分子のセンサ受容体への付着数とそれにより生じるセンサ出力との比例定数を、ρはにおい成分iの密度を、Δtは離散時間系での時間間隔をそれぞれ示す。上記の式(4)で表される1次遅れ伝達関数特徴量は、センサ10にセットされた官能膜とにおい成分iとの組み合わせを表す特徴量として利用できる。また、上述のaおよびbの関係式から、センサ10のダイナミクスを、におい成分i毎に物理的に解釈可能となる。
本実施形態により得られる1次遅れ伝達関数特徴量は、センサ10の出力データよりも低次元な特徴量である。このように低次元化された1次遅れ伝達関数特徴量を用いることによって、判別分析や回帰分析の精度を向上させることができる。
<情報処理装置20のハードウエア構成>
情報処理装置20の各機能構成部は、各機能構成部を実現するハードウエア(例:ハードワイヤードされた電子回路など)で実現されてもよいし、ハードウエアとソフトウエアとの組み合わせ(例:電子回路とそれを制御するプログラムの組み合わせなど)で実現されてもよい。以下、情報処理装置20の各機能構成部がハードウエアとソフトウエアとの組み合わせで実現される場合について、さらに説明する。
図3は、情報処理装置20を実現するための計算機1000を例示する図である。計算機1000は任意の計算機である。例えば計算機1000は、Personal Computer(PC)やサーバマシンなどの据え置き型の計算機である。その他にも例えば、計算機1000は、スマートフォンやタブレット端末などの可搬型の計算機である。計算機1000は、情報処理装置20を実現するために設計された専用の計算機であってもよいし、汎用の計算機であってもよい。
計算機1000は、バス1020、プロセッサ1040、メモリ1060、ストレージデバイス1080、入出力インタフェース1100、及びネットワークインタフェース1120を有する。バス1020は、プロセッサ1040、メモリ1060、ストレージデバイス1080、入出力インタフェース1100、及びネットワークインタフェース1120が、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。ただし、プロセッサ1040などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。
プロセッサ1040は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)などの種々のプロセッサである。メモリ1060は、RAM(Random Access Memory)などを用いて実現される主記憶装置である。ストレージデバイス1080は、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)、メモリカード、又はROM(Read Only Memory)などを用いて実現される補助記憶装置である。
入出力インタフェース1100は、計算機1000と入出力デバイスとを接続するためのインタフェースである。例えば入出力インタフェース1100には、キーボードやタッチパネルなどの入力装置や、ディスプレイやスピーカーなどの出力装置が接続される。
ネットワークインタフェース1120は、計算機1000を通信網に接続するためのインタフェースである。この通信網は、例えばLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)である。ネットワークインタフェース1120が通信網に接続する方法は、無線接続であってもよいし、有線接続であってもよい。
ストレージデバイス1080は、情報処理装置20の各機能構成部(モデル生成部210、特徴量算出部220など)を実現するプログラムモジュールを記憶している。プロセッサ1040は、これら各プログラムモジュールをメモリ1060に読み出して実行することで、各プログラムモジュールに対応する機能を実現する。
<処理の流れ>
図4は、第1実施形態の情報処理装置20により実行される処理の流れを例示する図である。図4の例では、センサ10は、2つの官能膜(官能膜Kおよび官能膜L)を有している。また、図4の例では、におい成分iを有するサンプルガスが、ランダムなサンプル周期の入力信号U(例えば、M系列信号)に応じてセンサ10に入力される。この場合のセンサ10の出力Yは、官能膜Kの出力および官能膜Lの出力の和となる。
まず、モデル生成部210は、官能膜毎の入出力データを取得する(S102)。例えば、モデル生成部210は、センサ10に対する入力データUと官能膜Kの出力データYとを、官能膜Kの入出力データとして取得する。また、モデル生成部210は、センサ10に対する入力データUと官能膜Lの出力データYとを、官能膜Lの入出力データとして取得する。そして、モデル生成部210は、官能膜毎の入出力データに基づいて、官能膜毎にARXモデルを生成する(S104)。例えば、モデル生成部210は、センサに対する入力データUと官能膜Kの出力データYとに基づいて、官能膜KについてのARXモデルを生成する。また、モデル生成部210は、センサに対する入力データUと官能膜Lの出力データYとに基づいて、官能膜LについてのARXモデルを生成する。そして、特徴量算出部220は、官能膜毎に生成されたARXモデルに対してZ変換を行う(S106)。そして、特徴量算出部220は、各ARXモデルをZ変換した結果をそれぞれ部分分数分解し、官能膜毎に1次遅れ伝達関数特徴量を算出する(S108)。
<変形例>
モデル生成部210は、複数の窓を用いて、複数の部分入力データおよび複数の部分出力データを抽出し、複数のARXモデルを生成するように構成されていてもよい。
図5は、複数の窓を用いて、複数の部分入力データおよび複数の部分出力データを抽出する例を示す図である。図5に示される例では、複数の窓W1~Wnを用いて、入力データu(t)および出力データy(t)から、部分入力データおよび部分出力データの組みがn個抽出される。1つの窓の幅は、所定の基準以上の周波数成分が入力データu(t)に含まれるような幅として設定される。例えば、モデル生成部210は、入力データu(t)をフーリエ変換することによって基準以上の周波数成分がカバーされる連続時間領域を特定し、その領域の幅を1つの窓の幅として決定することができる。なお、図5に示されるように、モデル生成部210は、隣り合う2つの窓(例:W1およびW2)が部分的に重なるように、各窓の位置を決定してもよい。
モデル生成部210は、窓毎に抽出された一組の部分入力データと部分出力データを、上述の入力データおよび出力データとして用いて、ARXモデルを生成する。すなわち、モデル生成部210は、複数の窓を用いて抽出された、複数の部分入力データおよび複数の部分出力データを用いて、複数のARXモデルを生成する。
そして、特徴量算出部220は、複数のARXモデルをそれぞれZ変換並びに部分分数分解することによって、複数の1次遅れ伝達関数特徴量を算出する。そして、特徴量算出部220は、算出した複数の1次遅れ伝達関数特徴量を学習データとして用いて機械学習を実行し、センサ10の1次遅れ伝達関数特徴量を決定する。また、特徴量算出部220は、算出した複数の1次遅れ伝達関数特徴量に対して異常値除去などの統計処理を行った上で、センサ10の1次遅れ伝達関数特徴量を決定するように構成されていてもよい。
本変形例の構成によれば、1つのARXモデルを用いて1次遅れ伝達関数特徴量(センサ10の動特性を示す特徴量)を算出する場合と比較して、より精度の高い1次遅れ伝達関数特徴量を得ることができる。
[第2実施形態]
本実施形態では、1次遅れ伝達関数特徴量の用途の一例について説明する。それぞれ互いに種類の異なる2つ以上の官能膜がセンサ10にセットされている場合、情報処理装置20は、官能膜毎の1次遅れ伝達関数特徴量を用いて、測定環境の変化にロバストな特徴量を生成することができる。
図6は、第2実施形態の情報処理装置20により実行される処理の流れを例示する図である。図6の例では、センサ10は、互いに種類の異なる2つの官能膜(官能膜Kおよび官能膜L)を有している。また、図6の例では、におい成分iを有するサンプルガスが、ランダムなサンプル周期の入力信号U(例えば、M系列信号)に応じてセンサ10に入力される。この場合のセンサ10の出力Yは、官能膜Kの出力および官能膜Lの出力の和となる。
まず、におい成分iを含むサンプルガスの測定に応じて、モデル生成部210は、官能膜毎の入出力データを取得する(S202)。そして、モデル生成部210は、官能膜毎の入出力データに基づいて、官能膜毎のARXモデルを生成する(S204)。そして、特徴量算出部220は、官能膜毎のARXモデルをZ変換する(S206)。さらに、特徴量算出部220は、ARXモデルをZ変換した結果を部分分数分解することによって、1次遅れ伝達関数特徴量(a,b)を官能膜毎に算出する(S208)。S202~S208の処理は、図4のS102~S108の処理と同様である。そして、特徴量算出部220は、官能膜Kおよび官能膜Lについて、におい成分iの吸着率に関連する1次遅れ伝達関数特徴量bの比を算出する(S210)。なお、以下の説明において、1次遅れ伝達関数特徴量biKと1次遅れ伝達関数特徴量biLとの比を、「biK/biL」とも表記する。
ここで、センサ10の出力は、測定対象のにおい成分の種類のほか、当該におい成分を測定する環境(例えば、測定時の温度や湿度など)に応じて変動し得る。なお、センサ10の出力は、図2を用いて説明したように、当該センサ10にセットされた官能膜に付着しているにおい成分によって支持部材に生じる応力の変化に依存して変動する。つまり、「センサ10の出力が測定環境によって変化している」ということは、「センサ10にセットされた官能膜の吸着率が測定環境の変化に応じて変動している」と考えることができる。さらに、官能膜の吸着率について、測定環境に依存して変動するパラメータと、官能膜の種類毎に固有のパラメータとの積によって表現できるものと仮定する。この仮定に基づくと、S202の処理(におい成分の吸着率に関連する1次遅れ伝達関数特徴量の比を算出する処理)を行うことによって、測定環境の変化に依存するパラメータ部分が相殺される。すなわち、官能膜Kについて得られた1次遅れ伝達関数特徴量と官能膜Lについて得られた1次遅れ伝達関数特徴量の比(biK/biL)は、測定環境の変化にロバストな特徴量として、におい成分iの分析に活用できる。
なお、上記の仮定では、官能膜の種類毎の固有パラメータが測定環境に関係なく常に一定値であることを理想としている。しかしながら、現実的には、膜種毎の固有パラメータが、測定環境の変化による影響を全く受けないとは言い切れない。そこで、情報処理装置20は、以下のような処理を行うように構成されていてもよい。
まず、センサ10が、におい成分iを含むサンプルガスを、それぞれ異なる環境下で複数回測定する。1回の測定毎に、モデル生成部210は、官能膜Kに関するARXモデルおよび官能膜Lに関するARXモデルをそれぞれ生成し、特徴量算出部220は、官能膜Kおよび官能膜LのARXモデルを基に、におい成分iの吸着率に関連する1次遅れ伝達関数特徴量「biK」および「biL」をそれぞれ算出する。また、特徴量算出部220は、1次遅れ伝達関数特徴量「biK」および「biL」の比「biK/biL」を1回の測定毎に得る。そして、特徴量算出部220は、複数回の測定によって得られた複数の「biK/biL」に基づいて、「biK/biL」が一定(傾きが0)となる測定環境の範囲を特定する。そして、特徴量算出部220は、特定した測定環境の範囲を示す情報を、におい成分の種類を示す情報、および、官能膜の種類(官能膜の組み合わせ)を示す情報と対応付けて、ストレージデバイス1080などの記憶領域に記憶する。
例えば、官能膜Kおよび官能膜Lを有するセンサ10が、におい成分iを含むサンプルガスを異なる環境下で複数回測定した場合に、「biK/biL」について図7に示されるような結果が得られたとする。図7は、におい成分iを含むサンプルガスを異なる環境下で複数回測定して得られた「biK/biL」の結果を例示する図である。図7において、横軸は「測定環境(温度)」を示し、縦軸は「1次遅れ伝達関数特徴量biLを基準としたときの1次遅れ伝達関数特徴量biKの比(biK/biL)」を示している。
図7の例において、「biK/biL」は、T1~T2の温度範囲で一定であり、その他の範囲では測定環境の変化に応じて値が変動している。この場合、特徴量算出部220は、「biK/biL」の値が一定(すなわち、傾きが0)となっているT1~T2の温度範囲を特定する。なお、特徴量算出部220は、傾きが所定の基準(例えば、-0.05以上0.05以下など)を満たす範囲を特定するように構成されていてもよい。そして、特徴量算出部220は、T1~T2の温度範囲を示す情報を、におい成分iを示す情報、および、官能膜Kおよび官能膜Lの組み合わせを示す情報と対応付けて、ストレージデバイス1080などの記憶領域に記憶する。ここでストレージデバイス1080に記憶される情報は、測定環境の変化に対してロバストな特徴量が得られる条件を示す情報となる。
本実施形態の構成によれば、測定環境の変化に対してロバストな特徴量が得られる条件(におい成分の種類、官能膜の種類、測定環境の組み合わせ)を蓄積するデータベースを生成することができる。このデータベースは、例えば、第3実施形態で説明するように活用できる。
[第3実施形態]
<機能構成>
図8は、第3実施形態における情報処理装置20の機能構成を例示する図である。本実施形態の情報処理装置20は、第2実施形態においてストレージデバイス1080等の記憶領域に蓄積された情報を活用する処理部(出力部230)を更に含むように構成される。
一例として、出力部230は、センサ10の構成(センサ10にセットされている官能膜の種類)を示す情報を入力として、推奨される測定環境をにおい成分の種類別に示す情報を出力することができる。具体的な例として、図9に示されるような情報が記憶領域に記憶されている状態で、官能膜Kおよび官能膜Lの組み合わせを示す入力情報を出力部230が取得したとする。図9は、第3実施形態で構築されるデータベースの一例を示す図である。この場合、出力部230は、入力情報に基づいて、「におい成分i」および「T1~T2の温度範囲」を示す情報、並びに、「におい成分j」および「T5~T6の温度範囲」を示す情報を図9に示される情報の中から特定する。そして、出力部230は、特定した情報(推奨される測定環境をにおい成分の種類別に示す情報)を、情報処理装置20に接続された表示装置に出力する(例:図10)。図10は、出力部230が表示装置に情報を出力する流れを例示する図である。
本例においては、センサ10の構成が決まっている場合に、当該センサ10の構成を示す情報を入力することで、推奨される測定環境を示す情報がにおい成分の種類毎に出力される。このような情報により、構成が決まっているセンサ10をどのように利用すべきか(どのような環境下でどのようなにおい成分を対象として測定を行うか)を、センサ10のユーザが容易に判断することができる。
他の一例として、出力部230は、におい成分の測定環境(センサ10を設置する環境)を示す情報を入力として、推奨されるセンサ10の構成(官能膜の組み合わせ)をにおい成分の種類別に示す情報を出力することができる。具体的な例として、図9に示されるような情報が記憶領域に記憶されている状態で、測定環境の温度がT1~T2の範囲であること示す入力情報を出力部230が取得したとする。この場合、出力部230は、入力情報に基づいて、「におい成分i」および「官能膜Kと官能膜Lとの組み合わせ」を示す情報、並びに、「におい成分j」および「官能膜Nと官能膜Oとの組み合わせ」を示す情報を図9に示される情報の中から特定する。そして、出力部230は、特定した情報(推奨されるセンサ10の構成をにおい成分の種類別に示す情報)を、情報処理装置20に接続された表示装置に出力する(例:図11)。図11は、出力部230が表示装置に情報を出力する流れを例示する図である。
本例においては、測定環境(センサ10を設置する環境)が決まっている場合に、その情報を入力することで、推奨されるセンサ10の構成を示す情報がにおい成分の種類毎に出力される。このような情報により、決められた測定環境においてどのようなにおいに対してどのような構成のセンサを使えば安定した測定が可能であるかを、ユーザに通知することができる。
他の一例として、出力部230は、測定対象のにおい成分の種類を示す情報を入力として、推奨されるセンサ10の構成(官能膜の組み合わせ)と、推奨される測定環境(温度や湿度の範囲など)を示す情報を出力することができる。具体的な例として、図9に示されるような情報が記憶領域に記憶されている状態で、測定対象のにおい成分の情報として「におい成分i」示す入力情報を出力部230が取得したとする。この場合、出力部230は、入力情報に基づいて、「官能膜Kと官能膜Lとの組み合わせ」および「T1~T2の温度範囲」を示す情報、並びに、「官能膜Kと官能膜Mとの組み合わせ」および「T3~T4の温度範囲」を示す情報を図9に示される情報の中から特定する。そして、出力部230は、特定した情報(推奨されるセンサ10の構成および推奨される測定環境を示す情報)を、情報処理装置20に接続された表示装置等に出力する(例:図12)。図12は、出力部230が表示装置に情報を出力する流れを例示する図である。
本例においては、測定対象とするにおい成分が決まっている場合に、その情報を入力することで、当該におい成分の測定に適したセンサ10の構成および測定環境を示す情報が出力される。このような情報により、「対象のにおい成分の判別分析を精度よく行うために、どのような構成のにおいセンサを準備し、かつ、どのような環境下でそのにおいセンサを動作させるか」をユーザが容易に判断可能となる。
他の一例として、出力部230は、センサ10の構成(官能膜の組み合わせ)および測定対象のにおい成分の種類を示す情報とを入力として、推奨される測定環境(温度や湿度の範囲など)を示す情報を出力することができる。具体的な例として、図9に示されるような情報が記憶領域に記憶されている状態で、官能膜Kおよび官能膜Lの組み合わせおよびにおい成分iを示す入力情報を出力部230が取得したとする。この場合、出力部230は、入力情報に基づいて、「T1~T2の温度範囲」を示す情報を図9に示される情報の中から特定する。そして、出力部230は、特定した情報(推奨される測定環境を示す情報)を、情報処理装置20に接続された表示装置等に出力する(例:図13)。図13は、出力部230が表示装置に情報を出力する流れを例示する図である。
本例においては、においセンサの構成およびそのにおいセンサで測定すべきにおい成分が決まっている場合に、それらの情報を入力することで、推奨される測定環境を示す情報が出力される。このような情報により、センサ10のユーザが、安定した精度で測定を行うことができる環境を容易に把握することができる。
他の一例として、出力部230は、センサ10の構成(官能膜の組み合わせ)を示す情報と、におい成分の測定環境(センサ10を設置する環境)を示す情報とを入力として、測定対象として推奨されるにおい成分の種類を示す情報を出力することができる。具体的な例として、図9に示されるような情報が記憶領域に記憶されている状態で、官能膜Kと官能膜Lの組み合わせおよびT1~T2の温度範囲を示す入力情報を出力部230が取得したとする。この場合、出力部230は、「におい成分i」を示す情報を、入力情報に基づいて特定する。そして、出力部230は、特定したにおい成分の種類(におい成分i)を示す情報を、情報処理装置20に接続された表示装置等に出力する(例:図14)。図14は、出力部230が表示装置に情報を出力する流れを例示する図である。
本例においては、においセンサの構成および当該においセンサを設置する環境が既知である場合に、それらの情報を入力することで、測定対象として推奨されるにおい成分を示す情報が出力される。このような情報により、測定に適したにおい成分をセンサ10のユーザが容易に把握できる。
他の一例として、出力部230は、測定対象のにおい成分の種類および当該におい成分の測定環境(センサ10を設置する環境)を示す情報とを入力として、推奨されるセンサ10の構成(官能膜の組み合わせ)を示す情報を出力することができる。具体的な例として、図9に示されるような情報が記憶領域に記憶されている状態で、におい成分iおよびT1~T2の温度範囲を示す入力情報を出力部230が取得したとする。この場合、出力部230は、入力情報に基づいて、「官能膜Kおよび官能膜Lの組み合わせ」を示す情報を、図9に示される情報の中から特定する。そして、出力部230は、特定した情報(推奨されるセンサ10の構成を示す情報)を、情報処理装置20に接続された表示装置等に出力する(例:図15)。図15は、出力部230が表示装置に情報を出力する流れを例示する図である。
本例においては、測定対象とするにおい成分および当該におい成分を測定する環境が既知である場合、それらの情報を入力することで、推奨されるセンサ10の構成(官能膜の組み合わせ)を示す情報が出力される。このような情報により、経験の浅い人物であっても、センサ10にセットすべき官能膜を容易に判断できる。
また、測定環境を示す情報と共に、複数の測定対象のにおい成分を示す情報が入力として得られた場合、出力部230は、第3実施形態で得られたデータベースの情報に基づいて、センサ10の構成の優先順位を決定することもできる。具体的には、入力情報が示す測定環境の範囲において、入力情報が示す全てのにおい成分について1次遅れ伝達関数特徴量の比が一定(傾きが0)となる官能膜の組み合わせAと、少なくとも一部のにおい成分について1次遅れ伝達関数特徴量の比が一定(傾きが0)とならない官能膜の組み合わせBとが存在したとする。この場合、出力部230は、全てのにおい成分について安定した精度で分析が可能な組み合わせAの優先順位を、組み合わせBよりも高く設定する。そして、出力部230は、組み合わせ毎の優先順位を示す情報を、情報処理装置20に接続された表示装置等に出力する(例:図16)。図16は、出力部230が表示装置に情報を出力する流れを例示する図である。図16の例において、出力部230は、優先順位を示す数字Nをセンサ10の構成毎に対応付けて出力している。このような情報により、ユーザは、測定に最も適したセンサ10の構成を容易に判断できる。
[第4実施形態]
本実施形態では、1次遅れ伝達関数特徴量の用途の他の一例について説明する。2つ以上の同種の官能膜がセンサ10にセットされている場合、情報処理装置20は、官能膜毎の1次遅れ伝達関数特徴量を用いて、官能膜の性能を検査することができる。
<機能構成>
図17は、第4実施形態における情報処理装置20の機能構成を例示する図である。図17に示されるように、本実施形態の情報処理装置20は、製品判定部240を更に有する。製品判定部240は、検査対象の官能膜(第1の官能膜)の1次遅れ伝達関数特徴量と基準となる官能膜(第2の官能膜)の1次遅れ伝達関数特徴量と比を用いて、第1の官能膜が合格品か否かを判定する。
<処理の流れ>
図18は、第4実施形態の情報処理装置20により実行される処理の流れを例示する図である。図18の例では、センサ10は、同じ種類の2つの官能膜(官能膜Kおよび官能膜L)を有している。官能膜Kは検査対象の官能膜であり、官能膜Lは基準となる性能を有する官能膜である。また、図18の例では、におい成分iを有するサンプルガスが、ランダムなサンプル周期の入力信号U(例えば、M系列信号)に応じてセンサ10に入力される。この場合のセンサ10の出力Yは、官能膜Kの出力および官能膜Lの出力の和となる。
まず、におい成分iを含むサンプルガスの測定に応じて、モデル生成部210は、官能膜毎の入出力データを取得する(S302)。そして、モデル生成部210は、官能膜毎の入出力データに基づいて、官能膜毎のARXモデルを生成する(S304)。そして、特徴量算出部220は、官能膜毎のARXモデルをZ変換する(S306)。さらに、特徴量算出部220は、ARXモデルをZ変換した結果を部分分数分解することによって、1次遅れ伝達関数特徴量(a,b)を官能膜毎に算出する(S308)。S302~S308の処理は、図4のS102~S108の処理と同様である。
そして、特徴量算出部220は、官能膜Kおよび官能膜Lについて、におい成分iの吸着率に関連する1次遅れ伝達関数特徴量bの比(biK/biL)を算出する(S310)。ここで、官能膜Kおよび官能膜Lが同じ性能であれば、これらの官能膜毎の1次遅れ伝達関数特徴量は等しくなる。この場合、biK/biLの値は1となる。よって、製品判定部240は、biK/biLが所定の基準を満たす(biK/biLが1或いは1に近い値となる)か否かを判定する(S312)。biK/biLが所定の基準を満たす場合(S312:YES)、製品判定部240は、検査対象の官能膜Kを「基準品である官能膜Lと同等の性能を有する合格品」と判断する(S314)。一方、biK/biL所定の基準を満たさない場合(S312:NO)、製品判定部240は、検査対象の官能膜Kを「基準品である官能膜Lと同等の性能を有していない不合格品」と判断する(S316)。
以上、本実施形態では、第1実施形態で説明した手法により得られた1次遅れ伝達関数特徴量を使って、官能膜の性能の良/不良を判別することが可能となる。
[第5実施形態]
本実施形態では、1次遅れ伝達関数特徴量の用途の他の一例について説明する。2つ以上の同種の官能膜がセンサ10にセットされている場合、情報処理装置20は、官能膜毎の1次遅れ伝達関数特徴量を用いて、官能膜間の個体差(出力性能の誤差)を修正することができる。
<機能構成>
図19は、第5実施形態における情報処理装置20の機能構成を例示する図である。図19に示されるように、本実施形態の情報処理装置20は、個体差修正部250を更に有する。個体差修正部250は、同種の2つの官能膜の1次遅れ伝達関数特徴量比を用いて、当該2つの官能膜の間の個体差を修正する。
<処理の流れ>
図20は、第5実施形態の情報処理装置20により実行される処理の流れを例示する図である。図20の例では、センサ10は、同じ種類の2つの官能膜(官能膜Kおよび官能膜L)を有している。また、図20の例では、におい成分iを有するサンプルガスが、ランダムなサンプル周期の入力信号U(例えば、M系列信号)に応じてセンサ10に入力される。この場合のセンサ10の出力Yは、官能膜Kの出力および官能膜Lの出力の和となる。
まず、におい成分iを含むサンプルガスの測定に応じて、モデル生成部210は、官能膜毎の入出力データを取得する(S402)。そして、モデル生成部210は、官能膜毎の入出力データに基づいて、官能膜毎のARXモデルを生成する(S404)。そして、特徴量算出部220は、官能膜毎のARXモデルをZ変換する(S406)。さらに、特徴量算出部220は、ARXモデルをZ変換した結果を部分分数分解することによって、1次遅れ伝達関数特徴量(a,b)を官能膜毎に算出する(S408)。S402~S408の処理は、図4のS102~S108の処理と同様である。
そして、特徴量算出部220は、官能膜Kおよび官能膜Lについて、におい成分iの吸着率に関連する1次遅れ伝達関数特徴量bの比(biK/biL)を算出する(S410)。個体差修正部250は、S410の処理で得られた、1次遅れ伝達関数特徴量biKと1次遅れ伝達関数特徴量biLの比(biK/biL)に基づいて、官能膜Kおよび官能膜Lのいずれか一方の出力値を補正するための補正係数を決定する(S412)。具体的には、個体差修正部250は、biK/biLの逆数を官能膜Kの出力値に対する補正係数として決定し、メモリ1060などに記憶する。代わりに、個体差修正部250は、biK/biLを官能膜Lの出力値に対する補正係数として決定し、メモリ1060などに記憶してもよい。そして、個体差修正部250は、S412で決定した補正係数を使って、官能膜Kまたは官能膜Lの出力値を補正する(S414)。
本実施形態では、官能膜毎の個体差がソフトウエア的に補正される。各官能膜の性能が均一化されることによって、センサ10の分析の精度がばらつくことを防止できる。
以上、図面を参照して本発明の実施の形態について述べたが、本発明はこれらに限定されて解釈されるべきものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、改良等を行うことができる。実施形態に開示されている複数の構成要素は、適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよいし、異なる実施形態の構成要素を適宜組み合わせてもよい。また、各実施形態では、図示される処理(工程)の順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。

Claims (9)

  1. 測定対象のにおい成分を含むガスの入力動作を制御する入力データと、前記ガスを前記入力データに基づいてにおいセンサに入力することによって得られる出力データと、を用いて、前記においセンサのARX(Auto-Regressive with eXogenous input)モデルを生成するモデル生成手段と、
    前記ARXモデルをZ変換することによって、前記におい成分に関する前記においセンサの伝達関数を算出し、さらに、前記伝達関数を部分分数分解することによって、前記におい成分に関する前記においセンサの1次遅れ伝達関数特徴量を算出する特徴量算出手段と、
    を備える情報処理装置。
  2. 前記モデル生成手段は、
    複数の窓を用いて、前記入力データおよび前記出力データから、複数の部分入力データおよび複数の部分出力データを抽出し、
    前記複数の部分入力データと前記複数の部分出力データとを用いて、複数のARXモデルを生成し、
    前記特徴量算出手段は、
    前記複数のARXモデルを用いて、複数の前記1次遅れ伝達関数特徴量を算出する、
    請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記においセンサは第1の官能膜および第2の官能膜を有しており、
    前記モデル生成手段は、
    前記ガスを複数の測定環境で測定したときの前記入力データおよび前記官能膜毎の出力データを取得し、
    前記入力データおよび前記官能膜毎の出力データを用いて、前記官能膜毎のARXモデルを複数生成し、
    前記特徴量算出手段は、
    前記複数の測定環境それぞれについて生成された前記官能膜毎のARXモデルを用いて、複数の前記1次遅れ伝達関数特徴量を前記官能膜毎に算出し、
    前記官能膜毎に算出された前記複数の1次遅れ伝達関数特徴量の比が基準を満たす測定環境を特定し、
    前記特定した測定環境を示す情報を記憶領域に記憶する、
    請求項1または2に記載の情報処理装置。
  4. 前記においセンサは検査対象の第1の官能膜および基準となる第2の官能膜を有しており、
    前記モデル生成手段は、前記官能膜毎の前記入力データおよび前記出力データを用いて、前記官能膜毎のARXモデルを生成し、
    前記特徴量算出手段は、
    前記官能膜毎のARXモデルを用いて、前記1次遅れ伝達関数特徴量を前記官能膜毎に算出し、
    前記情報処理装置は、
    前記官能膜毎に算出された前記1次遅れ伝達関数特徴量の比が基準を満たすか否かによって、前記第1の官能膜が合格品か否かを判定する判定手段を更に備える、
    請求項1または2に記載の情報処理装置。
  5. コンピュータが、
    測定対象のにおい成分を含むガスの入力動作を制御する入力データと、前記ガスを前記入力データに基づいてにおいセンサに入力することによって得られる出力データと、を用いて、前記においセンサのARX(Auto-Regressive with eXogenous input)モデルを生成し、
    前記ARXモデルをZ変換することによって、前記におい成分に関する前記においセンサの伝達関数を算出し、さらに、前記伝達関数を部分分数分解することによって、前記におい成分に関する前記においセンサの1次遅れ伝達関数特徴量を算出する、
    ことを含む情報処理方法。
  6. 前記コンピュータが、
    複数の窓を用いて、前記入力データおよび前記出力データから、複数の部分入力データおよび複数の部分出力データを抽出し、
    前記複数の部分入力データと前記複数の部分出力データとを用いて、複数のARXモデルを生成し、
    前記複数のARXモデルを用いて、複数の前記1次遅れ伝達関数特徴量を算出する、
    ことを更に含む請求項5に記載の情報処理方法。
  7. 前記においセンサは第1の官能膜および第2の官能膜を有しており、
    前記コンピュータが、
    前記ガスを複数の測定環境で測定したときの前記入力データおよび前記官能膜毎の出力データを取得し、
    前記入力データおよび前記官能膜毎の出力データを用いて、前記官能膜毎のARXモデルを複数生成し、
    前記複数の測定環境それぞれについて生成された前記官能膜毎のARXモデルを用いて、複数の前記1次遅れ伝達関数特徴量を前記官能膜毎に算出し、
    前記官能膜毎に算出された前記複数の1次遅れ伝達関数特徴量の比が基準を満たす測定環境を特定し、
    前記特定した測定環境を示す情報を記憶領域に記憶する、
    ことを含む請求項5または6に記載の情報処理方法。
  8. 前記においセンサは検査対象の第1の官能膜および基準となる第2の官能膜を有しており、
    前記コンピュータが、
    前記官能膜毎の前記入力データおよび前記出力データを用いて、前記官能膜毎のARXモデルを生成し、
    前記官能膜毎のARXモデルを用いて、前記1次遅れ伝達関数特徴量を前記官能膜毎に算出し、
    前記官能膜毎に算出された前記1次遅れ伝達関数特徴量の比が基準を満たすか否かによって、前記第1の官能膜が合格品か否かを判定する、
    ことを含む請求項5または6に記載の情報処理方法。
  9. コンピュータに、請求項5から8のいずれか1項に記載の情報処理方法を実行させるプログラム。
JP2021511713A 2019-03-29 2019-03-29 情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム Active JP7099623B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2019/014242 WO2020202338A1 (ja) 2019-03-29 2019-03-29 情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2020202338A1 JPWO2020202338A1 (ja) 2020-10-08
JP7099623B2 true JP7099623B2 (ja) 2022-07-12

Family

ID=72667139

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021511713A Active JP7099623B2 (ja) 2019-03-29 2019-03-29 情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム

Country Status (3)

Country Link
US (1) US11971701B2 (ja)
JP (1) JP7099623B2 (ja)
WO (1) WO2020202338A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20210311009A1 (en) * 2018-07-31 2021-10-07 Nec Corporation Information processing apparatus, control method, and non-transitory storage medium

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010019107A (ja) 2008-07-08 2010-01-28 Denso Corp 制御装置
JP2017083188A (ja) 2015-10-23 2017-05-18 アズビル株式会社 特性モデル同定方法、特性モデル同定装置、およびインテリジェントセンサ
JP2018087722A (ja) 2016-11-28 2018-06-07 国立研究開発法人物質・材料研究機構 化学センサ測定による試料識別方法、試料識別装置、及び入力パラメータ推定方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4520819B2 (ja) 2004-10-25 2010-08-11 大陽日酸株式会社 プラントの故障予測方法
JP6713164B2 (ja) 2016-03-03 2020-06-24 国立研究開発法人物質・材料研究機構 シグナル解析方法及び試料ガス識別方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010019107A (ja) 2008-07-08 2010-01-28 Denso Corp 制御装置
JP2017083188A (ja) 2015-10-23 2017-05-18 アズビル株式会社 特性モデル同定方法、特性モデル同定装置、およびインテリジェントセンサ
JP2018087722A (ja) 2016-11-28 2018-06-07 国立研究開発法人物質・材料研究機構 化学センサ測定による試料識別方法、試料識別装置、及び入力パラメータ推定方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20210311009A1 (en) * 2018-07-31 2021-10-07 Nec Corporation Information processing apparatus, control method, and non-transitory storage medium

Also Published As

Publication number Publication date
WO2020202338A1 (ja) 2020-10-08
JPWO2020202338A1 (ja) 2020-10-08
US11971701B2 (en) 2024-04-30
US20220221839A1 (en) 2022-07-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7063389B2 (ja) 処理装置、処理方法、およびプログラム
CN108614071B (zh) 分布式室外大气质量监测精度校正系统及参数更新方法
JP3901137B2 (ja) におい識別装置
JP7099623B2 (ja) 情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
JP7276450B2 (ja) 予測モデル再学習装置、予測モデル再学習方法及びプログラム
CN113465734B (zh) 一种结构振动的实时估计方法
JP7140191B2 (ja) 情報処理装置、制御方法、及びプログラム
Lagerblad et al. Study of a fixed-lag Kalman smoother for input and state estimation in vibrating structures
US20230152290A1 (en) Odor detection system, odor detection method, and program
JP7127697B2 (ja) 情報処理装置、制御方法、及びプログラム
WO2020026328A1 (ja) 情報処理装置、制御方法、及びプログラム
JP7006799B2 (ja) 情報処理装置、センサ動作最適化方法、およびプログラム
CN112326882A (zh) 空气质量传感器处理方法和装置
JP7056747B2 (ja) 情報処理装置、処理装置、情報処理方法、処理方法、決定方法、およびプログラム
JP7074194B2 (ja) 情報処理装置、制御方法、及びプログラム
CN114624791A (zh) 雨量测量方法、装置、计算机设备及存储介质
US20230110600A1 (en) Noise removing apparatus, noise removing method, and recording medium
WO2020065890A1 (ja) 情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
WO2020065983A1 (ja) 情報処理装置、制御方法、及びプログラム
US20230118020A1 (en) Data generation apparatus, data generation method, and recording medium
JPWO2020065889A1 (ja) 情報処理装置、伝達関数生成方法、およびプログラム
CN112697342A (zh) 温度检测方法、终端设备及存储介质

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210922

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210922

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220531

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220613

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7099623

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151