JP7074194B2 - 情報処理装置、制御方法、及びプログラム - Google Patents

情報処理装置、制御方法、及びプログラム Download PDF

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Description

本発明はガスの特徴の解析に関する。
ガスをセンサで測定することにより、ガスに関する情報を得る技術が開発されている。特許文献1は、ナノメカニカルセンサで試料ガスを測定することで得られるシグナル(検出値の時系列データ)を利用して、試料ガスの種類を判別する技術を開示している。具体的には、センサの受容体に対する試料ガスの拡散時定数が、受容体の種類と試料ガスの種類の組み合わせによって決まるため、シグナルから得られる拡散時定数と、受容体の種類とに基づいて、試料ガスの種類を判別できることが開示されている。
特開2017-156254号公報
特許文献1では、試料ガスに含まれている分子が1種類であることが前提となっており、複数種類の分子が混合している試料ガスを扱うことが想定されていない。本願発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、複数種類の分子が混合しているガスの特徴を抽出する技術を提供することである。
本発明の第1の情報処理装置は、対象ガスに含まれる分子の付着と離脱に応じて検出値が変化するセンサから出力された、検出値の時系列データを取得する取得部と、
複数の特徴定数それぞれについて前記時系列データに対する寄与の大きさを表す寄与値を算出する算出部と、
各特徴定数について算出された寄与値を、前記センサによってセンシングされたガスの特徴量として出力する出力部と、を有し、
前記特徴定数は、前記センサに付着している分子の量の時間変化の大きさに関する時定数又は速度定数であり、
前記取得部は、複数の時系列データを取得し、
前記算出部は、複数の時系列データそれぞれについて、前記複数の特徴定数それぞれについての前記寄与値を算出することにより、前記寄与値の集合を算出し、
前記出力部は、
前記算出された複数の寄与値の集合の組、又は前記算出された複数の寄与値の集合の平均を、前記対象ガスの特徴量として出力し、
前記対象ガスの濃度に応じて、前記算出された複数の寄与値の集合の組、と前記算出された複数の寄与値の集合の平均のどちらを出力するかを決定し、
前記複数の時系列データは、前記センサを前記対象ガスに曝す際に得られる時系列データと、前記センサから前記対象ガスを取り除く際に得られる時系列データとの双方を含む、情報処理装置である。
本発明の第2の情報処理装置は、
対象ガスに含まれる分子の付着と離脱に応じて検出値が変化するセンサから出力された、検出値の時系列データを取得する取得部と、
複数の特徴定数それぞれについて前記時系列データに対する寄与の大きさを表す寄与値を算出する算出部と、
各特徴定数について算出された寄与値を、前記センサによってセンシングされたガスの特徴量として出力する出力部と、
前記特徴定数の最小値θmin、及び前記特徴定数の最大値θmaxを決定することで、複数の前記特徴定数を生成する特徴定数生成部とを有し、
前記特徴定数は、前記センサに付着している分子の量の時間変化の大きさに関する時定数又は速度定数であり、
前記特徴定数生成部は、決定した前記特徴定数の最小値θmin及び前記特徴定数の最大値θmaxと、予め定められた隣接する前記特徴定数の間隔dsとを用いて、前記複数の特徴定数としてθmin, θmin + ds, θmin + 2ds,..., θmaxを生成する、情報処理装置である。
本発明の第1の制御方法は、コンピュータによって実行される制御方法であって、
対象ガスに含まれる分子の付着と離脱に応じて検出値が変化するセンサから出力された、検出値の時系列データを取得する取得ステップと、
複数の特徴定数それぞれについて前記時系列データに対する寄与の大きさを表す寄与値を算出する算出ステップと、
各特徴定数について算出された寄与値を、前記センサによってセンシングされたガスの特徴量として出力する出力ステップと、を有し、
前記特徴定数は、前記センサに付着している分子の量の時間変化の大きさに関する時定数又は速度定数であり、
前記取得ステップでは、複数の時系列データを取得し、
前記算出ステップでは、複数の時系列データそれぞれについて、前記複数の特徴定数それぞれについての前記寄与値を算出することにより、前記寄与値の集合を算出し、
前記出力ステップでは、
前記算出された複数の寄与値の集合の組、又は前記算出された複数の寄与値の集合の平均を、前記対象ガスの特徴量として出力し、
前記対象ガスの濃度に応じて、前記算出された複数の寄与値の集合の組、と前記算出された複数の寄与値の集合の平均のどちらを出力するかを決定し、
前記複数の時系列データは、前記センサを前記対象ガスに曝す際に得られる時系列データと、前記センサから前記対象ガスを取り除く際に得られる時系列データとの双方を含む、制御方法である。
本発明の第2の制御方法は、
コンピュータによって実行される制御方法であって、
対象ガスに含まれる分子の付着と離脱に応じて検出値が変化するセンサから出力された、検出値の時系列データを取得する取得ステップと、
複数の特徴定数それぞれについて前記時系列データに対する寄与の大きさを表す寄与値を算出する算出ステップと、
各特徴定数について算出された寄与値を、前記センサによってセンシングされたガスの特徴量として出力する出力ステップと、
前記特徴定数の最小値θmin、及び前記特徴定数の最大値θmaxを決定することで、複数の前記特徴定数を生成する特徴定数生成ステップとを有し、
前記特徴定数は、前記センサに付着している分子の量の時間変化の大きさに関する時定数又は速度定数であり、
前記特徴定数生成ステップでは、決定した前記特徴定数の最小値θmin及び前記特徴定数の最大値θmaxと、予め定められた隣接する前記特徴定数の間隔dsとを用いて、前記複数の特徴定数としてθmin, θmin + ds, θmin + 2ds,..., θmaxを生成する制御方法である。
本発明のプログラムは、コンピュータに、本発明の制御方法が有する各ステップを実行させる。
本発明によれば、複数種類の分子が混合しているガスの特徴を抽出する技術が提供される。
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
実施形態1の情報処理装置の概要を例示する図である。 情報処理装置が取得するデータを得るためのセンサを例示する図である。 実施形態1の情報処理装置の機能構成を例示する図である。 情報処理装置を実現するための計算機を例示する図である。 実施形態1の情報処理装置によって実行される処理の流れを例示するフローチャートである。 センサから得られる複数の時系列データを例示する図である。 単一分子について得られる特徴量を例示する図である。 特徴ベクトルΞをグラフで例示する図である。 立ち上がりの時系列データと立ち下がりの時系列データそれぞれから特徴ベクトルを得るケースを例示する図である。 複数のセンサそれぞれから時系列データを得ることで、複数の特徴ベクトルを得るケースを例示する図である。 実施形態2の情報処理装置の機能構成を例示するブロック図である。 実施形態2の情報処理装置によって実行される処理の流れを例示するフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。また、特に説明する場合を除き、各ブロック図において、各ブロックは、ハードウエア単位の構成ではなく、機能単位の構成を表している。
[実施形態1]
<発明の概要と理論的背景>
図1は、実施形態1の情報処理装置2000の概要を例示する図である。また、図2は、情報処理装置2000が取得するデータを得るためのセンサ10を例示する図である。センサ10は、分子が付着する受容体を有し、その受容体における分子の付着と離脱に応じて検出値が変化するセンサである。なお、センサ10によってセンシングされているガスを、対象ガスと呼ぶ。また、センサ10から出力される検出値の時系列データを、時系列データ14と呼ぶ。ここで、必要に応じ、時系列データ14を Y とも表記し、時刻 t の検出値を y(t) とも表記する。Y は、y(t) が列挙されたベクトルとなる。
例えばセンサ10は、膜型表面応力(Membrane-type Surface Stress; MSS)センサである。MSS センサは、受容体として、分子が付着する官能膜を有しており、その官能膜に対する分子の付着と離脱によってその官能膜の支持部材に生じる応力が変化する。MSS センサは、この応力の変化に基づく検出値を出力する。なお、センサ10は、MSS センサには限定されず、受容体に対する分子の付着と離脱に応じて生じる、センサ10の部材の粘弾性や動力学特性(質量や慣性モーメントなど)に関連する物理量の変化に基づいて検出値を出力するものであればよく、カンチレバー式、膜型、光学式、ピエゾ、振動応答などの様々なタイプのセンサを採用することができる。
ここで、説明のため、センサ10によるセンシングを以下のようにモデル化する。
(1)センサ10は、K 種類の分子を含む対象ガスに曝されている。
(2)対象ガスにおける各分子 k の濃度は一定のρkである。
(3)センサ10には、合計 N 個の分子が吸着可能である。
(4)時刻t においてセンサ10に付着している分子k の数は nk(t) 個である。
センサ10に付着している分子 k の数 nk(t) の時間変化は、以下のように定式化できる。
Figure 0007074194000001
式(1)の右辺の第1項と第2項はそれぞれ、単位時間当たりの分子 k の増加量(新たにセンサ10に付着する分子 k の数)と減少量(センサ10から離脱する分子 k の数)を表している。また、αk とβk はそれぞれ、分子 k がセンサ10に付着する速度を表す速度定数と、分子 k がセンサ10から離脱する速度を表す速度定数である。
ここで、濃度ρkが一定であるため、上記式(1)から、時刻t における分子 k の数 nk(t) は、以下のように定式化できる。
Figure 0007074194000002
また、時刻 t0(初期状態)でセンサ10に分子が付着していないと仮定すれば、nk(t) は以下のように表される。
Figure 0007074194000003
センサ10の検出値は、対象ガスに含まれる分子によってセンサ10に働く応力によって定まる。そして、複数の分子によってセンサ10に働く応力は、個々の分子に働く応力の線形和で表すことができると考えられる。ただし、分子によって生じる応力は、分子の種類によって異なると考えられる。すなわち、センサ10の検出値に対する分子の寄与は、その分子の種類によって異なると言える。
そこで、センサ10の検出値 y(t) は、以下のように定式化できる。
Figure 0007074194000004
ここで、γk とξk はいずれも、センサ10の検出値に対する分子 k の寄与を表す。なお、「立ち上がり」と「立ち下がり」の意味については、後述する。
ここで、対象ガスをセンシングしたセンサ10から得た時系列データ14を上述の式(4)のように分解できれば、対象ガスに含まれる分子の種類や、各種類の分子が対象ガスに含まれる割合を把握することができる。すなわち、式(4)に示す分解によって、対象ガスの特徴を表すデータ(すなわち、対象ガスの特徴量)が得られる。
そこで情報処理装置2000は、センサ10によって出力された時系列データ14を取得し、特徴定数の集合Θ={θ1, θ2,..., θm} を用いて、時系列データ14を以下の式(5)に示すように分解する。なお、後述するように、特徴定数の集合Θは、予め定められていてもよいし、情報処理装置2000によって生成されてもよい。
Figure 0007074194000005
ここで、ξi は、センサ10の検出値に対する特徴定数θi の寄与を表す寄与値である。
このような分解により、情報処理装置2000は、時系列データ14に対する各特徴定数θi の寄与を表す寄与値ξi を算出する。そして情報処理装置2000は、寄与値ξi の集合Ξを、対象ガスの特徴を表す特徴量として出力する。寄与値ξi の集合は、例えば、ξi を列挙した特徴ベクトルΞ=(ξ1, ξ2,..., ξm) で表される。以降の説明では、特に断らない限り、特徴量Ξはベクトルで表現されるとする。ただし、対象ガスの特徴量は、必ずベクトルとして表現しなければならないわけではない。
ここで、特徴定数θとしては、前述した速度定数βや、速度定数の逆数である時定数τを採用することができる。θとしてβとτを使う場合それぞれについて、式(5)は、以下のように表すことができる。
Figure 0007074194000006
<作用・効果>
前述したように、センサ10の検出値に対する分子の寄与は、その分子の種類によって異なると考えられるため、上述した寄与値の集合Ξは、対象ガスに含まれる分子の種類やその混合比率に応じて異なるものになると考えられる。よって、寄与値の集合Ξは、複数種類の分子が混合されているガスを互いに区別することができる情報、すなわちガスの特徴量として利用することができる。
そこで本実施形態の情報処理装置2000は、対象ガスをセンサ10でセンシングすることで得られた時系列データ14に基づいて、複数の特徴定数それぞれの時系列データ14に対する寄与を表す寄与値の集合Ξを算出し、算出した集合Ξを対象ガスの特徴量として出力する。こうすることで、複数種類の分子が混合しているガスを識別することが可能な特徴量を、そのガスをセンサ10でセンシングした結果から自動的に生成することができる。
寄与値の集合を対象ガスの特徴量として利用することには、複数種類の分子を含むガスを扱えるという利点以外の利点もある。まず、ガス同士の類似度合いを容易に把握することができるという利点がある。例えば、対象ガスの特徴量をベクトルで表現すれば、ガス同士の類似度合いを特徴ベクトル間の距離に基づいて容易に把握することができる。
また、寄与値の集合を特徴量とすることには、混合比変化に対して時定数変化や混合比変化についてロバストにすることができるという利点がある。ここでいう「ロバスト性」とは、「測定環境や測定対象が少しだけ変化したとき、得られる特徴量も少しだけ変化する」という性質である。
混合比変化についてロバストであれば、例えば、2種類のガスを混合させた混合ガスについて、ガスの混合比を徐々に変化させていくと、特徴量も徐々に変化していくことになる。この性質は、式(4)において、寄与値ξk がガスの濃度を表すρk に比例しているため、濃度の小さな変化が寄与値の小さな変化として現れるということからわかる。
ここで、混合比変化のロバスト性は、寄与値ξk の算出の際に誤差の増幅を抑え、ξk を数値的に安定させることにより、より高くすることができる。そこで後述する様に、寄与値の推定方法において、誤差の増幅を抑える工夫を導入している。
また、時定数変化についてロバストであれば、時定数βの値が小さく変化したとき、特徴量も小さく変化する。ここで、時系列データ14に対して寄与する特徴定数は、同一の分子についてセンシングを行ったとしても、温度変化に応じて変化する。これは、一般に、温度が上昇すると、化学変化の反応速度は上昇するため、速度定数βk も上昇すると考えられるためである。逆に、時定数τk については、温度が上昇すると小さくなると考えられる。すなわち、特徴量が時定数変化に対してロバストであるならば、温度の小さな変化に対してロバストであるということができる。時定数変化のロバスト性の詳細については、後述する。
なお、図1を参照した上述の説明は、情報処理装置2000の理解を容易にするための例示であり、情報処理装置2000の機能を限定するものではない。以下、本実施形態の情報処理装置2000についてさらに詳細に説明する。
<情報処理装置2000の機能構成の例>
図3は、実施形態1の情報処理装置2000の機能構成を例示する図である。情報処理装置2000は、時系列データ取得部2020、算出部2040、及び出力部2060を有する。時系列データ取得部2020は、センサ10から時系列データ14を取得する。算出部2040は、複数の特徴定数それぞれについて、時系列データ14に対する寄与の大きさを表す寄与値を算出する。すなわち、算出部2040は、各特徴定数θi について寄与値ξi を算出する。出力部2060は、各特徴定数について算出された寄与値を、センサ10によってセンシングされたガスの特徴量として出力する。具体的には、出力部2060は、特徴ベクトルΞを出力する。
<情報処理装置2000のハードウエア構成>
情報処理装置2000の各機能構成部は、各機能構成部を実現するハードウエア(例:ハードワイヤードされた電子回路など)で実現されてもよいし、ハードウエアとソフトウエアとの組み合わせ(例:電子回路とそれを制御するプログラムの組み合わせなど)で実現されてもよい。以下、情報処理装置2000の各機能構成部がハードウエアとソフトウエアとの組み合わせで実現される場合について、さらに説明する。
図4は、情報処理装置2000を実現するための計算機1000を例示する図である。計算機1000は任意の計算機である。例えば計算機1000は、Personal Computer(PC)やサーバマシンなどの据え置き型の計算機である。その他にも例えば、計算機1000は、スマートフォンやタブレット端末などの可搬型の計算機である。計算機1000は、情報処理装置2000を実現するために設計された専用の計算機であってもよいし、汎用の計算機であってもよい。
計算機1000は、バス1020、プロセッサ1040、メモリ1060、ストレージデバイス1080、入出力インタフェース1100、及びネットワークインタフェース1120を有する。バス1020は、プロセッサ1040、メモリ1060、ストレージデバイス1080、入出力インタフェース1100、及びネットワークインタフェース1120が、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。ただし、プロセッサ1040などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。
プロセッサ1040は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)などの種々のプロセッサである。メモリ1060は、RAM(Random Access Memory)などを用いて実現される主記憶装置である。ストレージデバイス1080は、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)、メモリカード、又は ROM(Read Only Memory)などを用いて実現される補助記憶装置である。
入出力インタフェース1100は、計算機1000と入出力デバイスとを接続するためのインタフェースである。例えば入出力インタフェース1100には、キーボードなどの入力装置や、ディスプレイ装置などの出力装置が接続される。その他にも例えば、入出力インタフェース1100には、センサ10が接続される。ただし、センサ10は必ずしも計算機1000と直接接続されている必要はない。例えばセンサ10は、計算機1000と共有している記憶装置に時系列データ14を記憶させてもよい。
ネットワークインタフェース1120は、計算機1000を通信網に接続するためのインタフェースである。この通信網は、例えば LAN(Local Area Network)や WAN(Wide Area Network)である。ネットワークインタフェース1120が通信網に接続する方法は、無線接続であってもよいし、有線接続であってもよい。
ストレージデバイス1080は、情報処理装置2000の各機能構成部を実現するプログラムモジュールを記憶している。プロセッサ1040は、これら各プログラムモジュールをメモリ1060に読み出して実行することで、各プログラムモジュールに対応する機能を実現する。
<処理の流れ>
図5は、実施形態1の情報処理装置2000によって実行される処理の流れを例示するフローチャートである。時系列データ取得部2020は時系列データ14を取得する(S102)。算出部2040は各特徴定数について寄与値ξiを算出する(S104)。出力部2060は、特徴ベクトルΞを出力する(S106)。
情報処理装置2000が図5に示す一連の処理を実行するタイミングは様々である。例えば、情報処理装置2000は、時系列データ14を指定する入力操作を受け付け、指定された時系列データ14について一連の処理を実行する。その他にも例えば、情報処理装置2000は、時系列データ14を受信できるように待機しておき、時系列データ14を受信したこと(すなわち、S102を実行したこと)に応じて、S104以降の処理を実行する。
<時系列データ14の取得:S102>
時系列データ取得部2020は時系列データ14を取得する(S102)。時系列データ取得部2020が時系列データ14を取得する方法は任意である。例えば情報処理装置2000は、時系列データ14が記憶されている記憶装置にアクセスすることで、時系列データ14を取得する。時系列データ14が記憶されている記憶装置は、センサ10の内部に設けられていてもよいし、センサ10の外部に設けられていてもよい。その他にも例えば、時系列データ取得部2020は、センサ10から出力される検出値を順次受信することで、時系列データ14を得てもよい。
時系列データ14は、センサ10が出力した検出値を、センサ10から出力された時刻が早い順に並べた時系列のデータである。ただし、時系列データ14は、センサ10から得られた検出値の時系列データに対して、所定の前処理が加えられたものであってもよい。また、前処理が行われた時系列データ14を取得する代わりに、時系列データ取得部2020が時系列データ14に対して前処理を行ってもよい。前処理としては、例えば、時系列のデータからノイズ成分を除去するフィルタリングなどを採用することができる。
ここで、時系列データ14は、センサ10を対象ガスに曝すことで得られる。ただし、センサを用いてガスに関する測定を行う場合、センサを測定対象のガスに曝す操作と、センサから測定対象のガスを取り除く操作を繰り返すことで、センサから解析対象の時系列データを複数得ることがある。
図6は、センサから得られる複数の時系列データを例示する図である。図6では、立ち上がりの時系列データと立ち下がりの時系列データとを区別しやすいように、立ち上がりの時系列データが実線で表されており、立ち下がりの時系列データが点線で表されている。図6において、期間P1の時系列データ14-1と期間P3の時系列データ14-3は、センサを測定対象のガスに曝す操作によって得られる。このようにセンサを測定対象のガスに曝す操作によって得られる時系列データを、「立ち上がり」の時系列データと呼ぶ。式(4)における「立ち上がりの場合」は、「時系列データ14が立ち上がりの時系列データである場合」を意味する。以降の式においても同様である。
一方、期間P2の時系列データ14-2と期間P4の時系列データ14-4は、センサから測定対象のガスを取り除く操作によって得られる。なお、センサから測定対象のガスを取り除く操作は、例えば、センサをパージガスと呼ばれるガスに曝すことで実現される。センサから測定対象のガスを取り除く操作によって得られる時系列データを、「立ち下がり」の時系列データと呼ぶ。式(4)における「立ち下がりの場合」は、「時系列データ14が立ち下がりの時系列データである場合」を意味する。以降の式においても同様である。
情報処理装置2000では、センサ10を対象ガスに曝す操作とセンサ10から対象ガスを取り除く操作のそれぞれで得られる時系列データ14とが区別され、それぞれ異なる時系列データ14として扱われる。例えば図6の例では、期間P1からP4という4つの期間それぞれで得られる時系列データが、それぞれ異なる時系列データ14として扱われる。そのため、センサ10を対象ガスに曝す操作とセンサ10から対象ガスを取り除く操作とを繰り返すことで一連の時系列データを得た場合には、その一連の時系列データを複数の時系列データ14に分割する必要がある。
センサ10から得られた一連の時系列データを分割して複数の時系列データ14を得る方法には、様々な方法を採用することができる。例えば、センサ10から得られた一連の時系列データを人手で分割することで、複数の時系列データ14を得る。その他にも例えば、情報処理装置2000が一連の時系列データを取得し、その時系列データを分割して複数の時系列データ14を得てもよい。
なお、情報処理装置2000によって時系列データを分割する方法には、様々な方法を採用できる。例えば、以下のような方法がある。
<<(a)1階微分を用いる方法>>
時系列データ14において、分割すべき部分では、センサ値の微分が不連続となり、直後に絶対値が最大となる。そこで、1階微分の絶対値が大きくなる点を用いて、時系列データ14を分割することができる。
<<(b)2階微分を用いる方法>>
同様に、分割すべき点では微分が不連続となるため、2階微分は無限大に発散する。したがって、2階微分の絶対値が大きくなる点を用いて、時系列データ14を分割することができる。
<<(c)センサから得られるメタデータを利用する方法>>
センサの種類によっては、検出値以外のメタデータが提供される。例えば MSS のモジュールでは、測定対象のガス(サンプル)とパージガスの吸引にそれぞれ異なるポンプ(サンプルポンプとパージポンプ)が用意されており、これらを交互にオン/オフすることで、立ち上がりの測定と立ち下がりの測定が行われている。そして、記録される検出値には、ポンプの動作シーケンス(どちらのポンプを利用して得られた検出値であるかを表す情報や、流量のフィードバック制御に用いる流量計測値など)が、時系列情報として付加される。そこで例えば、情報処理装置2000は、時系列データ14と共に得られるポンプの動作シーケンスを利用することで、時系列データ14を分割することができる。
<<上記方法の組み合わせ>>
(c)の方法では、ポンプが動作してからセンサにガスが届くまでの遅延を加味した修正を加えることが好ましい。そこで例えば、情報処理装置2000は、(c)の方法で時系列データ14を仮に複数の区間に分割した後、各区間の中で1階微分の絶対値が最大となる時点を特定し、特定した各時点で時系列データ14を分割する。
なお、情報処理装置2000は、センサ10を対象ガスに曝す操作で得られる時系列データ14と、センサ10から対象ガスを取り除く操作で得られる時系列データ14のうち、いずれか一方のみを利用するように構成されてもよい。
<特徴定数の集合Θについて>
前述したように、特徴定数の集合は、情報処理装置2000によって生成されてもよいし、予め情報処理装置2000からアクセス可能な記憶装置に記憶されていてもよい。情報処理装置2000によって特徴定数の集合が生成されるケースについては、実施形態2で説明する。
特徴定数の集合は、例えば、1)特徴定数の最小値θmin、2)特徴定数の最大値θmax、及び3)隣接する特徴定数の間隔 ds、という3つのパラメータによって定めることができる。この場合、特徴定数の集合Θは、Θ={θmin, θmin + ds, θmin + 2ds,..., θmax} となる。なお、この場合、(θmax-θmin) が ds の整数倍となるようにする。
ここで、隣接する特徴定数の間隔 ds を定める代わりに特徴定数の個数 ns を定めてもよい。この場合、隣接する特徴定数の間隔 ds を計算で求めた上で、上述のように特徴定数の集合Θを定めることができる。具体的には、ds=(θmax-θmin)/ns となる。
特徴定数は、log スケールで定められてもよい。この場合、例えば特徴定数の集合は、1)特徴定数の最小値θmin、2)公比 r、及び3)特徴定数の数 ns で定められる。特徴定数の集合Θは、Θ={θmin, θmin*r, θmin*r^2,..., θmin^(ns-1)} となる。
ここで、特徴定数として速度定数βを用いる場合、特徴定数の最小値θmin、特徴定数の最大値θmax、及び隣接する特徴定数の間隔 ds はそれぞれ、速度定数の最小値βmin、速度定数の最大値βmax、及び隣接する速度定数の間隔Δβ となる。同様に、特徴定数として時定数τを用いる場合、特徴定数の最小値θmin、特徴定数の最大値θmax、及び隣接する特徴定数の間隔 ds はそれぞれ、時定数の最小値τmin、時定数の最大値τmax、及び隣接する時定数の間隔Δτとなる。
算出部2040は、上述した特徴定数の集合を定めるパラメータを利用して、特徴定数の集合を特定する。これらのパラメータは、例えば、算出部2040からアクセス可能な記憶装置に記憶させておく。ただし、パラメータを記憶しておく代わりに、全ての特徴定数を列挙した情報を記憶装置に記憶させておいてもよい。
<寄与値の算出:S104>
算出部2040は、前述のようにして特定した特徴定数の集合に含まれる各特徴定数θi の寄与値ξi を算出する(S104)。そのために算出部2040は、全ての寄与値ξi(すなわち、特徴ベクトルΞ)をパラメータとして、センサ10の検出値を予測する予測モデルを生成する。この予測モデル生成する際、観測データである時系列データ14を利用して特徴ベクトルΞについてパラメータ推定を行うことにより、特徴ベクトルΞを算出することができる。特徴定数として速度定数βを使う場合の予測モデルの一例は、式(6)で表すことができる。また、特徴定数として時定数τを使う場合の予測モデルの一例は、式(7)で表すことができる。
予測モデルのパラメータ推定には、種々の方法を利用することができる。以下、その方法についていくつか例示する。なお、以下の説明では、速度定数βを特徴定数として利用するケースに説明している。時定数τを特徴定数とする場合におけるパラメータ推定の方法は、以下の説明における速度定数βを1/τと読み替えることで実現できる。
<<パラメータ推定の方法1>>
例えば算出部2040は、予測モデルから得られる予測値と、センサ10から得られた観測値(すなわち、時系列データ14)とを用いた最尤推定により、パラメータΞを推定する。最尤推定には、例えば最小二乗法を用いることができる。この場合、具体的には、以下の目的関数に従ってパラメータΞを決定する。
Figure 0007074194000007
ここで、T は時系列データ14の長さ(検出値の数)を表す。また、y^(ti) は、時刻 ti の予測値を表す。
上述の目的関数を最小化するベクトルΞは、以下の式(9)を用いて算出することができる。
Figure 0007074194000008
ここで、ベクトル Y=(y(t0), y(t1),...) である。
そこで、算出部2040は、時系列データ Yと特徴定数の集合Θ={β1, β2,...}を上記式(9)に適用することで、パラメータΞを算出する。
<<パラメータ推定の方法2>>
上述した最小二乗法において、正則化項を導入して正則化を行ってもよい。例えば以下の式(10)は、L2 正則化を行う例を示している。
Figure 0007074194000009
ここで、λは正則化項に与える重みを表すハイパーパラメータである。
この場合、以下の式(11)に従ってパラメータΞを決定することができる。
Figure 0007074194000010
このような正則化項を導入すると、正則化項を導入しない場合と比較し、行列計算において測定誤差が増幅されてしまうことを抑えることができるため、各寄与値ξi をより正確に算出することができる。また、誤差の増幅を抑えることで、寄与値ξが数値的に安定するため、混合比に対する特徴量のロバスト性が向上する。
なお、前述したように、λはハイパーパラメータであり、予め定めておく必要がある。例えば、テスト測定やシミュレーションを通じて、λの値を決定する。ここで、λの値は、寄与値ξが振動しない程度に小さい値とすることが好ましい。
ここでは、λの値を決定するためのシミュレーションについて説明する。シミュレーションでは、仮想的に「寄与が1の単一の分子」を測定した場合(たとえば、立下りの場合、単一の分子の速度定数をβ0とすれば、y(t)=exp{-β0*t} となる)を考え、この場合の式(12)による特徴量推定値の結果を観察する。仮想的に、理想的な観測(無限小の測定間隔で無限長時間の測定ができ、観測誤差がゼロ)が可能であるとした場合、仮想的な単一分子のシミュレーションでは、以下のようにβ0だけに尖ったピークがある特徴量が得られ、もとの速度定数β=β0と寄与ξ=1 が完全に再現されるはずである。
Figure 0007074194000011
しかし、実際には理想的な観測は不可能であるため、寄与値のピークが鈍化してしまったり、寄与値が振動してしまったりする。図7は、単一分子について得られる特徴量を例示する図である。この図から、λの値による、ピークの鈍化と振動の増加のトレードオフが分かる。具体的には、λが大きすぎると、振動は減るものの、ピークの幅が大きくなってしまう。ピークの幅が大きくなると、速度定数が近い2つの分子を測定した結果が、1つの大きなピークに見えてしまうため、これらの分子を見分けることが難しくなる。すなわち、感度が下がることになる。一方で、λが小さすぎると、ピークの幅は小さくなるものの、振動が増えてしまう。振動が増えると、後述するように、特徴量のロバスト性が低下してしまう。よって、振動が発生しない(ロバスト性を損なわない)程度にλを小さくするように決定することで、ピークを鋭く(感度を向上)することが好ましいと言える。
シミュレーションの目的は、λを変化させながら、このようなピークの鈍化や振動の発生度合を評価することである。「振動の大きさ」と「ピーク幅」を定量的に測るためには、例えばシミュレーションにより、2つの異なる速度定数β1、β2をそれぞれ持つ2つの仮想的な単一分子の特徴量Ξ1、Ξ2を計算する。そして、これら2つの特徴量の内積を以下のように計算する。
Figure 0007074194000012
この関数 f(Δv) は、振動しながら減衰する。そこで、この振動のメインローブの幅を「ピーク幅」、サイドローブのレベルを「振動の大きさ」として定量化することができる。そこで、メインローブ幅がなるべく細く、なおかつサイドローブのレベルがなるべく小さくなるようなλの値を選択することにより、λを決定する。
ここで、特徴量の振動を抑えることの利点の1つは、前述したように、特徴量が時定数や速度定数の変化に対してロバストになることである。言い換えれば、特徴量が温度変化に対してロバストになる。以下、その理由を説明する。
温度変化によって時定数や速度定数に変化が生じると、図7や後述する図8に示す特徴量は、X軸方向に平行移動することになる。特徴量が大きく振動していると、特徴量がX軸方向に少し平行移動しただけでも、平行移動前後の特徴ベクトルの距離が大きくなってしまう。すなわち、時定数や速度定数が少し変化しただけで特徴量が大きく変化してしまい、時定数変化や速度定数変化に対する特徴量のロバスト性が低くなる。
これに対し、特徴量の振動が少なければ、平行移動前後の特徴ベクトルの距離は短くなる。これは、時定数や速度定数が少し変化した場合に、特徴量も少しだけ変化することを意味する。すなわち、特徴量のロバスト性が高いことを意味する。よって、特徴量の振動を抑えることで、特徴量のロバスト性が向上すると言える。
なお、最小二乗法における正則化は、前述した L2 正則化には限定されず、L1 正則化などの他の正則化を導入してもよい。
<<パラメータ推定の方法3>>
この方法では、パラメータΞについて事前分布 P(Ξ) を設定しておく。そして算出部2040は、観測値である時系列データ14を用いた MAP (Maximum a Posteriori)推定により、パラメータΞを決定する。具体的には、以下の目的関数を最大化するパラメータΞを採用する。
Figure 0007074194000013
P(Y|Ξ)とP(Ξ)は、例えば次のように多変量正規分布で定義される。
Figure 0007074194000014
ここで、N(・|μ,Σ)は、平均μ、共分散Σの多変量正規分布である。また、ベクトル y^=(y^(t1), y^(t2),...)=ΦΞである。σ^2 は観測誤差の分散を表すパラメータである。
ΛはΞの事前分布の共分散行列であり、予め任意の半正定値行列を与えても良いし、後述の方法などにより決定しても良い。
また、P(Y|Ξ)、P(Ξ)は、次のように、ガウス過程(Gaussian Process; GP)によって定めても良い。
Figure 0007074194000015
ここで、GP(ξ(β)|μ(β),Λ(β,β’))は、平均値関数がμ(β)、共分散関数(カーネル関数)がΛ(β,β’)のガウス過程である。また、ガウス過程は連続関数を生成する確率過程であるため、ここでは、ξ(β)は、寄与率をβ(もしくはτ)に関して表した連続関数であり、ベクトルΞは、関数ξ(β)の「β=β1,β2,・・・」における値を配列したベクトルΞ=(ξ(β1),ξ(β2),...)である。この場合、式(15) は式(16)の特別な場合とみなすことができ、式(15) における共分散行列Λの(i,j)成分は、式(16)の共分散関数Λ(β,β’)の(β,β’)=(β1, β2)における値である。すなわち、式(15)における行列Λは、所謂ガウス過程におけるグラム行列である。
また、算出部2040は、観測値である時系列データ14を用いたベイズ推定により、パラメータΞを決定しても良い。具体的には、以下の条件付き期待値を計算することにより、パラメータΞを決定する。
Figure 0007074194000016
ここで、E[Ξ|Y] は、ΞおよびYが式(16)の確率分布に従っていると仮定した場合の、条件付き期待値である。
上記目的関数(14)を最大化する特徴ベクトルΞ、および、上記条件付き期待値(17)によって求まる特徴ベクトルΞは、いずれも以下の式(18)によって算出することができる。
Figure 0007074194000017
<<<ハイパーパラメータの定め方>>>
ガウス過程を利用する場合、事前に設定しておくハイパーパラメータとして、a)共分散関数 Λ(β,β’)の形、b)共分散関数のパラメータ、及びc)測定誤差パラメータ σ^2 がある。これらを変えながら、次の手順を実行する。
1.仮想的な速度定数β0の単一分子の測定値をシミュレーションする。
2.シミュレーションした測定値から、特徴量を推定する。
3.推定した特徴量の振動の大きさ・ピーク幅を定量化する。
4.上述の a ~ c のハイパーパラメータを変更しながら、1~3を繰り返す。
5.グリッドサーチや最急降下法により、振動が小さく、ピーク幅が狭くなるように a ~ c のハイパーパラメータを決定する。
なお、特徴量の振動の大きさとピーク幅を定量化する指標には、例えば、上述の関数 f(Δv) のインローブの幅とサイドローブのレベルを用いる。また、そのほかにも、推定したΞを確率分布として見做した際の分散値(二乗分散や絶対値分散)を用いてもよい。これらの分散値は、振動が小さく、ピーク幅が狭くなるほど、小さい値となる。なお、シミュレーションの代わりに、実際の測定(テスト測定)を実施してもよい。
<特徴量の出力:S106>
出力部2060は、前述した方法で得られた特徴ベクトルΞを表す情報(以下、出力情報)を、ガスの特徴を表す特徴量として出力する(S106)。例えば出力情報は、特徴ベクトルΞを表すテキストデータである。その他にも例えば、出力情報は、特徴ベクトルΞを表やグラフなどでグラフィカルに表現した情報であってもよい。
図8は、特徴ベクトルΞをグラフで例示する図である。図8のグラフは、横軸に時定数τを示し、縦軸に時定数τi の寄与値 ξi を示している。このように特徴ベクトルΞをグラフィカルな情報で表すことにより、人がガスの特徴を直感的に理解しやすくなる。
出力情報を出力する具体的な方法は様々である。例えば出力部2060は、出力情報を任意の記憶装置に記憶させる。その他にも例えば、出力部2060は、出力情報をディスプレイ装置に表示させる。その他に例えば、出力部2060は、情報処理装置2000以外の装置に出力情報を送信してもよい。
<寄与値の集合Ξを複数算出するケース>
情報処理装置2000は、同一の対象ガスについて得られた複数の時系列データ14それぞれについて寄与値の集合Ξを算出してもよい。そしてこの場合、出力部2060は、これら複数の集合の組を、対象ガスの特徴量としてもよい。
例えば情報処理装置2000は、立ち上がりの時系列データ14と立ち下がりの時系列データ14それぞれについて特徴ベクトルΞu と特徴ベクトルΞd を算出し、これらの組である {Ξu, Ξd} を対象ガスの特徴量として出力する。
図9は、立ち上がりの時系列データ14と立ち下がりの時系列データ14それぞれから特徴ベクトルを得るケースを例示する図である。図9において、立ち上がりの時系列データある時系列データ14-1から、特徴ベクトルΞu が得られている。また、立ち下がりの時系列データである時系列データ14-2から、特徴ベクトルΞd が得られている。そこで出力部2060は、得られた2つの特徴ベクトルを組み合わせた {Ξu, Ξd} を、対象ガスの特徴量として出力する。
なお、出力部2060は、立ち上がりの時系列データ14から得られる特徴ベクトルΞu と、立ち下がりの時系列データ14から得られる特徴ベクトルΞd とを連結することで得られる1つのベクトルを、対象ガスの特徴量としてもよい。例えばこの場合、出力部2060は、Ξu=(ξu1, ξu2,..., ξun) とΞd=(ξd1, ξd2,..., ξdn) を連結したΞc=(ξu1, ξu2,..., ξun, ξd1, ξd2,..., ξdn) を、対象ガスの特徴量として出力する。
また、出力部2060は、立ち上がりの時系列データ14から得られる特徴量と、立ち下がりの時系列データ14から得られる特徴量との平均を、対象ガスの特徴量として出力してもよい。すなわち、Ξavg=((ξu1+ξd1)/2, (ξu2+ξd2)/2,..., (ξun+ξdn)/2) を、対象ガスの特徴量とする。ここで、式(4)において、立ち上がりと立ち下がりでξの定義が共通していることから、理想的には、立ち上がりと時系列データ14と立ち下がりの時系列データ14からは同じ特徴量が得られるはずであり、Ξu とΞd の差異は測定誤差に起因するものであると考えられる。そこで、Ξu とΞd の平均を算出することで、測定誤差の影響を減らすことができる。
なお、対象ガスの濃度が大きくなると、分子同士の相互作用により、理想的な測定を行ったとしても、立ち上がりの時系列データ14から得られる特徴量と、立ち下がりの時系列データ14から得られる特徴量とに差異が現れることがある。この場合、本来的に異なる特徴量同士の平均をとるよりも、これらを別々に出力する(すなわち、Ξc を出力する)方が好ましい。
そこで例えば、出力部2060は、対象ガスの濃度に応じて、Ξc とΞavg のどちらを出力するかを決めてもよい。具体的には、濃度の閾値を予め定めておき、出力部2060が、対象ガスの濃度が閾値以上であるか否かを判定する。対象ガスの濃度が閾値以上である場合、出力部2060は、Ξc を対象ガスの特徴量として出力する。一方、対象ガスの濃度が閾値未満である場合、出力部2060は、Ξavg を対象ガスの特徴量として出力する。ただし、対象ガスの濃度によらず、Ξc とΞavg の双方を出力するようにしても良い。なお、対象ガスの濃度は、設定値として情報処理装置2000に対して入力されてもよいし、ガスの濃度を測定するセンサから取得するようにしてもよい。
複数の特徴ベクトルは、立ち上がりの時系列データ14と立ち下がりの時系列データ14それぞれから得られるものに限定されない。例えば、特性の異なる複数のセンサ10それぞれを対象ガスに曝すことで、複数の時系列データ14を得てもよい。分子をセンサに付着させる場合、センサに対する各分子の付着しやすさは、センサの特性によって異なる。例えば官能膜に分子が付着するタイプのセンサを利用する場合、官能膜の材質によって、その官能膜に対する各分子の付着しやすさが異なる。各分子の離脱しやすさについても同様である。そのため、それぞれ異なる材質の官能膜を持つセンサ10を用意し、これら複数のセンサ10それぞれから時系列データ14を得て解析することで、対象ガスの特徴をより正確に把握することができる。
そこで情報処理装置2000は、特性の異なる複数のセンサ10それぞれから時系列データ14を取得し、各時系列データ14について特徴ベクトルΞを算出する。出力部2060は、このようにして得られた複数の特徴ベクトルΞの組を、対象ガスの特徴量として出力する。
図10は、複数のセンサ10それぞれから時系列データ14を得ることで、複数の特徴ベクトルを得るケースを例示する図である。この例では、それぞれ特性が異なる3つのセンサ10-1、センサ10-2、及びセンサ10-3が用意されており、それぞれから時系列データ14-1、時系列データ14-2、及び時系列データ14-3が得られている。情報処理装置2000は、これら複数の時系列データ14からそれぞれ、特徴ベクトルΞ1、Ξ2、及びΞ3 を算出する。そして情報処理装置2000は、これら3つの特徴ベクトルの組を、対象ガスの特徴量として出力する。なお、前述したように、複数の特徴ベクトルの組を出力する代わりに、これら複数の特徴ベクトルを連結した1つの特徴ベクトルΞc を出力してもよい。
ここで、特性の異なる複数のセンサ10は、1つの筐体に収められてもよいし、それぞれ異なる筐体に収められてもよい。前者の場合、例えば、1つのセンサ筐体の中に材質の異なる複数の官能膜を収納し、各官能膜について検出値が得られるように、センサ10が構成される。
さらに、図9で説明した方法と、図10で説明した方法を組み合わせてもよい。すなわち、情報処理装置2000は、複数のセンサ10それぞれから、立ち上がりの時系列データ14と立ち下がりの時系列データ14を得て、得られた各時系列データ14について特徴ベクトルΞを算出し、算出した複数の特徴ベクトルの組や、これらを連結した1つの特徴ベクトルを、対象ガスの特徴量としてもよい。
<バイアスを考慮した特徴量の算出>
センサ10の検出値には、時系列な変化をしないバイアス項が含まれていることがある。この場合、時系列データ14は以下のように表される。なお、ここでは特徴定数として、速度定数βを用いている。
Figure 0007074194000018
バイアスは、例えば、センサ10のオフセットがずれていることによって生じる。その他にも例えば、バイアスは、対象ガスとパージガスに共通して含まれている成分の寄与(例えば、大気中の窒素や酸素の寄与)により生じる。
情報処理装置2000は、時系列データ14からオフセットを除去する機能を有していてもよい。こうすることで、対象ガスの特徴量をより正確に算出することができる。以下、オフセットを考慮して特徴量を算出する方法について説明する。
算出部2040は、上記式(19)で表される時系列データ14の予測モデルを生成することにより、バイアスを考慮して特徴ベクトルΞを算出する。すなわち、算出部2040は、式(19)で表現された予測モデルについて、パラメータΞ及び b の推定を行う。具体的には、算出部2040は、目的関数(8)、(10)、又は(14)を、Ξのみならず、bについても最適化することにより、Ξと b を推定する。なお、特徴定数として時定数を用いる場合には、式(19)においてβk を1/τk に置き換える。
例えば、目的関数として式(14)を用いるとする。この場合、算出部2040は、Ξ及び b を以下の最適化問題によって計算する。目的関数に(8)や(10)を用いる場合も同様である。
Figure 0007074194000019
上記最適化問題の解Ξ及び b は、以下の式によって算出することができる。
Figure 0007074194000020
このように、バイアス b と特徴ベクトルΞの両方を推定することにより、特徴ベクトルからバイアスの効果が取り除かれ、センサ10の検定値にバイアスが含まれている場合にも正確に特徴ベクトルを計算することができる。
なお、出力部2060は、特徴ベクトルΞに加え、バイアス b や b0 を出力しても良い。バイアスが上記センサのオフセットのずれによるものである場合、b0の値を用いてセンサのオフセットをキャリブレーションすることができる。
[実施形態2]
図11は、実施形態2の情報処理装置2000の機能構成を例示するブロック図である。以下で説明する点を除き、実施形態2の情報処理装置2000は、実施形態1の情報処理装置2000と同様の機能を有する。
実施形態2の情報処理装置2000は、特徴定数生成部2080をさらに有する。特徴定数生成部2080は、特徴定数の集合Θ={θ1,.., θm} を生成する。後述するように、例えば特徴定数の集合は、センサ10のサンプリング間隔など、センサ10を用いた測定に関する種々のパラメータに基づいて決定される。実施形態2の算出部2040は、特徴定数生成部2080によって生成された特徴定数の集合Θに対応する寄与値の集合Ξを算出する。
なお、後述するように、特徴定数の集合の算出には、時系列データ14を利用しなくてもよい。この場合、特徴定数の集合は、センサ10から時系列データ14を得る前に予め算出しておいてもよい。
<作用効果>
本実施形態では、特徴定数の集合Θが情報処理装置2000によって算出される。後述するように、例えば特徴定数の集合は、センサ10のサンプリング間隔など、センサ10を用いた測定に関する種々のパラメータに基づいて決定される。こうすることにより、センサ10を用いた測定ごとに、その測定の結果の解析に適した特徴定数の集合を決めることができる。そして、対象ガスの特徴量を構成する寄与値は特徴定数に対応するものであるため、特徴定数の集合を適切に定めることにより、対象ガスの特徴を精度良く表す特徴量を得ることができるようになる。
<ハードウエア構成の例>
実施形態2の情報処理装置2000を実現する計算機のハードウエア構成は、実施形態1と同様に、例えば図4によって表される。ただし、本実施形態の情報処理装置2000を実現する計算機1000のストレージデバイス1080には、本実施形態の情報処理装置2000の機能を実現するプログラムモジュールがさらに記憶される。
<処理の流れ>
図12は、実施形態2の情報処理装置2000によって実行される処理の流れを例示するフローチャートである。特徴定数生成部2080は、特徴定数の集合Θを生成する(S202)。時系列データ取得部2020は、時系列データ14を取得する(S204)。算出部2040は、生成された特徴定数の集合Θ及び時系列データ14を用いて、各特徴定数θi について寄与値ξi を算出する(S206)。出力部2060は、算出した寄与値の集合Ξを、対象ガスの特徴量として出力する(S208)。
本実施形態の情報処理装置2000が行う処理の流れは、図12に示したものに限定されない。例えば、特徴定数の集合を生成するために時系列データ14を利用する場合、情報処理装置2000は、S202よりも先にS204を実行する。
<特徴定数の集合Θの生成:S202>
特徴定数生成部2080は、実施形態1で説明した特徴定数を定めるパラメータ(最小値θmin、最大値θmax、間隔 ds、個数 ns、及び公比 r など)のうちの少なくとも1つを決定する。特徴定数生成部2080によって決定されるパラメータ以外のパラメータについては、予め定めておく。
以下、各パラメータの決定方法について説明する。ここではまず、特徴定数の一例である時定数τに関するパラメータを決定する方法について説明する。
<<時定数の最小値を決定する方法>>
特徴定数生成部2080は、時定数τの最小値τmin を、センサ10のサンプリング間隔Δt の定数倍の値に決定する。例えば、予め定数 C1 を定めておく。そして、特徴定数生成部2080は、τmin = Δt * C1 として、τmin を決定する。
ここで、τmin が小さいほど、特徴量空間が広くなる(すなわち、異なる小さなτを持つ2つの分子を見分けることができる)。そのため、ガスの特徴を良く表すという点では、τminはなるべく小さい方が良い。しかし、Δtに比べて小さすぎるτを持つ異なる2つの分子は、原理的に見分けることが難しい。寄与値を無理やり計算しようとしても、大きな誤差が現れる。このように、Δtに比べて小さすぎるτにおけるξの値には誤差が含まれていると考えられるため、Δtの定数倍にτmin を設定し、それよりも小さなτにおけるξの値を無視する。
なお、Δtに比べて小さすぎるτを持つ異なる2つの分子を原理的に見分けることが難しい理由は、次の通りである。まず、Δt=1として、時刻t=(0,1,2,3) でy(t) を測定するとする。また、特徴定数として、時定数τ1 = 0.001 とτ2 = 0.01 を用いるとする。このとき、観測値Y=(y0,y1,y2,y3)の推定値Y^は、以下のように分解される。
Figure 0007074194000021
ここで、exp(-100) や exp(-1000) は非常に小さい値であり、コンピュータ上ではアンダーフローしてしまってほぼゼロとなる。そのため、ξ1とξ2がそれぞれ係数となっている2つのベクトルはどちらもほとんど(1,0,0,0)であり、平行となる。したがって、例えばセンサ10から得られた時系列データ14が有効数字2桁で Y=(1.0,0.0,0.0,0.0)というふうに測定されたとしても、(ξ1,ξ2)=(1,0) とすればよいのか、(0,1) とすればよいのか、(0.5,0.5)とすればよいのかが分からない。
言い換えれば、τminを小さく取りすぎると、行列Φのτが小さい領域の行(βが大きい: 最後の方の行)は、値がほとんど(1,0,0,0,…)になっており、これらはほぼ線形従属となってしまう。これにより、式(9)などにおけるΦ^TΦが(ほぼ)特異行列となってしまうため、この領域の推定値が大きな誤差を含むことになってしまう(前述した、ξ1 やξ2を無理やり求めることに相当する)。なお、式(10)のように、正則化項を用いたとしても、この領域の値は一定値となってしまうため、有用な情報を含まない(上述の例でいえば、ξ1 とξ2を、(0.5,0.5)のように、なるべく一定値になるように分配する場合に相当する)。
いずれにせよ、精度よく寄与値ξを求めるためには、前述したベクトル (exp(-0Δt, exp(-1Δt/τ), exp(-2Δt/τ), exp(-3Δt/τ),...) が(1,0,0,…)に縮退しないようにする必要がある。具体的には、上記ベクトルの2項目 exp(-1Δt/τ) が、ある値ε(0<ε<1)よりも大きくなるように、τの値を限定する必要がある。より具体的には、以下のようにτの最小値を定めることで、τの値を限定する。
Figure 0007074194000022
なお、上述の方法で時定数τの最小値を決定するためには、特徴定数生成部2080は、センサ10のサンプリング間隔を把握する必要がある。特徴定数生成部2080がセンサ10のサンプリング間隔を把握する方法は様々である。例えば特徴定数生成部2080は、センサ10のサンプリング間隔を示すデータの入力をユーザから受け付けることで、センサ10のサンプリング間隔を把握する。その他にも例えば、特徴定数生成部2080は、センサ10のサンプリング間隔を示すデータが記憶されている記憶装置から、センサ10のサンプリング間隔を示すデータを取得することで、センサ10のサンプリング間隔を把握してもよい。
<<時定数の最大値を決定する方法>>
特徴定数生成部2080は、時定数τの最大値τmax を、センサ10による測定の期間の全長(以下、測定長)T 以上の値に決定する。例えば、予め1以上の値 C2 を定めておく。そして、特徴定数生成部2080は、τmax = T * C2 として、τmax を決定する。
ここで、小さすぎるτを持つ異なる2つの分子を見分けることが原理的に難しいことと同様に、大きすぎるτを持つ異なる2つの分子は、原理的に見分けることが難しい。例えば、Δt=1, T=3のとき、τ1=1000, τ2=10000とすると、検出値の予測値 Y^ は、以下のようになる。
Figure 0007074194000023
このように、2つのベクトルがいずれも (1,1,1,1) に近い値に縮退してしまう。この場合、Φの行ベクトルが (1,1,1,1) に縮退しないために、最後の項exp(-T/τ) が、1からεだけ離れている必要がある。そこで、以下のようにτの最大値を定めることで、τの値を限定する。
Figure 0007074194000024
なお、上述の方法で時定数τの最大値を決定するためには、特徴定数生成部2080は、測定長 T を把握する必要がある。特徴定数生成部2080が測定長を把握する方法は様々である。例えば特徴定数生成部2080は、時系列データ14を利用して測定長を把握する。具体的には、特徴定数生成部2080は、時系列データ14を構成する検出値の数及びセンサ10のサンプリング間隔を用いて、測定長を算出する。その他にも例えば、特徴定数生成部2080は、センサ10のサンプリング間隔を把握する方法と同様の方法で、測定長を把握してもよい。
<<時定数の間隔を決定する方法>>
時定数の間隔は、例えば以下の様に、シミュレーションを通じて決定する。
1.仮想的な単一分子(速度定数β0)の測定波形 y(t)=exp(-β0t) をシミュレーションする。
2.仮想的な測定波形の特徴量Ξを計算する。
3.Ξのピーク幅(メインローブの幅)を特定する。
4.時定数の間隔を、ピーク幅(メインローブの幅)の定数倍 C3 に決定する。なお、C3<=1である。
ここで、手順2では、予想されるよりも細かい間隔で特徴量Ξを求めることが好ましい。手順4では、手順3で特定されたピーク幅よりも時定数の間隔が小さく、時定数の間隔を特定している。なお、ピーク幅の意味やその定量化の方法については、最小二乗法の正則化項の重みλの決定方法の説明で述べた通りである。
なお、ログスケールを利用する場合、上述の様に特定した時定数の間隔に基づいて、公比rを決定する。
時定数の間隔は、シミュレーションを利用せず、理論的な近似計算により決定してもよい。これにより、実際に細かい間隔でΞをシミュレーションするよりも少ない計算量で間隔を決めることができる。例えば、上述の「予想されるよりも細かい間隔」を無限小とするような極限を考える。これは、前述したガウス過程を用いる場合に相当し、特徴量Ξは、速度定数(もしくは時定数)の連続関数ξ(β)となる。例えば以下の仮定の下では、Ξのピーク幅 l を式(27)で近似計算できる。
(仮定1)特徴変数は速度定数で、スケールの取り方はログスケールである。
(仮定2)特徴量の推定方法は「推定方法3」で、ガウス過程を用いた場合である。
(仮定3)共分散行列Λは以下のように定義される。
Figure 0007074194000025
Figure 0007074194000026
ここで、行列Ψは、式(18)の行列 ΦΛΦ^T に対応している。具体的には、Λ=σ^2I であるから、
Figure 0007074194000027
となる。
Φは実行列であるから、線形作用素としての随伴 Φ* と行列転置 Φ^T は同じものになる。また、行列Ψの i,j 成分は、関数ψ(t) を用いて、
Figure 0007074194000028
となる。
さらに、式(27)の行列 (Ψ+ηI)^(-1) は、式(18)の (ΦΛΦ+σ^2I)^-1 に相当する。具体的には、以下のようになる。
Figure 0007074194000029
<<速度定数βを定める方法について>>
速度定数βは時定数τの逆数である。そのため、βの最小値を定める方法とβの最大値を定める方法はそれぞれ、τの最大値を定める方法とτの最小値を定める方法と同じになる。また、速度定数βの間隔は、時定数τと同様の方法で決定することができる。
<生成する特徴定数の集合の種類について>
特徴定数の集合には、1)固定間隔の速度定数βの集合、2)log スケールの速度定数βの集合、3)固定間隔の時定数τの集合、及び4)log スケールの速度定数τの集合などの種類がある。特徴定数生成部2080は、いずれかの種類の特徴定数の集合を生成する。どの種類の特徴定数の集合を生成するのかは、予め定められてもよいし、ユーザによって指定されてもよい。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記各実施形態を組み合わせた構成や、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
1. 対象ガスに含まれる分子の付着と離脱に応じて検出値が変化するセンサから出力された、検出値の時系列データを取得する取得部と、
複数の特徴定数それぞれについて前記時系列データに対する寄与の大きさを表す寄与値を算出する算出部と、
各特徴定数について算出された寄与値を、前記センサによってセンシングされたガスの特徴量として出力する出力部と、を有し、
前記特徴定数は、前記センサに付着している分子の量の時間変化の大きさに関する時定数又は速度定数である、情報処理装置。
2. 前記算出部は、複数の特徴定数それぞれの寄与値をパラメータとする前記センサの検出値の予測モデルについて、前記取得した時系列データを用いたパラメータ推定を行うことで、各寄与値を算出する、1.に記載の情報処理装置。
3. 前記算出部は、前記予測モデルから得られる時系列データと前記取得した時系列データとについて、最小二乗法による最尤推定を行うことで、各前記寄与値を算出する、2.に記載の情報処理装置。
4. 前記最小二乗法における最尤推定において、目的関数に正則化項が含まれている、3.に記載の情報処理装置。
5. 前記算出部は、各前記寄与値の事前分布と前記取得した時系列データとを用いた MAP(Maximum a Posteriori)推定又はベイズ推定により、各前記寄与値を算出する、2.に記載の情報処理装置。
6. 前記事前分布は、多変量正規分布又はガウス過程である、5.に記載の情報処理装置。
7. 前記予測モデルには、バイアスを表すパラメータが含まれており、
前記算出部は、前記予測モデルについて寄与値とバイアスそれぞれを表すパラメータを推定する、2.乃至6.いずれか一つに記載の情報処理装置。
8. 前記取得部は、複数の時系列データを取得し、
前記算出部は、複数の時系列データそれぞれについて寄与値の集合を算出し、
前記出力部は、前記算出された複数の寄与値の集合の組、又は前記算出された複数の寄与値の集合の平均を、前記対象ガスの特徴量として出力する、1.乃至7.いずれか一つに記載の情報処理装置。
9. 前記複数の時系列データは、前記センサを前記対象ガスに曝す際に得られる時系列データと、前記センサから前記対象ガスを取り除く際に得られる時系列データとの双方を含む、8.に記載の情報処理装置。
10. 前記複数の時系列データは、特性の異なる複数の前記センサそれぞれから得られる時系列データを含む、8.に記載の情報処理装置。
11. 前記特徴定数の最小値、前記特徴定数の最大値、及び隣接する前記特徴定数の間隔のうちのいずれか1つ以上を決定することで、複数の前記特徴定数を生成する特徴定数生成部を有する、1.乃至10.いずれか一つに記載の情報処理装置。
12. 前記特徴定数生成部は、
前記特徴定数が時定数である場合、前記センサの測定間隔に所定の定数を掛けた値を、前記時定数の最小値に決定し、
前記特徴定数が速度定数である場合、前記センサの測定間隔に所定の定数を掛けた値を、前記速度定数の最大値に決定する、11.に記載の情報処理装置。
13. 前記特徴定数生成部は、
前記特徴定数が時定数である場合、前記センサによる測定の長さに所定の定数を掛けた値を、前記時定数の最大値に決定し、
前記特徴定数が速度定数である場合、前記センサによる測定の長さに所定の定数を掛けた値を、前記速度定数の最小値に決定する、11.に記載の情報処理装置。
14. 前記特徴定数生成部は、単一種類の分子のみを含むガスにおける前記寄与値を前記特徴定数の関数として表した場合について、その関数のピーク幅を予測し、前記予測したピーク幅に所定の定数を掛けた値を、前記特徴定数の間隔に決定する、11.に記載の情報処理装置。
15. コンピュータによって実行される制御方法であって、
対象ガスに含まれる分子の付着と離脱に応じて検出値が変化するセンサから出力された、検出値の時系列データを取得する取得ステップと、
複数の特徴定数それぞれについて前記時系列データに対する寄与の大きさを表す寄与値を算出する算出ステップと、
各特徴定数について算出された寄与値を、前記センサによってセンシングされたガスの特徴量として出力する出力ステップと、を有し、
前記特徴定数は、前記センサに付着している分子の量の時間変化の大きさに関する時定数又は速度定数である、制御方法。
16. 前記算出ステップにおいて、複数の特徴定数それぞれの寄与値をパラメータとする前記センサの検出値の予測モデルについて、前記取得した時系列データを用いたパラメータ推定を行うことで、各寄与値を算出する、15.に記載の制御方法。
17. 前記算出ステップにおいて、前記予測モデルから得られる時系列データと前記取得した時系列データとについて、最小二乗法による最尤推定を行うことで、各前記寄与値を算出する、16.に記載の制御方法。
18. 前記最小二乗法における最尤推定において、目的関数に正則化項が含まれている、17.に記載の制御方法。
19. 前記算出ステップにおいて、各前記寄与値の事前分布と前記取得した時系列データとを用いた MAP(Maximum a Posteriori)推定又はベイズ推定により、各前記寄与値を算出する、16.に記載の制御方法。
20. 前記事前分布は、多変量正規分布又はガウス過程である、19.に記載の制御方法。
21. 前記予測モデルには、バイアスを表すパラメータが含まれており、
前記算出ステップにおいて、前記予測モデルについて寄与値とバイアスそれぞれを表すパラメータを推定する、16.乃至20.いずれか一つに記載の制御方法。
22. 前記取得ステップにおいて、複数の時系列データを取得し、
前記算出ステップにおいて、複数の時系列データそれぞれについて寄与値の集合を算出し、
前記出力ステップにおいて、前記算出された複数の寄与値の集合の組、又は前記算出された複数の寄与値の集合の平均を、前記対象ガスの特徴量として出力する、15.乃至21.いずれか一つに記載の制御方法。
23. 前記複数の時系列データは、前記センサを前記対象ガスに曝す際に得られる時系列データと、前記センサから前記対象ガスを取り除く際に得られる時系列データとの双方を含む、22.に記載の制御方法。
24. 前記複数の時系列データは、特性の異なる複数の前記センサそれぞれから得られる時系列データを含む、22.に記載の制御方法。
25. 前記特徴定数の最小値、前記特徴定数の最大値、及び隣接する前記特徴定数の間隔のうちのいずれか1つ以上を決定することで、複数の前記特徴定数を生成する特徴定数生成ステップを有する、15.乃至24.いずれか一つに記載の制御方法。
26. 前記特徴定数生成ステップにおいて、
前記特徴定数が時定数である場合、前記センサの測定間隔に所定の定数を掛けた値を、前記時定数の最小値に決定し、
前記特徴定数が速度定数である場合、前記センサの測定間隔に所定の定数を掛けた値を、前記速度定数の最大値に決定する、25.に記載の制御方法。
27. 前記特徴定数生成ステップにおいて、
前記特徴定数が時定数である場合、前記センサによる測定の長さに所定の定数を掛けた値を、前記時定数の最大値に決定し、
前記特徴定数が速度定数である場合、前記センサによる測定の長さに所定の定数を掛けた値を、前記速度定数の最小値に決定する、25.に記載の制御方法。
28. 前記特徴定数生成ステップにおいて、単一種類の分子のみを含むガスにおける前記寄与値を前記特徴定数の関数として表した場合について、その関数のピーク幅を予測し、前記予測したピーク幅に所定の定数を掛けた値を、前記特徴定数の間隔に決定する、25.に記載の制御方法。
29. 15.乃至28.いずれか一つに記載の制御方法の各ステップをコンピュータに実行させるプログラム。

Claims (16)

  1. 対象ガスに含まれる分子の付着と離脱に応じて検出値が変化するセンサから出力された、検出値の時系列データを取得する取得部と、
    複数の特徴定数それぞれについて前記時系列データに対する寄与の大きさを表す寄与値を算出する算出部と、
    各特徴定数について算出された寄与値を、前記センサによってセンシングされたガスの特徴量として出力する出力部と、を有し、
    前記特徴定数は、前記センサに付着している分子の量の時間変化の大きさに関する時定数又は速度定数であ
    前記取得部は、複数の時系列データを取得し、
    前記算出部は、複数の時系列データそれぞれについて、前記複数の特徴定数それぞれについての前記寄与値を算出することにより、前記寄与値の集合を算出し、
    前記出力部は、
    前記算出された複数の寄与値の集合の組、又は前記算出された複数の寄与値の集合の平均を、前記対象ガスの特徴量として出力し、
    前記対象ガスの濃度に応じて、前記算出された複数の寄与値の集合の組、と前記算出された複数の寄与値の集合の平均のどちらを出力するかを決定し、
    前記複数の時系列データは、前記センサを前記対象ガスに曝す際に得られる時系列データと、前記センサから前記対象ガスを取り除く際に得られる時系列データとの双方を含む、
    情報処理装置。
  2. 対象ガスに含まれる分子の付着と離脱に応じて検出値が変化するセンサから出力された、検出値の時系列データを取得する取得部と、
    複数の特徴定数それぞれについて前記時系列データに対する寄与の大きさを表す寄与値を算出する算出部と、
    各特徴定数について算出された寄与値を、前記センサによってセンシングされたガスの特徴量として出力する出力部と、
    前記特徴定数の最小値θmin、及び前記特徴定数の最大値θmaxを決定することで、複数の前記特徴定数を生成する特徴定数生成部とを有し、
    前記特徴定数は、前記センサに付着している分子の量の時間変化の大きさに関する時定数又は速度定数であり、
    前記特徴定数生成部は、決定した前記特徴定数の最小値θmin及び前記特徴定数の最大値θmaxと、予め定められた隣接する前記特徴定数の間隔dsとを用いて、前記複数の特徴定数としてθmin, θmin + ds, θmin + 2ds,..., θmaxを生成する、情報処理装置。
  3. 前記特徴定数生成部は、
    前記特徴定数が時定数である場合、前記センサの測定間隔に所定の定数を掛けた値を、前記時定数の最小値に決定し、
    前記特徴定数が速度定数である場合、前記センサの測定間隔に所定の定数を掛けた値を、前記速度定数の最大値に決定する、請求項に記載の情報処理装置。
  4. 前記特徴定数生成部は、
    前記特徴定数が時定数である場合、前記センサによる測定の長さに所定の定数を掛けた値を、前記時定数の最大値に決定し、
    前記特徴定数が速度定数である場合、前記センサによる測定の長さに所定の定数を掛けた値を、前記速度定数の最小値に決定する、請求項2または3に記載の情報処理装置。
  5. 前記取得部は、複数の時系列データを取得し、
    前記算出部は、複数の時系列データそれぞれについて寄与値の集合を算出し、
    前記出力部は、前記算出された複数の寄与値の集合の組、又は前記算出された複数の寄与値の集合の平均を、前記対象ガスの特徴量として出力する、請求項乃至いずれか一項に記載の情報処理装置。
  6. 前記複数の時系列データは、前記センサを前記対象ガスに曝す際に得られる時系列データと、前記センサから前記対象ガスを取り除く際に得られる時系列データとの双方を含む、請求項に記載の情報処理装置。
  7. 前記複数の時系列データは、特性の異なる複数の前記センサそれぞれから得られる時系列データを含む、請求項に記載の情報処理装置。
  8. 前記算出部は、複数の特徴定数それぞれの寄与値をパラメータとする前記センサの検出値の予測モデルについて、前記取得した時系列データを用いたパラメータ推定を行うことで、各寄与値を算出する、請求項1乃至7いずれか一項に記載の情報処理装置。
  9. 前記算出部は、前記予測モデルから得られる時系列データと前記取得した時系列データとについて、最小二乗法による最尤推定を行うことで、各前記寄与値を算出する、請求項に記載の情報処理装置。
  10. 前記最小二乗法における最尤推定において、目的関数に正則化項が含まれている、請求項に記載の情報処理装置。
  11. 前記算出部は、各前記寄与値の事前分布と前記取得した時系列データとを用いた MAP(Maximum a Posteriori)推定又はベイズ推定により、各前記寄与値を算出する、請求項に記載の情報処理装置。
  12. 前記事前分布は、多変量正規分布又はガウス過程である、請求項11に記載の情報処理装置。
  13. 前記予測モデルには、バイアスを表すパラメータが含まれており、
    前記算出部は、前記予測モデルについて寄与値とバイアスそれぞれを表すパラメータを推定する、請求項乃至12いずれか一項に記載の情報処理装置。
  14. コンピュータによって実行される制御方法であって、
    対象ガスに含まれる分子の付着と離脱に応じて検出値が変化するセンサから出力された、検出値の時系列データを取得する取得ステップと、
    複数の特徴定数それぞれについて前記時系列データに対する寄与の大きさを表す寄与値を算出する算出ステップと、
    各特徴定数について算出された寄与値を、前記センサによってセンシングされたガスの特徴量として出力する出力ステップと、を有し、
    前記特徴定数は、前記センサに付着している分子の量の時間変化の大きさに関する時定数又は速度定数であ
    前記取得ステップでは、複数の時系列データを取得し、
    前記算出ステップでは、複数の時系列データそれぞれについて、前記複数の特徴定数それぞれについての前記寄与値を算出することにより、前記寄与値の集合を算出し、
    前記出力ステップでは、
    前記算出された複数の寄与値の集合の組、又は前記算出された複数の寄与値の集合の平均を、前記対象ガスの特徴量として出力し、
    前記対象ガスの濃度に応じて、前記算出された複数の寄与値の集合の組、と前記算出された複数の寄与値の集合の平均のどちらを出力するかを決定し、
    前記複数の時系列データは、前記センサを前記対象ガスに曝す際に得られる時系列データと、前記センサから前記対象ガスを取り除く際に得られる時系列データとの双方を含む、
    制御方法。
  15. コンピュータによって実行される制御方法であって、
    対象ガスに含まれる分子の付着と離脱に応じて検出値が変化するセンサから出力された、検出値の時系列データを取得する取得ステップと、
    複数の特徴定数それぞれについて前記時系列データに対する寄与の大きさを表す寄与値を算出する算出ステップと、
    各特徴定数について算出された寄与値を、前記センサによってセンシングされたガスの特徴量として出力する出力ステップと、
    前記特徴定数の最小値θmin、及び前記特徴定数の最大値θmaxを決定することで、複数の前記特徴定数を生成する特徴定数生成ステップとを有し、
    前記特徴定数は、前記センサに付着している分子の量の時間変化の大きさに関する時定数又は速度定数であり、
    前記特徴定数生成ステップでは、決定した前記特徴定数の最小値θmin及び前記特徴定数の最大値θmaxと、予め定められた隣接する前記特徴定数の間隔dsとを用いて、前記複数の特徴定数としてθmin, θmin + ds, θmin + 2ds,..., θmaxを生成する制御方法。
  16. 請求項14または15に記載の制御方法の各ステップをコンピュータに実行させるプログラム。
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