JP7276450B2 - 予測モデル再学習装置、予測モデル再学習方法及びプログラム - Google Patents
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Description
以下、本発明に係る実施形態1を説明する。
本実施形態で用いるセンサについて説明する。図1は、ニオイを検知するセンサ10及びセンサ10がニオイを検知することにより得られる時系列データを例示する図である。センサ10は、分子が付着する受容体を有し、その受容体における分子の付着と離脱に応じて検出値が変化するセンサである。なお、センサ10によってセンシングされているガスを、対象ガスと呼ぶ。また、センサ10から出力される検出値の時系列データを、時系列データ20と呼ぶ。ここで、必要に応じ、時系列データ20をYとも表記し、時刻tの検出値をy(t)とも表記する。Yは、y(t)が列挙されたベクトルとなる。
本実施形態で用いる予測モデルについて説明する。図2は、予測モデルの概念図である。ここでは、センサ10から出力される検出値の時系列データから、果物の種類を予測する予測モデルを例として示す。図2(A)は、予測モデルを学習するフェーズを示す。図2(A)では、ある果物の種類(例えば、リンゴ)と、センサ10から出力される検出値の時系列データ20との組み合わせを学習データとして、予測モデルが学習される。図2(B)は、予測モデルを利用するフェーズを示す。図2(B)では、予測モデルは、種類が未知である果物から取得された時系列データを入力として受け付け、果物の種類を予測結果として出力する。
図3は、実施形態1の予測モデル再学習装置2000の機能構成を例示する図である。予測モデル再学習装置2000は、算出部2020及び再学習部2030を有する。算出部2020は、記憶部2010から、センサによるニオイ検知に関係するデータ(以下、ニオイデータ)を取得し、予測モデルを再学習するか否かを決定する指標を算出する。再学習部2030は、算出部2020により算出された指標に基づき、予測モデルの再学習を行うか否かを決定する。再学習部2030は、予測モデルの再学習を行うと決定した場合、予測モデルの再学習を行う。
図4は、図3に示した予測モデル再学習装置2000を実現するための計算機を例示する図である。計算機1000は任意の計算機である。例えば、計算機1000は、Personal Computer(PC)やサーバマシンなどの据え置き型の計算機である。その他にも例えば、計算機1000は、スマートフォンやタブレット端末などの可搬型の計算機である。計算機1000は、予測モデル再学習装置2000を実現するために設計された専用の計算機であってもよいし、汎用の計算機であってもよい。
図5は、実施形態1の予測モデル再学習装置2000によって実行される処理の流れを例示する図である。算出部2020はニオイデータから予測モデルを再学習するか否かの指標を算出する(S100)。再学習部2030は、算出した指標に基づいて、予測モデルを再学習する(S110)。再学習部2030は、再学習した予測モデルを記憶部2010に記憶させて予測モデルを更新する(S120)。
記憶部2010が記憶する情報を説明する。図6は、記憶部2010が記憶するニオイデータを例示する図である。
図9は、算出部2020の処理の流れを例示する図である。図9を参照して、算出部2020による処理を具体的に説明する。ここでは、算出部2020が温度差を指標として算出する場合を例として説明する。また、算出部2020が図7に示した予測モデルを再学習するか否かを判定するための指標を算出する場合を例として説明する。
図10は、再学習部2030の処理の流れを例示する図である。図10を参照して、再学習部2030の処理を具体的に説明する。
以上のように、本実施形態に係る予測モデル再学習装置2000は、温度、湿度といった測定環境の影響によりセンサの検出値の挙動が変化する特性を考慮して、予測モデルを再学習する。これにより、予測モデルの精度劣化を改善することができる。
以下、本発明に係る実施形態2を説明する。実施形態2は、実施形態1と比べて、特徴量取得部2040及び取得した特徴量に基づいて指標を算出する算出部2050を有する点で異なる。以下、詳細を説明する。
図11は、実施形態2の予測モデル再学習装置2000の機能構成を例示する図である。実施形態2の予測モデル再学習装置2000は、特徴量取得部2040、算出部2050及び再学習部2030を有する。特徴量取得部2040は、記憶部2010から予測モデルに用いられる学習データ以外のデータに含まれる時系列データの特徴量を取得する。算出部2050は、取得した特徴量に基づいて、予測モデルの指標を算出する。再学習部2030の動作は、他の実施形態と同様であり、本実施形態では説明を省略する。
図12は、実施形態2の予測モデル再学習装置2000によって実行される処理の流れを例示する図である。特徴量取得部2040は、記憶部2010から予測モデルに用いられる学習データ以外のデータに含まれる時系列データの特徴量を取得する(S400)。算出部2020は、取得した特徴量に基づいて、予測モデルの指標を算出する(S410)。再学習部2030は、算出した指標に基づいて、予測モデルの再学習を行う(S420)。再学習部2030は、再学習した予測モデルを記憶部2010に記憶させて予測モデルを更新する(S430)。
実施形態2において、記憶部2010が記憶する情報を説明する。図13は、実施形態2において、記憶部2010が記憶するニオイデータを例示する図である。
図13に示した特徴量Fkの算出方法の一例を説明する。各時系列データに対応する特徴量Fkは、時系列データに対する、特徴定数毎の寄与値で示されるベクトル量である。以下、図15を用いて、特徴定数と寄与値について説明する。
特徴定数θ1、θ2、・・・θn(以下、集合Θとする)の算出方法を説明する。集合Θは、例えば、(1)特徴定数θの最小値θmin(すなわち、θ1)、(2)特徴定数θの最大値θmax(すなわち、θn)、及び(3)隣接する特徴定数の間隔ds、の3つのパラメータによって定めることができる。この場合、集合Θは、Θ={θmin,θmin+ds,θmin+2ds,...,θmax}となる。以下、上述した3つのパラメータを決定する方法の一例をそれぞれ示す。
θminは、センサ10のサンプリング間隔Δtの定数倍である。すなわち、予め定められた定数をC1とすると、θmin=Δt*C1である。
θmaxは、センサ10により取得される時系列データy(t)の長さ(検出値の数)Tの定数倍である。すなわち、予め1以上の値をC2とすると、θmax=T*C2である。
dsは、例えば、特徴定数θの個数をnsとすると、ds=(θmax-θmin)/(ns-1)である。
特徴量取得部2040は、前述のようにして特定した特徴定数θの集合Θに含まれる各特徴定数θiの寄与値ξiである寄与ベクトルΞを特徴量Fkとして算出する。具体的には、特徴量取得部2040は、全ての寄与値ξi(すなわち、特徴量Fk。以下では、説明のため「寄与ベクトルΞ」と表記する。)をパラメータとして、式(1)を用いて、センサ10の検出値を予測する検出値予測モデルを生成する。この検出値予測モデルを生成する際、時系列データを利用して寄与ベクトルΞについてパラメータ推定を行うことにより、寄与ベクトルΞを算出することができる。
[数4]
図16は、算出部2050の処理の流れを例示する図である。図16を参照して、算出部2050による処理を具体的に説明する。ここでは、算出部2050が分離度を指標として算出する場合を例として説明する。分離度の詳細は後述する。また、算出部2050が図7に示した予測モデルを再学習するか否かを判定するための指標を算出する場合を例として説明する。
以上のように、本実施形態に係る予測モデル再学習装置2000は、センサの検出値の特徴量を考慮して、予測モデルを再学習する。これにより、予測モデルの精度劣化を改善することができる。
[変形例]
実施形態2の変形例について説明する。変形例では、特徴量取得部2040は、時系列データに対して、測定環境の影響を補正した上で、特徴量を取得することができる。
[実施形態3]
以下、本発明に係る実施形態3を説明する。実施形態1、2においては、再学習された予測モデルが、そのまま記憶部2010に記憶されて更新される。しかしながら、例えば、測定環境に一時的な誤差が生じた(急な大雨により一時的に湿度が上昇した等)場合、その測定環境を用いて算出された指標に基づく予測モデルの更新は不要である場合もある。
図18は、実施形態3の予測モデル再学習装置2000の機能構成を例示する図である。予測モデル再学習装置2000は、算出部2050、再学習部2030及び更新判定部2070を有する。算出部2050及び再学習部2030は、他の実施形態と同様の動作を行うため、ここでは説明を省略する。更新判定部2070は、再学習を行った予測モデル及び更新判定用のニオイデータから再学習を行った予測モデルの更新判定を行う。
図19は、実施形態3の予測モデル再学習装置2000によって実行される処理の流れを例示する図である。算出部2050は、予測モデルを再学習するか否かを決定する指標を算出する(S600)。再学習部2030は、算出された指標が所定の条件を満たす場合に、前記予測モデルを再学習する(S610)。更新判定部2070は、再学習した予測モデルが所定の条件を満たす場合に、予測モデルを更新する(S620)。
更新判定部2070の更新判定処理を説明する。図20は、更新判定部2070の処理の流れを例示する図である。図20を参照して、更新判定部2070による処理を具体的に説明する。ここでは、更新判定部2070が図7に示した予測モデルを再学習するか否かを判定するための指標を算出する場合を例として説明する。
以上のように、本実施形態に係る予測モデル再学習装置2000は、再学習された予測モデルの精度に応じて予測モデルを更新するか否かを判定するため、不要な予測モデルの更新を回避することができる。
20 時系列データ
1000 計算機
1020 バス
1040 プロセッサ
1060 メモリ
1080 ストレージデバイス
1100 入出力インタフェース
1120 ネットワークインタフェース
2000 予測モデル再学習装置
2010 記憶部
2020 算出部
2030 再学習部
2040 特徴量取得部
2050 算出部
2060 補正部
2070 更新判定部
Claims (10)
- センサによるニオイ検知に関係するデータに基づいて、前記センサが測定する時系列データからニオイを予測する予測モデルを再学習するか否かを決定する指標を算出する算出手段と、
算出された前記指標が所定の条件を満たす場合に、前記予測モデルを再学習する再学習手段と、
を備える予測モデル再学習装置。 - 前記センサによるニオイ検知に関係するデータは、前記センサによるニオイの測定環境を示し、
前記算出手段は、前記予測モデルの学習データの測定環境と、前記学習データ以外のデータの測定環境との差を、前記指標として算出する、
請求項1に記載の予測モデル再学習装置。 - 前記ニオイの測定環境は少なくとも温度および湿度のいずれか一つを含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の予測モデル再学習装置。 - 前記センサによるニオイ検知に関係するデータは、前記予測モデルの学習データ以外のデータの特徴量を示し、
前記算出手段は、前記特徴量と前記予測モデルとに基づいて、前記指標を算出する、
請求項1に記載の予測モデル再学習装置。 - 前記センサによるニオイ検知に関係するデータは、前記予測モデルの学習データの特徴量及び、前記学習データ以外のデータの特徴量を示し、
前記算出手段は、前記予測モデルの学習データの特徴量と、前記学習データ以外のデータの前記特徴量とに基づいて、前記指標を算出する、
請求項1に記載の予測モデル再学習装置。 - 前記センサの個体差から算出された補正係数に基づいて、前記センサによるニオイの検出値を補正する補正手段をさらに備え、
前記算出手段は、前記補正された検出値の特徴量を取得する、
請求項4または5に記載の予測モデル再学習装置。 - 前記再学習した予測モデルと、更新判定のための前記ニオイ検知に関係するデータとから再学習を行った予測モデルの更新判定を行う更新判定手段を、
更に備える請求項1から6のいずれか1項に記載の予測モデル再学習装置。 - 前記学習データ以外のデータは、前記学習データとして用いられたデータの測定日以降のデータである
請求項2から6のいずれか1項に記載の予測モデル再学習装置。 - コンピュータが、
センサによるニオイ検知に関係するデータに基づいて、前記センサが測定する時系列データからニオイを予測するニオイの予測モデルを再学習するか否かを決定する指標を算出し、
算出された前記指標が所定の条件を満たす場合に、前記予測モデルを再学習する、
予測モデル再学習方法。 - センサによるニオイ検知に関係するデータに基づいて、前記センサが測定する時系列データからニオイを予測するニオイの予測モデルを再学習するか否かを決定する指標を算出する処理と、
算出された前記指標が所定の条件を満たす場合に、前記予測モデルを再学習する処理と、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
Applications Claiming Priority (1)
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PCT/JP2019/024338 WO2020255305A1 (ja) | 2019-06-19 | 2019-06-19 | 予測モデル再学習装置、予測モデル再学習方法及びプログラム記録媒体 |
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中本高道 ほか,ニューラルネットワークを用いたにおいセンサー,応用物理,第58巻, 第7号,1989年,p.1045-1054,特に「3.2 適応学習実験」 |
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