以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
第1実施形態の機器温調装置1について、図1~図6を参照して説明する。機器温調装置1は、電気自動車、プラグインハイブリッド車またはハイブリッド車などの電動車両(以下、単に「車両」という)に搭載される。機器温調装置1は、車両に搭載される二次電池(以下、「電池」という)を冷却または暖機し、電池の温度を調節するものである。
まず、機器温調装置1が温度調整を行う対象機器としての電池2について説明する。車両に設置される大型の電池2は、複数の電池セル3が組み合わされた電池モジュール2a、2b、2cが複数格納された電池パック(すなわち蓄電装置)として、車両の座席下またはトランクルームの下などに搭載される。電池2に蓄えた電力は、インバータなどを介して車両走行用モータに供給される。電池2は車両走行中などに電力供給等を行うと自己発熱する。電池2は高温になると、十分な機能を発揮できないだけでなく、劣化が促進されることから、自己発熱が少なくなるように出力および入力を制限する必要がある。そのため、電池2の出力および入力を確保するためには、電池2を所定の温度以下に維持するための冷却装置が必要となる。
また、夏季などの外気温が高い季節では、車両走行中だけでなく、駐車放置中などにも電池2の温度は上昇する。また、電池2は車両の床下やトランクルーム下などに配置されることが多く、電池2に与えられる単位時間当たりの熱量は小さいものの、長時間の放置により電池2の温度は徐々に上昇する。電池2を高温状態で放置すると電池2の寿命が短くなるので、車両の駐車中等にも電池2の温度を所定の温度以下に維持することが望まれている。
さらに、電池2は、複数の電池セル3により構成されている。電池2は、各電池セル3の温度にばらつきがあると電池セル3の劣化に偏りが生じ、蓄電性能が低下してしまう。これは、電池2が、複数の電池セル3が直列または並列の組み合わせにより電気的に接続された構成であり、最も劣化した電池セル3の特性に合わせて電池2の入出力特性が決まるからである。そのため、長期間にわたって電池2に所望の性能を発揮させるためには、複数の電池セル3の相互間の温度ばらつきを低減させる均温化が重要となる。
また、一般に、電池2を冷却する他の冷却装置として、送風機による空冷式の冷却手段、蒸気圧縮式の冷凍サイクルの冷熱を利用した冷却手段が一般的である。しかし、送風機による空冷式の冷却手段は、車室内の空気を送風するだけなので、冷却能力は低い。また、送風機による送風は、空気の顕熱で電池2を冷却するので、空気流れの上流と下流との間で温度差が大きくなり、複数の電池セル3同士の温度ばらつきを十分に抑制できない。また、冷凍サイクルの冷熱を利用した冷却手段は、冷却能力は高いものの、車両の駐車中に、電力消費量の多いコンプレッサ等を駆動させることが必要となる。このことは、電力消費量の増大、騒音の増大等を招くことになるため好ましくない。
そこで、本実施形態の機器温調装置1は、作動流体をコンプレッサにより強制循環させることなく、作動流体の自然循環によって電池2の温度を調整するサーモサイフォン方式を採用している。
次に、機器温調装置1の構成について説明する。図1に示すように、機器温調装置1は、機器温度調整部10と、凝縮器20と、ガス配管30と、液配管40とを備える。機器温調装置1は、これらが互いに接続されて密閉された流体回路として構成されている。機器温調装置1は、気相の作動流体が流れる流路と液相の作動流体が流れる流路とが分離されたループ型のサーモサイフォン回路を構成している。サーモサイフォン回路には、その内部が真空排気された状態で、所定量の作動流体が封入されている。作動流体として、例えば、HFO-1234yfまたはHFC-134aなどのフロン系冷媒が用いられる。なお、図面の両矢印で示す上、下は、車両等に機器温調装置1が搭載された状態における重力方向の上側と下側を示している。
図1に示すように、機器温度調整部10は、複数の熱交換器11A、11B、11C、具体的には、3つの熱交換器11A、11B、11Cにより構成されている。3つの熱交換器11A、11B、11Cは、第1熱交換器11A、第2熱交換器11Bおよび第3熱交換器11Cである。3つの熱交換器11A、11B、11Cの構成は、同じである。3つの熱交換器11A、11B、11Cは、凝縮器20に近い側から遠い側へ向かって第1熱交換器11A、第2熱交換器11B、第3熱交換器11Cの順に配置されている。
図2、3に示すように、各熱交換器11A、11B、11Cは、筒状の上ヘッダタンク111a、111b、111cと、筒状の下ヘッダタンク112a、112b、112cと、熱交換コア部113a、113b、113cにより構成されている。各上ヘッダタンク111a、111b、111cは、各熱交換器11A、11B、11Cのうち重力方向上側となる位置に設けられる。各上ヘッダタンク111a、111b、111cは、各熱交換コア部113a、113b、113cから流出した作動流体が流れる流路を内部に形成している。各下ヘッダタンク112a、112b、112cは、各熱交換器11A、11B、11Cのうち重力方向下側となる位置に設けられる。各下ヘッダタンク112a、112b、112cは、各熱交換コア部113a、113b、113cに流入する作動流体が流れる流路を内部に形成している。各熱交換コア部113a、113b、113cは、対象機器の冷却時に液相の作動流体が蒸発するように対象機器と熱交換可能に構成されている。各熱交換コア部113a、113b、113cは、各上ヘッダタンク111a、111b、111c内の流路と各下ヘッダタンク112a、112b、112c内の流路とを連通する複数のチューブを有している。各熱交換コア部113a、113b、113cは、板状の部材の内側に複数の流路を形成したものであってもよい。
第1熱交換器11A、第2熱交換器11B、第3熱交換器11Cの各熱交換コア部を、それぞれ、第1熱交換コア部113a、第2熱交換コア部113b、第3熱交換コア部113cと呼ぶ。第1熱交換器11A、第2熱交換器11B、第3熱交換器11Cの各上ヘッダタンクを、それぞれ、第1上ヘッダタンク111a、第2上ヘッダタンク111b、第3ヘッダタンク111cと呼ぶ。第1熱交換器11A、第2熱交換器11B、第3熱交換器11Cの各下ヘッダタンクを、それぞれ、第1下ヘッダタンク112a、第2下ヘッダタンク112b、第3下ヘッダタンク112cと呼ぶ。
各熱交換器11A、11B、11Cの各構成部材は、例えばアルミニウム、銅等の熱伝導性の高い金属で構成されている。なお、各熱交換器11A、11B、11Cの各構成部材は、金属以外の熱伝導性の高い材料により構成することも可能である。
各熱交換コア部113a、113b、113cの外側には、電気絶縁性の熱伝導シート114a、114b、114cを介して、電池モジュール2a、2b、2cが設置される。各熱伝導シート114a、114b、114cにより、各熱交換コア部113a、113b、113cと各電池モジュール2a、2b、2cとの間の絶縁が保障される。さらに、各熱交換コア部113a、113b、113cと各電池モジュール2a、2b、2cとの間の熱抵抗が小さいものとなる。
本実施形態では、各電池モジュール2a、2b、2cを構成する複数の電池セル3は、重力方向に交差する方向に並べられている。図3に示すように、各電池モジュール2a、2b、2cは、端子4が設けられた面5とは反対側の面6が、各熱伝導シート114a、114b、114cを介して、各熱交換コア部113a、113b、113cに設置されている。なお、各熱伝導シート114a、114b、114cを省略して、各電池モジュール2a、2b、2cと各熱交換コア部113a、113b、113cとを直接接続することも可能である。
各電池モジュール2a、2b、2cは、熱交換コア部113の内部の作動流体と熱交換可能である。複数の電池セル3が発熱すると、熱交換コア部113の内部の液相の作動流体が蒸発する。これにより、複数の電池セル3は、作動流体の蒸発潜熱により均等に冷却される。
図2に示すように、各上ヘッダタンク111a、111b、111cの長手方向の端部には、作動流体が流出する流出口115a、115b、115cが設けられている。各下ヘッダタンク112a、112b、112cの長手方向の端部には、作動流体が流入する流入口116a、116b、116cが設けられている。
凝縮器20は、複数の熱交換器11A、11B、11Cより重力方向上側に配置されている。凝縮器20は、ガス配管30を通って凝縮器20の内部に流入した気相の作動流体と、所定の受熱媒体とを熱交換させるための熱交換器である。凝縮器20を流れる作動流体と熱交換を行う所定の受熱媒体は、例えば冷凍サイクルを循環する冷媒、または、冷却水回路を循環する冷却水、または空気など、種々の熱媒体を採用することが可能である。例えば、凝縮器20を流れる作動流体と熱交換を行う所定の受熱媒体として空気を採用した場合、凝縮器20は、図示していないファンにより送風される空気または走行風と、気相の作動流体とを熱交換させる空冷式の熱交換器として構成される。その場合、凝縮器20を流れる気相の作動流体は、その凝縮器20を通過する空気に放熱することで凝縮する。なお、凝縮器20は、一般に、車両の前方のエンジンルーム内に設けられる。
ガス配管30は、複数の熱交換器11A、11B、11Cの内部で蒸発した気相の作動流体を凝縮器20に流すための流路である。液配管40は、凝縮器20の内部で凝縮した液相の作動流体を複数の熱交換器11A、11B、11Cに流すための流路である。本実施形態では、ガス配管30と液配管40と各上ヘッダタンク111a、111b、111cと各下ヘッダタンク112a、112b、112cとが、複数の熱交換コア部と凝縮器との間を環状につなぐ環状流路を構成している。
ガス配管30および液配管40は、複数の熱交換器11A、11B、11Cを並列に接続している。ガス配管30は、各熱交換器11A、11B、11Cの出口側同士を接続している。ガス配管30は、複数の熱交換器11A、11B、11Cのそれぞれから流出した作動流体が合流する複数の合流部308、310を含む。液配管40は、各熱交換器11A、11B、11Cの入口側同士を接続している。液配管40は、複数の熱交換器11A、11B、11Cのそれぞれに向けて作動流体が分岐する複数の分岐部408、410を含む。
ガス配管30は、凝縮器20側に1つの端部を有する。その1つの端部は、凝縮器20と接続されている。ガス配管30は、凝縮器20側とは反対側に複数の端部を有する。その複数の端部のそれぞれは、3つの熱交換器11A、11B、11Cの流出口115a、115b、115cのそれぞれと接続されている。具体的には、ガス配管30は、第1出口配管302と、第2出口配管304と、第3出口配管306と、第1出口接続部308と、第2出口接続部310と、出口連結配管312と、合流後配管314とを含む。
第1出口配管302は、第1熱交換器11Aの流出口115aにつながっている。第2出口配管304は、第2熱交換器11Bの流出口115bにつながっている。第3出口配管306は、第3熱交換器11Cの流出口115cにつながっている。第1出口配管302、第2出口配管304および第3出口配管306のそれぞれは、分岐した作動流体が流れる分岐流路を内部に形成している。第1出口配管302、第2出口配管304および第3出口配管306は、複数の熱交換コア部113a、113b、113cのそれぞれの作動流体の出口側につながる出口側の複数の分岐流路を構成している。出口側の複数の分岐流路は、1つの分岐部または複数の分岐部で分岐した作動流体が流れる流路である。出口側の複数の分岐流路は、各熱交換コア部と全流れ合流部との間に位置する流路である。
第1出口接続部308には、第1出口配管302が接続されている。第2出口接続部310には、第2出口配管304と第3出口配管306とが接続されている。出口連結配管312は、第1出口接続部308と第2出口接続部310とを連結している。合流後配管314の一方の端部は、第1出口接続部308に接続されている。合流後配管314の他方の端部は、凝縮器20に接続されている。
液配管40は、凝縮器20側に1つの端部を有する。その1つの端部は、凝縮器20と接続されている。液配管40は、凝縮器20側とは反対側に複数の端部を有する。その複数の端部のそれぞれは、3つの熱交換器11A、11B、11Cの流入口116a、116b、116cのそれぞれと接続されている。具体的には、液配管40は、第1入口配管402と、第2入口配管404と、第3入口配管406と、第1入口接続部408と、第2入口接続部410と、入口連結配管412と、分岐前配管414とを含む。
第1入口配管402は、第1熱交換器11Aの流入口116aにつながっている。第2入口配管404は、第2熱交換器11Bの流入口116bにつながっている。第3入口配管406は、第3熱交換器11Cの流入口116cにつながっている。第1入口配管402、第2入口配管404および第3入口配管406のそれぞれは、分岐した作動流体が流れる分岐流路を内部に形成している。第1入口配管402、第2入口配管404および第3入口配管406は、複数の熱交換コア部113a、113b、113cのそれぞれの作動流体の入口側につながる入口側の複数の分岐流路を構成している。入口側の複数の分岐流路は、1つの分岐部または複数の分岐部で分岐した作動流体が流れる流路である。入口側の複数の分岐流路は、1つの分岐部または複数の分岐部のうち最上流側に位置する最上流側分岐部と各熱交換コア部との間に位置する流路である。
第1入口接続部408には、第1入口配管402が接続されている。第2入口接続部410には、第2入口配管404と第3入口配管406とが接続されている。入口連結配管412は、第1入口接続部408と第2入口接続部410とを連結している。分岐前配管414の一方の端部は、第1入口接続部408に接続されている。分岐前配管414の他方側の端部は、凝縮器20に接続されている。
なお、ガス配管30と液配管40は、便宜上の呼び名であり、気相または液相の作動流体のみが流れる配管という意味ではない。すなわち、ガス配管30と液配管40のいずれにも、気相と液相の両方の作動流体が流れることがある。また、ガス配管30と液配管40の形状等は、車両への搭載性を考慮して適宜変更可能である。
図4に示すように、本実施形態の機器温調装置1では、第1出口配管302は流路縮小部316を有する。流路縮小部316は、第1出口配管302のうち流路縮小部316よりも作動流体流れFL1の上流側の直前部分の流路断面積と比較して、第1出口配管302の流路断面積を縮小させている。第1出口配管302は、流路縮小部316を除いて、流路断面積が一定である。流路縮小部316は、第1熱交換コア部113aを流れる作動流体の圧力損失を増加させる圧力損失増加部である。
図4、5に示すように、流路縮小部316は、第1出口配管302の内径D1よりも内径D2が小さな円環状部材318で構成されている。円環状部材318は、第1出口配管30とは別体に構成されている。円環状部材318は、第1出口配管302の内部に接合されている。
次に、機器温調装置1の作動について、図6を用いて説明する。
電池2の冷却時、凝縮器20では、気相の作動流体と所定の受熱媒体との熱交換が行われる。具体的には、車両が停車中の時には、凝縮器20に送風するための図示しないファンが駆動され、ファンによる送風が行われる。なお、車両が走行中の場合は、走行風が凝縮器20に流れるため、ファンの駆動は必要ない。或いは、凝縮器20を流れる作動流体と熱交換を行うための図示しない冷凍サイクルの圧縮機が駆動され、その冷凍サイクルを冷媒が循環する。または、凝縮器20を流れる作動流体と熱交換を行うための図示しない冷却水回路のポンプが駆動され、その冷却水回路を冷却水が循環する。
これにより、凝縮器20で凝縮して液相となった作動流体は、凝縮器20から流出する。凝縮器20から流出した作動流体は、自重により分岐前配管414を流下する。分岐前配管414を流れる作動流体は、第1入口接続部408で、第1入口配管402を流れる作動流体と、入口連結配管412を流れる作動流体とに分岐する。第1入口配管402を流れる作動流体は、第1下ヘッダタンク112aを介して、第1熱交換コア部113aに流入する。入口連結配管412を流れる作動流体は、第2入口接続部410で、第2入口配管404を流れる作動流体と、第3入口配管406を流れる作動流体とに分岐する。第2入口配管404を流れる作動流体は、第2下ヘッダタンク112bを介して、第2熱交換コア部113bに流入する。第3入口配管406を流れる作動流体は、第3下ヘッダタンク112cを介して、第3熱交換コア部113cに流入する。
各熱交換コア部113a、113b、113cでは、液相の作動流体は、各電池モジュール2a、2b、2cと熱交換することにより蒸発する。この過程で、各電池モジュール2a、2b、2cは、作動流体の蒸発潜熱により冷却される。その後、気相となった作動流体は、各熱交換コア部113a、113b、113cから流出する。
第3熱交換コア部113cから流出した作動流体は、第3上ヘッダタンク111cを介して、第3出口配管306を流れる。第2熱交換コア部113bから流出した作動流体は、第2上ヘッダタンク111bを介して、第2出口配管304を流れる。第1熱交換コア部113aから流出した作動流体は、第1上ヘッダタンク111aを介して、第1出口配管302を流れる。第3出口配管306を流れる作動流体は、第2出口接続部310で、第2出口配管304を流れる作動流体と合流する。第2出口接続部310で合流した作動流体は、出口連結配管312を流れる。出口連結配管312を流れる作動流体は、第1出口接続部308で、第1出口配管302を流れる作動流体と合流する。第1出口接続部308で合流した作動流体は、凝縮器20に向かって、合流後配管314を流れる。
本実施形態では、第1入口接続部408および第2入口接続部410が、凝縮器から流出した作動流体の流れを複数の熱交換コア部のそれぞれに向けて分岐させる複数の分岐部を構成している。第1入口接続部408が、複数の分岐部のうち最上流側に位置する最上流側分岐部を構成している。第1出口接続部308および第2出口接続部310が、複数の熱交換コア部のそれぞれから流出した作動流体の流れを合流させる複数の合流部を構成している。第1出口接続部308が、複数の熱交換コア部のそれぞれから流出した作動流体の流れの全部を合流させる全流れ合流部を構成している。
次に、本実施形態の機器温調装置1が奏する効果について、図7に示す比較例1の機器温調装置J1と対比して説明する。比較例1の機器温調装置J1が、上記した検討例の機器温調装置である。
比較例1の機器温調装置J1は、流路縮小部316を有していない点が本実施形態の機器温調装置1と異なる。比較例1の機器温調装置J1の他の構成は、本実施形態の機器温調装置1と同じである。
比較例1の機器温調装置J1では、第1入口接続部408から各熱交換コア部113a、113b、113cを通って第1出口接続部308まで作動流体が流れる各作動流体の経路の長さが異なる。具体的には、複数の熱交換コア部113a、113b、113bは、凝縮器20に近い側から遠い側へ向かって第1熱交換コア部113a、第2熱交換コア部113b、第3熱交換コア部113cの順に配置されている。凝縮器20に近い熱交換コア部ほど、各作動流体の経路が短くなるように、環状流路が構成されている。図7では、第1熱交換コア部113aを通る作動流体の経路と、第3熱交換コア部113cを通る作動流体の経路とを、矢印で示している。
このため、各熱交換コア部113a、113b、113cを流れる作動流体に圧力損失の差が発生する。この圧力損失の差により、各熱交換コア部113a、113b、113cの内部の液面の高さh1、h2、h3にばらつきが発生する。なお、各熱交換コア部113a、113b、113cの内部では、液がガス化して吹き上がっており、液面を観察することができない。このため、本明細書でいう液面とは、圧力バランスより規定される理論上の等価液面のことである。
ここで、第1熱交換コア部113aを流れる作動流体に生じる圧力損失の大きさΔP1とする。第3熱交換コア部113cを流れる作動流体に生じる圧力損失の大きさをΔP3とする。液相の作動流体の密度をρとする。重力加速度をgとする。このとき、流体のエネルギーの保存の法則から次の式(1)が成立する。式(1)より、式(2)が導かれる。
ΔP3+ρ×g×h3=ΔP1×ρ×g×h・・・(1)
ΔP1-ΔP3=ρ×g×(h1-h3) ・・・(2)
式(2)に示されるように、圧力損失の差は、液面の差として表れる。
図8に示すように、熱交換コア部の冷却能力は、液面の高さに大きく依存する。液面が高い場合、熱交換コア部の上下方向の全体に液があるため、冷却性能は高い。液面が低い場合、熱交換コア部の上部が冷えないため、冷却性能は低い。液面が図8に示す「中」の高さの場合、気泡により液が吹き上がり、熱交換コア部の上部の内面が濡れる。このため、冷却性能は高い。
したがって、図9に示すように、液面の高さが高いほど、熱交換コア部の冷却能力が高くなる。なお、図9のグラフの横軸は、熱交換コア部のチューブの下面の位置を0とし、チューブの上面の位置を10とした場合の液面の高さを示している。図9の縦軸は、熱抵抗、すなわち、冷却性能を示している。熱抵抗は、冷却対象物と作動流体の温度差である。熱抵抗が小さいほど、冷却性能が高い。
ただし、液面の高さがある程度の高さ以上になると、すなわち、液面が図8に示す「中」の高さ以上になると、冷却性能はサチュレートとする。
このため、液面のばらつきが起因となって、各熱交換コア部113a、113b、113cの冷却能力のばらつきが発生する。この場合、図10に示すように、圧力損失が大きな第3熱交換コア部113cでは、所望の冷却能力を確保するためのめやすの液面高さよりも、液面の高さが低くなる。このため、第3熱交換コア部113cでは、所望の冷却能力が得られないという課題が本発明者によって見出された。
特に、本実施形態のように、機器温調装置1が電動車両に搭載される場合に、上記の課題が顕著に現れる。本実施形態のように、複数の熱交換器11A、11B、11Cが、車両走行用の電力を供給する電池2を冷却する場合、電池2は、上述の通り、複数の電池セル3が組み合わされた電池モジュール2a、2b、2cが複数個接続されて構成される。このため、各電池モジュール2a、2b、2cに設置された熱交換器間の距離が長くなる。各熱交換器11A、11B、11Cを流れる作動流体の経路に差が生じ、各熱交換器11A、11B、11Cを流れる作動流体の圧力損失差が大きくなる。そうなると、上述のように、冷却能力のばらつきが発生することで、電池モジュール2a、2b、2c間で、電池セル3の温度ばらつきが発生する。この結果、電池2の全体での性能が低下してしまう。
そこで、本実施形態の機器温調装置1では、第1出口配管302は流路縮小部316を有する。第1入口接続部408から各熱交換コア部113a、113b、113cを通って第1出口接続部308まで作動流体が流れる各作動流体の経路の中で、第1熱交換コア部113aを通る経路が最も短い。各作動流体の経路の長さは、第1入口接続部408から第1出口接続部308までの配管に沿った距離である。このため、第1出口配管302が流路縮小部316を有していない場合、第1熱交換コア部113aを流れる作動流体の圧力損失が最も小さい。第1出口配管302が流路縮小部316を有することで、第1熱交換コア部113aを通る経路の圧力損失が増大されている。これにより、各熱交換コア部113a、113b、113cを流れる作動流体の圧力損失の差が抑制されている。
このように、本実施形態の機器温調装置1では、環状流路の出口側部分は、第1熱交換コア部113aの出口から第1出口接続部308までの圧力損失を増大させることにより、各熱交換コア部113a、113b、113cを流れる作動流体に生じる圧力損失の差を抑制するように構成されている。環状流路の出口側部分は、環状流路のうち各熱交換コア部113a、113b、113cの出口側から第1出口接続部308までの部分である。これにより、図11に示すように、第1熱交換コア部113aの液面高さと、他の熱交換コア部113b、113cの液面高さとの差を小さくすることができる。すなわち、各熱交換コア部113a、113b、113cの液面高さのばらつきを抑制することができる。したがって、各熱交換コア部113a、113b、113cの冷却能力のばらつきを抑制することができる。
換言すると、図11に示すように、各熱交換コア部113a、113b、113cの液面高さを、所望の液面高さ以上にすることができる。したがって、各熱交換コア部113a、113b、113cの冷却能力を、所望の能力以上にすることができる。この結果、電池モジュール2a、2b、2c間で発生する電池セル3の温度ばらつきを抑制することができる。
ところで、上記の課題を解決するために、比較例1の機器温調装置1において、作動流体の封入量を増加させることが考えられる。すなわち、図12に示すように、各熱交換コア部113a、113b、113cにおける等価液面の高さが所定の冷却性能を満足する高さとなるように、作動流体の封入量が設定されていることが考えられる。所定の冷却性能とは、各熱交換コア部113a、113b、113cに所定の発熱量を加えた場合に発揮する冷却性能である。
これによれば、各熱交換コア部113a、113b、113cの冷却能力を、所望の能力以上にすることができる。この結果、電池モジュール2a、2b、2c間で発生する電池セル3の温度ばらつきを抑制することができる。しかしながら、この場合、作動流体の封入量が必要以上に多くなる。このため、機器温調装置1の重量が増大したり、コストが増大したりすることから、好ましくない。
また、本実施形態によれば、図4、5に示す円環状部材318を設置する付随的な効果として、液冷媒のガス配管30への流入を抑制する効果が得られる。ここで、液冷媒がガス配管30へ流入すると、ガス配管30の実質的なガス流路断面積が減少する。このため、圧力損失が上昇する。液冷媒を上部へ持ち上げることによるエネルギーロスが生じる。そこで、円環状部材318を設置することで、上述の事象を解消することができる。
(第2実施形態)
図13に示すように、本実施形態では、第1実施形態に対して、第2流路縮小部320が追加されている。以下では、第1実施形態と異なる部分について説明する。なお、本実施形態では、第1実施形態の流路縮小部316を第1流路縮小部316と呼ぶ。第1実施形態の円環状部材318を第1円環状部材318と呼ぶ。第1流路縮小部316は、圧力損失増加部としての第1増加部に相当する。
図14に示すように、第2出口配管304は、第2流路縮小部320を有している。第2流路縮小部320は、第2出口配管304のうち第2流路縮小部320よりも作動流体流れF1の上流側の直前部分の流路断面積と比較して、第2出口配管304の流路断面積を縮小させている。第2流路縮小部320は、第2熱交換コア部113bを流れる作動流体の圧力損失を増加させる圧力損失増加部である。第2流路縮小部320は、圧力損失増加部としての第2増加部に相当する。
図14、15に示すように、第2流路縮小部320は、第2出口配管304の内径D1よりも内径D3が小さい第2円環状部材322で構成されている。第2円環状部材322は、第2出口配管304とは別体に構成されている。第2円環状部材322は、第2出口配管304の内部に接合されている。
第1入口接続部408から各熱交換コア部113a、113b、113cを通って第1出口接続部308まで作動流体が流れる作動流体の経路は、第1熱交換コア部113a、第2熱交換コア部113b、第3熱交換コア部113cの順に短くなっている。作動流体の経路が短い方が、各熱交換コア部113a、113b、113cを流れる作動流体の圧力損失が小さい。
そこで、本実施形態では、3つの経路のうち短い方の2つの経路を構成する第1、第2出口配管302、304に、第1、第2流路縮小部316、320が設けられている。さらに、第2円環状部材322の内径D3は、第1円環状部材318の内径D2よりも大きくなっている。このため、第1流路縮小部316による圧力損失の増加量は、第2流路縮小部320による圧力損失の増加量よりも大きくなっている。
これにより、各熱交換コア部113a、113b、113cを流れる作動流体の圧力損失の差がより抑制されている。
本実施形態では、機器温度調整部10は、3つの熱交換器11A、11B、11Cにより構成されていた。しかしながら、機器温度調整部10は、4つ以上の複数の熱交換器により構成されていてもよい。この場合、複数の熱交換器のうち2つ以上の熱交換器を通る経路に対して流路縮小部を設けてもよい。このとき、凝縮器20に近い熱交換器を通る経路ほど、熱交換コア部を流れる作動流体の圧力損失が大きくなるように、各流路縮小部の流路幅を設定することが好ましい。
(第3実施形態)
本実施形態では、流路縮小部316の構成が第1実施形態と異なる。機器温調装置1の他の構成は、第1実施形態と同じである。
図16に示すように、本実施形態では、流路縮小部316は、配管が片側からつぶされることで形成されている。このように、流路縮小部316は、配管に直接設けられていてもよい。
また、図17に示すように、配管が両側からつぶされることで、流路縮小部316が形成されていてもよい。また、第2実施形態の第1流路縮小部316および第2流路縮小部320についても、本実施形態と同様の方法で形成することができる。
(第4実施形態)
図18に示すように、本実施形態は、第1実施形態の流路縮小部316を流路拡大縮小部324に変更したものである。機器温調装置1の他の構成は、第1実施形態と同じである。
流路拡大縮小部324は、作動流体の流れ方向の上流側から下流側に進むにつれて、第1出口配管302の流路断面積を拡大した後、第1出口配管302の流路断面積を縮小している。流路拡大縮小部324では、第1出口配管302の流路幅が、流路幅D1から流路幅D4に拡大した後、流路幅D1に縮小されている。
換言すると、流路拡大縮小部324は、流路幅D1から流路幅D4に拡大する拡大部と、流路幅D4から流路幅D1に縮小する縮小部とを有する。したがって、本実施形態の流路拡大縮小部324の一部は、流路断面積を縮小する流路縮小部を構成している。
本実施形態では、流路拡大縮小部324の拡大部と縮小部との両方によって第1出口配管302の圧力損失が増加している。本実施形態では、流路拡大縮小部324が圧量損失増加部を構成している。これにより、第1実施形態と同様に、圧力損失差が抑制されている。このため、第1実施形態と同様の効果が得られる。
また、第2実施形態と同様に、本実施形態の流路拡大部を、第1出口配管302と第2出口配管304とのそれぞれ設けてもよい。この場合、凝縮器20に近い熱交換器の経路ほど、流路断面積の拡大率を大きくするとよい。
また、本実施形態によれば、流路拡大縮小部324を設置する付随的な効果として、液冷媒のガス配管30への流入を抑制する効果が得られる。流路が拡大することで、作動流体の流速が下がる。その結果、流路拡大縮小部324において、液冷媒が下に貯まりやすくなり、気液分離される。その結果、液冷媒のガス配管30への流入を抑制することができる。
(第5実施形態)
図19に示すように、本実施形態は、第1実施形態の流路縮小部316を流路曲がり部326に変更したものである。機器温調装置1の他の構成は、第1実施形態と同じである。
流路曲がり部326は、第1出口配管302のうち流路が曲がっている部分である。第1出口配管302のうち流路曲がり部326を除く部分は、直線状に延びている。
本実施形態においても、流路曲がり部326によって第1熱交換コア部113aを流れる作動流体の圧力損失が増加している。よって、流路曲がり部326が圧量損失増加部を構成している。
また、第2実施形態と同様に、本実施形態の流路曲がり部326を、第1出口配管302と第2出口配管304とのそれぞれ設けてもよい。この場合、凝縮器20に近い熱交換器の経路ほど、直線状部分からの曲がりの角度を大きくしたり、円弧状に曲がっている部分の曲率半径を小さくしたりするとよい。
(第6実施形態)
図20に示すように、本実施形態では、第1出口配管302が流路縮小部316を有しておらず、第1入口配管402が流路縮小部416を有している。機器温調装置1の他の構成は、第1実施形態と同じである。
図21に示すように、流路縮小部416は、第1入口配管402のうち流路縮小部416よりも作動流体流れFL1の上流側の直前部分の流路断面積と比較して、第1入口配管402の流路断面積を縮小させている。第1入口配管402は、流路縮小部416を除いて、流路断面積が一定である。
図21、22に示すように、流路縮小部416は、第1実施形態と同様に、第1入口配管402を構成する配管の内径よりも内径が小さな円環状部材418で構成されている。円環状部材418は、第1入口配管402を構成する配管とは別体に構成されている。円環状部材418は、第1入口配管402を構成する配管の内部に接合されている。
このように、液配管40に流路縮小部416を設けても、第1実施形態と同様の効果が得られる。なお、本実施形態においても、第2実施形態と同様に、第1入口配管402と第2入口配管404とのそれぞれに流路縮小部を設けてもよい。また、本実施形態の流路縮小部416を、第4実施形態の流路拡大縮小部324に変更してもよい。また、本実施形態の流路縮小部416を、第5実施形態の流路曲がり部326に変更してもよい。
(第7実施形態)
図23に示すように、本実施形態では、複数の熱交換器として2つの熱交換器11A、11Bが用いられている。機器温調装置1の他の構成は、第1実施形態と同じである。
本実施形態においても、第1実施形態と同様に、第1出口配管302は流路縮小部316を有している。このため、第1実施形態と同様の効果が得られる。
(第8実施形態)
図24Aに示すように、本実施形態では、ガス配管30は流路縮小部316を有していない。ガス配管30はバイパス配管330を有している。機器温調装置1の他の構成は、第1実施形態と同じである。
バイパス配管330の一方の端部は、第3出口配管306の途中に設けられた第3出口接続部332に接続されている。第3出口接続部332は、第3熱交換コア部113cからの配管に沿った距離と、第2熱交換コア部113bからの配管に沿った距離とが等しい位置に配置されている。バイパス配管330の他方の端部は、ガス配管30のうち第1出口接続部308よりも作動流体流れの下流側に設けられた第4出口接続部334に接続されている。本実施形態では、出口連結配管312を第1出口連結配管312と呼ぶ。第1出口接続部308と第4出口接続部334とは、第2出口連結配管336によって連結されている。第4出口接続部334に、合流後配管314の一方の端部が接続されている。
本実施形態では、各熱交換コア部113a、113b、113cから流出した作動流体は、ガス配管30を次のように流れる。
第3熱交換コア部113cから流出した作動流体は、第3出口接続部332からバイパス配管330に流入し、第4出口接続部334に向かってバイパス配管330を流れる。第2熱交換コア部113bから流出した作動流体は、第2出口接続部310で分岐する。第2出口接続部310で分岐した一方の作動流体は、第3出口接続部332に向かって流れ、第3出口接続部332で、第3熱交換コア部113cから流出した作動流体と合流する。第2出口接続部310で分岐した他方の作動流体は、第1出口接続部308に向かって流れる。第1熱交換コア部113aから流出した作動流体は、第1出口接続部308で、第2熱交換コア部113bから流出した他方の作動流体と合流する。第1出口接続部308で合流した作動流体は、第4出口接続部334に向かって第2出口連結配管336を流れる。バイパス配管330を流れる作動流体と、第2出口連結配管336を流れる作動流体とは、第4出口接続部334で合流する。第4出口接続部334で合流した作動流体は、凝縮器20に向けて合流後配管314を流れる。
上述の通り、第1出口接続部308では、第1熱交換コア部113aから流出した作動流体の流れと第2熱交換コア部113bから流出した作動流体の流れとが合流する。したがって、第1出口接続部308は、第1熱交換コア部から流出した作動流体の流れと第2熱交換コア部から流出した作動流体の流れとが合流する部分合流部を構成している。
また、第4出口接続部334では、各熱交換コア部113a、113b、113cから流出した作動流体の流れの全部が合流する。したがって、第4出口接続部334は、各熱交換コア部から流出した作動流体の流れの全部が合流する全流れ合流部を構成している。
また、第2出口連結配管336では、第1出口接続部308で合流した作動流体が、第4出口接続部334に向かって流れる。したがって、第2出口連結配管336は、部分合流部から全流れ合流部に作動流体を流す部分合流流路を構成している。
また、第2出口配管304および第3出口配管306は、第2熱交換コア部と第3熱交換コア部のそれぞれの作動流体の出口側を連結するコア部連結流路を構成している。バイパス配管330は、第3熱交換コア部113cから流出した作動流体を、第1出口接続部308を迂回させて第4出口接続部334に流す出口側迂回流路を構成している。また、ガス配管30のうち各熱交換コア部113a、113b、113cの作動流体の出口側から第4出口接続部334までの間の出口側部分が、環状流路のうち第1熱交換コア部、第2熱交換コア部および第3熱交換コア部のそれぞれの作動流体の出口側から全流れ合流部までの間の出口側部分を構成している。
また、本実施形態においても、第3熱交換コア部113cは、第1熱交換コア部113a、第2熱交換コア部113bおよび第3熱交換コア部113cの中で、凝縮器20から最も離れた位置に配置されている。凝縮器20から各熱交換コア部113a、113b、113cを通って凝縮器20まで作動流体が流れる作動流体の経路のうち第3熱交換コア部113cを通る作動流体の経路が最も長くなるように、環状流路が構成されている。このため、各熱交換コア部113a、113b、113cと凝縮器20とを直線で結んだ距離で比較した場合に限らず、各熱交換コア部113a、113b、113cから凝縮器20へ向かって作動流体が流れる流路に沿った距離で比較しても、第3熱交換コア部113cは、凝縮器20から最も離れた位置に配置されている。さらに、凝縮器20から各熱交換コア部113a、113b、113cに向かって作動流体が流れる流路に沿った距離で比較しても、第3熱交換コア部113cは、凝縮器20から最も離れた位置に配置されている。
ここで、各熱交換コア部113a、113b、113cを流れる作動流体の圧力損失の差について、本実施形態の機器温調装置1と、図25に示す比較例1の機器温調装置J1とを比較する。比較例1の機器温調装置J1は、バイパス配管330を有していない点が本実施形態の機器温調装置1と異なる。比較例1の機器温調装置J1の他の構成は、本実施形態の機器温調装置1と同じである。比較例1の機器温調装置J1における作動流体の流れは、図6に示す第1実施形態の機器温調装置1における作動流体の流れと同じである。
図25に示すように、合流後配管314を流れる作動流体の流量をGrとする。各熱交換コア部113a、113b、113cを作動流体が均等に流れると仮定する。この場合、第3出口配管306を流れる作動流体の流量は、1/3Grである。出口連結配管312を流れる作動流体の流量は、2/3Grである。このように、ガス配管30のうち全流れ合流部である第1出口接続部308よりも上流側では、出口連結配管312を流れる作動流体の流量が最も多い。
また、比較例1の機器温調装置J1において、各熱交換コア部113a、113b、113cの経路を比較する。各熱交換コア部113a、113b、113cの経路とは、各熱交換コア部113a、113b、113cから全流れ合流部である第1出口接続部308まで作動流体が流れるときの作動流体の経路である。
第3熱交換コア部113cの経路には、第3出口配管306と出口連結配管312とが含まれる。第2熱交換コア部113bの経路には、第2出口配管304と出口連結配管312が含まれる。第1熱交換コア部113aの経路には、第1出口配管302が含まれ、出口連結配管312が含まれない。
流路断面積が一定である場合、流路を流れる作動流体の流量が多いほど、作動流体の流速が大きくなる。一般的に、流体の圧力損失は、流速の1~2乗に比例する。このため、作動流体の経路に、作動流体の流量が多い部分が含まれることによって、作動流体に生じる圧力損失が大きくなる。
上述の通り、第3熱交換コア部113cの経路には、流量が最も多い出口連結配管312が含まれる。第1熱交換コア部113aの経路には、流量が最も多い出口連結配管312が含まれない。このため、第3熱交換コア部113cの経路での作動流体の圧力損失は、第1熱交換コア部113aの経路での作動流体の圧力損失よりも大きい。
また、第2熱交換コア部113bの経路には、流量が最も多い出口連結配管312が含まれる。このため、第2熱交換コア部113bの経路での作動流体の圧力損失は、第1熱交換コア部113aの経路での作動流体の圧力損失よりも大きい。このように、第3熱交換コア部113bの経路に、作動流体の流量が多い部分が含まれることも、各熱交換コア部113a、113b、113cの作動流体の圧力損失の差が大きくなる理由である。
図24Aに示すように、本実施形態において、比較例1と同様に、合流後配管314を流れる作動流体の流量をGrとする。各熱交換コア部113a、113b、113cを作動流体が均等に流れると仮定する。この場合、第3熱交換コア部113cから第3出口接続部332に向けて第3出口配管306を流れる作動流体の流量は、1/3Grである。第2熱交換コア部113bから流出して第2出口接続部310で分岐する一方と他方の作動流体の流量は、それぞれ1/6Grである。したがって、バイパス配管330を流れる作動流体の流量は、1/2Grである。第1出口連結配管312を流れる作動流体の流量は、1/6Grである。出口連結配管312を流れる作動流体の流量は、1/2Grである。
また、本実施形態において、各熱交換コア部113a、113b、113cの経路を比較する。ここでいう各熱交換コア部113a、113b、113cの経路とは、各熱交換コア部113a、113b、113cから全流れ合流部である第4出口接続部334まで作動流体が流れるときの作動流体の経路である。
第3熱交換コア部113cの経路には、第3出口配管306のうち第3出口接続部332よりも第3熱交換コア部113c側の部分と、バイパス配管330とが含まれる。第2熱交換コア部113bの経路は2つある。その一方の経路には、第2出口配管304と、第3出口配管306のうち第3出口接続部332よりも第2熱交換コア部113b側の部分と、バイパス配管330とが含まれる。その他方の経路には、第2出口配管304と、第1出口連結配管312と、第2出口連結配管336とが含まれる。第1熱交換コア部113aの経路には、第1出口配管302と第2出口連結配管336とが含まれる。
本実施形態では、第3熱交換コア部113cの経路において、作動流体の流量が最大となる部分は、バイパス配管330である。バイパス配管330の流量は、比較例1の出口連結配管312の流量よりも少ない。このため、比較例1と比較して、第3熱交換コア部113cの経路での作動流体の圧力損失を減少させることができる。
また、第2熱交換コア部113bの経路において、作動流体の流量が最大となる部分での最大流量は、比較例1の出口連結配管312の流量よりも少ない。このため、比較例1と比較して、第2熱交換コア部113bの経路での作動流体の圧力損失を減少させることができる。
これにより、本実施形態の機器温調装置1によれば、比較例1の機器温調装置J1と比較して、各熱交換コア部113a、113b、113cを流れる作動流体の圧力損失の差を抑制することができる。このように、本実施形態の機器温調装置1では、環状流路の出口側部分は、第2熱交換コア部113bの出口から第4出口接続部334、および第3熱交換コア部113cの出口から第4出口接続部334までの圧力損失を減少させることにより、各熱交換コア部113a、113b、113cを流れる作動流体に生じる圧力損失の差を抑制するように構成されている。環状流路の出口側部分は、環状流路のうち各熱交換コア部113a、113b、113cの出口側から第4出口接続部334までの部分である。これにより、比較例1の機器温調装置J1において図10のようであった各熱交換コア部113a、113b、113cの液面高さを、図24Bに示す液面高さにすることができる。すなわち、図24Bに示すように、第2、第3熱交換コア部113b、113cの液面高さを第1熱交換コア部113aの液面高さに近づけることができる。この結果、各熱交換コア部113a、113b、113cの液面高さのばらつきを抑制することができる。よって、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第9実施形態)
図26、27、28に示すように、本実施形態では、バイパス配管330は、ガス配管30の他の一部と当接している。機器温調装置1の他の構成は、第8実施形態と同じである。ガス配管30の他の一部は、第3出口配管306の一部と、第1出口連結配管312と、第2出口連結配管336とを含む。ガス配管30の他の一部は、環状流路の出口側部分のうち出口側迂回流路を除く部分の一部を構成している。
このように、本実施形態では、バイパス配管330は、ガス配管30の他の一部と当接している。これによれば、バイパス配管330がガス配管30の他の一部と離れている場合と比較して、ガス配管30の設置領域を小さくすることができる。なお、バイパス配管330の全部ではなく、バイパス配管330の一部のみが、ガス配管30の他の一部と当接していてもよい。
(第10実施形態)
図29、30、31に示すように、本実施形態では、バイパス配管330はガス配管30の他の一部の内部に配置されている。機器温調装置1の他の構成は、第8実施形態と同じである。ガス配管30の他の一部は、第3出口配管306の一部と、出口連結配管312と、第2出口連結配管336とを含む。ガス配管30の他の一部は、環状流路の出口側部分のうち出口側迂回流路を除く部分の一部を構成している。
本実施形態では、バイパス配管330の一方の端部330aは、第3出口配管306の内部に位置する。バイパス配管330の他方の端部330bは、ガス配管30のうち第1出口接続部308よりも凝縮器20側の一部の内部に位置する。本実施形態では、ガス配管30のうち他方の端部330bの周辺部331が、全流れ合流部を構成している。第2出口連結配管336は、ガス配管30のうち第1出口接続部308と周辺部331との間の部分である。
このように、本実施形態では、バイパス配管330とガス配管30の他の一部とは、二重管で構成されている。これによれば、バイパス配管330がガス配管30の他の一部と離れている場合と比較して、ガス配管30の設置領域を小さくすることができる。なお、バイパス配管330の全部ではなく、バイパス配管330の一部のみが、ガス配管30の他の一部の内部に位置していてもよい。
(第11実施形態)
図32に示すように、本実施形態では、第8実施形態の機器温調装置1に対して、第1実施形態の流路縮小部316が追加されている。流路縮小部316は、第1出口配管302に設けられている。機器温調装置1の他の構成は、第8実施形態の機器温調装置1と同じである。
本実施形態によれば、第8実施形態と第1実施形態との両方の効果が得られる。よって、第8実施形態と第1実施形態とがそれぞれ単独の場合と比較して、より高い効果が得られる。なお、第1出口配管302ではなく、第2出口連結配管336が流路縮小部316有していてもよい。また、本実施形態の流路縮小部316を、第4実施形態の流路拡大縮小部324に変更してもよい。また、本実施形態の流路縮小部316を、第5実施形態の流路曲がり部326に変更してもよい。
(第12実施形態)
図33に示すように、本実施形態では、ガス配管30は第1実施形態の流路縮小部316を有していない。液配管40はバイパス配管420を有している。機器温調装置1の他の構成は、第1実施形態と同じである。
バイパス配管420の一方の端部は、第3入口配管406の途中に設けられた第3入口接続部422に接続されている。第3入口接続部422は、第3熱交換コア部113cからの配管に沿った距離と、第2熱交換コア部113bからの配管に沿った距離とが等しい位置に配置されている。バイパス配管420の他方の端部は、液配管40のうち第1入口接続部408よりも作動流体流れの上流側に設けられた第4入口接続部424に接続されている。本実施形態では、入口連結配管412を第1入口連結配管412と呼ぶ。第1入口接続部408と第4入口接続部424とは、第2入口連結配管426によって連結されている。第4入口接続部424に、分岐前配管414の一方の端部が接続されている。
本実施形態では、各熱交換コア部113a、113b、113cに向かう作動流体は、液配管40を次のように流れる。
分岐前配管414を流れる作動流体は、第4入口接続部424で、バイパス配管420を流れる作動流体と、第1入口接続部408に向かって第2入口連結配管426を流れる作動流体とに分岐する。バイパス配管420を流れる作動流体は、第3入口接続部422で分岐する。第3入口接続部422で分岐した一方の作動流体は、第3熱交換コア部113cに流入する。第3入口接続部422で分岐した他方の作動流体は、第2入口接続部410を介して、第2熱交換コア部113bに流入する。第2入口連結配管426を流れる作動流体は、第1入口接続部408で、第1熱交換コア部113aに向かう作動流体と、第1入口連結配管412を流れる作動流体とに分岐する。第1入口連結配管412を流れる作動流体は、第2入口接続部410で、第3入口接続部422で分岐した他方の作動流体と合流して、第2熱交換コア部113bに流入する。
上述の通り、第1入口接続部408では、第1熱交換コア部113aに向かう作動流体と、第2熱交換コア部113bに向かう作動流体とに、作動流体が分岐する。したがって、第1入口接続部408は、作動流体の流れを第1熱交換コア部と第2熱交換コア部とのそれぞれに向けて分岐させる第1分岐部を構成している。
第4入口接続部424では、第1入口接続部408に向かう作動流体と、第3熱交換コア部113cに向かう作動流体とに、作動流体が分岐する。したがって、第4入口接続部424は、第1分岐部よりも上流側に設けられ、作動流体の流れを第1分岐部と第3熱交換コア部とのそれぞれに向けて分岐させる最上流側分岐部としての第2分岐部を構成している。
また、第2入口配管404および第3入口配管406は、第2熱交換コア部と第3熱交換コア部のそれぞれの作動流体の入口側を連結するコア部連結流路を構成している。また、バイパス配管420は、第2分岐部から第1分岐部を迂回させて第3熱交換コア部へ作動流体を流す入口側迂回流路を構成している。液配管40のうち第4入口接続部424から各熱交換コア部113a、113b、113cの作動流体の入口側までの間の入口側部分が、環状流路のうち最上流側分岐部から第1熱交換コア部、第2熱交換コア部および第3熱交換コア部のそれぞれの作動流体の入口側までの間の入口側部分を構成している。
本実施形態によれば、下記の通り、第8実施形態と同様の効果が得られる。
図25に示す比較例1の機器温調装置J1において、分岐前配管414を流れる作動流体の流量をGrとする。各熱交換コア部113a、113b、113cを作動流体が均等に流れると仮定する。この場合、入口連結配管412を流れる作動流体の流量は、2/3Grである。第3入口配管406を流れる作動流体の流量は、1/3Grである。このように、液配管40のうち最上流側分岐部である第1入口接続部408よりも下流側では、入口連結配管412を流れる作動流体の流量が最も多い。
比較例1の機器温調装置J1では、第3熱交換コア部113cの経路には、流量が最も多い入口連結配管412が含まれる。第1熱交換コア部113aの経路には、流量が最も多い入口連結配管412が含まれない。各熱交換コア部の経路とは、第4入口接続部424から各熱交換コア部113a、113cまで作動流体が流れる作動流体の経路である。このように、第3熱交換コア部113cの経路において、作動流体の流量が多い部分が含まれることも、第3熱交換コア部113cを流れる作動流体の圧力損失が大きくなる理由である。
本実施形態の機器温調装置1において、分岐前配管414を流れる作動流体の流量をGrとする。各熱交換コア部113a、113b、113cを作動流体が均等に流れると仮定する。この場合、第3入口接続部422から第3熱交換コア部113cに向けて第3入口配管406を流れる作動流体の流量は、1/3Grである。第3入口接続部422から第2入口接続部410に向かって流れる作動流体の流量は、1/6Grである。バイパス配管330を流れる作動流体の流量は、1/2Grである。第1入口接続部408から第2入口接続部410に向かって流れる作動流体の流量は、1/6Grである。第2入口連結配管426を流れる作動流体の流量は、1/2Grである。
本実施形態の機器温調装置1では、第3熱交換コア部113cの経路において、作動流体の流量が最も多い部分は、バイパス配管420である。第3熱交換コア部113cの経路とは、第4入口接続部424から第3熱交換コア部113cまで作動流体が流れる作動流体の経路である。バイパス配管420の作動流体の流量は、比較例1の入口連結配管412の流量よりも少ない。このため、比較例1と比較して、第3熱交換コア部113cの経路での作動流体の圧力損失を減少させることができる。
これにより、本実施形態の機器温調装置1によれば、比較例1の機器温調装置J1と比較して、各熱交換コア部113a、113b、113cを流れる作動流体の圧力損失の差を抑制することができる。このように、本実施形態の機器温調装置1では、環状流路のうち第4入口接続部424から各熱交換コア部113a、113b、113cの入口側までの入口側部分は、各熱交換コア部113a、113b、113cを流れる作動流体に生じる圧力損失の差を抑制するように構成されている。
(第13実施形態)
図34に示すように、本実施形態では、第8実施形態に対して3つの熱交換器が追加されている。3つの熱交換器は、第4熱交換器11D、第5熱交換器11Eおよび第6熱交換器11Fである。第4熱交換器11Dは、第1熱交換器11Aに対して第1熱交換器11Aの長手方向で対向している。第5熱交換器11Eは、第2熱交換器11Bに対して第2熱交換器11Bの長手方向で対向している。第6熱交換器11Fは、第3熱交換器11Cに対して第3熱交換器11Cの長手方向で対向している。各熱交換器11D、11E、11Fは、第1熱交換器11Aと同様の構成である。第4熱交換器11D、第5熱交換器11E、第6熱交換器11Fの各熱交換コア部を、それぞれ、第4熱交換コア部113d、第5熱交換コア部113e、第6熱交換コア部113fと呼ぶ。
ガス配管30は、第4出口配管302aと、第5出口配管304aと、第6出口配管306aとを含む。第4出口配管302aは、第4熱交換器11Dの出口側につながっている。第4出口配管302aは、第1出口接続部308に接続されている。第5出口配管304aは、第5熱交換器11Eの出口側につながっている。第5出口配管304aは、第2出口接続部310に接続されている。第6出口配管306aは、第6熱交換器11Fの出口側につながっている。第6出口配管306aは、第3出口配管306の途中に設けられた接続部311に接続されている。
本実施形態では、第3熱交換コア部113cと第6熱交換コア部113fのそれぞれから流出した作動流体は、バイパス配管330を流れる。このため、機器温調装置1がバイパス配管330を有していない場合と比較して、各熱交換コア部113a、113b、113c、113d、113e、113fを流れる作動流体の圧力損失の差を抑制することができる。
さらに、本実施形態では、第1実施形態と同様に、第1出口配管302は、流路縮小部316を有している。第4出口配管302aは、流路縮小部316aを有している。第4出口配管302aの流路縮小部316aは、第1出口配管302の流路縮小部316と同じである。このため、機器温調装置1が流路縮小部316、316aを有していない場合と比較して、各熱交換コア部113a、113b、113c、113d、113e、113fを流れる作動流体の圧力損失の差を抑制することができる。
(第14実施形態)
図35に示すように、本実施形態では、第8実施形態に対して各熱交換器11A、11B、11Cの並び方向が変更されている。各熱交換器11A、11B、11Cは、各熱交換器11A、11B、11Cの長手方向に並んでいる。すなわち、各熱交換コア部113a、113b、113cは、各熱交換コア部113a、113b、113cの長手方向に並んでいる。各熱交換コア部113a、113b、113cは、凝縮器20に対して近い側から遠い側へ向かって、第1熱交換コア部113a、第2熱交換コア部113b、第3熱交換コア部113cの順に配置されている。各熱交換コア部113a、113b、113cから凝縮器20へ向かって作動流体が流れる流路に沿った距離で比較して、第3熱交換コア部113cは、凝縮器20から最も離れた位置に配置されている。さらに、凝縮器20から各熱交換コア部113a、113b、113cに向かって作動流体が流れる流路に沿った距離で比較して、第3熱交換コア部113cは、凝縮器20から最も離れた位置に配置されている。
各上ヘッダタンク111a、111b、111cの長手方向の一方側の端部には、作動流体が流出する流出口115a、115b、115cが設けられている。第1上ヘッダタンク111aおよび第2上ヘッダタンク111bのそれぞれの長手方向の他方側の端部には、作動流体が流出または流入する流出入口117a、117bが設けられている。各上ヘッダタンク111a、111b、111cの長手方向の一方側は、凝縮器20に近い側である。
各下ヘッダタンク112a、112b、112cの長手方向の一方側の端部には、作動流体が流入する流入口116a、116b、116cが設けられている。第1下ヘッダタンク112aおよび第2下ヘッダタンク112bのそれぞれの長手方向の他方側の端部には、作動流体が流出する流出口118a、118bが設けられている。各下ヘッダタンク112a、112b、112cの長手方向の一方側は、凝縮器20に近い側である。
ガス配管30は、第1連結配管338と、第2連結配管340と、バイパス配管330と、第3連結配管342と、合流後配管314とを含む。第1連結配管338は、第1上ヘッダタンク111aの流出入口117aと第2上ヘッダタンク111bの流出口115bとを連結している。第2連結配管340は、第2上ヘッダタンク111bの流出入口117bと第3上ヘッダタンク111cの流出口115cとを連結している。
バイパス配管330の一方の端部は、第2連結配管340の途中に設けられた第1出口接続部333に接続されている。バイパス配管330の他方の端部は、ガス配管30のうち第1上ヘッダタンク111aよりも凝縮器20側に設けられた第2出口接続部335に接続されている。第3連結配管342は、第1上ヘッダタンク111aの流出口115aと第2出口接続部335とを連結している。合流後配管314は、第2出口接続部335に接続されている。
液配管40は、第1連結配管430と、第2連結配管432と、分岐前配管414とを含む。第1連結配管430は、第1下ヘッダタンク112aの流出口118aと第2下ヘッダタンク112bの流入口116bとを連結している。第2連結配管432は、第2下ヘッダタンク112bの流出口118bと第3下ヘッダタンク112cの流入口116cとを連結している。
機器温調装置1の上記以外の構成は、第8実施形態と同じである。
本実施形態では、作動流体は、分岐前配管414から第1ヘッダタンク112aに流入する。第1下ヘッダタンク112aに流入した作動流体の一部は、第1熱交換コア部113aを流れる。第1下ヘッダタンク112aに流入した作動流体の他の一部は、流出口118aから流出し、第1連結配管430を介して、第2下ヘッダタンク112bに流入する。
第2下ヘッダタンク112bに流入した作動流体の一部は、第2熱交換コア部113bを流れる。第2下ヘッダタンク112bに流入した作動流体の他の一部は、流出口118bから流出し、第2連結配管432を介して、第3下ヘッダタンク112cに流入する。
第3下ヘッダタンク112cに流入した作動流体の一部は、第3熱交換コア部113cを流れる。第3熱交換コア部113cから流出した作動流体は、第3上ヘッダタンク111c、第2連結配管340を流れ、第1出口接続部333からバイパス配管330に流入する。バイパス配管330に流入した作動流体は、第2出口接続部335に向かってバイパス配管330を流れる。
第2熱交換コア部113bから流出した作動流体の一部は、第2上ヘッダタンク111bの流出入口117bから流出する。流出入口117bから流出した作動流体は、第2連結配管340を流れ、第1出口接続部333で、第3熱交換コア部113cから流出した作動流体に合流する。第2熱交換コア部113bから流出した作動流体の他の一部は、第2上ヘッダタンク111bの流出口115bから流出する。流出口115bから流出した作動流体は、第1連結配管338を流れ、第1上ヘッダタンク111aに流入する。
第1熱交換コア部113aから流出した作動流体は、第1上ヘッダタンク111aに流入し、第2熱交換コア部113bから流出した作動流体の他の一部と合流する。合流した作動流体は、第3連結配管342を流れ、第2出口接続部335で、バイパス配管330から流出した作動流体に合流する。合流した作動流体は、凝縮器20に向かって合流後配管314を流れる。
本実施形態では、第1下ヘッダタンク112aおよび第2下ヘッダタンク112bが、凝縮器から流出した作動流体の流れを複数の熱交換コア部のそれぞれに向けて分岐させる複数の分岐部を構成している。第1下ヘッダタンク112aが、複数の分岐部のうち最上流側に位置する最上流側分岐部を構成している。第1上ヘッダタンク111aが、第1熱交換コア部から流出した作動流体の流れと第2熱交換コア部から流出した作動流体の流れとが合流する部分合流部を構成している。
また、第2出口接続部335では、各熱交換コア部113a、113b、113cから流出した作動流体の流れの全部が合流する。したがって、第2出口接続部335は、各熱交換コア部から流出した作動流体の流れの全部が合流する全流れ合流部を構成している。
また、第3連結配管342では、第1上ヘッダタンク111aの流出入口117aで合流した作動流体が、第2出口接続部335に向かって流れる。したがって、第3連結配管342は、部分合流部から全流れ合流部に作動流体を流す部分合流流路を構成している。また、第2連結配管340は、第2熱交換コア部と第3熱交換コア部のそれぞれの作動流体の出口側を連結するコア部連結流路を構成している。
また、バイパス配管330は、第3熱交換コア部113cから流出した作動流体を、第1上ヘッダタンク111aの流出入口117aを迂回させて第2出口接続部335に流す出口側迂回流路を構成している。また、ガス配管30のうち各熱交換コア部113a、113b、113cの作動流体の出口側から第2出口接続部335までの間の出口側部分が、環状流路のうち第1熱交換コア部、第2熱交換コア部および第3熱交換コア部のそれぞれの作動流体の出口側から全流れ合流部までの間の出口側部分を構成している。
本実施形態においても、第3熱交換コア部113cから流出した作動流体が、バイパス配管330を流れる。このため、第8実施形態と同様の効果が得られる。
(第15実施形態)
図36、37に示すように、本実施形態では、第14実施形態に対して流路縮小部316が追加されている。機器温調装置1の他の構成は、第14実施形態と同じである。
第3連結配管342は、流路縮小部316を有している。流路縮小部316は、第1実施形態と同様に、円環状部材318で構成されている。
本実施形態によれば、第14実施形態と第1実施形態との両方の効果が得られる。よって、第14実施形態と第1実施形態とがそれぞれ単独の場合と比較して、より高い効果が得られる。なお、第3連結配管342ではなく、第1上ヘッダタンク111aが流路縮小部316を有していてもよい。また、本実施形態の流路縮小部316を、第4実施形態の流路拡大縮小部324に変更してもよい。また、本実施形態の流路縮小部316を、第5実施形態の流路曲がり部326に変更してもよい。
(第16実施形態)
図38に示すように、本実施形態では、第8実施形態に対して、第4熱交換器11D、第4出口配管307、第5出口接続部309、第3出口連結配管313、第4入口配管407、第3入口接続部411、第2入口連結配管413が追加されている。
第4熱交換器11Dは、第2熱交換器11Bと第3熱交換器11Cとの間に配置されている。複数の熱交換器11A、11B、11C、11Dは、凝縮器20に近い側から遠い側へ向かって第1熱交換器11A、第2熱交換器11B、第4熱交換器11D、第3熱交換器11Cの順に配置されている。第4熱交換器11Dは、第1熱交換器11A等と同様に、第4上ヘッダタンク111d、第4下ヘッダタンク112d、第4熱交換コア部113dを有する。
第4出口配管307は、第4上ヘッダタンク111dの流出口につながっている。第5出口接続部309には、第3出口配管306と第4出口配管307とが接続されている。第3出口連結配管313は、第5出口接続部309と第2出口接続部310とを連結している。第3出口接続部332は、第3熱交換コア部113cからの配管に沿った距離と、第4熱交換コア部113dからの配管に沿った距離とが等しい位置に配置されている。本実施形態では、第2出口配管304、第3出口配管306および第3出口連結配管313は、第2熱交換コア部と第3熱交換コア部のそれぞれの作動流体の出口側を連結するコア部連結流路を構成している。
第4入口配管407は、第4ヘッダタンク112dの流入口につながっている。第3入口接続部411には、第3入口配管406と第4入口配管407とが接続されている。第2入口連結配管413は、第2入口接続部410と第3入口接続部411とを連結している。
本実施形態では、凝縮器20から各熱交換コア部113a、113b、113c、113dを通って凝縮器20まで作動流体が流れる作動流体の経路において、第3熱交換コア部113cを通る経路が、第1、第2熱交換コア部113a、113bを通る経路よりも長くなるように、環状流路が構成されている。より詳細には、凝縮器20から各熱交換コア部113a、113b、113c、113dを通って凝縮器20まで作動流体が流れる作動流体の経路のうち第3熱交換コア部113cを通る作動流体の経路が最も長くなるように、環状流路が構成されている。本実施形態においても、各熱交換コア部113a、113b、113c、113dから凝縮器20へ向かって作動流体が流れる流路に沿った距離で比較して、第3熱交換コア部113cは、凝縮器20から最も離れた位置に配置されている。さらに、凝縮器20から各熱交換コア部113a、113b、113c、113dに向かって作動流体が流れる流路に沿った距離で比較して、第3熱交換コア部113cは、凝縮器20から最も離れた位置に配置されている。
ここで、本実施形態の機器温調装置1と、図39に示す比較例2の機器温調装置J2とを比較する。
比較例2の機器温調装置J2は、バイパス配管330を有していない点が本実施形態の機器温調装置1と異なる。比較例2の機器温調装置J2の他の構成は、本実施形態の機器温調装置1と同じである。比較例2では、第5出口接続部309を第3出口接続部309と呼ぶ。第3出口連結配管313を第2出口連結配管313と呼ぶ。
比較例2では、第3出口接続部309で、第3熱交換コア部113cから流出した作動流体と、第4熱交換コア部113dから流出した作動流体とが合流する。さらに、第2出口接続部310で、第3出口接続部309で合流した作動流体と、第2熱交換コア部113bから流出した作動流体とが合流する。さらに、第1出口接続部308で、第2出口接続部310で合流した作動流体と、第1熱交換コア部113aから流出した作動流体とが合流する。
合流後配管314を流れる作動流体の流量をGrとする。各熱交換コア部113a、113b、113c、113dを作動流体が均等に流れると仮定する。この場合、第3出口配管306を流れる作動流体の流量は、1/4Grである。第2出口連結配管313を流れる作動流体の流量は、2/4Grである。第1出口連結配管312を流れる作動流体の流量は、3/4Grである。
これに対して、図38に示すように、本実施形態では、第3熱交換コア部113cから流出した作動流体は、第3出口接続部332からバイパス配管330に流入し、第4出口接続部334に向かってバイパス配管330を流れる。第4熱交換コア部113dから流出した作動流体は、第5出口接続部309で分岐する。第5出口接続部309で分岐した一方の作動流体は、第3出口接続部332に向かって流れ、第3出口接続部332で、第3熱交換コア部113cから流出した作動流体と合流する。第5出口接続部309で分岐した他方の作動流体は、第2出口接続部310で、第2熱交換コア部113bから流出した作動流体と合流する。第2出口接続部310で合流した作動流体は、第1出口接続部308で、第1熱交換コア部113aから流出した作動流体と合流する。第1出口接続部308で合流した作動流体は、第4出口接続部334に向かって第2出口連結配管336を流れる。第2出口連結配管336を流れる作動流体は、第4出口接続部334で、バイパス配管330を流れる作動流体と合流した後、合流後配管314を流れる。
比較例2と同様に、合流後配管314を流れる作動流体の流量をGrとする。各熱交換コア部113a、113b、113c、113dを作動流体が均等に流れると仮定する。この場合、第3熱交換コア部113cから第3出口接続部332に向けて第3出口配管306を流れる作動流体の流量は、1/4Grである。第4熱交換コア部113dから流出して第5出口接続部309で分岐する一方と他方の作動流体の流量は、それぞれ1/8Grである。したがって、バイパス配管330を流れる作動流体の流量は、3/8Grである。第1出口連結配管312を流れる作動流体の流量は、3/8Grである。第2出口連結配管336を流れる作動流体の流量は、5/8Grである。
本実施形態においても、第8実施形態と同様に、第3熱交換コア部113cの経路には、第3出口配管306のうち第3出口接続部332よりも第3熱交換コア部113c側の部分と、バイパス配管330とが含まれる。第3熱交換コア部113cの経路において、作動流体の流量が最大となる部分は、バイパス配管330である。バイパス配管330の流量は、比較例2の第1出口連結配管312の流量よりも少ない。このため、比較例2と比較して、第3熱交換コア部113cの経路での作動流体の圧力損失を減少させることができる。よって、本実施形態によれば、第8実施形態と同様の効果が得られる。
(第17実施形態)
図40に示すように、本実施形態では、第16実施形態に対して、バイパス配管330が接続される第3出口接続部332の位置が変更されている。
本実施形態では、第3出口接続部332は、第3出口配管306のうち第4熱交換コア部113dよりも第3熱交換コア部113cに近い側に位置している。このため、本実施形態では、第8実施形態と比較して、第4熱交換コア部113dからバイパス配管330に流入する作動流体の流量が減少する。機器温調装置1の他の構成は、第16実施形態と同じである。本実施形態によれば、第16実施形態と同様の効果が得られる。
(第18実施形態)
図41に示すように、本実施形態では、第16実施形態に対して、第3出口連結配管313が省略されている。本実施形態では、第3出口接続部332で、第3出口配管306と第4出口配管307とバイパス配管330とが接続されている。第2出口配管304は、第1出口接続部308まで延びており、第1出口接続部308に接続されている。機器温調装置1の他の構成は、第16実施形態と同じである。
本実施形態においても、第3熱交換コア部113cから流出した作動流体は、バイパス配管330を流れる。このため、第16実施形態と同様の効果が得られる。
(第19実施形態)
図42に示すように、本実施形態では、第16実施形態に対して、第2バイパス配管344が追加されている。本実施形態では、バイパス配管330を第1バイパス配管330と呼ぶ。
第2バイパス配管344の一方の端部は、第3出口連結配管313の途中に設けられた第6出口接続部346に接続されている。第2バイパス配管344の他方の端部は、ガス配管30のうち第1出口接続部308と第4出口接続部334との間に設けられた第7出口接続部348に接続されている。
本実施形態によれば、第16実施形態の効果に加えて、次の効果を奏する。すなわち、第2バイパス配管344によって、第1出口連結配管312を流れる作動流体の流量を減らすことができる。これにより、第4熱交換コア部113dの経路において作動流体の流量が最大となる部分での流量を、比較例2よりも少なくすることができる。これによっても、各熱交換コア部113a、113b、113c、113dを流れる作動流体に生じる圧力損失の差を抑制することができる。
(第20実施形態)
図43に示すように、本実施形態では、第16実施形態に対して、ガス配管30の構成が変更されている。ガス配管30は、第1出口配管302と、第2出口配管304と、第3出口配管306と、第4出口配管307と、第1出口接続部352と、第2出口接続部354と、第3出口接続部356と、第1部分合流配管358と、第2部分合流配管360と、合流後配管314とを含む。
第1出口配管302と第2出口配管304とが第1出口接続部352で接続されている。第1出口接続部352は、第1熱交換コア部113aからの配管に沿った距離と第2熱交換コア部113bからの配管に沿った距離とが等しい位置に配置されている。
第3出口配管306と第4出口配管307とが第2出口接続部354で接続されている。第2出口接続部354は、第3熱交換コア部113cからの配管に沿った距離と第4熱交換コア部113dからの配管に沿った距離とが等しい位置に配置されている。
第1部分合流配管358の一方の端部は、第1出口接続部352に接続されている。第2部分合流配管360の一方の端部は、第2出口接続部354に接続されている。第1部分合流配管358の他方の端部と、第2部分合流配管360の他方の端部とは、第3出口接続部356に接続されている。第3出口接続部356は、第1出口接続部352からの配管に沿った距離と第2出口接続部354からの配管に沿った距離とが等しい位置に配置されている。第3出口接続部356に、合流後配管314が接続されている。
本実施形態では、第1熱交換コア部113aから流出した作動流体は、第1出口配管302を流れる。第2熱交換コア部113bから流出した作動流体は、第2出口配管304を流れる。第1出口配管302を流れる作動流体と、第2出口配管304を流れる作動流体とは、第1出口接続部352で合流する。第1出口接続部352で合流した作動流体は、第3出口接続部356に向かって第1部分合流配管358を流れる。
第3熱交換コア部113cから流出した作動流体は、第3出口配管306を流れる。第4熱交換コア部113dから流出した作動流体は、第4出口配管307を流れる。第3出口配管306を流れる作動流体と、第4出口配管307を流れる作動流体とは、第2出口接続部354で合流する。第2出口接続部354で合流した作動流体は、第3出口接続部356に向かって第2部分合流配管360を流れる。第1部分合流配管358を流れる作動流体と第2部分合流配管360を流れる作動流体とは、第3出口接続部356で合流する。第3出口接続部356で合流した作動流体は、凝縮器20に向かって合流後配管314を流れる。
上述の通り、第1出口接続部352では、第1熱交換コア部113aから流出した作動流体の流れと第2熱交換コア部113bから流出した作動流体の流れとが合流する。したがって、第1出口接続部352は、第1熱交換コア部から流出した作動流体の流れと第2熱交換コア部から流出した作動流体の流れとが合流する部分合流部を構成している。
また、第3出口接続部356では、各熱交換コア部113a、113b、113c、113dから流出した作動流体の流れの全部が合流する。したがって、第3出口接続部356は、各熱交換コア部から流出した作動流体の流れの全部が合流する全流れ合流部を構成している。
また、第1部分合流配管358では、第1出口接続部352で合流した作動流体が、第3出口接続部356に向かって流れる。したがって、第1部分合流配管358は、部分合流部から全流れ合流部に作動流体を流す部分合流流路を構成している。
また、第2部分合流配管360は、第3熱交換コア部113cから流出した作動流体を、第1出口接続部352を迂回させて第3出口接続部356に流す出口側迂回流路を構成している。また、ガス配管30のうち各熱交換コア部113a、113b、113c、113dの作動流体の出口側から第3出口接続部356までの間の出口側部分が、環状流路のうち第1熱交換コア部、第2熱交換コア部および第3熱交換コア部のそれぞれの作動流体の出口側から全流れ合流部までの間の出口側部分を構成している。
本実施形態では、第2部分合流配管360は、第16実施形態のバイパス配管330と同じ役割を果たす。このため、本実施形態においても、第16実施形態と同様の効果が得られる。さらに、本実施形態では、各熱交換コア部113a、113b、113c、113dから第3出口接続部356まで作動流体が流れる作動流体の経路の長さが同じである。これによっても、比較例2と比較して、各熱交換コア部113a、113b、113c、113dを流れる作動流体に生じる圧力損失の差を抑制することができる。このように、本実施形態の機器温調装置1では、環状流路のうち各熱交換コア部113a、113b、113c、113dの出口側から第3出口接続部356までの出口側部分は、各熱交換コア部113a、113b、113c、113dを流れる作動流体に生じる圧力損失の差を抑制するように構成されている。
また、本実施形態については、次のように説明することができる。図39に示すように、比較例2の機器温調装置J2では、複数の熱交換コア部113a、113b、113c、113dの数をnとしたとき、第2出口接続部310で、(n-1)の数の他の熱交換コア部113b、113c、113dから流出した作動流体の流れが合流する。nが4のとき、第2出口接続部310で、3つの他の熱交換コア部113b、113c、113dから流出した作動流体の流れが合流する。第1出口接続部308で、この合流した流れに、1つの熱交換コア部113aから流出した作動流体が合流する。この作動流体の流れが形成されるように、環状流路が構成される。比較例2では、第1出口接続部308が全流れ合流部を構成している。
このように、各熱交換コア部から全流れ合流部まで作動流体が流れる各熱交換コア部の経路において、他の熱交換コア部の経路に、(n-1)の数の熱交換コア部から流出した作動流体の流れが合流して流れる部分、すなわち、作動流体の流量が多い部分が含まれる。一方、1つの熱交換コア部の経路には、その作動流体の流量が多い部分は含まれない。流路を流れる作動流体の流量が多いほど、流体の圧力損失が大きい。これが、各熱交換コア部を流れる作動流体の圧力損失の差が大きくなる理由の1つである。
これに対して、本実施形態によれば、ガス配管30は、第1出口接続部352と、第2出口接続部354と、第3出口接続部356と、第1部分合流配管358と、第2部分合流配管360とを含む。複数の熱交換コア部の数をnとする。本実施形態では、nは4である。このとき、第1出口接続部352は、複数の熱交換コア部のうち(n-2)の数の熱交換コア部のそれぞれから流出した作動流体の流れを合流させる第1部分合流部を構成している。第3出口接続部356は、各熱交換コア部から流出した作動流体の流れの全部が合流する全流れ合流部を構成している。第1部分合流配管358は、第1部分合流部から全流れ合流部に作動流体を流す第1部分合流流路を構成している。第2出口接続部354は、複数の熱交換コア部のうち(n-2)の数の他の熱交換コア部のそれぞれから流出した作動流体の流れを合流させる第2部分合流部を構成している。第2部分合流配管360は、第1部分合流流路を迂回させて、第2部分合流部から全流れ合流部に作動流体を流す第2部分合流流路を構成している。
これによれば、各熱交換コア部113a、113b、113c、113dから第3出口接続部356まで作動流体が流れる各熱交換コア部113a、113b、113c、113dの経路において、作動流体の流量が最大となる部分の流量は、(n-2)の数の熱交換コア部から流出した作動流体の流量の合計となる。このため、比較例2の機器温調装置J2と比較して、各熱交換コア部113a、113b、113c、113dの経路において、作動流体の流量が最大となる部分の流量を少なくすることができる。これにより、各熱交換コア部113a、113b、113c、113dを流れる作動流体の圧力損失の差を抑制することができる。よって、各熱交換コア部113a、113b、113c、113dの冷却能力のばらつきを抑えることができる。
なお、本実施形態では、複数の熱交換コア部の数は4であった。しかしながら、複数の熱交換コア部の数は5以上であってもよい。この場合、第1部分合流配管358および第2部分合流配管360は、2以上かつ(n-2)以下の数の熱交換コア部のそれぞれから流出した作動流体の流れを合流させるようになっていればよい。
(第21実施形態)
図44に示すように、本実施形態では、第16実施形態に対して4つの熱交換器が追加されている。4つの熱交換器は、第5熱交換器11E、第6熱交換器11F、第7熱交換器11G、第8熱交換器11Hである。第5熱交換器11Eは、第1熱交換器11Aに対して第1熱交換器11Aの長手方向で対向している。第6熱交換器11Fは、第2熱交換器11Bに対して第2熱交換器11Bの長手方向で対向している。第7熱交換器11Gは、第3熱交換器11Cに対して第3熱交換器11Cの長手方向で対向している。第8熱交換器11Hは、第4熱交換器11Dに対して第4熱交換器11Dの長手方向で対向している。
各熱交換器11E、11F、11G、11Hは、第1熱交換器11Aと同様の構成である。第5熱交換器11E、第6熱交換器11F、第7熱交換器11G、第8熱交換器11Hの各熱交換コア部を、それぞれ、第5熱交換コア部113e、第6熱交換コア部113f、第7熱交換コア部113g、第8熱交換コア部113hと呼ぶ。
第5熱交換コア部113eの出口側は、第1出口接続部308に接続されている。第5熱交換コア部113eの入口側は、第1入口接続部408に接続されている。第6熱交換コア部113fの出口側は、第2出口接続部310に接続されている。第6熱交換コア部113fの入口側は、第2入口接続部410に接続されている。第7熱交換コア部113gの出口側は、第3出口配管306の途中に設けられた接続部311に接続されている。第7熱交換コア部113gの入口側は、第3入口配管406の途中に設けられた接続部409に接続されている。第8熱交換コア部113hの出口側は、第5出口接続部309に接続されている。第8熱交換コア部113hの入口側は、第3入口接続部411に接続されている。
本実施形態では、第3熱交換コア部113cと第7熱交換コア部113gのそれぞれから流出した作動流体は、バイパス配管330を流れる。このため、本実施形態においても、機器温調装置1がバイパス配管330を有していない場合と比較して、各熱交換コア部113a、113b、113c、113d、113e、113f、113g、113hを流れる作動流体の圧力損失の差を抑制することができる。
(第22実施形態)
図45に示すように、本実施形態では、図39に示す比較例2に対して、ガス配管30の構成が変更されている。本実施形態では、第16実施形態の第5出口接続部309を第3出口接続部309と呼ぶ。第16実施形態の第3出口連結配管313を第2出口連結配管313と呼ぶ。
ガス配管30の一部は、流路断面積が異なる複数の配管で構成されている。この複数の配管は、第1出口連結配管312と、第2出口連結配管313と、第3出口配管306とを含む。本実施形態の機器温調装置1における作動流体の流れ方は、比較例2の機器温調装置J2における作動流体の流れ方と同じである。このため、ガス配管30を流れる作動流体の流量は、第3出口配管306、第2出口連結配管313、第1出口連結配管312の順に多くなっている。そして、ガス配管30の流路断面積の大きさは、第3出口配管306、第2出口連結配管313、第1出口連結配管312の順に大きくなっている。このように、本実施形態では、複数の配管306、312、313のそれぞれは、内部を流れる作動流体の流量が多いほど、流路断面積が大きくなっている。
流路断面積が同じ場合、流路を流れる作動流体の流量が多い流路ほど、流路を流れる作動流体の圧力損失が大きくなる。そこで、流路が多い流路ほど、流路断面積を大きくする。流路断面積を大きくすることで、流路を流れる作動流体の流速を下げることができる。作動流体の流速を下げることで、作動流体の圧力損失を小さくすることができる。
これにより、各熱交換コア部113a、113b、113c、113dを流れる作動流体の圧力損失の差を抑制することができる。このように、本実施形態の機器温調装置1では、環状流路のうち各熱交換コア部113a、113b、113cの出口側から第1出口接続部308までの出口側部分は、各熱交換コア部113a、113b、113c、113dを流れる作動流体に生じる圧力損失の差を抑制するように構成されている。よって、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第23実施形態)
図46Aに示すように、本実施形態では、第16実施形態で説明した図39に示す比較例2に対して、液配管40の構成が変更されている。本実施形態では、第16実施形態の第5出口接続部309を第3出口接続部309と呼ぶ。第16実施形態の第3出口連結配管313を第2出口連結配管313と呼ぶ。
液配管40の一部は、流路断面積が異なる複数の配管で構成されている。この複数の配管は、第1入口連結配管412と、第2入口連結配管413と、第3入口配管406とを含む。本実施形態の機器温調装置1における作動流体の流れ方は、比較例2の機器温調装置J2における作動流体の流れ方と同じである。このため、液配管40を流れる作動流体の流量は、第3入口配管406、第2入口連結配管413、第1入口連結配管412の順に多くなっている。そして、液配管40の流路断面積の大きさは、第3入口配管406、第2入口連結配管413、第1入口連結配管412の順に大きくなっている。このように、本実施形態では、複数の配管406、412、413のそれぞれは、内部を流れる作動流体の流量が多いほど、流路断面積が大きくなっている。
流路断面積が同じ場合、流路を流れる作動流体の流量が多い流路ほど、流路を流れる作動流体の圧力損失が大きくなる。そこで、流量が多い流路ほど、流路断面積を大きくする。流路断面積を大きくすることで、流路を流れる作動流体の流速を下げることができる。作動流体の流速を下げることで、作動流体の圧力損失を小さくすることができる。
これにより、第2入口連結配管413、第1入口連結配管412のそれぞれの流路断面積が本実施形態の第3入口配管406の流路断面積と同じ場合と比較して、各熱交換コア部113a、113b、113c、113dを流れる作動流体の圧力損失の差を抑制することができる。このように、本実施形態の機器温調装置1では、環状流路のうち第1入口接続部408から各熱交換コア部113a、113b、113cの入口側までの入口側部分は、各熱交換コア部113a、113b、113c、113dを流れる作動流体に生じる圧力損失の差を抑制するように構成されている。よって、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、図46Aでは、分岐前配管414の流路断面積は、第1入口連結配管412の流路断面積よりも小さい。しかしながら、図46Bに示すように、分岐前配管414の流路断面積は、第1入口連結配管412の流路断面積と同じであってもよい。また、図示しないが、分岐前配管414の流路断面積は、第1入口連結配管412の流路断面積よりも大きくてもよい。
ところで、圧力損失の差を抑制するために、図46A、46Bの第3入口配管406、第2入口連結配管413のそれぞれの流路断面積を、本実施形態の第1入口連結配管412の流路断面積と同じ大きさとする場合が考えられる。すなわち、第3入口配管406、第2入口連結配管413および第1入口連結配管412の流路断面積を大きく、かつ、均一とすることが考えられる。しかしながら、この場合、回路への作動流体の封入量を増加させる必要が生じるため、好ましくない。
これに対して、本実施形態および図46Bに示す実施形態によれば、第2入口連結配管413の流路断面積は、第1入口連結配管412の流路断面積よりも小さい。第3入口配管406の流路断面積は、第2入口連結配管413の流路断面積よりも小さい。このため、上記の場合と比較して、回路への作動流体の封入量の増加を抑制することができる。なお、流路断面積を小さくすると、圧力損失が増大するという背反が生じる。しかしながら、本実施形態では、流量が少ない配管の流路断面積を小さくしている。このため、この背反を最小限に抑えることができる。
(第24実施形態)
図47に示すように、本実施形態では、第16実施形態に対して、ガス配管30の構成が変更されている。ガス配管30は、1つの出口接続部362を有している。第1出口配管302、第2出口配管304、第3出口配管306および第4出口配管307のそれぞれは、出口接続部362に直につながっている。第1出口配管302、第2出口配管304、第3出口配管306および第4出口配管307のそれぞれは、出口接続部362よりも上流側では、他の出口配管とつながっていない。第1出口配管302、第2出口配管304、第3出口配管306および第4出口配管307のそれぞれは、互いに独立した流路を構成している。出口接続部362に、合流後配管314の一方の端部が接続されている。本実施形態では、出口接続部362が、複数の熱交換コア部のそれぞれから流出した作動流体の流れの全部を合流させる全流れ合流部を構成している。第1出口配管302が、第1熱交換コア部と全流れ合流部とをつなぐ第1出口流路を構成している。第2出口配管が、第1出口流路とは別個の流路であって、第2熱交換コア部と全流れ合流部とをつなぐ第2出口流路を構成している。第3出口配管306が、第1出口流路および第2出口流路とは別個の流路であって、第3熱交換コア部と全流れ合流部とをつなぐ第3出口流路を構成している。
出口接続部362は、4つの熱交換コア部113a、113b、113c、113dのうち第1熱交換コア部113aに最も近い位置に配置されている。このため、各出口配管302、304、306、307のそれぞれの長さは、第1出口配管302、第2出口配管304、第4出口配管307、第3出口配管306の順に長くなっている。また、各出口配管302、304、306、307の流路断面積の大きさは同じである。機器温調装置1の他の構成は、第16実施形態と同じである。
合流後配管314を流れる作動流体の流量をGrとする。各熱交換コア部113a、113b、113c、113dを作動流体が均等に流れると仮定する。この場合、第1出口配管302、第2出口配管304、第3出口配管306および第4出口配管307のそれぞれを流れる作動流体の流量は、1/4Grである。
本実施形態によれば、図39に示す比較例2の第1出口連結配管312を流れる作動流体の流量と比較して、第3出口配管306を流れる作動流体の流量を少なくすることができる。作動流体の流量が少ないほど、作動流体の圧力損失が小さくなる。また、比較例2の機器温調装置J2では、第3熱交換コア部113cを流れる作動流体の圧力損失が最も大きい。このため、比較例2の機器温調装置J2と比較して、第3熱交換コア部113cを流れる作動流体の圧力損失を少なくすることができる。これにより、各熱交換コア部113a、113b、113c、113dを流れる作動流体の圧力損失の差を抑制することができる。このように、本実施形態の機器温調装置1では、環状流路のうち各熱交換コア部113a、113b、113c、113dの出口側から出口接続部362までの出口側部分は、各熱交換コア部113a、113b、113c、113dを流れる作動流体に生じる圧力損失の差を抑制するように構成されている。よって、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第25実施形態)
図48に示すように、本実施形態では、第24実施形態に対して、各出口配管302、304、306、307の流路断面積の大きさの関係が変更されている。
本実施形態では、各熱交換コア部113a、113b、113c、113d側から出口接続部362までの流路の長さが長いほど、各出口配管302、304、306、307の流路断面積が大きくなっている。機器温調装置1の他の構成は、第24実施形態と同じである。
流路断面積が同じ場合、流路の長さが長いほど、流路を流れる作動流体の圧力損失が大きくなる。そこで、流路の長さが長いほど、流路断面積を大きくすることで、流路を流れる作動流体の流速を下げることができる。作動流体の流速を下げることで、作動流体の圧力損失を小さくすることができる。これにより、各熱交換コア部を流れる作動流体の圧力損失の差をより抑制することができる。
(第26実施形態)
図49に示すように、本実施形態では、第16実施形態で説明した図39に示す比較例2に対して、液配管40の構成が変更されている。
液配管40は、1つの入口接続部442を有している。第1入口配管402、第2入口配管404、第3入口配管406および第4入口配管407のそれぞれは、入口接続部442に直につながっている。第1入口配管402、第2入口配管404、第3入口配管406および第4入口配管407のそれぞれは、入口接続部442よりも下流側では、他の入口配管とつながっていない。入口接続部442に、分岐前配管414の一方の端部が接続されている。本実施形態では、入口接続部442が、凝縮器から流出した作動流体の流れを複数の熱交換コア部のそれぞれに向けて分岐させる1つの分岐部を構成している。第1入口配管402が、1つの分岐部と第1熱交換コア部とをつなぐ第1入口流路を構成している。第2入口配管404が、第1入口流路とは別個の流路であって、1つの分岐部と第2熱交換コア部とをつなぐ第2入口流路を構成している。第3入口配管406が、第1入口流路および第2入口流路とは別個の流路であって、1つの分岐部と第3熱交換コア部とをつなぐ第3入口流路を構成している。
入口接続部442は、4つの熱交換コア部113a、113b、113c、113dのうち第1熱交換コア部113aに最も近い位置に配置されている。このため、各入口配管402、404、406、407の長さは、第1入口配管402、第2入口配管404、第4入口配管407、第3入口配管406の順に長くなっている。また、各入口配管402、404、406、407の流路断面積の大きさは同じである。機器温調装置1の他の構成は、第16実施形態と同じである。
本実施形態によれば、図39に示す比較例2の第1入口連結配管412を流れる作動流体の流量と比較して、第3入口配管406を流れる作動流体の流量を少なくすることができる。作動流体の流量が少ないほど、作動流体の圧力損失が小さくなる。また、比較例2の機器温調装置J2では、第3熱交換コア部113cを流れる作動流体の圧力損失が最も大きい。このため、比較例2の機器温調装置J2と比較して、第3熱交換コア部113cを流れる作動流体の圧力損失を少なくすることができる。これにより、各熱交換コア部113a、113b、113c、113dを流れる作動流体の圧力損失の差を抑制することができる。このように、本実施形態の機器温調装置1では、環状流路のうち入口接続部442から各熱交換コア部113a、113b、113c、113dの入口側までの入口側部分は、各熱交換コア部113a、113b、113c、113dを流れる作動流体に生じる圧力損失の差を抑制するように構成されている。よって、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第27実施形態)
図50に示すように、本実施形態では、第26実施形態に対して、各入口配管402、404、406、407の流路断面積の大きさの関係が変更されている。
本実施形態では、入口接続部442から各熱交換コア部113a、113b、113c、113d側までの流路の長さが長いほど、各入口配管402、404、406、407の流路断面積が大きくなっている。機器温調装置1の他の構成は、第26実施形態と同じである。
流路断面積が同じ場合、流路長さが長い流路ほど、流路を流れる作動流体の圧力損失が大きくなる。そこで、流路の長さが長い経路ほど、流路断面積を大きくすることで、流路を流れる作動流体の流速を下げることができる。作動流体の流速を下げることで、作動流体の圧力損失を小さくすることができる。これにより、各熱交換コア部を流れる作動流体の圧力損失の差をより抑制することができる。
(第28実施形態)
図51に示すように、本実施形態では、機器温度調整部10は、第1熱交換器11Aと第2熱交換器11Bの2つの熱交換器11A、11Bにより構成されている。本実施形態は、第20実施形態に対して、複数の熱交換器の数を2つに変更したものである。本実施形態では、第20実施形態の第1出口接続部352を出口接続部352と呼ぶ。
ガス配管30は、第1出口配管302と、第2出口配管304と、出口接続部352と合流後配管314とを含む。第1出口配管302と第2出口配管304とが出口接続部352で接続されている。第1出口接続部352は、第1熱交換コア部113aからの配管に沿った距離と第2熱交換コア部113bからの配管に沿った距離とが等しい位置に配置されている。出口接続部352に、合流後配管314が接続されている。
本実施形態によれば、ガス配管30のうち各熱交換コア部113a、113bの出口側から出口接続部352までの間の部分において、各熱交換コア部113a、113bを流れる作動流体の経路の長さが等しい。これにより、各熱交換コア部113a、113bを流れる作動流体の圧力損失の差を抑制することができる。このように、本実施形態の機器温調装置1では、環状流路のうち各熱交換コア部113a、113bの出口側から出口接続部352までの出口側部分は、各熱交換コア部113a、113bを流れる作動流体に生じる圧力損失の差を抑制するように構成されている。よって、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第29実施形態)
図52に示すように、本実施形態では、図24Aに示す第8実施形態と同様に、ガス配管30はバイパス配管330を有している。バイパス配管330の一方の端部は、第3出口接続部332に接続されている。バイパス配管330の他方の端部は、第4出口接続部334に接続されている。第4出口接続部334は、各熱交換コア部113a、113b、113cから流出した作動流体の流れの全部が合流する全流れ合流部を構成している。
本実施形態では、第8実施形態と異なり、凝縮器20および第4出口接続部334は、複数の熱交換コア部113a、113b、113cの並び方向で、両端に位置する2つの熱交換コア部113a、113cの間に位置する。より具体的には、凝縮器20は、複数の熱交換コア部113a、113b、113cの並び方向で、第1熱交換コア部113aと第3熱交換コア部113cとの中間に位置する。凝縮器20は、第1、第3熱交換コア部113a、113cのそれぞれからのガス配管30に沿った距離が同じ位置にある。第4出口接続部334は、第1、第3熱交換コア部113a、113cのそれぞれからのガス配管30に沿った距離が同じ位置にある。
第3出口接続部332は、複数の熱交換コア部113a、113b、113cの並び方向で、第3熱交換コア部113cと同じ位置にある。第1出口接続部308は、複数の熱交換コア部113a、113b、113cの並び方向で、第1熱交換コア部113aと同じ位置にある。
このように、本実施形態では、第1熱交換コア部113a、第2熱交換コア部113bおよび第3熱交換コア部113cは、これらの記載順に並んでいる。第1、第3熱交換コア部113a、113cの2つが、各熱交換コア部113a、113b、113cから凝縮器20へ向かって作動流体が流れる流路に沿った距離で比較して、凝縮器20から最も離れた位置に配置されている。
また、本実施形態では、第8実施形態と異なり、分岐前配管414の一方の端部は、第2入口接続部410に接続されている。第2入口接続部410は、複数の熱交換コア部113a、113b、113cの並び方向で、両端に位置する2つの熱交換コア部113a、113cの間に位置する。より具体的には、第2入口接続部410は、第1、第3熱交換コア部113a、113cのそれぞれからの液配管40に沿った距離が同じ位置にある。
機器温調装置1の上記以外の構成は、第8実施形態と同じである。
本実施形態では、第2出口配管304および第3出口配管306は、第2熱交換コア部と第3熱交換コア部のそれぞれの作動流体の出口側を連結するコア部連結流路を構成している。
各熱交換コア部113a、113b、113cから流出した作動流体は、図52中の矢印のように、ガス配管30の各部分を第8実施形態と同様に流れる。図52に示すように、合流後配管314を流れる作動流体の流量をGrとする。各熱交換コア部113a、113b、113cを作動流体が均等に流れると仮定する。この場合、ガス配管30の各部分を流れる作動流体の流量も第8実施形態と同様である。このため、本実施形態によっても、第8実施形態と同様の効果が得られる。
また、本実施形態では、凝縮器20から流出した作動流体は、第2入口接続部410で、各熱交換コア部113a、113b、113cに向けて分岐する。したがって、第2入口接続部410は、凝縮器20から流出した作動流体の流れを複数の熱交換コア部113a、113b、113cのそれぞれに向けて分岐させる1つの分岐部を構成している。
また、第1入口配管402が、1つの分岐部と第1熱交換コア部とをつなぐ第1入口流路を構成している。第2入口配管404が、第1入口流路とは別個の流路であって、1つの分岐部と第2熱交換コア部とをつなぐ第2入口流路を構成している。第3入口配管406が、第1入口流路および第2入口流路とは別個の流路であって、1つの分岐部と第3熱交換コア部とをつなぐ第3入口流路を構成している。このように、液配管40は、第26実施形態と同様の構成を有している。このため、本実施形態によれば、第26実施形態と同様の効果が得られる。
なお、凝縮器20、全流れ合流部および分岐部の位置は、複数の熱交換コア部113a、113b、113cの並び方向で、第1熱交換コア部113aと第3熱交換コア部113cとの中間の位置から、第1熱交換コア部113a側または第3熱交換コア部113c側にずれていてもよい。
また、第1-第28実施形態では、凝縮器20は、複数の熱交換コア部の並び方向で、両端に位置する2つの熱交換コア部の間の範囲の外側に位置する。例えば、凝縮器20、第1熱交換コア部113a、第2熱交換コア部113bおよび第3熱交換コア部113cは、複数の熱交換コア部の並び方向で、これらの記載順に並んでいる。
第9-第28実施形態においても、本実施形態と同様に、凝縮器20は、複数の熱交換コア部113a、113b、113cの並び方向で、第1熱交換コア部113aと第3熱交換コア部113cとの間に位置していてもよい。
(第30実施形態)
図53に示すように、本実施形態では、ガス配管30のバイパス配管330の接続位置が、図24Aの第8実施形態と異なる。第3熱交換器11Cにおいて、第3上ヘッダタンク111cの長手方向の一方側の端部には、作動流体が流出する第1流出口115cが設けられている。第3上ヘッダタンク111cの長手方向の他方側の端部には、作動流体が流出する第2流出口119cが設けられている。バイパス配管330の一方の端部は、第3上ヘッダタンク111cの第2流出口119cに接続されている。機器温調装置1の上記以外の構成は、第8実施形態と同じである。
各熱交換コア部113a、113b、113cから流出した作動流体は、図53中の矢印のように、ガス配管30を流れる。合流後配管314を流れる作動流体の流量をGrとする。各熱交換コア部113a、113b、113cを作動流体が均等に流れると仮定する。第3上ヘッダタンク11cの第1流出口115cおよび第2流出口119cから均等に作動流体が流出すると仮定する。この場合、ガス配管30の各部分を流れる作動流体の流量は、図53に示す通りである。
本実施形態では、第3熱交換コア部113cの経路において、第2出口連結配管336を除いて、作動流体の流量が最大となる部分は、第1出口連結配管312である。第2出口連結配管336は、第1熱交換コア部113aの経路と共通する部分である。第1出口連結配管312の流量は、比較例1の出口連結配管312の流量よりも少ない。このため、比較例1と比較して、第3熱交換コア部113cの経路での作動流体の圧力損失を減少させることができる。同様に、第2熱交換コア部113bの経路において、第2出口連結配管336を除いて、作動流体の流量が最大となる部分は、第1出口連結配管312である。このため、比較例1と比較して、第2熱交換コア部113bの経路での作動流体の圧力損失を減少させることができる。よって、本実施形態においても、第8実施形態と同様の効果が得られる。
なお、本実施形態においても、第29実施形態と同様に、凝縮器20は、複数の熱交換コア部113a、113b、113cの並び方向で、第1熱交換コア部113aと第3熱交換コア部113cとの間に位置していてもよい。
(第31実施形態)
図54に示すように、本実施形態では、液配管40のバイパス配管420の接続位置が図33の第12実施形態と異なる。第3熱交換器11Cにおいて、第3下ヘッダタンク112cの長手方向の一方側の端部には、作動流体が流入する第1流入口116cが設けられている。第3下ヘッダタンク112cの長手方向の他方側の端部には、作動流体が流入する第2流入口120cが設けられている。バイパス配管420の一方の端部は、第2流入口120cに接続されている。機器温調装置1の上記以外の構成は、第12実施形態と同じである。
凝縮器20から流出した作動流体は、図54中の矢印のように、液配管40を流れる。分岐前配管414を流れる作動流体の流量をGrとする。各熱交換コア部113a、113b、113cを作動流体が均等に流れると仮定する。第3下ヘッダタンク112cの第1流入口116cおよび第2流入口120cから均等に作動流体が流入すると仮定する。この場合、液配管40の各部分を流れる作動流体の流量は、図54に示す通りである。
本実施形態では、第3熱交換コア部113cの経路において、第2入口連結配管426を除いて、作動流体の流量が最大となる部分は、第1入口連結配管412である。第2入口連結配管426は、第1熱交換コア部113aの経路と共通する部分である。第1入口連結配管412の流量は、比較例1の入口連結配管412の流量よりも少ない。このため、比較例1と比較して、第3熱交換コア部113cの経路での作動流体の圧力損失を減少させることができる。同様に、第2熱交換コア部113bの経路において、第2入口連結配管426を除いて、作動流体の流量が最大となる部分は、第1入口連結配管412である。このため、比較例1と比較して、第2熱交換コア部113bの経路での作動流体の圧力損失を減少させることができる。よって、本実施形態においても、第12実施形態と同様の効果が得られる。
なお、本実施形態においても、第29実施形態と同様に、凝縮器20は、複数の熱交換コア部113a、113b、113cの並び方向で、第1熱交換コア部113aと第3熱交換コア部113cとの間に位置していてもよい。
(第32実施形態)
図55に示すように、本実施形態では、第1実施形態と異なり、ガス配管30は、第1実施形態の流路縮小部316を有していない。
第1上ヘッダタンク111a、第2上ヘッダタンク111bおよび第3上ヘッダタンク111cのそれぞれの長手方向の一方側の端部には、作動流体が流出する第1流出口115a、115b、115cが設けられている。各第1流出口115a、115b、115cは、第1実施形態の各流出口115a、115b、115cと同じである。第1上ヘッダタンク111a、第2上ヘッダタンク111bおよび第3上ヘッダタンク111cのそれぞれの長手方向の他方側の端部には、作動流体が流出する第2流出口119a、119b、119cが設けられている。
ガス配管30は、第1出口連結配管312と、第3出口接続部370と、第2出口連結配管372と、第3出口連結配管374と、第4出口接続部375と、第4出口連結配管376と、第5出口接続部377と、第5出口連結配管378とを含む。第1出口連結配管312は、第1実施形態の出口連結配管312と同じである。第3出口接続部370には、第2出口連結配管372と第3出口連結配管374とが接続されている。第2出口連結配管372は、第1出口接続部308と第3出口接続部370とを連結している。第3出口連結配管374は、第3出口接続部370と第4出口接続部375とを連結している。第4出口接続部375には、第3出口連結配管374と、第4出口連結配管376と、1上ヘッダタンク111aの第2流出口119aとが接続されている。第4出口連結配管376は、第4出口接続部375と第5出口接続部377とを連結している。第5出口接続部377には、第4出口連結配管376と、第5出口連結配管378と、第2上ヘッダタンク111bの第2流出口119bとが接続されている。第5出口連結配管378は、第5出口接続部377と第3上ヘッダタンク111cの第2流出口119cとを連結している。
機器温調装置1の上記以外の構成は、第1実施形態と同じである。
本実施形態では、第3上ヘッダタンク111cの第1流出口115cから流出した作動流体は、第3出口接続部370に向かって、第3出口配管306、第1出口連結配管312、第2出口連結配管372をこの記載順に流れる。このとき、第2出口接続部310で、第3上ヘッダタンク111cの第1流出口115cから流出した作動流体と、第2上ヘッダタンク111bの第1流出口115bから流出した作動流体とが、合流する。さらに、第1出口接続部308で、その合流後の作動流体と、第1上ヘッダタンク111aの第1流出口115aから流出した作動流体とが、合流する。
また、第3上ヘッダタンク111cの第2流出口119cから流出した作動流体は、第3出口接続部370に向かって、第5出口連結配管378、第4出口連結配管376、第3出口連結配管374をこの記載順に流れる。このとき、第5出口接続部377で、第3上ヘッダタンク111cの第2流出口119cから流出した作動流体と、第2上ヘッダタンク111bの第2流出口119bから流出した作動流体とが、合流する。さらに、第4出口接続部375で、その合流後の作動流体と、第1上ヘッダタンク111aの第2流出口119aから流出した作動流体とが、合流する。
ここで、第8実施形態での説明の通り、図25の比較例1の機器温調装置J1では、各熱交換コア部113a、113b、113cの経路を比較すると、出口連結配管312での作動流体の流量が最も多い。このように、各熱交換コア部113a、113b、113cの経路において、共通しない部分を流れる作動流体の流量が多いことが、各熱交換コア部113a、113b、113cを流れる作動流体の圧力損失の差が大きくなる理由の1つである。
本実施形態では、ガス配管30は、各第1流出口115a、115b、115cから第3出口接続部370に作動流体を導く第1配管302、304、306、308、310、312、372を含む。さらに、ガス配管30は、各第2流出口119a、119b、119cから第3出口接続部370に作動流体を導く第2配管374、375、376、377、378を含む。このように、ガス配管30は、第3出口接続部370に作動流体を導く配管として、第1配管と、第1配管とは別個の第2配管とを含む。
これにより、下記の通り、第3出口接続部370に作動流体を導く配管が1本である比較例1と比較して、1本の配管当たりの作動流体の流量を減少させることができる。このため、各熱交換コア部113a、113b、113cの経路において、共通しない部分における1本の配管当たりの流量を減らすことができる。
合流後配管314を流れる作動流体の流量をGrとする。各熱交換コア部113a、113b、113cを作動流体が均等に流れると仮定する。各第1流出口115a、115b、115cと各第2流出口119a、119b、119cとから作動流体が均等に流出すると仮定する。この場合、ガス配管30の各部分を流れる作動流体の流量は、図55に示す通りである。
第3熱交換コア部113cの経路において、第2出口連結配管372および第3出口連結配管374を除いて、作動流体の流量が最大となる部分は、第1出口連結配管312および第4出口連結配管376である。第2出口連結配管372および第3出口連結配管374は、第1熱交換コア部113aの経路と共通する部分である。同様に、第2熱交換コア部113bの経路において、第2出口連結配管372および第3出口連結配管374を除いて、作動流体の流量が最大となる部分は、第1出口連結配管312および第4出口連結配管376である。第1出口連結配管312および第4出口連結配管376の流量は、1/3Grであり、比較例1の出口連結配管312の流量よりも少ない。
これにより、比較例1と比較して、第2熱交換コア部113bおよび第3熱交換コア部113cの経路での作動流体の圧力損失を減少させることができる。よって、本実施形態においても、第8実施形態と同様の効果が得られる。
本実施形態では、第1出口配管302、第2出口配管304、第3出口配管306、第1出口接続部308、第2出口接続部310、第1出口連結配管312および第2出口連結配管372が、第1合流流路を構成している。第1合流流路は、第1上ヘッダタンク111aの第1流出口115aと、第2上ヘッダタンク111bの第1流出口115bと、第3上ヘッダタンク111cの第1流出口115cと、第3出口接続部370とに連なっている。第1合流流路は、第1上ヘッダタンク111aの第1流出口115aから流出した作動流体と、第2上ヘッダタンク111bの第1流出口115bから流出した作動流体と、第3上ヘッダタンク111cの第1流出口115cから流出した作動流体とを合流させた後、合流後の作動流体を第3出口接続部370に導く。第1上ヘッダタンク111aが、第1熱交換コア部から流出した作動流体が流れる第1流出側タンク部に相当する。第2上ヘッダタンク111bが第2熱交換コア部から流出した作動流体が流れる第2流出側タンク部に相当する。第3上ヘッダタンク111cが、第3熱交換コア部から流出した作動流体が流れる第3流出側タンク部に相当する。第3出口接続部370が全流れ合流部に相当する。
また、本実施形態では、第3出口連結配管374、第4出口接続部375、第4出口連結配管376、第5出口接続部377および第5出口連結配管378が、第2合流流路を構成している。第2合流流路は、第1上ヘッダタンク111aの第2流出口119aと、第2上ヘッダタンク111bの第2流出口119bと、第3上ヘッダタンク111cの第2流出口119cと、第3出口接続部370とに連なっている。第2合流流路は、第1上ヘッダタンク111aの第2流出口119aから流出した作動流体と第2上ヘッダタンク111bの第2流出口119bから流出した作動流体と第3上ヘッダタンク111cの第2流出口119cから流出した作動流体とを合流させた後、合流後の作動流体を第3出口接続部370に導く。
本実施形態では、複数の熱交換コア部として3つの熱交換コア部が用いられていた。しかしながら、複数の熱交換コア部として2つの熱交換コア部または4つ以上の熱交換コア部が用いられてもよい。これらの場合であっても、本実施形態と同様の効果が得られる。
(第33実施形態)
図56に示すように、本実施形態では、第1実施形態と異なり、ガス配管30は、第1実施形態の流路縮小部316を有していない。
第1下ヘッダタンク112a、第2下ヘッダタンク112bおよび第3下ヘッダタンク112cのそれぞれの長手方向の一方側の端部には、作動流体が流入する第1流入口116a、116b、116cが設けられている。各第1流入口116a、116b、116cは、第1実施形態の各流入口116a、116b、116cと同じである。第1下ヘッダタンク112a、第2下ヘッダタンク112bおよび第3下ヘッダタンク112cのそれぞれの長手方向の他方側の端部には、作動流体が流入する第2流入口120a、120b、120cが設けられている。
液配管40は、第1入口連結配管412と、第3入口接続部470と、第2入口連結配管472と、第3入口連結配管474と、第4入口接続部475と、第4入口連結配管476と、第5入口接続部477と、第5入口連結配管478とを含む。第1入口連結配管412は、第1実施形態の入口連結配管412と同じである。第3入口接続部470には、第2入口連結配管472と第3入口連結配管474とが接続されている。第2入口連結配管472は、第1入口接続部408と第3入口接続部470とを連結している。第3入口連結配管474は、第3入口接続部470と第4入口接続部475とを連結している。第4入口接続部475には、第3入口連結配管474と、第4入口連結配管476と、第1下ヘッダタンク112aの第2流入口120aとが接続されている。第4入口連結配管476は、第4入口接続部475と第5入口接続部477とを連結している。第5入口接続部477には、第4入口連結配管476と、第5入口連結配管478と、第2下ヘッダタンク112bの第2流入口120bとが接続されている。第5入口連結配管478は、第5入口接続部477と第3下ヘッダタンク112cの第2流入口120cとを連結している。
機器温調装置1の上記以外の構成は、第1実施形態と同じである。
本実施形態では、凝縮器20から流出した作動流体は、第3入口接続部470に向かって、分岐前配管414を流れる。第3入口接続部470で、作動流体は、一方の作動流体と、他方の作動流体とに分岐する。一方の作動流体は、第3下ヘッダタンク112cの第1流入口116cに向かって、第2入口連結配管472、第1入口連結配管412、第3入口配管406をこの記載順に流れる。このとき、第1入口接続部408で、一方の作動流体の一部が第1下ヘッダタンク112aの第1流入口116aに分配される。さらに、第2入口接続部410で、一方の作動流体の他の一部が第2下ヘッダタンク112bの第1流入口116bに分配される。
第3入口接続部470で分岐した他方の作動流体は、第3下ヘッダタンク112cの第2流入口120cに向かって、第3入口連結配管474、第4入口連結配管476、第5入口連結配管478をこの記載順に流れる。このとき、第4入口接続部475で、他方の作動流体の一部が第1下ヘッダタンク112aの第2流入口120aに分配される。さらに、第5入口接続部477で、他方の作動流体の他の一部が第2下ヘッダタンク112bの第2流入口120bに分配される。
ここで、第12実施形態での説明の通り、図25の比較例1の機器温調装置J1では、各熱交換コア部113a、113b、113cの経路を比較すると、入口連結配管412での作動流体の流量が最も多い。このように、各熱交換コア部113a、113b、113cの経路において、共通しない部分を流れる作動流体の流量が多いことが、各熱交換コア部113a、113b、113cを流れる作動流体の圧力損失の差が大きくなる理由の1つである。
本実施形態では、液配管40は、第3入口接続部470から各第1流入口116a、116b、116cに導く第1配管402、404、406、408、410、412、472を含む。さらに、液配管40は、第3入口接続部470から各第2流入口120a、120b、120cに導く第2配管474、475、476、477、478を含む。このように、液配管40は、第3入口接続部470から作動流体を分配する配管として、第1配管と、第1配管とは別個の第2配管とを含む。
これにより、下記の通り、第3入口接続部470から作動流体を分配する配管が1本である比較例1と比較して、1本の配管当たりの作動流体の流量を減少させることができる。このため、各熱交換コア部113a、113b、113cの経路において、共通しない部分における1本の配管当たりの流量を減らすことができる。
分岐前配管414を流れる作動流体の流量をGrとする。各熱交換コア部113a、113b、113cを作動流体が均等に流れると仮定する。各第1流入口116a、116b、116cと各第2流入口120a、120b、120cとから作動流体が均等に流入すると仮定する。この場合、液配管40の各部分を流れる作動流体の流量は、図56に示す通りである。
第3熱交換コア部113cの経路において、第2入口連結配管472および第3入口連結配管474を除いて、作動流体の流量が最大となる部分は、第1入口連結配管412および第4入口連結配管476である。第2入口連結配管472および第3入口連結配管474は、第1熱交換コア部113aの経路と共通する部分である。第1入口連結配管412および第4入口連結配管476の流量は、1/3Grであり、比較例1の入口連結配管412の流量よりも少ない。同様に、第2熱交換コア部113bの経路において、第2入口連結配管472および第3入口連結配管474を除いて、作動流体の流量が最大となる部分は、第1入口連結配管412および第4入口連結配管476である。
これにより、比較例1と比較して、第2熱交換コア部113bおよび第3熱交換コア部113cの経路での作動流体の圧力損失を減少させることができる。よって、本実施形態においても、第8実施形態と同様の効果が得られる。
本実施形態では、第1入口配管402、第2入口配管404、第3入口配管406、第1入口接続部408、第2入口接続部410、第1入口連結配管412および第2入口連結配管472が、第1分流流路を構成している。第1分流流路は、第3入口接続部470と、第1下ヘッダタンク112aの第1流入口116aと、第2下ヘッダタンク112bの第1流入口116bと、第3下ヘッダタンク112cの第1流入口116cとに連なっている。第1分流流路は、第3入口接続部470で分岐された一方の作動流体を、第1下ヘッダタンク112aの第1流入口116aと、第2下ヘッダタンク112bの第1流入口116b、第3下ヘッダタンク112cの第1流入口116cとのそれぞれに分配する。第3入口接続部470が、複数の分岐部のうち最上流側に位置する最上流側分岐部に相当する。第1下ヘッダタンク112aが、第1熱交換コア部に流入する作動流体が流れる第1流入側タンク部に相当する。第2下ヘッダタンク112bが、第2熱交換コア部に流入する作動流体が流れる第2流入側タンク部に相当する。第3下ヘッダタンク112cが、第3熱交換コア部に流入する作動流体が流れる第3流入側タンク部に相当する。
また、本実施形態では、第3入口連結配管474、第4入口接続部475、第4入口連結配管476、第5入口接続部477および第5入口連結配管478が、第2分流流路を構成している。第2分流流路は、第3入口接続部470と、第1下ヘッダタンク112aの第2流入口120aと、第2下ヘッダタンク112bの第2流入口120bと、第3下ヘッダタンク112cの第2流入口120cとに連なっている。第2分流流路は、第3入口接続部470で分岐された他方の作動流体を、第1下ヘッダタンク112aの第2流入口120aと、第2下ヘッダタンク112bの第2流入口120bと、第3下ヘッダタンク112cの第2流入口120cとのそれぞれに分配する。
本実施形態では、複数の熱交換コア部として3つの熱交換コア部が用いられていた。しかしながら、複数の熱交換コア部として2つの熱交換コア部または4つ以上の熱交換コア部が用いられてもよい。これらの場合であっても、本実施形態と同様の効果が得られる。
(第34実施形態)
図57に示すように、本実施形態は、第32実施形態と第33実施形態とを組み合わせたものである。すなわち、第32実施形態と同様に、ガス配管30は、第1出口連結配管312と、第3出口接続部370と、第2出口連結配管372と、第3出口連結配管374と、第4出口接続部375と、第4出口連結配管376と、第5出口接続部377と、第5出口連結配管378とを含む。第33実施形態と同様に、液配管40は、第1入口連結配管412と、第3入口接続部470と、第2入口連結配管472と、第3入口連結配管474と、第4入口接続部475と、第4入口連結配管476と、第5入口接続部477と、第5入口連結配管478とを含む。このため、本実施形態によれば、第32実施形態および第33実施形態と同様の効果を奏する。
(他の実施形態)
(1)第1-第6実施形態では、圧力損失増加部は、第1出口配管302、第1入口配管402等に設けられていた。しかしながら、圧力損失増加部は、第1上ヘッダタンク111a、第1下ヘッダタンク112a等に設けられていてもよい。なお、第1-第6実施形態では、各上ヘッダタンク111a、111b、111cは、各出口配管302、304、306とともに、複数の熱交換コア部113a、113b、113cのそれぞれの作動流体の出口側につながる出口側の複数の分岐流路を構成している。また、各下ヘッダタンク112a、112b、112cは、各入口配管402、404、406とともに、複数の熱交換コア部113a、113b、113cのそれぞれの作動流体の入口側につながる入口側の複数の分岐流路を構成している。
(2)上記各実施形態では、各電池モジュール2a、2b、2cは、図1~3に示すように設置されていた。しかしながら、各電池モジュール2a、2b、2cの設置方法として、他の方法を採用することができる。例えば、図58に示すように、端子4が設けられた面5が重力方向上側に向くように、複数の電池セル3が並べられていてもよい。また、図59に示すように、複数の電池セル3の下側に、各熱交換器11A、11B、11Cが配置されていてもよい。
(3)上記各実施形態では、機器温調装置1が温度を調整する対象機器は電池2であった。しかしながら、対象機器は、例えばモータ、インバータまたは充電器など、冷却または暖機が必要な他の機器でもよい。
(4)上記各実施形態では、機器温調装置1が対象機器を冷却する機能を有する構成について説明した。これに対し、他の実施形態では、機器温調装置1は、対象機器を暖機する機能を備えていてもよい。
(5)上記各実施形態では、作動流体としてフロン系冷媒が採用されていた。しかしながら、作動流体として、プロパン、水等の他の流体が採用されてもよい。
(6)上記各実施形態では、凝縮器20は、複数の熱交換器11A、11B、11Cより重力方向上側に配置されていた。しかしながら、作動流体の循環が可能であれば、凝縮器20は、複数の熱交換器11A、11B、11Cと重力方向で同じ位置に配置されていてもよい。
(7)本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能であり、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の材質、形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の材質、形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その材質、形状、位置関係等に限定されるものではない。
(まとめ)
上記各実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、機器温調装置は、複数の熱交換コア部と、凝縮器と、環状流路とを備える。環状流路は、凝縮器から流出した作動流体の流れを複数の熱交換コア部のそれぞれに向けて分岐させる1つの分岐部または複数の分岐部と、複数の熱交換コア部のそれぞれから流出した作動流体の流れの全部を合流させる全流れ合流部とを含む。環状流路のうち1つの分岐部または複数の分岐部のうち最上流側に位置する最上流側分岐部から全流れ合流部までの間の部分は、複数の熱交換コア部のそれぞれを流れる作動流体に生じる圧力損失の差を抑制するように構成されている。
第2の観点によれば、環状流路は、複数の熱交換コア部のそれぞれの作動流体の入口側または出口側につながる複数の分岐流路を含む。複数の分岐流路の少なくとも1つの分岐流路は、作動流体の圧力損失を増加させる圧力損失増加部を有する。
これによれば、少なくとも1つの分岐流路に圧力損失増加部を設けることで、各熱交換コア部を流れる作動流体に生じる圧力損失の差が抑制されるように、各熱交換コア部を流れる作動流体の圧力損失を調整することができる。なお、複数の分岐流路のうち作動流体が1つの分岐部または最上流側分岐部から各熱交換コア部を通って全流れ合流部まで流れる各作動流体の経路のなかで短い方の経路を構成する分岐流路に対して、圧力損失増加部を設けることが好ましい。
第3の観点によれば、複数の熱交換コア部は、第1熱交換コア部と第2熱交換コア部とを含む。複数の分岐流路は、第1熱交換コア部につながる第1分岐流路と、第2熱交換コア部につながる第2分岐流路とを含む。1つの分岐部または最上流側分岐部から第1熱交換コア部を通って全流れ合流部まで作動流体が流れる作動流体の経路は、1つの分岐部または最上流側分岐部から第2熱交換コア部を通って全流れ合流部まで作動流体が流れる作動流体の経路よりも短くなっている。第1分岐流路は、圧力損失増加部を有する。
これによれば、各熱交換コア部を流れる作動流体に生じる圧力損失の差が抑制されるように、各熱交換コア部を流れる作動流体の圧力損失を調整することができる。
第4の観点によれば、第1分岐流路は、圧力損失増加部としての第1増加部を有する。第2分岐流路は、圧力損失増加部としての第2増加部を有する。第1増加部による圧力損失の増加量は、第2増加部による圧力損失の増加量よりも大きくなっている。
作動流体の経路の長さが短い方が、作動流体の圧力損失が小さい。そこで、経路が短い方の第1分岐流路の第1増加部による圧力損失の増加量を、第2増加部による圧力損失の増加量よりも大きくする。これにより、複数の熱交換コア部のそれぞれを流れる作動流体に生じる圧力損失の差を抑制することができる。よって、各熱交換コア部の冷却能力のばらつきを抑えることができる。
第5の観点によれば、圧力損失増加部は、流路断面積を縮小する流路縮小部である。このように、圧力損失増加部としては、流路縮小部を用いることができる。
第6の観点によれば、圧力損失増加部を有する分岐流路は、複数の分岐流路のうち複数の熱交換コア部のそれぞれの作動流体流の出口側につながる出口側の複数の分岐流路の少なくとも1つである。気相の作動流体が流れる流路の方が、液相の作動流体が流れる流路よりも、作動流体に生じる圧力損失が大きい。このため、圧力損失増加部は、出口側の複数の分岐流路に対して設けられることが好ましい。
第7の観点によれば、複数の熱交換コア部は、第1熱交換コア部と、第2熱交換コア部と、第3熱交換コア部とを含む。複数の熱交換コア部のそれぞれから凝縮器に向かって作動流体が流れる流路に沿った距離で比較して、第3熱交換コア部は、第1熱交換コア部、第2熱交換コア部および第3熱交換コア部の中で、凝縮器から最も離れた位置に配置されている。環状流路は、第1熱交換コア部から流出した作動流体の流れと第2熱交換コア部から流出した作動流体の流れとが合流する部分合流部と、部分合流部から全流れ合流部に作動流体を流す部分合流流路と、第3熱交換コア部から流出した作動流体を、部分合流部を迂回させて全流れ合流部に流す出口側迂回流路とを含む。
ここで、検討例の機器温調装置では、第3熱交換コア部は、第1熱交換コア部、第2熱交換コア部および第3熱交換コア部の中で、凝縮器から最も離れた位置に配置される。凝縮器から各熱交換コア部を通って凝縮器まで作動流体が流れる作動流体の経路のうち第3熱交換コア部を通る作動流体の経路が最も長くなるように、環状流路が構成される。このため、第3熱交換コア部を流れる作動流体の圧力損失が、第1、第2熱交換コア部を流れる作動流体の圧力損失よりも大きくなる。
さらに、検討例の機器温調装置では、第3熱交換コア部から流出した作動流体が、第2熱交換コア部から流出した作動流体に合流する。この合流した作動流体が、第1熱交換コア部から流出した作動流体に合流する。この作動流体の流れが形成されるように、環状流路が構成される。このように、第3熱交換コア部からの作動流体の経路において、作動流体の流量が多い部分が含まれることも、第3熱交換コア部を流れる作動流体の圧力損失が大きくなる理由である。
第7の観点によれば、この検討例の機器温調装置と比較して、環状流路のうち第3熱交換コア部から全流れ合流部まで作動流体が流れる作動流体の経路において、作動流体の流量が最大となる部分の流量を少なくすることができる。ここで、作動流体の流量が少ないほど、作動流体の圧力損失が小さくなる。このため、第3熱交換コア部を流れる作動流体の圧力損失を減少させることができる。これにより、各熱交換コア部を流れる作動流体の圧力損失の差を抑制することができる。よって、各熱交換コア部の冷却能力のばらつきを抑えることができる。
第8の観点によれば、出口側迂回流路の少なくとも一部と環状流路のうち出口側迂回流路を除く部分の一部とは、当接した2つの配管で構成されている。これによれば、環状流路の設置領域を小さくすることができる。
第9の観点によれば、出口側迂回流路の少なくとも一部と環状流路のうち出口側迂回流路を除く部分の一部とは、一方の配管の内部に他方の配管が配置された二重管で構成されている。これによれば、環状流路の設置領域を小さくすることができる。
第10の観点によれば、部分合流流路は、作動流体の圧力損失を増加させる圧力損失増加部を有する。これにより、各熱交換コア部を流れる作動流体の圧力損失の差をより抑制することができる。
第11の観点によれば、環状流路は、第1熱交換コア部の出口側と部分合流部とをつなぐ出口流路を含む。出口流路は、作動流体の圧力損失を増加させる圧力損失増加部を有する。これにより、各熱交換コア部を流れる作動流体の圧力損失の差をより抑制することができる。
第12の観点によれば、複数の熱交換コア部は、第1熱交換コア部と、第2熱交換コア部と、第3熱交換コア部とを含む。凝縮器から複数の熱交換コア部のそれぞれに向かって作動流体が流れる流路に沿った距離で比較して、第3熱交換コア部は、第1熱交換コア部、第2熱交換コア部および第3熱交換コア部の中で、凝縮器から最も離れた位置に配置されている。複数の分岐部は、作動流体の流れを第1熱交換コア部と第2熱交換コア部とのそれぞれに向けて分岐させる第1分岐部と、第1分岐部よりも上流側に設けられ、作動流体の流れを第1分岐部と第3熱交換コア部とのそれぞれに向けて分岐させる、最上流側分岐部としての第2分岐部とを含む。環状流路は、第2分岐部から第1分岐部を迂回させて第3熱交換コア部へ作動流体を流す入口側迂回流路を含む。
ここで、検討例の機器温調装置では、第3熱交換コア部は、第1熱交換コア部、第2熱交換コア部および第3熱交換コア部の中で、凝縮器から最も離れた位置に配置される。凝縮器から各熱交換コア部を通って凝縮器まで作動流体が流れる作動流体の経路のうち第3熱交換コア部を通る作動流体の経路が最も長くなるように、環状流路が構成される。このため、第3熱交換コア部を流れる作動流体の圧力損失が、第1、第2熱交換コア部を流れる作動流体の圧力損失よりも大きくなる。
さらに、検討例の機器温調装置では、作動流体が最上流側分岐部で分岐する。最上流側分岐部で分岐した作動流体の一部が第1熱交換コア部に流入する。最上流側分岐部で分岐した作動流体の他の一部が、別の分岐部で分岐して、第2熱交換コア部と第3熱交換コア部のそれぞれに流入する。このように作動流体が流れるように環状流路が構成される。
第12の観点によれば、この検討例の機器温調装置と比較して、環状流路のうち最上流側分岐部から第3熱交換コア部まで作動流体が流れる作動流体の経路において、作動流体の流量が最大となる部分の流量を少なくすることができる。ここで、作動流体の流量が少ないほど、作動流体の圧力損失が小さくなる。このため、第3熱交換コア部を流れる作動流体の圧力損失を減少させることができる。これにより、各熱交換コア部を流れる作動流体の圧力損失の差を抑制することができる。よって、各熱交換コア部の冷却能力のばらつきを抑えることができる。
第13の観点によれば、複数の熱交換コア部は、第1熱交換コア部と、第2熱交換コア部と、第3熱交換コア部とを含む。環状流路は、第1熱交換コア部と全流れ合流部とをつなぐ第1出口流路と、第2熱交換コア部と全流れ合流部とをつなぐ第2出口流路と、第3熱交換コア部と全流れ合流部とをつなぐ第3出口流路とを含む。第2出口流路は、第1出口流路とは別個の流路である。第3出口流路は、第1出口流路および第2出口流路とは別個の流路である。
ここで、検討例の機器温調装置では、第3熱交換コア部は、第1熱交換コア部、第2熱交換コア部および第3熱交換コア部の中で、凝縮器から最も離れた位置に配置される。凝縮器から各熱交換コア部を通って凝縮器まで作動流体が流れる作動流体の経路のうち第3熱交換コア部を通る作動流体の経路が最も長くなるように、環状流路が構成される。このため、第3熱交換コア部を流れる作動流体の圧力損失が、第1、第2熱交換コア部を流れる作動流体の圧力損失よりも大きくなる。
さらに、検討例の機器温調装置では、第3熱交換コア部から流出した作動流体が、第2熱交換コア部から流出した作動流体に合流する。この合流した作動流体が、第1熱交換コア部から流出した作動流体に合流する。この作動流体の流れが形成されるように、環状流路が構成される。
第13の観点によれば、この検討例の機器温調装置の環状流路のうち第3熱交換コア部から全流れ合流部まで作動流体が流れる作動流体の経路において、作動流体の流量が最大となる部分の流量と比較して、第3出口流路を流れる作動流体の流量を少なくすることができる。ここで、作動流体の流量が少ないほど、作動流体の圧力損失が小さくなる。このため、検討例の機器温調装置と比較して、第3熱交換コア部を流れる作動流体の圧力損失を少なくすることができる。これにより、各熱交換コア部を流れる作動流体の圧力損失の差を抑制することができる。よって、各熱交換コア部の冷却能力のばらつきを抑えることができる。
第14の観点によれば、第1出口流路と第2出口流路と第3出口流路とのそれぞれは、流路の長さが長いほど、流路断面積が大きな配管で構成されている。流路断面積が同じ場合、流路の長さが長いほど、流路を流れる作動流体の圧力損失が大きくなる。そこで、流路の長さが長いほど、流路断面積を大きくすることで、流路を流れる作動流体の流速を下げることができる。作動流体の流速を下げることで、作動流体の圧力損失を小さくすることができる。これにより、各熱交換コア部を流れる作動流体の圧力損失の差をより抑制することができる。
第15の観点によれば、複数の熱交換コア部は、第1熱交換コア部と、第2熱交換コア部と、第3熱交換コア部とを含む。環状流路は、1つの分岐部と第1熱交換コア部とをつなぐ第1入口流路と、1つの分岐部と第2熱交換コア部とをつなぐ第2入口流路と、1つの分岐部と第3熱交換コア部とをつなぐ第3入口流路とを含む。第2入口流路は、第1入口流路とは別個の流路である。第3入口流路は、第1入口流路および前記第2入口流路とは別個の流路である。
ここで、検討例の機器温調装置では、第3熱交換コア部は、第1熱交換コア部、第2熱交換コア部および第3熱交換コア部の中で、凝縮器から最も離れた位置に配置される。凝縮器から各熱交換コア部を通って凝縮器まで作動流体が流れる作動流体の経路のうち第3熱交換コア部を通る作動流体の経路が最も長くなるように、環状流路が構成される。このため、第3熱交換コア部を流れる作動流体の圧力損失が、第1、第2熱交換コア部を流れる作動流体の圧力損失よりも大きくなる。
さらに、検討例の機器温調装置では、作動流体が最上流側分岐部で分岐する。最上流側分岐部で分岐した作動流体の一部が第1熱交換コア部に流入する。最上流側分岐部で分岐した作動流体の他の一部が、別の分岐部で分岐して、第2熱交換コア部と第3熱交換コア部のそれぞれに流入する。このように作動流体が流れるように環状流路が構成される。
第15の観点によれば、この検討例の機器温調装置の環状流路のうち最上流側分岐部から第3熱交換コア部までの作動流体の経路において、作動流体の流量が最大となる部分と比較して、第3入口流路を流れる作動流体の流量を少なくすることができる。ここで、作動流体の流量が少ないほど、作動流体の圧力損失が小さくなる。このため、第3熱交換コア部を流れる作動流体の圧力損失を減少させることができる。これにより、各熱交換コア部を流れる作動流体の圧力損失の差を抑制することができる。よって、各熱交換コア部の冷却能力のばらつきを抑えることができる。
第16の観点によれば、第1入口流路と第2入口流路と第3入口流路とのそれぞれは、流路の長さが長いほど、流路断面積が大きな配管で構成されている。流路断面積が同じ場合、流路長さが長い流路ほど、流路を流れる作動流体の圧力損失が大きくなる。そこで、流路の長さが長い経路ほど、流路断面積を大きくすることで、流路を流れる作動流体の流速を下げることができる。作動流体の流速を下げることで、作動流体の圧力損失を小さくすることができる。これにより、各熱交換コア部を流れる作動流体の圧力損失の差を抑制することができる。
第17の観点によれば、環状流路のうち1つの分岐部または最上流側分岐部から全流れ合流部までの間の少なくとも一部は、流路断面積が異なる複数の配管で構成されている。複数の配管のそれぞれは、内部を流れる作動流体の流量が多いほど、流路断面積が大きくなっている。
流路断面積が同じ場合、流路を流れる作動流体の流量が多い流路ほど、流路を流れる作動流体の圧力損失が大きくなる。そこで、流路が多い流路ほど、流路断面積を大きくする。流路断面積を大きくすることで、流路を流れる作動流体の流速を下げることができる。作動流体の流速を下げることで、作動流体の圧力損失を小さくすることができる。これにより、各熱交換コア部を流れる作動流体の圧力損失の差を抑制することができる。
第18の観点によれば、複数の熱交換コア部は、第1熱交換コア部と、第2熱交換コア部と、第3熱交換コア部とを含む。第1熱交換コア部、第2熱交換コア部および第3熱交換コア部は、第1熱交換コア部、第2熱交換コア部、第3熱交換コア部の順に並んでいる。環状流路は、コア部連結流路と、部分合流部と、部分合流流路と、出口側迂回流路とを含む。コア部連結流路は、第2熱交換コア部と第3熱交換コア部のそれぞれの作動流体の出口側を連結する。部分合流部では、第1熱交換コア部から流出した作動流体の流れと第2熱交換コア部から流出した作動流体の流れとが合流する。部分合流流路は、部分合流部から全流れ合流部に作動流体を流す。出口側迂回流路は、第3熱交換コア部から流出した作動流体を、部分合流部を迂回させて全流れ合流部に流す。これによれば、第7の観点と同様の効果が得られる。
第19の観点によれば、複数の熱交換コア部は、第1熱交換コア部と、第2熱交換コア部と、第3熱交換コア部とを含む。第1熱交換コア部、第2熱交換コア部および第3熱交換コア部は、第1熱交換コア部、第2熱交換コア部、第3熱交換コア部の順に並んでいる。複数の分岐部は、第1分岐部と、最上流側分岐部としての第2分岐部とを含む。第1分岐部は、作動流体の流れを第1熱交換コア部と第2熱交換コア部とのそれぞれに向けて分岐させる。第2分岐部は、第1分岐部よりも上流側に設けられ、作動流体の流れを第1分岐部と第3熱交換コア部とのそれぞれに向けて分岐させる。環状流路は、コア部連結流路と、入口側迂回流路とを含む。コア部連結流路は、第2熱交換コア部と第3熱交換コア部のそれぞれの作動流体の入口側を連結する。入口側迂回流路は、第2分岐部から第1分岐部を迂回させて第3熱交換コア部へ作動流体を流す。これによれば、第12の観点と同様の効果が得られる。
また、第20の観点によれば、複数の熱交換コア部の数は4以上である。複数の熱交換コア部の数をnとする。このとき、環状流路は、第1部分合流部と、第1部分合流流路と、第2部分合流部と、第2部分合流流路とを含む。第1部分合流部は、複数の熱交換コア部のうち2以上かつ(n-2)以下の数の熱交換コア部のそれぞれから流出した作動流体の流れを合流させる。第1部分合流流路は、第1部分合流部から全流れ合流部に作動流体を流す。第2部分合流部は、複数の熱交換コア部のうち2以上かつ(n-2)以下の数の他の熱交換コア部のそれぞれから流出した作動流体の流れを合流させる。第2部分合流流路は、第1部分合流流路を迂回させて、第2部分合流部から全流れ合流部に作動流体を流す。
ここで、検討例の機器温調装置では、(n-1)の数の他の熱交換コア部から流出した作動流体の流れが合流する。この合流した流れに、1つの熱交換コア部から流出した作動流体が合流する。この作動流体の流れが形成されるように、環状流路が構成される。
このように、各熱交換コア部から全流れ合流部まで作動流体が流れる各熱交換コア部の経路において、他の熱交換コア部の経路に、(n-1)の数の熱交換コア部から流出した作動流体の流れが合流して流れる部分、すなわち、作動流体の流量が多い部分が含まれる。一方、1つの熱交換コア部の経路には、その作動流体の流量が多い部分は含まれない。流路を流れる作動流体の流量が多いほど、流体の圧力損失が大きい。これが、各熱交換コア部を流れる作動流体の圧力損失の差が大きくなる理由の1つである。
これに対して、第21の観点によれば、各熱交換コア部から全流れ合流部まで作動流体が流れる各熱交換コア部の経路において、作動流体の流量が最大となる部分の流量は、(n-2)の数の熱交換コア部から流出した作動流体の流量の合計以下となる。このため、検討例の機器温調装置と比較して、各熱交換コア部の経路において、作動流体の流量が最大となる部分の流量を少なくすることができる。これにより、各熱交換コア部を流れる作動流体の圧力損失の差を抑制することができる。よって、各熱交換コア部の冷却能力のばらつきを抑えることができる。
また、第21の観点によれば、複数の熱交換コア部は、第1熱交換コア部と、第2熱交換コア部とを含む。環状流路は、第1熱交換コア部から流出した作動流体が流れる第1流出側タンク部と、第2熱交換コア部から流出した作動流体が流れる第2流出側タンク部と、第1合流流路と、第1合流流路とは別個の流路である第2合流流路とを含む。第1流出側タンク部は、第1流出口と第2流出口とを有する。第2流出側タンク部は、第1流出口と第2流出口とを有する。第1合流流路は、第1流出側タンク部の第1流出口から流出した作動流体と第2流出側タンク部の第1流出口から流出した作動流体とを合流させた後、合流後の作動流体を全流れ合流部に導く。第2合流流路は、第1流出側タンク部の第2流出口から流出した作動流体と、第2流出側タンク部の第2流出口から流出した作動流体とを合流させた後、合流後の作動流体を全流れ合流部に導く。
ここで、各熱交換コア部から全流れ合流部までを作動流体が流れるときの作動流体の経路において、共通しない部分を流れる作動流体の流量が多いことが、各熱交換コア部を流れる作動流体の圧力損失の差が大きくなる理由の1つである。
第21の観点によれば、環状流路は、第1合流流路と第2合流流路との2つの合流流路を含む。このため、合流流路が1つの場合と比較して、1つの合流流路当たりの作動流体の流量を減少させることができる。すなわち、共通しない部分における1つの流路当たりの流量を減らすことができる。これにより、各熱交換コア部を流れる作動流体の圧力損失の差を抑制することができる。よって、各熱交換コア部の冷却能力のばらつきを抑えることができる。
また、第22の観点によれば、複数の熱交換コア部は、第1熱交換コア部と、第2熱交換コア部とを含む。環状流路は、第1熱交換コア部に流入する作動流体が流れる第1流入側タンク部と、第2熱交換コア部に流入する作動流体が流れる第2流入側タンク部と、第1分流流路と、第1分流流路とは別個の流路である第2分流流路とを含む。第1流入側タンク部は、第1流入口と第2流入口とを有する。第2流入側タンク部は、第1流入口と第2流入口とを有する。第1分流流路は、最上流側分岐部で分岐された一方の作動流体を、第1流入側タンク部の第1流入口と、第2流入側タンク部の第1流入口とのそれぞれに分配する。第2分流流路は、最上流側分岐部で分岐された他方の作動流体を、第1流入側タンク部の第2流入口と、第2流入側タンク部の第2流入口とのそれぞれに分配する。
ここで、最上流側分岐部から各熱交換コア部までを作動流体が流れるときの作動流体の経路において、共通しない流路を流れる作動流体の流量が多いことが、各熱交換コア部を流れる作動流体の圧力損失の差が大きくなる理由の1つである。
第22の観点によれば、環状流路は、第1分流流路と第2分流流路との2つの分流流路を含む。このため、分流流路が1つの場合と比較して、1つの分流流路当たりの作動流体の流量を減少させることができる。すなわち、共通しない流路における1つの流路当たりの流量を減らすことができる。これにより、各熱交換コア部を流れる作動流体の圧力損失の差を抑制することができる。よって、各熱交換コア部の冷却能力のばらつきを抑えることができる。
第23の観点によれば、機器温調装置は、車両に搭載される。対象機器は、車両走行用の電力を供給する電池である。このように、第1-第22の観点の機器温調装置を、車両走行用の電力を供給する電池の温度を調整する機器温調装置に適用することができる。