JP7097925B2 - 自動測定装置 - Google Patents
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Description
ただ、ワークと可動要素(スピンドルや測定ジョー)とを適切に密着させ、さらに、常に同じ測定圧を掛けながら測定しなければならないため、どうしても人手による手動測定ということになる。そのため、このような接触式の測定工具による測定には人手と時間が掛かる。
また、三次元測定機(CMM)等を利用すれば接触式測定の自動化はもちろんできるが(特開2019-100904)、数千万円から数億円の投資が必要なのであり、マイクロメータやノギスで行なっているような測定の代替に採用するのは妥当とは言えない。
ワークの寸法を測定するための測定器を用いてワークを自動的に測定する自動測定装置であって、
前記測定器と、
前記測定器を支持する測定器支持台部と、
前記ワークWを前記測定器の測定領域内に保持するワーク保持台部と、
を具備し、
前記測定器は、
固定要素と、
前記固定要素に対して変位可能に設けられていて、前記ワークWに対して接離するように進退する可動要素と、
前記可動要素の変位を検出する変位検出部と、
を有し、
前記測定器支持台部は、
前記測定器の前記固定要素を保持する測定器保持部と、
前記測定器に着脱可能であって、モータの動力によって前記可動要素の進退を自動化する自動操作部と、を有する
ことを特徴とする。
前記ワーク保持台部に保持された前記ワークと、
前記測定器保持部に保持された前記測定器と、の少なくとも一方は、
前記ワークと前記可動要素とが当接したときに、前記測定器に予め設定された所定測定圧以下の圧力でその位置および姿勢を変更して、前記ワークおよび前記可動要素の互いの当接面が密接するように保持されている
ことが好ましい。
前記ワーク保持台部は、前記ワークが載置されるワーク載置台である
ことが好ましい。
前記ワーク保持台部は、前記ワークを把持するワーク把持手段を有し、
前記ワーク把持手段および前記測定器保持部のうち一方は他方に対する相対変位を許容するように設けられている
ことが好ましい。
前記測定器は、
元来は手動操作用であって手動回転操作または手動押引操作によって前記可動要素を進退させる操作部を有し、
前記自動操作部は、
前記操作部に着脱可能であって、前記操作部をモータの動力によって操作して前記可動要素の進退を自動化する
ことが好ましい。
前記測定器はマイクロメータであって、
前記マイクロメータは、
U字の一端の内側にアンビルを有する前記固定要素としてのU字形フレームと、
前記U字形フレームの他端側に設けられ、前記アンビルに対して軸方向進退可能に設けられた前記可動要素としてのスピンドルと、
を有し、
前記自動操作部は、
モータと、
前記モータの出力軸と前記スピンドルとを直接的または間接的に連結して前記モータの動力を前記スピンドルの進退に変換する動力伝達部と、を有する
ことが好ましい。
前記自動操作部は、前記モータの回転子の回転軸が前記スピンドルの中心軸と同一直線上となるように前記スピンドルの中心軸に直交する方向において位置変更できるように設けられている
ことが好ましい。
前記マイクロメータは、
前記U字形フレームの他端側において前記スピンドルの他端に配置され、元来は指で回転操作するためのシンブルを有し、
前記動力伝達部は、
前記シンブルに外嵌する固着環と、
前記モータの回転子の回転軸と同期して回転ように設けられた回転板と、
前記スピンドルの中心軸と平行に配置され、かつ、一端が前記固着環に固定され、他端が前記回転板に固定されており、前記スピンドルの中心軸を回転の中心として回転して前記回転板の回転を前記固着環に伝える伝達リンク棒と、を備える
ことが好ましい。
前記シンブルと前記スピンドルとの間には、
前記スピンドルに予め設定された負荷がかかったときに、前記シンブルと前記スピンドルとの係合を解除して前記シンブルを前記スピンドルに対して空転させる定圧機構が設けられている
ことが好ましい。
前記自動操作部は、前記モータの回転を制御するモータ制御器を有し、
前記モータ制御器は、前記モータのトルク検知機能を有し、
前記モータ制御器は、
モータ回転数の制御モードとして、
高速回転である高速回転モードと、
前記高速回転モードの回転速さよりも低速である低速回転モードと、を有しており、
前記スピンドルを前進させる方向のモータ回転方向を順回転とし、
前記スピンドルを後退させる方向のモータ回転方向を逆回転とするとき、
前記モータ制御器は、
前記高速回転モードの順回転で前記スピンドルを前進させ、
前記トルク検知機能によって前記スピンドルと前記ワークとの当接を検知したとき、予め決められた第1回転数分だけ前記高速回転モードの逆回転で前記スピンドルを後退させ、
次に、前記第1回転数分だけ低速回転モードの順回転で前記スピンドルを前進させ、続けて、さらに予め決められた第2回転数分だけ低速回転モードの順回転で前記モータを駆動させ、
その後、予め決められた第3回転数分だけ前記高速回転モードの順回転で前記モータを駆動させる
ことが好ましい。
前記自動測定装置と、
前記ワークをピックアップして次々に前記ワーク保持台部に搬送するワーク搬送手段と、を備える
ことを特徴とする。
可動要素をワークに接触させてワークの寸法を測定するための測定器を自動化する測定自動化装置であって、
前記測定器を支持する測定器支持台部と、
前記ワークを前記測定器の測定領域内に保持するワーク保持台部と、を具備し、
前記測定器支持台部は、
前記測定器の固定要素を保持する測定器保持部と、
前記測定器に着脱可能であって、モータの動力によって前記可動要素の進退を自動化する自動操作部と、を有する
ことを特徴とする。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態を説明する。
図1は、自動測定システム100の全体構成図である。
例えば、工作機械(例えばNC旋盤)で加工されたワークW(例えば部品)がベルトコンベア110で運ばれてくる。
ワークWは、前処理用のストッカー120に移される。前処理として、例えば、エアブローによって脱油や脱塵を施してもよい。前処理されたワークWは、例えばロボットアーム130によって自動測定装置200の測定領域内に運ばれる。ロボットアーム130は、例えば多関節型のロボットアーム130であって、その先端にワークWを把持するためのロボットハンド140と、画像認識用のカメラ150と、を有する。
ロボットアーム130は、画像認識によってワークWを認識し、ロボットハンド140でワークWを掴み、ワークWを自動測定装置200の測定領域に運ぶ。ここでは、ロボットハンド140は、ワークWの向き(姿勢)を予め設定された向き(姿勢)にして測定領域に置き、一旦ワークWを離すとする。
自動測定装置200は、小型の測定器(小型の測定工具)としてのマイクロメータ300を自動化した自動測定装置200である。
本実施形態の自動測定装置200を、自動マイクロメータ装置200と称することにする。
図2は、自動マイクロメータ装置200の外観図である。
自動マイクロメータ装置200は、マイクロメータ300と、測定器支持台部400と、ワーク保持台部460と、を備えている。
簡単にマイクロメータ300の構成を説明しておく。
マイクロメータ300は、U字形フレーム(固定要素)310と、スピンドル(可動要素)330と、シンブル部340と、変位検出部350と、を有する。
スピンドル330は、U字形フレーム310の他端側に設けられ、アンビル320に対して軸方向進退可能に設けられている。
スピンドル330の一端側端面には、ワークWに当接するための測定面が設けられている。同じく、アンビル320の他端側端面にもワークWに当接するための測定面が設けられている。測定面は、平坦面に加工され、例えば、超硬合金材やセラミックで形成されている。
スピンドル330は、シンブル部340の回転操作によって軸方向進退するように送り移動されるものである。
回転送り式では、スピンドル330自体に雄ネジを設けておいて、U字形フレーム310側に雌ネジを設けておく。シンブルとスピンドル330とが一体回転するように両者を係合させておき、シンブルの回転操作によってスピンドル330を回転させる。すると、スピンドル330がネジ送りによって進退する。
直動送り式では、シンブル340の内側に送りネジを切っておいて、スピンドル330には前記送りネジに係合するピンを設けておく。スピンドル330を回り止めした状態でシンブル340を回転させると、ピンと送りネジとの係合によってスピンドル330が送られる。
本実施形態に採用するマイクロメータ300のタイプとしては、回転送り式でも直動送り式でもよい。
シンブル部340は、回転操作によってスピンドル330を進退させる操作部である。
ここで、本実施形態に採用するマイクロメータ300としては、シンブル部340とスピンドル330との間に定圧機構を有するタイプが好ましい。
定圧機構は、予め設定された負荷がスピンドル330にかかったときに、シンブルとスピンドル330との係合を解除してシンブルをスピンドル330に対して空転させるものである。
測定時に定圧機構を常に同じように適正に作動させることにより測定時の測定圧を一定にし、測定精度(繰り返し精度)を高く保つことができる。
定圧機構は市販のマイクロメータ300にも組み込まれており、例えば、特許3115555、特許3724995、特許5426459、特許5270223にも開示されている。定圧機構としては、シンブルとスピンドル330との間に所定負荷以上の力が掛かったときに滑りが生じるようにしたラチェット機構や、シンブルの外スリーブと内スリーブとの間に所定負荷以上で滑りが生じるように介装した板バネ等で構成できる。
例えば、特許3751540、特許4806545、特開2019-190916に測定圧検出機構が開示されている。
測定圧検出機構としては、歪みゲージ等でスピンドル330にかかる負荷を直接または間接的に検出してもよいし、前記定圧機構が作動したことでスピンドル330に掛かる負荷が所定値になったことを検出するようにしてもよい。測定圧検出機構は、所定測定圧を検出したときには信号(測定圧信号)を出力する。例えば、変位検出部350は、測定圧検出機構で所定測定圧が検出されたことを受けて、測定値(変位量)のサンプリング(ラッチ)を行なう。
この場合、アナログ式目盛、デジタルカメラおよび画像認識部(画像解析部)によって変位検出部が構成されているとしてもよい。
測定器支持台部400は、基枠体410と、測定器保持部420と、自動操作部440と、を有する。
説明のために図2中に示すように互いに直交するXYZの座標軸をとる。
基枠体410を構成する4辺のうち、X軸方向に平行な二辺を第1長辺部411と第2長辺部412とし、Y軸方向に平行な二辺を第1短辺部413と第2短辺部414とする。
このとき、測定器保持部420の設置位置をX軸方向に沿って調整できるように第1長辺部411はレールを有している。同じく、自動操作部440の設置位置をY軸方向に沿って調整できるように第2短辺部414はレールを有している。ワーク保持台部460の設置位置をX軸方向に沿って調整できるように第2長辺部412はレールを有している。
測定器保持部420は、押え板である。
押え板は、マイクロメータ300(測定器)を基枠体410に取り付けるように第1長辺部411と押え板との間にマイクロメータ(測定器)300のU字形フレーム(固定要素)310を挟み込む。マイクロメータ300の向きとしては、スピンドル330の進退方向(軸方向)がX軸と平行、U字形フレーム310の一端側(アンビル320側)が第1短辺部413側、U字形フレーム310の他端側(シンブル側)が第2短辺部414側、であるとする。
自動操作部440は、モータハウジング441と、モータ442と、動力伝達部450と、モータ制御器443と、を備える。
モータハウジング441は、マイクロメータ300のスピンドル330(あるいはシンブル部340)の中心線の延長線上に配置されている。つまり、自動操作部440は、モータ442の回転子の回転軸がスピンドル330(あるいはシンブル部340)の中心軸と同一直線上となるように設置されている。必要に応じて、モータハウジング441の位置を第2短辺部414のレールに沿って移動させて位置を調整するとよい。
ただし、モータ442は、制御パルスで正回転および逆回転の回転角(回転数)をある程度制御できることが好ましい。また、モータ442は、トルク検出機能を有していることが好ましい。(モータ442のトルク検出自体は、例えば印加電流(印加電圧)の増減からトルクを求めるなど種々の方式が知られている。)モータ442としては、例えばステッピングモータを採用できる。(もちろんサーボモータや同期モータでもよいのであってモータ442の構造や駆動方式は特段限定されない。)
伝達リンク棒453は、その一端が固着環451に固定され、他端が回転板452に固定されている。伝達リンク棒453は、スピンドル330の中心軸と平行である。回転板452がモータ442によって回転すると、その回転は伝達リンク棒453によって固着環451に伝達され、固着環451が回転板452と同期して回転する。
ワーク保持台部460は、マイクロメータ300(測定器)の測定領域に測定対象であるワークWを保持する。
ワーク保持台部460は、支持支柱461と、ワーク載置板462と、を有する。
支持支柱461は、第1長辺部411に取り付けられている。
ワーク載置板462は、XY面に平行な面を有するL形の板体であって、支持支柱461に固定されている。ワーク保持台部460で保持したワークWがマイクロメータ(測定器)300の測定領域に入るように、支持支柱461の位置を第2長辺部412に沿って調整し、さらに、ワークWの測定対象箇所(測定対象部位)がアンビル320とスピンドル330とに挟まれるようにワーク載置板462の高さ(Z軸方向位置)を調整するとよい。
自動マイクロメータ装置200の動作を説明する。
図3、図4は、自動マイクロメータ装置200による測定動作を説明するためのフローチャートである。
ロボットアーム130によってワークWがワーク載置板462にセットされたことを検知すると(ST110:YES)、モータ制御器443は、予め設定された(プログラムされた)モータ駆動制御を実行する。
まず、モータ制御器443は、モータ442を比較的高速で順回転させてスピンドル330をアンビル320に向けて前進させる(ST120)。このときのモータ442の回転速さは、例えば、180rpmである。(あるいは100rpm~200rpm程度である。)
例えば図5は、スピンドル330が前進する様子を例示する図である。
図6は、アンビル320とスピンドル330とでワークWを挟んだ状態を例示した図である。
アンビル320とスピンドル330とでワークWを挟んだ瞬間、モータトルクが増大し、トルク検出機能によりモータ制御器443はスピンドル330がワークWに接触したこと、言い換えると、アンビル320とスピンドル330とがワークWに接触したことを検知する(ST130:YES)。
逆回転の回転速さは例えば180rpmである。また、逆回転の回転数は例えば0.5回転である。なお、この回転速さ(180rpm)は例示であって、前進時(ST120)の回転速さと逆転時の回転速さ(ST140)とは同じでもよいし、異なっていてもよい。
第1の理由としては、スピンドル330がワークWに食い込むのを確実に回避するためである。単なる停止よりも一旦後退させる制御信号を送った方が食い込みを確実に回避できる。また、測定圧を発生させる際に定圧機構を作動させることになるが、スピンドル330を常に同じ速度で前進させながら定圧機構を作動させるためには、スピンドル330の作動距離を確保しておく必要がある。そこで、ワークWに測定圧を掛ける動作を常に同じにできるように、一旦スピンドル330をステップバックさせておくとよいと考えるのである。
低速前進工程(ST150)として、比較的低速でモータ442を順回転させる。その回転数は、先に後退(ST140)した分と同じだけの回転数である。ここでは、例えば、9rpmで0.5回転とする。これでワークWをゆっくりと押しながらワークWとアンビル320との接触およびワークWとスピンドル330との接触を確実にする。
ここで、一度、ゆっくりと定圧機構を作動させることにより、ワークWとアンビル320との接触面、および、ワークWとスピンドル330との接触面を確実になじませる(密接させる)。
また、スピンドル330(アンビル320)とワークWとはすでに接触しているのであるから、トルク検出機能でスピンドル330(アンビル320)とワークWとの接触を誤検出するというような制限はない。
また、本ステップ(ST170)の回転数は、定圧機構を作動させるのに必要な回転数であり、1.5回転~3.5回転程度でよく、これは使用するマイクロメータの(定圧機構の)仕様にもよる。
本実施形態の自動マイクロメータ装置200は、接触式の小型の測定器(小型の測定工具)であるマイクロメータ300を自動化するものである。マイクロメータ300は一般的な工場には既にあると期待できるものなので、測定器支持台部400と、ワーク保持台部460と、自動操作部440と、を用意するだけでマイクロメータ300の自動化を実現できる。すなわち、自動測定の導入に要する費用を極めて低廉にすることができ、人手不足の解消に資するところ大である。
この点、本実施形態では、ワークWとマイクロメータ300とは相対位置を固定せず、測定圧以下の力で位置および姿勢を変更できるようにしている。
また、マイクロメータ300に備わっている定圧機構とモータ442に備わっているトルク検出機構とを総合的に利用し、スピンドル330の前進と後退を数段階で行ない、特に、測定面(接触面)をしっかりなじませる(密着させる)工程(ST160)と、所定の測定圧を掛ける工程(ST170)と、を行なっている。
通常、手動でシンブルを回転させる際は、一定の速さで回転させて、そのまま一定の回転で定圧をかけて測定するものであり、バックしたり、定圧機構をゆっくりと高速との二段階で作動させたりするようなことはないが、条件を変えた繰り返しの実験により手動操作とは違う制御工程を工夫したことで自動測定でも安定した測定値を得られるようになった。
これによりマイクロメータ300の自動化が実現できた。また、モータ制御によって常に同じ動きでワークWを測定することができるようになるので、作業者ごとの習熟度や動きの癖で測定値に差が生じるような問題も解消されることとなった。
上記実施形態ではワークWをワーク載置板462に載置するとしたが、ワークWがグリップ(把持)されていてもよい。この場合、ワーク把持手段が例えば平行板バネのような平行移動を許容するフローティング継手を介してワーク保持台部460に取り付けられて支持されていてもよい。あるいは、ワーク把持手段がロボットアームであってもよい。(この場合、ワーク把持手段であるロボットアームまたはロボットハンドが例えば平行板バネのような平行移動を許容するフローティング継手を有していてもよい。)
もちろん、測定器支持台部400の方が平行移動を許容するようになっていてもよいのであり、この場合、測定器保持部420の方がフローティング継手を介して基枠体410に取り付けられていてもよい。
許容すべき平行移動方向は、少なくとも、スピンドル330の進退方向(スピンドル330の軸方向)と平行な方向である。
スピンドル(アンビル)とワークとの接触面がなじむためにわずかに回転の自由度も必要になるような場合には、回転軸を持たせてもよいし、例えば板バネの弾性等で向き(姿勢)の変更を許容するようにしてもよい。
Claims (11)
- ワークの寸法を測定するための測定器を用いてワークを自動的に測定する自動測定装置であって、
前記測定器と、
前記測定器を支持する測定器支持台部と、
前記ワークを前記測定器の測定領域内に保持するワーク保持台部と、を具備し、
前記測定器は、
固定要素と、
前記固定要素に対して変位可能に設けられていて、前記ワークに対して接離するように進退する可動要素と、
前記可動要素の変位を検出する変位検出部と、を有し、
前記測定器支持台部は、
前記測定器の前記固定要素を保持する測定器保持部と、
前記測定器に着脱可能であって、モータの動力によって前記可動要素の進退を自動化する自動操作部と、を有し、
前記ワーク保持台部に保持された前記ワークと、前記測定器保持部に保持された前記測定器と、の少なくとも一方は、前記ワークと前記可動要素とが当接したときに、前記測定器に予め設定された所定測定圧以下の圧力でその位置および姿勢を変更して、前記ワークおよび前記可動要素の互いの当接面が密接するように保持されており、
前記自動操作部は、
前記モータの駆動を制御するモータ制御器と、
前記モータと前記可動要素とを直接的または間接的に連結して前記モータの動力を前記可動要素の進退に変換する動力伝達部と、を有し、
前記モータ制御器は、前記モータを介して前記可動要素が前記ワークに接触したことを検知する検知機能を有し、
前記動力伝達部は、前記可動要素に予め設定された負荷がかかったときに、前記モータと前記可動要素との連結を解除して前記可動要素から前記ワークに対して所定負荷以上の力が掛からないようにする定圧機構を有し、
前記可動要素を前進させる方向のモータ駆動方向を順方向とし、
前記可動要素を後退させる方向のモータ駆動方向を逆方向とするとき、
前記モータ制御器は、
第一の前進工程として、順方向のモータ駆動で前記可動要素を前進させ、
前記可動要素と前記ワークとの接触を検知したとき、第一の後退工程として、予め決められた分だけ逆方向のモータ駆動で前記可動要素を後退させ、
次に、第二の前進工程として、順方向のモータ駆動で前記可動要素を前進させて再度前記可動要素と前記ワークとの接触を確実にし、続けて、測定面接触工程として、さらに予め決められた分だけ順方向のモータ駆動で前記可動要素を前進させ、
その後、測定圧印加工程として、予め決められた分だけ順方向のモータ駆動で前記可動要素を前進させる
ことを特徴とする自動測定装置。 - 請求項1に記載の自動測定装置において、
前記モータ制御器は、
モータ駆動の制御モードとして、
高速駆動である高速駆動モードと、
前記高速駆動モードの速さよりも低速である低速駆動モードと、を有しており、
前記モータ制御器は、
前記第一の前進工程として、前記高速駆動モードの順方向で前記可動要素を前進させ、
前記可動要素と前記ワークとの接触を検知したとき、前記第一の後退工程として、予め決められた分だけ前記高速駆動モードで逆方向に前記可動要素を後退させ、
次に、前記第二の前進工程として、前記低速駆動モードで順方向に前記可動要素を前進させて再度前記可動要素と前記ワークとの接触を確実にし、続けて、測定面接触工程として、さらに予め決められた分だけ前記低速駆動モードで順方向に前記可動要素を前進させ、
その後、前記測定圧印加工程として、予め決められた分だけ前記高速駆動モードで順方向に前記可動要素を前進させる
ことを特徴とする自動測定装置。 - 請求項1または請求項2に記載の自動測定装置において、
前記ワーク保持台部は、前記ワークが載置されるワーク載置台である
ことを特徴とする自動測定装置。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の自動測定装置において、
前記ワーク保持台部は、前記ワークを把持するワーク把持手段を有し、
前記ワーク把持手段および前記測定器保持部のうち一方は他方に対する相対変位を許容するように設けられている
ことを特徴とする自動測定装置。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載の自動測定装置において、
前記測定器は、
元来は手動操作用であって手動回転操作または手動押引操作によって前記可動要素を進退させる操作部を有し、
前記自動操作部は、
前記操作部に着脱可能であって、前記操作部をモータの動力によって操作して前記可動要素の進退を自動化する
ことを特徴とする自動測定装置。 - 請求項1から請求項5のいずれかに記載の自動測定装置において、
前記測定器はマイクロメータであって、
前記マイクロメータは、
U字の一端の内側にアンビルを有する前記固定要素としてのU字形フレームと、
前記U字形フレームの他端側に設けられ、前記アンビルに対して軸方向進退可能に設けられた前記可動要素としてのスピンドルと、を有し、
前記自動操作部は、
モータと、
前記モータの出力軸と前記スピンドルとを直接的または間接的に連結して前記モータの動力を前記スピンドルの進退に変換する動力伝達部と、を有する
ことを特徴とする自動測定装置。 - 請求項6に記載の自動測定装置において、
前記自動操作部は、前記モータの回転子の回転軸が前記スピンドルの中心軸と同一直線上となるように前記スピンドルの中心軸に直交する方向において位置変更できるように設けられている
ことを特徴とする自動測定装置。 - 請求項6または請求項7に記載の自動測定装置において、
前記マイクロメータは、
前記U字形フレームの他端側において前記スピンドルの他端に配置され、元来は指で回転操作するためのシンブルを有し、
前記動力伝達部は、
前記シンブルに外嵌する固着環と、
前記モータの回転子の回転軸と同期して回転ように設けられた回転板と、
前記スピンドルの中心軸と平行に配置され、かつ、一端が前記固着環に固定され、他端が前記回転板に固定されており、前記スピンドルの中心軸を回転の中心として回転して前記回転板の回転を前記固着環に伝える伝達リンク棒と、を備える
ことを特徴とする自動測定装置。 - 請求項8に記載の自動測定装置において、
前記シンブルと前記スピンドルとの間には、
前記スピンドルに予め設定された負荷がかかったときに、前記シンブルと前記スピンドルとの係合を解除して前記シンブルを前記スピンドルに対して空転させる定圧機構が設けられている
ことを特徴とする自動測定装置。 - 請求項9に記載の自動測定装置において、
前記自動操作部は、前記モータの回転を制御するモータ制御器を有し、
前記モータ制御器は、前記モータのトルク検知機能を有し、
前記モータ制御器は、
モータ回転数の制御モードとして、
高速回転である高速回転モードと、
前記高速回転モードの回転速さよりも低速である低速回転モードと、を有しており、
前記スピンドルを前進させる方向のモータ回転方向を順回転とし、
前記スピンドルを後退させる方向のモータ回転方向を逆回転とするとき、
前記モータ制御器は、
前記高速回転モードの順回転で前記スピンドルを前進させ、
前記トルク検知機能によって前記スピンドルと前記ワークとの当接を検知したとき、予め決められた第1回転数分だけ前記高速回転モードの逆回転で前記スピンドルを後退させ、
次に、前記第1回転数分だけ低速回転モードの順回転で前記スピンドルを前進させ、続けて、さらに予め決められた第2回転数分だけ低速回転モードの順回転で前記モータを駆動させ、
その後、予め決められた第3回転数分だけ前記高速回転モードの順回転で前記モータを駆動させる
ことを特徴とする自動測定装置。 - 請求項1から請求項10のいずれかに記載の自動測定装置と、
前記ワークをピックアップして次々に前記ワーク保持台部に搬送するワーク搬送手段と、を備える
ことを特徴とする自動測定システム。
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