特許法第30条第2項適用 平成29年10月26日、https://twitter.com/toodooda、https://twitter.com/toodooda/status/923552048880087041 https://twitter.com/toodooda/status/923553229148897280 平成29年12月20日、https://twitter.com/toodooda、https://twitter.com/toodooda/status/943491378884964352 平成30年2月14日、https://twitter.com/toodooda、https://twitter.com/toodooda/status/963673296733646858 平成30年4月3日、http://www.takayukitodo.com/、https://www.youtube.com/watch?v=BJZcGJSK1Z0
以下に、本発明の実施形態(以下、本実施形態ともいう)について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
なお、各図面において、例えば、顔面の右側(図中の左側)の眉体を「眉体40a」のように符号を付して表し、顔面の左側(図中の右側)の眉体を「眉体40b」のように符号を付して表すが、以下の説明において、特に左右を区別して説明する必要がない場合は、単に「眉体40」と符号を付して表す。眉体40以外であって顔面の左右の双方に設けられる各構成についても同様とする。
まず、図1を参照して、本実施形態に係る表情可変ロボット100の全体構成の概要について説明する。図1は、本実施形態に係る表情可変ロボットの分解斜視図であって、模擬顔面10、筐体20、眉体40を分解した状態を示す図である。なお、図1においては、本実施形態の構成を理解する上で説明が不要な構成について適宜簡略化して図示している。
表情可変ロボット100は、人間の頭部を模したロボットであって、可撓性を有する眉体40の外端41を回動可能に支持し、内端42を回動可能かつ上下方向に移動可能に支持する構成を採用することにより、その表情を可変にするロボットである。
図1に示すように、表情可変ロボット100は、模擬顔面10と、骨格を構成すると共に、模擬眼球や、各種機構、駆動部等を保持する筐体20と、を有する。模擬顔面10及び筐体20は、熱硬化性樹脂等の硬質な材料で構成されるとよい。
模擬顔面10の表面には、模擬鼻、模擬唇などの種々の顔要素を表すように凹凸が形成されている。模擬顔面10は、筐体20に保持される内部構造を覆うように、筐体20に対して固定可能に構成される。また、模擬顔面10は、筐体20に対して固定された状態において後述の軸受け部51を露出させる外端孔11と、後述の軸受け部61を露出させる内端孔12とを有する。外端孔11は略円形の孔であり、内端孔12は上下方向に延びる長孔(スリット)である。
また、表情可変ロボット100は、模擬顔面10の表面上に配置される眉体40を有する。眉体40は線状の部材である。また、眉体40は、模擬顔面10の表面上に配置される本体部43と、本体部43の一端側において屈曲して形成される外端41と、他端側において屈曲して形成される内端42とを有する。外端41は模擬顔面10の眉尻に対応する部分に配置され、内端42は模擬顔面10の眉頭に対応する部分に配置されるものである。また、本体部43は眉山に対応する部分である。
眉体40のうち少なくとも本体部43は、可撓性を有し、弾性変形可能な部材で構成されるとよい。外端41と内端42は、本体部43と別体であって金属等で構成されてもよいし、本体部43と一体に構成される可撓性部材からなり、その可撓性部材に金属等が被覆されて構成されるものであってもよい。
さらに、表情可変ロボット100は、眉体40の外端41を支持する第1の支持部50と、眉体40の内端42を支持する第2の支持部60と、を有する。
本実施形態においては、第1の支持部50は、筐体20に設けられており、眉体40の外端41を、図中R1方向に回動可能に支持する軸受け部51を有する。軸受け部51には、模擬顔面10に形成される外端孔11を介して、外端41が圧入される回動穴52が形成されている。
また、本実施形態においては、第2の支持部60は、図中R3方向に移動可能に、筐体20に取り付けられている。また、第2の支持部60は、眉体40の内端42を、図中R2方向に回動可能に支持する軸受け部61を有する。軸受け部61には、模擬顔面10に形成される内端孔12を介して、内端42が圧入される回動穴62が形成されている。なお、第2の支持部60は、直線的に上下移動する必要はなく、少なくとも正面視において、回動穴62を上下に移動させる構成であればよい。本実施形態においては、第2の支持部60は、模擬顔面10の曲面に沿うように回動し、それにより回動穴62が上下方向に移動するよう構成される。
回動穴62に圧入された内端42は、第2の支持部60が上下方向に移動することにより、模擬顔面10に形成される内端孔12を移動経路として移動する。また、第2の支持部60は、模擬顔面10の裏側から内端孔12を塞ぐように上下方向に延びる面65を有する。面65は、模擬顔面10と同質の材料、同色で構成されるとよい。それにより、模擬顔面10のうち内端孔12の周辺の領域と、内端孔12を裏側から塞ぐ面65とが一体化したように視認され、模擬顔面10の内端孔12が目立たなくなる。
また、図1に示すように、模擬顔面10は、裏面のうち内端孔12の周辺に、第2の支持部60の上下移動に沿うように形成される溝15を有するとよい。図1の点線は、透視した溝15を示している。このように、溝15を形成し、第2の支持部60の面65を溝に摺動可能に構成することにより、第2の支持部60の姿勢を安定させて、かつスムーズに眉体40の内端42を上下移動させることが可能となる。
なお、以上説明した各構成は、顔面左側(図中の右側)、及び顔面右側(図中の左側)に、模擬顔面10の中心を境に対称にそれぞれ設けられる。
次に、図2を参照して、本実施形態に係る表情可変ロボットのシステム構成の概要について説明する。図2は、本実施形態に係る表情可変ロボットのシステム構成の一例について示すブロック図である。
図1を参照して上述したように、表情可変ロボット100は、軸受け部51が設けられる第1の支持部50、及び軸受け部61が設けられる第2の支持部60を有する。また、図2に示すように、表情可変ロボット100は、第1の支持部50及び第2の支持部60を駆動する駆動装置80を含むとよい。また、表情可変ロボット100の外部には、駆動装置80を制御するコントローラ90が設けられるとよい。
駆動装置80は、筐体20の内部に取り付けられているとよい。また、駆動装置80は、第1の支持部50に設けられる軸受け部51を回動させる第1の駆動部81と、第2の支持部60に設けられる軸受け部61を回動させる第2の駆動部82と、第2の支持部60を上下移動させる第3の駆動部83とを含む。なお、図2においては、顔面左側又は顔面右側のいずれか一方の構成のみを図示するが、図2に示す駆動装置80は、顔面右側の眉体40aを支持する第1の支持部50a及び第2の支持部60aを駆動するものと、顔面左側の眉体40bを支持する第1の支持部50b及び第2の支持部60bを駆動するものとが独立してそれぞれ設けられるとよい。
なお、駆動装置80に含まれる各駆動部は、例えば、市販のサーボモータ等であるとよい。これらサーボモータは、コントローラ90と有線又は無線で繋がっており、ユーザがコントローラ90を操作することにより、その動作が制御されるものであるとよい。または、センサー等を用いて、各駆動部の動作が自動で制御される構成としても構わない。
さらに、図1~図8を参照して、本実施形態に係る表情可変ロボット100により表される表情の例について説明する。図3~図8は、本実施形態に係る表情可変ロボットにおける表情の一例を示す正面図である。図4は、本実施形態に係る表情可変ロボットにおける表情の一例を示す正面図である。図5は、本実施形態に係る表情可変ロボットにおける表情の一例を示す正面図である。図6は、本実施形態に係る表情可変ロボットにおける表情の一例を示す正面図である。図7は、本実施形態に係る表情可変ロボットにおける表情の一例を示す正面図である。図8は、本実施形態に係る表情可変ロボットにおける表情の一例を示す正面図である。なお、回動穴52、回動穴52に圧入される外端41、回動穴62、回動穴62に圧入する内端42は、正面視において眉体40の本体部43により隠れるため、図3~図8においては、それらの図示を省略した。
コントローラ90により第1の駆動部81の駆動が制御されることにより、第1の支持部50に設けられる軸受け部51が回動する。これにより、軸受け部51に形成される回動穴52に圧入される眉体40の外端41が、図1中のR1方向に回動する。そして、外端41が回動することで、可撓性を有する眉体40が弾性変形することとなる。なお、図3~図8においては、図中の時計回り方向をR11、反時計回り方向をR12として図示する。
また、コントローラ90により第2の駆動部82の駆動が制御されることにより、第2の支持部60に設けられる軸受け部61が回動する。これにより、軸受け部61に形成される回動穴62に圧入される眉体40の内端42が、図1中のR2方向に回動する。そして、内端42が回動することで、可撓性を有する眉体40が弾性変形することとなる。なお、図3~図8においては、図中の時計回り方向をR21、反時計回り方向をR22として図示する。
また、コントローラ90により第3の駆動部83の駆動が制御されることにより、第2の支持部60が上下移動する。これにより、軸受け部61に形成される回動穴61に圧入される眉体40の内端42が、図1中のR3方向に上下移動する。そして、内端42が上下移動することで、可撓性を有する眉体40が弾性変形することとなる。なお、図3~図8においては、図中の上方向をR31、下方向をR32として図示する
図3においては、顔面右側において、外端41aを反時計回り方向R12に回動させ、かつ、内端42aを上方向R31に移動させると共に時計回り方向R21に回動させた状態を示す。また、顔面左側において、外端41bを時計回り方向R11に回動させ、かつ、内端42bを上方向R31に移動させると共に反時計回り方向R22に回動させた状態を示す。このような状態においては、眉体40a、眉体40bは、眉全体が大きく上弦の弧を描くような形状となり、表情可変ロボット100は、朗らかな印象を与える表情を表すこととなる。
図4においては、顔面右側において、外端41aを反時計回り方向R12に回動させ、かつ、内端42aを下方向R32に移動させると共に反時計回り方向R22に回動させた状態を示す。また、顔面左側において、外端41bを時計回り方向R11に回動させ、かつ、内端42bを下方向R32に移動させると共に時計回り方向R21に回動させた状態を示す。この状態においては、眉体40a、眉体40bは、略S字状であって、眉間をしかめ、眉山がつり上がったような形状となり、表情可変ロボット100は、怒ったような印象を与える表情を表すこととなる。
図5においては、顔面右側において、外端41aを時計回り方向R11に回動させ、かつ、内端42aを上方向R31に移動させると共に反時計回り方向R22に回動させた状態を示す。また、顔面左側において、外端41bを反時計回り方向R12に回動させ、かつ、内端42bを上方向R31に移動させると共に時計回り方向R21に回動させた状態を示す。この状態においては、眉体40a、眉体40bは、眉間から眉尻にかけて下弦の弧を描くような形状となり、表情可変ロボット100は、悲しそうな印象を与える表情を表すこととなる。
図6においては、顔面右側において、外端41aを反時計回り方向R12に回動させ、かつ、内端42aを下方向R32に移動させた状態を示す。また、顔面左側において、外端41bを時計回り方向R11に回動させ、かつ、内端42bを下方向R32に移動させた状態を示す。この状態においては、眉体40a、眉体40bは、眉頭から眉山にかけてまっすぐつり上がったような形状となり、表情可変ロボット100は、凛々しい印象を与える表情を表すこととなる。
図7においては、顔面右側において、外端41aを反時計回り方向R12に回動させ、かつ、内端42aを反時計回り方向R22に回動させた状態を示す。また、顔面左側において、外端41bを時計回り方向R11に回動させ、内端42bを時計回り方向R21に回動させた状態を示す。この状態においては、眉体40a、眉体40bは、図4と比較して緩やかな略S字状となり、表情可変ロボット100は、怪訝そうな印象を与える表情を表すこととなる。
図3~図7においては、左右対称となるように眉体40a、40bの形状を変形させた例について示したが、これに限られるものではない。すなわち、眉体40aと眉体40bは非対称になるように形状を変形させても構わない。図8においては、顔面右側が図7で示した眉体40aと同じ形状であって、顔面左側が図4で示した眉体40bと同じ形状である例について示す。具体的には、顔面右側において、外端41aを反時計回り方向R12に回動させ、かつ、内端42aを反時計回り方向R22に回動させた状態を示す。一方、顔面左側において、外端41bを時計回り方向R11に回動させ、かつ、内端42bを下方向R32に移動させると共に時計回り方向R21に回動させた状態を示す。
図9は、本実施形態に係る表情可変ロボットを上方から見た上面図である。眉体40は弾性変形するものの伸縮はしないため、その長さは常に一定である。一方、眉体40は、外端41又は内端42の少なくともいずれか一方が回動することにより、弾性変形するように捻れている状態と、弾性変形しておらず捻れていない状態とでは、正面視における長さが変わる。すなわち、弾性変形するように捻られていない状態の方が、捻られている状態よりも、正面視における長さは短い。そこで、本実施形態においては、眉体40の長さを、捻られていない状態において、模擬顔面10の表面に対して、本体部43が離間される長さにした。図9において、眉体40aは捻られていない状態を示す。一方、図9において、眉体40bは捻られている状態を示す。このように、本実施形態においては、眉体40は、外端41又は内端42の少なくともいずれか一方が回動することにより、模擬顔面10の表面に対する距離が変わるように弾性変形する。
本実施形態においては、上述のように、眉体40の本体部43の形状を弾性変形させるように、第1の支持部50と第2の支持部60を駆動させることにより、表情を可変にできる。また、眉体40の動作の制御が簡易であるため、表情の再現性が高く、安定して多種の表情を表すことができる。また、構成が簡易なことより、量産も容易である。なお、本実施形態においては、図3~図8に示した表情に限らず、外端41a、41bの回動角度や回動方向、内端42a、42bの回動角度や回動方向、内端42a、42bの上下移動量や移動方向を様々な組み合わせにすることにより、多様の表情を表すことができる。すなわち、本実施形態に係る表情可変ロボット100においては、単に喜怒哀楽のみでなく、細かな表情の変化を表現することでき、より実際の人間に近い、豊かな表情形成を実現することができる。
なお、本実施形態においては、外端41が回動可能であり、内端42が回動可能かつ上下移動可能な構成について示したが、これに限られるものではなく、眉体40が弾性変形することにより表情を可変とする構成であればよく、少なくとも外端41又は内端42のいずれか一方が回動可能に支持されるものであればよい。
なお、本実施形態においては、表情可変ロボット100として、実際の人間の頭部を模したものを示したが、これに限られるものではなく、その他の動物や、アニメーションキャラクターの頭部を模したものであってもよい。また、眉体40の形状、太さ、長さ等は、図示したものに限られるものではない。また、眉体40の全部又は一部は黒色等に着色されていてもよい。
なお、本実施形態においては、眉体40が弾性変形することにより表情が可変する表情可変ロボット100を示したが、さらに、眼球、目頭、首などが駆動される機能を備えさせてもよい。それにより、より豊かな表情を形成することが可能となる。