JP7096420B2 - イオン選択性膜およびその調製 - Google Patents
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Description
1)電極前面のリンスの組成は、一次検体の放出および他のイオンの取り込みにより変化する。これは、その後の測定で問題となり得る(一定の組成のリンスが想定される場合)
2)電極の電気化学的特性は、膜が組成を変化させるため安定ではなく、したがって、性能要件を満たすために、頻繁な較正が必要とされる。
a)イオノフォア、
b)前記一次検体を含有する親油性塩、および
c)前記他のイオンを含有する親油性塩
を添加するステップを含む、方法に関する。
a)イオノフォア、
b)前記一次検体を含有する親油性塩、および
c)前記他のイオンを含有する親油性塩
を含む、膜に関する。
i)試料の分析直前に膜が保持されるリンス液を選択するステップであり、前記リンス液が、前記一次検体および前記他のイオンを含有する、ステップと、
ii)イオノフォア(a)、前記一次検体を含有する親油性塩(b)、および前記他のイオンを含有する親油性塩(c)を含むイオン選択性膜の組成を選択するステップであり、b)に定義される親油性塩とc)に定義される親油性塩とのモル比が、膜が前記リンス液に曝露される場合、膜が(c)に定義される親油性塩を含有しない場合より、平衡時間が短くなるようなモル比であり、好ましくは、膜中の親油性塩(b)と(c)とのモル比が、平衡が不要であるように選択される、ステップと、
iii)本発明の方法のステップii)において選択された組成を有する膜を製造するステップと
を含む、方法に関する。
a)スペーサーを介して酸性基に共有結合しているイオノフォアおよび一次検体の塩である親油性塩、ならびに
b)前記イオノフォアおよび前記他のイオンの塩である親油性塩
を添加するステップを含む、方法に関する。
a)スペーサーを介して酸性基に共有結合しているイオノフォアおよび一次検体の塩である親油性塩、ならびに
b)前記イオノフォアおよび前記他のイオンの塩である親油性塩
を含み、
好ましくは水溶液と接触していない、
膜に関する。
さらにさらなる態様において、本発明は、液体試料のイオン濃度を決定するための電位差測定センサーであって、本発明の膜または本発明の電極を含む、電位差測定センサーを提供する。
膜または電極の文脈において本明細書で使用する「選択性」という用語は、特定のイオンに対する選好を指す。本明細書で使用する「選択性」は、絶対的または排他的選択性を意味しない。すなわち、膜は、複数のイオン、例えば、マグネシウムイオンおよびカルシウムイオンに対して選択性であってよい。
本明細書で使用する「イオノフォア」という用語は、イオンを可逆的に結合する化合物、例えば、イオンを膜全体に輸送できる化合物を指す。
「酸性基」という用語は、水素イオンを塩基に供与してイオン化することができる基を指す。
本明細書で使用する1,10-フェナントロリンの「置換形態」という用語は、それに対する1つまたは複数の置換を含む1,10-フェナントロリン骨格を含む物質を指す。「置換」という用語は、R基またはR残基での1,10-フェナントロリン上の水素の置き換えを指す。同様に、「置換アリール」は、水素が異なる残基または基で置き換えられているアリール基を指す。化学基の文脈において「Cxx~yy」という用語は、該基が、XX~YY個の炭素原子、すなわちXXから出発して、YYを含むYYまでの任意の数を含有することを示し、例えば、C1~18アルキル基は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17または18個の炭素原子を含有する。別段の記載がない限り、このような基は直鎖または分岐であり得る。
Mw=ΣWiMi
(式中、Wiは、分子量Miを有するポリマーの重量分率である)
によって算出される、重量平均分子量を指す。
上で説明したように、第1の主要な態様において、本発明は、一次検体および別のイオンに対して選択性を有するイオン選択性膜を調製する方法であって、任意の順番で
a)イオノフォア、
b)前記一次検体を含有する親油性塩、および
c)前記他のイオンを含有する親油性塩
を添加するステップを含む、方法を提供する。
本明細書において「別のイオン」は、少なくとも1つの他のイオンを意味する。すなわち、膜は、一次検体および少なくとも1つの他のイオン、例えば、1つの他のイオン、2つの他のイオン、3つの他のイオンなどに対して選択性を有する。いくつかの実施形態において、方法は、前記他のイオンを含有するさらなる親油性塩を添加するステップを含む。例えば、方法は、c)に定義される親油性塩を添加するステップに加えて、膜が選択性を有するさらなるイオンを含有する1つまたは複数のさらなる親油性塩を添加するステップを含み得る。例えば、一実施形態において、一次検体はマグネシウムイオンであり、膜が選択性を有する他のイオンは、カルシウムイオンおよび亜鉛イオンである。したがって、方法は、カルシウムを含有する親油性塩と、亜鉛を含有する親油性塩の両方を添加するステップを含み得る。別の実施形態において、前記他のイオンは、Ca2+、Zn2+、Na+、K+、Li+、H+、NH4 +、Cs+、Rb+、Cu2+、Ni2+、Fe2+、Sr2+、Ba2+、Co2+、Cd2+およびAl3+からなる群から選択される1つまたは複数のイオンを含む。
本発明の方法の一実施形態において、b)に定義される親油性塩とc)に定義される親油性塩とのモル比は、膜が前記一次検体および前記他のイオンを含有するリンス液に曝露される場合、膜がc)に定義される親油性塩を含有しない場合より平衡時間が短くなるようなモル比である。好ましい実施形態において、平衡時間は、2時間未満、例えば、1.5時間未満、例えば、1時間未満、例えば、45分未満、例えば、30分未満、例えば、15分未満、例えば、10分未満、例えば、5分未満である。最も好ましくは、平衡時間は0である。
a)イオノフォア、
b)前記一次検体を含有する親油性塩、および
c)前記他のイオンを含有する親油性塩
を含む、膜に関する。
一実施形態において、b)に定義される親油性塩とc)に定義される親油性塩とのモル比は、膜が前記一次検体および前記他のイオンを含有するリンス液に曝露される場合、膜がc)に定義される親油性塩を含有しない場合より平衡時間が短くなるようなモル比である。好ましい実施形態において、平衡時間は、2時間未満、例えば、1.5時間未満、例えば、1時間未満、例えば、45分未満、例えば、30分未満、例えば、15分未満、例えば、10分未満、例えば、5分未満である。
i)試料の分析直前に膜が保持されるリンス液を選択するステップであり、前記リンス液が、前記一次検体および前記他のイオンを含有する、ステップと、
ii)イオノフォア(a)、前記一次検体を含有する親油性塩(b)、および前記他のイオンを含有する親油性塩(c)を含むイオン選択性膜の組成を選択するステップであり、b)に定義される親油性塩とc)に定義される親油性塩とのモル比が、膜が前記リンス液に曝露される場合、膜が(c)に定義される親油性塩を含有しない場合より、平衡時間が短くなるようなモル比であり、好ましくは、膜中の親油性塩(b)と(c)とのモル比が、平衡が不要であるように選択される、ステップと、
iii)本発明の方法のステップii)において選択された組成を有する膜を製造するステップと
を含む、方法に関する。
上記のように、本発明の方法は、イオノフォアまたはイオノフォアの混合物を添加するステップを含む。同様に、本発明のイオン選択性膜は、イオノフォアを含む。用いられるイオノフォアは、荷電している場合も、または荷電していない場合(中性)もある。いくつかの実施形態において、イオノフォアは親油性である。
一実施形態において、フェナントロリン化合物の2および9位の炭素原子は、水素に結合している。
R1~R6は各々、
H、
F、Cl、Br、I、NO2、CNもしくはCF3のいずれか、
C1~18アルキル
C1~18アリール、
C1~18アルケニル
(CH2)mY(式中、mは0または1~4の整数であり、Yは-OR7、-NR7R8、-OCOR7、-NR7COR8、-COR7、-COOR7、-SO3R7、-OSiR7R8R9、-PO4R7R8、-PO3R7R8のいずれかであり、R7、R8およびR9は各々、H、アルキル、分岐アルキル、アリールまたは置換アリールのいずれかである)、または
Cn-R10R11(式中、nは0、または1および17を含む1~17の整数であり、R10はC、N、NCOまたはCH2-Z-CH2であり、ZはO、NH、S、OCOまたはCOのいずれかであり、R11は式III
のいずれかである、
但し、R1~R6のうちの1つが、H以外であり、かつ1,10-フェナントロリンの2および9位のC原子が各々、縮合環構造に関与しない結合により、Hに結合している]
の化合物である。
置換1,10-フェナントロリン化合物は、当業者に公知の標準的な技術によって合成され得る。例えば、4-および4,7-置換1,10-フェナントロリンの合成は、参照により本明細書に組み込まれる、Lundら、J.Chem.Eng.Data、26:227-29(1981)に記載される。メチル基は、他の1,10-フェナントロリン誘導体の合成において所望の側鎖の付着のためのハンドルを提供し得、メチル置換1,10-フェナントロリンは市販されている。例えば、4-メチル、5-メチル、6-メチル、7-メチル、3,6-ジメチル、5,7-ジメチル、4,7-ジメチルおよび5,6-ジメチル-1,10-フェナントロリンはすべてAldrich Chemical Co.から入手できる。4-ウンデシル-1、10-フェナントロリンおよび4,7-ジウンデシル-1,10-フェナントロリンは、例えば、WO92/16831(Nova Biomedical Corp.)に記載されるように合成され得る。
別の実施形態において、イオノフォアは式V
別の実施形態において、イオノフォアは式VI
別の実施形態において、イオノフォアは式VII
の化合物である(nが6である場合、当技術分野においてETH5282と称され、nが8である場合、当技術分野においてETH7025と称される)。
本発明の方法または膜の多くの実施形態において、b)に定義される親油性塩およびc)に定義される親油性塩は、一次検体イオンを除き、同じ化学構造を有する。
Aは酸性基を含み、
R18、R19およびR20のうちの1つ、2つまたは3つすべては、C4~18アルキル基、C4~18アルケニル基、C4~18アルキニル基またはアミド含有C4~18基であるC4~18基であり、前記C4~18基は、フェニル基から数えて1、2および3位が直鎖であるか、または前記1、2および3位に合計で側鎖を1つのみ有し、
他のR18、R19およびR20は、独立に、水素または直鎖C1~18アルキル基である)
の構造を含む化合物の親油性塩である。
一実施形態において、式IのA基に含まれる酸性基は、カルボン酸、スルホン酸、硫酸モノエステル、スルホンアミド、ホスホン酸、リン酸、ヒ酸、スルフィン酸またはチオカルボン酸である。
式IX
式XIII
式XIV
式XV
式XVI
式XVIII
式XXI
式XXII
の化合物を含む。好ましくは、膜は、式VIIIの親油性化合物の塩を含む。
一実施形態において、R18、R19またはR20のうちの1つは、上に定義されるC4~18アルキル基(すなわち、フェニル基から数えて1、2および3位が直鎖であるか、または前記1、2および3位に合計で側鎖を1つのみ有するC4~18アルキル基)であり、他は、独立に、水素または直鎖C1~18アルキル基である。
好ましい塩はマグネシウム塩およびカルシウム塩である。
上記の親油性化合物および親油性塩に加えて、さらなる塩が本発明の膜中に存在し得る。したがって、実施形態において、本発明の膜は、さらなる塩、例えば、テトラキス(4-クロロフェニル)ホウ酸塩を含む。
さらなる態様において、本発明は、一次検体および別のイオンに対して選択性を有する、イオン選択性膜を調製する方法であって、
a)スペーサーを介して酸性基に共有結合しているイオノフォアおよび一次検体の塩である親油性塩、ならびに
b)前記イオノフォアおよび前記他のイオンの塩である親油性塩
を添加するステップを含む、方法に関する。
a)スペーサーを介して酸性基に共有結合しているイオノフォアおよび一次検体の塩である親油性塩、ならびに
b)前記イオノフォアおよび前記他のイオンの塩である親油性塩
を含む、膜に関する。
R1~R6は各々、
H、
F、Cl、Br、I、NO2、CNもしくはCF3のいずれか、
C1~18アルキル、
C1~18アリール、
C1~18アルケニル、
(CH2)mY(式中、mは0または1~4の整数であり、Yは-OR7、-NR7R8、-OCOR7、-NR7COR8、-COR7、-COOR7、-SO3R7、-OSiR7R8R9、-PO4R7R8、-PO3R7R8のいずれかであり、R7、R8およびR9は各々、H、アルキル、分岐アルキル、アリールまたは置換アリールのいずれかである)、または
Cn-R10R11(式中、nは0、または1および17を含む1~17の整数であり、R10はC、N、NCOまたはCH2-Z-CH2であり、ZはO、NH、S、OCOまたはCOのいずれかであり、R11は
のいずれかである、
但し、R1~R6のうちの1つが、H以外であり、かつ1,10-フェナントロリンの2および9位のC原子が各々、縮合環構造に関与しない結合により、Hに結合しており、
R1~R6のうちの1つがスペーサーおよび酸性基を含み、好ましくは、R1またはR6はスペーサーおよび酸性基を含む]
のフェナントロリン化合物である。
別の実施形態において、R2および/またはR5は、1~18個の炭素原子を有するアリール基である。
可塑剤-本発明の膜は、典型的にはさらに可塑剤を含む。可塑剤の役割は、他の成分、例えば、イオノフォアを溶媒和したままにすることである。多くの好適な可塑剤、例えば、エステル、ホスホン酸塩およびエーテルは、当技術分野において記載されている。一実施形態において、可塑剤は、4-ヘキシルフェニル2-ニトロフェニルエーテル(NHPE)もしくは2-ニトロフェニルオクチルエーテル(NPOE)またはこれらの混合物である。一実施形態において、可塑剤、例えば、NHPEは、乾燥膜質量の約40%~80%、例えば、乾燥膜質量の50%~70%、例えば、乾燥膜質量の55%~65%を構成する。
a.カルボキシル化ポリ(塩化ビニル)またはポリ(塩化ビニル)である第1のポリマーであって、前記第1のポリマーの分子量が、100,000~500,000である、前記第1のポリマーと、
b.塩化ビニルと、親水性基を有する少なくとも1つのさらなるモノマー基とのコポリマーである第2のポリマーであって、前記第2のポリマーの分子量が100,000未満である、前記第2のポリマーと
を含み、
前記第1のポリマーが、カルボキシル化ポリ(塩化ビニル)である場合、前記第2のポリマーは前記第1のポリマーより多くの親水性基を有する。
一実施形態において、前記第1のポリマーの分子量は、少なくとも110,000、例えば、少なくとも120,000、例えば、130,000~400,000、例えば、130,000~300,000、例えば、130,000~250,000である。
さらなる主要な態様において、本発明は、本明細書に記載される本発明のイオン選択性膜を含む、イオン選択性電極に関する。電極は、厚膜方式、例えば、スクリーン印刷、輪転グラビア印刷、パッド印刷、ステンシル印刷の導電性材料、例えば、炭素、Cu、Pt、Pd、Auおよび/もしくはナノチューブなどを使用することによって、または、薄膜方式、例えば、スパッタリング、サーマルスプレーおよび/もしくはコールドスプレーの導電性材料を使用することによって支持体上に作られ得る。支持体は柔軟性または剛性であり得る。支持体は、好ましくは、非導電性材料、例えば、ケイ素、ポリマー、プリント回路基板(PCB)、フレックスPCB、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド(PI)、セラミック、アルミナ、ガラス、木材製品、フリットなどでできている。
いくつかの実施形態において、システムは、カルシウムイオンなどの他のカチオンの測定のための1つまたは複数の電極を含有し、したがって干渉は、カチオン活性の測定に基づく検体信号のケモメトリクス補正によって最小限に抑えられ得る。
上記のように、さらなる主要な態様において、本発明は、試料中のマグネシウムイオンなどのイオン濃度を決定するための本発明による電位差測定センサーまたは電極の使用に関する。
イオン選択性膜の調製
ヘミマグネシウムビス[4-オクチルフェニル]ホスフェート(MgOPP)の貯蔵液を、MgOPP 1g当たりシクロヘキサノン48.28gの比でMgOPPとシクロヘキサノン(>99.8%)とを混合して調製した。化合物を室温で混合した後、室温において暗所で最低8時間撹拌するか、または37℃で最低4時間撹拌した。
各種親油性塩の組成を有する膜の比較
各種親油性塩の組成を有する3つの膜を、本質的に実施例1に記載されるように調製した。
1.ヘミカルシウムビス[4-オクチルフェニル]ホスフェートを含有するが、ヘミマグネシウムビス[4-オクチルフェニル]ホスフェートを含有しないMg899膜
2.ヘミマグネシウムビス[4-オクチルフェニル]ホスフェートを含有するが、ヘミカルシウムビス[4-オクチルフェニル]ホスフェートを含有しないMg900膜
3.50%のヘミカルシウムビス[4-オクチルフェニル]ホスフェートおよび50%のヘミマグネシウムビス[4-オクチルフェニル]ホスフェートを含有するMg901膜
各膜を、電極アレイの2~3つの個々の電極上に分配した。これはCa2+イオン選択性電極も含有していた。膜を実施例1に記載されるように分配した。各電極アレイを、テストアナライザ内の測定チャンバに配置した。測定チャンバは、参照電極と流体接触させた。テストアナライザには、較正液およびリンス液の液体輸送、試料の吸引、各電極位置の電位差信号のサンプリング、およびこれらのデータ取得の自動制御をプログラムした。
本明細書は以下の発明の態様を包含する。
[1] 一次検体および別のイオンに対して選択性を有するイオン選択性膜を調製する方法であって、任意の順番で
a)イオノフォア、
b)前記一次検体を含有する親油性塩、および
c)前記他のイオンを含有する親油性塩
を添加するステップを含む、方法。
[2] b)に定義される親油性塩とc)に定義される親油性塩とのモル比が、膜が前記一次検体および前記他のイオンを含有するリンス液に曝露される場合、前記膜が前記c)に定義される親油性塩を含有しない場合より平衡時間が短くなるようなモル比であり、好ましくは平衡時間がゼロである、[1]に記載の方法。
[3] b)に定義される親油性塩とc)に定義される親油性塩とのモル比が、99:1~1:1、例えば、20:1~1:1、例えば、20:1~3:1、例えば、10:1~4:1である、[1]または[2]に記載の方法。
[4] 一次検体が、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、亜鉛イオンまたはリン酸イオンである、[1]から[3]のいずれか一項に記載の方法。
[5] 一次検体がマグネシウムイオンであり、b)に定義される親油性塩がマグネシウム塩であり、c)に定義される親油性塩がカルシウム塩である、[1]から[4]のいずれか一項に記載の方法。
[6] 一次検体がマグネシウムイオンであり、b)に定義される親油性塩がマグネシウム塩であり、c)に定義される親油性塩がカルシウム塩であり、リンス液が1:1~1:4のモル比、例えば、1:1.5~1:2.5のモル比、例えば、1:2のモル比でマグネシウムイオンとカルシウムイオンとを含む、[5]に記載の方法。
[7] 親油性マグネシウム塩b)と親油性カルシウム塩c)とのモル比が、99:1~1:1、例えば、20:1~1:1、例えば、20:1~3:1、例えば、10:1~4:1、例えば、17:3である、[5]または[6]に記載の方法。
[8] イオノフォアが、1,10-フェナントロリンまたはその置換形態であるフェナントロリン化合物である、[1]から[7]のいずれか一項に記載の方法。
[9] b)およびc)に定義される親油性塩が、酸性基を含み、例えば、式I
Aは酸性基であり、
R 18 、R 19 およびR 20 のうちの1つ、2つまたは3つすべては、C 4~18 アルキル基、C 4~18 アルケニル基、C 4~18 アルキニル基またはアミド含有C 4~18 基であるC 4~18 基であり、前記C 4~18 基は、フェニル基から数えて1、2および3位が直鎖であるか、または前記1、2および3位に合計で側鎖を1つのみ有し、
他のR 18 、R 19 およびR 20 は、独立に、水素または直鎖C 1~18 アルキル基である)
の構造を含む化合物の親油性塩である、[1]から[8]のいずれか一項に記載の方法。
[10] b)に定義される親油性塩が、ヘミマグネシウムビス[4-オクチルフェニル]ホスフェートであり、c)に定義される親油性塩が、ヘミカルシウムビス[4-オクチルフェニル]ホスフェートである、[1]から[9]のいずれか一項に記載の方法。
[11] 一次検体および別のイオンに対して選択性を有するイオン選択性膜を調製する方法であって、
a)スペーサーを介して酸性基に共有結合しているイオノフォアおよび一次検体の塩である親油性塩、ならびに
b)前記イオノフォアおよび前記他のイオンの塩である親油性塩
を添加するステップを含む、方法。
[12] 一次検体および1つまたは複数の他のイオンに対して選択性を有するイオン選択性膜であって、水溶液と接触しておらず、
a)イオノフォア、
b)前記一次検体を含有する親油性塩、および
c)前記他のイオンを含有する親油性塩
を含む、膜。
[13] 一次検体がマグネシウムイオン、カルシウムイオン、亜鉛イオンまたはリン酸イオンである、[12]に記載の膜。
[14] 一次検体および別のイオンに対して選択性を有するイオン選択性膜であって、
a)スペーサーを介して酸性基に共有結合しているイオノフォアおよび前記一次検体の塩である親油性塩、ならびに
b)前記イオノフォアおよび前記他のイオンの塩である親油性塩
を含み、
好ましくは水溶液と接触していない、
膜。
[15] 試料中のイオン濃度の測定における使用のためのイオン選択性膜を製造する方法であって、前記膜が、一次検体および別のイオンに対して選択性を有し、前記方法が、
i)試料の分析直前に前記膜が保持されるリンス液を選択するステップであり、前記リンス液が、前記一次検体および前記他のイオンを含有する、ステップと、
ii)イオノフォア(a)、前記一次検体を含有する親油性塩(b)、および前記他のイオンを含有する親油性塩(c)を含むイオン選択性膜の組成を選択するステップであり、前記b)に定義される親油性塩と前記c)に定義される親油性塩とのモル比が、前記膜が前記リンス液に曝露される場合、前記膜が前記(c)に定義される親油性塩を含有しない場合より、平衡時間が短くなるようなモル比であり、好ましくは、膜中の前記親油性塩(b)と(c)とのモル比が、平衡が不要であるように選択される、ステップと、
iii)[1]に記載の方法のステップii)において選択された組成を有する膜を製造するステップと
を含む、方法。
[16] 液体試料のマグネシウムイオン濃度を決定するための電極であって、[12]または[13]に記載の膜を含む、電極。
[17] 液体試料のマグネシウムイオン濃度を決定するための電位差測定センサーであって、[16]に記載の電極および参照電極を含む、電位差測定センサー。
[18] 液体試料のマグネシウムイオン濃度を決定する方法であって、前記試料と[16]に記載の電極または[17]に記載の電位差測定センサーとを接触させるステップと、前記電極またはセンサーから得られる信号に基づき前記マグネシウムイオン濃度を決定するステップとを含む、方法。
[19] 疾患または障害を診断する方法であって、[18]に記載の方法を対象の試料について行うステップを含む、方法。
Claims (15)
- 一次検体および別のイオンに対して選択性を有するイオン選択性膜を調製する方法であって、任意の順番で
a)イオノフォア、
b)前記一次検体を含有する親油性塩、および
c)前記別のイオンを含有する親油性塩
をポリマー又はポリマーブレンドに添加するステップ、
続いて、イオン選択性膜を形成するステップを含み、
前記一次検体が、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、亜鉛イオンまたはリン酸イオンであり、前記別のイオンがCa 2+ 、Zn 2+ 、Na + 、K + 、Li + 、H + 、NH 4 + 、Cs + 、Rb + 、Cu 2+ 、Ni 2+ 、Fe 2+ 、Sr 2+ 、Ba 2+ 、Co 2+ 、Cd 2+ およびAl 3+ からなる群から選択される1以上のイオンを含む、方法。 - b)に定義される親油性塩とc)に定義される親油性塩とのモル比が、膜が前記一次検体および前記別のイオンを含有するリンス液に曝露される場合、前記膜が前記c)に定義される親油性塩を含有しない場合より平衡時間が短くなるようなモル比である、請求項1に記載の方法。
- b)に定義される親油性塩とc)に定義される親油性塩とのモル比が、99:1~1:1である、請求項1または2に記載の方法。
- 一次検体がマグネシウムイオンであり、b)に定義される親油性塩がマグネシウム塩であり、c)に定義される親油性塩がカルシウム塩である、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
- 親油性マグネシウム塩b)と親油性カルシウム塩c)とのモル比が、99:1~1:1である、請求項4に記載の方法。
- イオノフォアが、1,10-フェナントロリンまたはその置換形態であるフェナントロリン化合物である、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
- b)に定義される親油性塩が、ヘミマグネシウムビス[4-オクチルフェニル]ホスフェートであり、c)に定義される親油性塩が、ヘミカルシウムビス[4-オクチルフェニル]ホスフェートである、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
- 一次検体および別のイオンに対して選択性を有するイオン選択性膜を調製する方法であって、
a)スペーサーを介して酸性基に共有結合しているイオノフォアおよび一次検体の塩である親油性塩、ならびに
b)前記イオノフォアおよび前記別のイオンの塩である親油性塩
をポリマー又はポリマーブレンドに添加するステップを含み、
前記一次検体が、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、亜鉛イオンまたはリン酸イオンであり、前記別のイオンがCa 2+ 、Zn 2+ 、Na + 、K + 、Li + 、H + 、NH 4 + 、Cs + 、Rb + 、Cu 2+ 、Ni 2+ 、Fe 2+ 、Sr 2+ 、Ba 2+ 、Co 2+ 、Cd 2+ およびAl 3+ からなる群から選択される1以上のイオンを含む、方法。 - 一次検体および1つまたは複数の別のイオンに対して選択性を有するイオン選択性膜であって、水溶液と接触しておらず、
a)イオノフォア、
b)前記一次検体を含有する親油性塩、および
c)前記別のイオンを含有する親油性塩
を含み、
前記一次検体が、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、亜鉛イオンまたはリン酸イオンであり、前記別のイオンがCa 2+ 、Zn 2+ 、Na + 、K + 、Li + 、H + 、NH 4 + 、Cs + 、Rb + 、Cu 2+ 、Ni 2+ 、Fe 2+ 、Sr 2+ 、Ba 2+ 、Co 2+ 、Cd 2+ およびAl 3+ からなる群から選択される1以上のイオンを含む、膜。 - 一次検体および別のイオンに対して選択性を有するイオン選択性膜であって、
a)スペーサーを介して酸性基に共有結合しているイオノフォアおよび前記一次検体の塩である親油性塩、ならびに
b)前記イオノフォアおよび前記別のイオンの塩である親油性塩
を含み、
前記一次検体が、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、亜鉛イオンまたはリン酸イオンであり、前記別のイオンがCa 2+ 、Zn 2+ 、Na + 、K + 、Li + 、H + 、NH 4 + 、Cs + 、Rb + 、Cu 2+ 、Ni 2+ 、Fe 2+ 、Sr 2+ 、Ba 2+ 、Co 2+ 、Cd 2+ およびAl 3+ からなる群から選択される1以上のイオンを含む、膜。 - 液体試料のマグネシウムイオン濃度を決定するための電極であって、請求項10に記載の膜を含む、電極。
- 液体試料のマグネシウムイオン濃度を決定するための電位差測定センサーであって、請求項12に記載の電極および参照電極を含む、電位差測定センサー。
- 液体試料のマグネシウムイオン濃度を決定する方法であって、前記試料と請求項12に記載の電極または請求項13に記載の電位差測定センサーとを接触させるステップと、前記電極またはセンサーから得られる信号に基づき前記マグネシウムイオン濃度を決定するステップとを含む、方法。
- 液体試料が対象の試料であり、マグネシウムイオン濃度が対象の疾患または障害の診断に用いられる、請求項14に記載の方法。
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