JP7096420B2 - イオン選択性膜およびその調製 - Google Patents

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Description

本発明は、イオン選択性膜およびその調製方法、特に、マグネシウムイオンに対して選択性のある膜およびその調製に関する。さらなる態様において、本発明は、このような膜を含む電極および電位差測定センサー、ならびに試料中のイオン濃度を決定するためのこれらの使用に関する。
イオン選択性電極は、電位差測定センサーで使用した場合、他の干渉イオンの存在下での検体イオンの活性の決定を可能にする電極である。各種アニオンおよびカチオンに対して選択性のある広範な電極およびセンサーが利用できる。しかし、特定のイオンに対して絶対的選択性を得ることは困難であり、時には不可能である。このように、一部の電極で用いられるイオン選択性膜は、一次検体と他のイオンとを完全に区別しない。これは、例えば、他の二価イオンと比べて特定の二価イオンに対して絶対的選択性を有さない、二価イオン選択性電極がしばしば当てはまる。
マグネシウムは、人体内の普通金属であり、化学および生化学プロセスで重要な役割を果たす。体内のマグネシウムは、タンパク質と結合し、アニオンと錯体を形成するか、または遊離イオン化分画(iMg)として存在するかのいずれかである。iMg分画は、例えば、神経伝導または骨格筋、心筋もしくは子宮筋の収縮におけるイオンチャネル調節剤として、いくつかの生理学的役割を果たす。入院患者における研究では、低マグネシウム血症(11%)および高マグネシウム血症(9.3%)の有病率が高いことが見出された(Wongら(1983)Am J Clin Pathol 79:348)。
iMgの特異的な測定は困難であり、歴史的に、臨床検査は、マグネシウム全体のアッセイに依存する場合が多かった。マグネシウムイオン選択性センサーは、WO92/16831(Nova Biomedical Corp.)に記載されており、これはマグネシウムイオン選択性化合物として1,10-フェナントロリンを含むマグネシウム選択性膜を開示する。WO2015/160755(Siemens Healthcare Diagnostics Inc.)は、三脚型立体化学構造を有するイオノフォア、親油性ホウ酸塩およびポリマーマトリックスを含む、イオン化マグネシウムを検出するための膜を記載する。しかし、これらのマグネシウムイオン選択性膜は依然として、マグネシウムイオンよりも他のイオン、特にカルシウムイオンに対して選択性を有する。
一次検体に対して絶対的選択性を有さないイオン選択性電極は、このような電極がアナライザに取り付けられ、リンス液などの溶液に曝露されると、平衡プロセスが開始し、電極からの一次検体がリンス液からの他のイオンで部分的に置き換えられるため、しばしば、使用時に長い立ち上がり時間を必要とする。これは2つの結果をもたらす:
1)電極前面のリンスの組成は、一次検体の放出および他のイオンの取り込みにより変化する。これは、その後の測定で問題となり得る(一定の組成のリンスが想定される場合)
2)電極の電気化学的特性は、膜が組成を変化させるため安定ではなく、したがって、性能要件を満たすために、頻繁な較正が必要とされる。
したがって、このように調製されたイオン選択性電極の最初の使用時、十分なレベルの平衡を可能にするのにコンディショニング時間(立ち上がり時間)が必要とされる。
したがって、より迅速な立ち上がり時間を有する改善されたイオン選択性電極が必要とされている。これらの必要性は、本発明によって対処される。
第1の主要な態様において、本発明は、一次検体および別のイオンに対して選択性を有するイオン選択性膜を調製する方法であって、任意の順番で
a)イオノフォア、
b)前記一次検体を含有する親油性塩、および
c)前記他のイオンを含有する親油性塩
を添加するステップを含む、方法に関する。
さらなる態様において、本発明は、一次検体および1つまたは複数の他のイオンに対して選択性を有するイオン選択性膜であって、水溶液と接触しておらず、
a)イオノフォア、
b)前記一次検体を含有する親油性塩、および
c)前記他のイオンを含有する親油性塩
を含む、膜に関する。
さらにさらなる態様において、本発明は、試料中のイオン濃度の測定における使用のためのイオン選択性膜を製造する方法であって、前記膜が、一次検体および別のイオンに対して選択性を有し、前記方法が、
i)試料の分析直前に膜が保持されるリンス液を選択するステップであり、前記リンス液が、前記一次検体および前記他のイオンを含有する、ステップと、
ii)イオノフォア(a)、前記一次検体を含有する親油性塩(b)、および前記他のイオンを含有する親油性塩(c)を含むイオン選択性膜の組成を選択するステップであり、b)に定義される親油性塩とc)に定義される親油性塩とのモル比が、膜が前記リンス液に曝露される場合、膜が(c)に定義される親油性塩を含有しない場合より、平衡時間が短くなるようなモル比であり、好ましくは、膜中の親油性塩(b)と(c)とのモル比が、平衡が不要であるように選択される、ステップと、
iii)本発明の方法のステップii)において選択された組成を有する膜を製造するステップと
を含む、方法に関する。
さらなる態様において、本発明は、一次検体および別のイオンに対して選択性を有する、イオン選択性膜を調製する方法であって、
a)スペーサーを介して酸性基に共有結合しているイオノフォアおよび一次検体の塩である親油性塩、ならびに
b)前記イオノフォアおよび前記他のイオンの塩である親油性塩
を添加するステップを含む、方法に関する。
さらにさらなる態様において、本発明は、一次検体および別のイオンに対して選択性を有する、イオン選択性膜であって、
a)スペーサーを介して酸性基に共有結合しているイオノフォアおよび一次検体の塩である親油性塩、ならびに
b)前記イオノフォアおよび前記他のイオンの塩である親油性塩
を含み、
好ましくは水溶液と接触していない、
膜に関する。
さらなる態様において、本発明は、液体試料のイオン濃度を決定するための電極であって、本明細書に定義される本発明の膜を含む電極を提供する。
さらにさらなる態様において、本発明は、液体試料のイオン濃度を決定するための電位差測定センサーであって、本発明の膜または本発明の電極を含む、電位差測定センサーを提供する。
さらに、本発明は、液体試料のイオン濃度を決定する方法であって、前記試料と本発明の電極または本発明の電位差測定センサーとを接触させるステップと、前記電極または電位差測定センサーから得られる信号に基づきマグネシウムイオン濃度を決定するステップとを含む、方法に関する。本発明はまた、疾患または障害を診断する方法であって、イオン濃度を本発明に従って対象の試料について決定する方法を行うステップを含む、方法に関する。
本発明のこれらおよび他の態様および実施形態を以下にさらに詳細に記載する。
定義
膜または電極の文脈において本明細書で使用する「選択性」という用語は、特定のイオンに対する選好を指す。本明細書で使用する「選択性」は、絶対的または排他的選択性を意味しない。すなわち、膜は、複数のイオン、例えば、マグネシウムイオンおよびカルシウムイオンに対して選択性であってよい。
本発明で使用する「一次検体」という用語は、イオン選択性電極がそれに対して設計されるカチオンまたはアニオン、典型的には、電極中の膜が最も選択性である、すなわち最も高い選好を有するイオンを指す。重要な実施形態において、一次検体は二価イオン、例えば、マグネシウムである。
「平衡時間」という用語は、電極の膜と、膜が接触する溶液との間で平衡に到達するのに必要な時間を指す。平衡時間中、電極からのイオンは、膜が選択性を有する溶液からの他のイオンで置き換えられる。
本明細書で使用する「リンス液」という用語は、膜が試料との接触直前に接触する溶液、典型的には、水溶液を指す。
本明細書で使用する「イオノフォア」という用語は、イオンを可逆的に結合する化合物、例えば、イオンを膜全体に輸送できる化合物を指す。
特に、「親油性塩」の文脈において、本明細書で使用する「親油性」という用語は、脂肪、油、脂質または非極性溶媒に溶解する化学化合物の能力を指す。
「酸性基」という用語は、水素イオンを塩基に供与してイオン化することができる基を指す。
本明細書で使用する「塩」という用語は、その負電荷を平衡させるカチオン種と共にある、酸が脱プロトン化された形態を指す。
本明細書で使用する1,10-フェナントロリンの「置換形態」という用語は、それに対する1つまたは複数の置換を含む1,10-フェナントロリン骨格を含む物質を指す。「置換」という用語は、R基またはR残基での1,10-フェナントロリン上の水素の置き換えを指す。同様に、「置換アリール」は、水素が異なる残基または基で置き換えられているアリール基を指す。化学基の文脈において「Cxx~yy」という用語は、該基が、XX~YY個の炭素原子、すなわちXXから出発して、YYを含むYYまでの任意の数を含有することを示し、例えば、C1~18アルキル基は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17または18個の炭素原子を含有する。別段の記載がない限り、このような基は直鎖または分岐であり得る。
化学基を指す場合、「アルキル」、「アリール」、「アルケニル」および「アルキニル」という用語は、当技術分野でのその通常の意味を有する。いくつかの実施形態において、このような基は、18個以下の炭素原子を含む。「分岐アルキル」という用語は、完全な直鎖ではない、すなわち、少なくとも1つの側鎖を有するアルキル基を指す。
試料中のマグネシウムイオンなどのイオンの濃度の決定の文脈において本明細書で使用する「濃度」という用語は、測定された試料のものと等しいイオン活性を有する、標準化された溶液マトリックス中のイオンの化学量論濃度(参照スケール)を指す。IFCCガイドラインを参照のこと(Ben Rayanaら、(2008)Clin Chem Lab Med 46(1):21)。
ポリマーに関連して本明細書で使用する分子量という用語は、
=ΣW
(式中、Wは、分子量Mを有するポリマーの重量分率である)
によって算出される、重量平均分子量を指す。
本発明のさらなる態様および実施形態
上で説明したように、第1の主要な態様において、本発明は、一次検体および別のイオンに対して選択性を有するイオン選択性膜を調製する方法であって、任意の順番で
a)イオノフォア、
b)前記一次検体を含有する親油性塩、および
c)前記他のイオンを含有する親油性塩
を添加するステップを含む、方法を提供する。
本明細書において「別のイオン」は、少なくとも1つの他のイオンを意味する。すなわち、膜は、一次検体および少なくとも1つの他のイオン、例えば、1つの他のイオン、2つの他のイオン、3つの他のイオンなどに対して選択性を有する。いくつかの実施形態において、方法は、前記他のイオンを含有するさらなる親油性塩を添加するステップを含む。例えば、方法は、c)に定義される親油性塩を添加するステップに加えて、膜が選択性を有するさらなるイオンを含有する1つまたは複数のさらなる親油性塩を添加するステップを含み得る。例えば、一実施形態において、一次検体はマグネシウムイオンであり、膜が選択性を有する他のイオンは、カルシウムイオンおよび亜鉛イオンである。したがって、方法は、カルシウムを含有する親油性塩と、亜鉛を含有する親油性塩の両方を添加するステップを含み得る。別の実施形態において、前記他のイオンは、Ca2+、Zn2+、Na、K、Li、H、NH 、Cs、Rb、Cu2+、Ni2+、Fe2+、Sr2+、Ba2+、Co2+、Cd2+およびAl3+からなる群から選択される1つまたは複数のイオンを含む。
該方法の一実施形態において、一次検体は二価イオンである。別の実施形態において、前記他のイオンは二価イオンである。
本発明の方法の一実施形態において、b)に定義される親油性塩とc)に定義される親油性塩とのモル比は、膜が前記一次検体および前記他のイオンを含有するリンス液に曝露される場合、膜がc)に定義される親油性塩を含有しない場合より平衡時間が短くなるようなモル比である。好ましい実施形態において、平衡時間は、2時間未満、例えば、1.5時間未満、例えば、1時間未満、例えば、45分未満、例えば、30分未満、例えば、15分未満、例えば、10分未満、例えば、5分未満である。最も好ましくは、平衡時間は0である。
一実施形態において、b)に定義される親油性塩とc)に定義される親油性塩とのモル比は、99:1~1:1、例えば、20:1~1:1、例えば、20:1~3:1、例えば、10:1~4:1である。
一実施形態において、一次検体はマグネシウムイオン、カルシウムイオン、亜鉛イオンまたはリン酸イオンである。さらなる実施形態において、一次検体はマグネシウムイオンであり、b)に定義される親油性塩は、マグネシウム塩であり、c)に定義される親油性塩は、カルシウム塩である。
さらなる実施形態において、一次検体はマグネシウムイオンであり、b)に定義される親油性塩はマグネシウム塩であり、c)に定義される親油性塩はカルシウム塩であり、本明細書の上に定義されるリンス液は、1:1~1:4のモル比、例えば、1:1.5~1:2.5のモル比、例えば、1:2のモル比でマグネシウムイオンとカルシウムイオンとを含む。一実施形態において、リンス液は0.25mM Mg2+および0.5mM Ca2+を含む。さらなる実施形態において、親油性マグネシウム塩b)と親油性カルシウム塩c)とのモル比は、99:1~1:1、例えば、20:1~1:1、例えば、20:1~3:1、例えば、10:1~4:1、例えば、17:3である。
本発明の方法は、成分を溶媒中で混合し、得られた溶液を所望の支持体上に分配し、溶媒を蒸発させるステップを含み得る。任意の好適な溶媒が使用できる。一実施形態において、溶媒はシクロヘキサノンである。支持体は柔軟性または剛性であり得る。支持体は、好ましくは非導電性材料、例えば、ケイ素、ポリマー、プリント回路基板(PCB)、フレックスPCB、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド(PI)、セラミック、アルミナ、ガラス、木材製品、フリットなどでできている。
さらなる主要な態様において、本発明は、一次検体および1つまたは複数の他のイオンに対して選択性を有するイオン選択性膜であって、水溶液と接触しておらず、
a)イオノフォア、
b)前記一次検体を含有する親油性塩、および
c)前記他のイオンを含有する親油性塩
を含む、膜に関する。
膜の一実施形態において、一次検体は二価イオンである。別の実施形態において、前記他のイオンは二価イオンである。
一実施形態において、b)に定義される親油性塩とc)に定義される親油性塩とのモル比は、膜が前記一次検体および前記他のイオンを含有するリンス液に曝露される場合、膜がc)に定義される親油性塩を含有しない場合より平衡時間が短くなるようなモル比である。好ましい実施形態において、平衡時間は、2時間未満、例えば、1.5時間未満、例えば、1時間未満、例えば、45分未満、例えば、30分未満、例えば、15分未満、例えば、10分未満、例えば、5分未満である。
膜の別の実施形態において、b)に定義される親油性塩とc)に定義される親油性塩とのモル比は、99:1~1:1、例えば、20:1~1:1、例えば、20:1~3:1、例えば、10:1~4:1である。
一実施形態において、一次検体はマグネシウムイオン、カルシウムイオン、亜鉛イオンまたはリン酸イオンである。さらなる実施形態において、一次検体はマグネシウムイオンであり、b)に定義される親油性塩はマグネシウム塩であり、c)に定義される親油性塩はカルシウム塩である。さらにさらなる実施形態において、一次検体はマグネシウムイオンであり、b)に定義される親油性塩はマグネシウム塩であり、c)に定義される親油性塩はカルシウム塩であり、本明細書の上に定義されるリンス液は、1:1~1:4のモル比、例えば、1:1.5~1:2.5のモル比、例えば、1:2のモル比でマグネシウムイオンとカルシウムイオンとを含む。一実施形態において、リンス液は0.25mM Mg2+および0.5mM Ca2+を含む。さらなる実施形態において、親油性マグネシウム塩b)と親油性カルシウム塩c)とのモル比は、99:1~1:1、例えば、20:1~1:1、例えば、20:1~3:1、例えば、10:1~4:1、例えば、17:3である。
さらなる主要な態様において、本発明は、試料中のイオン濃度の測定における使用のためのイオン選択性膜を製造する方法であって、前記膜が、一次検体および別のイオンに対して選択性を有し、前記方法が、
i)試料の分析直前に膜が保持されるリンス液を選択するステップであり、前記リンス液が、前記一次検体および前記他のイオンを含有する、ステップと、
ii)イオノフォア(a)、前記一次検体を含有する親油性塩(b)、および前記他のイオンを含有する親油性塩(c)を含むイオン選択性膜の組成を選択するステップであり、b)に定義される親油性塩とc)に定義される親油性塩とのモル比が、膜が前記リンス液に曝露される場合、膜が(c)に定義される親油性塩を含有しない場合より、平衡時間が短くなるようなモル比であり、好ましくは、膜中の親油性塩(b)と(c)とのモル比が、平衡が不要であるように選択される、ステップと、
iii)本発明の方法のステップii)において選択された組成を有する膜を製造するステップと
を含む、方法に関する。
イオノフォア
上記のように、本発明の方法は、イオノフォアまたはイオノフォアの混合物を添加するステップを含む。同様に、本発明のイオン選択性膜は、イオノフォアを含む。用いられるイオノフォアは、荷電している場合も、または荷電していない場合(中性)もある。いくつかの実施形態において、イオノフォアは親油性である。
好ましい実施形態において、イオノフォアは、1,10-フェナントロリンまたはその置換形態であるフェナントロリン化合物である。このような化合物は、例えば、WO92/16831(Nova Biomedical Corp.)に記載されている。1,10-フェナントロリンは以下の構造
Figure 0007096420000001
を有する。
一実施形態において、フェナントロリン化合物の2および9位の炭素原子は、水素に結合している。
一実施形態において、イオノフォアは、式II
Figure 0007096420000002
[式中、
~Rは各々、
H、
F、Cl、Br、I、NO、CNもしくはCFのいずれか、
1~18アルキル
1~18アリール、
1~18アルケニル
(CHY(式中、mは0または1~4の整数であり、Yは-OR、-NR、-OCOR、-NRCOR、-COR、-COOR、-SO、-OSiR、-PO、-POのいずれかであり、R、RおよびRは各々、H、アルキル、分岐アルキル、アリールまたは置換アリールのいずれかである)、または
-R1011(式中、nは0、または1および17を含む1~17の整数であり、R10はC、N、NCOまたはCH-Z-CHであり、ZはO、NH、S、OCOまたはCOのいずれかであり、R11は式III
Figure 0007096420000003
の化合物であり、R11はR11の3、4、5、6、7または8位のいずれかでR10に結合しており、R12~R17はH、C1~18アルキル、C1~18アリールのいずれかであるか、または除去され、但し、R11がR11の3位でR10に結合している場合、R12が除去され、R11がR11の4位でR10に結合している場合、R13が除去され、R11がR11の5位でR10に結合している場合、R14が除去され、R11がR11の6位でR10に結合している場合、R15が除去され、R11がR11の7位でR10に結合している場合、R16が除去され、R11がR11の8位でR10に結合している場合、R17が除去される)
のいずれかである、
但し、R~Rのうちの1つが、H以外であり、かつ1,10-フェナントロリンの2および9位のC原子が各々、縮合環構造に関与しない結合により、Hに結合している]
の化合物である。
さらなる実施形態において、R~Rは、合計で少なくとも6個の炭素原子、例えば、6、7、8、9、10または11個の炭素原子、例えば、合計で少なくとも11個の炭素原子、例えば、11~18個の炭素原子を含む。
別の実施形態において、R、R、R、R、RおよびRのうちの1つまたは複数は、1~18個の炭素原子を有するアルキルまたはアリール基である。例えば、R、R、R、R、RおよびRから選択される1つまたは2つの基は、1~18個の炭素原子を有するアルキルまたはアリール基であり得、他は水素であり、例えば、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびRまたはRおよびRは、1~18個の炭素原子を有するアルキルまたはアリール基であり、他の基は水素である。
別の実施形態において、R、R、R、R、RおよびRのうちの1つまたは複数は、1~18個の炭素原子を有するアルキル基である。例えば、R、R、R、R、RおよびRから選択される1つまたは2つの基は、1~18個の炭素原子を有するアルキル基であり得、他は水素であり、例えば、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびRまたはRおよびRは、1~18個の炭素原子を有するアルキルであり、他のR基は水素である。
別の実施形態において、R、R、R、R、RおよびRのうちの1つまたは複数は、6~18個の炭素原子を有するアルキル基である。例えば、R、R、R、R、RおよびRから選択される1つまたは2つの基は、6~18個の炭素原子を有するアルキル基であり得、他は水素であり、例えば、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびRまたはRおよびRは、6~18個の炭素原子を有するアルキル基であり、他は水素である。
別の実施形態において、R、R、R、R、RおよびRのうちの1つのみが、1~18個の炭素原子、例えば、6~18個の炭素原子、例えば、11~18個の炭素原子を有するアルキル基であり、他のR基は水素である。
別の実施形態において、Rおよび/またはRは、1~18個の炭素原子、例えば6~18個の炭素原子、例えば、11~18個の炭素原子を有するアルキル基であり、他のR基は水素である。別の実施形態において、Rおよび/またはRは、1~18個の炭素原子を有するアリール基である。
好ましい実施形態において、イオノフォアは、4-ウンデシル-1、10-フェナントロリンまたは4,7-ジウンデシル-1,10-フェナントロリンである。
置換1,10-フェナントロリン化合物は、当業者に公知の標準的な技術によって合成され得る。例えば、4-および4,7-置換1,10-フェナントロリンの合成は、参照により本明細書に組み込まれる、Lundら、J.Chem.Eng.Data、26:227-29(1981)に記載される。メチル基は、他の1,10-フェナントロリン誘導体の合成において所望の側鎖の付着のためのハンドルを提供し得、メチル置換1,10-フェナントロリンは市販されている。例えば、4-メチル、5-メチル、6-メチル、7-メチル、3,6-ジメチル、5,7-ジメチル、4,7-ジメチルおよび5,6-ジメチル-1,10-フェナントロリンはすべてAldrich Chemical Co.から入手できる。4-ウンデシル-1、10-フェナントロリンおよび4,7-ジウンデシル-1,10-フェナントロリンは、例えば、WO92/16831(Nova Biomedical Corp.)に記載されるように合成され得る。
別の実施形態において、イオン選択性膜は、三脚型立体化学構造、例えば、三脚型構造、例えば、WO2015/160755(Siemens Healthcare Diagnostics Inc.)に記載されるものを有するイオノフォアを含む。
したがって、一実施形態において、イオノフォアは、式IV
Figure 0007096420000004
の化合物である(当技術分野においてETH5506とも称される)。
別の実施形態において、イオノフォアは式V
Figure 0007096420000005
の化合物である(当技術分野においてETH5504とも称される)。
別の実施形態において、イオノフォアは式VI
Figure 0007096420000006
の化合物である(当技術分野においてETH3832とも称される)。
別の実施形態において、イオノフォアは式VII
Figure 0007096420000007
(式中、nは6~8の整数である)
の化合物である(nが6である場合、当技術分野においてETH5282と称され、nが8である場合、当技術分野においてETH7025と称される)。
別の実施形態において、イオノフォアは、IUPAC 2000 Part I Inorganic cations Pure Appl Chem 72:1851の表8に記載されるイオノフォアのうちの1つ、例えば、Mg2+-1、Mg2+-2、Mg2+-3、Mg2+-4、Mg2+-5、Mg2+-6、Mg2+-7、Mg2+-8、Mg2+-9、Mg2+-10、Mg2+-11、Mg2+-12、Mg2+-13、Mg2+-14、Mg2+-15、Mg2+-16、Mg2+-17、Mg2+-18、Mg2+-19、Mg2+-20、Mg2+-21、Mg2+-22、Mg2+-23、Mg2+-24、Mg2+-25、Mg2+-26、Mg2+-27、Mg2+-28、Mg2+-29、Mg2+-30、Mg2+-31、Mg2+-32、Mg2+-33、Mg2+-34、Mg2+-35、Mg2+-36、Mg2+-37、Mg2+-38、Mg2+-39、Mg2+-40、Mg2+-41、Mg2+-42、Mg2+-43、Mg2+-44、Mg2+-45、Mg2+-46、Mg2+-47、Mg2+-48、Mg2+-49、Mg2+-50、Mg2+-51、Mg2+-52、Mg2+-53、Mg2+-54、Mg2+-55またはMg2+-56である。
別の実施形態において、イオノフォアは、Buhlmannら(1998)Chem.Rev.98:1593に記載されるイオノフォアのうちの1つ、例えば、Mg2+-1、Mg2+-2、Mg2+-3、Mg2+-4、Mg2+-5、Mg2+-6、Mg2+-7、Mg2+-8、Mg2+-9、Mg2+-10、Mg2+-11、Mg2+-12、Mg2+-13、Mg2+-14、Mg2+-15またはMg2+-16である。
別の実施形態において、イオノフォアは、ETH5220(Zhangら(2011)Am.J.Biomed.Sci.3:301)またはETH2001、ETH2002、ETH2003またはETH2022(Zhangら(2000)Anal.Sci.16:11)である。
別の実施形態において、イオノフォアは、すべてSpichiger(1993)Electroanalysis 5:739に記載されるETH1001、DBM、ETH1117、cyclo(LPro-DLeu)、ETH1224、ETH2220、ETH4030、ETH5214、ETH5282またはETH7025である。
別の実施形態において、イオノフォアは、Suzukiら(1995)Anal.Chem.67:324(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されるイオノフォアのうちの1つ、好ましくは、アダマンチル基を有する2つのマロンアミド側鎖を有する18員のジアザクラウンであるK22B5、またはその変異体、例えば、K22B1B5である(Siswantaら(1997)Anal.Sci.13:429)。
好ましい実施形態において、イオノフォアは、1,2-ビス(ジアリールホスフィンオキシド)ベンゼン(Saleh(1994)J.Electroanalytical Chem.373:89)またはメチルフェニルセミカルバゾン(Chandraら(2013)J.Chem.、http://dx.doi.org/10.1155/2013/189464)である。
親油性塩
本発明の方法または膜の多くの実施形態において、b)に定義される親油性塩およびc)に定義される親油性塩は、一次検体イオンを除き、同じ化学構造を有する。
好ましい実施形態において、b)およびc)に定義される親油性塩は、酸性基を含む化合物の親油性塩、例えば、式I
Figure 0007096420000008
(式中、
Aは酸性基を含み、
18、R19およびR20のうちの1つ、2つまたは3つすべては、C4~18アルキル基、C4~18アルケニル基、C4~18アルキニル基またはアミド含有C4~18基であるC4~18基であり、前記C4~18基は、フェニル基から数えて1、2および3位が直鎖であるか、または前記1、2および3位に合計で側鎖を1つのみ有し、
他のR18、R19およびR20は、独立に、水素または直鎖C1~18アルキル基である)
の構造を含む化合物の親油性塩である。
疑念を回避するために、本明細書において「または前記1、2および3位に合計で側鎖を1つのみ有する」という表現は、各C4~18基が前記1、2、3位に合計で側鎖を1つのみ有することを意味する。したがって、R18、R19およびR20の2つ以上がC4~18基である実施形態において、これらのC4~18基の2つ以上が、1、2または3位に1つの側鎖を有し得る。
例示のために、以下の式は、R18およびR20が水素であり、R19が側鎖を含まない直鎖Cアルキル基である一実施形態を示す。1、2および3位は
Figure 0007096420000009
で示される。
一実施形態において、式IのA基に含まれる酸性基は、カルボン酸、スルホン酸、硫酸モノエステル、スルホンアミド、ホスホン酸、リン酸、ヒ酸、スルフィン酸またはチオカルボン酸である。
一実施形態において、式IのA基に含まれる酸性基は、カルボン酸である。例えば、A基は、式IXのカルボン酸基、式Xの炭酸基、式XIのシュウ酸モノエステル基または式XIIのジカルボン酸モノエステル基であり得る:
式IX
Figure 0007096420000010
式X
Figure 0007096420000011
式XI
Figure 0007096420000012
式XII
Figure 0007096420000013
23は、C1~5基、例えば、C1~5アルキル基、C1~5アルケニル基、C1~5アルキニル基またはアミド含有C1~5基であり得るか、またはR23は不在であり得る。好ましくは、R23は、直鎖である。例えば、式IXの化合物の一実施形態において、R23は不在であり、したがって、A基はカルボン酸基からなる。式IXのR24は、C1~5基、例えば、C1~5アルキル基、C1~5アルケニル基、C1~5アルキニル基またはアミド含有C1~5基であり得る。
別の実施形態において、A基に含まれる酸性基は、スルホン酸である。例えば、A基は、式XIIIのスルホン酸基であり得る:
式XIII
Figure 0007096420000014
23は、C1~5基、例えば、C1~5アルキル基、C1~5アルケニル基、C1~5アルキニル基またはアミド含有C1~5基であり得るか、またはR23は、不在であり得る。好ましくは、R23は、直鎖である。例えば、式XIIIの化合物の一実施形態において、R23は不在であり、したがって、A基はスルホン酸基からなる。
別の実施形態において、A基に含まれる酸性基は、硫酸モノエステルである。例えば、A基は、式XIVの硫酸モノエステル基であり得る:
式XIV
Figure 0007096420000015
23は、C1~5基、例えば、C1~5アルキル基、C1~5アルケニル基、C1~5アルキニル基またはアミド含有C1~5基であり得るか、またはR23は、不在であり得る。好ましくは、R23は、直鎖である。例えば、式XIVの化合物の一実施形態において、R23は不在であり、したがって、A基は硫酸モノエステル基からなる。
別の実施形態において、A基に含まれる酸性基は、スルホンアミドである。例えば、A基は、式XVのスルホンアミド基であり得る:
式XV
Figure 0007096420000016
23は、C1~5基、例えば、C1~5アルキル基、C1~5アルケニル基、C1~5アルキニル基またはアミド含有C1~5基であり得るか、またはR23は、不在であり得る。好ましくは、R23は、直鎖である。例えば、式XVの化合物の一実施形態において、R23は不在であり、したがって、A基はスルホンアミド基からなる。
別の実施形態において、A基に含まれる酸性基は、ホスホン酸である。例えば、A基は、式XVIのホスホン酸基または式XVIIのホスホン酸モノエステル基であり得る:
式XVI
Figure 0007096420000017
式XVII
Figure 0007096420000018
23は、C1~5基、例えば、C1~5アルキル基、C1~5アルケニル基、C1~5アルキニル基またはアミド含有C1~5基であり得るか、またはR23は、不在であり得る。好ましくは、R23は、直鎖である。例えば、式XVIの化合物の一実施形態において、R23は不在であり、したがって、A基はホスホン酸基からなる。R24は、C1~18基、例えば、C1~18アルキル基、C1~18アルケニル基、C1~18アルキニル基、アミド含有C1~18基またはアリール基であり得る。特に、アリール基はフェニル基であり得、例えば、R24は、式Iに定義されるように置換基R18、R19およびR20を有するフェニル基であり得る。
別の実施形態において、A基に含まれる酸性基は、リン酸である。例えば、A基は、式XVIIIのリン酸モノエステル基、または式XIXのリン酸ジエステル基、または式XXのポリリン酸基であり得る:
式XVIII
Figure 0007096420000019
式XIX
Figure 0007096420000020
式XX
Figure 0007096420000021
23は、C1~5基、例えば、C1~5アルキル基、C1~5アルケニル基、C1~5アルキニル基またはアミド含有C1~5基であり得るか、またはR23は、不在であり得る。好ましくは、R23は、直鎖である。例えば、式XVIIIの化合物の一実施形態において、R23は不在であり、したがって、A基はリン酸モノエステル基からなる。式XIXの化合物の一実施形態において、R23は不在であり、したがって、A基はリン酸ジエステル基からなる。R24は、C1~18基、例えば、C1~18アルキル基、C1~18アルケニル基、C1~18アルキニル基、アミド含有C1~18基またはアリール基であり得る。特に、アリール基はフェニル基であり得、例えば、R24は、式Iに定義されるように置換基R18、R19およびR20を有するフェニル基であり得る。
別の実施形態において、A基に含まれる酸性基は、ヒ酸である。例えば、A基は、式XVI、XVII、XIII、XIXまたはXXの基であり得、そこでリン原子は、ヒ素原子(As)で置き換えられている。
別の実施形態において、A基に含まれる酸性基は、スルフィン酸である。例えば、A基は、式XXIのスルフィン酸基であり得る:
式XXI
Figure 0007096420000022
23は、C1~5基、例えば、C1~5アルキル基、C1~5アルケニル基、C1~5アルキニル基またはアミド含有C1~5基あり得るか、またはR23は、不在であり得る。好ましくは、R23は、直鎖である。例えば、式XXIの化合物の一実施形態において、R23は不在であり、したがって、A基はスルフィン酸基からなる。
別の実施形態において、A基に含まれる酸性基は、チオカルボン酸である。例えば、A基は、式XXIIまたは式XXIIIのチオカルボン酸基であり得る:
式XXII
Figure 0007096420000023
式XXIII
Figure 0007096420000024
23は、C1~5基、例えば、C1~5アルキル基、C1~5アルケニル基、C1~5アルキニル基またはアミド含有C1~5基あり得るか、またはR23は、不在であり得る。好ましくは、R23は、直鎖である。例えば、式XXIIまたは式XXIIIの化合物の一実施形態において、R23は不在であり、したがって、A基はチオカルボン酸基からなる。
一実施形態において、式IのA基は、リン酸モノエステルまたはジエステル基、例えば、式XIXの-R23-(HPO)-R24基(式中、R23は不在であるか、またはアルキル(例えば、C1~18アルキル)、分岐アルキル、アリールまたは置換アリールであり、R24は水素またはアルキル(例えば、C1~18アルキル)、分岐アルキル、アリールまたは置換アリールである)である。
さらなる実施形態において、親油性塩(複数可)は、式VIII
Figure 0007096420000025
(式中、R18、R19およびR20は式Iについて定義される通りである)
の化合物を含む。好ましくは、膜は、式VIIIの親油性化合物の塩を含む。
一実施形態において、R18、R19またはR20のうちの1つは、上に定義されるC4~18アルキル基(すなわち、フェニル基から数えて1、2および3位が直鎖であるか、または前記1、2および3位に合計で側鎖を1つのみ有するC4~18アルキル基)であり、他は、独立に、水素または直鎖C1~18アルキル基である。
さらなる実施形態において、R18、R19またはR20のうちの1つは、上に定義されるC4~18アルキル基であり、他は水素である。さらなる実施形態において、R19は、上に定義されるC4~18アルキル基であり、R18およびR20は水素である。
一実施形態において、前記C4~18アルキル基(複数可)は直鎖である。別の実施形態において、前記C4~18アルキル基(複数可)は、少なくとも6個、例えば、少なくとも8個の炭素原子、例えば、8、9、10、11または12個の炭素原子を含む。
さらなる実施形態において、R18、R19またはR20のうちの1つのみが、C4~18アルキル基であり、前記C4~18アルキル基は、少なくとも6個、例えば、少なくとも8個の炭素原子、例えば、8、9、10、11または12個の炭素原子を含む。
好ましい実施形態において、親油性塩(複数可)は、R18およびR20が水素であり、R19がオクチル基である、式VIIIの化合物を含む。
好ましい塩はマグネシウム塩およびカルシウム塩である。
好ましい実施形態において、b)に定義される親油性塩は、ヘミマグネシウムビス[4-オクチルフェニル]ホスフェートであり、c)に定義される親油性塩は、ヘミカルシウムビス[4-オクチルフェニル]ホスフェートである。
別の好ましい実施形態において、b)に定義される親油性塩は、ヘミマグネシウムビス[4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-フェニル]ホスフェートであり、c)に定義される親油性塩は、ヘミカルシウムビス[4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-フェニル]ホスフェートである。
親油性塩、例えば、ヘミカルシウムビス[4-オクチルフェニル]ホスフェートおよびヘミマグネシウムビス[4-オクチルフェニル]ホスフェートは、当技術分野で公知の標準的な方法によって調製され得る。
好ましい実施形態において、親油性塩は、ヘミマグネシウムビス[4-オクチルフェニル]ホスフェート(b)とヘミカルシウムビス[4-オクチルフェニル]ホスフェート(c)であり、混合物は、少なくとも50%のヘミマグネシウムビス[4-オクチルフェニル]ホスフェート、例えば、少なくとも80%のヘミマグネシウムビス[4-オクチルフェニル]ホスフェート、例えば、80%~90%のヘミマグネシウムビス[4-オクチルフェニル]ホスフェートを含有する。
本発明のイオン選択性膜のさらに好ましい実施形態において、イオノフォアは、4,7-ジウンデシル-1,10-フェナントロリンであり、親油性塩は、ヘミマグネシウムビス[4-オクチルフェニル]ホスフェートおよびヘミカルシウムビス[4-オクチルフェニル]ホスフェートである。
好ましい実施形態において、イオノフォアと親油性塩のアニオンの合計とのモル比は2:1~1:1、例えば、1.8:1~1.2:1のモル比である。
上記の親油性化合物および親油性塩に加えて、さらなる塩が本発明の膜中に存在し得る。したがって、実施形態において、本発明の膜は、さらなる塩、例えば、テトラキス(4-クロロフェニル)ホウ酸塩を含む。
共有結合している酸性基を含むイオノフォア
さらなる態様において、本発明は、一次検体および別のイオンに対して選択性を有する、イオン選択性膜を調製する方法であって、
a)スペーサーを介して酸性基に共有結合しているイオノフォアおよび一次検体の塩である親油性塩、ならびに
b)前記イオノフォアおよび前記他のイオンの塩である親油性塩
を添加するステップを含む、方法に関する。
さらにさらなる態様において、本発明は、一次検体および別のイオンに対して選択性を有する、イオン選択性膜であって、水溶液と接触しておらず、
a)スペーサーを介して酸性基に共有結合しているイオノフォアおよび一次検体の塩である親油性塩、ならびに
b)前記イオノフォアおよび前記他のイオンの塩である親油性塩
を含む、膜に関する。
一実施形態において、一次検体はマグネシウムイオンであり、前記他のイオンはカルシウムイオンまたは亜鉛イオン、好ましくはカルシウムイオンである。別の実施形態において、前記他のイオンは、Ca2+、Zn2+、Na、K、Li、H、NH 、Cs、Rb、Cu2+、Ni2+、Fe2+、Sr2+、Ba2+、Co2+、Cd2+およびAl3+からなる群から選択される1つまたは複数のイオンを含む。
一実施形態において、前記スペーサーは、アルキル基、例えば、合計で1~18個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキル基であり、アルキル基は、任意で置換されている。別の実施形態において、前記スペーサーは、直鎖アルキル基、例えば、-(CH-基(式中、nは少なくとも1、例えば、1、2、3、4もしくは5、または少なくとも2である)である。
一実施形態において、前記イオノフォアは、1,10-フェナントロリンまたはその置換形態であるフェナントロリン化合物である。本明細書の一実施形態において、スペーサーは、1,10-フェナントロリンの2、3、4、5、6、7、8または9位の炭素原子でフェナントロリン化合物に共有結合している。
さらなる実施形態において、スペーサー(前記スペーサーは、少なくとも1個の炭素原子を含む)を介して酸性基に共有結合しているイオノフォアは、式II
Figure 0007096420000026
[式中、
~Rは各々、
H、
F、Cl、Br、I、NO、CNもしくはCFのいずれか、
1~18アルキル、
1~18アリール、
1~18アルケニル、
(CHY(式中、mは0または1~4の整数であり、Yは-OR、-NR、-OCOR、-NRCOR、-COR、-COOR、-SO、-OSiR、-PO、-POのいずれかであり、R、RおよびRは各々、H、アルキル、分岐アルキル、アリールまたは置換アリールのいずれかである)、または
-R1011(式中、nは0、または1および17を含む1~17の整数であり、R10はC、N、NCOまたはCH-Z-CHであり、ZはO、NH、S、OCOまたはCOのいずれかであり、R11
Figure 0007096420000027
であり、R11はR11の3、4、5、6、7または8位のいずれかでR10に結合しており、R12~R17はH、C1~18アルキル、C1~18アリールのいずれかであるか、または除去され、但し、R11がR11の3位でR10に結合している場合、R12が除去され、R11がR11の4位でR10に結合している場合、R13が除去され、R11がR11の5位でR10に結合している場合、R14が除去され、R11がR11の6位でR10に結合している場合、R15が除去され、R11がR11の7位でR10に結合している場合、R16が除去され、R11がR11の8位でR10に結合している場合、R17が除去される)
のいずれかである、
但し、R~Rのうちの1つが、H以外であり、かつ1,10-フェナントロリンの2および9位のC原子が各々、縮合環構造に関与しない結合により、Hに結合しており、
~Rのうちの1つがスペーサーおよび酸性基を含み、好ましくは、RまたはRはスペーサーおよび酸性基を含む]
のフェナントロリン化合物である。
本明細書のさらなる実施形態において、R~Rは、合計で少なくとも6個の炭素原子、例えば、6、7、8、9、10または11個の炭素原子、例えば、合計で少なくとも11個の炭素原子、例えば、11~18個の炭素原子を含む。
別の実施形態において、R、R、R、R、RおよびRのうちの1つまたは複数は、1~18個の炭素原子を有するアルキルまたはアリール基である。例えば、R、R、R、R、RおよびRから選択される1つまたは2つの基は、1~18個の炭素原子を有するアルキルまたはアリール基であり得、他は水素であり、例えば、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびRまたはRおよびRは、1~18個の炭素原子を有するアルキルまたはアリール基であり、他は水素である。
別の実施形態において、R、R、R、R、RおよびRのうちの1つまたは複数は、1~18個の炭素原子を有するアルキル基である。例えば、R、R、R、R、RおよびRから選択される1つまたは2つの基は、1~18個の炭素原子を有するアルキル基であり得、他は水素であり、例えば、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびRまたはRおよびRは、1~18個の炭素原子を有するアルキル基であり、他は水素である。
別の実施形態において、R、R、R、R、RおよびRのうちの1つまたは複数は、6~18個の炭素原子を有するアルキル基である。例えば、R、R、R、R、RおよびRから選択される1つまたは2つの基は、6~18個の炭素原子を有するアルキル基であり得、他は水素であり、例えば、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびRまたはRおよびRは、6~18個の炭素原子を有するアルキル基であり、他は水素である。
別の実施形態において、R、R、R、R、RおよびRのうちの1つが、1~18個の炭素原子、例えば、6~18個の炭素原子、例えば、11~18個の炭素原子を有するアルキル基である。
別の実施形態において、Rおよび/またはRは、1~18個の炭素原子、例えば、6~18個の炭素原子、例えば、11~18個の炭素原子を有するアルキル基である。
別の実施形態において、Rおよび/またはRは、1~18個の炭素原子を有するアリール基である。
好ましい実施形態において、フェナントロリン化合物は、スペーサーを介して酸性基に共有結合している4-ウンデシル-1、10-フェナントロリンであり、前記スペーサーは、少なくとも1個の炭素原子、例えば、2または3個の炭素原子を含む。
別の好ましい実施形態において、フェナントロリン化合物は、スペーサーを介して酸性基に共有結合している4,7-ジウンデシル-1、10-フェナントロリンであり、前記スペーサーは、少なくとも1個の炭素原子を含む。
好ましくは、スペーサーは1~18個の炭素原子を含む。一実施形態において、スペーサーは、少なくとも2個、例えば、少なくとも3個の炭素原子を含み、スペーサーは、1,10-フェナントロリン化合物の2、3、4、5、6、7、8または9位に共有結合している。
一実施形態において、酸性基は、カルボン酸、スルホン酸、硫酸モノエステル、スルホンアミド、ホスホン酸、リン酸、ヒ酸、スルフィン酸またはチオカルボン酸からなる群から選択される。
好ましい実施形態において、酸性基は、-(HPO)R、-(HPO)R(式中、RはH、アルキル、分岐アルキル、アリールまたは置換アリールである)、例えば、4-オクチルフェニルである。
別の実施形態において、イオノフォアは、三脚型立体化学構造、例えば、式IV、V、VIおよびVIIに示される構造のうちの1つを有する。本明細書の一つのさらなる実施形態において、酸性基は、式IV、V、VIまたはVIIに示される構造の1、2または3つのアーム上のマロンジアミド基の遠位に位置する。この文脈において「遠位」は、三脚型構造の中心に対して遠位を意味する。好ましくは、分子の1つのアームのみが、共有結合している酸性基を有する。別の実施形態において、式IV、V、VIまたはVIIに示される構造の3つのアームのうちの1つにおいて、マロンジアミド基は、酸性基で部分的または完全に置き換えられている。
さらなる膜成分
可塑剤-本発明の膜は、典型的にはさらに可塑剤を含む。可塑剤の役割は、他の成分、例えば、イオノフォアを溶媒和したままにすることである。多くの好適な可塑剤、例えば、エステル、ホスホン酸塩およびエーテルは、当技術分野において記載されている。一実施形態において、可塑剤は、4-ヘキシルフェニル2-ニトロフェニルエーテル(NHPE)もしくは2-ニトロフェニルオクチルエーテル(NPOE)またはこれらの混合物である。一実施形態において、可塑剤、例えば、NHPEは、乾燥膜質量の約40%~80%、例えば、乾燥膜質量の50%~70%、例えば、乾燥膜質量の55%~65%を構成する。
ポリマー-本発明の膜は、典型的にはさらにポリマーまたはポリマーの混合物、ポリマーブレンドを含む。ポリマーは、可塑剤および活性成分を含有するためのネットワークを提供することによって、膜に構造的完全性を付与する。使用できるポリマーおよびコポリマーの非限定的例としては、ポリ(塩化ビニル)、カルボキシル化(ポリ塩化ビニル)、ポリウレタン、ポリ(塩化ビニル-co-ビニルアセテート)、ポリ(塩化ビニル-co-ビニルアルコール)、ポリ(塩化ビニル-co-ビニルアセテート-co-ビニルアルコール)およびこれらのいずれかの組み合わせが挙げられる。
好ましい実施形態において、膜は、ポリマーブレンドを含み、前記ポリマーブレンドは、
a.カルボキシル化ポリ(塩化ビニル)またはポリ(塩化ビニル)である第1のポリマーであって、前記第1のポリマーの分子量が、100,000~500,000である、前記第1のポリマーと、
b.塩化ビニルと、親水性基を有する少なくとも1つのさらなるモノマー基とのコポリマーである第2のポリマーであって、前記第2のポリマーの分子量が100,000未満である、前記第2のポリマーと
を含み、
前記第1のポリマーが、カルボキシル化ポリ(塩化ビニル)である場合、前記第2のポリマーは前記第1のポリマーより多くの親水性基を有する。
一実施形態において、前記第1のポリマーは、カルボキシル化ポリ(塩化ビニル)である。さらなる実施形態において、前記第1のポリマーは、カルボキシル化ポリ(塩化ビニル)であり、前記第2のポリマーは、前記第1のポリマーの少なくとも1.5倍の親水性基、例えば、前記第1のポリマーの、例えば、少なくとも2倍、例えば、少なくとも4倍、例えば、少なくとも5倍、例えば、少なくとも10倍の親水性基を有する。さらにさらなる実施形態において、前記第1のポリマーは、カルボキシル化ポリ(塩化ビニル)であり、前記カルボキシル化ポリ(塩化ビニル)は、0.1%~10%カルボキシル化、例えば、0.5%~5%カルボキシル化、例えば、1%~3%カルボキシル化、例えば、1.8%カルボキシル化されている。
別の実施形態において、前記第1のポリマーは、ポリ(塩化ビニル)である。
一実施形態において、前記第1のポリマーの分子量は、少なくとも110,000、例えば、少なくとも120,000、例えば、130,000~400,000、例えば、130,000~300,000、例えば、130,000~250,000である。
一実施形態において、前記第1のポリマーは、カルボキシル化ポリ(塩化ビニル)であり、前記第1のポリマーの分子量は、少なくとも110,000、例えば、少なくとも120,000、例えば、130,000~400,000、例えば、200,000~300,000、例えば、200,000~250,000、例えば、220,000である。
別の実施形態において、前記第1のポリマーは、ポリ(塩化ビニル)であり、前記第1のポリマーの分子量は、少なくとも110,000、例えば、少なくとも120,000、例えば、120,000~200,000、例えば、130,000~160,000、例えば、140,000である。
本発明の膜の一実施形態において、第2のポリマー中の前記さらなるモノマーは、ビニルアルコール、ビニルエステルまたはヒドロキシ官能性アクリレートである。さらなる実施形態において、前記第2のポリマーは、塩化ビニル、ビニルアセテート、ビニルアルコールと、任意でアクリル酸、メタクリル酸またはマレイン酸などの親水性基を含むさらなるモノマーとのコポリマーである。
さらにさらなる実施形態において、前記第2のポリマーは、ポリ(塩化ビニル-co-ビニルアセテート-co-ビニルアルコール)である。一実施形態において、前記ポリ(塩化ビニル-co-ビニルアセテート-co-ビニルアルコール)は、75%~98%の塩化ビニル、例えば、85%~95%の塩化ビニル、例えば、89%~93%の塩化ビニル、例えば、91%の塩化ビニルを含む。別の実施形態において、前記ポリ(塩化ビニル-co-ビニルアセテート-co-ビニルアルコール)は、1%~20%のビニルアセテート、例えば、1%~10%のビニルアセテート、例えば、1%~5%のビニルアセテート、例えば、3%のビニルアセテートを含む。さらなる実施形態において、前記ポリ(塩化ビニル-co-ビニルアセテート-co-ビニルアルコール)は、1%~15%のビニルアルコール、例えば、1%~10%のビニルアルコール、例えば、4%~8%のビニルアルコール、例えば、6%のビニルアルコールを含む。
一実施形態において、第2のポリマーの分子量は、100,000未満、例えば、30,000~90,000、好ましくは60,000~80,000、例えば、70,000である。
一実施形態において、膜中の第1のポリマー質量と第2のポリマー質量との比は、10:1~1:5、例えば、4:1~1:4、例えば、2:1~1:3、例えば、2:3~3:7、例えば、1:2である。
一実施形態において、前記第1のポリマーは、カルボキシル化ポリ(塩化ビニル)であり、膜中の第1のポリマー質量と第2のポリマー質量との比は、4:1~1:4、例えば、2:1~1:3、例えば、3:2~3:7、または2:3~3:7、例えば、1:2である。
別の実施形態において、前記第1のポリマーは、ポリ(塩化ビニル)であり、膜中の第1のポリマー質量と第2のポリマー質量との比は、10:1~1:5、例えば、7:1~1:2、例えば、5:1~1:2、例えば、5:1~2:3、例えば、5:1~2:1、例えば、4:1である。
一実施形態において、ポリマーブレンドは、乾燥膜質量(すなわち、溶媒中で混合される前の成分の質量)の約10%~50%、例えば、乾燥膜質量の20%~40%、例えば、乾燥膜質量の25%~35%、例えば、乾燥膜質量の25%~30%を構成する。
好ましい実施形態において、膜は、以下の表1に特定される組成を有する。
Figure 0007096420000028
電極および電位差測定センサー
さらなる主要な態様において、本発明は、本明細書に記載される本発明のイオン選択性膜を含む、イオン選択性電極に関する。電極は、厚膜方式、例えば、スクリーン印刷、輪転グラビア印刷、パッド印刷、ステンシル印刷の導電性材料、例えば、炭素、Cu、Pt、Pd、Auおよび/もしくはナノチューブなどを使用することによって、または、薄膜方式、例えば、スパッタリング、サーマルスプレーおよび/もしくはコールドスプレーの導電性材料を使用することによって支持体上に作られ得る。支持体は柔軟性または剛性であり得る。支持体は、好ましくは、非導電性材料、例えば、ケイ素、ポリマー、プリント回路基板(PCB)、フレックスPCB、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド(PI)、セラミック、アルミナ、ガラス、木材製品、フリットなどでできている。
さらにさらなる主要な態様において、本発明は、2つ以上の検体電極が、参照電極を含むまたは含まない単一の支持体上に存在する、センサーアセンブリに関する(参照電極を含むセンサーアセンブリについては米国特許第5916425号を参照のこと)。いくつかの実施形態において、センサーアセンブリは、参照電極を含むまたは含まない、各々2つ以上の検体電極を含む2つの支持体でできている。支持体は、電極を有する前記支持体の表面が互いに面するように、互いの上に層状構造で配置され得る(例えば、WO2008/131767)。別の好適なセンサーアセンブリはWO2018/112017、WO2018/112012、WO2018/112008、WO2017/120464、WO2017/019609、WO2016/106320、WO2016/011308、WO2016/007716およびWO2013/163120に記載されている。
一実施形態において、システムは、生理学的濃度の、干渉する可能性のある化合物(Ca2+、KおよびNa)を含有するキャリブレーターで較正される。
いくつかの実施形態において、システムは、カルシウムイオンなどの他のカチオンの測定のための1つまたは複数の電極を含有し、したがって干渉は、カチオン活性の測定に基づく検体信号のケモメトリクス補正によって最小限に抑えられ得る。
使用および使用方法
上記のように、さらなる主要な態様において、本発明は、試料中のマグネシウムイオンなどのイオン濃度を決定するための本発明による電位差測定センサーまたは電極の使用に関する。
同様に、本発明は、液体試料中のマグネシウムイオンなどのイオン濃度を決定する方法であって、前記試料と本発明の電極または本発明の電位差測定センサーとを接触させるステップと、前記電極または電位差測定センサーから得られる信号に基づきイオン濃度を決定するステップとを含む、方法に関する。
検体の存在について試験される生体試料は、生理液、例えば、希釈または無希釈の全血、血清、血漿、唾液、尿、糞便、胸膜液、脳脊髄液、滑液、乳、腹水液、腹腔液または羊水であり得る。他の生体試料の例としては、発酵ブロス、培養微生物、廃水、食品などが挙げられる。
好ましい実施形態において、試料は、血液試料または血清試料である。試料、例えば、血液試料、血清試料、血漿試料または胸膜試料は、例えば、ヒト対象からの試料であり得る。
マグネシウムイオンレベルを決定する目的は、例えば、ヒト患者などの患者の疾患もしくは障害を診断すること、または医学療法もしくは手術などの治療を受けるか、もしくはこれらに登録される患者のマグネシウムレベルをモニターすることであり得る。一実施形態において、疾患または障害は、心血管疾患または障害である。別の実施形態において、試料は、新生児、すなわち生後28日未満の乳児からの試料である。
Zhang(2011)Am J Biomed Sci 3:301は、マグネシウムレベル、特に、低マグネシウム血症と臨床成績との関連を実証するいくつかの試験を要約する。例えば、試験は、低マグネシウム血症と、血液透析、2型糖尿病、心血管疾患または医療外科集中治療を経験するICU患者の死亡率との関連を実証した。さらに、心疾患患者において、マグネシウムの欠乏は、冠動脈攣縮、不整脈、細動、梗塞および突然死に寄与することが見出された。心肺バイパス術中のマグネシウム介入試験は、iMgの術中の補正が、術後の心室性不整脈の減少および連続した洞調律の維持に関連していることを示した。臨床治験結果はまた、卒中症状の発症後2時間以内の救急車または救急部における急性卒中患者に対するマグネシウム療法の利点を示唆する。マグネシウムのモニタリングは、低マグネシウム血症と関連づけられることが報告された状態であり、ヨーロッパおよびUSAにおける妊娠の5~7%で発生する子癇前症においても提唱される。他の知見は、iCa:iMgの比が、子癇前症-子癇発作患者における血管系および神経系合併症の予防に極めて重要な診断パラメーターであることを示唆した。Solimanら(2003)Crit.Care Med.31:1082は、ICU滞在中のイオン化低マグネシウム血症の発症と高い罹患率および死亡率との間の相関を報告した。
したがって、さらなる実施形態において、マグネシウムイオンレベルが本発明の方法または使用で決定される試料は、例えば、急性入院患者、または医学療法もしくは手術、例えば、心臓手術、例えば、心肺バイパス術を受けるか、もしくはこれらに登録された患者からの試料であり得る。さらなる実施形態において、試料は、食物摂取不良、吸収不良障害、低カリウム血症、低カルシウム血症、アルコール依存症を有する患者から、または低マグネシウム血症に関連する利尿薬もしくは他の薬物を摂取する患者からのものである。さらなる実施形態において、試料は、腎疾患、高血圧、子癇前症、真性糖尿病、糖尿病ケトアシドーシス、不整脈、敗血症、胸痛、急性卒中、外傷性ショック(chock)、熱傷/煙吸入、急性肺疾患または心疾患、例えば、心停止を有する患者からのものである。別の実施形態において、患者は、産科病棟患者または血液透析を受けている患者である。さらに、試料は、血液透析、2型糖尿病、心血管疾患または医療外科集中治療を経験するICU患者からのものであり得る。
本発明は、以下の実施例によりさらに例示され、これは本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
実施例1
イオン選択性膜の調製
ヘミマグネシウムビス[4-オクチルフェニル]ホスフェート(MgOPP)の貯蔵液を、MgOPP 1g当たりシクロヘキサノン48.28gの比でMgOPPとシクロヘキサノン(>99.8%)とを混合して調製した。化合物を室温で混合した後、室温において暗所で最低8時間撹拌するか、または37℃で最低4時間撹拌した。
膜を分配する溶液を、以下の成分を混合して調製した。
Figure 0007096420000029
化合物を、アルゴンまたは窒素ガスを充填したバイアル内で室温において混合した後、室温において暗所で最低40時間撹拌するか、または37℃で最低16時間撹拌した。得られた溶液を使用して、膜を、セラミック支持体上のポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)-ポリ(スチレンスルホネート)(PEDOT)で覆われた金電極上に分配した。その後、溶媒を蒸発させて、可塑化したイオン選択性膜を得た。
実施例2
各種親油性塩の組成を有する膜の比較
各種親油性塩の組成を有する3つの膜を、本質的に実施例1に記載されるように調製した。
1.ヘミカルシウムビス[4-オクチルフェニル]ホスフェートを含有するが、ヘミマグネシウムビス[4-オクチルフェニル]ホスフェートを含有しないMg899膜
2.ヘミマグネシウムビス[4-オクチルフェニル]ホスフェートを含有するが、ヘミカルシウムビス[4-オクチルフェニル]ホスフェートを含有しないMg900膜
3.50%のヘミカルシウムビス[4-オクチルフェニル]ホスフェートおよび50%のヘミマグネシウムビス[4-オクチルフェニル]ホスフェートを含有するMg901膜
各膜を、電極アレイの2~3つの個々の電極上に分配した。これはCa2+イオン選択性電極も含有していた。膜を実施例1に記載されるように分配した。各電極アレイを、テストアナライザ内の測定チャンバに配置した。測定チャンバは、参照電極と流体接触させた。テストアナライザには、較正液およびリンス液の液体輸送、試料の吸引、各電極位置の電位差信号のサンプリング、およびこれらのデータ取得の自動制御をプログラムした。
センサーの較正と同時にリンス液を中間で交換しながら、イオン選択性電極を、0.25mM Mg2+および0.5mM Ca2+のリンス液と約1時間10分接触させた。同じリンス液に約2分アイドル曝露後(最後の較正作業は1時間10分で終了)、約1時間12分で、血液試料中のマグネシウムイオン濃度を、5回の繰り返しの測定により決定した。
Mg2+イオン選択性電極を、他のセンサー、例えば、Na、K、Ca、Cl、pH、pO、pCO、グルコースおよび乳酸センサーの同時較正に好適な、複雑な溶液マトリックスで3つの異なる比でMg2+およびCa2+イオンを含有する3種の較正液を用いて較正した。ニコルスキー-アイゼンマン(NE)の式を、IFCCガイドラインに従ってセンサー応答モデルとして使用した(Ben Rayanaら(2008)Clin Chem Lab Med46(1):21)。状態値(E0)、感度(S)およびCa2+イオンに対するMg2+イオンの選択係数(K)を、較正液で得られた電極信号に基づき決定した。Ca2+イオン選択性電極も較正した。
各Mg2+イオン選択性電極について、各血液試料中のMg2+イオンの濃度(cMg)を、試料測定前に電極について決定した較正パラメーター(E0、SおよびK)の値およびCa2+イオン選択性電極で決定したCa2+イオンの濃度を利用して、特定の試料で得られた信号から算出した。列挙されたcMg値を得るためのその後の補正は行われなかった。
Mg899の2つの膜およびMg900およびMg901の3つの膜を、確実に同一の平衡履歴になるように並行して試験した。結果を以下の表に示す:
Figure 0007096420000030
データからは、約1時間12分の平衡時間後、各々100%のカルシウム塩および100%のマグネシウム塩を含有するMg899およびMg900の膜が、同じ試料でのその後の4回の繰り返しの測定において決定された値からの有意な偏差(下線が引かれた値を参照のこと)を示したことが分かる。これは、これらの膜が、アイドル中に電極前面のリンス液の組成を変化させないために長い平衡時間を必要とし、したがって、これらは、カルシウム塩とマグネシウム塩の両方を含有する膜Mg901より劣ることを実証する。
本明細書は以下の発明の態様を包含する。
[1] 一次検体および別のイオンに対して選択性を有するイオン選択性膜を調製する方法であって、任意の順番で
a)イオノフォア、
b)前記一次検体を含有する親油性塩、および
c)前記他のイオンを含有する親油性塩
を添加するステップを含む、方法。
[2] b)に定義される親油性塩とc)に定義される親油性塩とのモル比が、膜が前記一次検体および前記他のイオンを含有するリンス液に曝露される場合、前記膜が前記c)に定義される親油性塩を含有しない場合より平衡時間が短くなるようなモル比であり、好ましくは平衡時間がゼロである、[1]に記載の方法。
[3] b)に定義される親油性塩とc)に定義される親油性塩とのモル比が、99:1~1:1、例えば、20:1~1:1、例えば、20:1~3:1、例えば、10:1~4:1である、[1]または[2]に記載の方法。
[4] 一次検体が、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、亜鉛イオンまたはリン酸イオンである、[1]から[3]のいずれか一項に記載の方法。
[5] 一次検体がマグネシウムイオンであり、b)に定義される親油性塩がマグネシウム塩であり、c)に定義される親油性塩がカルシウム塩である、[1]から[4]のいずれか一項に記載の方法。
[6] 一次検体がマグネシウムイオンであり、b)に定義される親油性塩がマグネシウム塩であり、c)に定義される親油性塩がカルシウム塩であり、リンス液が1:1~1:4のモル比、例えば、1:1.5~1:2.5のモル比、例えば、1:2のモル比でマグネシウムイオンとカルシウムイオンとを含む、[5]に記載の方法。
[7] 親油性マグネシウム塩b)と親油性カルシウム塩c)とのモル比が、99:1~1:1、例えば、20:1~1:1、例えば、20:1~3:1、例えば、10:1~4:1、例えば、17:3である、[5]または[6]に記載の方法。
[8] イオノフォアが、1,10-フェナントロリンまたはその置換形態であるフェナントロリン化合物である、[1]から[7]のいずれか一項に記載の方法。
[9] b)およびc)に定義される親油性塩が、酸性基を含み、例えば、式I
Figure 0007096420000031
(式中、
Aは酸性基であり、
18 、R 19 およびR 20 のうちの1つ、2つまたは3つすべては、C 4~18 アルキル基、C 4~18 アルケニル基、C 4~18 アルキニル基またはアミド含有C 4~18 基であるC 4~18 基であり、前記C 4~18 基は、フェニル基から数えて1、2および3位が直鎖であるか、または前記1、2および3位に合計で側鎖を1つのみ有し、
他のR 18 、R 19 およびR 20 は、独立に、水素または直鎖C 1~18 アルキル基である)
の構造を含む化合物の親油性塩である、[1]から[8]のいずれか一項に記載の方法。
[10] b)に定義される親油性塩が、ヘミマグネシウムビス[4-オクチルフェニル]ホスフェートであり、c)に定義される親油性塩が、ヘミカルシウムビス[4-オクチルフェニル]ホスフェートである、[1]から[9]のいずれか一項に記載の方法。
[11] 一次検体および別のイオンに対して選択性を有するイオン選択性膜を調製する方法であって、
a)スペーサーを介して酸性基に共有結合しているイオノフォアおよび一次検体の塩である親油性塩、ならびに
b)前記イオノフォアおよび前記他のイオンの塩である親油性塩
を添加するステップを含む、方法。
[12] 一次検体および1つまたは複数の他のイオンに対して選択性を有するイオン選択性膜であって、水溶液と接触しておらず、
a)イオノフォア、
b)前記一次検体を含有する親油性塩、および
c)前記他のイオンを含有する親油性塩
を含む、膜。
[13] 一次検体がマグネシウムイオン、カルシウムイオン、亜鉛イオンまたはリン酸イオンである、[12]に記載の膜。
[14] 一次検体および別のイオンに対して選択性を有するイオン選択性膜であって、
a)スペーサーを介して酸性基に共有結合しているイオノフォアおよび前記一次検体の塩である親油性塩、ならびに
b)前記イオノフォアおよび前記他のイオンの塩である親油性塩
を含み、
好ましくは水溶液と接触していない、
膜。
[15] 試料中のイオン濃度の測定における使用のためのイオン選択性膜を製造する方法であって、前記膜が、一次検体および別のイオンに対して選択性を有し、前記方法が、
i)試料の分析直前に前記膜が保持されるリンス液を選択するステップであり、前記リンス液が、前記一次検体および前記他のイオンを含有する、ステップと、
ii)イオノフォア(a)、前記一次検体を含有する親油性塩(b)、および前記他のイオンを含有する親油性塩(c)を含むイオン選択性膜の組成を選択するステップであり、前記b)に定義される親油性塩と前記c)に定義される親油性塩とのモル比が、前記膜が前記リンス液に曝露される場合、前記膜が前記(c)に定義される親油性塩を含有しない場合より、平衡時間が短くなるようなモル比であり、好ましくは、膜中の前記親油性塩(b)と(c)とのモル比が、平衡が不要であるように選択される、ステップと、
iii)[1]に記載の方法のステップii)において選択された組成を有する膜を製造するステップと
を含む、方法。
[16] 液体試料のマグネシウムイオン濃度を決定するための電極であって、[12]または[13]に記載の膜を含む、電極。
[17] 液体試料のマグネシウムイオン濃度を決定するための電位差測定センサーであって、[16]に記載の電極および参照電極を含む、電位差測定センサー。
[18] 液体試料のマグネシウムイオン濃度を決定する方法であって、前記試料と[16]に記載の電極または[17]に記載の電位差測定センサーとを接触させるステップと、前記電極またはセンサーから得られる信号に基づき前記マグネシウムイオン濃度を決定するステップとを含む、方法。
[19] 疾患または障害を診断する方法であって、[18]に記載の方法を対象の試料について行うステップを含む、方法。

Claims (15)

  1. 一次検体および別のイオンに対して選択性を有するイオン選択性膜を調製する方法であって、任意の順番で
    a)イオノフォア、
    b)前記一次検体を含有する親油性塩、および
    c)前記のイオンを含有する親油性塩
    ポリマー又はポリマーブレンドに添加するステップ、
    続いて、イオン選択性膜を形成するステップを含み、
    前記一次検体が、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、亜鉛イオンまたはリン酸イオンであり、前記別のイオンがCa 2+ 、Zn 2+ 、Na 、K 、Li 、H 、NH 、Cs 、Rb 、Cu 2+ 、Ni 2+ 、Fe 2+ 、Sr 2+ 、Ba 2+ 、Co 2+ 、Cd 2+ およびAl 3+ からなる群から選択される1以上のイオンを含む、方法。
  2. b)に定義される親油性塩とc)に定義される親油性塩とのモル比が、膜が前記一次検体および前記のイオンを含有するリンス液に曝露される場合、前記膜が前記c)に定義される親油性塩を含有しない場合より平衡時間が短くなるようなモル比である、請求項1に記載の方法。
  3. b)に定義される親油性塩とc)に定義される親油性塩とのモル比が、99:1~1:1である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 一次検体がマグネシウムイオンであり、b)に定義される親油性塩がマグネシウム塩であり、c)に定義される親油性塩がカルシウム塩である、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
  5. 親油性マグネシウム塩b)と親油性カルシウム塩c)とのモル比が、99:1~1:である、請求項に記載の方法。
  6. イオノフォアが、1,10-フェナントロリンまたはその置換形態であるフェナントロリン化合物である、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
  7. b)およびc)に定義される親油性塩が、
    Figure 0007096420000032
    (式中、
    Aは酸性基であり、
    18、R19およびR20のうちの1つ、2つまたは3つすべては、C4~18アルキル基、C4~18アルケニル基、C4~18アルキニル基またはアミド含有C4~18基であるC4~18基であり、前記C4~18基は、フェニル基から数えて1、2および3位が直鎖であるか、または前記1、2および3位に合計で側鎖を1つのみ有し、
    他のR18、R19およびR20は、独立に、水素または直鎖C1~18アルキル基である)
    で表される化合物の親油性塩である、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
  8. b)に定義される親油性塩が、ヘミマグネシウムビス[4-オクチルフェニル]ホスフェートであり、c)に定義される親油性塩が、ヘミカルシウムビス[4-オクチルフェニル]ホスフェートである、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
  9. 一次検体および別のイオンに対して選択性を有するイオン選択性膜を調製する方法であって、
    a)スペーサーを介して酸性基に共有結合しているイオノフォアおよび一次検体の塩である親油性塩、ならびに
    b)前記イオノフォアおよび前記のイオンの塩である親油性塩
    ポリマー又はポリマーブレンドに添加するステップを含み、
    前記一次検体が、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、亜鉛イオンまたはリン酸イオンであり、前記別のイオンがCa 2+ 、Zn 2+ 、Na 、K 、Li 、H 、NH 、Cs 、Rb 、Cu 2+ 、Ni 2+ 、Fe 2+ 、Sr 2+ 、Ba 2+ 、Co 2+ 、Cd 2+ およびAl 3+ からなる群から選択される1以上のイオンを含む、方法。
  10. 一次検体および1つまたは複数ののイオンに対して選択性を有するイオン選択性膜であって、水溶液と接触しておらず、
    a)イオノフォア、
    b)前記一次検体を含有する親油性塩、および
    c)前記のイオンを含有する親油性塩
    を含み、
    前記一次検体が、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、亜鉛イオンまたはリン酸イオンであり、前記別のイオンがCa 2+ 、Zn 2+ 、Na 、K 、Li 、H 、NH 、Cs 、Rb 、Cu 2+ 、Ni 2+ 、Fe 2+ 、Sr 2+ 、Ba 2+ 、Co 2+ 、Cd 2+ およびAl 3+ からなる群から選択される1以上のイオンを含む、膜。
  11. 一次検体および別のイオンに対して選択性を有するイオン選択性膜であって、
    a)スペーサーを介して酸性基に共有結合しているイオノフォアおよび前記一次検体の塩である親油性塩、ならびに
    b)前記イオノフォアおよび前記のイオンの塩である親油性塩
    を含み、
    前記一次検体が、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、亜鉛イオンまたはリン酸イオンであり、前記別のイオンがCa 2+ 、Zn 2+ 、Na 、K 、Li 、H 、NH 、Cs 、Rb 、Cu 2+ 、Ni 2+ 、Fe 2+ 、Sr 2+ 、Ba 2+ 、Co 2+ 、Cd 2+ およびAl 3+ からなる群から選択される1以上のイオンを含む、膜。
  12. 液体試料のマグネシウムイオン濃度を決定するための電極であって、請求項10に記載の膜を含む、電極。
  13. 液体試料のマグネシウムイオン濃度を決定するための電位差測定センサーであって、請求項12に記載の電極および参照電極を含む、電位差測定センサー。
  14. 液体試料のマグネシウムイオン濃度を決定する方法であって、前記試料と請求項12に記載の電極または請求項13に記載の電位差測定センサーとを接触させるステップと、前記電極またはセンサーから得られる信号に基づき前記マグネシウムイオン濃度を決定するステップとを含む、方法。
  15. 液体試料が対象の試料であり、マグネシウムイオン濃度が対象の疾患または障害の診断に用いられる、請求項14に記載の方法。
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