JPH0933520A - 電極用電解質測定試薬およびその測定方法 - Google Patents

電極用電解質測定試薬およびその測定方法

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JPH0933520A
JPH0933520A JP7188804A JP18880495A JPH0933520A JP H0933520 A JPH0933520 A JP H0933520A JP 7188804 A JP7188804 A JP 7188804A JP 18880495 A JP18880495 A JP 18880495A JP H0933520 A JPH0933520 A JP H0933520A
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JP
Japan
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measurement
electrolyte
measured
heparin
ion
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JP7188804A
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Noriko Yoshioka
範子 吉岡
Kenji Sugawara
研之 菅原
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】採血管内の抗凝固剤であるへパリンリチウムの
イオン交換による影響を低減し、電解質測定の正確性を
向上させる。 【構成】イオン電極用電解質測定試薬は、通常希釈液に
測定対象陽イオンとは無関係であり、生体内に測定下限
以下しか含有されない二価の陽イオンを、測定対象陰イ
オンに影響を与えない親水性陰イオンで構成される塩と
して添加した。また、採血管内に抗凝固剤としてへパリ
ン銅を添加した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はイオン電極を用いる希釈
電位差法による電解質測定用試薬および電解質測定方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のイオン電極を用いる希釈電位差法
による電解質測定に使用されている試料希釈用の希釈液
中には、測定対象陽イオンに影響を与えず、生体内に測
定下限以下しか含有されない二価の陽イオンは含まれて
いない。また、イオン電極を用いる希釈電位差法による
血液中の電解質測定の際に使用する採血管内に、抗凝固
剤として使用されるヘパリン塩は、リチウム,ナトリウ
ム,カルシウム塩が一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】臨床検査の場における
血液中の電解質測定は、近年、緊急検査の要求が高まっ
てきており、採血管内に抗凝固剤として測定対象イオン
とは無関係のヘパリンリチウムの入った採血管の使用に
よる電解質測定が増えている。その際、採血量が少ない
場合の電解質測定ではナトリウムイオン,カリウムイオ
ンの測定値が実際の血液中に含まれる量よりも低値とし
て測定され、正確な電解質測定が妨げられるという現象
が生じた。これは、採血管内で血液中のナトリウム,カ
リウムイオンと抗凝固剤のヘパリンの対イオンであるリ
チウムイオンとのあいだにイオン交換が起こり、リチウ
ムイオンが血液中に遊離し、血液中のナトリウム,カリ
ウムイオンがヘパリンと結合するためであることが発明
者らの実験により確認できた。
【0004】また、電解質測定の正確性を損ねる原因の
一つとして、電解質測定用の試薬中に繁殖する雑菌の影
響がわかっており、生化学自動分析装置の取扱説明書に
は、流路の洗浄などのメンテナンス方法が記載されてい
る。メンテナンスの簡便化のためにも、抗菌効果の高い
抗菌剤が望まれている。
【0005】本発明の目的は、電解質測定の正確性の向
上を図り、緊急検査での電解質測定で、抗凝固剤として
特にヘパリンリチウムの入った採血管での、リチウムイ
オンと血液中の測定対象陽イオンであるナトリウム,カ
リウムイオンとのイオン交換による正確性低下の抑制、
および、試薬の抗菌効果を向上させることによる正確性
低下の抑制を実現する。
【0006】
【課題を解決するための手段】採血管内の抗凝固剤であ
るヘパリンリチウムと測定対象イオンであるナトリウム
イオン,カリウムイオンとのイオン交換は、数1に示さ
れるへパリンの配位部位と金属イオンとの錯形成反応で
ある。
【0007】
【数1】 mM+nL=MmLn …(数1) M:金属イオン L:配位子 その生成定数は数2に示される錯形成反応の平衡定数で
ある。
【0008】
【数2】
【0009】へパリンは図1に示すように1繰返し単位
内に五つの金属イオンとの配位部位をもち、一価の陽イ
オン,二価の陽イオンとそれぞれ数3,数5のように反
応する。数2より、ヘパリンリチウムの一価の陽イオン
および二価の陽イオンとの生成定数はそれぞれ数4,数
6となり、生成定数は分母の金属イオン濃度の項の乗数
に大きく依存する。
【0010】
【数3】 5M+L=M5L …(数3)
【0011】
【数4】
【0012】
【数5】
【0013】
【数6】
【0014】よって、ヘパリンリチウムとのイオン交換
は、一価の陽イオンよりも二価の陽イオンとのあいだで
起こりやすい。従って、ヘパリンリチウムと測定対象イ
オンである一価のナトリウムイオン,カリウムイオンと
のイオン交換を抑制するために、試料希釈用の希釈液中
に測定対象陽イオンに影響を与えず、生体内に測定下限
以下しか含有されない二価の陽イオンを、測定対象陰イ
オンに影響を与えない親水性陰イオンで構成される塩と
して添加した。測定試料中にナトリウムイオンは140
mmol/l,カリウムイオンは5mmol/l前後含まれ、3
1倍に希釈されるから、4.7mmol/l,0.17mmol/
l前後が含まれている。よって、このナトリウム,カリ
ウムイオンの代わりにへパリンとイオン交換するのに必
要な二価陽イオン濃度は、ナトリウム,カリウムイオン
の二分の一の濃度の2.5mmol/l以上であり、希釈液
中に必要な添加する二価陽イオンの量は、2.5mmol/
l以上とした。
【0015】また、緊急検査に使用される採血管内に抗
凝固剤として、測定対象陽イオンとは無関係であり、生
体内に測定下限以下しか含有されない二価の陽イオンで
ある銅イオンのヘパリン塩として分注した。採血管一本
当りのヘパリン銅の分注量は、20〜2000単位とし
た。
【0016】
【作用】血液中の電解質測定で、緊急検査に使用される
採血管内の抗凝固剤のヘパリンリチウムとのあいだに起
きるイオン交換は、へパリンの配位部位と金属イオンと
の錯形成定数によって決まり、一価の陽イオンよりも二
価の陽イオンとのあいだで起こりやすい。従って、試料
希釈用の希釈液中に測定対象陽イオンとは無関係であ
り、生体内に測定下限以下しか含有されない二価の陽イ
オンを、測定対象陰イオンに影響を与えない親水性陰イ
オンで構成される塩として添加すると、測定対象陽イオ
ンである一価のナトリウム,カリウムイオンよりも、二
価の陽イオンとのあいだでイオン交換が優先的に起こ
り、試料中のナトリウム,カリウムイオンの減少を防ぐ
ことができるため、抗凝固剤としてヘパリンリチウムの
入った採血管を使用しても、試料中の電解質測定の正確
性を維持することができる。特に、試料希釈用の希釈液
中に水溶性銅化合物を添加した場合には、銅イオンの抗
菌効果により、試薬の雑菌の繁殖も抑制でき、試薬中の
雑菌による電解質測定の正確性の低下も防ぐことができ
る。
【0017】また、採血管内に抗凝固剤としてへパリン
銅を入れると、試料中の測定対象陽イオンである一価の
ナトリウム,カリウムイオンとのイオン交換は起こら
ず、試料中のナトリウム,カリウムイオンの減少は生じ
ないため、試料中の電解質測定の正確性を維持すること
ができる。さらに、二価の陽イオンであるカルシウムイ
オンの測定にも対応できる。
【0018】
【実施例】本発明の実施例であるイオン電極による電解
質測定用希釈液の組成とその測定結果を表1および図3
に示す。組成1は通常希釈液の組成である。抗凝固剤と
してへパリンリチウムを採血管内に1000単位含む場
合、通常希釈液では、ナトリウム,カリウムイオンのオ
ートノルム測定値が、へパリンリチウムを含まない場合
に比べ、それぞれ11.4,0.5mmol/l低値に測定さ
れた。通常希釈液に5mmol/l塩化カルシウムを加えた
組成2では、ナトリウム,カリウムイオンは、それぞれ
1.4,0.01mmol/l高値に測定された。同様に塩化
マグネシウムを加えた組成3では、ナトリウム,カリウ
ムイオンは、それぞれ0.5,0.03mmol/l低値に、
硫酸銅5水和物を加えた組成4では、ナトリウム,カリ
ウムイオンは、それぞれ1.3,0.05mmol/l低値に
測定された。組成2,3,4は、へパリンリチウムを含
まない場合のオートノルム測定値からのかい離が、ナト
リウムイオンで−1.3〜+1.4mmol/l 、カリウム
イオンで−0.05〜+0.01mmol/lであり、組成1
の11.4,0.5mmol/l に比べ、大幅に小さくなっ
ており、へパリンリチウムの影響度合いを大きく改善す
ることができた。これは、臨床上必要とされるナトリウ
ム,カリウムイオンの測定許容誤差範囲の±1.5mmol
/l,±0.1mmol/l以内にある。採血管内にへパリ
ン銅を入れた場合も、希釈液中に硫酸銅5水和物を加え
た場合と同様の反応が起こる。
【0019】また、このイオン交換による測定値のかい
離を裏付ける結果として、へパリンナトリウム,へパリ
ンカルシウムでの結果を表1,図2に示す。
【0020】
【表1】
【0021】へパリンナトリウムの場合、イオン交換に
よりナトリウムが遊離するため、ナトリウムイオンの測
定値が組成1で11.4mmol/l 高値に測定されるのに
対し、二価の陽イオンCa2+,Mg2+,Cu2+が含まれ
ている組成2,3,4では、それぞれ27.4,26.
8,24.4mmol/l と高値に測定された。へパリンカ
ルシウムの場合、組成1では、イオン交換によりナトリ
ウムがへパリンと結合するため、ナトリウム,カリウム
イオンが4.7,0.21mmol/l低値となるが組成2,
3,4では、ナトリウムイオンで−2.4〜1.0mmol/
l、カリウムイオンで−0.1〜−0.03mmol/lとか
い離が小さくなっており、二価陽イオンのへパリン塩を
抗凝固剤として使用する場合は、一価陽イオンのへパリ
ン塩であるへパリンリチウム,へパリンナトリウムを用
いる場合よりも、正確な電解質測定ができる。しかし、
カルシウムイオンを測定対象とする場合には、へパリン
ナトリウムを用いた場合のナトリウムイオン測定と同様
にカルシウムイオンが高値になる。
【0022】
【発明の効果】試料希釈用の希釈液中に測定対象陽イオ
ンとは無関係であり、生体内に測定下限以下しか含有さ
れない二価の陽イオンを、測定対象陰イオンに影響を与
えない親水性陰イオンで構成される塩として添加するこ
とにより、緊急検査で採用される抗凝固剤(へパリンリ
チウム)入りの採血管を使用しての少量の採血量での血
液中の電解質測定の正確性を向上させることができる。
特に、希釈液中への銅イオンの添加によっては、銅イオ
ンの抗菌効果で試薬中の雑菌の繁殖を抑制することもで
き、電解質測定の正確性を向上させることができる。ま
た、採血管内に抗凝固剤としてへパリン銅を入れること
によっては、カルシウムイオンとのイオン交換を抑制で
き、カルシウムイオンの測定にも対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】へパリンの構造の説明図。
【図2】実験結果を示す特性図。
【図3】電解質測定結果を示す特性図。
【符号の説明】
NA…ナトリウム、K…カリウム、CL…塩素。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イオン電極を用いる希釈電位差法による電
    解質測定に際し、試料希釈用の希釈液中に、測定対象陽
    イオンに影響を与えず、生体内に測定下限以下しか含有
    されない二価の陽イオンを、測定対象陰イオンに影響を
    与えない親水性陰イオンで構成される塩として含むこと
    を特徴とする電解質測定用試薬。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記生体内に測定下限
    以下しか含有されない前記二価の陽イオンが銅イオンで
    あり、前記測定対象陰イオンに影響を与えない親水性陰
    イオンで構成される塩は硫酸銅5水和物である電解質測
    定用試薬。
  3. 【請求項3】イオン電極を用いる希釈電位差法による血
    液中の電解質測定の際に使用する採血管内に、抗凝固剤
    として入れるヘパリンを、生体内に測定下限以下しか含
    有されない二価の陽イオンである銅イオンのヘパリン塩
    として含むことを特徴とする電解質測定方法。
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