JP7094870B2 - 制振建物 - Google Patents

制振建物 Download PDF

Info

Publication number
JP7094870B2
JP7094870B2 JP2018241437A JP2018241437A JP7094870B2 JP 7094870 B2 JP7094870 B2 JP 7094870B2 JP 2018241437 A JP2018241437 A JP 2018241437A JP 2018241437 A JP2018241437 A JP 2018241437A JP 7094870 B2 JP7094870 B2 JP 7094870B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
main frame
vibration
internal
structure portion
internal structure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018241437A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020101051A (ja
Inventor
達彦 前田
和宏 佐分利
信行 柳澤
好徳 芹澤
奈緒美 魚住
子龍 張
結 ▲高▼橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takenaka Corp
Original Assignee
Takenaka Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=71141191&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP7094870(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Takenaka Corp filed Critical Takenaka Corp
Priority to JP2018241437A priority Critical patent/JP7094870B2/ja
Publication of JP2020101051A publication Critical patent/JP2020101051A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7094870B2 publication Critical patent/JP7094870B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)
  • Vibration Prevention Devices (AREA)

Description

特許法第30条第2項適用 2018年2月26日に株式会社竹中工務店のウェブサイト(http://www.takenaka.co.jp/news/2018/02/03/index.html)にて発表 2018年2月28日発行の日刊建設工業新聞、日刊建設産業新聞、建設通信新聞に発表
本発明は、主架構の内部空間に、主架構とは振動特性が異なる内部構造部が減衰装置を介して主架構に接続された制振構造部が設けられている制振建物に関する。
特許文献1には、主架構の内部空間が、上下中間部の水平構造部により複数の分割内部空間に分割され、それら複数の分割内部空間の夫々に制振構造部が設けられた制振建物が開示されている。このような制振建物は、複数の分割内部空間の夫々で集約的な制振効果が得られ、100mを超えるような高層建物の振動制御を効果的に行うことができる。
特開平08-074442号公報
制振構造部の高さが大きいと、振動特性の相違による地震時等の主架構と内部構造部との変位差や速度差が大きくなり、減衰装置にて振動を効率良く減衰することができる。しかしながら、特許文献1の制振建物では、各分割内部空間において、内部構造部が、上半部の外周部だけが主架構の内周部に減衰装置を介して接続されているので、分割内部空間の全高を有効に活用して制振構造部が構成されておらず、この点に改善の余地がある。
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、分割内部空間の全高を有効に活用して制振構造部を構成することで、高層の主架構の振動制御を効率的に行うことができる制振建物を提供する点にある。
本発明の第1特徴構成は、主架構の上下方向に延びる内部空間に、前記主架構とは振動特性が異なる内部構造部が減衰装置を介して前記主架構に接続された制振構造部が設けられている制振建物であって、
前記内部空間が、前記主架構の上下中間部に備えられた水平構造部により前記主架構の複数階に亘る高さ範囲の複数の分割内部空間に分割され、それら複数の前記分割内部空間の夫々に前記制振構造部が設けられ、
前記内部構造部が、前記分割内部空間において、上下方向の一方側が前記主架構に固定され、且つ、上下方向の他方側が前記減衰装置を介して前記主架構の前記水平構造部に接続され、
前記内部構造部は、前記主架構よりも高い剛性に構成され、想定震度を超える地震動が作用した場合に、前記主架構を内部から支える心棒として機能し、前記内部構造部において前記減衰装置を介して前記主架構の前記水平構造部に接続された上下方向の他方側が、前記主架構の内部空間周りの区画壁に接触することで、前記主架構のそれ以上の撓み変形を抑制して前記主架構が倒壊することを阻止する点にある。
本構成によれば、内部構造部が、分割内部空間において、上下方向の一方側が主架構に固定され、且つ、上下方向の他方側が減衰装置を介して直接的又は間接的(他の内部構造部を更に介する等)に主架構の水平構造部に接続されているので、水平構造部にて分割された分割内部空間の全高を有効に活用して制振構造部を構成することができ、制振構造部に高い制振作用を発揮させて高層の主架構の振動制御を効率的に行うことができる。
本発明の第2特徴構成は、前記制振構造部として、前記内部構造部が、上方側が前記主架構に固定され、且つ、下方側が前記減衰装置にて前記主架構に接続された第1制振構造部が設けられている点にある。
本構成によれば、分割内部空間において、第1制振構造部における上方固定構造の内部構造部を上方側に設けて所望の制振性能を有する制振建物を構成することができ、分割内部空間の下方側の空間を商業用途等に建物側で利用したい等の建築的な要求にも対応することが可能となり、制振建物としての設計自由度を高めることができる。
しかも、第1制振構造部における上方固定構造の内部構造部の下方側は、主架構に対する固定端(上方側)から離れた位置にあるため、地震動等が作用した場合の主架構との振動特性の差に伴う変位差や速度差が大きくなる。よって、このように主架構との変位差や速度差の大きい部位と主架構とを減衰装置にて接続することで、主架構の振動を効率的に減衰させることができ、主架構の振動制御を容易に行うことができる。
また、建物躯体に作用する鉛直荷重は上層階側ほど小さくなることから、主架構は上層階側ほど剛性が低くなる傾向にある。そのため、一般的に主架構よりも剛性の高い内部構造部を分割内部空間の上方側に設ければ、主架構と内部構造部との振動特性の差に伴う変位差や速度差を一層大きく確保することができ、その一層大きな変位差や速度差を利用して減衰装置にて主架構の振動を効率的に減衰することができる。
本発明の第3特徴構成は、前記制振構造部として、前記内部構造部が、下方側が前記主架構に固定され、且つ、上方側が前記減衰装置にて前記主架構に接続された第2制振構造部が設けられている点にある。
本構成によれば、第2制振構造部における下方固定構造の内部構造部の上方側は、主架構に対する固定端(下方側)から離れた位置にあるため、地震動等が作用した場合の主架構との振動特性の差に伴う変位差や速度差が大きくなる。よって、このように主架構との変位差や速度差の大きい部位と主架構とを減衰装置にて接続することで、主架構の振動を効率的に減衰させることができ、主架構の振動制御を効率的に行うことができる。
本発明の第4特徴構成は、前記制振構造部として、上方側が前記主架構に固定された前記内部構造部としての上方側内部構造部と、下方側が前記主架構に固定された前記内部構造部としての下方側内部構造とが、前記減衰装置にて接続された第3制振構造部が設けられている点にある。
本構成によれば、第3制振構造部において、上方側内部構造部の下方側と下方側内部構造部の上方側との間は、地震動等が作用した場合の主架構との振動特性の差に伴う変位差や速度差が大きくなる。よって、このように主架構との変位差や速度差の大きい部位を減衰装置にて接続することで、主架構の振動を効率的に減衰させることができ、主架構の振動制御を効率的に行うことができる。
本発明の第5特徴構成は、前記制振構造部として、
前記内部構造部が、上方側が前記主架構固定され、且つ、下方側が前記減衰装置にて前記主架構に接続された第1制振構造部と、
前記内部構造部が、下方側が前記主架構に固定され、且つ、上方側が前記減衰装置にて前記主架構に接続された第2制振構造部と、
上方側が前記主架構に固定された前記内部構造部としての上方側内部構造部と、下方側が前記主架構に固定された前記内部構造部としての下方側内部構造部とが、前記減衰装置にて接続された第3制振構造部とのうちの2種以上が設けられている点にある。
本構成によれば、主架構の内部空間において、制振作用の異なる3種の制振構造(第1制振構造部、第2制振構造部、第3制振構造部)のうちの2種以上を混在させることができ、主架構の振動制御を緻密に行うことができる。
本発明の第6特徴構成は、前記水平構造部が、複数階分の梁及びスラブ又は大型の梁及びスラブからなる点にある。
第1実施形態の制振建物の平常時の状態を模式的に示す断面図 第1実施形態の制振建物に設計時に想定した地震動等が作用した状態を模式的に示す断面図 第2実施形態の制振建物の平常時の状態を模式的に示す断面図 第2実施形態の制振建物に設計時に想定した地震動等が作用した状態を模式的に示す断面図 別実施形態の制振建物の平常時の状態を模式的に示す断面図
本発明の制振建物の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、第1実施形態の制振建物Bの平常時の状態を示し、図2は、第1実施形態の制振建物Bに設計時に想定した地震動等が作用した状態を示している。同図1、2に示すように、この制振建物Bは、主架構1の上下方向に延びる内部空間Sに、主架構1とは振動特性が異なる内部構造部2が減衰装置3を介して主架構1に接続された制振構造部4が設けられている。
主架構1は、例えば、柱や梁やスラブ等の躯体が鉄筋コンクリートからなる鉄筋コンクリート造の高層の集合住宅として構成されている。なお、主架構1の用途は、住宅に限らず、商業等の各種の用途を採用することができる。また、主架構1の構造も、鉄筋コンクリート構造に限らず、鉄骨造や鉄骨鉄筋コンクリート造等の各種の構造を採用することができる。
この制振建物Bでは、主架構1の高さが比較的大きい高層であることに対応し、主架構1の上下中間部に、複数階分の梁及びスラブ等(又は大型の梁及びスラブ等)からなる水平構造部1Aが設けられ、この水平構造部1Aにより、主架構1の内部空間Sが上下方向で分割されて複数の分割内部空間S1~S3が構成されている。本実施形態では、水平構造部1Aが上下方向に間隔を隔てて2つ(複数の一例)設けられ、3つ(複数の一例)の分割内部空間S1~S3が構成されている。そして、夫々の分割内部空間S1~S3に制振構造部4が設けられている。
各分割内部空間S1~S3は、例えば、主架構1の複数階に亘る高さ範囲(上下長さ)で構成され、平面視で主架構1の中央側に配置されている。各分割内部空間S1~S3の高さ範囲は、主架構1の用途や構造に応じて変更可能である。
制振構造部4を構成する内部構造部2は、各分割内部空間S1~S3において、上下方向の一方側が主架構1に固定され、且つ、上下方向の他方側が減衰装置3を介して主架構1の水平構造部1Aに接続されている。そのため、各分割内部空間S1~S3の全高を有効に活用して制振構造部4を構成することができ、制振構造部4に高い制振作用を発揮させて高層の主架構1の振動制御を効率的に行うことができる。
内部構造部2は、例えば、外周壁の全てを無開口の壁体で構成する等により、主架構1よりも高い剛性を有し、主架構1とは振動特性が異なるように構成されている。本実施形態では、内部構造部2が、柱や梁等の躯体が鉄筋コンクリートからなる鉄筋コンクリート造にて構成されているが、主架構1と同様、鉄筋コンクリート構造に限らず、鉄骨造や鉄骨鉄筋コンクリート造等の各種の構造を採用することができる。
減衰装置3としては、主架構1の振動エネルギーに減衰力を付与可能な各種の構造を適宜に用いることができ、図示の例では、オイルダンパーや粘性ダンパー等のダンパー3aを有する構造を例示している。なお、ダンパー3aとしては、複数個を連結した構造の減衰力の大きなものを好適に用いることができる。
主架構1と内部構造部2とでは振動特性が異なるので、地震時等において主架構1と内部構造部2との間で振動特性の差に伴う変位差や速度差を生じさせることができ、その変位差や速度差を利用して主架構1の振動を減衰装置3にて減衰させることで、主架構1の振動制御を行うことができる。
この制振建物Bでは、制振構造部4として、構造及び制振作用が異なる第1制振構造部4Aと第2制振構造部4Bの2種(2種以上の一例)が設けられている。このように構造及び制振作用の異なる2種の制振構造を混在させることで、主架構1の振動制御を緻密に行うことができる。本実施形態では、例えば、第1制振構造部4Aが、最上方位置の分割内部空間S3と上下中間位置の分割内部空間S2に設けられ、第2制振構造部4Bが、最下方位置の分割内部空間S1に設けられている。
以下、第1制振構造部4A,第2制振構造部4Bについて説明を加える。
(第1制振構造部)
第1制振構造部4Aは、内部構造部2が、上方側2aが主架構1に固定され、且つ、下方側2bが減衰装置3にて主架構1に接続された上方固定構造となっている。内部構造部2は、各分割内部空間S2,S3において、その上端から下端近傍位置まで延びる高さに構成されている。
内部構造部2の上方側2aは、主架構1に固定可能な剛接合等の各種の接合構造にて主架構1に接合されている。例えば、内部構造部2の上方側2aは、固定度の高い接合構造として、主架構1の複数階層に亘って主架構1の建物躯体に剛接合等で接合することができる。
また、内部構造部2の下方側2bは、その底面と、当該底面に相対向する主架構1の水平構造部1A(躯体の一例)の上面とが、水平方向の変位に減衰力を付与するダンパー3aにて接続されている。なお、これに加えて、又は、これに代えて、内部構造部2の下方側2bの外周面(前後左右の各面)と、それら各面に相対向する主架構1の内部空間S周りの区画壁1aの各々とが、複数のダンパー3aにて接続されていてもよい。
このように構成された上方固定構造の内部構造部2は、地震動等が作用した場合には、主架構1に対して、上方側2aを固定端側として下方側2bを遊端側とする状態で、主架構1とは異なる振動特性にて主架構1の分割内部空間S2,S3内で振動することになる。
また、上方固定構造の内部構造部2の下方側2bは、主架構1に対する固定端(上端)から離れた位置にあるので、図2に示すように、地震動等が作用した場合の主架構1との振動特性の差に伴う変位差や速度差が大きくなる。
そのため、主架構1との変位差や速度差の大きい内部構造部2の下方側2bと、振動を減衰させる対象である主架構1とを減衰装置3にて接続することで、主架構1の振動を効率的に減衰させることができ、主架構1の振動制御を効率的に行うことができる。
この第1制振構造部4Aにおいて、内部構造部2の荷重は、主架構1の躯体に上方側から支持されている。ちなみに、内部構造部2とその直下の主架構1の水平構造部1Aとの間に、水平方向の相対移動を許容しながら鉛直方向の荷重を伝達可能な積層ゴム支承や滑り支承等の適宜の免震支承を介在させることで、内部構造部2の荷重の少なくとも一部を、主架構1に下方側から支持させることもできる。
(第2制振構造部)
第2制振構造部4Bは、内部構造部2が、下方側2bが主架構1に固定され、且つ、上方側2aが減衰装置3にて主架構1に接続された下方固定構造となっている。内部構造部2は、各分割内部空間S1において、その下端から上端近傍位置まで延びる高さに構成されている。このような下方固定構造の内部構造部2は、例えば、タワーパーキング等の立体駐車場の外周部及び上部囲う構造体として好適に構成することができる。
例えば、内部構造部2の下方側2bは、固定度の高い接合構造として、主架構1の基礎1B等に剛接合等の接合形態で接合されている。ちなみに、内部構造部2の下方側2bを基礎1B以外に接合する場合には、主架構1の複数階層に亘って建物躯体に接合するのが好ましい。
下方固定構造の内部構造部2の上方側2aは、その上面と、当該上面に相対向する主架構1の水平構造部1A(躯体の一例)の底面とが、水平方向の変位に減衰力を付与するダンパー3aにて接続されている。なお、これに加えて、内部構造部2の上方側2aの外周面(前後左右の各面)と、それら各面に相対向する主架構1の内部空間S周りの区画壁1aの各々とが、複数のダンパー3aにて接続されていてもよい。
このように構成された下方固定構造の内部構造部2は、地震時等においては、主架構1に対して、下方側2bを固定端側として上方側2aを遊端側とする状態で、主架構1とは異なる振動特性にて主架構1の分割内部空間S1で振動することになる。
また、下方固定構造の内部構造部2の上方側2aは、主架構1に対する固定端(下端)から離れた位置であるため、図2に示すように、地震動等が作用した場合に主架構1との振動特性の差に伴う変位差や速度差が大きくなる。そのため、主架構1との変位差や速度差の大きい内部構造部2の上方側2aと、振動を減衰させる対象である主架構1とを減衰装置3にて接続することで、主架構1の振動制御を効率的に行うことができる。
なお、第2制振構造部4Bの内部構造部2は、主架構1だけでなく、第1制振構造部4Aの内部構造部2とも振動特性が異なるように構成することができる。
図示は省略するが、制振建物Bに設計時の想定を超える極めて大きな地震動等が作用した場合には、減衰装置3にて振動を制御しきれないことも考えられる。この制振建物Bは、そのような場合でも、主架構1よりも剛性の高い内部構造部2が主架構1を内部から支える心棒として機能し、仮に減衰装置3や主架構1に破損が生じた場合でも主架構1が倒壊することは阻止することができる。
具体的には、想定震度を超える極めて大きな地震動等が作用した場合に、第1制振構造部4Aの上方固定構造の内部構造部2の下方側2bが、主架構1の内部空間S周りの区画壁1aに接触し、第2制振構造部4Bの下方固定構造の内部構造部2の上方側2aが、主架構1の内部空間S周りの区画壁1aと接触することで、主架構1のそれ以上の撓み(曲げ)変形を抑制して主架構1が倒壊することを阻止することができる。
〔第2実施形態〕
図3は、第2実施形態の制振建物Bの平常時の状態を示し、図4は、第1実施形態の制振建物Bに設計時に想定した地震動等が作用した状態を示している。同図3、4に示すように、この第2実施形態の制振建物Bは、水平構造部1Aが1つ設けられ、2つ(複数の一例)の分割内部空間S4,S5が構成されている。そして、夫々の分割内部空間S4,S5に、制振構造部4として、構造及び制振作用が第1制振構造部4A及び第2制振構造部4Bとは異なる第3制振構造部4Cが設けられている。なお、その他の構成は、第1実施形態で説明した構成と同一であるので、同一の構成箇所には同一の番号を付記し、その説明は省略する。
以下、第3制振構造部4Cについて説明を加える。
(第3制振構造部)
第3制振構造部4Cでは、各分割内部空間S4,S5において、上方側2aが主架構1に固定された内部構造部2としての上方側内部構造部2Aと、下方側2bが主架構1に固定された内部構造部2としての下方側内部構造部2Bとが、減衰装置3にて接続されている。
上方側内部構造部2Aは、第1実施形態で説明した第1制振構造部4Aにおける上方固定構造の内部構造部2と同様の構成であり、上方側2aが主架構1に固定され、且つ、下方側2bが減衰装置3にて下方側内部構造部2Bを介して主架構1に接続された上方固定構造となっている。上方側内部構造部2Aは、各分割内部空間S4,S5において、その上端から上下中央近傍位置まで延びる高さに構成されている。
また、下方側内部構造部2Bは、第1実施形態で説明した第2制振構造部4Bにおける下方固定構造の内部構造部2と同様の構成であり、下方側2bが主架構1に固定され、且つ、上方側2aが減衰装置3にて上方側内部構造部2Aを介して主架構1に接続された上方固定構造となっている。下方側内部構造部2Bは、各分割内部空間S4,S5において、その下端から上下中央近傍位置における上方側内部構造部2Aの下面の近傍位置まで延びる高さに構成されている。
そして、上方側内部構造部2Aの下方側2bの下面と、下方側内部構造部2Bの上方側2aの上面とが、水平方向の変位に減衰力を付与するダンパー3aにて接続されている。
なお、これに加えて、又は、これに代えて、上方側内部構造部2Aの下方側2bの外周面(前後左右の各面)と、それら各面に相対向する主架構1の区画壁1aの各々とが、複数のダンパー3aにて接続されていてもよく、また、下方側内部構造部2Bの上方側2aの外周面(前後左右の各面)と、それら各面に相対向する主架構1の区画壁1aの各々とが、複数のダンパー3aにて接続されていてもよい。
このように構成された第3制振構造部4Cは、上方側内部構造部2Aの下方側2bと下方側内部構造部2Bの上方側2aとの間で生じる大きな変位差や速度差を利用して減衰装置3にて主架構1の振動を減衰することができ、主架構1の振動制御を効率的に行うことができる。
〔別実施形態〕
本発明の他の実施形態について説明する。以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用することに限らず、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)前述の第1実施形態では、図1に示すように、第1制振構造部4Aが、最上方位置の分割内部空間S3と上下中間位置の分割内部空間S2に設けられ、第2制振構造部4Bが、最下方位置の分割内部空間S1に設けられている場合を例に示したが、図5に示すように、第1制振構造部4Aが、全ての分割内部空間S1~S3に設けられていてもよい。また、第2制振構造部4Bが、全ての分割内部空間S1~S3に設けられていてもよい。
(2)前述の第1実施形態では、図1に示すように、第1制振構造部4A、第2制振構造部4B、第3制振構造部4Cのうちの2種以上として、第1制振構造部4Aと第2制振構造部4Bの2種が設けられている場合を例に示したが、第1制振構造部4Aと第3制振構造部4Cの2種や、第2制振構造部4Bと第3制振構造部4Cの2種、第1~第3制振構造部4A~4Cの3種が設けられていてもよい。
(3)前述の実施形態では、内部構造部2を主架構1よりも高い剛性で構成する場合を例に示したが、主架構1を鉄筋コンクリート構造にて構成することに対して内部構造部2を鉄骨造にて構成する等により、内部構造部2を主架構1よりも低い剛性で構成してもよい。また、複数の内部構造部2を設けるにあたり、例えば、一方を主架構1よりも高い剛性で構成し、他方を主架構1よりも低い剛性で構成してもよい。
(4)前述の実施形態では、減衰装置3を構成するダンパー3aとして、オイルダンパーや粘性ダンパー等を例に示したが、鋼材製ダンパーや鉛ダンパー等の履歴系ダンパー、粘弾性ダンパー等の各種のダンパーであってもよい。例えば、内部構造部2と主架構1の水平構造部1Aとを接続するダンパー3aに履歴系ダンパーや粘弾性ダンパーを使用し、内部構造部2と主架構1の内周部の区画壁1aとを接続するダンパー3aにオイルダンパーや粘性ダンパーを使用するなど、種別の異なるダンパーを設置部位に応じて使い分けるようにしてもよい。
(5)前述の実施形態では、複数の内部構造部2が同一の構造形式(鉄筋コンクリート構造や鉄骨鉄筋コンクリート構造や鉄骨造)にて構成されている場合を例に示したが、複数の内部構造部2が異なる構造形式で構成されていてもよい。
1 主架構
1A 水平構造部
2 内部構造部
2A 上方側内部構造部
2B 下方側内部構造部
2a 内部構造部の上方側
2b 内部構造部の下方側
3 減衰装置
4 制振構造部
4A 第1制振構造部
4B 第2制振構造部
4C 第3制振構造部
B 制振建物
S 内部空間
S1~S5 分割内部空間

Claims (6)

  1. 主架構の上下方向に延びる内部空間に、前記主架構とは振動特性が異なる内部構造部が減衰装置を介して前記主架構に接続された制振構造部が設けられている制振建物であって、
    前記内部空間が、前記主架構の上下中間部に備えられた水平構造部により前記主架構の複数階に亘る高さ範囲の複数の分割内部空間に分割され、それら複数の前記分割内部空間の夫々に前記制振構造部が設けられ、
    前記内部構造部が、前記分割内部空間において、上下方向の一方側が前記主架構に固定され、且つ、上下方向の他方側が前記減衰装置を介して前記主架構の前記水平構造部に接続され、
    前記内部構造部は、前記主架構よりも高い剛性に構成され、想定震度を超える地震動が作用した場合に、前記主架構を内部から支える心棒として機能し、前記内部構造部において前記減衰装置を介して前記主架構の前記水平構造部に接続された上下方向の他方側が、前記主架構の内部空間周りの区画壁に接触することで、前記主架構のそれ以上の撓み変形を抑制して前記主架構が倒壊することを阻止する制振建物。
  2. 前記制振構造部として、前記内部構造部が、上方側が前記主架構に固定され、且つ、下方側が前記減衰装置にて前記主架構に接続された第1制振構造部が設けられている請求項1記載の制振建物。
  3. 前記制振構造部として、前記内部構造部が、下方側が前記主架構に固定され、且つ、上方側が前記減衰装置にて前記主架構に接続された第2制振構造部が設けられている請求項1又は2記載の制振建物。
  4. 記制振構造部として、上方側が前記主架構に固定された前記内部構造部としての上方側内部構造部と、下方側が前記主架構に固定された前記内部構造部としての下方側内部構造部とが、前記減衰装置にて接続された第3制振構造部が設けられている請求項1~3のいずれか1項に記載の制振建物。
  5. 前記制振構造部として、
    前記内部構造部が、上方側が前記主架構固定され、且つ、下方側が前記減衰装置にて前記主架構に接続された第1制振構造部と、
    前記内部構造部が、下方側が前記主架構に固定され、且つ、上方側が前記減衰装置にて前記主架構に接続された第2制振構造部と、
    上方側が前記主架構に固定された前記内部構造部としての上方側内部構造部と、下方側が前記主架構に固定された前記内部構造部としての下方側内部構造部とが、前記減衰装置にて接続された第3制振構造部とのうちの2種以上が設けられている請求項1~4のいずれか1項に記載の制振建物。
  6. 前記水平構造部が、複数階分の梁及びスラブ又は大型の梁及びスラブからなる請求項1~5のいずれか1項に記載の制振建物。
JP2018241437A 2018-12-25 2018-12-25 制振建物 Active JP7094870B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018241437A JP7094870B2 (ja) 2018-12-25 2018-12-25 制振建物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018241437A JP7094870B2 (ja) 2018-12-25 2018-12-25 制振建物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020101051A JP2020101051A (ja) 2020-07-02
JP7094870B2 true JP7094870B2 (ja) 2022-07-04

Family

ID=71141191

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018241437A Active JP7094870B2 (ja) 2018-12-25 2018-12-25 制振建物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7094870B2 (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003138783A (ja) 2001-11-01 2003-05-14 Sumitomo Fudosan Kk 制振構造物
JP2006299677A (ja) 2005-04-21 2006-11-02 Sumitomo Fudosan Kk 制振構造物

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0430287Y2 (ja) * 1987-07-30 1992-07-22
JP2520931Y2 (ja) * 1989-07-12 1996-12-18 オイレス工業株式会社 制震壁構造
KR20140034268A (ko) * 2014-02-24 2014-03-19 고려대학교 산학협력단 제진 댐퍼

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003138783A (ja) 2001-11-01 2003-05-14 Sumitomo Fudosan Kk 制振構造物
JP2006299677A (ja) 2005-04-21 2006-11-02 Sumitomo Fudosan Kk 制振構造物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020101051A (ja) 2020-07-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2009052251A (ja) 制振建物、建物の制振方法、鉄筋コンクリート造の建物、鉄筋コンクリート造の建物の長周期化方法
JP7094870B2 (ja) 制振建物
JP5574326B2 (ja) 構造体の連結制震構造
JP5720718B2 (ja) 制振建物
JP7037320B2 (ja) 制振建物
JP5320031B2 (ja) 制振建物
JP2014156707A (ja) 制振構造
JP4802516B2 (ja) 建物の制震構造
JP7024334B2 (ja) 構造物及び構造物の設計方法
JP5503200B2 (ja) ユニット建物
JPH10231639A (ja) 制振構造
JP5682035B2 (ja) 制振構造
JP5609000B2 (ja) 制振方法、制振構造、及び耐震補強方法
JP7059489B2 (ja) 建物
JPH0658017A (ja) 制振構造物
JP4572535B2 (ja) 建物の制震構造
JP7363000B2 (ja) 建物
JP2019123988A (ja) 建物の階間構造
JP7257747B2 (ja) 制震構造
JP7087258B2 (ja) 免震構造物
JP7022515B2 (ja) 制振建物
JP2023140796A (ja) 建物の制振構造
JPH0860895A (ja) 曲げ変形制御型制震架構
JP2009185531A (ja) 制震建物
JP6948864B2 (ja) 構造物

Legal Events

Date Code Title Description
A80 Written request to apply exceptions to lack of novelty of invention

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A80

Effective date: 20190122

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201217

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20211129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211203

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220201

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220401

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220509

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220601

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220622

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7094870

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150