JP7093928B2 - 多結晶金属材料の劣化診断方法、装置およびシステム - Google Patents
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Description
本発明において、劣化状態を特定しようとする金属材料(以下、単に材料という)は、様々な方位の単結晶の結晶粒が結合した多結晶で構成されている。このような金属材料には、例えば、多結晶ニッケル基合金が挙げられる。多結晶ニッケル基合金は結晶粒径100μm以下の粗大結晶粒で形成されている。
本発明では、単色X線を用いて、多結晶金属材料の粗大結晶粒による回折線がスポット状になるため、これを検出器で計測し、回折環に沿った強度プロファイルから、回折ピークの平均的な広がりを評価して、材料の劣化状態を特定している。単色X線が多数の結晶粒に照射された場合、回折環が生じるが、X線ビームの照射領域を絞った場合、粗大結晶粒による回折の影響が大きくなり、一様な回折環ではなく不連続なスポット状の回折ピークを含む回折環が観測される。
図2は、材料の劣化診断システム100の構成を示すブロック図である。劣化診断システム100は、測定装置110および処理装置150(劣化診断装置)を備えている。
測定装置110は、X線発生部120、試料台130および検出器140を備えている。X線発生部120は、X線を発生させる。発生されたX線は試料に照射される。発生段階のX線を単色X線としてもよいし、検出器140に入射するまでの経路で単色X線にフィルタリングしてもよいが、検出段階で単色X線による回折環のデータが検出される構成にする。
処理装置150は、PC等のCPUおよびメモリを備える装置で構成でき、測定装置110の制御および検出データの処理を行う。処理装置150は、位置調整部160、係数算出部170、劣化状態特定部180、記憶部185および出力部190を備えている。処理装置150は、位置調整部160からのX線発生部120、試料台130、検出器140の位置情報の入力および検出器140の測定結果の入力に対し、データを処理し、回折環における周方向の回折ピークの平均的広がりを特定する。
上記のように構成された劣化診断システム100を用いて材料の劣化を診断する方法を説明する。図3は、材料の劣化診断方法を示すフローチャートである。図3に示すように、まず試料を試料台にセットする(ステップS1)。
回折ピークの平均的広がりを求めるための具体的な処理手順を説明する。図4(a)~(c)は、それぞれ回折環を示す画像、その回折環の周方向の強度プロファイルおよびその自己相関関数を示すグラフである。図4(a)に示すように、多結晶金属材料に単色X線を照射すると、回折環としてX線強度が検出される。例えば、検出される回折環のうち200反射を選択した場合、2θ方向にスポット状の回折線が広がるため、一定の範囲を設定し、その範囲についてX線強度を積算する。
多結晶の材料に対して単色X線を用いて、低角側(例えば2θが90°以下)の回折環を測定するように検出器をセットすることが好ましい。これにより、結晶の方位に関係することなく、X線発生部、試料台および検出器のいずれも回転することなく静止したままの位置で、回折環状の高強度なプロファイルを得ることができる。また、十分な強度が得られ、かつ各回折環によるばらつきを低減できる。
(200反射のクリープ変形の推移)
それぞれのクリープ寿命消費率の多結晶ニッケル基合金について回折環を測定し、回折環の強度プロファイルおよびその自己相関関数を算出した。ニッケル基合金の多結晶の材料として、高温加圧のクリープ変形により劣化しやすい溶接部周辺の母材を用いた。X線源にはCuKα線を用いた。
25%クリープ変形のニッケル基合金の試料を用いて、331反射の回折環を測定した。図11(a)~(c)は、それぞれクリープ変形25%の331反射および420反射の回折環を示す画像、回折環の周方向の強度プロファイルおよびその自己相関関数を示すグラフである。331反射は、2θ=138.29°の回折環として、420反射は、2θ=146.97°の回折環として表れる。
図12は、111反射と200反射のクリープ寿命消費率とピーク平均幅の関係を示すグラフである。横軸は評価した材料のクリープ寿命消費率を表し、縦軸は回折環上の強度プロファイルから求めた自己相関関数によって得られるピークの平均積分強度を表す。寿命消費率は各材料に対してクリープ試験により破断した際の破断寿命(破断クリープ試験時間)でクリープ試験時間を割った値を表し、回折ピークの平均的広がりとして自己相関関数の第1ピークの半価幅からピーク平均幅を求めた。
110 測定装置
120 X線発生部
130 試料台
135 調整機構
140 検出器
150 処理装置
160 位置調整部
170 係数算出部
180 劣化状態特定部
185 記憶部
190 出力部
DB1 ダイレクトビーム
R1 入射X線
R2 回折X線
S0 試料
1b 配管試料
w1 溶接部
Claims (9)
- 単色X線を用いた多結晶金属材料の劣化診断方法であって、
前記金属材料にX線を照射するステップと、
前記照射により生じた回折環を検出器により検出するステップと、
前記検出された回折環の周方向に生じた回折ピークの平均的広がりを特定するステップと、
前記特定された回折ピークの平均的広がりから前記金属材料の劣化状態を特定するステップと、を含み、
前記金属材料は、多結晶ニッケル基合金であり、
前記金属材料の劣化状態は、前記検出された回折環の強度プロファイルの自己相関関数を算出し、前記算出された自己相関関数から前記回折ピークの平均的広がりを特定することで特定されることを特徴とする多結晶金属材料の劣化診断方法。 - 前記回折ピークの平均的広がりは、自己相関関数における特定のピークの半価幅で表されることを特徴とする請求項1記載の多結晶金属材料の劣化診断方法。
- 前記金属材料の劣化状態は、前記回折ピークの平均的広がりから算出されるクリープ寿命消費率であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の多結晶金属材料の劣化診断方法。
- 前記照射により生じたスポット状の回折ピークのうち、2θが90°以下であるスポット状の回折ピークにおいて前記回折ピークの平均的広がりを特定することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の多結晶金属材料の劣化診断方法。
- 前記金属材料は、Ni-23Cr-7W-25Feの金属組成を有する材料で形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の多結晶金属材料の劣化診断方法。
- 前記金属材料内の複数位置にX線を照射するとともに、前記検出された回折環のうち、少なくとも2以上の格子面による回折環に基づいて前記金属材料の劣化状態を特定することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の多結晶金属材料の劣化診断方法。
- 前記照射されるX線のビーム径と前記金属材料を構成する結晶粒の平均粒径との比は、0.05以上0.2以下であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の多結晶金属材料の劣化診断方法。
- 単色X線を用いた多結晶金属材料の劣化診断装置であって、
標準試料をもとに準備された、X線の照射により生じた回折環における回折ピークの周方向の平均的広がりを示す係数とクリープ寿命消費率との関数を格納する記憶部と、
金属材料にX線を照射することで生じた回折環の検出データに基づいて、前記検出された回折環における周方向の回折ピークの平均的広がりを特定する係数算出部と、
前記特定された回折ピークの平均的広がりから前記金属材料の劣化状態を特定する劣化状態特定部と、を備え、
前記金属材料は、多結晶ニッケル基合金であり、
前記金属材料の劣化状態は、前記検出された回折環の強度プロファイルの自己相関関数を算出し、前記算出された自己相関関数から前記回折ピークの平均的広がりを特定することで特定されることを特徴とする多結晶金属材料の劣化診断装置。 - 単色X線を用いた多結晶金属材料の劣化診断システムであって、
X線を発生させるX線発生部と、
前記発生したX線が照射される材料を搭載する試料台と、
前記材料により生じる回折環を検出する検出器と、
前記X線発生部に対する前記検出器の配置を調整する位置調整部と、
標準試料をもとに準備された、X線の照射により生じた回折環における回折ピークの周方向の平均的広がりを示す係数とクリープ寿命消費率との関数を格納する記憶部と、
金属材料にX線を照射することで生じた回折環の検出データに基づいて、前記検出された回折環における周方向の回折ピークの平均的広がりを特定する係数算出部と、
前記特定された回折ピークの平均的広がりから前記金属材料の劣化状態を特定する劣化状態特定部と、を備え、
前記金属材料は、多結晶ニッケル基合金であり、
前記金属材料の劣化状態は、前記検出された回折環の強度プロファイルの自己相関関数を算出し、前記算出された自己相関関数から前記回折ピークの平均的広がりを特定することで特定されることを特徴とする多結晶金属材料の劣化診断システム。
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