JP7092118B2 - ナノ物質含有組成物 - Google Patents

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Description

本願発明は、ナノ物質含有組成物及び成形体に関する。
熱可塑性樹脂は、加熱によって軟化して可塑性を示し、冷却によって固化する性質を有するため、加熱することにより容易に成形することができる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルなどのビニル系ポリマーや、ポリエステル、ポリアミドなどの縮合系ポリマーなどを例示することができる。
熱可塑性樹脂は、その特性から、電気機器、機械部品、自動車部品等の様々な分野で用いられている。しかしながら、耐熱性や耐薬品性が熱硬化性樹脂と比較して劣るために、その課題の解決が求められている。
特許文献1では、熱可塑性樹脂または硬化性樹脂に微細セルロース繊維複合体を配合することで耐熱性、機械的強度、および透明性に優れ、樹脂によっては更に寸法安定性に優れる樹脂組成物を提供し得る樹脂組成物を開示しているが、更なる技術の開示が求められている。
一方、熱硬化性樹脂は、電気絶縁性、耐熱性、耐燃性、耐薬品性、機械的強度、耐久性、耐水性、耐寒性などの特徴を有し、発電関連製品、航空関連部品やスポーツ用品、家庭用品等の幅広い分野で利用されている。このような特徴を有する一方で、脆く、耐衝撃性や破壊強度に難点がある。
熱硬化性樹脂は、このような特徴を有する一方で、脆く、耐衝撃性や破壊強度に難点があり、その課題の解決が求められている。
特許文献2では、1分子中に2個以上のマレイミド基を有するマレイミド化合物、1分子中に2個以上有するフェノール化合物、コア-シェル構造を備えたゴム粒子を含有することにより、優れた耐熱性とともに高い靱性をも備えた熱硬化性樹脂組成物が開示されているが、更なる技術の開示が求められている。
また、ゴムは、耐油性、耐熱性、低摩擦性、耐薬品性、機械的強度、耐久性、耐水性、耐寒性等の特性を活かし、シール材、パッキン材、ホース材料、OA用ロール材料、タイヤ材料等様々な材料で用いられており、半導体、自動車、航空機、ロケット、船舶、電子機器、化学プラント分野、家庭用品等の幅広い分野で利用されている。
ゴムは、その種類によって、その耐熱性が異なるが、いずれのゴムであっても、その許容温度を越えると、機械的性質の大きな低下、軟化、変形、周囲への粘着等の特性の悪化することに変わりがない。従って、どの種類のゴムであっても、耐熱性の向上が求められている。
ゴムの耐熱性を向上させる際には、老化防止剤を用いていることが一般的に知られており、過去にも特許文献3~6等で検討されている。
特開2016-155971公報 特開2013-256586公報 特許第5682575号 特開平9-53070号公報 特開平10-298551号公報 特開平11-21411号公報
そこで、本願発明の目的は、熱可塑性樹脂やゴムを含む場合には耐熱性に優れ、熱硬化性樹脂を含む場合には高い靱性を備えるナノ物質含有組成物、及びこれらを用いた成形体を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため、種々検討を重ねたところ、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、及びゴムからなる群より選択される少なくとも1種である成分(a)と、反応性官能基を有する化合物(b)と、ナノ物質(c)とを含有するナノ物質含有組成物は、当該課題を解決できることを見出した。
即ち、本発明については、以下のように記載することができる。
項1. 熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、及びゴムからなる群より選択される少なくとも1種である成分(a)と、
反応性官能基を有する化合物(b)と、
ナノ物質(c)と、
を含有するナノ物質含有組成物
項2.化合物(b)が、ビニル基、アリル基、エポキシ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、(メタ)アクリロイル基、イソシアネート基、メルカプト基、及びシラノール基からなる群より選択される反応性官能基を少なくとも1つ以上有する化合物である、項1に記載のナノ物質含有組成物。
項3. 反応性官能基を有する化合物(b)が、常圧での沸点が100℃以上の化合物である、項1又は2に記載のナノ物質含有組成物。
項4. (c)ナノ物質が、炭素系ナノフィラー、有機系ナノフィラー、及び無機系ナノフィラーからなる群より選択される少なくとも1種のナノフィラーである、項1~3いずれかに記載のナノ物質含有組成物。
項5. 前記熱硬化性樹脂が、アリル系樹脂である、項1~4いずれかに記載のナノ物質含有組成物。
項6. 項1~5いずれかに記載のナノ物質含有組成物の硬化物。
項7. 項1~5のいずれかに記載のナノ物質含有組成物から作製される成形体。
本発明によれば、熱可塑性樹脂やゴムを含む場合には耐熱性に優れ、熱硬化性樹脂を含む場合には高い靱性を備えるナノ物質含有組成物、及びこれらを用いた成形体を提供することができる。本発明のナノ物質含有組成物、及びこれを用いた成形体は、電気機器、機械部品、自動車部品等の様々な分野で有用に用いられる。
本発明のナノ物質含有組成物は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、及びゴムからなる群より選択される少なくとも1種である成分(a)と、反応性官能基を有する化合物(b)と、ナノ物質(c)とを含有することを特徴としている。以下、本発明のナノ物質含有組成物について詳述する。
1.成分(a)
成分(a)は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、及びゴムからなる群より選択される少なくとも1種である。
(1)熱可塑性樹脂
熱可塑性樹脂は、特に制限されず、ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂(ポリスチレン樹脂、ABS(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン)樹脂、AS(アクリロニトリル-スチレン)等)、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂(PVC)ポリメタクリレート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系樹脂、ポリサルホン系樹脂(PSF)、ポリアセタール系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂(PEEK)、ポリエーテルイミド系樹脂(PEI)、ポリエーテルスルホン系樹脂(PES)、ポリフェニレンサルファイド系樹脂(PPS)、ポリアセタール樹脂(POM)、ポリアミドイミド系樹脂(PAI)、ポリイミド系樹脂(PI)を例示することができ、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
(2)熱硬化性樹脂
熱硬化性樹脂は、特に制限されず、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和イミド樹脂、シアネート樹脂、イソシアネート樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、オキセタン樹脂、アミノ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、アリルジグリコールカーボネート樹脂等のアリル系樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、シリコーン樹脂、トリアジン樹脂、メラミン樹脂等が挙げられ、ジアリルフタレート樹脂、アリルジグリコールカーボネート樹脂等のアリル系樹脂、エポキシ樹脂であることがより好ましく、ジアリルオルソフタレート、ジアリルイソフタレートから誘導されたジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂であることが特に好ましい。これらの樹脂は1種又は2種以上を混合して使用することができる。尚、複数の樹脂を混合することにより、一方の樹脂を硬化剤として用いることも含まれる。
(3)ゴム
ゴムは、特に制限されず、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、水素化NBR(H-NBR)、アクリルゴム(ACM)、エチレンアクリル酸エステルゴム(AEM)、フッ素ゴム(FKM)、クロロプレンゴム(CR)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、塩素化ポリエチレン(CPE)、エチレンプロピレンゴム(EPM、EPDM)、ポリエーテルゴム等が挙げられる。これらのゴムは1種又は2種以上を混合して使用することができる。
アクリロニトリルブタジエンゴム(以下、NBRと略する)とはアクリロニトリルとブタジエンに基づく重合単位を含むものであれば特に限定されない。アクリロニトリルとブタジエンの共重合組成は特に限定されないが、一般的に結合アクリロニトリル量で30%以上50%以下のものが使われる。また、NBRと塩化ビニル樹脂(以下、PVCと略する)とのブレンド物やNBRとエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)とのブレンド物なども使用できる。また、アクリレート変性NBRや部分架橋NBR、末端変性NBRなども使用できる。また、形態は一般的なNBRの形態であれば特に限定されず、粉末状NBRや液状NBRも使用できる。
水素化NBR(以下、H-NBRと略する。)は上記NBRのブタジエンユニットを水素化した構造であれば特に限定されない。組成は特に限定されないが、一般的にNBRから製造されるため、NBRに準ずる。また、ブタジエンユニットのうちすべてを水素化したものや、一部不飽和結合を残したものも使用できる。また、他のポリマーとのブレンドや変性等もNBRと同様に使用できる。
アクリルゴム(以下、ACMと略する)はアクリル酸エステルを主成分の重合単位として、重合することにより得られる合成ゴムであれば特に限定されない。また、アクリル酸エステルの側鎖アルキル基またはアルコキシアルキル基は特に限定される物ではないが、一般的には耐油性と耐寒性のバランスにより決定され、アクリル酸エステルとしてはアルキル基の炭素数が1~4であるアクリル酸アルキルエステル、アルコキシ基の炭素数が1~4であるアクリル酸アルコキシアルキルエステル好ましく、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸メトキシメチル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸エトキシエチル、アクリル酸ブトキシエチルなどが挙げられる。また、架橋サイトに種々官能基を側鎖に導入した物も一般的に用いられ、一般的な架橋サイトに用いるモノマーの例として2-クロロエチルビニルエーテル等の塩素基系、ビニルクロロアセテート等の活性塩素基系、アリルグリシジルエーテルや、アクリル酸グリシジル等のエポキシ基系等が挙げられる。ACM中、アクリル酸エステルモノマー単位を100質量%とした場合に、架橋サイトに用いるモノマー単位の割合は、0.1~10質量%であってもよい。
エチレンアクリル酸エステルゴム(以下、AEMと略する)はエチレンとアクリル酸エステルの共重合体であり、さらに架橋サイトに種々官能基を導入したものも一般的に用いられる。一般的な架橋サイトを例示すると側鎖にカルボキシル基が導入されるようなものが用いられる。エチレンとアクリル酸エステルの組成比は特に限定されないが、耐油性と耐寒性や加工性で決定される。AEM中、アクリル酸エステルモノマー単位とエチレンモノマー単位の合計を100質量%とした場合に、架橋サイトに用いるモノマー単位の割合は、0.1~10質量%であってもよい。
フッ素ゴム(以下、FKMと略する)は主鎖や側鎖にフッ素原子を含む合成ゴムである。FKMの組成は一般的に公知の物を用いることができる。例示すれば、ビニリデンフルオライド-ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ビニリデンフルオライド-ヘキサフルオロプロピレン-テトラフルオロエチレン三元共重合体、テトラフルオロエチレン-プロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン-プロピレン-ビニリデンフルオライド三元共重合体、テトラフルオロエチレン-パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体等が挙げられる。また、これらに架橋サイトを導入した物も用いることができる。また、過酸化物架橋の架橋特性を向上するため臭素やヨウ素を導入した物も用いることが出来る。これらの組成比は特に限定されるものではなく、公知の物を用いることが出来る。
クロロプレンゴム(以下、CRと略する)はクロロプレンモノマーの重合体である。クロロプレンモノマーの合成法はアセチレン法、ブタジエン法に分けられるが、どちらの合成法を用いたクロロプレンモノマーを重合させたCRであってもよい。また、通常、クロロプレンモノマーを重合するとトランス-1,4-ポリクロロプレンユニット、シス-1,4-ポリクロロプレンユニット、1,2-ポリクロロプレンユニット、3,4-ポリクロロプレンユニットの構造がとられるが、これらの組成比は特に限定されない。また、クロロプレンゴムは硫黄変性やメルカプト変性等の公知の変性品も使用することもできる。CRはクロロプレンモノマーとクロロプレンと共重合可能な単量体との共重合体であってもよく、共重合可能な単量体としては、例えば、2,3-ジクロロ-1,3-ブタジエン、1-クロロ-1,3-ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、スチレン、アクリロニトリル、アクリル酸又はそのエステル類、メタクリル酸又はそのエステル類等が挙げられる。
クロロスルホン化ポリエチレン(以下、CSMと略する)は塩素と亜硫酸ガスを用いてポリエチレンを塩素化並びにクロロスルホン化して得られる合成ゴムである。分子量や塩素含量、クロロスルホン基含量は特に限定されるものではなく、公知の物を用いることが出来る。
塩素化ポリエチレン(以下、CPEと略する)は塩素ガスを用いてポリエチレンを塩素化して得られる合成ゴムである。分子量や塩素含量は特に限定されるものではなく、公知の物を用いることが出来る。
エチレンプロピレンゴム(EPM、EPDM)はエチレンとプロピレンの共重合体(以下、EPMと略する)であり、第三成分としてジエン成分を導入した共重合体(以下、EPDMと略する)からなる合成ゴムである。第三成分のジエン成分は公知の物を利用できるが、例示するとジシクロペンタジエン、5-エチリデン-2-ノルボルネン、1,4-ヘキサジエンなどが挙げられる。組成は公知の物が使用でき、その分子量や形態も特に限定されず、公知の物を使用できる。
ポリエーテルゴムはオキシラン単量体に基づく重合単位を有する未架橋(加硫)重合体であれば特に限定されない。
オキシラン単量体としては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,2-ブチレンオキサイド等のブチレンオキサイド等のアルキル基を有するオキシラン単量体、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、ヘキシルグリシジルエーテル、2-エチルヘキシルグリシジルエーテル、メトキシエトキシエチルグリシジルエーテル等のアルキルオキシ基を有するオキシラン単量体、1,2-エポキシシクロペンタン、1,2-エポキシシクロヘキサン、1,2-エポキシシクロドデカン等のシクロアルキル基を有するオキシラン単量体、スチレンオキシド、フェニルグリシジルエーテル等の芳香族基を有するオキシラン単量体、2,3-エポキシブタン酸プロピル等のエステル基を有するオキシラン単量体、4,5-エポキシ-1-ペンタノール、3,4-エポキシ-1-ブタノール等のヒドロキシ基を有するオキシラン単量体等を例示することができる。
また、ポリエーテルゴムは架橋性官能基を有するオキシラン単量体に基づく重合単位を有していてもよい。エピクロルピドリン、エピブロムヒドリン、エピヨードヒドリン、エピフルオロヒドリン等のエピハロヒドリン単量体、p-クロロスチレンオキシド、ジブロモフェニルグリシジルエーテル、m-クロロメチルスチレンオキシド、p-クロロメチルスチレンオキシド、クロロ酢酸グリシジル、グリシド酸クロロメチル、テトラフルオロオキシラン、1,1,2,3,3,3-ヘキサフルオロ-1,2-エポキシプロパン等のエピハロヒドリン単量体以外のハロゲン置換オキシラン単量体、アリルグリシジルエーテル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、クロトン酸グリシジル、3,4-エポキシ-1-ブテン等のエチレン性不飽和基含有オキシラン単量体を例示することができる。
ポリエーテルゴムは、単独のオキシラン単量体に基づく重合単位のみからなる1元重合体であってもよいし、2種以上のオキシラン単量体に基づく重合単位を有する重合体であってもよい。
ポリエーテルゴムは、エピクロロヒドリン単量体に基づく重合単位を有するエピクロロヒドリンゴム(ECO)であってよく、エピクロロヒドリン以外の他の単量体としては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、及びアリルグリシジルエーテルからなる群より選択される少なくとも1種の単量体が好ましい。ゴムは、エピクロロヒドリンに基づく重合単位と、エチレンオキサイドに基づく重合単位と、を有する重合体であることが好ましく、エピクロロヒドリンに基づく重合単位と、エチレンオキサイドに基づく重合単位と、アリルグリシジルエーテルに基づく重合単位と、を有する重合体であることがより好ましい。
ECOとしては、例えば、エピクロロヒドリン単独重合体、エピクロロヒドリンエチレンオキサイド共重合体、エピクロロヒドリンアリルグリシジルエーテル共重合体、エピクロロヒドリンエチレンオキサイド-アリルグリシジルエーテル共重合体、エピクロロヒドリンプロピレンオキサイド共重合体、エピクロロヒドリンプロピレンオキサイド-アリルグリシジルエーテル共重合体、及び、エピクロロヒドリンエチレンオキサイド-プロピレンオキサイド-アリルグリシジルエーテル四元共重合体からなる群より選択される少なくとも1種の重合体が好ましい。より好ましくは、エピクロロヒドリンエチレンオキサイド共重合体、及びエピクロロヒドリンエチレンオキサイド-アリルグリシジルエーテル共重合体より選択される少なくとも1種の重合体である。これらを単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
2.反応性官能基を有する化合物(b)
反応性官能基を有する化合物(b)としては、ビニル基、アリル基、エポキシ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、(メタ)アクリロイル基、イソシアネート基、メルカプト基、シラノール基を少なくとも1つ以上有する化合物を例示することができ、ビニル基、アリル基を有する化合物であることが好ましく、アリル基を有する化合物であることが好ましい。
反応性官能基を有する化合物(b)としては、成分(a)、反応性官能基を有する化合物(b)、ナノ物質(c)とを混練(混合)する温度において揮発しないことが望ましく、常圧において100℃以上の沸点をもつことが好ましい。
ビニル基を有する化合物としては、ビニル基と脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、脂環式炭化水素基等の有機基を有する化合物を例示することができ、スチレン、塩化ビニル、酢酸ビニル等を例示することができる。
アリル基を有する化合物としては、アリルエステル、アリルエーテル、アリルアミン、アリルシアヌレート、アリルイソシアヌレート、アリルチオエーテル、アリルオニウムであることが好ましく、同一分子内に2つ以上のアリル基を持つ化合物である、多官能アリルエステル、多官能アリルエーテル、多官能アリルアミン、多官能シアヌレート、多官能イソシアヌレート、多官能アリルチオエーテルであることがより好ましく、多官能アリルエステルや多官能アリルエーテルであることが特に好ましい。
アリルエステルとしては、単官能アリルエステルと多官能アリルエステルを例示することができる。
単官能アリルエステルとしては、脂肪族単官能アリルエステル、脂環式単官能アリルエステル、及び芳香族単官能アリルエステルから選択される単官能アリルエステルが用いられる。ここで、本明細書において、単官能アリルエステルとは、1個のアリルエステル基(‐COOCH2‐CH=CH2基)を有する化合物を意味し、脂肪族単官能アリルエステルとは、脂肪族炭化水素基と、1個のアリルエステル基を有する化合物を意味し、脂環式単官能アリルエステルとは、脂環式炭化水素基と、1個のアリルエステル基を有する化合物を意味し、芳香族単官能アリルエステルとは芳香族炭化水素基と、1個以上のアリルエステル基を有する化合物を意味する。
単官能アリルエステルにおける脂肪族炭化水素基としては、炭素数1~18のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基が挙げられ、炭素数1~12のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基が好ましく、炭素数1~6のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基がより好ましい。
単官能アリルエステルにおける脂環式炭化水素基の炭素数は3~18であることが好ましく、4~12であることがより好ましく、4~10であることが特に好ましい。中でも、脂環式炭化水素基を構成する全ての炭素原子が環構造を形成していることが好ましい。すなわち、脂環式炭化水素基は、3~18員環であることが好ましく、4~12員環であることがより好ましく、4~10員環であることが特に好ましい。
脂環式炭化水素基は、飽和の脂環式炭化水素基であってもよく、一部において不飽和結合を有していてもよい。中でも、飽和の脂環式炭化水素基が好ましい。尚、本発明において、脂環式とは芳香性を有しない環状構造を有することを意味し、脂環式炭化水素基とは芳香性を有しない環状構造を有する炭化水素基を意味する。
脂環式炭化水素基は、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アリル基、ビニル基、ヒドロキシ基等の置換基を有してもよい。
単官能アリルエステルにおける芳香族炭化水素基の炭素数は6~18であることが好ましく、6~12であることがより好ましく、6~8であることが特に好ましい。
芳香族炭化水素基は、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アリル基、ビニル基、ヒドロキシ基等の置換基を有してもよい。
芳香族炭化水素基としては、多環芳香族炭化水素基であってもよい。
多官能アリルエステルとしては、脂肪族多官能アリルエステル、脂環式多官能アリルエステル、及び芳香族多官能アリルエステルから選択される多官能アリルエステルが用いられ、一般式(1)で示される多官能アリルエステルであることが好ましい。脂肪族多官能アリルエステル、脂環式多官能アリルエステル、及び芳香族多官能アリルエステルから選択されるアリルエステルは、1種、又は2種以上を組み合わせたものでもよい。ここで、本明細書において、多官能アリルエステルとは、2個以上のアリルエステル基(‐COOCH2‐CH=CH2基)を有する化合物を意味し、脂肪族多官能アリルエステルとは、脂肪族炭化水素基と、2個以上のアリルエステル基を有する化合物を意味し、脂環式多官能アリルエステルとは、脂環式炭化水素基と、2個以上のアリルエステル基を有する化合物を意味し、芳香族多官能アリルエステルとは芳香族炭化水素基と、2個以上のアリルエステル基を有する化合物を意味する。なお、本明細書において、脂肪族多官能アリルエステルは、2個のアリルエステル基が直接結合したシュウ酸ジアリルを含む概念である。
Figure 0007092118000001
[式中、nは2以上の整数を表わし、zはn価の脂肪族炭化水素基、n価の脂環式炭化水素基、n価の芳香族炭化水素基、又は結合部(但し、nが2の場合のみ)である。
一般式(1)において、nは2又は3であることがより好ましく、2であることが特に好ましい。
一般式(1)において、n価の脂肪族炭化水素基の炭素数は1~18であることが好ましく、2~12であることがより好ましく、2~6であることが更に好ましく、2~4であることが特に好ましく、2~3であることが最も好ましい。
n価の脂肪族炭化水素基は、分岐構造を有してもよいが、分岐構造を有さない直鎖状の炭化水素基であることが好ましい。
n価の脂肪族炭化水素基は、アルコキシ基、ハロゲン原子、アリル基、ビニル基、ヒドロキシ基等の置換基を有してもよい。
2価の脂肪族炭化水素基としては、炭素数1~18のアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基が挙げられ、アルケニレン基が好ましい。アルケニレン基としては、ビニレン基、1-プロペニレン基、2-プロペニレン基、1-ブテニレン基、2-ブテニレン基、1-ペンテニレン基、2-ペンテニレン基、1-ヘキセニレン基、2-ヘキセニレン基、1-オクテニレン基などがあげられる。中でも、ビニレン基が好ましい。
一般式(1)において、n価の脂環式炭化水素基の炭素数は3~18であることが好ましく、4~12であることがより好ましく、4~10であることが特に好ましい。中でも、脂環式炭化水素基を構成する全ての炭素原子が環構造を形成していることが好ましい。すなわち、n価の脂環式炭化水素基は、3~18員環であることが好ましく、4~12員環であることがより好ましく、4~10員環であることが特に好ましい。
n価の脂環式炭化水素基は、飽和のn価の脂環式炭化水素基であってもよく、一部において不飽和結合を有していてもよい。中でも、飽和のn価の脂環式炭化水素基が好ましい。尚、本発明において、脂環式とは芳香性を有しない環状構造を有することを意味し、脂環式炭化水素基とは芳香性を有しない環状構造を有する炭化水素基を意味する。
n価の脂環式炭化水素基は、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アリル基、ビニル基、ヒドロキシ基等の置換基を有してもよい。
一般式(1)において、n価の芳香族炭化水素基の炭素数は6~18であることが好ましく、6~12であることがより好ましく、6~8であることが特に好ましい。
n価の芳香族炭化水素基は、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アリル基、ビニル基、ヒドロキシ基等の置換基を有してもよい。
芳香族炭化水素基としては、多環芳香族炭化水素基であってもよい。
一般式(1)において、zが結合部の場合、一般式(1)で示される多官能アリルエステルは、シュウ酸ジアリルである。
一般式(1)において、zがn価の脂肪族炭化水素基である場合の一般式(1)で示される多官能アリルエステルを具体的に例示すると、シュウ酸ジアリル、マロン酸ジアリル、コハク酸ジアリル、グルタル酸ジアリル、アジピン酸ジアリル、ピメリン酸ジアリル、スベリン酸ジアリル、アゼライン酸ジアリル、セバシン酸ジアリル、フマル酸ジアリル、マレイン酸ジアリル、クエン酸トリアリル、イタコン酸ジアリル、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸テトラアリルを例示することができる。
一般式(1)において、zがn価の脂環式炭化水素基である場合の一般式(1)で示される多官能アリルエステルを具体的に例示すると、一般式(2)~一般式(9)で表される化合物等の脂環式多官能アリルエステルが挙げられる。
Figure 0007092118000002
[式中、nは2~4のいずれかの整数である。]
で表される化合物のいずれかであることが好ましい。
式(2)~(9)において、環構造内で架橋されていてもよく、環構造内で架橋されたものの例として、アダマンダン、ノルボルナン等を例示することができる。
式(2)~(9)の環上におけるCOOCH2‐CH=CH2基の置換位置は何れの組み合わせであっても良く、それらの混合物でも良い。特に、2つのCOOCH2‐CH=CH2基が6員環に結合するときに、2つのCOOCH2‐CH=CH2基は、オルト配向またはメタ配向またはパラ配向のいずれでもよいが、オルト配向、又はメタ配向であることが好ましく、メタ配向であることが特に好ましい。
脂環式多官能アリルエステルとしては、シクロブタンジカルボン酸ジアリル、シクロヘプタンジカルボン酸ジアリル、シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル(ヘキサヒドロフタル酸ジアリル)、ノルボルナンジカルボン酸ジアリル、シクロブテンジカルボン酸ジアリル、シクロヘプテンジカルボン酸ジアリル、シクロヘキセンジカルボン酸ジアリル(テトラヒドロフタル酸ジアリル)、ノルボルネンジカルボン酸ジアリル、3-メチル-ヘキサヒドロ-1,2-ジアリルフタレート、4-メチル-ヘキサヒドロ-1,2-ジアリルフタレート、3-メチル-1,2,3,6-テトラヒドロ-1,2-ジアリルフタレート、4-メチル-1,2,3,6-テトラヒドロ-1,2-ジアリルフタレート、3,6-エンドメチレン-3-メチル-1,2,3,6-テトラヒドロ-1,2-ジアリルフタレート、3,6-エンドメチレン-4-メチル-1,2,3,6-テトラヒドロ-1,2-ジアリルフタレート、4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジアリル、2-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジアリル、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸テトラアリル等を例示することができる。中でも、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、ノルボルナンジカルボン酸ジアリルが好ましい。
一般式(1)において、zがn価の芳香族炭化水素基である場合の一般式(1)で示される多官能アリルエステルにおいては、環上におけるアリルエステル(COOCH2CH=CH2)基の置換位置は何れの組み合わせであっても良く、それらの混合物でも良い。特に、2つのCOOCH2CH=CH2基が6員環に結合するときに、2つのCOOCH2CH=CH2基は、オルト配向またはメタ配向またはパラ配向のいずれでもよいが、オルト配向またはメタ配向であることが好ましく、メタ配向であることが特に好ましい。
一般式(1)において、zがn価の芳香族炭化水素基である場合の一般式(1)で示される多官能アリルエステルを具体的に例示すると、一般式(10)で表される化合物等の芳香族多官能アリルエステルが挙げられる。
Figure 0007092118000003
(式中、nは2~6のいずれかの整数である。)
芳香族多官能アリルエステルとしては、フタル酸ジアリル(オルソフタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、テレフタル酸ジアリル)、トリメシン酸トリアリル、トリメリット酸トリアリル、ピロメリット酸テトラアリル、ベンゼンヘキサカルボン酸ヘキサアリル、メリト酸ヘキサアリル、1,3,5,7-テトラアリルナフタレンを例示することでき、中でもトリメシン酸トリアリル、フタル酸ジアリルが好ましい。
多官能アリルエステルの中でも、脂環式多官能アリルエステル、及び芳香族多官能アリルエステルといった環状構造を有し、2つのCOOCH2‐CH=CH2基を持つ多官能アリルエステルであることが好ましい。
アリルエーテルとしては、単官能アリルエーテルと多官能アリルエーテルを例示することができる。
単官能アリルエーテルとしては、1個のアリルエーテル基(‐O‐CH2‐CH=CH2基)を有する化合物を意味し、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノアリルエーテル、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、プロピレングリコールモノアリルエーテル、ブチレングリコールモノアリルエーテル等を例示することができる。
多官能アリルエーテルとしては、2個以上のアリルエーテル基(‐O‐CH2‐CH=CH2基)を有する化合物を意味し、エチレングリコールジアリルエーテル、ジエチレングリコールジアリルエーテル、ポリエチレングリコールジアリルエーテル、プロピレングリコールジアリルエーテル、ブチレングリコールジアリルエーテル、ヘキサンジオールジアリルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオキシドジアリルエーテル、ビスフェノールFアルキレンオキシドジアリルエーテル、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラアリルエーテル、グリセリントリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタアリルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサアリルエーテル、ポリエチレングリコールジアリルエーテル、ペンタエリスリトールジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル、1,4-ジアリルオキシメチルベンゼン、エチレンオキシド付加トリメチロールプロパントリアリルエーテル、エチレンオキシド付加ジトリメチロールプロパンテトラアリルエーテル、エチレンオキシド付加ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル、エチレンオキシド付加ジペンタエリスリトールヘキサアリルエーテルを例示することができ、ポリエチレングリコールジアリルエーテルであることが好ましい。
アリルアミンとしては、単官能アリルアミンと多官能アリルアミンを例示することができる。
単官能アリルアミンとしては、1個のアリル基(‐CH2‐CH=CH2基)を有するアミンを意味し、アリルジメチルアミン、アリルジエチルアミン等を例示することができる。
多官能アリルアミンとしては、2個以上のアリル基(‐CH2‐CH=CH2基)を有するアミンを意味し、-NH-CO-NH-を有する脂環式又は二脂環式化合物を骨格とし2個以上のアリル基(‐CH2‐CH=CH2基)を有するアミンが好ましく、グリコールウリル骨格を有し2個以上のアリル基(‐CH2‐CH=CH2基)を有するアミンがより好ましい。多官能アリルアミンとしては、ジアリルアミン、ジアリルメチルアミン、ジアリルエチルアミン、トリアリルアミン、1,3,4,6-テトラアリルグリコールウリルを例示することができる。
アリルシアヌレートとしてはアリル基とシアヌル酸骨格を持つ化合物であり、アリルシアヌレート、ジアリルシアヌレート、トリアリルシアヌレート等を例示することができる。
アリルイソシアヌレートとしてはアリル基とイソシアヌル酸骨格を持つ化合物であり、アリルイソシアヌレート、ジアリルイソシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等を例示することができる。
アリルチオエーテルとしては、単官能アリルチオエーテルと多官能アリルチオエーテルを例示することができる。
単官能アリルチオエーテルとしては、1個のアリル基(‐CH2‐CH=CH2基)及びチオエーテル構造を有する化合物であり、アルキレングリコールアリルチオエーテルを例示することができる。
多官能アリルチオエーテルとしては、2個以上のアリル基(‐CH2‐CH=CH2基)及びチオエーテル構造を有する化合物であり、アルキレングリコールジアリルチオエーテルを例示することができる。
アリルオニウムとしては単官能アリルオニウムや多官能アリルオニウムなどがあげられ、モノアリルトリアルキルアンモニウム塩やジアリルジアルキルアンモニウム塩、トリアリルモノアルキルアンモニウム塩などがあげられ、それらの塩化物や臭化物、ヨウ化物等が挙げられる。
アリル基を有する化合物(b)はモノマーだけではなく、アリルエステル、アリルエーテル、アリルアミン、アリルシアネート、アリルチオエーテルといった化合物のオリゴマーやポリマーであってもよい。
エポキシ基を有する化合物としては、エポキシ基と脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、脂環式炭化水素基等の有機基を有する化合物を例示することができ、エピクロロヒドリン、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、グリシジルフェニルエーテル、ビスフェノールAジグルシジル、ビスフェノールFジグルシジル、ビスフェノールSジグルシジル、イソシアヌール酸トリグリシジル等を例示することができる。
ヒドロキシル基を有する化合物としては、ヒドロキシル基と脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、脂環式炭化水素基等の有機基を有する化合物を例示することができ、メタノール、エタノール、フェノール、ビスフェノールA等を例示することができる。
カルボキシル基を有する化合物としては、酢酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、クエン酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等を例示することができる。カルボキシル基を有する化合物としては、酸無水物であってもよく、無水フタル酸、4-メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等を例示することができる。
(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、(メタ)アクリロイル基と脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、脂環式炭化水素基等の有機基を有する化合物を例示することができ、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸n-ペンチル等を例示することができる。
イソシアネート基を有する化合物としては、イソシアネート基と脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、脂環式炭化水素基等の有機基を有する化合物を例示することができ、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカンジイソシアネート、テトラデカンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;メチレンジ(1,4-シクロへキシレンイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、シクロヘキサン-1,4-ジイソシアネート、1,3-プロピレンビス(4-イソシアネートシクロヘキサン)、ノルボルナンジイソシアネート(NBDI)等の脂環族ジイソシアネート;パラフェニレンジイソシアネート(PPDI)、4,4′-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4-トルエンジイソシアネート(TDI)、2,6-トルエンジイソシアネート(TDI)、m-キシリレンジイソシアネート(XDI)等の芳香族ジイソシアネート等を例示することができる。
メルカプト基を有する化合物としては、メルカプト基と脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、脂環式炭化水素基等の有機基を有する化合物を例示することができ、メタンチオール、エタンチオール、ベンゼンチオール、トリメチロールプロパン トリス(3-メルカプトブチレート)、トリメチロールエタン トリス(3-メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブチレート)、1,4-ビス(3-メルカプトブチリルオキシ)ブタン、1,3,5-トリス(3-メルカプトブチリルオキシエチル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン等を例示することができる。
シラノール基を有する化合物としては、シラノール基と脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、脂環式炭化水素基等の有機基を有する化合物を例示することができ、ジメチルシラノール、トリエトキシシラノール等を例示することができる。
本発明のナノ物質含有組成物における、反応性官能基を有する化合物(b)の含有量は、成分(a)が熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂である場合には、成分(a)100質量部に対して、0.01~100質量部であることが好ましく、0.05~95質量部であることがより好ましく、0.1~90質量部であることが特に好ましい。また、成分(a)がゴムである場合には、反応性官能基を有する化合物(b)の含有量は、成分(a)100質量部に対して、0.01~100質量部であることが好ましく、0.05~50質量部であることがより好ましく、0.1~20質量部であることが特に好ましい。
3.ナノ物質(c)
本発明のナノ物質含有組成物におけるナノ物質(c)としては、炭素系ナノフィラー、有機系ナノフィラー、及び無機系ナノフィラーから選択されるフィラーであることが好ましく、炭素系ナノフィラーであることが耐熱性の点でより好ましい。ナノ物質は少なくとも1次元が200nmより小さい物質であり、一次元が200nmより小さく残る二次元への広がりを有するものは薄膜、二次元が200nmより小さく残る一次元への広がりを有する場合は棒状、三次元とも200nmより小さい場合は粒状の形状をとる物質であり、形状は特に限定される物ではないが、二次元が200nmより小さく、残る一次元への広がりを有する棒状の物が好ましい。
炭素系ナノフィラーとしては、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン、カーボンナノコーン、カーボンナノチューブ、カーボンナノコイル、カーボンマイクロコイル、フラーレン、グラフェン、を例示することができ、中でもカーボンナノファイバー、カーボンナノチューブであることが好ましい。
有機系ナノフィラーは、アルキルメタクリレート、アルキルジメタクリレート、アルキルアクリレート、アルキルジアクリレート、及び好ましくはメチルメタクリレートを構成単位として有する(共)重合体を例示することができる。
無機系ナノフィラーは、酸化アルミニウム、ケイ酸塩、石英及びバリウム・ガラス充填材のようなガラス充填材、ナノ水和金属化合物、結晶シリカ、溶融シリカ、アルミナ、チタニア、窒化アルミ、窒化ホウ素、セラミック材料等を例示することができる。
本発明のナノ物質含有組成物における、ナノ物質(c)の含有量は、反応性官能基を有する化合物(b)100質量部に対して、上限は20質量部以下であることが好ましく、10質量部以下であることがより好ましく、5質量部以下、1質量部以下、0.8質量部以下、0.5質量部以下であってもよい。下限は0.0001質量部以上であることが好ましく、0.001質量部以上であることがより好ましく、0.01質量部以上であることが特に好ましい。
4.他の成分
(1)成分(a)が熱可塑性樹脂である場合
また本発明のナノ物質含有組成物において、成分(a)が熱可塑性樹脂である場合、、目的又は必要に応じて、本発明の効果を損なわない限りにおいて、ヒンダードアミン系、ヒンダードフェノール系、含硫黄化合物系、アクリレート系、リン系有機化合物等の酸化防止剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤等の紫外線吸収剤、ポリエチレンワックス、高級脂肪酸エステル、脂肪酸アミド等の離型剤、滑剤、結晶核剤、粘度調節剤、着色剤、表面処理剤、顔料、蛍光顔料、染料、蛍光染料、着色防止剤、可塑剤、赤燐、金属水酸化物系難燃剤、リン系難燃剤、シリコーン系難燃剤、ハロゲン系難燃剤、およびこれらのハロゲン系難燃剤と三酸化アンチモンとの組み合わせ等の難燃剤、帯電防止剤等の各種添加剤を含有してもよい。
成分(a)が熱可塑性樹脂である場合、本発明のナノ物質含有組成物は、各種材料を混合(混練)することにより製造することができ、混合(混練)方法としては、特に限定されず、例えば、オープンロール、インテシブミキサー、インターナルミキサー、コニーダー、二軸ローター付の連続混練機、押出機等の混和機を用いた溶融混練方法が挙げられる。押出機としては、単軸又は二軸の押出機のいずれを用いることもできる。
成分(a)が熱可塑性樹脂である場合、本発明のナノ物質含有組成物の成形体は、上記ナノ物質含有組成物を含有するものであり、ナノ物質含有組成物を成形することにより得られる。ナノ物質含有組成物の成形には、例えば射出成形、射出圧縮成形、押出成形、ブロー成形、インフレーション成形、真空成形、プレス成形等の方法を用いることができる。
(2)成分(a)が熱硬化性樹脂である場合
また本発明のナノ物質含有組成物において、成分(a)が熱硬化性樹脂である場合、含有する熱硬化性樹脂に合わせて、公知の硬化剤を含有してもよく、例えば、エポキシ樹脂を含有する場合には、アミン系硬化剤、アミド系硬化剤、酸無水物系硬化剤、フェノール系硬化剤を例示することができ、ジアリルフタレート樹脂を含有する場合には、過酸化物系硬化剤を例示することができる。硬化剤は、単独でも2種類以上の併用でも構わない。
硬化剤としては、アミン系硬化剤、アミド系硬化剤、酸無水物系硬化剤、フェノール系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、ホスフィン系硬化剤、過酸化物系硬化剤、イソシアネート系硬化剤、アジリジン系硬化剤を例示することができる。
アミン系硬化剤としてはジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルエタン、ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノジフェニルスルホン、オルトフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン、メタキシレンジアミン、パラキシレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミン等が挙げられる。
アミド系硬化剤としては、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンとより合成されるポリアミド樹脂等が挙げられる。
酸無水物系硬化剤としては、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。
フェノール系硬化剤としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、レゾルシン、カテコール、ハイドロキノン、フルオレンビスフェノール、4,4’-ビフェノール、4,4’,4”-トリヒドロキシトリフェニルメタン、ナフタレンジオール、1,1,2,2-テトラキス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、カリックスアレーン、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール付加型樹脂、フェノールアラルキル樹脂(ザイロック樹脂)、レゾルシンノボラック樹脂に代表される多価ヒドロキシ化合物とホルムアルデヒドから合成される多価フェノールノボラック樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、トリメチロールメタン樹脂、テトラフェニロールエタン樹脂、ナフトールノボラック樹脂、ナフトール-フェノール共縮ノボラック樹脂、ナフトール-クレゾール共縮ノボラック樹脂、ビフェニル変性フェノール樹脂(ビスメチレン基でフェノール核が連結された多価フェノール化合物)、ビフェニル変性ナフトール樹脂(ビスメチレン基でフェノール核が連結された多価ナフトール化合物)、アミノトリアジン変性フェノール樹脂(メラミン、ベンゾグアナミンなどでフェノール核が連結された多価フェノール化合物)やアルコキシ基含有芳香環変性ノボラック樹脂(ホルムアルデヒドでフェノール核及びアルコキシ基含有芳香環が連結された多価フェノール化合物)等が挙げられる。
イミダゾール系硬化剤としては、例えば、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾール、1-シアノ-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾールトリメリテイト、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-ウンデシルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-エチル-4’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加体、2-フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加体、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール、及び、エポキシ樹脂とイミダゾール類の付加体が挙げられる。
ホスフィン系硬化剤としては、例えば、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラ(4-メチルフェニル)ボレート及びテトラフェニルホスホニウム(4-フルオロフェニル)ボレートが挙げられる。
過酸化物系硬化剤としてはt-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキシルモノカーボネート、1,1-ジ(t-ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1-ジ(t-ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、t-ブチルパーオキシオクトエート、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、t-ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイドが挙げられる。
イソシアネート系硬化剤は、例えばトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジシクロへキシルメタンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
アジリジン系硬化剤は、例えばトリメチロールプロパン-トリ-β-アジリジニルプロピオネート、テトラメチロールメタン-トリ-β-アジリジニルプロピオネート、N,N’-ジフェニルメタン-4,4’-ビス(1-アジリジンカルボキシアミド)、N,N’-ヘキサメチレン-1,6-ビス(1-アジリジンカルボキシアミド)等が挙げられる。
成分(a)が熱硬化性樹脂である場合、本発明のナノ物質含有組成物において、硬化剤の含有量は、熱硬化性樹脂100質量部に対して、0.1~20質量部を含有することが好ましく、0.3~10質量部を含有することがより好ましく、0.5~5質量部を含有することが特に好ましい。
成分(a)が熱硬化性樹脂である場合、本発明のナノ物質含有組成物には、目的又は必要に応じて、本発明の効果を損なわない限りにおいて、ヒンダードアミン系、ヒンダードフェノール系、含硫黄化合物系、アクリレート系、リン系有機化合物等の酸化防止剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤等の紫外線吸収剤、ポリエチレンワックス、高級脂肪酸エステル、脂肪酸アミド等の離型剤、滑剤、結晶核剤、粘度調節剤、着色剤、表面処理剤、顔料、蛍光顔料、染料、蛍光染料、着色防止剤、硬化剤、赤燐、金属水酸化物系難燃剤、リン系難燃剤、シリコーン系難燃剤、ハロゲン系難燃剤、およびこれらのハロゲン系難燃剤と三酸化アンチモンとの組み合わせ等の難燃剤、帯電防止剤等の各種添加剤を含有してもよい。
成分(a)が熱硬化性樹脂である場合、本発明のナノ物質含有組成物は、各種材料を混合(混練)することにより製造することができ、混合(混練)方法としては、特に限定されず、例えば、オープンロール、インテシブミキサー、インターナルミキサー、コニーダー、二軸ローター付の連続混練機、押出機等の混和機を用いた溶融混練方法が挙げられる。押出機としては、単軸又は二軸の押出機のいずれを用いることもできる。
成分(a)が熱硬化性樹脂である場合、成形体は、本発明のナノ物質含有組成物を含有するものであり、本発明のナノ物質含有組成物を成形することにより得られる。本発明のナノ物質含有組成物の成形には、例えば射出成形、射出圧縮成形、押出成形、ブロー成形、インフレーション成形、真空成形、プレス成形等の方法を用いることができる。
(3)成分(a)がゴムである場合
成分(a)がゴムである場合、本発明のナノ物質含有組成物は、含有するゴムに合わせて、架橋剤(加硫剤)を含有していてもよい。
NBRの架橋剤(加硫剤)は特に限定されるものではなく、一般に不飽和結合を架橋させるものであればよい。具体的には硫黄系架橋剤、過酸化物系架橋剤、樹脂架橋剤、オキシム系架橋剤等を例示することができ、硫黄系架橋剤、過酸化物系架橋剤であることが好ましい。また、ナノ物質含有組成物はテトラメチルジスルフィド等のチウラム系化合物、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸銅等のジチオカルバミン酸塩類(例えば、ジチオカルバミン酸の亜鉛塩、ジチオカルバミン酸の銅塩)といった適宜架橋剤に応じた公知の促進剤、促進助剤、遅延剤を含有してもよい。
硫黄系架橋剤としては、硫黄、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等のチウラム類を例示することができる。
過酸化物系架橋剤としては、tert-ブチルヒドロパーオキサイド、p-メンタンヒドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、tert-ブチルパーオキサイド、1,3-ビス(tert-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(tert-ブチルパーオキシ)ヘキサン、ベンゾイルパーオキサイド、tert-ブチルパーオキシベンゾエートなどを例示することができる。
樹脂架橋剤としては、アルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂、メラミンーホルムアルデヒド縮合物、トリアジン-ホルムアルデヒド縮合物、オクチルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂、アルキルフェノール・スルフィド樹脂、ヘキサメトキシメチル・メラミン樹脂等を例示することができる。
オキシム系架橋剤としては、p-キノンジオキシム、p-ベンゾキノンジオキシム、p,p’-ジベンゾイルキノンジオキシムを例示することができる。
架橋剤(加硫剤)の配合量は、本発明の効果を損なわない限り限定されることはないが、NBR100質量部に対して、0.1~10質量部であることが好ましい。
H-NBRの架橋剤(加硫剤)の種類及びその配合量、その他配合剤に関してもテトラメチルジスルフィド等のチウラム系化合物、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸銅等のジチオカルバミン酸塩類(例えば、ジチオカルバミン酸の亜鉛塩、ジチオカルバミン酸の銅塩)といった適宜架橋剤に応じた公知の促進剤、促進助剤、遅延剤をNBRと同様に使用できる。
ACMの架橋剤(加硫剤)は特に限定されるものではなく、公知の架橋剤を架橋サイトに用いるモノマーに合わせて適宜用いてもよい。一般的な架橋剤を例示すると、架橋サイトに用いるモノマーが塩素基系ではヘキサメチレンジアミノカーバメートやエチレンチオウレア、N,N’-ジエチルチオウレア、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(TRA)等が用いられる。架橋サイトに用いるモノマーが活性塩素基系では硫黄、TRA、ジアミンカーバメート、2,4,6-トリメルカプト-1,3,5-トリアジン等が用いられる。架橋サイトに用いるモノマーがエポキシ基系ではジチオカルバミン酸塩や有機カルボン酸アンモニウムが用いられる。また、NBRの項で記載した過酸化物系架橋剤等も用いられる。また、それぞれの架橋剤に応じて金属化合物、金属酸化物、金属石鹸等、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸銅等のジチオカルバミン酸塩類(例えば、ジチオカルバミン酸の亜鉛塩、ジチオカルバミン酸の銅塩)等の受酸剤、促進剤、各種配合剤が適宜用いられる。
架橋剤(加硫剤)の配合量は、本発明の効果を損なわない限り限定されることはなく、ACM100質量部に対して、0.1~10質量部であることが好ましい。
AEMの架橋剤(加硫剤)は特に限定されるものではなく、公知の架橋剤が適宜用いられる。一般的な架橋剤を例示すると、ヘキサメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミノカーバメート、エチレンジアミン等のジアミン系架橋剤やNBRの項で記載した過酸化物系架橋剤が挙げられる。また、ゴム組成物はテトラメチルジスルフィド等のチウラム系化合物、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸銅等のジチオカルバミン酸塩類(例えば、ジチオカルバミン酸の亜鉛塩、ジチオカルバミン酸の銅塩)といった適宜架橋剤に応じた公知の促進剤、促進助剤、遅延剤、各種配合剤を含有してもよい。
架橋剤(加硫剤)の配合量は、本発明の効果を損なわない限り限定されることはなく、AEM100質量部に対して、0.1~10質量部であることが好ましい。
FKMの架橋剤(加硫剤)は特に限定されるものではなく、公知の架橋系が適宜用いられる。例示すればポリアミン系架橋剤としてヘキサメチレンジアミンカーバメート、N,N’-ジシンナミリデン-1,6-ヘキサメチレンジアミン、4,4’-ビス(アミノシクロヘキシル)メタンカルバメート等が挙げられ、ポリオール系架橋剤としてビスフェノールSやビスフェノールAF等が挙げられ、過酸化物系架橋剤としてNBRの項で記載した種々の過酸化物が挙げられる。また、ナノ物質含有組成物にはテトラメチルジスルフィド等のチウラム系化合物、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸銅等のジチオカルバミン酸塩類(例えば、ジチオカルバミン酸の亜鉛塩、ジチオカルバミン酸の銅塩)といった適宜架橋剤に応じた公知の促進剤、促進助剤、遅延剤、各種配合剤を含有してもよい。
架橋剤(加硫剤)の配合量は、本発明の効果を損なわない限り限定されることはなく、FKM100質量部に対して、0.1~10質量部であることが好ましい。
CRの架橋剤(加硫剤)は特に限定されるものではなく、公知の架橋剤が適宜用いられる。公知の架橋剤を例示すれば金属酸化物が好ましく、具体的には酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化鉛、四酸化三鉛、三酸化鉄、二酸化チタン、酸化カルシウム等が挙げられる。これらは2種以上を併用して用いることもできる。また、これらの架橋剤とともに、促進剤として、チオウレア系促進剤、グアニジン系促進剤、チウラム系促進剤、チアゾール系促進剤が使用でき、チオウレア系促進剤が好ましい。チオウレア系促進剤としては、エチレンチオウレア、ジエチルチオウレア、トリメチルチオウレア、トリメチルチオウレア、N,N’-ジフェニルチオウレアなどが挙げられる。ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸銅等のジチオカルバミン酸塩類(例えば、ジチオカルバミン酸の亜鉛塩、ジチオカルバミン酸の銅塩)といった各種配合剤を含有してもよい。
架橋剤(加硫剤)の配合量は、本発明の効果を損なわない限り限定されることはなく、CR100質量部に対して、0.1~10質量部であることが好ましい。
CSMの架橋剤(加硫剤)は特に限定されるものではなく、公知の架橋剤が適宜用いられる。公知の架橋剤を例示すれば、酸化マグネシウム等の金属酸化物、N,N’-m-フェニレンジマレイミド等のマレイミド化合物、NBRの項で記載した過酸化物、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、テトラメチルチラウムジスルフィド、テトラエチルチラウムジスルフィド等のチウラム化合物等が挙げられ、また、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸銅等のジチオカルバミン酸塩類(例えば、ジチオカルバミン酸の亜鉛塩、ジチオカルバミン酸の銅塩)といった適宜架橋剤に応じた公知の促進剤、促進助剤、遅延剤、場合によっては老化防止剤(例えば、アミン系老化防止剤等やフェノール系老化防止剤)を用いてもよい。
架橋剤(加硫剤)の配合量は、本発明の効果を損なわない限り限定されることはなく、CSM100質量部に対して、0.1~10質量部であることが好ましい。
CPEの架橋剤(加硫剤)は特に限定されるものではなく、公知の架橋剤が適宜用いられる。公知の架橋系を例示すれば、トリメルカプト-S-トリアジン、2-ヘキシルアミノ-4,6-ジメルカプトトリアジン、2-ジエチルアミノ-4,6-ジメルカプトトリアジン、2-シクロヘキシルアミノ-4,6-ジメルカプトトリアジン、2-ジブチルアミノ-4,6-ジメルカプトトリアジン、2-アニリノ-4,6-ジメルカプトトリアジン、2-フェニルアミノ-4,6-ジメルカプトトリアジン等のメルカプトトリアジン系架橋剤や2,5-ジメルカプト-1,3,4-チアジアゾール、2,5-ジメルカプト-1,3,4-チアジアゾールのモノベンゾエート誘導体および2,5-ジメルカプト-1,3,4-チアジアゾールのジベンゾエート誘導体等のチアジアゾール系架橋剤、NBRの項で記載した種々の過酸化物が用いられる。また、ナノ物質含有組成物にはテトラメチルジスルフィド等のチウラム系化合物、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸銅等のジチオカルバミン酸塩類(例えば、ジチオカルバミン酸の亜鉛塩、ジチオカルバミン酸の銅塩)といった適宜架橋剤に応じた公知の促進剤、促進助剤、遅延剤、各種配合剤を含有してもよい。
架橋剤(加硫剤)の配合量は、本発明の効果を損なわない限り限定されることはなく、CPE100質量部に対して、0.1~10質量部であることが好ましい。
EPM、EPDMの架橋剤(加硫剤)は特に限定されるものではなく、公知の架橋剤が適宜用いられる。公知の架橋剤を例示すれば、硫黄系架橋剤、過酸化物系架橋剤、樹脂架橋剤、オキシム系架橋剤等を例示することができ、具体的にはNBRの項で記載した硫黄系架橋剤、過酸化物系架橋剤、樹脂架橋剤、オキシム系架橋剤を挙げられる。また、ナノ物質含有組成物にはテトラメチルジスルフィド等のチウラム系化合物、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸銅等のジチオカルバミン酸塩類(例えば、ジチオカルバミン酸の亜鉛塩、ジチオカルバミン酸の銅塩)といった適宜架橋剤に応じた公知の促進剤、促進助剤、遅延剤、各種配合剤を含有してもよい。
架橋剤(加硫剤)の配合量は、本発明の効果を損なわない限り限定されることはなく、EPM及び/又はEPDM100質量部に対して、0.1~10質量部であることが好ましい。
ポリエーテルゴムの架橋剤(加硫剤)は特に限定されるものではなく、塩素原子等のハロゲン原子の反応性を利用する公知の架橋剤(加硫剤)、例えば、ポリアミン系架橋剤(加硫剤)、チオウレア系架橋剤(加硫剤)、チアジアゾール系架橋剤(加硫剤)、メルカプトトリアジン系架橋剤(加硫剤)、ピラジン系架橋剤(加硫剤)、キノキサリン系架橋剤(加硫剤)、ビスフェノール系架橋剤(加硫剤)等を挙げることができる。アリルグリシジルエーテル、メタクリル酸グリシジル等のエチレン性不飽和基含有オキシランに基づく重合単位を有する場合には、ニトリル系ゴムの加硫に通常用いられている公知の架橋剤(加硫剤)、例えば、硫黄系架橋剤(加硫剤)、パーオキサイド系架橋剤(加硫剤)、樹脂系架橋剤(加硫剤)、キノンジオキシム系架橋剤(加硫剤)等を挙げることができる。
ポリアミン系架橋剤(加硫剤)としては、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ヘキサメチレンテトラミン、p-フェニレンジアミン、クメンジアミン、N,N’-ジシンナミリデン-1,6-ヘキサンジアミン、エチレンジアミンカーバメート、ヘキサメチレンジアミンカーバメート等があげられる。
チオウレア系架橋剤(加硫剤)としては、エチレンチオウレア、1,3-ジエチルチオウレア、1,3-ジブチルチオウレア、トリメチルチオウレア等があげられる。
チアジアゾール系架橋剤(加硫剤)としては、2,5-ジメルカプト-1,3,4-チアジアゾール、2-メルカプト-1,3,4-チアジアゾール-5-チオベンゾエート等があげられる。
メルカプトトリアジン系架橋剤(加硫剤)としては、2,4,6-トリメルカプト-1,3,5-トリアジン、2-メトキシ-4,6-ジメルカプトトリアジン、2-ヘキシルアミノ-4,6-ジメルカプトトリアジン、2-ジエチルアミノ-4,6-ジメルカプトトリアジン、2-シクロヘキサンアミノ-4,6-ジメルカプトトリアジン、2-ジブチルアミノ-4,6-ジメルカプトトリアジン、2-アニリノ-4,6-ジメルカプトトリアジン、2-フェニルアミノ-4,6-ジメルカプトトリアジン等があげられる。
ピラジン系架橋剤(加硫剤)としては、2,3-ジメルカプトピラジン誘導体等があげられ、2,3-ジメルカプトピラジン誘導体を例示すると、ピラジン-2,3-ジチオカーボネート、5-メチル-2,3-ジメルカプトピラジン、5-エチルピラジン-2,3-ジチオカーボネート、5,6-ジメチル-2,3-ジメルカプトピラジン、5,6-ジメチルピラジン-2,3-ジチオカーボネート等があげられる。
キノキサリン系架橋剤(加硫剤)としては、2,3-ジメルカプトキノキサリン誘導体等があげられ、2,3-ジメルカプトキノキサリン誘導体を例示すると、キノキサリン-2,3-ジチオカーボネート、6-メチルキノキサリン-2,3-ジチオカーボネート、6-エチル-2,3-ジメルカプトキノキサリン、6-イソプロピルキノキサリン-2,3-ジチオカーボネート、5,8-ジメチルキノキサリン-2,3-ジチオカーボネート等があげられる。
ビスフェノール系架橋剤(加硫剤)としては、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン(ビスフェノールS)、1,1-シクロヘキシリデン-ビス(4-ヒドロキシベンゼン)、2-クロロ-1,4-シクロヘキシレン-ビス (4-ヒドロキシベンゼン)、2,2-イソプロピリデン-ビス(4-ヒドロキシベンゼン)(ビスフェノールA)、ヘキサフルオロイソプロピリデン-ビス(4-ヒドロキシベンゼン)(ビスフェノールAF)および2-フルオロ-1,4-フェニレン-ビス(4-ヒドロキシベンゼン)等があげられる。
硫黄系架橋剤(加硫剤)としては、硫黄、モルホリンジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、N,N’-ジメチル-N,N’-ジフェニルチウラムジスルフィド、ジペンタンメチレンチウラムテトラスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、ジペンタメチレンチウラムヘキサスルフィドが挙げられる。
パーオキサイド系架橋剤(加硫剤)としては、tert-ブチルヒドロパーオキサイド、p-メンタンヒドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、tert-ブチルパーオキサイド、1,3-ビス(tert-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(tert-ブチルパーオキシ)ヘキサン、ベンゾイルパーオキサイド、tert-ブチルパーオキシベンゾエートが挙げられる。
樹脂系架橋剤(加硫剤)としては、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂等が挙げられる。
キノンジオキシム系架橋剤(加硫剤)としては、p-キノンジオキシム、p-p’-ジベンゾイルキノンジオキシムが挙げられる。
ゴムとしてポリエーテルゴムを使用する場合、架橋剤(加硫剤)と共に公知の促進剤、遅延剤を本発明においてそのまま用いることができる。塩素原子の反応性を利用する公知の架橋剤(加硫剤)に併用される促進剤としては、1級、2級、3級アミン、該アミンの有機酸塩もしくはその付加物、グアニジン系促進剤、チウラム系促進剤、ジチオカルバミン酸系促進剤等を挙げることができる。また、遅延剤としてはN-シクロヘキサンチオフタルイミド、ジチオカルバミン酸類の亜鉛塩等を挙げることができる。
1級、2級、3級アミンとしては、特に炭素数5~20の脂肪族又は環式脂肪酸の第1、第2もしくは第3アミンが好ましく、このようなアミンの代表例は、n-ヘキシルアミン、オクチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、ヘキサメチレンジアミン等である。
アミンと塩を形成する有機酸としては、カルボン酸、カルバミン酸、2-メルカプトベンゾチアゾール、ジチオリン酸等が例示される。また上記アミンと付加物を形成する物質としては、アルコール類、オキシム類等が例示される。アミンの有機酸塩もしくは付加物の具体例としては、n-ブチルアミン・酢酸塩、ヘキサメチレンジアミン・カルバミン酸塩、2-メルカプトベンゾチアゾールのジシクロヘキシルアミン塩等が挙げられる。
グアニジン系促進剤の例としては、ジフェニルグアニジン、ジトリルグアニジン等が挙げられる。
チウラム系促進剤の具体例としては、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等が挙げられる。
ジチオカルバミン酸系促進剤の例としては、ペンタメチレンジチオカルバミン酸ピペリジン塩等が挙げられる。
塩素原子の反応性を利用する公知の架橋剤(加硫剤)に併用される促進剤又は遅延剤の配合量は、ポリエーテルゴム100質量部に対して0~10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.1~5質量部である。
硫黄系架橋剤(加硫剤)、パーオキサイド系架橋剤(加硫剤)、樹脂系架橋剤(加硫剤)、キノンジオキシム系架橋剤(加硫剤)に併用される促進剤、遅延剤、促進助剤、架橋助剤としては、例えば、アルデヒドアンモニア系促進剤、アルデヒドアミン系促進剤、チオウレア系促進剤、グアニジン系促進剤、チアゾール系促進剤、スルフェンアミド系促進剤、チウラム系促進剤、ジチオカルバミン酸塩系促進剤、キサントゲンサン塩系促進剤等の各種促進剤、N-ニトロソジフェニルアミン、無水フタル酸、N-シクロヘキシルチオフタルイミド等の遅延剤、亜鉛華、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛等の促進助剤、キノンジオキシム系架橋助剤、メタクリレート系架橋助剤、アリル系架橋助剤、マレイミド系架橋助剤等の各種架橋助剤等を挙げることができる。
硫黄系架橋剤(加硫剤)、パーオキサイド系架橋剤(加硫剤)、樹脂系架橋剤(加硫剤)、キノンジオキシム系架橋剤(加硫剤)に併用される促進剤、遅延剤、促進助剤、架橋助剤の配合量は、ゴム成分100質量部に対して0~10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.1~5質量部である。
ゴムとしてポリエーテルゴムを使用する場合、架橋剤(加硫剤)はポリエーテルゴム100質量部に対して、0.1~10質量部含むことが好ましい。より好ましくは0.5~5質量部である。
架橋は、紫外線、可視光線、電子線等を用いることができ、光反応開始剤を使用することができる。光反応開始剤として、アルキルフェノン系開始剤、ベンゾフェノン系開始剤、アシルフォスフィンオキサイド系開始剤、チタノセン系開始剤、トリアジン系開始剤、ビスイミダゾール系開始剤、オキシムエステル系開始剤などが挙げられる。好ましくは、アルキルフェノン系開始剤、ベンゾフェノン系開始剤、アシルフォスフィンオキサイド系開始剤の光反応開始剤が用いられる。光反応開始剤として前述の化合物を2種類以上併用することも可能である。
アルキルフェノン系開始剤の具体例としては、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシル-フェニル-ケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-1-[4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-ベンジル]フェニル]-2-メチル-プロパン-1-オン、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オンなどが挙げられる。2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシル-フェニル-ケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オンが好ましい。
ベンゾフェノン系開始剤の具体例としては、ベンゾフェノン、2-クロロベンゾフェノン、4,4'-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4'-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、メチル-2-ベンゾイルベンゾエートなどが挙げられる。ベンゾフェノン、4,4'-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4'-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましい。
アシルフォスフィンオキサイド系開始剤の具体例としては、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイドなどが挙げられる。ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイドが好ましい。
架橋反応に用いられる光反応開始剤の量はポリエーテルゴム100質量部に対して、上限は0.01質量部以上であることが好ましく、0.1質量部以上であることがより好ましく、下限は6質量部以下であることが好ましく、4質量部以下であることがより好ましい。
成分(a)がゴムである場合、本発明のナノ物質含有組成物は、目的又は必要に応じて、本発明の効果を損なわない限りにおいて、ヒンダードアミン系、ヒンダードフェノール系、含硫黄化合物系、アクリレート系、リン系有機化合物等の酸化防止剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤等の紫外線吸収剤、ポリエチレンワックス、高級脂肪酸エステル、脂肪酸アミド等の離型剤、滑剤、結晶核剤、粘度調節剤、着色剤、表面処理剤、顔料、蛍光顔料、染料、蛍光染料、着色防止剤、硬化剤、赤燐、金属水酸化物系難燃剤、リン系難燃剤、シリコーン系難燃剤、ハロゲン系難燃剤、およびこれらのハロゲン系難燃剤と三酸化アンチモンとの組み合わせ等の難燃剤、帯電防止剤等の各種添加剤を含有してもよい。
成分(a)がゴムである場合、本発明のナノ物質含有組成物は、各種材料を混合(混練)することにより製造することができ、混合(混練)方法としては、特に限定されず、例えば、オープンロール、インテシブミキサー、インターナルミキサー、コニーダー、二軸ローター付の連続混練機、押出機等の混和機を用いた溶融混練方法が挙げられる。押出機としては、単軸又は二軸の押出機のいずれを用いることもできる。
成分(a)がゴムである場合、本発明のナノ物質含有組成物の成形体は、成形することにより得られる。本発明のナノ物質含有組成物の成形には、例えば射出成形、射出圧縮成形、押出成形、ブロー成形、インフレーション成形、真空成形、プレス成形等の方法を用いることができる。
成分(a)がゴムである場合、本発明のナノ物質含有組成物の成形体は、ナノ物質含有組成物に架橋剤(加硫剤)を含有させて、架橋とともに成形(架橋成形)されたものであってよい。架橋成形されてなる成形体は、通常100~200℃に加熱する工程により得られる。架橋時間は温度により異なるが、通常0.5~300分の間である。架橋成形の方法としては、金型による圧縮成形(プレス架橋ともいう)、射出成形、スチーム缶、エアーバス、赤外線或いはマイクロウェーブによる加熱等任意の方法を用いることができる。
成分(a)がゴムである場合、本発明のナノ物質含有組成物の成形体は、ナノ物質含有組成物に光反応開始剤、架橋助剤を含有させて、成形時、又は成形後に、紫外線などの活性エネルギー線を照射することによって架橋反応をさせることができる。紫外線による場合では、キセノンランプ、水銀ランプ、高圧水銀ランプおよびメタルハライドランプを用いることができ、例えば、高圧水銀ランプを光源とするUV照射機にて積算露光量1~10000mJ/cm2照射することによって行うことができる。
本発明のナノ物質含有組成物の特性
本発明のナノ物質含有組成物は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、及びゴムからなる群より選択される少なくとも1種である成分(a)と、反応性官能基を有する化合物(b)と、ナノ物質(c)とを含有することを特徴としており、本発明の熱可塑性樹脂やゴムを含む場合には耐熱性に優れ、熱硬化性樹脂を含む場合には高い靱性を備えるナノ物質含有組成物を提供する。
さらに、本発明のナノ物質含有組成物は、成分(a)と、反応性官能基を有する化合物(b)と、ナノ物質(c)とを同時に含んでいることに起因して、本発明のナノ物質含有組成物から得られる成形体の体積抵抗値が好適に低減されている。
本発明のナノ物質含有組成物の成形体の体積抵抗値としては、特に制限されないが、例えば成分(a)が熱可塑性樹脂である場合であれば、好ましく1015Ω・cm以下、より好ましくは1014Ω・cm以下が挙げられ、例えば成分(a)が熱硬化性樹脂である場合であれば、好ましくは1015Ω・cm以下、より好ましくは1014Ω・cm以下が挙げられ、例えば成分(a)がゴムである場合であれば、好ましくは1015Ω・cm以下、より好ましくは1014Ω・cm以下が挙げられる。なお、体積抵抗値の下限値としては、例えば、108Ω・cm程度である。
本発明のナノ物質含有組成物の特に好ましい組成の例示
前記の通り、本発明のナノ物質含有組成物は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、及びゴムからなる群より選択される少なくとも1種である成分(a)と、反応性官能基を有する化合物(b)と、ナノ物質(c)とを含有することを特徴としており、熱可塑性樹脂やゴムを含む場合には耐熱性に優れ、熱硬化性樹脂を含む場合には高い靱性を発揮し、さらに、体積抵抗値が好適に低減されるという優れた特性を発揮する。このような優れた特性を発揮するナノ物質含有組成物の中でも、特に好ましい組成を以下に例示する。
成分(a)がポリプロピレン樹脂及びポリカーボネート樹脂から成る群から選択される熱可塑性樹脂、イソフタル酸ジアリルプレポリマー、エポキシ樹脂から成る群から選択される熱硬化性樹脂、又はポリエーテルゴムから選択されるゴムを含み、反応性官能基を有する化合物(b)として、フタル酸ジアリル等のアリル基を有する化合物、前記の酸無水物、又は前記のメルカプト基を有する化合物を含み、ナノ物質(c)としてカーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン、カーボンナノコーン、又はグラフェンを含むナノ物質含有組成物が挙げられる。
特に、成分(a)を100質量部として、反応性官能基を有する化合物(b)の割合が、フタル酸ジアリル等のアリル基を有する化合物、前記のメルカプト基を有する化合物である場合には、0.5~10質量部程度、前記の酸無水物である場合には、80~100質量部程度であることが特に好ましい。
また、成分(a)を100質量部として、ナノ物質(c)が0.005~0.1質量部程度であることが特に好ましい。
さらに具体的には、特に好ましい組成として、例えば下記の組成が挙げられる。
成分(a)が熱可塑性樹脂である場合であれば、特に好ましい組成としては、例えば、成分(a)としてポリプロピレン樹脂及びポリカーボネート樹脂の少なくとも一方を含み、反応性官能基を有する化合物(b)としてイソフタル酸ジアリルを含み、ナノ物質(c)としてカーボンナノチューブを含むナノ物質含有組成物が挙げられる。当該ナノ物質含有組成物においては、特に、成分(a)を100質量部として、反応性官能基を有する化合物(b)の割合が0.5~8質量部程度、ナノ物質(c)が0.005~0.1質量部程度であることが特に好ましい。
成分(a)が熱硬化性樹脂である場合であれば、特に好ましい組成としては、例えば、成分(a)としてイソフタル酸ジアリルプレポリマー(硬化剤として、前記の過酸化物系硬化剤を用いることが好ましい)を含み、反応性官能基を有する化合物(b)としてイソフタル酸ジアリルを含み、ナノ物質(c)としてカーボンナノチューブを含むナノ物質含有組成物が挙げられる。当該ナノ物質含有組成物においては、特に、成分(a)を100質量部(過酸化物系硬化剤は、0.5~5質量部程度)として、反応性官能基を有する化合物(b)の割合が0.5~15質量部程度、ナノ物質(c)が0.005~0.1質量部程度であることが特に好ましい。
また、成分(a)が熱硬化性樹脂である場合について、特に好ましい他の組成としては、例えば、成分(a)としてエポキシ樹脂を含み、反応性官能基を有する化合物(b)として前記の酸無水物を含み、ナノ物質(c)としてカーボンナノチューブを含むナノ物質含有組成物が挙げられる。当該ナノ物質含有組成物においては、特に、成分(a)を100質量部として、反応性官能基を有する化合物(b)の割合が80~100質量部程度、ナノ物質(c)が0.001~0.1質量部程度であることが特に好ましい。
成分(a)がゴムである場合であれば、特に好ましい組成としては、例えば、成分(a)としてポリエーテル共重合体(架橋剤を用いることが好ましい)を含み、反応性官能基を有する化合物(b)としてイソフタル酸ジアリルを含み、ナノ物質(c)としてカーボンナノチューブを含むナノ物質含有組成物が挙げられる。当該ナノ物質含有組成物においては、特に、成分(a)を100質量部(架橋剤は、0.5~3質量部程度)として、反応性官能基を有する化合物(b)の割合が0.5~10質量部程度、ナノ物質(c)が0.005~0.1質量部程度であることが特に好ましい。
また、成分(a)がゴムである場合について、特に好ましい他の組成としては、例えば、成分(a)としてEO/EB/AGEの3元系ポリマーを含み、反応性官能基を有する化合物(b)として前記のメルカプト基を有する化合物を含み、ナノ物質(c)としてカーボンナノチューブを含むナノ物質含有組成物が挙げられる。当該ナノ物質含有組成物においては、特に、成分(a)を100質量部として、反応性官能基を有する化合物(b)の割合が0.5~10質量部程度、ナノ物質(c)が0.005~0.1質量部程度であることが特に好ましい。
以下、実施例により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例および比較例において、配合量は質量部を意味する。
1.成分(a)が熱可塑性樹脂である場合
実施例および比較例の各ナノ物質含有組成物の原料について、以下に記載した。
成分(a)
熱可塑性樹脂
a-1:ポリプロピレン樹脂 住友化学(株)製「ノーブレンH501」
a-2:ポリカーボネート樹脂 帝人(株)製「パンライト1225Y」
反応性官能基を有する化合物(b)
b:イソフタル酸ジアリル 大阪ソーダ製「ダイソーダップ100モノマー」
ナノ物質(c)
c-1: OCSIAL製「TUBALL」直径1.8nm
c-2:株式会社名城ナノカーボン製「MWNT」直径40nm
c-3:昭和電工株式会社製「VGCF-1」直径150nm
<ナノ物質含有組成物の調製および試験片の作製>
(実施例1~3および比較例1)
表1に示す各成分を同表に示す割合を準備し、二軸押出機(パーカーコーポレーション製「HK-25D」、L/D=41)を使用し、スクリュ-回転数150rpmにて押出機に供給して溶融混練することにより、ナノ物質含有組成物のペレット(樹脂成形体)を作製した。シリンダー温度は、使用する樹脂により変更した。(a-1:180℃、a-2:250℃)
<評価方法>
(耐熱性)
上記で作成したペレット約10mgを、TG/DTA測定装置[型番「EXSTAR6000」、エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製]によりJIS K7120に準拠して窒素雰囲気下、昇温速度10℃/minでの熱減量開始温度T1(℃)を測定し、同様に、二軸混練押出機に投入前のペレットの熱減量開始温度T0(℃)を測定し、温度差(△T=T1-T0)を表1に示す。温度差(△T)が高い方が耐熱性に優れる。尚、比較例2、3については、測定を行わなかった。
Figure 0007092118000004
表1に示されるように、成分(a)が熱可塑性樹脂である場合、本発明のナノ物質含有組成物から作製される成形体は、耐熱性に優れていることが分かった。
2.成分(a)が熱硬化性樹脂である場合
表2に示す配合で各材料を、9インチロールを用いて80℃で混練し、ナノ物質含有組成物を得た。得られたナノ物質含有組成物を直径10mmの円盤状金型を用いて、プレス(70t)加工を行い、成形体を得た。得られた成形体を切削加工により試験片を得た。
Figure 0007092118000005
単位:質量部
*1 イソフタル酸ジアリルプレポリマー 株式会社大阪ソーダ製 「ダイソーイソダップ」
*2 イソフタル酸ジアリル 株式会社大阪ソーダ製 「DAP100モノマー」
*3 ナノ物質(カーボンナノチューブ) 株式会社名城ナノカーボン製 「e-DIP S EC2.0」粒径2.4nm
<曲げ強度測定>
得られた比較例4、実施例5の成形体は株式会社東洋精機製作所製「STROGRAPH W」を用い、JISK7171に準じて、曲げ強度を測定した。結果を表3に示す。
Figure 0007092118000006
比較例4に対して、実施例5は、曲げ強度を向上させることが示されている。
3.成分(a)がゴムである場合
<重合体の分析>
下記の実施例・比較例で得られたポリエーテル重合体の共重合組成は、ポリエーテル重合体を重クロロホルムに溶解し、1H-NMRにより各ユニットの積分値を求め、その算出結果から組成比を求めた。装置としては、日本電子株式会社製のJNM GSX-270型を用いた。
実施例・比較例で得られたポリエーテル重合体の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって、以下の方法により求めた。
装置:株式会社島津製作所製GPCシステム
カラム:昭和電工株式会社製Shodex KD-807、KD-806M、KD-806、KD-803
検出器:示差屈折計
溶媒:ジメチルホルムアミド(リチウムブロマイド1mmol/L)
流速:1mL/min
カラム温度:60℃
分子量標準物質:昭和電工株式会社製標準ポリスチレン
<重合用触媒の製造>
重合用触媒の製造攪拌機、温度計、及びコンデンサーを備えた三つ口フラスコにトリブチル錫クロライド10g、及びトリブチルフォスフェート35gを投入し、窒素気流下に攪拌しながら250℃で20分間加熱して留出物を留去させ、残留物として室温で固体状の縮合物を得た。以降これを重合用触媒として使用した(以下、縮合物触媒と記載する。)。
<ポリマー合成例>
内容量10Lのジャケット付きステンレス製反応器の内部を窒素置換し、上記縮合物触媒10g、1,2-ブチレンオキサイド480g、メタクリル酸グリシジル(GMAとも記載する)126g、及び溶媒としてノルマルヘキサン3750gを仕込み、エチレンオキサイド(EOとも記載する)644gは1,2-ブチレンオキサイドの重合率をガスクロマトグラフィーで追跡しながら、逐次添加した。反応温度を28℃に維持したまま8時間後にメタノール16gを加えて重合反応を停止した。デカンテーションにより粒子状の重合体を取り出した後、減圧下、40℃で8時間乾燥してポリエーテル共重合体806gを得た。得られたポリエーテル共重合体の共重合組成は、エチレンオキサイド由来の構成単位68モル%、1,2-ブチレンオキサイド由来の構成単位28モル%、メタクリル酸グリシジル由来の構成単位4モル%であった。得られたポリエーテル共重合体の重量平均分子量は190万であった。
表4に示す配合で各材料を、ニーダーを用いて混練し、組成物を得た。実施例6、比較例5の組成物を金型の上に敷き詰め、160℃に温度設定した真空加熱プレス機で2分間プレスすることにより、0.5mm厚のポリマーシートを成形し、高圧水銀ランプを光源とするUV照射機にて500mJ/cm2照射し架橋シート(成形体)を得た。
<評価方法>
(1)耐熱性:
上記で作成したシート約10mgを、TG/DTA測定装置[型番「EXSTAR6000」、エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製]によりJIS K7120に準拠して窒素雰囲気下、昇温速度10℃/minでの50%加熱減量温度(℃)を測定した結果を表4に示す。温度が高い方が耐熱性に優れる。
Figure 0007092118000007
単位:質量部(配合材料)
*1 ポリマー合成例で作製されたポリエーテル共重合体
*2 株式会社大阪ソーダ製 「DAP100モノマー」
*3 株式会社名城ナノカーボン製 「e-DIPS EC2.0」粒径2.4nm
*4 BASF社製「イルガキュア907」
表4に示されるように実施例6の成形体は、比較例5の成形体に対して、50%加熱減量温度(℃)が高く、耐熱性に優れる。
4.体積抵抗値の評価
(1)成分(a)が熱可塑性樹脂である場合
実施例および、比較例の組成物の原料について、以下に記載した。
成分(a)
熱可塑性樹脂 ポリカーボネート樹脂 帝人製「パンライト1225Y」
反応性官能基を有する化合物(b)
イソフタル酸ジアリル 大阪ソーダ製「ダイソーダップ100モノマー」
ナノ物質(c)
カーボンナノチューブ 名城ナノカーボン製「eDIPS2.0」
その他
カーボンブラック ライオン製「ケッチェンブラックEC」
<ナノ物質含有組成物の調製および試験片の作製>
(実施例7,8及び比較例6~8)
ベント付き二軸押出機のホッパーに表1に示す配合にて各原料を投入しナノ物質含有組成物を得た。上記ナノ物質含有組成物を射出成形機(型番「FNX80III-9A型」、日精樹脂工業株式会社)を用い、シリンダー温度250℃、金型温度70℃の条件で試験片を成形した。尚、配合組成の単位は質量部とする。
<体積抵抗値の測定>
実施例7,8及び比較例6~8の配合で射出した1mm厚、40mm角の成形体に対し、露点-50℃に調整されたドライブースにおいて48時間状態調節後、試験片を静置し成形体を乾燥した。
<測定>
乾燥させた実施例7,8及び比較例6~8の各試験片に対して、温度23℃、湿度50%RH(以下「23℃×50%RH」または「23℃50%」と示すことがある)に調整した恒温恒湿槽内で48時間状態調節し、同恒温恒湿槽内で体積抵抗値の測定を行った。測定は、絶縁抵抗計(三菱化学株式会社製、ハイレスタUX MCP-HT800)を用いて、100~1000ボルトの電圧を印加し、1分後の抵抗値を読み取り体積抵抗値を算出した。測定結果は表5に記載した。
Figure 0007092118000008
(2)成分(a)が熱硬化性樹脂である場合
実施例および、比較例の組成物の原料について、以下に記載した。
成分(a)
熱硬化性樹脂 エポキシ樹脂 ジャパンエポキシレジン製「JER828」
反応性官能基を有する化合物(b)
4-メチルヘキサヒドロ無水フタル酸/ヘキサヒドロフタル酸=70/30 新日本理化製「リカシッド MH-700」
ナノ物質(c)
カーボンナノチューブ 名城ナノカーボン製「eDIPS2.0」粒径2.4nm
その他
カーボンブラック ライオン製「ケッチェンブランクEC」粒径400nm
<ナノ物質含有組成物の調製および試験片の作製>
(実施例9,10および比較例9~11)
表6に示す配合にて各原料とトリスジメチルアミノフェノールをエポキシ樹脂100部に対して、0.25部を加え混合しナノ物質含有組成物を得た。上記ナノ物質含有組成物を金型に流し込み、温度150℃のオーブンに15時間静置し、試験片を成形した。尚、配合組成の単位は質量部とする。
<体積抵抗値の測定>
実施例9,10および比較例9~11の配合で射出した2mm厚、50mm角の成形体に対し、露点-50℃に調整されたドライブースにおいて48時間状態調節後、試験片を静置し成形体を乾燥した。
<測定>
乾燥させた実施例9,10および比較例9~11の各試験片に対して、温度23℃、湿度50%RH(以下「23℃×50%RH」または「23℃50%」と示すことがある)に調整した恒温恒湿槽内で48時間状態調節し、同恒温恒湿槽内で体積抵抗値の測定を行った。測定は、絶縁抵抗計(三菱化学株式会社製、ハイレスタUX MCP-HT800)を用いて、100~1000ボルトの電圧を印加し、1分後の抵抗値を読み取り体積抵抗値を算出した。測定結果は表6に記載した。
Figure 0007092118000009
(3)成分(a)がゴムである場合
実施例および、比較例の組成物の原料について、以下に記載した。
成分(a)
後述のポリエーテル重合体2の合成例で作製されたポリエーテル共重合体
反応性官能基を有する化合物(b)
ペンタエリスリトール テトラキス (3-メルカプトブチレート) 昭和電工製「カレンズMT PE-1」
ナノ物質(c)
カーボンナノチューブ 名城ナノカーボン製「eDIPS2.0」粒径2.4nm
その他
カーボンブラック ライオン製「ケッチェンブラックEC」粒径400nm
<ナノ物質含有組成物の調製および試験片の作製>
(実施例11,12および比較例12~14)
表7に示す配合をメチルイソブチルケトンに固形分濃度10質量%になるように溶解し、光重合開始剤イルガキュア907(2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン)をポリエーテル共重合体100質量部に対して、1.0質量部加え均一な溶液を調製した。PETフィルム上に一定量の溶液を垂らした後、アプリケーターでコーティングし、メチルイソブチルケトンを蒸発させる事で均一な100μm膜厚のフィルムを作製した。高圧水銀ランプを光源とするUV照射機にて、表裏を100mJ/cm2照射し架橋フィルム(成形体)を得た。
<体積抵抗値の測定>
実施例11,12および比較例12~14の配合で射出した80μm厚、50mm角の成形体に対し、露点-50℃に調整されたドライブースにおいて48時間状態調節後、試験片を静置し成形体を乾燥した。
<測定>
乾燥させた実施例11,12および比較例12~14の各試験片に対して、温度23℃、湿度50%RH(以下「23℃×50%RH」または「23℃50%」と示すことがある)に調整した恒温恒湿槽内で48時間状態調節し、同恒温恒湿槽内で体積抵抗値の測定を行った。測定は、絶縁抵抗計(三菱化学株式会社製、ハイレスタUX MCP-HT800)を用いて、100~1000ボルトの電圧を印加し、1分後の抵抗値を読み取り体積抵抗値を算出した。測定結果は表7に記載した。
(上記ポリエーテル共重合体2の合成例)
内容量10Lのジャケット付きステンレス製反応器の内部を窒素置換し、上記縮合物触媒10g、1,2-エポキシブタン(EBとも記載する)1017g、アリルグリシジルエーテル56g、及び溶媒としてノルマルヘキサン3752gを仕込み、エチレンオキシド(EOとも記載する)80gは1,2-エポキシブタンの重合率をガスクロマトグラフィーで追跡しながら、逐次添加した。反応温度を28℃に維持したまま8時間後にメタノール16gを加えて重合反応を停止した。デカンテーションにより粒子状の重合体を取り出した後、減圧下、40℃で8時間乾燥してポリエーテル共重合体457gを得た。得られたポリエーテル共重合体の共重合組成は、エチレンオキシド由来の構成単位14モル%、1,2-エポキシブタン由来の構成単位82モル%、アリルグリシジルエーテル由来の構成単位4モル%であった。得られたポリエーテル共重合体の重量平均分子量は180万であった。
Figure 0007092118000010

Claims (7)

  1. 熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、及びゴムからなる群より選択される少なくとも1種である成分(a)と、
    反応性官能基を有する化合物(b)(但し、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、及びゴムを除く。)と、
    ナノ物質(c)と、
    を含有し、
    (i) 前記成分(a)が熱可塑性樹脂である場合、前記成分(a)100質量部に対して、前記反応性官能基を有する化合物(b)は0.5~8質量部であり、前記ナノ物質(c)は0.005~0.1質量部であり、
    (ii) 前記成分(a)が熱硬化性樹脂である場合、前記成分(a)100質量部に対して、前記反応性官能基を有する化合物(b)は80~100質量部であり、前記ナノ物質(c)は0.001~0.1質量部であり、
    (iii) 前記成分(a)がゴムである場合、前記成分(a)100質量部に対して、前記反応性官能基を有する化合物(b)は0.5~10質量部であり、前記ナノ物質(c)は0.005~0.1質量部であるナノ物質含有組成物。
  2. 反応性官能基を持つ化合物(b)が、ビニル基、アリル基、エポキシ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、(メタ)アクリロイル基、イソシアネート基、メルカプト基、及びシラノール基からなる群より選択される反応性官能基を少なくとも1つ以上有する化合物である、請求項1に記載のナノ物質含有組成物。
  3. 反応性官能基を有する化合物(b)が、常圧での沸点が100℃以上の化合物である、請求項1又は2に記載のナノ物質含有組成物。
  4. (c)ナノ物質が、炭素系ナノフィラー、有機系ナノフィラー、及び無機系ナノフィラーからなる群より選択される少なくとも1種のナノフィラーである、請求項1~3いずれかに記載のナノ物質含有組成物。
  5. 前記熱硬化性樹脂が、アリル系樹脂である、請求項1~4いずれかに記載のナノ物質含有組成物。
  6. 請求項1~5いずれかに記載のナノ物質含有組成物の硬化物。
  7. 請求項1~5のいずれかに記載のナノ物質含有組成物から作製される成形体。
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