以下、添付図面を参照しながら本実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
本実施形態では、自車両電源の異常を検出して他車両に報知する場合と、報知を受けて更に他の車両や人に他車両の異常発生を周知する場合と、に分けて説明する。説明の便宜上、2つの場合に分けて説明するが、当然ながら単一の車両に双方の機能が備わっていることを妨げるものではない。
図1を参照しながら、自車両電源の異常を検出して他車両に報知する場合について説明する。図1に示される自動運転システム2は、電源ECU(Electronic Control Unit)10と、通信ECU20と、バッテリ50と、バッテリ温度センサ51と、冷却装置52と、昇温装置53と、電流センサ54と、電圧センサ55と、バッテリ蓄電量検出装置56と、自動運転ECU57と、EFI(Electronic Fuel Injection)-ECU58と、始動機59と、オルタネータ60と、内燃機関61と、水温・油温センサ62と、昇温装置63と、冷却装置64と、トランスミッション油温センサ65と、外気温センサ66と、カメラ67と、レーザ68と、レーダ69と、EPS(Electric Power Steering)70と、ECB(Electronically Controlled Break System)71と、通信機器72と、GPS(Global Positioning System)受信機73と、を備えている。
バッテリ50は、自動運転システム2が搭載されている自車両の駆動装置や通信装置に駆動電力を供給する自車両電源である。バッテリ温度センサ51は、バッテリ50の温度を測定するためのセンサである。冷却装置52は、バッテリ50の温度が上がりすぎた場合に冷却するための装置である。昇温装置53は、バッテリ50の温度が下がりすぎた場合に昇温するための装置である。電流センサ54は、バッテリ50から流れる電流を測定するためのセンサである。電圧センサ55は、バッテリ50の供給電圧を測定するためのセンサである。バッテリ蓄電量検出装置56は、バッテリ50の蓄電量を検出するための装置である。
始動機59は、内燃機関61を始動するためのモータである。オルタネータ60は、内燃機関61の回転を動力源として利用し発電する発電機である。内燃機関61は、自車両の駆動力を発生させる駆動装置である。水温・油温センサ62は、内燃機関61内の水温及び油温を測定するためのセンサである。昇温装置63は、内燃機関61の触媒を昇温させるための装置である。冷却装置64は、内燃機関61内を流れる冷却水を冷却するための装置である。トランスミッション油温センサ65は、トランスミッション内の油温を測定するためのセンサである。外気温センサ66は、自車両周辺の外気温度を測定するためのセンサである。
カメラ67は、自車両周辺の状況を撮像するための撮像装置である。レーザ68は、自車両周辺の被測定物との距離を測定するための装置である。レーダ69は、自車両周辺の被測定物を検出するための装置である。
EPS70は、電動力を用いて操舵装置を作動させる電動パワーステアリングである。ECB71は、電子制御で制動装置を作動させる電子制御ブレーキである。
通信機器72は、他車両や管理サーバと通信を行うための機器である。GPS受信機73は、GPS衛星から送信されるGPS信号を受信するための機器である。
自動運転ECU57は、自動運転を行うための電子制御装置である。自動運転ECU57は、カメラ67、レーザ68、レーダ69、通信機器72、及びGPS受信機73から出力される信号や情報を受け入れる。自動運転ECU57は、受け入れた信号や情報に基づいて自動運転制御を実行する。自動運転ECU57は、EFI-ECU58、EPS70、及びECB71に対して、自動運転のための制御指示を出力する。
EFI-ECU58は、内燃機関61の燃料噴射を制御するための電子制御装置である。EFI-ECU58は、水温・油温センサ62、トランスミッション油温センサ65、及び外気温センサ66から出力される信号を受け入れる。EFI-ECU58は、受け入れた信号に基づいて燃料噴射制御を実行する。EFI-ECU58は、内燃機関61、昇温装置63、及び冷却装置64に対して、燃料噴射のための制御指示を出力する。
電源ECU10は、自車両電源としてのバッテリ50を制御し、バッテリ50の状態を監視するための電子制御装置である。電源ECU10は、ハードウェア的な構成要素として、CPU(Central Processing Unit)といった演算部、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)といった記憶部、データの授受を行うためのインターフェイス部を備えるコンピュータとして構成されている。続いて、電源ECU10の機能的な構成要素について説明する。
電源ECU10は、機能的な構成要素として、自車両状態検出部101と、自車両状態予測部102と、仮故障回数記憶部103と、を備えている。
自車両状態検出部101は、自車両の駆動装置や通信装置に駆動電力を供給する自車両電源であるバッテリ50の状態を検出する部分である。自車両状態検出部101、バッテリ温度センサ51、電流センサ54、電圧センサ55、及びバッテリ蓄電量検出装置56から出力される信号や情報に基づいて、バッテリ50の状態を検出する。自車両状態検出部101は、検出したバッテリ50の状態が異常を示すものであれば、仮故障回数記憶部103にその情報を記憶させる。
自車両状態予測部102は、自車両状態検出部101の検出結果に基づいて、自車両における自動運転の継続状態を予測する。自車両状態予測部102は、仮故障回数記憶部103にバッテリ50の異常検出が記憶されていれば、バッテリ50が「注意」状態にあると判断する。自車両状態検出部101は、記憶されているバッテリ50の異常検出回数が所定回数を超えていれば、バッテリ50が「警報」状態にあると判断する。自車両状態予測部102は、判断結果を自車両状態の予測情報として通信ECU20に出力する。自車両状態の予測情報とは、自車両における自動運転の継続状態を予測する情報である。
仮故障回数記憶部103は、自車両状態検出部101が検出するバッテリ50の状態が異常値を示すものである場合に、その情報を記憶する部分である。
通信ECU20は、通信機器72を制御し、他の車両や管理サーバと通信を行うための電子制御装置である。通信ECU20は、ハードウェア的な構成要素として、CPU(Central Processing Unit)といった演算部、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)といった記憶部、データの授受を行うためのインターフェイス部を備えるコンピュータとして構成されている。続いて、通信ECU20の機能的な構成要素について説明する。
通信ECU20は、機能的な構成要素として、自車両状態報知部201と、固定ID記憶メモリ202と、管理ID取得装置203と、を備えている。
自車両状態報知部201は、自車両状態予測部102の予測結果を報知情報として他車両に対して報知する部分である。
固定ID記憶メモリ202は、車両ごとに固定されている固定識別情報を記憶する部分である。
管理ID取得装置203は、固定識別情報と関連付けられて配布される管理識別情報を取得する装置である。
上記説明したように、本実施形態の電源ECU10及び通信ECU20は、本開示の異常対応装置に相当し、自動運転車両に設けられるものである。異常対応装置としての電源ECU10及び通信ECU20は、自車両の駆動装置や通信装置に駆動電力を供給する自車両電源であるバッテリ50の状態を検出する自車両状態検出部101と、自車両状態検出部101の検出結果に基づいて、自車両における自動運転の継続状態を予測する自車両状態予測部102と、自車両状態予測部102の予測結果を報知情報として他車両に対して報知する自車両状態報知部201と、を備える。
自車両電源であるバッテリ50の状態に基づいて自動運転の継続状態を予測するので、バッテリ50の異常が進行しその機能が喪失されてしまう前に自動運転の継続状態を予測することができる。この予測結果を報知情報として周囲の車両に報知することができるので、バッテリ50の機能が完全に喪失してしまう前に異常報知することができる。報知情報としては、電源の状態が要注意状態である、電源の状態が要注意状態を超えて要警戒状態である、電源の状態が電源失陥状態であるというように、段階をつけて報知することができる。このような報知情報とすることで、自動運転の継続状態を予測したものと同様の情報を提供することができる。
本実施形態において、自車両状態報知部201は、他車両に対して、自車両の自動運転機能の継続状態を予測した予測状態情報、自車両を識別するための識別情報、自車両の位置を特定するための位置情報、及び時刻情報を含む信号を所定間隔で送信することができる。
自車両状態報知部201が他車両に対して、状態情報、識別情報、位置情報、及び時刻情報を含む信号を所定間隔で送信することで、他車両は自動運転機能に異常が発生している車両を特定し、適切な回避動作を行うことができる。
本実施形態において、識別情報には、車両ごとに固定されている固定識別情報と、固定識別情報と関連付けられて配布される管理識別情報とを含むことができる。
固定識別情報と管理識別情報とを用いることで、情報の確からしさを確認することができる。例えば、管理識別情報をサーバに確認して、固定識別情報との整合性をチェックすることができる。
図2を参照しながら、報知を受けて更に他の車両や人に他車両の異常発生を周知する場合について説明する。図2に示される自動運転システム2Aは、電源ECU10と、通信ECU20と、バッテリ50と、バッテリ温度センサ51と、冷却装置52と、昇温装置53と、電流センサ54と、電圧センサ55と、バッテリ蓄電量検出装置56と、自動運転ECU57と、EFI-ECU58と、始動機59と、オルタネータ60と、内燃機関61と、水温・油温センサ62と、昇温装置63と、冷却装置64と、トランスミッション油温センサ65と、外気温センサ66と、カメラ67と、レーザ68と、レーダ69と、EPS70と、ECB71と、通信機器72と、GPS受信機73と、異常対応装置30と、灯火設備の制御装置74と、灯火設備75と、警告音の制御装置76と、警告設備77と、前方車両機能判定装置78と、を備えている。
電源ECU10、バッテリ50、バッテリ温度センサ51、冷却装置52、昇温装置53、電流センサ54、電圧センサ55、バッテリ蓄電量検出装置56、自動運転ECU57、EFI-ECU58、始動機59、オルタネータ60、内燃機関61、水温・油温センサ62、昇温装置63、冷却装置64、トランスミッション油温センサ65、外気温センサ66、カメラ67、レーザ68、レーダ69、EPS70、ECB71、通信機器72、及びGPS受信機については、図1を参照しながら説明したものと同様であるので説明を省略する。
通信ECU20は、機能的な構成要素として、ID整合確認装置204と、固定ID記憶メモリ202と、管理ID取得装置203と、を備えている。図2には明示していないが、図1と同様に、自車両状態報知部201を備えていてもよい。
ID整合確認装置204は、固定ID記憶メモリ202に格納されている固定識別情報と、管理ID取得装置203が取得した管理識別情報との整合性を確認する部分である。
異常対応装置30は、灯火設備の制御装置74や警告音の制御装置76に指示情報を出力し、周辺に存在する車両や人に対して他車両の異常発生を知らせるための電子制御装置である。異常対応装置30は、ハードウェア的な構成要素として、CPU(Central Processing Unit)といった演算部、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)といった記憶部、データの授受を行うためのインターフェイス部を備えるコンピュータとして構成されている。続いて、異常対応装置30の機能的な構成要素について説明する。
異常対応装置30は、機能的な構成要素として、他車両状態取得部301と、他車両状態判断部302と、他車両状態報知部303と、失陥車両IDメモリ304と、警報車両IDメモリ305と、注意車両IDメモリ306と、整合IDメモリ307と、再配布フラグメモリ308と、を備えている。
他車両状態取得部301は、他車両の駆動装置や通信装置に駆動電力を供給する他車両電源の状態を報知する報知情報を取得する部分である。
他車両状態判断部302は、報知情報の報知内容又は報知情報の取得状況に基づいて、他車両電源に異常が発生しているか否かを判断する部分である。
他車両状態報知部303は、他車両状態判断部の判断結果に基づいて、周辺に存在する車両や人に対して前記他車両の自動運転機能に異常が発生していることを報知する部分である。他車両状態報知部303は、灯火設備の制御装置74及び/又は警告音の制御装置76に、灯火指示情報や警告指示情報を出力する。
失陥車両IDメモリ304は、報知情報に固定識別情報が含まれており、失陥状態であるとの情報と関連付けられている場合に、その固定識別情報を格納する部分である。警報車両IDメモリ305は、報知情報に固定識別情報が含まれており、警報状態であるとの情報と関連付けられている場合に、その固定識別情報を格納する部分である。注意車両IDメモリ306は、報知情報に固定識別情報が含まれており、警報状態であるとの情報と関連付けられている場合に、その固定識別情報を格納する部分である。
整合IDメモリ307は、ID整合確認装置204が整合性を確認した個別識別情報及び管理識別情報を格納する部分である。再配布フラグメモリ308は、再配布するためのフラグを格納する部分である。
灯火設備の制御装置74は、他車両状態報知部303からの指示を受けて、灯火設備75の灯火態様を制御する装置である。灯火設備75は、灯火設備の制御装置74からの制御信号に基づいて、灯火態様を変更する。
警告音の制御装置76は、他車両状態報知部303からの指示を受けて、警告設備77の警告態様を制御する装置である。警告設備77は、警告設備の制御装置76からの制御信号に基づいて、警告態様を変更する。
前方車両機能判定装置78は、前方を走行する車両が自動運転機能を有しているか否かを判定する装置である。前方車両機能判定装置78は、前方を走行する車両の灯火やナンバープレートの表示に基づいて、その車両が自動運転機能を有しているか否かを判定する。
上記説明したように、本実施形態における異常対応装置30は、車両に設けられる異常対応装置であって、他車両の駆動装置や通信装置に駆動電力を供給する他車両電源の状態を報知する報知情報を取得する他車両状態取得部301と、報知情報の報知内容又は報知情報の取得状況に基づいて、他車両電源に異常が発生しているか否かを判断する他車両状態判断部302と、他車両状態判断部302の判断結果に基づいて、周辺に存在する車両や人に対して他車両の自動運転機能に異常が発生していることを報知する他車両状態報知部303と、を備える。
報知情報の報知内容又は報知情報の取得状況に基づいて、他車両状態判断部302が他車両電源の機能が喪失されているか否かを判断するので、他車両が報知情報を的確に発信している場合はもとより、他車両が報知情報を的確に発信できない状況に陥った場合であっても、他車両電源の状態を的確に判断することができる。この判断結果に基づいて、他車両状態報知部303が他車両に代わって周囲の車両や人に異常発生を報知することができるので、周囲の車両や人に対して安全確保行動を促すことができる。尚、周囲の車両や人に異常発生を報知するにあたっては、様々な報知態様を用いることができる。例えば、通信手段を用いて周囲の車両に搭載されている情報通信端末に情報を送信してもよく、周囲の人が持っている情報通信端末に情報を送信してもよい。また、通信手段を利用せずに、周囲の車両の運転者や周囲の歩行者の視覚や聴覚に直接訴えるように、音や光で報知してもよい。
本実施形態において、他車両状態判断部302は、他車両状態取得部301が報知情報を取得してから所定時間以上経過しても次の報知情報を取得できない場合に、他車両電源の機能が喪失されていると判断することができる。
他車両電源の機能が喪失されると、新たな報知情報を発信することができず、他車両状態取得部301は新たな報知情報を取得することができない。そこで、報知情報の取得間隔が所定時間を上回った場合に他車両電源の機能が喪失されていると判断することで、他車両が新たな報知情報を発信することができないような状態に陥った場合でも、他車両の自動運転機能に異常が発生していると判断することができる。
本実施形態において、他車両状態判断部302は、報知情報が他車両の自動運転機能の継続状態が正常でないことを示す場合であって、他車両状態取得部301が報知情報を取得してから所定時間以上経過しても次の報知情報を取得できない場合に、他車両電源の機能が喪失されていると判断することができる。
他車両の自動運転機能の継続状態が正常でない場合は、他車両電源の機能が喪失される可能性が高まるので、報知情報が途絶えたことを条件として他車両電源の機能が喪失されていると判断することで、他車両が新たな報知情報を発信することができないような状態に陥った場合でも、他車両の自動運転機能に異常が発生していると判断することができる。
本実施形態において、他車両状態判断部302は、他車両が自動運転機能及び車車間通信機能を有しており、他車両から報知情報を取得できない場合に、他車両電源の機能が喪失されていると判断することができる。
他車両が自動運転機能及び車車間通信機能を有していれば、報知情報を的確に発信できる機能を有していると判断できるので、そのような機能を有している他車両から報知情報が取得できなければ、他車両が報知情報を的確に発信できない状況に陥っていると判断できる。他車両が報知情報を的確に発信できない状態は、他車両電源の機能が喪失されていると判断する方が安全に対処できるので、他車両状態報知部303が他車両に代わって周囲の車両や人に異常発生を報知する。
本実施形態において、他車両状態報知部303が、周辺に存在する車両や人に対して他車両の自動運転機能に異常が発生していることを視覚又は聴覚を利用して報知する際に、自車両が他車両を追い越すタイミングで視覚又は聴覚への訴求態様を変更することができる。
他車両の自動運転機能に異常が発生していることを、周辺に存在する車両や人に報知する際に、通信機能を経由しない手法として視覚や聴覚を利用して報知することができる。自車両が他車両を追い越すタイミングで視覚又は聴覚への訴求方法を変更することで、どの車両に異常が発生しているかを的確に伝えることができる。訴求方法の変更としては、灯火設備75又は警告設備77の作動を停止することや、灯火設備75による灯火パターンや警告設備77による警告音パターンの変更が用いられる。
本実施形態において、他車両状態報知部303が、周辺に存在する車両や人に対して他車両の自動運転機能に異常が発生していることを視覚又は聴覚を利用して報知する際に、自車両と他車両との距離に応じて視覚又は聴覚への訴求態様を変更することができる。
他車両の自動運転機能に異常が発生していることを、周辺に存在する車両や人に報知する際に、通信機能を経由しない手法として視覚や聴覚を利用して報知することができる。自車両と他車両との距離に応じて視覚又は聴覚への訴求態様を変更することで、異常が発生している他車両の位置を特定しやすくすることができる。
本実施形態において、他車両状態報知部303は、自車両と他車両との距離が近いほど灯火パターン又は警告音パターンの発生間隔を狭めることができる。
灯火パターン又は警告音パターンの発生間隔が狭いほうが緊急性を訴求することができるので、自車両と他車両との距離が近いほど灯火パターン又は警告音パターンの発生間隔を狭めることで、周辺に存在する車両や人に対してより危険性が高いことを知らせることができる。
本実施形態において、他車両状態報知部303は、他車両電源の状態に応じて、視覚又は聴覚への訴求態様を変更することができる。他車両電源の状態を視覚又は聴覚を通して伝えることができる。
本実施形態において、他車両状態報知部303は、他車両が自車両から所定距離以上離れている場合に周辺に存在する車両や人に対して報知しないようにすることができる。
他車両が自車両から所定距離以上離れている場合、周辺に存在する車両や人に対して他車両に関する報知を行っても有用な情報提供とはならない場合がある。そこで、他車両が自車両から所定距離以上離れている場合に周辺に存在する車両や人に対して報知しないことで、不要な情報を提供せずに他の重要な情報提供を優先させることができる。
本実施形態において、他車両状態報知部303は、他車両が自車両の進行方向に存在しない場合に周辺に存在する車両や人に対して報知しないようにすることができる。
他車両が自車両の進行方向に存在しない場合、自車両が進行するに伴って他車両との距離が離れてしまい、周辺に存在する車両や人に対して他車両に関する報知を行っても有用な情報提供とはならない場合がある。そこで、他車両が自車両の進行方向に存在しない場合に周辺に存在する車両や人に対して報知しないことで、不要な情報を提供せずに他の重要な情報提供を優先させることができる。
本実施形態において、他車両状態取得部301が取得する報知情報には車両ごとに固定されている固定識別情報が含まれており、他車両状態報知部303は、固定識別情報と、固定識別情報と関連付けられて配布される管理識別情報とを照合し、固定識別情報と管理識別情報とが整合した場合に、周辺に存在する車両や人に対する報知を実行することができる。
他車両が発進する報知情報の確からしさを確認することができる。例えば、管理識別情報をサーバに確認して、固定識別情報との整合性をチェックすることができる。
本実施形態において、他車両状態報知部303は、固定識別情報と管理識別情報とを照合中の場合、周辺に存在する車両や人に対する報知を実行することができる。
例えば、管理識別情報を管理サーバに確認する場合、通信状況によっては時間を要する場合がある。そこで、固定識別情報と管理識別情報とを照合中の場合に、報知を実行することで安全サイドでの対応が可能となる。
本実施形態において、他車両状態判断部302は、他車両に対する監視解除情報を取得した場合に、判断対象から他車両を除外することができる。
監視対象から解除する条件を監視解除情報の取得と定めることで、他の車両の監視等にリソースを割くことができる。
本実施形態において、他車両状態判断部302は、他車両から報知情報を取得した後に所定の時間条件又は所定の走行距離条件を満たした場合に、判断対象から他車両を除外することができる。
監視対象から解除する条件を時間条件又は走行距離条件の充足と定めることで、他の車両の監視等にリソースを割くことができる。
本実施形態において、他車両状態報知部303は、異常が発生している車両に関する情報を管理サーバに送信することができる。
異常が発生している車両に関する情報を管理サーバに送信することで、異常が発生している車両に関する情報を管理サーバに集積することができ、必要に応じて情報発信することで周囲の車両や人に安全確保行動を要請することができる。
続いて、本実施形態の処理フローを説明する。以降の説明では説明の便宜上、図1を参照しながら説明した機能を少なくとも搭載し、報知情報の発信元となる車両を車両Aとし、図2を参照しながら説明した機能を少なくとも搭載し、報知情報の受信先となる車両を車両Bとして説明する。
図3は、車両Aの処理を示すフローチャートである。ステップS101では、管理ID取得装置203が管理サーバから自車両の管理識別情報(IDA2)を受け取り済みであるか否かを判断する。管理識別情報(IDA2)は、予め通信ECU20の固定ID記憶メモリ202に格納されている固定識別情報(IDA1)に対して、管理サーバにて紐付けて管理・設定されたIDである。管理サーバが配布する管理識別情報は、安全な運営上、1日といった所定時間単位で再設定される場合がある。車両は、イグニッションオン後や、運転の安全性・快適性に悪影響を及ぼさないタイミングで、管理サーバへ変更確認・再配布依頼等を行うことができる。
ステップS101において、管理サーバから自車両の管理識別情報(IDA2)を受け取り済みであると判断すると(ステップS101:YES)、ステップS102の処理に進む。ステップS101において、管理サーバから自車両の管理識別情報(IDA2)を受け取り済みではないと判断すると(ステップS101:NO)、ステップS103の処理に進む。
ステップS102では、管理ID取得装置203が、受け取り済みの管理識別情報を、IDA2に設定する。ステップS103では、処理1を実行する。ステップS103の処理が終了すると全ての処理を終了する。
処理1については、図4を参照しながら説明する。図4のステップS151では、処理2を実行する。処理2については、図5を参照しながら説明する。
図5のステップS201では、自車両状態検出部101が、バッテリ50の電池状態を検出する。電池状態の検出は、バッテリ温度センサ51、電流センサ54、電圧センサ55、及びバッテリ蓄電量検出装置56の少なくとも1つから出力される信号や情報に基づいて検出される。
ステップS201に続くステップS202では、自車両状態予測部102がバッテリ50の状態が正常か否かを判断する。バッテリ50の状態が正常である場合(ステップS202:YES)、ステップS203の処理に進む。バッテリ50の状態が正常ではない場合(ステップS202:NO)、仮故障回数記憶部103の仮故障カウンタをインクリメントし、ステップS204の処理に進む。
ステップS203では、自車両状態予測部102が、バッテリ50の電池状態RAM Stt_AD_Batt_Aを、正常(A=0)に設定する。
ステップS204では、自車両状態予測部102が、バッテリ50の状態が仮故障状態か確定故障状態かを判断する。自車両状態予測部102が仮故障回数記憶部103に格納されている情報を確認し、仮故障回数が確定故障判定回数を超えていなければ仮故障状態にあると判断し、仮故障回数が確定故障判定回数を超えていれば確定故障状態にあると判断する。
バッテリ50の状態が仮故障状態であれば(ステップS204:YES)、ステップS205の処理に進む。バッテリ50の状態が仮故障状態でなければ(ステップS204:NO)、ステップS206の処理に進む。
ステップS205では、自車両状態予測部102が、バッテリ50の電池状態RAM Stt_AD_Batt_Aを、注意(A=1)に設定する。ステップS206では、自車両状態予測部102が、バッテリ50の電池状態RAM Stt_AD_Batt_Aを、警報(A=2)に設定する。
ステップS203、ステップS205、ステップS206の処理が終了すると、処理2の処理を終了し、図4のステップS152の処理に進む。
図4のステップS152では、自車両状態報知部201が、GPS受信機73から出力される信号に基づいて、自車位置Pos_Gps_Aを取得する。ステップS152に続くステップS153では、自車両状態報知部201が、報知情報Taを作成する。報知情報Taには、固定識別情報(IDA1)、管理識別情報(IDA2)、電池状態情報(Stt_AD_Batt_A)、位置情報(Pos_Gps_A)を含ませることができる。
ステップS153に続くステップS154では、自車両状態報知部201が、通信機器72を利用し車車間通信といった通信手段を用いて報知情報Taを発信する。ステップS154の処理が終了すると、処理1の処理を終了する。
図6は、車両Bの処理を示すフローチャートである。ステップS251では、管理ID取得装置203が管理サーバから自車両の管理識別情報(IDB2)を受け取り済みであるか否かを判断する。管理識別情報(IDB2)は、予め通信ECU20の固定ID記憶メモリ202に格納されている固定識別情報(IDB1)に対して、管理サーバにて紐付けて管理・設定されたIDである。管理サーバが配布する管理識別情報は、安全な運営上、1日といった所定時間単位で再設定される場合がある。車両は、イグニッションオン後や、運転の安全性・快適性に悪影響を及ぼさないタイミングで、管理サーバへ変更確認・再配布依頼等を行うことができる。
ステップS251において、管理サーバから自車両の管理識別情報(IDB2)を受け取り済みであると判断すると(ステップS251:YES)、ステップS252の処理に進む。ステップS251において、管理サーバから自車両の管理識別情報(IDB2)を受け取り済みではないと判断すると(ステップS251:NO)、ステップS253の処理に進む。
ステップS252では、管理ID取得装置203が、受け取り済みの管理識別情報を、IDB2に設定する。ステップS253では、処理3を実行する。ステップS253の処理が終了すると全ての処理を終了する。
処理3については、図7を参照しながら説明する。図7のステップS301では、他車両状態取得部301が、通信機器72を利用して報知情報Taを受信する。ステップS301に続くステップS302では、他車両状態判断部302が報知情報Taを解読する。
ステップS302に続くステップS303では、他車両状態判断部302が報知情報Taに含まれている位置情報(Pos_Gps_A)を読み込む。ステップS303に続くステップS304では、GPS受信機73から出力される信号に基づいて、車両Bの自車位置Pos_Gps_Bを取得する。
ステップS304に続くステップS305では、他車両状態判断部302が、他車両である車両Aの位置情報(Pos_Gps_A)と、自車両である車両Bの位置情報(Pos_Gps_B)とに基づいて、車両Aと車両Bとの位置間距離DIFabを算出する。
ステップS305に続くステップS306では、他車両状態判断部302が、車両Aと車両Bとの位置間距離DIFabが予め定められている距離閾値THdif以下であるか否かを判断する。
車両Aと車両Bとの位置間距離DIFabが予め定められている距離閾値THdif以下である場合(ステップS306:YES)、ステップS307の処理に進む。車両Aと車両Bとの位置間距離DIFabが予め定められている距離閾値THdif以下でない場合(ステップS306:NO)、処理3を終了し、全体の処理を終了する。
ステップS307では、他車両状態判断部302が、報知情報Taに含まれている車両Aの固定識別情報(IDA1)、車両Aの管理識別情報(IDA2)を読み込む。ステップS307に続くステップS308では、他車両状態判断部302が、車両Aの固定識別情報(IDA1)及び車両Aの管理識別情報(IDA2)が、整合IDメモリ307に格納されている整合済リストと整合するか判断する。判断手法の一例としては、車両Bの整合IDメモリで逐次更新される整合リスト
(IDA1,IDA2,ChkFlgA),・・・,(IDC1,IDC2,ChkFlgC)
において、
Fmatch((IDA1,IDA2))=ChkFlgA
とする関数にて、整合を意味するChkFlgA=1となる場合である。
車両Aの固定識別情報(IDA1)及び車両Aの管理識別情報(IDA2)が、整合IDメモリ307に格納されている整合済リストと整合していれば(ステップS308:YES)、ステップS310の処理に進む。車両Aの固定識別情報(IDA1)及び車両Aの管理識別情報(IDA2)が、整合IDメモリ307に格納されている整合済リストと整合していなければ(ステップS308:NO)、ステップS309の処理に進む。
ステップS309では、処理4を実行する。処理4については、図8を参照しながら説明する。図8のステップS351では、他車両状態判断部302が、管理サーバへ車両Aの固定識別情報(IDA1)及び車両Aの管理識別情報(IDA2)の整合依頼を送信する。
ステップS351に続くステップS352では、他車両状態判断部302が、管理サーバからの応答があったか否かを判断する。管理サーバからの応答があれば(ステップS352:YES)、ステップS354の処理に進む。管理サーバからの応答がなければ(ステップS352:NO)、ステップS353の処理に進む。
ステップS353では、他車両状態報知部303が、車両Aの固定識別情報(IDA1)及び車両Aの管理識別情報(IDA2)を、再配布フラグメモリ308の配布実行リストに登録する。
ステップS354では、他車両状態判断部302が、管理サーバから送信されてきた固定識別情報(IDA1)及び車両Aの管理識別情報(IDA2)が整合するか否かを判断する。管理サーバから送信されてきた固定識別情報(IDA1)及び車両Aの管理識別情報(IDA2)が整合すると判断すると(ステップS354:YES)、ステップS355の処理に進む。管理サーバから送信されてきた固定識別情報(IDA1)及び車両Aの管理識別情報(IDA2)が整合しないと判断すると(ステップS354:NO)、ステップS356の処理に進む。
ステップS355では、他車両状態判断部302が、整合IDメモリ307において、Fmatch((IDA1,IDA2))=ChkFlgA=1とする。「1」は、整合性が取れていることを示している。ステップS355の処理が終了すると、ステップS353の処理に進む。
ステップS356では、他車両状態判断部302が、整合IDメモリ307において、Fmatch((IDA1,IDA2))=ChkFlgA=0とする。「0」は、整合性が取れていないことを示している。ステップS356の処理が終了すると、ステップS357の処理に進む。
ステップS357では、他車両状態判断部302が、固定識別情報(IDA1)及び車両Aの管理識別情報(IDA2)を、注意車両IDメモリ306に格納されているリスト、警報車両IDメモリ305に格納されているリスト、及び失陥車両IDメモリ304に格納されているリストから削除する。
ステップS357に続くステップS358では、他車両状態判断部302が、固定識別情報(IDA1)及び車両Aの管理識別情報(IDA2)を再配布フラグメモリ308に格納されているリストから削除する。
ステップS353の処理及びステップS358の処理が終了すると処理4を終了し、図7のステップS310の処理に進む。
ステップS310では、他車両状態報知部303が、固定識別情報(IDA1)及び車両Aの管理識別情報(IDA2)が再配布フラグメモリ308に格納されているリストにあるか否かを判断する。
固定識別情報(IDA1)及び車両Aの管理識別情報(IDA2)が再配布フラグメモリ308に格納されているリストにあれば(ステップS310:YES)、ステップS311の処理に進む。固定識別情報(IDA1)及び車両Aの管理識別情報(IDA2)が再配布フラグメモリ308に格納されているリストになければ(ステップS310:NO)、処理3を終了し、全体の処理も終了する。尚、ステップS305からステップS307の処理に代えて、自車両の進行方向に他車両が存在するか否かを判定し、進行方向に報知元の他車両が存在する場合のみにステップS307の処理を実行するようにしてもよい。
ステップS311では、処理5を実行する。処理5については、図9を参照しながら説明する。図9のステップS401では、他車両状態報知部303が報知情報Taを周囲に配信する。
ステップS401に続くステップS402では、他車両状態判断部302が、報知情報Taに含まれている電池状態情報(Stt_AD_Batt_A)を読み込む。
ステップS402に続くステップS403では、他車両状態判断部302が、電池状態情報(Stt_AD_Batt_A)が失陥状態(A=3)を示しているか否かを判断する。電池状態情報(Stt_AD_Batt_A)が失陥状態(A=3)を示している場合(ステップS403:YES)、ステップS404の処理に進む。電池状態情報(Stt_AD_Batt_A)が失陥状態(A=3)を示していない場合(ステップS403:NO)、ステップS409の処理に進む。
ステップS404では、他車両状態判断部302が、固定識別情報(IDA1)及び車両Aの管理識別情報(IDA2)を失陥車両IDメモリ304の電源失陥リストECへ追加し、時間更新する。
ステップS404に続くステップS405では、他車両状態判断部302が、固定識別情報(IDA1)及び車両Aの管理識別情報(IDA2)が警報車両IDメモリ305の警報リストWC又は注意車両IDメモリ306の注意リストCCにある場合は、それらのリストから消去する。
ステップS409では、他車両状態判断部302が、電池状態情報(Stt_AD_Batt_A)が警報状態(A=2)を示しているか否かを判断する。電池状態情報(Stt_AD_Batt_A)が警報状態(A=2)を示している場合(ステップS409:YES)、ステップS410の処理に進む。電池状態情報(Stt_AD_Batt_A)が警報状態(A=2)を示していない場合(ステップS409:NO)、ステップS412の処理に進む。
ステップS410では、他車両状態判断部302が、固定識別情報(IDA1)及び車両Aの管理識別情報(IDA2)を警報車両IDメモリ305の警報リストWCへ追加し、時間更新する。
ステップS410に続くステップS411では、他車両状態判断部302が、固定識別情報(IDA1)及び車両Aの管理識別情報(IDA2)が失陥車両IDメモリ304の電源失陥リストEC又は注意車両IDメモリ306の注意リストCCにある場合は、それらのリストから消去する。
ステップS412では、他車両状態判断部302が、電池状態情報(Stt_AD_Batt_A)が注意状態(A=1)を示しているか否かを判断する。電池状態情報(Stt_AD_Batt_A)が注意状態(A=1)を示している場合(ステップS412:YES)、ステップS413の処理に進む。電池状態情報(Stt_AD_Batt_A)が注意状態(A=1)を示していない場合(ステップS412:NO)、ステップS415の処理に進む。
ステップS413では、他車両状態判断部302が、固定識別情報(IDA1)及び車両Aの管理識別情報(IDA2)を注意車両IDメモリ305の注意リストCCへ追加し、時間更新する。
ステップS413に続くステップS414では、他車両状態判断部302が、固定識別情報(IDA1)及び車両Aの管理識別情報(IDA2)が失陥車両IDメモリ304の電源失陥リストEC又は警報車両IDメモリ305の警報リストWCにある場合は、それらのリストから消去する。
ステップS415では、他車両状態判断部302が、固定識別情報(IDA1)及び車両Aの管理識別情報(IDA2)が失陥車両IDメモリ304の電源失陥リストEC、警報車両IDメモリ305の警報リストWC、注意車両IDメモリ306の注意リストCCにある場合は、それらのリストから消去する。ステップS415の処理を終了すると、処理5の処理を終了し、処理3の処理及び全体処理を終了する。
ステップS405、ステップS411、ステップS414に続くステップS406では処理6を実行する。処理6については、図10を参照しながら説明する。
図10のステップS451では、他車両状態判断部302が、電池状態情報(Stt_AD_Batt_A)が失陥状態(A=3)を示しているか否かを判断する。電池状態情報(Stt_AD_Batt_A)が失陥状態(A=3)を示している場合(ステップS451:YES)、ステップS452の処理に進む。電池状態情報(Stt_AD_Batt_A)が失陥状態(A=3)を示していない場合(ステップS451:NO)、ステップS456の処理に進む。
ステップS452では、他車両状態報知部303が、灯火設備75又は灯火パターンを失陥周知用に設定する。
ステップS456では、他車両状態判断部302が、電池状態情報(Stt_AD_Batt_A)が警報状態(A=2)を示しているか否かを判断する。電池状態情報(Stt_AD_Batt_A)が警報状態(A=2)を示している場合(ステップS456:YES)、ステップS457の処理に進む。電池状態情報(Stt_AD_Batt_A)が警報状態(A=2)を示していない場合(ステップS456:NO)、ステップS459の処理に進む。
ステップS457では、他車両状態報知部303が、灯火設備75又は灯火パターンを警報周知用に設定する。
ステップS459では、他車両状態報知部303が、灯火設備75又は灯火パターンを注意周知用に設定する。
ステップS452、ステップS457、ステップS459に続くステップS453では、他車両状態判断部302が、報知元の車両Aが自車両である車両Bの進行方向にあるか否かを判断する。
報知元の車両Aが自車両である車両Bの進行方向にある場合(ステップS453:YES)、ステップS454の処理に進む。報知元の車両Aが自車両である車両Bの進行方向にない場合(ステップS453:NO)、ステップS458の処理に進む。
ステップS454では、他車両状態報知部303が、灯火設備75の点滅間隔を車両Aと車両Bとの距離DIFabに応じた値に設定する。例えば車両Aと車両Bの距離が短いほど点滅速度が速くなるように設定する。
ステップS454に続くステップS455では、灯火設備75による灯火を実施する。ステップS458では、灯火設備75による灯火を実施しない。尚、これは一例であって、灯火を実施しないのではなく、灯火の色を変えるといった対応でも構わない。
ステップS455及びステップS458の処理が終了すると処理6を終了し、図9に示される処理5のステップS407の処理に進む。
ステップS407では、他車両状態判断部302が、電池状態情報(Stt_AD_Batt_A)が失陥状態(A=3)を示しているか否かを判断する。電池状態情報(Stt_AD_Batt_A)が失陥状態(A=3)を示している場合(ステップS407:YES)、ステップS408の処理に進む。電池状態情報(Stt_AD_Batt_A)が失陥状態(A=3)を示していない場合(ステップS407:NO)、処理5を終了し、全ての処理を終了する。
ステップS408では、他車両状態報知部303が、車両Aから送信された報知情報Taを車両Aに代わって管理サーバに送信する。ステップS408の処理が終了すると、処理5を終了し、全ての処理を終了する。
図11は、車両Bの処理を示すフローチャートである。図11に示されるフローチャートにおいて、車両Bは、監視車両が異常中か否かを判定する処理を、予め定めた周期で実施する。監視車両とは、失陥車両IDメモリ304の電源失陥リストEC、警報車両IDメモリ305の警報リストWC、注意車両IDメモリ306の注意リストCCのいずれかに固定識別情報及び管理識別情報が格納されている車両である。本処理には、監視から外してもよい車両の除外処理を含めてもよい。
ステップS501では、他車両状態判断部302が、電源失陥中と判定する時間閾値time_th1を読み込む。時間閾値time_th1は、注意や警報の状態から通知無しとなった車について、失陥したか否かを判定するため、通知無しとなった経過時間の閾値である。
ステップS501に続くステップS502では、他車両状態判断部302が、監視車両から除外判定する時間閾値time_th2を読み込む。時間閾値time_th2は、既に監視車両から除外すべき車か否かを判定するため、通知無しとなった経過時間の閾値である。
ステップS502に続くステップS503では、他車両状態判断部302が、監視車両から除外判定する走行距離閾値dist_thを読み込む。
ステップS503に続くステップS504では、処理7を実行する。処理7については、図12及び図13を参照しながら説明する。
図12のステップS551では、他車両状態判断部302が、警報車両IDメモリ305に格納されている警報リストWCの配列サイズを読み込み、Lwに代入する。警報リストWCに登録したLw台の車両について、下記ステップS552からステップS564の処理ループを回す。
ステップS552では、警報車両の通知確認を実行する。ステップS552に続くステップS553では、他車両状態判断部302が、警報リストWC(i)に記憶したタイムスタンプを読み込み、time_iに代入する。
ステップS553に続くステップS554では、他車両状態判断部302が、警報リストWC(i)に記憶した位置情報を読み込み、gps_b_iに代入する。
ステップS554に続くステップS555では、他車両状態判断部302が、現在時刻を読み込み、time_nowに代入する。ステップS555に続くステップS556では、他車両状態判断部302が、現在位置を読み込み、gps_b_nowに代入する。
ステップS556に続くステップS557では、他車両状態判断部302が、time_iからtime_nowへの経過時間を算出し、時間閾値time_th2以上であるか否かを判断する。
time_iからtime_nowへの経過時間が、時間閾値time_th2以上である場合(ステップS557:YES)、ステップS560の処理に進む。time_iからtime_nowへの経過時間が、時間閾値time_th2以上でない場合(ステップS557:NO)、ステップS558の処理に進む。
ステップS558では、他車両状態判断部302が、gps_b_iからgps_b_nowの距離を算出し、走行距離閾値dist_th以上であるか否かを判断する。
gps_b_iからgps_b_nowの距離が、走行距離閾値dist_th以上である場合(ステップS558:YES)、ステップS560の処理に進む。gps_b_iからgps_b_nowの距離が、走行距離閾値dist_th以上でない場合(ステップS558:NO)、ステップS559の処理に進む。
ステップS559では、他車両状態判断部302が、警報リストWC(i)に記載された固定識別情報及び管理識別情報について、管理サーバから解除指令が入っているか否かを判断する。
警報リストWC(i)に記載された固定識別情報及び管理識別情報について、管理サーバから解除指令が入っていれば(ステップS559:YES)、ステップS560の処理に進む。警報リストWC(i)に記載された固定識別情報及び管理識別情報について、管理サーバから解除指令が入っていなければ(ステップS559:NO)、図13のステップS561の処理に進む。
ステップS560では、他車両状態判断部302が、警報リストWC(i)の該当情報を消去し、次ループの処理をすべくiをインクリメントする。ステップS560の処理が終了するとステップS564の処理に進む。
図13のステップS561では、他車両状態判断部302が、time_iからtime_nowへの経過時間を算出し、時間閾値time_th1以上であるか否かを判断する。
time_iからtime_nowへの経過時間が、時間閾値time_th1以上である場合(ステップS561:YES)、ステップS562の処理に進む。time_iからtime_nowへの経過時間が、時間閾値time_th1以上でない場合(ステップS561:NO)、ステップS564の処理に進む。ステップS564の処理に進むにあたって、次ループの処理をすべくiをインクリメントする。
ステップS562では、他車両状態判断部302が、警報リストWC(i)に記載のタイムスタンプと車両Bの位置を更新した情報を、電源失陥リストECへ追加する。
ステップS562に続くステップS563では、警報リストWC(i)の該当情報を消去し、次ループの処理をすべくiをインクリメントする。ステップS563の処理が終了すると、ステップS564の処理に進む。
ステップS564において、警報リストWCに登録したLw台の車両について全て処理が終了していれば、処理7の処理を終了し、図11のステップS505の処理に進む。
図11のステップS505では、処理8を実行する。処理8については、図14及び図15を参照しながら説明する。
図14のステップS601では、他車両状態判断部302が、注意車両IDメモリ306に格納されている注意リストCCの配列サイズを読み込み、Lcに代入する。注意リストCCに登録したLc台の車両について、下記ステップS602からステップS614の処理ループを回す。
ステップS602では、注意車両の通知確認フローに入る。ステップS602に続くステップS603では、他車両状態判断部302が、注意リストCC(i)に記憶したタイムスタンプを読み込み、time_iに代入する。
ステップS603に続くステップS604では、他車両状態判断部302が、注意リストCC(i)に記憶した位置情報を読み込み、gps_b_iに代入する。
ステップS604に続くステップS605では、他車両状態判断部302が、現在時刻を読み込み、time_nowに代入する。ステップS605に続くステップS606では、他車両状態判断部302が、現在位置を読み込み、gps_b_nowに代入する。
ステップS606に続くステップS607では、他車両状態判断部302が、time_iからtime_nowへの経過時間を算出し、時間閾値time_th2以上であるか否かを判断する。
time_iからtime_nowへの経過時間が、時間閾値time_th2以上である場合(ステップS607:YES)、ステップS610の処理に進む。time_iからtime_nowへの経過時間が、時間閾値time_th2以上でない場合(ステップS607:NO)、ステップS608の処理に進む。
ステップS608では、他車両状態判断部302が、gps_b_iからgps_b_nowの距離を算出し、走行距離閾値dist_th以上であるか否かを判断する。
gps_b_iからgps_b_nowの距離が、走行距離閾値dist_th以上である場合(ステップS608:YES)、ステップS610の処理に進む。gps_b_iからgps_b_nowの距離が、走行距離閾値dist_th以上でない場合(ステップS608:NO)、ステップS609の処理に進む。
ステップS609では、他車両状態判断部302が、注意リストCC(i)に記載された固定識別情報及び管理識別情報について、管理サーバから解除指令が入っているか否かを判断する。
注意リストCC(i)に記載された固定識別情報及び管理識別情報について、管理サーバから解除指令が入っていれば(ステップS609:YES)、ステップS610の処理に進む。注意リストCC(i)に記載された固定識別情報及び管理識別情報について、管理サーバから解除指令が入っていなければ(ステップS609:NO)、図15のステップS611の処理に進む。
ステップS610では、他車両状態判断部302が、注意リストCC(i)の該当情報を消去し、次ループの処理をすべくiをインクリメントする。ステップS610の処理が終了するとステップS614の処理に進む。
図15のステップS611では、他車両状態判断部302が、time_iからtime_nowへの経過時間を算出し、時間閾値time_th1以上であるか否かを判断する。
time_iからtime_nowへの経過時間が、時間閾値time_th1以上である場合(ステップS611:YES)、ステップS612の処理に進む。time_iからtime_nowへの経過時間が、時間閾値time_th1以上でない場合(ステップS611:NO)、ステップS614の処理に進む。ステップS614の処理に進むにあたって、次ループの処理をすべくiをインクリメントする。
ステップS612では、他車両状態判断部302が、注意リストCC(i)に記載のタイムスタンプと車両Bの位置を更新した情報を、電源失陥リストECへ追加する。
ステップS612に続くステップS613では、注意リストCC(i)の該当情報を消去し、次ループの処理をすべくiをインクリメントする。ステップS613の処理が終了すると、ステップS614の処理に進む。
ステップS614において、注意リストCCに登録したLc台の車両について全て処理が終了していれば、処理7の処理を終了し、図11のステップS506の処理に進む。
ステップS506では、処理9を実行する。処理9については、図16及び図17を参照しながら説明する。
図16のステップS651では、他車両状態判断部302が、失陥車両IDメモリ305に格納されている電源失陥リストECの配列サイズを読み込み、Leに代入する。電源失陥リストECに登録したLe台の車両について、下記ステップS652からステップS662の処理ループを回す。
ステップS652では、電源失陥車両の周囲通知フローに入る。ステップS652に続くステップS653では、他車両状態判断部302が、電源失陥リストEC(i)に記憶したタイムスタンプを読み込み、time_iに代入する。
ステップS653に続くステップS654では、他車両状態判断部302が、電源失陥リストEC(i)に記憶した位置情報を読み込み、gps_b_iに代入する。
ステップS654に続くステップS655では、他車両状態判断部302が、現在時刻を読み込み、time_nowに代入する。ステップS655に続くステップS656では、他車両状態判断部302が、現在位置を読み込み、gps_b_nowに代入する。
ステップS656に続くステップS657では、他車両状態判断部302が、time_iからtime_nowへの経過時間を算出し、時間閾値time_th2以上であるか否かを判断する。
time_iからtime_nowへの経過時間が、時間閾値time_th2以上である場合(ステップS657:YES)、ステップS660の処理に進む。time_iからtime_nowへの経過時間が、時間閾値time_th2以上でない場合(ステップS657:NO)、ステップS658の処理に進む。
ステップS658では、他車両状態判断部302が、gps_b_iからgps_b_nowの距離を算出し、走行距離閾値dist_th以上であるか否かを判断する。
gps_b_iからgps_b_nowの距離が、走行距離閾値dist_th以上である場合(ステップS658:YES)、ステップS660の処理に進む。gps_b_iからgps_b_nowの距離が、走行距離閾値dist_th以上でない場合(ステップS658:NO)、ステップS659の処理に進む。
ステップS659では、他車両状態判断部302が、電源失陥リストEC(i)に記載された固定識別情報及び管理識別情報について、管理サーバから解除指令が入っているか否かを判断する。
電源失陥リストEC(i)に記載された固定識別情報及び管理識別情報について、管理サーバから解除指令が入っていれば(ステップS659:YES)、ステップS660の処理に進む。電源失陥リストEC(i)に記載された固定識別情報及び管理識別情報について、管理サーバから解除指令が入っていなければ(ステップS659:NO)、図17のステップS661の処理に進む。
ステップS660では、他車両状態判断部302が、電源失陥リストEC(i)の該当情報を消去し、次ループの処理をすべくiをインクリメントする。ステップS660の処理が終了するとステップS662の処理に進む。
図17のステップS661では、他車両状態報知部303が、電源失陥リストEC(i)に基づく情報を発信し、次ループの処理をすべくiをインクリメントする。発信する情報は、車両Bが受信したそのままのタイムスタンプ、又は車両Bが更新したタイムスタンプであるtime_iと、報知元の2種のID(ID1_i、ID2_i)と、自動運転継続予報の状態(電池状態情報(Stt_AD_Batt_i=3:電源失陥中))と、最後に報知元から受取った報知元の位置(gps_i)を含めた情報で構成される。
ステップS661に続くステップS662において、電源失陥リストECに登録したLe台の車両について全て処理が終了していれば、処理9の処理を終了する。処理9が終了すると、図11の全ての処理が終了する。
図18は、車両Bの処理を示すフローチャートである。図18に示す処理は、自動運転機能を有するか否か電源状態の通信機能を有するか否かを、灯火装置など概観にて表示する車両を認識する処理を締めしている。
ステップS701では、他車両状態判断部302が、目前車両が自動運転機能を有しているか否かの判定処理を実行する。ステップS701に続くステップS702では、他車両状態判断部302が、目前車両が電源状態の通信機能を有しているか否かの判定処理を実行する。
例えば、図19に示される車両40の例においては、ナンバープレート403よりも上方に配置されている、灯火装置401及び灯火装置402によって自動運転の有無や自動運転状態を外部に表示している。
灯火装置401は、自動運転機能を有するか否かの表示灯である。灯火装置401が存在すれば自動運転機能を有しており、灯火装置401が点灯中であれば自動運転中であることを示すことができる。灯火装置402は、電源状態の通信機能を有するか否かの表示灯である。灯火装置402が存在すれば電源状態の通信機能を有しており、灯火装置402が点灯中であれば通信機能がONされていることを示すことができる。尚、ナンバープレート403を読込み、自動運転機能を有するか否か、通信機能を有するか否かを、管理サーバに問合せ、両機能を有するか否かを判定することもできる。
ステップS702に続くステップS703では、他車両状態判断部302が、目前車両が自動運転機能と電源状態の通信機能の双方を有するか否かを判断する。目前車両が自動運転機能と電源状態の通信機能の双方を有していると判断すれば(ステップS703:YES)、ステップS704の処理に進む。目前車両が自動運転機能と電源状態の通信機能の双方を有していないと判断すれば(ステップS703:NO)、処理を終了する。
ステップS704では、他車両状態取得部301が、電源状態の通知があったか否かを判断する。この判断は、例えば、車両Bの自車位置と、センサで捉えた目前車両との相対距離などに基づく目前車両の推定位置とから、受信信号との整合判定等を行えば判断することができる。電源状態の通知があれば(ステップS704:YES)、処理を終了する。電源状態の通知がなければ(ステップS704:NO)、ステップS705の処理に進む。
ステップS705では、他車両状態判断部302が、目前車両が電源失陥中であると判断する。自動運転機能と電源状態の通信機能との双方を有すると判断した車両であるにも関わらず、状態通知がないためである。
ステップS705に続くステップS706では、他車両状態報知部303が、目前車両が電源失陥中であることを報知する。他車両状態報知部303は、灯火設備75を点灯、点滅させることにより、周囲車両に報知することができる。例えば、予め定める特定パターンの灯火点滅によって報知することができる。
以上、具体例を参照しつつ本実施形態について説明した。しかし、本開示はこれらの具体例に限定されるものではない。これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素およびその配置、条件、形状などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変えることができる。