JP7091219B2 - 防蟻施工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、建築物の床下構造体の当接部に形成される隙間部に、防蟻剤を含むペースト状組成物を充填してシロアリの侵入を防止するための防蟻施工方法に関し、殊にシロアリの侵入を防止するための防蟻構造を一旦施工した後、再度施工するための方法に関する。
従来から、シロアリによる建築物の食害防止を目的として、床下地盤面に防蟻用薬剤を散布したり、建築時に土間コンクリートと基礎コンクリートの間に金属製の所謂蟻返しを設置したりする等の方法が行われている。
しかしながら、前者の防蟻用薬剤を散布する方法では、防蟻用薬剤が地下に浸み込んで地下水を汚染したり、床下に侵入した冠水等により防蟻用薬剤が外部に流出する等の環境上の問題があるとともに、長期にわたって防蟻用薬剤による防蟻効果を持続させることが困難な状況である。一方、後者の蟻返しによる方法では、シロアリが蟻返しを迂回して建築物の木製部材に侵入してくることを有効に防止できないという問題がある。
上記問題を解消する技術として、例えば特許文献1には、建築物の床下構造体の当接部に、防蟻剤およびラテックス含有水性エマルジョンを用いるシロアリ侵入防止剤が提案されている。
特許文献1に開示されたシロアリ侵入防止剤は、ペースト状であり、チューブ等の容器に充填して、それを施工現場で塗布できるという点では良好な作業性が期待できる。またペースト状のシロアリ侵入防止剤では、その塗布量を把握しやすいという利点がある。更にシロアリ侵入防止剤は流動性が良いので、土間コンクリートと基礎コンクリートの間に形成される隙間部に容易に充填されることによって、長期間にわたって防蟻効果を持続できる。
特開2001-299181号公報
特許文献1に開示されたシロアリ侵入防止剤は、ラテックス含有水性エマルジョンに防蟻剤を含ませることによって、防蟻効果を発揮させるものであり、防蟻剤の薬効は10年程度持続できる。しかしながら、シロアリ侵入防止剤を用いて防蟻構造を構築した後、時間が経過するにつれて、防蟻剤の薬効は徐々に低下し、いずれは防蟻構造を再施工する必要が生じる。以下では、上記ラテックス含有水性エマルジョンのようなペースト状組成物に防蟻剤を含ませたものを「防蟻剤含有ペースト」と呼ぶ。
これまで防蟻構造を再施工するに当たっては、1回目に構築した防蟻構造の箇所から、乾燥して硬化した防蟻剤含有ペーストの全てを除去し、その除去した箇所に新たな防蟻剤含有ペーストを塗布して再施工するのが通常である。しかしながら、このような方法で防蟻構造を再施工すると、作業が煩雑となり、作業時間も長くなるという問題がある。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、床下構造体の当接部に形成される隙間部に、防蟻剤含有ペーストを充填して防蟻構造を施工した後、防蟻構造を再施工する際に、防蟻効果を低下させることなく、簡単な作業で効率良く作業を完了できる防蟻施工方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために、様々な角度から検討を重ねた。その結果、前回までの防蟻構造を構築した領域での防蟻剤消失率に相当する量の防蟻剤含有ペーストで、前回の防蟻構造を構築した領域を覆うようにして塗布し、2回目以降の防蟻構造を再施工するようにすれば、前記課題が解決できることを見出し、かかる知見に基づいて更に検討を重ねることによって本発明を完成した。
すなわち、本発明の一局面は、床下構造体の当接部に形成される隙間部に、防蟻剤含有ペーストを充填して防蟻構造を構築した後、防蟻構造を1回以上再施工するに際し、前回までの防蟻構造を構築した領域での防蟻剤消失率に相当する量の防蟻剤含有ペーストで、前回の防蟻構造を構築した領域を覆うようにして塗布し、2回目以降の防蟻構造を再施工することを特徴とする。
本実施形態の防蟻再施工方法において、各回で用いる前記防蟻剤含有ペーストは、それぞれ異なる色に着色されたものであることが好ましい。
本発明によれば、床下構造体の当接部に形成される隙間部に、防蟻剤含有ペーストを充填して防蟻構造を構築した後、防蟻構造を再施工する際に、防蟻効果を低下させることなく、簡単な作業で効率良く作業を完了できる防蟻施工方法が提供できる。
図1は、床下構造体の当接部に形成される隙間部に、防蟻剤含有ペーストを充填して1回目の蟻構造を構築するときの防蟻構造例を示す概略説明図である。 図2は、図1に示した1回目の防蟻構造を構築するときに、防蟻剤含有ペーストを充填するために用いる充填用ノズルの構成を示す平面斜視図である。 図3は、充填用ノズルを用いて、床下構造体の当接部に形成される隙間部に、防蟻剤含有ペーストを充填するときの状態を示す概略説明図である。 図4は、防蟻構造の再施工を1回行うときの防蟻構造例を示す概略説明図である。 図5は、防蟻構造の再施工を2回行うときの防蟻構造例を示す概略説明図である。 図6は、防蟻構造を再施工するときに、防蟻剤含有ペーストを塗布するために用いる塗布用ノズルの構成を示す平面斜視図である。 図7は、防蟻構造の再施工を1回行うときの各実施形態を模式的示す説明図である。 図8は、防蟻構造の再施工を2回行うときの各実施形態を模式的に示す説明図である。
本実施形態の防蟻施工方法は、床下構造体の当接部に形成される隙間部に、防蟻剤含有ペーストを充填して1回目の防蟻構造を構築した後、防蟻構造を1回以上再施工するに際し、前回までの防蟻構造を構築した領域での防蟻剤消失率に相当する量の防蟻剤含有ペーストで、前回の防蟻構造を構築した領域を覆うようにして塗布し、2回目以降の防蟻構造を再施工することを特徴とする。
以下、図面に基づき、本実施形態の防蟻施工方法について説明する。なお、下記の防蟻施工方法は、本発明方法の一例に過ぎず、これに限定される趣旨でないことは言うまでもない。
図1は、床下構造体の当接部に形成される隙間部に、防蟻剤含有ペーストを充填して1回目の防蟻構造を構築するときの防蟻構造例を示す概略説明図である。なお、建築物の床下構造体の当接部に形成される隙間部とは、図1に示すように、土間コンクリートと基礎コンクリートの間に形成される隙間部である。
図1において、1はコンクリート布基礎(基礎コンクリート)、2は土間コンクリート、3は地盤面と土間コンクリート12の間に介在され、例えばポリエチレン(PE)等からなる防湿シート、を夫々示す。また図1に示した4は、防蟻剤含有ペーストを示している。なお、上記防湿シート3は、防湿の目的で用いられる防湿シートであれば特に限定されず、防蟻剤を含み防蟻性能を兼ねた防蟻・防湿シートであっても良い。
防蟻剤含有ペースト4は、流動性が良いように調整されており、防蟻剤含有ペースト4を塗布した段階で、図1に示したように、防蟻剤含有ペースト4と、基礎コンクリート1および土間コンクリート2との間は隙間なく充填された状態となる。また防蟻剤含有ペースト4を塗布する際に、防蟻剤含有ペースト4の流動性が高いことを見込んで、比較的厚く充填される。防蟻剤含有ペースト4を充填した後、乾燥および硬化後の収縮や施工ばらつき等を考慮しても、乾燥・硬化後に最低5mmの厚さが確保できるように充填される。例えば、収縮量が最も大きくなる箇所(図2に示した最大厚さd1となる箇所)で、d1は7~8mm程度確保される。こうした状態を維持するためには、防蟻剤含有ペースト4のコンクリート布基礎1側の立ち上がり高さh1、および土間コンクリート12側の幅w1は、いずれも20mm程度となる。なお、上記のような状態を確保するためには、防蟻剤含有ペースト4の粘度も適切に調整することが好ましい。
図2は、図1に示した防蟻構造を構築するときに、防蟻剤含有ペースト4を充填するために用いる充填用ノズルの構成を示す平面斜視図である。この充填用ノズル5は、ノズル開口部5aが平面視で直角三角形になるように形成されている。
上記のような充填用ノズル5を用いて、床下構造体の当接部に形成される隙間部に、防蟻剤含有ペースト4を充填するときの状態を図3(概略説明図)に示す。充填用ノズル5は、防蟻剤含有ペースト4を収納したチューブ6の先端に取り付けて使用され、ノズル開口部5aの形状に対応して、床下構造体の当接部に形成される隙間部に、防蟻剤含有ペースト4が円滑に充填される。
図4は、防蟻構造の再施工を1回行うときの防蟻構造例を示す概略説明図である。図1に示した防蟻構造を構築した後は、防蟻剤の薬効は徐々に低下し、いずれは防蟻構造を再施工する必要が生じる。防蟻構造を再施工するに際し、前回の防蟻構造を構築した領域(防蟻剤含有ペースト4が充填された領域)を覆うようにして防蟻剤含有ペースト4aを塗布し、防蟻構造を再施工する。この再施工では、前回充填した防蟻剤含有ペースト4における防蟻剤消失率に相当する量の防蟻剤含有ペースト4aで塗布する。防蟻剤含有ペースト4aのコンクリート布基礎1側の立ち上がり高さh2、および土間コンクリート2側の幅w2は、防蟻剤含有ペースト4aの塗布量の把握する上での基準となるが、これらについては後述する。
図5は、防蟻構造の再施工を2回行うときの防蟻構造例を示す概略説明図である。図4に示した防蟻構造を再施工した後に、防蟻構造を再施工するに際し、前回の防蟻構造を構築した領域(防蟻剤含有ペースト4aが塗布された領域)を覆うようにして防蟻剤含有ペースト4bを塗布し、防蟻構造を再施工する。この再施工では、前回までの防蟻構造を構築した領域(防蟻剤含有ペースト4が充填された領域をも含む)における防蟻剤消失率に相当する量の防蟻剤含有ペースト4bで塗布する。防蟻剤含有ペースト4bのコンクリート布基礎1側の立ち上がり高さh3、および土間コンクリート2側の幅w3は、防蟻剤含有ペースト4bの塗布量の把握する上での基準となるが、これらについては後述する。
図6は、防蟻構造を再施工するときに、防蟻剤含有ペースト4a、4bを塗布するために用いる塗布用ノズルの構成を示す平面斜視図である。この塗布用ノズル7は、ノズル開口部7aが平面視で略矩形状に形成されている。
このような塗布用ノズル7を用いて、防蟻剤含有ペースト4aまたは4bを塗布する場合は、前記図3に示した場合と同様に、防蟻剤含有ペースト4aまたは4bを収納したチューブ6(図示せず)の先端に取り付けて使用されるが、ノズル開口部7aの形状の違いに対応して、比較的平坦な面に対しても防蟻剤含有ペースト4aまたは4bが塗布されやすいようにされている。
本実施形態の防蟻施工方法では、前回までの防蟻構造を構築した領域での防蟻剤消失率に相当する量の防蟻剤含有ペーストで、前回の防蟻構造を構築した領域を覆うようにして塗布して再施工する。再施工までの期間は10年程度となり、その間で再施工を適宜行うことになるが、再施工の際に前回までの防蟻構造を構築した領域での防蟻剤消失率を把握する必要がある。
前回までの防蟻構造を構築した領域での防蟻剤消失率は、当該領域での防蟻剤含有ペーストの一部を採取し、これを溶媒に溶解させた試料を用いることで、液体クロマトグラフィによって測定することができる。この防蟻剤消失率は、ペースト状組成物の種類、防蟻剤の種類等によっても異なるが、10年間での消失率は、前回までの防蟻構造を構築した領域での初期の含有量に対して30~70%程度(すなわち、残存率として70~30%程度)となる。次に、前回までの防蟻構造を構築した領域での防蟻剤消失率に相当する量の防蟻剤含有ペーストを用いて再施工する状況を、図面を用いて説明する。
図7は、防蟻構造の再施工を1回行うときの各実施形態を模式的に示す説明図である。なお、図7に示した数値の「単位」は、「mm」である。例えば、図7(a)に示した「20」および「6」は、前記図1に示した高さh1が20mm、および前記図2に示した高さh2が6mmであることを、それぞれ示している。また図7(a)には図示していないが、図1に示した幅w1および図4に示した幅w2は、それぞれ図7(a)に示した高さh1およびh2と対応した値(即ち、幅w1:20mm、および幅w2:6mm)を採るものとする。これらの趣旨は、後述する図8についても同様である。
なお、以下の説明は、1回目の防蟻構造を構築した領域(防蟻剤含有ペースト4の領域)における充填初期(消失する前)での防蟻剤含有率を100%とし、再施工するとき用いる防蟻剤含有ペースト中の防蟻剤の種類および含有量を前記「充填初期での防蟻剤含有量」と略同一とすることを前提としている。但し、防蟻剤に同様の防蟻効果が発揮されることが予想される場合には、防蟻剤含有ペースト4,4a,4bに含有する防蟻剤の種類については異なっていてもよく、或いは各種の防蟻剤を併用してもよい。要するに、再施工するときに、充填初期(消失する前)と同等の防蟻剤含有率が確保できていればよい。
図7(a)に示した状態は、防蟻構造を再施工するまでに防蟻剤含有ペースト4中の防蟻剤が30%消失した場合(すなわち防蟻剤の残存率が70%の場合)を想定している。シロアリは、柱に向かって進むため、シロアリの侵入を防止するためには、防蟻剤含有ペースト4aは、垂直方向に距離を出すように塗布することが重要となる。こうした観点から、消失した防蟻剤含有率に相当する量となるように、すなわち高さh1が20mmの30%(20mm×0.3=6mm)となるように、防蟻剤含有ペースト4の上に防蟻剤含有ペースト4a重ね塗りする。このように、防蟻剤含有ペースト4aを重ね塗りすることによって、見掛け上、1回目の防蟻構造を構築した領域における充填初期と同等の防蟻剤含有率を確保した状態となる。
図7(b)に示した状態は、再施工するまでに防蟻剤含有ペースト4中の防蟻剤が50%消失した場合(すなわち、防蟻剤の残存率が50%)を想定している。この場合には、消失した防蟻剤含有率に相当する量となるように、すなわち高さh1が20mmの50%(20mm×0.5=10mm)となるように、防蟻剤含有ペースト4の上に防蟻剤含有ペースト4a重ね塗りする。このように、防蟻剤含有ペースト4aを重ね塗りすることによって、見掛け上、1回目の防蟻構造を構築した領域における充填初期と同等の防蟻剤含有率を確保した状態となる。
図7(c)に示した状態は、再施工するまでに防蟻剤含有ペースト4中の防蟻剤が70%消失した場合(すなわち、防蟻剤の残存率が30%)を想定している。この場合には、消失した防蟻剤含有率に相当する量となるように、すなわち高さh1が20mmの70%(20mm×0.7=14mm)となるように、防蟻剤含有ペースト4の上に防蟻剤含有ペースト4a重ね塗りする。このように、防蟻剤含有ペースト4aを重ね塗りすることによって、見掛け上、1回目の防蟻構造を構築した領域における充填初期と同等の防蟻剤含有率を確保した状態となる。
図8は、防蟻構造の再施工を2回行うときの各実施形態を模式的に示す説明図である。図8(a)は、図7(a)で1回目の再施工をした後に2回目の再施工をすることを想定したものであり、図8(b)は、図7(b)で1回目の再施工した後に2回目の再施工をすることを想定したものであり、図8(c)は、図7(c)で1回目の再施工した後に2回目の再施工をすることを想定したものである。
図8(a)に示した状態は、1回目の再施工から2回目の再施工までの5年間で、防蟻剤含有ペースト4中の防蟻剤の含有率が更に半減すると仮定(すなわち、防蟻剤の残存率が35%)した場合を示したものである。この場合には、防蟻剤含有ペースト4中の防蟻剤消失率(35%)に相当する量となるように、すなわち高さh2が20mmの35%(20mm×0.35=7mm)となるように、防蟻剤含有ペースト4aの上に防蟻剤含有ペースト4bを重ね塗りする。このように、防蟻剤含有ペースト4bを重ね塗りすることによって、見掛け上、1回目の防蟻構造を構築した領域における充填初期と同等の防蟻剤含有率を確保した状態となる。
なお、2回目の再施工では、1回目の再施工の防蟻剤含有ペースト4aにおける防蟻剤消失率も考慮する。しかしながら、再施工前の防蟻剤含有ペースト4からの防蟻剤消失率に比較して1回目の再施工の防蟻剤含有ペースト4aからの防蟻剤消失率は小さく、再施工前の防蟻剤含有ペースト4からの防蟻剤消失率に相当する量の防蟻剤含有ペースト4bを塗布すれば、1回目の再施工で塗布した防蟻剤含有ペースト4aからの防蟻剤消失率は十分補填できる(図8(b)および(図8(c)についても同様)。
図8(b)に示した状態は、1回目の再施工から2回目の再施工までの5年間で、防蟻剤含有ペースト4中の防蟻剤の含有率が更に半減すると仮定(すなわち、防蟻剤の残存率が25%)した場合を示したものである。この場合には、防蟻剤含有ペースト4中の防蟻剤消失率(25%)に相当する量となるように、すなわち高さh2が20mmの25%(20mm×0.25=5mm)となるように、防蟻剤含有ペースト4aの上に防蟻剤含有ペースト4bを重ね塗りする。このように、防蟻剤含有ペースト4bを重ね塗りすることによって、見掛け上、1回目の防蟻構造を構築した領域における充填初期と同等の防蟻剤含有率を確保した状態となる。
図8(c)に示した状態は、1回目の再施工から2回目の再施工までの5年間で、防蟻剤含有ペースト4中の防蟻剤の含有率が更に半減すると仮定(すなわち、防蟻剤の残存率が15%)した場合を想定したものである。この場合には、防蟻剤含有ペースト4中の防蟻剤消失率(15%)に相当する量となるように、すなわち高さh2が20mmの15%(20mm×0.15=3mm)となるように、防蟻剤含有ペースト4aの上に防蟻剤含有ペースト4bを重ね塗りする。このように、防蟻剤含有ペースト4bを重ね塗りすることによって、見掛け上、1回目の防蟻構造を構築した領域における充填初期と同等の防蟻剤含有率を確保した状態となる。
上記では、再施工を2回行う実施形態について説明したが、再施工の回数は2回とは限らず、必要によって、3回若しくは4回以上行っても良いことは勿論である。また、再施工するまでの期間についても、防蟻剤の種類に応じて適宜選択すれば良い。
本実施形態の防蟻施工方法で用いるペースト状組成物の種類については、ペースト状となる防蟻剤含有ペーストが得られるものであれば特に限定するものではなく、例えば前記特許文献1に提案されているような、ラテックス含有水性エマルジョンを含むものであっても良い。このラテックス含有水性エマルジョンは、水のラテックスが分散したペースト状のものであり、水およびラテックスを必須成分として含有し、ゴム弾性被膜を形成し得るものである。本実施形態の防蟻再施工方法で用いるペースト状組成物は、上記のようなラテックス含有水性エマルジョンに限らず、アクリル酸アルキルエステル樹脂等の樹脂を主成分として含むものであっても良い。
本実施形態の防蟻再施工方法で用いる防蟻剤含有ペーストには、その特性を損なわない範囲で、通常用いられる添加剤を添加することもできる。このような添加剤としては、無機顔料(水酸化ルミニウム、酸化チタン、カーボン等)、有機顔料(フタロシアニンブルー等)、顔料分散剤(トリポリリン酸ナトリウム等)、充填剤(炭酸カルシウム、シリカ、珪藻土等)、分散剤(ポリアクリル酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム等)、老化防止剤(アルデヒド・ケトン・アミン反応生成物およびその誘導体等)、防腐・防黴剤[環状窒素硫黄系化合物(BIT:1,2-Benzisotyiazolin-3-one)、イソチアゾリン系化合物]等を添加することができる。これらの添加剤を添加する場合には、単独または合計で、5質量%以下とすることが好ましい。このうち無機顔料および有機顔料については、防蟻剤含有ペーストに様々な色を着色する上で有用なである。
防蟻剤含有ペースト中の防蟻剤としては、コンクリートが強アルカリ性であるので、アルカリによって変性するようなリン系防蟻剤では所望の薬効が得られないので好ましくない。従って、防蟻用組成物をコンクリートに接触した場合でも所望の防蟻効果が得られる防蟻剤、例えば、非エステルピレスロイド系薬剤(シラフルオフィン、エトフィンプロックス等)、ピレスロイド系薬剤(ペルメトリン、アレスリン、トラロメスリン、ビフェントリン等)、カーバメイト系薬剤(プロボクスル、フェノブカルブ、セビン等)、トリアジン系薬剤(トリプロピルイソシアヌレート等)、ネオニコチノイド系薬剤(イミダクロプリド等)等の使用が推奨される。これらは、1種または2種以上を併用して用いることができる。防蟻剤含有ペースト中の防蟻剤の含有量は、その効果およびコストを考慮すれば、防蟻剤含有ペースト全体に対して、0.05~2.0質量%程度であることが好ましい。
本実施形態の防蟻施工方法で用いる防蟻剤含有ペーストは、基本的に流動性の良いペースト状であり、上記各種添加剤の配合量を変えることによって、粘度を調整することができるが、本実施形態の防蟻施工方法で用いる防蟻含有ペースの常温(25℃)における粘度は、70~120Pa・S程度であることが好ましい。この粘度があまり高くなり過ぎると、防蟻剤含有ペーストの充填性や塗布性が悪くなる。また粘度があまり低くなると、防蟻剤含有ペーストを充填若しくは塗布した後に「垂れ」が生じ、乾燥後に所定量の防蟻剤含有ペーストを確保することが難しくなる。但し、1回目の防蟻構造を構築するときの防蟻剤含有ペーストと、防蟻構造を再施工するときの防蟻剤含有ペーストとでは、粘度を異なるようにすることは有用である。すなわち、1回目の防蟻構造を構築するときの防蟻剤含有ペーストの粘度を上記範囲内で高めにするとともに、防蟻構造を再施工するときの防蟻剤含有ペーストの粘度を上記範囲内で低めにすることは、作業性を向上する上で有用である。例えば、1回目は100~120Pa・S、再施工では70~110Pa・S程度が好ましい。
以上、本発明の概要について説明したが、本実施形態の防蟻施工方法をまとめると、下記の通りである。
本実施形態の防蟻施工方法は、床下構造体の当接部に形成される隙間部に、防蟻剤含有ペーストを充填して防蟻構造を構築した後、防蟻構造を1回以上再施工するに際し、前回までの防蟻構造を構築した領域での防蟻剤消失率に相当する量の防蟻剤含有ペーストで、前回の防蟻構造を構築した領域を覆うようにして塗布し、2回目以降の防蟻構造を再施工することを特徴とする。
こうした構成を採用することによって、防蟻効果を低下させることなく、簡単な作業で効率良く作業を完了できるような防蟻施工方法が提供できる。また、防蟻剤含有ペーストを塗布するため、塗布・乾燥後、塗布した領域の形が残り、その塗布量を把握しやすいという利点がある。しかも、再施工では防蟻剤含有ペーストを、前回の防蟻構造を構築した領域に重ね塗りすることによって、防蟻剤の消失やブリードをより抑制し、防蟻効果を発揮できる期間をより長くできる。
また本実施形態の防蟻施工方法では、各回で用いる前記防蟻剤含有ペーストは、それぞれ異なる色に着色されたものであることが好ましい。前述した無機顔料および有機顔料の種類や配合量を適宜調整することによって、グレー色、オレンジ色、淡黄色等、防蟻剤含有ペーストに様々な色を着色することができる。こうした構成を採用することによって、再施工回数を確認することができる。
1 コンクリート布基礎(基礎コンクリート)
2 土間コンクリート
3 防湿シート
4,4a,4b 防蟻剤含有ペースト
5 充填用ノズル
6 チューブ
7 塗布用ノズル

Claims (1)

  1. 床下構造体の当接部に形成される隙間部に、防蟻剤含有ペーストを充填して1回目の防蟻構造を構築した後、防蟻構造を1回以上再施工するに際し、前回までの防蟻構造を構築した領域での防蟻剤消失率に相当する量の防蟻剤含有ペーストで、前回の防蟻構造を構築した領域を覆うようにして塗布し、2回目以降の防蟻構造を再施工すること、並びに、
    各回で用いる前記防蟻剤含有ペーストが、それぞれ異なる色に着色されたものであることを特徴とする防蟻施工方法。
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