JP7090411B2 - 吸音材 - Google Patents

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Description

本発明は、多孔質材料と前記多孔質材料に付着した粉体材料とを含む吸音材に関する。
自動車分野や産業資材分野では、様々な吸音材が開発されてきている。
例えば、繊維と粉体の混合体とシート状表面材とから構成される吸音材(特許文献1)や、繊維基体と該基体に付着された微細粉粒とから構成される吸音材(特許文献2)や、繊維シートと通気性多孔質基材とを粉末状接着剤で接合してなる吸音材(特許文献3)が存在する。
特開平7-104762号公報 特開2005-338129号公報 国際公開第2014/141418号
これまでに様々な吸音材が開発されているが、吸音性の更なる向上は当該技術分野における課題となっている。
上記の課題を解決するために本発明者は鋭意研究を行った結果、特定の比重と粒子径を有する粉体材料を、特定の付着量で多孔質材料へ付着させると、吸音性に優れた吸音材が得られることを見いだした。本発明はこの知見に基づき完成されたものである。
すなわち、本発明は、下記〔1〕~〔24〕に関するものである。
〔1〕多孔質材料と、前記多孔質材料に付着した粉体材料とを含む、吸音材であって、
(1)前記粉体材料の真比重が1.8g/cm3以下であり、
(2)前記粉体材料の二次粒子径が0.1~800μmであり、
(3)前記粉体材料の付着量が10~200g/m2であり、
(4)前記吸音材を、JIS D1601 自動車部品振動試験方法の1種A法に従い、加速度30m/s2で試験した後の前記粉体材料の粉落ち量が20%未満であり、かつ、
(5)前記吸音材の厚みが1~50mmである、ことを特徴とする、吸音材。
〔2〕前記粉体材料の真比重が1.6g/cm3以下であるか、又は、前記粉体材料の固め嵩比重が0.8以下である、前記〔1〕に記載の吸音材。
〔3〕前記粉体材料の二次粒子径が1~500μmである、前記〔1〕又は〔2〕に記載の吸音材。
〔4〕前記粉体材料の付着量が30~150g/m2である、前記〔1〕~〔3〕のいずれか1項に記載の吸音材。
〔5〕JIS D1601 自動車部品振動試験方法の1種A法に従い、加速度30m/s2で試験した後の粉落ち量が15%未満である、前記〔1〕~〔4〕のいずれか1項に記載の吸音材。
〔6〕前記吸音材における多孔質材料が、前記粉体材料が付着している層と、前記粉体材料が付着していない層とを含む、前記〔1〕~〔5〕のいずれか1項に記載の吸音材。
〔7〕前記粉体材料が付着している層が、前記多孔質材料の表面から0~3mmの領域に存在する、前記〔6〕に記載の吸音材。
〔8〕前記粉体材料が、天然素材、天然素材の加工物、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、エラストマー樹脂、無機材料、及び、これらの組み合わせからなる群より選ばれる、前記〔1〕~〔7〕のいずれか1項に記載の吸音材。
〔9〕前記粉体材料が天然素材又は天然素材の加工物であり、かつ
前記天然素材又は天然素材の加工物が、天然澱粉、加工澱粉、タンパク質、セルロース、天然ゴム、ロジン、及び、これらの組み合わせからなる群より選ばれる、前記〔8〕に記載の吸音材。
〔10〕前記粉体材料が熱可塑性樹脂であり、かつ
前記熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ乳酸樹脂、ノボラック型フェノール樹脂、及び、これらの組み合わせからなる群より選ばれる、前記〔8〕に記載の吸音材。
〔11〕前記粉体材料が熱硬化性樹脂であり、かつ
前記熱硬化性樹脂が、レゾール型フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、及び、これらの組み合わせからなる群より選ばれる、前記〔8〕に記載の吸音材。
〔12〕前記粉体材料がエラストマー樹脂であり、かつ
前記エラストマー樹脂が、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレンブタジエンゴム、シリコンゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、ポリサルファイド、及び、これらの組み合わせからなる群より選ばれる、前記〔8〕に記載の吸音材。
〔13〕前記粉体材料が天然澱粉又は加工澱粉であり、かつ
前記天然澱粉又は加工澱粉の重量平均分子量が4000以上である、前記〔9〕に記載の吸音材。
〔14〕前記粉体材料が天然澱粉であり、かつ
前記天然澱粉が、イモ澱粉、トウモロコシ澱粉、米澱粉、麦澱粉、豆澱粉、タピオカ澱粉、ワラビ澱粉、及び、葛澱粉からなる群より選ばれる、前記〔9〕に記載の吸音材。
〔15〕前記多孔質材料が、無機繊維、天然繊維及び有機合成繊維からなる群より選ばれる繊維の不織布又はフェルト、並びに、有機合成樹脂の発泡体からなる群より選ばれる、前記〔1〕~〔14〕のいずれか1項に記載の吸音材。
〔16〕前記多孔質材料が、無機繊維を含む不織布又はフェルトであり、かつ
前記無機繊維が、ガラス繊維、人造石綿繊維及び炭素繊維からなる群より選ばれる、前記〔15〕に記載の吸音材。
〔17〕前記多孔質材料が、天然繊維を含む不織布又はフェルトであり、かつ
前記天然繊維が、麻繊維、綿繊維、絹繊維及びパルプ繊維からなる群より選ばれる、前記〔15〕に記載の吸音材。
〔18〕前記多孔質材料が、有機合成繊維を含む不織布又はフェルトであり、かつ
前記有機合成繊維が、ポリエステル樹脂繊維、ポリプロピレン樹脂繊維、ビニロン樹脂繊維、アラミド樹脂繊維及びレーヨン樹脂繊維からなる群より選ばれる、前記〔15〕に記載の吸音材。
〔19〕前記多孔質材料の通気抵抗(JIS L 1913フラジール法(オリフィス径φ16mm)に従い測定)が、100N・s/m4以上である、前記〔1〕~〔18〕のいずれか1項に記載の吸音材。
〔20〕前記粉体材料が、前記多孔質材料に海島状で付着している、前記〔1〕~〔19〕のいずれか1項に記載の吸音材。
〔21〕防腐剤、防かび剤、着色剤、酸化防止剤、紫外線劣化防止剤、消臭剤、防虫剤、赤外線吸収剤及び熱線反射材からなる群より選ばれる1種以上の任意成分を更に含む、前記〔1〕~〔20〕のいずれか1項に記載の吸音材。
〔22〕前記〔1〕~〔21〕のいずれか1項に記載の吸音材が積層又は貼り合わされている、吸音材。
〔23〕前記〔1〕~〔21〕のいずれか1項に記載の吸音材と面材とを含む、吸音材。
〔24〕前記〔1〕~〔23〕のいずれか1項に記載の吸音材を含む、自動車用、産業資材用又は建材用の吸音材。
後述の実施例で示されるように、本発明の吸音材は優れた吸音性を有する。したがって、本発明は、様々な産業分野で好適に使用できる吸音材を提供することができる。
図1は、実施例4で得られた吸音材の表面の写真である。 図2は、実施例4で得られた吸音材の断面の顕微鏡写真である。 図3は、実施例1及び5並びに比較例1及び9で得られた吸音材の吸音率を示す図(吸音曲線)である。
本発明の吸音材は、粉体材料が付着している多孔質材料を含み、かつ、下記の特徴(1)~(5)を備えている。
(1)前記粉体材料の真比重が1.8g/cm3以下である。
(2)前記粉体材料の二次粒子径が0.1~800μmである。
(3)前記粉体材料の付着量が10~200g/m2である。
(4)JIS D1601 自動車部品振動試験方法の1種A法に従い、加速度30m/s2で試験した後の前記粉体材料の粉落ち量が20%未満である。
(5)厚みが1~50mmである。
はじめに、本発明の吸音材の必須成分である粉体材料と多孔質材料について説明する。
〔粉体材料〕
粉体材料の真比重は、1.8g/cm3以下、好ましくは1.7g/cm3以下、より好ましくは1.6g/cm3以下である。真比重の下限値は、吸音性の点からは特に制限されないが、例えば0.01g/cm3であってもよい。
真比重は、ピクノメーター法に従い測定することができる。
なお、粉体材料は、その固め嵩比重が、1.0g/cm3以下、好ましくは0.8g/cm3以下、より好ましくは0.6g/cm3以下であってもよい。固め嵩比重の下限値は、吸音性の点からは特に制限されないが、例えば0.1g/cm3であってもよい。
固め嵩比重は、例えば、下記の手順に従い測定することができる。
予め空質量を測定した500mlのメスシリンダーに粉体材料を300~400ml封入した後、質量を測定し、初期質量との差から、封入した粉体材料の質量を算出する。
次に、粉体材料が封入されているメスシリンダーを、10cmの高さから、試験台に敷いたゴムマット(和気産業株式会社製NBR(発泡ニトリルゴム)『ハネナイトスポンジHNS004』)に垂直に30回自由落下させて、粉体材料を密充填した後にその体積を測定する。
封入した質量と密充填したときの体積とから、固め嵩比重を算出することができる。
粉体材料の二次粒子径は、0.1~800μm、好ましくは1~500μm、より好ましくは3~400μmである。
二次粒子径は、レーザ回折・散乱法に従い、レーザ回折式粒度分布測定装置で測定することができる。
本発明では、上記の真比重又は固め嵩比重の要件と二次粒子径の要件とを満たすあらゆる素材を粉体材料として使用できる。具体例としては、天然素材、天然素材の加工物、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、エラストマー樹脂、無機材料、及び、これらの組み合わせ等が挙げられる。
天然素材及び天然素材の加工物の具体例としては、天然澱粉、加工澱粉、タンパク質、セルロース、天然ゴム、ロジン、キトサン、そば粉、及び、これらの組み合わせ等が挙げられる。
熱可塑性樹脂の具体例としては、ポリオレフィン樹脂(例えば、ホモポリプロピレン)、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ乳酸樹脂、ノボラック型フェノール樹脂、セルロースエーテル、及び、これらの組み合わせ等が挙げられる。
熱硬化性樹脂の具体例としては、レゾール型フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、メタクリル酸アルキル共重合体、メタクリル酸アルキル・メタクリル酸共重合体、及び、これらの組み合わせ(例えば、アクリル/ポリエステルハイブリッド硬化型樹脂)等が挙げられる。
エラストマー樹脂の具体例としては、球状ポリオレフィン系エラストマー、球状ポリブタジエン系エラストマー、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレンブタジエンゴム、シリコンゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、ポリサルファイド、及び、これらの組み合わせ等が挙げられる。
無機材料の具体例としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、バライト、重曹、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、マイカ、雲母、珪藻土、ワラストナイト、シラス、シリカ、アルミナ、カーボン(カーボンブラック)、グラファイト、中空シラスバルーン、パーライト、シリカアルミナの中空品、アルミナ珪酸質の中空フライアッシュバルーン、中空アルミノシリケートバルーン、変性シリコーン(例えば、シリコーンエラストマー)、エアロゲル、ガラス微小中空体、前記物質の表面処理物(例えば、シランカップリング剤で表面処理された水酸化アルミニウムや、コロイダルシリカのエマルジョンにマイカを分散させたもの等)、及び、これらの組み合わせ等が挙げられる。
前記の具体例の他、ステアリン酸カルシウム等も粉体材料として使用することができる。
前記の粉体材料のなかでは、天然澱粉及び加工澱粉が好ましい。
天然澱粉及び加工澱粉の重量平均分子量は、好ましくは4000以上、より好ましくは10000以上、特に好ましくは30000以上である。なお、重量平均分子量は、例えば、常温で粉体として扱える3000程度であってもよい。
重量平均分子量は、クロマトグラフィー法(HPLC法)、光散乱法、沈降速度法(超遠心法)に従い測定することができる。
天然澱粉及び加工澱粉(以下、まとめて「澱粉」ともいう)のデキストロース当量(DE)は、好ましくは35未満、より好ましくは10未満、特に好ましくは5未満である。DEの下限値は、吸音性の点からは特に制限されないが、例えば、0であってもよい。
澱粉のデキストロース当量が35未満であると、水への可溶性が高くなることによる耐水性の低下を抑制することができる。
なお、高いデキストロース当量(例えば、5以上)を有する澱粉を用いる場合には、澱粉の低分子量化に起因する劣化(腐食や虫による食害等)を抑制するために、防腐剤や防虫剤を用いることが好ましい。
デキストロース当量(DE)は、以下の手順に従い測定することができる。

澱粉2.5g を正確に量り、水に溶かして200ml とする。この溶液10ml を正確に量り、0.04mol/l ヨウ素溶液(注1)10ml と0.04mol/l 水酸化ナトリウム溶液(注2)15mlとを加えて20 分間暗所に放置する。次に、2mol/l 塩酸(注3)を5ml 加えて混和した後、0.04mol/l チオ硫酸ナトリウム溶液(注4)で滴定する。滴定の終点近くで液が微黄色になったら、デンプン指示薬(注5)2 滴を加えて滴定を継続し、液の色が消失した時点を滴定の終点(滴定値)とする。別に空試験(ブランク)を行う。次式によりデキストロース当量(DE)値を求める。

DE = (b-a)×f× 3.602/(1/1000)/(200/10)/{ A×(100-B)/100}×100

a:滴定値(ml)
b:ブランク値(ml)
f:チオ硫酸ナトリウム溶液のファクター値
A:澱粉試料の秤取量(g)
B:澱粉試料の水分値(%)

(注1)0.04mol/l ヨウ素溶液:ヨウ化カリウム20.4g とヨウ素10.2g を2l のメスフラスコに入れ、少量の水で溶解後、標線まで水を加える。
(注2)0.04mol/l 水酸化ナトリウム溶液:水酸化ナトリウム3.2g を2l のメスフラスコに入れ、少量の水で溶解後、標線まで水を加える。
(注3)2mol/l 塩酸:水750ml に塩酸150ml をかき混ぜながら徐々に加える。(注4)0.04mol/l チオ硫酸ナトリウム溶液:チオ硫酸ナトリウム20g を2l のメスフラスコに入れ、少量の水で溶解後、標線まで水を加える。
(注5)デンプン指示薬:可溶性デンプン5g を水500ml に溶解し、これに塩化ナトリウム100g を溶解する。
天然澱粉(及び加工澱粉の原料となる天然澱粉)の具体例としては、イモ澱粉(例えば、サツマイモ澱粉)、トウモロコシ澱粉、米澱粉、麦澱粉、豆澱粉、タピオカ澱粉、ワラビ澱粉、及び、葛澱粉等が挙げられる。
加工澱粉としては、天然澱粉の分解物(例えば、デキストリン、ソルビトール、オリゴ糖、エリスリトール、酸化澱粉や、酸処理澱粉)や、アルファ化澱粉、ヒドロキシプロピル化澱粉等が挙げられる。
粉体材料は、1種類を単独で用いてもよく、複数種類を組み合わせて用いてもよい。
粉体材料は公知物質であり、市場において容易に入手することができるか、又は、調製可能である。
〔多孔質材料〕
多孔質材料は、前記の粉体材料を後記の付着量及び付着強さにて保持することができるものであれば特に制限されない。
具体例としては、無機繊維、天然繊維及び有機合成繊維からなる群より選ばれる繊維の不織布又はフェルトと、有機合成樹脂の発泡体とが挙げられる。
無機繊維の具体例としては、ガラス繊維、人造石綿繊維及び炭素繊維等が挙げられる。
天然繊維の具体例としては、麻繊維、綿繊維(例えば、木綿)、絹繊維、パルプ繊維及び反毛等が挙げられる。
有機合成繊維の具体例としては、ポリエステル樹脂繊維、ポリプロピレン樹脂繊維、ビニロン樹脂繊維、アラミド樹脂繊維及びレーヨン樹脂繊維等が挙げられる。
無機繊維、天然繊維及び有機合成繊維(以下、まとめて「繊維」ともいう)の繊維経は特に制限されないが、好ましくは0.1~100μm、より好ましくは0.1~50μmである。
繊維の密度は特に制限されないが、好ましくは5~300kg/m3、より好ましくは20~150kg/m3である。
繊維は、1種類を単独で用いてもよく、複数種類を組み合わせて用いてもよい。
繊維は公知物質であり、市場において容易に入手することができるか、又は、調製可能である。
繊維は、従来公知の方法により不織布又はフェルトへと加工することができる。
不織布及びフェルトとしては、ガラス繊維(グラスウール)からなるものが特に好ましい。
不織布及びフェルトは、無機繊維、天然繊維、有機合成繊維又はこれらの組み合わせを含むものであってもよい。
有機合成樹脂繊維の具体例としては、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、アクリル繊維、ビニロン繊維、ナイロン繊維、アラミド繊維、ポリウレタン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリオレフィン繊維や、セルロース繊維等が挙げられる。
有機合成樹脂繊維は、1種類を単独で用いてもよく、複数種類を組み合わせて用いてもよい。
有機合成樹脂は公知物質であり、市場において容易に入手することができるか、又は、調製可能である。
ポリエステル樹脂やポリウレタン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂などの有機合成樹脂は、従来公知の方法により発泡体へと加工することができる。
多孔質材料の通気抵抗は、好ましくは100N・s/m4以上、より好ましくは1000N・s/m4以上、特に好ましくは3000N・s/m4以上である。多孔質材料の通気抵抗が高い程、吸音性の改善効果が高まる。通気抵抗の上限値は、例えば、3000000(N・s/m4)あってもよい。
通気抵抗は、JIS L 1913フラジール法(オリフィス径φ16mm)に従い測定することができる。
多孔質材料の密度は、好ましくは5~300kg/m3、より好ましくは10~200kg/m3、特に好ましくは15~120kg/m3である。
多孔質材料は、1種類を単独で用いてもよく、複数種類を組み合わせて用いてもよい。
多孔質材料は公知物質であり、市場において容易に入手することができるか、又は、調製可能である。
〔粉体材料の多孔質材料への付着量〕
多孔質材料の単位面積(m2)あたりの粉体材料の付着量(g)は、10~200g/m2で、好ましくは20~180g/m2、特に好ましくは30~150g/m2である。付着量は、以下の手順に従い測定することができる。

縦・横の寸法と重量を予め測定しておいた多孔質材料に、粉体を塗布し、塗布後の質量を測定し、以下の式に従い塗布量を求める。

粉体材料の多孔質材料への付着量(g/m2)=(m1-m0)÷(a×b)

多孔質材料の縦寸法:a(m)
多孔質材料の横寸法:b(m)
多孔質材料の初期質量:m0(g)
粉体塗布後の多孔質材料の質量:m1(g)
〔粉体材料の多孔質材料への付着の強さ〕
本発明では、粉体材料の多孔質材料への付着の強さを粉落ち量を指標として評価する。
本発明の吸音材では、JIS D1601 自動車部品振動試験方法の1種A法に従い、加速度30m/s2で試験した後の粉体材料の粉落ち量が20%未満、好ましくは15%未満、特に好ましくは10%未満である。
粉落ち量が20%未満であると、高い吸音性を得ることができる。
〔粉体材料の多孔質材料への付着方法〕
粉体材料の多孔質材料への付着は従来公知の方法により実施できるが、粉体材料を多孔質材料へ塗布し、その後加熱する方法が好ましい。
塗布は手作業、又は、他の手段(例えば、スプレー塗布)により行うことができる。
粉体材料を多孔質材料へ付着させる手段としては、例えば、乾式塗布した後に熱溶着や湿熱溶着させる方法や、水や溶媒に分散させてスプレー塗布した後に加熱処理する方法などが挙げられる。
粉体材料を塗布した多孔質材料を加熱する手段としては、例えば、ヒーター、オーブンや遠赤外線加熱炉等が挙げられる。加熱温度は粉体材料及び多孔質材料の種類に応じて適宜設定することができるが、粉体材料の融点や熱硬化反応の開始温度に対して、好ましくは10~40℃高い温度であり、より好ましくは10~30℃高い温度である。天然澱粉や加工澱粉や湿気硬化型ウレタンなどは、80~130℃で加熱すると良い。
なお、粉体材料の付着量や粉落ち量は、当該粉体材料の塗布量や加熱処理温度を変更することで制御することができる。
本発明の吸音材では、粉体材料が多孔質材料に海島状で付着していてもよい。「海島状で付着」とは、多孔質材料の表面の全面ではなく一部分を覆うように粉体材料が付着している状態をいう。
海島状での付着は、粉体材料が多孔質材料の表面を均一に覆わないように塗布工程を制御する(例えば、スプレー塗布により、塗布領域と未塗布領域とを意図的に設ける)ことで達成することができる。
粉体材料の付着状態は顕微鏡等で確認することができる。
〔吸音材の厚み〕
吸音材の厚みは、1~50mm、好ましくは5~40mm、特に好ましくは10~30mmである。吸音材の厚みが1~50mmであると、吸音性の高い改善効果を得ることができる。
〔吸音材の任意成分〕
本発明の吸音材は、その吸音性を損なわない範囲で、吸音材に配合されることが公知の任意成分を含んでいてもよい。具体例としては、防腐剤、防かび剤、着色剤、酸化防止剤、紫外線劣化防止剤、消臭剤、防虫剤、赤外線吸収剤及び熱線反射材等が挙げられる。
任意成分は、1種類を単独で用いてもよく、複数種類を組み合わせて用いてもよい。
〔吸音材の構造〕
本発明の吸音材は、前記の粉体材料が付着した多孔質材料をそのまま使用することができるが、複数の吸音材を積層又は貼り合わせると、意匠性を高めたり、通気性を変えて吸音性を更に高めたり、防水性を高めるなど、機能を強化又は付加することができるので好ましい。
積層又は貼り合わせて用いる吸音材の厚さは、例えば2~100mmである。
貼り合わせに用いる接着剤としては、
合成樹脂接着剤(例えばポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン樹脂、反応性アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂や、エポキシ樹脂等の接着剤)(前記合成樹脂接着剤は粉末状又は繊維状であってもよい)や、
合成ゴム系接着剤(例えば反応型ホットメルト接着剤、EVA系ホットメルト形接着剤、エラストマー系ホットメルト形接着剤や、ポリアミド系ホットメルト形接着剤等)や、
合成ゴム系接着剤(例えばクロロプレンゴム系溶剤形接着剤、合成ゴム系ラテックス形接着剤等)や、
エマルジョン形接着剤(例えば酢酸ビニル樹脂系エマルジョン形接着剤、酢酸ビニル共重合樹脂系エマルジョン形接着剤、EVA樹脂系エマルジョン形接着剤や、アクリル樹脂系エマルジョン形接着剤等)等が挙げられる。
本発明の吸音材は、通気性のある面材とともに使用することができる。面材の具体例としては、不織布(例えば、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、スパンレース不織布、ニードルパンチ不織布等)、および、不織布の積層品(SMS不織布、SMMS不織布、SMMMS不織布など)、ガラスペーパー、織物又は編み物(例えば布やガラスクロス等)、レース、フェルト、発泡シート等が挙げられる。
吸音材は、熱や接着剤等により面材へ接着していてもよい。
本発明の吸音材において、多孔質材料は、粉体材料が付着している層と、粉体材料が付着していない層とを含んでいてもよい。かかる構造を有する吸音材は、粉体材料が付着している層が音源側となるように配置して用いられる。
粉体材料が付着している層は、多孔質材料の表面から0~3mm、好ましくは0~0.1mm(100μm)の領域に存在していてもよい。
〔吸音性〕
本発明の吸音材は、周波数100~10000Hzの音、特に周波数1000Hzから4000Hzの音を好適に吸音することができる。
1000Hzという周波数は、車両のエンジン音やロードノイズ等を含む様々な産業分野(特に自動車分野)で用いられる吸音材の性能の指標となっている周波数である。
4000Hzという周波数は、人間の耳に最も敏感に感応する音域である。
吸音性は、吸音材分野で公知の方法、例えばJIS A 1405-2:2007(ISO 10534-2:1998)に定められる音響管による吸音率及びインピーダンスの測定法に従い、吸音率として測定することができる。
本発明の吸音材は、粉体材料塗布前の多孔質材料を基準とした1000Hzの吸音率の改善率(%)が、好ましくは10%以上、より好ましくは20%以上である。
また、本発明の吸音材は、4000Hzの吸音率が、好ましくは0.7以上、より好ましくは0.8以上である。
〔吸音材の用途〕
本発明の吸音材は、吸音が求められるあらゆる産業分野で用いることができるが、特に、自動車分野(例えば、エンジンルーム用や、内装部品の裏貼り用の吸音材)、産業資材分野(例えば、室外機やコンプレッサー、ダクト用の吸音材)や、建材分野(例えば、天井や壁用の吸音材)で好適に用いることができる。
次に、実施例により本発明の効果を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
以下の実施例及び比較例では、各材料の物性を以下の方法に従い測定した。
〔粉体材料の真比重〕
ピクノメーター法に従い測定した。具体的には、島津製作所製の乾式自動密度計アキュピック1330を使用し、ASTM D2856(1998)に準拠した測定を行った。
〔粉体材料の二次粒子径〕
レーザ回折・散乱法に従い測定した。具体的には、株式会社島津製作所製のレーザ回折式粒度分布測定装置(装置名:SALD-2200)を使用して測定した。
〔澱粉の重量平均分子量〕
分子量は、東ソー株式会社製高速液体クロマトグラフ(HPLC)を使用して測定した(ポンプDP-8020、RI検出器RS-8021)。分析条件は、以下の通りであった。
カラム:TSKgel α-M(東ソー社製)2本
流速:0.5ml/min
移動相:5mM NaNO3/ジメチルスルホキシド:水(9:1)
カラム温度:40℃
分析量:0.2mL(試料濃度1.0mg/mL移動相)
〔澱粉のデキストロース当量(DE)〕
澱粉2.5g を正確に量り、水に溶かして200ml とした。この溶液10ml を正確に量り、0.04mol/l ヨウ素溶液(注1)10ml と0.04mol/l 水酸化ナトリウム溶液(注2)15mlとを加えて20 分間暗所に放置した。次に、2mol/l 塩酸(注3)を5ml 加えて混和した後、0.04mol/l チオ硫酸ナトリウム溶液(注4)で滴定した。滴定の終点近くで液が微黄色になったら、デンプン指示薬(注5)2 滴を加えて滴定を継続し、液の色が消失した時点を滴定の終点(滴定値)とした。別に空試験(ブランク)を行なった。次式によりデキストロース当量(DE)値を求めた。

DE = (b-a)×f× 3.602/(1/1000)/(200/10)/{ A×(100-B)/100}×100

a:滴定値(ml)
b:ブランク値(ml)
f:チオ硫酸ナトリウム溶液のファクター値
A:澱粉試料の秤取量(g)
B:澱粉試料の水分値(%)

(注1)0.04mol/l ヨウ素溶液:ヨウ化カリウム20.4g とヨウ素10.2g を2l のメスフラスコに入れ、少量の水で溶解後、標線まで水を加えた。
(注2)0.04mol/l 水酸化ナトリウム溶液:水酸化ナトリウム3.2g を2l のメスフラスコに入れ、少量の水で溶解後、標線まで水を加えた。
(注3)2mol/l 塩酸:水750ml に塩酸150ml をかき混ぜながら徐々に加えた。
(注4)0.04mol/l チオ硫酸ナトリウム溶液:チオ硫酸ナトリウム20g を2l のメスフラスコに入れ、少量の水で溶解後、標線まで水を加えた。
(注5)デンプン指示薬:可溶性デンプン5g を水500ml に溶解し、これに塩化ナトリウム100g を溶解した。
〔多孔質材料の通気抵抗〕
JIS L 1913フラジール法(オリフィス径φ16mm)に従い測定した。
〔多孔質材料(繊維)の繊維経〕
COTTONSCOPE社製のガラス繊維径を測定できる装置「COTTONSCOPE」を用い、裁断した多孔質材料(繊維)を水に入れて撹拌し、得られた画像を処理することで測定した。
〔多孔質材料の密度〕
サンプルの縦・横・厚みの各寸法をデジタルノギスで測定することで求めた体積と、電子天秤により測定した質量とから決定した。
〔粉体材料の多孔質材料への付着量〕
以下の手順に従い測定した。
縦・横の寸法と重量を予め測定しておいた多孔質材料に、粉体を塗布し、塗布後の質量を測定し、以下の式に従い塗布量を求めた。

粉体材料の多孔質材料への付着量(g/m2)=(m1-m0)÷(a×b)

多孔質材料の縦寸法:a(m)
多孔質材料の横寸法:b(m)
多孔質材料の初期質量:m0(g)
粉体塗布後の多孔質材料の質量:m1(g)
〔粉体材料の多孔質材料への付着の強さ(粉落ち量)〕
JIS D1601 自動車部品振動試験方法の1種A法に従い測定した。
〔吸音材の厚み〕
デジタルノギスにより測定した。
〔吸音材の吸音性〕
JIS A 1405-2:2007(ISO 10534-2:1998)に定められる音響管による吸音率及びインピーダンスの測定法に従い、吸音率として測定した。
測定は、100Hz、125Hz、160Hz、200Hz、250Hz、315Hz、400Hz、500Hz、630Hz、800Hz、1000Hz、1250Hz、1600Hz、2000Hz、2500Hz、3150Hz、及び、4000Hzの各周波数で実施した。
なお、以下の実施例及び比較例では、特段の説明がある場合を除き、粉体材料付着による吸音率の改善(%)は、粉体材料付着前の吸音率を基準とした値である。
〔実施例1〕
粉体材料として、未変性イエローコーン澱粉(天然トウモロコシ澱粉)(商品名:未変性イエローコーン。製造者:日本コーンスターチ)(重量平均分子量:1.531×106。デキストロース当量(DE):0)を使用した。
使用した粉体材料の真比重(g/cm3)及び二次粒子径(μm)を表1に示す。
多孔質材料として、溶融延伸法で製造されたガラス繊維の不織布であるグラスウール(商品名:アクリアα。製造者:旭ファイバーグラス株式会社)(繊維径:3μm)を使用した。
使用した多孔質材料の密度(kg/m3)及び通気抵抗(N・s/m4)を表1に示す。
粉体材料を、予め吸音性を測定した多孔質材料へ、手作業で均一に塗布した。塗布後の多孔質材料を、50℃95%RHの恒温槽中で1時間放置した。次いで、ヒーターにより100℃で2時間加熱することにより、粉体材料を多孔質材料へ付着させて、吸音材を得た。
得られた吸音材について、粉体材料の付着量(g/m2)、粉体材料の粉落ち量(%)、厚み(mm)、並びに、1000Hz及び4000Hzの吸音率を表1に示す。
併せて、粉体材料塗布前の多孔質材料(後記の比較例1に該当)を基準とした1000Hzの吸音率の改善率(%)を表1に示す。
〔実施例2〕
粉体材料として、エラストマー樹脂であるスチレンブタジエンゴム(商品名:デービーボンド1178。製造者:ダイアボンド)を使用し、
多孔質材料として表1記載の密度及び通気抵抗を有するグラスウール(商品名:アクリアα。製造者:旭ファイバーグラス株式会社)(繊維径:3μm)を使用し、
更に、粉体材料の塗布をスプレー塗布(分散媒:ヘキサンとアセトンの混合溶媒)により行った
ことを除き、実施例1と同様の手順により吸音材を製造し、物性を評価した(表1)。
なお、表1に示す1000Hzの吸音率の改善率(%)は、粉体材料塗布前の多孔質材料(後記の比較例2に該当)を基準としたものである。
〔実施例3〕
粉体材料として、熱可塑性樹脂であるホモポリプロピレン(商品名:E105PW。製造者:プライムポリマー)(融点:165℃。軟化点:100~120℃)を使用し、
多孔質材料として表1記載の密度及び通気抵抗を有するグラスウール(商品名:アクリアα。製造者:旭ファイバーグラス株式会社)(繊維径:3μm)を使用し、
更に、塗布後の多孔質材料を、180℃の恒温槽に2時間放置して粉体材料を多孔質材料へ付着させた
ことを除き、実施例1と同様の手順により吸音材を製造し、物性を評価した(表1)。
なお、表1に示す1000Hzの吸音率の改善率(%)は、粉体材料塗布前の多孔質材料(後記の比較例3に該当)を基準としたものである。
〔実施例4〕
粉体材料として、熱硬化性樹脂であるアクリル/ポリエステルハイブリッド硬化型樹脂(商品名:ファインディックA-241。製造者:DIC)を使用し、
更に多孔質材料として表1記載の密度及び通気抵抗を有するグラスウール(商品名:アクリアα。製造者:旭ファイバーグラス株式会社)(繊維径:3μm)を使用した
ことを除き、実施例1と同様の手順により吸音材を製造し、物性を評価した(表1)。
なお、表1に示す1000Hzの吸音率の改善率(%)は、粉体材料塗布前の多孔質材料(後記の比較例5に該当)を基準としたものである。
実施例4で得られた吸音材の表面の写真を図1に示す。図1は、粉体材料が付着している層が、多孔質材料の表面から0~100μmの領域に存在していることを示している。
更に実施例4で得られた吸音材の断面の電子顕微鏡写真を図2に示す。図2は、粉体材料が、多孔質材料に海島状で付着していることを示している。
〔実施例5〕
多孔質材料としてレジンフェルト(ポリエステル繊維、木綿及び反毛を含む混綿フェルトをフェノール樹脂バインダーで処理した材料)(製造者:太洋フェルト工業社)を使用したことを除き、実施例1と同様の手順により吸音材を製造し、物性を評価した(表1)。
なお、表1に示す1000Hzの吸音率の改善率(%)は、粉体材料塗布前(後記の比較例9に該当)の多孔質材料を基準としたものである。
更に、100~4000Hzの吸音率を、表2及び図3に示す。
〔比較例1〕
実施例1で粉体材料を塗布する前のグラスウールを比較例1とした。
実施例1と同様に、100~4000Hzの吸音率を、表2及び図3に示す。
〔比較例2〕
実施例2で粉体材料を塗布する前のグラスウールを比較例2とした。
〔比較例3〕
実施例3で粉体材料を塗布する前のグラスウールを比較例3とした。
〔比較例4〕
粉体材料として、ホモポリプロピレン樹脂(商品名:E105PW。製造者:プライムポリマー)(融点:165℃。軟化点:100~120℃)(実施例3と同等)を使用し、
多孔質材料として表1記載の密度及び通気抵抗を有するグラスウール(商品名:アクリアα。製造者:旭ファイバーグラス株式会社)(繊維径:3μm)を使用し、
更に、塗布後の多孔質材料を、140℃の恒温槽に2時間放置して粉体材料を多孔質材料へ付着させた
ことを除き、実施例1と同様の手順により吸音材を製造し、物性を評価した(表1)。
なお、表1に示す1000Hzの吸音率の改善率(%)は、粉体材料塗布前の多孔質材料を基準としたものである。
粉落ち量が本発明で規定する要件を満たしていない比較例4は、1000Hzの吸音率について十分な改善が得られなかった。
〔比較例5〕
実施例4で粉体材料を塗布する前のグラスウールを比較例1とした。
〔比較例6〕
粉体材料の付着量が実施例4よりも多くなるよう粉体材料の使用量を調節したことを除いて、実施例4と同様の手順により吸音材を製造し、物性を評価した(表1)。
なお、表1に示す1000Hzの吸音率の改善率(%)は、粉体材料塗布前の多孔質材料(比較例5)を基準としたものである。
粉体材料の付着量が本発明で規定する要件を満たしていない比較例6は、4000Hzの吸音率が満足のいくものではなかった。
〔比較例7〕
粉体材料として、低融点ポリエステル樹脂(商品名:プラスコート Z-730-100(F)。製造者:互応化学社)を使用し、
多孔質材料として表1記載の密度及び通気抵抗を有するグラスウール(商品名:アクリアα。製造者:旭ファイバーグラス株式会社)(繊維径:3μm)を使用し、
更に、塗布後の多孔質材料を、100℃の恒温槽に2時間放置して粉体材料を多孔質材料へ付着させた
ことを除き、実施例1と同様の手順により吸音材を製造し、物性を評価した(表1)。
なお、表1に示す1000Hzの吸音率の改善率(%)は、粉体材料塗布前の多孔質材料を基準としたものである。
粉体材料の二次粒子径が本発明で規定する要件を満たしていない比較例7は、1000Hzの吸音率の改善が得られなかった。
〔比較例8〕
粉体材料として、珪砂(商品名:珪砂5号。製造者:竹折砿業所社)を使用し、
多孔質材料として表1記載の密度及び通気抵抗を有するグラスウール(商品名:アクリアα。製造者:旭ファイバーグラス株式会社)(繊維径:3μm)を使用し、
更に、塗布後の多孔質材料を、120℃の恒温槽に2時間放置して粉体材料を多孔質材料へ付着させた
ことを除き、実施例1と同様の手順により吸音材を製造し、物性を評価した(表1)。
なお、表1に示す1000Hzの吸音率の改善率(%)は、粉体材料塗布前の多孔質材料を基準としたものである。
粉体材料の真比重が本発明で規定する要件を満たしていない比較例8は、1000Hzの吸音率の改善が得られなかった。
〔比較例9〕
実施例5で粉体材料を塗布する前のレジンフェルトを比較例9とした。
実施例5と同様に、100~4000Hzの吸音率を、表2及び図3に示す。
本発明の吸音材は、種々の産業分野で利用することが可能である。
Figure 0007090411000001
Figure 0007090411000002

Claims (19)

  1. 多孔質材料と、前記多孔質材料に直接付着した粉体材料とを含む、吸音材であって、
    (1)前記粉体材料の真比重が1.8g/cm3以下であり、
    (2)前記粉体材料の二次粒子径が0.1~800μmであり、
    (3)前記粉体材料の付着量が10~200g/m2であり、
    (4)前記吸音材を、JIS D1601 自動車部品振動試験方法の1種A法に従い、加速度30m/s2で試験した後の前記粉体材料の粉落ち量が20%未満であり
    (5)前記吸音材の厚みが1~50mmであかつ
    (6)前記粉体材料が天然澱粉又は加工澱粉である、ことを特徴とする、吸音材。
  2. 前記粉体材料の真比重が1.6g/cm3以下であるか、又は、前記粉体材料の固め嵩比重が0.8以下である、請求項1に記載の吸音材。
  3. 前記粉体材料の二次粒子径が1~500μmである、請求項1又は2に記載の吸音材。
  4. 前記粉体材料の付着量が30~150g/m2である、請求項1~3のいずれか1項に記載の吸音材。
  5. JIS D1601 自動車部品振動試験方法の1種A法に従い、加速度30m/s2で試験した後の粉落ち量が15%未満である、請求項1~4のいずれか1項に記載の吸音材。
  6. 前記吸音材における多孔質材料が、前記粉体材料が付着している層と、前記粉体材料が付着していない層とを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の吸音材。
  7. 前記粉体材料が付着している層が、前記多孔質材料の表面から0~3mmの領域に存在する、請求項6に記載の吸音材。
  8. 前記天然澱粉又は加工澱粉の重量平均分子量が4000以上である、請求項1~7のいずれか1項に記載の吸音材。
  9. 前記粉体材料が天然澱粉であり、かつ
    前記天然澱粉が、イモ澱粉、トウモロコシ澱粉、米澱粉、麦澱粉、豆澱粉、タピオカ澱粉、ワラビ澱粉、及び、葛澱粉からなる群より選ばれる、請求項1~7のいずれか1項に記載の吸音材。
  10. 前記多孔質材料が、無機繊維、天然繊維及び有機合成繊維からなる群より選ばれる繊維の不織布又はフェルト、並びに、有機合成樹脂の発泡体からなる群より選ばれる、請求項1~のいずれか1項に記載の吸音材。
  11. 前記多孔質材料が、無機繊維を含む不織布又はフェルトであり、かつ
    前記無機繊維が、ガラス繊維、人造石綿繊維及び炭素繊維からなる群より選ばれる、請求項10に記載の吸音材。
  12. 前記多孔質材料が、天然繊維を含む不織布又はフェルトであり、かつ
    前記天然繊維が、麻繊維、綿繊維、絹繊維及びパルプ繊維からなる群より選ばれる、請求項10に記載の吸音材。
  13. 前記多孔質材料が、有機合成繊維を含む不織布又はフェルトであり、かつ
    前記有機合成繊維が、ポリエステル樹脂繊維、ポリプロピレン樹脂繊維、ビニロン樹脂繊維、アラミド樹脂繊維及びレーヨン樹脂繊維からなる群より選ばれる、請求項10に記載の吸音材。
  14. 前記多孔質材料の通気抵抗(JIS L 1913フラジール法(オリフィス径φ16mm)に従い測定)が、100N・s/m4以上である、請求項1~13のいずれか1項に記載の吸音材。
  15. 前記粉体材料が、前記多孔質材料に海島状で付着している、請求項1~14のいずれか1項に記載の吸音材。
  16. 防腐剤、防かび剤、着色剤、酸化防止剤、紫外線劣化防止剤、消臭剤、防虫剤、赤外線吸収剤及び熱線反射材からなる群より選ばれる1種以上の任意成分を更に含む、請求項1~15のいずれか1項に記載の吸音材。
  17. 請求項1~16のいずれか1項に記載の吸音材が積層又は貼り合わされている、吸音材。
  18. 請求項1~16のいずれか1項に記載の吸音材と面材とを含む、吸音材。
  19. 請求項1~18のいずれか1項に記載の吸音材を含む、自動車用、産業資材用又は建材用の吸音材。
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