JP7089192B2 - 基板の製造方法 - Google Patents
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Description
図1は、実施形態に係る基板の製造方法の手順を示すフローチャートである。図2は、実施形態に係る基板の製造方法において準備される積層板の基材の構成を模式的に示す断面図である。図3は、実施形態に係る基板の製造方法において準備される積層板を模式的に示す断面図である。図4は、実施形態に係る基板の製造方法において保護層が形成された積層板を模式的に示す断面図である。図5は、実施形態に係る基板の製造方法においてレーザー光が照射された積層板を模式的に示す断面図である。図6は、実施形態に係る基板の製造方法において使用されるレーザー加工装置の一例を示す模式図である。図7は、実施形態に係る基板の製造方法において貫通孔が形成された積層板を模式的に示す平面図である。図8は、図7のVIII-VIII線における断面図である。図9Aは、従来の製造方法において貫通孔が形成された積層板を模式的に示す断面図である。図9Bは、実施形態に係る基板の製造方法において貫通孔が形成された積層板を模式的に示す断面図である。図10は、実施形態に係る基板の製造方法において保護層が除去された積層板を模式的に示す平面図である。図11は、図10のXI-XI線における断面図である。図12Aは、従来の製造方法においてメッキ加工された積層板を模式的に示す断面図である。図12Bは、実施形態に係る基板の製造方法においてメッキ加工された積層板を模式的に示す断面図である。図13は、実施形態に係る基板の製造方法において配線パターンが形成された基板の平面図である。図14は、図13のXIV-XIV線における断面図である。なお、図3以降に示す各断面図において、基材の詳細な構成の記載を省略している。また、図13に示す平面図において、配線パターンとして第1金属層12、第2金属層13及び第3金属層14が残されている領域に、便宜的にハッチングを施している。
以下、各工程について説明する。
第1工程S1は、絶縁性を有する板状の基材11と、基材11の一面に張り付けられた第1金属層12と、基材11の他面に張り付けられた第2金属層13と、を有する積層板10を準備する工程である。積層板10は、市販品を購入してもよいし、自ら製造してもよい。積層板10は、例えばリジットプリント基板であるが、これに限定されない。
第2工程S2は、第1金属層12及び第2金属層13の上のそれぞれに保護層31,32を形成する工程である。保護層31,32は、所定の溶剤によって、第1金属層12及び第2金属層13の上から除去可能なものである。保護層31,32は、例えばアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂及びウレタン系樹脂から選択される1つで構成されるドライフィルムからなることが好ましい。
保護層31の厚みT31、及び、保護層32の厚みT32は、特に限定されず、例えば15μm以上75μm以下である。
第3工程S3は、保護層31,32が形成された積層板10に、第1金属層12の側からレーザー光20を照射することで、積層板10を厚さ方向に貫通した開口部15(貫通孔:図7参照)を形成する工程である。本実施形態では、開口部15として平面視で互いに平行な複数の長孔を形成する。
まず、第3工程S3で用いるレーザー加工装置の一例について説明する。
レーザー加工装置200は、レーザー光源210と、テレスコープ光学系220と、ガルバノスキャナー230と、fθレンズ240と、ステージ250と、AFカメラ260と、XYステージコントローラー270と、Zコントローラー280と、コンピューター290と、を備えている。
テレスコープ光学系220は、好ましい加工形状を得るために、レーザー光源210から出射されたレーザー光20のビーム径を最適化する。
XYステージコントローラー270は、コンピューター290の指示に基づいて、レーザー光20の集光点がレーザー光照射予定領域21に位置するように、ステージ250をX軸方向及びY軸方向に移動させる。
Zコントローラー280は、コンピューター290の指示に基づいて、レーザー光20の集光点が、積層板10の基材11内に位置するように、fθレンズ240をZ軸方向に移動させる。
まず、保護層31,32が形成された積層板10を、保護層31の側(第1金属層12の側)を上にして、ステージ250の載置台に載置する。そして、AFカメラ260及びXYステージコントローラー270により積層板10の表面プロファイルを取得する。
次いで、XYステージコントローラー270により積層板10を所定の位置に移動させた後、レーザー光源210からレーザー光20を出射して、レーザー光20を保護層31の上から積層板10に照射する。このとき、ガルバノスキャナー230によりレーザー光20の進行方向を変化させることで、レーザー光照射予定領域21に沿って環状に走査するようにレーザー光20を照射する。
レーザー光20の発振波長は、基材11の加工部における好ましくない熱的損傷の発生を抑制する観点からは、250nm以上2000nm以下であることが好ましく、250nm以上1500nm以下であることがより好ましい。例えば、レーザー光20の発振波長は、355nmである。
レーザー光20はパルス光であり、レーザー光20のパルス幅は、加工品質を向上させる観点からは、10ピコ秒以上100ナノ秒以下であることが好ましい。
レーザー光20の繰り返し周波数は、加工品質を向上させる観点からは、100kHz以上3000kHz以下であることが好ましく、1MHz以上3MHz以下であることがより好ましい。
レーザー光20の波長が355nmである場合、加工速度を高速化する観点からは、積層板10表面におけるレーザー光20のフルエンスは、3J/cm2以上であり、集光点におけるレーザー光20のフルエンスは、10J/cm2以上であることが好ましい。ここで、積層板10の表面とは第1金属層12の表面を意味する。
レーザー光20の走査速度(スキャン速度)は、特に限定されないが、加工速度を高速化する観点からは1000mm/秒以上3000mm/秒以下であることが好ましい。
以下、積層板10に形成される開口部15の詳細について説明する。
第3工程S3では、前記したように、保護層31,32が形成された積層板10に、保護層31の側(第1金属層12の側)からレーザー光20を照射する。これにより、開口部15は、平面視において、第1金属層12側における長孔(開口部15)の短径r1が、第2金属層13側における長孔の短径r2よりも大きくなる。ただし、レーザー光20は、積層板10に対して略垂直に照射されるので、長孔の短径r1と、長孔の短径r2との差分は20μm以下である。
なお、本実施形態では、完成品の基板において一例として発光素子を第1金属層12側に載置することを想定して、第1金属層12側から積層板10にレーザー光20を照射するものとして説明したが、この想定において第2金属層13側からレーザー照射してもよい。
第4工程S4は、第3工程S3の後に、保護層31,32を所定の溶剤によって除去する工程である。所定の溶剤としてアルカリ性の溶液を用いることができる。保護層31,32の素材としてDFRを用いる場合、アルカリ性の溶液で容易に溶解させることができる。
第5工程S5は、第4工程S4の後に、第3金属層14をメッキによって形成する工程である。第3金属層14は、第1金属層12と、第2金属層13と、開口部15の内側面と、を連続して被覆するメッキ膜である。第3金属層14を形成することで、基板の上面側の配線パターンとなる第1金属層12と、下面側の配線パターンとなる第2金属層13とを、開口部15を介して電気的に接続することができる。
なお、完成品の基板において発光素子を第1金属層12側に載置するものとして説明したが、第2金属層13側に載置しても構わない。第1金属層12側よりも第2金属層13側に形成される分解物40の大きさが小さいため、発光素子を実装した際に、発光素子からの光を分解物40が遮らないようにすることができる。
第6工程S6は、第1金属層12、第2金属層13及び第3金属層14をエッチングすることで配線パターンを形成する工程である。第6工程S6は、エッチングマスク形成工程S61と、露光・現像工程S62と、エッチング工程S63と、エッチングマスク剥離工程S64とを含んでいる。
エッチングマスク剥離工程S64では、アルカリ溶液でレジスト(DFR)を溶解することで、配線パターンを形成する。
10 積層板
11 基材
111 樹脂層
112 ガラスクロス
12 第1金属層
13 第2金属層
14 第3金属層
15 開口部(貫通孔)
20 レーザー光
21 レーザー光照射予定領域
31,32 保護層
Claims (17)
- 基材と、前記基材の一面に張り付けられた第1金属層と、前記基材の他面に張り付けられた第2金属層と、を有する積層板を準備する第1工程と、
前記第1金属層及び前記第2金属層の上のそれぞれに、所定の溶剤によって除去可能な保護層を形成する第2工程と、
前記保護層が形成された積層板にレーザー光を環状に複数回走査して照射することで、前記積層板を厚さ方向に貫通した長孔の貫通孔を形成する第3工程と、
前記第3工程の後に、前記保護層を前記所定の溶剤によって除去する第4工程と、
前記第4工程の後に、前記第1金属層と、前記第2金属層と、前記貫通孔の内側面と、を連続して覆う第3金属層をメッキによって形成する第5工程と、を含み、
前記第3工程において、前記保護層は、前記レーザー光の照射によって熱収縮し、前記保護層の外縁は前記貫通孔の外縁から一部離隔し、その離隔した前記第1金属層及び前記第2金属層上に分解物が付着し、
前記第5工程において、前記第3金属層は前記分解物を覆っている、基板の製造方法。 - 前記保護層は、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂及びウレタン系樹脂から選択される1つで構成されるドライフィルムからなる、請求項1に記載の基板の製造方法。
- 前記保護層は、15μm以上75μm以下の厚みを有する、請求項1又は請求項2に記載の基板の製造方法。
- 前記基材は、厚みが200μm以上500μm以下であり、少なくとも3層以上のガラスクロスを持つ、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の基板の製造方法。
- 前記第3工程では、前記貫通孔として平面視で互いに平行な複数の前記長孔を形成する、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の基板の製造方法。
- 前記第3工程では、平面視において、前記第1金属層側における前記長孔の短径が、前記第2金属層側における前記長孔の短径よりも大きく、その差分が20μm以下であるように、前記第1金属層の側から前記積層板にレーザー光を照射する、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の基板の製造方法。
- 前記第4工程では、前記所定の溶剤としてアルカリ性の溶液を用いる、請求項1に記載の基板の製造方法。
- 前記第5工程の後に、前記第1金属層、前記第2金属層及び前記第3金属層をエッチングすることで配線パターンを形成する第6工程をさらに含み、
前記保護層の素材は、前記第6工程においてエッチングマスクとして用いる素材と同じである、請求項1に記載の基板の製造方法。 - 前記第3工程では、発振波長が250nm以上2000nm以下にあるレーザー光を用いる、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の基板の製造方法。
- 前記第3工程では、レーザーパワーが10W以上60W以下であり、周波数が100kHz以上3000kHz以下のパルス光であり、スキャン速度が1000mm/秒以上3000mm/秒以下である条件にて、レーザー光を前記積層板に照射する、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の基板の製造方法。
- 前記第3工程において、前記積層板の平面視における同じ位置に繰り返し照射する場合の照射間隔が5ミリ秒以上である、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の基板の製造方法。
- 前記第3工程において、前記レーザー光の集光点は、前記基材中に位置し、
前記レーザー光の波長は、355nmであり、
前記レーザー光のパルスエネルギーは、3μJ以上であり、
前記積層板表面における前記レーザー光のフルエンスは、3J/cm2以上であり、
前記集光点における前記レーザー光のフルエンスは、10J/cm2以上である、請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の基板の製造方法。 - 前記レーザー光のパルス幅は、10ピコ秒以上100ナノ秒以下である、請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の基板の製造方法。
- 前記第3工程では、レーザー光の幅が10μm以上30μm以下である条件にて、レーザー光を前記積層板に照射する、請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の基板の製造方法。
- 前記第1金属層は、厚みが1μm以上18μm以下で、Cu、Ag、Au、Ni及びAlから選択される1若しくは2以上の金属、又はこれらの金属を主成分として含む合金で構成されている、請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の基板の製造方法。
- 前記第2金属層は、厚みが1μm以上18μm以下で、Cu、Ag、Au、Ni及びAlから選択される1若しくは2以上の金属、又はこれらの金属を主成分として含む合金で構成されている、請求項1から請求項15のいずれか一項に記載の基板の製造方法。
- 前記第3工程において、前記第1金属層側からレーザーを照射したとき、レーザーを照射する前後の前記第1金属層上に形成された保護層の熱収縮幅が、レーザーを照射する前後の前記第2金属層上に形成された保護層の熱収縮幅よりも大きい、請求項1から請求項16のいずれか一項に記載の基板の製造方法。
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