JP7088258B2 - 鉄骨柱の乾式耐火構造 - Google Patents
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また、特許文献3の構造も同様に、熱膨張性シートを積層した耐火ボードを用いるもので、下地材に固定されている。上記2つの発明は、耐火ボードの損傷や、目地の開きが発生しても、熱膨張性シートが当該部分を閉塞して所定の耐火性能を維持するものである。
一方、繊維混入けい酸カルシウム板は、加熱により収縮する特性をもっているため、意図しない部分で亀裂が発生し、その部分を境に大きく収縮することから、熱気や火炎が流通可能な開口が生じ、当該部分で鋼管柱は局所的に高温化し、強度低下する現象がみられる。この点は、横目地高さを揃える、いわゆる芋目地にした場合でも同様である。
特許文献2、3の発明は、熱膨張性シートが、被覆材の損傷部を補完するため、当該部位の熱流を小さく抑制することができるが、熱膨張性シートは高価であり、部材構成の工夫で対処することがコスト的にも望ましい。
該スペーサは、前記鉄骨柱又は前記耐火被覆材のいずれか一方のみに固定され、前記鉄骨柱と前記耐火被覆材が前記鉄骨柱の軸方向に相対移動可能になっていることを特徴とするものである。
前記耐火被覆材は、複数の筒状体が前記鉄骨柱の軸方向に積層されてなり、上下の筒状体の目地は全周方向で同一高さであり、
前記スペーサは、前記目地の位置において上下の耐火被覆材に跨るように配置され、鉄骨柱及び上下の耐火被覆材のいずれか一方に固定されていることを特徴とするものである。
本発明の一実施の形態に係る鉄骨柱の乾式耐火構造1は、図1、図2に示すように、鉄骨柱の一態様である鋼管柱3と、鋼管柱3を囲むように配置された板状の耐火被覆材5と、耐火被覆材5と鋼管柱3との間に配置され耐火被覆材5と鋼管柱3とを離隔するスペーサ7とを備えたものである。
以下、各構成を詳細に説明する。
鋼管柱3の形態は特に限定されないが、図1に示す例は、例えば□-250×250×16の角形鋼管柱が例示できる。
なお、角形鋼管柱は本発明の鉄骨柱の一態様であり、本発明の鉄骨柱は角形鋼管柱の他に、円形鋼管柱やH形鋼柱などでもよい。
耐火被覆材5は、複数の板状体同士が、角部で留付材9により連結されて矩形筒状体になっている。そして、スペーサ7により鋼管柱3から所定の間隔をあけて鋼管柱3を囲むように配置されている。本実施の形態では、鋼管柱3と耐火被覆材5は100mmの間隔をあけて配置されている。
なお、本実施の形態では、くぎの留付寸法は、高さ方向端部から、はしあき40mmで230mm間隔としている。
耐火被覆材5は、スペーサ7に概ね接触状態であるが、相互に接合されていない。
スペーサ7は、鋼管柱3に固定され、鋼管柱3と耐火被覆材5を所定の間隔をあけた状態で、鋼管柱3と耐火被覆材5が鋼管柱3の軸方向に相対移動可能にするものである。
すなわち、スペーサ7を設けることで、耐火被覆材5は水平方向の移動が拘束されるが、軸方向への移動は可能になっている。
また、本実施の形態のスペーサ7は、鋼管柱3に、高さ方向に、500mm間隔で固定されている。
加熱により、耐火被覆材5は収縮し、鋼管柱3は材軸方向、すなわち、柱高さ方向に伸長する。鋼管柱3に固定されたスペーサ7の高さ位置は、図4(b)に示すように、鋼管柱3の伸長に伴い図4(a)の位置から上方に移動していく。
一方、耐火被覆材5は、スペーサ7と固定されていないため、スペーサ7に対して上下方向に相対移動可能であり、鋼管柱3の材長変化には追従せず、耐火被覆材5の自重によって、目地部11が閉塞された状態を維持する。
なお、耐火被覆材5として繊維混入けい酸カルシウム板を用いる場合においてスペーサ7を耐火被覆材5に固定する態様では、スペーサ7を耐火被覆材5と一体的に形成してもよい。
また、上記の例では鋼管柱3の各面の周方向で同じ高さには1個のスペーサ7を設けているが、2個以上設けるようにしてもよい。
実施の形態2に係る鉄骨柱の乾式耐火構造13を図5に基づいて説明する。図5において、実施の形態1を示した図1~図4と同一部分には同一の符号を付して説明を省略する。
実施の形態1ではスペーサ7は鋼管柱3のみ、あるいは耐火被覆材5のみに固定されていたが、本実施の形態に係る鉄骨柱の乾式耐火構造13は、目地部11を周方向で全て同一高さの芋目地として、スペーサ7は、目地部11の位置において上下の耐火被覆材5に跨るように配置され、かつ鋼管柱3及び上下の耐火被覆材5のいずれか一方に固定されている(図5の例では、上側の耐火被覆材5に固定され、下側の耐火被覆材5には固定されていない)ことを特徴とするものである。
加熱により、耐火被覆材5は収縮し、鋼管柱3は材軸方向、すなわち、柱の高さ方向に伸長する。スペーサ7は鋼管柱3に固定されているので、その高さ位置は、鋼管柱3の伸長に伴い上方に移動していく。そして、図中上側の耐火被覆材5は、スペーサ7に固定されているため、鋼管柱3の伸長に追従して、スペーサ7と共に上方に移動する。
他方、下側の耐火被覆材5は、スペーサ7と固定されていないため、スペーサ7に対して上下方向に相対移動可能であり、鋼管柱3の材長変化には追従しない。
なお、鋼管柱3が伸長に伴って、上下の耐火被覆材5の間の目地部11に開きが生ずるが、鋼管柱3の伸長による目地部11の開きは、高さ方向の各目地部11で概ね均等に分散され、目地部11の開口幅は、数ミリ程度に収まるため、静止空気層が断熱的に作用するために、遮熱性能上の大きな問題にはならない。
実施の形態3に係る鉄骨柱の乾式耐火構造15を図6、図7に基づいて説明する。図6、図7において、実施の形態1を示した図1~図4と同一部分には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施の形態に係る鉄骨柱の乾式耐火構造15は、目地部11に設けるスペーサ17として、耐火被覆材5の目地部11を内面側から全周に亘って覆うように配置されたバックアップ部19と、バックアップ部19を鋼管柱3と耐火被覆材5の離隔距離を保持するための脚部21を備えてなる構成としたものである。
また、本実施の形態では目地部11に配置するスペーサ17が、目地部11を内面側から全周に亘って覆うバックアップ部19を備えたことにより、鋼管柱3の伸長に伴って上下の耐火被覆材5の目地部11に隙間が生じても、バックアップ部19があることで、目地部11が開口することなく閉塞できるので、より耐火性能を高めることができる。
実施の形態4に係る鉄骨柱の乾式耐火構造23を図8に基づいて説明する。図8において、24は床、25は梁、27は下階の耐火被覆材としての天井面材である。梁25と鋼管柱3は接合され、天井面材27は梁25又は鋼管柱3に図示しない吊り具によって吊下げ支持されている。床24、梁25及び天井面材27以外の部分は実施の形態1を示した図1~図4に示した符号で示される通りのものである。
本実施の形態は、実施の形態1乃至3の構造を前提として、さらに天井をメンブレン耐火構造とすることを想定したものである。
すなわち、本実施の形態の鉄骨柱の乾式耐火構造23は、実施の形態1乃至3の構造に加えて、鋼管柱3が耐火性を有する天井面材27に設けられた開口部を貫通するように配置され、鋼管柱3を被覆する耐火被覆材5は開口部において天井面材27の裏面よりも上方に突出するように設けられると共に開口縁部との間で相対移動可能になっていることを特徴とするものである。
なお、スペーサ7は耐火被覆材5側に固定され、鋼管柱3が熱によって伸長した際には、鋼管柱3は、スペーサ7及び耐火被覆材5に対して相対移動する。
より望ましくは、耐火バックアップ材29の端部をL形に折り曲げて、耐火被覆材5と天井面材27の開口縁部の隙間に挿入するようにするとよい。
このとき、鋼管柱3の耐火被覆材5が天井面材27の開口部から天井面材27の裏面側へ延長されているので、天井面材27が上方に移動しても天井面材27は耐火被覆材5が存在する位置にある。したがって、天井面材27の開口部が露出して熱が開口部から天井面材27の裏側に入ることはない。
3 鋼管柱
5 耐火被覆材
7 スペーサ
9 留付材
11 目地部
13 鉄骨柱の乾式耐火構造(実施の形態2)
15 鉄骨柱の乾式耐火構造(実施の形態3)
17 スペーサ
19 バックアップ部
21 脚部
23 鉄骨柱の乾式耐火構造(実施の形態4)
24 床
25 梁
27 天井面材
29 耐火バックアップ材
Claims (3)
- 鉄骨柱と、該鉄骨柱を囲むように配置された板状の耐火被覆材と、該耐火被覆材と前記鉄骨柱との間に配置され前記耐火被覆材と前記鉄骨柱とを離隔する前記耐火被覆材の高さよりも小さいスペーサとを備え、
前記耐火被覆材は、複数の筒状体が前記鉄骨柱の軸方向に積層されてなり、上下の筒状体の目地は全周方向で同一高さであり、
前記スペーサは、前記目地の位置において上下の耐火被覆材に跨るように配置され、鉄骨柱に固定され、かつ、上下の耐火被覆材のいずれか一方に限定して固定されていることを特徴とする鉄骨柱の乾式耐火構造。 - 少なくとも目地部に配置されるスペーサは、耐火被覆材の横目地を内面側から全周に亘って覆うように配置されたバックアップ部と、該バックアップ部を前記鉄骨柱と耐火被覆材の離隔距離を保持するための脚部を備えてなることを特徴とする請求項1に記載の鉄骨柱の乾式耐火構造。
- 前記鉄骨柱が耐火性を有する天井面材に設けられた開口部を貫通するように配置され、前記耐火被覆材は前記開口部において天井面材の裏面よりも上方に突出するように設けられると共に開口縁部との間で相対移動可能になっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の鉄骨柱の乾式耐火構造。
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