JP7088258B2 - 鉄骨柱の乾式耐火構造 - Google Patents

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本発明は、鉄骨柱の耐火構造に関し、特に、板状の耐火被覆材を柱表面と離隔して配置する鉄骨柱の乾式耐火構造に関する。
建築物は、建築基準法およびその関連法令によって、用途、部位に応じて要求耐火時間が定められている。鉄骨造では、鋼材は加熱によって耐力が低下するため、その要求耐火時間で一定の耐力を発揮できるように、耐火被覆を行い、鋼材の温度上昇を抑制する。
既往の耐火構造認定(在来工法)では、非特許文献1が示すように、例えば2時間耐火では、耐火被覆材となる繊維混入けい酸カルシウム板(以下、「けいカル板」という場合あり)の厚さは25mmである。角形浮かし張仕様とする場合、けいカル板は、非特許文献1の図2で示されるように、柱にスペーサが取り付けられ、そのスペーサ部分に横目地を配し、スペーサに留付け材(くぎ)で固定される。けいカル板は、その隅角部において、くぎにより、200mm間隔以下で固定される。また、角形鋼管柱の場合には、被覆材は千鳥目地で組み立てられる。
特許文献1の構造は、火災による加熱側から鉄骨柱への流入熱量を抑制して、鉄骨柱の温度上昇を抑えるために、鋼製下地材の鉄骨柱側に、けいカル板やせっこうボードなど、被覆用耐火ボードを裏打材として用いるもので、鉄骨柱を被覆する耐火せっこうボードを薄肉化する発明である。ここでは、鋼材からなるスペーサ兼用の耐火ボード取付け用下地材に耐火ボードを固定している。
特許文献2の構造は、熱膨張性シートを積層した耐火ボードを用いるもので、この耐火ボードは下地材に固定されている。
また、特許文献3の構造も同様に、熱膨張性シートを積層した耐火ボードを用いるもので、下地材に固定されている。上記2つの発明は、耐火ボードの損傷や、目地の開きが発生しても、熱膨張性シートが当該部分を閉塞して所定の耐火性能を維持するものである。
特開2002-180569号公報 特開2008-121376号公報 特開2008-248646号公報
新耐火防火構造材料等便覧-新日本法規出版株式会社 p.1051 FP120CN-0071(繊維混入けい酸カルシウム板張/鋼管柱)
非特許文献1の在来工法では、前述のように被覆材は千鳥配置され、スペーサに固定される。耐火構造認定に関する柱の載荷加熱試験では、鋼管柱は熱膨張により10~13mm程度延伸し、被覆材はスペーサに固定されているため、高さ方向に引張り応力が作用する。
一方、繊維混入けい酸カルシウム板は、加熱により収縮する特性をもっているため、意図しない部分で亀裂が発生し、その部分を境に大きく収縮することから、熱気や火炎が流通可能な開口が生じ、当該部分で鋼管柱は局所的に高温化し、強度低下する現象がみられる。この点は、横目地高さを揃える、いわゆる芋目地にした場合でも同様である。
特許文献1の発明は、鋼製下地材の裏側に耐火ボードを用いて、鋼製下地材から鋼管柱への熱伝導を抑制したものだが、耐火ボードは、鋼製下地材の熱膨張の影響により、損傷は免れない。
特許文献2、3の発明は、熱膨張性シートが、被覆材の損傷部を補完するため、当該部位の熱流を小さく抑制することができるが、熱膨張性シートは高価であり、部材構成の工夫で対処することがコスト的にも望ましい。
本発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、鉄骨柱の熱膨張に起因する損傷の危険がなく、コスト低減も図れる鉄骨柱の乾式耐火構造を提供することを目的としている。
(1)本発明に係る鉄骨柱の乾式耐火構造は、鉄骨柱と、該鉄骨柱を囲むように配置された板状の耐火被覆材と、該耐火被覆材と前記鉄骨柱との間に配置され前記耐火被覆材と前記鉄骨柱とを離隔するスペーサとを備え、
該スペーサは、前記鉄骨柱又は前記耐火被覆材のいずれか一方のみに固定され、前記鉄骨柱と前記耐火被覆材が前記鉄骨柱の軸方向に相対移動可能になっていることを特徴とするものである。
(2)本発明に係る鉄骨柱の乾式耐火構造は、鉄骨柱と、該鉄骨柱を囲むように配置された板状の耐火被覆材と、該耐火被覆材と前記鉄骨柱との間に配置され前記耐火被覆材と前記鉄骨柱とを離隔するスペーサとを備え、
前記耐火被覆材は、複数の筒状体が前記鉄骨柱の軸方向に積層されてなり、上下の筒状体の目地は全周方向で同一高さであり、
前記スペーサは、前記目地の位置において上下の耐火被覆材に跨るように配置され、鉄骨柱及び上下の耐火被覆材のいずれか一方に固定されていることを特徴とするものである。
(3)また、上記(1)又は(2)に記載のものにおいて、少なくとも目地部に配置されるスペーサは、耐火被覆材の横目地を内面側から全周に亘って覆うように配置されたバックアップ部と、該バックアップ部を前記鉄骨柱と耐火被覆材の離隔距離を保持するための脚部を備えてなることを特徴とするものである。
(4)また、上記(1)乃至(3)のいずれかに記載のものにおいて、前記鉄骨柱が耐火性を有する天井面材に設けられた開口部を貫通するように配置され、前記耐火被覆材は前記開口部において天井面材の裏面よりも上方に突出するように設けられると共に開口縁部との間で相対移動可能になっていることを特徴とするものである。
本発明においては、鉄骨柱と、該鉄骨柱を囲むように配置された板状の耐火被覆材と、該耐火被覆材と前記鉄骨柱との間に配置され前記耐火被覆材と前記鉄骨柱とを離隔するスペーサとを備え、該スペーサは、前記鉄骨柱又は前記耐火被覆材のいずれか一方のみに固定され、前記鉄骨柱と前記耐火被覆材が前記鉄骨柱の軸方向に相対移動可能になっていることにより、鉄骨柱が熱膨張した場合にも、耐火被覆材には応力が作用することがなく、鉄骨柱の熱膨張に起因する損傷の危険がなく、大きなコスト上昇もない。
本発明の実施の形態1に係る鉄骨柱の乾式耐火構造の内部を透視して示す斜視図である。 図1に示した鉄骨柱の乾式耐火構造の水平断面図である。 実施の形態1の他の態様に係る鉄骨柱の乾式耐火構造の内部を透視して示す斜視図である。 図1に示した鉄骨柱の乾式耐火構造の火災時の挙動を説明する説明図であって、図4(a)は通常時で、図4(b)は加熱時である。 本発明の実施の形態2の構造及び動作を説明する説明図である。 本発明の実施の形態3に係る鉄骨柱の乾式耐火構造の内部を透視して示す斜視図である。 図6に示した鉄骨柱の乾式耐火構造の水平断面図である。 本発明の実施の形態4に係る鉄骨柱の乾式耐火構造の説明図である。
[実施の形態1]
本発明の一実施の形態に係る鉄骨柱の乾式耐火構造1は、図1、図2に示すように、鉄骨柱の一態様である鋼管柱3と、鋼管柱3を囲むように配置された板状の耐火被覆材5と、耐火被覆材5と鋼管柱3との間に配置され耐火被覆材5と鋼管柱3とを離隔するスペーサ7とを備えたものである。
以下、各構成を詳細に説明する。
<鋼管柱>
鋼管柱3の形態は特に限定されないが、図1に示す例は、例えば□-250×250×16の角形鋼管柱が例示できる。
なお、角形鋼管柱は本発明の鉄骨柱の一態様であり、本発明の鉄骨柱は角形鋼管柱の他に、円形鋼管柱やH形鋼柱などでもよい。
<耐火被覆材>
耐火被覆材5は、複数の板状体同士が、角部で留付材9により連結されて矩形筒状体になっている。そして、スペーサ7により鋼管柱3から所定の間隔をあけて鋼管柱3を囲むように配置されている。本実施の形態では、鋼管柱3と耐火被覆材5は100mmの間隔をあけて配置されている。
耐火被覆材5を構成する各板状体は、繊維混入けい酸カルシウム板で代表するが、耐火性を有する板状体であればよく、これ以外の材質であってもよい。また、本実施の形態の耐火被覆材5の厚さは20mmとしたが、適宜必要な耐火時間等を考慮し、これに応じて設定することができる。また、耐火被覆材5を構成する板状体として、本実施の形態では、高さ1000mm、幅450mmのものと、高さ1000mmと幅490mmのものを2枚ずつ用いているが、大きさについても適宜設定することができる。
板状体同士を連結固定する留付材9として、図1ではくぎを用いたものを例示しているがタッピンねじなど、他の機械的接合手段を用いてもよい。また、けい酸ナトリウム系接着剤なと、無機系の接着剤を用いてもよい。さらに、機械的接合手段と接着剤を併用してもよい。
なお、本実施の形態では、くぎの留付寸法は、高さ方向端部から、はしあき40mmで230mm間隔としている。
耐火被覆材5は、図1に示すように、周方向で全て同一となる芋目地としているが、図3に示すように、千鳥目地としてもよい。図1、図3に示す例では、目地部11がスペーサ7の高さの中央に位置するように配置されている。もっとも、目地部11の位置はスペーサ7の高さの中央でなくてもよく、鋼管柱3の熱膨張によってスペーサ7の位置がずれたときに目地部11がスペーサ7から外れない位置であればよい。
耐火被覆材5は、スペーサ7に概ね接触状態であるが、相互に接合されていない。
<スペーサ>
スペーサ7は、鋼管柱3に固定され、鋼管柱3と耐火被覆材5を所定の間隔をあけた状態で、鋼管柱3と耐火被覆材5が鋼管柱3の軸方向に相対移動可能にするものである。
すなわち、スペーサ7を設けることで、耐火被覆材5は水平方向の移動が拘束されるが、軸方向への移動は可能になっている。
本実施の形態のスペーサ7は、図1に示すように、直方体形状の繊維混入けい酸カルシウム板からなり、高さ100mm、幅(周方向長さ)35mmであり、柱軸直交方向長さ、すなわち、鋼管柱3と耐火被覆材5の浮かし寸法は100mmとするが、この寸法に限定しない。
また、本実施の形態のスペーサ7は、鋼管柱3に、高さ方向に、500mm間隔で固定されている。
次に上記のように構成された本実施の形態について、載荷加熱試験を例に火災時の挙動を図4に基づいて説明する。図4(a)は加熱前の状態を示し、図4(b)は加熱後の状態を示している。
加熱により、耐火被覆材5は収縮し、鋼管柱3は材軸方向、すなわち、柱高さ方向に伸長する。鋼管柱3に固定されたスペーサ7の高さ位置は、図4(b)に示すように、鋼管柱3の伸長に伴い図4(a)の位置から上方に移動していく。
一方、耐火被覆材5は、スペーサ7と固定されていないため、スペーサ7に対して上下方向に相対移動可能であり、鋼管柱3の材長変化には追従せず、耐火被覆材5の自重によって、目地部11が閉塞された状態を維持する。
なお、耐火被覆材5は、加熱によって収縮して非加熱側に凸に若干湾曲する場合があるが、スペーサ7が内側から支持しており、留付材9に与える影響は小さく、加熱中に損傷は生じない。
以上のように本実施の形態によれば、鋼管柱3と耐火被覆材5をスペーサ7で離隔させると共に鋼管柱3と耐火被覆材5を相対移動可能にしたので、鋼管柱3が熱膨張しても加熱中に耐火被覆材5が損傷することがないため、耐火性能を損なうことがなく、コストアップもない。
上記の例では、スペーサ7は鋼管柱3に固定された例を示したが、スペーサ7を耐火被覆材5に固定して、鋼管柱3には固定しないようにしてもよく、この場合、耐火被覆材5を全てスペーサ7に固定すれば、芋目地、千鳥目地など張方を問わず、耐火被覆材5の収縮に対して、スペーサ7は鋼管柱3上を移動し、耐火被覆材5に引張応力を与えないので、耐火被覆材5の損傷を防止することができる。
なお、耐火被覆材5として繊維混入けい酸カルシウム板を用いる場合においてスペーサ7を耐火被覆材5に固定する態様では、スペーサ7を耐火被覆材5と一体的に形成してもよい。
また、上記の例では鋼管柱3の各面の周方向で同じ高さには1個のスペーサ7を設けているが、2個以上設けるようにしてもよい。
[実施の形態2]
実施の形態2に係る鉄骨柱の乾式耐火構造13を図5に基づいて説明する。図5において、実施の形態1を示した図1~図4と同一部分には同一の符号を付して説明を省略する。
実施の形態1ではスペーサ7は鋼管柱3のみ、あるいは耐火被覆材5のみに固定されていたが、本実施の形態に係る鉄骨柱の乾式耐火構造13は、目地部11を周方向で全て同一高さの芋目地として、スペーサ7は、目地部11の位置において上下の耐火被覆材5に跨るように配置され、かつ鋼管柱3及び上下の耐火被覆材5のいずれか一方に固定されている(図5の例では、上側の耐火被覆材5に固定され、下側の耐火被覆材5には固定されていない)ことを特徴とするものである。
上記のように構成された本実施の形態について、載荷加熱試験を例に火災時の挙動を図5に基づいて説明する。なお、図5においては、挙動を理解しやすくするために、目地部11が開く様子をモディファイして示している。
加熱により、耐火被覆材5は収縮し、鋼管柱3は材軸方向、すなわち、柱の高さ方向に伸長する。スペーサ7は鋼管柱3に固定されているので、その高さ位置は、鋼管柱3の伸長に伴い上方に移動していく。そして、図中上側の耐火被覆材5は、スペーサ7に固定されているため、鋼管柱3の伸長に追従して、スペーサ7と共に上方に移動する。
他方、下側の耐火被覆材5は、スペーサ7と固定されていないため、スペーサ7に対して上下方向に相対移動可能であり、鋼管柱3の材長変化には追従しない。
上記のように、鋼管柱3が伸長した際に、上側の耐火被覆材5は上方に移動し、下側の耐火被覆材5は移動しないので、耐火被覆材5には鋼管柱3の伸長に伴う応力が作用せず、耐火被覆材5が損傷することがない。
なお、鋼管柱3が伸長に伴って、上下の耐火被覆材5の間の目地部11に開きが生ずるが、鋼管柱3の伸長による目地部11の開きは、高さ方向の各目地部11で概ね均等に分散され、目地部11の開口幅は、数ミリ程度に収まるため、静止空気層が断熱的に作用するために、遮熱性能上の大きな問題にはならない。
なお、上記の例では、上側の耐火被覆材5をスペーサ7に固定する例を説明したが、上側の耐火被覆材5を接合せずに、下側の耐火被覆材5をスペーサ7に固定してもよい。
[実施の形態3]
実施の形態3に係る鉄骨柱の乾式耐火構造15を図6、図7に基づいて説明する。図6、図7において、実施の形態1を示した図1~図4と同一部分には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施の形態に係る鉄骨柱の乾式耐火構造15は、目地部11に設けるスペーサ17として、耐火被覆材5の目地部11を内面側から全周に亘って覆うように配置されたバックアップ部19と、バックアップ部19を鋼管柱3と耐火被覆材5の離隔距離を保持するための脚部21を備えてなる構成としたものである。
脚部21とバックアップ部19は留付材9又は接着剤により固定されている。バックアップ部19と耐火被覆材5との固定の有無については、実施の形態1で説明したように、バックアップ部19と耐火被覆材5とを固定しない態様でもよいし、あるいは実施の形態2で説明したのと同様に、上側の耐火被覆材5又は下側の耐火被覆材5のいずれか一方のみと固定する態様でもよい。
本実施の形態の鉄骨柱の乾式耐火構造15においては、実施の形態1、2と同様に、鋼管柱3が伸長した際に、耐火被覆材5には鋼管柱3の伸長に伴う応力が作用せず、耐火被覆材5が損傷することがない。
また、本実施の形態では目地部11に配置するスペーサ17が、目地部11を内面側から全周に亘って覆うバックアップ部19を備えたことにより、鋼管柱3の伸長に伴って上下の耐火被覆材5の目地部11に隙間が生じても、バックアップ部19があることで、目地部11が開口することなく閉塞できるので、より耐火性能を高めることができる。
なお、目地部11に隙間が生ずる場合としては、バックアップ部19と耐火被覆材5を固定した場合(図5参照)のみならず、バックアップ部19と耐火被覆材5を固定していなくても、耐火被覆材5が熱収縮によって変形した場合も想定される。したがって、本実施の形態のように目地部11にバックアップ部19を設けることで、耐火被覆材5の熱収縮にも対応できるという効果がある。
[実施の形態4]
実施の形態4に係る鉄骨柱の乾式耐火構造23を図8に基づいて説明する。図8において、24は床、25は梁、27は下階の耐火被覆材としての天井面材である。梁25と鋼管柱3は接合され、天井面材27は梁25又は鋼管柱3に図示しない吊り具によって吊下げ支持されている。床24、梁25及び天井面材27以外の部分は実施の形態1を示した図1~図4に示した符号で示される通りのものである。
本実施の形態は、実施の形態1乃至3の構造を前提として、さらに天井をメンブレン耐火構造とすることを想定したものである。
すなわち、本実施の形態の鉄骨柱の乾式耐火構造23は、実施の形態1乃至3の構造に加えて、鋼管柱3が耐火性を有する天井面材27に設けられた開口部を貫通するように配置され、鋼管柱3を被覆する耐火被覆材5は開口部において天井面材27の裏面よりも上方に突出するように設けられると共に開口縁部との間で相対移動可能になっていることを特徴とするものである。
なお、スペーサ7は耐火被覆材5側に固定され、鋼管柱3が熱によって伸長した際には、鋼管柱3は、スペーサ7及び耐火被覆材5に対して相対移動する。
鋼管柱3の耐火被覆材5における天井面材27の裏面側への延長量は、少なくとも、加熱時における柱の伸長量よりも大きく設定されている。なお、耐火被覆材5の収縮量は、天井面材27の厚さで十分吸収可能だが、耐火被覆材5の収縮量を柱の伸長量に加えた延長寸法とすると、より望ましい。
下階の耐火被覆材としての天井面材27は、石膏ボード、強化石膏ボード、ロックウールボードなど耐火性を有するものからなり、これを単独、または積層して構成される。
耐火被覆材5と天井面材27の開口縁部は、摩擦が小さい状態で接触している構造としてもよいが、数ミリ程度のクリアランスであれば、空気が断熱的に作用するので許容される。もっとも、望ましくは、図8に示すように、クリアランス部分の天井面材27の裏側に、耐火性を有する可撓性の材料である、ロックウールブランケット、セラミックファイバーブランケット、アルカリアースシリケートブランケット、熱膨張性シートなどの耐火バックアップ材29を配置すればよい。
より望ましくは、耐火バックアップ材29の端部をL形に折り曲げて、耐火被覆材5と天井面材27の開口縁部の隙間に挿入するようにするとよい。
上記のように構成された鉄骨柱の乾式耐火構造23において、火災等の熱によって鋼管柱3が伸長すると、鋼管柱3又は梁25に吊下げ支持されている天井面材27がこれに追従して上方に移動する。
このとき、鋼管柱3の耐火被覆材5が天井面材27の開口部から天井面材27の裏面側へ延長されているので、天井面材27が上方に移動しても天井面材27は耐火被覆材5が存在する位置にある。したがって、天井面材27の開口部が露出して熱が開口部から天井面材27の裏側に入ることはない。
1 鉄骨柱の乾式耐火構造(実施の形態1)
3 鋼管柱
5 耐火被覆材
7 スペーサ
9 留付材
11 目地部
13 鉄骨柱の乾式耐火構造(実施の形態2)
15 鉄骨柱の乾式耐火構造(実施の形態3)
17 スペーサ
19 バックアップ部
21 脚部
23 鉄骨柱の乾式耐火構造(実施の形態4)
24 床
25 梁
27 天井面材
29 耐火バックアップ材

Claims (3)

  1. 鉄骨柱と、該鉄骨柱を囲むように配置された板状の耐火被覆材と、該耐火被覆材と前記鉄骨柱との間に配置され前記耐火被覆材と前記鉄骨柱とを離隔する前記耐火被覆材の高さよりも小さいスペーサとを備え、
    前記耐火被覆材は、複数の筒状体が前記鉄骨柱の軸方向に積層されてなり、上下の筒状体の目地は全周方向で同一高さであり、
    前記スペーサは、前記目地の位置において上下の耐火被覆材に跨るように配置され、鉄骨柱に固定され、かつ、上下の耐火被覆材のいずれか一方に限定して固定されていることを特徴とする鉄骨柱の乾式耐火構造。
  2. 少なくとも目地部に配置されるスペーサは、耐火被覆材の横目地を内面側から全周に亘って覆うように配置されたバックアップ部と、該バックアップ部を前記鉄骨柱と耐火被覆材の離隔距離を保持するための脚部を備えてなることを特徴とする請求項1に記載の鉄骨柱の乾式耐火構造。
  3. 前記鉄骨柱が耐火性を有する天井面材に設けられた開口部を貫通するように配置され、前記耐火被覆材は前記開口部において天井面材の裏面よりも上方に突出するように設けられると共に開口縁部との間で相対移動可能になっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の鉄骨柱の乾式耐火構造。
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