JP7087626B2 - ゴルフクラブヘッドの特性表示方法、及びゴルフクラブヘッドの特性表示体 - Google Patents
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Description
これにより、ゴルフボールの打撃点の相違によって生じる飛距離の差を、より小さくすることができる、とされている。
このため、ゴルフファーにとって、ゴルフボールの飛距離の増大のために、CT値の高いゴルフクラブであるが、CT値の上限を超えないことが保証されたゴルフクラブを購入することが好ましい。
しかし、現在、ゴルフクラブのCT値のフェース面上での分布を利用してゴルファへの販売を行うことは十分に行われていない。このため、ゴルフクラブの購入時、CT値の許容範囲の上限に近い高CT値を有する領域がどの程度あるかを知ることもできない。
ゴルフクラブヘッドのフェース面の各位置において打撃されたゴルフボールの、ゴルフクラブヘッドにおける反発性の指標であるCT値をレベル分けすることにより、前記CT値の分布をコンター図で表示媒体に表示し、
前記コンター図は、フェース面の輪郭形状に合わせた形状で、前記表示媒体に表示された前記フェース面の領域に重ねて表示される。
前記下限値は、前記コンピュータに入力される入力値であり、
前記面積占有比率は前記入力値に応じて変更して表示される、ことが好ましい。
フェース面を備えるゴルフクラブヘッドを再現したゴルフクラブヘッド立体再現体と、
前記ゴルフクラブヘッド立体再現体上のフェース面再現面の各位置に、前記フェース面の各位置で打撃されたゴルフボールの、ゴルフクラブヘッドにおける反発性の指標であるCT値の分布を、前記フェース面再現面の法線方向に突出させて、立体形状で表した立体分布表示部と、を備え、
前記立体分布表示部は、前記フェース面再現面の輪郭形状に合わせた形状で、前記フェース面再現面に設けられる。
金属製質量体とゴルフクラブヘッドとが接触している間、金属製質量体の進行方向とは逆方向における加速度が金属製質量体に取り付けた加速度センサによって測定される。測定された加速度から、測定開始から加速度の時間積分された累積時系列データを求め、この累積時系列データの値が、累積時系列データの最終的な値の5%に到達するまでの時間t1と、累積時系列データの値が、最終的な値の95%に到達するまでの時間t2とを求める。この2つの時間t1,t2から、時間(t2-t1)を求める。こうして、CT値を得ることができる。
ヘッド本体12は、主に金属材料により構成され、例えばステンレス鋼、マルエージング鋼、純チタン、チタン合金又はアルミニウム合金等の1種又は2種以上の材料が用いられる。
ヘッド本体12は、フェース部14と、クラウン部16と、ソール部18と、サイド部20とを備えている。
フェース部14は、上下の高さを有して左右に延在している。
クラウン部16は、フェース部14よりも小さい厚さでフェース部14の上部から後方に延在している。
ソール部18は、フェース部14の下部から後方に延在している。
サイド部20は、クラウン部16とソール部18の間でフェース部14のトウ22側縁とヒール24側縁との間を、フェースバックを通って延在している。
ヘッド本体12は、それらフェース部14とクラウン部16とソール部18とサイド部20とで囲まれた内部が中空とされた中空構造を呈している。
フェース部14の外側に露出する表面がボールを打撃するフェース面14Aである。
クラウン部16には、フェース面14A側でかつヒール24寄りの位置に図示されないシャフトに接続するホーゼル30が設けられ、ホーゼル30に図示されないシャフトが接続されることでゴルフクラブが構成される。
中心点Pcは、中心点Pcを通る垂線が、フェース面14Aのクラウン部16側の上縁と交差する点a1と、中心点Pcを通る垂線が、フェース面14Aのソール18側の下縁と交差する点a2との間のフェース面14Aに沿ったペリフェリ長さを持つ線分の中点であり、中心点Pcを通る水平線が、フェース面14Aのトウ側(サイド部20側)の縁と交差する点b1と、中心点Pcを通る水平線が、フェース面14Aのヒール側の縁と交差する点b2との間のフェース面14Aに沿ったペリフェリ長さを持つ線分の中点である。
フェース面14Aの縁は、例えば稜線によって特定され、また、稜線が存在しなくても、曲率半径(1mm間隔毎に測った3点の位置で定まる曲率半径)が、クラウン部16、サイド部20、あるいはソール部18等の面からフェース面14Aに向かって進むとき、面の曲率半径が急激に小さく変化する場所を稜線位置とみなすことができる。
ゴルフクラブヘッドの特性の表示を行う際、図示されないコンピュータのメモリに、ペンドラム試験機による試験を行って得られたCT値の測定データをCT値データとして予め記憶しておき、あるいは、ゴルフクラブヘッドを再現した数値計算モデルを用いてコンピュータシミュレーションで小鉄球のフェース面14Aへの衝突を再現して得られたCT値のシミュレーションデータをCT値データとして予め記憶しておく。CT値のデータの位置座標は、中心点Pcを基準とする座標系によって定められる。
コンピュータは、オペレータの指示に応じて、コンピュータに接続されたディスプレイに、ゴルフクラブヘッド10とCT値のデータを同時に画面表示する。
CT値の各データのフェース面上の位置座標は、中心点Pcを基準とする座標系によって定められているので、表示画面50上のフェース面14Aの中心点Pcを基準として、CT値のデータに基づいてコンター図52が描画される。コンター図52は、カラー表示で表示されることが、CT値の分布を直感的にかつ正確に把握する点から好ましい。
図2に示すコンター図52は、フェース面14Aにおいて、CT値が2つの場所で高くなった分布を示している。しかも、コンター図52は、フェース面14A全体にわたって表示されているので、表示画面50を見たゴルフクラブを購入しようとする者は、フェース面14A全面に対して、CT値の高い領域がどの程度占有するか、直感的かつ容易に判断することができる。図2には、各色に対応したCT値の範囲を示す凡例が設けられる。したがって、図2に示す実施形態では、表示画面50にCT値を効率よく表示して、ゴルフクラブを購入しようとする者に、ゴルフクラブヘッドにおけるゴルフボールの反発性に関する特性を十分に理解して購入してもらうことができる。
コンター図は、CT値をレベル分けして、レベルごとに色で塗り分けた形態でも、レベル毎に等高線で区切った形態でもよい。
図3は、フェース部材の厚さ分布の透過画像の一例を示す図である。図3に示す透過画像60は、コンター図52と同様に、フェース面14Aの輪郭形状に合わせた形状を有する。図3では、濃淡模様のうち濃い領域ほど厚さが厚いことを示し、光の透過率が低くなっている。中心点Pcを含む中心領域では厚さが厚く、この中心領域の周り、特に、ヒール-トウ方向の両側で厚さが薄くなっている。
このような厚さ分布の透過画像を、色によってレベル毎に塗り分けられたコンター図52に重ねて表示することにより、濃淡によって厚さ分布の情報を表示し、色相によってCT値の分布の情報を表示するので、ゴルフクラブの特性をより詳細に提供することができる。例えば、厚さが薄くてCT値が高い領域と、厚さが比較的厚くてもCT値が同様に高い領域とでは、フェース面14Aがゴルフボールを打撃した瞬間の打感の柔らかさが相違する。また、厚さが薄くてCT値が高い領域よりも、厚さが比較的厚くてもCT値が高い領域が多いほうが、耐久性の点で好ましく、寿命も長い。このような性能の相違を厚さ分布の透過画像を重ねたコンター図52から情報を得ることができる。
なお、図3に示す例では、厚さの厚い領域ほど、透過率を低下させたが、厚さの厚い領域ほど、透過率を高くしてもよい。
なお、図4に示す詳細分布54は、コンター図52と同様に、色によってCT値のレベル毎に塗り分けられたコンター図であるが、CT値の等高線図であってもよい。この場合、詳細分布54は、コンター図52に重ね書きされなくてもよい。
また、インパクトエリアに占める面積占有比率に対する見方は、上級者やプロゴルファと、初級者とでは、異なる。例えば、CT値が最大値となるピークがブロードか急峻かよりも、CT値の最大値が許容範囲上限に可能な限り近いことを優先する上級者やプロゴルファと、CT値の最大値のレベルよりも、CT値が最大値となるピークがブロードであることを優先する初級者とでは、上記面積占有比率及び上記面積占有率を定める下限値が異なる。
このため、一実施形態では、下限値は、コンピュータに入力される入力値であり、面積占有比率は入力値に応じて変更して表示画面50に表示されることが好ましい。上述の上級者やプロゴルファは、CT値の最大値を優先的に注目しながら、下限値を可能な限り高くして、そのときの面積占有比率もついでに考慮し、初級者は、下限値を上級者やプロゴルファに比べて比較的低く設定して、優先的に面積占有比率の大きさを注目しながら、CT値の最大値も考慮する。
図6に示す例のように、CT値が245以上(257以下)の領域が太線70で囲まれて表示されている。この場合、太線で囲まれる領域の面積は486mm2であり、フェース面14Aの面積3881mm2に対する面積占有率は12.5%となり、面積占有比率12.5%が表示される。
立体分布表示部110は、フェース面再現面84Aの輪郭形状に合わせた形状で、フェース面再現面84Aに設けられる。
このような特性表示体は、ゴルフクラブヘッド10を再現したモデルのフェース面再現面84AにCT値を、CT値に応じて高さを変えた立体分布で表示するので、ゴルフクラブヘッドを購入しようとする者は、この特性表示体を見て、ゴルフクラブヘッドの特性を直感的にかつ容易に理解することができる。
12 ヘッド本体
14 フェース部
14A フェース面
16 クラウン部
18 ソール部
20 サイド部
22 トウ
24 ヒール
30 ホーゼル
52 コンター図
54 詳細分布
56A,56B ピーク
60 透過画像
70 太線
80 ゴルフクラブヘッド立体再現体
84 フェース部再現部
84A フェース面再現面
86 クラウン部再現部
90 サイド部再現部
100 ホーゼル再現部
110 立体分布表示部
Claims (7)
- ゴルフクラブヘッドの特性表示方法であって、
コンピュータが、ゴルフクラブヘッドのフェース面の各位置において打撃されたゴルフボールの、ゴルフクラブヘッドにおける反発性の指標であるCT値をレベル分けすることにより、前記CT値の分布をコンター図でディスプレイに表示し、
前記コンピュータが、フェース面の輪郭形状に合わせた形状で、前記ディスプレイに表示された前記フェース面の領域に前記コンター図を重ねて表示する、ことを特徴とするゴルフクラブヘッドの特性表示方法。 - 前記コンピュータは、前記コンター図に、前記分布の最大値が、前記最大値となる位置に最大値の位置を指し示すマークを前記ディスプレイに表示する、請求項1に記載のゴルフクラブヘッドの特性表示方法。
- 前記コンピュータは、前記フェース面の前記領域において、前記コンター図に、前記フェース面を形作るフェース部材の厚さ分布を、厚さの程度に応じて透過率が変化する透過画像として重ねて前記ディスプレイに表示する、請求項1又は2に記載のゴルフクラブヘッドの特性表示方法。
- 前記コンピュータは、前記コンター図において前記CT値の分布の最大値となる位置を囲む所定の範囲の周辺領域について、前記CT値の分布よりも細かい間隔のCT値で構成された前記CT値の詳細分布を、前記コンター図とともに前記ディスプレイに表示する、請求項1~3のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッドの特性表示方法。
- 前記コンピュータは、前記フェース面のうち、前記フェース面の中心点を中心として、前記ゴルフクラブヘッドのトウ-ヒール方向に一定の範囲で区画された注目領域内の前記CT値のうち、前記フェース面に設定された許容範囲内であって、設定された下限値以上である領域が、前記注目領域に占める面積占有比率の情報を前記ディスプレイに表示する、請求項1~4のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッドの特性表示方法。
- 前記下限値は、前記コンピュータに入力される入力値であり、
前記面積占有比率は前記入力値に応じて変更して表示される、請求項5に記載のゴルフクラブヘッドの特性表示方法。 - ゴルフクラブヘッドの特性を表示した特性表示体であって、
フェース面を備えるゴルフクラブヘッドを再現したゴルフクラブヘッド立体再現体と、
前記ゴルフクラブヘッド立体再現体上のフェース面再現面の各位置に、前記フェース面の各位置で打撃されたゴルフボールの、ゴルフクラブヘッドにおける反発性の指標であるCT値の分布を、前記フェース面再現面の法線方向に突出させて、立体形状で表した立体分布表示部と、を備え、
前記立体分布表示部は、前記フェース面再現面の輪郭形状に合わせた形状で、前記フェース面再現面に設けられる、ことを特徴とするゴルフクラブヘッドの特性表示体。
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