JP5521828B2 - ゴルフクラブヘッド及びゴルフクラブの選定方法 - Google Patents
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ている。
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
1に連接するクラウン部2及びソール部3とを外殻とする金属製の中空構造のヘッド本体4から構成されている。
ヘッド本体4の金属材料は、チタン合金やアルミニウム合金などの高強度の低比重金属が好ましく用いられる。
また、クラウン部2には、フェース面1側でかつヒール5寄りの位置にシャフト6に接続するホーゼル7が設けられている。
このゴルフクラブヘッドにおいては、重心位置をフェース面1に対して垂直に投影した重心点G、及びフェース面1の反発係数が最大となる最大反発点Tの位置が既知となっている。
コンピュータ20は、CPU22と、不図示のインターフェース回路およびバスラインを介して接続されたROM24、RAM26、ハードディスク装置28、ディスク装置30、キーボード32、マウス34、ディスプレイ36、プリンタ38、入出力インターフェース40などを有している。
ROM24は制御プログラムなどを格納し、RAM26はワーキングエリアを提供するものである。
有限要素解析プログラムは、以下のプログラムを含んで構成されている。
1)有限要素モデルを作成するためのプログラム:
本実施の形態ではゴルフクラブヘッドおよびゴルフボールの有限要素モデルを作成するためのプログラムである。
2)有限要素モデルを用いて有限要素法によるシミュレーション(解析)を行うためのプログラム:
本実施の形態では、ゴルフクラブヘッドの有限要素モデルとゴルフボールの有限要素モデルとを用いて衝突解析を行うためのプログラムである。
キーボード32およびマウス34は、操作者による操作入力を受け付けるものである。
ディスプレイ36はデータを表示出力するものであり、プリンタ38はデータを印刷出力するものであり、ディスプレイ36およびプリンタ38によってデータを出力する。
入出力インターフェース40は、外部機器との間でデータの授受を行うものである。
図2に示すように、この計算装置は、モデル作成手段20Aと、フェース面速度分布平均打点設定手段20Bと、パラメータ仮設定手段20Cと、初速算出手段20Dと、打点間距離算出手段20Eと、パラメータ変更手段20Fとを含んで構成されている。
これら各手段20A乃至20Fは、コンピュータ20が前記の有限要素解析プログラムおよび前記の計算プログラムを実行することによって実現されるものである。
各手段20A乃至20Fについては本実施の形態の選定方法と共に説明する。
ここで有限要素とは、有限要素法による解析を行うための要素であって、梁要素、シェル要素及び固体要素などが例示される。
また、計算に必要な物性値としては、ロフト角、重心深さ、バルジ&ロール半径、FP値(フェースプログレッション)や、慣性モーメント、ヘッド質量などが例示される。
このスピード分布とは、プレイヤーがヘッド本体4を有するゴルフクラブでゴルフボールを打撃したときに、打撃直前におけるフェース面1のスピードの分布を意味するものである。
スピード分布は、シャフト6の長さに依存する成分と、ヘッド本体4のローリング(シャフト6の回りの回転)による成分とから主に決定される。
図5に示すように、前者のシャフト6の長さに依存する成分は、シャフト6の中心軸の延長線Lの垂線が、ヘッド本体4のソール部3に接する点Aにおいて最大となる。
また、後者のヘッド本体4のローリングに依存する成分は、シャフト6の中心軸の延長線Lから最も離れた点B(ヘッド本体4のトウ8側端部)において最大となる。
従って、フェース面1のスピードは、図6に示すように、フェース面1のヒール5側の上部aからトウ側8の下部gへ向けて次第に大きくなるように分布する。
なお、図6においては、速度0.5m/s毎に等高線vを示している。
ものである。
619号公報に記載されたゴルフクラブヘッドの挙動計測装置のように、ヘッド本体に設
けた複数のマーカの変位をカメラで連続的に撮影し、その三次元座標の時系列データを計
算機で処理する方法を用いることができる。
なお、平均打点Fを測定する代わりに、一般的なプレイヤーの打点であるフェース面1の幾何学中心を、平均打点Fとしてもよい。
ステップS11はコンピュータ20が前記の計算プログラムを実行することで行われる。
なお、ステップS11は、第2ステップに相当し、かつ、図2のフェース面速度分布平均打点設定手段20Bに相当する。
仮の最大反発点Qは、フェース面1の反発係数が最大となる点を意味するが、ここではフェース面1におけるたわみ量が最も大きくなる点(最大たわみ点)を用いている。
このたわみ量と反発係数とは正の相関関係にあるため、反発分布Rの値は、たわみ量を反発係数に換算することにより決定している。
反発分布Rの形状としては、仮の最大反発点Qに対して同心円状かつ等間隔の等高線を有する形状などが例示される。
ステップS12、S13はコンピュータ20が前記の計算プログラムを実行することで行われる。
なお、ステップS12、S13は、第3ステップに相当し、かつ、図2のパラメータ仮設定手段20Cに相当する。ここで、パラメータとは、仮の重心点P、仮の最大反発点Q、角度θをなす直線M、反発係数の分布(反発分布)Rを含むものである。
このボール初速の計算を、打点Dの位置を変化させるたびに行い(S16)、図9に示すように、ボール初速が最大となる打点D’の位置を決定する(S17)と共に、その打点D’と平均打点Fとの距離Nを求める(S18)。
ステップS14、S15はコンピュータ20が有限要素解析プログラムを実行することで行われ、ステップS16、S17,S18はコンピュータ20が前記の計算プログラムを実行することで行われる。
なお、ステップS14、S15、S16は、第4ステップに相当し、かつ、図2の初速算出手段20Dに相当する。
ステップS17、S18は、第5ステップに相当し、かつ、図2の打点間距離算出手段20Eに相当する。
なお、ボール初速はヘッド本体4の慣性モーメントにより大きな影響を受けるため、仮の重心点Pの位置が最も重要なパラメータとなる。
ステップS18、S19,S20はコンピュータ20が前記の計算プログラムを実行することで行われる。
なお、ステップS18、S19,S20は、第5ステップに相当し、かつ、図2のパラメータ変更手段20Fに相当する。
このしきい値Cを適切に設定することにより、平均打点Fが、いわゆるスイートエリアに含まれているか否かを判断することができる。
スイートエリアとは、フェース面1のスイートスポットを外してゴルフボールを打撃した場合でも、スイートスポットで打撃した場合とほぼ同等のボール初速を得ることができる領域を意味する。
しきい値Cは、ヘッドスピードHに対するミート率(ボール初速/ヘッドスピードH)が1.43以上となるように設定されることが望ましい。
例えば、ヘッドスピードHを、平均的なプレイヤーのヘッドスピードである30〜50m/sとしたときには、しきい値Cは42.9〜71.5m/sの範囲となる。
次いで、距離Nが最小となり、かつ該平均打点Fにおける該ゴルフボールの初速が所定のしきい値C以上となるように、仮の重心点Pの位置、仮の最大反発点Qの位置及び角度θのうちの少なくとも1つを変化させる(第6ステップに相当)。
このようにすることで、ボール初速が最大となる打点D’が、プレイヤーの平均打点Fに最も近接し、かつ平均打点Fがスイートエリアに含まれるゴルフクラブヘッドを選定することができるので、打球の飛距離を更に向上することができる。
ここで、仮の重心点Pの位置を、ゴルフクラブヘッドのヒール5側へ配置させ、仮の最大反発点Q(最大たわみ点)の位置を、トウ8側へ配置させる理由は、フェースセンター近辺(最も人が打球する確率の高い位置)で、ボール初速が最高値になるようにするためである。
また、重心点Pと最大反発点Q(最大たわみ点)との間の距離Wを5〜15mmとする理由は、ボール初速が最高値となる打点である最高初速点は、重心点Pと最大反発点Qの間に位置すると共に、最高初速点はそれら2点間の距離Wが5〜15mmの間に存在することが既知であるためである。
第1の実施の形態は、ボール初速が最大となる打点D’が、プレイヤーの平均打点Fに最も近接するゴルフクラブヘッドを選択したが、第2の実施の形態は、プレイヤーの平均打点Fのまわりに拡がるスイートエリアが最も大きくなるゴルフクラブヘッドを選択するようにしたものである。
ハードディスク装置28は、ゴルフクラブヘッドの有限要素解析を行う第1の実施の形態と同様の有限要素解析プログラムと、この有限要素解析プログラムによって得られたシミュレーション結果を用いてプレイヤーの適性に応じて打球の飛距離が最大となるゴルフクラブヘッドを選定する専用の計算プログラムを格納している。
図12に示すように、この計算装置は、モデル作成手段20Gと、フェース面速度分布平均打点設定手段20Hと、パラメータ仮設定手段20Iと、初速算出手段20Jと、打点数算出手段20Kと、パラメータ変更手段20Lとを含んで構成されている。
これら各手段20G乃至20Lは、コンピュータ20が前記の有限要素解析プログラムおよび前記の計算プログラムを実行することによって実現されるものである。
各手段20G乃至20Lについては以下に示す選定方法と共に説明する。
なお、ステップS34、S35、S36は、第4ステップに相当し、かつ、図12の初速算出手段20Jに相当する。
ステップS37は、第5ステップに相当し、かつ、図12の打点数算出手段20Kに相当する。
ステップS38、S39,S40は、第6ステップに相当し、かつ、図12のパラメータ変更手段20Lに相当する。
発点Tの位置を明示する表示媒体を付しておくことが、選定を容易かつ短時間で行う上か
ら好ましい。
2 クラウン部
3 ソール部
4 ヘッド本体
5 ヒール
6 シャフト
7 ホーゼル
8 トウ
Claims (14)
- 重心位置をフェース面に投影した重心点及び該フェース面の最大反発点が既知である複数のゴルフクラブヘッドの中から、該フェース面で打撃したゴルフボールの飛距離が最大となるゴルフクラブヘッドを、プレイヤーが自己の適性に応じて選定する方法であって、
前記ゴルフクラブヘッド及びゴルフボールをそれぞれ複数の有限要素に分割する第1ステップと、
前記プレイヤーが前記ゴルフクラブヘッドを有するゴルフクラブで前記ゴルフボールを打撃する直前における前記フェース面のスピード分布と、該プレイヤーの平均打点とを設定する第2ステップと、
前記ゴルフクラブヘッドのヘッド本体の仮の重心位置を前記フェース面に対して垂直に投影した仮の重心点と、前記フェース面の仮の最大反発点とを、前記スピード分布の等高線に対して角度θをなす方向に沿って前記フェース面に配置すると共に、該仮の最大反発点の周囲に反発分布を仮に設定する第3ステップと、
前記仮の重心点、仮の最大反発点及び仮の反発分布が設定されたフェース面を有するゴルフクラブヘッドが、該フェース面上の打点において、所定のヘッドスピードで前記ゴルフボールに衝突したときの該ゴルフボールの初速を、該フェース面上の打点の位置を変更する毎に算出する第4ステップと、
前記ゴルフボールの初速が最大となる打点と前記平均打点との間の距離を求める第5ステップと、
前記距離が最小となるように、前記仮の重心点の位置、仮の最大反発点の位置及び角度θのうちの少なくとも1つを変化させる第6ステップと、を含むゴルフクラブヘッドの選定方法。 - 前記第5ステップにおいて、前記ゴルフボールの初速が最大となる打点と前記平均打点との間の距離を求めると共に、前記平均打点における前記ゴルフボールの初速を所定のしきい値と比較し、
前記第6ステップにおいて、前記距離が最小となり、かつ該平均打点における該ゴルフボールの初速が所定のしきい値以上となるように、前記仮の重心点の位置、仮の最大反発点の位置及び角度θのうちの少なくとも1つを変化させるようにした請求項1に記載のゴルフクラブヘッドの選定方法。 - 前記第5ステップにおける所定のしきい値が、前記所定のヘッドスピードに対するミート率が1.43以上となるゴルフボールの初速である請求項2に記載のゴルフクラブヘッドの選定方法。
- 前記第3ステップにおいて、前記仮の重心点と前記仮の最大反発点との相対位置を、該仮の重心点がヒール側に、該仮の最大反発点がトウ側に、それぞれ配置されるようにすると共に、該仮の重心点と該仮の最大反発点との間の距離が5〜15mmになるようにした請求項1〜3のいずれかに記載のゴルフクラブヘッドの選定方法。
- 前記第6ステップにおいて、前記平均打点が前記仮の重心点と前記仮の最大反発点とを結ぶ直線上に常に位置するようにした請求項1〜4のいずれかに記載のゴルフクラブヘッドの選定方法。
- 重心位置をフェース面に投影した重心点及び該フェース面の最大反発点が既知である複数のゴルフクラブヘッドの中から、該フェース面で打撃したゴルフボールの飛距離が最大となるゴルフクラブヘッドを、プレイヤーが自己の適性に応じて選定する方法であって、
前記ゴルフクラブヘッド及びゴルフボールをそれぞれ複数の有限要素に分割する第1ステップと、
前記プレイヤーが前記ゴルフクラブヘッドを有するゴルフクラブで前記ゴルフボールを打撃する直前における前記フェース面のスピード分布と、該プレイヤーの平均打点とを設定する第2ステップと、
前記ゴルフクラブヘッドのヘッド本体の仮の重心位置を前記フェース面に対して垂直に投影した仮の重心点と、前記フェース面の仮の最大反発点とを、前記スピード分布の等高線に対して角度θをなす方向に沿って前記フェース面に配置すると共に、該仮の最大反発点の周囲に反発分布を仮に設定する第3ステップと、
前記仮の重心点、仮の最大反発点及び仮の反発分布が設定されたフェース面を有するゴルフクラブヘッドが、該フェース面上の打点において、所定のヘッドスピードで前記ゴルフボールに衝突したときの該ゴルフボールの初速を、該フェース面上の打点の位置を前記平均打点から所定の距離内で変更する毎に算出する第4ステップと、
前記ゴルフボールの初速が所定のしきい値以上となる打点の数を求める第5ステップと、
前記打点の数が最大となるように、前記仮の重心点の位置、仮の最大反発点の位置及び角度θのうちの少なくとも1つを変化させる第6ステップと、を含むゴルフクラブヘッドの選定方法。 - 前記平均打点からの所定の距離が10mmである請求項6に記載のゴルフクラブヘッドの選定方法。
- 前記第5ステップにおける所定のしきい値が、前記所定のヘッドスピードに対するミート率が1.43以上となるゴルフボールの初速である請求項6又は7に記載のゴルフクラブヘッドの選定方法。
- 前記第6ステップおいて、前記仮の重心点の位置、仮の最大反発点の位置、角度θ及び仮の反発分布の形状のうちの少なくとも1つを変化させるようにした請求項1〜8のいずれかに記載のゴルフクラブヘッドの選定方法。
- 前記第6ステップにおいて、角度θを90°一定とした請求項1〜9のいずれかに記載のゴルフクラブヘッドの選定方法。
- 前記第2ステップにおいて、前記平均打点を前記フェース面の幾何学中心に設定した請求項1〜10のいずれかに記載のゴルフクラブヘッドの選定方法。
- 前記重心位置をフェース面に投影した重心点及び該フェース面の最大反発点が既知である複数のゴルフクラブヘッドのそれぞれに、前記重心点及び最大反発点の位置を記載した表示媒体を付すようにした請求項1〜11のいずれかに記載のゴルフクラブヘッドの選定方法。
- 前記ゴルフクラブヘッドが、中空構造のヘッド本体を有するウッド型のゴルフクラブヘッドである請求項1〜12のいずれかに記載のゴルフクラブヘッドの選定方法。
- ゴルフクラブヘッドにシャフトを取り付けてなるゴルフクラブの選定方法であって、前記ゴルフクラブヘッドは、請求項1〜13に記載のゴルフクラブヘッドの選定方法により選定されるゴルフクラブの選定方法。
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