JP7085711B2 - 無電解メッキ廃液の処理方法 - Google Patents

無電解メッキ廃液の処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、無電解メッキ廃液の処理方法に関し、特にメッキ廃液からの金属およびリンの回収、再資源化方法に関する。
従来より、物品の表面に金属被膜を形成する方法としてメッキが行われてきた。この中でも、無電解メッキ処理は、素材の形状や種類にかかわらず被膜を形成することが可能であるため、多岐にわたる用途に用いられている。
無電解メッキは液中に含まれる金属イオンを次亜リン酸等で還元することで金属として析出させるもので、メッキの実施によって液の組成は変化し、メッキ液成分を監視しながら必要成分を追加して行われている。
無電解メッキ液は、成分調整によって設定仕様の被膜の形成が困難になった状況で廃液として排出される。この廃液中には、金属イオン、還元剤に起因する次亜リン酸イオン、亜リン酸イオン、リン酸イオン、および、メッキ液の安定化のための有機化合物成分が含まれており、廃液処理の負荷軽減や、金属やリンの回収が望まれていた。
特許文献1には、メッキ廃液などの次亜リン酸化合物を含む溶液にパラジウムイオンを混合し加温することで、次亜リン酸を酸化させて亜リン酸化合物に変換する方法が提示されている。
また、特許文献2には、メッキ廃液に2価の銅イオンの存在下で加温することで、次亜リン酸および亜リン酸を酸化する方法が提示されている。
特許文献3では、次亜リン酸、亜リン酸を含有する廃液を、振動攪拌しながら電解処理を行うことで酸化する方法が示されている。
特許文献4では、メッキ廃液に貴金属を担持した二酸化チタン粉末を添加し、酸素あるいは空気を吹き込みながら紫外線を照射することで次亜リン酸イオンを酸化する方法が開示されている。
さらに、特許文献5では、メッキ廃液から金属イオンを除去したのち、オゾンを微細気泡として添加するとともに、電解酸化を行うことでメッキ廃液を効率的に酸化する方法が示されている。
また、特許文献6では、メッキ廃液に所定の超音波を照射することで、金属イオンを還元し、還元剤を酸化する方法が提示されている。
特開2017-114696号公報 特開平11-253928号公報 特開2010-179214号公報 特開平6-136549号公報 特開2014-95108号公報 特開2015-40321号公報
しかしながら、特許文献1および特許文献2に記述の方法では、次亜リン酸の酸化反応が進行するが、反応が連鎖的に進行するために反応系の制御が非常に難しく、短時間での発熱および副生物である水素の大量発生によって危険を伴うものであった。さらに、メッキ液中の金属種とは異なる、パラジウムや銅を混合することから、金属イオンを回収する場合の純度低下を引き起こすことが問題となっていた。また、使用する金属種も貴金属や銅といった高価なものであるためランニングコストが高くなるという問題もあった。
特許文献3に記述の方法では、通電によって反応を制御することが可能であるものの、電源関連の大掛かりな装置が必要であり、導入に制限があるものであった。さらに、効率的に処理を行うためには、使用する電極の表面積をあげる必要があり、電極加工やメンテナンスに問題を生じていた。
特許文献4の方法では、次亜リン酸の酸化を本質的に反応効率が低い光触媒反応を用いて行うため、反応に時間がかかるといった問題があった。
さらに、特許文献5では、オゾンの発生の効率が低く、高濃度化するためには多くのエネルギーが必要であった。また、廃液中に含まれる有機性成分の分解にもオゾンが消費されることで、莫大なオゾンが必要であった。さらに、不純物の影響でメッキ反応が進行した場合、発生する水素と導入されたオゾンによって爆発性のある気体混合物となるため、非常に危険な条件になってしまう問題があった。
特許文献6では、超音波照射のための特別な装置が必要なうえ、反応効率が低いため処理にかかる時間が長く、処理にかかるコストが高くなっていた。
つまり、上述した技術では、無電解メッキ廃液中に含まれる次亜リン酸を安全にかつ効率的に酸化することが困難であり、さらに含有する金属成分についても高純度で回収することができず、実用化レベルで運用できる状態ではなかった。
本発明はこのような状況を鑑みて実施されたもので、無電解メッキ廃液を安全にかつ迅速に処理し、金属およびリンを回収する無電解メッキ廃液の処理方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、金属を充填したカラムに加熱した無電解メッキ廃液を連続的に導入することで廃液を処理し、その後カルシウム化合物と反応させることで上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
(1)細線または綿状の鉄・ニッケルおよびそれぞれの合金から選ばれる少なくとも一つの金属を触媒として充填したカラムを加熱し、無電解メッキ廃液を連続的に供給し反応を行わせる工程
(2)反応物を気液分離装置に導入して水素と反応後液に分離する工程
(3)反応後液にカルシウム化合物を添加することで、亜リン酸カルシウムおよびリン酸カルシウムの沈殿を形成することでリン成分を回収する工程
からなることを特徴とする、無電解メッキ廃液の処理方法である。
この構成によれば、無電解メッキ廃液内に残存する次亜リン酸成分を亜リン酸あるいはリン酸に円滑に酸化することができる。この時、メッキ液中に含まれる金属イオンは金属に還元され、カラム内に充填した金属表面に析出し、また副反応で水素ガスが発生する。
無電解メッキ廃液をカラムに連続的に供給することで、処理後の液および水素ガスは速やかに反応系外に排出され、これら混合物は気液分離装置で分離することで水素ガスを安全に取り扱うことが可能となる。
また、カラムへの無電解メッキ廃液の供給を停止すると、反応は短時間に停止するために、反応の暴走の問題もなく極めて安全に取り扱うことが可能である。
反応によって得られた反応後液に含まれるリンは、カルシウム化合物を添加することで、亜リン酸カルシウムおよびリン酸カルシウムとして沈殿し、回収することで再利用が可能な形態となる。また、反応後液からリンを除去することで排水処理の負荷を軽減することが可能となる。
今回、細線や綿状の金属を触媒として用いることで、ほぼ一定の表面積下で反応を進行させられるとともに、粉末を用いる場合に発生する、反応の進行による粒子の合一や圧力損失などの問題の発生も抑制できる。これら細線および綿状体の線径としては、0.5mm以下、好ましくは0.1mm以下であり、0.5mmより大きい場合、廃液と接触する面積が小さくなるために反応効率が悪くなる。
金属の材質としては金属ニッケルが好ましいが、イオン化傾向がニッケルよりも小さい金属を用いると、置換メッキにより金属表面にニッケルが析出し、この析出したニッケルが反応を促進するためニッケルと同様好適に用いることができる。
これらの条件を満たすものとしては、一般に「スチールウール」と呼ばれる鉄細線からなる綿状体が低コストでかつ入手容易であるため好適に用いられる。
金属触媒のカラムへの充填は、50~99.9%の空隙率を有することが好ましい。空隙率が50%より小さいと、廃液から析出した金属の蓄積によって短時間で閉塞してしまい、生産性が乏しくなる。また、空隙率が99.9%より大きいとカラムが非常に大きくなり、ハンドリングがしにくくなるうえに装置コストも高くなる。なお、ここでの空隙率とは、触媒容量をカラムの内容積で除したものである。
反応にあたって、当該カラムをあらかじめ加熱しておくと、速やかに反応を進行させることができるので望ましい。
金属を充填したカラムは60℃以上に加熱することが好ましく、さらには、80℃以上に加熱することが好ましい。
温度が60℃以下の場合反応時間が長くなるため、触媒との接触時間を長くとる必要があるためカラムを大きくする必要がある。このことは、コストが高くなるばかりか、カラム内に滞留する液量が増大するために、反応の制御が効かなくなった時に暴走するリスクが高くなる。より効率的かつ安全に反応を進めるためには、カラムは80℃以上に加熱することが望まれる。
また、本発明において、無電解メッキ廃液のカラムへの供給量は、1分あたり、触媒容量の1倍以上500倍以下であり、より好ましくは2倍以上200倍以下である。なお、ここで触媒容量とは使用する触媒の重さをその比重で除したものである。
無電解メッキ廃液は温度が高い状態で触媒と接触することで液中にて酸化-還元反応が進行する。反応では、固体である金属の析出および気体である水素ガスの発生が起こるため、液と触媒との接触が円滑に行われない可能性がある。そのため、廃液と触媒が接触する時間を十分に確保する必要がある。
廃液のカラムへの供給量が1倍より小さい場合、反応は十分に完結するが、単位時間当たりの処理量が極めて小さくなるため生産性の低下を引き起こす。また、廃液のカラムへの供給量が500倍を超えると、廃液と触媒の接触時間が十分ではなくなるため反応が進行しない。
さらに、カラムに供給する無電解メッキ廃液の温度が低い場合、カラム内の温度低下を引き起こし、反応性を低下させることになるため、加熱して供給することが好ましい。
無電解メッキ廃液の加熱方法は特に限定されないが、メッキ廃液を保持するタンク全体を加熱する方法では、異物の混入などで反応が開始され、制御できなくなる恐れがあるため、カラム供給前の配管に加熱ゾーンを設けて、連続的に加熱する方法が好ましい。
無電解メッキ廃液はそのままで供給しても構わないが、あらかじめpH調整を行ったり、硫化物イオンなどを添加して金属成分を沈殿させた後上澄みを分離して使用しても構わない。
また、本発明で用いられるカルシウム化合物は、水酸化カルシウム、炭酸カルシウムおよび塩化カルシウムから選ばれる少なくとも一つの化合物である。
亜リン酸およびリン酸はカルシウムイオンによって、それぞれ、亜リン酸カルシウムおよびリン酸カルシウムの沈殿を生成するため回収が容易となる。これらのカルシウム化合物のうち、入手の容易さや反応性およびコストを考えると水酸化カルシウムが好ましい。さらに、リン酸カルシウムの沈殿生成に際しては、沈殿物の性状改善や、液pHの調整のために硫酸等を添加しても構わない。
本発明によれば、安全性や経済性に課題があった無電解メッキ廃液を安全にかつ安価に処理することができ、また、廃液中に含有する金属は触媒層に析出する形で回収し再資源化することが可能となるばかりでなく、リンも亜リン酸カルシウムあるいはリン酸カルシウムとして再利用可能な化合物として回収することが可能となる。
本発明に係る、無電解メッキ廃液の処理方法の一実施形態を示す処理フロー図である。
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本発明は無電解メッキ廃液について、
(1)細線または綿状の鉄・ニッケルおよびそれぞれの合金から選ばれる少なくとも一つの金属を触媒として充填したカラム5を加熱し、無電解メッキ廃液を連続的に供給し反応を行わせる工程
によって、廃液中で酸化-還元反応を行わせることで、廃液中の次亜リン酸イオンを酸化するとともに、金属イオンを還元させて触媒表面に析出させる。
(1)の反応後は、
(2)反応物を気液分離装置6に導入して水素と反応後液に分離する工程
によって、反応によって副生する水素ガスを分離することで、安全に取り扱うことが可能となる。
さらに、
(3)反応後液にカルシウム化合物を添加することで、亜リン酸カルシウムおよびリン酸カルシウムの沈殿を形成することでリン成分を回収する工程
によって、含有する亜リン酸・リン酸をカルシウム塩として回収するものである。
この処理方法によって得られた金属およびリン化合物は、従来から公知の方法等により再資源化可能であり、本プロセスはリサイクルに好適な手法といえる。
以下実施例で本発明をより具体的に説明する。なお本発明は以下の実施例の記載によって限定されるものではない。
内径8.5mm長さ48mmの樹脂製カラムに、0.52gのスチールウール(線径0.02mm)を触媒として充填し、90℃に設定したウオーターバスに投入して加熱した。そのカラムに、表1に示す組成の無電解ニッケルメッキ廃液を0.8ml/minの速度で60分間通して反応を行った。カラム入り口での無電解メッキ廃液の温度は88℃、カラム出口での反応後液の温度は90℃であった。
カラムから出た液体およびガスは気液分離装置によって分離し、反応後液(1)を回収した。この反応後液(1)の組成を表1に示す、この反応後液(1)40gに水酸化カルシウムの10%水懸濁液40gを投入して攪拌したのち、減圧濾
Figure 0007085711000001
に示す。)
内径8.5mm長さ48mmの樹脂製カラムに、0.52gのスチールウール(線径0.02mm)を触媒として充填し、70℃に設定したウオーターバスに投入して加熱した。そのカラムに、表1に示す組成の無電解ニッケルメッキ廃液を0.8ml/minの速度で60分間通して反応を行った。カラム入り口での無電解メッキ廃液の温度は69℃、カラム出口での反応後液の温度は70℃であった。
カラムから出た液体およびガスは気液分離装置によって分離し、反応後液(2)を回収した。この反応後液(2)の組成を表1に示す、この反応後液(2)40gに水酸化カルシウムの10%水懸濁液40gを投入して攪拌したのち、減圧濾
Figure 0007085711000002
に示す。)
内径8.5mm長さ48mmの樹脂製カラムに、0.52gのスチールウール(線径0.02mm)を触媒として充填し、95℃に設定したウオーターバスに投入して加熱した。そのカラムに、表1に示す組成の無電解ニッケルメッキ廃液を0.8ml/minの速度で60分間通して反応を行った。カラム入り口での無電解メッキ廃液の温度は92℃、カラム出口での反応後液の温度は95℃であった。
カラムから出た液体およびガスは気液分離装置によって分離し、反応後液(3)を回収した。この反応後液(3)の組成を表1に示す、この反応後液(3)40gに水酸化カルシウムの10%水懸濁液40gを投入して攪拌したのち、減圧濾
Figure 0007085711000003
に示す。)
内径8.5mm長さ48mmの樹脂製カラムに、0.52gのスチールウール(線径0.02mm)を触媒として充填し、90℃に設定したウオーターバスに投入して加熱した。そのカラムに、表1に示す組成の無電解ニッケルメッキ廃液を2.4ml/minの速度で20分間通して反応を行った。カラム入り口での無電解メッキ廃液の温度は87℃、カラム出口での反応後液の温度は90℃であった。
カラムから出た液体およびガスは気液分離装置によって分離し、反応後液(4)を回収した。この反応後液(4)の組成を表1に示す、この反応後液(4)40gに水酸化カルシウムの10%水懸濁液40gを投入して攪拌したのち、減圧濾
Figure 0007085711000004
に示す。)
内径8.5mm長さ48mmの樹脂製カラムに、0.52gのスチールウール(線径0.09mm)を触媒として充填し、90℃に設定したウオーターバスに投入して加熱した。そのカラムに、表1に示す組成の無電解ニッケルメッキ廃液を0.8ml/minの速度で60分間通して反応を行った。カラム入り口での無電解メッキ廃液の温度は88℃、カラム出口での反応後液の温度は90℃であった。
カラムから出た液体およびガスは気液分離装置によって分離し、反応後液(5)を回収した。この反応後液(5)の組成を表1に示す、この反応後液(5)40gに水酸化カルシウムの10%水懸濁液40gを投入して攪拌したのち、減圧濾
Figure 0007085711000005
に示す。)
内径8.5mm長さ48mmの樹脂製カラムに、0.52gのスチールウール(線径0.02mm)を触媒として充填し、90℃に設定したウオーターバスに投入して加熱した。そのカラムに、表1に示す組成の無電解ニッケルメッキ廃液を0.8ml/minの速度で60分間通して反応を行った。カラム入り口での無電解メッキ廃液の温度は88℃、カラム出口での反応後液の温度は90℃であった。
カラムから出た液体およびガスは気液分離装置によって分離し、反応後液(6)を回収した。この反応後液(6)の組成を表1に示す、この反応後液(6)40gに水酸化カルシウムの10%水懸濁液40gを投入して攪拌したのち、減圧濾
Figure 0007085711000006
に示す。)
内径8.5mm長さ48mmの樹脂製カラムに、0.52gのニッケルワイヤー(線径0.02mm)を触媒として充填し、90℃に設定したウオーターバスに投入して加熱した。そのカラムに、表1に示す組成の無電解ニッケルメッキ廃液を0.8ml/minの速度で60分間通して反応を行った。カラム入り口での無電解メッキ廃液の温度は88℃、カラム出口での反応後液の温度は90℃であった。
カラムから出た液体およびガスは気液分離装置によって分離し、反応後液(7)を回収した。この反応後液(7)の組成を表1に示す、この反応後液(7)40gに水酸化カルシウムの10%水懸濁液40gを投入して攪拌したのち、減圧濾
Figure 0007085711000007
に示す。)
内径85mm長さ170mmのステンレス製カラムに、128gのスチールウール(線径0.02mm)を触媒として充填し、90℃に設定したウオーターバスに投入して加熱した。そのカラムに、表1に示す組成の無電解ニッケルメッキ廃液を500ml/minの速度で60分間通して反応を行った。カラム入り口での無電解メッキ廃液の温度は86℃、カラム出口での反応後液の温度は90℃であった。
カラムから出た液体およびガスは気液分離装置によって分離し、反応後液(8)を回収した。この反応後液(8)の組成を表1に示す、この反応後液(8)40gに水酸化カルシウムの10%水懸濁液40gを投入して攪拌したのち、減圧濾
Figure 0007085711000008
に示す。)
Figure 0007085711000009
Figure 0007085711000010
(比較例1)
内径8.5mm長さ48mmの樹脂製カラムに、0.52gのスチールウール(線径0.02mm)を触媒として充填し、40℃に設定したウオーターバスに投入して加熱した。そのカラムに、表1に示す組成の無電解ニッケルメッキ廃液を0.8ml/minの速度で60分間通して反応を行った。カラム入り口での無電解メッキ廃液の温度は40℃、カラム出口での反応後液の温度は40℃であった。
カラムから出た液体およびガスは気液分離装置によって分離し、比較反応後液(1)を回収した。この比較反応後液(1)の組成を表1に示す、この比較反応後液(1)40gに水酸化カルシウムの10%水懸濁液40gを投入して攪拌し
Figure 0007085711000011
値となった。
(比較例2)
内径8.5mm長さ48mmの樹脂製カラムに、0.52gのスチールウール(線径0.02mm)を触媒として充填し、40℃に設定したウオーターバスに投入して加熱した。そのカラムに、表1に示す組成の無電解ニッケルメッキ廃液を50ml/minの速度で2分間通して反応を行った。カラム入り口での無電解メッキ廃液の温度は40℃、カラム出口での反応後液の温度は40℃であった。
カラムから出た液体およびガスは気液分離装置によって分離し、比較反応後液(2)を回収した。この比較反応後液(2)の組成を表1に示す、この比較反応後液(2)40gに水酸化カルシウムの10%水懸濁液40gを投入して攪拌し
Figure 0007085711000012
値となった。
(比較例3)
内径8.5mm長さ48mmの樹脂製カラムに、0.52gの平均粒子径20μmの鉄粉を触媒として充填し、90℃に設定したウオーターバスに投入して加熱した。そのカラムに、表1に示す組成の無電解ニッケルメッキ廃液を0.8ml/minの速度で流して反応を行ったところ、反応開始後10分でカラム詰まり液を送ることができなくなった。

Claims (3)

  1. (1)細線または綿状の鉄・ニッケルおよびそれぞれの合金から選ばれる少なくとも一つの金属を触媒として充填したカラムを60℃以上に加熱し、無電解メッキ廃液を連続的に供給し反応を行わせる工程
    (2)反応物を気液分離装置に導入して水素と反応後液に分離する工程
    (3)反応後液にカルシウム化合物を添加し、亜リン酸カルシウムおよびリン酸カルシウムの沈殿を形成することでリン成分を回収する工程
    からなる無電解メッキ廃液の処理方法。
  2. 無電解メッキ廃液のカラムへの供給量が、1分あたり、触媒容量の1倍以上500倍以下である、請求項1に記載の無電解メッキ廃液の処理方法。
  3. カルシウム化合物が、水酸化カルシウム、炭酸カルシウムおよび塩化カルシウムから選ばれる少なくとも一つの化合物である請求項1または請求項2に記載の無電解メッキ廃液の処理方法。
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