JP7084742B2 - ブラケットの取付構造 - Google Patents

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本発明は、ブラケットの取付構造に関する。
従来から、車両のサイドメンバにユニットを取り付けるためのブラケットの取付構造が公知である(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、アンチロックブレーキシステムのアクチュエータをブラケットを介して車体に取り付けるようにしたアンチロックブレーキシステムのアクチュエータ取付構造が記載されている。このアクチュエータ取付構造においては、アンチロックブレーキシステムのアクチュエータを取り付けるアクチュエータブラケットを、車体のクロスメンバとサイドメンバの結合部付近に、クロスメンバとサイドメンバに支持されるようにして配設している。
特許第3858544号公報
従来の一般的なブラケットの取付構造においては、車両のサイドメンバにユニットを取り付けるためのブラケットが一体の一部品から構成される。このため、車両前後方向荷重入力時(車両衝突時)にサイドメンバが屈曲することをブラケットが阻害して、車両前後方向荷重入力時のエネルギを十分に吸収することができない可能性がある。
そこで、本発明は、車両前後方向荷重入力時にサイドメンバが屈曲することをブラケットが阻害することなく、車両前後方向荷重入力時のエネルギを十分に吸収することができるブラケットの取付構造を提供することを目的とする。
本発明に係るブラケットの取付構造においては、ブラケットは、ユニットと車両のサイドメンバとの間に配設される複数のブラケット脚部を有する。複数のブラケット脚部は、複数のブラケット脚部の内の少なくとも一つと他のものとで屈曲予定部を跨いでサイドメンバに取り付けられる。複数のブラケット脚部の内の少なくとも一つは、ブラケットにおけるユニット側の接続部位に分離可能部を介して取り付けられる。分離可能部は、屈曲予定部が屈曲することに伴う複数のブラケット脚部の相対移動に伴ってブラケットにおけるユニット側の接続部位から分離する。
本発明に係るブラケットの取付構造によれば、車両前後方向荷重入力時にサイドメンバが屈曲することをブラケットが阻害することなく、車両前後方向荷重入力時のエネルギを十分に吸収することができる。
本発明の実施形態に係るブラケットの取付構造の斜視図である。 本発明の実施形態に係るブラケットの取付構造の側面図である。 本発明の実施形態に係るブラケットの取付構造の分解斜視図である。 ブラケット脚部の斜視図である。 サイドメンバの屈曲変形前の状態を示す概略的な平面図である。 サイドメンバの屈曲変形後の状態を示す概略的な平面図である。 本発明の他の実施形態に係るブラケットの取付構造の斜視図である。 本発明の他の実施形態に係るブラケットの取付構造の側面図である。 本発明の他の実施形態に係るブラケットの取付構造の分解斜視図である。
以下、本発明の実施形態を図面と共に詳述する。
図1及び図2に、本発明の実施形態に係るブラケットの取付構造を示す。なお、図1及び図2において、矢印FRは車両前方を示し、矢印LHは車両左方を示し、矢印UPRは車両上方を示す。また、図1及び図2において、符号1はフロントコンパートメントを示し、符号2はダッシュパネルを示し、符号3はストラットタワーを示し、符号4はクロスメンバ(ダッシュクロスメンバ)を示し、符号5がサイドメンバ(フロントサイドメンバ)を示す。
サイドメンバ5は、サイドメンバインナとサイドメンバアウタとを互いに接合して構成され、長手方向が前後方向に沿うように配設されている。また、サイドメンバ5は、前後方向荷重入力時に屈曲する基点となり屈曲する屈曲予定部(屈曲ポイント部)6を有している。本実施形態では、屈曲予定部6は、サイドメンバ5の上面5aと右方側面5bとの角部に形成された凹部5cを有して構成されている。
本実施形態に係るブラケット10の取付構造においては、ユニット11とサイドメンバ5との間にブラケット10が配設され、ブラケット10を介してユニット11がサイドメンバ5に取り付けられている。本実施形態のユニット11は、制動装置のブレーキ液圧ユニットである。このブレーキ液圧ユニットは、ブレーキアクチュエータとも称されるものである。
図1から図4に示すように、ブラケット10は、上側ブラケット(ユニット側取付ブラケット)12と、下側ブラケット(車体側取付ブラケット)13とを有して構成されている。ブラケット10は、例えば、金属材料により形成されている。なお、図4において、矢印INSはインシュレータ組付方向を示し、矢印EXTはインシュレータ抜き方向を示す。
上側ブラケット12は、サイドメンバ5の屈曲予定部6を前後方向に跨ぐように配置されている。上側ブラケット12は、ユニット11が載置される載置部14と、載置部14の前方側端部から上方に延在する前方壁部15と、載置部14の右方側端部から上方に延在する右方壁部16とを有している。前方壁部15には、防振用のインシュレータ17を装着するための穴部(不図示)と、この穴部に連続して形成され、上方に開口する切欠部18とが形成されている。その一方で、右方壁部16には、防振用のインシュレータ19を装着するための穴部(不図示)と、この穴部に連続して形成され、上方に開口する切欠部20とが形成されている。そして、ユニット11が載置部14と前方壁部15と右方壁部16とで区画された空間内に収容された状態で、ユニット11は、前方壁部15に取付ボルト21を用いて取り付けられ、右方壁部16に取付ボルト22を用いて取付けられている。
また、上側ブラケット12は、載置部14の左方側端部から下方に延在する左方脚片部23と、載置部14の右方側端部から下方に延在する右方脚片部24と、右方脚片部24の下端部から右方に延在する接続部25とを有している。左方脚片部23には、取付ボルト26を取り付けるためのナット27が配設されている。その一方で、接続部25には、取付ボルト28を取り付けるためのナット29が配設されている。
下側ブラケット13は、一対のブラケット脚部30,30と、一対のサポートブラケット部31,31とを有している。
一対のブラケット脚部30,30は、ユニット11とサイドメンバ5との間に配設されている。また、一対のブラケット脚部30,30は、一対のブラケット脚部30,30の内の一方と他方とで屈曲予定部6を前後方向に跨いでサイドメンバ5に取り付けられている。具体的には、一対のブラケット脚部30,30の内の一方は、サイドメンバ5における屈曲予定部6よりも前方の右方側面5bに取り付けられ、他方がサイドメンバ5における屈曲予定部6よりも後方の右方側面5bに取り付けられている。
各ブラケット脚部30は、上側ブラケット12の接続部25に対する取付部である上側取付部32と、上側取付部32の左方側端部から斜め下方に延在する連結片部33と、連結片部33の下端部から下方に延在する下側取付部34とを有している。下側取付部34には、取付ボルト35を挿通するための挿通穴部(不図示)が形成されている。
その一方で、ブラケット脚部30の上側取付部32には、防振用のインシュレータ36を装着するための穴部37と、穴部37に連続させて形成される切欠部38とが形成されている。切欠部38は、サイドメンバ5の屈曲予定部6の屈曲を阻害しない方向に開口するように形成されている。換言すれば、切欠部38は、前後方向荷重入力時にブラケット脚部30が変位する方向と逆方向に開口するように形成される。具体的には、一対のブラケット脚部30,30の内の前方側のものは、切欠部38が前方に開口するように形成され、後方側のものは、切欠部38が後方に開口するように形成されている。このような切欠部38が、サイドメンバ5の屈曲予定部6が屈曲することに伴う一対のブラケット脚部30,30の相対移動に伴って、各ブラケット脚部30がユニット11側の接続部位から分離する分離可能部39を構成する。
また、ブラケット脚部30は、穴部37を基準に切欠部38が開口している方向とは反対側に配設される補強フランジ40と、切欠部38が開口している方向に配設されるブラケットフランジ41と、補強のためのビード42とを有している。補強フランジ40の連結片部33表面からの高さは、ブラケットフランジ41の連結片部33表面からの高さよりも高い。このため、ブラケット脚部30の補強フランジ40が配設されている側の端部が、ブラケットフランジ41が配設されている側の端部よりも剛性が高く、変形し難くなっている。
さらに、本実施形態においては、一対のブラケット脚部30,30同士が、ブラケット脚部30の剛性よりも剛性が低い結合部材43により結合されている(図5A参照)。
そして、ブラケット脚部30は、上側取付部32が上側ブラケット12の接続部25に取付ボルト28を用いて取り付けられ、下側取付部34がサイドメンバ5の右方側面5bに取付ボルト35を用いて取付けられている。
一対のサポートブラケット部31,31は、一対のブラケット脚部30,30と同様に、ユニット11とサイドメンバ5との間に配設されている。一対のサポートブラケット部31,31はそれぞれ、屈曲予定部6を跨がないようにサイドメンバ5に取り付けられている。具体的には、一対のサポートブラケット部31,31の内の一方は、サイドメンバ5における屈曲予定部6よりも前方の上面5aに取り付けられ、他方がサイドメンバ5における屈曲予定部6よりも後方の上面5aに取り付けられている。
各サポートブラケット部31は、上側ブラケット12の左方脚片部23に対する取付部である上側取付部45と、上側取付部45の下端部から右方に延在する第一連結片部46とを有している。また、各サポートブラケット部31は、第一連結片部46から斜め下方に延在する第二連結片部47と、第二連結片部47の下端部から前後方向のいずれかに延在する下側取付部48とを有している。第一連結片部46は、ブラケット脚部30の上側取付部32に溶接等により固定されている。また、下側取付部48には、取付ボルト44を挿通するための挿通穴部(図示せず)が形成されている。
その一方で、サポートブラケット部31の上側取付部45には、防振用のインシュレータ49を装着するための穴部50と、穴部50に連続させて形成される切欠部51とが形成されている。具体的には、一対のサポートブラケット部31,31の内の前方側のものは、切欠部51が前方に開口するように形成され、後方側のものは、切欠部51が上方に開口するように形成されている。
また、サポートブラケット部31は、上側取付部45及び第一連結片部46に配設される第一ブラケットフランジ52と、第二連結片部47及び下側取付部48に配設される第二ブラケットフランジ53と、第二連結片部47に形成されるビード54とを有している。
そして、サポートブラケット部31は、上側取付部45が上側ブラケット12の左方脚片部23に取付ボルト26を用いて取り付けられ、下側取付部48がサイドメンバ5の上面5aに取付ボルト44を用いて取付けられている。
図5Aに、サイドメンバ5の屈曲変形前(つまり、前後方向荷重Pの入力前)における一対のブラケット脚部30,30を示す。図5Aに示されるように、一対のブラケット脚部30,30は、屈曲予定部6を前後方向に跨いでサイドメンバ5に取り付けられている。また、一対のブラケット脚部30,30同士は、結合部材43により結合されている。
図5Bに、サイドメンバ5の屈曲変形後(つまり、前後方向荷重Pの入力後)における一対のブラケット脚部30,30を示す。図5Bに示されるように、車両衝突等による前後方向荷重Pの入力時に、サイドメンバ5の屈曲予定部6が屈曲するように変形したものとする。すると、サイドメンバ5の屈曲予定部6が屈曲することに伴う一対のブラケット脚部30,30の相対移動に伴って、防振用のインシュレータ36が穴部37から抜かれて、各ブラケット脚部30が上側ブラケット12の接続部25から分離する。また、結合部材43の剛性がブラケット脚部30の剛性よりも低いため、サイドメンバ5の屈曲予定部6の屈曲に伴い、結合部材43もサイドメンバ5と同様に屈曲するように変形する。
以下に、本実施形態による作用効果を説明する。
(1)ブラケット10の取付構造においては、車両のサイドメンバ5は、荷重入力時に屈曲する屈曲予定部6を有し、ブラケット10は、ユニット11とサイドメンバ5との間に配設される複数のブラケット脚部30を有する。複数のブラケット脚部30は、複数のブラケット脚部30の内の少なくとも一つと他のものとで屈曲予定部6を跨いでサイドメンバ5に取り付けられる。複数のブラケット脚部30の内の少なくとも一つは、ブラケット10におけるユニット11側の接続部位(上側ブラケット12の接続部25)に分離可能部39を介して取り付けられる。分離可能部39は、屈曲予定部6が屈曲することに伴う複数のブラケット脚部30の相対移動に伴ってブラケット10におけるユニット11側の接続部位から分離する。
前述のように、前後方向荷重Pの入力時には、サイドメンバ5の屈曲予定部6が屈曲することに伴う一対のブラケット脚部30,30の相対移動に伴って、ブラケット脚部30が上側ブラケット12の接続部25から分離する。ブラケット脚部30が上側ブラケット12の接続部25から分離するため、前後方向荷重Pの入力時におけるブラケット10の曲げや破断による影響を少なくすることができる。
したがって、本実施形態に係るブラケット10の取付構造によれば、前後方向荷重Pの入力時にサイドメンバ5が屈曲することをブラケット10が阻害することがなく、前後方向荷重Pの入力時のエネルギを十分に吸収することが可能になる。
(2)ブラケット脚部30は、ブラケット10におけるユニット11側の接続部位(上側ブラケット12の接続部25)に対する取付部(上側取付部32)に形成されたインシュレータ装着用の穴部37を有する。分離可能部39は、穴部37に連続させて形成され、サイドメンバ5の屈曲予定部6の屈曲を阻害しない方向に開口する切欠部38を有する。
前後方向荷重Pの入力時にインシュレータ36がブラケット脚部30の穴部37から抜け易くなるため、前後方向荷重Pの入力時におけるユニット11の挙動を制御することができる。
(3)ブラケット脚部30は、穴部37を基準に切欠部38が開口している方向とは反対側に配設される補強フランジ40を有する。
ブラケット脚部30の補強フランジ40が配設されている側の端部が、補強フランジ40が配設されていない側の端部よりも剛性が高く変形し難くいため、前後方向荷重Pの入力時にインシュレータ36がブラケット脚部30の穴部37からより抜け易くなる。
(4)ブラケット10は、屈曲予定部6を跨がないようにサイドメンバ5に取り付けられるサポートブラケット部31を有する。
ブラケット10にサポートブラケット部31を配設することにより、ブラケット10によるユニット11の保持剛性を十分に確保することが可能になる。また、サポートブラケット部31が屈曲予定部6を跨がないようにサイドメンバ5に取り付けられることにより、前後方向荷重Pの入力時にサイドメンバ5が屈曲することをサポートブラケット部31が阻害することもない。
(5)ブラケット10は、複数のブラケット脚部30,30同士を結合する結合部材43を有し、結合部材43の剛性は、ブラケット脚部30の剛性よりも低い。
複数のブラケット脚部30,30同士が別体であるとすると、複数のブラケット脚部30,30の組付精度のバラつきによってはゴム製のインシュレータ36が捻れて取り付けられてしまうことが考えられる。また、インシュレータ36の捻れを回避するために、複数のブラケット脚部30,30の組付に時間が掛ってしまうことが考えられる。このため、別部材である結合部材43により複数のブラケット脚部30,30同士を一体化しておくことにより、複数のブラケット脚部30,30の組付精度を十分に確保することが可能になる。
ところで、本発明のブラケットの取付構造は前述の実施形態に例をとって説明したが、この実施形態に限ることなく本発明の要旨を逸脱しない範囲で他の実施形態を各種採用することができる。
例えば、前述の実施形態では、車両のサイドメンバに取り付けられるユニットは、制動装置のブレーキ液圧ユニット(ブレーキアクチュエータ)であるとしたが、これに限定はされない。例えば、車両のサイドメンバに取り付けられるユニットは、各種補機ユニットや、各種装置に付属するユニットであってもよい。
また、前述の実施形態では、一対のブラケット脚部30,30の両方に分離可能部39を形成するとしたが、これに限定はされない。例えば、図6から図8に示すように、一対のブラケット脚部30,30の内の後方側のものだけに分離可能部39を形成するようにしてもよく、図示はしないが、前方側のものだけに分離可能部39を形成するようにしてもよい。具体的には、図6から図8に示すブラケット10の取付構造においては、前方側のブラケット脚部30の切欠部38が開口している方向が、図1から図3に示すブラケット10の取付構造とは異なっている。
5 サイドメンバ
6 屈曲予定部
10 ブラケット
11 ユニット
30 ブラケット脚部
31 サポートブラケット部
36 インシュレータ
37 穴部
38 切欠部
39 分離可能部
40 補強フランジ
43 結合部材

Claims (5)

  1. 車両のサイドメンバにユニットを取り付けるためのブラケットの取付構造であって、
    前記サイドメンバは、荷重入力時に屈曲する屈曲予定部を有し、
    前記ブラケットは、前記ユニットと前記サイドメンバとの間に配設される複数のブラケット脚部を有し、
    前記複数のブラケット脚部は、前記複数のブラケット脚部の内の少なくとも一つと他のものとで前記屈曲予定部を跨いで前記サイドメンバに取り付けられ、
    前記複数のブラケット脚部の内の少なくとも一つは、前記ブラケットにおける前記ユニット側の接続部位に分離可能部を介して取り付けられ、
    前記分離可能部は、前記屈曲予定部が屈曲することに伴う前記複数のブラケット脚部の相対移動に伴って前記ブラケットにおける前記ユニット側の接続部位から分離するものであり、前記ブラケット脚部における前記ユニット側の接続部位に対する取付部に形成された穴部に連続させて形成され、前記荷重入力時に前記ブラケット脚部が変位する方向と逆方向に開口する切欠部を有する
    ことを特徴とするブラケットの取付構造。
  2. 前記ブラケット脚部は、前記ブラケットにおける前記ユニット側の接続部位に対する取付部に形成されたインシュレータ装着用の穴部を有し、
    前記分離可能部は、前記穴部に連続させて形成され、前記サイドメンバの前記屈曲予定部の屈曲を阻害しない方向に開口する切欠部を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載のブラケットの取付構造。
  3. 前記ブラケット脚部は、前記穴部を基準に前記切欠部が開口している方向とは反対側に配設される補強フランジを有する
    ことを特徴とする請求項2に記載のブラケットの取付構造。
  4. 前記ブラケットは、前記屈曲予定部を跨がないように前記サイドメンバに取り付けられるサポートブラケット部を有する
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のブラケットの取付構造。
  5. 前記ブラケットは、前記複数のブラケット脚部同士を結合する結合部材を有し、
    前記結合部材の剛性は、前記ブラケット脚部の剛性よりも低い
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のブラケットの取付構造。
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