JP7084453B2 - イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー及び樹脂粒子の製造方法 - Google Patents
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Description
すなわち本発明は、ポリエステルポリオール(c)とイソシアネート成分(d)とアミン化合物及び/又は水とを反応させてなるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーであって、
前記ポリエステルポリオール(c)が構成単量体として、モノオール(a1)及び/又はモノカルボン酸(b1)と、ジオール(a2)及びジカルボン酸(b2)と、トリオール(a3)及び/又はトリカルボン酸(b3)とを含有し、
前記ポリエステルポリオール(c)の構成単量体の合計モル数に基づき、モノオール(a1)及びモノカルボン酸(b1)の合計モル数の割合が0.1~5.0モル%であり、ジオール(a2)及びジカルボン酸(b2)の合計モル数の割合が92.0~99.89モル%であり、トリオール(a3)及びトリカルボン酸(b3)の合計モル数の割合が0.01~3.0モル%であり、トリオール(a3)及びトリカルボン酸(b3)の合計モル数に対するモノオール(a1)及びモノカルボン酸(b1)の合計モル数の比率{(a1)及び(b1)の合計モル数/(a3)及び(b3)の合計モル数}が1~50であり、
前記ポリエステルポリオール(c)の酸価が0~2.0mgKOH/gであり、前記ポリエステルポリオール(c)の水酸基価が12~20mgKOH/gであり、
前記イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーのイソシアネート基の濃度が1.0~1.5重量%であり、ウレタン基の濃度が1.0~3.0重量%であり、ウレア基の濃度が0.1~1.0重量%であるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー;該イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを水系媒体中でアミン化合物により伸長反応させる工程を含むウレタン変性ポリエステル樹脂を含む樹脂粒子の製造方法である。
本発明のイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーは、ポリエステルポリオール(c)とイソシアネート成分(d)とアミン化合物及び/又は水とを反応させてなるものである。
本発明において、モノオール(a1)、ジオール(a2)及びトリオール(a3)をまとめてアルコール成分(a)という。
モノオール(a1)としては、脂肪族モノオール及び芳香族モノオール等が挙げられる。モノオール(a1)は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
脂肪族モノオールとしては、鎖式飽和モノオール及び鎖式不飽和モノオール等が挙げられる。
鎖式飽和モノオールとしては、炭素数1~30の直鎖又は分岐の鎖式飽和モノオール(例えば、メタノール、エタノール、1-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ペンタノール、2-メチル-1-ブタノール、2,2-ジメチル-1-プロパノール、ヘキサノール、4-メチル-1-ペンタノール、2,3-ジメチル-2-ブタノール、ヘプタノール、3-エチル-3-ペンタノール、オクタノール、2-エチル-1-ヘキサノール、ノナノール、2,6-ジメチル-4-ヘプタノール、デカノール、ウンデカノール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール及びステアリルアルコール等)、及び炭素数1~30の直鎖又は分岐の鎖式飽和モノオールに炭素数2~4のアルキレンオキサイド(以下、「アルキレンオキサイド」をAOと略記する場合がある。)[例えば、エチレンオキサイド(以下、「エチレンオキサイド」をEOと略記する場合がある。)、プロピレンオキサイド(以下、「プロピレンオキサイド」をPOと略記する場合がある。)及びブチレンオキサイド(以下、「ブチレンオキサイド」をBOと略記する場合がある。)等]を付加したもの(付加モル数1~20モル)等が挙げられる。
鎖式不飽和モノオールとしては、炭素数2~30の直鎖又は分岐の鎖式不飽和モノオール(例えば、アリルアルコール、2-ブテン-1-オール、2-ペンテン-1-オール、2-ヘキセン-1-オール、2-ヘプテン-1-オール、2-オクテン-1-オール、2-ノネン-1-オール、2-デセン-1-オール、2-ドデセノール、パルミトレイルアルコール、オレイルアルコール及びリノレイルアルコール等)、及び炭素数2~30の直鎖又は分岐の鎖式不飽和モノオールに炭素数2~4のAO(例えば、EO、PO及びBO等)を付加したもの(付加モル数1~20モル)等が挙げられる。
芳香族モノオールとしては、炭素数6~30の芳香族モノオール(芳香脂肪族アルコール(例えば、ベンジルアルコール等)等)、及び炭素数6~30の芳香族モノオールに炭素数2~4のAO(例えば、EO、PO及びBO等)を付加したもの(付加モル数1~20モル)等が挙げられる。
これらのうち、ポリエステルポリオール(c)の合成のしやすさ及び耐ホットオフセット性の観点から好ましくは炭素数10~30の直鎖の鎖式飽和モノオール及び炭素数6~30の芳香族モノオールであり、更に好ましくは炭素数6~30の芳香族モノオールである。
脂肪族ジオールとしては、鎖式脂肪族ジオール及び脂環式脂肪族ジオールが挙げられる。
鎖式脂肪族ジオールとしては、炭素数2~30のアルキレングリコール(例えばエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール、テトラデカンジオール、ネオペンチルグリコール及び2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオール等);
アルキレンエーテルグリコール(例えばジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリテトラメチレンエーテルグリコール等);
ポリラクトンジオール(例えばポリ-ε-カプロラクトンジオール等);ポリブタジエンジオール;ポリエステルジオール;及びポリカーボネート、ポリイソプレンポリオール及び水添ポリイソプレンポリオール等が挙げられる。
脂環式脂肪族ジオールとしては、炭素数6~24の脂環式ジオール(例えば1,4-シクロヘキサンジメタノール及び水素添加ビスフェノールA等);
前記脂環式ジオールのAO付加物(付加モル数2~100)[例えば1,4-シクロヘキサンジメタノールのEO10モル付加物等]等が挙げられる。
芳香族ジオールとしては、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等)のAO(EO、PO及びBO等)付加物(付加モル数2~100)(例えばビスフェノールA・EO付加物(付加モル数2~4モル)及びビスフェノールA・PO付加物(付加モル数2~4モル)等)等が挙げられる。
これらのうち、耐熱保存安定性及び耐ホットオフセット性の観点から好ましくは芳香族ジオールであり、より好ましくはビスフェノール類のAO付加物(付加モル数2~100)、更に好ましくはビスフェノールAのAO付加物(付加モル数2~30)であり、特に好ましくはビスフェノールA・EO付加物(付加モル数2~4)及びビスフェノールA・PO付加物(付加モル数2~4)である。
これらのうち、低温定着性と耐ホットオフセット性の両立の観点から好ましくは3価の炭素数3~10の脂肪族アルコールである。
モノカルボン酸(b1)としては、脂肪族モノカルボン酸及び芳香族モノカルボン酸等が挙げられる。モノカルボン酸(b1)は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
脂肪族モノカルボン酸としては、鎖式飽和モノカルボン酸、鎖式不飽和モノカルボン酸及び脂環式モノカルボン酸等が挙げられる。
鎖式飽和モノカルボン酸としては、炭素数2~30の直鎖又は分岐の鎖式飽和モノカルボン酸(例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、2-エチルヘキサン酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ツベルクロステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸及びリグノセリン酸等)等が挙げられる。
鎖式不飽和モノカルボン酸としては、炭素数3~30の直鎖又は分岐の鎖式不飽和モノカルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、α-リノレン酸、γ-リノレン酸、エレオステアリン酸、8,11-エイコサジエン酸、5,8,11-エイコサトリエン酸、アラキドン酸、ステアリドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、ジホモ-γ-リノレン酸、エライジン酸、エルカ酸及びネルボン酸等)等が挙げられる。
脂環式モノカルボン酸としては、炭素数4~14の脂環式モノカルボン酸(例えば、シクロプロパンカルボン酸、シクロブタンカルボン酸、シクロペンタンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸及びシクロヘプタンカルボン酸等)等が挙げられる。
芳香族モノカルボン酸としては、炭素数7~36の芳香族モノカルボン酸が挙げられ、具体的には、安息香酸、ビニル安息香酸、トルイル酸、ジメチル安息香酸、t-ブチル安息香酸、クミン酸、ナフトエ酸、ビフェニルモノカルボン酸及びフロ酸等が挙げられる。
また、これらのモノカルボン酸の、酸無水物、低級アルキル(炭素数1~4)エステル(例えば、メチルエステル、エチルエステル及びイソプロピルエステル等)を用いてもよい。
これらのうち、ポリエステルポリオール(c)の合成のしやすさ及び耐ホットオフセット性の観点から好ましくは炭素数12以上の直鎖の飽和モノカルボン酸、及び炭素数7~36の芳香族モノカルボン酸であり、より好ましくは炭素数7~36の芳香族モノカルボン酸であり、更に好ましくは安息香酸、ジメチル安息香酸及びt-ブチル安息香酸である。
また、これらのジカルボン酸の、酸無水物、低級アルキル(炭素数1~4)エステル(例えば、メチルエステル、エチルエステル及びイソプロピルエステル等)を用いてもよい。ジカルボン酸(b2)は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、低温定着性と耐ホットオフセット性の両立の観点から好ましくは炭素数2~50のアルカンジカルボン酸及び炭素数8~36の芳香族ジカルボン酸であり、より好ましくはアジピン酸、イソフタル酸及びテレフタル酸である。
また、これらのトリカルボン酸の、酸無水物、低級アルキル(炭素数1~4)エステル(例えば、メチルエステル、エチルエステル及びイソプロピルエステル等)を用いてもよい。トリカルボン酸(b3)は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、耐熱保存安定性及び耐ホットオフセット性の観点から好ましくは炭素数9~20の芳香族トリカルボン酸であり、より好ましくはトリメリット酸及びトリメリット酸無水物である。
前記ポリエステルポリオール(c)のガラス転移温度(Tg)は、低温定着性と耐熱保存安定性の両立の観点から好ましくは10~50℃であり、更に好ましくは30~50℃である。
前記ポリエステルポリオール(c)の酸価は、0~2.0mgKOH/gであり、好ましくは0~1.5mgKOH/gである。ポリエステルポリオール(c)の酸価が2.0mgKOH/gより大きい場合、ポリエステルポリオール(c)の重縮合が不十分で、低分子成分が多いことを示しており、耐熱保存安定性が悪化することがある。
前記ポリエステルポリオール(c)の水酸基価は、12~20mgKOH/gであり、好ましくは12~18mgKOH/gである。ポリエステルポリオール(c)の水酸基価が12mgKOH/g未満であると耐ホットオフセット性が悪化することがあり、20mgKOH/gを超えると耐熱保存安定性が悪化することがある。
ここで、ポリエステルポリオール(c)の酸価及び水酸基価は、JIS K 0070:1992に規定の方法により測定することができる。
前記ポリエステルポリオール(c)の酸価及び水酸基価は、アルコール成分(a)の水酸基の総モル数とカルボン酸成分(b)のカルボキシル基の総モル数との比率を変化させることで調整することができる。
ポリエステルポリオール(c)の構成単量体において、アルコール成分(a)とカルボン酸成分(b)との合計モル数に基づき、ジオール(a2)及びジカルボン酸(b2)の合計モル数の割合が92.0~99.89モル%であり、好ましくは96.0~99.79モル%である。
ポリエステルポリオール(c)の構成単量体において、アルコール成分(a)とカルボン酸成分(b)との合計モル数に基づき、トリオール(a3)及びトリカルボン酸(b3)の合計モル数の割合が0.01~3.0モル%であり、好ましくは0.01~1.0モル%である。前記割合が0.01モル%未満では耐ホットオフセット性が発現しないことがあり、3.0モル%を超えると低温定着性が発現しないことがある。
ポリエステルポリオール(c)の構成単量体において、トリオール(a3)及びトリカルボン酸(b3)の合計モル数に対するモノオール(a1)及びモノカルボン酸(b1)の合計モル数の比率{(a1)及び(b1)の合計モル数/(a3)及び(b3)の合計モル数}が1~50であり、好ましくは1~40であり、より好ましくは2~35である。前記比率が1未満では低温定着性が発現しないことがあり、50を超えると耐ホットオフセット性が発現しないことがある。
前記ポリエステルポリオール(c)の数平均分子量は、GPC(gel permeation chromatography)によって、以下の条件で測定する。
・装置:GPC-150C(ウォーターズ社製)
・カラム:KF801~807(ショウデックス社製)
・温度:40℃
・溶媒:THF(テトラヒドロフラン)
・流速:1.0mL/分
・試料:濃度0.05~0.6%の試料を0.1mL注入
なお、前記イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの数平均分子量を測定する場合には、前記イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーに存在するイソシアネート基の3倍mol量のn-ジブチルアミンを添加し、イソシアネート末端を封止したサンプルを用いる。
〔ポリエステルポリオール(c)の水酸基の平均官能基数〕=〔ポリエステルポリオール(c)の水酸基価〕×〔ポリエステルポリオール(c)の数平均分子量〕÷56,100 (1)
前記触媒としては、スズ含有触媒(例えばジブチルスズオキシド等)、三酸化アンチモン、チタン含有触媒[例えばチタンアルコキシド(チタンテトラブトキシド)、シュウ酸チタン酸カリウム、テレフタル酸チタン、テレフタル酸チタンアルコキシド、特開2006-243715号公報に記載の触媒{チタニウムジイソプロポキシビス(トリエタノールアミネート)、チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)、チタニウムモノヒドロキシトリス(トリエタノールアミネート)、チタニルビス(トリエタノールアミネート)及びそれらの分子内重縮合物等}及び特開2007-11307号公報に記載の触媒(チタントリブトキシテレフタレート、チタントリイソプロポキシテレフタレート及びチタンジイソプロポキシジテレフタレート等)等]、ジルコニウム含有触媒(例えば酢酸ジルコニル等)及び酢酸亜鉛等が挙げられる。これらの中で好ましくはチタン含有触媒である。
前記脂環式ポリイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
前記芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5-ナフチレンジイソシアネート、ジフェニレン-4,4’-ジイソシアネート、4,4’-ジイソシアナト-3,3’-ジメチルジフェニル、3-メチルジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、ジフェニルエーテル-4,4’-ジイソシアネート等が挙げられる。
前記芳香脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、α,α,α’,α’-テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
前記イソシアヌレート類としては、例えば、トリス-イソシアナトアルキル-イソシアヌレート、トリイソシアナトシクロアルキル-イソシアヌレート等が挙げられる。
イソシアネート成分(d)は、1種単独でも使用することができ、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、低温定着性の観点から好ましくは脂肪族ポリイソシアネート及び脂環式ポリイソシアネートであり、更に好ましくは脂肪族ジイソシアネート及び脂環式ジイソシアネートであり、耐ホットオフセット性の観点から好ましくは脂環式ポリイソシアネートである。
2官能以上のポリアミンとしては、炭素数2~18の脂肪族ジアミン、炭素数6~20の芳香族ジアミン等が挙げられる。
鎖状脂肪族ジアミンとしては、炭素数2~12のアルキレンジアミン(エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン及びヘキサメチレンジアミン等)及びポリアルキレン(炭素数2~6)ポリアミン[ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン及びペンタエチレンヘキサミン等]等が挙げられる。
環状脂肪族ジアミンとしては、炭素数4~15の脂環式ジアミン{1,3-ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、メンセンジアミン、4,4’-メチレンジシクロヘキサンジアミン(水添メチレンジアニリン)及び3,9-ビス(3-アミノプロピル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等}及び炭素数4~15の複素環式ジアミン[ピペラジン、N-アミノエチルピペラジン、1,4-ジアミノエチルピペラジン、及び1,4-ビス(2-アミノ-2-メチルプロピル)ピペラジン等]等が挙げられる。
アルキル基を有さない芳香族ジアミンとしては、1,2-、1,3-又は1,4-フェニレンジアミン、2,4’-又は4,4’-ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ベンジジン、チオジアニリン、ビス(3,4-ジアミノフェニル)スルホン、2,6-ジアミノピリジン、m-アミノベンジルアミン、ナフチレンジアミン及びこれらの混合物等が挙げられる。
このようなブロック化されたアミン化合物としては、例えば前記2官能以上のポリアミンとケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)とを反応させることによって得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物等が挙げられる。
イソシアネート成分(d)は、ポリエステルポリオール(c)と、アミン化合物又は水とを反応させてもよいし、アミン化合物と水とを併用して反応させてもよい。但し、反応性の観点より、水単独で使用する場合はアミン化合物と比較してイソシアネート成分(d)との反応性が劣るため40~50℃で24時間以上反応を行うことが好ましい。
本発明のイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーのイソシアネート基の濃度は、1.0~1.5重量%であり、好ましくは1.2~1.5重量%である。前記イソシアネート基の濃度が1.0重量%未満では耐ホットオフセット性が悪化することがあり、1.5重量%を超えると、低温定着性が発現しないことがある。ここで、前記イソシアネート基の濃度(重量%)は、JIS K 1603-1:2007に準拠した方法により測定される。
<サンプル調整>
NMRチューブにサンプルを100mg、内部標準物質(例えばテトラメチルシラン)を10mg精秤し、重水素化溶媒(例えば重ピリジン)を0.45ml加え樹脂を溶解させる。
<測定条件>
装置:ブルカーバイオスピン社製「AVANCE III HD400」
積算回数:1000回
<解析>
ウレタン基及びウレア基由来のプロトンのピークと内部標準物質のメチル基由来のプロトンのピークの積分比からウレタン基及びウレア基の濃度(重量%)を算出する。すなわち、化学シフト7~8ppm付近のウレタン基由来のプロトンの積分比及び化学シフト6ppm付近のウレア基由来のプロトンの積分比、化学シフト0ppmの内部標準物質のメチル基由来のプロトンの積分比、サンプル及び内部標準物質の仕込み重量から、ウレタン基及びウレア基の濃度(重量%)を算出する。
ウレタン基濃度(重量%)=Aa/(Ai/Pi)×58/Mi×Wi/Ws×100
ウレア基濃度(重量%)=(Ab/2)/(Ai/Pi)×59/Mi×Wi/Ws×100
但し、Aaはウレタン基由来のプロトンのピークの積分比、Abはウレア基由来のプロトンのピークの積分比、Aiは内部標準物質のメチル基由来のプロトンのピークの積分比、Piは内部標準物質のプロトン数、Miは内部標準物質の分子量、Wiは内部標準物質の仕込み重量(mg)、Wsはサンプルの仕込み重量(mg)である。
ウレア基の含有量、ウレタン基の含有量の調整は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを構成する原料の組成や仕込み当量を、適宜調整すればよい。
本発明におけるウレタン変性ポリエステル樹脂は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを水系媒体中でアミン化合物により伸長反応させたものである。
ウレタン変性ポリエステル樹脂のイソシアネート基の濃度は、耐ホットオフセット性及び低温定着性の観点から、好ましくは1.0重量%未満であり、更に好ましくは0.1重量%未満であり、特に好ましくはイソシアネート基を有しないことである。
樹脂粒子中のウレタン変性ポリエステル樹脂の含有量は、樹脂粒子の重量に基づき、好ましくは1~30重量%である。
本発明の樹脂粒子の製造方法は、前記本発明のイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを水系媒体中でアミン化合物により伸長反応させてなるウレタン変性ポリエステル樹脂を含む樹脂粒子の製造方法である。樹脂粒子には、さらに、結着樹脂、樹脂微粒子並びに離型剤、着色剤及び帯電制御剤等のその他の成分を含んでもよい。
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエステル樹脂等が挙げられる。
結着樹脂の含有量は樹脂粒子の重量に基づき、好ましくは45~92重量%である。
前記ポリエステル樹脂のガラス転移温度は、耐熱保存安定性と低温定着性の観点から、好ましくは30~70℃であり、更に好ましくは35~70℃であり特に好ましくは35~50℃であり、最も好ましくは35~45℃である。なお、ガラス転移温度は、DSCを用いて、ASTMD3418-82に規定の方法(DSC法)で測定することができる。
前記樹脂微粒子は、水系媒体中で水性分散液を形成しうる樹脂であれば特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができ、熱可塑性樹脂であってもよいし、熱硬化性樹脂でもよく、例えば、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂及びポリカーボネート樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、微細な球状の樹脂粒子の水性分散液が得られ易い点で、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂及びポリエステル樹脂が特に好ましい。
前記ビニル樹脂は、ビニルモノマーを単独重合又は共重合したポリマーであり、例えば、スチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸-アクリル酸エステル共重合体、スチレン-(メタ)アクリル酸エステル-(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン-アクリロニトリル共重合体、スチレン-無水マレイン酸共重合体、スチレン-(メタ)アクリル酸共重合体、及びスチレン-スチレンスルホン酸-(メタ)アクリル酸エステル共重合体などが挙げられる。
ビニル樹脂は、低温定着性、耐熱保存安定性の観点及び微細な球状の樹脂粒子の水性分散液が得られ易い点から好ましくはスチレン-アルキル(メタ)アクリレート共重合体、スチレン-アルキル(メタ)アクリレート-(メタ)アクリル酸共重合体及びアルキル(メタ)アクリレート共重合体であり、更に好ましくはスチレン-アルキル(メタ)アクリレート及びスチレン-アルキル(メタ)アクリレート-(メタ)アクリル酸共重合体共重合体である。
前記樹脂微粒子の含有量は、樹脂粒子の重量に基づき、好ましくは0.5~10重量%である。
(1)前記ビニル樹脂の場合、ビニルモノマーを出発原料として、懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法、及び分散重合法から選択されるいずれかの重合反応により、直接、樹脂微粒子の水性分散液を製造する方法、
(2)前記ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加乃至縮合系樹脂の場合、前駆体(モノマー、オリゴマー等)又はその溶剤溶液を適当な分散剤の存在下、水性媒体中に分散させた後、加熱、又は硬化剤を添加して硬化させて、樹脂微粒子の水性分散体を製造する方法、
(3)前記ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加乃至縮合系樹脂の場合、前駆体(モノマー、オリゴマー等)又はその溶剤溶液(液体であることが好ましい。加熱により液状化してもよい)中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する方法、
(4)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を機械回転式又はジェット式等の微粉砕機を用いて粉砕し、次いで、分級することによって樹脂微粒子を得た後、適当な分散剤存在下、水中に分散させる方法、
(5)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を霧状に噴霧することにより樹脂微粒子を得た後、該樹脂微粒子を適当な分散剤存在下、水中に分散させる方法、
(6)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液に貧溶剤を添加するか、又は予め溶剤に加熱溶解した樹脂溶液を冷却することにより樹脂微粒子を析出させ、次に溶剤を除去して樹脂粒子を得た後、該樹脂粒子を適当な分散剤存在下、水中に分散させる方法、
(7)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合
反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を、適当な分散剤存在下、水性媒体中に分散させた後、加熱又は減圧等によって溶剤を除去する方法、
(8)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する方法、などが好適に挙げられる。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、着色剤、離型剤、帯電制御剤、無機微粒子、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料、金属石鹸等が挙げられる。
前記ワックス類としては、例えば、カルボニル基含有ワックス、ポリオレフィンワックス、長鎖炭化水素、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、カルボニル基含有ワックスが好ましい。前記カルボニル基含有ワックスとしては、例えば、ポリアルカン酸エステル、ポリアルカノールエステル、ポリアルカン酸アミド、ポリアルキルアミド、ジアルキルケトン、などが挙げられる。前記ポリアルカン酸エステルとしては、例えば、カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18-オクタデカンジオールジステアレートなどが挙げられる。前記ポリアルカノールエステルとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなどが挙げられる。前記ポリアルカン酸アミドとしては、例えば、ジベヘニルアミドなどが挙げられる。前記ポリアルキルアミドとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリルアミドなどが挙げられる。前記ジアルキルケトンとしては、例えば、ジステアリルケトンなどが挙げられる。これらカルボニル基含有ワックスの中でも、ポリアルカン酸エステルが特に好ましい。
前記ポリオレフィンワックスとしては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどが挙げられる。
前記長鎖炭化水素としては、例えば、パラフィンワックス、サゾールワックスなどが挙げられる。
前記離型剤の前記樹脂粒子における含有量としては、樹脂粒子の重量に基づき、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、樹脂粒子の流動性の観点から、好ましくは0~40重量%であり、更に好ましくは3~30重量%である。
前記帯電制御剤は、市販品を使用してもよく、該市販品としては、例えば、第四級アンモニウム塩のボントロンP-51、オキシナフトエ酸系金属錯体のE-82、サリチル酸系金属錯体のE-84、フェノール系縮合物のE-89(いずれもオリエント化学工業株式会社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP-302、TP-415(いずれも保土谷化学工業株式会社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(いずれもヘキスト社製)、LRA-901、ホウ素錯体であるLR-147(日本カーリット株式会社製)、キナクリドン、アゾ顔料;スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子の化合物、などが挙げられる。
前記帯電制御剤は、前記マスターバッチと共に溶融混練させた後、溶解乃至分散させてもよく、前記樹脂粒子の各成分と共に前記有機溶剤に直接、溶解乃至分散させる際に添加してもよく、あるいは樹脂粒子製造後に樹脂粒子表面に固定させてもよい。
前記樹脂溶液の調製は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリーを含む樹脂粒子材料を前記有機溶剤に溶解させることにより行うことができる。
前記有機溶剤としては、前記樹脂粒子材料を溶解乃至分散可能な溶媒であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、除去の容易性の点で沸点が150℃未満の揮発性のものが好ましく、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2-ジクロロエタン、1,1,2-トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、トルエン、キシレン、ベンゼン、塩化メチレン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、等が好ましく、酢酸エチルが特に好ましい。
前記有機溶剤の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記樹脂溶液100重量部に対し、好ましくは30~90重量部である。
前記分散液の調製は、前記樹脂溶液を水系媒体中に分散させることにより行う。
前記樹脂溶液を前記水系媒体中に分散させると、該水系媒体中に、前記樹脂溶液からなる分散体(油滴)が形成される。
前記水系媒体としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、水、該水と混和可能な溶剤、これらの混合物、などが挙げられるが、これらの中でも、水が特に好ましい。
前記水と混和可能な溶剤としては、前記水と混和可能であれば特に制限はなく、例えば、アルコール、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類、低級ケトン類、などが挙げられる。
前記アルコールとしては、例えば、メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等が挙げられる。前記低級ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記分散の方法としては特に制限はなく、公知の分散機等を用いて適宜選択することが
でき、該分散機としては、例えば、低速せん断式分散機、高速せん断式分散機、摩擦式分散機、高圧ジェット式分散機、超音波分散機、などが挙げられる。これらの中でも、前記分散体(油滴)の粒径を2~20μmに制御することができる点で、高速せん断式分散機が好ましい。
前記高速剪断式分散機を用いた場合、回転数、分散時間、分散温度などの条件については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記回転数としては、1,000~30,000rpmが好ましく、5,000~20,000rpmがより好ましく、前記分散時間としては、バッチ方式の場合は、0.1~5分間が好ましく、前記分散温度としては、加圧下において0~150℃が好ましく、40~98℃がより好ましい。なお、前記分散温度は高温である方が一般に分散が容易である。
前記ウレタン変性ポリエステル樹脂を粒子状に生成させて樹脂粒子を造粒する方法においては、例えば、水系媒体相の調製、前記樹脂溶液の調製、前記分散液の調製、前記水系媒体の添加、その他(前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体である前記イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの合成、前記アミン化合物の合成等)を行う。
前記樹脂溶液の調製は、前記有機溶剤中に、前記アミン化合物、前記イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー、前記着色剤、前記離型剤、前記帯電制御剤、前記ポリエステル樹脂等の樹脂粒子材料を、溶解乃至分散させることにより行うことができる。
なお、前記樹脂粒子材料の中で、前記アミン化合物と前記イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー以外の成分は、前記水系媒体相調製において、前記樹脂微粒子を前記水系媒体に分散させる際に該水系媒体中に添加混合してもよいし、あるいは、前記樹脂溶液を前記水系媒体相に添加する際に、該樹脂溶液と共に前記水系媒体相に添加してもよい。
前記陰イオン界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステル等が挙げられ、フルオロアルキル基を有するものが好適に挙げられる。該フルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、例えば、炭素数2~10のフルオロアルキルカルボン酸又はその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3-[オメガ-フルオロアルキル(炭素数6~11)オキシ]-1-アルキル(炭素数3~4)スルホン酸ナトリウム、3-[オメガ-フルオロアルカノイル(炭素数6~8)-N-エチルアミノ]-1-プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(炭素数11~20)カルボン酸又はその金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(炭素数7~13)又はその金属塩、パーフルオロアルキル(炭素数4~12)スルホン酸又はその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N-プロピル-N-(2-ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(炭素数6~10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(炭素数6~10)-N-エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(炭素数6~16)エチルリン酸エステル等が挙げられる。該フルオロアルキル基を有する界面活性剤の市販品としては、例えば、サーフロンS-111、S-112、S-113(いずれも旭硝子株式会社製);フローラドFC-93、FC-95、FC-98、FC-129(いずれも住友3M株式会社製);ユニダインDS-101、DS-102(いずれもダイキン工業株式会社製);メガファックF-110、F-120、F-113、F-191、F-812、F-833(いずれも大日本インキ化学工業株式会社製);エクトップEF-102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204(いずれもト-ケムプロダクツ社製);フタージェントF-100、F150(いずれもネオス社製)などが挙げられる。
前記両性界面活性剤としては、例えば、アラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシン、N-アルキル-N,N-ジメチルアンモニウムべタインなどが挙げられる。
前記高分子系保護コロイドとしては、例えば、酸類、水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、ビニルアルコール又はビニルアルコールとのエーテル類、ビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、アミド化合物又はこれらのメチロール化合物、クローライド類、窒素原子若しくはその複素環を有するもの等のホモポリマー又は共重合体、ポリオキシエチレン系、セルロース類、などが挙げられる。
前記酸類としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α-シアノアクリル酸、α-シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等が挙げられる。前記水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体としては、例えば、アクリル酸β-ヒドロキシエチル、メタクリル酸β-ヒドロキシエチル、アクリル酸β-ヒドロキシプロビル、メタクリル酸β-ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ-ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ-ヒドロキシプロピル、アクリル酸3-クロロ2-ヒドロキシプロビル、メタクリル酸3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N-メチロールアクリルアミド、N-メチロールメタクリルアミド等が挙げられる。前記ビニルアルコール又はビニルアルコールとのエーテル類としては、例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル等が挙げられる。前記ビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等が挙げられる。前記アミド化合物又はこれらのメチロール化合物としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド酸、又はこれらのメチロール化合物、などが挙げられる。前記クローライド類としては、例えば、アクリル酸クローライド、メタクリル酸クローライド等が挙げられる。前記窒素原子若しくはその複素環を有するもの等ホモポリマー又は共重合体としては、例えば、ビニルビリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン等が挙げられる。前記ポリオキシエチレン系としては、例えば、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステル等が挙げられる。前記セルロース類としては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。
前記分散安定剤を用いた場合は、塩酸等の酸によりリン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗する方法、酵素により分解する方法等によって、微粒子からリン酸カルシウム塩を除去することができる。
前記分散液の調製においては、前記伸長反応乃至前記架橋反応の触媒を用いることができる。該触媒としては、例えばジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
前記有機溶剤の除去が行われると、樹脂粒子が形成される。該樹脂粒子に対し、洗浄、乾燥等を行うことができ、更にその後、所望により分級等を行うことができる。該分級は、例えば、液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことにより行うことができ、乾燥後に粉体として取得した後に分級操作を行ってもよい。
前記樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)としては、例えば、3~8μmが好ましく、4~7μmがより好ましく、5~6μmが更に好ましい。ここで、体積平均粒径は、Dv=〔Σ(nD3)/Σn〕1/3(ただし、式中、nは粒子個数、Dは粒子径である)と定義される。
前記樹脂粒子における体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)としては、粒径均一性の観点から、好ましくは1.25以下、更に好ましくは1.05~1.25である。
前記樹脂粒子におけるガラス転移温度(Tg)としては、樹脂粒子の粒径均一性、粉体流動性、保存時の耐熱性、耐ストレス性の観点から、好ましくは50℃~100℃、更に好ましくは51℃~90℃、特に好ましくは52℃~75℃である。
ここで、前記樹脂粒子のガラス転移温度は、例えば、理学電機社製TG-DSCシステムTAS-100を使用して、測定することができる。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・EO2モル付加物752重量部(82.4モル%)、ビスフェノールA・PO2モル付加物90重量部(9.3モル%)、ベンジルアルコール25重量部(8.3モル%)、テレフタル酸346重量部(74.7モル%)、アジピン酸9重量部(2.2モル%)、無水トリメリット酸27重量部(5.0モル%)及び縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート3重量部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた後、5~20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になるまで反応させ、ポリエステルポリオール(c-1)を得た。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・EO2モル付加物686重量部(99.7モル%)、ラウリルアルコール1重量部(0.3モル%)、イソフタル酸316重量部(90.5モル%)、無水トリメリット酸1重量部(0.2モル%)及び縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート3重量部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた後、5~20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になるまで反応させ、ポリエステルポリオール(c-2)を得た。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・EO2モル付加物681重量部(86.5モル%)、ビスフェノールA・PO2モル付加物81重量部(9.7モル%)、ベンジルアルコール10重量部(3.8モル%)、テレフタル酸346重量部(86.6モル%)、アジピン酸9重量部(2.6モル%)、無水トリメリット酸1重量部(0.2モル%)、安息香酸8重量部(2.7モル%)及び縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート3重量部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた後、5~20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になるまで反応させ、ポリエステルポリオール(c-3)を得た。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・EO2モル付加物681重量部(89.9モル%)、ビスフェノールA・PO2モル付加物81重量部(10.1モル%)、テレフタル酸346重量部(90.0モル%)、アジピン酸9重量部(2.7モル%)、無水トリメリット酸1重量部(0.2モル%)、安息香酸5重量部(1.8モル%)及び縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート3重量部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた後、5~20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になるまで反応させ、ポリエステルポリオール(c-4)を得た。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・EO2モル付加物681重量部(89.8モル%)、ビスフェノールA・PO2モル付加物81重量部(10.0モル%)、トリメチロールプロパン0.5重量部(0.2モル%)、テレフタル酸346重量部(89.9モル%)、アジピン酸9重量部(2.7モル%)、ラウリン酸20重量部(4.3モル%)及び縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート3重量部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた後、5~20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になるまで反応させ、ポリエステルポリオール(c-5)を得た。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・EO2モル付加物681重量部(89.9モル%)、ビスフェノールA・PO2モル付加物81重量部(10.1モル%)、テレフタル酸346重量部(90.0モル%)、アジピン酸9重量部(2.7モル%)、無水トリメリット酸4.2重量部(1.0モル%)、安息香酸8.0重量部(3.0モル%)及び縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート3重量部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた後、5~20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になるまで反応させ、ポリエステルポリオール(c-6)を得た。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・EO2モル付加物681重量部(89.9モル%)、ビスフェノールA・PO2モル付加物81重量部(10.1モル%)、テレフタル酸275重量部(71.6モル%)、アジピン酸72重量部(21.3モル%)、無水トリメリット酸1重量部(0.2モル%)及び縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート3重量部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた後、5~20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になるまで反応させ、ポリエステルポリオール(c’-1)を得た。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・EO2モル付加物687重量部(89.9モル%)、ビスフェノールA・PO2モル付加物82重量部(10.1モル%)、テレフタル酸346重量部(89.2モル%)、アジピン酸9重量部(2.6モル%)、無水トリメリット酸1重量部(0.2モル%)、安息香酸50重量部(17.5モル%)及び縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート3重量部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた後、5~20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になるまで反応させ、ポリエステルポリオール(c’-2)を得た。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・EO2モル付加物681重量部(89.9モル%)、ビスフェノールA・PO2モル付加物81重量部(10.1モル%)、テレフタル酸346重量部(90.0モル%)、アジピン酸9重量部(2.7モル%)、無水トリメリット酸0.3重量部(0.1モル%)、安息香酸15重量部(5.3モル%)及び縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート3重量部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた後、5~20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になるまで反応させ、ポリエステルポリオール(c’-3)を得た。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・EO2モル付加物683重量部(90.0モル%)、ビスフェノールA・PO2モル付加物81重量部(10.0モル%)、テレフタル酸346重量部(89.8モル%)、アジピン酸9重量部(2.7モル%)、無水トリメリット酸10重量部(2.2モル%)、安息香酸50重量部(17.7モル%)及び縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート3重量部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた後、5~20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になるまで反応させ、ポリエステルポリオール(c’-4)を得た。
攪拌装置、加熱冷却装置及び温度計を備えた耐圧反応容器にポリエステルポリオール(c-1)366.5重量部、酢酸エチル600重量部を投入し、60℃まで昇温し、同温度で2時間撹拌し、溶解させた後、この溶液中の水分量が0.08重量%になるように水を加えた。溶解を確認した後、イソホロンジイソシアネート33.5重量部を加え、密閉状態で80℃、10時間反応を行い、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(p-1)の溶液を得た。
(p-1)の溶液のウレタン基濃度、ウレア基濃度及びイソシアネート基の濃度を上記の方法で測定した。溶液の一部を用いて、溶液の固形分濃度を求め、溶液中の(p-1)の濃度とした。(p-1)の溶液のウレタン基濃度、ウレア基濃度及びイソシアネート基の濃度と、(p-1)の溶液中の(p-1)の濃度とからイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(p-1)のウレタン基濃度、ウレア基濃度及びイソシアネート基の濃度を求めた。
実施例1において、攪拌装置、加熱冷却装置及び温度計を備えた耐圧反応容器に、ポリエステルポリオール(c-1)366.5重量部、酢酸エチル600重量部を投入し、溶解を確認し、この溶液中の水分量が0.08重量%になるように水を加えた後、イソホロンジイソシアネート33.5重量部を加えることに替えて、表2に記載した所定量のポリエステルポリオール、溶媒、水及びイソシアネートを仕込んだこと以外は実施例1と同様に反応を行い、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(p-2)~(p-6)、(p’-1)~(p’-4)の溶液を得た。
イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー溶液に固形分含量が40重量%となるように酢酸エチルを追加して均一化後、直ぐにB型粘度計を用いて40重量%イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー溶液の25℃での粘度を測定し、初期粘度とした。
内径約4cm、高さ約8cmのガラス製の密栓付き円筒容器に40重量%イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー溶液を入れて、40℃×2週間密閉保存後の粘度を同様に測定し、貯蔵後の粘度とした。初期粘度に対する貯蔵後の粘度増加率(%)を下記式から算出し、貯蔵安定性を粘度増加率で表した。値が小さいほど、貯蔵安定性が良好であることを示す。なお、40℃×2週間密閉保存後に固化しており、貯蔵後の粘度測定不可能な場合は、貯蔵安定性不良とした。
貯蔵後の粘度増加率(%)=[(貯蔵後の粘度-初期粘度)/初期粘度]×100
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物235重量部、ビスフェノールA・PO3モル付加物196重量部、ビスフェノールA・EO2モル付加物243重量部、トリメチロールプロパン9重量部、テレフタル酸226重量部、アジピン酸40重量部及び縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート2重量部を入れ、次いで230℃まで徐々に昇温しながら、0.5~2.5kPaの減圧下に10時間反応させた。次いで180℃まで冷却し、無水トリメリット酸28重量部を加え、常圧密閉下1時間反応後、取り出し、非結晶性ポリエステル樹脂(N-1)を得た。
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、冷却管及び窒素導入管を備えた反応容器に、水690.0重量部、ポリオキシエチレンモノメタクリレート硫酸エステルのナトリウム塩「エレミノールRS-30」[三洋化成工業(株)製]9.0重量部、スチレン90.0重量部、メタクリル酸90.0重量部、アクリル酸ブチル110.0重量部及び過硫酸アンモニウム1.0重量部を投入し、350回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。
次いで75℃まで昇温し、同温度で5時間反応させた。更に、1重量%過硫酸アンモニウム水溶液30重量部加え、75℃で5時間熟成してビニル樹脂(スチレン-メタクリル酸-アクリル酸ブチル-メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の微粒子分散液(O-1)を得た。
微粒子分散液に分散されている粒子の体積平均粒径を、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置「LA-920」[(株)堀場製作所製]を用いて測定したところ、0.1μmであった。微粒子分散液(O-1)の一部を取り出し、Tg及びMwを測定したところ、Tgは65℃であり、Mwは150,000であった。
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、冷却管及び窒素導入管を備えた反応容器に、プロピレングリコール557重量部、テレフタル酸ジメチルエステル569重量部、アジピン酸184重量部及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3重量部を投入し、180℃で窒素気流下に、生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール及び水を留去しながら4時間反応させ、更に0.007~0.026MPaの減圧下に1時間反応させた。回収されたプロピレングリコールは175重量部であった。
次いで180℃まで冷却し、無水トリメリット酸121重量部を加え、常圧密閉下で2時間反応後、220℃、常圧で軟化点が180℃になるまで反応させ、ポリエステル樹脂(Mn=8,500)を得た。
ビーカーに、フタロシアニンブルー20重量部と着色剤分散剤「ソルスパーズ28000」[アビシア(株)製]4重量部、得られたポリエステル樹脂20重量部及び酢酸エチル56重量部を投入し、撹拌して均一分散させた後、ビーズミルによってフタロシアニンブルーを微分散して、着色剤分散液(P-1)を得た。着色剤分散液(P-1)の「LA-920」で測定した体積平均粒径は0.2μmであった。
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計及び滴下ボンベを備えた耐圧反応容器に、キシレン454重量部、熱減成型ポリオレフィン(低分子量ポリエチレン) 「サンワックス LEL-400」[軟化点:128℃、三洋化成工業(株)製]150重量部を投入し、窒素置換後撹拌下170℃に昇温し、同温度でスチレン595重量部、メタクリル酸メチル255重量部、ジ-t-ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート34重量部及びキシレン119重量部の混合溶液を3時間かけて滴下し、更に同温度で30分間保持した。次いで0.039MPaの減圧下でキシレンを留去し、ワックス(w-1)を得た。
ワックス(w-1)のグラフト鎖のSP値は10.35(cal/cm3)1/2、Mnは1,900、Mwは5,200、Tgは56.9℃であった。
撹拌装置、加熱冷却装置、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、パラフィンワックス「HNP-9」[融点:73℃、日本精鑞(株)製]10重量部、ワックス(w-1)1重量部及び酢酸エチル33重量部を投入し、撹拌下78℃に昇温し、同温度で30分間撹拌後、1時間かけて30℃まで冷却してパラフィンワックスを微粒子状に晶析させ、更にウルトラビスコミル(アイメックス製)で湿式粉砕し、離型剤分散液(W-1)を得た。得られたパラフィンワックス微粒子の体積平均粒径は0.25μmであった。
ビーカーに、イオン交換水170重量部、微粒子分散液(O-1)0.3重量部、カルボキシメチルセルロースナトリウム1重量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5重量%水溶液「エレミノールMON-7」[三洋化成工業(株)製]36重量部及び酢酸エチル15重量部を投入し、撹拌して均一に溶解した。
次いで、結着樹脂として非結晶性ポリエステル樹脂(N-1)71重量部、着色剤分散液(P-1)40重量部、離型剤分散液(W-1)39重量部及び酢酸エチル54重量部を投入し、撹拌して均一に溶解させた樹脂溶液にイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(p-1)溶液18重量部及びイソホロンジアミン0.17重量部を投入して、TKオートホモミキサーにて10,000rpmで2分間撹拌した。次いでこの混合液を撹拌機及び温度計を備えた反応容器に移し、50℃で濃度が0.5重量%以下となるまで酢酸エチルを留去し、ウレタン変性ポリエステル樹脂(C-1)を含む樹脂粒子の水性樹脂分散体を得た。次いで、洗浄、濾別し、40℃で18時間乾燥を行い、揮発分を0.5重量%以下とした。ついで、樹脂粒子100部に外添剤としてコロイダルシリカ(「アエロジルR972」日本アエロジル製)1.0部をサンプルミルにて混合して、樹脂粒子(S-1)を得た。
実施例7のイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(p-1)溶液18重量部及びイソホロンジアミン0.17重量部に替えて、表3に記載のイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー及びイソホロンジアミンを用いた以外は実施例.7と同様にして、ウレタン変性ポリエステル樹脂(C-2)~(C-6)、(C’-1)~(C’-3)を含む樹脂粒子(S-2)~(S-6)、(S’-1)~(S’-3)を得た。なお、比較例8については、ウレタン変性ポリエステル樹脂(C’-4)を含む樹脂粒子(S’-4)を得ることができなかった。
樹脂粒子(S-1)~(S-6)、(S’-1)~(S’-3)を水に分散してコールターカウンター「マルチサイザーIII」(ベックマンコールター社製)で体積平均粒径、粒度分布を測定した。
樹脂粒子(S-1)~(S-6)、(S’-1)~(S’-3)を紙面上に0.8mg/cm2となるよう均一に載せた。このとき粉体を紙面に載せる方法は、熱定着機を外したプリンターを用いた。上記の重量密度で粉体を均一に載せることができるのであれば他の方法を用いてもよい。
この紙を加圧ローラーに定着速度(加熱ローラ周速)213mm/sec、定着圧力(加圧ローラ圧)10kg/cm2の条件で通した時のコールドオフセットの発生温度(MFT)を測定した。
コールドオフセットの発生温度が低いほど、低温定着性に優れることを意味する。
一般に、この評価条件では125℃以下が好ましいとされる。
低温定着性と同様に定着評価し、定着画像へのホットオフセットの有無を目視評価した。
加圧ローラー通過後、ホットオフセットが発生した温度を耐ホットオフセット性(℃)とした。
一般に、この評価条件では170℃以上が好ましいとされる。
低温定着性と同様に定着評価を行う。画像の下に白色の厚紙を敷き、光沢度計(株式会社堀場製作所製、「IG-330」)を用いて、入射角度60度にて、印字画像の光沢度(%)を測定した。
光沢度が高いほど、光沢性に優れることを意味する。
一般に、この評価条件では15%以上が好ましいとされる。
樹脂粒子(S-1)~(S-6)、(S’-1)~(S’-3)を40℃の雰囲気で1日間静置し、ブロッキングの程度を目視で判断し、下記の基準で耐熱保存安定性を評価した。
[評価基準]
○:ブロッキングが発生していない。
×:ブロッキングが発生している。
一方、モノオール又はモノカルボン酸を使用せずに得たイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーをアミン化合物により伸長した比較例5の樹脂粒子は耐熱保存安定性及び光沢度が不良であった。また、モノカルボン酸を使用してはいるが、アルコール成分とカルボン酸成分との合計モル数に基づくモノカルボン酸の合計モル数が5.0モル%を超え、モノカルボン酸のトリオール及びトリカルボン酸との合計モル数に対するモル比が高いポリエステルポリオールから得たイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーをアミン化合物により伸長した比較例6の樹脂粒子は耐ホットオフセット性が不良であった。トリオール(a3)及びトリカルボン酸(b3)の合計モル数に対するモノオール(a1)及びモノカルボン酸(b1)の合計モル数の比率が50を超えるポリエステルポリオールから得たイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーをアミン化合物により伸長した比較例7の樹脂粒子は耐ホットオフセット性が不良であった。トリオール(a3)及びトリカルボン酸(b3)の合計モル数に対するモノオール(a1)及びモノカルボン酸(b1)の合計モル数の比率が1~50ではあるが、アルコール成分とカルボン酸成分との合計モル数に基づくモノカルボン酸の合計モル数が5.0モル%を超えるポリエステルポリオールから得たイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーをアミン化合物により伸長した比較例8は高粘度のために樹脂粒子の造粒ができなかった。
Claims (4)
- ポリエステルポリオール(c)とイソシアネート成分(d)とアミン化合物及び/又は水とを反応させてなるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーであって、
前記ポリエステルポリオール(c)が構成単量体として、モノオール(a1)及び/又はモノカルボン酸(b1)と、ジオール(a2)及びジカルボン酸(b2)と、トリオール(a3)及び/又はトリカルボン酸(b3)とを含有し、
前記ポリエステルポリオール(c)の構成単量体の合計モル数に基づき、モノオール(a1)及びモノカルボン酸(b1)の合計モル数の割合が0.1~5.0モル%であり、ジオール(a2)及びジカルボン酸(b2)の合計モル数の割合が92.0~99.89モル%であり、トリオール(a3)及びトリカルボン酸(b3)の合計モル数の割合が0.01~3.0モル%であり、トリオール(a3)及びトリカルボン酸(b3)の合計モル数に対するモノオール(a1)及びモノカルボン酸(b1)の合計モル数の比率{(a1)及び(b1)の合計モル数/(a3)及び(b3)の合計モル数}が1~50であり、
前記ポリエステルポリオール(c)の酸価が0~2.0mgKOH/gであり、前記ポリエステルポリオール(c)の水酸基価が12~20mgKOH/gであり、
前記イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーのイソシアネート基の濃度が1.0~1.5重量%であり、ウレタン基の濃度が1.0~3.0重量%であり、ウレア基の濃度が0.1~1.0重量%であるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー。 - ポリエステルポリオール(c)の数平均分子量が3,000~10,000であり、かつ下記数式(1)で計算されるポリエステルポリオール(c)の水酸基の平均官能基数が1.30~1.95である請求項1に記載のウレタンプレポリマー。
〔ポリエステルポリオール(c)の水酸基の平均官能基数〕=〔ポリエステルポリオール(c)の水酸基価〕×〔ポリエステルポリオール(c)の数平均分子量〕÷56,100 (1) - モノオール(a1)及び/又はモノカルボン酸(b1)が芳香族化合物である請求項1又は2に記載のイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー。
- 請求項1~3のいずれかに記載のイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを水系媒体中でアミン化合物により伸長反応させる工程を含むウレタン変性ポリエステル樹脂を含む樹脂粒子の製造方法。
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