JP7083327B2 - 車両用防振装置の液体封入方法 - Google Patents
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Description
図1を参照して、エンジンマウント1は、自動車等の車両において、内燃機関であるエンジン2(第1部材の一例)と車体3(第2部材の一例)の間に配置されている。エンジンマウント1は、エンジン2の振動を抑制しつつ、エンジン2を支持するための部品である。
エンジン2が振動すると、第1取付部材5と第2取付部材6が相対変位するのに応じて、第1壁体7と第2壁体8が弾性変形し、第1液室10と第2液室11の容積が変化する。例えば、第1取付部材5が第2取付部材6に対して下降すると、第1壁体7及び第2壁体8が下方に弾性変形し、第1液室10の容積が減少すると共に第2液室11の容積が増加する。一方で、第2取付部材6が第1取付部材5に対して上昇すると、第1壁体7及び第2壁体8が上方に弾性変形し、第1液室10の容積が増加すると共に第2液室11の容積が減少する。
マウント液Mは、非ニュートン流体のみによって構成されている。なお、他の異なる実施形態では、マウント液Mは、非ニュートン流体とニュートン流体の両方によって構成されていても良い。
次に、図3を参照して、エンジンマウント1の内部空間13にベース液Bを充填するためのベース液充填装置31について説明する。
次に、図3を参照して、本発明の一実施形態に係るマウント液Mの封入方法について説明する。
まず、第1工程において、チキソ剤Tに飛散防止処理を施す。具体的には、ベース液Bに対する可溶性を有する包装体Pによってチキソ剤Tを包む。包装体Pは、例えば、カプセル状のオブラートによって構成される。第1工程では、脱気装置(図示せず)を用いて、チキソ剤Tを包んだ状態の包装体Pの内部を十分に脱気するのが好ましい。
次に、第2工程において、包装体Pに包まれたチキソ剤Tをエンジンマウント1の内部空間13(例えば、第1液室10)に配置する。第2工程は、エンジンマウント1の組み立て時に実行される。なお、他の異なる実施形態では、第2工程がエンジンマウント1の組み立て前に実行されても良いし、第2工程がエンジンマウント1の組み立て後に実行されても良い。
次に、第3工程において、エンジンマウント1の内部空間13を脱気する。具体的には、第1バルブ34が開放されると共に第2バルブ37が閉止された状態でポンプ32を駆動し、エンジンマウント1の内部空間13の空気を吸引する。これにより、エンジンマウント1の内部空間13がタンク35に対して負圧状態になる。
次に、第4工程において、ベース液Bをエンジンマウント1の内部空間13に充填する。具体的には、第1バルブ34を閉止し、第2バルブ37を開放する。これにより、エンジンマウント1の内部空間13とタンク35の圧力差によって、タンク35に収容されたベース液Bがエンジンマウント1の内部空間13に充填される。このようにベース液Bがエンジンマウント1の内部空間13に充填されると、ベース液Bが包装体Pに接触する。これにより、ベース液Bに包装体Pが溶解し、包装体Pが消失するため、ベース液Bとチキソ剤Tが接触する。
次に、第5工程において、エンジンマウント1の内部空間13においてベース液Bにチキソ剤Tを混合する。具体的には、図3に矢印Xで示されるように、エンジンマウント1に上下方向の振動を加える。これにより、エンジンマウント1内においてマウント液Mが形成される。つまり、エンジンマウント1にマウント液Mが封入される。
以上のように、本実施形態では、チキソ剤Tをエンジンマウント1の内部空間13に配置する第2工程及びベース液Bをエンジンマウント1の内部空間13に充填する第4工程の後に、エンジンマウント1の内部空間13においてベース液Bにチキソ剤Tを混合する第5工程が実行される。そのため、ベース液Bにチキソ剤Tを混合することでマウント液Mの粘度が大きく変化しても、エンジンマウント1にマウント液Mを容易に封入することができる。
次に、図4を参照して、本発明の第1変形例に係るマウント液Mの封入方法について説明する。但し、上記実施形態と同様の事項については、説明を省略する。
次に、図5を参照して、本発明の第2変形例に係るマウント液Mの封入方法について説明する。但し、上記実施形態と同様の事項については、説明を省略する。
上記実施形態では、エンジン2を支持するエンジンマウント1を車両用防振装置の一例としている。一方で、他の異なる実施形態では、モーターを支持するモーターマウントを車両用防振装置の一例としても良いし、サスペンションに用いられるショックアブソーバーを車両用防振装置の一例としても良い。つまり、本発明に係る車両用防振装置は、車両において振動の減衰が必要なあらゆる箇所に適用することができる。
13 :内部空間
41 :凹部
M :マウント液(液体の一例)
B :ベース液
T :チキソ剤(添加剤の一例)
P :包装体
S :シール体
Claims (6)
- ベース液に粉末状の添加剤を混合して成る液体を車両用防振装置に封入するための液体封入方法であって、
前記添加剤に飛散防止処理を施す第1工程と、
前記添加剤を前記車両用防振装置の内部空間に配置する第2工程と、
前記車両用防振装置の前記内部空間を脱気する第3工程と、
前記ベース液を前記車両用防振装置の前記内部空間に充填する第4工程と、
前記車両用防振装置の前記内部空間において前記ベース液に前記添加剤を混合する第5工程とを順次実行し、
前記添加剤が、前記液体にチキソトロピー性を付与することを特徴とする車両用防振装置の液体封入方法。 - 前記第1工程において、前記ベース液に対する可溶性を有する包装体によって前記添加剤を包むことを特徴とする請求項1に記載の車両用防振装置の液体封入方法。
- ベース液に粉末状の添加剤を混合して成る液体を車両用防振装置に封入するための液体封入方法であって、
前記添加剤に飛散防止処理を施す第1工程と、
前記添加剤を前記車両用防振装置の内部空間に配置する第2工程と、
前記車両用防振装置の前記内部空間を脱気する第3工程と、
前記ベース液を前記車両用防振装置の前記内部空間に充填する第4工程と、
前記車両用防振装置の前記内部空間において前記ベース液に前記添加剤を混合する第5工程とを順次実行し、
前記第1工程において、前記添加剤を圧縮してペレット状に成形することを特徴とする車両用防振装置の液体封入方法。 - ベース液に粉末状の添加剤を添加して成る液体を車両用防振装置に封入するための液体封入方法であって、
前記添加剤を前記車両用防振装置の内部空間に配置する第1工程と、
前記添加剤に飛散防止処理を施す第2工程と、
前記車両用防振装置の前記内部空間を脱気する第3工程と、
前記ベース液を前記車両用防振装置の前記内部空間に充填する第4工程と、
前記車両用防振装置の前記内部空間において前記ベース液に前記添加剤を混合する第5工程とを順次実行することを特徴とする車両用防振装置の液体封入方法。 - 前記第1工程において、前記車両用防振装置の前記内部空間に設けられた凹部に前記添加剤を配置し、
前記第2工程において、前記ベース液に対する可溶性を有するシール体によって前記凹部を密閉することを特徴とする請求項4に記載の車両用防振装置の液体封入方法。 - 前記第5工程において、前記車両用防振装置に振動を加えることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の車両用防振装置の液体封入方法。
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