JP7083327B2 - 車両用防振装置の液体封入方法 - Google Patents

車両用防振装置の液体封入方法 Download PDF

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Description

本発明は、車両用防振装置の液体封入方法に関する。
車両用防振装置の中には、オリフィス通路を介して複数の液室間で液体を流通させることで、振動を減衰させるものが存在する。このような車両用防振装置に液体を封入するための液体封入方法が公知である(例えば、特許文献1)。
特開平11-230235号公報
車両用防振装置に封入される液体がベース液に粉末状の添加剤を混合して成る場合、液体封入方法として、車両用防振装置外でベース液に添加剤を混合して液体を形成した後、車両用防振装置に液体を注入する方法が考えられる。しかし、このような方法を採用すると、ベース液に添加剤を混合することで液体の特性が大きく変化する場合(例えば、液体の粘度が大きく変化する場合)に、車両用防振装置に液体を注入することが困難になる虞がある。
そこで、液体封入方法として、車両用防振装置にベース液と添加剤を別々に投入した後、車両用防振装置内でベース液に添加剤を混合する方法が考えられる。しかし、このような方法を採用すると、添加剤の投入後且つベース液の投入前に実行される脱気工程において、添加剤が飛散する虞がある。このように添加剤が飛散すると、液体中における添加剤の割合が減少し、添加剤によって液体に付与される特性を十分に得られない虞がある。
本発明は、以上の背景を鑑み、添加剤の飛散を抑制しつつ、車両用防振装置内でベース液に添加剤を混合可能な液体封入方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために本発明のある態様は、ベース液(B)に粉末状の添加剤(T)を混合して成る液体(M)を車両用防振装置(1)に封入するための液体封入方法であって、前記添加剤に飛散防止処理を施す第1工程と、前記添加剤を前記車両用防振装置の内部空間(13)に配置する第2工程と、前記車両用防振装置の前記内部空間を脱気する第3工程と、前記ベース液を前記車両用防振装置の前記内部空間に充填する第4工程と、前記車両用防振装置の前記内部空間において前記ベース液に前記添加剤を混合する第5工程とを順次実行する。
この態様によれば、添加剤を車両用防振装置の内部空間に配置する第2工程及びベース液を車両用防振装置の内部空間に充填する第4工程の後に、車両用防振装置の内部空間においてベース液に添加剤を混合する第5工程が実行される。そのため、ベース液に添加剤を混合することで液体の特性が大きく変化する場合(例えば、液体の粘度が大きく変化する場合)であっても、車両用防振装置に液体を容易に封入することができる。
また、添加剤に飛散防止処理を施す第1工程の後に、車両用防振装置の内部空間を脱気する第3工程が実行される。そのため、第3工程において添加剤が飛散するのを抑制することができる。これにより、添加剤の飛散によって液体中における添加剤の割合が減少するのを防止し、添加剤によって液体に付与される特性を十分に発揮することができる。
上記の態様において、前記第1工程において、前記ベース液に対する可溶性を有する包装体(P)によって前記添加剤を包んでも良い。
この態様によれば、第4工程においてベース液を車両用防振装置の内部空間に充填すると、ベース液に包装体が溶解し、包装体が消失する。そのため、車両用防振装置の内部空間に包装体が残留せず、車両用防振装置の内部空間に残留した包装体が車両用防振装置の振動減衰特性に影響を及ぼす虞も無い。また、添加剤の飛散を防止するために車両用防振装置を加工する必要が無いため、車両用防振装置の構成の複雑化を抑制することができる。
上記の態様において、前記第1工程において、前記添加剤を圧縮してペレット状に成形しても良い。
この態様によれば、添加剤の飛散を防止するために包装体やシール体等の別部品を用いる必要が無い。そのため、簡易な構成によって添加剤の飛散を防止することができる。
上記課題を解決するために本発明のある態様は、ベース液(B)に粉末状の添加剤(T)を添加して成る液体(M)を車両用防振装置(1)に封入するための液体封入方法であって、前記添加剤を前記車両用防振装置の内部空間(13)に配置する第1工程と、前記添加剤に飛散防止処理を施す第2工程と、前記車両用防振装置の前記内部空間を脱気する第3工程と、前記ベース液を前記車両用防振装置の前記内部空間に充填する第4工程と、前記車両用防振装置の前記内部空間において前記ベース液に前記添加剤を混合する第5工程とを順次実行する。
この態様によれば、添加剤を車両用防振装置の内部空間に配置する第1工程及びベース液を車両用防振装置の内部空間に充填する第4工程の後に、車両用防振装置の内部空間においてベース液に添加剤を混合する第5工程が実行される。そのため、ベース液に添加剤を混合することで液体の特性が大きく変化する場合(例えば、液体の粘度が大きく変化する場合)であっても、車両用防振装置に液体を容易に封入することができる。
また、添加剤に飛散防止処理を施す第2工程の後に、車両用防振装置の内部空間を脱気する第3工程が実行される。そのため、第3工程において車両用防振装置外に添加剤が飛散するのを抑制することができる。これにより、添加剤の飛散によって液体中における添加剤の割合が減少するのを防止し、添加剤によって液体に付与される特性を十分に発揮することができる。
上記の態様において、前記第1工程において、前記車両用防振装置の前記内部空間に設けられた凹部(41)に前記添加剤を配置し、前記第2工程において、前記ベース液に対する可溶性を有するシール体(S)によって前記凹部を密閉しても良い。
この態様によれば、第4工程においてベース液を車両用防振装置の内部空間に充填すると、ベース液にシール体が溶解し、シール体が消失する。そのため、車両用防振装置の内部空間にシール体が残留せず、車両用防振装置の内部空間に残留したシール体が車両用防振装置の振動減衰特性に影響を及ぼす虞も無い。また、添加剤が配置された凹部をシール体によって密閉することで、添加剤の飛散を確実に抑制することができる。
上記の態様において、前記第5工程では、前記車両用防振装置に振動を加えても良い。
この態様によれば、ベース液に添加剤を迅速且つ効率的に混合することができる。
上記の態様において、前記添加剤が、前記液体にチキソトロピー性を付与しても良い。
この態様によれば、ベース液に添加剤を混合することで液体の粘度が大きく変化する。そのため、車両用防振装置外でベース液に添加剤を混合して液体を形成すると、車両用防振装置に液体を注入できなくなる虞がある。そのため、車両用防振装置の内部空間においてベース液に添加剤を混合するメリットが大きい。
以上の構成によれば、添加剤の飛散を抑制しつつ、車両用防振装置内でベース液に添加剤を混合可能な液体封入方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るエンジンマウントの断面図 ニュートン流体とチキソ流体の粘度特性を示すグラフ 本発明の一実施形態に係るマウント液の封入方法において、第2工程が終了した状態を示す断面図 本発明の第1変形例に係るマウント液の封入方法において、第2工程が終了した状態を示す断面図 本発明の第2変形例に係るマウント液の封入方法において、第2工程が終了した状態を示す断面図
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係る液体封入型のエンジンマウント1(車両用防振装置の一例)について説明する。各図に適宜付される矢印U、Loは、それぞれエンジンマウント1の上方と下方を示している。
<エンジンマウント1の構成>
図1を参照して、エンジンマウント1は、自動車等の車両において、内燃機関であるエンジン2(第1部材の一例)と車体3(第2部材の一例)の間に配置されている。エンジンマウント1は、エンジン2の振動を抑制しつつ、エンジン2を支持するための部品である。
エンジンマウント1は、エンジン2に取り付けられる第1取付部材5と、車体3に取り付けられる第2取付部材6と、第1取付部材5と第2取付部材6の間に配置される第1壁体7と、第1壁体7の下方に配置される第2壁体8と、第1壁体7と第2壁体8の間に配置される隔壁9と、隔壁9の上方に設けられる第1液室10と、隔壁9の下方に設けられる第2液室11と、隔壁9の外周に設けられるオリフィス通路12とを備えている。以下、エンジンマウント1の構成要素について順番に説明する。
エンジンマウント1の第1取付部材5は、エンジンマウント1の上端部に位置している。第1取付部材5は、係合部14と、係合部14の上面から上方に向かって突出する取付部15と、を備えている。取付部15は、ボルト16によってエンジン2に取り付けられている。
エンジンマウント1の第2取付部材6は、エンジンマウント1の下部に位置している。第2取付部材6は、外筒部18と、外筒部18の内周側に配置される内筒部19と、を備えている。外筒部18の上端部と内筒部19の上端部は、ボルト20によって互いに取り付けられている。外筒部18の下部は、ボルト(図示せず)によって車体3に取り付けられている。
エンジンマウント1の第1壁体7は、ゴムによって形成されており、弾性変形可能に設けられている。第1壁体7の上部には、上方に向かって開口された上側凹部22が設けられている。上側凹部22には、第1取付部材5の係合部14が係合している。これにより、第1壁体7が第1取付部材5を下方から支持している。第1壁体7の下部には、下方に向かって開口された下側凹部23が設けられている。
エンジンマウント1の第2壁体8は、いわゆるダイヤフラムである。第2壁体8は、ゴムによって形成されており、弾性変形可能に設けられている。第2壁体8の外周部は、第2取付部材6の内筒部19の下部内周に係合している。これにより、第2壁体8が第2取付部材6に取り付けられている。
エンジンマウント1の隔壁9は、第2液室11を第1液室10に対して区画している。隔壁9は、円筒状の周壁部25と、周壁部25の下端部を覆う底壁部26と、を備えている。周壁部25は、第1壁体7の下側凹部23に係合している。これにより、隔壁9が第1壁体7に結合されている。周壁部25の外周面には、螺旋状の外周溝27が設けられている。
エンジンマウント1の第1液室10は、第1壁体7の下側凹部23及び隔壁9によって画定された空間である。つまり、第1液室10は、第1壁体7によって部分的に画定された空間である。第1液室10は、マウント液M(液体の一例)を収容している。
エンジンマウント1の第2液室11は、第1液室10の下方に設けられている。第2液室11は、第2壁体8及び隔壁9によって画定された空間である。つまり、第2液室11は、第2壁体8によって部分的に画定された空間である。第2液室11は、マウント液Mを収容している。
エンジンマウント1のオリフィス通路12は、隔壁9の周壁部25の外周面に設けられた外周溝27と第1壁体7の下側凹部23によって画定された通路である。つまり、オリフィス通路12は、外周溝27によって部分的に画定された通路である。オリフィス通路12は、その軸心方向(長手方向)において円弧状に湾曲している。オリフィス通路12の第1端部は第1液室10に連通しており、オリフィス通路12の第2端部は第2液室11に連通している。つまり、オリフィス通路12は、第1液室10と第2液室11とを互いに連通している。オリフィス通路12は、第1液室10及び第2液室11と共に、エンジンマウント1の内部空間13を構成している。言い換えると、エンジンマウント1の内部空間13は、第1液室10、第2液室11及びオリフィス通路12を含んでいる。
<エンジンマウント1の作用>
エンジン2が振動すると、第1取付部材5と第2取付部材6が相対変位するのに応じて、第1壁体7と第2壁体8が弾性変形し、第1液室10と第2液室11の容積が変化する。例えば、第1取付部材5が第2取付部材6に対して下降すると、第1壁体7及び第2壁体8が下方に弾性変形し、第1液室10の容積が減少すると共に第2液室11の容積が増加する。一方で、第2取付部材6が第1取付部材5に対して上昇すると、第1壁体7及び第2壁体8が上方に弾性変形し、第1液室10の容積が増加すると共に第2液室11の容積が減少する。
このように第1液室10と第2液室11の容積が変化するのに応じて、オリフィス通路12を介して第1液室10と第2液室11の間でマウント液Mが流通する。例えば、第1液室10の容積が減少すると共に第2液室11の容積が増加すると、第1液室10から第2液室11へとマウント液Mが流入する。一方で、第1液室10の容積が増加すると共に第2液室11の容積が減少すると、第2液室11から第1液室10へとマウント液Mが流入する。このようにオリフィス通路12を介して第1液室10と第2液室11の間でマウント液Mが流通することで、エンジン2の振動が減衰される。
<マウント液M>
マウント液Mは、非ニュートン流体のみによって構成されている。なお、他の異なる実施形態では、マウント液Mは、非ニュートン流体とニュートン流体の両方によって構成されていても良い。
マウント液Mを構成する非ニュートン流体は、チキソトロピック流体(以下、「チキソ流体」と略称する)である。図2を参照して、ニュートン流体の粘度がせん断速度に関わらず一定であるのに対して、チキソ流体の粘度はせん断速度の上昇に応じて徐々に低下する。なお、他の異なる実施形態では、マウント液Mを構成する非ニュートン流体として、チキソ流体以外の流体(例えば、ビンガム流体)を用いても良い。
マウント液Mを構成するチキソ流体は、ニュートン流体によって構成されるベース液Bに粉末状のチキソトロピー性付与剤T(添加剤の一例:以下、「チキソ剤T」と略称する)を混合して成る。また、他の異なる実施形態では、マウント液Mを構成するチキソ流体は、ベース液Bとチキソ剤T以外の添加物を含んでいても良い。
チキソ流体のベース液Bは、水にグリコール系溶媒(例えば、エチレングリコール又はプロピレングリコール)を溶解させることで形成されている。エチレングリコールは、水の凍結温度を下げる効果を持ち、且つ、このような効果を持つ溶媒の中では粘度が低いため、ベース液Bの溶媒として好ましい。なお、他の異なる実施形態では、ベース液Bは、水にグリコール系溶媒以外の溶媒を溶解させることで形成されても良い。また、他の異なる実施形態では、ベース液Bは、水系の液体以外の液体(例えば、油系の液体)に溶媒を溶解させることで形成されても良い。
チキソ流体のチキソ剤Tは、マウント液Mにチキソトロピー性を付与する。チキソ剤Tは、無機系材料(例えば、ベントナイト又はシリカ)によって構成されている。ベントナイトに含まれるモンモリロナイトは、チキソ流体の特性の温度依存性を低下させる効果を有するため、チキソ剤Tとして好ましい。なお、他の異なる実施形態では、チキソ剤Tは、有機系材料(例えば、セルロース誘導体又はポリエーテル系材料)によって構成されていても良いし、複合系材料(例えば、有機ベントナイト又は炭酸カルシウム)によって構成されていても良い。なお、チキソ流体におけるチキソ剤Tの含有量を10wt%以下とすれば、チキソ流体の全体にチキソ剤Tを均一に分散させることができる。但し、チキソ流体におけるチキソ剤Tの含有量は、10wt%を超える量(例えば、20wt%)であっても良い。
<ベース液充填装置31>
次に、図3を参照して、エンジンマウント1の内部空間13にベース液Bを充填するためのベース液充填装置31について説明する。
ベース液充填装置31は、エンジンマウント1の内部空間13を減圧するポンプ32と、エンジンマウント1の内部空間13とポンプ32を接続する第1配管33と、第1配管33に設けられる第1バルブ34と、ベース液Bを収容するタンク35と、第1配管33の中間部(エンジンマウント1の内部空間13と第1バルブ34の間の部分)とタンク35を接続する第2配管36と、第2配管36に設けられる第2バルブ37と、を備えている。
<マウント液Mの封入方法>
次に、図3を参照して、本発明の一実施形態に係るマウント液Mの封入方法について説明する。
(第1工程)
まず、第1工程において、チキソ剤Tに飛散防止処理を施す。具体的には、ベース液Bに対する可溶性を有する包装体Pによってチキソ剤Tを包む。包装体Pは、例えば、カプセル状のオブラートによって構成される。第1工程では、脱気装置(図示せず)を用いて、チキソ剤Tを包んだ状態の包装体Pの内部を十分に脱気するのが好ましい。
(第2工程)
次に、第2工程において、包装体Pに包まれたチキソ剤Tをエンジンマウント1の内部空間13(例えば、第1液室10)に配置する。第2工程は、エンジンマウント1の組み立て時に実行される。なお、他の異なる実施形態では、第2工程がエンジンマウント1の組み立て前に実行されても良いし、第2工程がエンジンマウント1の組み立て後に実行されても良い。
(第3工程)
次に、第3工程において、エンジンマウント1の内部空間13を脱気する。具体的には、第1バルブ34が開放されると共に第2バルブ37が閉止された状態でポンプ32を駆動し、エンジンマウント1の内部空間13の空気を吸引する。これにより、エンジンマウント1の内部空間13がタンク35に対して負圧状態になる。
(第4工程)
次に、第4工程において、ベース液Bをエンジンマウント1の内部空間13に充填する。具体的には、第1バルブ34を閉止し、第2バルブ37を開放する。これにより、エンジンマウント1の内部空間13とタンク35の圧力差によって、タンク35に収容されたベース液Bがエンジンマウント1の内部空間13に充填される。このようにベース液Bがエンジンマウント1の内部空間13に充填されると、ベース液Bが包装体Pに接触する。これにより、ベース液Bに包装体Pが溶解し、包装体Pが消失するため、ベース液Bとチキソ剤Tが接触する。
(第5工程)
次に、第5工程において、エンジンマウント1の内部空間13においてベース液Bにチキソ剤Tを混合する。具体的には、図3に矢印Xで示されるように、エンジンマウント1に上下方向の振動を加える。これにより、エンジンマウント1内においてマウント液Mが形成される。つまり、エンジンマウント1にマウント液Mが封入される。
(効果)
以上のように、本実施形態では、チキソ剤Tをエンジンマウント1の内部空間13に配置する第2工程及びベース液Bをエンジンマウント1の内部空間13に充填する第4工程の後に、エンジンマウント1の内部空間13においてベース液Bにチキソ剤Tを混合する第5工程が実行される。そのため、ベース液Bにチキソ剤Tを混合することでマウント液Mの粘度が大きく変化しても、エンジンマウント1にマウント液Mを容易に封入することができる。
また、チキソ剤Tに飛散防止処理を施す第1工程の後に、エンジンマウント1の内部空間13を脱気する第3工程が実行される。そのため、第3工程においてチキソ剤Tが飛散するのを抑制することができる。これにより、チキソ剤Tの飛散によってマウント液M中におけるチキソ剤Tの割合が減少するのを防止し、マウント液Mのチキソトロピー性を十分に発揮することができる。
また、第1工程において、ベース液Bに対する可溶性を有する包装体Pによってチキソ剤Tを包んでいる。そのため、第4工程においてベース液Bをエンジンマウント1の内部空間13に充填すると、ベース液Bに包装体Pが溶解し、包装体Pが消失する。そのため、エンジンマウント1の内部空間13に包装体Pが残留せず、エンジンマウント1の内部空間13に残留した包装体Pがエンジンマウント1の振動減衰特性に影響を及ぼす虞も無い。また、チキソ剤Tの飛散を防止するためにエンジンマウント1を加工する必要が無いため、エンジンマウント1の構成の複雑化を抑制することができる。
また、第5工程において、エンジンマウント1に振動を加えている。そのため、ベース液Bにチキソ剤Tを迅速且つ効率的に混合することができる。
また、チキソ剤Tがマウント液Mにチキソトロピー性を付与するため、ベース液Bにチキソ剤Tを混合することでマウント液Mの粘度が大きく変化する。そのため、エンジンマウント1外でベース液Bにチキソ剤Tを混合してマウント液Mを形成すると、エンジンマウント1にマウント液Mを注入できなくなる虞がある。そのため、エンジンマウント1の内部空間13においてベース液Bにチキソ剤Tを混合するメリットが大きい。
<第1変形例>
次に、図4を参照して、本発明の第1変形例に係るマウント液Mの封入方法について説明する。但し、上記実施形態と同様の事項については、説明を省略する。
第1変形例では、第1工程において、チキソ剤Tに飛散防止処理を施す。具体的には、圧縮装置(図示せず)を用いてチキソ剤Tを圧縮することで、チキソ剤Tをペレット状に成形する。
第1変形例では、チキソ剤Tの飛散を防止するために包装体P(上記実施形態参照)やシール体S(第2変形例参照)等の別部品を用いる必要が無い。そのため、簡易な構成によってチキソ剤Tの飛散を防止することができる。
第1変形例では、チキソ剤Tをペレット状に成形することで、チキソ剤Tの飛散を防止している。一方で、他の実施形態では、チキソ剤Tに少量の液体(例えば、水)を含ませてチキソ剤Tをジェル状又はペースト状に成形することで、チキソ剤Tの飛散を防止しても良い。
<第2変形例>
次に、図5を参照して、本発明の第2変形例に係るマウント液Mの封入方法について説明する。但し、上記実施形態と同様の事項については、説明を省略する。
第2変形例では、第1工程において、エンジンマウント1の内部空間13(例えば、第1液室10)に設けられた凹部41にチキソ剤Tを配置する。凹部41は、例えば、隔壁9の周壁部25の内周面に形成される。次に、第2工程において、チキソ剤Tに飛散防止処理を施す。具体的には、ベース液Bに対する可溶性を有するシール体Sによって凹部41を密閉する。シール体Sは、例えば、シート状のオブラートによって構成される。第2工程では、脱気装置(図示せず)を用いて、シール体Sによって密閉された状態の凹部41を十分に脱気するのが好ましい。
第2変形例では、第4工程においてベース液Bをエンジンマウント1の内部空間13に充填すると、ベース液Bにシール体Sが溶解し、シール体Sが消失する。そのため、エンジンマウント1の内部空間13にシール体Sが残留せず、エンジンマウント1の内部空間13に残留したシール体Sがエンジンマウント1の振動減衰特性に影響を及ぼす虞も無い。また、チキソ剤Tが配置された凹部41をシール体Sによって密閉することで、チキソ剤Tの飛散を確実に抑制することができる。
<その他の変形例>
上記実施形態では、エンジン2を支持するエンジンマウント1を車両用防振装置の一例としている。一方で、他の異なる実施形態では、モーターを支持するモーターマウントを車両用防振装置の一例としても良いし、サスペンションに用いられるショックアブソーバーを車両用防振装置の一例としても良い。つまり、本発明に係る車両用防振装置は、車両において振動の減衰が必要なあらゆる箇所に適用することができる。
以上で具体的な実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態や変形例に限定されることなく、幅広く変形実施することができる。
1 :エンジンマウント(車両用防振装置の一例)
13 :内部空間
41 :凹部
M :マウント液(液体の一例)
B :ベース液
T :チキソ剤(添加剤の一例)
P :包装体
S :シール体

Claims (6)

  1. ベース液に粉末状の添加剤を混合して成る液体を車両用防振装置に封入するための液体封入方法であって、
    前記添加剤に飛散防止処理を施す第1工程と、
    前記添加剤を前記車両用防振装置の内部空間に配置する第2工程と、
    前記車両用防振装置の前記内部空間を脱気する第3工程と、
    前記ベース液を前記車両用防振装置の前記内部空間に充填する第4工程と、
    前記車両用防振装置の前記内部空間において前記ベース液に前記添加剤を混合する第5工程とを順次実行し、
    前記添加剤が、前記液体にチキソトロピー性を付与することを特徴とする車両用防振装置の液体封入方法。
  2. 前記第1工程において、前記ベース液に対する可溶性を有する包装体によって前記添加剤を包むことを特徴とする請求項1に記載の車両用防振装置の液体封入方法。
  3. ベース液に粉末状の添加剤を混合して成る液体を車両用防振装置に封入するための液体封入方法であって、
    前記添加剤に飛散防止処理を施す第1工程と、
    前記添加剤を前記車両用防振装置の内部空間に配置する第2工程と、
    前記車両用防振装置の前記内部空間を脱気する第3工程と、
    前記ベース液を前記車両用防振装置の前記内部空間に充填する第4工程と、
    前記車両用防振装置の前記内部空間において前記ベース液に前記添加剤を混合する第5工程とを順次実行し、
    前記第1工程において、前記添加剤を圧縮してペレット状に成形することを特徴とする車両用防振装置の液体封入方法。
  4. ベース液に粉末状の添加剤を添加して成る液体を車両用防振装置に封入するための液体封入方法であって、
    前記添加剤を前記車両用防振装置の内部空間に配置する第1工程と、
    前記添加剤に飛散防止処理を施す第2工程と、
    前記車両用防振装置の前記内部空間を脱気する第3工程と、
    前記ベース液を前記車両用防振装置の前記内部空間に充填する第4工程と、
    前記車両用防振装置の前記内部空間において前記ベース液に前記添加剤を混合する第5工程とを順次実行することを特徴とする車両用防振装置の液体封入方法。
  5. 前記第1工程において、前記車両用防振装置の前記内部空間に設けられた凹部に前記添加剤を配置し、
    前記第2工程において、前記ベース液に対する可溶性を有するシール体によって前記凹部を密閉することを特徴とする請求項4に記載の車両用防振装置の液体封入方法。
  6. 前記第5工程において、前記車両用防振装置に振動を加えることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の車両用防振装置の液体封入方法。
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