以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図に示す各部の縮尺や形状は、説明を容易にするために便宜的に設定されており、特に言及がない限り限定的に解釈されるものではない。また、本明細書または請求項中に「第1」、「第2」等の用語が用いられる場合には、特に言及がない限りこの用語はいかなる順序や重要度を表すものでもなく、ある構成と他の構成とを区別するためのものである。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る移動体用表示装置の概略構造を示す断面図である。図2(A)は、ディスプレイの配置の一例を模式的に示す正面図である。図2(B)は、ディスプレイの配置の他の例を模式的に示す正面図である。図3は、実施の形態1に係る移動体用表示装置を説明するための機能ブロック図である。図3では、各構成を機能ブロックとして描いている。これらの機能ブロックは、ハードウェア構成としてはコンピュータのCPUやメモリをはじめとする素子や回路で実現され、ソフトウェア構成としてはコンピュータプログラム等によって実現される。これらの機能ブロックがハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。
本実施の形態に係る移動体用表示装置1(1A)は、反射型ディスプレイ2と、自発光型ディスプレイ4と、制御部6と、反射低減部8とを備える。反射型ディスプレイ2は、外部から入射する光を光源として情報を表示するディスプレイであり、移動体100の外部から視認可能に設けられる。自発光型ディスプレイ4は、内部光源を用いて情報を表示するディスプレイであり、移動体100の外部から視認可能に設けられる。自発光型ディスプレイ4の内部光源は、例えばLED(Light emitting diode)や有機EL(Electroluminescence)等である。反射型ディスプレイ2および自発光型ディスプレイ4の構造は公知であるため、詳細な説明は省略する。
本実施の形態では図2(A)に示すように、反射型ディスプレイ2および自発光型ディスプレイ4は水平方向に並ぶように配置され、互いに連結されてディスプレイ集合体5を構成している。なお、反射型ディスプレイ2および自発光型ディスプレイ4の配列方向は、鉛直方向などの他の方向であってもよい。また、図2(B)に示すように、ディスプレイの配置の他の例として、反射型ディスプレイ2を構成する画素と自発光型ディスプレイ4を構成する画素とが松模様状に配置されてもよい。なお、各ディスプレイの画素を、所定数の画素を一組とした複数の画素組に分け、各ディスプレイの画素組を市松模様状に配置してもよい。
図1に示すように、本実施の形態の移動体用表示装置1は、移動体100の一例である自動車に搭載される車両用灯具の形態を有する。つまり、移動体用表示装置1は、灯具前方側に開口部を有する灯具ボディ10と、灯具ボディ10の開口部を覆う透光カバー12とを有する。灯具ボディ10と透光カバー12とによって灯室が形成され、灯室内に反射型ディスプレイ2および自発光型ディスプレイ4が収納される。また、灯室内には、反射低減部8も収容される。
反射低減部8は、反射型ディスプレイ2を角度調節可能に支持する支持部14を有する。本実施の形態の反射低減部8は、3つの支持部14を有する。各支持部14は、モータ部16と、エイミングスクリュー18とを有する。エイミングスクリュー18は、一方の端部が各モータ部16に接続される。モータ部16の駆動により、エイミングスクリュー18が回転する。各モータ部16は、灯具ボディ10に固定される。
ディスプレイ集合体5は、平板状のブラケット20に固定される。3つの支持部14は、ブラケット20の三隅に配置され、各エイミングスクリュー18の他端がブラケット20に螺合する。これにより、ディスプレイ集合体5がブラケット20を介して支持部14によって支持される。反射低減部8は、各モータ部16の駆動を制御することでエイミングスクリュー18を回転させ、これによりディスプレイ集合体5の角度を調節することができる。したがって本実施の形態では、反射型ディスプレイ2の角度調節は、ディスプレイ集合体5の角度調節によって実現される。なお、支持部14は、少なくとも反射型ディスプレイ2を角度調節可能に支持していればよい。また支持部14は、多機能アクチュエータなどの他の支持構造を有してもよい。
制御部6は、各ディスプレイによる情報表示や反射低減部8によるディスプレイ集合体5の角度調節などを制御する。制御部6は、例えばダッシュボード内などの移動体100の内部に搭載される。制御部6には、移動体100の傾斜角度を検知するための角度センサ22が接続される。角度センサ22は、とりわけ水平面に対する移動体100のピッチ方向の角度を検知することができる。また、制御部6には、移動体100のGPS受信部24が接続される。制御部6は、GPS受信部24から信号を受信することで、移動体100の位置や方位(移動体100が向いている方向)、高度を検知することができる。
また、制御部6には、移動体100の周囲を撮像する撮像部26が接続される。制御部6は、撮像部26から画像データを取得することで、移動体100の周囲の状況を把握することができる。また、制御部6には、現在の日時や各日時における太陽の位置情報を保持する日時情報保持部28が接続される。また、制御部6には、移動体100の自動運転を制御するための自動運転制御部30が接続される。本実施の形態の移動体100は、自動運転と手動運転とを切り替え可能である。制御部6は、自動運転制御部30から信号を受信することで、移動体100が自動運転中であることを検知することができる。
制御部6は、入射角算出部32と、位置関係算出部34と、角度決定部36と、光量判定部38と、切換部40とを有する。入射角算出部32は、反射型ディスプレイ2への太陽光の入射角を算出する。位置関係算出部34は、太陽から直に反射型ディスプレイ2に入射する光の反射方向と、移動体用表示装置1の視認者の目が存在する所定の視認者領域との位置関係を算出する。角度決定部36は、位置関係算出部34の算出結果に応じて、反射型ディスプレイ2が取るべき角度を決定する。
図4は、反射型ディスプレイの角度決定方法を説明するための模式図である。入射角算出部32は、反射型ディスプレイ2への太陽光の入射角である角度θ1を算出する。角度θ1は、反射型ディスプレイ2の表示面上の任意の第1点、例えば中心点を通る法線nと、当該第1点と太陽Sとを結ぶ直線とがなす角度である。この直線は、太陽Sから直に反射型ディスプレイ2に入射する光の進行方向に等しい。
具体的には、入射角算出部32は、角度センサ22から移動体100の角度を取得する。また、入射角算出部32は、灯具ボディ10を基準とした反射型ディスプレイ2の角度を予め保持している。これにより、入射角算出部32は、反射型ディスプレイ2の表示面の法線nを把握することができる。また、入射角算出部32は、GPS受信部24から移動体100の位置情報を取得する。そして、移動体100の位置情報と日時情報保持部28に保持されている太陽Sの位置情報とに基づいて、移動体100が位置する場所における太陽Sの位置を取得する。入射角算出部32は、取得した法線nと太陽Sの位置とから角度θ1を算出する。
位置関係算出部34は、反射型ディスプレイ2の第1点を通る法線nと、当該第1点と移動体用表示装置1の視認者の目が存在する所定の視認者領域Pとを結ぶ直線とがなす角度θ2を算出する。当該直線は、例えば視認者領域Pの中心点を通る。位置関係算出部34は、例えば撮像部26から取得する画像データに基づいて、他の移動体の搭乗者や歩行者のアイポイントを検出して視認者領域Pを定める。あるいは、視認者領域Pは、設計者による実験やシミュレーションに基づいて予め設定することもできる。
また、位置関係算出部34は、反射型ディスプレイ2の表示面への光の入射角と反射角とがほぼ等しいことに基づいて、太陽Sから直に反射型ディスプレイ2に入射する光の反射角として角度θ1を定める。そして、角度θ1と角度θ2との角度差θ3を算出する。角度差θ3は、太陽Sから直に反射型ディスプレイ2に入射する光の反射方向と視認者領域Pとの位置関係に相当する。なお、角度θ1,θ2,θ3は、鉛直方向の角度である。
角度決定部36は、角度差θ3が0とならないように、すなわち角度θ1と角度θ2とが同じ値とならないように、反射型ディスプレイ2がとるべき角度を決定する。つまり、角度決定部36は、位置関係算出部34の算出した角度差θ3が0である場合、言い換えれば太陽Sから直に反射型ディスプレイ2に入射する光の反射方向が視認者領域Pに含まれる場合に、角度決定部36は反射型ディスプレイ2の角度を現在の角度とは異なる角度に定める。
角度決定部36は、好ましくは角度差θ3が1.5°より大きく且つ45°未満となるように、反射型ディスプレイ2の角度を定める。移動体100から2m離れた位置に視認者がいることを想定したとき、角度差θ3を1.5°超とすることで、反射型ディスプレイ2で反射された太陽光が視認者の目に入ることをより確実に回避することができる。また、角度差θ3を45°未満とすることで、反射型ディスプレイ2に表示されている情報を視認者がより確実に認識することができる。
角度決定部36は、決定した反射型ディスプレイ2の角度情報を反射低減部8に送信する。反射低減部8は、角度決定部36が取得した反射型ディスプレイ2の取るべき角度となるように、各支持部14のモータ部16を駆動させる。つまり、反射低減部8は、太陽光の反射方向が視認者領域Pに含まれる場合に、反射方向が視認者領域Pから外れるよう反射型ディスプレイ2の角度を調節する。これにより、視認者領域Pへの光の反射を低減することができる。
また、制御部6は、光量判定部38および切換部40によって、反射型ディスプレイ2への入光量に応じた反射型ディスプレイ2と自発光型ディスプレイ4との切換制御を実行する。具体的には、光量判定部38は、反射型ディスプレイ2への外光の入射量を判定する。例えば、光量判定部38は、撮像部26の画像データに基づいて、移動体100の周囲の明るさを検知する。そして、反射型ディスプレイ2への入光量が所定値以上であるか判断する。
また、光量判定部38は、撮像部26の画像データやGPS受信部24から取得した情報に基づいて、移動体100がトンネル内などの太陽光が届かない場所にいることを検知する。また、日時情報保持部28から取得した情報に基づいて、現在が薄暮時や夜間などであることを検知する。光量判定部38は、これらの場合に反射型ディスプレイ2への入光量が所定値を下回ると判定する。あるいは、光量判定部38は、角度決定部36の決定した角度と太陽Sの位置とから、反射型ディスプレイ2への入光量を判定することもできる。前記「所定値」は、反射型ディスプレイ2の視認者が表示を視認できる明るさの下限値であって、設計者による実験やシミュレーションに基づいて適宜設定することができる。
切換部40は、光量判定部38により反射型ディスプレイ2への光の入射量が所定値を下回ると判断された場合に、情報を表示するディスプレイを反射型ディスプレイ2から自発光型ディスプレイ4に切り換える。つまり、切換部40は、反射型ディスプレイ2への入光量が所定値以上である場合は、反射型ディスプレイ2に情報を表示させる。一方、反射型ディスプレイ2への入光量が所定値を下回る場合は、自発光型ディスプレイ4に情報を表示させる。
図5は、実施の形態1に係る移動体用表示装置により実行される制御の一例を示すフローチャートである。このフローは、所定のタイミングで繰り返し実行される。本フローではまず、入射角算出部32が反射型ディスプレイ2への太陽光の入射角θ1を算出する(S101)。次に、位置関係算出部34は、反射型ディスプレイ2の法線nと視認者領域Pとがなす角度θ2を算出する(S102)。そして、位置関係算出部34は、入射角θ1と角度θ2との角度差θ3を算出する(S103)。
続いて、光量判定部38は、反射型ディスプレイ2への入光量が所定値以上であるか判定する(S104)。入光量が所定値以上である場合(S104のY)、角度決定部36は、角度差θ3が0であるか判断する(S105)。角度差θ3が0である場合(S105のY)、角度差θ3が0でなく且つ1.5°<θ3<45°の条件を満たすように角度決定部36が反射型ディスプレイ2のとるべき角度を定め、反射低減部8が定められた角度となるよう反射型ディスプレイ2の角度を調節する(S106)。また、切換部40が反射型ディスプレイ2へ情報を表示させる(S106)。その後、本ルーチンが終了する。
角度差θ3が0でない場合(S105のN)、角度決定部36は、角度差θ3が1.5°<θ3<45°の条件を満たすか判断する(S107)。角度差θ3が当該条件を満たさない場合(S107のN)、角度差θ3が0でなく且つ1.5°<θ3<45°の条件を満たすよう角度決定部36が反射型ディスプレイ2の角度を定め、反射低減部8が定められた角度となるよう反射型ディスプレイ2の角度を調節する(S106)。また、切換部40が反射型ディスプレイ2へ情報を表示させて(S106)、本ルーチンが終了する。
角度差θ3が1.5°<θ3<45°の条件を満たす場合(S107のY)、反射低減部8による反射型ディスプレイ2の角度調節を行わずに、切換部40が反射型ディスプレイ2へ情報を表示させて(S108)、本ルーチンが終了する。反射型ディスプレイ2への入光量が所定値未満である場合(S104のN)、切換部40は、自発光型ディスプレイ4に情報を表示させて(S109)、本ルーチンが終了する。
以上説明したように、本実施の形態に係る移動体用表示装置1は、移動体100の外部から視認可能に設けられる反射型ディスプレイ2と、反射型ディスプレイ2への太陽光の入射角を算出する入射角算出部32と、太陽Sから直に反射型ディスプレイ2に入射する光の反射方向と、移動体用表示装置1を視認する者の目が存在する視認者領域Pとの位置関係を算出する位置関係算出部34と、光の反射方向が視認者領域Pに含まれる場合に、視認者領域Pへの光の反射を低減する反射低減部8とを備える。
このような態様によれば、反射型ディスプレイ2で反射される光によって移動体用表示装置1の視認者が感じる眩しさを低減することができる。このため、移動体100の情報をディスプレイを用いてより確実に他者へ提示することができる。この結果、移動体100および他者の安全性をより向上させることができる。また、移動体用表示装置1は、通常は反射型ディスプレイ2を用いて情報を表示する。反射型ディスプレイ2によれば、移動体用表示装置1の周囲が明るい昼間に良好な視認性を確保することができる。また、自発光型ディスプレイ4に比べて低消費電力化を図ることができる。
また、本実施の形態の反射低減部8は、反射型ディスプレイ2を角度調節可能に支持する支持部14を有する。そして、光の反射方向が視認者領域Pから外れるよう反射型ディスプレイ2の角度を調節する。これにより、視認者領域Pへの光の反射を低減することができる。
また、移動体用表示装置1は、移動体の外部から視認可能に設けられる自発光型ディスプレイ4と、反射型ディスプレイ2への外光の入射量を判定する光量判定部38と、入射量が所定値を下回る場合に、情報を表示するディスプレイを反射型ディスプレイ2から自発光型ディスプレイ4に切り換える切換部40とを備える。これにより、反射型ディスプレイ2による情報提示が困難な状況でも、自発光型ディスプレイ4を用いることで移動体100の情報をより確実に他者へ提示することができる。
反射低減制御とディスプレイ切換制御とは、とりわけ移動体100の自動運転中に実行されることが好ましい。これにより、自動運転中の移動体100の情報をより確実に他者へ提示して、移動体100および他者の安全性をより向上させることができる。
なお、本実施の形態では、反射低減部8がディスプレイ集合体5の角度を調節することで、反射型ディスプレイ2の角度が調節されているが、特にこの構成に限定されない。例えば、灯具ボディ10が移動体100に対して角度調節可能に連結され、反射低減部8が灯具ボディ10の姿勢を調節することで、反射型ディスプレイ2の角度が調節されてもよい。また、反射型ディスプレイ2の表示面上あるいは透光カバー12に、拡散フィルムを設けたり、しぼ加工等の表面処理を施したりしてもよい。これらによっても、視認者領域Pへの光の反射を低減することができる。
(変形例1)
実施の形態1に係る移動体用表示装置1には、以下の変形例1をあげることができる。変形例1に係る移動体用表示装置は、反射低減部8がルーバー機構を備える点が実施の形態1と異なる。以下、変形例1に係る移動体用表示装置について、実施の形態1と異なる構成を中心に説明し、共通する構成については簡単に説明するか、あるいは説明を省略する。
図6は、変形例1に係る移動体用表示装置の概略構造を示す断面図である。本変形例の移動体用表示装置1(1B)は、反射低減部8がルーバー機構42を有する。ルーバー機構42は、複数のルーバー44を有する。各ルーバー44は、角度を調節可能である。反射低減部8は、太陽Sから直に反射型ディスプレイ2に入射する光の反射方向が視認者領域Pに含まれる場合に、太陽光の反射型ディスプレイ2への直接の入射を遮るようにルーバー44の角度を調節する。ルーバー44の角度は角度決定部36が決定する。これにより、視認者領域Pへの光の反射を低減することができる。この結果、移動体100の情報をディスプレイを用いてより確実に他者へ提示することができる。なお、反射低減部8は、実施の形態1の支持部14とルーバー機構42とを組み合わせて、視認者領域Pへの光の反射を低減してもよい。
(実施の形態2)
実施の形態2に係る移動体用表示装置は、自発光型ディスプレイ4を有せず、光センサおよび補助光源を備える点が実施の形態1と異なる。以下、実施の形態2に係る移動体用表示装置について、実施の形態1と異なる構成を中心に説明し、共通する構成については簡単に説明するか、あるいは説明を省略する。
図7は、実施の形態2に係る移動体用表示装置の概略構造を示す断面図である。図8は、実施の形態2に係る移動体用表示装置を説明するための機能ブロック図である。図8では、各構成を機能ブロックとして描いている。これらの機能ブロックは、ハードウェア構成としてはコンピュータのCPUやメモリをはじめとする素子や回路で実現され、ソフトウェア構成としてはコンピュータプログラム等によって実現される。これらの機能ブロックがハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。
本実施の形態に係る移動体用表示装置1(1C)は、反射型ディスプレイ2と、制御部6と、反射低減部8と、光センサ46と、補助光源48とを備える。移動体用表示装置1は、移動体100の一例である自動車に搭載される車両用灯具の形態を有する。つまり、移動体用表示装置1は、灯具ボディ10と、透光カバー12とを有する。灯具ボディ10と透光カバー12とによって灯室が形成され、灯室内に反射型ディスプレイ2、反射低減部8、光センサ46および補助光源48が収容される。
反射低減部8は、反射型ディスプレイ2を角度調節可能に支持する支持部14を有する。支持部14は、モータ部16と、エイミングスクリュー18とを有する。モータ部16の駆動により、エイミングスクリュー18が回転する。モータ部16は、灯具ボディ10に固定される。反射型ディスプレイ2は、ブラケット20に固定される。エイミングスクリュー18は、ブラケット20に螺合する。これにより、反射型ディスプレイ2がブラケット20を介して支持部14によって支持される。反射低減部8は、モータ部16の駆動を制御することでエイミングスクリュー18を回転させ、これにより反射型ディスプレイ2の角度を調節することができる。
光センサ46は、反射型ディスプレイ2への外光の入射量を検出するセンサである。例えば、光センサ46は、反射型ディスプレイ2の表示面の照度を検出する照度センサで構成される。光センサ46は、反射型ディスプレイ2の表示面の近傍に配置され、ブラケット50を介して灯具ボディ10に固定される。補助光源48は、反射型ディスプレイ2へ光を入射可能な光源である。補助光源48としては、LED、LD(Laser diode)、EL素子等の半導体発光素子や、電球、白熱灯、ハロゲンランプ、放電灯などを用いることができる。補助光源48は、反射型ディスプレイ2の表示面の近傍に配置され、ブラケット52を介して灯具ボディ10に固定される。好ましくは、光センサ46と補助光源48とは互いに離間するように配置される。本実施の形態では、光センサ46が反射型ディスプレイ2の上端側に、補助光源48が反射型ディスプレイ2の下端側に配置される。
制御部6は、反射型ディスプレイ2による情報表示、反射低減部8による反射型ディスプレイ2の角度調節、補助光源48の点消灯などを制御する。制御部6は、例えばダッシュボード内などの移動体100の内部に搭載される。制御部6には、角度センサ22、GPS受信部24、撮像部26、日時情報保持部28および自動運転制御部30が接続される。
制御部6は、入射角算出部32と、位置関係算出部34と、角度決定部36と、光量判定部38と、点灯制御部54とを有する。入射角算出部32は、反射型ディスプレイ2への太陽光の入射角を算出する。位置関係算出部34は、太陽から直に反射型ディスプレイ2に入射する光の反射方向と、視認者領域Pとの位置関係を算出する。角度決定部36は、位置関係算出部34の算出結果に応じて、反射型ディスプレイ2が取るべき角度を決定する。角度決定部36は、決定した反射型ディスプレイ2の角度情報を反射低減部8に送信する。反射低減部8は、角度決定部36が決定した反射型ディスプレイ2の取るべき角度となるように、各支持部14のモータ部16を駆動させる。これにより、視認者領域Pへの光の反射を低減することができる。
光量判定部38は、光センサ46の検知結果に基づいて、反射型ディスプレイ2への外光の入射量を判定する。そして、反射型ディスプレイ2への入光量が所定値以上であるか判断する。前記「所定値」は、反射型ディスプレイ2の視認者が表示を視認できる明るさの下限値であって、設計者による実験やシミュレーションに基づいて適宜設定することができる。
点灯制御部54は、光量判定部38により反射型ディスプレイ2への光の入射量が所定値を下回ると判断された場合に、補助光源48を点灯させる。これにより、反射型ディスプレイ2への光の入射量を増大させて、反射型ディスプレイ2による情報提示に必要な明るさを確保することができる。
以上説明したように、本実施の形態に係る移動体用表示装置1は、反射型ディスプレイ2への外光の入射量を検出する光センサ46と、反射型ディスプレイ2へ光を入射可能な補助光源48と、反射型ディスプレイ2への光の入射量が所定値を下回る場合に補助光源48を点灯させる点灯制御部54とを備える。これにより、移動体100の情報をディスプレイを用いてより確実に他者へ提示することができる。この結果、移動体100および他者の安全性をより向上させることができる。
また、移動体100の周囲が暗く、反射型ディスプレイ2による情報提示が本来であれば困難な状況でも、移動体100の情報を反射型ディスプレイ2を用いて他者へ提示することができる。つまり、反射型ディスプレイ2だけで、昼間も夜間も他者への情報提示が可能となる。したがって、反射型ディスプレイ2と自発光型ディスプレイ4とを併用する場合に比べて、移動体用表示装置1のコストを削減することができる。
本実施の形態に係る補助光源48の点灯制御は、とりわけ移動体100の自動運転中に実行されることが好ましい。これにより、自動運転中の移動体100の情報をより確実に他者へ提示して、移動体100および他者の安全性をより向上させることができる。
なお、補助光源48の点灯制御は、反射低減部8による反射型ディスプレイ2の角度調節とは独立に実行することができる。したがって、反射型ディスプレイ2、光センサ46、補助光源48および点灯制御部54を備え、反射低減部8を備えない移動体用表示装置1も、本発明の態様として有効である。
(変形例2)
実施の形態2に係る移動体用表示装置1には、以下の変形例2をあげることができる。変形例2に係る移動体用表示装置は、反射型ディスプレイ2への入射量が不足する波長の光を検出して、補助光源48により不足する波長光を補う点が実施の形態2と異なる。以下、変形例2に係る移動体用表示装置について、実施の形態2と異なる構成を中心に説明し、共通する構成については簡単に説明するか、あるいは説明を省略する。
図9は、変形例2に係る移動体用表示装置を説明するための機能ブロック図である。図9では、各構成を機能ブロックとして描いている。これらの機能ブロックは、ハードウェア構成としてはコンピュータのCPUやメモリをはじめとする素子や回路で実現され、ソフトウェア構成としてはコンピュータプログラム等によって実現される。これらの機能ブロックがハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。
本変形例の移動体用表示装置1(1D)が有する光センサ46は、反射型ディスプレイ2に入射する光の波長を、波長毎に検知可能である。例えば光センサ46は、反射型ディスプレイ2に入射する光の色を検知可能な分光器である。また、本変形例の補助光源48は、複数の波長の光を独立に照射可能である。例えば、光センサ46は赤、緑および青の各波長の光の強度を検知可能であり、補助光源48は、赤、緑および青の各波長の光を独立に照射可能である。
また、本変形例の移動体用表示装置1は、不足光検出部56を備える。不足光検出部56は、光センサ46の検知結果に基づいて、反射型ディスプレイ2への入射量が不足する波長の光を検出する。不足光検出部56は、反射型ディスプレイ2に入射する光の分光分布や強度から、反射型ディスプレイ2の明るさや色再現性を計算する。そして、反射型ディスプレイ2により他者に対し的確に情報を提示できるか判断する。例えば不足光検出部56は、各波長の光について反射型ディスプレイ2への好ましい入射量に関する情報を予め保持している。そして、当該情報に基づいて、各波長の光が不足するか否かを判定することができる。
点灯制御部54は、不足光検出部56の検知結果に基づいて、反射型ディスプレイ2への入射量が不足する波長の光を照射するよう補助光源48の点灯を制御する。例えば、移動体用表示装置1が移動体100の後部に搭載され、後続移動体の前照灯の光が反射型ディスプレイ2に入射されるとする。この場合、前照灯の光には赤色の波長の光が含まれないため、反射型ディスプレイ2で正確に赤色の表示を行うことは困難である。これに対し、補助光源48から赤色の波長域の光を照射することで、反射型ディスプレイ2を用いて赤色の表示を行うことが可能となる。また、夜間や移動体100がトンネル内に位置する場合のように、可視光域の全波長の光が不足する場合には、補助光源48から全波長の光を照射させる。したがって本変形例によれば、移動体100の情報を反射型ディスプレイ2を用いてより一層確実に他者へ提示することができる。
(実施の形態3)
図10は、実施の形態3に係る移動体用表示装置の概略構造を示す断面図である。図11は、実施の形態3に係る移動体用表示装置を説明するための機能ブロック図である。図11では、各構成を機能ブロックとして描いている。これらの機能ブロックは、ハードウェア構成としてはコンピュータのCPUやメモリをはじめとする素子や回路で実現され、ソフトウェア構成としてはコンピュータプログラム等によって実現される。これらの機能ブロックがハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。
本実施の形態に係る移動体用表示装置1(1E)は、自発光型ディスプレイ4と、照度センサ58と、制御部6とを備える。自発光型ディスプレイ4は、内部光源を用いて情報を表示するディスプレイであり、移動体100の外部から視認可能に設けられる。自発光型ディスプレイ4の内部光源は、例えばLEDや有機EL等である。また、自発光型ディスプレイ4は、明るさが可変である。自発光型ディスプレイ4の構造は公知であるため、詳細な説明は省略する。
本実施の形態の移動体用表示装置1は、移動体100の一例である自動車に搭載される車両用灯具の形態を有する。つまり、移動体用表示装置1は、灯具前方側に開口部を有する灯具ボディ10と、灯具ボディ10の開口部を覆う透光カバー12とを有する。灯具ボディ10と透光カバー12とによって灯室が形成され、灯室内に自発光型ディスプレイ4および照度センサ58が収納される。
自発光型ディスプレイ4は、平板状のブラケット20に固定される。ブラケット20は、支持部14を介して灯具ボディ10に固定される。支持部14は、エイミングスクリュー18を有し、エイミングスクリュー18がブラケット20の周縁部に連結される。エイミングスクリュー18を回転させることで、自発光型ディスプレイ4のエイミング調整が可能である。
照度センサ58は、自発光型ディスプレイ4の表示面の照度を検出するセンサである。照度センサ58は、自発光型ディスプレイ4の表示面の近傍に配置され、ブラケット50を介して灯具ボディ10に固定される。本実施の形態では、照度センサ58は自発光型ディスプレイ4の上端側に配置される。
制御部6は、自発光型ディスプレイ4による情報表示や自発光型ディスプレイ4の明るさ調節などを制御する。制御部6は、例えばダッシュボード内などの移動体100の内部に搭載される。制御部6には、移動体100の自動運転を制御するための自動運転制御部30が接続される。本実施の形態の移動体100は、自動運転と手動運転とを切り替え可能である。制御部6は、自動運転制御部30から信号を受信することで、移動体100が自動運転中であることを検知することができる。
制御部6は、明るさ決定部60と、点灯制御部62と、表示移動部64とを有する。明るさ決定部60は、照度センサ58の検知結果に基づいて、自発光型ディスプレイ4が取るべき表示の明るさを決定する。明るさ決定部60は、表示面の照度が相対的に低いときは相対的に高きときに比べて、より低い明るさに定める。例えば明るさ決定部60は、予め定められたしきい値よりも照度が低い場合には、当該しきい値よりも照度が高い場合に定める明るさよりも低い明るさに定める。明るさ決定部60は、明るさのしきい値を複数有し、自発光型ディスプレイ4の明るさを照度に応じて段階的または連続的に変化させることができる。
本実施の形態では、自発光型ディスプレイ4の明るさを変化させる方法として、自発光型ディスプレイ4において表示情報を構成する各画素の輝度を調節する方法が用いられる。つまり、明るさ決定部60は、照度センサ58の検知結果に基づいて、自発光型ディスプレイ4が取るべき明るさとなるように各画素の輝度を決定する。例えば明るさ決定部60は、自発光型ディスプレイ4の表示面の照度と各画素の輝度とを対応付けた変換テーブルを予め保持しており、当該変換テーブルを用いて照度に応じた輝度を決定する。表示面の照度と自発光型ディスプレイ4の明るさ(画素の輝度)との関係は、設計者による実験やシミュレーションに基づいて適宜設定することができる。
点灯制御部62は、明るさ決定部60の決定した明るさに基づいて、自発光型ディスプレイ4の電源回路を制御し、自発光型ディスプレイ4において表示情報を構成する各画素の輝度を調節する。点灯制御部62は、表示面の照度が低いときは高いときに比べて、自発光型ディスプレイ4において表示情報を構成する各画素の輝度を下げる。これにより、自発光型ディスプレイ4は、表示面の照度が低いときは高いときに比べて、明るさが低下する。
表示移動部64は、情報の表示位置を所定のタイミングで移動させる。図12は、情報の表示位置が移動する様子を示す模式図である。図12に示すように、表示移動部64は、同じ内容の情報を表示する場合であっても、所定のタイミングで情報表示に用いる画素4aを変更する。これにより、自発光型ディスプレイ4が有する各画素4aの点灯時間のばらつきを小さくすることができる。表示位置を移動させるタイミングは、例えば移動体100の起動スイッチがOFFからONに切り替わる回数が所定値に達したときである。当該起動スイッチは、移動体100が自動車の場合はイグニッションスイッチである。あるいは、表示位置を移動させるタイミングは、同一位置での連続表示時間が所定時間に達したときである。
以上説明したように、本実施の形態に係る移動体用表示装置1は、移動体100の外部から視認可能に設けられ、明るさが可変の自発光型ディスプレイ4と、自発光型ディスプレイ4の表示面の照度を検出する照度センサ58と、表示面の照度が低いときは高いときに比べて、自発光型ディスプレイ4の明るさを下げる制御部6とを備える。また、制御部6は、自発光型ディスプレイ4の表示面の照度が低いときは高いときに比べて、自発光型ディスプレイ4において表示情報を構成する各画素の輝度を下げる。
自発光型ディスプレイ4を用いて情報を表示する場合、移動体100の周囲が明るいときは、自発光型ディスプレイ4も明るくしないと表示を視認することが困難である。一方で、移動体100の周囲が暗いときは、自発光型ディスプレイ4が暗くても表示を視認することができる。そこで、制御部6は、自発光型ディスプレイ4の表示面の照度が相対的に高いときは自発光型ディスプレイ4の明るさを上げ、照度が相対的に低いときは自発光型ディスプレイ4の明るさを下げる。
これにより、移動体100の周囲が明るいときは、表示の被視認性を確保することができる。また、移動体100の周囲が暗いときは、温度上昇と印加電流の増大に起因する各画素4aの劣化を抑制することができる。したがって、自発光型ディスプレイ4の表示の質が低下することを抑制することができる。この結果、移動体100の情報を自発光型ディスプレイ4を用いてより確実に他者へ提示することができ、移動体100および他者の安全性をより向上させることができる。また、自発光型ディスプレイ4の消費電力を低減することもできる。
また、制御部6は表示移動部64を有する。表示移動部64は、情報の表示位置を所定のタイミングで移動させる。これにより、自発光型ディスプレイ4が有する各画素4aの点灯時間のばらつきを小さくすることができる。この結果、各画素4aの使用度合い(例えば、点灯時間×電流値で定まる)を平準化して、一部の画素4aが極端に劣化することを抑制することができる。
自発光型ディスプレイ4の明るさ調節は、とりわけ移動体100の自動運転中に実行されることが好ましい。これにより、自動運転中の移動体100の情報をより確実に他者へ提示して、移動体100および他者の安全性をより向上させることができる。
(変形例3)
実施の形態3に係る移動体用表示装置1には、以下の変形例3をあげることができる。変形例3に係る移動体用表示装置は、自発光型ディスプレイ4の明るさを変化させる方法として、情報表示に使用する画素数を異ならせる点が実施の形態3と異なる。以下、変形例3に係る移動体用表示装置について、実施の形態3と異なる構成を中心に説明し、共通する構成については簡単に説明するか、あるいは説明を省略する。
本変形例の制御部6は、自発光型ディスプレイ4が備える複数の画素4aを、所定数の画素4aを一組として複数の画素組66に分ける。そして、複数の画素組66を用いて情報を表示するよう各画素4aの点消灯を制御する。つまり、自発光型ディスプレイ4は、画素組66毎に点消灯を制御可能な電源回路を有し、制御部6は複数の画素組66を組み合わせて情報を表示する。
図13(A)は、画素組の一例を示す模式図である。図13(B)は、画素組の他の例を示す模式図である。一例として、自発光型ディスプレイ4は長方形状の画素4aを有し、積層された4つの画素4aで1つの画素組66が構成される。また、他の例として、自発光型ディスプレイ4は正方形状の画素4aを有し、2列2行に並ぶ4つの画素4aで1つの画素組66が構成される。自発光型ディスプレイ4は、複数の画素組66を有する。以下では適宜、各画素組66を構成する4つの画素4aを区別する場合、第1画素4aI、第2画素4aII、第3画素4aIIIおよび第4画素4aIVと称する。
明るさ決定部60は、照度センサ58の検知結果に基づいて、自発光型ディスプレイ4が取るべき表示の明るさとなるように、各画素組66において点灯させるべき画素4aの数を決定する。例えば明るさ決定部60は、自発光型ディスプレイ4の表示面の照度と各画素組66で点灯させる画素数とを対応付けた変換テーブルを予め保持しており、当該変換テーブルを用いて照度に応じた点灯画素数を決定する。表示面の照度と自発光型ディスプレイ4の明るさ(点灯画素数)との関係は、設計者による実験やシミュレーションに基づいて適宜設定することができる。
点灯制御部62は、明るさ決定部60の決定した点灯画素数に基づいて、自発光型ディスプレイ4の電源回路を制御し、情報の表示に用いる各画素組66における所定の画素4aを点灯させる。点灯制御部62は、表示面の照度が低いときは高いときに比べて、情報の表示に用いる各画素組66において点灯させる画素4aの数を減らす。これにより、自発光型ディスプレイ4は、表示面の照度が低いときは高いときに比べて、明るさが低下する。
また、点灯制御部62は、同じ画素組66且つ同じ画素数で情報を表示する場合であっても、各画素組66において点灯させる画素4aを所定のタイミングで変更する。図14(A)および図14(B)は、自発光型ディスプレイの表示面の照度と各画素組において点灯させる画素との関係を示す図である。
まず、図14(A)に示すように、点灯制御部62はあるタイミングにおいて、自発光型ディスプレイ4の照度が最も低い照度領域Aにあるときは各画素組66における第1画素4aIのみを点灯させる。また、照度領域Aよりも明るい照度領域Bでは、第1画素4aIと第2画素4aIIとを点灯させる。また、照度領域Bよりも明るい照度領域Cでは、第1画素4aI、第2画素4aIIおよび第3画素4aIIIを点灯させる。また、照度領域Cよりも明るい照度領域Dでは、第1画素4aI~第4画素4aIVの全てを点灯させる。つまり、点灯制御部62は、第1画素4aIを主体とした点灯制御を実行する。
また、図14(B)に示すように、点灯制御部62は別のタイミングにおいて、自発光型ディスプレイ4の照度が照度領域Aにあるときは各画素組66における第2画素4aIIのみを点灯させる。また、照度領域Bでは、第2画素4aIIと第3画素4aIIIとを点灯させる。また、照度領域Cでは、第2画素4aII、第3画素4aIIIおよび第4画素4aIVを点灯させる。また、照度領域Dでは、第1画素4aI~第4画素4aIVの全てを点灯させる。つまり、点灯制御部62は、第2画素4aIIを主体とした点灯制御を実行する。
また、さらに別のタイミングでは、点灯制御部62は第3画素4aIIIを主体とした点灯制御と、第4画素4aIVを主体とした点灯制御とを実行する。これにより、自発光型ディスプレイ4が有する各画素4aの点灯時間のばらつきを小さくすることができる。
さらに、表示移動部64は、情報の表示位置を所定のタイミングで移動させる。これにより、自発光型ディスプレイ4が有する各画素4aの点灯時間のばらつきをより一層小さくすることができる。
以上説明したように、本変形例の制御部6は、自発光型ディスプレイ4が備える複数の画素4aを、所定数の画素4aを一組として複数の画素組66に分け、画素組66を用いて情報を表示するよう各画素4aの点消灯を制御する。そして、表示面の照度が低いときは高いときに比べて、情報の表示に用いる各画素組66において点灯させる画素4aの数を減らす。これにより、表示面の照度が低いときは高いときに比べて、自発光型ディスプレイ4の明るさを下げることができる。この結果、自発光型ディスプレイ4の画素4aの劣化を抑制することができ、移動体100の情報を自発光型ディスプレイ4を用いてより確実に他者へ提示することができる。また、自発光型ディスプレイ4の消費電力を低減することもできる。
なお、本変形例における点灯画素数の変更と、実施の形態3における輝度の変更とが組み合わされてもよい。例えば、照度領域Aをより暗い領域A1とより明るい領域A2とに分け、領域A1では領域A2に比べて画素4aの輝度を下げる。これにより、自発光型ディスプレイ4の表示面の照度に応じた自発光型ディスプレイ4の明るさ調節を、より高精度に実行することができる。
本発明は、上述の各実施の形態に限定されるものではなく、各実施の形態を組み合わせたり、当業者の知識に基づいて各種の設計変更などの変形を加えることも可能であり、そのような組み合わせられ、もしくは変形が加えられて得られる新たな実施の形態も本発明の範囲に含まれる。このような新たな実施の形態は、組み合わされる実施の形態及び変形それぞれの効果をあわせもつ。
各実施の形態および変形例において、移動体100は自動車に限定されない。また、ディスプレイは、フロントドア、リヤドア、リヤフェンダー、トランクフード、ボンネット、フロントバンパー等に配置されてもよい。また、ディスプレイは、移動体100の外部から視認可能であればよく、例えばウィンドウガラスの内側など、移動体100の内部に配置されてもよい。