JP7081414B2 - 車両用フロントグリル - Google Patents
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Description
従って、発熱体がミリ波透過部の前面に固定されている場合に、その発熱体に雪が付着しても、ヒータ線が通電されることで発熱すれば、その熱により雪が溶かされ、雪によるミリ波の減衰が抑制される。
上記車両用フロントグリルにおいて、前後方向における前記ミリ波透過部の厚みをTとし、ミリ波の波長をλeとし、前記基材の比誘電率をεpとし、整数をnとするとき、前記ミリ波透過部の全体について、前記厚みTが次式 T={(λe/2)/√(εp)}n を満たす値に設定されていることが好ましい。
上記車両用フロントグリルにおいて、前記グリル本体には、エンブレムを取り付けるための取り付け孔が形成されており、前記ミリ波透過部は前記取り付け孔から離間した箇所に形成されていることが好ましい。
図1及び図3に示すように、車両10のエンジンルーム11の前部には、走行風等の外気を同エンジンルーム11に導入してラジエータ(図示略)を冷却するためのフロントグリル12が配置されている。なお、図3では、フロントグリル12における各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更して示している。変形例を示す図4についても同様である。
さらに、加飾層23は、有色層及び光輝加飾層の組み合わせによって構成されてもよい。
このように、ミリ波透過部21の厚みTは、半波長を比誘電率の平方根にて除算した値の整数倍の値に設定されている。整数nは2,3が好ましく、基材22が上記のようにPC樹脂によって形成される場合には、厚みTは、2.4mm、3.6mmに設定される。この厚みであると、フロントグリル12としての剛性を保持し、かつ発熱体24を配置しても熱伝導性もよく、融雪の機能も満足する。
発熱体24は、フロントグリル12の製造に際し、グリル本体13の成形後に、次の発熱体固定工程が行われることにより、ミリ波透過部21に固定される。すなわち、発熱体固定工程では、発熱体24における前側のシート28が、真空状態のもとで、ミリ波透過部21の後面に接着される。そのため、ミリ波透過部21との間に気泡が入るのを抑制しつつ、発熱体24を同ミリ波透過部21に固定することが可能である。
フロントグリル12では、加飾層23を有するミリ波透過部21が、そのミリ波透過部21よりも後側に配置されている発熱体24及びミリ波レーダ装置40を覆い隠す機能を発揮する。そのため、車両10の前方から発熱体24及びミリ波レーダ装置40が見えるのを抑制することができる。
・発熱体24として、樹脂材料により形成された一対のシート28,29によって、ヒータ線25を前後両側から挟み込んで被覆する構成を有するものを用いている。そのため、発熱体24における前側のシート28をミリ波透過部21の後面に固定することで、ヒータ線25を、所定の配線パターンで、ミリ波透過部21の後側に配置することができる。
・ヒータ線25は、ミリ波の透過を阻害しにくい配線パターンで配置されることが望ましい。この観点からは、ヒータ線25の少なくとも一部は、ミリ波透過部21におけるミリ波の透過領域よりも外側に配置されてもよい。透過領域に配置された場合に比べ、ミリ波の透過が妨げられにくく、ミリ波が発熱体24を透過する際の減衰量が少なくなるからである。
また、ヒータ線25が、上記透過領域を取り囲む環状となるように配置されてもよい。このようにすると、ヒータ線25がミリ波の透過を妨げるのを抑制する効果が得られるほかにも、次の効果もある。通電によりヒータ線25が発熱すると、その熱の一部は、ミリ波透過部21のうちヒータ線25によって囲まれた領域(透過領域)の中心部に向けて、全方向から伝わる。フロントグリル12の前面であってミリ波透過部21に対応する箇所に雪が付着しても、その雪を、付着箇所に拘わらずヒータ線25からの熱によって一様に溶かすことが可能である。
・発熱体24からシート28,29が省略され、シート28,29が用いられることなくヒータ線25が単独でミリ波透過部21に配置されてもよい。
・上記実施形態におけるグリル一般部17の一部又は全部については、基材22及び加飾層23を備えるといったミリ波透過部21の構成とは異なる構成が採られてもよい。
・上記実施形態では、発熱体24がミリ波透過部21の後側に位置する。そのため、シート28,29は、必ずしも透明な樹脂材料によって形成されなくてもよい。
その他、上記各実施形態から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに記載する。
前記グリル本体の一部であって前記ミリ波レーダ装置の前方となる箇所が、ミリ波透過性を有するミリ波透過部により構成され、
ミリ波透過性を有する発熱体が前記ミリ波透過部の前面及び後面の一方に設けられ、
前記発熱体が、通電により発熱するヒータ線と、樹脂材料により形成され、かつ前記ヒータ線を前後両側から挟み込む一対のシートとを備え、一方の前記シートにおいて前記ミリ波透過部に固定される車両用フロントグリルを製造する方法であって、
前記グリル本体の成形後に、前記発熱体における一方のシートを真空状態のもとで、前記ミリ波透過部の前面及び後面の一方に接着することにより、同発熱体を前記ミリ波透過部に固定する発熱体固定工程を備える車両用フロントグリルの製造方法。
前記グリル本体の一部であって前記ミリ波レーダ装置の前方となる箇所が、ミリ波透過性を有するミリ波透過部により構成され、
ミリ波透過性を有する発熱体が前記ミリ波透過部の前面及び後面の一方に設けられ、
前記発熱体が、通電により発熱するヒータ線と、樹脂材料により形成され、かつ前記ヒータ線を前後両側から挟み込む一対のシートとを備え、一方の前記シートにおいて前記ミリ波透過部に固定される車両用フロントグリルを製造する方法であって、
前記グリル本体の成形後に、前記発熱体を真空圧空成形法により前記ミリ波透過部の前面及び後面の一方に貼り付けることで、同発熱体をミリ波透過部に固定する発熱体固定工程を備える車両用フロントグリルの製造方法。
Claims (3)
- ミリ波を前方へ送信するとともに反射されたミリ波を受信するミリ波レーダ装置が搭載された車両において、同ミリ波レーダ装置よりも前側に配置されるグリル本体を骨格部分として備え、
前記グリル本体の一部であって前記ミリ波レーダ装置の前方となる箇所は、ミリ波透過性を有するミリ波透過部により構成され、
前記グリル本体において、前記ミリ波透過部と同ミリ波透過部以外の部分とは、境界部分に凹凸がない状態で一体に形成され、
前記ミリ波透過部の前面及び後面の一方には、通電により発熱するヒータ線を有するとともにミリ波透過性を有する発熱体が固定されている車両用フロントグリル。 - 前記発熱体は、樹脂材料により形成され、かつ前記ヒータ線を前後両側から挟み込む一対のシートをさらに備えており、
前記発熱体は、一方の前記シートにおいて前記ミリ波透過部の前面及び後面の一方に固定されている請求項1に記載の車両用フロントグリル。 - 前記グリル本体には、エンブレムを取り付けるための取り付け孔が形成されており、
前記ミリ波透過部は前記取り付け孔から離間した箇所に形成されている請求項1又は2に記載の車両用フロントグリル。
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