JP7100327B1 - ヒーター内蔵車両用エンブレムおよびその製造方法 - Google Patents

ヒーター内蔵車両用エンブレムおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

Figure 0007100327000001
【課題】立体形状を有する加飾層とともにヒーター層が賦形(変形)される構成においても、ヒーターエレメントの断線を防止し、劣化を軽減することができるヒーター内蔵車両用エンブレムおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】電磁波透過性を有するヒーター内蔵車両用エンブレム10は、加飾フィルム11と、ヒーターエレメントが配設された回路フィルム14と、加飾フィルム11の背面と回路フィルム14の前面との間に配置された第1のクッション層17と、回路フィルム14の背面に配置された第2のクッション層18と、加飾フィルム11の前面に配置された透明な前基材21と、回路フィルム14の背面に配置された後基材24とを備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、電磁波透過性を有するヒーター内蔵車両用エンブレムおよびその製造方法に関する。
車両に搭載されるエンブレムとして、その背面側に、自動運転等の各種運転支援向けのミリ波レーダー発生装置を配置する場合、ミリ波が問題なく透過しレーダーが機能することが要請される。また、ミリ波は、エンブレムに付着した雪などの影響を受け減衰するため、性能維持のために雪などを溶かすことを目的としてヒーターを内蔵するものが提案されている。
例えば、特許文献1に記載の車両用装飾部品及びその製造方法においては、水の侵入を抑制しつつ、ミリ波の透過性能の向上を図ることを目的として、車両用装飾部品に内蔵されるヒーター部の発熱体を含む主要部を前基材及び後基材により挟み込む構成が開示されている。この構成において、前方へ突出する凸部を備える前基材が樹脂材料を用いて成形される際に生じる凸部の後方となる箇所にひけによる窪みが生じ、この窪みとヒーター部の主要部との間に生じる空隙部がミリ波透過性能を低下させることに鑑み、この空隙部を基材の一部または基材と同一樹脂材料を用いて埋めることとされている。より具体的には、後部に凹部を有する透明部材が射出成形により形成され、前基材の前面に位置する加飾層は、当該透明部材に対する有色層の印刷および金属層の蒸着により形成される。
特許文献2には、加飾層の良好な視認性の確保、電磁波透過性の向上を図ることができると共に、高い熱伝導効率でレドームの外表面に付着した雪を確実に融雪することができる車載レーダー装置用レドーム及びその製造方法が開示されている。具体的には、透明で電磁波透過性の前基材と、加飾層と、ヒーター層が表面側から順に密接して設けられ、前基材の背面側の第1の凹部に倣うように表面側に部分突出して加飾層が形成され、第1の凹部に対応する位置に設けられる加飾層の背面側の第2の凹部に倣うように表面側に部分突出してヒーター層が設けられている。
特許文献3には、特許文献2の車載レーダー搭載用レドームと同様の構成を有する車載レーダー装置用レドームの製造方法において、ヒーターエレメントを背面側から覆うようにして保護膜を形成することにより、ヒーター層の背面側に後基材を射出成形で形成する場合等に、ヒーターエレメントが損傷することを防止する技術が開示されている。
特開2018-66706号公報 特開2020-176895号公報 特開2021-43019号公報
上記特許文献1の技術において空隙部の生じる原因は、凹凸形状を有する加飾部の背面に前基材(樹脂)をインサート成形することによるものであり、このような空隙部が生じないエンブレムの構造および製造方法を実現できれば望ましい。また、透明部材の射出成形、前基材のインサート成形、連結部の二色成形、後基材のインサート成形等の多数回の成形工程を必要としており、製造の手間およびコストにおいて改善の余地がある。
上記特許文献2の技術によれば、加飾層とヒーター層との間に空隙部や基材が設けられずに、加飾層とヒーター層が密接して設けられることによりヒーター層から前基材の表面への熱伝導効率が高められ、また、成形工程の低減が図られている。しかしながら、前基材の背面側の第1の凹部に倣うように表面側に部分突出して加飾層が形成され、第1の凹部に対応する位置に設けられる加飾層の背面側の第2の凹部に倣うように表面側に部分突出してヒーター層が設けられる(すなわち、前基材の凹部に対して倣うように加飾層およびヒーター層を密接して凸状に変形させる)ことから、ヒーター層に配設されているヒーターエレメントにストレス(応力)が掛かり、ヒーターエレメントの断線や劣化を生ぜしめる可能性がある。
特許文献3では、ヒーターエレメントを背面側から覆う保護膜は、ヒーター層の背面側に後基材を射出成形で形成する場合等にヒーターエレメントの表面を保護することを主眼とするものであり、ヒーター層の立体的な変形によるヒーター層の屈曲に伴うヒーターエレメントの断線や劣化までを防止するものではない。特に、特許文献2,3においては、ヒーター層が透明前基材の凹部に密接するように変形される。具体的には、後基材の成形工程より前の段階で、ヒーターエレメントが固着された絶縁フィルムは圧空成形で前基材の背面側の凹凸形状に密着して倣うように変形される。その結果、ヒーターエレメントは前基材の凹部とほぼ同一形状に変形(伸長)されることになり、当該凹部の形状や深さによっては過度な伸長ストレスを受けることから、ヒーターエレメントの断線や劣化が生じうる。
本発明はこのような背景においてなされたものであり、その課題は、立体形状を有する加飾層とともにヒーター層が賦形(変形)される構成においても、ヒーターエレメントの断線を防止し、劣化を軽減することができるヒーター内蔵車両用エンブレムおよびその製造方法を提供することにある。
本発明によるヒーター内蔵車両用エンブレムは、電磁波透過性を有するヒーター内蔵車両用エンブレムであって、加飾フィルムと、ヒーターエレメントが配設された回路フィルムと、前記加飾フィルムの背面と前記回路フィルムの前面との間に配置された第1のクッション層と、前記回路フィルムの背面に配置された第2のクッション層と、前記加飾フィルムの前面に配置された透明な前基材と、前記回路フィルムの背面に配置された後基材とを備えたものである。
この構成によれば、ヒーターエレメントが配設された回路フィルムは第1のクッション層と第2のクッション層との間に挟持される。これにより、第1および第2のクッション層により、回路フィルムのヒーターエレメントに掛かるストレスが軽減される。
前記回路フィルムは、フィルム状樹脂部材と、このフィルム状樹脂部材に配設されたヒーターエレメントとにより構成することができる。これによりフィルム状のヒーター層が得られる。
少なくとも前記加飾フィルムと前記第1のクッション層と前記回路フィルムの積層体はそのエンブレム前方の平面において部分的にエンブレム前方へ突出した凸状部を有することができる。これにより、回路フィルムおよび第1のクッション層と一体に加飾フィルムの立体形状化が可能となる。
前記ヒーターエレメントの配線パターンはその一態様として、前記凸状部の領域の内側を含む前記回路フィルムのほぼ全域に亘って配置されうる。この場合、凸状部の背後の領域において、第1および第2のクッション層の存在により、ヒーターエレメントの変形の度合いが緩和される。
この構成において、少なくとも前記凸状部の領域の内側において前記ヒーターエレメントは蛇行した形状に配設されてもよい。これにより、回路フィルムの伸張時にヒーターエレメントへのストレスがより一層軽減される。
前記ヒーターエレメントの配線パターンは、他の態様において、前記凸状部の領域を避けて配設されてもよい。これにより、凸状部の背後の領域において、ヒーターエレメントの変形が回避される。
上記ヒーター内蔵車両用エンブレムは、前記加飾フィルムの背面に有色層を有してもよい。これにより、加飾フィルムの意匠性が高められるとともに、背後にある回路フィルムの配線層のヒーターエレメントが前面側から視認されること(透け)が防止される。
前記第1のクッション層は予め定められた不透明色に印刷または塗布または染色されていてもよい。これにより、加飾フィルムの背面に有色層が存在しない場合であっても、背後にあるヒーターエレメントの配線が前面側から視認されること(透け)が防止される。
前記第2のクッション層は予め定められた不透明色に印刷または塗布または染色されていてもよい。これにより、第2のクッション層の後方のすべての層が透明であるような場合に、エンブレム後方から光輝フィルム(ひいては加飾フィルム)の意匠性を高めるとともに、背後にある回路フィルムの配線層のヒーターエレメントが透けて見えることを防止できる。
前記後基材は予め定められた不透明色に印刷または塗布または染色されていてもよい。これにより、例えば後基材が黒色、紺色、灰色等の暗色である場合にエンブレムの背面の色味に影響を与えて意匠性を変化させることができる。また、エンブレム後方からの光輝フィルム(ひいては加飾フィルム)の意匠性を高めるとともに、背後にある回路フィルムの配線層のヒーターエレメントの透け防止にも寄与する。
前記第1および第2のクッション層は粘着剤で形成された粘着層で構成することができる。この粘着層は層間の貼り合わせのための粘着性と弾性とを兼ね備えるので製造工程の簡略化に寄与する。
前記第2のクッション層が粘着剤で形成される場合に、前記第2のクッション層と前記後基材の間に介在するフィルム状樹脂層をさらに備えてもよい。このフィルム状樹脂層は粘着性を有する第2のクッション層の後面を被覆するカバーとして機能する。
上記いずれかのヒーター内蔵車両用エンブレムにおいて、前記加飾フィルムは光輝フィルムにより構成することができる。これにより、金属を用いることなく金属調の光沢を発現させ、かつ電磁波透過性を有することができる。
前記第2のクッション層は前記第1のクッション層より厚くしてもよい。これにより、回路フィルムから発生する熱を迅速かつ効率的にエンブレム前方へ伝達させることができる。
本発明によるヒーター内蔵車両用エンブレムの製造方法は、電磁波透過性を有するヒーター内蔵車両用エンブレムの製造方法であって、背面にヒーターエレメントが付与された回路フィルムの前面と加飾フィルムの背面とを第1のクッション層で互いに貼り合わせる工程と、前記回路フィルムの背面に第2のクッション層を設ける工程と、前記加飾フィルムの前面に前基材としての透明の樹脂層を設ける工程と、前記第2のクッション層の背面側に後基材を設ける工程とを備える。
このヒーター内蔵車両用エンブレムの製造方法において、少なくとも前記加飾フィルムと前記第1のクッション層と前記回路フィルムの積層体を、そのエンブレム前方の平面において部分的にエンブレム前方へ突出した凸状部を有するように賦形する工程をさらに備えてもよい。これにより、当該積層体に立体形状を持たせることができる。
上記いずれかのヒーター内蔵車両用エンブレムの製造方法において、前記第1および第2のクッション層は粘着剤で形成された粘着層で構成されてもよい。この粘着層は層間の貼り合わせのための粘着性と弾性とを兼ね備えるので製造工程の簡略化に寄与する。
前記第2のクッション層と前記後基材の間にフィルム状樹脂層を介在させる工程をさらに備えてもよい。これにより、粘着性を有する第2のクッション層の後面をフィルム状樹脂層で被覆し、製造効率を向上させることができる。
本発明のヒーター内蔵車両用エンブレムおよびその製造方法によれば、立体形状を有する加飾層とともにヒーター層が賦形(変形)される構成においても、ヒーターエレメントの断線を防止し、劣化を軽減することができる。
図1(a)は、本実施形態によるヒーター内蔵車両用エンブレムの主要部の外観を示す斜視図であり、図1(b)は同車両用エンブレムの一部に着色を施した試作品の写真図である。 図2は、本実施形態によるヒーター内蔵車両用エンブレムが車両に搭載される際の概略側面図である。 図3は、本実施形態におけるヒーター内蔵車両用エンブレムの層構造を示す図である。 図4は、本実施形態によるヒーター内蔵車両用エンブレムの概略側面図を示す図である。 図5は、本実施形態によるヒーター内蔵車両用エンブレムのヒーターエレメントの配線パターンについての説明図である。 図6(a)~(d)は、本実施形態によるヒーター内蔵車両用エンブレムのヒーターエレメントの蛇行形状の変形例を示す図である。 図7は、本実施形態によるヒーター内蔵車両用エンブレムの製造方法において実行される複数の工程の説明図である。 図8は、本実施形態によるヒーター内蔵車両用エンブレムの他の構成例を示す図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<車両用エンブレムの構成>
図1(a)は、本実施形態によるヒーター内蔵車両用エンブレム10の主要部の外観を示す斜視図であり、図1(b)はヒーター内蔵車両用エンブレムの一部に着色を施した試作品の写真図である。以下、ヒーター内蔵車両用エンブレムを単に車両用エンブレムまたはエンブレムともいう。
この車両用エンブレム10は、ほぼ円盤状の形状を有しており、その前面(車両に搭載される際のエンブレム前方の平面)において部分的にエンブレム前方へ突出した凸状部35を有する。エンブレム前面にはいわゆる加飾層と呼ばれる、当該車両用エンブレム10の意匠を凝らした装飾部を有している。この加飾層は、その効果を高めるために一般に当該エンブレム特有の立体形状を有している。通常、車両用エンブレム10の前面は透明の樹脂材料で覆われており、内部の立体形状が透けて見えるようになっている。本明細書において「透明」とは可視光を透過することを意味し、半透明を含み、無色・有色を問わないものとする。
また、図1(b)に示すように、加飾層には必要に応じて部分的に着色が施される場合がある。
図2は、車両用エンブレム10が車両に搭載される際の概略側面図を示している。車両用エンブレム10の背面には、自動運転等の各種運転支援向けに電磁波、特にミリ波をエンブレム前方へ向けて発出するミリ波レーダー発生装置30が配置される。したがって、車両用エンブレム10(の各層)は、その存在がミリ波の進行を阻害しないように、電磁波透過性(ミリ波透過性)を有している。
また、ミリ波は、車両用エンブレム10に付着した雪などの影響を受け減衰するため、雪などを溶かす目的で、車両用エンブレム10には発熱手段としてのヒーターが内蔵されている。
図3に、本実施形態における車両用エンブレム10の層構造を示す。この車両用エンブレム10は、エンブレム前面となる図の上部から順に、前基材21、印刷層22、光輝フィルム12、有色層13、第1のクッション層17、フィルム状絶縁層15、配線(ヒーターエレメント)層16、第2のクッション層18、フィルム状樹脂層19、印刷層23、および後基材24により構成される。
前基材21は透明の樹脂により形成される。この樹脂の材料は例えばPC(ポリカーボネート)等の合成樹脂である。PC以外にも、PMMA(ポリメチルメタクリレート)等のアクリル、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、AS(アクリロニトリル・スチレン)、PS(ポリスチレン)、COP(シクロオレフィンポリマー)等の合成樹脂を利用可能である。前基材21の厚みは1.0~10.0mm程度であり、より好ましくは2.0~6.0mm程度である。
印刷層22は、任意の色のインクまたは塗料の層であり、前基材の成形時にバインダー層として機能する。例えば、透明層としてのインクを全面に施したうえに、車両用エンブレム10の意匠のために特定の色(例えば青)のインクがパターン状に施される。この特定の色のインク層は必須ではない。印刷層22の厚みは、1.0~15.0μm程度であり、より好ましくは2.0~8.0μm程度である。
光輝フィルム12は、本実施形態において加飾層としての加飾フィルム11を構成する部材である。光輝フィルム12は、ナノ積層技術を利用して金属を用いることなく金属調の光沢を発現させたフィルム(ナノ積層フィルム)であり、電磁波透過性を有する。例えば、東レ株式会社製のピカサス(登録商標)などが知られている。本実施形態では、このような光輝フィルム12を加飾フィルム11として利用する。光輝フィルム12の厚みは、特に限定するものではないが、この例では150μm程度である。典型的には50.0~700.0μm程度であり、より好ましくは100~600μm程度である。
本実施形態では光輝フィルム12の後面(背面)に有色層13を設けている。この有色層13は特定の色、好ましくは黒色、紺色、灰色等の暗色系の不透明色であり、光輝フィルム12(ひいては加飾フィルム11)の意匠性を高めるとともに、背後にある回路フィルム14の配線層16のヒーターエレメントが前面側から視認されること(透け)を防止するよう機能する。有色層13は光輝フィルム12に対して、インクのスクリーン印刷、塗布等により施される。本実施形態では光輝フィルム12は有色層13と一体で加飾フィルム11を構成している。有色層13の厚みは、1.0~15.0μm程度であり、より好ましくは2.0~8.0μm程度である。
第1のクッション層17は、加飾フィルム11の背面と後述の回路フィルム14の前面との間に配置される層であり、本実施形態では、粘着剤で形成された粘着層である。第1のクッション層17はこの実施形態では透明であるが、場合によっては予め定められた不透明色に印刷または塗布または染色されてもよい。本明細書において、「クッション層」とは、回路フィルム14の配線層16のヒーターエレメントの断線や劣化を防止するために回路フィルム14に対して他の層との間に介在させる層であって、ヒーターエレメントに掛かるストレスや負荷を軽減するよう機能する層を言い、換言すれば、回路フィルム14が賦形力を受ける際に変形の度合いを緩和するように働く層である。
第1のクッション層17の厚みは特に限定するものではないが、例えば25μm程度である。典型的には、5.0~100.0μm程度であり、より好ましくは10.0~80.0μm程度である。この厚みが厚すぎると後述の賦形時に所期の形状が得られない等の賦形性の問題、ないし射出成形時の成形性の問題が生じうる一方、薄すぎるとクッションとしての効力を満たせないので、車両用エンブレム10の立体形状や構造に応じて適正な厚みを選定することが望ましい。
「粘着剤」は、半固形で粘性を持っていることにより、わずかな圧力を加えただけで貼り付け面へ接着することができ、常に濡れた状態を安定して保っている素材である。ここでは、第1のクッション層17としてシリコーン粘着剤であるシリコーンOCA(Optical Clear Adhesive:高透明粘着シート)で構成された粘着シートを用いた例を示す。
この第1のクッション層17としての粘着層を介して、加飾フィルム11と回路フィルム14とが互いに貼り合わせられる。
なお、粘着剤としては、シリコーン粘着剤のほかに、ウレタン系粘着剤、アクリル系粘着剤などが挙げられる。
また、第1のクッション層17として、粘着剤のほか、各種のエラストマーやゴムの利用が考えられる。エラストマーやゴムを用いる場合には粘着性を付与するために接着剤を併せて用いてもよい。
フィルム状絶縁層15はPET(ポリエチレンテレフタレート)、PI(ポリイミド)等の樹脂材料で形成され、その一面(この例では後面)にヒーターエレメントとしての配線層16が配設されて、回路フィルム14を構成する。フィルム状絶縁層15の他の材料候補としては、PC(ポリカーボネート)、PP(ポリプロピレン)、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)、PC-ABS(ポリカ/ABSのアロイ材)、LCP(結晶ポリマー)等が挙げられる。フィルム状絶縁層15の厚みは特に限定するものではないが、125μm程度である。典型的には10~200.0μmであり、より好ましくは20.0~150.0μm程度である。配線層16の厚みは特に限定するものではないが、この例では4μm程度である。典型的には2.0~25.0μm程度であり、より好ましくは2.0~20.0μm程度である。
回路フィルム14の背面には第2のクッション層18が配置される。第2のクッション層18は第1のクッション層17と同じ材料で構成することができる。但し、第2のクッション層18の厚みは、好ましくは第1のクッション層17より厚く、特に限定するものではないがこの例では50μm程度としている。典型的には、5.0~100.0 μmであり、より好ましくは10.0~80.0μm程度である。
第2のクッション層18は、透明であってもよいし、場合に応じて予め定められた不透明色に印刷または塗布または染色されてもよい。第2のクッション層18を不透明とした場合には、その背後のすべての層が透明であっても、エンブレム後方から光輝フィルム12(ひいては加飾フィルム11)の意匠性を高めるとともに、背後にある回路フィルム14の配線層16のヒーターエレメントが透けて見えることを防止できる。
少なくとも第2のクッション層18は断熱効果を有し、配線層16の発する熱がエンブレム後方(裏面)へ逃げるのを軽減する効果が期待される。他方、エンブレム前方へは当該熱をより迅速かつ効率的に伝達することが求められる。通常、車両用エンブレム10の前面は外部に露出するために雪等が付着するが、裏面はグリルやボンネット等内に入り込んでいるため外気に暴露されることがなく雪等の付着も想定されていないからである。このような観点から、第1のクッション層17と第2のクッション層18に同一材料を使用する場合、第2のクッション層18の厚みは少なくとも第1のクッション層17の厚みと同じか、より好ましくは第1のクッション層17の厚みより厚くする。
第2のクッション層18の背後にはフィルム状樹脂層19が配置される。このフィルム状樹脂層19は、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)層で構成でき、第2のクッション層18が粘着層で形成される場合にそのべたつく表面を被覆するカバーとして機能する。フィルム状樹脂層19の他の材料としては、PI(ポリイミド)、PC(ポリカーボネート)、PP(ポリプロピレン)、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)、PC-ABS(ポリカ/ABSのアロイ材)、LCP(結晶ポリマー)、PMMA(ポリメチルメタクリレート)等のアクリル、PU(ポリウレタン)、COP(シクロオレフィンポリマー)等が挙げられる。フィルム状樹脂層19の厚みは特に限定するものではないが、例えば50μm程度である。典型的には、10.0~200.0μm程度であり、より好ましくは20.0~150.0μm程度である。
第2のクッション層18が粘着剤でなくエラストマーなどの素材で形成される場合、その前面側には接着剤による接着層が設けられるが、後面側には接着層を設けないことにより、フィルム状樹脂層19は省略することができる。
第2のクッション層18(およびフィルム状樹脂層19)の後面には印刷層23を介して後基材24が配置される。後基材24は車両用エンブレム10の基部を構成し、車両に取り付けるための手段として例えば取り付け部等(図示せず)を設けることができる。
後基材24は、PC(ポリカーボネート)やABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)等の合成樹脂で構成することができる。その他、AES(アクリロニトリル・エチレン・スチレン)、PMMA(ポリメチルメタクリレート)等のアクリル、ASA(アクリレート・スチレン・アクリロニトリル)等の合成樹脂も利用可能である。後基材24の厚みは、典型的には0.2~10.0mm程度であり、より好ましくは1.0~6.0mm程度である。後基材24は、場合に応じて、透明であってもよいし、予め定められた不透明色に印刷または塗布または染色されてもよい。
印刷層23は、所定の色(例えば白色)のインク(または塗料)をスクリーン印刷(ベタ塗)したものであり、後基材24の成形時のバインダー層として機能する。印刷層23の厚みは典型的には、1.0~15.0μm程度であり、より好ましくは2.0~8.0μm程度である。また、印刷層23は後基材24が透明である場合に、車両用エンブレム10の背面の色を決定する。後基材24が黒色、紺色、灰色等の暗色である場合にも、印刷層23の色によって車両用エンブレム10の背面の色味に差が生じうる。また、エンブレム後方からの光輝フィルム12(ひいては加飾フィルム11)の意匠性を高めるとともに、背後にある回路フィルム14の配線層16のヒーターエレメントの透け防止にも寄与する。
図4に本実施形態による車両用エンブレム10の概略側面図を示す。この断面図は図1に示した車両用エンブレム10のA-A矢視断面図に相当する。この図から分かるように、少なくとも加飾フィルム11と第1のクッション層17と回路フィルム14(と、ここではさらに第2のクッション層18)の積層体20は、部分的にエンブレム前方へ突出した凸状部35を有する。この凸状部35は当該積層体20を賦形した結果出来上がる所定の立体形状を呈する。
一般に、フィルムに対して合成樹脂を射出して一体化する工程は、フィルムインサート工程と呼ばれる。その際にフィルムの形状を金型の凹凸に沿わせるために、事前に別の工程でフィルムをその形状に賦形する。そのための方法としては熱や圧力を掛ける、真空成形、圧空成形といった工程が実行される。その際、回路フィルム14は部分的に伸長して変形する。図4の例では、積層体20を賦形した後、前基材21の成形および後基材の24の成形が行われる。
図4から分かるように、積層体20の最前面の加飾フィルム11は所期の立体形状に一致するように賦形されるが、その背後の第1のクッション層17(および第2のクッション層18)の存在により、回路フィルム14ひいてはその配線層16のヒーターエレメントの屈曲の度合いは加飾フィルム11のそれに比べて緩和される。すなわち、側面図では加飾フィルム11の折れ曲がった形状に対して、回路フィルム14は加飾フィルム11の形状に完全に倣うのではなく緩く湾曲する。
これにより、賦形によるヒーターエレメントの断線や劣化が効果的に防止される。また、クッション層17が存在しない場合の、加飾フィルム11の凹凸形状に対して回路フィルム14が十分に倣わずに両者の間に隙間が生じるいわゆる配線浮きの発生を防止することができる。
また、本実施形態では、加飾部として加飾フィルム11を利用するので、加飾部形成のために公知文献1におけるような金属の蒸着等の工程は不要となる。
さらに本実施形態では、加飾フィルム11と回路フィルム14という2つのフィルム状部材の間にクッション層17を挟持する構成を採用したことにより、公知文献1におけるような凹凸形状を有する加飾部の背面に前基材(樹脂)をインサート成形する工程は不要となるので、同文献において問題とされる空隙部が生じることはない。
第1のクッション層17と第2のクッション層18の上述した材料の屈折率は、空隙部に比べて前基材21や後基材24の屈折率に近く、電磁波(ミリ波)の透過性に与える影響は少ないと考えられる。
図5により、本実施形態による回路フィルム14の配線層16のヒーターエレメントの配線パターンについて説明する。図5(a)(b)(c)は、それぞれ異なる配線パターンを有する車両用エンブレム10a,10b,10cの正面図を示している。
図5(a)に示した車両用エンブレム10aの配線層16aのヒーターエレメントの配線パターンは凸状部35の領域42(図では便宜上、灰色で塗りつぶし表示されている)の内側を含む回路フィルム14のほぼ全域に亘って配置されている。この構成は図4の構成に対応し、領域42内では凸状部35の表面により近い位置にヒーターエレメントが位置するので、エンブレム前方の表面温度の上昇がより早く(高くなる)ことが期待できる。
図5(b)に示した車両用エンブレム10bの配線層16bのヒーターエレメントは、少なくとも凸状部35の領域42の内側において蛇行した形状に配設されている。この構成により、回路フィルム14が賦形時に伸長されてもヒーターエレメントへの伸長応力が緩和される。領域42内では凸状部35の表面により近い位置にヒーターエレメントが位置することによる効果は図5(a)の場合と同様に期待できる。
図5(c)に示した車両用エンブレム10cの配線層16cのヒーターエレメントは、少なくとも凸状部35の領域42を避けて配設されている。この場合、ヒーターエレメントは領域42の外側にのみ存在するので、賦形時の変形の影響は少ないが、前基材21や後基材24の射出成形時のストレスは凸状部35以外の部分にも掛かるので、ヒーターエレメントの断線や劣化の防止効果が期待できる。
図6(a)~(d)に、ヒーターエレメントの蛇行形状の変形例を示す。図6(a)は図5(b)に示したような典型的な蛇行形状としての正弦波形状を示している。図6(b)は蛇行形状の他の例として馬蹄形状を示している。図6(c)は蛇行形状の他の例として三角波形状を示している。図6(d)は蛇行形状の他の例として方形波形状を示している。本明細書では、この他にも、1点から他点までヒーターエレメントを直線状に伸ばさずに、進行方向に対して左右に移動しながら前進する任意の形状が「蛇行」形状に包含されるものとする。
<車両用エンブレムの製造方法>
次に、本実施形態の電磁波透過性を有するヒーター内蔵車両用エンブレム10の製造方法について説明する。
図7に、この製造方法において実行される複数の工程の説明図として、各工程に対応する車両用エンブレム10の層構造の概略断面図を示す。この図の上側がエンブレム前方に相当する。
まず、図7(a)の工程では、光輝フィルム12の一面(この例では後面)に上述した有色層13を所定の色のインクのスクリーン印刷、塗布等により形成する。
図7(b)の工程では、例えばPETフィルム等のフィルム状絶縁層15の一面(この例では後面)にヒーターエレメントの配線層16を形成する。その方法の一例では、例えば、インクジェット方式によるナノ金属粒子を含むインクを配線パターン状に印刷したあとインクパターンを焼成し、電解/無電解メッキにてインクパターンの金属層を増強して配線層16を形成する。但し、配線層16の形成方法はこれに限るものではなく、他の方法であってもよい。
図7(a)と図7(b)の工程の順序は逆であってもよい。あるいは、それぞれの工程の結果品を入手して利用してもよい。
次いで、図7(c)に示すように、回路フィルム14の前面と加飾フィルム11の背面とを第1のクッション層17で互いに貼り合わせる工程を実行する。第1のクッション層17がシート状粘着層であればそのまま用い、粘着層でなければ当該第1のクッション層17の両面に接着剤等を併せて用いる。
続く図7(d)の工程では、回路フィルム14の背面に第2のクッション層18を設ける。第2のクッション層18がシート状粘着層であれば、回路フィルム14の背面に当該粘着層を貼り合わせる。第2のクッション層18が粘着層でなければ接着剤等で当該第2のクッション層18を回路フィルム14の背面に接合する。
また、この第2のクッション層18の後面には、フィルム状樹脂層19としてのPETフィルム等の合成樹脂フィルムを貼り付ける。第2のクッション層18が粘着層でなければフィルム状樹脂層19の貼り付けは省略してよい。
その後、図7(e)に示すように、加飾フィルム11と第1のクッション層17と回路フィルム14と第2のクッション層18とフィルム状樹脂層19を積層した積層体20(図7(d))を、そのエンブレム前方の平面において部分的にエンブレム前方へ突出した凸状部35を有するように賦形する工程を実行する。この工程における賦形は、真空成形、圧空成形等の成形方法(賦形方法)を利用することができる。
次いで、図7(f)に示すように、賦形された積層体20の加飾フィルム11の前面に前基材21としての透明の樹脂層(例えば上述したポリカーボネート等の合成樹脂層)を設ける工程を実行する。この工程は、バインダー層としての印刷層22の形成の後、所定の金型に積層体20を挿入して射出成形により実現することができる。
最後に、図7(g)に示すように、図7(f)の結果物に対して、その後面に後基材24を設ける工程を実行する。例えば、後基材24を上述した合成樹脂で形成する場合、バインダー層としての印刷層23の形成の後、当該結果物を所定の金型に挿入して射出成形により実現することができる。
なお、図4や図7では積層体20の層構造の側面部が露出した状態で示したが、前基材21と後基材24の成形工程において、両基材が協働して積層体20全体を包み込むようにそれぞれの樹脂材料で射出成形を行うことができる。これにより、積層体20が樹脂材料の外皮で完全に密閉される。
<車両用エンブレムの構成による効果>
本実施形態によれば、少なくとも第1のクッション層17が加飾フィルム11と回路フィルム14の間に存在することにより、立体形状の賦形時に回路フィルム14の屈曲の度合いが加飾フィルム11の屈曲の度合いに比べて緩和される。これにより、回路フィルム14のヒーターエレメントの過度の屈曲が防止され、その断線や劣化が防止される。また、第2のクッション層18が回路フィルム14の背後に配置されることによっても回路フィルム14の配線層16のヒーターエレメントの保護が図れる。さらに、第2のクッション層18の存在により、ヒーターエレメントの発する熱がエンブレム後方へ逃げることを軽減することができる。
<車両用エンブレムの他の構成例>
図8は、他の構成例としての車両用エンブレム50の層構造を示している。
図1に示した車両用エンブレム10の有色層(不透明層)13は、光輝フィルム12(ひいては加飾フィルム11)の意匠性を高めるとともに、背後にある回路フィルム14の配線層16のヒーターエレメントの透けを防止するものとして説明した。これに対して、第1のクッション層17自体を有色層として背後の配線の透けを防止することができる場合に有色層13は不要となる。この理由により、車両用エンブレム50は、第1のクッション層17自体を有色層とするとともに、有色層13を層構造から削除したものである。車両用エンブレム50の他の構成は車両用エンブレム10と同様である。
<変形例>
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲を逸脱することなく、種々の変形、変更を行うことが可能である。
車両用エンブレムの形状は円形の例を示したが、これに限るものではなく、本発明は楕円形、方形、多角形等、任意の形状に適用可能である。
レーダー波としてはミリ波を想定したが、本発明は他の周波数帯の電磁波への適用を排除するものではない。
凸状部35の断面形状は"<"字状のものを示したが、他の形状、例えば"["字状や"⊂"字状のものであってもよい。
賦形対象の積層体20は、加飾フィルム11と第1のクッション層17と回路フィルム14と第2のクッション層18とフィルム状樹脂層19の積層体としたが、少なくとも加飾フィルム11と第1のクッション層17と回路フィルム14の積層体であればよい。
上述した実施形態で挙げた各要素はあくまで例示であり、同様の作用効果が得られるものであれば、他の要素に変更、置換が可能である。また、上述した実施形態の構成の一部を省略しても本発明の効果が部分的にでも得られるのであれば、そのような構成も本発明に包含されるものである。
10,10a,10b,10c:ヒーター内蔵車両用エンブレム 11:加飾フィルム 12:光輝フィルム 13:有色層 14:回路フィルム 15:フィルム状絶縁層 16,16a,16b,16c:配線(ヒーターエレメント)層 17:クッション層 18:クッション層 19:フィルム状樹脂層 20:積層体 21:前基材 22:印刷層 23:印刷層 24:後基材 30:ミリ波レーダー発生装置 35:凸状部 40:ヒーター端子 42:領域 50:ヒーター内蔵車両用エンブレム

Claims (18)

  1. 電磁波透過性を有するヒーター内蔵車両用エンブレムであって、
    加飾フィルムと、
    ヒーターエレメントが配設された回路フィルムと、
    前記加飾フィルムの背面と前記回路フィルムの前面との間に配置された第1のクッション層と、
    前記回路フィルムの背面に配置された第2のクッション層と、
    前記加飾フィルムの前面に配置された透明な前基材と、
    前記回路フィルムの背面に配置された後基材と
    を備えたヒーター内蔵車両用エンブレム。
  2. 前記回路フィルムは、フィルム状樹脂部材と、このフィルム状樹脂部材に配設されたヒーターエレメントとを有する請求項1に記載のヒーター内蔵車両用エンブレム。
  3. 少なくとも前記加飾フィルムと前記第1のクッション層と前記回路フィルムの積層体はそのエンブレム前方の平面において部分的にエンブレム前方へ突出した凸状部を有する請求項1または2に記載のヒーター内蔵車両用エンブレム。
  4. 前記ヒーターエレメントの配線パターンは前記凸状部の領域の内側を含む前記回路フィルムのほぼ全域に亘って配置された請求項3に記載のヒーター内蔵車両用エンブレム。
  5. 少なくとも前記凸状部の領域の内側において前記ヒーターエレメントは蛇行した形状に配設された請求項4に記載のヒーター内蔵車両用エンブレム。
  6. 前記ヒーターエレメントの配線パターンは前記凸状部の領域を避けて配設された請求項3に記載のヒーター内蔵車両用エンブレム。
  7. 前記加飾フィルムの背面に有色層を有する請求項1~6のいずれかに記載のヒーター内蔵車両用エンブレム。
  8. 前記第1のクッション層は予め定められた不透明色に印刷または塗布または染色されている請求項1~7のいずれかに記載のヒーター内蔵車両用エンブレム。
  9. 前記第2のクッション層は予め定められた不透明色に印刷または塗布または染色されている請求項1~8のいずれかに記載のヒーター内蔵車両用エンブレム。
  10. 前記後基材は予め定められた不透明色に印刷または塗布または染色されている請求項1~9のいずれかに記載のヒーター内蔵車両用エンブレム。
  11. 前記第1および第2のクッション層は粘着剤で形成された粘着層で構成される請求項1~10のいずれかに記載のヒーター内蔵車両用エンブレム。
  12. 前記第2のクッション層と前記後基材の間に介在するフィルム状樹脂層をさらに備えた請求項11に記載のヒーター内蔵車両用エンブレム。
  13. 前記加飾フィルムは光輝フィルムにより構成される請求項1~12のいずれかに記載のヒーター内蔵車両用エンブレム。
  14. 前記第2のクッション層は前記第1のクッション層より厚い請求項1~13のいずれかに記載のヒーター内蔵車両用エンブレム。
  15. 電磁波透過性を有するヒーター内蔵車両用エンブレムの製造方法であって、
    背面にヒーターエレメントが付与された回路フィルムの前面と加飾フィルムの背面とを第1のクッション層で互いに貼り合わせる工程と、
    前記回路フィルムの背面に第2のクッション層を設ける工程と、
    前記加飾フィルムの前面に前基材としての透明の樹脂層を設ける工程と、
    前記第2のクッション層の背面側に後基材を設ける工程と
    を備えたヒーター内蔵車両用エンブレムの製造方法。
  16. 少なくとも前記加飾フィルムと前記第1のクッション層と前記回路フィルムの積層体を、そのエンブレム前方の平面において部分的にエンブレム前方へ突出した凸状部を有するように賦形する工程をさらに備えた請求項15に記載のヒーター内蔵車両用エンブレムの製造方法。
  17. 前記第1および第2のクッション層は粘着剤で形成された粘着層で構成される請求項15または16に記載のヒーター内蔵車両用エンブレムの製造方法。
  18. 前記第2のクッション層と前記後基材の間にフィルム状樹脂層を介在させる工程をさらに備えた請求項17に記載のヒーター内蔵車両用エンブレムの製造方法。
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