JP7081303B2 - ブロックポリマー - Google Patents

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Description

本発明は(メタ)アクリル樹脂とポリペプチドを複合してなるブロックポリマーに関するものである。
ブロックポリマーは、一般に溶解性などのある特定の物性について性質の異なる複数のポリマーユニットを連結させた構造体であり、溶液中でのミセル形成やバルク中での相分離構造形成などの特性を利用して、粘接着剤やエラストマー、機能性顔料分散剤、相溶化剤、ドラッグデリバリーシステムなどの分野で広く検討されている。
そのようなポリマーユニットとしては、モノマー選択の自由度が大きく、かつリビング重合法を用いることで比較的簡便にブロックポリマー構造を得られることから、アクリル系材料が好適に用いられており、2~3種類の異なるアクリル樹脂ユニット同士を連結させたジブロックポリマーやトリブロックポリマーなどのアクリル系ブロックポリマーが利用されている。
しかしながら、リビング重合法で得られるアクリル系のブロックポリマーは、製法上の特性から一般的にアクリル樹脂ユニット同士のブロック構造のみに限定され、アクリル以外のポリマーユニットとの複合は困難であった。
一方で、例えば特許文献1には、リビング重合法で得られるアクリル重合体に新たな付加価値をつける目的で、アクリル樹脂ユニットの末端に官能基を導入する手法が開示されている。この様な手法を用いることで、アクリル樹脂ユニットの末端に導入された官能基を起点に、アクリル以外のポリマーユニットと連結できる可能性はあるものの、リビング重合法の多くは製造プロセスが複雑であり、また触媒である重金属やハロゲン化合物の効果的な除去が困難であるため、特に医療分野において利用できる用途が限定されていた。
またリビング重合法で得られるアクリルポリマーは、通常のフリーラジカル重合と比較して分子量分散度が1.0~1.2と狭いことを特徴とするが、例えば顔料のような粒径に分布があるフィラーの分散や、高い接着性を必要とする粘着剤用途では、しばしば分子量分散度が狭過ぎることに由来するポリマー構造の均一性や、それに起因するミクロ相分離能の高さが、分散性不良や接着力不良の原因となる場合があり、分子量分散度が高いブロックポリマーの特性が期待されていた。
特開2009-215472
本発明は(メタ)アクリル樹脂とポリペプチドとを複合してなる新規なブロックポリマーを提供することを目的とする。
本発明は、(メタ)アクリル樹脂ユニット(A)とポリペプチドユニット(B)が連結されたブロックポリマーであり、(メタ)アクリル樹脂ユニット(A)の分子量分散度が1.25以上であることを特徴とするブロックポリマーに関する。
また、本発明は、(メタ)アクリル樹脂ユニット(A)とポリペプチドユニット(B)が、アミド結合および/またはイミド結合により連結されてなることを特徴とする前記ブロックポリマーに関する。
また、本発明は、(メタ)アクリル樹脂ユニット(A)の末端部に導入された連鎖移動剤残基により、ポリペプチドユニット(B)とのアミド結合および/またはイミド結合が形成されてなることを特徴とする前記ブロックポリマーに関する。
また、本発明は、連鎖移動剤が2-メルカプトコハク酸であることを特徴とする前記ブロックポリマーに関する。
また、本発明は、ジブロックポリマーであることを特徴とする前記ブロックポリマーに関する。
本発明により、分散剤、相溶化剤、接合剤、医療材料等への利用が期待できる、(メタ)アクリル樹脂とポリペプチドとを複合してなる新規なブロックポリマーを提供することができた。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限りこれらの内容に特定されない。
本発明の(メタ)アクリル樹脂ユニット(A)とポリペプチドユニット(B)とを複合してなるブロックポリマーは、(メタ)アクリル樹脂ユニット(A)の分子量分散度が1.25以上であれば特に制限なく、各ユニットはそれぞれ2種以上を用いることができる。
ブロックポリマーを構成する各ユニットの成分としては、例えば公知の(メタ)アクリル重合に用いられる(メタ)アクリルモノマーや、公知のアミノ酸を重合してなる末端にアミノ基を有するポリペプチド等を用いることができる。
(メタ)アクリル樹脂ユニット(A)と、ポリペプチドユニット(B)の連結方法としては特に制限はないが好ましくはアミド結合および/またはイミド結合による連結である。より好ましくは、(メタ)アクリル樹脂ユニット(A)の末端部に導入された連鎖移動剤残基により、ポリペプチドユニット(B)との間にアミド結合および/またはイミド結合が形成されてなるものである。連鎖移動剤としては、分子内に2つのカルボキシル基と1つ以上のチオール基とを有する化合物が好ましい。
分子内に2つのカルボキシル基と1つ以上のチオール基とを有する化合物としては、以下の例に限定されないが、具体的には2-メルカプトコハク酸、2-メルカプトグルタル酸、2,2-メチレンビス(チオグリコール酸)、2,3-ジメルカプトコハク酸、4,5-ジメルカプトフタル酸等が挙げられ、中でも2-メルカプトコハク酸を用いることが特に好ましい。
連鎖移動剤の残基を用いた連結方法としては、例えば2-メルカプトコハク酸を用いた公知の連鎖移動重合反応により(メタ)アクリルモノマーを重合した後に、2-メルカプトコハク酸残基の2つのカルボキシル基を公知の酸無水物化反応により酸無水物化して片末端に酸無水物基を有する(メタ)アクリル重合体とし、この得られた片末端に酸無水物基を有する(メタ)アクリル重合体と、末端にアミノ基を有するポリペプチドとを縮合させることで(メタ)アクリル樹脂ユニット(A)とポリペプチドユニット(B)が連結したブロックポリマーを得ることができる。
酸無水物基を連結部位として用いると、(メタ)アクリル樹脂ユニット(A)とポリペプチドユニット(B)との連結が、アミド結合またはイミド結合の様式となり、エステル結合などと比較して化学的に安定となるため好ましい。
連鎖移動剤を用いたアクリル重合反応としては、公知のチオール化合物を用いた連鎖移動反応を利用することができ、例えば(メタ)アクリルモノマーと連鎖移動剤の存在下、ラジカル重合開始剤を加え、60~150℃程度の反応温度でラジカル重合反応を行うことで、連鎖移動剤残基を末端に有するアクリル重合体を得ることができる。反応は無溶剤下で行っても構わないが、粘度の制御が容易となることから溶剤を使用することが好ましい。
(メタ)アクリルモノマーとしては、以下の例には限定されないが、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類;
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノブチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノアルキル(メタ)アクリレート類;
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノブチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等のアミノアルキル(メタ)アクリルアミド類;
ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートモノアルキルエーテル等のアルキレンオキサイド鎖を有する(メタ)アクリレート類;
製品名で、サイラプレーンFM-0711、サイラプレーンFM-0721((以上、チッソ株式会社製)等のポリジメチルシロキサン(メタ)アクリレート類;
製品名で、ケミノックスFAAC-4、ケミノックスFAAC-6、ケミノックスFAMAC-4、ケミノックスFAMAC-6(以上、ユニマテック社製)、R-1110、R-1210、R-1420、R-1620、R-5210、R-5410、R-5610、M-1110、M-1210、M-1420、M-1620、M-5210、M-5410、M-5610(以上、ダイキン社製)、ライトアクリレートFA-108(共栄社化学社製)、ビスコート-3F、ビスコート-3FM、ビスコート-4F、ビスコート-8F、ビスコート-8FM(以上、大阪有機化学工業社製)等のフッ素含有(メタ)アクリレート類;
製品名で、マクロモノマーAA-6(メチルメタクリレート系マクロモノマー)、マクロモノマーAB-6(ブチル(メタ)アクリレート系マクロモノマー)、マクロモノマーAW-6S(イソブチル(メタ)アクリレート系マクロモノマー)、マクロモノマーAS-6(スチレン系マクロモノマー)、マクロモノマーAN-6S(スチレン/アクリロニトリル系マクロモノマー)、マクロモノマーAK-5(ジメチルシロキサン系マクロモノマー)(以上、東亞合成社製)等のビニル共重合系マクロモノマー類;
製品名で、ビスコート#150D(テトラヒドロフルフリルアルコールオリゴアクリレート)、ビスコート#190D(エトキシジエチレングリコールオリゴアクリレート)(以上、大阪有機化学工業社製)等の(メタ)アクリル酸多量体型(メタ)アクリレート類;
ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、シアノエチル(メタ)アクリレート等の各種(メタ)アクリレート類が挙げられ、これらの他に、ラジカル重合可能なスチレン、酢酸ビニル等も用いることができる。
これらの(メタ)アクリルモノマーは、使用する目的に合わせて適宜選択することができ、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、tert-ブチルパーベンゾエート、クメンヒドロパーオキシドやジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ-n-プロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2-エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、tert-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、tert-ブチルパーオキシネオデカノエート、tert-ブチルパーオキシビバレート、(3,5,5-トリメチルヘキサノイル)パーオキシド、ジプロピオニルパーオキシド、ジアセチルパーオキシド等の有機過酸化物や、
2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、1,1’-アゾビス(シクロヘキサン1-カルボニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチル-4-メトキシバレロニトリル)、ジメチル2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオネート)、4,4’-アゾビス(4-シアノバレリック酸)、2,2’-アゾビス(2-ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、2,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]等のアゾ系化合物が挙げられる。これらの重合開始剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
溶剤としては、以下の例には限定されないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、トルエン、キシレン、アニソール、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、N-ビニルピロリドン、N-メチルカプロラクタム、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ピリジン、ジメチルスルホン、ヘキサメチルスルホキシド、m-クレゾール、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン等が挙げられる。これらの溶剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
得られた(メタ)アクリル重合体の末端の連鎖移動剤残基である2つのカルボキシル基を酸無水物化する方法としては、以下の例には限定されないが、例えば、無水酢酸や2,6-ビス[(2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジニル)メチル]フェニルボロン酸などの分子内縮合触媒を用いて、分子内脱水縮合させることで得ることができる。また、触媒を使用せず、高温加熱条件で分子内脱水縮合させる方法を用いても良い。
(メタ)アクリル樹脂ユニット(A)の数平均分子量(Mn)は、使用する目的に合わせて適宜調整してよいが、溶解性や粘度の制御の観点から、好ましくは1,500~100,000である。なお、(メタ)アクリル樹脂ユニット(A)とは、導入された連鎖移動剤の残基を含むものとする。
(メタ)アクリル樹脂ユニット(A)の分子量分散度(Mw/Mn)は、1.25以上であり、好ましくは1.25~5.0の範囲である。この範囲であれば溶解性や粘度の制御が容易となる。
末端にアミノ基を有するポリペプチドとしては、天然のタンパク質やペプチドから調整したものを用いてもよく、公知の化学合成法により作製したものも使用できる。構成単位となるアミノ酸およびその配列は目的に応じて適宜選択してもよい。これらのポリペプチドは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
末端にアミノ基を有するポリペプチド中のアミノ基の少なくとも一部を、片末端に酸無水物基を有する(メタ)アクリル重合体の酸無水物基で変性することで、(メタ)アクリル樹脂ユニット(A)とポリペプチドユニット(B)が連結したブロックポリマーを得ることができる。
片末端に酸無水物基を有する(メタ)アクリル重合体中の酸無水物基と、末端にアミノ基を有するポリペプチド中のアミノ基との反応は、目的に合わせて結合の形態を選択して連結すればよく、通常20℃~110℃で反応させることでアミド結合を形成して連結し、さらに120℃~200℃の高温下で反応させることでイミド結合を形成して連結する。反応は無溶剤下で行ってもよいし、溶剤を使用してもよい。
片末端に酸無水物基を有する(メタ)アクリル重合体と、末端にアミノ基を有するポリペプチドの連結に際し、片末端に酸無水物基を有する(メタ)アクリル重合体中の酸無水物基のモル数と末端にアミノ基を有するポリペプチド中のアミノ基のモル数との比は、使用する目的に合わせて適宜選択することができるが、好ましくは片末端に酸無水物基を有する(メタ)アクリル重合体中の酸無水物基のモル数/末端にアミノ基を有するポリペプチド中のアミノ基のモル数が0.3~1.0であり、この範囲であれば反応の制御が容易である。
ブロックポリマーを形成する際の溶剤としては、以下の例には限定されないが、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ジアセトンアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、トルエン、キシレン、アニソール、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、N-ビニルピロリドン、N-メチルカプロラクタム、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ピリジン、ジメチルスルホン、ヘキサメチルスルホキシド、m-クレゾール、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン等が挙げられる。これらの溶剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ブロックポリマー中における(メタ)アクリル樹脂ユニット(A)の割合は、使用する目的に合わせて適宜調整してよいが、好ましくはブロックポリマー100重量%中、(メタ)アクリル樹脂ユニット(A)が10~80重量%である。この範囲であると、ブロックポリマー化することによる種々の効果を期待できる。
以下に、実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。なお、実施例における「部」は「重量部」を、「%」は「重量%」をそれぞれ表す。
なお、実施例中の樹脂固形分濃度、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、分子量分散度(PDI)、酸無水物価の測定方法は次の通りである。
<樹脂固形分濃度>
JISK5601-1-2に準拠し、加熱温度150℃、加熱時間20分で測定した時の加熱残分を樹脂固形分濃度(%)とした。
<数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、分子量分散度(PDI)>
RI検出器を装備したGPC(Shodex社製、GPC-104)にて、カラムとしてShodexGPCLF-604(Shodex社製)、展開溶媒にTHFを用いた時のポリスチレン換算分子量を用いて、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)を測定し、分子量分散度(PDI=Mw/Mn)を算出した。
<酸無水物価測定>
酸無水物価は、片末端に酸無水物基を有する(メタ)アクリル重合体をa(g)秤量した後にキシレン中に溶解させ、酸無水物基の当量以上のオクチルアミンをb(mmol)添加することで酸無水物基と1級アミノ基を反応させた。その後、室温まで冷却し、残存するオクチルアミン量を、0.1Mエタノール性過塩素酸を用いて滴定することにより定量した。滴定量をc(ml)とすると、以下の式から片末端に酸無水物基を有する(メタ)アクリル重合体の酸無水物価Xが求められる。
X=(b-0.1×c)/a
実施例中で使用する化合物の略称は、次の通りである。
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
PME-200:製品名「ブレンマーPME-200」(メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、日油社製、分子量276)
PPA:ポリフェニルアラニン、分子量1900
PBLG:ポリ(γ-ベンジル-L-グルタメート)、分子量2000
AIBN:2,2-アゾビスイソブチロニトリル
DMF:N,N-ジメチルホルムアミド
(合成例1)<(メタ)アクリル樹脂ユニット(A-1)の合成>
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、PGMEA832部、PME-200を800部仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器を80℃に加熱して、2-メルカプトコハク酸24.0部、AIBN8.0部を添加し、12時間反応した。固形分測定により95%が反応したことを確認した。
得られた溶液を50℃まで冷却した後、無水酢酸16.3部を反応容器に仕込み、100℃で9時間反応させた。酸無水物価の測定で、95%以上の連鎖移動剤の末端ジカルボン酸が酸無水物化するまで反応させた。得られた(メタ)アクリル樹脂ユニット(A-1)の溶液は、樹脂固形分濃度が50%であり、数平均分子量は5,000、重量平均分子量は9,000、分子量分散度は1.8であった。
(合成例2)<(メタ)アクリル樹脂ユニット(A-2)の合成>
2-メルカプトコハク酸、無水酢酸の配合量をそれぞれ40部、27.2部に変更した以外は、合成例1と同様の操作を行った。得られた(メタ)アクリル樹脂ユニット(A-2)の溶液は、片末端に酸無水物基を有し、樹脂固形分濃度が50%であり、数平均分子量は3,000、重量平均分子量は4,500、分子量分散度は1.5であった。
(実施例1)<ブロックポリマー(AB-1)>
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、ポリフェニルアラニン1.9部、DMF57.1部を仕込み窒素ガスで置換した。室温で撹拌しながら(メタ)アクリル樹脂ユニット(A-1)溶液10部をゆっくり添加した後、反応容器を70℃に加熱し、赤外吸収スペクトル測定により酸無水物基に由来する1850cm-1の吸収の消失を確認して反応を終了した。得られたブロックポリマー(AB-1)溶液の樹脂固形分濃度は10%であった。
(実施例2~4)<ブロックポリマー(AB-2)~(AB-4)>
末端にアミノ基を有するポリペプチド、(メタ)アクリル樹脂ユニット、溶剤の種類と配合量を表1の通り変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、ブロックポリマー(AB-2)~(AB-4)を得た。得られたブロックポリマー(AB-2)~(AB-4)の樹脂固形分濃度を表1に示す。
<ブロックポリマーの評価>
ブロックポリマーの形成を確認するために、実施例1~4で得られたジブロックポリマーの溶液、合成例1~2で得られた(メタ)アクリル樹脂ユニットの溶液、実施例1~4で使用した末端アミノ基を有するポリペプチドについて次のような試験を行った。判定結果を表2に示す。
(溶解性)
得られた樹脂溶液および末端アミノ基を有するポリペプチドを樹脂の固形分濃度が1%となるようにメタノールで希釈し、以下の評価基準で判定した。
○:完全に溶解している。
△:沈殿、凝集物が僅かに発生している。
×:不溶である。
Figure 0007081303000001
Figure 0007081303000002
実施例1~4で得られたジブロックポリマー、および合成例1~2で得られた(メタ)アクリル樹脂ユニットはいずれもメタノールに可溶であり、これに対して実施例1~4で用いたポリペプチドはメタノールに不溶であることから、ポリペプチドが(メタ)アクリル樹脂ユニットと連結した効果によって、メタノールへ可溶化したことが確認できた。

Claims (2)

  1. (メタ)アクリル樹脂ユニット(A)とポリペプチドユニット(B)がアミド結合および/またはイミド結合により連結されたブロックポリマーであり、(メタ)アクリル樹脂ユニット(A)の分子量分散度が1.25以上であり、前記アミド結合および/またはイミド結合が、(メタ)アクリル樹脂ユニット(A)の末端部に導入された連鎖移動剤残基により形成され、前記連鎖移動剤が2-メルカプトコハク酸であることを特徴とするブロックポリマー。
  2. ジブロックポリマーであることを特徴とする請求項1記載のブロックポリマー。
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