JP7080857B2 - 点火プラグ - Google Patents

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Description

本明細書は、点火プラグに関する。
従来から、燃料を燃焼させる装置(例えば、内燃機関)における点火に、点火プラグが用いられている。点火プラグとしては、例えば、筒状の主体金具と、貫通孔を有し主体金具の内周側に固定された絶縁体と、絶縁体の貫通孔内に配置された中心電極と、を備える点火プラグが、利用されている。絶縁体は、後端側から先端側に向かって内径が小さくなる縮内径部を有し、中心電極は、後端側から先端側に向かって外径が小さくなるとともに絶縁体の縮内径部に支持された縮外径部を有している。中心電極は、例えば、芯部と、芯部の少なくとも先端側の部分を被覆する外層と、を有している。芯部は、例えば、銅で形成され、外層は、例えば、ニッケル合金で形成されている。芯部は、中心電極から絶縁体への熱伝導を促進し、点火プラグの耐熱性能を向上する。
特開2015-122157号公報 特開2001-284013号公報 特開平5-13144号公報
内燃機関は、燃料の燃焼やバルブの開閉などに起因して、振動する。内燃機関の振動は、主体金具と絶縁体を通じて、中心電極に伝わる。振動が大きい場合、中心電極が破損し得る。例えば、中心電極のうち絶縁体に支持されている部分の近傍が、破損し得る。特に、中心電極が芯部を有する場合、中心電極の機械的強度が低下する場合があった。
本明細書は、中心電極の機械的強度を向上する技術を開示する。
本明細書に開示された技術は、以下の適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
軸線の方向に延び、後端側から先端側に向かって内径が小さくなる段部を有する筒状の主体金具と、
後端側から先端側に向かって延びる貫通孔と、後端側から先端側に向かって内径が小さくなる第1縮内径部と、後端側から先端側に向かって外径が小さくなる第1縮外径部と、を有し、前記主体金具の内周側に固定された絶縁体と、
後端側から先端側に向かって外径が小さくなるとともに前記絶縁体の前記第1縮内径部に支持された第2縮外径部と、前記第2縮外径部の先端側に接続された棒部と、を有する中心電極と、
を備える点火プラグであって、
前記絶縁体の前記第1縮外径部は、前記主体金具の前記段部に直接またはパッキンを介して支持され、
前記中心電極は、芯部と、前記芯部の少なくとも先端側の部分を被覆する外層と、を有し、
前記外層は、ニッケルを主成分とし、
前記芯部の熱伝導率は、前記外層の熱伝導率よりも高く、
前記中心電極の外面上の前記第2縮外径部と前記棒部との接続位置である第1位置を含み前記棒部の中心軸に垂直な第1断面と、前記棒部の途中の特定の部分における前記棒部の前記中心軸に垂直な第2断面とは、それぞれ、前記外層と前記芯部とを含み、
前記第1断面上での前記外層の最小の厚さである第1最小厚は、前記第2断面上での前記外層の最小の厚さである第2最小厚よりも大きく、
前記第1断面上での前記芯部の面積は、前記第2断面上での前記芯部の面積よりも小さい、
点火プラグ。
この構成によれば、中心電極が芯部と外層とを有し、芯部の熱伝導率が外層の熱伝導率よりも高いので、点火プラグの耐熱性能の低下を抑制できる。さらに、第1断面上での外層の第1最小厚は、第2断面上での外層の第2最小厚よりも大きく、第1断面上での芯部の面積は、第2断面上での芯部の面積よりも小さい。従って、中心電極のうち絶縁体に支持されている第2縮外径部と棒部との接続部分の機械的強度を、向上できる。
[適用例2]
適用例1に記載の点火プラグであって、
前記特定の部分は、前記パッキンまたは前記主体金具の前記段部と、前記絶縁体の前記第1縮外径部と、の接触部分の前記中心軸の方向の先端と、前記絶縁体の前記中心軸の方向の先端と、の間の前記中心軸の方向の中点の位置よりも先端側の部分である、
点火プラグ。
この構成によれば、パッキンまたは主体金具の段部と絶縁体の第1縮外径部との接触部分の先端と、絶縁体の先端と、の間の中点の位置よりも先端側の特定の部分における第2断面上での芯部の面積が、第1断面上での芯部の面積よりも大きいので、点火プラグの耐熱性能の低下を抑制できる。
[適用例3]
適用例1または2に記載の点火プラグであって、
前記中心電極の前記棒部の前記中心軸を含み、前記中心軸に沿った断面において、前記中心電極の前記外面上の前記第1位置を中心として、前記第1最小厚を半径とする仮想円を描いたときに、前記中心電極の前記仮想円と重なる部分のうち、前記第1位置よりも前記中心軸の方向の先端側の部分は、前記芯部を含まずに前記外層で形成されている、
点火プラグ。
この構成によれば、中心電極の第2縮外径部と棒部との接続部分の機械的強度を、向上できる。
[適用例4]
適用例1から3のいずれかに記載の点火プラグであって、
前記中心電極の前記棒部の前記中心軸を含み、前記中心軸に沿った断面において、前記中心電極の前記外面上の前記第1位置を中心として、前記第1最小厚を半径とする仮想円を描いたときに、前記中心電極の前記仮想円と重なる部分は、前記芯部を含まずに前記外層で形成されている、
点火プラグ。
この構成によれば、中心電極の第2縮外径部と棒部との接続部分の機械的強度を、向上できる。
[適用例5]
適用例1から4のいずれかに記載の点火プラグであって、
前記芯部は、前記第1位置よりも前記中心軸の方向の後端側において、後端側に向かって外径が大きくなる部分を含む、
点火プラグ。
この構成によれば、第1位置よりも後端側において、芯部が絶縁体に近いので、点火プラグの耐熱性能の低下を抑制できる。
[適用例6]
適用例5に記載の点火プラグであって、
前記中心電極の前記棒部を通り前記中心軸に平行な少なくとも1つの断面上の前記第1位置よりも前記中心軸の方向の後端側において、前記芯部は、前記第1位置よりも外周側まで延びている、
点火プラグ。
この構成によれば、第1位置よりも後端側において、芯部が絶縁体に近いので、点火プラグの耐熱性能の低下を抑制できる。
[適用例7]
軸線の方向に延び、後端側から先端側に向かって内径が小さくなる段部を有する筒状の主体金具と、
後端側から先端側に向かって延びる貫通孔と、後端側から先端側に向かって内径が小さくなる第1縮内径部と、前記第1縮内径部よりも先端側に配置され後端側から先端側に向かって外径が小さくなる第1縮外径部と、を有し、前記主体金具の内周側に固定された絶縁体と、
後端側から先端側に向かって外径が小さくなるとともに前記絶縁体の前記第1縮内径部に支持された第2縮外径部と、前記第2縮外径部の先端側に接続された棒部と、を有する中心電極と、
を備える点火プラグであって、
前記絶縁体の前記第1縮外径部は、前記主体金具の前記段部に直接またはパッキンを介して支持され、
前記中心電極は、芯部と、前記芯部の少なくとも先端側の部分を被覆する外層と、を有し、
前記外層は、ニッケルを主成分とし、
前記芯部の熱伝導率は、前記外層の熱伝導率よりも高く、
前記中心電極の外面上の前記第2縮外径部と前記棒部との接続位置である第1位置を含み前記棒部の中心軸に垂直な第1断面は、前記芯部を含まずに前記外層で形成されており、
前記芯部は、前記中心軸の方向において、前記パッキンまたは前記主体金具の前記段部と、前記絶縁体の前記第1縮外径部と、の接触部分の先端よりも先端側の位置から、前記接触部分の前記先端までの範囲に配置される部分を含む、
点火プラグ。
この構成によれば、中心電極が芯部と外層とを有し、芯部の熱伝導率が外層の熱伝導率よりも高いので、点火プラグの耐熱性能の低下を抑制できる。また、中心電極の第1断面は、芯部を含まずに外層で形成されている。従って、中心電極のうち絶縁体に支持されている第2縮外径部と棒部との接続位置の機械的強度を、向上できる。さらに、パッキンまたは主体金具の段部と絶縁体の第1縮外径部との接触部分の先端よりも先端側において、中心電極の棒部の一部が芯部を含むので、点火プラグの耐熱性能の低下を抑制できる。
[適用例8]
適用例7に記載の点火プラグであって、
前記芯部の後端部では、先端側から後端側に向かって外径が小さくなっている、
点火プラグ。
この構成によれば、中心電極のうち芯部の後端部の近傍の部分の機械的強度を、向上できる。
なお、本明細書に開示の技術は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、点火プラグや点火プラグを用いた点火装置、その点火プラグを搭載する内燃機関や、その点火プラグを用いた点火装置を搭載する内燃機関等の態様で実現することができる。
一実施形態としての点火プラグ100の断面図である。 (A)-(E)は、中心電極20の説明図である。 (A)、(B)は、中心電極20の説明図である。 本体部28の製造方法の例を示す説明図である。 第2実施形態の点火プラグ100aの説明図である。 本体部28aの製造方法の例を示す説明図である。 第3実施形態の中心電極の説明図である。
A.第1実施形態:
図1は、一実施形態としての点火プラグ100の断面図である。図中には、点火プラグ100の中心軸CL(「軸線CL」とも呼ぶ)と、点火プラグ100の中心軸CLを含む平らな断面と、が示されている。以下、中心軸CLに平行な方向を「軸線CLの方向」、または、単に「軸線方向」とも呼ぶ。軸線CLを中心とする円の径方向を「径方向」とも呼ぶ。径方向は、軸線CLに垂直な方向である。軸線CLを中心とする円の円周方向を、「周方向」とも呼ぶ。中心軸CLに平行な方向のうち、図1における下方向を先端方向Df、または、前方向Dfと呼び、上方向を後端方向Dfr、または、後方向Dfrとも呼ぶ。先端方向Dfは、後述する端子金具40から中心電極20に向かう方向である。また、図1における先端方向Df側を点火プラグ100の先端側と呼び、図1における後端方向Dfr側を点火プラグ100の後端側と呼ぶ。
点火プラグ100は、後方向Dfr側から前方向Df側に向かって延びる貫通孔12(軸孔12とも呼ぶ)を有する筒状の絶縁体10と、貫通孔12の先端側で保持される中心電極20と、貫通孔12の後端側で保持される端子金具40と、貫通孔12内で中心電極20と端子金具40との間に配置された抵抗体73と、中心電極20と抵抗体73とに接触してこれらの部材20、73を電気的に接続する導電性の第1シール部72と、抵抗体73と端子金具40とに接触してこれらの部材73、40電気的に接続する導電性の第2シール部74と、絶縁体10の外周側に固定された筒状の主体金具50と、一端が主体金具50の環状の先端面55に接合されるとともに他端が中心電極20と放電ギャップgを介して対向するように配置された接地電極30と、を有している。
絶縁体10は、軸線CLに沿って延びる筒状の部材である。絶縁体10の中央部分には、最も外径が大きい部分である大径部14が形成されている。大径部14の後方向Dfr側には、大径部14の外径よりも小さい外径を有する後端側胴部13が接続されている。大径部14と後端側胴部13との接続部分18では、外径が、後方向Dfrに向かって、徐々に小さくなっている(接続部分18を、後端側縮外径部18とも呼ぶ)。
大径部14の前方向Df側には、大径部14の外径よりも小さい外径を有する先端側胴部15が接続されている。先端側胴部15の前方向Df側には、先端側胴部15の外径よりも小さい外径を有する脚部19が接続されている。脚部19は、絶縁体10の先端を含む部分である。先端側胴部15と脚部19との接続部分16では、外径は、前方向Dfに向かって、徐々に小さくなっている(接続部分16を、第1縮外径部16とも呼ぶ)。また、先端側胴部15には、第1縮内径部11が設けられている。第1縮内径部11の内径は、前方向Dfに向かって、徐々に小さくなっている。
絶縁体10は、機械的強度と、熱的強度と、電気的強度とを考慮して形成されることが好ましい。絶縁体10は、例えば、アルミナを焼成して形成されている(他の絶縁材料も採用可能である)。
中心電極20は、後方向Dfr側から前方向Df側に向かって延びる棒状の金属製の部材である。中心電極20のうち後端方向Dfr側の一部分は、絶縁体10の貫通孔12の前方向Df側の部分に挿入されている。中心電極20は、本体部28と、本体部28の先端に接合(例えば、レーザ溶接)された第1チップ29と、を有している。本体部28は、後方向Dfr側の部分である頭部24と、頭部24の前方向Df側に接続された棒部27と、を有している。棒部27の形状は、前方向Df側に向かって延びる略円柱状である。頭部24は、棒部27の外径よりも大きな外径を有する鍔部23を形成している。鍔部23のうちの前方向Df側の部分は、前方向Df側に向かって外径が徐々に小さくなる第2縮外径部25を形成している。第2縮外径部25は、絶縁体10の第1縮内径部11によって支持されている。棒部27は、第2縮外径部25の前方向Df側に接続されている。第1チップ29は、棒部27の前方向Df側の端に接合されている。
本体部28は、外層21と、外層21の内周側に配置された芯部500と、を有している。外層21は、芯部500よりも耐酸化性に優れる材料で形成されている。本実施形態では、外層21は、NCF600、NCF601などのニッケルを主成分として含む合金で形成されている。ここで、主成分は、含有率(質量パーセント(wt%))が最も高い成分を意味している。芯部500は、外層21よりも熱伝導率が高い材料(例えば、純銅、銅を主成分として含む合金、等)で形成されている。外層21は、芯部500の前方向Df側の一部分を、被覆している。第1チップ29は、本体部28の外層21に接合されている。第1チップ29は、棒部27よりも放電に対する耐久性に優れる材料(例えば、イリジウム(Ir)、白金(Pt)等の貴金属)を用いて形成されている。中心電極20のうち第1チップ29を含む前方向Df側の一部分は、絶縁体10の軸孔12から前方向Df側に露出している。なお、第1チップ29は、省略されてよい。
端子金具40は、軸線CLに沿って延びる棒状の部材である。端子金具40は、導電性材料を用いて形成されている(例えば、鉄を主成分として含む金属)。端子金具40のうちの前方向Df側の棒状の部分41は、絶縁体10の軸孔12の後方向Dfr側の部分に挿入されている。
絶縁体10の貫通孔12内の抵抗体73は、電気的なノイズを抑制するための部材である。抵抗体73は、例えば、ガラスと導電性材料(例えば、炭素粒子)とセラミック粒子との混合物を用いて形成されている。シール部72、74は、導電性材料(例えば、銅や鉄などの金属粒子)とガラスとの混合物を用いて形成されている。中心電極20は、第1シール部72、抵抗体73、第2シール部74によって、端子金具40に電気的に接続されている。
主体金具50は、軸線CLに沿って延びる貫通孔59を有する筒状の部材である。主体金具50の貫通孔59には、絶縁体10が挿入され、絶縁体10は、主体金具50の内周側に固定されている。主体金具50は、導電材料(例えば、主成分である鉄を含む炭素鋼等の金属)を用いて形成されている。絶縁体10の前方向Df側の一部は、貫通孔59の外に露出している。また、絶縁体10の後方向Dfr側の一部は、貫通孔59の外に露出している。
主体金具50は、工具係合部51と、外張出部54と、先端側胴部52と、を有している。工具係合部51は、点火プラグ用のレンチ(図示せず)が嵌合する部分である。外張出部54は、工具係合部51よりも前方向Df側に配置され、径方向外側に張り出したフランジ状の部分である。外張出部54の前方向Df側の面54fは、座面であり、内燃機関のうちの取付孔を形成する部分である孔形成部(例えば、エンジンヘッドの一部)とのシールを形成する(金具座面54f、または、単に座面54fとも呼ぶ)。先端側胴部52は、外張出部54の前方向Df側に接続された部分であり、主体金具50の先端面55を含む部分である。先端側胴部52の外周面には、図示しない内燃機関の取付孔に螺合するための雄ネジが形成された部分であるネジ部57が設けられている(雄ネジ部57とも呼ぶ)。軸線CLは、ネジ部57の雄ネジの中心軸である。ネジ部57の雄ネジは、軸線CLの方向に延びている。
外張出部54の座面54fと先端側胴部52のネジ部57との間には、環状のガスケット80が配置されている。ガスケット80は、座面54fに接触可能なように、主体金具50に装着されている。ガスケット80は、点火プラグ100がエンジンヘッドに取り付けられた際に押し潰されて変形する。このガスケット80の変形によって、点火プラグ100とエンジンヘッドとの隙間が封止される。ガスケット80は、例えば、鉄などの金属で形成されている。
主体金具50の先端側胴部52の内周側には、径方向の内側に向かって張り出した内張出部56が形成されている。内張出部56の後方向Dfr側の部分56rでは、内径が、前方向Dfに向かって、徐々に小さくなる(部分56rを、段部56rとも呼ぶ)。段部56rと、絶縁体10の第1縮外径部16と、の間には、先端側パッキン8が挟まれている。内張出部56は、パッキン8を介して間接的に、絶縁体10の第1縮外径部16を支持している。以下、内張出部56を、支持部56とも呼ぶ。
主体金具50の工具係合部51より後端側には、主体金具50の後端を形成するとともに工具係合部51と比べて薄肉の部分である後端部53が形成されている。また、外張出部54と工具係合部51との間には、外張出部54と工具係合部51とを接続する接続部58が形成されている。接続部58の肉厚は、外張出部54と工具係合部51とのそれぞれの肉厚と比べて、薄い。主体金具50の工具係合部51から後端部53にかけての内周面と、絶縁体10の縮外径部18の後方向Dfr側の部分の外周面との間には、円環状のリング部材61、62が挿入されている。さらに、これらのリング部材61、62の間には、タルク70の粉末が充填されている。点火プラグ100の製造工程において、後端部53が内側に折り曲げられて加締められると、接続部58が変形し、この結果、主体金具50と絶縁体10とが固定される。タルク70は、この加締め工程の際に圧縮され、主体金具50と絶縁体10との間の気密性が高められる。また、パッキン8は、絶縁体10の第1縮外径部16と主体金具50の内張出部56との間で押圧され、そして、主体金具50と絶縁体10との間をシールする。このように、絶縁体10は、主体金具50の内張出部56と主体金具50の後端部53との間で挟持される。
接地電極30は、金属製の部材であり、棒状の本体部37と、本体部37の先端部34に取り付けられた第2チップ39と、を有している。本体部37の他方の端部33(基端部33とも呼ぶ)は、主体金具50の先端面55に接合されている(例えば、抵抗溶接)。本体部37は、主体金具50に接合された基端部33から先端方向Dfに向かって延び、中心軸CLに向かって曲がり、軸線CLに交差する方向に延びて、先端部34に至る。本体部37は、外層31と、外層31の内周側に配置された内層32と、を有している。外層31は、内層32よりも耐酸化性に優れる材料(例えば、ニッケルを主成分として含む合金)で形成されている。内層32は、外層31よりも熱伝導率が高い材料(例えば、純銅、銅を主成分として含む合金、等)で形成されている。
第2チップ39は、先端部34の後方向Dfr側の部分に固定されている(例えば、抵抗溶接やレーザ溶接)。接地電極30の第2チップ39は、中心電極20の第1チップ29の前方向Df側に配置されている。接地電極30の第2チップ39と、中心電極20の第1チップ29とは、放電ギャップgを形成している。第2チップ39は、本体部37よりも放電に対する耐久性に優れる材料(例えば、イリジウム(Ir)、白金(Pt)等の貴金属)を用いて形成されている。なお、第2チップ39は、省略されてもよい。また、内層32は、省略されてよい。
点火プラグ100は、内燃機関(図示せず)の取付孔に取り付けられ得る。中心電極20のうちの前方向Df側の部分には、燃焼ガスが接触し得る。燃焼ガスから受ける熱によって、中心電極20の温度は、高くなり得る。高温の中心電極20は、点火プラグ100の耐熱性能を低下させ得る。例えば、高温の中心電極20は、プレイグニションを引き起こし得る。本実施形態では、中心電極20は、以下のように冷却される。中心電極20が燃焼ガスから受けた熱は、中心電極20の第2縮外径部25と絶縁体10の第1縮内径部11とを介して絶縁体10へ伝達される。絶縁体10が中心電極20から受けた熱は、絶縁体10の第1縮外径部16と先端側パッキン8と主体金具50の段部56rとを介して、主体金具50へ伝達される。主体金具50が受けた熱は、主体金具50の雄ネジ部57を介して、図示しない内燃機関へ伝達される。本実施形態では、芯部500の熱伝導率は、外層21の熱伝導率よりも高い。芯部500は、中心電極20の前方向Df側の部分から後方向Dfr側へ向かって、容易に熱を伝導できる。このように、芯部500は、中心電極20の冷却を促進することによって、点火プラグ100の耐熱性能の低下を抑制できる。
図2(A)-図2(E)は、中心電極20の説明図である。図2(A)は、点火プラグ100のうちの中心電極20を含む一部分の断面図である。図中には、中心電極20の棒部27の中心軸CL2が示されている(中心軸CL2を、電極中心軸CL2とも呼ぶ)。棒部27は、電極中心軸CL2に沿って延びている。棒部27の形状は、電極中心軸CL2を中心とする略円柱状である。棒部27の外径は、棒部27の前方向Dfの端部を除いて、おおよそ一定である。図2(A)の断面は、電極中心軸CL2を含む断面である。この断面は、電極中心軸CL2に平行であり、電極中心軸CL2に沿って広がっている。なお、本実施形態では、電極中心軸CL2は、点火プラグ100の中心軸CL(プラグ中心軸CLとも呼ぶ)と一致している。従って、前方向Dfは、電極中心軸CL2に平行に端子金具40から中心電極20へ向かう方向と同じである。後方向Dfrは、前方向Dfの反対方向であり、電極中心軸CL2に平行である。
図示するように、本実施形態では、中心電極20の芯部500は、前方向Df側から後方向Dfr側に向かって並ぶ3つの部分501、502、503を含んでいる。第1部分501は、芯部500の前方向Df側の端である先端507を形成する部分である。第3部分503は、芯部500の後方向Dfr側の端である後端508を形成する部分である。これらの端507、508は、電極中心軸CL2に平行な方向の端である。第2部分502は、第1部分501と第3部分503との間の部分である。第2部分502は、第2縮外径部25と棒部27との接続位置の近傍に位置している。第2部分502は、他の部分501、503と比べて、細い。この理由は、以下の通りである。
上述したように、中心電極20の第2縮外径部25は、絶縁体10の第1縮内径部11に支持されている。第2縮外径部25の前方向Df側に接続された棒部27は、絶縁体10によって支持されていない。例えば、棒部27と絶縁体10の内周面12iとの間には、隙間があいている。内燃機関の振動などによって点火プラグ100が振動する場合、棒部27は、第2縮外径部25に対して、振動し得る。このような振動に起因して、中心電極20の第2縮外径部25と棒部27との接続部分26には、大きな応力が作用し得る。本実施形態では、中心電極20の接続部分26において、芯部500が細く、外層21が厚い。そして、外層21の主成分は、ニッケルである。ニッケルは、良好な機械的強度を有する材料の例である。中心電極20が、上記の構成を有するので、中心電極20の接続部分26を太くせずに、接続部分26の機械的な強度を向上できる。
また、本実施形態では、中心電極20は、以下の構成を有している。図2(B)は、第1位置210の説明図である。図中には、図2(A)の断面のうち、中心電極20の第2縮外径部25と棒部27との接続部分26の部分拡大図が示されている。第1位置210は、中心電極20の外面20o上の第2縮外径部25と棒部27との接続位置である。第1位置210は、以下のように、特定される。図2(B)中の断面上において、第2縮外径部25の直線部分25Lは、外面20oを示す線のうちの第2縮外径部25を示す部分に含まれる直線部分であり、棒部27に最も近い直線部分である。第1仮想直線25Xは、この直線部分25Lを延長して得られる直線である。棒部27の直線部分27Lは、外面20oを示す線のうちの棒部27を示す部分に含まれる直線部分であり、第2縮外径部25に最も近い直線部分である。第2仮想直線27Xは、この直線部分27Lを延長して得られる直線である。交点PXは、これらの仮想直線25X、27Xの交点である。第1位置210は、図中の断面上において、外面20oを示す線上における交点PXに最も近い位置である。
図2(C)は、中心電極20の第1断面219である。第1断面219は、第1位置210(図2(B))を含み、電極中心軸CL2に垂直な断面である。図2(D)は、中心電極20の第2断面229である。第2断面229は、第2位置220(図2(A))を含み、電極中心軸CL2に垂直な断面である。第2位置220は、棒部27の途中の特定の部分22の電極中心軸CL2の方向の位置である。図示するように、第1断面219と第2断面229とは、それぞれ、外層21と芯部500とを含んでいる。
第1断面219上には、外層21の第1最小厚T1が示されている。第1最小厚T1は、第1断面219上での外層21の最小の厚さである。第1最小厚T1は、第1断面219上での芯部500の外面509と中心電極20の外面20o(すなわち、外層21の外面)との間の最短距離である。同様に、第2断面229上には、外層21の第2最小厚T2が示されている。第2最小厚T2は、第2断面229上での外層21の最小の厚さである。第2最小厚T2は、第1最小厚T1と同様に、特定される。図示するように、本実施形態では、第1最小厚T1は、第2最小厚T2よりも、大きい。また、図2(C)の第1面積S1は、第1断面219上の芯部500の面積である。図2(D)の第2面積S2は、第2断面229上の芯部500の面積である。本実施形態では、第1面積S1は、第2面積S2よりも小さい。このように、「T1>T2、かつ、S1<S2」が満たされる場合、中心電極20の第1位置210の部分(すなわち、接続部分26)では、棒部27の途中の第2位置220の部分22と比べて、外層21が厚く芯部500が細い。従って、中心電極20を太くせずに、中心電極20の接続部分26の機械的強度を向上できる。また、棒部27の途中の部分22では、第1位置210の部分26と比べて、芯部500が太い。従って、芯部500は、棒部27の途中の部分22を通じて、容易に熱を後方向Dfr側へ伝導できる。
ここで、本実施形態では、第2位置220は、以下に説明する先端位置230を用いて特定される。図2(E)は、先端位置230の説明図である。図中には、図2(A)の断面のうち、絶縁体10の第1縮外径部16と主体金具50の段部56rとを含む一部分の部分拡大図が示されている。図示するように、第1縮外径部16と段部56rとの間に、先端側パッキン8が挟まれている。接触部分238は、第1縮外径部16と先端側パッキン8との接触部分である。先端位置230は、接触部分238の前方向Df側の端の位置である(接触先端位置230とも呼ぶ)。なお、接触先端位置230は、電極中心軸CL2に平行な方向の端の位置を示している。
図2(A)には、中点位置240が示されている。中点位置240は、接触先端位置230と、絶縁体10の先端10eと、の間の電極中心軸CL2に平行な方向の中点位置である。絶縁体10の先端10eは、電極中心軸CL2に平行な方向の端である。第2位置220は、中点位置240よりも前方向Df側に配置されている。このような第2位置220が採用され、そして、第2位置220において「T1>T2、かつ、S1<S2」という特定条件が満たされる場合、中心電極20は、中心電極20の前方向Df側の部分(特に、中点位置240から前方向Df側の部分)から後方向Dfr側へ向かって、容易に熱を伝導できる。従って、芯部500は、点火プラグ100の耐熱性能の低下を抑制できる。なお、棒部27のうちの特定条件を満たす部分(すなわち、特定条件を満たす第2位置220)は、棒部27の途中の一部であってよい。
なお、燃焼ガスは、絶縁体10と主体金具50との間の隙間に入り得る。接触先端位置230は、燃焼ガスが移動可能な位置の範囲の後方向Dfr側の端を示している。接触先端位置230よりも前方向Df側では、絶縁体10と主体金具50とは、燃焼ガスによって、昇温され易い。接触先端位置230よりも後方向Dfr側では、接触先端位置230よりも前方向Df側と比べて、絶縁体10と主体金具50とは、昇温され難い。本実施形態では、芯部500は、接触先端位置230よりも前方向Df側から接触先端位置230よりも後方向Dfr側まで延びている。このような芯部500は、接触先端位置230よりも前方向Df側の高温の領域から、接触先端位置230よりも後方向Dfr側の低温の領域へ、熱を伝導できる。従って、芯部500は、点火プラグ100の耐熱性能を向上できる。
また、本実施形態では、中心電極20は、以下の構成を有している。図3(A)は、中心電極20の説明図である。図中には、中心電極20のうちの接続部分26を含む一部分の断面図が示されている。この断面は、電極中心軸CL2を含み、電極中心軸CL2に平行な断面である。
図3(A)には、仮想円600a、600bが示されている。仮想円600a、600bは、中心電極20の外面20o上の第1位置210を中心として、第1最小厚T1(図2(C))を半径とする仮想的な円である。図中において、第1仮想円600aは、電極中心軸CL2の右側の第1位置210を中心とする円であり、第2仮想円600bは、電極中心軸CL2の左側の第1位置210を中心とする円である。
中心電極20と仮想円600a、600bとの重なる部分は、先端側部分610a、610bと、後端側部分620a、620bと、に分けられる。先端側部分610a、610bは、電極中心軸CL2に平行な方向の位置が、第1位置210よりも前方向Df側である部分である。後端側部分620a、620bは、電極中心軸CL2に平行な方向の位置が、第1位置210よりも後方向Dfr側である部分である。
棒部27が、第2縮外径部25に対して振動する場合、仮想円600a、600bに重なる部分のうち、棒部27に近い部分、すなわち、先端側部分610a、610bに、大きな応力が作用し得る。本実施形態では、先端側部分610a、610bは、芯部500を含まず、外層21で形成されている。従って、先端側部分610a、610bの破損が抑制されるので、接続部分26の機械的強度を、向上できる。
また、棒部27が、第2縮外径部25に対して振動する場合、中心電極20のうちの仮想円600a、600bに重なる種々の部分に、大きな応力が作用し得る。本実施形態では、中心電極20のうちの仮想円600a、600bに重なる部分(すなわち、先端側部分610a、610bと後端側部分620a、620bの全体)は、芯部500を含まず、外層21で形成されている。従って、接続部分26の機械的強度を、向上できる。
なお、電極中心軸CL2を含む断面としては、断面の法線方向が互いに異なる複数の断面が、存在する。複数の断面のうち少なくとも1つの断面において、先端側部分610a、610bは、芯部500を含まず、外層21で形成されていることが好ましい。他の1以上の断面において、第1先端側部分610a、または、第2先端側部分610bは、芯部500を含んでもよい。同様に、複数の断面のうち少なくとも1つの断面において、仮想円600a、600bに重なる部分は、芯部500を含まず、外層21で形成されていることが好ましい。他の1以上の断面において、第1仮想円600aに重なる部分、または、第2仮想円600bに重なる部分は、芯部500を含んでもよい。ただし、電極中心軸CL2を含む任意の断面において、先端側部分610a、610bが、芯部500を含まず、外層21で形成されている場合には、接続部分26の機械的強度をさらに向上できる。また、電極中心軸CL2を含む任意の断面において、仮想円600a、600bに重なる部分が、芯部500を含まず、外層21で形成されている場合には、接続部分26の機械的強度をさらに向上できる。
また、本実施形態では、中心電極20は、以下の構成を有している。図3(B)は、中心電極20の説明図である。図中には、図3(A)と同じ断面図が示されている。図示するように、芯部500は、第1位置210よりも後方向Dfr側において、後方向Dfr側に向かって外径が大きくなる拡径部504を含んでいる。拡径部504の電極中心軸CL2に平行な方向の位置は、第1位置210よりも後方向Dfr側である。このように、第1位置210よりも後方向Dfr側において、芯部500が絶縁体10(図2(A))の内周面12iに近づくので、芯部500は、絶縁体10に熱を適切に伝導できる。このように、芯部500は、中心電極20の冷却を促進することによって、点火プラグ100の耐熱性能の低下を抑制できる。
また、本実施形態では、中心電極20は、以下の構成を有している。図3(B)に示す断面のように、棒部27を通り電極中心軸CL2に平行な断面上において、芯部500は、第1位置210よりも外周側まで延びる大径部505を含んでいる。電極中心軸CL2に平行な方向の大径部505の位置は、第1位置210よりも後方向Dfr側である。このように、第1位置210よりも後方向Dfr側において、芯部500が絶縁体10(図2(A))の内周面12iに近づくので、芯部500は、絶縁体10に熱を適切に伝導できる。このように、芯部500は、中心電極20の冷却を促進することによって、点火プラグ100の耐熱性能の低下を抑制できる。
なお、第2縮外径部25と棒部27との接続部分の外面20oの形状は、周方向の位置に応じて異なり得る。この場合、図2(B)で説明した第1位置210の電極中心軸CL2の方向の位置は、周方向の位置に応じて異なり得る。この場合、周方向の種々の位置のそれぞれにおいて、図2(B)を参照して説明した第1位置210の特定方法によって第1位置210の候補が特定されてよい。そして、電極中心軸CL2に平行な方向の位置が最も後方向Dfr側に位置する候補が、第1位置210として採用されてよい。そして、採用された候補(すなわち、第1位置210)の電極中心軸CL2に平行な方向の位置が、種々の周方向の第1位置210に共通な位置として採用されてよい。
図4は、中心電極20の本体部28の製造方法の例を示す説明図である。S110では、複数の部材310、320、330、340が準備される。S110を示すボックスの中には、部材310、320、330、340の分解斜視図が示されている。後述するように、部材310、320、330、340が組み立てられて組立体が形成される。そして、組立体が鍛造によって加工されて、本体部28が成形される。図中の中心軸CL2と方向Df、Dfrとは、完成した中心電極20(図2(A))における加工済みの部材310、320、330、340から見た中心軸CL2と方向Df、Dfrとを示している。以下、中心軸CL2と方向Df、Dfrとを用いて、位置関係を説明する。
第1部材310は、中心軸CL2を中心とし、前方向Df側が塞がれた円筒状の容器である。第2部材320は、中心軸CL2を中心とする円柱状の部材であり、第1部材310の後方向Dfr側に配置される。第2部材320の後方向Dfr側の面には、後方向Dfr側に突出する突出部321が設けられている。突出部321の形状は、電極中心軸CL2を中心とする円柱状である。第3部材330は、中心軸CL2を中心とする環状の部材であり、第2部材320の後方向Dfr側に配置される。第3部材330の貫通孔331の内径は、第2部材320の突出部321の外径とおおよそ同じである。第3部材330の中心軸CL2の方向の厚みは、突出部321の中心軸CL2の方向の高さとおおよそ同じである。第4部材340は、中心軸CL2を中心とする円板状の部材であり、第3部材330の後方向Dfr側に配置される。部材320、330、340の外径は、第1部材310の凹部311の内径とおおよそ同じである。
第1部材310と第3部材330とは、外層21を形成するための部材であり、例えば、ニッケルを主成分として含む合金で形成されている。第2部材320と第4部材340とは、芯部500を形成するための部材であり、例えば、銅で形成されている。各部材310-340の製造方法は、任意の方法であってよい(例えば、鍛造、または、切削)。
S120では、部材310、320、330、340が組み立てられて組立体が形成される。S120を示すボックスの中には、組立体390の中心軸CL2を含む断面図が示されている。図示するように、第1部材310の凹部311内に、部材320、330、340が配置されている。第2部材320の突出部321は、第3部材330の貫通孔331内に嵌め込まれている。
S130では、組立体390の鍛造と焼鈍とが繰り返される。この繰り返しにより、組立体390の形状は、徐々に、本体部28の形状に近づく。例えば、組立体390は、徐々に細くなる。鍛造によって、各部材310-340は、硬くなり得る。鍛造の後の焼鈍によって、各部材310-340の硬さは低下し得る。鍛造と焼鈍との繰り返しにより、複数の部材310-340は、一体化される。そして、本体部28が完成する(S140)。なお、本実施形態では、本体部28には、第1チップ29(図1)が接合される。これにより、中心電極20が完成する。
図4中のS140を示すボックスの中には、本体部28の中心軸CL2を含む断面図が示されている。図中には、本体部28の部分に対応する部材310、320、330、340の符号も付されている。図示するように、外層21は、主に、第1部材310によって形成される。外層21のうち鍔部23を形成する部分は、第3部材330を含んでいる。芯部500の第1部分501は、第2部材320によって形成される。第2部分502は、突出部321によって形成される。第3部分503は、第4部材340によって形成される。
芯部500の第3部分503のうち拡径部504と大径部505とは、鍔部23の形成時に、形成されてよい。例えば、棒状の組立体390は、鍔部23に対応するキャビティを有する成形型内に配置される。そして、鍔部23に対応する部分の前方向Df側の部分と後方向Dfr側の部分とに、互いに近づく方向の力が印加される。これにより、鍔部23に対応する部分の外径が増大して、鍔部23が形成される。この成形により、第4部材340のうちの鍔部23の内周側の部分の外径が増大し、拡径部504と大径部505とが形成される。これに代えて、本体部28のうちの鍔部23以外の部分の外径を小さくする成形が行われてよい。これにより、第4部材340のうち鍔部23よりも後方向Dfr側の部分の外径が小さくなる。第4部材340のうち鍔部23の内周側の部分は、縮径されずに残る。これにより、拡径部504と大径部505とが形成される。
B.第2実施形態
図5は、第2実施形態の点火プラグ100aの説明図である。図1、図2(A)の点火プラグ100との差違は、中心電極20aの内部における芯部500aと外層21aとの形状が、中心電極20の内部における芯部500と外層21との形状と異なる点だけである。中心電極20aの外面20oaの形状は、中心電極20の外面20oの形状と同じである。例えば、中心電極20aの鍔部23a、頭部24a、第2縮外径部25a、棒部27a、本体部28aの外形は、中心電極20の鍔部23、頭部24、第2縮外径部25、棒部27、本体部28の外形と、それぞれ同じである。本実施形態では、外層21aは、芯部500aの全体を被覆している。外層21aの材料は、外層21(図2(A))の材料と同じである。芯部500aの材料は、芯部500(図2(A))の材料と同じである。点火プラグ100aの他の部分の構成は、点火プラグ100の対応する部分の構成と同じである(同じ要素には、同じ符号を付して、説明を省略する)。
図中には、図2(A)と同様に、点火プラグ100aのうちの中心電極20aを含む一部分の断面図が示されている。この断面は、電極中心軸CL2に平行である。本実施形態では、芯部500aには、図2(A)に示す第2部分502と第3部分503とは、設けられていない。図中において、先端507aは、芯部500aの前方向Df側の端である。後端508aは、芯部500aの後方向Dfr側の端である。これらの端507a、508aは、電極中心軸CL2に平行な方向の端である。
本実施形態では、電極中心軸CL2の方向の後端508aの位置は、接触先端位置230と第1位置210との間である。詳細な図示を省略するが、第1位置210を含み電極中心軸CL2に垂直な第1断面219aは、芯部500aを含まずに外層21aで形成されている。従って、第2縮外径部25aと棒部27aとの接続部分26aの機械的強度を向上できる。
また、本実施形態では、電極中心軸CL2の方向の先端507aの位置は、接触先端位置230よりも前方向Df側に位置している。図中の範囲Raは、電極中心軸CL2の方向の芯部500aの範囲である。この範囲Raは、芯部500aの先端507aから後端508aまでの範囲である。電極中心軸CL2の方向において、芯部500aの範囲Raは、接触先端位置230よりも先端側の先端507aから、接触先端位置230までの範囲Rxを含んでいる。このように、芯部500aは、範囲Rxに配置されている部分506aを含んでいる。すなわち、接触先端位置230よりも前方向Df側において、中心電極20aの棒部27aの一部は、芯部500aを含んでいる。このような芯部500aを備える中心電極20aは、中心電極20の前方向Df側の部分(特に、接触先端位置230よりも前方向Df側の部分)から後方向Dfr側へ向かって、容易に熱を伝導できる。従って、芯部500aは、点火プラグ100aの耐熱性能の低下を抑制できる。
また、図示するように、芯部500aの後端部504aでは、前方向Df側から後方向Dfr側に向かって外径が小さくなっている。すなわち、芯部500の後端部504aの近傍では、芯部500aが細く、外層21aが厚い。従って、中心電極20aのうち芯部500の後端部504aの近傍の部分の機械的強度を向上できる。
また、本実施形態においても、図2(A)の実施形態と同様に、芯部500aは、接触先端位置230よりも前方向Df側から接触先端位置230よりも後方向Dfr側まで延びている。芯部500aは、接触先端位置230よりも前方向Df側の高温の領域から、接触先端位置230よりも後方向Dfr側の低温の領域へ、熱を伝導できる。従って、芯部500aは、点火プラグ100aの耐熱性能を向上できる。
図6は、中心電極20aの本体部28aの製造方法の例を示す説明図である。S210では、複数の部材410、420、430、440が準備される。S210を示すボックスの中には、図4のS110を示すボックスと同様に、部材410、420、430、440の分解斜視図と、中心軸CL2と、方向Df、Dfrと、が示されている。図4の部材310、320、330、340との差違は、第4部材440が、外層21aを形成するための部材である点である。部材410、420、430、440のそれぞれの形状は、部材310、320、330、340のそれぞれの形状と同様である。第1部材410と第3部材430と第4部材440とは、外層21aを形成するための部材であり、例えば、ニッケルを主成分として含む合金で形成されている。第2部材420は、芯部500aを形成するための部材であり、例えば、銅で形成されている。
S220では、部材410、420、430、440が組み立てられて組立体490が形成される。S120を示すボックスの中には、図4のS120を示すボックスと同様に、組立体490の中心軸CL2を含む断面図が示されている。部材410-440の配置は、図4の部材310-340の配置と、同じである。例えば、第2部材420の突出部421は、第3部材430の貫通孔431内に嵌め込まれる。
S230では、組立体490の鍛造と焼鈍とが繰り返される。この繰り返しにより、組立体490の形状は、徐々に、本体部28aの形状に、近づく。鍛造と焼鈍との繰り返しにより、複数の部材410-440は、一体化される。そして、本体部28aが完成する(S240)。組立体490から本体部28aを形成する方法は、図4の実施形態の方法と同様である。S240を示すボックスの中には、本体部28aの中心軸CL2を含む断面図が示されている。図中には、本体部28aの部分に対応する部材410、420、430、440の符号も付されている。図示するように、外層21aは、主に、第1部材410によって形成される。外層21aのうち頭部24aを形成する部分は、第3部材430と第4部材440とを含んでいる。芯部500aは、第2部材420によって形成される。芯部500aの後端部504aは、突出部421によって形成される。
C.第3実施形態
図7は、第3実施形態の中心電極20bの説明図である。中心電極20bは、上記の中心電極20、20aの代わりに利用可能である。図中には、図3(A)と同様の断面図が示されている。図1、図2(A)-図2(E)、図3(A)の中心電極20との差違は、芯部500bから第3部分503が省略されている点と、芯部500bの第2部分502bが、中心電極20bの後端まで延びている点と、である。芯部500bの第1部分501bの形状は、図2(A)の第1部分501の形状と同じである。中心電極20bの外面20obの形状は、中心電極20の外面20oの形状と同じである。例えば、中心電極20bの鍔部23b、頭部24b、第2縮外径部25b、棒部27b、本体部28bの外形は、中心電極20の鍔部23、頭部24、第2縮外径部25、棒部27、本体部28の外形と、それぞれ同じである。外層21bの内部の形状は、芯部500bの形状に対応している。
芯部500bの第2部分502bの形状は、図2(A)の第2部分502の後方向Dfr側の細い部分を、中心電極20bの後端まで延長して得られる形状と同じである。このような芯部500bも、中心電極20bの前方向Df側の部分から後方向Dfr側へ向かって、熱を伝導できる。また、中心電極20bは、第1実施形態の中心電極20と同様に、図2(C)、図2(D)で説明した構成を有している。また、図7には、図3(A)で説明した第1位置210と仮想円600a、600bとが示されている。図3(A)の実施形態と同様に、仮想円600a、600bに重なる部分610a、610b、620a、620bは、芯部500bを含まず、外層21bで形成されている。従って、中心電極20bは、中心電極20bの接続部分26bの機械的強度を向上できる。なお、中心電極20bの製造方法は、種々の方法であってよい。例えば、図4の製造方法において、第4部材340を省略することによって、中心電極20bを製造できる。
D.変形例:
(1)図2(A)-図2(E)、図7の実施形態において、中心電極の棒部のうち「T1>T2、かつ、S1<S2」という特定条件を満たす特定部分は、中点位置240よりも先端方向Df側の部分を含むことが好ましい。ただし、中点位置240よりも前方向Df側では、特定条件が満たされなくてもよい。この場合も、特定条件を満たす特定部分は、中点位置240よりも後方向Dfr側の部分を含むことが好ましい。いずれの場合も、中心電極から絶縁体への熱伝導を促進するためには、特定部分は、接触先端位置230よりも前方向Df側の部分を含むことが好ましい。ただし、特定部分の全体が、接触先端位置230よりも後方向Dfr側に設けられてもよい。
(2)図3(A)、図7に示す実施形態において、仮想円600a、600b内の先端側部分610a、610bが、芯部500、500bを含んでもよい。また、後端側部分620a、620bが、芯部500、500bを含んでもよい。
(3)図3(B)の実施形態では、芯部500(具体的には、大径部505)は、電極中心軸CL2を含む断面上において、第1位置210よりも外周側まで延びている。芯部500は、このような断面に代えて、棒部27を通り電極中心軸CL2に平行で電極中心軸CL2から離れた断面上において、第1位置210よりの外周側まで延びてよい。この場合も、芯部500は、絶縁体10に熱を適切に伝導できる。一般的には、芯部500は、棒部27を通り電極中心軸CL2に平行な少なくとも1つの断面上の第1位置210よりも電極中心軸CL2の方向の後方向Dfr側において、第1位置210よりも外周側まで延びていることが好ましい。
(4)中心電極の構成は、上記各実施形態の構成に代えて、他の種々の構成であってよい。図2(A)、図7の実施形態では、中心電極20、20bの後方向Dfr側の端において、芯部500、500bは、外層21、21bに覆われずに露出している。これに代えて、芯部500、500bの全体が、外層21、21bに被覆されてよい。一般的に、外層は、芯部の全体を被覆してよく、これに代えて、芯部の前方向Df側の一部分のみを被覆してよい。
また、芯部の構成は、種々の構成であってよい。例えば、電極中心軸CL2の方向の芯部の位置の範囲は、種々の範囲であってよい。芯部は、接触先端位置230よりも前方向Df側の位置から、接触先端位置230までの範囲に配置される部分を含むことが好ましい。このような芯部は、中心電極を適切に冷却できる。また、芯部は、接触先端位置230と第1位置210との間の位置から、接触先端位置230までの範囲に配置される部分を含むことが好ましい。このような芯部は、中心電極を適切に冷却できる。なお、芯部は、第1位置210よりも後方向Dfr側の位置から、第1位置210までの範囲に配置される部分を含んでよい。また、図5の実施形態において、芯部500aの後端部504aの外径は、電極中心軸CL2の方向の位置に拘わらずに一定であってよく、後方向Dfr側に向かって増大してもよい。芯部の前方向Df側の端である先端の位置は、種々の位置であってよい。例えば、芯部の先端の電極中心軸CL2の方向の位置は、絶縁体10の先端よりも前方向Df側に位置してよく、絶縁体10の先端と同じ位置でよく、絶縁体10の先端よりも後方向Dfr側に位置してよい。いずれの場合も、熱の伝導のためには、芯部は、連続な部分であることが好ましい。
外層は、NCF600やNCF601に限らず、ニッケルを主成分として含む種々の材料(例えば、ニッケルを含む合金や純ニッケルなど)で形成されてよい。芯部は、銅や銅を含む合金に限らず、外層よりも熱伝導率の高い種々の材料で形成されてよい。
(5)中心電極の製造方法は、図4、図6等で説明した方法に代えて、他の任意の方法であってよい。例えば、突出部321、421は、第2部材320、420とは異なる別体の部材であってよい。また、図4の実施形態において、突出部321は、第4部材340の一部であってよい。また、図6の実施形態において、第3部材430と第4部材440との全体が、1個の部材で形成されてよい。また、図4の実施形態において、第4部材340は、省略されてよい。この場合、第3部分503の無い中心電極が、形成され得る。また、突出部321と第3部材330とは、省略されてよい。また、図5の実施形態において、突出部421と第3部材430とは、省略されてよい。また、鋳造や切削を用いて中心電極が製造されてよい。
(6)点火プラグの構成は、図1等で説明した構成に代えて、他の種々の構成であってよい。例えば、先端側パッキン8は、省略されてよい。この場合、絶縁体10の第1縮外径部16は、直接に、主体金具50の段部56rに支持される。そして、第1縮外径部16と段部56rとの接触部分の電極中心軸CL2の方向の先端の位置が、接触先端位置230(図2(A))の代わりに、接触先端位置として用いられる。また、上記各実施形態では、絶縁体10の第1縮外径部16は、第1縮内径部11よりも前方向Df側に設けられている。これに代えて、第1縮外径部16は、第1縮内径部11よりも後方向Dfr側に設けられてもよい。
電極中心軸CL2は、プラグ中心軸CLと一致していなくてもよい。例えば、絶縁体10の貫通孔12の中心軸がプラグ中心軸CLからずれている場合、電極中心軸CL2はプラグ中心軸CLからずれ得る。いずれの場合も、中心電極の構成を特定するための種々の位置関係は、電極中心軸CL2に基づいて特定されてよい。なお、電極中心軸CL2は、プラグ中心軸CLとおおよそ同じであることが好ましい。
また、中心電極の先端面(例えば、図1の第1チップ29の前方向Df側の面)に代えて、中心電極の側面(電極中心軸CL2に垂直な方向側の面)と、接地電極とが、放電用のギャップを形成してもよい。放電用のギャップの総数は、2以上であってもよい。接地電極30は、省略されてもよい。この場合、点火プラグの中心電極と、燃焼室内の他の部材と、の間で、放電が生じてよい。
以上、実施形態、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。
8…先端側パッキン、10…絶縁体、10e…先端、11…第1縮内径部、12…貫通孔(軸孔)、12i…内周面、13…後端側胴部、14…大径部、15…先端側胴部、16…第1縮外径部、18…後端側縮外径部、19…脚部、20、20a、20b…中心電極、20o、20oa、20ob…外面、21、21a、21b…外層、22…部分、23、23a、23b…鍔部、24、24a、24b…頭部、25、25a、25b…第2縮外径部、25L…直線部分、25X…第1仮想直線、26、26a、26b…接続部分、27、27a、27b…棒部、27L…直線部分、27X…第2仮想直線、28、28a、28b…本体部、29…第1チップ、30…接地電極、31…外層、32…内層、33…基端部、34…先端部、37…本体部、39…第2チップ、40…端子金具、41…部分、50…主体金具、51…工具係合部、52…先端側胴部、53…後端部、54…外張出部、54f…金具座面、55…先端面、56…支持部(内張出部)、56r…段部、57…雄ネジ部、58…接続部、59…貫通孔、61…リング部材、70…タルク、72…第1シール部、73…抵抗体、74…第2シール部、80…ガスケット、100、100a…点火プラグ、210…第1位置、219、219a…第1断面、220…第2位置、229…第2断面、230…接触先端位置、238…接触部分、240…中点位置、310…第1部材、311…凹部、320…第2部材、321…突出部、330…第3部材、331…貫通孔、340…第4部材、390…組立体、410…第1部材、420…第2部材、421…突出部、430…第3部材、431…貫通孔、440…第4部材、490…組立体、500、500a、500b…芯部、501、501b…第1部分、502、502b…第2部分、503…第3部分、504…拡径部、504a…後端部、505…大径部、506a…部分、507、507a…先端、508、508a…後端、509…外面、600a…第1仮想円、600b…第2仮想円、610a、610b…先端側部分、620a、620b…後端側部分、g…放電ギャップ、T1…第1最小厚、S1…第1面積、T2…第2最小厚、S2…第2面積、CL…プラグ中心軸(軸線)、CL2…電極中心軸、Df…先端方向(前方向)、Dfr…後端方向(後方向)

Claims (8)

  1. 軸線の方向に延び、後端側から先端側に向かって内径が小さくなる段部を有する筒状の主体金具と、
    後端側から先端側に向かって延びる貫通孔と、後端側から先端側に向かって内径が小さくなる第1縮内径部と、後端側から先端側に向かって外径が小さくなる第1縮外径部と、を有し、前記主体金具の内周側に固定された絶縁体と、
    後端側から先端側に向かって外径が小さくなるとともに前記絶縁体の前記第1縮内径部に支持された第2縮外径部と、前記第2縮外径部の先端側に接続された棒部と、を有する中心電極と、
    を備える点火プラグであって、
    前記絶縁体の前記第1縮外径部は、前記主体金具の前記段部に直接またはパッキンを介して支持され、
    前記中心電極は、芯部と、前記芯部の少なくとも先端側の部分を被覆する外層と、を有し、
    前記外層は、ニッケルを主成分とし、
    前記芯部の熱伝導率は、前記外層の熱伝導率よりも高く、
    前記中心電極の外面上の前記第2縮外径部と前記棒部との接続位置である第1位置を含み前記棒部の中心軸に垂直な第1断面と、前記棒部の途中の特定の部分における前記棒部の前記中心軸に垂直な第2断面とは、それぞれ、前記外層と前記芯部とを含み、
    前記第1断面上での前記外層の最小の厚さである第1最小厚は、前記第2断面上での前記外層の最小の厚さである第2最小厚よりも大きく、
    前記第1断面上での前記芯部の面積は、前記第2断面上での前記芯部の面積よりも小さい、
    点火プラグ。
  2. 請求項1に記載の点火プラグであって、
    前記特定の部分は、前記パッキンまたは前記主体金具の前記段部と、前記絶縁体の前記第1縮外径部と、の接触部分の前記中心軸の方向の先端と、前記絶縁体の前記中心軸の方向の先端と、の間の前記中心軸の方向の中点の位置よりも先端側の部分である、
    点火プラグ。
  3. 請求項1または2に記載の点火プラグであって、
    前記中心電極の前記棒部の前記中心軸を含み、前記中心軸に沿った断面において、前記中心電極の前記外面上の前記第1位置を中心として、前記第1最小厚を半径とする仮想円を描いたときに、前記中心電極の前記仮想円と重なる部分のうち、前記第1位置よりも前記中心軸の方向の先端側の部分は、前記芯部を含まずに前記外層で形成されている、
    点火プラグ。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の点火プラグであって、
    前記中心電極の前記棒部の前記中心軸を含み、前記中心軸に沿った断面において、前記中心電極の前記外面上の前記第1位置を中心として、前記第1最小厚を半径とする仮想円を描いたときに、前記中心電極の前記仮想円と重なる部分は、前記芯部を含まずに前記外層で形成されている、
    点火プラグ。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の点火プラグであって、
    前記芯部は、前記第1位置よりも前記中心軸の方向の後端側において、後端側に向かって外径が大きくなる部分を含む、
    点火プラグ。
  6. 請求項5に記載の点火プラグであって、
    前記中心電極の前記棒部を通り前記中心軸に平行な少なくとも1つの断面上の前記第1位置よりも前記中心軸の方向の後端側において、前記芯部は、前記第1位置よりも外周側まで延びている、
    点火プラグ。
  7. 軸線の方向に延び、後端側から先端側に向かって内径が小さくなる段部を有する筒状の主体金具と、
    後端側から先端側に向かって延びる貫通孔と、後端側から先端側に向かって内径が小さくなる第1縮内径部と、前記第1縮内径部よりも先端側に配置され後端側から先端側に向かって外径が小さくなる第1縮外径部と、を有し、前記主体金具の内周側に固定された絶縁体と、
    後端側から先端側に向かって外径が小さくなるとともに前記絶縁体の前記第1縮内径部に支持された第2縮外径部と、前記第2縮外径部の先端側に接続された棒部と、を有する中心電極と、
    を備える点火プラグであって、
    前記絶縁体の前記第1縮外径部は、前記主体金具の前記段部に直接またはパッキンを介して支持され、
    前記中心電極は、芯部と、前記芯部の少なくとも先端側の部分を被覆する外層と、を有し、
    前記外層は、ニッケルを主成分とし、
    前記芯部の熱伝導率は、前記外層の熱伝導率よりも高く、
    前記中心電極の外面上の前記第2縮外径部と前記棒部との接続位置である第1位置を含み前記棒部の中心軸に垂直な第1断面は、前記芯部を含まずに前記外層で形成されており、
    前記芯部は、前記中心軸の方向において、前記パッキンまたは前記主体金具の前記段部と、前記絶縁体の前記第1縮外径部と、の接触部分の先端よりも先端側の位置から、前記接触部分の前記先端までの範囲に配置される部分を含む、
    点火プラグ。
  8. 請求項7に記載の点火プラグであって、
    前記芯部の後端部では、先端側から後端側に向かって外径が小さくなっている、
    点火プラグ。
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