以下、実施の形態について図面を参照しながら説明する。但し、実施の形態は多くの異なる態様で実施することが可能であり、趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は、以下の実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
なお本明細書等において、「第1」、「第2」、「第3」という序数詞は、構成要素の混同を避けるために付したものである。従って、構成要素の数を限定するものではない。また、構成要素の順序を限定するものではない。
なお図面において、同一の要素または同様な機能を有する要素、同一の材質の要素、あるいは同時に形成される要素等には同一の符号を付す場合があり、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
(実施の形態1)
<半導体装置の構成例>
まず、本発明の一態様に係る半導体装置の構成例について説明する。図1に、本発明の一態様に係る半導体装置10の構成を例示する。
図1に示す半導体装置10は、プロセッサ11と、記憶回路12と、パワーマネージメントユニット(PMU)13と、レジスタ14と、比較回路15と、電源16とを有する。
プロセッサ11は、記憶回路12、PMU13、レジスタ14などの動作を統括的に制御することで、各種のプログラムを実行する機能を有する。記憶回路12は、各種データを格納する機能を有する。そして、記憶回路12は、格納されたデータを、記憶回路12への電力の供給が遮断されている期間においても、保持することができる。記憶回路12の具体的な構成とその動作については、後述する。本発明の一態様では、記憶回路12が記憶領域MCA1、MCA2を有する。記憶領域MCA1は、プロセッサ11の起動時に実行されるスタートアップルーチンをデータとして格納させる記憶領域である。記憶領域MCA2は、プロセッサ11の通常動作時におけるワーク領域として用いる記憶領域である。
本発明の一態様では、記憶回路12を、プロセッサ11の起動時において、プロセッサ11のスタートアップルーチンを実行するためのプログラムデータを記憶する不揮発性メモリとしての機能と、プロセッサ11の起動後において、プロセッサ11の主記憶装置(メインメモリ)の一部もしくは緩衝記憶装置(キャッシュメモリ)としての機能と、を有する。記憶回路12は、電荷の保持特性が各々異なるメモリセルで構成された複数の領域を有し、当該複数の領域として、不揮発性メモリとして機能させる領域と、主記憶装置(メインメモリ)の一部もしくは緩衝記憶装置(キャッシュメモリ)として機能させる領域と、を分けて設けることができる。
なお、プロセッサ11は、例えば、他の機能を有する場合や、一部の機能を有していない場合がある。そのため、プロセッサ11を、単に、回路と呼ぶ場合や、第1の回路、第2の回路などと呼ぶ場合がある。
なお、記憶回路12は、例えば、他の機能を有する場合や、一部の機能を有していない場合がある。そのため、記憶回路12を、単に、回路と呼ぶ場合や、第1の回路、第2の回路などと呼ぶ場合がある。
比較回路15は、記憶回路12がキャッシュメモリとして機能する場合に、プロセッサ11から要求されたデータが記憶回路12に格納されているか否かを判断する機能を有する。格納されていないと判断した場合は、プロセッサ11の外部に別に設けた記憶回路にアクセスする。
なお、比較回路15は、例えば、他の機能を有する場合や、一部の機能を有していない場合がある。そのため、比較回路15を、単に、回路と呼ぶ場合や、第1の回路、第2の回路などと呼ぶ場合がある。
PMU13は、半導体装置10への外部からの電力の供給が開始されると、当該電力のプロセッサ11及び記憶回路12への供給が開始されるように制御する機能を有する。さらに、PMU13は、半導体装置10への電力の供給が開始されると、プロセッサ11または記憶回路12の動作に必要なクロック信号などの各種駆動信号の、プロセッサ11または記憶回路12への供給が開始されるように制御する機能を有していても良い。
そして、PMU13はカウンタ17を有する。カウンタ17は、外部から半導体装置10への電力の供給が遮断された場合に、その期間を計測する機能を有する。レジスタ14は、計測された期間のデータを格納する機能を有する。なお、図1では、カウンタ17がPMU13の構成要素の一つである場合の半導体装置10の構成を例示しているが、カウンタ17は、PMU13から独立して半導体装置10に設けられていても良い。また、図1では、レジスタ14がPMU13から独立して半導体装置10に設けられている場合を例示しているが、レジスタ14はPMU13の構成要素の一つであって良い。
なお、PMU13は、例えば、他の機能を有する場合や、一部の機能を有していない場合がある。そのため、PMU13を、単に、回路と呼ぶ場合や、第1の回路、第2の回路などと呼ぶ場合がある。
なお、カウンタ17は、例えば、他の機能を有する場合や、一部の機能を有していない場合がある。そのため、カウンタ17を、単に、回路と呼ぶ場合や、第1の回路、第2の回路などと呼ぶ場合がある。
また、レジスタ14には、上記期間のデータの他に、外部から半導体装置10への電力の供給が再開されたときに、スタートアップルーチンを半導体装置10の外部から記憶回路12にロードするか否かを決めるためのデータが、格納されていても良い。
なお、レジスタ14は、例えば、他の機能を有する場合や、一部の機能を有していない場合がある。そのため、レジスタ14を、単に、回路と呼ぶ場合や、第1の回路、第2の回路などと呼ぶ場合がある。
電源16は、外部から半導体装置10への電力の供給が遮断されている期間において、PMU13、レジスタ14に電力の供給を行う機能を有する。カウンタ17がPMU13から独立して半導体装置10に設けられている場合、電源16は、外部から半導体装置10への電力の供給が遮断されている期間において、PMU13及びレジスタ14に加えて、カウンタ17にも電力の供給を行う機能を有する。
電源16として、具体的には、キャパシタまたは二次電池などの蓄電装置、一次電池などを用いることができる。二次電池として、例えば、鉛蓄電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池等を用いることができる。キャパシタとして、例えば、電気二重層キャパシタや、一対の電極のいずれか一方が電気二重層を構成し、他方が酸化還元反応を使用したハイブリッドキャパシタを用いることができる。ハイブリッドキャパシタには、例えば、正極が電気二重層を構成し、負極がリチウムイオン二次電池を構成している、リチウムイオンキャパシタが含まれる。キャパシタまたは二次電池などの蓄電装置を電源16として用いる場合、蓄電装置の過充電または過放電を防ぐための充電制御回路を、半導体装置10に設けても良い。
また、電源16は、DC-DCコンバータ、昇圧回路、降圧回路などの回路を有していてもよい。つまり、電源16は、複数の電位を生成する機能を有していてもよい。よって、電源16は、電源回路としての機能を有することもできる。
また、電源16は、無線によって、電力を受け取ることができる機能を有していてもよい。つまり、磁界、電界、電磁界などを利用して、外部から電力が供給され、電源16が充電されるような構成となっていてもよい。したがって、電源16は、整流回路や平滑回路などを有していてもよい。または、電源16は、AC-DCコンバータなどを有していてもよい。
なお、電源16は、必ずしも、半導体装置10に設けられていなくてもよい。半導体装置10の外部に電源16が設けられていたり、半導体装置10に電力を供給する電源と共有されていてもよい。つまり、PMU13、レジスタ14に電力を供給する電源と、それら以外に電力を供給する電源とが、別々に設けられていてもよい。または、PMU13、レジスタ14に電力を供給する電源と、それら以外に電力を供給する電源とが、同一の電源となっていて、どれに電力を供給するかを個別に制御できるようになっていてもよい。例えば、PMU13、レジスタ14などにのみ電力を供給し、別のものには電力を供給しないように制御できるようになっていてもよい。
なお、電源16は、例えば、他の機能を有する場合や、一部の機能を有していない場合がある。そのため、電源16を、単に、回路と呼ぶ場合や、第1の回路、第2の回路などと呼ぶ場合がある。
<記憶回路の構成例>
以下、本発明の一態様の半導体装置10が有する記憶回路12の構成例について説明する。
図2(A)に記憶回路12(メモリ)の構成を示す。記憶回路12は、メモリセルアレイMCA、駆動回路WD、駆動回路BDを有する。メモリセルアレイMCAは、記憶領域ともいう。メモリセルアレイMCAは、メモリセルアレイMCA1、メモリセルアレイMCA2を有する。
メモリセルアレイMCA1は、マトリクス状に配置された複数のメモリセルMC1によって構成されている。メモリセルアレイMCA2は、マトリクス状に配置された複数のメモリセルMC2によって構成されている。
メモリセルMC1、MC2は、データを記憶する機能を有する。メモリセルMCは、2値(ハイレベル及びローレベル)のデータを記憶する機能を有していてもよいし、4値以上の多値データを記憶する機能を有していてもよい。また、メモリセルMCはアナログデータを記憶する機能を有していてもよい。
メモリセルMC1、MC2は、配線WL(ワード線ともいう)及び配線BL(ビット線ともいう)と接続されている。なお、図2(A)には、同じ行に属し、隣接する2つのメモリセルMC1、MC2によって、一の配線BLが共有されている構成例を示している。
駆動回路WDは、メモリセルMC1、MC2を選択する機能を有する。具体的には、駆動回路WDは、データの書き込み又は読み出しを行うメモリセルMC1、MC2を選択するための信号(以下、選択信号ともいう)を、配線WLに供給する機能を有する。駆動回路WDは、デコーダ等で構成することができる。
駆動回路WDは、メモリセルアレイMCA1およびメモリセルアレイMCA2を独立に選択できる構成とする。すなわち、当該記憶回路12をプロセッサ11のキャッシュメモリもしくは主記憶装置として利用する場合は、プロセッサ11の起動時には、メモリセルアレイMCA1をアクセス可能領域とし、メモリセルアレイMCA2をアクセス不可能領域とする。また、プロセッサの通常動作時には、メモリセルアレイMCA1をアクセス不可能領域とし、メモリセルアレイMCA2をアクセス可能領域とする。
具体的には、プロセッサ11の起動時もしくは通常動作時を示すフラグ信号を入力し、当該フラグ信号にしたがって、プロセッサ11の起動時には、メモリセルアレイMCA1におけるメモリセルMC1を選択する信号を生成し、メモリセルアレイMCA2におけるメモリセルMC2を選択する信号は生成しない。また、プロセッサ11の通常動作時には、メモリセルアレイMCA1におけるメモリセルMC1を選択する信号は生成せずに、メモリセルアレイMCA2におけるメモリセルMC2を選択する信号を生成する。
駆動回路BDは、メモリセルMC1、MC2にデータを書き込む機能と、メモリセルMC1、MC2に記憶されたデータを読み出す機能と、を有する。具体的には、駆動回路BDは、データの書き込みを行うメモリセルMC1、MC2と接続された配線BLに、メモリセルMCに記憶されるデータに対応する電位(以下、書き込み電位ともいう)を供給する機能を有する。また、駆動回路BDは、メモリセルMCに記憶されたデータに対応する電位(以下、読み出し電位ともいう)を読み出し、外部に出力する機能を有する。駆動回路BDは、データを読み出すための回路として列デコーダ、プリチャージ回路、センスアンプ、ラッチ、シフトレジスタ等、データを書き込むための回路として列デコーダ、バッファ、シフトレジスタ等、で構成することができる。
駆動回路WD及び駆動回路BDも、メモリセルアレイMCAと同様に、OSトランジスタを用いた単極性回路によって構成することができる。これにより、メモリセルアレイMCA、駆動回路WD、及び駆動回路BDが有するトランジスタの極性を同一にすることができ、OSトランジスタを用いた単極性回路によって記憶回路12を構成することができる。この場合、メモリセルアレイMCA、駆動回路WD、及び駆動回路BDが有するトランジスタを、同一工程によって同時に製造することが可能となる。
なお、OSトランジスタを用いた単極性回路は、半導体基板上に積層することもできる。そのため、半導体基板上に形成された回路の上方に、単極性回路によって構成された記憶回路12を積層することが可能となり、半導体装置の面積を縮小することが可能となる。
メモリセルMC1、MC2、駆動回路WD、及び駆動回路BDは、チャネル形成領域に酸化物半導体を含むトランジスタ(OSトランジスタ)によって構成することができる。酸化物半導体のバンドギャップは3.0eV以上であるため、OSトランジスタは熱励起によるリーク電流が小さく、またオフ電流が極めて小さい。なお、オフ電流とは、トランジスタがオフ状態のときにソースとドレインとの間に流れる電流をいう。トランジスタのチャネル形成領域に用いられる酸化物半導体は、インジウム(In)および亜鉛(Zn)の少なくとも一方を含む酸化物半導体であることが好ましい。このような酸化物半導体としては、In-M-Zn酸化物(元素Mは、例えばAl、Ga、YまたはSn)が代表的である。電子供与体(ドナー)となる水分、水素などの不純物を低減し、かつ酸素欠損も低減することで、酸化物半導体をi型(真性)、又は実質的にi型にすることができる。このような酸化物半導体は、高純度化された酸化物半導体と呼ぶことができる。なお、OSトランジスタの詳細については、実施の形態2で説明する。
OSトランジスタはオフ電流が極めて小さいため、特にメモリセルMCに用いるトランジスタとして好適である。OSトランジスタは例えば、チャネル幅1μmあたりのオフ電流を、100zA/μm以下、又は10zA/μm以下、又は1zA/μm以下、又は10yA/μm以下とすることができる。OSトランジスタをメモリセルMCに用いることにより、メモリセルMCに記憶されたデータを極めて長期間に渡って保持することができる。
図2(B-1)にメモリセルMC1の回路構成を示す。図2(B-1)では、隣接する2つのメモリセルを示しており、一方のメモリセルをメモリセルMC1a、他方のメモリセルをメモリセルMC1bとして図示している。メモリセルMC1aとメモリセルMC1bによって、一の配線BLが共有されている。
また図2(B-2)にメモリセルMC2の回路構成を示す。図2(B-2)では、隣接する2つのメモリセルを示しており、一方のメモリセルをメモリセルMC2a、他方のメモリセルをメモリセルMC2bとして図示している。メモリセルMC2aとメモリセルMC2bによって、一の配線BLが共有されている。
メモリセルMC1、MC2はそれぞれ、トランジスタT及び容量素子Cを有する。メモリセルMC1aが有するトランジスタT、容量素子CをそれぞれトランジスタTa1、容量素子Ca1とも呼び、メモリセルMC1bが有するトランジスタT、容量素子CをそれぞれトランジスタTb1、容量素子Cb1とも呼ぶ。メモリセルMC2aが有するトランジスタT、容量素子CをそれぞれトランジスタTa2、容量素子Ca2とも呼び、メモリセルMC2bが有するトランジスタT、容量素子CをそれぞれトランジスタTb2、容量素子Cb2とも呼ぶ。また、メモリセルMC1a、MC1bおよびMC2a、MC2bと接続された配線WLを、それぞれ配線WLa、WLbとも呼ぶ。なお、トランジスタTはnチャネル型のOSトランジスタである。
トランジスタTのゲートは配線WLと接続され、ソース又はドレインの一方は容量素子Cの一方の電極と接続され、ソース又はドレインの他方は配線BLと接続されている。容量素子Cの他方の電極は、定電位(例えば、接地電位など)が供給される配線VLと接続されている。なお、トランジスタTのソース又はドレインの一方、及び容量素子Cの一方の電極と接続されたノードを、ノードNとする。
また、トランジスタTは、一対のゲートを有していてもよい。なお、トランジスタが一対のゲートを有する場合、一方のゲートを第1のゲート、フロントゲート、又は単にゲートと呼ぶことがあり、他方のゲートを第2のゲート、又はバックゲートと呼ぶことがある。
図2(B-1)、(B-2)では、トランジスタTがそれぞれバックゲートを有する構成例を示している。トランジスタTa1、Ta2、Tb1およびTb2のバックゲートは、配線BGLと接続されている。配線BGLからトランジスタTa1、Ta2、Tb1およびTb2のバックゲートに所定の電位を供給することにより、トランジスタTa1、Ta2、Tb1およびTb2の閾値電圧を制御することができる。例えば、トランジスタTa1、Ta2、Tb1およびTb2の閾値電圧を0Vより大きくすることができる。これにより、オフ電流を低減することができる。なお、トランジスタTa1、Ta2、Tb1およびTb2のバックゲートは、同一の導電層によって構成されていてもよい。
メモリセルMCにデータを書き込む際は、配線BLに書き込み電位を供給する。そして、配線WLに選択信号(ハイレベルの電位)を供給することにより、トランジスタTをオン状態にする。これにより、書き込み電位がノードNに供給される。その後、配線WLにローレベルの電位を供給することにより、トランジスタTをオフ状態にする。これにより、ノードNがフローティング状態となり、書き込み電位が保持される。
メモリセルMCに記憶されたデータを読み出す際は、配線BLの電位が読み出し電位となる。配線WLに選択信号(ハイレベルの電位)を供給することにより、トランジスタTをオン状態にする。これにより、配線BLの電位がノードNの電位に応じて決定され、メモリセルMCに記憶されたデータが読み出される。
トランジスタTにはOSトランジスタが用いられているため、トランジスタTがオフ状態である期間において、ノードNの電位が極めて長期間に渡って保持される。これにより、データのリフレッシュの頻度を極めて少なくすることが可能となり、消費電力を低減することができる。
また、メモリセルMCは、容量素子Cの充放電によってデータの書き換えを行うため、メモリセルMCには原理的に書き換え回数に制約がなく、また、低エネルギーでデータの書き込みおよび読み出しが可能である。また、メモリセルMCの回路構成は単純であるため、記憶回路12の大容量化が容易である。
本実施の形態の構成において、メモリセルMC1はメモリセルMC2よりもデータ保持特性が優れたメモリセルとすることで不揮発性メモリとして用いる。
例えば容量素子Ca1、Cb1の保持容量は容量素子Ca2、Cb2の保持容量より大きくする。具体的には図3(A-1)、(A-2)に模式的に図示するように容量素子Ca1、Cb1を容量素子Ca2、Cb2よりも保持容量が大きくなるよう設計する。
またはトランジスタTa1、Tb1のチャネル長・チャネル幅比(L1/W1)はトランジスタTa2、Tb2のチャネル長・チャネル幅比(L2/W2)より大きくする。具体的には図3(B-1)、(B-2)に模式的に図示するようにトランジスタTa1、Tb1をトランジスタTa2、Tb2よりもチャネル長が大きく、および/またはチャネル幅が小さくなるよう設計する。
このような構成とすることで、メモリセルMC1を有するメモリセルアレイMCA1はメモリセルMC2を有するメモリセルアレイMCA2よりデータ保持特性が優れたメモリセルアレイとして用いることができる。メモリセルアレイMCA1は、スタートアップルーチンプログラムを格納する不揮発性メモリとして利用することができる。なお、メモリセルMC1とメモリセルMC2とでデータ保持特性が異なる構成とする場合でも、BLのピッチは同一となる構成が好ましい。より具体的には、配線BLのピッチを同一とし、配線WLのピッチをメモリセルアレイMCA1とメモリセルアレイMCA2とで異なる構成とする。このような構成とすることで、配線BDを共通化でき、集積度を高めやすくなる。
ここで、スタートアップルーチンプログラムとは、プロセッサの各種レジスタの設定、キャッシュメモリの使用可能状態への設定、などが含まれる。各種レジスタの設定としては、プロセッサ外部に接続する周辺機器に合わせた設定、例えば、主記憶装置であるDRAM(Dynamic RAM)のレイテンシの設定などが挙げられる。プロセッサの起動時、もしくは、パワーゲーティングから復帰する際に、当該スタートアップルーチンプログラムを実行する。なお、記憶回路12を主記憶装置として用いる場合、当該スタートアップルーチンプログラムはキャッシュメモリにコピーされた後に実行される。
通常の構成では、当該スタートアップルーチンプログラムは補助記憶装置であるフラッシュメモリもしくはHDD(ハードディスクドライブ)に格納されている。したがって、データアクセスに時間が掛かるため、当該プログラムの実行にも時間がかかる。本実施の形態の半導体装置10のように、記憶回路12の一部をキャッシュメモリもしくは主記憶装置に用いることで、速やかに当該プログラムを実行することが可能となる。
なお、プロセッサが不揮発性レジスタを有する場合、パワーゲーティングから復帰する場合には当該各種レジスタの設定は不要になる。したがって、起動か、もしくは、パワーゲーティングから復帰か、を識別するフラグレジスタを用意しておく構成が有効である。すなわち、パワーゲーティングから復帰する場合は、当該プログラムのうち、当該各種レジスタの設定に対応する部分を省略することが可能となる。
また、当該記憶回路12をキャッシュメモリもしくは主記憶装置の一部として用いる場合、対応するキャッシュメモリもしくは主記憶装置は設定が済んでいるため、その他のキャッシュメモリもしくは主記憶装置の設定のみを実行する構成が可能である。すなわち、当該プログラムのうち、当該記憶回路12に対応するキャッシュメモリもしくは主記憶装置の一部の設定に対応する部分を省略することが可能となる。
なお、メモリセルMC1のデータ保持特性が十分な特性であれば、メモリセルMC1とメモリセルMC2の構成を同一とすることも可能である。このような構成とすることで、メモリセルのレイアウトの最適化が容易となり、集積度を高めやすくなる。
図4(A)、(B)は、記憶回路12をキャッシュメモリもしくは主記憶装置として利用する場合のアクセス可能(Accessible)領域及びアクセス不可能(Inaccessible)領域を示している。図4(A)は、プロセッサの起動時に対応しており、メモリセルアレイMCA1はアクセス可能領域であり、メモリセルアレイMCA2はアクセス不可能領域である。一方、図4(B)は、プロセッサの通常動作時に対応しており、メモリセルアレイMCA1はアクセス不可能領域であり、メモリセルアレイMCA2はアクセス可能領域である。
半導体装置10における記憶回路12を上述した構成とすることで、プロセッサ11のキャッシュメモリもしくは主記憶装置として用いた際、プロセッサ11のパワーゲーティングからの起動を短時間とすることが可能となり、したがって、頻繁なパワーゲーティングが容易となり、低消費電力化が可能となる半導体装置を提供することができる。
図5(A)に、半導体装置10の構成例を示す。半導体装置10は、OSトランジスタを用いて構成された単極性回路を備えた層20を有する。層20には、図2(A)に示す記憶回路12を設けることができる。
駆動回路BDには、メモリセルアレイMCA1、MCA2に書き込まれるデータが外部から入力される。また、メモリセルアレイMCA1、MCA2から読み出されたデータは、駆動回路BDから外部に出力される。
記憶回路12が有するメモリセルアレイMCA1、MCA2、駆動回路WD、駆動回路BDはそれぞれ、OSトランジスタを用いた単極性回路によって構成されている。これにより、記憶回路12を同一の層20に形成することができる。
ここで、例えば記憶回路12が、層20に形成されたnチャネル型のOSトランジスタと、他の層に形成されたトランジスタ(半導体基板に形成されたトランジスタなど)を用いて構成されている場合、これらのトランジスタを接続するための接続部(コンタクトホール及び配線)が多数必要になる。特に、複数のメモリセルMC1、MC2がOSトランジスタと他の層に形成されたトランジスタを用いて構成されている場合、各メモリセルMC1、MC2において2つの層の間の接続が必要となり、接続部の数の増大はより顕著になる。この接続部の増加は、回路レイアウトの自由度低下の原因になる。
また、OSトランジスタに含まれる酸化物半導体への不純物(水素など)の混入は、OSトランジスタの劣化の原因になる。ここで、接続部が不純物の経路となり、接続部を介して層20に不純物が侵入し得る。そのため、2つの層の間の接続部が増加すると、酸化物半導体に混入する不純物が増加し、層20に形成されたOSトランジスタの劣化を招く。
本発明の一態様においては、記憶回路12がOSトランジスタを用いた単極性回路によって構成されている。そのため、記憶回路12の内部における異なる層との接続が不要となる。これにより、接続部の数を削減することができ、回路レイアウトの自由度の向上、及びOSトランジスタの信頼性の向上を図ることができる。
特に、メモリセルMC1、MC2は多数設けられるため、メモリセルMC1、MC2を単極性回路によって構成することにより、接続部の数を大幅に削減することができる。また、駆動回路WD及び駆動回路BDをメモリセルアレイMCA1、MCA2と同じ層に設けることにより、駆動回路WDとメモリセルアレイMCA、MCA2、及び、駆動回路BDとメモリセルアレイMCAを接続する多数の配線WL及び配線BLが層間に設けられることを回避することができ、接続部の数をさらに削減することができる。
なお、記憶回路12は例えば、コンピュータにおけるキャッシュメモリ、主記憶装置、又は補助記憶装置などとして用いることができる。
また、層20は制御回路CCを有していてもよい。制御回路CCは、駆動回路WD及び駆動回路BDの動作を制御する機能を有する。具体的には、制御回路CCは、外部から入力された制御信号(アドレス信号、クロック信号、又はチップイネーブル信号など)に基づいて、駆動回路WD及び駆動回路BDの動作を制御するための各種信号を生成する機能を有する。
駆動回路WDは、制御回路CCから供給された信号(アドレス信号、又は制御信号など)に基づいて選択信号を生成し、メモリセルアレイMCA1、MCA2に供給する。駆動回路BDは、制御回路CCから供給された信号(アドレス信号、又は制御信号など)に基づいて、外部から入力されたデータに対応する書き込み電位を生成し、メモリセルアレイMCA1、MCA2に出力する。また、駆動回路BDは、制御回路CCから供給された信号(アドレス信号、又は制御信号など)に基づいて、メモリセルアレイMCA1、MCA2から読み出されたデータを外部に出力する。
制御回路CCは、OSトランジスタを用いた単極性回路によって構成されている。そのため、制御回路CCを層20に設けることができ、記憶回路12の動作を、同じ層に設けられた制御回路CCによって制御することができる。これにより、制御回路CCと、駆動回路WD及び駆動回路BDとの間の接続部を省略することができる。
また、層20には他の回路を設けることもできる。例えば層20は、プロセッサ及び周辺回路を有していてもよい。この場合、プロセッサ11及び周辺回路はOSトランジスタを用いた単極性回路によって構成される。周辺回路としては、パワーマネージメントユニット(PMU)13と、レジスタ14と、比較回路15と、電源16などがある。
また、制御回路CCは、バスを介してプロセッサ及び周辺回路と接続されていてもよい。これにより、制御回路CC、プロセッサ及び周辺回路間でデータ又は信号の送受信を、バスを介して行うことができる。例えば、メモリセルアレイMCA1、MCA2から制御回路CCに出力されたデータを、プロセッサ又は周辺回路による処理に用いる、などの処理を行うことができる。
なお、層20を半導体基板上に積層し、層20に入力される信号を半導体基板に形成された回路から供給することもできる。図5(B)に、層20A、20Bが層30上に積層された構成例を示す。層20Aは、メモリセルアレイMCA1が設けられた層であり、層20Bは、メモリセルアレイMCABが設けられた層である。層30は、半導体基板に形成されたトランジスタによって構成された回路を有する。そして、当該回路は、制御回路CCに制御信号を出力する機能、又は、駆動回路BDにデータを出力する機能を有していてもよい。また、駆動回路BDから出力されたデータが、層30が有する回路に入力されてもよい。
層20A、20Bと層30の間でデータ又は信号の送受信が行われる場合、層20A、20Bと層30は層間に設けられた配線によって接続される。
以上のように、本発明の一態様においては、OSトランジスタを用いた単極性回路によって記憶回路12を構成することにより、層20と層30の間の接続部の数を削減することができる。
また、上記では制御回路CCが層20に設けられた構成について説明したが、制御回路CCは図5(A)、(B)に示す層30に設けられていてもよい。この場合、制御回路CCは半導体基板に形成されたトランジスタによって構成される。また、制御回路CCは、駆動回路WD及び駆動回路BDと、層20と層30間に形成された接続部を介して接続される。
<半導体装置の動作例>
次いで、図1に示した半導体装置10の動作の一例について、図6に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、図6に示すように、半導体装置10への電力の供給が開始される(A01:電源投入)。半導体装置10への電力の供給が開始されると、PMU13は、プロセッサ11及び記憶回路12への電力の供給が開始されるように制御する。また、PMU13は、プロセッサ11及び記憶回路12への駆動信号の供給が開始されるように制御しても良い。
記憶回路12が有するメモリセルアレイMCA1には、半導体装置10への電力の供給が遮断されている間、スタートアップルーチンが記憶回路12に格納されている。よって、PMU13は、記憶回路12に格納されたスタートアップルーチンをプロセッサ11が実行するよう制御する(A02:スタートアップルーチンの実行)。スタートアップルーチンが実行されることで、プロセッサ11が起動された状態、すなわちプロセッサ11による各種のプログラムの実行が可能な状態となる。
次いで、半導体装置10が通常の動作を開始する(A03:通常動作の開始)。記憶回路12が有するメモリセルアレイMCA2には、半導体装置10への電力の供給が行われている間、メインメモリの一部あるいはキャッシュメモリとして、プロセッサ11のワーク領域として機能させる。一方、記憶回路12が有するメモリセルアレイMCA1は、半導体装置10への電力の供給が行われている間も不揮発性メモリとして機能し、スタートアップルーチンプログラムを記憶し続ける。
なお通常動作の開始前までは、図4(A)で図示するように、メモリセルアレイMCA1はアクセス可能領域であり、メモリセルアレイMCA2はアクセス不可能領域である(A04-1:MCA1へのアクセス)。通常動作の開始後は、図4(A)で図示するように、メモリセルアレイMCA1はアクセス不可能領域であり、メモリセルアレイMCA2はアクセス可能領域である(A04-2:MCA2へのアクセス)。
そして、半導体装置10に供給される電力の遮断が開始される(A05:電源遮断の開始)と、記憶回路12の機能は、スタートアップルーチンを格納するという元の機能に切り替わる。
なお当該制御時においては、図4(B)で図示するように、メモリセルアレイMCA1はアクセス不可能領域であり、メモリセルアレイMCA2はアクセス可能領域である。
そして、半導体装置10への電力の供給が遮断される(A06:電源遮断)。
なお本発明の一態様では、半導体装置10が通常の動作を開始してから、記憶回路12のメモリセルアレイMCA1の機能を切り替えることができる。具体的には、半導体装置10が通常の動作を開始した後、記憶回路12のメモリセルアレイMCA1の機能をスタートアップルーチンプログラムを記憶するための不揮発性メモリの機能から、プロセッサ11のキャッシュメモリの機能へと切り替えることができる。なお記憶回路12のメモリセルアレイMCA1の機能をキャッシュメモリに切り替える場合は、電力の供給が遮断される前に、スタートアップルーチンプログラムを記憶回路12に格納しておく。このようにすることで、再度半導体装置10への電力の供給が開始され(A01:電源投入)た場合に、外部からスタートアップルーチンを記憶回路12にロードする必要がなくなる。その結果、プロセッサ11の起動に要する時間を短く抑えることができる。
図8に、記憶回路12のメモリセルアレイMCA2をプロセッサ11のキャッシュメモリとして機能させる場合の、半導体装置10の動作を模式的に示す。図8に示すように、半導体装置10では、プロセッサ11と、記憶回路12と、比較回路15と、PMU13とが動作状態、すなわち、電力と駆動信号の供給が行われている状態、にある。カウンタ17が、PMU13から独立して半導体装置10に設けられている場合、カウンタ17は必ずしも動作状態になくとも良い。そして、記憶回路12をプロセッサ11の緩衝記憶装置として機能させる場合、半導体装置10には外部から電力の供給が行われているため、電源16からPMU13、レジスタ14への電力の供給は行われていなくともよい。
例えば、プロセッサ11から記憶回路12にデータのアクセス要求があると、当該データのアドレスの下位ビットが記憶回路12に、上位ビットが比較回路15に、それぞれに送られる。記憶回路12では、アクセス要求のあったアドレスの下位ビットに対応するラインに記憶されている、アドレスの上位ビット(タグデータとも呼ぶ)を、比較回路15に送る。比較回路15では、プロセッサ11からアクセス要求のあったアドレスの上位ビットと、記憶回路12から送られてきたアドレスの上位ビットとが、比較される。比較の結果、アドレスの上位ビットが一致したら、プロセッサ11からアクセス要求のあったアドレスの下位ビットに対応するラインに、該当するデータが記憶されていることとなる。また、比較の結果、アドレスの上位ビットが一致しなかったら、アクセス要求があったデータが記憶回路12に記憶されていないこととなる。該当するデータが記憶回路12に記憶されている場合、上記データはプロセッサ11に送られる。
図9に、記憶回路12のメモリセルアレイMCA1をプロセッサ11の不揮発性メモリとして機能させる場合の、半導体装置10の動作を模式的に示す。図9に示すように、半導体装置10では、プロセッサ11と、記憶回路12と、PMU13と、レジスタ14とが動作状態にある。カウンタ17が、PMU13から独立して半導体装置10に設けられている場合、カウンタ17も動作状態にある。そして、記憶回路12がスタートアップルーチンを格納する機能を有する場合は、半導体装置10には外部から電力の供給が行われているときと、行われていないときとがある。半導体装置10への電力の供給が行われているとき、電源16からPMU13、レジスタ14への電力の供給は行われていなくともよい。半導体装置10への電力の供給が行われていないとき、電源16からPMU13、レジスタ14への電力の供給が行われる。
なお記憶回路12の初回動作時においては、記憶回路12が有するメモリセルアレイMCA1に、スタートアップルーチンプログラムが記憶回路12に格納されていない。そのため、図7に図示するように初回動作時においては、スタートアップルーチンプログラムを外部の記憶回路からロードし、記憶回路12が有するメモリセルアレイMCA1に格納するステップを要することになる(A07:外部からのMCA1へのスタートアップルーチンのロード)。なおスタートアップルーチンプログラムがメモリセルアレイMCA1に格納されているような再動作の場合には、A07のステップは不要である。
<記憶回路のブロック図>
次いで、メモリセルMCを有する記憶回路12の、具体的な構成の一例について説明する。
図10に、記憶回路12の具体例な構成例を示す。図10に示す記憶回路12は、複数のメモリセルMC1を有するメモリセルアレイMCA1および複数のメモリセルMC2を有するメモリセルアレイMCA2を有するメモリセルアレイMCAと、メモリセルアレイMCAと同数の増幅回路ACaを有する。また、記憶回路12は、複数のセンスアンプSAを備えた増幅回路ACb、駆動回路SAD、及び入出力回路IOを有する。図2(A)における駆動回路BDには、増幅回路ACa、増幅回路ACb、駆動回路SAD、入出力回路IOが含まれる。
増幅回路ACaは、配線BLの電位を増幅する機能を有する。具体的には、メモリセルアレイMCAから配線BLに供給される電位(読み出し電位)が、増幅回路ACaによって増幅され、配線GBLに出力される。なお、増幅回路ACaは、配線BLの電位を配線GBLに出力するか否かを選択する機能を有していてもよい。そして、配線GBLに出力された電位は、増幅回路ACbに入力される。
増幅回路ACbは、配線GBLの電位を増幅する機能を有する。具体的には、増幅回路ACbは、メモリセルアレイMCAから増幅回路ACaを介して出力された読み出し電位を増幅して、入出力回路IOに出力する機能を有する。また、増幅回路ACbは、入出力回路IOから入力された書き込み電位を増幅して、配線GBLに出力する機能を有する。増幅回路ACbによる電位の増幅には、複数のセンスアンプSAが用いられる。
センスアンプSAは、2本の配線GBL間の電位差を増幅する機能を有する。具体的には、センスアンプSAは2本の配線GBLと接続され、一方の配線GBLの電位を基準電位とし、当該基準電位と、他方の配線GBLの電位との差を増幅する機能を有する。また、センスアンプSAは、2本の配線GBLの電位差を保持する機能を有する。
なお、センスアンプSAの動作は、駆動回路SADによって制御することができる。駆動回路SADは、センスアンプSAの動作を制御するための制御信号や、アドレス信号などを受け取り、センスアンプSAの制御などを行う機能を有する。駆動回路SADによって、入出力回路IOに信号を出力するセンスアンプSAの選択や、入出力回路IOから出力された信号を受け取るセンスアンプSAの選択などが行われる。
入出力回路IOは、メモリセルアレイMCAからセンスアンプSAを介して読み出されたデータを、外部に出力する機能を有する。また、入出力回路IOは、外部から入力されたデータを、センスアンプSAを介してメモリセルアレイMCAに出力する機能を有する。
なお、増幅回路ACbと入出力回路IOとの間には、さらに増幅回路が設けられていてもよい。当該増幅回路は、増幅回路ACbの出力を増幅して入出力回路IOに供給する機能と、入出力回路IOの出力を増幅して増幅回路ACbに供給する機能を有する。
増幅回路ACa、増幅回路ACb、駆動回路SAD、及び入出力回路IOは、OSトランジスタを用いた単極性回路によって構成することができる。これにより、駆動回路BDを単極性回路によって構成することができ、駆動回路BDを図5(A)、(B)に示す層20に設けることができる。
なお、記憶回路12に含まれる各回路は、図11に示すように配置することもできる。図11においては、複数のメモリセルMC1を有するメモリセルアレイMCA1および複数のメモリセルMC2を有するメモリセルアレイMCA2を有するメモリセルアレイMCAと、及び増幅回路ACaとが、増幅回路ACbを挟んで紙面上下方向に対向するように配置されている。また、センスアンプSAは、上側のセルアレイCAと接続された配線GBLと、下側のセルアレイCAと接続された配線GBLと接続されており、これらの配線GBLの電位差を増幅する。
なお、図10、図11に示す記憶回路12のレイアウトを、それぞれ折り返し型、開放型と呼ぶことができる。
本実施の形態は、他の実施の形態の記載と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、上記実施の形態で説明した記憶回路12のトランジスタに用いることができるOSトランジスタの構成例について、図12乃至図26を用いて説明する。
図12乃至図17は、本発明の一態様に係る、トランジスタ700、メモリセル600a、およびメモリセル600bを有する半導体装置の上面図および断面図である。なお、以下において、メモリセル600aとメモリセル600bをまとめてメモリセル600という場合がある。
図12(A)は、本発明の一態様に係る半導体装置の断面図である。図12(B)は、図12(A)に図示するメモリセルの各構成に対応する回路図である。図13は、図12(A)とは異なる、本発明の一態様に係る半導体装置の断面図である。図14は、図12(A)でチャネル長方向が示されているトランジスタ700のチャネル幅方向の断面図である。図15(A)は、メモリセル600aおよびメモリセル600bの上面図である。また、図15(B)、図16(A)、図16(B)、および図17はメモリセル600aおよびメモリセル600bの断面図である。ここで、図15(B)は、図15(A)にA1-A2の一点鎖線で示す部位の断面図であり、トランジスタ200aおよびトランジスタ200bのチャネル長方向の断面図でもある。また、図16(A)は、図15(A)にA3-A4の一点鎖線で示す部位の断面図であり、トランジスタ200aのチャネル幅方向の断面図でもある。なお、トランジスタ200bのチャネル幅方向の断面図は、図16(A)に示すトランジスタ200aのチャネル幅方向の断面図と同様である。また、図16(B)は、図15(A)にA5-A6の一点鎖線で示す部位の断面図である。また、図17は、図15(A)にA7-A8の一点鎖線で示す部位の断面図である。なお、図15(A)の上面図では、図の明瞭化のために一部の要素を省いて図示している。
ここで、トランジスタ700は、駆動回路WDまたは駆動回路BDに設けられたトランジスタ、つまりメモリセルアレイMCAを駆動するための駆動回路におけるトランジスタに対応する。メモリセル600a、600bは図2で説明したメモリセルMC1またはMC2と対応し、トランジスタ200a、200bは図2(B-1)、(B-2)で説明したトランジスタTa1、Ta2、Tb1、Tb2と対応し、容量素子100a、100bは図2で説明した容量素子Ca1、Ca2、Cb1、Cb2と対応する。なお、以下において、トランジスタ200aとトランジスタ200bをまとめてトランジスタ200という場合がある。また、以下において、容量素子100aと容量素子100bをまとめて容量素子100という場合がある。
本実施の形態に示す半導体装置の層構造は、図12(A)に示すように、トランジスタ200aと、トランジスタ200bと、容量素子100aと、容量素子100bと、トランジスタ700と、層間膜として機能する絶縁体210、絶縁体212、絶縁体273、絶縁体274、絶縁体280、絶縁体282、絶縁体284を有する。また、図15に示すように、トランジスタ200aと電気的に接続して配線として機能する導電体203a、トランジスタ200bと電気的に接続して配線として機能する導電体203b、およびプラグとして機能する導電体240a、導電体240b、および導電体240cとを有する。また、トランジスタ700と電気的に接続して配線として機能する導電体703、およびプラグとして機能する導電体740aおよび導電体740bとを有する。また、絶縁体284上に、導電体240または導電体740と接続して配線層として機能する導電体112、および絶縁体150を設けてもよい。
なお、以下において導電体203aおよび導電体203bをまとめて導電体203という場合がある。また、以下において導電体240a、導電体240bおよび導電体240cをまとめて導電体240という場合がある。また、以下において導電体740aおよび導電体740bをまとめて導電体740という場合がある。ここで、導電体703は導電体203と、導電体740は導電体240と、同じ層に形成され、同様の構成を有する。よって、導電体703は導電体203の、導電体740は導電体240の、記載を参酌することができる。
なお、導電体203は、絶縁体212の開口の内壁に接して導電体203の第1の導電体が形成され、さらに内側に導電体203の第2の導電体が形成されている。ここで、導電体203の上面の高さと、絶縁体212の上面の高さは同程度にできる。なお、本実施の形態では、導電体203の第1の導電体および導電体203の第2の導電体を積層する構成について示しているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、導電体203を単層、または3層以上の積層構造として設ける構成にしてもよい。また、構造体が積層構造を有する場合、形成順に序数を付与し、区別する場合がある。なお、導電体703も導電体203と同様の構成を有する。
絶縁体273は、トランジスタ200a、トランジスタ200b、トランジスタ700、および容量素子100の上に配置される。絶縁体274は絶縁体273上に配置される。絶縁体280は絶縁体274上に配置される。絶縁体282は絶縁体280上に配置される。絶縁体284は絶縁体282上に配置される。
また、導電体240は、絶縁体273、絶縁体274、絶縁体280、絶縁体282、および絶縁体284の開口の内壁に接して形成されている。ここで、導電体240の上面の高さと、絶縁体284の上面の高さは同程度にできる。なお、本実施の形態では、導電体240が2層の積層構造である構成について示しているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、導電体240は、単層、又は3層以上の積層構造でもよい。なお、導電体740も導電体240と同様の構成を有する。
図15、図16(A)に示すように、トランジスタ200aおよびトランジスタ200bは、基板(図示せず。)の上に配置された絶縁体214および絶縁体216と、絶縁体214および絶縁体216に埋め込まれるように配置された導電体205aおよび導電体205bと、絶縁体216、導電体205aおよび導電体205bの上に配置された絶縁体220と、絶縁体220の上に配置された絶縁体222と、絶縁体222の上に配置された絶縁体224と、絶縁体224の上に配置された酸化物230aと、酸化物230aの上に配置された酸化物230bと、酸化物230bの上に配置された酸化物230caおよび酸化物230cbと、酸化物230caの上に配置された絶縁体250aと、酸化物230cbの上に配置された絶縁体250bと、絶縁体250aの上に配置された金属酸化物252aと、絶縁体250bの上に配置された金属酸化物252bと、金属酸化物252aの上に配置された導電体260a(導電体260aa、および導電体260ab)と、金属酸化物252bの上に配置された導電体260b(導電体260ba、および導電体260bb)と、導電体260aの上に配置された絶縁体270aと、導電体260bの上に配置された絶縁体270bと、絶縁体270a上に配置された絶縁体271aと、絶縁体270b上に配置された絶縁体271bと、少なくとも酸化物230ca、絶縁体250a、金属酸化物252a、および導電体260aの側面と接して配置された絶縁体275aと、少なくとも酸化物230cb、絶縁体250b、金属酸化物252b、および導電体260bの側面と接して配置された絶縁体275bと、酸化物230aおよび酸化物230b上に形成された層242と、を有する。層242において、導電体260aと導電体260bの間に位置する部分を層242bといい、導電体260aを挟んで層242bの反対側に位置する部分を層242aといい、導電体260bを挟んで層242bの反対側に位置する部分を層242cという場合がある。層242bに接して導電体240bが配置される。
トランジスタ200aにおいて、層242aがソース及びドレインの一方として機能し、層242bがソース及びドレインの他方として機能し、導電体260aがフロントゲートとして機能し、絶縁体250aがフロントゲートに対するゲート絶縁層として機能し、導電体205aがバックゲートとして機能し、絶縁体220、絶縁体222、および絶縁体224がバックゲートに対するゲート絶縁層として機能する。また、トランジスタ200bにおいて、層242bがソース及びドレインの一方として機能し、層242cがソース及びドレインの他方として機能し、導電体260bがフロントゲートとして機能し、絶縁体250bがフロントゲートに対するゲート絶縁層として機能し、導電体205bがバックゲートとして機能し、絶縁体220、絶縁体222、および絶縁体224がバックゲートに対するゲート絶縁層として機能する。また、導電体240bは、ビット線BLに相当する導電体に電気的に接続される。また、導電体260aは、ワード線WLとして機能する、または配線WLに相当する導電体に電気的に接続される。また、導電体260bは、導電体206aとは異なる配線WLとして機能する、または導電体206aとは異なる配線WL相当する導電体に電気的に接続される。また、導電体203aおよび導電体203bは、配線BGLとして機能する。
なお、以下において、酸化物230a、酸化物230b、酸化物230ca、および酸化物230cbをまとめて酸化物230という場合がある。また、以下において、酸化物230caおよび酸化物230cbをまとめて酸化物230cという場合がある。また、以下において導電体205aおよび導電体205bをまとめて導電体205という場合がある。また、以下において絶縁体250aおよび絶縁体250bをまとめて絶縁体250という場合がある。また、以下において金属酸化物252aおよび金属酸化物252bをまとめて金属酸化物252という場合がある。また、以下において絶縁体250aおよび絶縁体250bをまとめて絶縁体250という場合がある。また、以下において導電体260aおよび導電体260bをまとめて導電体260という場合がある。また、導電体260aaおよび導電体260abをまとめて導電体260aという場合がある。また、導電体260baおよび導電体260bbをまとめて導電体260bという場合がある。また、以下において絶縁体270aおよび絶縁体270bをまとめて絶縁体270という場合がある。また、以下において絶縁体271aおよび絶縁体271bをまとめて絶縁体271という場合がある。また、以下において絶縁体275aおよび絶縁体275bをまとめて絶縁体275という場合がある。また、トランジスタ200bは、トランジスタ200aと同じ層に形成され、同様の構成を有する。よって、以下において、特段の記載がない限り、トランジスタ200bの構成は、トランジスタ200aの構成の記載を参酌することができる。
また、図12(A)、図14に示すように、トランジスタ700は、基板(図示せず。)の上に配置された絶縁体214および絶縁体216と、絶縁体214および絶縁体216に埋め込まれるように配置された導電体705と、絶縁体216と導電体705の上に配置された絶縁体220と、絶縁体220の上に配置された絶縁体222と、絶縁体222の上に配置された絶縁体724と、絶縁体724の上に配置された酸化物730(酸化物730a、酸化物730b、および酸化物730c)と、酸化物730の上に配置された絶縁体750と、絶縁体750上に配置された金属酸化物752と、金属酸化物752の上に配置された導電体760(導電体760a、および導電体760b)と、導電体760の上に配置された絶縁体770と、絶縁体770上に配置された絶縁体771と、少なくとも酸化物730c、絶縁体750、金属酸化物752、および導電体760の側面と接して配置された絶縁体775と、酸化物730上に形成された層742と、を有する。また、層742の一方に接して導電体740aが配置され、層742の他方に接して導電体740bが配置される。
トランジスタ700において、層742の一方がソース及びドレインの一方として機能し、層742の他方がソース及びドレインの他方として機能し、導電体760がフロントゲートとして機能し、導電体705がバックゲートとして機能する。
ここで、トランジスタ700は、トランジスタ200と同じ層に形成され、同様の構成を有する。よって、酸化物730は、酸化物230と同様の構成を有し、酸化物230の記載を参酌することができる。導電体705は、導電体205と同様の構成を有し、導電体205の記載を参酌することができる。絶縁体724は、絶縁体224と同様の構成を有し、絶縁体224の記載を参酌することができる。絶縁体750は、絶縁体250と同様の構成を有し、絶縁体250の記載を参酌することができる。金属酸化物752は、金属酸化物252と同様の構成を有し、金属酸化物252の記載を参酌することができる。導電体760は、導電体260と同様の構成を有し、導電体260の記載を参酌することができる。絶縁体770は、絶縁体270と同様の構成を有し、絶縁体270の記載を参酌することができる。絶縁体771は、絶縁体271と同様の構成を有し、絶縁体271の記載を参酌することができる。絶縁体775は、絶縁体275と同様の構成を有し、絶縁体275の記載を参酌することができる。以下において、特段の記載がない限り、上記のようにトランジスタ700の構成は、トランジスタ200の構成の記載を参酌することができる。
なお、トランジスタ200では、酸化物230a、酸化物230b、および酸化物230cの3層を積層する構成について示しているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、酸化物230bの単層、酸化物230bと酸化物230aの2層構造、酸化物230bと酸化物230cの2層構造、または4層以上の積層構造を設ける構成にしてもよい。また、トランジスタ700の酸化物730についても同様である。また、トランジスタ200では、導電体260aおよび導電体260bを積層する構成について示しているが、本発明はこれに限られるものではない。また、トランジスタ700の導電体760についても同様である。
容量素子100aは層242a(酸化物230でトランジスタ200aのソースおよびドレインの一方として機能する領域)と、層242a上の絶縁体130aと、絶縁体130a上の導電体120aと、を有する。導電体120aは、絶縁体130aを介して、少なくとも一部が層242aと重なるように、配置されることが好ましい。また、導電体120aの上に接して導電体240aが配置される。また、容量素子100bは層242c(酸化物230でトランジスタ200bのソースおよびドレインの一方として機能する領域)と、層242c上の絶縁体130bと、絶縁体130b上の導電体120bと、を有する。導電体120bは、絶縁体130bを介して、少なくとも一部が層242bと重なるように、配置されることが好ましい。また、導電体120bの上に接して導電体240cが配置される。なお、以下において、絶縁体130aおよび絶縁体130bをまとめて絶縁体130という場合がある。また、以下において、導電体120aおよび導電体120bをまとめて導電体120という場合がある。
容量素子100aにおいて、層242aは電極の一方として機能し、導電体120aは電極の他方として機能する。また、絶縁体130aは容量素子100aの誘電体として機能する。ここで、層242aは、トランジスタ200aのソースおよびドレインの一方、および容量素子100aの電極の一方としての機能を有しており、ノードFNとして機能する。また、導電体240aは、固定電位を与える導電体に電気的に接続される。
容量素子100bにおいて、層242cは電極の一方として機能し、導電体120bは電極の他方として機能する。また、絶縁体130bは容量素子100bの誘電体として機能する。ここで、層242cは、トランジスタ200bのソースおよびドレインの一方、および容量素子100bの電極の一方としての機能を有しており、ノードFNとして機能する。また、導電体240cは、固定電位を与える導電体に電気的に接続される。
なお図12(A)および図18では、絶縁体130aおよび130bは、多層構造を有するものとして図示しているが、図13に図示するように単層構造とすることもできる。また、図12(A)の構成において導電体740aと740bとは近接して設ける構成と図示したが、図13に図示するように離間して設ける構成とするもできる。また絶縁体280などに埋め込まれた配線VLとして機能するプラグは、容量素子100aおよび100bの一方の電極がその機能を兼ねることで図13に図示するように省略することが可能である。また図13において、配線BLは配線WLa、WLbと直交するよう配置する構成を図示している。
なお、図16(A)などでは、導電体240a、導電体240b、および導電体240cが直線上に配置されているが、本実施の形態に示す半導体装置はこれに限られるものではなく、メモリセルアレイの回路配置や駆動方法に合わせて適宜配置すればよい。また、導電体240aおよび導電体240cは必ずしも設けなくてもよい。例えば、図19に示すように、導電体120bおよび導電体120cを延伸させて配線としても機能させる場合は、導電体240aおよび導電体240cを設けなくてもよい。また、導電体120aおよび導電体120bと同様に、導電体260a、導電体260b、導電体203a、および導電体203bも配線として機能させてよく、その場合、トランジスタ200aまたはトランジスタ200bのチャネル幅方向に延伸して設けてもよい。なお、図19では、配線として機能する導電体120a、導電体120b、導電体203a、および導電体203bを導電体260aおよび導電体260bと同じ方向に延伸させているが、本実施の形態に示す半導体装置はこれに限られるものではなく、メモリセルアレイの回路配置や駆動方法に合わせて適宜配置すればよい。
図19に示すメモリセル600aおよびメモリセル600bは、図20に図示するように、配線WLaおよび配線WLbと、配線ビット線BLとが直交(図中x方向とy方向)するように設ける構成とすることができる。また、配線VLは、配線WLaおよび配線WLbが延伸する方向(図中x方向)に設ける構成とすることができる。
図19に示すメモリセル600aおよびメモリセル600bを、3行3列のマトリクス状に配置すると、図22に示す上面図のようになる。導電体260を延伸させた配線は配線WL_1から配線WL_6となり、導電体120を延伸させた配線は配線VLとなる。また、導電体240bの上面に接して、配線BL_1から配線BL_3が設けられる。配線WL_1から配線WL_6の延伸方向と、配線BL_1から配線BL_3の延伸方向は、概略直交する。図22に示すように、メモリセル600aおよびメモリセル600bを、マトリクス状に配置することで、図2等に示すセルアレイを構成することができる。なお、図22では、メモリセル600aおよびメモリセル600bを3×3個配置する例を示しているが、本実施の形態はこれに限られることなく、セルアレイに含まれるメモリセルまたは配線等の、個数及び配置は、適宜設定すればよい。また、図22の上面図では、図の明瞭化のために、図19に示す一部の要素を省いて図示している。
なお図21では、図22に示すX1-X2の一点鎖線で示す部位の断面図である。図21に図示するように、配線BL_1と配線WL_1乃至WL_4とは直交し、配線VLは、隣接するメモリセル間で共有するように設けられている。
また、図22では、酸化物230の長辺が配線WLの延伸方向と概略直交するように、酸化物230および配線WLを設けたが、これに限られるものではない。例えば、図23に示すように、酸化物230の長辺が配線WLの延伸方向と直交せず、酸化物230の長辺が配線WLの延伸方向に対して傾けて配置されるレイアウトにしてもよい。例えば、酸化物230の長辺と配線WLの延伸方向のなす角が、20°以上70°以下、好ましくは30°以上60°以下になるように、酸化物230と配線WLを設ければよい。
このように、配線WLの延伸方向に対して酸化物230を傾けて配置することにより、メモリセルを密に配置することができる場合もある。よって、メモリセルアレイの占有面積を低減し、半導体装置の高集積化を図ることができる場合もある。
図15(A)に示すように、容量素子100aの一部がトランジスタ200aと、容量素子100bの一部がトランジスタ200bと、重畳するように形成される。これにより、トランジスタ200a、トランジスタ200b、容量素子100a、および容量素子100bの投影面積の合計を小さくし、メモリセル600aおよびメモリセル600bの占有面積を低減することができる。よって、上記半導体装置の微細化および高集積化が容易になる。また、トランジスタ200a、トランジスタ200b、容量素子100a、および容量素子100bを同じ工程で形成することができるので、工程を短縮し、生産性を向上させることができる。
トランジスタ200aのソースおよびドレインの一方と、トランジスタ200bのソースおよびドレインの一方は、層242bを介して導電体240bと電気的に接続している。これにより、トランジスタ200aおよびトランジスタ200bの配線BLとのコンタクト部が共有され、トランジスタ200aおよびトランジスタ200bを配線BLと接続させるためのプラグとコンタクトホールの数を低減することができる。このように、ソースおよびドレインの一方と電気的に接続する配線を共有することで、メモリセルアレイの占有面積をさらに縮小することができる。
なお、メモリセル600aおよびメモリセル600bにおいて、トランジスタ200aのチャネル長方向とトランジスタ200bのチャネル長方向が平行になるように、トランジスタ200a、トランジスタ200b、容量素子100a、および容量素子100bを設けているが、本実施の形態に示す半導体装置はこれに限られるものではない。回路構成や駆動方法に応じて、適切な構造のトランジスタを、適宜配置すればよい。
次に、トランジスタ200aおよびトランジスタ200bの半導体層として機能する酸化物230に係る詳細の説明を行う。以下において、特段の記載を行わない場合、トランジスタ700の酸化物730についても酸化物230の記載を参酌するものとする。トランジスタ200aおよびトランジスタ200bは、チャネルが形成される領域(以下、チャネル形成領域ともいう。)を含む酸化物230(酸化物230a、酸化物230b、酸化物230ca、および酸化物230cb)に、酸化物半導体として機能する金属酸化物(以下、酸化物半導体ともいう。)を用いることが好ましい。
チャネル形成領域に酸化物半導体を用いたトランジスタ200は、非導通状態において極めてリーク電流が小さいため、低消費電力の半導体装置を提供できる。また、酸化物半導体は、スパッタリング法などを用いて成膜できるため、高集積型の半導体装置を構成するトランジスタ200に用いることができる。
例えば、酸化物230として、In-M-Zn酸化物(元素Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、またはマグネシウムなどから選ばれた一種、または複数種)等の金属酸化物を用いるとよい。また、酸化物230として、In-Ga酸化物、In-Zn酸化物を用いてもよい。
ここで、酸化物半導体は、酸化物半導体を構成する元素の他に、アルミニウム、ルテニウム、チタン、タンタル、クロム、タングステン、などの金属元素が添加されることで、金属化合物を形成し、低抵抗化する。なお、好ましくは、アルミニウム、チタン、タンタル、タングステンなどを用いることが好ましい。
酸化物半導体に、金属元素を添加するには、例えば、酸化物半導体上に、当該金属元素を含む金属膜、金属元素を有する窒化膜、または金属元素を有する酸化膜を設けるとよい。また、当該膜を設けることで、当該膜と酸化物半導体との界面、または当該界面近傍に位置する酸化物半導体中の一部の酸素が該膜などに吸収され、酸素欠損を形成し、当該界面近傍が低抵抗化する場合がある。
また、酸化物半導体上に、金属膜、金属元素を有する窒化膜、または金属元素を有する酸化膜を設けた後、窒素を含む雰囲気下で、熱処理を行うとよい。窒素を含む雰囲気下での熱処理により、金属膜、金属元素を有する窒化膜、または金属元素を有する酸化膜から、当該膜の成分である金属元素が酸化物半導体へ、または酸化物半導体の成分である金属元素が当該膜へと、拡散し、酸化物半導体と、当該膜とが金属化合物を形成し、低抵抗化することができる。酸化物半導体に添加された金属元素は、酸化物半導体と金属元素と、金属化合物を形成することで、比較的安定な状態となるため、信頼性の高い半導体装置を提供することができる。
また、金属膜、金属元素を有する窒化膜、または金属元素を有する酸化膜と、酸化物半導体との界面に、化合物層(以下、異層ともいう。)が形成されていてもよい。なお、化合物層(異層)とは、金属膜、金属元素を有する窒化膜、または金属元素を有する酸化膜の成分と、酸化物半導体の成分とを含む金属化合物を有する層とする。例えば、化合物層として、酸化物半導体の金属元素と、添加された金属元素とが、合金化した層が形成されていてもよい。当該合金化した層は、比較的安定な状態であり、信頼性の高い半導体装置を提供することができる。
また、酸化物半導体に存在する水素は、酸化物半導体の低抵抗化した領域に拡散し、低抵抗化した領域に存在する酸素欠損の中に入った場合、比較的安定な状態となる。また、酸化物半導体に存在する酸素欠損中の水素は、250℃以上の熱処理によって、酸素欠損から抜け出し、酸化物半導体の低抵抗化した領域に拡散し、低抵抗化した領域に存在する酸素欠損の中に入り、比較的安定な状態となることがわかっている。従って、熱処理によって、酸化物半導体の低抵抗化した領域、または金属化合物が形成された領域は、より低抵抗化し、低抵抗化していない酸化物半導体は、高純度化(水、水素などの不純物の低減)し、より高抵抗化する傾向がある。
また、酸化物半導体は、水素、または窒素などの不純物元素が存在すると、キャリア密度が増加する。酸化物半導体中の水素は、金属原子と結合する酸素と反応して水になり、酸素欠損を形成する場合がある。当該酸素欠損に水素が入ると、キャリア密度は増加する。また、水素の一部が金属原子と結合する酸素と結合して、キャリアである電子を生成することがある。つまり、窒素、または水素を有する酸化物半導体は、低抵抗化される。
従って、酸化物半導体に、金属元素、並びに、水素、および窒素などの不純物元素を、選択的に添加することで、酸化物半導体に高抵抗領域、および低抵抗領域を設けることができる。つまり、酸化物230を選択的に低抵抗化することで、島状に加工した酸化物230に、キャリア密度が低い半導体として機能する領域と、ソース領域、またはドレイン領域として機能する低抵抗化した領域を設けることができる。
ここで、図15(B)において破線で囲む、選択的に低抵抗化した酸化物230bを含む領域239の拡大図を図18に示す。
図18に示すように、酸化物230は、領域234a、領域234b、領域231a、領域231b、領域231c、領域232a、領域232b、領域232c、および領域232dを有する。ここで、領域234aはトランジスタ200aのチャネル形成領域として機能し、領域234bはトランジスタ200bのチャネル形成領域として機能する。また、領域231aはトランジスタ200aのソース領域およびドレイン領域の一方として機能し、領域231bはトランジスタ200aのソース領域およびドレイン領域の他方、およびトランジスタ200bのソース領域およびドレイン領域の一方として機能し、領域231cはトランジスタ200bのソース領域およびドレイン領域の他方として機能する。また、領域232aは領域234aと領域231aとの間に位置し、領域232bは領域234aと領域231bとの間に位置し、領域232cは領域234bと領域231bとの間に位置し、領域232dは領域234bと領域231cとの間に位置する。なお、以下において、領域234aおよび領域234bをまとめて領域234という場合がある。また、以下において、領域231a、領域231b、および領域231cをまとめて領域231という場合がある。領域232a、領域232b、領域232c、および領域232dをまとめて領域232という場合がある。
なお、領域231aの上に絶縁体130aと導電体120aが設けられており、領域231aは容量素子100aの電極の一方として機能する。また、領域231cの上に絶縁体130bと導電体120cが設けられており、領域231cは容量素子100bの電極の一方として機能する。酸化物230の領域231は低抵抗化されており、導電性酸化物である。従って、容量素子100の電極の一方として機能することができる。
ソース領域またはドレイン領域として機能する領域231は、酸素濃度が低く、低抵抗化した領域である。また、チャネル形成領域として機能する領域234は、ソース領域またはドレイン領域として機能する領域231よりも、酸素濃度が高く、キャリア密度が低い高抵抗領域である。また、領域232は、ソース領域またはドレイン領域として機能する領域231よりも、酸素濃度が高く、キャリア密度が低い、かつ、チャネル形成領域として機能する領域234よりも、酸素濃度が低く、キャリア密度が高い領域である。
なお、領域231は、金属元素、並びに水素、および窒素などの不純物元素、の少なくとも一の濃度が領域232、および領域234よりも高いことが好ましい。
例えば、領域231は、酸化物230の他に、アルミニウム、ルテニウム、チタン、タンタル、タングステン、クロムなどの金属元素の中から選ばれるいずれか一つまたは複数の金属元素を有することが好ましい。
領域231を形成するために、例えば、酸化物230の領域231に接して、金属元素を有する膜を設ければよい。当該金属元素を有する膜は、領域231の形成後に、エッチング処理などで除去すればよい。なお、当該金属元素を有する膜として、金属膜、金属元素を有する酸化膜、または金属元素を有する窒化膜を用いることができる。その際、当該金属元素を有する膜と、酸化物230との間に、層242が形成されることが好ましい。例えば層242は、酸化物230の上面および側面に形成される場合がある。なお、層242は、当該金属元素を有する膜の成分と、酸化物230の成分とを含む金属化合物を有する層とし、化合物層と呼ぶこともできる。例えば、層242として、酸化物230中の金属元素と、添加された金属元素とが、合金化した層が形成されていてもよい。
酸化物230に、金属元素が添加されることで、酸化物230中に、金属化合物が形成され、領域231を低抵抗化することができる。なお、当該金属化合物は、必ずしも、酸化物230中に形成されていなくともよい。例えば、酸化物230の表面に層242が形成されてもよいし、酸化物230と絶縁体130の間に層242が形成されてもよい。
従って、領域231は、層242の低抵抗化領域も含む場合がある。よって、層242の少なくとも一部がトランジスタ200aまたはトランジスタ200bのソース領域またはドレイン領域として機能し得る。ここで、層242は、領域231a、領域231b、および領域231cに形成され、それぞれ、層242a、層242b、および層242cとなる。
領域232は、絶縁体275と重畳する領域を有する。領域232は、アルミニウム、ルテニウム、チタン、タンタル、タングステン、クロムなどの金属元素、並びに水素、および窒素などの不純物元素、の少なくとも一の濃度が領域234よりも高いことが好ましい。例えば、酸化物230の領域231に接して、上記金属元素を有する膜を設けることで、上記金属元素を有する膜中の成分と、酸化物半導体の成分とが、金属化合物を形成する場合がある。当該金属化合物は、酸化物230に含まれる水素を引き寄せる場合がある。従って、領域231の近傍である領域232の水素の濃度が高くなる場合がある。
なお、領域232a、および領域232bのいずれか一方または双方は、導電体260aと重畳する領域を有する構成としてもよい。当該構成とすることで、導電体260aと、領域232aおよび領域232bとを、オーバーラップさせることが可能となる。また、同様に、領域232c、および領域232dのいずれか一方または双方は、導電体260bと重畳する領域を有する構成としてもよい。当該構成とすることで、導電体260bと、領域232cおよび領域232dとを、オーバーラップさせることが可能となる。
また、図18では、領域234、領域231、および領域232が、酸化物230bに形成されているが、これに限られない。例えば、これらの領域は層242、層242と酸化物230との間に形成された化合物層、酸化物230a、および酸化物230cにも、形成されていてもよい。また、図18では、各領域の境界を、酸化物230の上面に対して略垂直に表示しているが、本実施の形態はこれに限られるものではない。例えば、領域232が酸化物230bの表面近傍では導電体260側に張り出し、酸化物230b下面近傍では、導電体240a側または導電体240b側に後退する形状になる場合がある。
また、酸化物230において、各領域の境界は明確に検出することが困難な場合がある。各領域内で検出される金属元素、並びに水素、および窒素などの不純物元素の濃度は、領域ごとの段階的な変化に限らず、各領域内でも連続的に変化(グラデーションともいう。)していてもよい。つまり、チャネル形成領域に近い領域であるほど、金属元素、並びに水素、および窒素などの不純物元素の濃度が減少していればよい。
酸化物230を、選択的に低抵抗化するには、例えば、アルミニウム、ルテニウム、チタン、タンタル、タングステン、クロムなどの導電性を高める金属元素、および不純物の少なくとも一を、所望の領域に添加すればよい。なお、不純物としては、酸素欠損を形成する元素、または酸素欠損に捕獲される元素などを用いればよい。例えば、当該元素として、水素、ホウ素、炭素、窒素、フッ素、リン、硫黄、塩素、希ガス等が挙げられる。また、希ガス元素の代表例としては、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、およびキセノン等がある。
領域231は、上述の導電性を高める金属元素、酸素欠損を形成する元素、または酸素欠損に捕獲される元素の含有率を高くすることで、キャリア密度を高くし、低抵抗化を図ることができる。
領域231を低抵抗化するために、例えば、酸化物230の領域231に接して、上記金属元素を有する膜を成膜するとよい。当該金属元素を有する膜としては、金属膜、金属元素を有する酸化膜、または金属元素を有する窒化膜などを用いることができる。当該金属元素を有する膜は、少なくとも、絶縁体250、金属酸化物252、導電体260、絶縁体270、絶縁体271、および絶縁体275を介して、酸化物230上に設けることが好ましい。
酸化物230と上記金属元素を有する膜とが接することにより、当該金属元素を有する膜の成分と、酸化物230の成分とが、金属化合物を形成し、領域231となり、低抵抗化する。また、酸化物230と当該金属元素を有する膜との界面、または当該界面近傍に位置する酸化物230中の酸素の一部が層242に吸収され、酸化物230に酸素欠損を形成し、低抵抗化し、領域231を形成する場合がある。
また、酸化物230と、上記金属元素を有する膜とが、接した状態で、窒素を含む雰囲気下において熱処理を行うとよい。当該熱処理により、当該金属元素を有する膜から、当該金属元素を有する膜の成分である金属元素が酸化物230へ、または酸化物230の成分である金属元素が当該金属元素を有する膜へと、拡散し、酸化物230と、当該金属元素を有する膜とが金属化合物を形成し、低抵抗化する。このようにして、酸化物230と当該金属元素を有する膜との間に層242が形成される。ここで、当該金属元素を有する膜は、絶縁体250、金属酸化物252、導電体260、絶縁体270、絶縁体271、および絶縁体275を介して、酸化物230上に設けられているので、層242は、酸化物230の導電体260a、導電体260b、絶縁体275a、および絶縁体275bと重ならない領域に形成される。なお、その際、酸化物230の金属元素と、当該金属元素を有する膜の金属元素とが、合金化してもよい。従って、層242は合金を含む場合がある。当該合金は、比較的安定な状態であり、信頼性の高い半導体装置を提供することができる。
上記熱処理は、例えば、250℃以上650℃以下、好ましくは300℃以上500℃以下、さらに好ましくは320℃以上450℃以下で行えばよい。なお、熱処理は、窒素または不活性ガス雰囲気で行う。また、熱処理は減圧状態で行ってもよい。また、窒素または不活性ガス雰囲気で加熱処理した後に、酸化性ガスを含む雰囲気で加熱処理を行ってもよい。
また、酸化物230中の水素は、領域231に拡散し、領域231に存在する酸素欠損の中に入った場合、比較的安定な状態となる。また、領域234に存在する酸素欠損中の水素は、250℃以上の熱処理によって、酸素欠損から抜け出し、領域231に拡散し、領域231に存在する酸素欠損の中に入り、比較的安定な状態となる。従って、熱処理によって、領域231は、より低抵抗化し、領域234は、高純度化(水、水素などの不純物の低減)し、より高抵抗化する。
一方、酸化物230の導電体260、および絶縁体275と重畳する領域(領域234、および領域232)は、導電体260、および絶縁体275を介しているため、金属元素の添加が抑制される。また、酸化物230の領域234、および領域232において、酸化物230中の酸素原子が、上述した上記金属元素を有する膜へ吸収されることが抑制される。
また、上記金属元素を有する膜に、酸化物230の領域231、および領域231に近接する領域232の酸素が吸収されることで、領域231、および領域232に酸素欠損が生じる場合がある。酸化物230中の水素が、当該酸素欠損に入ることで、領域231、および領域232のキャリア密度は増加する。従って、酸化物230の領域231、および領域232は、低抵抗化される。
ここで、上記金属元素を有する膜が、水素を吸収する特性を有する場合、酸化物230中の水素は、当該膜へと吸収される。従って、酸化物230中の不純物である水素を低減することができる。上記金属元素を有する膜は、後の工程で、酸化物230から吸収した水素とともに除去してもよい。
なお、上記金属元素を有する膜は、必ずしも除去しなくともよい。例えば、上記金属元素を有する膜を絶縁化し、高抵抗化している場合は、残存させてもよい。例えば、上記金属元素を有する膜は、酸化物230から吸収した酸素により、酸化し、絶縁体となり、高抵抗化する場合がある。その場合、上記金属元素を有する膜は、層間膜として機能する場合がある。
また、例えば、上記金属元素を有する膜に、導電性を有する領域が残存している場合、熱処理を行うことにより、酸化させることで、絶縁体となり、高抵抗化する。当該熱処理は、例えば、酸化性雰囲気下で行うことが好ましい。また、上記金属元素を有する膜の近傍に酸素を有する構造体がある場合、熱処理を行うことで、上記金属元素を有する膜は、当該構造体が有する酸素と反応し、酸化する場合がある。
上記金属元素を有する膜を、絶縁体として残存させることで、層間膜および容量素子100の誘電体として機能させることができる。当該構造とする場合、上記金属元素を有する膜は、後工程で、絶縁化させることができる程度の膜厚で設ける。例えば、上記金属元素を有する膜は、0.5nm以上5nm以下、好ましくは1nm以上2nm以下の膜厚で設けるとよい。なお、上記酸化性雰囲気下で熱処理を行う場合には、酸化物230と、上記金属元素を有する膜とが、接した状態で、窒素を含む雰囲気下において一度熱処理を行ったあとに行うと好適である。窒素を含む雰囲気下において、一度熱処理を行うことで、酸化物230中の酸素が上記金属元素を有する膜に拡散しやすくなる。
また、層242を形成した後で、上記金属元素を有する膜が十分な導電性を有している場合、上記金属元素を有する膜の一部を除去して、トランジスタ200のソース電極またはドレイン電極として機能する導電体を形成してもよい。当該金属元素を有する膜の膜厚を十分厚く、例えば10nm以上200nm以下程度にしておくことで、ソース電極またはドレイン電極として機能する導電体に十分な導電性を与えることができる。ソース電極またはドレイン電極として機能する導電体は、金属元素を有する酸化膜、または金属元素を有する窒化膜としてもよい。
ここで、酸化物半導体を用いたトランジスタは、酸化物半導体中のチャネルが形成される領域に不純物及び酸素欠損が存在すると、電気特性が変動しやすく、信頼性が悪くなる場合がある。また、酸化物半導体中のチャネルが形成される領域に酸素欠損が含まれていると、トランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。従って、チャネルが形成される領域234中の酸素欠損はできる限り低減されていることが好ましい。
そこで、図18に示すように、絶縁体250、酸化物230bの領域232、および酸化物230cに接して、化学量論的組成を満たす酸素よりも多くの酸素(過剰酸素ともいう。)を含む絶縁体275を設けることが好ましい。つまり、絶縁体275が有する過剰酸素が、酸化物230の領域234へと拡散することで、酸化物230の領域234における酸素欠損を低減することができる。
また、絶縁体275に過剰酸素領域を設けるには、絶縁体275に接する絶縁体273として、酸化物を、スパッタリング法により成膜するとよい。酸化物の成膜にスパッタリング法を用いることにより、水または水素などの不純物の少ない絶縁体を成膜することができる。スパッタリング法を用いる場合は、例えば、対向ターゲット型のスパッタリング装置を用いて成膜することが好ましい。対向ターゲット型のスパッタリング装置は、対向するターゲット間の高電界領域に被成膜面が晒されることなく成膜できるので、被成膜面がプラズマによる損傷を受けにくく成膜することができるので、絶縁体273となる絶縁体の成膜時に酸化物230への成膜ダメージを小さくすることができるので好ましい。対向ターゲット型のスパッタリング装置を用いた成膜法を、VDSP(Vapor Deposition SP)(登録商標)と呼ぶことができる。
スパッタリング法による成膜時には、ターゲットと基板との間には、イオンとスパッタされた粒子とが存在する。例えば、ターゲットは、電源が接続されており、電位E0が与えられる。また、基板は、接地電位などの電位E1が与えられる。ただし、基板が電気的に浮いていてもよい。また、ターゲットと基板の間には電位E2となる領域が存在する。各電位の大小関係は、E2>E1>E0である。
プラズマ内のイオンが、電位差E2-E0によって加速され、ターゲットに衝突することにより、ターゲットからスパッタされた粒子がはじき出される。このスパッタされた粒子が成膜表面に付着し、堆積することにより成膜が行われる。また、一部のイオンはターゲットによって反跳し、反跳イオンとして形成された膜を通過し、被成膜面と接する絶縁体275に取り込まれる場合がある。また、プラズマ内のイオンは、電位差E2-E1によって加速され、成膜表面を衝撃する。この際、一部のイオンは、絶縁体275内部まで到達する。イオンが絶縁体275に取り込まれることにより、イオンが取り込まれた領域が絶縁体275に形成される。つまり、イオンが酸素を含むイオンであった場合において、絶縁体275に過剰酸素領域が形成される。
絶縁体275に過剰な酸素を導入することで、絶縁体275中に過剰酸素領域を形成することができる。絶縁体275の過剰な酸素は、酸化物230の領域234に供給され、酸化物230の酸素欠損を補償することができる。
なお、絶縁体275は、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、空孔を有する酸化シリコンを用いることが好ましい。酸化窒化シリコンなどの材料は、過剰酸素領域を形成されやすい傾向がある。一方、上述の酸化窒化シリコンなどの材料と比較して、酸化物230は、スパッタリング法を用いた酸化膜を、酸化物230上に形成したとしても、過剰酸素領域が形成しにくい傾向がある。従って、過剰酸素領域を有する絶縁体275を、酸化物230の領域234の周辺に設けることで、酸化物230の領域234へ、絶縁体275の過剰酸素を効果的に供給することができる。
また、絶縁体273は、酸化アルミニウムを用いることが好ましい。酸化アルミニウムは、酸化物230と近接した状態で、熱処理を行うことで、酸化物230中の水素を引き抜く場合がある。なお、酸化物230と、酸化アルミニウムとの間に層242が設けられている場合、層242中の水素を酸化アルミニウムが吸収し、水素が低減された層242は、酸化物230中の水素を吸収する場合がある。図18に示す構成では、導電体240bを形成する前に、酸化アルミニウムが層242bから水素を吸収することができる。従って、酸化物230中の水素濃度を低減することができる。また、絶縁体273と、酸化物230とを近接した状態で熱処理を行うことで、絶縁体273から酸化物230、絶縁体224、または絶縁体222に酸素を供給できる場合がある。
上記構成、または上記工程を組み合わせることで、酸化物230の選択的な低抵抗化を行うことができる。
つまり、酸化物230に低抵抗領域を形成する際に、ゲート電極として機能する導電体260、および絶縁体275をマスクとすることで、自己整合的に酸化物230は低抵抗化する。そのため、複数のトランジスタ200を同時に形成する場合、トランジスタ間の電気特性バラつきを小さくすることができる。また、トランジスタ200のチャネル長は、導電体260の幅、または絶縁体275の膜厚により決定され、導電体260の幅を最小加工寸法とすることにより、トランジスタ200の微細化が可能となる。
以上より、各領域の範囲を適宜選択することにより、回路設計に合わせて、要求に見合う電気特性を有するトランジスタを容易に提供することができる。
また、酸化物半導体は、スパッタリング法などを用いて成膜できるため、高集積型の半導体装置を構成するトランジスタに用いることができる。また、チャネル形成領域に酸化物半導体を用いたトランジスタは、非導通状態において極めてリーク電流(オフ電流)が小さいため、低消費電力の半導体装置を提供できる。また、トランジスタ200は、オフ電流が小さいため、これを半導体装置に用いることにより長期にわたり記憶内容を保持することが可能である。つまり、リフレッシュ動作を必要としない、あるいは、リフレッシュ動作の頻度が極めて少ないため、半導体装置の消費電力を十分に低減することができる。
以上より、オン電流が大きいトランジスタを有する半導体装置を提供することができる。または、オフ電流が小さいトランジスタを有する半導体装置を提供することができる。または、電気特性の変動を抑制し、安定した電気特性を有すると共に、信頼性を向上させた半導体装置を提供することができる。
以下では、本実施の形態に示す半導体装置の層構造の詳細な構成について説明する。以下において、特段の記載を行わない場合、トランジスタ700の詳細な構成についてもトランジスタ200の詳細な構成の記載を参酌するものとする。
導電体203は、図15(A)、および図16(A)に示すように、チャネル幅方向に延伸されており、導電体205に電位を印加する配線として機能する。なお、導電体203は、絶縁体212に埋め込まれて設けることが好ましい。
導電体205aは、酸化物230および導電体260aと、導電体205bは、酸化物230および導電体260bと、重なるように配置する。また、導電体205aは導電体203aの上に、導電体205bは導電体203bの上に、接して設けるとよい。また、導電体205は、絶縁体214および絶縁体216に埋め込まれて設けることが好ましい。
ここで、導電体260は、第1のゲート(フロントゲートともいう。)電極として機能する場合がある。また、導電体205は、第2のゲート(バックゲートともいう。)電極として機能する場合がある。その場合、導電体205に印加する電位を、導電体260に印加する電位と、連動させず、独立して変化させることで、トランジスタ200の閾値電圧を制御することができる。特に、導電体205に負の電位を印加することにより、トランジスタ200の閾値電圧を0Vより大きくし、オフ電流を低減することが可能となる。したがって、導電体205に負の電位を印加したほうが、印加しない場合よりも、導電体260に印加する電位が0Vのときのドレイン電流を小さくすることができる。
また、導電体203上に導電体205を設けることで、第1のゲート電極、および配線としての機能を有する導電体260と、導電体203との距離を適宜設計することが可能となる。つまり、導電体203と導電体260の間に絶縁体214および絶縁体216などが設けられることで、導電体203と導電体260の間の寄生容量を低減し、導電体203と導電体260の間の絶縁耐圧を高めることができる。
また、導電体203と導電体260の間の寄生容量を低減することで、トランジスタ200のスイッチング速度を向上させ、高い周波数特性を有するトランジスタにすることができる。また、導電体203と導電体260の間の絶縁耐圧を高めることで、トランジスタ200の信頼性を向上させることができる。よって、絶縁体214および絶縁体216の膜厚を厚くすることが好ましい。なお、導電体203の延伸方向はこれに限られず、例えば、トランジスタ200のチャネル長方向に延伸されてもよい。
なお、導電体205は、図15(A)に示すように、酸化物230、および導電体260と重なるように配置する。また、導電体205は、酸化物230における領域234よりも、大きく設けるとよい(図18参照)。特に、図16(A)に示すように、導電体205aは、酸化物230の領域234aのチャネル幅方向と交わる端部よりも外側の領域においても、延伸していることが好ましい。つまり、酸化物230のチャネル幅方向における側面において、導電体205aと、導電体260aとは、絶縁体を介して重畳していることが好ましい。なお、図16(A)はトランジスタ200aを示しているが、トランジスタ200bについても同様である。
上記構成を有することで、導電体260、および導電体205に電位を印加した場合、導電体260から生じる電界と、導電体205から生じる電界と、がつながり、酸化物230に形成されるチャネル形成領域を覆うことができる。
つまり、第1のゲート電極としての機能を有する導電体260の電界と、第2のゲート電極としての機能を有する導電体205の電界によって、領域234のチャネル形成領域を電気的に取り囲むことができる。本明細書において、第1のゲート電極、および第2のゲート電極の電界によって、チャネル形成領域を電気的に取り囲むトランジスタの構造を、surrounded channel(S-channel)構造とよぶ。
また、導電体205は、絶縁体214および絶縁体216の開口の内壁に接して第1の導電体が形成され、さらに内側に第2の導電体が形成されている。ここで、第1の導電体および第2の導電体の上面の高さと、絶縁体216の上面の高さは同程度にできる。なお、トランジスタ200では、導電体205の第1の導電体および導電体205の第2の導電体を積層する構成について示しているが、本発明の一態様はこれに限られるものではない。例えば、導電体205は、単層、または3層以上の積層構造として設ける構成にしてもよい。
ここで、導電体205、または導電体203の第1の導電体は、水素原子、水素分子、水分子、窒素原子、窒素分子、酸化窒素分子(N2O、NO、NO2など)、銅原子などの不純物の拡散を抑制する機能を有する(上記不純物が透過しにくい。)導電性材料を用いることが好ましい。または、酸素(例えば、酸素原子、酸素分子など)の少なくとも一の拡散を抑制する機能を有する(上記酸素が透過しにくい。)導電性材料を用いることが好ましい。なお、本明細書において、不純物、または酸素の拡散を抑制する機能とは、上記不純物、または上記酸素のいずれか一または、すべての拡散を抑制する機能とする。
導電体205、または導電体203の第1の導電体が酸素の拡散を抑制する機能を持つことにより、導電体205、または導電体203の第2の導電体が酸化して導電率が低下することを抑制することができる。酸素の拡散を抑制する機能を有する導電性材料としては、例えば、タンタル、窒化タンタル、ルテニウムまたは酸化ルテニウムなどを用いることが好ましい。したがって、導電体205、または導電体203の第1の導電体としては、上記導電性材料を単層または積層とすればよい。これにより、水素、水などの不純物が、導電体203、および導電体205を通じて、トランジスタ200側に拡散するのを抑制することができる。
また、導電体205の第2の導電体は、タングステン、銅、またはアルミニウムを主成分とする導電性材料を用いることが好ましい。なお、導電体205の第2の導電体を単層で図示したが、積層構造としてもよく、例えば、チタン、窒化チタンと上記導電性材料との積層としてもよい。
また、導電体203の第2の導電体は、配線として機能するため、導電体205の第2の導電体より導電性が高い導電体を用いることが好ましい。例えば、銅、またはアルミニウムを主成分とする導電性材料を用いることができる。また、導電体203の第2の導電体は積層構造としてもよく、例えば、チタン、窒化チタンと上記導電性材料との積層としてもよい。
特に、導電体203に、銅を用いることが好ましい。銅は抵抗が小さいため、配線等に用いることが好ましい。一方、銅は拡散しやすいため、酸化物230に拡散することで、トランジスタ200の電気特性を低下させる場合がある。そこで、例えば、絶縁体214には、銅の透過性が低い酸化アルミニウム、または酸化ハフニウムなどの材料を用いることで、銅の拡散を抑えることができる。
また、図15等では、トランジスタ200aとトランジスタ200bにそれぞれ、バックゲートとして機能する導電体205a、導電体205bを設けたが、本実施の形態に係る半導体装置はこれに限られるものではない。トランジスタ200aとトランジスタ200bでバックゲートをそれぞれ独立して制御する必要がない場合、同一の導電層でトランジスタ200aのバックゲートとトランジスタ200bのバックゲートを兼ねることができる。例えば、図24に示すように、導電体205aおよび導電体205bの代わりに導電体205cを設ける構成にすればよい。導電体205cは、トランジスタ200aのバックゲートおよびトランジスタ2005bのバックゲートとして機能する。トランジスタ200aおよびトランジスタ200bのバックゲートを個別で設ける場合、当該バックゲートをパターニングするために、バックゲート間に間隔を設ける必要があるが、トランジスタ200aおよびトランジスタ200bのバックゲートを同一の導電層で設けることにより、当該間隔を設ける必要がない。よって、メモリセル600a及びメモリセル600bの占有面積を低減し、本実施の形態に係る半導体装置をさらに高集積化することができる。また、導電体205cの下に配線BGLとして機能する導電体203cを設けてもよい。なお、導電体205cは、導電体205と同様の構成を有し、導電体205の記載を参酌することができる。また、導電体203cは、導電体203と同様の構成を有し、導電体203の記載を参酌することができる。
また、図24に示す半導体装置では、導電体205cの側面の一が絶縁体275aの側面の一と概略重なり、導電体205cの側面の一が絶縁体275bの側面の一と概略重なるように、配置しているが、本実施の形態に係る半導体装置はこれに限られるものではない。例えば、図25に示すように、導電体205cの側面の一が導電体260aの側面の一と概略重なり、導電体205cの側面の一が導電体260bの側面の一と概略重なるように、配置してもよい。言い換えると、図25では、導電体205cのトランジスタ200のチャネル長方向の長さが、図24に示す導電体205cよりも短くなっている。図25に示すように、導電体205cを設けることにより、図24に示すトランジスタ200aおよびトランジスタ200bより、導電体205cの側面の一と領域231aの距離、および導電体205cの側面の一と領域231cの距離を、大きくし、これらの間に発生する寄生容量やリーク電流を低減することができる(図15(A)および図18を併せて参照)。
なお、導電体205、絶縁体214、および絶縁体216は必ずしも設けなくともよい。その場合、導電体203の一部が第2のゲート電極として機能することができる。
絶縁体210、絶縁体214、および絶縁体282は、水または水素などの不純物が、基板側または絶縁体284側からトランジスタ200に混入するのを抑制するバリア絶縁膜として機能することが好ましい。したがって、絶縁体210、絶縁体214、および絶縁体282は、水素原子、水素分子、水分子、窒素原子、窒素分子、酸化窒素分子(N2O、NO、NO2など)、銅原子などの不純物の拡散を抑制する機能を有する(上記不純物が透過しにくい。)絶縁性材料を用いることが好ましい。または、酸素(例えば、酸素原子、酸素分子など)の少なくとも一の拡散を抑制する機能を有する(上記酸素が透過しにくい。)絶縁性材料を用いることが好ましい。
例えば、絶縁体210、および絶縁体282として酸化アルミニウムなどを用い、絶縁体214として窒化シリコンなどを用いることが好ましい。これにより、水素、水などの不純物が絶縁体210および絶縁体214よりも基板側からトランジスタ200側に拡散することを抑制することができる。または、絶縁体224などに含まれる酸素が、絶縁体210および絶縁体214よりも基板側に、拡散することを抑制することができる。または、水素、水などの不純物が、絶縁体282よりも絶縁体284側からトランジスタ200側に拡散することを抑制することができる。
また、導電体203の上に導電体205を積層して設ける構成にすることにより、導電体203と導電体205の間に絶縁体214を設けることができる。ここで、導電体203の第2の導電体に銅など拡散しやすい金属を用いても、絶縁体214として窒化シリコンなどを設けることにより、当該金属が絶縁体214より上の層に拡散するのを抑制することができる。
また、層間膜として機能する絶縁体212、絶縁体216、絶縁体280、および絶縁体284は、絶縁体210、または絶縁体214よりも誘電率が低いことが好ましい。誘電率が低い材料を層間膜とすることで、配線間に生じる寄生容量を低減することができる。
例えば、絶縁体212、絶縁体216、絶縁体280、および絶縁体284として、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)または(Ba,Sr)TiO3(BST)などの絶縁体を単層または積層で用いることができる。またはこれらの絶縁体に、例えば、酸化アルミニウム、酸化ビスマス、酸化ゲルマニウム、酸化ニオブ、酸化シリコン、酸化チタン、酸化タングステン、酸化イットリウム、酸化ジルコニウムを添加してもよい。またはこれらの絶縁体を窒化処理してもよい。上記の絶縁体に酸化シリコン、酸化窒化シリコンまたは窒化シリコンを積層して用いてもよい。
絶縁体220、絶縁体222、および絶縁体224は、ゲート絶縁体としての機能を有する。また、トランジスタ700に設けられる絶縁体724も、絶縁体224と同様にゲート絶縁体としての機能を有する。なお、本実施の形態では、絶縁体224と絶縁体724は分離されているが、絶縁体224と絶縁体724がつながっていてもよい。
ここで、酸化物230と接する絶縁体224は、化学量論的組成を満たす酸素よりも多くの酸素を含む絶縁体を用いることが好ましい。つまり、絶縁体224には、過剰酸素領域が形成されていることが好ましい。このような過剰酸素を含む絶縁体を酸化物230に接して設けることにより、酸化物230中の酸素欠損を低減し、トランジスタ200の信頼性を向上させることができる。
過剰酸素領域を有する絶縁体として、具体的には、加熱により一部の酸素が脱離する酸化物材料を用いることが好ましい。加熱により酸素を脱離する酸化物とは、TDS(Thermal Desorption Spectroscopy)分析にて、酸素原子に換算しての酸素の脱離量が1.0×1018atoms/cm3以上、好ましくは1.0×1019atoms/cm3以上、さらに好ましくは2.0×1019atoms/cm3、または3.0×1020atoms/cm3以上である酸化物膜である。なお、上記TDS分析時における膜の表面温度としては100℃以上700℃以下、または100℃以上400℃以下の範囲が好ましい。
また、絶縁体224が、過剰酸素領域を有する場合、絶縁体222は、酸素(例えば、酸素原子、酸素分子など)の少なくとも一の拡散を抑制する機能を有する(上記酸素が透過しにくい。)ことが好ましい。
絶縁体222が、酸素の拡散を抑制する機能を有することで、絶縁体224が有する過剰酸素領域の酸素は、絶縁体220側へ拡散することなく、効率よく酸化物230へ供給することができる。また、導電体205が、絶縁体224が有する過剰酸素領域の酸素と反応することを抑制することができる。
絶縁体222は、例えば、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)または(Ba,Sr)TiO3(BST)などのいわゆるhigh-k材料を含む絶縁体を単層または積層で用いることが好ましい。トランジスタの微細化、および高集積化が進むと、ゲート絶縁体の薄膜化により、リーク電流などの問題が生じる場合がある。ゲート絶縁体として機能する絶縁体にhigh-k材料を用いることで、膜厚を保ちながら、トランジスタ動作時のゲート電位の低減が可能となる。
特に、不純物、および酸素などの拡散を抑制する機能を有する(上記酸素が透過しにくい。)絶縁性材料であるアルミニウムおよびハフニウムの一方または双方の酸化物を含む絶縁体を用いるとよい。アルミニウムおよびハフニウムの一方または双方の酸化物を含む絶縁体として、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、アルミニウムおよびハフニウムを含む酸化物(ハフニウムアルミネート)などを用いることが好ましい。このような材料を用いて絶縁体222を形成した場合、絶縁体222は、酸化物230からの酸素の放出や、トランジスタ200の周辺部から酸化物230への水素等の不純物の混入を抑制する層として機能する。
または、これらの絶縁体に、例えば、酸化アルミニウム、酸化ビスマス、酸化ゲルマニウム、酸化ニオブ、酸化シリコン、酸化チタン、酸化タングステン、酸化イットリウム、酸化ジルコニウムを添加してもよい。またはこれらの絶縁体を窒化処理してもよい。上記の絶縁体に酸化シリコン、酸化窒化シリコンまたは窒化シリコンを積層して用いてもよい。
また、絶縁体220は、熱的に安定していることが好ましい。例えば、酸化シリコンおよび酸化窒化シリコンは、熱的に安定であるため、high-k材料の絶縁体と絶縁体220とを組み合わせることで、熱的に安定かつ比誘電率の高い積層構造とすることができる。
なお、絶縁体220、絶縁体222、および絶縁体224が、2層以上の積層構造を有していてもよい。その場合、同じ材料からなる積層構造に限定されず、異なる材料からなる積層構造でもよい。
酸化物230は、酸化物230aと、酸化物230a上の酸化物230bと、酸化物230b上の酸化物230cと、を有する。酸化物230b下に酸化物230aを有することで、酸化物230aよりも下方に形成された構造物から、酸化物230bへの不純物の拡散を抑制することができる。また、酸化物230b上に酸化物230cを有することで、酸化物230cよりも上方に形成された構造物から、酸化物230bへの不純物の拡散を抑制することができる。
なお、酸化物230は、各金属原子の原子数比が異なる酸化物により、積層構造を有することが好ましい。具体的には、酸化物230aに用いる金属酸化物において、構成元素中の元素Mの原子数比が、酸化物230bに用いる金属酸化物における、構成元素中の元素Mの原子数比より、大きいことが好ましい。また、酸化物230aに用いる金属酸化物において、Inに対する元素Mの原子数比が、酸化物230bに用いる金属酸化物における、Inに対する元素Mの原子数比より大きいことが好ましい。また、酸化物230bに用いる金属酸化物において、元素Mに対するInの原子数比が、酸化物230aに用いる金属酸化物における、元素Mに対するInの原子数比より大きいことが好ましい。また、酸化物230cは、酸化物230aまたは酸化物230bに用いることができる金属酸化物を、用いることができる。
また、酸化物230aおよび酸化物230cの伝導帯下端のエネルギーが、酸化物230bの伝導帯下端のエネルギーより高くなることが好ましい。また、言い換えると、酸化物230aおよび酸化物230cの電子親和力が、酸化物230bの電子親和力より小さいことが好ましい。
ここで、酸化物230a、酸化物230b、および酸化物230cの接合部において、伝導帯下端はなだらかに変化する。換言すると、酸化物230a、酸化物230b、および酸化物230cの接合部における伝導帯下端は、連続的に変化または連続接合するともいうことができる。このようにするためには、酸化物230aと酸化物230bとの界面、および酸化物230bと酸化物230cとの界面において形成される混合層の欠陥準位密度を低くするとよい。
具体的には、酸化物230aと酸化物230b、酸化物230bと酸化物230cが、酸素以外に共通の元素を有する(主成分とする。)ことで、欠陥準位密度が低い混合層を形成することができる。例えば、酸化物230bがIn-Ga-Zn酸化物の場合、酸化物230aおよび酸化物230cとして、In-Ga-Zn酸化物、Ga-Zn酸化物、酸化ガリウムなどを用いるとよい。
このとき、キャリアの主たる経路は酸化物230bとなる。酸化物230a、酸化物230cを上述の構成とすることで、酸化物230aと酸化物230bとの界面、および酸化物230bと酸化物230cとの界面における欠陥準位密度を低くすることができる。そのため、界面散乱によるキャリア伝導への影響が小さくなり、トランジスタ200は高いオン電流を得られる。
また、酸化物230は、領域231、領域232、および領域234を有する。なお、領域231の少なくとも一部は、絶縁体273と近接する領域を有する。また、領域232は、少なくとも、絶縁体275と重畳する領域を有する。
なお、トランジスタ200をオンさせると、領域231a、または領域231bは、ソース領域、またはドレイン領域として機能する。一方、領域234の少なくとも一部は、チャネルが形成される領域として機能する。領域231と、領域234の間に領域232を有することで、トランジスタ200において、オン電流を大きくし、かつ、非導通時のリーク電流(オフ電流)を小さくすることができる。
トランジスタ200において、領域232を設けることで、ソース領域およびドレイン領域として機能する領域231と、チャネルが形成される領域234との間に高抵抗領域が形成されないため、トランジスタのオン電流、および移動度を大きくすることができる。また、領域232を有することで、チャネル長方向において、ソース領域およびドレイン領域と、第1のゲート電極(導電体260)とが重ならないため、両者の間で不要な容量が形成されることを抑制できる。また、領域232を有することで、非導通時のリーク電流を小さくすることができる。
つまり、各領域の範囲を適宜選択することにより、回路設計に合わせて、要求に見合う電気特性を有するトランジスタを容易に提供することができる。例えば、トランジスタ200をオフ電流が小さくなる構成とし、トランジスタ700をオン電流が大きくなる構成にすることができる。
酸化物230は、酸化物半導体として機能する金属酸化物(以下、酸化物半導体ともいう。)を用いることが好ましい。例えば、領域234となる金属酸化物としては、バンドギャップが2eV以上、好ましくは2.5eV以上のものを用いることが好ましい。このように、バンドギャップの大きい金属酸化物を用いることで、トランジスタのオフ電流を低減することができる。
酸化物半導体を用いたトランジスタは、非導通状態において極めてリーク電流が小さいため、低消費電力の半導体装置を提供できる。また、酸化物半導体は、スパッタリング法などを用いて成膜できるため、高集積型の半導体装置を構成するトランジスタに用いることができる。
絶縁体250は、ゲート絶縁体として機能する。絶縁体250aは酸化物230caの上面に接して、絶縁体250bは酸化物230cbの上面に接して、配置することが好ましい。絶縁体250は、加熱により酸素が放出される絶縁体を用いて形成することが好ましい。例えば、昇温脱離ガス分光法分析(TDS分析)にて、酸素分子に換算しての酸素の脱離量が1.0×1018atoms/cm3以上、好ましくは1.0×1019atoms/cm3以上、さらに好ましくは2.0×1019atoms/cm3、または3.0×1020atoms/cm3である酸化物膜である。なお、上記TDS分析時における膜の表面温度としては100℃以上700℃以下の範囲が好ましい。
具体的には、過剰酸素を有する酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、フッ素を添加した酸化シリコン、炭素を添加した酸化シリコン、炭素および窒素を添加した酸化シリコン、空孔を有する酸化シリコンを用いることができる。特に、酸化シリコン、および酸化窒化シリコンは熱に対し安定であるため好ましい。
加熱により酸素が放出される絶縁体を、絶縁体250として、酸化物230cの上面に接して設けることにより、絶縁体250から、酸化物230bの領域234に効果的に酸素を供給することができる。また、絶縁体224と同様に、絶縁体250中の水または水素などの不純物濃度が低減されていることが好ましい。絶縁体250の膜厚は、1nm以上20nm以下とするのが好ましい。
また、絶縁体250が有する過剰酸素を、効率的に酸化物230へ供給するために、金属酸化物252を設けてもよい。従って、金属酸化物252は、絶縁体250からの酸素拡散を抑制することが好ましい。酸素の拡散を抑制する金属酸化物252を設けることで、絶縁体250から導電体260への過剰酸素の拡散が抑制される。つまり、酸化物230へ供給する過剰酸素量の減少を抑制することができる。また、過剰酸素による導電体260の酸化を抑制することができる。
なお、金属酸化物252は、第1のゲートの一部としての機能を有してもよい。例えば、酸化物230として用いることができる酸化物半導体を、金属酸化物252として用いることができる。その場合、導電体260をスパッタリング法で成膜することで、金属酸化物252の電気抵抗値を低下させて導電体とすることができる。これをOC(Oxide Conductor)電極と呼ぶことができる。
また、金属酸化物252は、ゲート絶縁体の一部としての機能を有する場合がある。したがって、絶縁体250に酸化シリコンや酸化窒化シリコンなどを用いる場合、金属酸化物252は、比誘電率が高いhigh-k材料である金属酸化物を用いることが好ましい。当該積層構造とすることで、熱に対して安定、かつ比誘電率の高い積層構造とすることができる。したがって、膜厚を保持したまま、トランジスタ動作時に印加するゲート電位の低減化が可能となる。また、ゲート絶縁体として機能する絶縁体の等価酸化膜厚(EOT)の薄膜化が可能となる。
トランジスタ200において、金属酸化物252を単層で示したが、2層以上の積層構造としてもよい。例えば、ゲート電極の一部として機能する金属酸化物と、ゲート絶縁体の一部として機能する金属酸化物とを積層して設けてもよい。
金属酸化物252を有することで、ゲート電極として機能する場合は、導電体260からの電界の影響を弱めることなく、トランジスタ200のオン電流の向上を図ることができる。または、ゲート絶縁体として機能する場合は、絶縁体250と、金属酸化物252との物理的な厚みにより、導電体260と、酸化物230との間の距離を保つことで、導電体260と酸化物230との間のリーク電流を抑制することができる。従って、絶縁体250、および金属酸化物252との積層構造を設けることで、導電体260と酸化物230との間の物理的な距離、および導電体260から酸化物230へかかる電界強度を、容易に適宜調整することができる。
具体的には、金属酸化物252として、酸化物230に用いることができる酸化物半導体を低抵抗化することで、金属酸化物252として用いることができる。または、ハフニウム、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、ジルコニウム、タングステン、チタン、タンタル、ニッケル、ゲルマニウム、または、マグネシウムなどから選ばれた一種、または二種以上が含まれた金属酸化物を用いることができる。
特に、アルミニウム、またはハフニウムの一方または双方の酸化物を含む絶縁体である、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、アルミニウムおよびハフニウムを含む酸化物(ハフニウムアルミネート)などを用いることが好ましい。特に、ハフニウムアルミネートは、酸化ハフニウム膜よりも、耐熱性が高い。そのため、後の工程での熱履歴において、結晶化しにくいため好ましい。なお、金属酸化物252は、必須の構成ではない。求めるトランジスタ特性により、適宜設計すればよい。
第1のゲート電極として機能する導電体260aは、導電体260aa、および導電体260aa上の導電体260abを有する。また、第1のゲート電極として機能する導電体260bは、導電体260ba、および導電体260ba上の導電体260bbを有する。導電体260aは、導電体205の第1の導電体と同様に、水素原子、水素分子、水分子、窒素原子、窒素分子、酸化窒素分子(N2O、NO、NO2など)、銅原子などの不純物の拡散を抑制する機能を有する導電性材料を用いることが好ましい。または、酸素(例えば、酸素原子、酸素分子など)の少なくとも一の拡散を抑制する機能を有する導電性材料を用いることが好ましい。
導電体260aが酸素の拡散を抑制する機能を持つことにより、絶縁体250、および金属酸化物252が有する過剰酸素により、導電体260bが酸化して導電率が低下することを抑制することができる。酸素の拡散を抑制する機能を有する導電性材料としては、例えば、タンタル、窒化タンタル、ルテニウムまたは酸化ルテニウムなどを用いることが好ましい。
また、導電体260bは、タングステン、銅、またはアルミニウムを主成分とする導電性材料を用いることが好ましい。また、導電体260は、配線として機能するため、導電性が高い導電体を用いることが好ましい。例えば、タングステン、銅、またはアルミニウムを主成分とする導電性材料を用いることができる。また、導電体260bは積層構造としてもよく、例えば、チタン、窒化チタンと上記導電性材料との積層としてもよい。
また、図16(A)に示すように、導電体205が、酸化物230のチャネル幅方向と交わる端部よりも外側の領域において、延伸している場合、導電体260は、当該領域において、絶縁体250を介して、重畳していることが好ましい。つまり、酸化物230の側面の外側において、導電体205と、絶縁体250と、導電体260とは、積層構造を形成することが好ましい。
上記構成を有することで、導電体260、および導電体205に電位を印加した場合、導電体260から生じる電界と、導電体205から生じる電界と、がつながり、酸化物230に形成されるチャネル形成領域を覆うことができる。
つまり、第1のゲート電極としての機能を有する導電体260の電界と、第2のゲート電極としての機能を有する導電体205の電界によって、領域234のチャネル形成領域を電気的に取り囲むことができる。
また、導電体260abの上にバリア膜として機能する絶縁体270aを、導電体260bbの上にバリア膜として機能する絶縁体270bを、配置してもよい。絶縁体270は、水または水素などの不純物、および酸素の透過を抑制する機能を有する絶縁性材料を用いるとよい。例えば、酸化アルミニウムまたは酸化ハフニウムなどを用いることが好ましい。これにより、絶縁体270よりも上方からの酸素で導電体260が酸化するのを抑制することができる。また、絶縁体270よりも上方からの水または水素などの不純物が、導電体260および絶縁体250を介して、酸化物230に混入することを抑制することができる。
また、絶縁体270aの上にハードマスクとして機能する絶縁体271aを、絶縁体270bの上にハードマスクとして機能する絶縁体271bを、配置することが好ましい。絶縁体271を設けることで、導電体260の加工の際、導電体260の側面が概略垂直、具体的には、導電体260の側面と基板表面のなす角を、75度以上100度以下、好ましくは80度以上95度以下とすることができる。導電体260をこのような形状に加工することで、次に形成する絶縁体275を所望の形状に形成することができる。
なお、絶縁体271に、水または水素などの不純物、および酸素の透過を抑制する機能を有する絶縁性材料を用いることで、バリア膜としての機能を兼ねさせてもよい。その場合、絶縁体270は設けなくともよい。
バッファ層として機能する絶縁体275aは、酸化物230caの側面、絶縁体250aの側面、金属酸化物252aの側面、導電体260aの側面、および絶縁体270aの側面に接して設ける。また、バッファ層として機能する絶縁体275bは、酸化物230cbの側面、絶縁体250bの側面、金属酸化物252bの側面、導電体260bの側面、および絶縁体270bの側面に接して設ける。
絶縁体275aは、酸化物230ca、絶縁体250a、金属酸化物252a、導電体260a、絶縁体270a、および絶縁体271aを覆って、絶縁膜を成膜し、当該絶縁膜を異方性エッチング(例えば、ドライエッチング処理など)することで形成することができる。絶縁体275bも絶縁体275と同時に形成することができる。
例えば、絶縁体275として、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、フッ素を添加した酸化シリコン、炭素を添加した酸化シリコン、炭素および窒素を添加した酸化シリコン、空孔を有する酸化シリコンまたは樹脂などを有することが好ましい。特に、酸化シリコンおよび酸化窒化シリコンは、熱的に安定であるため好ましい。特に、酸化シリコン、空孔を有する酸化シリコンは、後の工程で、容易に過剰酸素領域を形成することができるため好ましい。
また、絶縁体275は、過剰酸素領域を有することが好ましい。加熱により酸素が放出される絶縁体を、絶縁体275として、酸化物230c、および絶縁体250と接して設けることで、絶縁体250から、酸化物230bの領域234に効果的に酸素を供給することができる。また、絶縁体275中の水または水素などの不純物濃度が低減されていることが好ましい。
絶縁体130は、比誘電率の大きい絶縁体を用いることが好ましく、絶縁体222などに用いることができる絶縁体を用いればよい。例えば、アルミニウム及びハフニウムの一方または双方の酸化物を含む絶縁体を用いることができる。アルミニウム及びハフニウムの一方または双方の酸化物を含む絶縁体として、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、アルミニウムおよびハフニウムを含む酸化物(ハフニウムアルミネート)などを用いることが好ましい。また、絶縁体130は、積層構造であってもよい、例えば、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、アルミニウムおよびハフニウムを含む酸化物(ハフニウムアルミネート)などから、2層以上を選び積層構造としても良い。例えば、ALD法によって、酸化ハフニウム、酸化アルミニウムおよび酸化ハフニウムを順に成膜し、積層構造とすることが好ましい。酸化ハフニウムおよび酸化アルミニウムの膜厚は、それぞれ、0.5nm以上5nm以下とする。このような積層構造とすることで、容量値が大きく、かつ、リーク電流の小さな容量素子100とすることができる。
図15(A)に示すように、上面視において、絶縁体130の側面は、導電体120の側面と一致しているが、これに限られるものではない。例えば、絶縁体130をパターン形成せずに、絶縁体130がトランジスタ200a、トランジスタ200bおよびトランジスタ700を覆う構成にしてもよい。
導電体120は、タングステン、銅、またはアルミニウムを主成分とする導電性材料を用いることが好ましい。また、図示しないが、導電体120は積層構造としても良く、例えば、チタン、窒化チタンと上記導電性材料との積層としてもよい。
また、図17に示すように、絶縁体130aおよび導電体120aは、酸化物230の側面まで覆って設けられることが好ましい。このような構成にすることで、酸化物230の側面方向でも容量素子100aを形成することができるので、容量素子100aの単位面積当たりの電気容量を大きくすることができる。なお、図示していないが、容量素子100bの絶縁体130bおよび導電体120bも、容量素子100aの絶縁体130aおよび導電体120aと同様に設けられることが好ましい。
また、図15(B)に示すように、絶縁体130および導電体120の一部が、絶縁体271と重なるように、絶縁体130および導電体120設けられることが好ましい。これにより、図18に示すように、領域231a(領域231c)の絶縁体275側の端部まで容量素子の電極として機能させることができる。ここで、絶縁体275が形成されているので、導電体120と導電体260の寄生容量を低減することができる。
絶縁体273は、絶縁体275a、絶縁体275b、絶縁体271a、絶縁体271b、層742、絶縁体775、絶縁体771、導電体120a、および導電体120b上に設けられることが好ましい。絶縁体273をスパッタリング法で成膜することで、絶縁体275、および絶縁体775へ過剰酸素領域を設けることができる。これにより、当該過剰酸素領域から、酸化物230、および酸化物730中に酸素を供給することができる。また、絶縁体273を、酸化物230の層242c、および酸化物730の層742上に設けることで、酸化物230、および酸化物730中の水素を、絶縁体273へと引き抜くことができる。
例えば、絶縁体273として、ハフニウム、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、ジルコニウム、タングステン、チタン、タンタル、ニッケル、ゲルマニウム、または、マグネシウムなどから選ばれた一種、または二種以上が含まれた金属酸化物を用いることができる。
特に、酸化アルミニウムはバリア性が高く、0.5nm以上3.0nm以下の薄膜であっても、水素、および窒素の拡散を抑制することができる。
また、絶縁体273の上に、絶縁体274を設ける。絶縁体274は、バリア性を有し、水素濃度が低減された膜を用いることが好ましい。例えば、絶縁体274としては、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、フッ素を添加した酸化シリコンなどを用いるとよい。バリア性を有する絶縁体273と、バリア性を有する絶縁体274を設けることで、層間膜など、他の構造体から不純物がトランジスタ200へ拡散することを抑制することができる。
また、絶縁体274の上に、層間膜として機能する絶縁体280を設けることが好ましい。絶縁体280は、絶縁体224などと同様に、膜中の水または水素などの不純物濃度が低減されていることが好ましい。なお、絶縁体280の上に絶縁体210と同様の絶縁体282を設けてもよい。絶縁体282をスパッタリング法で成膜することで、絶縁体280の不純物を低減することができる。また、絶縁体282を設ける場合、絶縁体273および絶縁体274のいずれか一方または両方を設けない構成にしてもよい。また、絶縁体282上に絶縁体280と同様の絶縁体284を設けてもよい。
また、絶縁体284、絶縁体282、絶縁体280、絶縁体274、および絶縁体273に形成された開口に、導電体240a、導電体240b、導電体240c、導電体740a、および導電体740bを配置する。導電体240aおよび導電体240bは、導電体260aを挟んで対向して設け、導電体240bおよび導電体240cは、導電体260bを挟んで対向して設ける。導電体740aおよび導電体740bは、導電体760を挟んで対向して設ける。なお、導電体240a、導電体240b、導電体240c、導電体740a、および導電体740bの上面の高さは、絶縁体284の上面と、同一平面上としてもよい。
なお、絶縁体284、絶縁体282、絶縁体280、絶縁体274、絶縁体273、および絶縁体275の開口の内壁に接して導電体240bが形成されている。当該開口の底部の少なくとも一部には酸化物230の領域231bが位置しており、導電体240bが領域231bと接する。導電体740a、および導電体740bについても同様である。また、導電体240aは導電体120aと接し、導電体240cは導電体120bと接する。
図15(B)、図18に示すように、導電体240bは、導電体260aと導電体260bの間に配置される。ここで、導電体240bは、絶縁体275aおよび絶縁体275bの側面のいずれか一方または両方と接する領域を有することが好ましい。このとき、導電体240bを埋め込む開口において、絶縁体273が、絶縁体275aおよび絶縁体275bの側面のいずれか一方または両方と接する領域を有することが好ましい。
導電体240bを埋め込む開口を形成するには、絶縁体280、絶縁体274、絶縁体273の開口時に、絶縁体275のエッチング速度が、絶縁体273のエッチング速度に比べて著しく小さい開口条件とすることが好ましい。絶縁体275のエッチング速度を1とすると、絶縁体273のエッチング速度は5以上が好ましく、より好ましくは10以上である。ここで、絶縁体275として用いる絶縁性材料は、上記のエッチング速度を満たすように、エッチング条件および絶縁体273として用いる絶縁性材料に合わせて適宜選択することが好ましい。例えば、絶縁体275として用いる絶縁性材料として、上記の絶縁性材料だけでなく、絶縁体270に用いることができる絶縁性材料を用いてもよい。
また、絶縁体273および絶縁体274を設けない構成とする場合には、当該開口の形成時に、絶縁体275のエッチング速度が、絶縁体280のエッチング速度に比べて著しく小さい開口条件とすることが好ましく、絶縁体275のエッチング速度を1とすると、絶縁体280のエッチング速度は5以上が好ましく、より好ましくは10以上である。
このように導電体240bを埋め込む開口を形成することで、当該開口の形成時に絶縁体275aおよび絶縁体275bがエッチングストッパーとして機能するので、当該開口が導電体260a及び導電体260bに達することを防ぐことができる。よって、導電体240b、およびそれを埋め込む開口を、自己整合的に形成することができる。例えば、図26に示すように、導電体240a、導電体240b、および導電体240cを形成する開口がトランジスタ200b側にずれて形成されても、導電体240bと導電体260bは接触しない。また、導電体240bを形成する開口のトランジスタ200のチャネル長方向の幅を、絶縁体275aと絶縁体275bの距離より大きくすることで、図26に示すように、当該開口の位置がずれて形成されても導電体240bは層242bと十分なコンタクトを取ることができる。なお、ここで、絶縁体271aおよび絶縁体271bにも、絶縁体275と同じ絶縁性材料を用いて、絶縁体271aおよび絶縁体271bもエッチングストッパーとして機能させてもよい。
よって、トランジスタ200aおよびトランジスタ200bのコンタクト部と、トランジスタ200aのゲートと、トランジスタ200aのゲートと、の位置合わせのマージンを広くすることができ、これらの構成の間隔を小さく設計することができる。以上のようにして、上記半導体装置の微細化および高集積化を図ることができる。
また、図16(B)に示すように、導電体240bは、層242bを介して、酸化物230の側面と重畳することが好ましい。特に、導電体240bは、酸化物230のチャネル幅方向と交わる側面において、A5側の側面、およびA6側の側面の双方または一方と重畳することが好ましい。このように、導電体240bが、ソース領域またはドレイン領域となる領域231bにおいて、酸化物230の側面と重畳する構成とすることで、導電体240bとトランジスタ200のコンタクト部の投影面積を増やすことなく、コンタクト部の接触面積を増加させ、導電体240bとトランジスタ200の接触抵抗を低減することができる。これにより、トランジスタのソース電極およびドレイン電極の微細化を図りつつ、オン電流を大きくすることができる。なお、図16(B)では、導電体240bのチャネル幅方向の長さは、酸化物230のチャネル幅方向の長さより大きいが、本実施の形態に示す半導体装置はこれに限られるものではなく、例えば、導電体240bのチャネル幅方向の長さが、酸化物230のチャネル幅方向の長さと同程度になる構成にしてもよい。
また、図12(A)、図13に示す導電体740a、および導電体740bも上記の導電体240bと同様の構成にすることができる。
導電体240、および導電体740は、タングステン、銅、またはアルミニウムを主成分とする導電性材料を用いることが好ましい。また、導電体240、および導電体740は積層構造としてもよい。
ここで、例えば、絶縁体284、絶縁体282、絶縁体280、絶縁体274、および絶縁体273に開口を形成する際に、酸化物230において、領域231の低抵抗化した領域が除去され、低抵抗化していない酸化物230が露出する場合がある。その場合、導電体240の酸化物230と接する導電体(以下、導電体240の第1の導電体ともいう。)に用いる導電体として、金属膜、金属元素を有する窒化膜、または金属元素を有する酸化膜を用いるとよい。つまり、低抵抗化していない酸化物230と導電体240の第1の導電体とが接することで、金属化合物、または酸化物230に酸素欠損が形成され、酸化物230の領域231が、低抵抗化する。従って、導電体240の第1の導電体と接する酸化物230を低抵抗化することで、酸化物230と導電体240とのコンタクト抵抗を低減することができる。従って、導電体240の第1の導電体は、例えば、アルミニウム、ルテニウム、チタン、タンタル、タングステン、などの金属元素を含むことが好ましい。導電体740も同様の構造にすればよい。
また、導電体240、および導電体740を積層構造とする場合、絶縁体284、絶縁体282、絶縁体280、絶縁体274、および絶縁体273と接する導電体には、導電体205の第1の導電体などと同様に、水または水素などの不純物の透過を抑制する機能を有する導電性材料を用いることが好ましい。例えば、タンタル、窒化タンタル、チタン、窒化チタン、ルテニウムまたは酸化ルテニウムなどを用いることが好ましい。また、水または水素などの不純物の透過を抑制する機能を有する導電性材料は、単層または積層で用いてもよい。当該導電性材料を用いることで、絶縁体284より上層から水素、水などの不純物が、導電体240、および導電体740を通じて酸化物230および酸化物730に混入するのを抑制することができる。
また、図示しないが、導電体240、および導電体740の上面に接して配線として機能する導電体を配置してもよい。配線として機能する導電体は、タングステン、銅、またはアルミニウムを主成分とする導電性材料を用いることが好ましい。また、当該導電体は、積層構造としてもよく、例えば、チタン、窒化チタンと上記導電性材料との積層としてもよい。なお、当該導電体は、導電体203などと同様に、絶縁体に設けられた開口に埋め込むように形成してもよい。
また、図12(A)に示すように、絶縁体284上に、絶縁体150を設けてもよい。絶縁体150は、絶縁体280と同様の材料を用いて設けることができる。また、絶縁体150は、その下方の凹凸形状を被覆する平坦化膜として機能してもよい。
また、絶縁体150に形成された開口に導電体112を設けることが好ましい。導電体112はトランジスタ200、トランジスタ700、容量素子100などの配線として機能する。
導電体112には、モリブデン、チタン、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、クロム、ネオジム、スカンジウムから選ばれた元素を含む金属膜、または上述した元素を成分とする金属窒化物膜(窒化タンタル膜、窒化チタン膜、窒化モリブデン膜、窒化タングステン膜)等を用いることができる。又は、インジウム錫酸化物、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの導電性材料を適用することもできる。
図12(A)では、導電体112は単層構造を示したが、当該構成に限定されず、2層以上の積層構造でもよい。例えば、バリア性を有する導電体と導電性が高い導電体との間に、バリア性を有する導電体、および導電性が高い導電体に対して密着性が高い導電体を形成してもよい。
以上のような構成で、上記実施の形態に示す半導体装置を形成することで、14nm世代以降のプロセスルールにも対応して、半導体装置の、微細化、高集積化を図ることができる。
<半導体装置の構成材料>
以下では、半導体装置に用いることができる構成材料について説明する。以下において、特段の記載を行わない場合、トランジスタ200に用いることができる構成材料は、トランジスタ700に用いることができるものとする。
以下に示す構成材料の成膜は、スパッタリング法、化学気相成長(CVD:Chemical Vapor Deposition)法、分子線エピタキシー(MBE:Molecular Beam Epitaxy)法、パルスレーザ堆積(PLD:Pulsed Laser Deposition)法、または原子層堆積(ALD:Atomic Layer Deposition)法などを用いて行うことができる。
なお、CVD法は、プラズマを利用するプラズマCVD(PECVD:Plasma Enhanced CVD)法、熱を利用する熱CVD(TCVD:Thermal CVD)法、光を利用する光CVD(Photo CVD)法などに分類できる。さらに用いる原料ガスによって金属CVD(MCVD:Metal CVD)法、有機金属CVD(MOCVD:Metal Organic CVD)法に分けることができる。
プラズマCVD法は、比較的低温で高品質の膜が得られる。また、熱CVD法は、プラズマを用いないため、被処理物へのプラズマダメージを抑制することが可能な成膜方法である。例えば、半導体装置に含まれる配線、電極、素子(トランジスタ、容量素子など)などは、プラズマから電荷を受け取ることでチャージアップする場合がある。このとき、蓄積した電荷によって、半導体装置に含まれる配線、電極、素子などが破壊される場合がある。一方、プラズマを用いない熱CVD法の場合、こういったプラズマダメージが生じないため、半導体装置の歩留まりを高くすることができる。また、熱CVD法では、成膜中のプラズマダメージが生じないため、欠陥の少ない膜が得られる。
また、ALD法も、被処理物へのプラズマダメージを抑制することが可能な成膜方法である。よって、欠陥の少ない膜が得られる。なお、ALD法で用いるプリカーサには炭素などの不純物を含むものがある。このため、ALD法により設けられた膜は、他の成膜法により設けられた膜と比較して、炭素などの不純物を多く含む場合がある。なお、不純物の定量は、X線光電子分光法(XPS:X-ray Photoelectron Spectroscopy)を用いて行うことができる。
CVD法およびALD法は、ターゲットなどから放出される粒子が堆積する成膜方法とは異なり、被処理物の表面における反応により膜が形成される成膜方法である。したがって、被処理物の形状の影響を受けにくく、良好な段差被覆性を有する成膜方法である。特に、ALD法は、優れた段差被覆性と、優れた厚さの均一性を有するため、アスペクト比の高い開口部の表面を被覆する場合などに好適である。ただし、ALD法は、比較的成膜速度が遅いため、成膜速度の速いCVD法などの他の成膜方法と組み合わせて用いることが好ましい場合もある。
CVD法およびALD法は、原料ガスの流量比によって、得られる膜の組成を制御することができる。例えば、CVD法およびALD法では、原料ガスの流量比によって、任意の組成の膜を成膜することができる。また、例えば、CVD法およびALD法では、成膜しながら原料ガスの流量比を変化させることによって、組成が連続的に変化した膜を成膜することができる。原料ガスの流量比を変化させながら成膜する場合、複数の成膜室を用いて成膜する場合と比べて、搬送や圧力調整に掛かる時間を要さない分、成膜に掛かる時間を短くすることができる。したがって、半導体装置の生産性を高めることができる場合がある。
また、当該構成材料の加工はリソグラフィー法を用いて行えばよい。また、当該加工はドライエッチング法やウエットエッチング法を用いることができる。ドライエッチング法による加工は微細加工に適している。
リソグラフィー法では、まず、マスクを介してレジストを露光する。次に、露光された領域を、現像液を用いて除去または残存させてレジストマスクを形成する。次に、当該レジストマスクを介してエッチング処理することで導電体、半導体または絶縁体などを所望の形状に加工することができる。例えば、KrFエキシマレーザ光、ArFエキシマレーザ光、EUV(Extreme Ultraviolet)光などを用いて、レジストを露光することでレジストマスクを形成すればよい。また、基板と投影レンズとの間に液体(例えば水)を満たして露光する、液浸技術を用いてもよい。また、前述した光に代えて、電子ビームやイオンビームを用いてもよい。なお、電子ビームやイオンビームを用いる場合には、レジスト上に直接描画を行うため、上述のレジスト露光用のマスクは不要となる。なお、レジストマスクは、アッシングなどのドライエッチング処理を行う、ウエットエッチング処理を行う、ドライエッチング処理後にウエットエッチング処理を行う、またはウエットエッチング処理後にドライエッチング処理を行う、などで、除去することができる。
また、レジストマスクの代わりに絶縁体や導電体からなるハードマスクを用いてもよい。ハードマスクを用いる場合、当該構成材料上にハードマスク材料となる絶縁膜や導電膜を形成し、その上にレジストマスクを形成し、ハードマスク材料をエッチングすることで所望の形状のハードマスクを形成することができる。当該構成材料のエッチングは、レジストマスクを除去してから行ってもよいし、レジストマスクを残したまま行ってもよい。後者の場合、エッチング中にレジストマスクが消失することがある。当該構成材料のエッチング後にハードマスクをエッチングにより除去してもよい。一方、ハードマスクの材料が後工程に影響が無い、あるいは後工程で利用できる場合、必ずしもハードマスクを除去する必要は無い。
ドライエッチング装置としては、平行平板型電極を有する容量結合型プラズマ(CCP:Capacitively Coupled Plasma)エッチング装置を用いることができる。平行平板型電極を有する容量結合型プラズマエッチング装置は、平行平板型電極の一方の電極に高周波電源を印加する構成でもよい。または平行平板型電極の一方の電極に複数の異なった高周波電源を印加する構成でもよい。または平行平板型電極それぞれに同じ周波数の高周波電源を印加する構成でもよい。または平行平板型電極それぞれに周波数の異なる高周波電源を印加する構成でもよい。または高密度プラズマ源を有するドライエッチング装置を用いることができる。高密度プラズマ源を有するドライエッチング装置は、例えば、誘導結合型プラズマ(ICP:Inductively Coupled Plasma)エッチング装置などを用いることができる。
<<基板>>
トランジスタ200およびトランジスタ700を形成する基板としては、例えば、絶縁体基板、半導体基板または導電体基板を用いればよい。絶縁体基板としては、例えば、ガラス基板、石英基板、サファイア基板、安定化ジルコニア基板(イットリア安定化ジルコニア基板など)、樹脂基板などがある。また、半導体基板としては、例えば、シリコン、ゲルマニウムなどの半導体基板、または炭化シリコン、シリコンゲルマニウム、ヒ化ガリウム、リン化インジウム、酸化亜鉛、酸化ガリウムからなる化合物半導体基板などがある。さらには、前述の半導体基板内部に絶縁体領域を有する半導体基板、例えばSOI(Silicon On Insulator)基板などがある。導電体基板としては、黒鉛基板、金属基板、合金基板、導電性樹脂基板などがある。または、金属の窒化物を有する基板、金属の酸化物を有する基板などがある。さらには、絶縁体基板に導電体または半導体が設けられた基板、半導体基板に導電体または絶縁体が設けられた基板、導電体基板に半導体または絶縁体が設けられた基板などがある。または、これらの基板に素子が設けられたものを用いてもよい。基板に設けられる素子としては、容量素子、抵抗素子、スイッチ素子、発光素子、記憶素子などがある。
また、基板として、可撓性基板を用いてもよい。なお、可撓性基板上にトランジスタを設ける方法としては、非可撓性の基板上にトランジスタを作製した後、トランジスタを剥離し、可撓性基板である基板に転置する方法もある。その場合には、非可撓性基板とトランジスタとの間に剥離層を設けるとよい。また、基板が伸縮性を有してもよい。また、基板は、折り曲げや引っ張りをやめた際に、元の形状に戻る性質を有してもよい。または、元の形状に戻らない性質を有してもよい。基板は、例えば、5μm以上700μm以下、好ましくは10μm以上500μm以下、さらに好ましくは15μm以上300μm以下の厚さとなる領域を有する。基板を薄くすると、トランジスタを有する半導体装置を軽量化することができる。また、基板を薄くすることで、ガラスなどを用いた場合にも伸縮性を有する場合や、折り曲げや引っ張りをやめた際に、元の形状に戻る性質を有する場合がある。そのため、落下などによって基板上の半導体装置に加わる衝撃などを緩和することができる。すなわち、丈夫な半導体装置を提供することができる。
可撓性基板である基板としては、例えば、金属、合金、樹脂もしくはガラス、またはそれらの繊維などを用いることができる。また、基板として、繊維を編みこんだシート、フィルムまたは箔などを用いてもよい。可撓性基板である基板は、線膨張率が低いほど環境による変形が抑制されて好ましい。可撓性基板である基板としては、例えば、線膨張率が1×10-3/K以下、5×10-5/K以下、または1×10-5/K以下である材質を用いればよい。樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド(ナイロン、アラミドなど)、ポリイミド、ポリカーボネート、アクリルなどがある。特に、アラミドは、線膨張率が低いため、可撓性基板である基板として好適である。
<<絶縁体>>
絶縁体としては、絶縁性を有する酸化物、窒化物、酸化窒化物、窒化酸化物、金属酸化物、金属酸化窒化物、金属窒化酸化物などがある。
例えば、トランジスタの微細化、および高集積化が進むと、ゲート絶縁体の薄膜化により、リーク電流などの問題が生じる場合がある。ゲート絶縁体として機能する絶縁体に、high-k材料を用いることで膜厚を保ちながら、トランジスタ動作時の低電圧化が可能となる。一方、層間膜として機能する絶縁体には、比誘電率が低い材料を用いることで、配線間に生じる寄生容量を低減することができる。したがって、絶縁体の機能に応じて、材料を選択するとよい。
また、比誘電率の高い絶縁体としては、酸化ガリウム、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、アルミニウムおよびハフニウムを有する酸化物、アルミニウムおよびハフニウムを有する酸化窒化物、シリコンおよびハフニウムを有する酸化物、シリコンおよびハフニウムを有する酸化窒化物またはシリコンおよびハフニウムを有する窒化物などがある。
また、比誘電率が低い絶縁体としては、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、フッ素を添加した酸化シリコン、炭素を添加した酸化シリコン、炭素および窒素を添加した酸化シリコン、空孔を有する酸化シリコンまたは樹脂などがある。
また、特に、酸化シリコンおよび酸化窒化シリコンは、熱的に安定である。そのため、例えば、樹脂と組み合わせることで、熱的に安定かつ比誘電率の低い積層構造とすることができる。樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド(ナイロン、アラミドなど)、ポリイミド、ポリカーボネートまたはアクリルなどがある。また、例えば、酸化シリコン、および酸化窒化シリコンは、比誘電率の高い絶縁体と組み合わせることで、熱的に安定かつ比誘電率の高い積層構造とすることができる。
また、酸化物半導体を用いたトランジスタは、水素などの不純物および酸素の透過を抑制する機能を有する絶縁体で囲うことによって、トランジスタの電気特性を安定にすることができる。
水素などの不純物および酸素の透過を抑制する機能を有する絶縁体としては、例えば、ホウ素、炭素、窒素、酸素、フッ素、マグネシウム、アルミニウム、シリコン、リン、塩素、アルゴン、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、ランタン、ネオジム、ハフニウムまたはタンタルを含む絶縁体を、単層で、または積層で用いればよい。具体的には、水素などの不純物および酸素の透過を抑制する機能を有する絶縁体として、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウムまたは酸化タンタルなどの金属酸化物、窒化酸化シリコンまたは窒化シリコンなどを用いることができる。
例えば、絶縁体273として、ハフニウム、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、ジルコニウム、タングステン、チタン、タンタル、ニッケル、ゲルマニウム、または、マグネシウムなどから選ばれた一種、または二種以上が含まれた金属酸化物を用いることができる。
特に、酸化アルミニウムはバリア性が高く、0.5nm以上3.0nm以下の薄膜であっても、水素、および窒素の拡散を抑制することができる。また、酸化ハフニウムは、酸化アルミニウムよりもバリア性が低いが、膜厚を厚くすることによりバリア性を高めることができる。したがって、酸化ハフニウムの膜厚を調整することで、水素、および窒素の適切な添加量を調整することができる。
例えば、ゲート絶縁体の一部として機能する絶縁体224および絶縁体250は、過剰酸素領域を有する絶縁体であることが好ましい。例えば、過剰酸素領域を有する酸化シリコンまたは酸化窒化シリコンを酸化物230と接する構造とすることで、酸化物230が有する酸素欠損を補償することができる。
また、例えば、ゲート絶縁体の一部として機能する絶縁体222において、アルミニウム、ハフニウム、およびガリウムの一種または複数種の酸化物を含む絶縁体を用いることができる。特に、アルミニウムおよびハフニウムの一方または双方の酸化物を含む絶縁体として、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、アルミニウムおよびハフニウムを含む酸化物(ハフニウムアルミネート)などを用いることが好ましい。
例えば、絶縁体220には、熱に対して安定である酸化シリコンまたは酸化窒化シリコンを用いることが好ましい。ゲート絶縁体として、熱に対して安定な膜と、比誘電率が高い膜との積層構造とすることで、膜厚を保持したまま、ゲート絶縁体の等価酸化膜厚(EOT)の薄膜化が可能となる。
上記積層構造とすることで、ゲート電極からの電界の影響を弱めることなく、オン電流の向上を図ることができる。また、ゲート絶縁体の物理的な厚みにより、ゲート電極と、チャネルが形成される領域との間の距離を保つことで、ゲート電極とチャネル形成領域との間のリーク電流を抑制することができる。
絶縁体212、絶縁体216、絶縁体271、絶縁体275、絶縁体280、および絶縁体284は、比誘電率の低い絶縁体を有することが好ましい。例えば、当該絶縁体は、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、フッ素を添加した酸化シリコン、炭素を添加した酸化シリコン、炭素および窒素を添加した酸化シリコン、空孔を有する酸化シリコンまたは樹脂などを有することが好ましい。または、当該絶縁体は、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、フッ素を添加した酸化シリコン、炭素を添加した酸化シリコン、炭素および窒素を添加した酸化シリコンまたは空孔を有する酸化シリコンと、樹脂と、の積層構造を有することが好ましい。酸化シリコンおよび酸化窒化シリコンは、熱的に安定であるため、樹脂と組み合わせることで、熱的に安定かつ比誘電率の低い積層構造とすることができる。樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド(ナイロン、アラミドなど)、ポリイミド、ポリカーボネートまたはアクリルなどがある。
絶縁体210、絶縁体214、絶縁体270、絶縁体273、および絶縁体282としては、水素などの不純物および酸素の透過を抑制する機能を有する絶縁体を用いればよい。絶縁体270および絶縁体273としては、例えば、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化マグネシウム、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジムまたは酸化タンタルなどの金属酸化物、窒化酸化シリコンまたは窒化シリコンなどを用いればよい。
<<導電体>>
導電体としては、アルミニウム、クロム、銅、銀、金、白金、タンタル、ニッケル、チタン、モリブデン、タングステン、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、マンガン、マグネシウム、ジルコニウム、ベリリウム、インジウム、ルテニウムなどから選ばれた金属元素を1種以上含む材料を用いることができる。また、リン等の不純物元素を含有させた多結晶シリコンに代表される、電気伝導度が高い半導体、ニッケルシリサイドなどのシリサイドを用いてもよい。
また、上記の材料で形成される導電層を複数積層して用いてもよい。例えば、前述した金属元素を含む材料と、酸素を含む導電性材料と、を組み合わせた積層構造としてもよい。また、前述した金属元素を含む材料と、窒素を含む導電性材料と、を組み合わせた積層構造としてもよい。また、前述した金属元素を含む材料と、酸素を含む導電性材料と、窒素を含む導電性材料と、を組み合わせた積層構造としてもよい。
なお、トランジスタのチャネル形成領域に酸化物を用いる場合において、ゲート電極として機能する導電体には、前述した金属元素を含む材料と、酸素を含む導電性材料と、を組み合わせた積層構造を用いることが好ましい。この場合は、酸素を含む導電性材料をチャネル形成領域側に設けるとよい。酸素を含む導電性材料をチャネル形成領域側に設けることで、当該導電性材料から離脱した酸素がチャネル形成領域に供給されやすくなる。
特に、ゲート電極として機能する導電体として、チャネルが形成される金属酸化物に含まれる金属元素および酸素を含む導電性材料を用いることが好ましい。また、前述した金属元素および窒素を含む導電性材料を用いてもよい。例えば、窒化チタン、窒化タンタルなどの窒素を含む導電性材料を用いてもよい。また、インジウム錫酸化物、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、シリコンを添加したインジウム錫酸化物を用いてもよい。また、窒素を含むインジウムガリウム亜鉛酸化物を用いてもよい。このような材料を用いることで、チャネルが形成される金属酸化物に含まれる水素を捕獲することができる場合がある。または、外方の絶縁体などから混入する水素を捕獲することができる場合がある。
導電体260、導電体203、導電体205、および導電体240としては、アルミニウム、クロム、銅、銀、金、白金、タンタル、ニッケル、チタン、モリブデン、タングステン、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、マンガン、マグネシウム、ジルコニウム、ベリリウム、インジウム、ルテニウムなどから選ばれた金属元素を1種以上含む材料を用いることができる。また、リン等の不純物元素を含有させた多結晶シリコンに代表される、電気伝導度が高い半導体、ニッケルシリサイドなどのシリサイドを用いてもよい。
<<金属酸化物>>
酸化物230として、酸化物半導体として機能する金属酸化物(以下、酸化物半導体ともいう。)を用いることが好ましい。以下では、本発明に係る酸化物230に適用可能な金属酸化物について説明する。
金属酸化物は、少なくともインジウムまたは亜鉛を含むことが好ましい。特にインジウムおよび亜鉛を含むことが好ましい。また、それらに加えて、アルミニウム、ガリウム、イットリウムまたはスズなどが含まれていることが好ましい。また、ホウ素、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、またはマグネシウムなどから選ばれた一種、または複数種が含まれていてもよい。
ここでは、金属酸化物が、インジウム、元素Mおよび亜鉛を有するIn-M-Zn酸化物である場合を考える。なお、元素Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウムまたはスズなどとする。そのほかの元素Mに適用可能な元素としては、ホウ素、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、マグネシウムなどがある。ただし、元素Mとして、前述の元素を複数組み合わせても構わない場合がある。
なお、本明細書等において、窒素を有する金属酸化物も金属酸化物(metal oxide)と総称する場合がある。また、窒素を有する金属酸化物を、金属酸窒化物(metal oxynitride)と呼称してもよい。
[金属酸化物の構成]
以下では、本発明の一態様で開示されるトランジスタに用いることができるCAC(Cloud Aligned Composite)-OSの構成について説明する。
なお、本明細書等において、CAAC(c-axis aligned crystal)、およびCAC(Cloud-Aligned Composite)と記載する場合がある。なお、CAACは結晶構造の一例を表し、CACは機能、または材料の構成の一例を表す。
CAC-OSまたはCAC-metal oxideとは、材料の一部では導電性の機能を有し、材料の一部では絶縁性の機能を有し、材料の全体では半導体としての機能を有する。なお、CAC-OSまたはCAC-metal oxideを、トランジスタの活性層に用いる場合、導電性の機能は、キャリアとなる電子(または正孔)を流す機能であり、絶縁性の機能は、キャリアとなる電子を流さない機能である。導電性の機能と、絶縁性の機能とを、それぞれ相補的に作用させることで、スイッチングさせる機能(On/Offさせる機能)をCAC-OSまたはCAC-metal oxideに付与することができる。CAC-OSまたはCAC-metal oxideにおいて、それぞれの機能を分離させることで、双方の機能を最大限に高めることができる。
また、CAC-OSまたはCAC-metal oxideは、導電性領域、および絶縁性領域を有する。導電性領域は、上述の導電性の機能を有し、絶縁性領域は、上述の絶縁性の機能を有する。また、材料中において、導電性領域と、絶縁性領域とは、ナノ粒子レベルで分離している場合がある。また、導電性領域と、絶縁性領域とは、それぞれ材料中に偏在する場合がある。また、導電性領域は、周辺がぼけてクラウド状に連結して観察される場合がある。
また、CAC-OSまたはCAC-metal oxideにおいて、導電性領域と、絶縁性領域とは、それぞれ0.5nm以上10nm以下、好ましくは0.5nm以上3nm以下のサイズで材料中に分散している場合がある。
また、CAC-OSまたはCAC-metal oxideは、異なるバンドギャップを有する成分により構成される。例えば、CAC-OSまたはCAC-metal oxideは、絶縁性領域に起因するワイドギャップを有する成分と、導電性領域に起因するナローギャップを有する成分と、により構成される。当該構成の場合、キャリアを流す際に、ナローギャップを有する成分において、主にキャリアが流れる。また、ナローギャップを有する成分が、ワイドギャップを有する成分に相補的に作用し、ナローギャップを有する成分に連動してワイドギャップを有する成分にもキャリアが流れる。このため、上記CAC-OSまたはCAC-metal oxideをトランジスタのチャネル形成領域に用いる場合、トランジスタのオン状態において高い電流駆動力、つまり大きなオン電流、および高い電界効果移動度を得ることができる。
すなわち、CAC-OSまたはCAC-metal oxideは、マトリックス複合材(matrix composite)、または金属マトリックス複合材(metal matrix composite)と呼称することもできる。
[金属酸化物の構造]
酸化物半導体(金属酸化物)は、単結晶酸化物半導体と、それ以外の非単結晶酸化物半導体と、に分けられる。非単結晶酸化物半導体としては、例えば、CAAC-OS(c-axis aligned crystalline oxide semiconductor)、多結晶酸化物半導体、nc-OS(nanocrystalline oxide semiconductor)、擬似非晶質酸化物半導体(a-like OS:amorphous-like oxide semiconductor)および非晶質酸化物半導体などがある。
CAAC-OSは、c軸配向性を有し、かつa-b面方向において複数のナノ結晶が連結し、歪みを有した結晶構造となっている。なお、歪みとは、複数のナノ結晶が連結する領域において、格子配列の揃った領域と、別の格子配列の揃った領域と、の間で格子配列の向きが変化している箇所を指す。
ナノ結晶は、六角形を基本とするが、正六角形状とは限らず、非正六角形状である場合がある。また、歪みにおいて、五角形、および七角形などの格子配列を有する場合がある。なお、CAAC-OSにおいて、歪み近傍においても、明確な結晶粒界(グレインバウンダリーともいう。)を確認することは難しい。すなわち、格子配列の歪みによって、結晶粒界の形成が抑制されていることがわかる。これは、CAAC-OSが、a-b面方向において酸素原子の配列が稠密でないことや、金属元素が置換することで原子間の結合距離が変化することなどによって、歪みを許容することができるためである。
また、CAAC-OSは、インジウム、および酸素を有する層(以下、In層)と、元素M、亜鉛、および酸素を有する層(以下、(M,Zn)層)とが積層した、層状の結晶構造(層状構造ともいう)を有する傾向がある。なお、インジウムと元素Mは、互いに置換可能であり、(M,Zn)層の元素Mがインジウムと置換した場合、(In,M,Zn)層と表すこともできる。また、In層のインジウムが元素Mと置換した場合、(In,M)層と表すこともできる。
CAAC-OSは結晶性の高い金属酸化物である。一方、CAAC-OSは、明確な結晶粒界を確認することが難しいため、結晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりにくいといえる。また、金属酸化物の結晶性は不純物の混入や欠陥の生成などによって低下する場合があるため、CAAC-OSは不純物や欠陥(酸素欠損(VO:oxygen vacancyともいう)など)の少ない金属酸化物ともいえる。したがって、CAAC-OSを有する金属酸化物は、物理的性質が安定する。そのため、CAAC-OSを有する金属酸化物は熱に強く、信頼性が高い。
nc-OSは、微小な領域(例えば、1nm以上10nm以下の領域、特に1nm以上3nm以下の領域)において原子配列に周期性を有する。また、nc-OSは、異なるナノ結晶間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、膜全体で配向性が見られない。したがって、nc-OSは、分析方法によっては、a-like OSや非晶質酸化物半導体と区別が付かない場合がある。
a-like OSは、nc-OSと非晶質酸化物半導体との間の構造を有する金属酸化物である。a-like OSは、鬆または低密度領域を有する。すなわち、a-like OSは、nc-OSおよびCAAC-OSと比べて、結晶性が低い。
酸化物半導体(金属酸化物)は、多様な構造をとり、それぞれが異なる特性を有する。本発明の一態様の酸化物半導体は、非晶質酸化物半導体、多結晶酸化物半導体、a-like OS、nc-OS、CAAC-OSのうち、二種以上を有していてもよい。
[金属酸化物を有するトランジスタ]
続いて、上記金属酸化物をトランジスタのチャネル形成領域に用いる場合について説明する。
なお、上記金属酸化物をトランジスタのチャネル形成領域に用いることで、高い電界効果移動度のトランジスタを実現することができる。また、信頼性の高いトランジスタを実現することができる。
ここで、金属酸化物の電気伝導の仮説の一例について説明する。
固体中の電気伝導は、散乱中心と呼ばれる散乱源によって阻害される。例えば、単結晶シリコンの場合、格子散乱とイオン化不純物散乱が、主な散乱中心であることが知られている。換言すると、格子欠陥や不純物の少ない本質的な状態のとき、固体中の電気伝導の阻害要因がなく、キャリアの移動度は高い。
上記のことは、金属酸化物に対しても、あてはまると推測される。例えば、化学量論的組成を満たす酸素よりも少ない酸素を含む金属酸化物では、酸素欠損VOが多く存在すると考えられる。この酸素欠損周りに存在する原子は、本質的な状態よりも、歪んだ場所に位置する。この酸素欠損による歪みが散乱中心となっている可能性がある。
また、例えば、化学量論的組成を満たす酸素よりも多くの酸素を含む金属化合物では、過剰酸素が存在する。金属化合物中で遊離した状態で存在する過剰酸素は、電子を受け取ることで、O-やO2-になる。O-やO2-となった過剰酸素が散乱中心になる可能性がある。
以上のことから、金属酸化物が、化学量論的組成を満たす酸素を含む本質的な状態を有する場合、キャリアの移動度は高いと考えられる。
インジウムと、ガリウムと、亜鉛と、を有する金属酸化物の一種である、インジウム-ガリウム-亜鉛酸化物(以下、IGZO)は、とくに、大気中では結晶成長がし難い傾向があるため、大きな結晶(ここでは、数mmの結晶、または数cmの結晶)よりも小さな結晶(例えば、上述のナノ結晶)とする方が、構造的に安定となる場合がある。これは、大きな結晶を形成するよりも、小さな結晶同士が連結する方が、歪みエネルギーが緩和されるためと考えられる。
なお、小さな結晶同士が連結する領域においては、該領域の歪みエネルギーを緩和するために、欠陥が形成される場合がある。したがって、該領域に欠陥を形成することなく、歪みエネルギーを緩和させることで、キャリアの移動度を高くすることができる。
また、トランジスタには、キャリア密度の低い金属酸化物を用いることが好ましい。金属酸化物膜のキャリア密度を低くする場合においては、金属酸化物膜中の不純物濃度を低くし、欠陥準位密度を低くすればよい。本明細書等において、不純物濃度が低く、欠陥準位密度の低いことを高純度真性または実質的に高純度真性という。例えば、金属酸化物は、キャリア密度が8×1011/cm3未満、好ましくは1×1011/cm3未満、さらに好ましくは1×1010/cm3未満であり、1×10-9/cm3以上とすればよい。
また、高純度真性または実質的に高純度真性である金属酸化物膜は、欠陥準位密度が低いため、トラップ準位密度も低くなる場合がある。
また、金属酸化物のトラップ準位に捕獲された電荷は、消失するまでに要する時間が長く、あたかも固定電荷のように振る舞うことがある。そのため、トラップ準位密度の高い金属酸化物をチャネル形成領域に有するトランジスタは、電気特性が不安定となる場合がある。
したがって、トランジスタの電気特性を安定にするためには、金属酸化物中の不純物濃度を低減することが有効である。また、金属酸化物中の不純物濃度を低減するためには、近接する膜中の不純物濃度も低減することが好ましい。不純物としては、水素、窒素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、鉄、ニッケル、シリコン等がある。
[不純物]
ここで、金属酸化物中における各不純物の影響について説明する。
金属酸化物において、第14族元素の一つであるシリコンや炭素が含まれると、金属酸化物において欠陥準位が形成される。このため、金属酸化物におけるシリコンや炭素の濃度と、金属酸化物との界面近傍のシリコンや炭素の濃度(二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)により得られる濃度)を、2×1018atoms/cm3以下、好ましくは2×1017atoms/cm3以下とする。
また、金属酸化物にアルカリ金属またはアルカリ土類金属が含まれると、欠陥準位を形成し、キャリアを生成する場合がある。したがって、アルカリ金属またはアルカリ土類金属が含まれている金属酸化物をチャネル形成領域に用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。このため、金属酸化物中のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の濃度を低減することが好ましい。具体的には、SIMSにより得られる金属酸化物中のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の濃度を、1×1018atoms/cm3以下、好ましくは2×1016atoms/cm3以下にする。
また、金属酸化物において、窒素が含まれると、キャリアである電子が生じ、キャリア密度が増加し、n型化しやすい。この結果、窒素が含まれている金属酸化物をチャネル形成領域に用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。したがって、当該金属酸化物において、チャネル形成領域の窒素はできる限り低減されていることが好ましい。例えば、金属酸化物中の窒素濃度は、SIMSにおいて、5×1019atoms/cm3未満、好ましくは5×1018atoms/cm3以下、より好ましくは1×1018atoms/cm3以下、さらに好ましくは5×1017atoms/cm3以下とする。
また、金属酸化物に含まれる水素は、金属原子と結合する酸素と反応して水になるため、酸素欠損を形成する場合がある。該酸素欠損に水素が入ることで、キャリアである電子が生成される場合がある。また、水素の一部が金属原子と結合する酸素と結合して、キャリアである電子を生成することがある。従って、水素が含まれている金属酸化物を用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。このため、金属酸化物中の水素はできる限り低減されていることが好ましい。具体的には、金属酸化物において、SIMSにより得られる水素濃度を、1×1020atoms/cm3未満、好ましくは1×1019atoms/cm3未満、より好ましくは5×1018atoms/cm3未満、さらに好ましくは1×1018atoms/cm3未満とする。
不純物が十分に低減された金属酸化物をトランジスタのチャネル形成領域に用いることで、安定した電気特性を付与することができる。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、半導体装置の一形態を、図27-図29を用いて説明する。
<半導体ウエハ、チップ>
図27(A)は、ダイシング処理が行なわれる前の基板711の上面図を示している。基板711としては、例えば、半導体基板(「半導体ウエハ」ともいう。)を用いることができる。基板711上には、複数の回路領域712が設けられている。回路領域712には、本発明の一態様に係る半導体装置などを設けることができる。
複数の回路領域712は、それぞれが分離領域713に囲まれている。分離領域713と重なる位置に分離線(「ダイシングライン」ともいう。)714が設定される。分離線714に沿って基板711を切断することで、回路領域712を含むチップ715を基板711から切り出すことができる。図27(B)にチップ715の拡大図を示す。
また、分離領域713に導電層、半導体層などを設けてもよい。分離領域713に導電層、半導体層などを設けることで、ダイシング工程時に生じうるESDを緩和し、ダイシング工程に起因する歩留まりの低下を防ぐことができる。また、一般にダイシング工程は、基板の冷却、削りくずの除去、帯電防止などを目的として、炭酸ガスなどを溶解させて比抵抗を下げた純水を切削部に供給しながら行なう。分離領域713に導電層、半導体層などを設けることで、当該純水の使用量を削減することができる。よって、半導体装置の生産コストを低減することができる。また、半導体装置の生産性を高めることができる。
<電子部品>
チップ715を用いた電子部品の一例について、図28(A)および図28(B)、図29(A)-(E)を用いて説明する。なお、電子部品は、半導体パッケージ、またはIC用パッケージともいう。電子部品は、端子取り出し方向、端子の形状などに応じて、複数の規格、名称などが存在する。
電子部品は、組み立て工程(後工程)において、上記実施の形態に示した半導体装置と該半導体装置以外の部品が組み合わされて完成する。
図28(A)に示すフローチャートを用いて、後工程について説明する。前工程において基板711に本発明の一態様に係る半導体装置などを形成した後、基板711の裏面(半導体装置などが形成されていない面)を研削する「裏面研削工程」を行なう(ステップS721)。研削により基板711を薄くすることで、電子部品の小型化を図ることができる。
次に、基板711を複数のチップ715に分離する「ダイシング工程」を行う(ステップS722)。そして、分離したチップ715を個々のリードフレーム上に接合する「ダイボンディング工程」を行う(ステップS723)。ダイボンディング工程におけるチップ715とリードフレームとの接合は、樹脂による接合、またはテープによる接合など、適宜製品に応じて適した方法を選択する。なお、リードフレームに代えてインターポーザ基板上にチップ715を接合してもよい。
次いで、リードフレームのリードとチップ715上の電極とを、金属の細線(ワイヤー)で電気的に接続する「ワイヤーボンディング工程」を行う(ステップS724)。金属の細線には、銀線、金線などを用いることができる。また、ワイヤーボンディングは、例えば、ボールボンディング、またはウェッジボンディングを用いることができる。
ワイヤーボンディングされたチップ715は、エポキシ樹脂などで封止される「封止工程(モールド工程)」が施される(ステップS725)。封止工程を行うことで電子部品の内部が樹脂で充填され、チップ715とリードを接続するワイヤーを機械的な外力から保護することができ、また水分、埃などによる特性の劣化(信頼性の低下)を低減することができる。
次いで、リードフレームのリードをめっき処理する「リードめっき工程」を行なう(ステップS726)。めっき処理によりリードの錆を防止し、後にプリント基板に実装する際のはんだ付けをより確実に行うことができる。次いで、リードを切断および成形加工する「成形工程」を行なう(ステップS727)。
次いで、パッケージの表面に印字処理(マーキング)を施す「マーキング工程」を行なう(ステップS728)。そして外観形状の良否、動作不良の有無などを調べる「検査工程」(ステップS729)を経て、電子部品が完成する。
また、完成した電子部品の斜視模式図を図28(B)に示す。図28(B)では、電子部品の一例として、QFP(Quad Flat Package)の斜視模式図を示している。図28(B)に示す電子部品751は、リード755およびチップ715を有する。電子部品751は、チップ715を複数有していてもよい。
図28(B)に示す電子部品751は、例えばプリント基板753に実装される。このような電子部品751が複数組み合わされて、それぞれがプリント基板753上で電気的に接続されることで電子部品が実装された基板(実装基板754)が完成する。完成した実装基板754は、電子機器などに用いられる。
図28(B)に示す電子部品751の適用例について説明する。電子部品751は、リムーバブル記憶装置に適用することができる。図29(A)-(B)を用いて、リムーバブル記憶装置の幾つかの構成例について説明する。
図29(A)はリムーバブル記憶装置の外観の模式図である。リムーバブル記憶装置5110は、基板5111、コネクタ5112およびメモリチップ5114を有する。コネクタ5112が外部装置と接続するためのインターフェースとして機能する。基板5111には、電子部品であるメモリチップ等が設けられている。例えば、基板5111には、メモリチップ5114、コントローラチップ5115が取り付けられている。メモリチップ5114には、先の実施の形態で説明した半導体装置10などが組み込まれている。
図29(B)は図29(A)とは異なる構成を有する、リムーバブル記憶装置の外観の模式図である。リムーバブル記憶装置5150は、基板5153、コネクタ5152およびメモリチップ5154を有する。コネクタ5152が外部装置と接続するためのインターフェースとして機能する。基板5153には、電子部品であるメモリチップ等が設けられている。例えば、基板5111には、複数のメモリチップ5154、コントローラチップ5155が取り付けられている。メモリチップ5154には、先の実施の形態で説明した半導体装置10などが組み込まれている。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態4)
<電子機器>
本発明の一態様に係る半導体装置を有する電子部品は、様々な電子機器に用いることができる。図30に、本発明の一態様に係る電子部品を用いた電子機器の具体例を示す。
図30(A)は、自動車の一例を示す外観図である。自動車2980は、車体2981、車輪2982、ダッシュボード2983、およびライト2984等を有する。また、自動車2980は、アンテナ、バッテリなどを備える。
図30(B)に示す情報端末2910は、筐体2911、表示部2912、マイク2917、スピーカ部2914、カメラ2913、外部接続部2916、および操作スイッチ2915等を有する。表示部2912には、可撓性基板が用いられた表示パネルおよびタッチスクリーンを備える。また、情報端末2910は、筐体2911の内側にアンテナ、バッテリなどを備える。情報端末2910は、例えば、スマートフォン、携帯電話、タブレット型情報端末、タブレット型パーソナルコンピュータ、電子書籍端末等として用いることができる。
図30(C)に示すノート型パーソナルコンピュータ2920は、筐体2921、表示部2922、キーボード2923、およびポインティングデバイス2924等を有する。また、ノート型パーソナルコンピュータ2920は、筐体2921の内側にアンテナ、バッテリなどを備える。
例えば、本発明の一態様の半導体装置を有する電子部品は、利便性に優れている。本発明の一態様に係る半導体装置を用いることで、利便性の高い電子機器を実現することができる。
本実施の形態は、他の実施の形態などに記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(本明細書等の記載に関する付記)
以上の実施の形態、及び実施の形態における各構成の説明について、以下に付記する。
各実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて、本発明の一態様とすることができる。また、1つの実施の形態の中に、複数の構成例が示される場合は、構成例を適宜組み合わせることが可能である。
なお、ある一つの実施の形態の中で述べる内容(一部の内容でもよい)は、その実施の形態で述べる別の内容(一部の内容でもよい)、及び/又は、一つ若しくは複数の別の実施の形態で述べる内容(一部の内容でもよい)に対して、適用、組み合わせ、又は置き換えなどを行うことが出来る。
なお、実施の形態の中で述べる内容とは、各々の実施の形態において、様々な図を用いて述べる内容、又は明細書に記載される文章を用いて述べる内容のことである。
なお、ある一つの実施の形態において述べる図(一部でもよい)は、その図の別の部分、その実施の形態において述べる別の図(一部でもよい)、及び/又は、一つ若しくは複数の別の実施の形態において述べる図(一部でもよい)に対して、組み合わせることにより、さらに多くの図を構成させることが出来る。
また本明細書等において、ブロック図では、構成要素を機能毎に分類し、互いに独立したブロックとして示している。しかしながら実際の回路等においては、構成要素を機能毎に切り分けることが難しく、一つの回路に複数の機能が係わる場合や、複数の回路にわたって一つの機能が関わる場合があり得る。そのため、ブロック図のブロックは、明細書で説明した構成要素に限定されず、状況に応じて適切に言い換えることができる。
また、図面において、大きさ、層の厚さ、又は領域は、説明の便宜上任意の大きさに示したものである。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。なお図面は明確性を期すために模式的に示したものであり、図面に示す形状又は値などに限定されない。例えば、ノイズによる信号、電圧、若しくは電流のばらつき、又は、タイミングのずれによる信号、電圧、若しくは電流のばらつきなどを含むことが可能である。
本明細書等において、トランジスタの接続関係を説明する際、ソースとドレインとの一方を、「ソース又はドレインの一方」(又は第1電極、又は第1端子)と表記し、ソースとドレインとの他方を「ソース又はドレインの他方」(又は第2電極、又は第2端子)と表記している。これは、トランジスタのソースとドレインは、トランジスタの構造又は動作条件等によって変わるためである。なおトランジスタのソースとドレインの呼称については、ソース(ドレイン)端子や、ソース(ドレイン)電極等、状況に応じて適切に言い換えることができる。
また、本明細書等において「電極」や「配線」の用語は、これらの構成要素を機能的に限定するものではない。例えば、「電極」は「配線」の一部として用いられることがあり、その逆もまた同様である。さらに、「電極」や「配線」の用語は、複数の「電極」や「配線」が一体となって形成されている場合なども含む。
また、本明細書等において、電圧と電位は、適宜言い換えることができる。電圧は、基準となる電位からの電位差のことであり、例えば基準となる電位をグラウンド電圧(接地電圧)とすると、電圧を電位に言い換えることができる。グラウンド電位は必ずしも0Vを意味するとは限らない。なお電位は相対的なものであり、基準となる電位によっては、配線等に与える電位を変化させる場合がある。
なお本明細書等において、「膜」、「層」などの語句は、場合によっては、または、状況に応じて、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変更することが可能な場合がある。または、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能な場合がある。
本明細書等において、スイッチとは、導通状態(オン状態)、または、非導通状態(オフ状態)になり、電流を流すか流さないかを制御する機能を有するものをいう。または、スイッチとは、電流を流す経路を選択して切り替える機能を有するものをいう。
一例としては、電気的スイッチ又は機械的なスイッチなどを用いることができる。つまり、スイッチは、電流を制御できるものであればよく、特定のものに限定されない。
電気的なスイッチの一例としては、トランジスタ(例えば、バイポーラトランジスタ、MOSトランジスタなど)、ダイオード(例えば、PNダイオード、PINダイオード、ショットキーダイオード、MIM(Metal Insulator Metal)ダイオード、MIS(Metal Insulator Semiconductor)ダイオード、ダイオード接続のトランジスタなど)、又はこれらを組み合わせた論理回路などがある。
なお、スイッチとしてトランジスタを用いる場合、トランジスタの「導通状態」とは、トランジスタのソースとドレインが電気的に短絡されているとみなせる状態をいう。また、トランジスタの「非導通状態」とは、トランジスタのソースとドレインが電気的に遮断されているとみなせる状態をいう。なおトランジスタを単なるスイッチとして動作させる場合には、トランジスタの極性(導電型)は特に限定されない。
機械的なスイッチの一例としては、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)のように、MEMS(マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム)技術を用いたスイッチがある。そのスイッチは、機械的に動かすことが可能な電極を有し、その電極が動くことによって、導通と非導通とを制御して動作する。
本明細書等において、チャネル長とは、例えば、トランジスタの上面図において、半導体(またはトランジスタがオン状態のときに半導体の中で電流の流れる部分)とゲートとが重なる領域、またはチャネルが形成される領域における、ソースとドレインとの間の距離をいう。
本明細書等において、チャネル幅とは、例えば、半導体(またはトランジスタがオン状態のときに半導体の中で電流の流れる部分)とゲート電極とが重なる領域、またはチャネルが形成される領域における、ソースとドレインとが向かい合っている部分の長さをいう。
本明細書等において、AとBとが接続されている、とは、AとBとが直接接続されているものの他、電気的に接続されているものを含むものとする。ここで、AとBとが電気的に接続されているとは、AとBとの間で、何らかの電気的作用を有する対象物が存在するとき、AとBとの電気信号の授受を可能とするものをいう。