JP2018098437A - 半導体装置、および半導体装置の作製方法 - Google Patents

半導体装置、および半導体装置の作製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】良好な電気特性を有する半導体装置を提供する。【解決手段】基板上に配置された第1の導電体と、第1の導電体の上に配置された第1の絶縁体と、第1の絶縁体の上に配置された酸化物と、酸化物の上に配置された第2の絶縁体と、第2の絶縁体の上に配置された第2の導電体と、第2の導電体の上に配置された第3の絶縁体と、第2の絶縁体の側面、第2の導電体の側面、第3の絶縁体の側面に接して配置された第4の絶縁体と、酸化物、かつ第4の絶縁体に接して配置された第5の絶縁体と、を有し第2の導電体は、第1の領域と、酸化物の側面を覆う第2の領域と、を有し、第1の領域内における、第2の導電体の第1の側面と第1の側面と対向する第2の側面との距離は、第2の領域おける、第2の導電体の第3の側面と第3の側面と対向する第4の側面との距離よりも、小さく、酸化物において、酸化物の上面と、酸化物の側面が交わる領域は、第2の領域に覆われている。【選択図】図1

Description

本発明の一態様は、半導体装置、ならびに半導体装置の作製方法に関する。または、本発明の一態様は、半導体ウエハ、モジュールおよび電子機器に関する。
なお、本明細書等において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般を指す。トランジスタなどの半導体素子をはじめ、半導体回路、演算装置、記憶装置は、半導体装置の一態様である。表示装置(液晶表示装置、発光表示装置など)、投影装置、照明装置、電気光学装置、蓄電装置、記憶装置、半導体回路、撮像装置および電子機器などは、半導体装置を有すると言える場合がある。
なお、本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本明細書等で開示する発明の一態様は、物、方法、または、製造方法に関するものである。または、本発明の一態様は、プロセス、マシン、マニュファクチャ、または、組成物(コンポジション・オブ・マター)に関するものである。
近年、半導体装置の開発が進められ、LSIやCPUやメモリが主に用いられている。CPUは、半導体ウエハから切り離された半導体集積回路(少なくともトランジスタ及びメモリ)を有し、接続端子である電極が形成された半導体素子の集合体である。
LSIやCPUやメモリなどの半導体回路(ICチップ)は、回路基板、例えばプリント配線板に実装され、様々な電子機器の部品の一つとして用いられる。
また、絶縁表面を有する基板上に形成された半導体薄膜を用いてトランジスタを構成する技術が注目されている。該トランジスタは集積回路(IC)や画像表示装置(単に表示装置とも表記する)のような電子デバイスに広く応用されている。トランジスタに適用可能な半導体薄膜としてシリコン系半導体材料が広く知られているが、その他の材料として酸化物半導体が注目されている。
また、酸化物半導体を用いたトランジスタは、非導通状態において極めてリーク電流が小さいことが知られている。例えば、酸化物半導体を用いたトランジスタのリーク電流が低いという特性を応用した低消費電力のCPUなどが開示されている(特許文献1参照。)。
また、トランジスタのキャリア移動度の向上を目的として、電子親和力(または伝導帯下端準位)が異なる酸化物半導体層を積層させる技術が開示されている(特許文献2及び特許文献3参照)。
また、近年では電子機器の小型化、軽量化に伴い、トランジスタなどを高密度に集積した集積回路の要求が高まっている。また、集積回路を含む半導体装置の生産性の向上が求められている。
特開2012−257187号公報 特開2011−124360号公報 特開2011−138934号公報
本発明の一態様は、良好な電気特性を有する半導体装置を提供することを課題の一つとする。本発明の一態様は、微細化または高集積化が可能な半導体装置を提供することを課題の一つとする。本発明の一態様は、生産性の高い半導体装置を提供することを課題の一つとする。
本発明の一態様は、長期間においてデータの保持が可能な半導体装置を提供することを課題の一つとする。本発明の一態様には、情報の書き込み速度が速い半導体装置を提供することを課題の一つとする。本発明の一態様は、設計自由度が高い半導体装置を提供することを課題の一つとする。本発明の一態様は、消費電力を抑えることができる半導体装置を提供することを課題の一つとする。本発明の一態様は、新規な半導体装置を提供することを課題の一つとする。
なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、これらの課題の全てを解決する必要はないものとする。なお、これら以外の課題は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項などの記載から、これら以外の課題を抽出することが可能である。
本発明の一態様は、基板上に配置された第1の導電体と、第1の導電体の上に配置された第1の絶縁体と、第1の絶縁体の上に配置された酸化物と、酸化物の上に配置された第2の絶縁体と、第2の絶縁体の上に配置された第2の導電体と、第2の導電体の上に配置された第3の絶縁体と、第2の絶縁体の側面、第2の導電体の側面、第3の絶縁体の側面に接して配置された第4の絶縁体と、酸化物、かつ第4の絶縁体に接して配置された第5の絶縁体と、を有し第2の導電体は、第1の領域と、酸化物の側面を覆う第2の領域と、を有し、第1の領域内における、第2の導電体の第1の側面と第1の側面と対向する第2の側面との距離は、第2の領域おける、第2の導電体の第3の側面と第3の側面と対向する第4の側面との距離よりも、小さく、酸化物において、酸化物の上面と、酸化物の側面が交わる領域は、第2の領域に覆われている。
本発明の一態様は、基板上に配置された第1の導電体と、第1の導電体の上に配置された第1の絶縁体と、第1の絶縁体の上に配置された酸化物と、酸化物の上に配置された第2の絶縁体と、第2の絶縁体の上に配置された第2の導電体と、第2の導電体の上に配置された第3の絶縁体と、第2の絶縁体の側面、第2の導電体の側面、第3の絶縁体の側面に接して配置された第4の絶縁体と、酸化物、かつ第4の絶縁体に接して配置された第5の絶縁体と、を有し酸化物は、第1の領域と、第2の領域、および第2の導電体と重なる第3の領域を有し、第1の領域の少なくとも一部、および第2の領域の少なくとも1部は、第5の絶縁体と接し、第1の領域と、第2の領域との間に、第3の領域が配置し、酸化物の側面、および上面の一部における第1の領域と、第2の領域との距離は、酸化物の上面における第1の領域と、第2の領域との距離よりも、大きく、第2の領域は、水素および窒素の少なくとも一方の濃度が第1の領域よりも大きい。
本発明の一態様は、基板上に配置された第1の導電体と、第1の導電体の上に配置された第1の絶縁体と、第1の絶縁体の上に配置された酸化物と、酸化物の上に配置された第2の絶縁体と、第2の絶縁体の上に配置された第2の導電体と、第2の導電体の上に配置された第3の絶縁体と、第2の絶縁体の側面、第2の導電体の側面、第3の絶縁体の側面に接して配置された第4の絶縁体と、酸化物、かつ第4の絶縁体に接して配置された第5の絶縁体と、を有し酸化物は、第1の領域と、第2の領域、および第2の導電体と重なる第3の領域を有し、第1の領域の少なくとも一部、および第2の領域の少なくとも1部は、第5の絶縁体と接し、第1の領域と、第2の領域との間に、第3の領域が配置し、酸化物の側面、および上面の一部における第1の領域と第2の領域との距離は、酸化物の上面における第1の領域と第2の領域との距離よりも、大きく、第2の領域は、水素および窒素の少なくとも一方の濃度が第1の領域よりも大きく、第2の導電体は、第4の領域と、酸化物の側面を覆う第5の領域と、を有し、第4の領域内における、第2の導電体の第1の側面と第1の側面と対向する第2の側面との距離は、第5の領域おける、第2の導電体の第3の側面と第3の側面と対向する第4の側面との距離よりも、小さく、酸化物において、酸化物の上面と、酸化物の側面が交わる領域は、第5の領域に覆われている。
上記において、酸化物は、それぞれ、Inと、元素M(MはAl、Ga、Y、またはSn)と、Znと、を含む。
本発明の一態様により、良好な電気特性を有する半導体装置を提供することができる。本発明の一態様により、微細化または高集積化が可能な半導体装置を提供することができる。本発明の一態様により、生産性の高い半導体装置を提供することができる。
または、長期間においてデータの保持が可能な半導体装置を提供することができる。または、情報の書き込み速度が速い半導体装置を提供することができる。または、設計自由度が高い半導体装置を提供することができる。または、消費電力を抑えることができる半導体装置を提供することができる。または、新規な半導体装置を提供することができる。
なお、これらの効果の記載は、他の効果の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、これらの効果の全てを有する必要はない。なお、これら以外の効果は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項などの記載から、これら以外の効果を抽出することが可能である。
本発明の一態様に係る半導体装置の上面、および断面図。 本発明の一態様に係る半導体装置の作製方法を示す断面図。 本発明の一態様に係る半導体装置の作製方法を示す断面図。 本発明の一態様に係る半導体装置の作製方法を示す断面図。 本発明の一態様に係る半導体装置の作製方法を示す断面図。 本発明の一態様に係る半導体装置の作製方法を示す断面図。 本発明の一態様に係る半導体装置の作製方法を示す断面図。 本発明の一態様に係る半導体装置の作製方法を示す断面図。 本発明の一態様に係る半導体装置の作製方法を示す断面図。 本発明の一態様に係る半導体装置の上面、および断面図。 本発明の一態様に係る半導体装置の上面、および断面図。 本発明の一態様に係る記憶装置の回路図および断面図。 本発明の一態様に係る記憶装置の構成を示す断面図。 本発明の一態様に係る記憶装置の構成を示す断面図。 本発明の一態様に係る記憶装置の構成例を示すブロック図。 本発明の一態様に係る記憶装置の構成例を示すブロック図、および回路図。 本発明の一態様に係る半導体装置の構成例を示すブロック図。 本発明の一態様に係る半導体装置の構成例を示すブロック図、回路図、および半導体装置の動作例を示すタイミングチャート。 本発明の一態様に係る半導体装置の構成例を示すブロック図。 本発明の一態様に係る半導体装置の構成例を示す回路図、および半導体装置の動作例を示すタイミングチャート。 本発明の一態様に係る半導体装置を示すブロック図。 本発明の一態様に係る半導体装置を示す回路図。 本発明の一態様に係る半導体ウエハの上面図。 電子部品の作製工程例を説明するフローチャートおよび斜視模式図。 本発明の一態様に係る電子機器を示す図。
以下、実施の形態について図面を参照しながら説明する。但し、実施の形態は多くの異なる態様で実施することが可能であり、趣旨およびその範囲から逸脱することなくその形態および詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は、以下の実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
また、図面において、大きさ、層の厚さ、又は領域は、明瞭化のために誇張されている場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。なお図面は、理想的な例を模式的に示したものであり、図面に示す形状又は値などに限定されない。例えば、実際の製造工程において、エッチングなどの処理により層やレジストマスクなどが意図せずに目減りすることがあるが、理解を容易とするために省略して示すことがある。また、図面において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、同様の機能を指す場合には、ハッチパターンを同じくし、特に符号を付さない場合がある。
また、特に上面図(「平面図」ともいう。)や斜視図などにおいて、発明の理解を容易とするため、一部の構成要素の記載を省略する場合がある。また、一部の隠れ線などの記載を省略する場合がある。
また、本明細書などにおいて、第1、第2等として付される序数詞は便宜上用いるものであり、工程順又は積層順を示すものではない。そのため、例えば、「第1の」を「第2の」又は「第3の」などと適宜置き換えて説明することができる。また、本明細書等に記載されている序数詞と、本発明の一態様を特定するために用いられる序数詞は一致しない場合がある。
また、本明細書において、「上に」、「下に」などの配置を示す語句は、構成同士の位置関係を、図面を参照して説明するために、便宜上用いている。また、構成同士の位置関係は、各構成を描写する方向に応じて適宜変化するものである。従って、明細書で説明した語句に限定されず、状況に応じて適切に言い換えることができる。
例えば、本明細書等において、XとYとが接続されている、と明示的に記載されている場合は、XとYとが電気的に接続されている場合と、XとYとが機能的に接続されている場合と、XとYとが直接接続されている場合とが、本明細書等に開示されているものとする。したがって、所定の接続関係、例えば、図または文章に示された接続関係に限定されず、図または文章に示された接続関係以外のものも、図または文章に記載されているものとする。
ここで、X、Yは、対象物(例えば、装置、素子、回路、配線、電極、端子、導電膜、層、など)であるとする。
XとYとが直接的に接続されている場合の一例としては、XとYとの電気的な接続を可能とする素子(例えば、スイッチ、トランジスタ、容量素子、インダクタ、抵抗素子、ダイオード、表示素子、発光素子、負荷など)が、XとYとの間に接続されていない場合であり、XとYとの電気的な接続を可能とする素子(例えば、スイッチ、トランジスタ、容量素子、インダクタ、抵抗素子、ダイオード、表示素子、発光素子、負荷など)を介さずに、XとYとが、接続されている場合である。
XとYとが電気的に接続されている場合の一例としては、XとYとの電気的な接続を可能とする素子(例えば、スイッチ、トランジスタ、容量素子、インダクタ、抵抗素子、ダイオード、表示素子、発光素子、負荷など)が、XとYとの間に1個以上接続されることが可能である。なお、スイッチは、オンオフが制御される機能を有している。つまり、スイッチは、導通状態(オン状態)、または、非導通状態(オフ状態)になり、電流を流すか流さないかを制御する機能を有している。または、スイッチは、電流を流す経路を選択して切り替える機能を有している。なお、XとYとが電気的に接続されている場合は、XとYとが直接的に接続されている場合を含むものとする。
XとYとが機能的に接続されている場合の一例としては、XとYとの機能的な接続を可能とする回路(例えば、論理回路(インバータ、NAND回路、NOR回路など)、信号変換回路(DA変換回路、AD変換回路、ガンマ補正回路など)、電位レベル変換回路(電源回路(昇圧回路、降圧回路など)、信号の電位レベルを変えるレベルシフタ回路など)、電圧源、電流源、切り替え回路、増幅回路(信号振幅または電流量などを大きく出来る回路、オペアンプ、差動増幅回路、ソースフォロワ回路、バッファ回路など)、信号生成回路、記憶回路、制御回路など)が、XとYとの間に1個以上接続されることが可能である。なお、一例として、XとYとの間に別の回路を挟んでいても、Xから出力された信号がYへ伝達される場合は、XとYとは機能的に接続されているものとする。なお、XとYとが機能的に接続されている場合は、XとYとが直接的に接続されている場合と、XとYとが電気的に接続されている場合とを含むものとする。
また、本明細書等において、トランジスタとは、ゲートと、ドレインと、ソースとを含む少なくとも三つの端子を有する素子である。そして、ドレイン(ドレイン端子、ドレイン領域またはドレイン電極)とソース(ソース端子、ソース領域またはソース電極)の間にチャネル領域を有しており、ドレインとチャネル領域とソースとを介して電流を流すことができるものである。なお、本明細書等において、チャネル領域とは、電流が主として流れる領域をいう。
また、ソースやドレインの機能は、異なる極性のトランジスタを採用する場合や、回路動作において電流の方向が変化する場合などには入れ替わることがある。このため、本明細書等においては、ソースやドレインの用語は、入れ替えて用いることができる場合がある。
なお、チャネル長とは、例えば、トランジスタの上面図において、半導体(またはトランジスタがオン状態のときに半導体の中で電流の流れる部分)とゲート電極とが互いに重なる領域、またはチャネルが形成される領域における、ソース(ソース領域またはソース電極)とドレイン(ドレイン領域またはドレイン電極)との間の距離をいう。なお、一つのトランジスタにおいて、チャネル長が全ての領域で同じ値をとるとは限らない。即ち、一つのトランジスタのチャネル長は、一つの値に定まらない場合がある。そのため、本明細書では、チャネル長は、チャネルの形成される領域における、いずれか一の値、最大値、最小値または平均値とする。
チャネル幅とは、例えば、半導体(またはトランジスタがオン状態のときに半導体の中で電流の流れる部分)とゲート電極とが互いに重なる領域、またはチャネルが形成される領域における、ソースとドレインとが向かい合っている部分の長さをいう。なお、一つのトランジスタにおいて、チャネル幅がすべての領域で同じ値をとるとは限らない。即ち、一つのトランジスタのチャネル幅は、一つの値に定まらない場合がある。そのため、本明細書では、チャネル幅は、チャネルの形成される領域における、いずれか一の値、最大値、最小値または平均値とする。
なお、トランジスタの構造によっては、実際にチャネルの形成される領域におけるチャネル幅(以下、「実効的なチャネル幅」ともいう。)と、トランジスタの上面図において示されるチャネル幅(以下、「見かけ上のチャネル幅」ともいう。)と、が異なる場合がある。例えば、ゲート電極が半導体の側面を覆う場合、実効的なチャネル幅が、見かけ上のチャネル幅よりも大きくなり、その影響が無視できなくなる場合がある。例えば、微細かつゲート電極が半導体の側面を覆うトランジスタでは、半導体の側面に形成されるチャネル形成領域の割合が大きくなる場合がある。その場合は、見かけ上のチャネル幅よりも、実効的なチャネル幅の方が大きくなる。
このような場合、実効的なチャネル幅の、実測による見積もりが困難となる場合がある。例えば、設計値から実効的なチャネル幅を見積もるためには、半導体の形状が既知という仮定が必要である。したがって、半導体の形状が正確にわからない場合には、実効的なチャネル幅を正確に測定することは困難である。
そこで、本明細書では、見かけ上のチャネル幅を、「囲い込みチャネル幅(SCW:Surrounded Channel Width)」と呼ぶ場合がある。また、本明細書では、単にチャネル幅と記載した場合には、囲い込みチャネル幅または見かけ上のチャネル幅を指す場合がある。または、本明細書では、単にチャネル幅と記載した場合には、実効的なチャネル幅を指す場合がある。なお、チャネル長、チャネル幅、実効的なチャネル幅、見かけ上のチャネル幅、囲い込みチャネル幅などは、断面TEM像などを解析することなどによって、値を決定することができる。
なお、半導体の不純物とは、例えば、半導体を構成する主成分以外をいう。例えば、濃度が0.1原子%未満の元素は不純物と言える。不純物が含まれることにより、例えば、半導体のDOS(Density of States)が高くなることや、結晶性が低下することなどが起こる場合がある。半導体が酸化物半導体である場合、半導体の特性を変化させる不純物としては、例えば、第1族元素、第2族元素、第13族元素、第14族元素、第15族元素、および酸化物半導体の主成分以外の遷移金属などがあり、例えば、水素、リチウム、ナトリウム、シリコン、ホウ素、リン、炭素、窒素などがある。酸化物半導体の場合、水も不純物として機能する場合がある。また、酸化物半導体の場合、例えば不純物の混入によって酸素欠損を形成する場合がある。また、半導体がシリコンである場合、半導体の特性を変化させる不純物としては、例えば、酸素、水素を除く第1族元素、第2族元素、第13族元素、第15族元素などがある。
なお、本明細書等において、酸化窒化シリコン膜とは、その組成として、窒素よりも酸素の含有量が多いものである。例えば、好ましくは酸素が55原子%以上65原子%以下、窒素が1原子%以上20原子%以下、シリコンが25原子%以上35原子%以下、水素が0.1原子%以上10原子%以下の濃度範囲で含まれるものをいう。また、窒化酸化シリコン膜とは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多いものでる。例えば、好ましくは窒素が55原子%以上65原子%以下、酸素が1原子%以上20原子%以下、シリコンが25原子%以上35原子%以下、水素が0.1原子%以上10原子%以下の濃度範囲で含まれるものをいう。
また、本明細書等において、「膜」という用語と、「層」という用語とは、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変更することが可能な場合がある。または、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能な場合がある。
また、本明細書等において、「絶縁体」という用語を、絶縁膜または絶縁層と言い換えることができる。また、「導電体」という用語を、導電膜または導電層と言い換えることができる。また、「半導体」という用語を、半導体膜または半導体層と言い換えることができる。
また、本明細書等に示すトランジスタは、明示されている場合を除き、電界効果トランジスタとする。また、本明細書等に示すトランジスタは、明示されている場合を除き、nチャネル型のトランジスタとする。よって、そのしきい値電圧(「Vth」ともいう。)は、明示されている場合を除き、0Vよりも大きいものとする。
また、本明細書等において、「平行」とは、二つの直線が−10°以上10°以下の角度で配置されている状態をいう。したがって、−5°以上5°以下の場合も含まれる。また、「略平行」とは、二つの直線が−30°以上30°以下の角度で配置されている状態をいう。また、「垂直」とは、二つの直線が80°以上100°以下の角度で配置されている状態をいう。したがって、85°以上95°以下の場合も含まれる。また、「略垂直」とは、二つの直線が60°以上120°以下の角度で配置されている状態をいう。
また、本明細書において、結晶が三方晶または菱面体晶である場合、六方晶系として表す。
なお、本明細書において、バリア膜とは、水素などの不純物および酸素の透過を抑制する機能を有する膜のことであり、該バリア膜に導電性を有する場合は、導電性バリア膜と呼ぶことがある。
本明細書等において、金属酸化物(metal oxide)とは、広い表現での金属の酸化物である。金属酸化物は、酸化物絶縁体、酸化物導電体(透明酸化物導電体を含む)、酸化物半導体(Oxide Semiconductorまたは単にOSともいう)などに分類される。例えば、トランジスタの活性層に金属酸化物を用いた場合、当該金属酸化物を酸化物半導体と呼称する場合がある。つまり、OS FETと記載する場合においては、酸化物または酸化物半導体を有するトランジスタと換言することができる。
(実施の形態1)
以下では、本発明の一態様に係るトランジスタ200を有する半導体装置の一例について説明する。
<半導体装置の構成例1>
図1(A)、図1(B)、および図1(C)は、本発明の一態様に係るトランジスタ200、およびトランジスタ200周辺の上面図および断面図である。
図1(A)は、トランジスタ200を有する半導体装置の上面図である。また、図1(B)、および図1(C)は該半導体装置の断面図である。ここで、図1(B)は、図1(A)にA1−A2の一点鎖線で示す部位の断面図であり、トランジスタ200のチャネル長方向の断面図でもある。また、図1(C)は、図1(A)にA3−A4の一点鎖線で示す部位の断面図であり、トランジスタ200のチャネル幅方向の断面図でもある。図1(A)の上面図では、図の明瞭化のために一部の要素を省いて図示している。
本発明の一態様の半導体装置は、トランジスタ200と、層間膜として機能する絶縁体210、絶縁体212、絶縁体280、トランジスタ200と電気的に接続する導電体203(導電体203a、および導電体203b)、および導電体244(導電体244a、および導電体244b)とを有する。
なお、導電体203は、絶縁体212の開口の内壁に接して導電体203aが形成され、さらに内側に導電体203bが形成されている。ここで、導電体203の上面の高さと、絶縁体212の上面の高さは同程度にできる。なお、トランジスタ200では、導電体203aおよび導電体203bを積層する構成について示しているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、導電体203bのみを設ける構成にしてもよい。
また、導電体244は、絶縁体280の開口の内壁に接して形成されている。ここで、導電体244の上面の高さと、絶縁体280の上面の高さは同程度にできる。なお、トランジスタ200では、導電体244が単層である構成について示しているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、導電体244は、2層以上の積層構造でもよい。
[トランジスタ200]
図1に示すように、トランジスタ200は、基板(図示せず)の上に配置された絶縁体214および絶縁体216と、絶縁体214および絶縁体216に埋め込まれるように配置された導電体205と、絶縁体216と導電体205の上に配置された絶縁体220と、絶縁体220の上に配置された絶縁体222と、絶縁体222の上に配置された絶縁体224と、絶縁体224の上に配置された酸化物230(酸化物230a、酸化物230b、および酸化物230c)と、酸化物230の上に配置された絶縁体250と、絶縁体250の上に配置された導電体260(導電体260a、および導電体260b)と、導電体260の上に配置された絶縁体270と、絶縁体250、導電体260、および絶縁体270の側面に接して配置された絶縁体272と、酸化物230、および絶縁体272と接して配置された絶縁体274と、を有する。
なお、トランジスタ200では、酸化物230a、酸化物230b、および酸化物230cを積層する構成について示しているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、酸化物230bと酸化物230cのみを設ける構成にしてもよい。また、トランジスタ200では、導電体260aおよび導電体260bを積層する構成について示しているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、導電体260bのみを設ける構成にしてもよい。
また、酸化物230は、領域230s、領域230i、領域230dを有する。領域230iは、導電体260と重なる領域を有する。領域230s、および領域230dの少なくとも一部は、絶縁体274と接し、水素および窒素の少なくとも一方の濃度が領域230iよりも大きいことが好ましい。
なお、酸化物230において、領域230sの少なくとも一部、または領域230dの少なくとも一部は、ソース領域、またはドレイン領域として機能する場合がある。また、酸化物230において、領域230iの少なくとも一部は、チャネルが形成される領域として機能する場合がある。
また、導電体260は、第1のゲート(以下、トップゲートともいう)電極として機能する場合がある。また、導電体205は、第2のゲート(以下、バックゲートともいう)電極として機能する場合がある。その場合、導電体205に印加する電位を、導電体260に印加する電位と、連動させず、独立して変化させることで、トランジスタ200のしきい値電圧を制御することができる。特に、導電体205に負の電位を印加することにより、トランジスタ200のしきい値電圧を0Vより大きくし、オフ電流を低減することが可能となる。従って、導電体260に印加する電圧が0Vのときのドレイン電流(Icut)を小さくすることができる。なお、本明細書等で、Icutとは、トランジスタ200のスイッチング動作を制御するゲート電極の電圧が0Vのときのドレイン電流のことを指す。
ここで、図1(A)に示すように、導電体260は、少なくとも、チャネル長方向(L長方向)の長さL1を有する第1の領域(以下、L channelともいう)、および第1の領域よりも、チャネル長方向(L長方向)に大きい長さL2を有する第2の領域(以下、L sideともいう)を有する。また、該第2の領域(L side)は、酸化物230の上面の一部、および側面にわたって配置することが好ましい。つまり、酸化物230のチャネル幅方向と交わる端部の一部は、導電体260が有する第2の領域(L side)に覆われていることが好ましい。
上記構成を有することで、酸化物230の上面の一部、および側面において、領域230sと領域230dとの間隔を、導電体260の第1の領域(L channel)よりも、大きくなり、ソース領域、およびドレイン領域の間に寄生チャネルが生じることを抑制することができる。
ここで、寄生チャネルとは、設計した際に意図していないキャリアの移動経路である。例えば、酸化物の外周端部の側面において、チャネルが形成される領域が局地的に低抵抗化された場合、局地的にしきい値電圧が変化し、設計より小さな電圧でソースとドレインが電気的に接続され、該低抵抗である領域にチャネルが発生する。当該チャネルを寄生チャネルという。つまり、ゲート電極と重畳する領域の半導体であって、ゲートとソース間の電圧に応じてソースとドレイン間の最短経路に形成されるチャネル(意図して設計したチャネルともいう)と、寄生チャネル(意図せず発生したチャネルもいう)が形成される場合がある。
トランジスタにおいて、意図して設計したチャネルと、寄生チャネルとは、形成されるゲートとソース間のしきい値電圧が異なる。典型的には、意図して設計したチャネルが形成されるしきい値電圧は、寄生チャネルが形成されるしきい値電圧よりも高い。よって、オフ状態にある当該トランジスタのゲートとソース間の電圧を上昇させた場合、まず、寄生チャネルが形成されるしきい値電圧の近傍で、ソースとドレイン間の電流が増加する。さらに、当該トランジスタのゲートとソース間の電圧を上昇させると、意図して設計したチャネルが形成されるしきい値電圧の近傍においてソースとドレイン間の電流が増加する。つまり、寄生チャネルが形成されることで、トランジスタが、寄生チャネルにより電気的に接続されてしまい、トランジスタのしきい値電圧が負方向にシフトする。従って、誤作動を起こす場合がある。また、複数のトランジスタを設ける場合に、トランジスタのばらつきが生じやすくなる。
図1(A)に示すように、酸化物230のチャネルが形成される領域の側面、および該側面の周辺領域を、導電体260の第2の領域(L side)で覆うことで、領域230s、および領域230dを形成するための低抵抗化処理を行った場合でも、チャネルが形成される領域の両側面、および該両側面と酸化物230の上面とが交わる領域における局地的な低抵抗化による影響を抑制することができる。
ここで、酸化物230において、導電体260の第1の領域(L channel)と重なる領域に形成されるチャネル、つまり、ゲートとソース間の電圧に応じてソースとドレイン間の最短経路に形成されるチャネル(意図して設計したチャネル)を第1のチャネルとする。なお、酸化物230において、導電体260の第2の領域(L side)と重なる領域にチャネルが形成される場合がある(以下、第2のチャネルともいう)。第2のチャネルは、第1のチャネルよりも、ゲートとソース間のしきい値電圧が高く設計される。従って、トランジスタ200に印加する電圧を調節することで、トランジスタ200の駆動を制御することができる。
トランジスタ200において、寄生容量の影響を抑制することで、安定したトランジスタの駆動を行うことができる。また、制御性が高いトランジスタを提供することができる。また、ばらつきの少ないトランジスタを提供することができる。
また、図1(A)に示すように、導電体205は、酸化物230、および導電体260と重なるように配置する。ここで、酸化物230のチャネル幅方向(W長方向)と交わる端部よりも外側の領域においても、導電体205は、導電体260と、重畳するように配置することが好ましい。つまり、酸化物230の側面の外側において、導電体205と、導電体260とは、絶縁体を介して重畳していることが好ましい。
上記構成を有することで、導電体260、および導電体205に電位を印加した場合、導電体260から生じる電界と、導電体205から生じる電界と、がつながることで、閉回路を形成し、酸化物230に形成されるチャネル形成領域を覆うことができる。
つまり、第1のゲート電極としての機能を有する導電体260の電界と、第2のゲート電極としての機能を有する導電体205の電界によって、領域230iのチャネル形成領域を電気的に取り囲むことができる。本明細書において、第1のゲート電極、および第2のゲート電極の電界によって、チャネル形成領域を電気的に取り囲むトランジスタの構造を、surrounded channel(S−channel)構造とよぶ。
以下では、本発明の一態様に係るトランジスタ200を有する半導体装置の詳細な構成について説明する。
第2のゲート電極として機能する導電体205は、酸化物230および導電体260と重なるように配置する。また、導電体205は、導電体203の上に接して設けられることが好ましい。
ここで、導電体205は、酸化物230における領域230iよりも、大きく設けるとよい。特に、導電体205は、酸化物230の領域230iがチャネル幅方向と交わる端部よりも外側の領域においても、延伸していることが好ましい。つまり、酸化物230のチャネル幅方向における側面において、導電体205と、導電体260とは、絶縁体を介して重畳していることが好ましい。
導電体205は、絶縁体214および絶縁体216の開口の内壁に接して導電体205aが形成され、さらに内側に導電体205bが形成されている。ここで、導電体205aおよび導電体205bの上面の高さと、絶縁体216の上面の高さは同程度にできる。なお、トランジスタ200では、導電体205aおよび導電体205bを積層する構成について示しているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、導電体205bのみを設ける構成にしてもよい。
なお、導電体203は、導電体260と同様にチャネル幅方向に延伸されており、導電体205、すなわち第2のゲート電極に電位を印加する配線として機能する。ここで、第2のゲート電極の配線として機能する導電体203の上に積層して、絶縁体214および絶縁体216に埋め込まれた導電体205を設ける。導電体203上に導電体205を設けることで、第1のゲート電極、および配線としての機能を有する導電体260と、導電体203との距離を適宜設計することが可能となる。つまり、導電体203と導電体260の間に絶縁体214および絶縁体216などが設けられ、導電体203と導電体260の間の寄生容量を低減し、絶縁耐圧を高めることができる。
また、導電体203と導電体260の間の寄生容量を低減することで、トランジスタのスイッチング速度を向上させ、高い周波数特性を有するトランジスタにすることができる。また、導電体203と導電体260の間の絶縁耐圧を高めることで、トランジスタ200の信頼性を向上させることができる。よって、絶縁体214および絶縁体216の膜厚を大きくすることが好ましい。なお、導電体203の延伸方向はこれに限られず、例えば、トランジスタ200のチャネル長方向に延伸されてもよい。
ここで、導電体205aおよび導電体203aは、水素原子、水素分子、水分子、窒素原子、窒素分子、酸化窒素分子(NO、NO、NOなど)、銅原子などの不純物の拡散を抑制する機能を有する(上記不純物が透過しにくい)導電性材料を用いることが好ましい。または、酸素(例えば、酸素原子、酸素分子など)の少なくとも一の拡散を抑制する機能を有する(上記酸素が透過しにくい)導電性材料を用いることが好ましい。なお、本明細書において、不純物、または酸素の拡散を抑制する機能とは、上記不純物、または上記酸素のいずれか一または、すべての拡散を抑制する機能とする。
導電体205a、および導電体203aが酸素の拡散を抑制する機能を持つことにより、導電体205bおよび導電体203bが酸化して導電率が低下することを防ぐことができる。酸素の拡散を抑制する機能を有する導電性材料としては、例えば、タンタル、窒化タンタル、ルテニウムまたは酸化ルテニウムなどを用いることが好ましい。従って、導電体205a、および導電体203aとしては、上記導電性材料を単層または積層とすればよい。これにより、絶縁体210より基板側から、水素、水などの不純物が、導電体203、および導電体205を通じて、トランジスタ200側に拡散するのを抑制することができる。
また、導電体205bは、タングステン、銅、またはアルミニウムを主成分とする導電性材料を用いることが好ましい。なお、導電体205bを単層で図示したが、積層構造としても良く、例えば、チタン、窒化チタンと上記導電性材料との積層としてもよい。
また、導電体203bは、配線として機能するため、導電体205bより導電性が高い導電体を用いることが好ましい。例えば、銅、またはアルミニウムを主成分とする導電性材料を用いることができる。また、導電体203bは積層構造としても良く、例えば、チタン、窒化チタンと上記導電性材料との積層としてもよい。
特に、導電体203に、銅を用いることが好ましい。銅は抵抗が小さいため、配線等に用いることが好ましい。一方、銅は拡散しやすいため、酸化物230に拡散することで、トランジスタ200の特性を低下させる場合がある。そこで、絶縁体214には、銅の透過性が低い窒化シリコン、酸化アルミニウム、または酸化ハフニウムなどの材料を用いることで、銅の拡散を抑えることができる。
絶縁体210および絶縁体214は、水または水素などの不純物が、基板側からトランジスタに混入するのを防ぐバリア絶縁膜として機能することが好ましい。従って、絶縁体210および絶縁体214は、水素原子、水素分子、水分子、窒素原子、窒素分子、酸化窒素分子(NO、NO、NOなど)、銅原子などの不純物の拡散を抑制する機能を有する(上記不純物が透過しにくい)絶縁性材料を用いることが好ましい。または、酸素(例えば、酸素原子、酸素分子など)の少なくとも一の拡散を抑制する機能を有する(上記酸素が透過しにくい)絶縁性材料を用いることが好ましい。
例えば、絶縁体210として酸化アルミニウムなどを用い、絶縁体214として窒化シリコンなどを用いることが好ましい。これにより、水素、水などの不純物が絶縁体210および絶縁体214よりトランジスタ側に拡散するのを抑制することができる。または、絶縁体224などに含まれる酸素が、絶縁体210および絶縁体214より基板側に、拡散するのを抑制することができる。
また、導電体203の上に導電体205を積層して設ける構成にすることにより、導電体203と導電体205の間に絶縁体214を設けることができる。ここで、導電体203bに銅など拡散しやすい金属を用いても、絶縁体214として窒化シリコンなどを設けることにより、当該金属が絶縁体214より上の層に拡散するのを防ぐことができる。
また、層間膜として機能する絶縁体212、絶縁体216、および絶縁体280は、絶縁体210、または絶縁体214よりも誘電率が低いことが好ましい。誘電率が低い材料を層間膜とすることで、配線間に生じる寄生容量を低減することができる。
例えば、絶縁体212、絶縁体216、および絶縁体280として、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)または(Ba,Sr)TiO(BST)などの絶縁体を単層または積層で用いることができる。またはこれらの絶縁体に例えば酸化アルミニウム、酸化ビスマス、酸化ゲルマニウム、酸化ニオブ、酸化シリコン、酸化チタン、酸化タングステン、酸化イットリウム、酸化ジルコニウムを添加してもよい。またはこれらの絶縁体を窒化処理しても良い。上記の絶縁体に酸化シリコン、酸化窒化シリコンまたは窒化シリコンを積層して用いてもよい。
絶縁体220、絶縁体222、および絶縁体224は、ゲート絶縁体としての機能を有する。
ここで、酸化物230と接する絶縁体224は、化学量論的組成を満たす酸素よりも多くの酸素を含む酸化物絶縁体を用いることが好ましい。つまり、絶縁体224には、過剰酸素領域が形成されていることが好ましい。このような過剰酸素を含む絶縁体を酸化物230に接して設けることにより、酸化物230中の酸素欠損を低減し、信頼性を向上させることができる。
過剰酸素領域を有する絶縁体として、具体的には、加熱により一部の酸素が脱離する酸化物材料を用いることが好ましい。加熱により酸素を脱離する酸化物とは、TDS(Thermal Desorption Spectroscopy)分析にて、酸素原子に換算しての酸素の脱離量が1.0×1018atoms/cm以上、好ましくは3.0×1020atoms/cm以上である酸化物膜である。なお、上記TDS分析時における膜の表面温度としては100℃以上700℃以下、または100℃以上400℃以下の範囲が好ましい。
また、絶縁体224が、過剰酸素領域を有する場合、絶縁体222は、酸素(例えば、酸素原子、酸素分子など)の少なくとも一の拡散を抑制する機能を有する(上記酸素が透過しにくい)ことが好ましい。
絶縁体222が、酸素の拡散を抑制する機能を有することで、過剰酸素領域の酸素は、絶縁体220側へ拡散することなく、効率よく酸化物230へ供給することができる。また、導電体205が、絶縁体224が有する過剰酸素領域の酸素と反応することを抑制することができる。
絶縁体222は、例えば、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)または(Ba,Sr)TiO(BST)などのいわゆるhigh−k材料を含む絶縁体を単層または積層で用いることが好ましい。ゲート絶縁体として機能する絶縁体に、high−k材料を用いることで、トランジスタの微細化、および高集積化が可能となる。特に、酸化アルミニウム、および酸化ハフニウム、などの、不純物、および酸素などの拡散を抑制する機能を有する(上記酸素が透過しにくい)絶縁性材料を用いることが好ましい。このような材料を用いて形成した場合、酸化物230からの酸素の放出や、トランジスタ200の周辺部からの水素等の不純物の混入を防ぐ層として機能する。
または、これらの絶縁体に、例えば、酸化アルミニウム、酸化ビスマス、酸化ゲルマニウム、酸化ニオブ、酸化シリコン、酸化チタン、酸化タングステン、酸化イットリウム、酸化ジルコニウムを添加してもよい。またはこれらの絶縁体を窒化処理しても良い。上記の絶縁体に酸化シリコン、酸化窒化シリコンまたは窒化シリコンを積層して用いてもよい。
また、絶縁体220は、熱的に安定していることが好ましい。例えば、酸化シリコンおよび酸化窒化シリコンは、熱的に安定であるため、high−k材料の絶縁体と組み合わせることで、熱的に安定かつ比誘電率の高い積層構造とすることができる。
なお、絶縁体220、絶縁体222、および絶縁体224が、2層以上の積層構造を有していてもよい。その場合、同じ材料からなる積層構造に限定されず、異なる材料からなる積層構造でもよい。
酸化物230は、酸化物230aと、酸化物230a上の酸化物230bと、酸化物230b上の酸化物230cと、を有する。また、酸化物230は、領域230s、領域230i、領域230dを有する。なお、領域230s、および領域230dの少なくとも一部は、絶縁体274と接し、水素および窒素の少なくとも一方の濃度が領域230iよりも大きいことが好ましい。
トランジスタ200をオンさせると、領域230sの少なくとも一部、または領域230dの少なくとも一部は、ソース領域、またはドレイン領域として機能する。一方、領域230iの少なくとも一部は、チャネルが形成される領域として機能し、主として、酸化物230bに、電流が流れる(チャネルが形成される)。領域230iにおいて、酸化物230aおよび酸化物230cは、酸化物230bとの界面近傍(混合領域となっている場合もある)は電流が流れる場合があるものの、そのほかの領域は絶縁体として機能する場合がある。
ここで、図1(A)に示すように、酸化物230の上面の一部、および側面において、領域230sと領域230dとの間隔を、導電体260の第1の領域(L channel)よりも、大きくすることが好ましい。当該構成とすることで、ソース領域、およびドレイン領域の間に寄生チャネルが生じることを抑制することができる。従って、トランジスタ200において、寄生容量の影響を抑制することで、安定したトランジスタの駆動を行うことができる。また、制御性が高いトランジスタを提供することができる。また、ばらつきの少ないトランジスタを提供することができる。
また、酸化物230a上に、酸化物230bを有することで、酸化物230aよりも下方に形成された構造物から、酸化物230c、および酸化物230bに対する不純物の拡散を抑制することができる。また、酸化物230c下に、酸化物230bを有することで、酸化物230cよりも上方に形成された構造物から、酸化物230bに対する不純物の拡散を抑制することができる。
酸化物230は、酸化物半導体として機能する金属酸化物(以下、酸化物半導体ともいう)を用いることが好ましい。例えば、領域230iとなる金属酸化物としては、エネルギーギャップが2eV以上、好ましくは2.5eV以上のものを用いることが好ましい。このように、エネルギーギャップの広い金属酸化物を用いることで、トランジスタのオフ電流を低減することができる。
なお、本明細書等において、窒素を有する金属酸化物も金属酸化物(metal oxide)と総称する場合がある。また、窒素を有する金属酸化物を、金属酸窒化物(metal oxynitride)と呼称してもよい。
酸化物半導体を用いたトランジスタは、非導通状態において極めてリーク電流が小さいため、低消費電力の半導体装置が提供できる。また、酸化物半導体は、スパッタリング法などを用いて成膜できるため、高集積型の半導体装置を構成するトランジスタに用いることができる。
例えば、酸化物230として、In−M−Zn酸化物(元素Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、またはマグネシウムなどから選ばれた一種、または複数種)等の金属酸化物を用いるとよい。また、酸化物230として、In−Ga酸化物、In−Zn酸化物を用いてもよい。
ここで、領域230iにおける酸化物230の積層構造について説明する。
酸化物230aに用いる金属酸化物において、構成元素中の元素Mの原子数比が、酸化物230bに用いる金属酸化物における、構成元素中の元素Mの原子数比より、大きいことが好ましい。また、酸化物230aに用いる金属酸化物において、Inに対する元素Mの原子数比が、酸化物230bに用いる金属酸化物における、Inに対する元素Mの原子数比より大きいことが好ましい。また、酸化物230bに用いる金属酸化物において、元素Mに対するInの原子数比が、酸化物230aに用いる金属酸化物における、元素Mに対するInの原子数比より大きいことが好ましい。なお、酸化物230cは、酸化物230aまたは酸化物230bに用いることができる金属酸化物を、用いることができる。以下では、酸化物230cに酸化物230aに用いることができる金属酸化物を用いた場合について説明する。
以上のような金属酸化物を酸化物230aおよび酸化物230cとして用いて、酸化物230aおよび酸化物230cの伝導帯下端のエネルギーが、酸化物230bの伝導帯下端のエネルギーが低い領域における、伝導帯下端のエネルギーより高くなることが好ましい。また、言い換えると、酸化物230aおよび酸化物230cの電子親和力が、酸化物230bの伝導帯下端のエネルギーが低い領域における電子親和力より小さいことが好ましい。
ここで、酸化物230a、酸化物230b、および酸化物230cにおいて、伝導帯下端のエネルギー準位はなだらかに変化する。換言すると、連続的に変化または連続接合するともいうことができる。このようにするためには、酸化物230aと酸化物230bとの界面、および酸化物230bと酸化物230cとの界面において形成される混合層の欠陥準位密度を低くするとよい。
具体的には、酸化物230aと酸化物230b、酸化物230bと酸化物230cが、酸素以外に共通の元素を有する(主成分とする)ことで、欠陥準位密度が低い混合層を形成することができる。例えば、酸化物230bがIn−Ga−Zn酸化物の場合、酸化物230aおよび酸化物230cとして、In−Ga−Zn酸化物、Ga−Zn酸化物、酸化ガリウムなどを用いるとよい。
このとき、キャリアの主たる経路は酸化物230bに形成されるナローギャップ部分となる。酸化物230aと酸化物230bとの界面、および酸化物230bと酸化物230cとの界面における欠陥準位密度を低くすることができるため、界面散乱によるキャリア伝導への影響が小さく、高いオン電流が得られる。
続いて、領域230s、または領域230dにおける酸化物230の積層構造について説明する。
領域230s、および領域230dは、金属酸化物に、不純物、または金属原子を添加することにより、低抵抗化された領域を有し、少なくとも、領域230iよりも、導電性が高い領域を有する。なお、領域230s、および領域230dに、不純物を添加するために、例えば、酸化物230に接して、不純物となる元素を含む絶縁体274を成膜するとよい。または、プラズマ処理、イオン化された原料ガスを質量分離して添加するイオン注入法、イオン化された原料ガスを質量分離せずに添加するイオンドーピング法、プラズマイマージョンイオンインプランテーション法などを用いて、不純物であるドーパントを添加ことができる。
例えば、酸化物230に接して、絶縁体274を成膜する場合、領域230s、および領域230dは、絶縁体274の成膜雰囲気に含まれる、水素または窒素などの不純物元素が添加される。酸化物230の絶縁体274と接する領域を中心に、添加された不純物元素により酸素欠損が形成され、さらに当該不純物元素が酸素欠損に入り込むことで、キャリア密度が高くなり、低抵抗化される。
よって、領域230s、および領域230dは、領域230iより、水素および窒素の少なくとも一方の濃度が大きくなることが好ましい。水素または窒素の濃度は、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)などを用いて測定すればよい。ここで、領域230iの水素または窒素の濃度としては、酸化物230bの絶縁体250と重なる領域の中央近傍(例えば、酸化物230bの絶縁体250のチャネル長方向の両側面からの距離が概略等しい部分)の水素または窒素の濃度を測定すればよい。
なお、領域230s、および領域230dは、酸素欠損を形成する元素、または酸素欠損に捕獲される元素を添加されることで低抵抗化される。このような元素としては、代表的には水素、ホウ素、炭素、窒素、フッ素、リン、硫黄、塩素、チタン、希ガス等が挙げられる。また、希ガス元素の代表例としては、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、及びキセノン等がある。よって、領域230s、および領域230dは、上記元素の一つまたは複数を含む構成にすればよい。
また、領域230s、および領域230dにおいて、酸化物230aおよび酸化物230cは、元素Mに対するInの原子数比が、酸化物230bの元素Mに対するInの原子数比と同程度になることが好ましい。または、酸化物230aおよび酸化物230cは、領域230s、および領域230dにおける元素Mに対するInの原子数比が、領域230iにおける元素Mに対するInの原子数比より大きいことが好ましい。
つまり、領域230s、および領域230dにおいて、酸化物230のインジウムの含有率を高くすることで、電子移動度を高くし、低抵抗化を図ることができる。例えば、トランジスタ200の作製工程において、酸化物230cの膜厚が薄くなり、酸化物230の電気抵抗が大きくなった場合においても、領域230s、および領域230dは、酸化物230が十分低抵抗化されているため、ソース領域およびドレイン領域として機能させることができる。または、酸化物230cが除去され、酸化物230bの膜厚が薄くなった場合においても、領域230s、および領域230dにおいて、酸化物230aが十分低抵抗化されているため、領域230s、および領域230dはソース領域およびドレイン領域として機能させることができる。
なお、図では、領域230i、領域230s、および領域230dが、酸化物230a、酸化物230b、および酸化物230cに形成されているが、これに限られることなく、例えばこれらの領域は少なくとも酸化物230bに形成されていればよい。また、図1では、領域230iと領域230sの境界、および、領域230iと領域230dの境界を、酸化物230の上面に対して略垂直に表示しているが、本実施の形態はこれに限られるものではない。例えば、領域230s、および領域230dが酸化物230bの表面近傍では導電体260側に張り出し、酸化物230aの下面近傍では、導電体244a側または導電体244b側に後退する形状になる場合がある。
なお、トランジスタ200において、領域230s、および領域230dは、図1(B)に示すように、酸化物230の絶縁体274および絶縁体272と重なる領域に形成するとよい。つまり、導電体260のチャネル長方向の幅と、領域230iとの幅と、が略一致している構成である。図1(B)に示す構成とすることで、ソース領域およびドレイン領域との間に高抵抗領域が形成されないため、トランジスタのオン電流を大きくすることができる。また、図1(B)に示す構成とすることで、チャネル長方向において、ソース領域およびドレイン領域と、ゲートとが重ならないため、不要な容量が形成されるのを抑制することができる。
ただし、本実施の形態に示す半導体装置はこれに限られるものではない。例えば、領域230s、および領域230dは、酸化物230の絶縁体274と接する領域と、絶縁体272、および絶縁体250の両端部近傍と重なる領域と、に形成してもよい。このとき、領域230s、および領域230dの導電体260と重なる部分は、所謂オーバーラップ領域(Lov領域ともいう)として機能する。Lov領域を有する構造とすることで、酸化物230のチャネル形成領域と、ソース領域およびドレイン領域との間に高抵抗領域が形成されないため、トランジスタのオン電流および移動度を大きくすることができる。
従って、領域230s、および領域230dの範囲を適宜選択することにより、回路設計に合わせて、要求に見合う電気特性を有するトランジスタを容易に提供することができる。
絶縁体250は、ゲート絶縁膜として機能する。絶縁体250は、酸化物230cの上面に接して配置することが好ましい。絶縁体250は、加熱により酸素が放出される絶縁体を用いて形成することが好ましい。例えば、昇温脱離ガス分光法分析(TDS分析)にて、100℃以上700℃以下または100℃以上500℃以下の表面温度の範囲で、酸素分子の脱離量を絶縁体250の面積当たりに換算して、1×1014molecules/cm以上、好ましくは2×1014molecules/cm以上、より好ましくは4×1014molecules/cm以上であればよい。
加熱により酸素が放出される絶縁体を、絶縁体250として、酸化物230cの上面に接して設けることにより、酸化物230bの領域230iに効果的に酸素を供給することができる。また、絶縁体224と同様に、絶縁体250中の水または水素などの不純物濃度が低減されていることが好ましい。絶縁体250の膜厚は、1nm以上20nm以下とするのが好ましい。
第1のゲート電極として機能する導電体260は、導電体260a、および導電体260a上の導電体260bを有する。導電体260aは、導電性酸化物を用いることが好ましい。例えば、酸化物230aまたは酸化物230bとして用いることができる金属酸化物を用いることができる。特に、In−Ga−Zn系酸化物のうち、導電性が高い、金属の原子数比が[In]:[Ga]:[Zn]=4:2:3から4.1、およびその近傍値のものを用いることが好ましい。このような導電体260aを設けることで、導電体260bへの酸素の透過を抑制し、酸化によって導電体260bの電気抵抗値が増加することを防ぐことができる。
また、このような導電性酸化物を、スパッタリング法を用いて成膜することで、絶縁体250に酸素を添加し、酸化物230bに酸素を供給することが可能となる。これにより、酸化物230の領域426aの酸素欠損を低減することができる。
導電体260bは、例えばタングステンなどの金属を用いることができる。また、導電体260bとして、導電体260aに窒素などの不純物を添加して導電体260aの導電性を向上できる導電体を用いてもよい。例えば導電体260bは、窒化チタンなどを用いることが好ましい。また、導電体260bを、窒化チタンなどの金属窒化物と、その上にタングステンなどの金属を積層した構造にしてもよい。
ここで、図1(A)に示すように、導電体260は、少なくとも、第1の領域(以下、L channelともいう)、および第1の領域よりも、チャネル長方向(L長方向)方向に大きい第2の領域(以下、L sideともいう)を有する。また、該第2の領域(L side)は、酸化物230の上面の一部、および側面にわたって配置することが好ましい。つまり、酸化物230のチャネル幅方向と交わる端部の一部は、導電体260が有する第2の領域(L side)に覆われていることが好ましい。
上記構成を有することで、酸化物230の上面の一部、および側面において、領域230sと領域230dとの間隔を、導電体260の第1の領域(L channel)よりも、大きくすることで、ソース領域、およびドレイン領域の間に寄生チャネルが生じることを抑制することができる。従って、寄生容量の発生を抑制することで、安定したトランジスタの駆動を行うことができる。また、制御性が高いトランジスタを提供することができる。また、ばらつきの少ないトランジスタを提供することができる。
また、図1(C)に示すように、導電体205が、酸化物230のチャネル幅方向と交わる端部よりも外側の領域において、延伸している場合、導電体260は、該領域において、絶縁体250を介して、重畳していることが好ましい。つまり、酸化物230の側面の外側において、導電体205と、絶縁体250と、導電体260とは、積層構造を形成することが好ましい。
上記構成を有することで、導電体260、および導電体205に電位を印加した場合、導電体260から生じる電界と、導電体205から生じる電界と、がつながることで、閉回路を形成し、酸化物230に形成されるチャネル形成領域を覆うことができる。
つまり、第1のゲート電極としての機能を有する導電体260の電界と、第2のゲート電極としての機能を有する導電体205の電界によって、領域230iのチャネル形成領域を電気的に取り囲むことができる。
また、導電体260bの上に、バリア膜として機能する絶縁体270を配置してもよい。絶縁体270は、導電体260と、投影面積が重なるように配置することが好ましい。または、絶縁体270の側面、導電体260aの側面、及び導電体260bの側面は、同一面上となることが好ましい。
例えば、絶縁体270は、原子層堆積(ALD:Atomic Layer Deposition)法を用いて成膜することができる。これにより、絶縁体270の膜厚を1nm以上20nm以下程度、好ましくは5nm以上10nm以下程度で成膜することができる。ここで、絶縁体270は、水または水素などの不純物、および酸素の透過を抑制する機能を有する絶縁性材料を用いることが好ましく、例えば、酸化アルミニウムまたは酸化ハフニウムなどを用いることが好ましい。
また、バリア膜として機能する絶縁体272を、絶縁体250、導電体260、および絶縁体270の側面に接して設けてもよい。なお、絶縁体272の上面は、絶縁体270の上面と、略一致することが好ましい。または、絶縁体272の上面は、絶縁体270の上面と、同一面上となることが好ましい。
例えば、絶縁体272は、ALD法を用いて成膜することが好ましい。これにより、絶縁体272の膜厚を1nm以上20nm以下程度、好ましくは1nm以上10nm以下程度、例えば5nmで成膜することができる。また、例えば、絶縁体272は、ALD法を用いて絶縁膜を成膜してから、異方性エッチングを行って、当該絶縁膜のうち、導電体260、および絶縁体270の側面に接する部分を残存させて形成するができる。このとき、導電体260、および絶縁体270の側面が共有する同一面は、基板に対し、概略垂直であることが好ましい。つまり、断面形状において、導電体260、および絶縁体270の側面が共有する同一面は、酸化物230の上面に対する角度が、鋭角、かつ大きいほど好ましい。導電体260、および絶縁体270の側面が共有する同一面が、基板に対し、概略垂直であることで、絶縁体272を残存することができる。該方法を用いることで、上記のように膜厚の薄い絶縁体272を形成することができる。また、このとき、導電体260の上に、絶縁体270を設けておくことで、当該異方性エッチングで絶縁体270が一部除去されても、絶縁体272の導電体260に接する部分を十分残存させることができる。
また、本実施の形態に示すように、絶縁体272を形成することにより、酸化物230の領域230sと、領域230dとの間の距離を、十分に確保することができる。従って、ソース領域とドレイン領域が電気的に導通することを防ぐことができる。また、ALD法を用いることで、絶縁体272の膜厚を、微細化されたチャネル長と同程度以下とすることができる。従って、必要以上にソース領域とドレイン領域の距離が広がって、抵抗が増大することをふせぐことができる。
ここで、絶縁体272は、絶縁体270と同様に、水または水素などの不純物、および酸素の透過を抑制する機能を有する絶縁性材料を用いるとよい。例えば、酸化アルミニウムまたは酸化ハフニウムなどを用いることが好ましい。これにより、絶縁体250中の酸素が外部に拡散することを防ぐことができる。また、絶縁体250の端部などから酸化物230に水素、水などの不純物が混入するのを抑制することができる。
絶縁体272および絶縁体270を設けた上記構成とすることで、水または水素などの不純物、および酸素の透過を抑制する機能を有する絶縁体で導電体260の上面と側面および絶縁体250の側面を覆うことができる。これにより、導電体260および絶縁体250を介して、水または水素などの不純物が酸化物230に混入することを防ぐことができる。従って、絶縁体272は、ゲート電極およびゲート絶縁膜の側面を保護するサイドバリアとして、絶縁体270は、ゲート電極の上面を保護するトップバリアとして、機能を有する。
また、酸化物230の領域230sおよび領域230dは、酸化物230に、不純物元素を添加することで形成する場合がある。トランジスタが微細化され、チャネル長が10nm以上30nm以下程度に形成されている場合、領域230sまたは領域230dに含まれる不純物元素が拡散し、領域230sと、領域230dと、が電気的に導通する恐れがある。
そこで、本実施の形態に示すように、絶縁体272および絶縁体270を形成することにより、絶縁体250および導電体260に水素、水などの不純物が混入するのを抑制し、かつ、絶縁体250中の酸素が外部に拡散することを防ぐことができる。従って、第1のゲート電圧が0Vのときに、ソース領域とドレイン領域が電気的に導通することを防ぐことができる。
層間膜として機能する絶縁体274は、絶縁体270、絶縁体272、酸化物230および絶縁体224を覆って設ける。ここで、絶縁体274は、絶縁体270および絶縁体272の上面に接し、かつ絶縁体272の側面に接して設けられる。絶縁体274は、水素および窒素の少なくとも一方を有することが好ましい。水素、または窒素などの不純物を有する絶縁体を絶縁体274に用いることで、水素または窒素などの不純物を酸化物230に添加して、領域230sおよび領域230dを形成することができる。
また、絶縁体274は、水または水素などの不純物、および酸素の透過を抑制する機能を有する絶縁性材料を用いることが好ましい。例えば、絶縁体274として、窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウムなどを用いることが好ましい。このような絶縁体274を形成することで、絶縁体274を透過して酸素が混入し、領域230sおよび領域230dの酸素欠損に酸素を供給して、キャリア密度が低下するのを防ぐことができる。また、絶縁体274を透過して水または水素などの不純物が混入し、領域230sおよび領域230dが過剰に領域230i側に拡張するのを防ぐことができる。
絶縁体274の上に、層間膜として機能する絶縁体280を設けることが好ましい。絶縁体280は、絶縁体224などと同様に、膜中の水または水素などの不純物濃度が低減されていることが好ましい。なお、絶縁体280の上に絶縁体210と同様の絶縁体を設けてもよい。
また、絶縁体280および絶縁体274に形成された開口に、導電体244aおよび導電体244bを配置する。導電体244aおよび導電体244bは、導電体260を挟んで対向して設ける。なお、導電体244aおよび導電体244bの上面の高さは、絶縁体280の上面と、同一平面上としてもよい。
導電体244aは、トランジスタ200のソース領域およびドレイン領域の一方として機能する領域230sと接しており、導電体244bはトランジスタ200のソース領域およびドレイン領域の他方として機能する領域230dと接している。よって、導電体244aはソース電極およびドレイン電極の一方として機能でき、導電体244bはソース電極およびドレイン電極の他方として機能できる。領域230sおよび領域230dは低抵抗化されているので、導電体244aと領域230sの接触抵抗、および導電体244bと領域230dの接触抵抗を低減し、トランジスタ200のオン電流を大きくすることができる。
なお、絶縁体280および絶縁体274の開口の内壁に接して導電体244aが形成されている。当該開口の底部の少なくとも一部には酸化物230の領域230sが位置しており、導電体244aが領域230sと接する。同様に、絶縁体280および絶縁体274の開口の内壁に接して導電体244bが形成されている。当該開口の底部の少なくとも一部には酸化物230の領域230dが位置しており、導電体244bが領域230dと接する。
ここで、導電体244a(導電体244b)は、少なくとも酸化物230の上面と接し、さらに酸化物230の側面と接することが好ましい。特に、導電体244a(導電体244b)は、酸化物230のチャネル幅方向と交わる側面において、A3側の側面、およびA4側の側面の双方または一方と接することが好ましい。また、図1(A)に示すように、導電体244a(導電体244b)が、酸化物230のチャネル長方向と交わる側面において、A1側(A2側)の側面と接する構成にしてもよい。このように、導電体244a(導電体244b)が酸化物230の上面に加えて、酸化物230の側面と接する構成にすることにより、導電体244a(導電体244b)と酸化物230のコンタクト部の上面積を増やすことなく、コンタクト部の接触面積を増加させ、導電体244a(導電体244b)と酸化物230の接触抵抗を低減することができる。これにより、トランジスタのソース電極およびドレイン電極の微細化を図りつつ、オン電流を大きくすることができる。
導電体244aおよび導電体244bは、タングステン、銅、またはアルミニウムを主成分とする導電性材料を用いることが好ましい。また、図示しないが、導電体244aおよび導電体244bは積層構造としても良く、例えば、チタン、窒化チタンと上記導電性材料との積層としてもよい。
導電体244を積層構造とする場合、絶縁体274、および絶縁体280と接する導電体には、導電体205aなどと同様に、水または水素などの不純物の透過を抑制する機能を有する導電性材料を用いることが好ましい。例えば、タンタル、窒化タンタル、チタン、窒化チタン、ルテニウムまたは酸化ルテニウムなどを用いることが好ましい。また、水または水素などの不純物の透過を抑制する機能を有する導電性材料は、単層または積層で用いてもよい。該導電性材料を用いることで、絶縁体280より上層から水素、水などの不純物が、導電体244aおよび導電体244bを通じて酸化物230に混入するのを抑制することができる。
また、図示しないが、導電体244aの上面、および導電体244bの上面に接して配線して機能する導電体を配置してもよい。配線として機能する導電体は、タングステン、銅、またはアルミニウムを主成分とする導電性材料を用いることが好ましい。また、該導電体は、積層構造としても良く、例えば、チタン、窒化チタンと上記導電性材料との積層としてもよい。なお、該導電体は、導電体203などと同様に、絶縁体に設けられた開口に埋め込むように形成してもよい。
<半導体装置の構成材料>
以下では、半導体装置に用いることができる構成材料について説明する。
<<基板>>
トランジスタ200を形成する基板としては、例えば、絶縁体基板、半導体基板または導電体基板を用いればよい。絶縁体基板としては、例えば、ガラス基板、石英基板、サファイア基板、安定化ジルコニア基板(イットリア安定化ジルコニア基板など)、樹脂基板などがある。また、半導体基板としては、例えば、シリコン、ゲルマニウムなどの単体半導体基板、または炭化シリコン、シリコンゲルマニウム、ヒ化ガリウム、リン化インジウム、酸化亜鉛、酸化ガリウムからなる化合物半導体基板などがある。さらには、前述の半導体基板内部に絶縁体領域を有する半導体基板、例えばSOI(Silicon On Insulator)基板などがある。導電体基板としては、黒鉛基板、金属基板、合金基板、導電性樹脂基板などがある。または、金属の窒化物を有する基板、金属の酸化物を有する基板などがある。さらには、絶縁体基板に導電体または半導体が設けられた基板、半導体基板に導電体または絶縁体が設けられた基板、導電体基板に半導体または絶縁体が設けられた基板などがある。または、これらの基板に素子が設けられたものを用いてもよい。基板に設けられる素子としては、容量素子、抵抗素子、スイッチ素子、発光素子、記憶素子などがある。
また、基板として、可とう性基板を用いてもよい。なお、可とう性基板上にトランジスタを設ける方法としては、非可とう性の基板上にトランジスタを作製した後、トランジスタを剥離し、可とう性基板である基板に転置する方法もある。その場合には、非可とう性基板とトランジスタとの間に剥離層を設けるとよい。また、基板が伸縮性を有してもよい。また、基板は、折り曲げや引っ張りをやめた際に、元の形状に戻る性質を有してもよい。または、元の形状に戻らない性質を有してもよい。基板は、例えば、5μm以上700μm以下、好ましくは10μm以上500μm以下、さらに好ましくは15μm以上300μm以下の厚さとなる領域を有する。基板を薄くすると、トランジスタを有する半導体装置を軽量化することができる。また、基板を薄くすることで、ガラスなどを用いた場合にも伸縮性を有する場合や、折り曲げや引っ張りをやめた際に、元の形状に戻る性質を有する場合がある。そのため、落下などによって基板上の半導体装置に加わる衝撃などを緩和することができる。即ち、丈夫な半導体装置を提供することができる。
可とう性基板である基板としては、例えば、金属、合金、樹脂もしくはガラス、またはそれらの繊維などを用いることができる。また、基板として、繊維を編みこんだシート、フィルムまたは箔などを用いてもよい。可とう性基板である基板は、線膨張率が低いほど環境による変形が抑制されて好ましい。可とう性基板である基板としては、例えば、線膨張率が1×10−3/K以下、5×10−5/K以下、または1×10−5/K以下である材質を用いればよい。樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド(ナイロン、アラミドなど)、ポリイミド、ポリカーボネート、アクリルなどがある。特に、アラミドは、線膨張率が低いため、可とう性基板である基板として好適である。
<<絶縁体>>
絶縁体としては、絶縁性を有する酸化物、窒化物、酸化窒化物、窒化酸化物、金属酸化物、金属酸化窒化物、金属窒化酸化物などがある。
ここで、ゲート絶縁体として機能する絶縁体には、ゲート絶縁体として機能する絶縁体に、比誘電率の高いhigh−k材料を用いることで、トランジスタの微細化、および高集積化が可能となる。一方、層間膜として機能する絶縁体には、比誘電率が低い材料を層間膜とすることで、配線間に生じる寄生容量を低減することができる。従って、絶縁体の機能に応じて、材料を選択するとよい。
また、比誘電率の高い絶縁体としては、酸化ガリウム、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、アルミニウムおよびハフニウムを有する酸化物、アルミニウムおよびハフニウムを有する酸化窒化物、シリコンおよびハフニウムを有する酸化物、シリコンおよびハフニウムを有する酸化窒化物またはシリコンおよびハフニウムを有する窒化物などがある。
また、比誘電率が低い絶縁体としては、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、フッ素を添加した酸化シリコン、炭素を添加した酸化シリコン、炭素および窒素を添加した酸化シリコン、空孔を有する酸化シリコンまたは樹脂などがある。
また、特に、酸化シリコンおよび酸化窒化シリコンは、熱的に安定である。そのため、例えば、樹脂と組み合わせることで、熱的に安定かつ比誘電率の低い積層構造とすることができる。樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド(ナイロン、アラミドなど)、ポリイミド、ポリカーボネートまたはアクリルなどがある。また、例えば、酸化シリコン、および酸化窒化シリコンは、比誘電率の高い絶縁体と組み合わせることで、熱的に安定かつ比誘電率の高い積層構造とすることができる。
また、酸化物半導体を用いたトランジスタは、水素などの不純物および酸素の透過を抑制する機能を有する絶縁体で囲うことによって、トランジスタの電気特性を安定にすることができる。
水素などの不純物および酸素の透過を抑制する機能を有する絶縁体としては、例えば、ホウ素、炭素、窒素、酸素、フッ素、マグネシウム、アルミニウム、シリコン、リン、塩素、アルゴン、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、ランタン、ネオジム、ハフニウムまたはタンタルを含む絶縁体を、単層で、または積層で用いればよい。具体的には、水素などの不純物および酸素の透過を抑制する機能を有する絶縁体として、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウムまたは酸化タンタルなどの金属酸化物、窒化酸化シリコンまたは窒化シリコンなどを用いることができる。
例えば、絶縁体222、絶縁体214、および絶縁体210として、水素などの不純物および酸素の透過を抑制する機能を有する絶縁体を用いればよい。なお、絶縁体222、絶縁体214、および絶縁体210は、酸化アルミニウムまたは酸化ハフニウムなどを有することが好ましい。
例えば、絶縁体212、絶縁体216、絶縁体220、絶縁体224、および、絶縁体250、としては、例えば、ホウ素、炭素、窒素、酸素、フッ素、マグネシウム、アルミニウム、シリコン、リン、塩素、アルゴン、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、ランタン、ネオジム、ハフニウムまたはタンタルを含む絶縁体を、単層で、または積層で用いればよい。具体的には、酸化シリコン、酸化窒化シリコンまたは、窒化シリコンを有することが好ましい。
例えば、ゲート絶縁体として機能する絶縁体224および絶縁体250において、酸化アルミニウム、酸化ガリウムまたは酸化ハフニウムを酸化物230と接する構造とすることで、酸化シリコンまたは酸化窒化シリコンに含まれるシリコンが、酸化物230に混入することを抑制することができる。一方、絶縁体224および絶縁体250において、酸化シリコンまたは酸化窒化シリコンを酸化物230と接する構造とすることで、酸化アルミニウム、酸化ガリウムまたは酸化ハフニウムと、酸化シリコンまたは酸化窒化シリコンと、の界面にトラップセンターが形成される場合がある。該トラップセンターは、電子を捕獲することでトランジスタのしきい値電圧をプラス方向に変動させることができる場合がある。
絶縁体212、絶縁体216、および絶縁体280は、比誘電率の低い絶縁体を有することが好ましい。例えば、絶縁体212、絶縁体216、および絶縁体280、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、フッ素を添加した酸化シリコン、炭素を添加した酸化シリコン、炭素および窒素を添加した酸化シリコン、空孔を有する酸化シリコンまたは樹脂などを有することが好ましい。または、絶縁体212、絶縁体216、および絶縁体280は、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、フッ素を添加した酸化シリコン、炭素を添加した酸化シリコン、炭素および窒素を添加した酸化シリコンまたは空孔を有する酸化シリコンと、樹脂と、の積層構造を有することが好ましい。酸化シリコンおよび酸化窒化シリコンは、熱的に安定であるため、樹脂と組み合わせることで、熱的に安定かつ比誘電率の低い積層構造とすることができる。樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド(ナイロン、アラミドなど)、ポリイミド、ポリカーボネートまたはアクリルなどがある。
絶縁体270、および絶縁体272としては、水素などの不純物および酸素の透過を抑制する機能を有する絶縁体を用いればよい。絶縁体270および絶縁体272としては、例えば、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化マグネシウム、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジムまたは酸化タンタルなどの金属酸化物、窒化酸化シリコンまたは窒化シリコンなどを用いればよい。
<<導電体>>
導電体としては、アルミニウム、クロム、銅、銀、金、白金、タンタル、ニッケル、チタン、モリブデン、タングステン、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、マンガン、マグネシウム、ジルコニウム、ベリリウム、インジウム、ルテニウムなどから選ばれた金属元素を1種以上含む材料を用いることができる。また、リン等の不純物元素を含有させた多結晶シリコンに代表される、電気伝導度が高い半導体、ニッケルシリサイドなどのシリサイドを用いてもよい。
また、上記の材料で形成される導電層を複数積層して用いてもよい。例えば、前述した金属元素を含む材料と、酸素を含む導電性材料と、を組み合わせた積層構造としてもよい。また、前述した金属元素を含む材料と、窒素を含む導電性材料と、を組み合わせた積層構造としてもよい。また、前述した金属元素を含む材料と、酸素を含む導電性材料と、窒素を含む導電性材料と、を組み合わせた積層構造としてもよい。
なお、トランジスタのチャネル形成領域に酸化物を用いる場合において、ゲート電極として機能する導電体には、前述した金属元素を含む材料と、酸素を含む導電性材料と、を組み合わせた積層構造を用いることが好ましい。この場合は、酸素を含む導電性材料をチャネル形成領域側に設けるとよい。酸素を含む導電性材料をチャネル形成領域側に設けることで、当該導電性材料から離脱した酸素がチャネル形成領域に供給されやすくなる。
特に、ゲート電極として機能する導電体として、チャネルが形成される金属酸化物に含まれる金属元素および酸素を含む導電性材料を用いることが好ましい。また、前述した金属元素および窒素を含む導電性材料を用いてもよい。例えば、窒化チタン、窒化タンタルなどの窒素を含む導電性材料を用いてもよい。また、インジウム錫酸化物、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、シリコンを添加したインジウム錫酸化物を用いてもよい。また、窒素を含むインジウムガリウム亜鉛酸化物を用いてもよい。このような材料を用いることで、チャネルが形成される金属酸化物に含まれる水素を捕獲することができる場合がある。または、外方の絶縁体などから混入する水素を捕獲することができる場合がある。
導電体260a、導電体260b、導電体203a、導電体203b、導電体205a、導電体205b、導電体244a、および導電体244bとしては、アルミニウム、クロム、銅、銀、金、白金、タンタル、ニッケル、チタン、モリブデン、タングステン、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、マンガン、マグネシウム、ジルコニウム、ベリリウム、インジウム、ルテニウムなどから選ばれた金属元素を1種以上含む材料を用いることができる。また、リン等の不純物元素を含有させた多結晶シリコンに代表される、電気伝導度が高い半導体、ニッケルシリサイドなどのシリサイドを用いてもよい。
<<金属酸化物>>
酸化物230として、酸化物半導体として機能する金属酸化物(以下、酸化物半導体ともいう)を用いることが好ましい。以下では、本発明に係る酸化物230に適用可能な金属酸化物について説明する。
酸化物半導体は、少なくともインジウムまたは亜鉛を含むことが好ましい。特にインジウムおよび亜鉛を含むことが好ましい。また、それらに加えて、アルミニウム、ガリウム、イットリウムまたはスズなどが含まれていることが好ましい。また、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、またはマグネシウムなどから選ばれた一種、または複数種が含まれていてもよい。
ここでは、酸化物半導体が、インジウム、元素Mおよび亜鉛を有するInMZnOである場合を考える。なお、元素Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウムまたはスズなどとする。そのほかの元素Mに適用可能な元素としては、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、マグネシウムなどがある。ただし、元素Mとして、前述の元素を複数組み合わせても構わない場合がある。
なお、本明細書等において、窒素を有する金属酸化物も金属酸化物(metal oxide)と総称する場合がある。また、窒素を有する金属酸化物を、金属酸窒化物(metal oxynitride)と呼称してもよい。
[金属酸化物の構成]
以下では、本発明の一態様で開示されるトランジスタに用いることができるCAC(Cloud−Aligned Composite)−OSの構成について説明する。
なお、本明細書等において、CAAC(c−axis aligned crystal)、及びCAC(Cloud−Aligned Composite)と記載する場合がある。なお、CAACは結晶構造の一例を表し、CACは機能、または材料の構成の一例を表す。
CAC−OSまたはCAC−metal oxideとは、材料の一部では導電性の機能と、材料の一部では絶縁性の機能とを有し、材料の全体では半導体としての機能を有する。なお、CAC−OSまたはCAC−metal oxideを、トランジスタの活性層に用いる場合、導電性の機能は、キャリアとなる電子(またはホール)を流す機能であり、絶縁性の機能は、キャリアとなる電子を流さない機能である。導電性の機能と、絶縁性の機能とを、それぞれ相補的に作用させることで、スイッチングさせる機能(On/Offさせる機能)をCAC−OSまたはCAC−metal oxideに付与することができる。CAC−OSまたはCAC−metal oxideにおいて、それぞれの機能を分離させることで、双方の機能を最大限に高めることができる。
また、CAC−OSまたはCAC−metal oxideは、導電性領域、及び絶縁性領域を有する。導電性領域は、上述の導電性の機能を有し、絶縁性領域は、上述の絶縁性の機能を有する。また、材料中において、導電性領域と、絶縁性領域とは、ナノ粒子レベルで分離している場合がある。また、導電性領域と、絶縁性領域とは、それぞれ材料中に偏在する場合がある。また、導電性領域は、周辺がぼけてクラウド状に連結して観察される場合がある。
また、CAC−OSまたはCAC−metal oxideにおいて、導電性領域と、絶縁性領域とは、それぞれ0.5nm以上10nm以下、好ましくは0.5nm以上3nm以下のサイズで材料中に分散している場合がある。
また、CAC−OSまたはCAC−metal oxideは、異なるバンドギャップを有する成分により構成される。例えば、CAC−OSまたはCAC−metal oxideは、絶縁性領域に起因するワイドギャップを有する成分と、導電性領域に起因するナローギャップを有する成分と、により構成される。当該構成の場合、キャリアを流す際に、ナローギャップを有する成分において、主にキャリアが流れる。また、ナローギャップを有する成分が、ワイドギャップを有する成分に相補的に作用し、ナローギャップを有する成分に連動してワイドギャップを有する成分にもキャリアが流れる。このため、上記CAC−OSまたはCAC−metal oxideをトランジスタのチャネル領域に用いる場合、トランジスタのオン状態において高い電流駆動力、つまり大きなオン電流、及び高い電界効果移動度を得ることができる。
すなわち、CAC−OSまたはCAC−metal oxideは、マトリックス複合材(matrix composite)、または金属マトリックス複合材(metal matrix composite)と呼称することもできる。
[金属酸化物の構造]
酸化物半導体は、単結晶酸化物半導体と、それ以外の非単結晶酸化物半導体と、に分けられる。非単結晶酸化物半導体としては、例えば、CAAC−OS(c−axis aligned crystalline oxide semiconductor)、多結晶酸化物半導体、nc−OS(nanocrystalline oxide semiconductor)、擬似非晶質酸化物半導体(a−like OS:amorphous−like oxide semiconductor)および非晶質酸化物半導体などがある。
CAAC−OSは、c軸配向性を有し、かつa−b面方向において複数のナノ結晶が連結し、歪みを有した結晶構造となっている。なお、歪みとは、複数のナノ結晶が連結する領域において、格子配列の揃った領域と、別の格子配列の揃った領域と、の間で格子配列の向きが変化している箇所を指す。
ナノ結晶は、六角形を基本とするが、正六角形状とは限らず、非正六角形状である場合がある。また、歪みにおいて、五角形、および七角形などの格子配列を有する場合がある。なお、CAAC−OSにおいて、歪み近傍においても、明確な結晶粒界(グレインバウンダリーともいう)を確認することはできない。即ち、格子配列の歪みによって、結晶粒界の形成が抑制されていることがわかる。これは、CAAC−OSが、a−b面方向において原子配列が稠密でないことや、金属元素が置換することで原子間の結合距離が変化することなどによって、歪みを許容することができるためと考えられる。
また、CAAC−OSは、インジウム、および酸素を有する層(以下、In層)と、元素M、亜鉛、および酸素を有する層(以下、(M,Zn)層)とが積層した、層状の結晶構造(層状構造ともいう)を有する傾向がある。なお、インジウムと元素Mは、互いに置換可能であり、(M,Zn)層の元素Mがインジウムと置換した場合、(In,M,Zn)層と表すこともできる。また、In層のインジウムが元素Mと置換した場合、(In,M)層と表すこともできる。
CAAC−OSは結晶性の高い酸化物半導体である。一方、CAAC−OSは、明確な結晶粒界を確認することはできないため、結晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりにくいといえる。また、酸化物半導体の結晶性は不純物の混入や欠陥の生成などによって低下する場合があるため、CAAC−OSは不純物や欠陥(酸素欠損など)の少ない酸化物半導体ともいえる。従って、CAAC−OSを有する酸化物半導体は、物理的性質が安定する。そのため、CAAC−OSを有する酸化物半導体は熱に強く、信頼性が高い。
nc−OSは、微小な領域(例えば、1nm以上10nm以下の領域、特に1nm以上3nm以下の領域)において原子配列に周期性を有する。また、nc−OSは、異なるナノ結晶間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、膜全体で配向性が見られない。したがって、nc−OSは、分析方法によっては、a−like OSや非晶質酸化物半導体と区別が付かない場合がある。
a−like OSは、nc−OSと非晶質酸化物半導体との間の構造を有する酸化物半導体である。a−like OSは、鬆または低密度領域を有する。即ち、a−like OSは、nc−OSおよびCAAC−OSと比べて、結晶性が低い。
酸化物半導体は、多様な構造をとり、それぞれが異なる特性を有する。本発明の一態様の酸化物半導体は、非晶質酸化物半導体、多結晶酸化物半導体、a−like OS、nc−OS、CAAC−OSのうち、二種以上を有していてもよい。
[酸化物半導体を有するトランジスタ]
続いて、上記酸化物半導体をトランジスタに用いる場合について説明する。
なお、上記酸化物半導体をトランジスタに用いることで、高い電界効果移動度のトランジスタを実現することができる。また、信頼性の高いトランジスタを実現することができる。
また、トランジスタには、キャリア密度の低い酸化物半導体を用いることが好ましい。酸化物半導体膜のキャリア密度を低くする場合においては、酸化物半導体膜中の不純物濃度を低くし、欠陥準位密度を低くすればよい。本明細書等において、不純物濃度が低く、欠陥準位密度の低いことを高純度真性または実質的に高純度真性と言う。例えば、酸化物半導体は、キャリア密度が8×1011/cm未満、好ましくは1×1011/cm未満、さらに好ましくは1×1010/cm未満であり、1×10−9/cm以上とすればよい。
また、高純度真性または実質的に高純度真性である酸化物半導体膜は、欠陥準位密度が低いため、トラップ準位密度も低くなる場合がある。
また、酸化物半導体のトラップ準位に捕獲された電荷は、消失するまでに要する時間が長く、あたかも固定電荷のように振る舞うことがある。そのため、トラップ準位密度の高い酸化物半導体にチャネル領域が形成されるトランジスタは、電気特性が不安定となる場合がある。
従って、トランジスタの電気特性を安定にするためには、酸化物半導体中の不純物濃度を低減することが有効である。また、酸化物半導体中の不純物濃度を低減するためには、近接する膜中の不純物濃度も低減することが好ましい。不純物としては、水素、窒素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、鉄、ニッケル、シリコン等がある。
[不純物]
ここで、酸化物半導体中における各不純物の影響について説明する。
酸化物半導体において、第14族元素の一つであるシリコンや炭素が含まれると、酸化物半導体において欠陥準位が形成される。このため、酸化物半導体におけるシリコンや炭素の濃度と、酸化物半導体との界面近傍のシリコンや炭素の濃度(二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)により得られる濃度)を、2×1018atoms/cm以下、好ましくは2×1017atoms/cm以下とする。
また、酸化物半導体にアルカリ金属またはアルカリ土類金属が含まれると、欠陥準位を形成し、キャリアを生成する場合がある。従って、アルカリ金属またはアルカリ土類金属が含まれている酸化物半導体を用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。このため、酸化物半導体中のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の濃度を低減することが好ましい。具体的には、SIMSにより得られる酸化物半導体中のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の濃度を、1×1018atoms/cm以下、好ましくは2×1016atoms/cm以下にする。
また、酸化物半導体において、窒素が含まれると、キャリアである電子が生じ、キャリア密度が増加し、n型化しやすい。この結果、窒素が含まれている酸化物半導体を半導体に用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。従って、該酸化物半導体において、窒素はできる限り低減されていることが好ましい、例えば、酸化物半導体中の窒素濃度は、SIMSにおいて、5×1019atoms/cm未満、好ましくは5×1018atoms/cm以下、より好ましくは1×1018atoms/cm以下、さらに好ましくは5×1017atoms/cm以下とする。
また、酸化物半導体に含まれる水素は、金属原子と結合する酸素と反応して水になるため、酸素欠損を形成する場合がある。該酸素欠損に水素が入ることで、キャリアである電子が生成される場合がある。また、水素の一部が金属原子と結合する酸素と結合して、キャリアである電子を生成することがある。従って、水素が含まれている酸化物半導体を用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。このため、酸化物半導体中の水素はできる限り低減されていることが好ましい。具体的には、酸化物半導体において、SIMSにより得られる水素濃度を、1×1020atoms/cm未満、好ましくは1×1019atoms/cm未満、より好ましくは5×1018atoms/cm未満、さらに好ましくは1×1018atoms/cm未満とする。
不純物が十分に低減された酸化物半導体をトランジスタのチャネル領域に用いることで、安定した電気特性を付与することができる。
<半導体装置の作製方法1>
次に、本発明に係るトランジスタ200を有する半導体装置について、作製方法を図2乃至図9を用いて説明する。また、図2乃至図9において、各図の(A)は上面図を示す。また、各図の(B)は(A)に示すA1−A2の一点鎖線で示す部位に対応する断面図である。また、各図の(C)は、(A)にA3−A4の一点鎖線で示す部位に対応する断面図である。
まず、基板(図示しない)を準備し、当該基板上に絶縁体210を成膜する。絶縁体210の成膜は、スパッタリング法、化学気相成長(CVD:Chemical Vapor Deposition)法、分子線エピタキシー(MBE:Molecular Beam Epitaxy)法、パルスレーザ堆積(PLD:Pulsed Laser Deposition)法またはALD法などを用いて行うことができる。
なお、CVD法は、プラズマを利用するプラズマCVD(PECVD:Plasma Enhanced CVD)法、熱を利用する熱CVD(TCVD:Thermal CVD)法、光を利用する光CVD(Photo CVD)法などに分類できる。さらに用いる原料ガスによって金属CVD(MCVD:Metal CVD)法、有機金属CVD(MOCVD:Metal Organic CVD)法に分けることができる。
プラズマCVD法は、比較的低温で高品質の膜が得られる。また、熱CVD法は、プラズマを用いないため、被処理物へのプラズマダメージを小さくすることが可能な成膜方法である。例えば、半導体装置に含まれる配線、電極、素子(トランジスタ、容量素子など)などは、プラズマから電荷を受け取ることでチャージアップする場合がある。このとき、蓄積した電荷によって、半導体装置に含まれる配線、電極、素子などが破壊される場合がある。一方、プラズマを用いない熱CVD法の場合、こういったプラズマダメージが生じないため、半導体装置の歩留まりを高くすることができる。また、熱CVD法では、成膜中のプラズマダメージが生じないため、欠陥の少ない膜が得られる。
また、ALD法も、被処理物へのプラズマダメージを小さくすることが可能な成膜方法である。また、ALD法も、成膜中のプラズマダメージが生じないため、欠陥の少ない膜が得られる。
CVD法およびALD法は、ターゲットなどから放出される粒子が堆積する成膜方法とは異なり、被処理物の表面における反応により膜が形成される成膜方法である。したがって、被処理物の形状の影響を受けにくく、良好な段差被覆性を有する成膜方法である。特に、ALD法は、優れた段差被覆性と、優れた厚さの均一性を有するため、アスペクト比の高い開口部の表面を被覆する場合などに好適である。ただし、ALD法は、比較的成膜速度が遅いため、成膜速度の速いCVD法などの他の成膜方法と組み合わせて用いることが好ましい場合もある。
CVD法およびALD法は、原料ガスの流量比によって、得られる膜の組成を制御することができる。例えば、CVD法およびALD法では、原料ガスの流量比によって、任意の組成の膜を成膜することができる。また、例えば、CVD法およびALD法では、成膜しながら原料ガスの流量比を変化させることによって、組成が連続的に変化した膜を成膜することができる。原料ガスの流量比を変化させながら成膜する場合、複数の成膜室を用いて成膜する場合と比べて、搬送や圧力調整に掛かる時間の分、成膜に掛かる時間を短くすることができる。したがって、半導体装置の生産性を高めることができる場合がある。
本実施の形態では、絶縁体210として、スパッタリング法によって酸化アルミニウムを成膜する。また、絶縁体210は、多層構造としてもよい。例えばスパッタリング法によって酸化アルミニウムを成膜し、該酸化アルミニウム上にALD法によって酸化アルミニウムを成膜する構造としてもよい。または、ALD法によって酸化アルミニウムを成膜し、該酸化アルミニウム上に、スパッタリング法によって酸化アルミニウムを成膜する構造としてもよい。
次に絶縁体210上に絶縁体212を成膜する。絶縁体212の成膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法、PLD法またはALD法などを用いて行うことができる。本実施の形態では、絶縁体212として、CVD法によって酸化シリコンを成膜する。
次に、絶縁体212に絶縁体210に達する開口を形成する。開口とは、例えば、溝やスリットなども含まれる。また、開口が形成された領域を指して開口部とする場合がある。開口の形成はウェットエッチングを用いてもよいが、ドライエッチングを用いるほうが微細加工には好ましい。また、絶縁体210は、絶縁体212をエッチングして溝を形成する際のエッチングストッパ膜として機能する絶縁体を選択することが好ましい。例えば、溝を形成する絶縁体212に酸化シリコン膜を用いた場合は、絶縁体210は窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、酸化ハフニウム膜を用いるとよい。
開口の形成後に、導電体203aとなる導電膜を成膜する。該導電膜は、酸素の透過を抑制する機能を有する導電体を含むことが望ましい。たとえば、窒化タンタル、窒化タングステン、窒化チタンなどを用いることができる。またはタンタル、タングステン、チタン、モリブデン、アルミニウム、銅、モリブデンタングステン合金との積層膜とすることができる。導電体203aとなる導電体の成膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法、PLD法またはALD法などを用いて行うことができる。
本実施の形態では、導電体203aとなる導電膜として、スパッタリング法によって窒化タンタルまたは、窒化タンタルの上に窒化チタンを積層した膜を成膜する。導電体203aとしてこのような金属窒化物を用いることにより、後述する導電体203bで銅など拡散しやすい金属を用いても、当該金属が導電体203aから外に拡散するのを防ぐことができる。
次に、導電体203aとなる導電膜上に、導電体203bとなる導電膜を成膜する。該導電膜の成膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法、PLD法またはALD法などを用いて行うことができる。本実施の形態では、導電体203bとなる導電膜として、銅などの低抵抗導電性材料を成膜する。
次に、CMP処理を行うことで、導電体203aとなる導電膜、ならびに導電体203bとなる導電膜の一部を除去し、絶縁体212を露出する。その結果、開口部のみに、導電体203aとなる導電膜、ならびに導電体203bとなる導電膜が残存する。これにより、上面が平坦な、導電体203aおよび導電体203bを含む導電体203を形成することができる(図2参照。)。なお、当該CMP処理により、絶縁体212の一部が除去される場合がある。
次に、導電体203上に絶縁体214を成膜する。絶縁体214の成膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法、PLD法またはALD法などを用いて行うことができる。本実施の形態では、絶縁体214として、CVD法によって窒化シリコンを成膜する。このように、絶縁体214として、窒化シリコンなどの銅が透過しにくい絶縁体を用いることにより、導電体203bに銅など拡散しやすい金属を用いても、当該金属が絶縁体214より上の層に拡散するのを防ぐことができる。
次に絶縁体214上に絶縁体216を成膜する。絶縁体216の成膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法、PLD法またはALD法などを用いて行うことができる。本実施の形態では、絶縁体216として、CVD法によって酸化シリコンを成膜する。
次に、絶縁体214および絶縁体216に、導電体203に達する開口を形成する。開口の形成はウェットエッチングを用いてもよいが、ドライエッチングを用いるほうが微細加工には好ましい。
開口の形成後に、導電体205aとなる導電膜を成膜する。導電体205aとなる導電膜は、酸素の透過を抑制する機能を有する導電性材料を含むことが望ましい。たとえば、窒化タンタル、窒化タングステン、窒化チタンなどを用いることができる。またはタンタル、タングステン、チタン、モリブデン、アルミニウム、銅、モリブデンタングステン合金との積層膜とすることができる。導電体205aとなる導電膜の成膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法、PLD法またはALD法などを用いて行うことができる。
本実施の形態では、導電体205aとなる導電膜として、スパッタリング法によって窒化タンタルを成膜する。
次に、導電体205aとなる導電膜上に、導電体205bとなる導電膜を成膜する。該導電膜の成膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法、PLD法またはALD法などを用いて行うことができる。
本実施の形態では、導電体205bとなる導電膜として、CVD法によって窒化チタンを成膜し、該窒化チタン上にCVD法によってタングステンを成膜する。
次に、CMP処理を行うことで、導電体205aとなる導電膜、ならびに導電体205bとなる導電膜の一部を除去し、絶縁体216を露出する。その結果、開口部のみに、導電体205a、および導電体205bとなる導電膜が残存する。これにより、上面が平坦な、導電体205aおよび導電体205bを含む導電体205を形成することができる(図2参照。)。なお、当該CMP処理により、絶縁体212の一部が除去される場合がある。
次に、絶縁体216、および導電体205上に絶縁体220を成膜する。絶縁体220の成膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法、PLD法またはALD法などを用いて行うことができる。
次に、絶縁体220上に絶縁体222を成膜する。絶縁体222の成膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法、PLD法またはALD法などを用いて行うことができる。
次に、絶縁体222上に絶縁体224を成膜する。絶縁体224の成膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法、PLD法またはALD法などを用いて行うことができる(図2参照。)。
続いて、加熱処理を行うと好ましい。加熱処理は、250℃以上650℃以下、好ましくは300℃以上500℃以下、さらに好ましくは320℃以上450℃以下で行えばよい。第1の加熱処理は、窒素または不活性ガス雰囲気、または酸化性ガスを10ppm以上、1%以上もしくは10%以上含む雰囲気で行う。第1の加熱処理は減圧状態で行ってもよい。または、第1の加熱処理は、窒素または不活性ガス雰囲気で加熱処理した後に、脱離した酸素を補うために酸化性ガスを10ppm以上、1%以上または10%以上含む雰囲気で加熱処理を行ってもよい。
上記加熱処理によって、絶縁体224に含まれる水素や水などの不純物を除去することなどができる。
または、加熱処理として、減圧状態で酸素を含むプラズマ処理を行ってもよい。酸素を含むプラズマ処理は、例えばマイクロ波を用いた高密度プラズマを発生させる電源を有する装置を用いることが好ましい。または、基板側にRF(Radio Frequency)を印加する電源を有してもよい。高密度プラズマを用いることより高密度の酸素ラジカルを生成することができ、基板側にRFを印加することで高密度プラズマによって生成された酸素ラジカルを効率よく絶縁体224内に導くことができる。または、この装置を用いて不活性ガスを含むプラズマ処理を行った後に脱離した酸素を補うために酸素を含むプラズマ処理を行ってもよい。尚、第1の加熱処理は行わなくても良い場合がある。
また、加熱処理は、絶縁体220成膜後、および絶縁体222の成膜後のそれぞれに行うこともできる。該加熱処理は、上述した加熱処理条件を用いることができるが、絶縁体220成膜後の加熱処理は、窒素を含む雰囲気中で行うことが好ましい。
本実施の形態では、加熱処理として、絶縁体224成膜後に窒素雰囲気にて400℃の温度で1時間の処理を行なう。
次に、絶縁体224上に、酸化物230aとなる酸化膜230Aと、酸化物230bとなる酸化膜230Bと、酸化物230cとなる酸化膜230Cを順に成膜する(図2参照。)。なお、上記酸化膜は、大気環境にさらさずに連続して成膜することが好ましい。大気開放せずに成膜することで、酸化膜230A、および酸化膜230B上に大気環境からの不純物または水分が付着することを防ぐことができ、酸化膜230Aと酸化膜230Bとの界面近傍、および酸化膜230Bと酸化膜230Cとの界面近傍を清浄に保つことができる。
酸化膜230A、酸化膜230B、および酸化膜230Cの成膜はスパッタリング法、CVD法、MBE法、PLD法またはALD法などを用いて行うことができる。
例えば、酸化膜230A、酸化膜230B、および酸化膜230Cの成膜をスパッタリング法によって成膜する場合は、スパッタリングガスとして酸素、または、酸素と希ガスの混合ガスを用いる。スパッタリングガスに含まれる酸素の割合を高めることで、成膜される酸化膜中の過剰酸素を増やすことができる。また、上記の酸化膜の成膜をスパッタリング法によって成膜する場合は、上記のIn−M−Zn酸化物ターゲットを用いることができる。
特に、酸化膜230Aの成膜時に、スパッタリングガスに含まれる酸素の一部が絶縁体224に供給される場合がある。なお、酸化膜230Aのスパッタリングガスに含まれる酸素の割合は70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは100%とすればよい。
また、酸化膜230Bをスパッタリング法で形成する場合、スパッタリングガスに含まれる酸素の割合を1%以上30%以下、好ましくは5%以上20%以下として成膜すると、酸素欠乏型の酸化物半導体が形成される。酸素欠乏型の酸化物半導体を用いたトランジスタは、比較的高い電界効果移動度が得られる。
また、酸化膜230Cをスパッタリング法で形成する場合、スパッタリングガスに含まれる酸素の割合を70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは100%とすればよい。酸化膜230Bに酸素欠乏型の酸化物半導体を用いる場合は、酸化膜230A、および酸化膜230Cに過剰酸素を含む酸化膜を用いることが好ましい。特に、酸化膜230Cの成膜を行う際に、スパッタリングガスに含まれる酸素の割合を高くすることで、酸化膜230Bに酸素を供給することができる。また、酸化膜230Bの成膜後に酸素ドープ処理を行ってもよい。
本実施の形態では、酸化膜230Aとして、スパッタリング法によって、In:Ga:Zn=1:3:4[原子数比]のターゲットを用いて成膜する。また、酸化膜230B、および酸化膜230Cとして、スパッタリング法によって、In:Ga:Zn=4:2:4.1[原子数比]のターゲットを用いて成膜する。なお、各酸化膜は、成膜条件、および原子数比を適宜選択することで、酸化物230に求める特性に合わせて形成するとよい。
次に、加熱処理を行ってもよい。加熱処理は、上述した加熱処理条件を用いることができる。加熱処理によって、酸化膜230A、酸化膜230B、および酸化膜230C中の水素や水などの不純物を除去することなどができる。本実施の形態では、窒素雰囲気にて400℃の温度で1時間の処理を行なった後に、連続して酸素雰囲気にて400℃の温度で1時間の処理を行う。
次に、酸化膜230A、酸化膜230B、および酸化膜230Cを島状に加工して、酸化物230a、酸化物230b、酸化物230cを形成する(図3参照。)。
ここで、酸化物230a、酸化物230b、および酸化物230cは、少なくとも一部が導電体205と重なるように形成する。また、酸化物230の側面は、絶縁体224に対し、概略垂直であることが好ましい。つまり、酸化物230の側面は、絶縁体224の上面に対する角度が、鋭角、かつ大きいほど好ましい。酸化物230の側面が、絶縁体224に対し、概略垂直であることで、複数のトランジスタ200を設ける際に、小面積化、高密度化が可能となる。
また、酸化物230の側面と、酸化物230の上面が交わる端部は、角を有さない形状(以下、ラウンド状ともいう)であることが好ましい。ラウンド状は、例えば、酸化物230の端部において、曲率半径が、3nm以上15nm以下、好ましくは、5nm以上10nm以下とすることが好ましい。
なお、端部に角を有さないことで、以降の成膜工程における膜の被覆性が向上する。
なお、当該酸化膜の加工はリソグラフィー法を用いて行えばよい。また、該加工はドライエッチング法やウェットエッチング法を用いることができる。ドライエッチング法による加工は微細加工に適している。
なお、リソグラフィー法では、まず、マスクを介してレジストを露光する。次に、露光された領域を、現像液を用いて除去または残存させてレジストマスクを形成する。次に、当該レジストマスクを介してエッチング処理することで導電体、半導体または絶縁体などを所望の形状に加工することができる。例えば、KrFエキシマレーザ光、ArFエキシマレーザ光、EUV(Extreme Ultraviolet)光などを用いて、レジストを露光することでレジストマスクを形成すればよい。また、基板と投影レンズとの間に液体(例えば水)を満たして露光する、液浸技術を用いてもよい。また、前述した光に代えて、電子ビームやイオンビームを用いてもよい。なお、電子ビームやイオンビームを用いる場合には、マスクは不要となる。なお、レジストマスクの除去には、アッシングなどのドライエッチング処理を行う、ウェットエッチング処理を行う、ドライエッチング処理後にウェットエッチング処理を行う、またはウェットエッチング処理後にドライエッチング処理を行うことができる。
また、レジストマスクの代わりに絶縁体や導電体からなるハードマスクを用いてもよい。ハードマスクを用いる場合、酸化膜230C上にハードマスク材料となる絶縁膜や導電膜を形成し、その上にレジストマスクを形成し、ハードマスク材料をエッチングすることで所望の形状のハードマスクを形成することができる。酸化膜230A、酸化膜230B、および酸化膜230Cのエッチングは、レジストマスクを除去してから行っても良いし、レジストマスクを残したまま行っても良い。後者の場合、エッチング中にレジストマスクが消失することがある。上記酸化膜のエッチング後にハードマスクをエッチングにより除去しても良い。一方、ハードマスクの材料が後工程に影響が無い、あるいは後工程で利用できる場合、必ずしもハードマスクを除去する必要は無い。
ドライエッチング装置としては、平行平板型電極を有する容量結合型プラズマ(CCP:Capacitively Coupled Plasma)エッチング装置を用いることができる。平行平板型電極を有する容量結合型プラズマエッチング装置は、平行平板型電極の一方の電極に高周波電源を印加する構成でもよい。または平行平板型電極の一方の電極に複数の異なった高周波電源を印加する構成でもよい。または平行平板型電極それぞれに同じ周波数の高周波電源を印加する構成でもよい。または平行平板型電極それぞれに周波数の異なる高周波電源を印加する構成でもよい。または高密度プラズマ源を有するドライエッチング装置を用いることができる。高密度プラズマ源を有するドライエッチング装置は、例えば、誘導結合型プラズマ(ICP:Inductively Coupled Plasma)エッチング装置などを用いることができる。
また、上記ドライエッチングなどの処理を行うことによって、エッチングガスなどに起因した不純物が酸化物230a、酸化物230b、酸化物230cなどの表面または内部に付着または拡散することがある。不純物としては、例えば、フッ素または塩素などがある。
上記の不純物などを除去するために、洗浄を行う。洗浄方法としては、洗浄液など用いたウェット洗浄、プラズマを用いたプラズマ処理または、熱処理による洗浄などがあり、上記洗浄を適宜組み合わせて行ってもよい。
ウェット洗浄としては、シュウ酸、リン酸またはフッ化水素酸などを炭酸水または純水で希釈した水溶液を用いて洗浄処理を行ってもよい。または、純水または炭酸水を用いた超音波洗浄を行ってもよい。本実施の形態では、純水または炭酸水を用いた超音波洗浄を行う。
続いて、加熱処理を行っても良い。加熱処理の条件は、前述の加熱処理の条件を用いることができる。
次に、絶縁体224、および酸化物230の上に、絶縁膜250A、導電膜260A、導電膜260B、および絶縁膜270A、を順に成膜する(図4参照。)。
絶縁膜250Aは、スパッタリング法、CVD法、MBE法、PLD法またはALD法などを用いて成膜することができる。
なお、マイクロ波で酸素を励起し、高密度な酸素プラズマを発生させ、該酸素プラズマに絶縁膜250Aを曝すことで、絶縁膜250A、および酸化物230へ酸素を導入することができる。
また、加熱処理を行ってもよい。加熱処理は、前述の加熱処理条件を用いることができる。該加熱処理によって、絶縁膜250Aの水分濃度および水素濃度を低減させることができる。
導電膜260Aは、スパッタリング法、CVD法、MBE法、PLD法またはALD法などを用いて成膜することができる。ここで、例えば、酸化物230として用いることができる酸化物半導体は、低抵抗化処理を施すことで、導電性酸化物となる。そこで、導電膜260Aとして、酸化物230として用いることができる酸化物を成膜し、後の工程で該酸化物を低抵抗化してもよい。なお、導電膜260Aに、酸化物230として用いることができる酸化物を、酸素を含む雰囲気において、スパッタリング法を用いて成膜することで、絶縁体250に酸素を添加することができる。絶縁体250に酸素を添加することで、添加された酸素は、絶縁体250を介して、酸化物230に酸素を供給することが可能となる。
導電膜260Bは、スパッタリング法、CVD法、MBE法、PLD法またはALD法などを用いて成膜することができる。また、導電膜260Aに酸化物230として用いることができる酸化物半導体を用いた場合、導電膜260Bをスパッタリング法で成膜することで、導電膜260Aの電気抵抗値を低下させて導電体とすることができる。これをOC(Oxide Conductor)電極と呼ぶことができる。該OC電極上の導電体上に、さらに導電体をスパッタリング法などによって成膜してもよい。
続いて、加熱処理を行うことができる。加熱処理は、前述の加熱処理条件を用いることができる。なお、加熱処理は行わなくてもよい場合がある。本実施の形態では、窒素雰囲気にて400℃の温度で1時間の処理を行う。
絶縁膜270Aは、スパッタリング法、CVD法、MBE法、PLD法またはALD法などを用いて成膜することができる。特に、絶縁膜270Aは、ALD法を用いて成膜することが好ましい。絶縁膜270Aを、ALD法を用いて成膜することで、膜厚を1nm以上20nm以下程度、好ましくは5nm以上10nm以下程度にすることができる。ここで、上記絶縁膜の膜厚は、絶縁膜272Aの膜厚より厚くすることが好ましい。これにより、後の工程で絶縁体272を形成する際、導電体260の上に絶縁体270を、容易に残存することができる。
次に、絶縁膜250A、導電膜260A、導電膜260B、および絶縁膜270Aを、エッチングし、絶縁体250、導電体260(導電体260a、および導電体260b)、絶縁体270を形成する(図5参照。)。絶縁体250、導電体260a、導電体260b、および絶縁体270は、少なくとも一部が、導電体205および酸化物230と重なるように形成する。
ここで、図5に示すように、少なくとも、導電体260は、チャネル長方向の長さがL1である第1の領域(L channel)、およびチャネル長方向の長さがL2である第2の領域(以下、L sideともいう)を有する。なお、長さL2は、長さL1よりも大きいとする。また、該第2の領域(L side)は、酸化物230の上面の一部、および側面にわたるが好ましい。つまり、酸化物230のチャネル幅方向と交わる端部の一部は、導電体260が有する第2の領域(L side)に覆われていることが好ましい。
上記構成を有することで、酸化物230の上面の一部、および側面において、領域230sと領域230dとの間隔を、導電体260の第1の領域(L channel)よりも、大きくなり、ソース領域、およびドレイン領域の間に寄生チャネルが生じることを抑制することができる。従って、トランジスタ200において、寄生容量の発生を抑制することで、安定したトランジスタの駆動を行うことができる。また、制御性が高いトランジスタを提供することができる。また、ばらつきの少ないトランジスタを提供することができる。
また、図5(C)に示すように、導電体205が、酸化物230のチャネル幅方向と交わる端部よりも外側の領域において、延伸している場合、導電体260は、該領域において、絶縁体250を介して、重畳していることが好ましい。つまり、酸化物230の側面の外側において、導電体205と、絶縁体250と、導電体260とは、積層構造を形成することが好ましい。
上記構成を有することで、導電体260、および導電体205に電位を印加した場合、導電体260から生じる電界と、導電体205から生じる電界と、がつながることで、閉回路を形成し、酸化物230に形成されるチャネル形成領域を覆うことができる。
つまり、第1のゲート電極としての機能を有する導電体260の電界と、第2のゲート電極としての機能を有する導電体205の電界によって、領域230iのチャネル形成領域を電気的に取り囲むことができる。
また、絶縁体250の側面、導電体260aの側面、導電体260bの側面、および絶縁体270の側面は、同一面内であることが好ましい。
また、絶縁体250の側面、導電体260aの側面、導電体260bの側面、および絶縁体270の側面が共有する同一面は、基板に対し、概略垂直であることが好ましい。つまり、断面形状において、絶縁体250、導電体260a、導電体260b、および絶縁体270は、酸化物230の上面に対し、テーパー角が垂直に近いほど好ましい。テーパー角が垂直に近いことで、後の工程で絶縁体272を形成する際、絶縁体272を容易に残存することができる。
また、上記エッチングにより、酸化物230の絶縁体250と重ならない領域の上部がエッチングされる場合がある。この場合、酸化物230の絶縁体250と重なる領域の膜厚が、絶縁体250と重ならない領域の膜厚より厚くなる場合がある。
次に、絶縁体224、酸化物230、絶縁体250、導電体260、および絶縁体270、を覆って、ALD法を用いて、絶縁膜272Aを成膜する(図6参照)。該絶縁膜を、ALD法を用いて成膜することで、膜厚を1nm以上20nm以下程度、好ましくは1nm以上3nm以下程度、例えば1nm程度にすることができる。さらに、絶縁膜272Aを、ALD法を用いて成膜することで、絶縁体250、導電体260、および絶縁体270からなる構造体のアスペクト比が非常に大きくても、該構造体の上面および側面に、ピンホールが少なく、かつ膜厚が均一な絶縁膜を成膜することができる。本実施の形態では、該絶縁膜として、ALD法によって酸化アルミニウムを成膜する。
次に、絶縁膜272Aに異方性のエッチング処理を行い、絶縁体250、導電体260、および絶縁体270の側面に接して、絶縁体272を形成する(図7参照。)。異方性のエッチング処理としては、ドライエッチング処理を行うことが好ましい。これにより、基板面に略平行な面に成膜された該絶縁膜を除去して、絶縁体272を自己整合的に形成することができる。
ここで、絶縁体270の膜厚を絶縁膜272Aの膜厚より厚く形成しておくことで、絶縁体270および絶縁体272の上部が除去されても、絶縁体270、および絶縁体272を残存させることができる。また、絶縁体250、導電体260、および絶縁体270からなる構造体の高さを、酸化物230の高さよりも、高くすることで、酸化物230の側面の絶縁膜272Aを、除去することができる。さらに、酸化物230の端部をラウンド形状にしておくと、酸化物230の側面に接して成膜された絶縁膜272Aを除去するための時間が短縮され、より容易に絶縁体272を形成することができる。
また、図示しないが、酸化物230の側面にも絶縁膜272Aが残存していてもよい。その場合、後の工程で成膜する絶縁体274の被膜性を高めることができる。また、酸化物230の側面に絶縁体が残存することで、酸化物230に混入する水または水素などの不純物を低減し、酸化物230および/または酸化物430から酸素が外方拡散するのを防ぐことができる場合がある。
また、酸化物230に領域230s、および領域230dを形成する際に、絶縁体224と酸化物230との界面領域は、低抵抗化されないため、リーク電流の発生を抑制することができる。または、後の工程で、酸化物230にインジウムを添加する際に、酸化物230aに濃度のピークを持つように、ドーパントを添加したとしても、酸化物230aを介したリーク電流の発生を抑制することができる。
続いて、加熱処理を行うことができる。加熱処理は、前述の加熱処理条件を用いることができる。加熱処理を行うことで、絶縁体250に含まれる酸素を選択的に酸化物230へ拡散させ、酸化物230の酸素欠損を低減することができる。
次に、絶縁体250、導電体260、絶縁体272、絶縁体270をマスクとして、酸化物230にプラズマ処理を行ってもよい。プラズマ処理は、上述の酸素欠損を形成する元素、または酸素欠損に捕獲される元素を含む雰囲気などで行えばよい。例えば、アルゴンガスと窒素ガスを用いてプラズマ処理を行えばよい。
また、上記プラズマ処理の代わりにドーパントを添加してもよい。ドーパントの添加方法としては、イオン化された原料ガスを質量分離して添加するイオン注入法、イオン化された原料ガスを質量分離せずに添加するイオンドーピング法、プラズマイマージョンイオンインプランテーション法などを用いることができる。質量分離を行う場合、添加するイオン種およびその濃度を厳密に制御することができる。一方、質量分離を行わない場合、短時間で高濃度のイオンを添加することができる。また、原子または分子のクラスターを生成してイオン化するイオンドーピング法を用いてもよい。なお、ドーパントを、イオン、ドナー、アクセプター、不純物または元素などと言い換えてもよい。
ドーパントとしては、上述の酸素欠損を形成する元素、または酸素欠損に捕獲される元素などを用いればよい。このような元素としては、代表的には水素、ホウ素、炭素、窒素、フッ素、リン、硫黄、塩素、チタン、希ガス等が挙げられる。また、希ガス元素の代表例としては、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、及びキセノン等がある。
また、酸化物230は、インジウムの含有率を高くすることで、キャリア密度を高くし、低抵抗化を図ることができる。よって、ドーパントとして酸化物230のキャリア密度を向上させるインジウムなどの金属元素を用いることができる。ここでは、インジウムが、酸化物230aに濃度のピークを持つように、ドーパントを添加することが好ましい。
酸化物230に、インジウムを添加し、酸化物230aの領域230s、および領域230dにおける、元素Mに対するインジウムの原子数比が、酸化物230bの元素Mに対するインジウムの原子数比と同程度以上になることが好ましい。言い換えると、酸化物230aは、領域230sおよび領域230dにおける元素Mに対するインジウムの原子数比が、領域230iにおける元素Mに対するインジウムの原子数比より大きくなることが好ましい。
また、インジウムを添加することにより、トランジスタ200の作製工程において、酸化物230cが除去されて酸化物230bの膜厚が薄くなり、酸化物230bの電気抵抗が大きくなった場合でも、領域230sおよび領域230dにおいて、酸化物230aが十分低抵抗化されるため、酸化物230の領域230sおよび領域230dはソース領域およびドレイン領域として機能させることができる。
続いて、加熱処理を行うことができる。加熱処理は、前述の加熱処理条件を用いることができる。加熱処理を行うことで、添加されたドーパントが、酸化物230の絶縁体272と重なる領域へと拡散し、オン電流を大きくすることができる。
次に、絶縁体224、酸化物230、絶縁体272、絶縁体270を覆って、絶縁体274を成膜する(図8参照。)。絶縁体274の成膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法、PLD法またはALD法などを用いて行うことができる。
絶縁体274の成膜は、窒素または水素の少なくとも一方を含む雰囲気で行うことが好ましい。このような雰囲気で成膜を行うことで、酸化物230bおよび酸化物230cの絶縁体250と重ならない領域を中心に、酸素欠損を形成し、当該酸素欠損と窒素または水素などの不純物元素を結合させて、キャリア密度を高くすることができる。このようにして、低抵抗化された、領域230sおよび領域230dを形成することができる。絶縁体274として、例えばCVD法を用いて、窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化窒化シリコンを用いることができる。本実施の形態では、絶縁体274として、窒化酸化シリコンを用いる。
従って、本実施の形態に示す半導体装置の作製方法では、チャネル長が10nmから30nm程度に微細化されたトランジスタでも、絶縁体274の成膜により、ソース領域およびドレイン領域を自己整合的に形成することができる。よって、微細化または高集積化された半導体装置も、歩留まり良く製造することができる。
ここで、導電体260および絶縁体250の上面および側面を、絶縁体270および絶縁体272で覆っておくことで、窒素または水素などの不純物元素が、導電体260および絶縁体250に混入することを防ぐことができる。これにより、窒素または水素などの不純物元素が、導電体260および絶縁体250を通って、トランジスタ200のチャネル形成領域として機能する領域230iに混入することを防ぐことができる。従って、良好な電気特性を有するトランジスタ200を提供することができる。
また、水または水素などの不純物、および酸素の透過を抑制する機能を有する絶縁性材料を絶縁体274として用いることが好ましい。領域230sおよび領域230dの上にこのような絶縁体を設けることにより、酸素、または過剰な水または水素などの不純物が領域230sおよび領域230dに混入して、キャリア密度が変化することを防ぐことができる。
なお、上記において、プラズマによる処理、および絶縁体274の成膜による低抵抗化、を用いて、領域230sおよび領域230dを形成したが、本実施の形態はこれに限られるものではない。例えば、いずれか一方のみを用いて、領域230sおよび領域230dなどを形成してもよい。
次に、絶縁体274の上に、絶縁体280となる絶縁膜を成膜する。絶縁体280となる絶縁膜の成膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法、PLD法またはALD法などを用いて行うことができる。または、スピンコート法、ディップ法、液滴吐出法(インクジェット法など)、印刷法(スクリーン印刷、オフセット印刷など)、ドクターナイフ法、ロールコーター法またはカーテンコーター法などを用いて行うことができる。本実施の形態では、該絶縁膜として、酸化窒化シリコンを用いる。
次に、絶縁体280となる絶縁膜の一部を除去して、絶縁体280を形成する。絶縁体280は、上面が平坦性を有するように形成することが好ましい。例えば、絶縁体280は、絶縁体280となる絶縁膜として成膜した直後に上面が平坦性を有していてもよい。または、例えば、絶縁体280は、成膜後に基板裏面などの基準面と平行になるよう絶縁体などを上面から除去していくことで平坦性を有してもよい。このような処理を、平坦化処理と呼ぶ。平坦化処理としては、CMP処理、ドライエッチング処理などがある。本実施の形態では、平坦化処理として、CMP処理を用いる。ただし、絶縁体280の上面は必ずしも平坦性を有さなくてもよい。
次に、絶縁体280および絶縁体274に、酸化物230の領域230sに達する開口と、酸化物230の領域230dに達する開口と、を形成する。当該開口の形成は、リソグラフィー法を用いて行えばよい。なお、導電体244a、および導電体244bが酸化物230の側面に接して設けられるように、酸化物230に達する開口において、酸化物230の側面が露出するように、当該開口を形成する。
次に、導電体244a、および導電体244bとなる導電膜を成膜する。該導電膜の成膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法、PLD法またはALD法などを用いて行うことができる。
次に、CMP処理を行うことで、導電体244a、および導電体244bとなる導電膜の一部を除去し、絶縁体280を露出する。その結果、上記開口のみに、該導電膜が残存することで上面が平坦な導電体244a、および導電体244bを形成することができる(図9参照。)。
以上により、トランジスタ200を有する半導体装置を作製することができる。図2乃至図9に示すように、本実施の形態に示す半導体装置の作製方法を用いることで、トランジスタ200を作成することができる。
本発明の一態様により、微細化または高集積化が可能な半導体装置を提供することができる。または、本発明の一態様により、良好な電気特性を有する半導体装置を提供することができる。または、本発明の一態様により、オフ電流の小さい半導体装置を提供することができる。または、本発明の一態様により、オン電流の大きいトランジスタを提供することができる。または、本発明の一態様により、信頼性の高い半導体装置を提供することができる。または、本発明の一態様により、消費電力が低減された半導体装置を提供することができる。または、本発明の一態様により、生産性の高い半導体装置を提供することができる。
<半導体装置の構成例2>
以下では、図10を用いて、本発明の一態様に係るトランジスタ200を有する半導体装置の一例について説明する。
図10は、トランジスタ200を有する半導体装置の上面図である。また、図10(B)、および図10(C)は該半導体装置の断面図である。ここで、図10(B)は、図10(A)にA1−A2の一点鎖線で示す部位の断面図であり、トランジスタ200のチャネル長方向の断面図でもある。また、図10(C)は、図10(A)にA3−A4の一点鎖線で示す部位の断面図であり、トランジスタ200のチャネル幅方向の断面図でもある。図10(A)の上面図では、図の明瞭化のために一部の要素を省いて図示している。
なお、図10に示す半導体装置において、<半導体装置の構成例1>に示した半導体装置を構成する構造と同機能を有する構造には、同符号を付記する。
以下、トランジスタ200の構成についてそれぞれ図10を用いて説明する。なお、本項目においても、トランジスタ200の構成材料については<半導体装置の構成例1>で詳細に説明した材料を用いることができる。
[トランジスタ200]
図10に示すように、トランジスタ200は、<半導体装置の構成例1>に示した半導体装置とは、少なくとも絶縁体250の形状が異なる。また、絶縁体270、絶縁体272、および絶縁体274を設けず、絶縁体250上に、絶縁体276を設ける。
例えば、絶縁体276として、原子層堆積(ALD:Atomic Layer Deposition)法を用いて成膜することができる。これにより、絶縁体276の膜厚を1nm以上20nm以下程度、好ましくは5nm以上10nm以下程度で成膜することができる。なお、絶縁体276は、水または水素などの不純物、および酸素の透過を抑制する機能を有する絶縁性材料を用いることが好ましく、例えば、酸化アルミニウムまたは酸化ハフニウムなどを用いることが好ましい。
ここで、絶縁体250は、酸化物230の上面、および側面を覆って配置される。また、絶縁体250、および導電体260を覆って、絶縁体276を成膜する。つまり、絶縁体274を設けないため、領域230s、および領域230dは、導電体260、絶縁体272、絶縁体270をマスクとし、絶縁体250、および絶縁体276を介して、ドーパントを添加することで形成するとよい。
ドーパントの添加方法として、イオン化された原料ガスを質量分離して添加するイオン注入法、イオン化された原料ガスを質量分離せずに添加するイオンドーピング法、プラズマイマージョンイオンインプランテーション法などを用いることができる。なお、質量分離を行う場合、添加するイオン種およびその濃度を厳密に制御することができる。一方、質量分離を行わない場合、短時間で高濃度のイオンを添加することができる。また、原子または分子のクラスターを生成してイオン化するイオンドーピング法を用いてもよい。なお、ドーパントを、イオン、ドナー、アクセプター、不純物または元素などと言い換えてもよい。
ドーパントとしては、<半導体装置の構成例1>で説明した元素を用いればよい。特に、ドーパントとして酸化物230のキャリア密度を向上させるインジウムなどの金属元素を用いることが好ましい。ここでは、インジウムが、酸化物230aに濃度のピークを持つように、ドーパントを添加するとよい。
酸化物230に、インジウムを添加し、酸化物230aの領域230s、および領域230dにおける、元素Mに対するインジウムの原子数比が、酸化物230bの元素Mに対するインジウムの原子数比と同程度以上になることが好ましい。言い換えると、酸化物230aは、領域230sおよび領域230dにおける元素Mに対するインジウムの原子数比が、領域230iにおける元素Mに対するインジウムの原子数比より大きくなることが好ましい。
また、インジウムを添加することにより、トランジスタ200の作製工程において、酸化物230cが除去されて酸化物230bの膜厚が薄くなり、酸化物230bの電気抵抗が大きくなった場合でも、領域230sおよび領域230dにおいて、酸化物230aが十分低抵抗化されるため、酸化物230の領域230sおよび領域230dはソース領域およびドレイン領域として機能させることができる。
また、ドーパントを添加した後、加熱処理を行うことが好ましい。加熱処理は、前述の加熱処理条件を用いることができる。加熱処理を行うことで、添加されたドーパントが、酸化物230の絶縁体272と重なる領域へと拡散し、オン電流を大きくすることができる。
<半導体装置の構成例3>
以下では、図11を用いて、本発明の一態様に係るトランジスタ200を有する半導体装置の一例について説明する。
図11は、トランジスタ200を有する半導体装置の上面図である。また、図11(B)、および図11(C)は該半導体装置の断面図である。ここで、図11(B)は、図11(A)にA1−A2の一点鎖線で示す部位の断面図であり、トランジスタ200のチャネル長方向の断面図でもある。また、図11(C)は、図11(A)にA3−A4の一点鎖線で示す部位の断面図であり、トランジスタ200のチャネル幅方向の断面図でもある。図11(A)の上面図では、図の明瞭化のために一部の要素を省いて図示している。
なお、図11に示す半導体装置において、<半導体装置の構成例1>に示した半導体装置を構成する構造と同機能を有する構造には、同符号を付記する。
以下、トランジスタ200の構成についてそれぞれ図11を用いて説明する。なお、本項目においても、トランジスタ200の構成材料については<半導体装置の構成例1>で詳細に説明した材料を用いることができる。
[トランジスタ200]
図11に示すように、トランジスタ200は、<半導体装置の構成例1>に示した半導体装置とは、少なくとも導電体260の形状が異なる。
図11(A)に示すように、導電体260は、少なくとも、第1の領域(以下、L channelともいう)、および第1の領域よりも、チャネル長方向(L長方向)に大きい第2の領域(以下、L sideともいう)を有する。また、該第2の領域(L side)は、酸化物230の上面の一部、および一方の側面にわたって配置することが好ましい。つまり、酸化物230のチャネル幅方向と交わる端部の一方において、一部は、導電体260が有する第2の領域(L side)に覆われている。
上記構成を有することで、酸化物230の上面の一部、および側面において、領域230sと領域230dとの間隔を、導電体260の第1の領域(L channel)よりも、大きくなり、ソース領域、およびドレイン領域の間に寄生チャネルが生じることを抑制することができる。従って、トランジスタ200において、非導通時のリーク電流(オフ電流)を小さくすることができる。
以上、本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、半導体装置の一形態を、図12乃至図14を用いて説明する。
<記憶装置1>
図12に示す半導体装置は、トランジスタ400と、トランジスタ200、および容量素子100を有する記憶装置である。以下に、記憶装置としての一形態を、図12を用いて説明する。
本実施の形態に示す半導体装置における、トランジスタ200、トランジスタ400、および容量素子100の接続関係の一例を示した回路図を図12(A)に示す。また、図12(A)に示す配線1601から配線1604などを対応させた半導体装置の断面図を図12(B)に示す。
図12に示すように、トランジスタ200は、ゲートが配線1601と、ソースおよびドレインの一方が配線1602と、ソース及びドレインの他方が容量素子100の電極の一方と電気的に接続される。また、容量素子100の電極の他方が配線1603と電気的に接続される。また、トランジスタ400のドレインが配線1604と電気的に接続される。また、図12(B)に示すように、トランジスタ200の第2のゲートと、トランジスタ400のソース、第1のゲート、および第2のゲートが、配線1605、配線1606、配線1607、および配線1608を介して電気的に接続される。
ここで、配線1601に電位を印加することで、トランジスタ200のオン状態、オフ状態を制御することができる。トランジスタ200をオン状態として、配線1602に電位を印加することで、トランジスタ200を介して、容量素子100に電荷を供給することができる。このとき、トランジスタ200をオフ状態にすることで、容量素子100に供給された電荷を保持することができる。また、配線1603は、任意の電位を与えることで、容量結合によって、トランジスタ200と容量素子100の接続部分の電位を制御することができる。例えば、配線1603に接地電位を与えると、上記電荷を保持しやすくなる。また、配線1604に負の電位を印加することで、トランジスタ400を介して、トランジスタ200の第2のゲートに負の電位を与え、トランジスタ200のしきい値電圧を0Vより大きくし、オフ電流を低減し、Icutを非常に小さくすることができる。
トランジスタ400の第1のゲート及び第2のゲートをソースとダイオード接続し、トランジスタ400のソースとトランジスタ200の第2のゲートを接続する構成にすることで、配線1604によって、トランジスタ200の第2のゲート電圧を制御することができる。トランジスタ200の第2のゲートの負電位を保持するとき、トランジスタ400の第1のゲートソース間の電圧、および第2のゲートソース間の電圧は、0Vになる。トランジスタ400のIcutが非常に小さく、しきい値電圧がトランジスタ200より大きいので、この構成とすることにより、トランジスタ400に電源供給をしなくてもトランジスタ200の第2のゲートの負電位を長時間維持することができる。
さらに、トランジスタ200の第2のゲートの負電位を保持することで、トランジスタ200に電源供給をしなくてもトランジスタ200のIcutを非常に小さくすることができる。つまり、トランジスタ200およびトランジスタ400に電源供給をしなくても、容量素子100に電荷を長時間保持することができる。例えば、このような半導体装置を記憶素子として用いることにより、電源供給無しで長時間の記憶保持を行うことができる。よって、リフレッシュ動作の頻度が少ない、またはリフレッシュ動作を必要としない記憶装置を提供することができる。
なお、トランジスタ200、トランジスタ400および容量素子100の接続関係は、図12(A)(B)に示すものに限定されない。必要な回路構成に応じて適宜接続関係を変更することができる。
<記憶装置1の構造>
本発明の一態様の半導体装置は、図12に示すようにトランジスタ200、トランジスタ400および容量素子100を有する。トランジスタ200およびトランジスタ400は同一層に設けられ、容量素子100はトランジスタ300、およびトランジスタ200の上方に設けられている。
トランジスタ400は、トランジスタ200と同じ層に形成されており、並行して作製することができるトランジスタである。トランジスタ400は、第1のゲート電極として機能する導電体460(導電体460a、および導電体460b)と、第2のゲート電極として機能する導電体405(導電体405a、および導電体405b)と、導電体460と接する絶縁体470、および絶縁体472と、ゲート絶縁層として機能する絶縁体220、絶縁体222、絶縁体224、および絶縁体450と、チャネルが形成される領域を有する酸化物430cと、ソースまたはドレインの一方として機能する酸化物431a、および酸化物431bと、ソースまたはドレインの他方として機能する酸化物432a、および酸化物432bと、を有する。また、第2のゲート電極として機能する導電体405は、配線として機能する導電体403(導電体403a、および導電体403b)と、電気的に接続されている。
トランジスタ400において、導電体405は、導電体205と、同じ層である。酸化物431a、および酸化物432aと、酸化物230aと、同じ層であり、酸化物431b、および酸化物432bと、酸化物230bと、同じ層である。酸化物430cは、酸化物230cは同じ層である。絶縁体450は、絶縁体250と、同じ層である。導電体460は、導電体260と、同じ層である。また、絶縁体470は、絶縁体270と、同じ層である。また、絶縁体472は、絶縁体272と、同じ層である。
トランジスタ400の活性層として機能する酸化物430cは、酸化物230などと同様に、酸素欠損が低減され、水素または水などの不純物が低減されている。これにより、トランジスタ400のしきい値電圧を0Vより大きくし、オフ電流を低減し、第2のゲート電圧及び第1のゲート電圧が0Vのときのドレイン電流を非常に小さくすることができる。
また、トランジスタ200の上方には、容量素子100が設けられている。容量素子100は、導電体110と、導電体120、および絶縁体130とを有する。
また、導電体244上に、導電体112を設けてもよい。導電体112は、容量素子100、トランジスタ200、またはトランジスタ300と電気的に接続するプラグ、または配線として機能を有する。導電体110は、容量素子100の電極として機能を有する。なお、導電体112、および導電体110は、同時に形成することができる。
導電体112、および導電体110には、モリブデン、チタン、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、クロム、ネオジム、スカンジウムから選ばれた元素を含む金属膜、または上述した元素を成分とする金属窒化物膜(窒化タンタル、窒化チタン膜、窒化モリブデン膜、窒化タングステン膜)等を用いることができる。又は、インジウム錫酸化物、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの導電性材料を適用することもできる。
図12では、導電体112、および導電体110は単層構造を示したが、当該構成に限定されず、2層以上の積層構造でもよい。例えば、バリア性を有する導電体と導電性が高い導電体との間に、バリア性を有する導電体、および導電性が高い導電体に対して密着性が高い導電体を形成してもよい。
また、導電体112、および導電体110上に、容量素子100の誘電体のとして、絶縁体130を設ける。絶縁体130は、例えば、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化窒化ハフニウム、窒化酸化ハフニウム、窒化ハフニウムなどを用いればよく、積層または単層で設けることができる。
例えば、絶縁体130には、酸化窒化シリコンなどの絶縁耐力が大きい材料を用いるとよい。当該構成により、容量素子100は、絶縁体130を有することで、絶縁耐力が向上し、容量素子100の静電破壊を抑制することができる。
絶縁体130上に、導電体110と重畳するように、導電体120を設ける。なお、導電体120は、金属材料、合金材料、または金属酸化物材料などの導電性材料を用いることができる。耐熱性と導電性を両立するタングステンやモリブデンなどの高融点材料を用いることが好ましく、特にタングステンを用いることが好ましい。また、導電体などの他の構造と同時に形成する場合は、低抵抗金属材料であるCu(銅)やAl(アルミニウム)等を用いればよい。
導電体120、および絶縁体130上には、絶縁体150が設けられている。絶縁体150は、絶縁体320と同様の材料を用いて設けることができる。また、絶縁体150は、その下方の凹凸形状を被覆する平坦化膜として機能してもよい。
以上が構成例についての説明である。本構成を用いることで、酸化物半導体を有するトランジスタを用いた半導体装置において、電気特性の変動を抑制すると共に、信頼性を向上させることができる。または、酸化物半導体を有するトランジスタを用いた半導体装置において、消費電力を低減することができる。または、酸化物半導体を有するトランジスタを用いた半導体装置において、微細化または高集積化を図ることができる。または、微細化または高集積化された半導体装置を生産性良く提供することができる。
<記憶装置2>
図13に示す半導体装置は、トランジスタ300と、トランジスタ200、および容量素子100を有する記憶装置である。以下に、記憶装置としての一形態を、図13を用いて説明する。
トランジスタ200は、酸化物半導体を有する半導体層にチャネルが形成されるトランジスタであり、上記実施の形態に示すトランジスタを用いることができる。上記実施の形態に示すトランジスタは、微細化しても歩留まり良く形成できるので、トランジスタ200の微細化を図ることができる。このようなトランジスタを記憶装置に用いることで、記憶装置の微細化または高集積化を図ることができる。上記実施の形態に示すトランジスタは、オフ電流が小さいため、これを記憶装置に用いることにより長期にわたり記憶内容を保持することが可能である。つまり、リフレッシュ動作を必要としない、あるいは、リフレッシュ動作の頻度が極めて少ないため、記憶装置の消費電力を十分に低減することができる。
図13において、配線3001はトランジスタ300のソースと電気的に接続され、配線3002はトランジスタ300のドレインと電気的に接続されている。また、配線3003はトランジスタ200のソースおよびドレインの一方と電気的に接続され、配線3004はトランジスタ200の第1のゲートと電気的に接続され、配線3006はトランジスタ200の第2のゲートと電気的に接続されている。そして、トランジスタ300のゲート、およびトランジスタ200のソースおよびドレインの他方は、容量素子100の電極の一方と電気的に接続され、配線3005は容量素子100の電極の他方と電気的に接続されている。
図13において、配線3001はトランジスタ300のソースと電気的に接続され、配線3002はトランジスタ300のドレインと電気的に接続されている。また、配線3003はトランジスタ200のソースおよびドレインの一方と電気的に接続され、配線3004はトランジスタ200のゲートと電気的に接続され、配線3006はトランジスタ200のバックゲートと電気的に接続されている。そして、トランジスタ300のゲート、およびトランジスタ200のソースおよびドレインの他方は、容量素子100の電極の一方と電気的に接続され、配線3005は容量素子100の電極の他方と電気的に接続されている。配線3007はトランジスタ400のソースと電気的に接続され、配線3008はトランジスタ400のゲートと電気的に接続され、配線3009はトランジスタ400のバックゲートと電気的に接続され、配線3010はトランジスタ400のドレインと電気的に接続されている。ここで、配線3006、配線3007、配線3008、及び配線3009が電気的に接続されている。
なお、図12における配線1605、配線1606、配線1607、及び配線1608は、それぞれ、図13における配線3006、配線3007、配線3008、及び配線3009に相当する。
図13に示す半導体装置は、トランジスタ300のゲートの電位が保持可能という特性を有することで、以下に示すように、情報の書き込み、保持、読み出しが可能である。
情報の書き込みおよび保持について説明する。まず、第4の配線3004の電位を、トランジスタ200が導通状態となる電位にして、トランジスタ200を導通状態とする。これにより、第3の配線3003の電位が、トランジスタ300のゲート、および容量素子100の電極の一方と電気的に接続するノードFGに与えられる。即ち、トランジスタ300のゲートには、所定の電荷が与えられる(書き込み)。ここでは、異なる二つの電位レベルを与える電荷(以下Lowレベル電荷、Highレベル電荷という。)のどちらかが与えられるものとする。その後、第4の配線3004の電位を、トランジスタ200が非導通状態となる電位にして、トランジスタ200を非導通状態とすることにより、ノードFGに電荷が保持される(保持)。
トランジスタ200のオフ電流が小さい場合、ノードFGの電荷は長期間にわたって保持される。
次に情報の読み出しについて説明する。第1の配線3001に所定の電位(定電位)を与えた状態で、第5の配線3005に適切な電位(読み出し電位)を与えると、第2の配線3002は、ノードFGに保持された電荷量に応じた電位をとる。これは、トランジスタ300をnチャネル型とすると、トランジスタ300のゲートにHighレベル電荷が与えられている場合の見かけ上のしきい値電圧Vth_Hは、トランジスタ300のゲートにLowレベル電荷が与えられている場合の見かけ上のしきい値電圧Vth_Lより低くなるためである。ここで、見かけ上のしきい値電圧とは、トランジスタ300を「導通状態」とするために必要な第5の配線3005の電位をいうものとする。したがって、第5の配線3005の電位をVth_HとVth_Lの間の電位Vとすることにより、ノードFGに与えられた電荷を判別できる。例えば、書き込みにおいて、ノードFGにHighレベル電荷が与えられていた場合には、第5の配線3005の電位がV(>Vth_H)となれば、トランジスタ300は「導通状態」となる。一方、ノードFGにLowレベル電荷が与えられていた場合には、第5の配線3005の電位がV(<Vth_L)となっても、トランジスタ300は「非導通状態」のままである。このため、第2の配線3002の電位を判別することで、ノードFGに保持されている情報を読み出すことができる。
<記憶装置2の構造>
本発明の一態様の半導体装置は、図13に示すようにトランジスタ300、トランジスタ200、トランジスタ400および容量素子100を有する。トランジスタ200およびトランジスタ400はトランジスタ300の上方に設けられ、容量素子100はトランジスタ300、トランジスタ200およびトランジスタ400の上方に設けられている。
トランジスタ300は、基板311上に設けられ、導電体316、絶縁体315、基板311の一部からなる半導体領域313、およびソース領域またはドレイン領域として機能する低抵抗領域314a、および低抵抗領域314bを有する。
トランジスタ300は、pチャネル型、あるいはnチャネル型のいずれでもよい。
半導体領域313のチャネルが形成される領域、その近傍の領域、ソース領域、またはドレイン領域となる低抵抗領域314a、および低抵抗領域314bなどにおいて、シリコン系半導体などの半導体を含むことが好ましく、単結晶シリコンを含むことが好ましい。または、Ge(ゲルマニウム)、SiGe(シリコンゲルマニウム)、GaAs(ガリウムヒ素)、GaAlAs(ガリウムアルミニウムヒ素)などを有する材料で形成してもよい。結晶格子に応力を与え、格子間隔を変化させることで有効質量を制御したシリコンを用いた構成としてもよい。またはGaAsとGaAlAs等を用いることで、トランジスタ300をHEMT(High Electron Mobility Transistor)としてもよい。
低抵抗領域314a、および低抵抗領域314bは、半導体領域313に適用される半導体材料に加え、ヒ素、リンなどのn型の導電性を付与する元素、またはホウ素などのp型の導電性を付与する元素を含む。
ゲート電極として機能する導電体316は、ヒ素、リンなどのn型の導電性を付与する元素、もしくはホウ素などのp型の導電性を付与する元素を含むシリコンなどの半導体材料、金属材料、合金材料、または金属酸化物材料などの導電性材料を用いることができる。
なお、導電体の材料により、仕事関数を定めることで、しきい値電圧を調整することができる。具体的には、導電体に窒化チタンや窒化タンタルなどの材料を用いることが好ましい。さらに導電性と埋め込み性を両立するために導電体にタングステンやアルミニウムなどの金属材料を積層として用いることが好ましく、特にタングステンを用いることが耐熱性の点で好ましい。
なお、図13に示すトランジスタ300は一例であり、その構造に限定されず、回路構成や駆動方法に応じて適切なトランジスタを用いればよい。
トランジスタ300を覆って、絶縁体320、絶縁体322、絶縁体324、および絶縁体326が順に積層して設けられている。
絶縁体320、絶縁体322、絶縁体324、および絶縁体326として、例えば、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、窒化アルミニウムなどを用いればよい。
絶縁体322は、その下方に設けられるトランジスタ300などによって生じる段差を平坦化する平坦化膜として機能を有していてもよい。例えば、絶縁体322の上面は、平坦性を高めるために化学機械研磨(CMP)法等を用いた平坦化処理により平坦化されていてもよい。
また、絶縁体324には、基板311、またはトランジスタ300などから、トランジスタ200が設けられる領域に、水素や不純物が拡散しないようなバリア性を有する膜を用いることが好ましい。
水素に対するバリア性を有する膜の一例として、例えば、CVD法で形成した窒化シリコンを用いることができる。ここで、トランジスタ200等の酸化物半導体を有する半導体素子に、水素が拡散することで、該半導体素子の特性が低下する場合がある。従って、トランジスタ200と、トランジスタ300およびトランジスタ400との間に、水素の拡散を抑制する膜を用いることが好ましい。水素の拡散を抑制する膜とは、具体的には、水素の脱離量が少ない膜とする。
水素の脱離量は、例えば、昇温脱離ガス分析法(TDS)などを用いて分析することができる。例えば、絶縁体324の水素の脱離量は、TDS分析において、50℃から500℃の範囲において、水素原子に換算した脱離量が、絶縁体324の面積当たりに換算して、10×1015atoms/cm以下、好ましくは5×1015atoms/cm以下であればよい。
なお、絶縁体326は、絶縁体324よりも誘電率が低いことが好ましい。例えば、絶縁体326の比誘電率は4未満が好ましく、3未満がより好ましい。また例えば、絶縁体324の比誘電率は、絶縁体326の比誘電率の0.7倍以下が好ましく、0.6倍以下がより好ましい。誘電率が低い材料を層間膜とすることで、配線間に生じる寄生容量を低減することができる。
また、絶縁体320、絶縁体322、絶縁体324、および絶縁体326には容量素子100、またはトランジスタ200と電気的に接続する導電体328、および導電体330等が埋め込まれている。なお、導電体328、および導電体330はプラグ、または配線として機能を有する。また、プラグまたは配線として機能を有する導電体は、複数の構造をまとめて同一の符号を付与する場合がある。また、本明細書等において、配線と、配線と電気的に接続するプラグとが一体物であってもよい。すなわち、導電体の一部が配線として機能する場合、および導電体の一部がプラグとして機能する場合もある。
各プラグ、および配線(導電体328、および導電体330等)の材料としては、金属材料、合金材料、金属窒化物材料、または金属酸化物材料などの導電性材料を、単層または積層して用いることができる。耐熱性と導電性を両立するタングステンやモリブデンなどの高融点材料を用いることが好ましく、タングステンを用いることが好ましい。または、アルミニウムや銅などの低抵抗導電性材料で形成することが好ましい。低抵抗導電性材料を用いることで配線抵抗を低くすることができる。
絶縁体326、および導電体330上に、配線層を設けてもよい。例えば、図13において、絶縁体350、絶縁体352、及び絶縁体354が順に積層して設けられている。また、絶縁体350、絶縁体352、及び絶縁体354には、導電体356が形成されている。導電体356は、プラグ、または配線として機能を有する。なお導電体356は、導電体328、および導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
なお、例えば、絶縁体350は、絶縁体324と同様に、水素に対するバリア性を有する絶縁体を用いることが好ましい。また、導電体356は、水素に対するバリア性を有する導電体を含むことが好ましい。特に、水素に対するバリア性を有する絶縁体350が有する開口部に、水素に対するバリア性を有する導電体が形成される。当該構成により、トランジスタ300と、トランジスタ200およびトランジスタ400と、は、バリア層により分離することができ、トランジスタ300からトランジスタ200およびトランジスタ400への水素の拡散を抑制することができる。
なお、水素に対するバリア性を有する導電体としては、例えば、窒化タンタル等を用いるとよい。また、窒化タンタルと導電性が高いタングステンを積層することで、配線としての導電性を保持したまま、トランジスタ300からの水素の拡散を抑制することができる。この場合、水素に対するバリア性を有する窒化タンタル層が、水素に対するバリア性を有する絶縁体350と接する構造であることが好ましい。
絶縁体354、および導電体356上に、配線層を設けてもよい。例えば、図13において、絶縁体354上には、酸化物360、酸化物362、絶縁体210、および絶縁体212が、順に積層して設けられている。酸化物360、酸化物362、絶縁体210、および絶縁体212のいずれかは、酸素や水素に対してバリア性のある物質を用いることが好ましい。
例えば、酸化物360、および絶縁体210には、例えば、基板311、またはトランジスタ300を設ける領域などから、トランジスタ200またはトランジスタ400を設ける領域に、水素や不純物が拡散しないようなバリア性を有する膜を用いることが好ましい。従って、絶縁体324と同様の材料を用いることができる。
水素に対するバリア性を有する膜の一例として、CVD法で形成した窒化シリコンを用いることができる。ここで、トランジスタ200等の酸化物半導体を有する半導体素子に、水素が拡散することで、該半導体素子の特性が低下する場合がある。従って、トランジスタ200と、トランジスタ300およびトランジスタ400との間に、水素の拡散を抑制する膜を用いることが好ましい。水素の拡散を抑制する膜とは、具体的には、水素の脱離量が少ない膜とする。
また、水素に対するバリア性を有する膜として、例えば、酸化物360、および絶縁体210には、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタルなどの金属酸化物を用いることが好ましい。
特に、酸化アルミニウムは、酸素、およびトランジスタの電気特性の変動要因となる水素、水分などの不純物、の両方に対して膜を透過させない遮断効果が高い。したがって、酸化アルミニウムは、トランジスタの作製工程中および作製後において、水素、水分などの不純物のトランジスタ200およびトランジスタ400への混入を防止することができる。また、トランジスタ200およびトランジスタ400を構成する酸化物からの酸素の放出を抑制することができる。そのため、トランジスタ200およびトランジスタ400に対する保護膜として用いることに適している。
また、例えば、酸化物362、および絶縁体212には、絶縁体320と同様の材料を用いることができる。また、当該絶縁膜に、比較的誘電率が低い材料を層間膜とすることで、配線間に生じる寄生容量を低減することができる。例えば、酸化物362、および絶縁体212として、酸化シリコン膜や酸化窒化シリコン膜などを用いることができる。
また、酸化物360、酸化物362、絶縁体210、および絶縁体212には、導電体366、及びトランジスタ200と電気的に接続する導電体203およびトランジスタ400と電気的に接続する導電体403等が埋め込まれている。なお、導電体366は、容量素子100、またはトランジスタ300と電気的に接続するプラグ、または配線としての機能を有する。導電体366は、導電体328、および導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
特に、酸化物360、および絶縁体210と接する領域の導電体366は、酸素、水素、および水に対するバリア性を有する導電体であることが好ましい。当該構成により、トランジスタ300と、トランジスタ200およびトランジスタ400と、は、酸素、水素、および水に対するバリア性を有する層で、完全により分離することができ、トランジスタ300からトランジスタ200およびトランジスタ400への水素の拡散を抑制することができる。
絶縁体212の上方には、トランジスタ200、およびトランジスタ400が設けられている。なお、トランジスタ200およびトランジスタ400としては、図12で説明した半導体装置が有するトランジスタを用いればよい。なお、図13に示すトランジスタ200およびトランジスタ400は一例であり、その構造に限定されず、回路構成や駆動方法に応じて適切なトランジスタを用いればよい。
また、絶縁体212上および導電体366上には、絶縁体214および絶縁体216が順に積層して設けられている。絶縁体214および絶縁体216のいずれかは、酸素や水素に対してバリア性のある物質を用いることが好ましい。
例えば、絶縁体214および絶縁体216には、例えば、基板311、またはトランジスタ300を設ける領域などから、トランジスタ200またはトランジスタ400を設ける領域に、水素や不純物が拡散しないようなバリア性を有する膜を用いることが好ましい。従って、絶縁体324と同様の材料を用いることができる。
水素に対するバリア性を有する膜の一例として、CVD法で形成した窒化シリコンを用いることができる。ここで、トランジスタ200等の酸化物半導体を有する半導体素子に、水素が拡散することで、該半導体素子の特性が低下する場合がある。従って、トランジスタ200と、トランジスタ300およびトランジスタ400との間に、水素の拡散を抑制する膜を用いることが好ましい。水素の拡散を抑制する膜とは、具体的には、水素の脱離量が少ない膜とする。
また絶縁体214および絶縁体216には、導電体207、導電体205、または導電体405が埋め込まれている。なお、導電体205、または導電体405は、トランジスタ200のバックゲート電極およびトランジスタ400のバックゲート電極と電気的に接続するプラグとしての機能を有し、容量素子100、またはトランジスタ300と電気的に接続するプラグ、または配線としての機能を有する。なお、導電体207、導電体205、または導電体405は、導電体328、および導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
トランジスタ200の第2のゲート電極およびトランジスタ400の第2のゲート電極と、トランジスタ200の第1のゲート電極およびトランジスタ400の第1のゲート電極と、の間に絶縁体214および絶縁体216を設けることで、トランジスタ200の第1のゲート電極およびトランジスタ400の第1のゲート電極と、の寄生容量を低減することができる。
トランジスタ200およびトランジスタ400の上方には、絶縁体280を設ける。絶縁体280には、過剰酸素領域が形成されていることが好ましい。特に、トランジスタ200およびトランジスタ400に酸化物半導体を用いる場合、トランジスタ200およびトランジスタ400近傍の層間膜などに、過剰酸素領域を有する絶縁体を設けることで、トランジスタ200およびトランジスタ400が有する酸化物の酸素欠損を低減することで、信頼性を向上させることができる。また、トランジスタ200およびトランジスタ400を覆う絶縁体280は、その下方の凹凸形状を被覆する平坦化膜として機能してもよい。
過剰酸素領域を有する絶縁体として、具体的には、加熱により一部の酸素が脱離する酸化物材料を用いることが好ましい。加熱により酸素を脱離する酸化物とは、TDS分析にて、酸素原子に換算しての酸素の脱離量が1.0×1018atoms/cm以上、好ましくは3.0×1020atoms/cm以上である酸化物膜である。なお、上記TDS分析時における膜の表面温度としては100℃以上700℃以下、または100℃以上500℃以下の範囲が好ましい。
例えばこのような材料として、酸化シリコンまたは酸化窒化シリコンを含む材料を用いることが好ましい。または、金属酸化物を用いることもできる。なお、本明細書中において、酸化窒化シリコンとは、その組成として窒素よりも酸素の含有量が多い材料を指し、窒化酸化シリコンとは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多い材料を示す。
絶縁体280上には、絶縁体282が設けられている。絶縁体282は、酸素や水素に対してバリア性のある物質を用いることが好ましい。従って、絶縁体282には、絶縁体214と同様の材料を用いることができる。例えば、絶縁体282には、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタルなどの金属酸化物を用いることが好ましい。
特に、酸化アルミニウムは、酸素、およびトランジスタの電気特性の変動要因となる水素、水分などの不純物、の両方に対して膜を透過させない遮断効果が高い。したがって、酸化アルミニウムは、トランジスタの作製工程中および作製後において、水素、水分などの不純物のトランジスタ200およびトランジスタ400への混入を防止することができる。また、トランジスタ200およびトランジスタ400を構成する酸化物からの酸素の放出を抑制することができる。そのため、トランジスタ200およびトランジスタ400に対する保護膜として用いることに適している。
また、絶縁体282上には、絶縁体286が設けられている。絶縁体286は、絶縁体320と同様の材料を用いることができる。また、当該絶縁膜に、比較的誘電率が低い材料を層間膜とすることで、配線間に生じる寄生容量を低減することができる。例えば、絶縁体286として、酸化シリコン膜や酸化窒化シリコン膜などを用いることができる。
また、絶縁体220、絶縁体222、絶縁体224、絶縁体280絶縁体282、および絶縁体286には、導電体246、および導電体248等が埋め込まれている。
導電体246、および導電体248は、容量素子100、トランジスタ200、トランジスタ400、またはトランジスタ300と電気的に接続するプラグ、または配線として機能を有する。導電体246、および導電体248は、導電体328、および導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
続いて、トランジスタ200の上方およびトランジスタ400の上方には、容量素子100が設けられている。容量素子100は、導電体110と、導電体120、および絶縁体130とを有する。
導電体120、および絶縁体130上には、絶縁体150が設けられている。絶縁体150は、絶縁体320と同様の材料を用いて設けることができる。また、絶縁体150は、その下方の凹凸形状を被覆する平坦化膜として機能してもよい。
また、大面積基板を半導体素子ごとに分断することによって、複数の半導体装置をチップ状で取り出す場合に設けられるダイシングライン(スクライブライン、分断ライン、又は切断ラインと呼ぶ場合がある)について説明する。分断方法としては、例えば、まず、基板に半導体素子を分断するための溝(ダイシングライン)を形成した後、ダイシングラインにおいて切断し、複数の半導体装置に分断(分割)する場合がある。例えば、図13に示す構造500は、ダイシングライン近傍の断面図を示している。
例えば、構造500に示すように、トランジスタ200、またはトランジスタ400を有するメモリセルの外縁に設けられるダイシングラインと重なる領域近傍において、絶縁体280、絶縁体274、絶縁体224、絶縁体222、絶縁体220、絶縁体216、絶縁体214及び絶縁体210に開口を設ける。また、絶縁体280、絶縁体274、絶縁体224、絶縁体222、絶縁体220、絶縁体216、絶縁体214及び絶縁体210の側面を覆うように、絶縁体282を設ける。
つまり、該開口部において絶縁体210と、絶縁体282とが接する。このとき、絶縁体210と、絶縁体282と、を同材料及び同方法を用いて形成することで、密着性を高めることができる。例えば、酸化アルミニウムを用いることができる。
当該構造により、絶縁体214と、絶縁体282で、絶縁体280、トランジスタ200、およびトランジスタ400を包み込むことができる。酸化物360、絶縁体222、絶縁体282は、酸素、水素、及び水の拡散を抑制する機能を有しているため、本実施の形態に示す半導体素子が形成された基板を複数有する回路領域ごとに、分断することにより、複数のチップに加工しても、分断した基板の側面方向から、水素又は水などの不純物が混入し、トランジスタ200、またはトランジスタ400に拡散することを防ぐことができる。
また、当該構造により、絶縁体280の過剰酸素が絶縁体282、および絶縁体222の外部に拡散することを防ぐことができる。従って、絶縁体280の過剰酸素は、効率的にトランジスタ200、またはトランジスタ400におけるチャネルが形成される酸化物に供給される。当該酸素により、トランジスタ200、またはトランジスタ400におけるチャネルが形成される酸化物の酸素欠損を低減することができる。これにより、トランジスタ200、またはトランジスタ400におけるチャネルが形成される酸化物を欠陥準位密度が低い、安定な特性を有する酸化物半導体とすることができる。つまり、トランジスタ200、またはトランジスタ400の電気特性の変動を抑制すると共に、信頼性を向上させることができる。
以上が構成例についての説明である。本構成を用いることで、酸化物半導体を有するトランジスタを用いた半導体装置において、電気特性の変動を抑制すると共に、信頼性を向上させることができる。または、酸化物半導体を有するトランジスタを用いた半導体装置において、消費電力を低減することができる。または、酸化物半導体を有するトランジスタを用いた半導体装置において、微細化または高集積化を図ることができる。または、微細化または高集積化された半導体装置を生産性良く提供することができる。
<メモリセルアレイの構造>
本実施の形態のメモリセルアレイの一例を、図14に示す。トランジスタ200をメモリセルとして、マトリクス状に配置することで、メモリセルアレイを構成することができる。
なお、図14に示す記憶装置は、図13に示す記憶装置をマトリクス状に配置することで、メモリセルアレイを構成する半導体装置である。なお、1個のトランジスタ400は、複数のトランジスタ200のバックゲート電圧を制御することができる。そのため、トランジスタ400は、トランジスタ200よりも、少ない個数を設けるとよい。
従って、図14には、図12、および図13に示すトランジスタ400は省略する。図14は、図13に示す記憶装置を、マトリクス状に配置した場合における、行の一部を抜き出した断面図である。
また、図13と、トランジスタ300の構成が異なる。図14に示すトランジスタ300はチャネルが形成される半導体領域313(基板311の一部)が凸形状を有する。また、半導体領域313の側面および上面を、絶縁体315を介して、導電体316が覆うように設けられている。なお、導電体316は仕事関数を調整する材料を用いてもよい。このようなトランジスタ300は半導体基板の凸部を利用していることからFIN型トランジスタとも呼ばれる。なお、凸部の上部に接して、凸部を形成するためのマスクとして機能する絶縁体を有していてもよい。また、ここでは半導体基板の一部を加工して凸部を形成する場合を示したが、SOI基板を加工して凸形状を有する半導体膜を形成してもよい。
図14に示す記憶装置では、メモリセル600aとメモリセル600bが隣接して配置されている。メモリセル600aおよびメモリセル600bは、トランジスタ300、トランジスタ200、および容量素子100を有し、配線3001、配線3002、配線3003、配線3004、配線3005、および配線3006と電気的に接続される。また、メモリセル600aおよびメモリセル600bにおいても、同様にトランジスタ300のゲートと、容量素子100の電極の一方と、が電気的に接続するノードを、ノードFGとする。なお、配線3002は隣接するメモリセル600aとメモリセル600bで共通の配線である。
メモリセルをアレイ状に配置する場合、読み出し時には、所望のメモリセルの情報を読み出さなくてはならない。例えば、メモリセルアレイがNOR型の構成の場合、情報を読み出さないメモリセルのトランジスタ300を非導通状態にすることで、所望のメモリセルの情報のみを読み出すことができる。この場合、ノードFGに与えられた電荷によらずトランジスタ300が「非導通状態」となるような電位、つまり、Vth_Hより低い電位を、情報を読み出さないメモリセルと接続される第5の配線3005に与えればよい。または、例えば、メモリセルアレイがNAND型の構成の場合、情報を読み出さないメモリセルのトランジスタ300を導通状態にすることで、所望のメモリセルの情報のみを読み出すことができる。この場合、ノードFGに与えられた電荷によらずトランジスタ300が「導通状態」となるような電位、つまり、Vth_Lより高い電位を、情報を読み出さないメモリセルと接続される第5の配線3005に与えればよい。
本構成を用いることで、酸化物半導体を有するトランジスタを用いた半導体装置において、電気特性の変動を抑制すると共に、信頼性を向上させることができる。または、酸化物半導体を有するトランジスタを用いた半導体装置において、消費電力を低減することができる。または、酸化物半導体を有するトランジスタを用いた半導体装置において、微細化または高集積化を図ることができる。または、微細化または高集積化された半導体装置を生産性良く提供することができる。
以上、本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、表示コントローラIC、およびソースドライバICなどに用いることができる、本発明の一態様に係る半導体装置を含むフレームメモリについて説明する。
フレームメモリには、例えば、1T(トランジスタ)1C(容量)型のメモリセルを備えたDRAM(ダイナミックランダムアクセスメモリ)を適用することができる。また、メモリセルにOSトランジスタが用いられるメモリ装置(以下、「OSメモリ」と呼ぶ。)を用いることができる。ここでは、OSメモリの一例として、1T1C型のメモリセルを有するRAMについて説明する。ここでは、このようなRAMを、「DOSRAM(Dynamic Oxide Semiconductor RAM、ドスラム)」と呼ぶこととする。図15に、DOSRAMの構成例を示す。
<<DOSRAM1400>>
DOSRAM1400は、コントローラ1405、行回路1410、列回路1415、メモリセルおよびセンスアンプアレイ1420(以下、「MC−SAアレイ1420」と呼ぶ。)を有する。
行回路1410はデコーダ1411、ワード線ドライバ回路1412、列セレクタ1413、センスアンプドライバ回路1414を有する。列回路1415はグローバルセンスアンプアレイ1416、入出力回路1417を有する。グローバルセンスアンプアレイ1416は複数のグローバルセンスアンプ1447を有する。MC−SAアレイ1420はメモリセルアレイ1422、センスアンプアレイ1423、グローバルビット線GBLL、GBLRを有する。
(MC−SAアレイ1420)
MC−SAアレイ1420は、メモリセルアレイ1422をセンスアンプアレイ1423上に積層した積層構造をもつ。グローバルビット線GBLL、GBLRはメモリセルアレイ1422上に積層されている。DOSRAM1400では、ビット線の構造に、ローカルビット線とグローバルビット線とで階層化された階層ビット線構造が採用されている。
メモリセルアレイ1422は、N個(Nは2以上の整数)のローカルメモリセルアレイ1425<0>―1425<N−1>を有する。図16(A)にローカルメモリセルアレイ1425の構成例を示す。ローカルメモリセルアレイ1425は、複数のメモリセル1445、複数のワード線WL、複数のビット線BLL、BLRを有する。図16(A)の例では、ローカルメモリセルアレイ1425の構造はオープンビット線型であるが、フォールデッドビット線型であってもよい。
図16(B)にメモリセル1445の回路構成例を示す。メモリセル1445はトランジスタMW1、容量素子CS1、端子B1、B2を有する。トランジスタMW1は容量素子CS1の充放電を制御する機能をもつ。トランジスタMW1のゲートはワード線に電気的に接続され、第1端子はビット線に電気的に接続され、第2端子は容量素子の第1端子に電気的に接続されている。容量素子CS1の第2端子は端子B2に電気的に接続されている。端子B2には、定電圧(例えば、低電源電圧)が入力される。
トランジスタMW1はバックゲートを備えており、バックゲートは端子B1に電気的に接続されている。そのため、端子B1の電圧によって、トランジスタMW1の閾値電圧を変更することができる。例えば、端子B1の電圧は固定電圧(例えば、負の定電圧)であってもよいし、DOSRAM1400の動作に応じて、端子B1の電圧を変化させてもよい。
トランジスタMW1のバックゲートをトランジスタMW1のゲート、ソース、またはドレインに電気的に接続してもよい。あるいは、トランジスタMW1にバックゲートを設けなくてもよい。
センスアンプアレイ1423は、N個のローカルセンスアンプアレイ1426<0>―1426<N−1>を有する。ローカルセンスアンプアレイ1426は、1のスイッチアレイ1444、複数のセンスアンプ1446を有する。センスアンプ1446には、ビット線対が電気的に接続されている。センスアンプ1446は、ビット線対をプリチャージする機能、ビット線対の電圧差を増幅する機能、この電圧差を保持する機能を有する。スイッチアレイ1444は、ビット線対を選択し、選択したビット線対とグローバルビット線対と間を導通状態にする機能を有する。
ここで、ビット線対とは、センスアンプによって、同時に比較される2本のビット線のことをいう。グローバルビット線対とは、グローバルセンスアンプによって、同時に比較される2本のグローバルビット線のことをいう。ビット線対を一対のビット線と呼ぶことができ、グローバルビット線対を一対のグローバルビット線と呼ぶことができる。ここでは、ビット線BLLとビット線BLRが1組のビット線対を成す。グローバルビット線GBLLとグローバルビット線GBLRとが1組のグローバルビット線対をなす。以下、ビット線対(BLL,BLR)、グローバルビット線対(BLL,BLR)とも表す。
(コントローラ1405)
コントローラ1405は、DOSRAM1400の動作全般を制御する機能を有する。コントローラ1405は、外部からの入力されるコマンド信号を論理演算して、動作モードを決定する機能、決定した動作モードが実行されるように、行回路1410、列回路1415の制御信号を生成する機能、外部から入力されるアドレス信号を保持する機能、内部アドレス信号を生成する機能を有する。
(行回路1410)
行回路1410は、MC−SAアレイ1420を駆動する機能を有する。デコーダ1411はアドレス信号をデコードする機能を有する。ワード線ドライバ回路1412は、アクセス対象行のワード線WLを選択する選択信号を生成する。
列セレクタ1413、センスアンプドライバ回路1414はセンスアンプアレイ1423を駆動するための回路である。列セレクタ1413は、アクセス対象列のビット線を選択するための選択信号を生成する機能をもつ。列セレクタ1413の選択信号によって、各ローカルセンスアンプアレイ1426のスイッチアレイ1444が制御される。センスアンプドライバ回路1414の制御信号によって、複数のローカルセンスアンプアレイ1426は独立して駆動される。
(列回路1415)
列回路1415は、データ信号WDA[31:0]の入力を制御する機能、データ信号RDA[31:0]の出力を制御する機能を有する。データ信号WDA[31:0]は書き込みデータ信号であり、データ信号RDA[31:0]は読み出しデータ信号である。
グローバルセンスアンプ1447はグローバルビット線対(GBLL,GBLR)に電気的に接続されている。グローバルセンスアンプ1447はグローバルビット線対(GBLL,GBLR)間の電圧差を増幅する機能、この電圧差を保持する機能を有する。グローバルビット線対(GBLL,GBLR)へのデータの書き込み、および読み出しは、入出力回路1417によって行われる。
DOSRAM1400の書き込み動作の概要を説明する。入出力回路1417によって、データがグローバルビット線対に書き込まれる。グローバルビット線対のデータは、グローバルセンスアンプアレイ1416によって保持される。アドレスが指定するローカルセンスアンプアレイ1426のスイッチアレイ1444によって、グローバルビット線対のデータが、対象列のビット線対に書き込まれる。ローカルセンスアンプアレイ1426は、書き込まれたデータを増幅し、保持する。指定されたローカルメモリセルアレイ1425において、行回路1410によって、対象行のワード線WLが選択され、選択行のメモリセル1445にローカルセンスアンプアレイ1426の保持データが書き込まれる。
DOSRAM1400の読み出し動作の概要を説明する。アドレス信号によって、ローカルメモリセルアレイ1425の1行が指定される。指定されたローカルメモリセルアレイ1425において、対象行のワード線WLが選択状態となり、メモリセル1445のデータがビット線に書き込まれる。ローカルセンスアンプアレイ1426によって、各列のビット線対の電圧差がデータとして検出され、かつ保持される。スイッチアレイ1444によって、ローカルセンスアンプアレイ1426の保持データの内、アドレスが指定する列のデータが、グローバルビット線対に書き込まれる。グローバルセンスアンプアレイ1416は、グローバルビット線対のデータを検出し、保持する。グローバルセンスアンプアレイ1416の保持データは入出力回路1417に出力される。以上で、読み出し動作が完了する。
容量素子CS1の充放電によってデータを書き換えるため、DOSRAM1400には原理的には書き換え回数に制約はなく、かつ、低エネルギーで、データの書き込みおよび読み出しが可能である。また、メモリセル1445の回路構成が単純であるため、大容量化が容易である。
トランジスタMW1はOSトランジスタである。OSトランジスタはオフ電流が極めて小さいため、容量素子CS1から電荷がリークすることを抑えることができる。したがって、DOSRAM1400の保持時間はDRAMに比べて非常に長い。したがってリフレッシュの頻度を低減できるため、リフレッシュ動作に要する電力を削減できる。そのため、DOSRAM1400をフレームメモリとして用いることで、表示コントローラIC、およびソースドライバICの消費電力を削減することができる。
MC−SAアレイ1420が積層構造であることよって、ローカルセンスアンプアレイ1426の長さと同程度の長さにビット線を短くすることができる。ビット線を短くすることで、ビット線容量が小さくなり、メモリセル1445の保持容量を低減することができる。また、ローカルセンスアンプアレイ1426にスイッチアレイ1444を設けることで、長いビット線の本数を減らすことができる。以上の理由から、DOSRAM1400のアクセス時に駆動する負荷が低減されるので、表示コントローラIC、およびソースドライバICの消費エネルギーを低減できる。
本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明の一態様に係る酸化物を半導体に用いたトランジスタ(OSトランジスタ)が適用されている半導体装置装置の一例として、FPGA(フィールドブログラマブルブゲートアレイ)について説明する。本実施の形態のFPGAは、コンフィギュレーションメモリ、およびレジスタにOSメモリが適用されている。ここでは、このようなFPGAを「OS−FPGA」と呼ぶ。
OSメモリは、少なくとも容量素子と、容量素子の充放電を制御するOSトランジスタを有するメモリである。OSトランジスタが極小オフ電流のトランジスタであるので、OSメモリは優れた保持特性をもち、不揮発性メモリとして機能させることができる。
図17(A)にOS−FPGAの構成例を示す。図17(A)に示すOS−FPGA3110は、マルチコンテキスト構造によるコンテキスト切り替え、細粒度パワーゲーティング、NOFF(ノーマリオフ)コンピューティングが可能である。OS−FPGA3110は、コントローラ3111、ワードドライバ3112、データドライバ3113、プログラマブルエリア3115を有する。
プログラマブルエリア3115は、2個の入出力ブロック(IOB)3117、コア3119を有する。IOB3117は複数のプログラマブル入出力回路を有する。コア3119は、複数のロジックアレイブロック(LAB)3120、複数のスイッチアレイブロック(SAB)3130を有する。LAB3120は複数のPLE3121を有する。図17(B)には、LAB3120を5個のPLE3121で構成する例を示す。図17(C)に示すようにSAB3130はアレイ状に配列された複数のスイッチブロック(SB)3131を有する。LAB3120は自身の入力端子と、SAB3130を介して4(上下左右)方向のLAB3120に接続される。
図18(A)乃至図18(C)を参照して、SB3131について説明する。図18(A)に示すSB3131には、data、datab、信号context[1:0]、word[1:0]が入力される。data、databはコンフィギュレーションデータであり、dataとdatabは論理が相補的な関係にある。OS−FPGA3110のコンテキスト数は2であり、信号context[1:0]はコンテキスト選択信号である。信号word[1:0]はワード線選択信号であり、信号word[1:0]が入力される配線がそれぞれワード線である。
SB3131は、PRS(プログラマブルルーティングスイッチ)3133[0]、3133[1]を有する。PRS3133[0]、3133[1]は、相補データを格納できるコンフィギュレーションメモリ(CM)を有する。なお、PRS3133[0]とPRS3133[1]とを区別しない場合、PRS3133と呼ぶ。他の要素についても同様である。
図18(B)にPRS3133[0]の回路構成例を示す。PRS3133[0]とPRS3133[1]とは同じ回路構成を有する。PRS3133[0]とPRS3133[1]とは入力されるコンテキスト選択信号、ワード線選択信号が異なる。信号context[0]、word[0]はPRS3133[0]に入力され、信号context[1]、word[1]はPRS3133[1]に入力される。例えば、SB3131において、信号context[0]が“H”になることで、PRS3133[0]がアクティブになる。
PRS3133[0]は、CM3135、SiトランジスタM31を有する。SiトランジスタM31は、CM3135により制御されるパストランジスタである。CM3135は、メモリ回路3137、3137Bを有する。メモリ回路3137、3137Bは同じ回路構成である。メモリ回路3137は、容量素子C31、OSトランジスタMO31、MO32を有する。メモリ回路3137Bは、容量素子CB31、OSトランジスタMOB31、MOB32を有する。
OSトランジスタMO31、MO32、MOB31、MOB32はバックゲートを有し、これらバックゲートはそれぞれ固定電圧を供給する電源線に電気的に接続されている。
SiトランジスタM31のゲートがノードN31であり、OSトランジスタMO32のゲートがノードN32であり、OSトランジスタMOB32のゲートがノードNB32である。ノードN32、NB32はCM3135の電荷保持ノードである。OSトランジスタMO32はノードN31と信号context[0]用の信号線との間の導通状態を制御する。OSトランジスタMOB32はノードN31と低電位電源線VSSとの間の導通状態を制御する。
メモリ回路3137、3137Bが保持するデータは相補的な関係にある。したがって、OSトランジスタMO32またはMOB32の何れか一方が導通する。
図18(C)を参照して、PRS3133[0]の動作例を説明する。PRS3133[0]にコンフィギュレーションデータが既に書き込まれており、PRS3133[0]のノードN32は“H”であり、ノードNB32は“L”である。
信号contex[0]が“L”である間はPRS3133[0]は非アクティブである。この期間に、PRS3133[0]の入力端子が“H”に遷移しても、SiトランジスタM31のゲートは“L”が維持され、PRS3133[0]の出力端子も“L”が維持される。
信号contex[0]が“H”である間はPRS3133[0]はアクティブである。信号contex[0]が“H”に遷移すると、CM3135が記憶するコンフィギュレーションデータによって、SiトランジスタM31のゲートは“H”に遷移する。
PRS3133[0]がアクティブである期間に、入力端子が“H”に遷移すると、メモリ回路3137のOSトランジスタMO32がソースフォロアであるために、ブースティングによってSiトランジスタM31のゲート電圧は上昇する。その結果、メモリ回路3137のOSトランジスタMO32は駆動能力を失い、SiトランジスタM31のゲートは浮遊状態となる。
マルチコンテキスト機能を備えるPRS3133において、CM3135はマルチプレサの機能を併せ持つ。
図19にPLE3121の構成例を示す。PLE3121はLUT(ルックアップテーブル)ブロック3123、レジスタブロック3124、セレクタ3125、CM3126を有する。LUTブロック3123は、入力inA−inDに従って内部の16ビットCM対の出力をマルチプレクスする構成である。セレクタ3125は、CM3126が格納するコンフィギュレーションに従って、LUTブロック3123の出力またはレジスタブロック3124の出力を選択する。
PLE3121は、パワースイッチ3127を介して電圧VDD用の電源線に電気的に接続されている。パワースイッチ3127のオンオフは、CM3128が格納するコンフィギュレーションデータによって設定される。各PLE3121にパワースイッチ3127を設けることで、細粒度パワーゲーティングが可能である。細粒度パワーゲーティング機能により、コンテキストの切り替え後に使用されないPLE3121をパワーゲーティングすることができるので、待機電力を効果的に低減できる。
NOFFコンピューティングを実現するため、レジスタブロック3124は、不揮発性レジスタで構成される。PLE3121内の不揮発性レジスタはOSメモリを備えるフリップフロップ(以下[OS−FF]と呼ぶ)である。
レジスタブロック3124は、OS−FF3140[1]3140[2]を有する。信号user_res、load、storeがOS−FF3140[1]、3140[2]に入力される。クロック信号CLK1はOS−FF3140[1]に入力され、クロック信号CLK2はOS−FF3140[2]に入力される。図20(A)にOS−FF3140の構成例を示す。
OS−FF3140は、FF3141、シャドウレジスタ3142を有する。FF3141は、ノードCK、R、D、Q、QBを有する。ノードCKにはクロック信号が入力される。ノードRには信号user_resが入力される。信号user_resはリセット信号である。ノードDはデータ入力ノードであり、ノードQはデータ出力ノードである。ノードQとノードQBとは論理が相補関係にある。
シャドウレジスタ3142は、FF3141のバックアップ回路として機能する。シャドウレジスタ3142は、信号storeに従いノードQ、QBのデータをそれぞれバックアップし、また、信号loadに従い、バックアップしたデータをノードQ、QBに書き戻す。
シャドウレジスタ3142は、インバータ回路3188、3189、SiトランジスタM37、MB37、メモリ回路3143、3143Bを有する。メモリ回路3143、3143Bは、PRS3133のメモリ回路3137と同じ回路構成である。メモリ回路3143は容量素子C36、OSトランジスタMO35、MO36を有する。メモリ回路3143Bは容量素子CB36、OSトランジスタMOB35、OSトランジスタMOB36を有する。ノードN36、NB36はOSトランジスタMO36、OSトランジスタMOB36のゲートであり、それぞれ電荷保持ノードである。ノードN37、NB37は、SiトランジスタM37、MB37のゲートである。
OSトランジスタMO35、MO36、MOB35、MOB36はバックゲートを有し、これらバックゲートはそれぞれ固定電圧を供給する電源線に電気的に接続されている。
図20(B)を参照して、OS−FF3140の動作方法例を説明する。
(バックアップ)
“H”の信号storeがOS−FF3140に入力されると、シャドウレジスタ3142はFF3141のデータをバックアップする。ノードN36は、ノードQのデータが書き込まれることで、“L”となり、ノードNB36は、ノードQBのデータが書き込まれることで、“H”となる。しかる後、パワーゲーティングが実行され、パワースイッチ3127をオフにする。FF3141のノードQ、QBのデータは消失するが、電源オフであっても、シャドウレジスタ3142はバックアップしたデータを保持する。
(リカバリ)
パワースイッチ3127をオンにし、PLE3121に電源を供給する。しかる後、“H”の信号loadがOS−FF3140に入力されると、シャドウレジスタ3142はバックアップしているデータをFF3141に書き戻す。ノードN36は“L”であるので、ノードN37は“L”が維持され、ノードNB36は“H”であるので、ノードNB37は“H”となる。よって、ノードQは“H”になり、ノードQBは“L”になる。つまり、OS−FF3140はバックアップ動作時の状態に復帰する。
細粒度パワーゲーティングと、OS−FF3140のバックアップ/リカバリ動作とを組み合わせることで、OS−FPGA3110の消費電力を効果的に低減できる。
メモリ回路において発生しうるエラーとして放射線の入射によるソフトエラーが挙げられる。ソフトエラーは、メモリやパッケージを構成する材料などから放出されるα線や、宇宙から大気に入射した一次宇宙線が大気中に存在する原子の原子核と核反応を起こすことにより発生する二次宇宙線中性子などがトランジスタに照射され、電子正孔対が生成されることにより、メモリに保持されたデータが反転するなどの誤作動が生じる現象である。OSトランジスタを用いたOSメモリはソフトエラー耐性が高い。そのたため、OSメモリを搭載することで、信頼性の高いOS−FPGA3110を提供することができる。
本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態5)
本実施の形態においては、上述した記憶装置など、本発明の一態様に係る半導体装置を含むCPUの一例について説明する。
<CPUの構成>
図21に示す半導体装置5400は、CPUコア5401、パワーマネージメントユニット5421および周辺回路5422を有する。パワーマネージメントユニット5421は、パワーコントローラ5402、およびパワースイッチ5403を有する。周辺回路5422は、キャッシュメモリを有するキャッシュ5404、バスインターフェース(BUS I/F)405、及びデバッグインターフェース(Debug I/F)406を有する。CPUコア5401は、データバス5423、制御装置5407、PC(プログラムカウンタ)408、パイプラインレジスタ5409、パイプラインレジスタ5410、ALU(Arithmetic logic unit)411、及びレジスタファイル5412を有する。CPUコア5401と、キャッシュ5404等の周辺回路5422とのデータのやり取りは、データバス5423を介して行われる。
半導体装置(セル)は、パワーコントローラ5402、制御装置5407をはじめ、多くの論理回路に適用することができる。特に、スタンダードセルを用いて構成することができる全ての論理回路に適用することができる。その結果、小型の半導体装置5400を提供できる。また、消費電力低減することが可能な半導体装置5400を提供できる。また、動作速度を向上することが可能な半導体装置5400を提供できる。また、電源電圧の変動を低減することが可能な半導体装置5400を提供できる。
半導体装置(セル)に、pチャネル型Siトランジスタと、先の実施の形態に記載の酸化物半導体(好ましくはIn、Ga、及びZnを含む酸化物)をチャネル形成領域に含むトランジスタとを用い、該半導体装置(セル)を半導体装置5400に適用することで、小型の半導体装置5400を提供できる。また、消費電力低減することが可能な半導体装置5400を提供できる。また、動作速度を向上することが可能な半導体装置5400を提供できる。特に、Siトランジスタはpチャネル型のみとすることで、製造コストを低く抑えることができる。
制御装置5407は、PC5408、パイプラインレジスタ5409、パイプラインレジスタ5410、ALU5411、レジスタファイル5412、キャッシュ5404、バスインターフェース5405、デバッグインターフェース5406、及びパワーコントローラ5402の動作を統括的に制御することで、入力されたアプリケーションなどのプログラムに含まれる命令をデコードし、実行する機能を有する。
ALU5411は、四則演算、論理演算などの各種演算処理を行う機能を有する。
キャッシュ5404は、使用頻度の高いデータを一時的に記憶しておく機能を有する。PC5408は、次に実行する命令のアドレスを記憶する機能を有するレジスタである。なお、図21では図示していないが、キャッシュ5404には、キャッシュメモリの動作を制御するキャッシュコントローラが設けられている。
パイプラインレジスタ5409は、命令データを一時的に記憶する機能を有するレジスタである。
レジスタファイル5412は、汎用レジスタを含む複数のレジスタを有しており、メインメモリから読み出されたデータ、またはALU5411の演算処理の結果得られたデータ、などを記憶することができる。
パイプラインレジスタ5410は、ALU5411の演算処理に利用するデータ、またはALU5411の演算処理の結果得られたデータなどを一時的に記憶する機能を有するレジスタである。
バスインターフェース5405は、半導体装置5400と半導体装置5400の外部にある各種装置との間におけるデータの経路としての機能を有する。デバッグインターフェース5406は、デバッグの制御を行うための命令を半導体装置5400に入力するための信号の経路としての機能を有する。
パワースイッチ5403は、半導体装置5400が有する、パワーコントローラ5402以外の各種回路への、電源電圧の供給を制御する機能を有する。上記各種回路は、幾つかのパワードメインにそれぞれ属しており、同一のパワードメインに属する各種回路は、パワースイッチ5403によって電源電圧の供給の有無が制御される。また、パワーコントローラ5402はパワースイッチ5403の動作を制御する機能を有する。
上記構成を有する半導体装置5400は、パワーゲーティングを行うことが可能である。パワーゲーティングの動作の流れについて、一例を挙げて説明する。
まず、CPUコア5401が、電源電圧の供給を停止するタイミングを、パワーコントローラ5402のレジスタに設定する。次いで、CPUコア5401からパワーコントローラ5402へ、パワーゲーティングを開始する旨の命令を送る。次いで、半導体装置5400内に含まれる各種レジスタとキャッシュ5404が、データの退避を開始する。次いで、半導体装置5400が有するパワーコントローラ5402以外の各種回路への電源電圧の供給が、パワースイッチ5403により停止される。次いで、割込み信号がパワーコントローラ5402に入力されることで、半導体装置5400が有する各種回路への電源電圧の供給が開始される。なお、パワーコントローラ5402にカウンタを設けておき、電源電圧の供給が開始されるタイミングを、割込み信号の入力に依らずに、当該カウンタを用いて決めるようにしてもよい。次いで、各種レジスタとキャッシュ5404が、データの復帰を開始する。次いで、制御装置5407における命令の実行が再開される。
このようなパワーゲーティングは、プロセッサ全体、もしくはプロセッサを構成する一つ、または複数の論理回路において行うことができる。また、短い時間でも電源の供給を停止することができる。このため、空間的に、あるいは時間的に細かい粒度で消費電力の削減を行うことができる。
パワーゲーティングを行う場合、CPUコア5401や周辺回路5422が保持する情報を短期間に退避できることが好ましい。そうすることで、短期間に電源のオンオフが可能となり、省電力の効果が大きくなる。
CPUコア5401や周辺回路5422が保持する情報を短期間に退避するためには、フリップフロップ回路がその回路内でデータ退避できることが好ましい(バックアップ可能なフリップフロップ回路と呼ぶ)。また、SRAMセルがセル内でデータ退避できることが好ましい(バックアップ可能なSRAMセルと呼ぶ)。バックアップ可能なフリップフロップ回路やSRAMセルは、酸化物半導体(好ましくはIn、Ga、及びZnを含む酸化物)をチャネル形成領域に含むトランジスタを有することが好ましい。その結果、トランジスタが低いオフ電流を有することで、バックアップ可能なフリップフロップ回路やSRAMセルは長期間電源供給なしに情報を保持することができる。また、トランジスタが高速なスイッチング速度を有することで、バックアップ可能なフリップフロップ回路やSRAMセルは短期間のデータ退避および復帰が可能となる場合がある。
バックアップ可能なフリップフロップ回路の例について、図22を用いて説明する。
図22に示す半導体装置5500は、バックアップ可能なフリップフロップ回路の一例である。半導体装置5500は、第1の記憶回路5501と、第2の記憶回路5502と、第3の記憶回路5503と、読み出し回路5504と、を有する。半導体装置5500には、電位V1と電位V2の電位差が、電源電圧として供給される。電位V1と電位V2は一方がハイレベルであり、他方がローレベルである。以下、電位V1がローレベル、電位V2がハイレベルの場合を例に挙げて、半導体装置5500の構成例について説明するものとする。
第1の記憶回路5501は、半導体装置5500に電源電圧が供給されている期間において、データを含む信号Dが入力されると、当該データを保持する機能を有する。そして、半導体装置5500に電源電圧が供給されている期間において、第1の記憶回路5501からは、保持されているデータを含む信号Qが出力される。一方、第1の記憶回路5501は、半導体装置5500に電源電圧が供給されていない期間においては、データを保持することができない。すなわち、第1の記憶回路5501は、揮発性の記憶回路と呼ぶことができる。
第2の記憶回路5502は、第1の記憶回路5501に保持されているデータを読み込んで記憶する(あるいは退避する)機能を有する。第3の記憶回路5503は、第2の記憶回路5502に保持されているデータを読み込記憶する(あるいは退避する)機能を有する。読み出し回路5504は、第2の記憶回路5502または第3の記憶回路5503に保持されたデータを読み出して第1の記憶回路5501に記憶する(あるいは復帰する)機能を有する。
特に、第3の記憶回路5503は、半導体装置5500に電源電圧が供給されてない期間においても、第2の記憶回路5502に保持されているデータを読み込記憶する(あるいは退避する)機能を有する。
図22に示すように、第2の記憶回路5502はトランジスタ5512と容量素子5519とを有する。第3の記憶回路5503はトランジスタ5513と、トランジスタ5515と、容量素子5520とを有する。読み出し回路5504はトランジスタ5510と、トランジスタ5518と、トランジスタ5509と、トランジスタ5517と、を有する。
トランジスタ5512は、第1の記憶回路5501に保持されているデータに応じた電荷を、容量素子5519に充放電する機能を有する。トランジスタ5512は、第1の記憶回路5501に保持されているデータに応じた電荷を容量素子5519に対して高速に充放電できることが望ましい。具体的には、トランジスタ5512が、結晶性を有するシリコン(好ましくは多結晶シリコン、更に好ましくは単結晶シリコン)をチャネル形成領域に含むことが望ましい。
トランジスタ5513は、容量素子5519に保持されている電荷に従って導通状態または非導通状態が選択される。トランジスタ5515は、トランジスタ5513が導通状態であるときに、配線5544の電位に応じた電荷を容量素子5520に充放電する機能を有する。トランジスタ5515は、オフ電流が著しく小さいことが望ましい。具体的には、トランジスタ5515が、酸化物半導体(好ましくはIn、Ga、及びZnを含む酸化物)をチャネル形成領域に含むことが望ましい。
各素子の接続関係を具体的に説明すると、トランジスタ5512のソース及びドレインの一方は、第1の記憶回路5501に接続されている。トランジスタ5512のソース及びドレインの他方は、容量素子5519の一方の電極、トランジスタ5513のゲート、及びトランジスタ5518のゲートに接続されている。容量素子5519の他方の電極は、配線5542に接続されている。トランジスタ5513のソース及びドレインの一方は、配線5544に接続されている。トランジスタ5513のソース及びドレインの他方は、トランジスタ5515のソース及びドレインの一方に接続されている。トランジスタ5515のソース及びドレインの他方は、容量素子5520の一方の電極、及びトランジスタ5510のゲートに接続されている。容量素子5520の他方の電極は、配線5543に接続されている。トランジスタ5510のソース及びドレインの一方は、配線5541に接続されている。トランジスタ5510のソース及びドレインの他方は、トランジスタ5518のソース及びドレインの一方に接続されている。トランジスタ5518のソース及びドレインの他方は、トランジスタ5509のソース及びドレインの一方に接続されている。トランジスタ5509のソース及びドレインの他方は、トランジスタ5517のソース及びドレインの一方、及び第1の記憶回路5501に接続されている。トランジスタ5517のソース及びドレインの他方は、配線5540に接続されている。また、図22においては、トランジスタ5509のゲートは、トランジスタ5517のゲートと接続されているが、トランジスタ5509のゲートは、必ずしもトランジスタ5517のゲートと接続されていなくてもよい。
トランジスタ5515に先の実施の形態で例示したトランジスタを適用することができる。トランジスタ5515のオフ電流が小さいために、半導体装置5500は、長期間電源供給なしに情報を保持することができる。トランジスタ5515のスイッチング特性が良好であるために、半導体装置5500は、高速のバックアップとリカバリを行うことができる。
本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態6)
本実施の形態では、本発明の一態様に係る半導体装置の一形態を、図23、および図24を用いて説明する。
<半導体ウエハ、チップ>
図23(A)は、ダイシング処理が行なわれる前の基板711の上面図を示している。基板711としては、例えば、半導体基板(「半導体ウエハ」ともいう。)を用いることができる。基板711上には、複数の回路領域712が設けられている。回路領域712には、本発明の一態様に係る半導体装置などを設けることができる。
複数の回路領域712は、それぞれが分離領域713に囲まれている。分離領域713と重なる位置に分離線(「ダイシングライン」ともいう。)714が設定される。分離線714に沿って基板711を切断することで、回路領域712を含むチップ715を基板711から切り出すことができる。図23(B)にチップ715の拡大図を示す。
また、分離領域713に導電層、半導体層などを設けてもよい。分離領域713に導電層、半導体層などを設けることで、ダイシング工程時に生じうるESDを緩和し、ダイシング工程に起因する歩留まりの低下を防ぐことができる。また、一般にダイシング工程は、基板の冷却、削りくずの除去、帯電防止などを目的として、炭酸ガスなどを溶解させて比抵抗を下げた純水を切削部に供給しながら行なう。分離領域713に導電層、半導体層などを設けることで、当該純水の使用量を削減することができる。よって、半導体装置の生産コストを低減することができる。また、半導体装置の生産性を高めることができる。
<電子部品>
チップ715を用いた電子部品の一例について、図24(A)および図24(B)を用いて説明する。なお、電子部品は、半導体パッケージ、またはIC用パッケージともいう。電子部品は、端子取り出し方向、端子の形状などに応じて、複数の規格、名称などが存在する。
電子部品は、組み立て工程(後工程)において、上記実施の形態に示した半導体装置と該半導体装置以外の部品が組み合わされて完成する。
図24(A)に示すフローチャートを用いて、後工程について説明する。前工程において基板711に本発明の一態様に係る半導体装置などを形成した後、基板711の裏面(半導体装置などが形成されていない面)を研削する「裏面研削工程」を行なう(ステップS721)。研削により基板711を薄くすることで、電子部品の小型化を図ることができる。
次に、基板711を複数のチップ715に分離する「ダイシング工程」を行う(ステップS722)。そして、分離したチップ715を個々のリードフレーム上に接合する「ダイボンディング工程」を行う(ステップS723)。ダイボンディング工程におけるチップ715とリードフレームとの接合は、樹脂による接合、またはテープによる接合など、適宜製品に応じて適した方法を選択する。なお、リードフレームに代えてインターポーザ基板上にチップ715を接合してもよい。
次いで、リードフレームのリードとチップ715上の電極とを、金属の細線(ワイヤー)で電気的に接続する「ワイヤーボンディング工程」を行う(ステップS724)。金属の細線には、銀線、金線などを用いることができる。また、ワイヤーボンディングは、例えば、ボールボンディング、またはウェッジボンディングを用いることができる。
ワイヤーボンディングされたチップ715は、エポキシ樹脂などで封止される「封止工程(モールド工程)」が施される(ステップS725)。封止工程を行うことで電子部品の内部が樹脂で充填され、チップ715とリードを接続するワイヤーを機械的な外力から保護することができ、また水分、埃などによる特性の劣化(信頼性の低下)を低減することができる。
次いで、リードフレームのリードをめっき処理する「リードめっき工程」を行なう(ステップS726)。めっき処理によりリードの錆を防止し、後にプリント基板に実装する際のはんだ付けをより確実に行うことができる。次いで、リードを切断および成形加工する「成形工程」を行なう(ステップS727)。
次いで、パッケージの表面に印字処理(マーキング)を施す「マーキング工程」を行なう(ステップS728)。そして外観形状の良否、動作不良の有無などを調べる「検査工程」(ステップS729)を経て、電子部品が完成する。
また、完成した電子部品の斜視模式図を図24(B)に示す。図24(B)では、電子部品の一例として、QFP(Quad Flat Package)の斜視模式図を示している。図24(B)に示す電子部品750は、リード755およびチップ715を有する。電子部品750は、チップ715を複数有していてもよい。
図24(B)に示す電子部品750は、例えばプリント基板752に実装される。このような電子部品750が複数組み合わされて、それぞれがプリント基板752上で電気的に接続されることで電子部品が実装された基板(実装基板754)が完成する。完成した実装基板754は、電子機器などに用いられる。
(実施の形態7)
<電子機器>
本発明の一態様に係る半導体装置は、様々な電子機器に用いることができる。図25に、本発明の一態様に係る半導体装置を用いた電子機器の具体例を示す。
図25(A)は、自動車の一例を示す外観図である。自動車2980は、車体2981、車輪2982、ダッシュボード2983、およびライト2984等を有する。また、自動車2980は、アンテナ、バッテリなどを備える。
図25(B)に示す情報端末2910は、筐体2911に、表示部2912、マイク2917、スピーカ部2914、カメラ2913、外部接続部2916、および操作スイッチ2915等を有する。表示部2912には、可撓性基板が用いられた表示パネルおよびタッチスクリーンを備える。また、情報端末2910は、筐体2911の内側にアンテナ、バッテリなどを備える。情報端末2910は、例えば、スマートフォン、携帯電話、タブレット型情報端末、タブレット型パーソナルコンピュータ、電子書籍端末等として用いることができる。
図25(C)に示すノート型パーソナルコンピュータ2920は、筐体2921、表示部2922、キーボード2923、およびポインティングデバイス2924等を有する。また、ノート型パーソナルコンピュータ2920は、筐体2921の内側にアンテナ、バッテリなどを備える。
図25(D)に示すビデオカメラ2940は、筐体2941、筐体2942、表示部2943、操作スイッチ2944、レンズ2945、および接続部2946等を有する。操作スイッチ2944およびレンズ2945は筐体2941に設けられており、表示部2943は筐体2942に設けられている。また、ビデオカメラ2940は、筐体2941の内側にアンテナ、バッテリなどを備える。そして、筐体2941と筐体2942は、接続部2946により接続されており、筐体2941と筐体2942の間の角度は、接続部2946により変えることが可能な構造となっている。筐体2941に対する筐体2942の角度によって、表示部2943に表示される画像の向きの変更や、画像の表示/非表示の切り換えを行うことができる。
図25(E)にバングル型の情報端末の一例を示す。情報端末2950は、筐体2951、および表示部2952等を有する。また、情報端末2950、筐体2951の内側にアンテナ、バッテリなどを備える。表示部2952は、曲面を有する筐体2951に支持されている。表示部2952には、可撓性基板を用いた表示パネルを備えているため、フレキシブルかつ軽くて使い勝手の良い情報端末2950を提供することができる。
図25(F)に腕時計型の情報端末の一例を示す。情報端末2960は、筐体2961、表示部2962、バンド2963、バックル2964、操作スイッチ2965、入出力端子2966などを備える。また、情報端末2960、筐体2961の内側にアンテナ、バッテリなどを備える。情報端末2960は、移動電話、電子メール、文章閲覧及び作成、音楽再生、インターネット通信、コンピュータゲームなどの種々のアプリケーションを実行することができる。
表示部2962の表示面は湾曲しており、湾曲した表示面に沿って表示を行うことができる。また、表示部2962はタッチセンサを備え、指やスタイラスなどで画面に触れることで操作することができる。例えば、表示部2962に表示されたアイコン2967に触れることで、アプリケーションを起動することができる。操作スイッチ2965は、時刻設定のほか、電源のオン、オフ動作、無線通信のオン、オフ動作、マナーモードの実行及び解除、省電力モードの実行及び解除など、様々な機能を持たせることができる。例えば、情報端末2960に組み込まれたオペレーティングシステムにより、操作スイッチ2965の機能を設定することもできる。
また、情報端末2960は、通信規格された近距離無線通信を実行することが可能である。例えば無線通信可能なヘッドセットと相互通信することによって、ハンズフリーで通話することもできる。また、情報端末2960は入出力端子2966を備え、他の情報端末とコネクターを介して直接データのやりとりを行うことができる。また入出力端子2966を介して充電を行うこともできる。なお、充電動作は入出力端子2966を介さずに無線給電により行ってもよい。
例えば、本発明の一態様の半導体装置を用いた記憶装置は、上述した電子機器の制御情報や、制御プログラムなどを長期間保持することができる。本発明の一態様に係る半導体装置を用いることで、信頼性の高い電子機器を実現することができる。
本実施の形態は、他の実施の形態や実施例などに記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
100 容量素子
110 導電体
112 導電体
120 導電体
130 絶縁体
150 絶縁体
200 トランジスタ
203 導電体
203a 導電体
203b 導電体
205 導電体
205a 導電体
205b 導電体
207 導電体
210 絶縁体
212 絶縁体
214 絶縁体
216 絶縁体
220 絶縁体
222 絶縁体
224 絶縁体
230 酸化物
230a 酸化物
230A 酸化膜
230b 酸化物
230B 酸化膜
230c 酸化物
230C 酸化膜
230d 領域
230i 領域
230s 領域
244 導電体
244a 導電体
244b 導電体
246 導電体
248 導電体
250 絶縁体
250A 絶縁膜
260 導電体
260a 導電体
260A 導電膜
260b 導電体
260B 導電膜
270 絶縁体
270A 絶縁膜
272 絶縁体
272A 絶縁膜
274 絶縁体
276 絶縁体
280 絶縁体
282 絶縁体
286 絶縁体
300 トランジスタ
311 基板
313 半導体領域
314a 低抵抗領域
314b 低抵抗領域
315 絶縁体
316 導電体
320 絶縁体
322 絶縁体
324 絶縁体
326 絶縁体
328 導電体
330 導電体
350 絶縁体
352 絶縁体
354 絶縁体
356 導電体
360 酸化物
362 酸化物
366 導電体
400 トランジスタ
403 導電体
403a 導電体
403b 導電体
405 導電体
405a 導電体
405b 導電体
426a 領域
430 酸化物
430c 酸化物
431a 酸化物
431b 酸化物
432a 酸化物
432b 酸化物
450 絶縁体
460 導電体
460a 導電体
460b 導電体
470 絶縁体
472 絶縁体
500 構造
600a メモリセル
600b メモリセル
1601 配線
1602 配線
1603 配線
1604 配線
1605 配線
1606 配線
1607 配線
1608 配線
3001 配線
3002 配線
3003 配線
3004 配線
3005 配線
3006 配線
3007 配線
3008 配線
3009 配線
3010 配線

Claims (4)

  1. 基板上に配置された第1の導電体と、
    前記第1の導電体の上に配置された第1の絶縁体と、
    前記第1の絶縁体の上に配置された酸化物と、
    前記酸化物の上に配置された第2の絶縁体と、
    前記第2の絶縁体の上に配置された第2の導電体と、
    前記第2の導電体の上に配置された第3の絶縁体と、
    前記第2の絶縁体の側面、前記第2の導電体の側面、前記第3の絶縁体の側面に接して配置された第4の絶縁体と、
    前記酸化物、かつ前記第4の絶縁体に接して配置された第5の絶縁体と、を有し
    前記第2の導電体は、
    第1の領域と、前記酸化物の側面を覆う第2の領域と、を有し、
    前記第1の領域内における、前記第2の導電体の第1の側面と前記第1の側面と対向する第2の側面との距離は、前記第2の領域おける、前記第2の導電体の第3の側面と前記第3の側面と対向する第4の側面との距離よりも、小さく、
    前記酸化物において、前記酸化物の上面と、前記酸化物の側面が交わる領域は、前記第2の領域に覆われていることを特徴とする半導体装置。
  2. 基板上に配置された第1の導電体と、
    前記第1の導電体の上に配置された第1の絶縁体と、
    前記第1の絶縁体の上に配置された酸化物と、
    前記酸化物の上に配置された第2の絶縁体と、
    前記第2の絶縁体の上に配置された第2の導電体と、
    前記第2の導電体の上に配置された第3の絶縁体と、
    前記第2の絶縁体の側面、前記第2の導電体の側面、前記第3の絶縁体の側面に接して配置された第4の絶縁体と、
    前記酸化物、かつ前記第4の絶縁体に接して配置された第5の絶縁体と、を有し
    前記酸化物は、
    第1の領域と、第2の領域、および前記第2の導電体と重なる第3の領域を有し、
    前記第1の領域の少なくとも一部、および前記第2の領域の少なくとも1部は、前記第5の絶縁体と接し、
    前記第1の領域と、前記第2の領域との間に、前記第3の領域が配置し、
    前記酸化物の側面、および上面の一部における前記第1の領域と、第2の領域との距離は、前記酸化物の上面における前記第1の領域と、第2の領域との距離よりも、大きく、
    前記第2の領域は、水素および窒素の少なくとも一方の濃度が前記第1の領域よりも大きい、ことを特徴とする半導体装置。
  3. 基板上に配置された第1の導電体と、
    前記第1の導電体の上に配置された第1の絶縁体と、
    前記第1の絶縁体の上に配置された酸化物と、
    前記酸化物の上に配置された第2の絶縁体と、
    前記第2の絶縁体の上に配置された第2の導電体と、
    前記第2の導電体の上に配置された第3の絶縁体と、
    前記第2の絶縁体の側面、前記第2の導電体の側面、前記第3の絶縁体の側面に接して配置された第4の絶縁体と、
    前記酸化物、かつ前記第4の絶縁体に接して配置された第5の絶縁体と、を有し
    前記酸化物は、
    第1の領域と、第2の領域、および前記第2の導電体と重なる第3の領域を有し、
    前記第1の領域の少なくとも一部、および前記第2の領域の少なくとも1部は、前記第5の絶縁体と接し、
    前記第1の領域と、前記第2の領域との間に、前記第3の領域が配置し、
    前記酸化物の側面、および上面の一部における前記第1の領域と第2の領域との距離は、前記酸化物の上面における前記第1の領域と第2の領域との距離よりも、大きく、
    前記第2の領域は、水素および窒素の少なくとも一方の濃度が前記第1の領域よりも大きく、
    前記第2の導電体は、
    第4の領域と、前記酸化物の側面を覆う第5の領域と、を有し、
    前記第4の領域内における、前記第2の導電体の第1の側面と前記第1の側面と対向する第2の側面との距離は、前記第5の領域おける、前記第2の導電体の第3の側面と前記第3の側面と対向する第4の側面との距離よりも、小さく、
    前記酸化物において、前記酸化物の上面と、前記酸化物の側面が交わる領域は、前記第5の領域に覆われていることを特徴とする半導体装置。
  4. 請求項1乃至3において、
    前記酸化物、および前記酸化物は、それぞれ、Inと、元素M(MはAl、Ga、Y、またはSn)と、Znと、を含む、ことを特徴とする半導体装置。
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