JP7077936B2 - 燃料電池スタック - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池スタックに関する。
燃料電池スタックは、複数の単セルが積層されて構成され、このような単セルは、膜電極拡散層接合体やセパレータ等の複数の部材が積層されて構成される(例えば特許文献1参照)。
特開2017-535915号公報
例えば燃料電池スタックの発電停止後に氷点下環境下に置かれると、単セルの厚みが収縮した状態で、単セルの外周部で部材同士が凍結して固定される場合があり得る。このような状態で燃料電池スタックの発電が開始されると、発電に伴う発熱により単セルの中央部に位置する膜電極拡散層接合体の厚みは膨張する。しかしながら、単セルの外周部までに熱が伝わるには時間を要するため、単セルの中央部での厚みは膨張しているが、単セルの外周部の厚みは凍結により収縮した状態のままに固定される場合があり得る。このように単セルの中央部と外周部とで厚みの差が増大した状態で凍結が一部で解除されると、それまで固定された外周部で部材同士の間で一時的にシール性が低下する可能性がある。
そこで本発明は、外周部が凍結した状態で発電が開始された際のシール性の低下が抑制された燃料電池スタックを提供することを目的とする。
上記目的は、複数の単セルが積層された燃料電池スタックであって、前記複数の単セルの少なくとも一つは、膜電極拡散層接合体と、前記膜電極拡散層接合体の外周部に接合された枠状の絶縁部材と、前記膜電極拡散層接合体及び絶縁部材に対向した第1セパレータと、前記膜電極拡散層接合体及び絶縁部材とは反対側で前記第1セパレータに対向した第2セパレータと、を備え、前記第1及び第2セパレータは、当該第1及び第2セパレータの間で冷却水が流れる冷却水流路部を画定し、前記絶縁部材と前記第1及び第2セパレータとには、前記冷却水が流れると共に前記絶縁部材と前記第1及び第2セパレータとを貫通した第1及び第2マニホールドが形成されており、前記冷却水流路部は、前記膜電極拡散層接合体に対向した複数の中央路と、前記複数の中央路と前記第1マニホールドとを接続した複数の第1中継路と、前記複数の中央路と前記第2マニホールドとを接続した複数の第2中継路と、前記複数の第1中継路及び複数の第2中継路に交差し、前記第1及び第2セパレータと前記絶縁部材との外周部に沿って延びた外周路と、前記外周路が前記複数の第1中継路に交差した領域から外れた位置で前記外周路と前記第1マニホールドとを接続し、前記複数の中央路とは非接続である第1案内路と、を含み、前記外周路と前記第1案内路との接続地点での前記外周路と前記第1案内路との間の、前記第1マニホールド側であって且つ前記複数の第1中継路側の角度は、前記第1マニホールド側であって且つ前記複数の第1中継路とは反対側の角度よりも小さい、燃料電池スタックによって達成できる。
上記構成により、冷却水が第1マニホールドから第1案内路を介して外周路内に流入する場合では、外周路内に流入した冷却水は複数の第1中継路から遠ざかる方向に流れることが促進されるため、冷却水が外周路を流れることが促進される。また、冷却水が外周路から第1案内路を介して第1マニホールドに排出される場合では、外周路から第1案内路に冷却水が流入して第1マニホールドに排出されることが促進されるため、冷却水が外周路を流れることが促進される。以上により、外周部が凍結した状態で発電が開始された際には、外周部を流れる冷却水により外周部を早期に昇温でき、単セルの外周部と中央部との厚みの差が増大する前に外周部の凍結を早期に解除でき、シール性の低下を抑制できる。
前記冷却水流路部は、前記外周路が前記複数の第2中継路に交差した領域から外れた位置で前記外周路と前記第2マニホールドとを接続し前記複数の中央路とは非接続である第2案内路、を含み、前記外周路と前記第2案内路との接続地点での前記外周路と前記第2案内路との間の、前記第2マニホールド側であって且つ前記複数の第2中継路側の角度は、前記第2マニホールド側であって且つ前記複数の第2中継路とは反対側の角度よりも小さくてもよい。
前記第1中継路に対して矩形状に形成された前記第1セパレータの短手方向の一方側に前記第1案内路が設けられ前記第2中継路に対して前記短手方向の前記一方側に前記第2案内路が設けられていてもよい。
前記冷却水流路部は、前記外周路が前記複数の第1中継路に交差した領域から外れた位置で前記外周路と前記第1マニホールドとを接続し前記複数の中央路とは非接続である第3案内路、を含み、前記第3案内路は、前記複数の第1中継路を介して前記第1案内路とは反対側で前記外周路に接続し、前記外周路と前記第3案内路との接続地点での前記外周路と前記第3案内路との間の、前記第1マニホールド側であって且つ前記複数の第1中継路側の角度は、前記第1マニホールド側であって且つ前記複数の第1中継路とは反対側の角度よりも小さくてもよい。
前記冷却水流路部は、前記外周路が前記複数の第2中継路に交差した領域から外れた位置で前記外周路と前記第2マニホールドとを接続し前記複数の中央路とは非接続である第4案内路、を含み、前記第4案内路は、前記複数の第2中継路を介して前記第2案内路とは反対側で前記外周路に接続し、前記外周路と前記第4案内路との接続地点での前記外周路と前記第4案内路との間の、前記第2マニホールド側であって且つ前記複数の第2中継路側の角度は、前記第2マニホールド側であって且つ前記複数の第2中継路とは反対側の角度よりも小さくてもよい。
前記絶縁部材と前記第1及び第2セパレータとを貫通し、前記第1マニホールドに隣接し、反応ガスが流れる反応ガスマニホールドを備え、前記外周路は、前記第1マニホールドと前記反応ガスマニホールドとの間を通過し、前記第1案内路は、前記第1マニホールドと前記反応ガスマニホールドとの間に位置していてもよい。
前記第1案内路は、前記第1マニホールドと前記複数の中央路との間に位置していてもよい。
前記第1案内路は、複数設けられていてもよい。
前記冷却水流路部は、前記外周路が前記複数の第1中継路に交差した領域から外れた位置で前記外周路と前記第1マニホールドとを接続し前記複数の中央路とは非接続である接続路、を含み、前記外周路と前記接続路との接続地点での前記外周路と前記接続路との間の、前記第1マニホールド側であって且つ前記複数の第1中継路側の角度は、前記第1マニホールド側であって且つ前記複数の第1中継路とは反対側の角度以上であり、前記接続路は、前記第1案内路と前記第1中継路との間に位置していてもよい。
前記複数の単セルの少なくとも一つは、第1及び第2単セルを含み、前記第1単セルの前記第1セパレータは、前記第1単セルの前記第2セパレータから退避するように凹んだ第1外周溝を含み、前記第1単セルの前記第2セパレータは、前記第1単セルの前記第1セパレータから退避するように凹んだ第2外周溝を含み、前記第1単セルの前記第1及び第2外周溝は、前記第1単セルの前記外周路を画定し、前記第1単セルの前記第1外周溝は、前記第1単セルの前記絶縁部材側に突出して、弾性部材を介して前記第1単セルの前記絶縁部材に当接し、前記第2単セルの前記第1セパレータは、前記第2単セルの前記第2セパレータから退避するように凹んだ第3外周溝を含み、前記第2単セルの前記第2セパレータは、前記第2単セルの前記第1セパレータから退避するように凹んだ第4外周溝を含み、前記第2単セルの前記第3及び第4外周溝は、前記第2単セルの前記外周路を画定し、前記第2単セルの前記第外周溝は、前記第単セルの前記絶縁部材側に突出して、弾性部材を介して前記第単セルの前記絶縁部材に当接してもよい。
外周部が凍結した状態で発電が開始された際のシール性の低下が抑制された燃料電池スタックを提供できる。
図1は、燃料電池スタックの単セルの分解斜視図である。 図2A及び図2Bは、上方側から見た場合でのセパレータの部分拡大図である。 図3は、セパレータの孔周辺の部分拡大斜視図である。 図4は、図2AのA-A線に対応した燃料電池スタックの部分断面図である。 図5は、図2BのB-B線に対応した燃料電池スタックの部分断面図である。 図6は、図2AのC-C線に対応した燃料電池スタックの部分断面図である。 図7A~図7Dは、それぞれ上方側から見た場合での案内溝周辺の部分拡大図である。 図8A及び図8Bは、比較例で起こり得る問題の説明図である。 図9Aは、上方側から見た場合の第1変形例のセパレータの案内溝周辺の部分拡大図であり、図9Bは、上方側から見た場合での第2変形例のセパレータの案内溝周辺の部分拡大図である。 図10A及び図10Bでは、上方側から見た場合での第3変形例のセパレータの部分拡大図である。 図11は、上方側から見た場合での第3変形例のセパレータの案内溝周辺の部分拡大図である。 図12Aは、上方側から見た場合での第4変形例のセパレータの部分拡大図であり、図12Bは、上方側から見た場合での第4変形例のセパレータの接続溝周辺の部分拡大図である。
[燃料電池スタックの概略構成]
図1は、燃料電池スタック1の単セル2の分解斜視図である。燃料電池スタック1は、単セル2が複数積層されることで構成される。図1では、一つの単セル2のみを示し、その他の単セルについては省略してある。尚、図1には、互いに直交するX方向、Y方向、及びZ方向を示している。Z方向は、複数の単セル2が積層される方向に相当する。またX方向及びY方向は、略矩形状に形成された単セル2の短手方向及び長手方向に相当する。+Z方向は、鉛直上方向に相当する。
燃料電池スタック1は、反応ガスとして燃料ガス(例えば水素)と酸化剤ガス(例えば酸素)の供給を受けて発電する固体高分子型燃料電池である。単セル2は、膜電極ガス拡散層接合体10(以下、MEGA(Membrane Electrode Gas diffusion layer Assembly)と称する)と、MEGA10を支持する支持フレーム18と、カソードセパレータ20及びアノードセパレータ40(以下、セパレータと称する)とを含む。セパレータ20は、MEGA10よりも+Z方向側に配置されてMEGA10に対向している。セパレータ40は、MEGA10及び支持フレーム18とは反対側でカソードセパレータ20に対向している。MEGA10は、カソードガス拡散層16c及びアノードガス拡散層16a(以下、拡散層と称する)を有している。支持フレーム18は、内周部がMEGA10の外周部に接合された枠状の絶縁部材の一例である。セパレータ20及び40は、それぞれ第1及び第2セパレータの一例である。
セパレータ20及び40、及び支持フレーム18には、孔a1~a6が貫通するように形成されている。セパレータ20及び40、及び支持フレーム18の2つの短辺の一方側には孔a1~a3が形成され、他方側には孔a4~a6が形成されている。孔a1は、カソード入口マニホールドを画定する。孔a2は、冷却水入口マニホールドを画定する。孔a3は、アノード出口マニホールドを画定する。孔a4は、アノード入口マニホールドを画定する。孔a5は、冷却水出口マニホールドを画定する。孔a6は、カソード出口マニホールドを画定する。尚、本実施例では、冷却水として氷点下環境下でも凍結しない不凍液が用いられる。
MEGA10に対向するセパレータ20の面には、カソード入口マニホールドとカソード出口マニホールドとを連通してカソードガスが流れるカソード流路部20B(以下、流路部と称する)が形成されている。MEGA10に対向するセパレータ20の面とは反対側の面には、冷却水入口マニホールドと冷却水出口マニホールドとを連通して冷却水が流れる冷却水流路部20A(以下、流路部と称する)が形成されている。また、流路部20Aと対向するセパレータ40にも、冷却水入口マニホールドと冷却水出口マニホールドとを連通して冷却水が流れる冷却水流路部40A(以下、流路部と称する)が形成されている。セパレータ40の流路部40Aとは反対側の面には、アノード入口マニホールドとアノード出口マニホールドとを連通しアノードガスが流れるアノード流路部40Bが形成されている。流路部20A及び20Bは、セパレータ20の長手方向(Y方向)に延びている。流路部40A及び40Bも同様に、セパレータ40の長手方向(Y方向)に延びている。
流路部20Aは、セパレータ40から退避するように凹んだ複数の溝から構成される。流路部40Aは、セパレータ20から退避するように凹んだ複数の溝から構成される。流路部20Bは、MEGA10から退避するように凹んだ複数の溝から構成される。流路部40Bは、図示はしていないが、セパレータ20とは反対側でセパレータ40に隣接するMEGAから退避するように凹んだ複数の溝から構成される。セパレータ20及び40は、ガス遮断性及び導電性を有する材料によって形成され、プレス成形されたステンレス鋼や、チタンやチタン合金といった金属によって形成される薄板状部材である。
セパレータ20の孔a1~a6周りにはそれぞれ、ビードシール(以下、単にビードと称する)291~296が形成されている。セパレータ40の孔a1~a6周りにもそれぞれ、ビードシール(以下、単にビードと称する)491~496が形成されている。これらのビードは、孔a1~a6からの反応ガスや冷却水の漏れを防止する。ビード291~296及び491~496は、Z方向で支持フレーム18に重なる位置にあるがMEGA10には重ならない位置に設けられている。
[冷却水流路部の構成]
流路部20Aは、複数の中央溝21、外周溝22、複数の中継溝23及び24、複数の案内溝25~28を含む。複数の中央溝21は、孔a1~a3が形成された領域と、孔a4~a6が形成された領域との間で、Y方向に略平行に延びてX方向に複数並設されている。
外周溝22は、詳しくは後述するが、冷却水の漏れを防止するビードとしても機能し、孔a2及びa5やビード292及び295は包囲しないが、複数の中央溝21や孔a1、a3、a4、及びa6、ビード291、293、294、及び296の全体を包囲し、セパレータ20の外周部の大半の部分に沿って延びている。外周溝22は、Z方向で支持フレーム18に重なる位置にあるがMEGA10には重ならない位置に設けられている。外周溝22は、外周路の一例である。
複数の中継溝23は、ビード292及び外周溝22に略直交するように交差し、Y方向に略平行に延びて孔a2と複数の中央溝21とを接続している。複数の中継溝24は、ビード295及び外周溝22に略直交するように交差して、Y方向に略平行に延びて孔a5と複数の中央溝21とを接続している。本実施例では、中継溝23及び24のそれぞれの数は4つであるが、これに限定されず、中央溝21よりも少ない数だけ設けられていればよい。複数の中継溝23と複数の中継溝24とは、複数の第1中継路と複数の第2中継路との一例である。孔a2及びa5は、第1及び第2マニホールドの一例である。
案内溝25及び27は、外周溝22が複数の中継溝23に交差した領域から外れた位置で外周溝22と孔a2とを接続し、複数の中央溝21とは非接続である。「外周溝22が複数の中継溝23に交差した領域から外れた位置」とは、少なくとも2つの中継溝23に挟まれる領域を除外した位置を意味する。案内溝25は、複数の中継溝23よりも+X方向側に位置し、案内溝27は、複数の中継溝23よりも-X方向側に位置する。換言すれば、案内溝25は、複数の中継溝23よりも孔a1の近くに位置し、案内溝27は、複数の中継溝23よりも孔a3の近くに位置する。また、案内溝25及び27は、孔a2の中心を通過しY方向に平行な線分に対して互いに反対側に位置している。このように、案内溝25及び27は、複数の中継溝23を介して互いに反対側に位置している。案内溝25及び27は、ビード292に交差している。
案内溝26及び28は、外周溝22が複数の中継溝24に交差した領域から外れた位置で外周溝22と孔a5とを接続し、複数の中央溝21とは非接続である。「外周溝22が複数の中継溝24に交差した領域から外れた位置」とは、少なくとも2つの中継溝23に挟まれる領域を除外した位置を意味する。案内溝26及び28は、ビード295に交差している。案内溝26は、複数の中継溝24よりも+X方向側に位置し、案内溝28は、複数の中継溝24よりも-X方向側に位置する。換言すれば、案内溝26は、複数の中継溝24よりも孔a4の近くに位置し、案内溝28は、複数の中継溝24よりも孔a6の近くに位置する。また、案内溝26及び28は、孔a5の中心を通過しY方向に平行な線分に対して互いに反対側に位置している。このように、案内溝26及び28は、複数の中継溝23を介して互いに反対側に位置している。案内溝26及び28は、ビード295に交差している。本実施例では、案内溝25~28は、それぞれ2つ設けられているがこれに限定されない。案内溝25~28は、第1~第4案内路の一例である。
流路部20Aと同様に、流路部40Aも、複数の中央溝41、外周溝42、複数の中継溝43及び44、及び複数の案内溝45~48を含む。中央溝41、外周溝42、中継溝43及び44、及び案内溝45~48は、それぞれ、中央溝21、外周溝22、中継溝23及び24、及び案内溝25~28にZ方向で対向しており、互いに対応した形状である。外周溝42も、外周溝22と同様に、冷却水の漏れを防止するビードとしても機能する。外周溝42は、外周路の一例である。複数の中継溝43と複数の中継溝44とは、複数の第1中継路と複数の第2中継路との一例である。
案内溝45及び47も同様に、外周溝42が複数の中継溝43に交差した領域から外れた位置で外周溝42と孔a2とを接続し、複数の中央溝41とは非接続である。案内溝45及び47は、ビード492に交差している。案内溝46及び48は、外周溝42が複数の中継溝44に交差した領域から外れた位置で外周溝42と孔a5とを接続し、複数の中央溝41とは非接続である。案内溝46及び48は、ビード495に交差している。案内溝45~48は、第1~第4案内路の一例である。
[外周溝の構成]
図2A及び図2Bは、上方側から見た場合でのセパレータ20の部分拡大図である。図1、図2A、及び図2Bに示すように、外周溝22は、外側部221及び222、内側部223及び224、及び連通部225~228を含む。図1及び図2Aに示すように、内側部223は、孔a2と複数の中央溝21との間で略X方向に延びており、領域R3で中継溝23に交差している。尚、上述したように案内溝25及び27は、外周溝22が中継溝23と交差した領域R3から外れた位置に設けられている。連通部225は、外側部221及び内側部223に接続しており、孔a1及びa2の間で略Y方向に平行に延びている。連通部227は、外側部221及び内側部223に接続しており、孔a2及びa3の間で略Y方向に平行に延びている。
また、図1及び図2Bに示すように、内側部224は、孔a5と複数の中央溝21との間で略X方向に延びており、領域R4で中継溝24に交差している。尚、上述したように案内溝26及び28は、外周溝22が中継溝24と交差した領域R4から外れた位置に設けられている。連通部226は、外側部221及び内側部224に接続しており、孔a4及びa5の間で略Y方向に平行に延びている。連通部228は、外側部221及び内側部224に接続しており、孔a5及びa6の間で略Y方向に平行に延びている。
図1、図2A、及び図2Bに示すように、外側部221は、連通部225からセパレータ20の-Y方向側の短辺に沿って+X方向に延び、セパレータ20の-Y方向側及び+X方向側の角部からセパレータ20の+X方向側の長辺に沿って+Y方向に延び、セパレータ20の+Y方向側及び+X方向側の角部からセパレータ20の+Y方向側の短辺に沿って-X方向に延び、連通部226に接続している。外側部222は、連通部227からセパレータ20の-Y方向側の短辺に沿って-X方向に延び、セパレータ20の-Y方向側及び-X方向側の角部から-X方向側の長辺に沿って+Y方向に延び、セパレータ20の+Y方向側及び-X方向側の角部から+X方向側の短辺に沿って+X方向に延びて、連通部228に接続している。外側部221、連通部225及び226は、それぞれ外側部222、連通部227及び228と、孔a2と孔a5とを通過するY方向に平行な線分に対して略対称の位置に設けられている。
冷却水の大部分は、孔a2から、中継溝23、中央溝21、中継溝24、孔a5の順に流れる。その他の冷却水の一部は、孔a2から案内溝25、連通部225、外側部221、案内溝26、孔a5の順に流れる。また、その他の冷却水の一部は、孔a2から案内溝27、連通部227、外側部222、案内溝28、孔a5の順に流れる。即ち、冷却水の大部分は、孔a2から中央溝21を介して孔a5に流れ、その他の冷却水は孔a2から外周溝22を介して孔a5に流れる。尚、中継溝23と案内溝25及び27は、ビード292に交差しており、中継溝24と案内溝26及び28は、ビード295に交差しているため、ビード292及び295内も冷却水が満たされる。
外周溝42も、同様に外側部421及び422、内側部423及び424、及び連通部425~428を含む。外側部421及び422、内側部423及び424、及び連通部425~428は、それぞれ、外側部221及び222、内側部223及び224、連通部225~228にZ方向で対向している。
[冷却性]
図3は、セパレータ40の孔a2周辺の部分拡大斜視図である。セパレータ40の外周溝42や中継溝43、案内溝47、ビード492等は、+Z方向側に突出している。図4は、図2AのA-A線に対応した燃料電池スタック1の部分断面図である。図5は、図2BのB-B線に対応した燃料電池スタック1の部分断面図である。図4及び図5では、2つの単セル2及び2Aのみを図示し、その他の単セルについては省略してある。単セル2と単セル2Aとは、便宜上異なる符号を付しているにすぎず、同一の構造を有している。単セル2Aは、単セル2よりも+Z方向側に配置されている。
MEGA10は、拡散層16a及び16cと、膜電極接合体(以下、MEA(Membrane Electrode Assembly)と称する)11とを有している。MEA11は、電解質膜12と、電解質膜12の一方の面及び他方の面のそれぞれに形成されたアノード触媒層14a及びカソード触媒層14c(以下、触媒層と称する)とを含む。電解質膜12は、湿潤状態で良好なプロトン伝導性を示す固体高分子薄膜であり、例えばフッ素系のイオン交換膜である。触媒層14a及び14cは、例えば白金(Pt)などを担持したカーボン担体とプロトン伝導性を有するアイオノマとを含む触媒インクを、電解質膜12に塗布することにより形成される。拡散層16a及び16cは、ガス透過性及び導電性を有する材料、例えば炭素繊維や黒鉛繊維などの多孔質の繊維基材で形成されている。拡散層16a及び16cは、それぞれ触媒層14a及び14cに接合されている。
触媒層14aは、電解質膜12の一方の面の略全面にわたって形成されている。触媒層14cは、電解質膜12の他方の面の中央部に形成され、電解質膜12の周縁領域には形成されていない。拡散層16aは、その端部が、触媒層14aの端部に略揃う位置に設けられる。拡散層16cは、その端部が触媒層14cの端部よりもやや内側に位置するか又は略揃う位置に設けられており、これにより、電解質膜12の周縁領域が露出するように設けられている。電解質膜12の周縁領域に、支持フレーム18の内周部が接合されている。
単セル2の中央溝21、中継溝23、中継溝24、内側部223及び224、ビード292及び295は、単セル2のセパレータ40から退避するように-Z方向に凹んだ溝状であり、換言すれば-Z方向に突出したリブ状である。同様に、単セル2の中央溝41、中継溝43、内側部423及び424、ビード492及び495は、単セル2のセパレータ20から退避するように+Z方向に凹んだ溝状であり、換言すれば+Z方向に突出したリブ状である。
単セル2の中央溝21は単セル2の拡散層16cに当接し、単セル2の中央溝41は単セル2Aの拡散層16aに当接している。ここで、単セル2の中央溝21及び41は、Z方向で単セル2及び2AのMEGA10に重なる位置に設けられている。このため、単セル2の中央溝21及び41間を冷却水が流れることにより、発電反応により高温となった単セル2及び2AのMEGA10から熱を奪うことができ、単セル2及び2Aを冷却できる。
尚、単セル2の隣接する中央溝21の間には、単セル2の拡散層16cから退避したリブ21rが形成されており、このリブ21rと単セル2の拡散層16cとの間にはカソードガスが流れる。単セル2の隣接する中央溝41の間には、単セル2Aの拡散層16aから退避したリブ41rが形成されており、このリブ41rと単セル2Aの拡散層16aとの間にはアノードガスが流れる。
[シール性]
図4及び図5に示すように、単セル2の内側部223及び224、ビード292及び295は、XY平面方向でMEGA10から離れた位置にあり、弾性部材であるゴム5を介して単セル2の支持フレーム18に当接している。単セル2の内側部423及び424、ビード492及び495も、XY平面方向でMEGA10から離れた位置にあり、ゴム5を介して単セル2Aの支持フレーム18に当接している。これら内側部223及び423等は、単セル2及び2A等の複数の単セルが積層されてZ方向に圧縮力が加えられた際には弾性変形する。この弾性復元力が単セル2及び2Aの支持フレーム18に作用することにより、シール性が確保されている。
尚、内側部223やビード292等と中央溝21との-Z方向の突出量は略同じである。内側部423やビード492等の+Z方向での突出量は、中央溝41よりも、拡散層16a、触媒層14a、及び電解質膜12の合計の厚みと同程度大きいため、単セル2の内側部423やビード492等は、単セル2Aの支持フレーム18に当接する。単セル2の中継溝23及び24の-Z方向の突出量は、内側部223及び224、ビード292及び294よりも小さく、単セル2の支持フレーム18には当接していない。同様に、単セル2の中継溝43及び44も、単セル2Aの支持フレーム18には当接していない。
図6は、図2AのC-C線に対応した燃料電池スタック1の部分断面図である。単セル2の案内溝25及び連通部225は、単セル2のセパレータ40から退避するように-Z方向に凹んだ溝状であり、換言すれば-Z方向に突出したリブ状である。同様に、単セル2の案内溝45及び連通部425は、単セル2のセパレータ20から退避するように+Z方向に凹んだ溝状であり、換言すれば+Z方向に突出したリブ状である。単セル2の連通部225及び425の突出量は、それぞれ上述した内側部223及び423と同じである。単セル2の連通部225は、ゴム5を介して単セル2の支持フレーム18に当接している。単セル2の連通部425は、ゴム5を介して単セル2Aの支持フレーム18に当接している。連通部225及び425についても、上述した内側部223及び423と同様に、単セル2及び2A等の複数の単セルが積層されてZ方向に圧縮力が加えられた際には弾性変形することにより、シール性が確保されている。
尚、案内溝25及び45の突出量は、それぞれ上述した中継溝23及び43と同じであり、単セル2及び2Aの何れの支持フレーム18には当接しない。図6に示すように、案内溝25及び45は、それぞれ、ビード292及び492を交差して連通部225及び425に接続されているが、連通部225及び425を貫通するようには接続されていない。その他の案内溝26~28及び46~48も、同様に何れの支持フレームにも当接しない。
[案内溝と外周溝との接続角度]
次に、案内溝と外周溝との接続角度について説明する。図7A~図7Dは、それぞれ上方側から見た場合での案内溝25~28周辺の部分拡大図である。図7Aに示すように、案内溝25は、孔a2からX方向と-Y方向との間の方向に、略直線状に延びて外周溝22の連通部225に接続している。図7Aには、案内溝25の幅の中心を示す中心線25Aと、連通部225の幅の中心を示す中心線225Aと、中心線25Aと中心線225Aとの交点25Cと、交点25C周りの角度であって孔a2側且つ中継溝23側の角度αと、孔a2側且つ中継溝23の反対側の角度βとを示している。交点25Cは、案内溝25と外周溝22との接続地点を示す。ここで、角度αは角度βよりも小さい。即ち、α<βの関係が成立している。
このため、孔a2から案内溝25を介して連通部225に流入した冷却水は、連通部225内で+Y方向よりも-Y方向に流れることが促進される。具体的には、案内溝25以外の経路から連通部225内に流入する冷却水の影響を除外すると、案内溝25から連通部225に流入して連通部225内を+Y方向に流れる冷却水の流量よりも、案内溝25から連通部225内に流入して連通部225内を-Y方向に流れる冷却水の流量の方が大きい。従って、冷却水は、案内溝25から連通部225を介して外側部221に流れることが促進されている。即ち、外周溝22及び42内を流れることにより単セル2の外周部に沿って流れる冷却水の流量が確保されている。
例えば、本実施例とは異なり仮にα>βの関係が成立しているとすると、孔a2から案内溝25を介して連通部225に流入した冷却水は、連通部225内で-Y方向よりも+Y方向に流れることが促進される。この場合、冷却水は、案内溝25から連通部225を介して外側部221ではなく内側部223に流れて、内側部223から中継溝23を介して中央溝21へと流れることが促進される。また、仮にα=βの関係が成立しているとすると、孔a2から案内溝25を介して連通部225に流入した冷却水は、連通部225内で-Y方向と+Y方向とに同程度流れると考えられる。何れの場合も、本実施例の方が、単セル2の外周部に沿って流れる冷却水の流量が確保されている。
図7Bに示すように、案内溝27についても同様に、案内溝27の中心線27Aと連通部227の中心線227Aとの交点27C周りの、孔a2側且つ中継溝23側の角度αは、孔a2側且つ中継溝23の反対側の角度βよりも小さい。即ち、α<βの関係が成立している。このため、案内溝27から連通部227に流入した冷却水は、連通部227内で+Y方向よりも-Y方向に流れることが促進され、案内溝27から連通部227を介して外側部222に流れることにより、単セル2の外周部に沿って流れる冷却水の流量が確保されている。
図7Cに示すように、案内溝26の中心線26Aと連通部226の中心線226Aとの交点26C周りの、孔a5側且つ中継溝24側の角度αは、孔a5側且つ中継溝24の反対側の角度βよりも小さい。従って、本実施例では連通部226から案内溝26を介して孔a5に排出される冷却水の流量が確保されている。このため、単セル2の外周部に沿って流れる冷却水の流量が確保されている。
図7Dに示すように、案内溝28の中心線28Aと連通部228の中心線228Aとの交点28C周りの、孔a5側且つ中継溝24側の角度αは、孔a5側且つ中継溝24の反対側の角度βよりも小さい。従って、本実施例では連通部228から案内溝28に流入する冷却水の流量が確保されている。このため、単セル2の外周部に沿って流れる冷却水の流量が確保されている。
[比較例での問題点]
以上のように、本実施例では単セル2の外周部に沿って流れる冷却水の流量が確保されている。このような構成による効果について説明する前に、このような構成を備えていない比較例において起こり得る問題点について説明する。図8A及び図8Bは、比較例で起こり得る問題の説明図である。比較例の燃料電池スタック1xの単セル2xのセパレータ20x及び40xは、本実施例とは異なり、単セル2xの外周部に沿って流れる冷却水の流量を確保するための構成は採用されていない。尚、図8A及び図8Bでは、ビード291及び491近傍の単セル2xの外周部と単セル2xの中央部とを示しており、MEGA10x等の図示を簡略化している。
図8Aは、燃料電池スタック1xの発電停止後に氷点下環境下に置かれ、且つ燃料電池スタック1xの外周部に付着した液水が凍結して氷Iとなった状態を示している。燃料電池スタック1xの発電停止後に氷点下環境下に置かれると、燃料電池スタック1xの温度は低下して複数の単セル2x、具体的には、MEGA10xや外側部221及び421、ビード291及び491は、Z方向で収縮する。これらの部材が収縮した状態で、燃料電池スタック1xの外周部に付着した液水が凍結して氷Iとなると、これらの部材が収縮した状態で部材同士が固定される。その後に燃料電池スタック1xの発電が開始されると、MEGA10xは発電反応による熱によってZ方向の厚みが膨張する。しかしながら、MEGA10xよりも外周側、即ち外側部221及び421、ビード291及び491は、MEGA10xからXY平面方向に離れており、更に単セル2xの外周部には氷Iが存在している。このため、単セル2xの外周部は昇温するのに時間を要する。
従って、単セル2xの中央部では厚みが膨張しているが、外周部では氷Iによって部材同士が固定されて厚みが収縮したままの状態となり得る。このような状態で、氷Iの一部が融解して部材同士の固定が解除されると、固定が解除された直後では、外側部221及び421やビード291及び491の伸長が追従できずに、図8Bに示すように、支持フレーム18とセパレータ20x等との間の面圧が低下して、このような部材同士の間のシール性が低下する可能性がある。尚、図8Bは、理解を容易にするために部材同士の隙間を誇張して示している。
[本実施例の構成による効果]
本実施例では、単セル2の外周部を流れる冷却水の流量が確保されている。従って、上記のような状態で燃料電池スタック1の発電が開始された場合であっても、MEGA10の厚みが大きく膨張して単セル2の中央部と外周部との厚みの差が増大する前に、外周部を冷却水の温度にまで早期に昇温して氷Iを早期に融解できる。これにより、単セル2の中央部と外周部との厚みの差の増大を抑制でき、外周部が凍結した状態で発電が開始された際のシール性の低下を抑制できる。
案内溝25は中継溝23に対して+X方向側に設けられ、案内溝26も中継溝24に対して同じ+X方向側に設けられている。このため、案内溝25から連通部225に流入した冷却水は、外側部221を介して連通部226から案内溝26に流れることが促進されている。同様に、案内溝27は中継溝23に対して-X方向側に設けられ、案内溝28も中継溝24に対して同じ-X方向側に設けられている。このため、案内溝27から連通部227に流入した冷却水は、外側部222を介して連通部228から案内溝28に流れることが促進されている。このような構成によっても、単セル2の外周部に沿って流れる冷却水の流量が確保されている。
本実施例では、図2A及び図2Bに示したように、案内溝25~28はそれぞれ2つ設けられている。このため、単セル2の外周部に沿って流れる冷却水の流量が確保されており、シール性の低下が抑制されている。
2つの案内溝25は、互いに略平行に延びているがこれに限定されず、α<βの関係が成立するのであれば、2つの案内溝25は、異なる角度で延びていてもよい。案内溝26~28についても同様である。
本実施例では、案内溝25~28はそれぞれ2つ設けられているが、1又は3以上設けられていてもよい。また、本実施例では案内溝25~28が設けられているが、案内溝25~28の少なくとも一つが設けられていてもよい。例えば、単一の案内溝25のみが設けられている場合には、案内溝25から連通部225に流入して外側部221を流れる冷却水の流量を確保することができるため、案内溝25から連通部225、外側部221、連通部226、内側部224、中継溝24の順に冷却水が流れることを促進できる。また、単一の案内溝26のみが設けられている場合には、連通部226から案内溝26に流入する冷却水の流量を確保することができるため、これにより、中継溝23から内側部223、連通部225、外側部221、連通部226、案内溝26の順に冷却水が流れることを促進できる。案内溝27及び28の一方のみが設けられている場合も同様である。
[第1変形例]
次に、複数の変形例について説明する。尚、以下に説明する変形例において、上実施例と同一の構成については同一の符号を付することにより、重複する説明を省略する。また、以下の説明ではカソードセパレータについて説明するが、アノードセパレータもカソードセパレータに対応するように形成されている。
図9Aは、上方側から見た場合の第1変形例のセパレータ20aの案内溝25a周辺の部分拡大図である。案内溝25aは、複数の中央溝21側に凸となるように緩やかに湾曲している。このため、案内溝25aから連通部225に流入する際の冷却水の圧損の増大が抑制されている。また、案内溝25aにおいても、αa<βaの関係が成立している。このため、冷却水が外周溝22及び42を流れることが促進されており、シール性の低下が抑制される。また、上述した本実施例の案内溝26~28の少なくとも一つが、案内溝25aと同様に複数の中央溝21側に凸となるように緩やかに湾曲していてもよい。例えば、案内溝26が複数の中央溝21側に凸となるように緩やかに湾曲していると、連通部226から案内溝26に流入する際の冷却水の圧損の増大を抑制できる。
[第2変形例]
図9Bは、上方側から見た場合での第2変形例のセパレータ20bの案内溝25b周辺の部分拡大図である。案内溝25bは、複数の中央溝21側とは反対側に凸となるように緩やかに湾曲している。案内溝25bにおいても、αb<βbの関係が成立しているため、シール性の低下が抑制される。また、上述した本実施例の案内溝26~28の少なくとも一つが、案内溝25aと同様に複数の中央溝21とは反対側に凸となるように緩やかに湾曲していてもよい。
[第3変形例]
図10A及び図10Bでは、上方側から見た場合での第3変形例のセパレータ20cの部分拡大図である。第3変形例では、中継溝23及び24は、それぞれ2つ設けられており、案内溝25c~28cはそれぞれ一つ設けられている。このため、領域R3c及びR4cの各面積は、上述した本実施例の領域R3及びR4の各面積よりも小さい。また、案内溝25c及び27cは、領域R3cから外れた位置に設けられ、同様に案内溝26c及び28cは、領域R4cから外れた位置に設けられている。ここで、案内溝25cは、孔a2と孔a1との間ではなく、孔a2と複数の中央溝21との間でビード292に交差して孔a2と内側部223とを接続している。案内溝27cも、孔a2と孔a3との間ではなく、孔a2と複数の中央溝21との間でビード292に交差して孔a2と内側部223とを接続している。案内溝26cは、孔a5と孔a4との間ではなく、孔a5と複数の中央溝21との間でビード295に交差して孔a5と内側部224とを接続している。同様に、案内溝28cは、孔a5と孔a6との間ではなく、孔a5と複数の中央溝21との間でビード295に交差して孔a5と内側部224とを接続している。
図11は、上方側から見た場合での第3変形例のセパレータ20cの案内溝25c周辺の部分拡大図である。案内溝25cの中心線25Acと内側部223の中心線223Aとの交点25Cc周りの、孔a2側且つ中継溝23側の角度αcと、孔a2側且つ中継溝23の反対側の角度βcとは、αc<βcの関係が成立している。従って、案内溝25cから内側部223に流入した冷却水が、内側部223内で+X方向に流れることが促進される。これにより、単セル2の外周部に沿って流れる冷却水の流量を確保できる。
また、案内溝27cと内側部223との接続角度も同様であるため、案内溝27cから内側部223に流入した冷却水は、内側部223内で-X方向に流れることが促進される。更に、案内溝26cと内側部224との接続角度、案内溝28cと内側部224との接続角度も同様である。このため、冷却水が連通部226から内側部224を介して案内溝26cに流入して孔a5に排出されること、及び冷却水が連通部228から内側部224を介して案内溝28cに流入して孔a5に排出されることが促進される。以上のように、単セル2の外周部に沿って流れる冷却水の流量を確保でき、シール性の低下が抑制される。
案内溝25c~28cは、それぞれ直線状に形成されているが、案内溝25c~28cの少なくとも一つが、上述した第1及び第2変形例のように緩やかに湾曲していてもよい。
[第4変形例]
図12Aは、上方側から見た場合での第4変形例のセパレータ20dの部分拡大図である。第4変形例では、上述した本実施例とは異なり、2つの案内溝25の代わりに単一の案内溝25と単一の接続溝25vが設けられている。同様に、単一の案内溝27と単一の接続溝27vが設けられている。図12Bは、上方側から見た場合での第4変形例のセパレータ20dの接続溝25v周辺の部分拡大図である。接続溝25vの中心線25Avと連通部225の中心線225Aとの交点25Cv周りの、孔a2側且つ中継溝23側の角度αvと、孔a2側且つ中継溝23の反対側の角度βvとは、αv=βvの関係が成立している。即ち、接続溝25vは連通部225に直交して接続しており、αv<βvの関係は満たさない。接続溝27vと連通部227との接続角度も同様である。接続溝25v及び27vは、接続路の一例である。
接続溝25vから連通部225内に流入した冷却水が、連通部225内で-Y方向に流れることは促進されない。しかしながら、接続溝25vは、案内溝25と中継溝23との間に位置している。換言すれば、案内溝25及び接続溝25vは、中継溝23を基準として同じ側に配置されているところ、案内溝25の方が接続溝25vよりも中継溝23から離れている。このため、案内溝25から連通部225に流入して-Y方向に流れようとする冷却水の流れが、接続溝25vから連通部225内に流入した冷却水により阻害されることなく、外側部221へと流れることができる。従って、案内溝25により、単セル2の外周部に沿って流れる冷却水の流量を確保でき、シール性の低下が抑制される。接続溝27vに関しても同様に、案内溝27により単セル2の外周部に沿って流れる冷却水の流量を確保できる。尚、接続溝25vと連通部225との接続角度、及び接続溝27vと連通部227との接続角度の少なくとも一方が、αv>βvの場合であっても同様である。
尚、孔a5側の連通部226及び228の少なくとも一方に対して上記のような角度関係のある接続部を設けてもよい。例えば図2Bに示した本実施例の2つの案内溝26のうち一方が上述したような接続溝であった場合には、この接続溝が、案内溝26と中継溝24との間に位置している限り、連通部226からの冷却水は、接続溝に流入する前に案内溝26に流入することが促進される。また、図2Bに示した案内溝28のうち一方が上述したような接続溝であった場合にも、この接続溝が、案内溝28と中継溝24との間に位置していればよい。
[その他の変形例]
上述した本実施例及び変形例において、案内溝の幅は常に一定であるがこれに限定されず、例えば一端から他端にかけて徐々に幅が拡大又は縮小してもよいし、幅が途中で部分的に増大又は縮小してもよい。案内溝が外周溝に接続される部分に、案内溝と外周溝との接続地点での冷却水の圧損を低減するために、アールが設けられていてもよい。上述した本実施例及び変形例では、孔a1~a6は略矩形状であるが、これに限定されず、孔a1~a6の少なくとも一つが円形や楕円形、5以上の角数を有した多角形であってもよい。燃料電池スタックを構成する複数の単セルのうち少なくとも一つが、上述した本実施例及び変形例で示した単セルであればよい。例えば、凍結が生じやすい箇所が予めわかっている場合には、その箇所でのみ上述した本実施例及び変形例で示した単セルを採用してもよい。
以上本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
1 燃料電池スタック
2、2A 単セル
10 膜電極拡散層接合体
a2、a5 孔(第1及び第2マニホールド)
20 カソードセパレータ(第1セパレータ)
40 アノードセパレータ(第2セパレータ)
20A、40A 冷却水流路部
21、41 中央溝(中央路)
22、42 外周溝(外周路)
23、24、43、44 中継溝(中継路)
25~28、45~48 案内溝(案内路)
R3、R4 領域

Claims (10)

  1. 複数の単セルが積層された燃料電池スタックであって、
    前記複数の単セルの少なくとも一つは、
    膜電極拡散層接合体と、
    前記膜電極拡散層接合体の外周部に接合された枠状の絶縁部材と、
    前記膜電極拡散層接合体及び絶縁部材に対向した第1セパレータと、
    前記膜電極拡散層接合体及び絶縁部材とは反対側で前記第1セパレータに対向した第2セパレータと、を備え、
    前記第1及び第2セパレータは、当該第1及び第2セパレータの間で冷却水が流れる冷却水流路部を画定し、
    前記絶縁部材と前記第1及び第2セパレータとには、前記冷却水が流れると共に前記絶縁部材と前記第1及び第2セパレータとを貫通した第1及び第2マニホールドが形成されており、
    前記冷却水流路部は、
    前記膜電極拡散層接合体に対向した複数の中央路と、
    前記複数の中央路と前記第1マニホールドとを接続した複数の第1中継路と、
    前記複数の中央路と前記第2マニホールドとを接続した複数の第2中継路と、
    前記複数の第1中継路及び複数の第2中継路に交差し、前記第1及び第2セパレータと前記絶縁部材との外周部に沿って延びた外周路と、
    前記外周路が前記複数の第1中継路に交差した領域から外れた位置で前記外周路と前記第1マニホールドとを接続し、前記複数の中央路とは非接続である第1案内路と、を含み、
    前記外周路と前記第1案内路との接続地点での前記外周路と前記第1案内路との間の、前記第1マニホールド側であって且つ前記複数の第1中継路側の角度は、前記第1マニホールド側であって且つ前記複数の第1中継路とは反対側の角度よりも小さい、燃料電池スタック。
  2. 前記冷却水流路部は、前記外周路が前記複数の第2中継路に交差した領域から外れた位置で前記外周路と前記第2マニホールドとを接続し前記複数の中央路とは非接続である第2案内路、を含み、
    前記外周路と前記第2案内路との接続地点での前記外周路と前記第2案内路との間の、前記第2マニホールド側であって且つ前記複数の第2中継路側の角度は、前記第2マニホールド側であって且つ前記複数の第2中継路とは反対側の角度よりも小さい、請求項1の燃料電池スタック。
  3. 前記第1中継路に対して矩形状に形成された前記第1セパレータの短手方向の一方側に前記第1案内路が設けられ前記第2中継路に対して前記短手方向の前記一方側に前記第2案内路が設けられている、請求項2の燃料電池スタック。
  4. 前記冷却水流路部は、前記外周路が前記複数の第1中継路に交差した領域から外れた位置で前記外周路と前記第1マニホールドとを接続し前記複数の中央路とは非接続である第3案内路、を含み、
    前記第3案内路は、前記複数の第1中継路を介して前記第1案内路とは反対側で前記外周路に接続し、
    前記外周路と前記第3案内路との接続地点での前記外周路と前記第3案内路との間の、前記第1マニホールド側であって且つ前記複数の第1中継路側の角度は、前記第1マニホールド側であって且つ前記複数の第1中継路とは反対側の角度よりも小さい、請求項1乃至3の何れかの燃料電池スタック。
  5. 前記冷却水流路部は、前記外周路が前記複数の第2中継路に交差した領域から外れた位置で前記外周路と前記第2マニホールドとを接続し前記複数の中央路とは非接続である第4案内路、を含み、
    前記第4案内路は、前記複数の第2中継路を介して前記第2案内路とは反対側で前記外周路に接続し、
    前記外周路と前記第4案内路との接続地点での前記外周路と前記第4案内路との間の、前記第2マニホールド側であって且つ前記複数の第2中継路側の角度は、前記第2マニホールド側であって且つ前記複数の第2中継路とは反対側の角度よりも小さい、請求項2又は3の燃料電池スタック。
  6. 前記絶縁部材と前記第1及び第2セパレータとを貫通し、前記第1マニホールドに隣接し、反応ガスが流れる反応ガスマニホールドを備え、
    前記外周路は、前記第1マニホールドと前記反応ガスマニホールドとの間を通過し、
    前記第1案内路は、前記第1マニホールドと前記反応ガスマニホールドとの間に位置している、請求項1乃至5の何れかの燃料電池スタック。
  7. 前記第1案内路は、前記第1マニホールドと前記複数の中央路との間に位置している、請求項1乃至5の何れかの燃料電池スタック。
  8. 前記第1案内路は、複数設けられている、請求項1乃至7の何れかの燃料電池スタック。
  9. 前記冷却水流路部は、前記外周路が前記複数の第1中継路に交差した領域から外れた位置で前記外周路と前記第1マニホールドとを接続し前記複数の中央路とは非接続である接続路、を含み、
    前記外周路と前記接続路との接続地点での前記外周路と前記接続路との間の、前記第1マニホールド側であって且つ前記複数の第1中継路側の角度は、前記第1マニホールド側であって且つ前記複数の第1中継路とは反対側の角度以上であり、
    前記接続路は、前記第1案内路と前記第1中継路との間に位置している、請求項1乃至8の何れかの燃料電池スタック。
  10. 前記複数の単セルの少なくとも一つは、第1及び第2単セルを含み、
    前記第1単セルの前記第1セパレータは、前記第1単セルの前記第2セパレータから退避するように凹んだ第1外周溝を含み、
    前記第1単セルの前記第2セパレータは、前記第1単セルの前記第1セパレータから退避するように凹んだ第2外周溝を含み、
    前記第1単セルの前記第1及び第2外周溝は、前記第1単セルの前記外周路を画定し、
    前記第1単セルの前記第1外周溝は、前記第1単セルの前記絶縁部材側に突出して、弾性部材を介して前記第1単セルの前記絶縁部材に当接し、
    前記第2単セルの前記第1セパレータは、前記第2単セルの前記第2セパレータから退避するように凹んだ第3外周溝を含み、
    前記第2単セルの前記第2セパレータは、前記第2単セルの前記第1セパレータから退避するように凹んだ第4外周溝を含み、
    前記第2単セルの前記第3及び第4外周溝は、前記第2単セルの前記外周路を画定し、
    前記第2単セルの前記第外周溝は、前記第単セルの前記絶縁部材側に突出して、弾性部材を介して前記第単セルの前記絶縁部材に当接している、請求項1乃至9の何れかの燃料電池スタック。
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